JP3316309B2 - たばこフィルターおよびその製造方法 - Google Patents
たばこフィルターおよびその製造方法Info
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Description
されたとしても、雨水などによって容易に崩壊又は分散
するたばこフィルターおよびその製造方法に関する。
損わないため、セルロースエステルの繊維束で構成され
たたばこフィルターが広く使用されている。このような
たばこフィルターでは、フィルタープラグの形状を維持
し、かつフィルタープラグからフィルターチップを切断
するために必要な硬度を得るため、バインダーとして可
塑剤(例えば、トリアセチン、トリエチレングリコール
ジアセテート、トリエチレングリコールジプロピオネー
ト、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレー
ト、クエン酸トリエチルエステルなど)が使用されてい
る。
ラグは、可塑剤により繊維同志が部分的に融着してい
る。すなわち、可塑剤は、セルロースエステル繊維の接
触部位で、相互にランダムに結合するバインダーとして
の機能を有する。そのため、使用後に廃棄すると、環境
中で形状が崩壊するまでに長時間を要し、美観を損なう
だけでなく、環境汚染の一因となる。
原料とした紙製のたばこフィルターや再生セルロース繊
維束からなるたばこフィルターも知られている。これら
のフィルターは、セルロースエステルの繊維束からなる
フィルターと比較して、湿潤時の崩壊性が若干高く、環
境汚染を或る程度軽減できる。しかし、たばこの喫味が
劣ると共に、フィルターとして必要なフェノール類の選
択除去性がセルロースエステルに比べて極端に低く、し
かも、同じ圧力損失においてフィルター硬度がセルロー
スエステルに比して低い。
セルロース繊維と、これらの繊維を交差点で熱融着させ
るための熱融着性繊維とを含むフィルターが開示されて
いる。熱融着性繊維としては、フィブリル化したポリオ
レフィン繊維などが使用され、その使用量は、酢酸セル
ロース繊維に対して25〜50重量%である。このよう
なフィルターは、熱融着繊維により、酢酸セルロース繊
維が多数の交点で三次元的に節接合しているため、水中
で実質的に崩壊性を示さない。
る特開昭50−75223号公報には、高沸点のポリオ
ールと、ポリエステル、ポリアミドおよびポリエステル
アミドからなる群から選択され、前記ポリオールに可溶
であるとともに水溶性または水分散性のポリマーとで構
成された接着組成物を用い、セルロースエステル繊維を
接着させることにより、たばこフィルターを製造するこ
とが開示されている。
エステル繊維と光活性金属酸化物とで構成された生物分
解性のたばこフィルターに関し、繊維が水溶性結合剤に
より結合されたフィルター束と、このフィルター束部分
を巻紙で覆い、かつ固定するための水溶性接着剤とで構
成されたフィルターロッド(たばこフィルター)が開示
されている。これらの文献では、前記水溶性接着剤を水
又は親水性溶媒の溶液とし、散布、浸漬などの方法によ
り繊維に適用されているが、セルロースエステル繊維に
対する水の添加量は記載されていない。
ステル繊維のトウを、巻紙を用いて、高速、例えば、4
00m/分程度の高速で巻上げることにより製造され
る。そのため、フィルターロッドの製造には、トウを高
速で円滑に巻上げるための高速作業適性が求められる。
は、湿潤時の崩壊性に優れ、環境汚染を軽減できるたば
こフィルターおよびその製造方法を提供することにあ
る。
て、容易に崩壊又は分散し、喫煙後に廃棄されても、環
境の美観を損ねることのないたばこフィルターおよびそ
の製造方法を提供することにある。
を有し、たばこの喫味を損うことのないたばこフィルタ
ーおよびその製造方法を提供することにある。
ても、セルロースエステル繊維のトウを高速でかつ円滑
に巻上げることができ、たばこフィルターの生産性を高
めることができる方法を提供することにある。
を達成するため鋭意検討の結果、前記セルロースエステ
ル繊維の可塑剤に代えて、水溶性高分子を用いたセルロ
ースエステル繊維束で構成されたたばこフィルターが、
水との接触により速やかに崩壊すること、セルロースエ
ステル繊維の束に対する水の量が、フィルターの生産性
に大きな影響を及ぼすことを見い出し、本発明を完成し
た。
セルロースエステル繊維のトウと、このトウに含まれ、
前記繊維を接合するホットメルト接着性を有する粉粒状
の水溶性高分子とで構成されている。ホットメルト接着
性を有する粉粒状の水溶性高分子としては、平均粒子径
が10〜500μm程度の高分子を使用できる。
繊維で構成されたトウに、ホットメルト接着性を有する
粉粒状の水溶性高分子を添加させる工程と、トウをフィ
ルターロッドに成形する工程とを経ることにより製造で
きる。粉粒状の水溶性高分子を用いる場合、加熱溶融に
よりセルロースエステル繊維を接合できる。このような
方法では、高速であっても、巻紙を用いて前記トウを円
滑に巻上げることができる。
の温度で軟化する高分子がある。本明細書において、
「融点」とはそのような高分子の軟化点を含む意味に用
いる。
ば、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セ
ルロースプロピオネートなどの有機酸エステル;硝酸セ
ルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロースなどの無
機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、
セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテー
トフタレート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステ
ル;およびポリカプロラクトングラフト化セルロースア
セテートなどのセルロースエステル誘導体などが例示さ
れる。これらのセルロースエステルは、単独でまたは二
種以上混合して使用できる。
ば10〜1000、好ましくは50〜900、さらに好
ましくは200〜800程度であり、セルロースエステ
ルの平均置換度は、例えば平均置換度1〜3程度であ
る。なお、平均置換度1〜2.15、好ましくは1.1
〜2.0程度のセルロースエステルは、生分解性を高め
る上で有用である。
エステル(例えば、炭素数2〜4程度の有機酸とのエス
テル)、特にセルロースアセテートが含まれる。セルロ
ースアセテートの酢化度は、43〜62%程度である場
合が多いが、酢化度30〜50%程度のセルロースエス
テルは、生分解性にも優れている。そのため、セルロー
スアセテートの酢化度は30〜62%程度の範囲で適当
に選択できる。
々の添加剤、例えば、カオリン、タルク、ケイソウ土、
石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ア
ルミナなどの無機微粉末;カルシウム、マグネシウムな
どのアルカリ土類金属の塩などの熱安定化剤;着色剤;
油剤;歩留り向上剤などを含んでいてもよい。また、ク
エン酸、酒石酸、リンゴ酸などの環境分解促進剤(生分
解促進剤)、アナターゼ型酸化チタンなどの光分解促進
剤などを含有させることにより、繊維の分解性を高める
ことができる。
改善剤、例えば、酸化チタン、好ましくはアナターゼ型
酸化チタンを含む場合が多い。酸化チタンの平均粒子径
は、例えば、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5
μm程度である場合が多い。酸化チタンの含有量は、セ
ルロースエステル全体に対して、0.05〜2.0重量
%、好ましくは0.1〜1重量%、さらに好ましくは
0.2〜0.8重量%程度であり、0.4〜0.6重量
%程度である場合が多い。
6デニール、好ましくは1〜10デニール、さらに好ま
しくは2〜8デニール程度である。セルロースエステル
繊維は、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維である
のが好しい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当
たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ま
しくは15〜50個程度でありる。繊維の捲縮度は、1
インチ当り20〜50個程度である場合が多い。また、
均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。捲縮繊維
を用いると、適度な通気抵抗を有し、チャンネリングが
抑制されたフィルターロッドを得ることができるととも
に、水溶性高分子の付着量が少なくても前記繊維を有効
に接合できる。
に制限されず、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、
Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などの
いずれであってもよい。
(繊維束)は、例えば、3,000〜1,000,00
0本、好ましくは5,000〜100,000本程度の
セルロースエステル繊維の単繊維を束ねることにより形
成できる。繊維束は、3,000〜100,000本程
度の連続繊維を集束して構成する場合が多い。
は、水分散性高分子も含む意味に用いる。水溶性高分子
(水溶性接着剤)は、水溶液、水分散液などの液状で使
用することもでき、粉粒状などの固形状や、溶融状態で
使用することもできる。水溶性高分子の種類は特に制限
されず、例えば、天然高分子、半合成高分子、合成高分
子のいずれであってもよい。これらの水溶性高分子は単
独で又は二種以上組合せて使用できる。
麦デンプン、コーンスターチ、ばれいしょデンプン、タ
ピオカデンプン、かんしょデンプン等のデンプン類、こ
んにゃくマンナン、イーストマンナンなどのマンナン
類、ふのり、寒天、アルギン酸ナトリウムなどのアルギ
ン酸塩、カラゲニン等の海藻由来の水溶性高分子類、ト
ラガントガム、アラビアガム、トロロアオイ、ローカス
トビーンゴム、グアールゴム、ペクチン等の植物由来粘
質物類、デキストラン等の微生物由来の粘質物類な
ど)、動物性又は植物性タンパク質(例えば、ニカワ、
ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ヒアルロン酸など)
などが挙げられる。
シメチルセルロースとその塩(例えば、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウムなど)、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、平均置換度
0.3〜1程度の酢酸セルロース、メチルセルロース、
エチルセルロース、硫酸セルロースなどのセルロース誘
導体、化工デンプン(modified starch )やデンプン誘
導体(例えば、可溶性デンプン、アルファ化デンプン
(pregelatinized starch )、デキストリンなどのばい
焼デキストリン(roast dextrin )、ジアルデヒドデン
プンなどの酸化デンプン、低粘度変性デンプン(thin b
oiling starch )、カルボキシメチルエーテルデンプン
などのデンプンエーテル、デンプンエステル、架橋デン
プンなど)などが挙げられる。
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、
ビニル単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基又はそ
れらの塩を有する共重合性単量体との共重合体などのビ
ニル系水溶性高分子、アクリル系水溶性高分子、ポリア
ルキレンオキサイド、水溶性ポリエステル、水溶性ポリ
アミドなどが含まれる。
鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコ
ールなどのポリビニルアルコール、ポリビニルアルコー
ルの誘導体(例えば、部分アセタール化ポリビニルアル
コール、アクリル変性ポリビニルアルコールなど)が含
まれる。ポリビニルアルコールには、共重合によりエチ
レン単位が導入されていてもよい。ポリビニルエーテル
には、例えば、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニル
エチルエーテル、ポリビニルプロピルエーテル、ポリビ
ニルイソプロピルエーテル、ポリビニルブチルエーテ
ル、ポリビニルイソブチルエーテルなどが含まれる。
ン酸基又はそれらの塩を有する共重合性単量体との共重
合体には、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルアル
キルエーテル、スチレンなどのビニル単量体と、(メ
タ)アクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、クロト
ン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸又はそ
の酸無水物、エチレンスルホン酸などのα,β−エチレ
ン性不飽和スルホン酸との共重合体又はその誘導体が含
まれ、前記共重合体は、必要に応じてさらに(メタ)ア
クリル酸エステルなどの他の単量体との共重合体であっ
てもよい。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸又はそ
の酸無水物が多価カルボン酸又はその酸無水物である場
合には、水溶性を損わない範囲で、アルコールとの半エ
ステル又はアルコールとのジエステルとして使用しても
よい。また、前記ビニル単量体および共重合性単量体
は、それぞれ、単独で又は二種以上使用して共重合体を
形成してもよい。このような共重合体としては、例え
ば、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−ク
ロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
ビニルアルコール−マレイン酸共重合物、ビニルアルコ
ール−エチレンスルホン酸共重合体、ビニルアルコール
−(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルメチルエーテル
−マレイン酸共重合体、ビニルエチルエーテル−マレイ
ン酸共重合体、ビニルイソブチルエーテル−マレイン酸
共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ス
チレン−マレイン酸共重合体、スチレン−クロトン酸共
重合体などが挙げられる。
クリル酸又はその塩により水溶性が付与されたアクリル
樹脂、例えば、ポリアクリル酸とその塩(例えば、ポリ
アクリル酸ナトリウムやポリアクリル酸アンモニウムな
ど)、ポリメタクリル酸とその塩、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、ポリア
クリル酸エステル部分鹸化物、ポリアクリル酸エステル
共重合体部分鹸化物、ポリアクリルアマイドなどが挙げ
られる。
レンオキサイド(ポリエチレングリコール)、ポリプロ
ピレンオキサイド(ポリプロピレングリコール)、エチ
レンオキサイド−ブロピレンオキサイド共重合体などが
含まれる。なお、水溶性ポリプロピレンオキサイドは分
子量1000以下である場合が多い。ポリアルキレンオ
キサドのヒドロキシル基は、末端封鎖剤、例えば、有機
カルボン酸などで封鎖されていてもよい。
ル成分として少なくともポリエチレングリコールを用い
たポリエステル、(2)1分子中に3以上のカルボキシ
ル基を有する多価カルボン酸、又はスルホイソフタル酸
などのようにスルホン酸基を有するジカルボン酸をカル
ボン酸成分の一部又は全部として用い、残存するカルボ
キシル基又はスルホン酸基をナトリウム、カリウムなど
のアルカリ金属、アンモニアやアミン類で中和したポリ
エステル、(3)上記(1)と(2)との組合せ、すな
わち、ポリエチレングリコールと、1分子中に3以上の
カルボキシル基を有する多価カルボン酸又はスルホン酸
基を有するジカルボン酸とを少なくとも用いて得られる
ポリエステルなどが含まれる。ポリエチレングリコール
としては、高い水溶性を付与するため、例えば、分子量
200〜5000程度のポリエチレングリコールを用い
てもよい。
分としてポリエチレングリコール単位を有するジアミン
と、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸との反
応により得られるポリアミド(特開昭60−21928
1号公報)、(5)第3級アミノ基を有するジアミン
(例えば、アミノエチルピペラジン、ビスアミノプロピ
ルピペラジンなど)と、ジカルボン酸との反応により得
られるポリアミド(特開昭60−219281号公
報)、(6)ジカルボン酸成分としてスルホイソフタル
酸又はその塩を用い、スルホネート塩の基を導入したポ
リアミド(特公昭57−8838号公報)などが含まれ
る。ポリアミドの調製に際しては、ε−カプロラクタム
などのラクタム類を併用してもよい。ポリエチレングリ
コール単位の分子量は、高い水溶性を付与するため、2
00〜5000程度であってもよい。
水に対する水溶性高分子の溶解度は、5重量%〜無限
大、好ましくは30重量%〜無限大、さらに好ましくは
50〜無限大であり、通常、80重量%〜無限大であ
る。カルボキシル基、スルホン酸基が導入された水溶性
高分子において、酸価は、例えば、30〜300程度で
ある場合が多い。
には、天然多糖類、加工デンプン、デンプン誘導体、セ
ルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルエーテルなどのビニル系高分子、
アクリル系高分子、ポリアルキレンオキサイド、ポリエ
ステル、ポリアミドが含まれる。特に実用化の点から、
好ましい水溶性高分子には、アラビアゴム、アルギン酸
塩などの天然多糖類、可溶性デンプンなどの加工デンプ
ン又はデンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースと
その塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、平均置換度0.3〜1程度の酢酸セル
ロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセ
ルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルエーテル、ビニルアルキルエーテ
ル−マレイン酸共重合体、アクリル系高分子、ポリエチ
レンオキサイド、ポリエステル、ポリアミドが含まれ
る。
の巻上げ操作および接着性を損わない範囲で、水溶性高
分子の種類に応じて選択できる。より具体的には、天然
多糖類は、10%水溶液粘度が2〜500cps、好ま
しくは5〜300cps程度であるのが好ましく、加工
デンプン又はデンプン誘導体は、10%水溶液粘度が2
〜100cps、好ましくは5〜50cps程度である
のが好ましい。セルロース誘導体のうち、好ましいカル
ボキシメチルセルロースとその塩には、4%水溶液粘度
が10〜500cps、好ましくは20〜250cps
のセルロース誘導体が含まれ、他のセルロース誘導体
は、10%溶液粘度が5〜500cps、好ましくは1
0〜300cps程度である場合が多い。また、ポリビ
ニルアルコールには、鹸化度85%以上、4%水溶液粘
度が1〜100cps、好ましくは3〜50cpsのポ
リビニルアルコールが好ましい。ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルエーテル、ビニルアルキルエーテル−マ
レイン酸共重合体、アクリル系高分子、ポリエチレンオ
キサイド、ポリエステル、ポリアミドとしては、10%
水溶液又は水分散液の粘度が1〜500cps、好まし
くは2〜200cps、さらに好ましくは5〜100c
psの高分子が好ましい。溶液粘度が小さすぎると、フ
ィルターの硬度が低下して巻紙による巻上げ操作性、切
断加工性などを損ない易く、溶液粘度が高過ぎると作業
性を低下させ易い。なお、カルボキシメチルセルロース
のカルボキシメチル基の置換度は、特に限定されず、例
えば、0.5〜2.0程度である。
害さないため、毒性がなく、無味無臭であるのが好まし
い。また、水溶性高分子は、フィルターへの巻上操作性
の点から吸湿性が小さいのが好ましく、さらに、フィル
ターの外観上の観点から色相が無色透明もしくは白色で
あるのが好ましい。
として使用すると、水性溶媒の量によってはフィルター
ロッドの強度及び硬度が著しく低下し、巻紙によるトウ
の巻上げ操作のみならず、フィルターチップへの切断性
が大きく損なわれる場合がある。特に、水溶性接着剤の
水溶液を浸漬によりトウに適用すると、トウの強度及び
硬度が大きく低下する。そのため、水溶性高分子を水性
溶液又は水性分散液として使用する場合には、トウに対
する水の添加量を低減するのが有用である。
ホットメルト接着性高分子(水溶性ホットメルト接着
剤)は無溶剤型接着剤であるため、上記のような問題は
解消される。このような水溶性高分子(水溶性ホットメ
ルト接着剤)には、前記例示の高分子のうちホットメル
ト接着性を有する高分子、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリアルキレンオキサイド、ポリアミド、ポリエス
テル、アクリル系高分子などが含まれる。
るとともに二種以上組合せて使用してもよい。例えば、
ポリビニルアルコール系ホットメルト接着剤は、例え
ば、重合度1000以下(例えば、100〜700)、
ケン化度80モル%以下(例えば20〜60モル%)の
ポリビニルアルコールと、平均重合度150以上の高分
子量ポリエチレングリコールと、平均重合度10以下の
低分子量ポリエチレングリコールとで構成してもよい
(例えば、特開平5−65465号公報)。
ルキレンオキサイドは、分子量3,000〜100,0
00、好ましくは5,000〜50,000程度のポリ
エチレンオキサイドである場合が多い。
の融点は、ホットメルト接着性を有するか否かに拘ら
ず、例えば、50〜200℃、好ましくは70〜170
℃、さらに好ましくは80〜150℃程度であり、50
〜150℃程度である場合が多い。水溶性高分子の融点
が50℃未満では、喫煙により水溶性高分子が軟化又は
溶融する虞があり、200℃を越えると、溶融により接
着させる場合、セルロースエステル繊維が損傷する場合
がある。なお、加熱溶融により接着性を有効に発現させ
るため、前記水溶性高分子の分解温度は200℃以上で
ある場合が多い。
粘度は、150℃において100〜100,000cp
s、好ましくは150〜75,000cps、さらに好
ましくは200〜50,000cps程度である。ま
た、ホットメルト接着性の水溶性高分子の軟化点は、例
えば、50〜200℃、好ましくは75〜150℃程度
である場合が多い。
常、粉粒状で使用される場合が多い。粉粒状の水溶性高
分子の粒子径は、セルロースエステル繊維に対して接着
性を有効に発現し、かつ巻上げ操作性を損わない範囲で
選択でき、例えば、平均粒子径10〜500μm、好ま
しくは30〜300μm、さらに好ましくは50〜20
0μm程度である。平均粒子径が10μm未満では、巻
上げ操作による水溶性高分子の飛散量が多く、しかも回
収が困難であるため歩留りが低下するとともに、巻上げ
操作性を損う場合がある。一方、平均粒子径が500μ
mを越えると、水溶性高分子をセルロースエステル繊維
の接着に有効に利用できなくなる。
種類と使用形態およびセルロースエステル繊維の特性に
応じて選択でき、例えば、セルロースエステル繊維のト
ウ100重量部に対して0.5〜30重量部、好ましく
は1〜20重量部、さらに好ましくは1〜17重量部程
度である。水溶性高分子の使用量が0.5重量部未満で
あると、セルロースエステル繊維に対するバインダーと
しての効果が少なく、フィルターに要求される硬度が発
現せず、30重量部を越えると、喫味や巻き上げ作業が
損われ易く、巻紙に水溶性樹脂による皺などが生じ易く
なる。
して使用する場合、固形分換算での水溶性高分子の使用
量は、通常、セルロースエステル繊維のトウ100重量
部に対して、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10
重量部、さらに好ましくは1〜5重量部程度である場合
が多い。また、水溶性高分子を粉粒状で又は溶融して使
用する場合、水溶性高分子の使用量は、セルロースエス
テル繊維のトウ100重量部に対して、3〜25重量
部、好ましくは5〜20重量部、さらに好ましくは5〜
17重量部程度である場合が多い。
い範囲で非水溶性高分子と併用してもよい。すなわち、
水溶性高分子だけでバインダーを構成すると、水との接
触により迅速に崩壊するものの、雨などによりフィルタ
ーが濡れると、フィルターの形状が変形する場合があ
る。そのような場合、水溶性高分子と非水溶性高分子と
を併用すると、水による崩壊性をさほど低下させること
なく、フィルターの形状を維持できる。
も使用できるが、このような形態の非水溶性高分子を用
いると、少量の使用量で水による崩壊性が低下し易い。
また、繊維状の非水溶性高分子を用いると、少量であっ
ても、セルロースエステル繊維と三次元的に交差して接
合部位が増加し、水による崩壊性が低下し易い。一方、
粉粒状の非水溶性高分子を用いると、隣接する繊維を点
接触により接着でき、水による崩壊性がさほど低下しな
い。
状の接着性高分子、特に粉粒状のホットメルト接着性高
分子を用いるのが有用である。このような非水溶性高分
子としては、喫味を損わない種々の高分子、例えば、ポ
リオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリ酢酸ビ
ニル、エチレンとビニル単量体との共重合体(例えば、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
エチルなど)、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリアミ
ドなどが例示できる。
ステル繊維のトウ100重量部に対して、0〜10重量
部、好ましくは0.5〜8重量部、さらに好ましくは1
〜6重量部程度である。非水溶性高分子の使用量が10
重量部を越えると、水によるフィルターの崩壊性が低下
し易い。また、水溶性高分子と非水溶性高分子との割合
は、フィルターの崩壊性を損わない範囲で選択でき、例
えば、前者/後者=60〜99/40〜1(重量比)、
好ましくは70〜100/30〜5(重量比)程度であ
る。
は、酸化防止剤などの安定化剤、充填剤、可塑剤、防腐
剤、防黴剤などの種々の添加剤が添加されていてもよ
い。
選択的除去により、たばこ喫味を向上させるための添加
剤、例えば、活性炭、ゼオライトなどの吸着剤などを含
んでいてもよい。
エステル繊維と水溶性高分子とを含むトウを、巻紙によ
り巻上げて集束することにより調製できる。フィルター
ロッドは、予め水溶性高分子が付着したセルロースエス
テル繊維のトウを巻紙により巻上げることにより調製し
てもよいが、通常、トウに水溶性高分子を添加し、巻紙
を用いて巻上げる場合が多い。また、水溶性高分子は、
例えば、25〜100mm(好ましくは50〜100m
m)程度の帯状のトウ、特に帯状のトウをさらに100
〜500mm(好ましくは150〜400mm)程度の
幅に開繊したトウに添加するのが好ましい。このような
帯状のトウを用いると、水溶性高分子を均一に含有させ
ることができるとともに、繊維を接着するために必要な
水溶性高分子の量を低減でき、水溶性高分子の溶液を用
いても、溶媒の使用量を低減できる。
媒の溶液又は分散液としても使用できるとともに、粉粒
体としても使用できる。溶液又は分散液の形態で使用す
る場合、水溶性高分子は、通常、水性溶液又は水性分散
液として使用される場合が多い。溶液中の水溶性高分子
の濃度および溶液の粘度は、フィルターの巻上げ操作や
生産性を損わない範囲で、水溶性高分子の種類に応じて
選択でき、例えば、濃度5〜70重量%、好ましくは1
0〜50重量%程度であり、25℃での溶液粘度は、5
〜1000cps、好ましくは10〜750cps、さ
らに好ましくは25〜500cps程度である。
には、水及び/又は水混和性有機溶媒が使用できる。水
混和性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール
などのアルコール類、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、グリセリン、1,2−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオールなどの多価アルコール類、セロ
ソルブ類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどにエー
テル類、これらの混合溶媒が使用できる。
ロースエステル繊維のトウに水溶性高分子を付着できる
限り特に制限されず、水溶性高分子の形態に応じて選択
できる。前記水溶性高分子を溶液又は分散液若しくはエ
マルジョンとして用いる場合、スプレーガンなどによる
噴霧方法、コーティング方法などにより、セルロースエ
ステル繊維のトウ、好ましくは開繊したトウへ水溶性高
分子を付着できる。液状の水溶性高分子は、帯状のトウ
の両面に適用する場合が多い。
合、セルロースエステル繊維のトウに対する溶媒、特に
水の適用量は、トウの巻上げ性を含めたフィルターの生
産性に大きな影響を及ぼす。すなわち、トウに対する溶
媒の適用量が多いと、フィルターの強度および硬度が著
しく低下し、巻紙による巻上げやカッターによる切断が
困難となる。また、フィルターの強度発現に時間を要す
るだけでなく、乾燥に大きなエネルギーを必要とする。
一方、溶媒の適用量が少ないと、セルロースエステル繊
維を一体化するのが困難である。そのため、トウ100
重量部に対する水の適用量は、25重量部以下、好まし
くは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重
量部、特に1〜10重量部程度である。トウに対する水
の量を上記のようにすることにより、トウの巻上げ速度
が200〜800m/分、好ましくは300〜800m
/分程度であっても、フィルターロッド(たばこフィル
ター)を円滑に製造できる。
る場合、たばこフィルターの製造装置に、巻紙による巻
き上げ工程又は巻き上げ後に水を除去するための乾燥装
置を装着するだけで、たばこフィルターを容易に製造で
きる。
よる上記のような問題は生じない。無溶剤型の固体状の
水溶性高分子、好ましくはホットルト接着性を有する水
溶性高分子は、例えば、(1)加熱溶融した水溶性高分
子を、スプレーガンなどによる噴霧、コーティングなど
の手段で、トウに付着させる方法、(2)粉粒状の水溶
性高分子をトウに噴霧又は散布する方法により添加でき
る。また、粉粒状の水溶性高分子の添加に際しては、湿
式法と組合せてもよい。例えば、(3)粉粒状の水溶性
高分子をトウに添加した後、水や有機溶媒などの所定量
の溶媒を添加し、水溶性高分子を繊維に付着させる方法
や、(4)水や有機溶媒などの溶媒をトウに所定量添加
して湿潤させ、前記粉粒状水溶性高分子を添加し、繊維
に付着させる方法などにより、固体状の水溶性高分子を
トウに添加できる。
を、トウ(特に開繊したトウ)に均一に添加する方法が
含まれる。この方法において、トウに添加された水溶性
高分子は、巻上げ前から巻上げ後の過程において加熱装
置により溶融することにより、セルロースエステル繊維
の接合に利用される。粉粒状の水溶性高分子の添加に
は、例えば、たばこ活性炭添加フィルターの製造装置に
装着されている活性炭粉末添加装置などを利用できる。
こフィルターの装置に、水溶性高分子を加熱溶融する装
置、溶融した水溶性高分子を冷却固化する装置などを付
加するだけで、たばこフィルターを容易に製造できる。
通常、200〜800m/分、好ましくは300〜60
0m/分程度の高速でトウが巻上げられる。そのため、
溶媒除去のための加熱乾燥、水溶性高分子の加熱溶融に
ついては、生産性を低下させることなく、フィルターの
硬度などの物性を均一にするため、フィルターロッド全
体を均一かつ短時間内に迅速に加熱する方法を採用する
のが好ましい。このような加熱方法には、例えば、誘導
加熱法などが含まれる。
ド)を構成し、かつ円筒状トウを覆う巻紙の周方向の端
部での糊付け、たばこフィルターを所定長さに切断した
フィルタープラグやチップと、円筒状たばこ部分とを覆
う巻紙の周方向端部での糊付けには、湿潤時の崩壊性を
損わないため、前記と同様の水溶性接着剤を用いるのが
好ましい。
ンダーとして水溶性高分子を使用しているため、喫煙後
あやまって環境中に捨てられても、雨水等の水の作用に
より、速やかに繊維状に崩壊し、環境の美観の保全に有
効である。
子によりトウのセルロースエステル繊維を接着している
ので、湿潤時の崩壊性が高く、環境汚染を軽減できる。
また、雨水などの水によって、容易に崩壊又は分散し、
喫煙後に廃棄されても、環境の美観を損ねることがな
い。さらに、たばこフィルターは、適度な通気性を有
し、たばこの喫味を損うこともない。
低減しているので、水溶性高分子を用いても、セルロー
スエステル繊維のトウを高速でかつ円滑に巻上げること
ができ、前記の如き優れた特性を有するたばこフィルタ
ーの生産性を高めることができる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
タルデニール43000デニールの酢酸セルロース捲縮
繊維トウ(捲縮数26/25mm)を幅25cmに開繊
した。なお、トータルデニール43000デニールのト
ウは、フィラメント(4デニール)×10750本で構
成されている。前記開繊したトウに、水溶性高分子とし
て、ポリビニルアルコール(鹸化度=88モル%、4%
水溶液粘度=5cps)の水溶液を所定量均一に添加
し、トウを紙巻装置に送りフィルターを巻取紙で巻き上
げ、過剰の水分を加熱乾燥により除去した後、長さ25
mmに切断し、たばこフィルターチップを得た。
ルに代えて、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩
(カルボキシメチル基の置換度=0.85、4%水溶液
粘度=30cps、実施例2)、可溶性澱粉(10%水
溶液粘度=10cps、実施例3)、メチルビニルエー
テルとマレイン酸の共重合体(10%水溶液粘度=8c
ps、実施例4)、ヒドロキシプロピルセルロース(1
0%水溶液粘度=40cps、実施例5)をそれぞれ用
いる以外、実施例1と同様にして、たばこフィルターチ
ップを得た。
型、4デニールのフィラメントを束ねたトータルデニー
ル43000デニールの酢酸セルロース捲縮繊維トウ
(捲縮数26/25mm、開繊幅25cm)に対して、
1,2−プロパンジオールと水との混合溶媒(重量比=
1:1)を20重量%添加した後、粉粒状ポリビニルア
ルコール(鹸化度=88モル%、4%水溶液粘度=5c
ps、60メッシュパス、粒径範囲10〜200μm、
平均粒径70μm)をトウに対して5重量%添加し、ト
ウを巻き上げ装置に送り、フィルターを巻き上げ紙で巻
き上げ、25mmの長さに切断してたばこフィルターチ
ップを得た。
スナトリウム塩(カルボキシメチル基置換度=0.8
5、4%水溶液粘度=30cps、粒径範囲10〜20
0μm、平均粒径75μm)を用いる以外、実施例6と
同様にして、たばこフィルターチップを得た。
タルデニール43000デニールの酢酸セルロース捲縮
繊維トウ(捲縮数26/25mm)を幅25cmに開繊
し、可溶性澱粉(10%水溶液粘度=10cps)の水
と1,2−プロパンジオールの混合溶剤溶液を所定量ト
ウに均一に添加し、次いでトウを紙巻装置に送りフィル
ターを巻取り紙で巻き上げ、加熱乾燥した後、25mm
の長さに切断してたばこフィルターチップを得た。
酸の共重合体(10%水溶液粘度=8cps、実施例
9)、ヒドロキシプロピルセルロース(10%水溶液粘
度=40cps、実施例10)をそれぞれ用いる以外、
実施例8と同様にして、たばこフィルターチップを得
た。
アセチン(比較例1)、トリエチレングリコールジアセ
テート(比較例2)、トリエチレングリコールプロピオ
ネート(比較例3)をそれぞれ用いる以外、実施例1と
同様にして、たばこフィルターチップを得た。
こフィルターチップのフィルター硬度及び水中崩壊性を
評価したところ、表1に示す結果を得た。なお、供試サ
ンプルは、温度20℃、相対温度65%の雰囲気中で略
24時間放置することにより、調湿し、試験に供した。
ター上に、直径12mm、重さ300gの円柱状の重り
により荷重をかけ、10秒後のフィルターのへこみ量を
0.1mmを1として評価した。上記測定方法における
フィルター硬度の実用的な値は、10.0以下である。
ィルターチップを、ビーカー内の水500mlに投入
し、渦中心部の高さが最も高い液面の3/4の高さとな
るように、マグネチックスターラーで撹拌し、10分後
のフィルターチップの形状を目視で観察し、下記の基準
で崩壊性を判断した。
5,000のセルロースアセテート繊維のトウを約25
cm幅に開繊し、ポリアルキレンオキサイド系の粉末状
水溶性ホットメルト接着性樹脂(第一工業製薬(株)
製、パオゲンPP−15;融点=55℃、粒径範囲8〜
200μm、平均粒径75μm)をフィルター巻上げ時
に7重量%(対トウ)になるように、トウ上に均一に散
布し、次いで内径8mmのテフロンチューブに通し、そ
の後、フィルター内の水溶性熱溶融接着性樹脂を120
℃のオーブン内で120分間加熱溶融、次いで冷却固化
し、トウに定着させた後、90mmの長さに切断し、た
ばこフィルターチップを得た。
9.8であり、水中で速やかにチップ全体の形状が崩壊
し、綿状になった。また、喫味については、変化は確認
されなかった。
て、ポリビニルアルコール系の粉粒状の水溶性ホットメ
ルト接着性樹脂(日本合成化学工業(株)製、HM−5
01;融点=77℃、粒径範囲8〜200μm、平均粒
径80μm)を用いる以外、実施例11と同様にしてた
ばこフィルターチップを得た。得られたたばこフィルタ
ーチップの硬度は8.8であり、水中で速やかにチップ
全体の形状が崩壊し、綿状になった。また、喫味につい
ては、変化は確認されなかった。
て、ポリビニルアルコール系の粉粒状の水溶性ホットメ
ルト接着性樹脂(日本合成化学工業(株)製、HM−6
02;融点=77℃、平均粒径80μm)を用いる以
外、実施例11と同様にして、たばこフィルターチップ
を得た。得られたたばこフィルターチップの硬度は7.
8であり、水中で速やかにチップ全体の形状が崩壊し、
綿状になった。また、喫味については、変化は確認され
なかった。
0分(実施例15)、30分(実施例16)とした以外
は、実施例11と同様にして、たばこフィルターチップ
を得た。得られたたばこフィルターチップの硬度は、い
ずれも10以下(実施例14:6.6、実施例15:
6.0および実施例16:9.8)であり、水中で速や
かにチップ全体の形状が崩壊し、綿状になった。また、
喫味については、変化は確認されなかった。
2/AC1/AF1;ドイツ Hauni-Werke Korber & C
o.製)の活性炭粉末添加装置を使用し、フィルター巻上
げ過程で、約25cm幅まで開繊した3デニールのフィ
ラメントで構成されたセルロースアセテート繊維トウ
(トータルデニール36,000)上に、実施例11の
粉粒状の水溶性ホットメルト接着性樹脂を、トウに対し
て14重量%となるように均一に散布し、トウを巻上げ
装置に送り、巻取紙で巻上げたフィルターを102mm
の長さに切断した。巻上速度は、400m/分であっ
た。その後、フィルターを120℃のオーブン内で20
分間加熱して冷却し、たばこフィルターチップを得た。
あり、水中で速やかにチップ全体の形状が崩壊し綿状に
なった。また、喫味については、変化は確認されなかっ
た。
(実施例19)、30分(実施例20)とする以外、実
施例17と同様にして、たばこフィルターチップを得
た。実施例18〜20で得られたたばこフィルターチッ
プは、いずれも硬度が10以下(実施例18:5.5、
実施例19:4.4および実施例20:5.2)であ
り、水中で速やかにチップ全体の形状が崩壊し、綿状に
なった。また、喫味については、変化は確認されなかっ
た。
℃(実施例22)、100℃(実施例23)とする以
外、実施例17と同様にして、たばこフィルターチップ
を得た。実施例21〜23で得られたたばこフィルター
チップは、いずれも硬度が10以下(実施例21:5.
1、実施例22:5.1および実施例23:5.5)で
あり、水中で速やかにチップ全体の形状が崩壊し、綿状
になった。また、喫味については、変化は確認されなか
った。
性樹脂10重量%、および非水溶性のホットメルト接着
性樹脂としての粉粒状エチレン−酢酸ビニル共重合体
(大同化成工業(株)製、ダイカラックS−1101
S;軟化点=105℃、平均粒径80μm)5重量%を
添加する以外、実施例11と同様にして、たばこフィル
ターチップを得た。このたばこフィルターチップの硬度
は5.9であり、水中で速やかにチップ全体の形状が崩
壊し、綿状になった。また、喫味については、変化は確
認されなかった。
て、非水溶性のホットメルト接着性樹脂としての粉粒状
エチレン−酢酸ビニル共重合体(大同化成工業(株)
製、ダイカラックS−1101S;軟化点=105℃、
平均粒径80μm)を添加する以外、実施例11と同様
にして、たばこフィルターチップを得た。このたばこフ
ィルターチップの硬度は5.9であった。しかし、水中
崩壊性については、チップは当初の形状を保持したまま
で全く崩壊しなかった。
ことなく、実施例11と同様の方法でたばこフィルター
チップを得た。このたばこフィルターでは硬度が発現せ
ず、硬度が25.0を越える値となった。一方、水中崩
壊性については、速やかにチップ全体の形状が崩れ、綿
状になった。
Claims (14)
- 【請求項1】 セルロースエステル繊維で構成されたト
ウと、このトウに含まれ、前記セルロースエステル繊維
を接合するホットメルト接着性を有する粉粒状の水溶性
高分子とで構成されているたばこフィルター。 - 【請求項2】 ホットメルト接着性を有する水溶性高分
子が、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイ
ド、アクリル系高分子、ポリエステルおよびポリアミド
からなる群から選択された少なくとも一種である請求項
1記載のたばこフィルター。 - 【請求項3】 水溶性高分子の平均粒子径が10〜50
0μmである請求項1記載のたばこフィルター。 - 【請求項4】 トウ100重量部に対して、粉粒状の水
溶性高分子3〜25重量部を含む請求項1記載のたばこ
フィルター。 - 【請求項5】 融点50〜150℃、150℃での溶融
粘度150〜75000cps、平均粒子径30〜30
0μmの粉粒状のホットメルト接着性を有する水溶性高
分子を、トウ100重量部に対して5〜20重量部含む
請求項1記載のたばこフィルター。 - 【請求項6】 さらに、トウ100重量部に対してホッ
トメルト接着性を有する粉粒状の非水溶性高分子0〜1
0重量により、セルロースエステル繊維が接合している
請求項1記載のたばこフィルター。 - 【請求項7】 トウ100重量部に対する非水溶性高分
子の割合が0.5〜8重量部であり、かつ水溶性高分子
と非水溶性高分子との割合が前者/後者=60〜99/
40〜1(重量比)である請求項6記載のたばこフィル
ター。 - 【請求項8】 150℃での溶融粘度200〜5000
0cps、平均粒子径50〜200μmの粉粒状のホッ
トメルト接着性を有する水溶性高分子を、1インチ当り
10〜50回捲縮(climped) したセルロースエステル繊
維で構成されたトウ100重量部に対して5〜17重量
部含み、前記粉粒状の水溶性高分子によりセルロースエ
ステル繊維が接合しているたばこフィルター。 - 【請求項9】 セルロースエステル繊維のトウに、ホッ
トメルト接着性を有する粉粒状の水溶性高分子を添加す
る工程、および水溶性高分子を含むトウをフィルターロ
ッドに成形する工程を含むたばこフィルターの製造方
法。 - 【請求項10】 開繊したセルロースエステル繊維のト
ウに、ホットメルト接着性を有する粉粒状の水溶性高分
子を添加する工程、水溶性高分子を含むトウを巻紙によ
り巻上げてフィルターロッドに成形する工程、前記成形
工程又はフィルターロッドに成形した後、前記トウに含
まれる水溶性高分子を加熱溶融して冷却固化し、前記繊
維を接着させる工程とを含む請求項9記載のたばこフィ
ルターの製造方法。 - 【請求項11】 開繊したセルロースエステル繊維のト
ウに、ホットメルト接着性を有する溶融した水溶性高分
子を噴霧する工程と、溶融した粉粒状の水溶性高分子を
含むトウを巻紙により巻上げてフィルターロッドに成形
する工程とを含む請求項9記載のたばこフィルターの製
造方法。 - 【請求項12】 平均粒子径10〜500μmの粉粒状
の水溶性高分子をセルロースエステル繊維に付着させる
請求項9記載のたばこフィルターの製造方法。 - 【請求項13】 ホットメルト接着性を有する粉粒状の
水溶性高分子と、ホットメルト接着性を有する粉粒状の
非水溶性高分子を、セルロースエステル繊維のトウに添
加する請求項9記載のたばこフィルターの製造方法。 - 【請求項14】 1〜10デニールで、1インチ当りの
捲縮度が15〜50回のセルロースエステル繊維5,0
00〜500,000本で構成されたトウを幅100〜
500mmに開繊する工程と、開繊したトウ100重量
部に対して、ホットメルト接着性を有する粉粒状の水溶
性高分子5〜17重量部を添加する工程と、水溶性高分
子が適用されたトウを巻紙により速度300〜800m
/分で巻上げてフィルターロッドを得る工程とで構成さ
れているたばこフィルターの製造方法。
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