JP2003172040A - 制震壁 - Google Patents
制震壁Info
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- JP2003172040A JP2003172040A JP2001369283A JP2001369283A JP2003172040A JP 2003172040 A JP2003172040 A JP 2003172040A JP 2001369283 A JP2001369283 A JP 2001369283A JP 2001369283 A JP2001369283 A JP 2001369283A JP 2003172040 A JP2003172040 A JP 2003172040A
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- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
所の自由度を高める。施工が簡便であり、かつ模様替え
やレイアウトの変更にも対応し得る制震壁を提供する。 【解決手段】 多数の透孔11を設けた鋼板10を基板
とし、鋼板10の両面に、該鋼板を挟む状態で板材20
を固定する。板材20は、鋼板10の少なくとも各角部
付近に位置している。鋼板10を挟む板材同士20,2
0は、鋼板の透孔11を挿通するボルトを用いて固定さ
れる。鋼板10の両側縁部に、上下の各端部をピン接合
とした平行維持装置30を設け、鋼板10の変形を均一
化させる。
Description
切り壁として好適に用いられる制震壁に関する。
する鋼板を用いた制震壁は知られている。この制震壁
は、地震時に負担するせん断力が比較的大きいため、左
右の柱と上下の梁で囲まれた部分に設置される。したが
って、例えば、集合住宅では、住戸と住戸の戸境壁や、
エレベータシャフト廻りの壁、階段室部分の壁、外壁
等、設置場所がある程度限定される。また、制震壁の負
担せん断力が大きいほど、鋼板は早期に座屈しやすくな
る。これを防止するため、鋼板にリブ(補強材)を溶接
することが行われている。しかし、リブを設けることに
よって、壁厚は厚くなる(板厚の薄い鋼板にリブを溶接
すると板が歪むため、ある程度の板厚が必要であり、薄
くすることは困難である。)。壁厚が厚くなると有効床
面積が減少する。有効床面積の減少を避けるため、やは
り設置場所を制限せざるを得ない。
配置することにより制震機能を得る方法がある。ブレー
スとしては、鋼材を用いるもの、オイルダンパーを用い
るものが知られている。しかし、鋼材ブレースでは、座
屈を防止するため、ブレース材の断面積を大きくする必
要があり、これにより壁厚が厚くなる。また、通常、圧
縮側となるブレース耐力を見込まないで引張りブレース
のみで設計する場合が多いが、圧縮側ブレースのたわみ
しろを考慮することは必要である。また、座屈を許容す
る場合は、部材の局部的な破壊に対して配慮しなければ
ならない。オイルダンパーを用いるものでは、オイルダ
ンパー自体の径が大きくなるため、やはり壁厚が厚くな
る。
制震壁、(B) のブレース方式、両者とも壁厚は厚くな
る。壁厚の増大による有効床面積の減少を避けるため、
設置場所は制限される。また、固定式で一体構造の壁で
あるから、模様替えやレイアウトの変更の際、壁位置を
変えることが難しい。それゆえ、設置場所も制限され
る。さらに、重量が重いため、揚重機で取付けが行わ
れ、人力での施工ができない。(A) のリブ付き鋼板にあ
っては、リブの溶接のための材料費、溶接加工費を要す
る。
るためになされたもので、制震性能を有しながら、壁厚
を抑え、設置場所の自由度を高めた制震壁を提供するこ
と、また、施工が簡便であり、かつ模様替えやレイアウ
トの変更にも対応し得る制震壁を提供することを目的と
する。
成する鋼板の負担せん断力を大きくとることが設置場所
を制限する一要因となること、また、鋼板にリブを設け
ることにより壁厚の増大を免れないこと等に着目し、負
担せん断力を大きくせずに、基板をなす鋼板に独自の構
成を採用して、設置場所の範囲を拡大させることができ
るようにした。
格子状に設けた鋼板を基板とする、制震壁である。
した。 (2) 前記鋼板の両面に、該鋼板を挟む状態で板材を固定
した。 (3) 前記板材は、前記鋼板の少なくとも各角部付近に位
置している。 (4) 前記板材は木質構造である。 (5) 前記鋼板を挟む板材同士が、前記鋼板の透孔を挿通
するボルトを用いて固定される。 (6) 前記鋼板の両側縁部に、上下の各端部をピン接合と
した平行維持装置を設けた。 (7) 前記平行維持装置は、前記鋼板の変形を均一化させ
る機能を有する。
を参照して説明する。各図において、同じ構成要素には
同じ符号を用い、重複する説明は適宜省略する。図1
は、本発明に係る制震壁1の実施例の基本構成を示すも
ので、(a)は正面図、(b)は(a)のb−b断面
図、(c)は側面図、(d)は(a)のd−d断面図で
ある。図1は、制震壁1を設置した状態を示している。
図1(a)において、板材20及び制震壁設置部3は便
宜上、破線で示す。
る鋼板10と、この鋼板10を両側から挟む板材20,
20と、鋼板10の両側縁部に設けられた平行維持装置
30,30とを備えてなる。
が略格子状に設けられている。従来技術のようなリブは
設けられていない。透孔11は、上下及び左右の各方向
に規則的に設けられている。鋼板10は、地震時のエネ
ルギーを吸収する鋼材ダンパーとして機能する。鋼材に
荷重を加えると、先ず荷重の増加に対して変形が比例的
に増加する弾性範囲がある。さらに荷重が増加すると変
形が大きくなり、塑性化する。このような鋼材の塑性化
によって地震時のエネルギーを吸収するのが鋼材ダンパ
ーである。
鋼板10は、軽量化を実現する。また、鋼板10の塑性
化する範囲(面積)を大きくする効果がある。鋼板10
に多数の透孔11を略格子状に設けたため、この鋼板1
0自体が格子材とみなし得る一種のラーメン構造を多数
形成し、その横材及び縦材の両端部で降伏することにな
る。すなわち、多数の透孔11を略格子状に設けること
により、鋼板10の塑性化する範囲(面積)を、局部的
なものから、できるだけ全体的なものへと均等にするこ
とができる。図2に基づいて鋼板10のダンパーとして
のメカニズムを説明すると、鋼板10は、その全体的な
引張圧縮機構を有する。そして、透孔11を設けたこと
によって鋼板10の部分において格子材の曲げせん断機
構が働く(図2左側の拡大図参照)。これら両機構が合
成され、鋼板10が複合的なダンパー機構をもつものと
なる。
さ、数、位置等を適宜設定することによって、降伏荷重
を容易に調節することができる。したがって、鋼板10
に設ける透孔11の形状、大きさ、数、位置等は、特に
限定されるものではないが、上下及び左右の各方向に規
則的に設けるのが好ましい。透孔11の形状及び配置例
を図3に示す。図3(a)は透孔11が八角形のもの、
図3(b)は透孔11が円形のもの、図3(c)(d)
は正方形の透孔11を回転させて配置した態様のものを
示す。図3(e)は、透孔11の数が高さ方向で異なる
例を示す。また、鋼板10は、薄板を重ねて使用するこ
とも可能であり、設計自由度が高い。透孔11はレーザ
ーによる切断等により形成することができる。
8に固定された制震壁設置部3の溝部4内に納まるよう
に設置されている。制震壁設置部3の構成は特に限定さ
れないが、図示の例ではL字断面の山形鋼を用いてお
り、これを鋼板10の厚みが納まる間隔をおいて対向配
置して溝部4を形成している。鋼板10の種類、厚さは
特に限定されるものではないが、比較的薄いものを使用
することができる。例えば、一般の構造用鋼板で、6m
m程度の薄い板厚のものを用いても、良好な制震機能を
発揮させることができる。
10の両面に、該鋼板10を挟む状態で固定されてい
る。制震壁1は、板材20−鋼板10−板材20の層構
成を有するものとなる。板材20は、鋼板10の座屈
(主に局部的な座屈)を防止する機能を奏する。板材2
0は、鋼板10の面に対し、ほぼ全面にわたって設けて
もよいし、部分的に設けてもよい。例えば、図1に示す
例では、板材20は、上下方向の中央を除く部分に設け
ている(図1(a)では破線で表示)。局部的な座屈、
特に各角部近傍の座屈を防止するため、鋼板10の少な
くとも各角部付近に位置させるのが望ましい。
はなく鉄板等を用いることもできるが、木質構造のも
の、例えばベニヤ合板が軽量であり、製造上、取扱上、
有利である。木質構造のものでも、実用上、十分な制震
機能を発揮させることが可能である。例えば、厚さ15
mm程度のベニヤ合板を用いることができる。
が、鋼板10を挟む板材同士20,20を、鋼板10の
透孔11を挿通するボルト(及びナット)を用いて固定
するのが好ましい。接着や溶接作業が不要で製作あるい
は施工が簡便であり、経済的でもある。図1には、ボル
トの取付け部22を例示している。ボルトによる固定に
際しては、皿ネジタイプのものを用いるなどして、板材
同士20の表面に突出しないようにすることが望まし
い。
ピン接合とした平行維持装置30が設けられている。平
行維持装置30は、鋼板10の両側縁の端面に沿って該
端面にほぼ当接する接面部31aを有する平行維持装置
本体31と、平行維持装置本体31に固定され、鋼板1
0の両側縁部をそれぞれ両側(両面)から挟む鋼板挟持
部32とを有している。接面部31aは、鋼板10に僅
かなクリアランスをもってほぼ接するのみで、鋼板10
に対し溶接等による固定はなされていない。また、鋼板
挟持部32も鋼板10を両側から挟むのみで、鋼板10
に対し溶接等による固定はなされていない。平行維持装
置本体31は、断面コ字状あるいはロ字状等の部材によ
り構成し得る。鋼板挟持部32は、L字断面の山形鋼を
対向させて接面部31aに固着すること等により構成し
得る。
付部31bにおいてピン接合によって制震壁設置部3に
連結されている。符号31cはルーズホールを示す。つ
まり、平行維持装置30は、上下両端ピン構造を有す
る。これにより、図4に示すように、水平力に対し、鋼
板10の両側縁部にある平行維持装置30,30(平行
維持装置本体31)は、平行線(平行四辺形)を保つよ
うに変位するため、鋼板10の変形を均一化させる機能
(変形の局所化を防止して均一化させる機能)を奏す
る。また、鋼板挟持部32は鋼板10の側縁部を両側
(両面)から挟んで、鋼板10の歪を分散させ、座屈
(全体的な座屈)を防止する機能を奏する。これらの機
能が相俟って、優れた制震機能を制震壁1に付与するこ
とができる。なお、平行維持装置30は、通常、鋼板1
0の設置後に取り付けられる。
覆される。図5は、制震壁1の具体的構成例を示す横断
面図である。図5において、制震壁1は、上述したよう
に、基板となる鋼板10と、この鋼板10を挟む板材2
0,20と、鋼板10の両側縁部に設けられた平行維持
装置30,30とを備えてなる。平行維持装置30は、
平行維持装置本体31と、該平行維持装置本体31に固
定され、鋼板10の両側縁部をそれぞれ両側(両面)か
ら挟む鋼板挟持部32を有している。板材20の表面は
プラスターボード40で被覆されている。板材20の一
方の表面には、プラスターボード40が1枚積層され、
他方の表面には、遮音材、断熱材等の充填材50を介し
てプラスターボード40が2枚積層されている。符号5
2はスペーサーである。このように、表面材を形成する
プラスターボード40の内側に各種充填材50を内装し
て構成することができる。例えば、エレベータに面する
住戸の壁、住戸間の戸境壁、主寝室の壁、パイプスペー
ス廻りの壁等においては、遮音材を内装するのが好まし
い。制震壁1は、制震性能を有しながら、遮音材等を含
めた壁厚を100mm程度以内に納めることができるた
め、設置場所が制限されない。また軽量で施工もし易
い。規格化された1ユニットの制震壁1(例えば、幅1
000mm程度のものとすることができる。)を適宜、
整列させて壁部を構成することができるので、計画の融
通性に優れ、施工もしやすい。
例を示す。本発明の制震壁1は、戸境壁、間仕切り壁
等、場所を選ばずに任意の場所に設置することができ
る。図6は、建物の一部の平面図であり、RC構造等の
耐震壁7と本発明の制震壁1とを併用して壁を設けた例
を示す。図6(a)は新築時の壁配置を示す。図6
(b)は、模様替え時の壁配置を示す。本発明の制震壁
1は、従来の鋼板を用いた制震壁のように設置場所が制
限されることがなく、また模様替えやレイアウトの変更
の際、壁位置を簡単に変えることができる。したがっ
て、例えば図6(a)の新築時の壁配置の状態から、必
要に応じて図6(b)のような壁配置の状態へと、戸境
壁の移動も含めて変更することができる。なお、図6で
はRC構造等の耐震壁7と併用した例を示したが、すべ
て本発明の制震壁1を適用して壁部を構成することもで
きる。また、既存の建物に耐震補強を目的として設置す
ることもできる。
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲で種々の変形、付加等が可能であ
る。本発明の制震壁は、集合住宅やオフィスビル等の建
物に好適に適用されるが、戸建て住宅及び各種建物の耐
震補強等にも適用することができる。
は、制震性能を有しながら、壁厚を抑えることができる
もので、これにより設置場所の自由度を高めることがで
きる。間仕切り壁あるいは戸境壁として新設及び既存の
建物に適用して制震性能を発揮させることができる。ま
た、比較的軽量で、人力で施工可能な部材で構成される
乾式の制震部材を実現するものであり、施工が簡便であ
る。従来のように柱、梁と一緒に壁を造らずに、壁材料
を先行揚重しておき、後で仕上工事の一貫として制震部
材を構成することもできる。このため、システム施工の
効率を向上し、工期の短縮を図ることが可能である。ま
た、設置後に移動することも可能であり、模様替えやレ
イアウトの変更に対応し得る。
構成することができるので、間仕切りのプランが不確定
な場合でも、先行揚重、余剰材の現場内転用等が可能で
ある。フリープラン、スケルトン・インフィルへの適応
性が高く、有益である。さらに、廃棄時には分別しやす
く、リサイクルしやすい。
すもので、(a)は正面図、(b)は(a)のb−b断
面図、(c)は側面図、(d)は(a)のd−d断面図
である。
る。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 多数の透孔を略格子状に設けた鋼板を基
板とする、制震壁。 - 【請求項2】 前記鋼板の両面に、該鋼板を挟む状態で
板材を固定した、請求項1に記載の制震壁。 - 【請求項3】 前記板材は、前記鋼板の少なくとも各角
部付近に位置している、請求項2に記載の制震壁。 - 【請求項4】 前記板材は木質構造である、請求項2又
は3に記載の制震壁。 - 【請求項5】 前記鋼板を挟む板材同士が、前記鋼板の
透孔を挿通するボルトを用いて固定される、請求項2〜
4のいずれかに記載の制震壁。 - 【請求項6】 前記鋼板の両側縁部に、上下の各端部を
ピン接合とした平行維持装置を設けた、請求項1〜5の
いずれかに記載の制震壁。 - 【請求項7】 前記平行維持装置は、前記鋼板の変形を
均一化させる機能を有する、請求項6に記載の制震壁。
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