JP3208272B2 - フィルター材料およびその製造方法 - Google Patents

フィルター材料およびその製造方法

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JP3208272B2 JP01976795A JP1976795A JP3208272B2 JP 3208272 B2 JP3208272 B2 JP 3208272B2 JP 01976795 A JP01976795 A JP 01976795A JP 1976795 A JP1976795 A JP 1976795A JP 3208272 B2 JP3208272 B2 JP 3208272B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たばこフィルターなど
において、酢酸臭などの酸性臭を抑制する上で有用なフ
ィルター材料およびその製造方法に関する。また、本発
明は、前記フィルター材料を備えたたばこフィルター、
並びに酸性臭気成分の生成を抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たばこ煙中のタール類を除去し、喫味を
損わないため、セルロースエステルの繊維束で構成され
たたばこフィルターが広く使用されている。このような
たばこフィルターでは、フィルタープラグの形状を維持
し、かつフィルタープラグからフィルターチップを切断
するために必要な硬度を得るため、バインダーとしてエ
ステル系可塑剤(例えば、トリアセチン、トリエチレン
グリコールジアセテート、トリエチレングリコールジプ
ロピオネート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチル
フタレート、クエン酸トリエチルエステルなど)が使用
されている。
【0003】前記可塑剤を用いて成形したフィルタープ
ラグは、可塑剤により繊維同志が部分的に融着してい
る。すなわち、可塑剤は、セルロースエステル繊維の接
触部位で、相互にランダムに結合するバインダーとして
の機能を有する。
【0004】また、有害成分を除去すると共に喫味を高
めるため、前記エステル系可塑剤に加えて、前記セルロ
ースエステル繊維束に活性炭を添加したたばこフィルタ
ー材料も知られている。しかし、前記エステル系可塑剤
と活性炭とが共存すると、酸性臭が増加し、喫煙者に嫌
悪感を与える場合がある。例えば、セルロースアセテー
ト繊維束にトリアセチンおよび活性炭のいずれか一方の
成分を添加しても殆ど臭気成分が生成しないのに対し
て、セルロースアセテート繊維束にトリアセチンおよび
活性炭の双方の成分を添加したフィルターを保存する
と、酢酸臭が発生する。特に夏場などの高温下で保存す
ると、酢酸臭が強くなる。このことは、活性炭にトリア
セチンが吸着し、活性炭の活性化作用によりトリアセチ
ンが分解し、酢酸臭が生成するものと予測される。
【0005】さらに、エステル系可塑剤をバインダーと
して用いたたばこフィルターを使用後に廃棄すると、環
境中で形状が崩壊するまでに長時間を要し、美観を損な
うだけでなく、環境汚染の一因となる。
【0006】特開昭56−24151号公報には、酢酸
セルロース繊維と、これらの繊維を交点で熱融着させる
ための熱融着性繊維とを含むフィルターが開示されてい
る。熱融着性繊維としては、フィブリル化したポリオレ
フィン繊維などが使用されている。特公昭44−277
19号公報には、ビスコースレーヨン繊維と、これらの
繊維を交点で熱融着させるための熱可塑性樹脂微粉末
(ポリ酢酸ビニルやポリエチレン粉末など)とを含むフ
ィルターが開示されている。また、特開昭56−118
939号公報には、セルロース系繊維質の相互接着を行
ない得る物質を付着させたセルロース系繊維質をラッパ
ーシート(巻紙)に包み込んで棒状体に成形し、マイク
ロ波処理することにより、形態安定性良好なフィルター
を製造する方法が開示されている。
【0007】しかし、これらの先行文献には、活性炭と
エステル系可塑剤との共存系で酸性臭気成分が生成する
ことは開示されていない。さらに、前記熱融着繊維や樹
脂微粉末が水溶性でないため、フィルターは水中で実質
的に崩壊性を示さない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、セルロースエステル繊維束に活性炭などの吸着剤と
バインダーとが共存していても、酸性臭気成分の発生を
抑制できるフィルター材料およびその製造方法を提供す
ることにある。
【0009】本発明の他の目的は、長期間に亘り高温下
で保存しても酢酸臭の生成を顕著に抑制できるフィルタ
ー材料およびその製造方法を提供することにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、適度な通気性
及び硬度を有し、たばこの喫味を損うことのないフィル
ター材料およびその製造方法を提供することにある。
【0011】本発明の別の目的は、前記の如き優れた特
性を有するたばこフィルターを提供することにある。
【0012】本発明のさらに別の目的は、活性炭などの
吸着剤が共存するセルロースエステル繊維を含むフィル
ターを高温下で長期間に亘り保存しても酸性臭気成分の
生成を顕著に抑制できる方法を提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、前記特性に加
えて、湿潤により容易に崩壊できるフィルター材料およ
びそれを備えたたばこフィルターを提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、エステル系可塑剤に代
えてホットメルト接着性を有する粉粒状の熱可塑性樹脂
をバインダーとして添加すると、活性炭等の吸着剤が共
存していても、酢酸臭などの酸性臭気成分の生成が顕著
に抑制されること、得られたフィルターが、香喫味を損
なうことなく、適度な硬度を有することを見いだし、本
発明を完成した。
【0015】すなわち、本発明のフィルター材料は、セ
ルロースエステル繊維、吸着剤、およびホットメルト接
着性を有する熱可塑性樹脂を含んでいる。前記吸着剤に
は活性炭などが含まれ、熱可塑性樹脂には融点50〜2
00℃程度の樹脂が含まれる。熱可塑性樹脂は粉粒状体
である場合が多く、その平均粒子径は、例えば、10〜
500μm程度であってもよい。
【0016】前記フィルター材料は、セルロースエステ
ル繊維束、この繊維束に含まれる粉粒状活性炭、および
前記セルロースエステル繊維を接着し、前記繊維束に粉
粒状活性炭を保持させるためのホットメルト接着性を有
する粉粒状の熱可塑性樹脂で構成され、ロッド状である
場合が多い。
【0017】このようなフィルター材料において、各成
分の割合は、例えば、セルロースエステル繊維100重
量部に対して、吸着剤1〜200重量部、および粉粒状
の熱可塑性樹脂0.5〜50重量部程度である。
【0018】前記フィルター材料はたばこフィルターの
構成材料として有用である。そのため、本発明のたばこ
フィルターは、前記ロッド状フィルター材料を備えてい
る。
【0019】また、本発明の方法では、セルロースエス
テル繊維束に、吸着剤とホットメルト接着性を有する粉
粒状の熱可塑性樹脂とを共存させることにより、酸性臭
気成分の生成を抑制できる。
【0020】なお、ロッド状のフィルター材料やたばこ
フィルター用ロッドは、セルロースエステル繊維のトウ
に、吸着剤、およびホットメルト接着性を有する粉粒状
の熱可塑性樹脂を添加する添加工程、吸着剤および熱可
塑性樹脂を含むトウを巻紙により巻いて(包み込んで)
ロッドに成形する成形工程、この成形工程又は成形工程
の後、前記ロッドを加熱処理し、熱可塑性樹脂の少なく
とも表面を溶融する熱処理工程、および熱処理工程の
後、前記ロッドを冷却する冷却工程を経ることにより製
造できる。
【0021】なお、樹脂の中には、明瞭な融点を示さず
特定の温度で軟化する樹脂がある。本明細書において、
「融点」とはそのような樹脂の軟化点を含む意味に用い
る。また、ホットメルト接着性を有する熱可塑性樹脂を
単に「熱可塑性樹脂」又は「樹脂」と称し、熱可塑性水
溶性樹脂を単に「水溶性樹脂」と称する場合がある。
【0022】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0023】前記セルロースエステルとしては、例え
ば、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セ
ルロースプロピオネートなどの有機酸エステル;硝酸セ
ルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロースなどの無
機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、
セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテー
トフタレート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステ
ル;およびポリカプロラクトングラフト化セルロースア
セテートなどのセルロースエステル誘導体などが例示さ
れる。これらのセルロースエステルは、単独でまたは二
種以上混合して使用できる。
【0024】セルロースエステルの平均重合度は、例え
ば10〜1000、好ましくは50〜900、さらに好
ましくは200〜800程度であり、セルロースエステ
ルの平均置換度は、例えば1〜3程度である。なお、平
均置換度1〜2.15、好ましくは1.1〜2.0程度
のセルロースエステルは、生分解性を高める上で有用で
ある。
【0025】好ましいセルロースエステルには、有機酸
エステル(例えば、炭素数2〜4程度の有機酸とのエス
テル)、特にセルロースアセテートが含まれる。セルロ
ースアセテートの酢化度は、43〜62%程度である場
合が多いが、酢化度30〜50%程度のセルロースエス
テルは、生分解性にも優れている。そのため、セルロー
スアセテートの酢化度は30〜62%程度の範囲で適当
に選択できる。
【0026】なお、繊維束は、喫煙性、フィルターへの
加工性などを損わない範囲であれば、前記セルロースエ
ステル繊維に加えて、例えば、レーヨン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ナ
イロン繊維などの他の繊維を含んでいてもよい。好まし
い繊維束はセルロースエステル繊維だけで構成すること
ができる。
【0027】なお、前記セルロースエステル繊維は、種
々の添加剤、例えば、カオリン、タルク、ケイソウ土、
石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ア
ルミナなどの無機微粉末;カルシウム、マグネシウムな
どのアルカリ土類金属の塩などの熱安定化剤;着色剤;
油剤;歩留り向上剤などを含んでいてもよい。また、ク
エン酸、酒石酸、リンゴ酸などの環境分解促進剤(生分
解促進剤)、アナターゼ型酸化チタンなどの光分解促進
剤などを含有させることにより、繊維の分解性を高める
ことができる。
【0028】また、セルロースエステル繊維は、白色度
改善剤、例えば、酸化チタン、好ましくはアナターゼ型
酸化チタンを含む場合が多い。酸化チタンの平均粒子径
は、例えば、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5
μm程度である場合が多い。酸化チタンの含有量は、セ
ルロースエステル全体に対して、0.05〜2.0重量
%、好ましくは0.1〜1重量%、さらに好ましくは
0.2〜0.8重量%程度であり、0.4〜0.6重量
%程度である場合が多い。
【0029】セルロースエステル繊維の繊度は、1〜1
6デニール、好ましくは1〜10デニール、さらに好ま
しくは2〜8デニール程度である。セルロースエステル
繊維は、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維である
のが好しい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ
(2.54cm)当り5〜75個、好ましくは10〜5
0個、さらに好ましくは15〜50個程度である。繊維
の捲縮度は、1インチ(2.54cm)当り20〜50
個程度である場合が多い。また、均一に捲縮した捲縮繊
維を用いる場合が多い。捲縮繊維を用いると、適度な通
気抵抗を有し、チャンネリングが抑制されたフィルター
材料(ロッド)を得ることができるとともに、熱可塑性
樹脂の付着量が少なくても前記繊維を有効に接合でき
る。
【0030】セルロースエステル繊維の断面形状は、特
に制限されず、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、
Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などの
いずれであってもよい。
【0031】セルロースエステル繊維で構成されたトウ
(繊維束)は、例えば、3,000〜1,000,00
0本、好ましくは5,000〜100,000本程度の
セルロースエステル繊維の単繊維を束ねることにより形
成できる。繊維束は、3,000〜100,000本程
度の連続繊維を集束して構成する場合が多い。
【0032】本発明のフィルター材料は、セルロースエ
ステル繊維に加えて、気相成分の選択的除去により、た
ばこ喫味を向上させるための吸着剤を含んでいる。吸着
剤としては、例えば、天然又は合成ゼオライト、活性ア
ルミナ、シリカゲル、ベントナイト、酸性白土などの
他、活性炭が挙げられる。好ましい吸着剤には活性炭が
含まれる。
【0033】前記活性炭には、種々の活性炭、例えば、
ヤシ殻、クルミ殻などの果実殻炭、木炭などの植物系活
性炭、フェノール樹脂、レーヨン、ポリ塩化ビニリデ
ン、アクリル樹脂、セルロースなどの高分子を原料とす
る合成樹脂又は高分子系活性炭、褐炭、レキ青炭、無煙
炭、コークス、石炭又は石油ピッチなどの鉱物系原料を
用いた鉱物系活性炭などが含まれる。これらの活性炭は
一種又は二種以上使用できる。これらの活性炭のうちヤ
シ殻活性炭などの植物系活性炭を用いる場合が多い。
【0034】前記活性炭などの吸着剤には、必要に応じ
て有害成分に対する選択除去性を高めるため、非揮発性
薬剤、例えば、有機酸又は無機酸などの酸成分、有機塩
基又は無機塩基などの塩基成分が担持されていてもよ
い。
【0035】活性炭などの吸着剤は繊維状であってもよ
いが粉粒状で使用する場合が多い。吸着剤は造粒活性炭
などのように、バインダーを用いて造粒した造粒物であ
ってもよい。粉粒状吸着剤の平均粒子径は、香喫味、フ
ィルター材料の一体性などを損なわない広い範囲から選
択でき、例えば、0.1〜1000μm,好ましくは5
〜500μm,さらに好ましくは10〜300μm程度
である。また、粉粒状吸着剤の平均粒径は、例えば、1
6〜200メッシュ、好ましくは20〜150メッシ
ュ,さらに好ましくは28〜60メッシュ程度である場
合が多い。
【0036】吸着剤の比表面積は、フェノール類などの
有害成分の除去効率を損なわない範囲で選択でき、例え
ば、200〜4000m2 /g,好ましくは300〜3
000m2 /g,さらに好ましくは500〜2500m
2 /g程度であり、1000〜2000m2 /g程度で
ある場合が多い。
【0037】吸着剤はセルロースエステル繊維束内で全
体に亘り均一に分布していてもよく、不均一又は部分的
に存在していてもよい。また、吸着剤が前記繊維束内で
部分的に分布する場合、例えば、セルロースエステル繊
維束の軸方向に沿って中心部または外周部に存在してい
てもよく、リング状又は螺旋状などの適当な形状に分布
又は存在していてもよい。
【0038】セルロースエステル繊維に対する吸着剤の
添加量は、有害成分の除去効率および香喫味の点から選
択でき、例えば、セルロースエステル繊維100重量部
に対して1〜200重量部、好ましくは10〜150重
量部、さらに好ましくは25〜120重量部(例えば、
30〜100重量部)程度であり、50〜100重量部
程度である場合が多い。
【0039】本発明の特色は、活性炭などの吸着剤が共
存する系において、エステル系可塑剤に代えてホットメ
ルト接着性を有する熱可塑性樹脂をセルロースエステル
繊維に添加し、酸性臭気成分の生成を抑制する点にあ
る。すなわち、ホットメルト接着性熱可塑性樹脂はエス
テル系可塑剤に比べて分子量が大きく、活性炭などの吸
着剤の活性化作用によっても分解することがない。その
ため、本発明の方法では、セルロースエステル繊維束
に、吸着剤(特に活性炭)とホットメルト接着性を有す
る熱可塑性樹脂とを添加し、吸着剤と熱可塑性樹脂とを
共存させていても、長期間に亘り酸性臭の発生を顕著に
抑制できる。特に、セルロースエステル繊維のバインダ
ーとして繁用されているトリアセチンを用いる必要がな
いので、酢酸臭の発生を防止できる。
【0040】ホットメルト接着性を有する熱可塑性樹脂
は、香喫味及び安全性を害さないため、毒性がなく、無
味無臭であるのが好ましい。また、熱可塑性樹脂は、フ
ィルター材料の外観上の観点から色相が無色透明もしく
は白色であるのが好ましい。
【0041】前記熱可塑性樹脂には、水不溶性乃至水難
溶性樹脂、および水溶性樹脂が含まれ、溶融・固化によ
り接着力が発現する樹脂であればよい。前記水不溶性乃
至水難溶性樹脂と水溶性樹脂は、必要に応じて併用して
もよい。前記熱可塑性樹脂として水溶性樹脂を用いたフ
ィルター材料は、湿潤時の崩壊性に優れ、喫煙後誤って
環境中に捨てられても、雨水などの水により、速やかに
繊維状に崩壊し、環境汚染を軽減できるとともに、環境
の美観の保全に有効である。
【0042】水不溶性乃至水難溶性樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオ
レフィン系の単独又は共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ
メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−アクリル酸
エステル共重合体、(メタ)アクリル系モノマーとスチ
レン系モノマーとの共重合体などのアクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリス
チレン、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノ
マーとの共重合体などのスチレン系重合体、変性されて
いてもよいポリエステル、ナイロン11、ナイロン1
2、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミ
ド、ロジン誘導体(例えば、ロジンエステルなど)、炭
化水素樹脂(例えば、テルペン樹脂、ジシクロペンタジ
エン樹脂、石油樹脂など)、水素添加炭化水素樹脂など
が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は一種又は二種以
上使用できる。
【0043】水溶性樹脂には、種々の水溶性高分子、例
えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルエーテル、ビニル単量体と、カルボキシル
基、スルホン酸基又はそれらの塩を有する共重合性単量
体との共重合体などのビニル系水溶性樹脂、アクリル系
水溶性樹脂、ポリアルキレンオキサイド、水溶性ポリエ
ステル、水溶性ポリアミドなどが含まれる。
【0044】ポリビニルアルコールには、例えば、完全
鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコ
ールなどのポリビニルアルコール、ポリビニルアルコー
ルの誘導体(例えば、部分アセタール化ポリビニルアル
コール、アクリル変性ポリビニルアルコールなど)が含
まれる。ポリビニルアルコールには、共重合によりエチ
レン単位が導入されていてもよい。
【0045】ポリビニルエーテルには、例えば、ポリビ
ニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリ
ビニルプロピルエーテル、ポリビニルイソプロピルエー
テル、ポリビニルブチルエーテル、ポリビニルイソブチ
ルエーテルなどが含まれる。
【0046】ビニル単量体と、カルボキシル基、スルホ
ン酸基又はそれらの塩を有する共重合性単量体との共重
合体には、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルアル
キルエーテル、スチレンなどのビニル単量体と、(メ
タ)アクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、クロト
ン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸又はそ
の酸無水物、エチレンスルホン酸などのα,β−エチレ
ン性不飽和スルホン酸との共重合体又はその誘導体が含
まれ、前記共重合体は、必要に応じてさらに(メタ)ア
クリル酸エステルなどの他の単量体との共重合体であっ
てもよい。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸又はそ
の酸無水物が多価カルボン酸又はその酸無水物である場
合には、水溶性を損わない範囲で、アルコールとの半エ
ステル又はアルコールとのジエステルとして使用しても
よい。また、前記ビニル単量体および共重合性単量体
は、それぞれ、単独で又は二種以上使用して共重合体を
形成してもよい。このような共重合体としては、例え
ば、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−ク
ロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
ビニルアルコール−マレイン酸共重合物、ビニルアルコ
ール−エチレンスルホン酸共重合体、ビニルアルコール
−(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルメチルエーテル
−マレイン酸共重合体、ビニルエチルエーテル−マレイ
ン酸共重合体、ビニルイソブチルエーテル−マレイン酸
共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ス
チレン−マレイン酸共重合体、スチレン−クロトン酸共
重合体などが挙げられる。
【0047】アクリル系水溶性樹脂には、(メタ)アク
リル酸又はその塩により水溶性が付与されたアクリル樹
脂、例えば、ポリアクリル酸とその塩(例えば、ポリア
クリル酸ナトリウムやポリアクリル酸アンモニウムな
ど)、ポリメタクリル酸とその塩、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、ポリア
クリル酸エステル部分鹸化物、ポリアクリル酸エステル
共重合体の部分鹸化物、ポリアクリルアマイドなどが挙
げられる。
【0048】ポリアルキレンオキサイドには、ポリエチ
レンオキサイド(ポリエチレングリコール)、ポリプロ
ピレンオキサイド(ポリプロピレングリコール)、エチ
レンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などが
含まれる。なお、水溶性ポリプロピレンオキサイドは分
子量1000以下である場合が多い。ポリアルキレンオ
キサドのヒドロキシル基は、末端封鎖剤、例えば、有
機カルボン酸などで封鎖されていてもよい。なお、ホッ
トメルト接着性を有するポリアルキレンオキサイドは、
分子量3,000〜100,000、好ましくは5,0
00〜50,000程度のポリエチレンオキサイドであ
る場合が多い。
【0049】水溶性ポリエステルには、(1)グリコー
ル成分として少なくともポリエチレングリコールを用い
たポリエステル、(2)1分子中に3以上のカルボキシ
ル基を有する多価カルボン酸、又はスルホイソフタル酸
などのようにスルホン酸基を有するジカルボン酸をカル
ボン酸成分の一部又は全部として用い、残存するカルボ
キシル基又はスルホン酸基をナトリウム、カリウムなど
のアルカリ金属、アンモニアやアミン類で中和したポリ
エステル、(3)上記(1)と(2)との組合せ、すな
わち、ポリエチレングリコールと、1分子中に3以上の
カルボキシル基を有する多価カルボン酸又はスルホン酸
基を有するジカルボン酸とを少なくとも用いて得られる
ポリエステルなどが含まれる。ポリエチレングリコール
としては、高い水溶性を付与するため、例えば、分子量
200〜5000程度のポリエチレングリコールを用い
てもよい。
【0050】水溶性ポリアミドには、(4)ジアミン成
分としてポリエチレングリコール単位を有するジアミン
と、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸との反
応により得られるポリアミド(特開昭60−21928
1号公報)、(5)第3級アミノ基を有するジアミン
(例えば、アミノエチルピペラジン、ビスアミノプロピ
ルピペラジンなど)と、ジカルボン酸との反応により得
られるポリアミド(特開昭60−219281号公
報)、(6)ジカルボン酸成分としてスルホイソフタル
酸又はその塩を用い、スルホネート塩の基を導入したポ
リアミド(特公昭57−8838号公報)などが含まれ
る。ポリアミドの調製に際しては、ε−カプロラクタム
などのラクタム類を併用してもよい。ポリエチレングリ
コール単位の分子量は、高い水溶性を付与するため、2
00〜5000程度であってもよい。
【0051】水による速やかな崩壊性を発揮するため、
ホットメルト接着性の水溶性樹脂の溶解度は、20℃の
水に対して少なくとも5重量%以上、好ましくは10重
量%以上(例えば、30重量%〜無限大)、さらに好ま
しくは50重量%以上(例えば、50〜無限大)程度で
ある。カルボキシル基、スルホン酸基が導入された水溶
性樹脂において、酸価は、例えば、30〜300KOH
mg/g程度である場合が多い。
【0052】これらの水溶性樹脂は、単独で使用できる
とともに二種以上組合せて使用してもよい。ポリビニル
アルコール系ホットメルト接着剤は、例えば、重合度1
000以下(例えば、100〜700)、ケン化度80
モル%以下(例えば20〜60モル%)のポリビニルア
ルコールと、平均重合度150以上の高分子量ポリエチ
レングリコールと、平均重合度10以下の低分子量ポリ
エチレングリコールとで構成してもよい(例えば、特開
平5−65465号公報)。
【0053】なお、水溶性樹脂を水性溶液または水性分
散液として使用すると、ロッド状フィルター材料の強度
及び硬度が著しく低下し、巻紙によるトウの巻上げ操作
のみならず、チップへの切断性が損なわれ易い。一方、
溶融・固化により接着力が発現するホットメルト接着性
の樹脂(水溶性ホットメルト接着剤)は無溶剤型接着剤
であるため、上記のような問題は解消される。また、水
溶性樹脂を用いると、崩壊性の高いフィルター材料を得
ることができる。好ましい水溶性樹脂には、例えば、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルエーテルなどのビニル系樹脂、ポリアルキレンオキサ
イド、ポリアミド、ポリエステル、アクリル系樹脂など
が含まれる。特に、ポリビニルアルコール、ポリアルキ
レンオキサイド、ポリアミド、ポリエステル、アクリル
系樹脂などが好ましい。
【0054】前記熱可塑性樹脂は室温で固体であり、そ
の融点は、例えば、50〜200℃、好ましくは70〜
170℃、さらに好ましくは80〜150℃程度であ
り、50〜150℃程度である場合が多い。樹脂の融点
が50℃未満では、喫煙により樹脂が軟化又は溶融する
虞があり、200℃を越えると、樹脂の溶融によりセル
ロースエステル繊維が損傷する場合がある。なお、加熱
溶融により接着性を有効に発現させるため、前記樹脂の
分解温度は200℃以上である場合が多い。また、ホッ
トメルト接着性熱可塑性樹脂の軟化点は、例えば、50
〜200℃、好ましくは75〜150℃程度である場合
が多い。
【0055】ホットメルト接着性樹脂の溶融粘度は、1
50℃において100〜100,000cps、好まし
くは150〜75,000cps、さらに好ましくは2
00〜50,000cps程度である。
【0056】ホットメルト接着性の樹脂は繊維状で使用
してもよいが、セルロースエステル繊維に対する接着効
率、ひいては活性炭の保持能を高めるため、実用的には
粉粒状体として使用する場合が多い。熱可塑性樹脂の粉
粒状体の粒子径は、セルロースエステル繊維に対して接
着性を有効に発現し、かつ巻上げ操作性を損わない範囲
で選択でき、例えば、平均粒子径10〜500μm、好
ましくは30〜300μm、さらに好ましくは50〜2
00μm程度である。平均粒子径が10μm未満では、
巻上げ操作による樹脂の飛散量が多く、しかも回収が困
難であるため歩留りが低下するとともに、巻上げ操作性
を損う場合がある。一方、平均粒子径が500μmを越
えると、樹脂をセルロースエステル繊維の接着に有効に
利用できなくなる。
【0057】樹脂の使用量は、樹脂の種類と使用形態お
よびセルロースエステル繊維の特性に応じて選択でき、
例えば、セルロースエステル繊維のトウ100重量部に
対して0.5〜50重量部(例えば、1〜30重量
部)、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは5
〜25重量部程度であり、2〜20重量部(例えば、7
〜20重量部、特に5〜20重量部)程度である場合が
多い。粉粒状樹脂の使用量が0.5重量部未満である
と、セルロースエステル繊維に対するバインダーとして
の効果が少なく、フィルター材料に要求される硬度が発
現せず、50重量部を越えると喫味や巻き上げ作業が損
われ易く、熱可塑性樹脂による皺などが巻紙に生じ易く
なる。
【0058】前記熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、紫外
線吸収剤などの安定化剤、充填剤、可塑剤、防腐剤、防
黴剤などの種々の添加剤を添加してもよい。
【0059】本発明の方法は、前記セルロースエステル
繊維のトウに、吸着剤およびホットメルト接着性を有す
る粉粒状の熱可塑性樹脂を添加する添加工程、吸着剤お
よび熱可塑性樹脂を含むトウを巻紙により巻いてロッド
に成形する成形工程、この成形工程又は成形工程の後、
前記ロッドを加熱処理し、熱可塑性樹脂の少なくとも表
面を溶融する熱処理工程、および熱処理工程の後、前記
ロッドを冷却する冷却工程とで構成できる。
【0060】このような方法において、添加工程におけ
る吸着剤および粉粒状の熱可塑性樹脂の添加には、例え
ば、たばこチャコールフィルターの製造に用いられてい
る活性炭粉末添加装置などを利用できる。
【0061】なお、セルロースエステル繊維のトウは、
吸着剤および粉粒状樹脂の添加に先立って開繊し、吸着
剤および粉粒状樹脂の付着性や保持能を高めるのが好ま
しい。トウの開繊幅は、広い範囲で選択でき、例えば、
幅100〜500mm、好ましくは150〜450mm
程度であり、150〜400mm程度である場合が多
い。トウを開繊すると、活性炭などの吸着剤および粉粒
状の熱可塑性樹脂を全体に亘り均一に添加でき、硬度を
含めてフィルター特性の均一性を高めることができる。
なお、開繊工程では、セルロースエステル繊維のトウを
開繊できる種々の方法、例えば、トウを複数の開繊ロー
ラに掛渡し、トウの進行に伴なって次第にトウの幅を拡
大して開繊する方法、トウの緊張(伸長)と弛緩(収
縮)とを繰返して開繊する方法などが採用できる。
【0062】図1は添加装置を示す概略側面図である。
この例では、吸着剤として活性炭が使用されている。セ
ルロースエステル繊維のトウ1は、搬送ローラ(図示せ
ず)を備えた搬送機構により開繊されながら搬送され、
開繊された連続的な帯状のトウ1には、添加装置の供給
ローラ2から、吸着剤としての活性炭および粉粒状熱可
塑性樹脂が散布される。すなわち、前記添加装置は、活
性炭および粉粒状熱可塑性樹脂の混合物を収容するホッ
パーとしてのケーシング3、このケーシングの下部開口
部に回転可能に配設された供給ローラ2、前記ケーシン
グ3のうち供給ローラ2の下流側の壁面に取り付けられ
た開度調整プレート4、および調整プレートと供給ロー
ラ2との間のスリットsの開度を調整するためのセット
ボルト5およびワッシャ5aを備えている。
【0063】このような添加装置を用いると、供給ロー
ラ2の回転に伴って、前記スリットsの開度に応じて、
吸着剤としての活性炭および熱可塑性樹脂を開繊された
トウ1に散布しながら均一に供給できる。また、スリッ
トsの開度および供給ローラ2の回転速度に応じて、活
性炭および熱可塑性樹脂の供給量を調整できる。そのた
め、このような成形工程を経て得られるフィルター材料
は、粉粒状の吸着剤及び熱可塑性樹脂を用いるにも拘ら
ず、均一性が高く、適度な通気性及び硬度を有し、たば
この香喫味を損うことがない。
【0064】なお、前記添加装置では吸着剤(活性炭)
と熱可塑性樹脂との混合物をケーシング内に収容してい
るが、吸着剤(活性炭)と粉粒状熱可塑性樹脂との粒子
径や比重などによっては、飛散量が多くなったり、均一
混合性、トウに対する均等な分配が困難となる場合があ
る。このような場合、吸着剤(活性炭)に熱可塑性樹脂
が付着した粉粒状物を散布しながらトウに供給すると、
飛散量を抑制しつつ、均一な分配が可能となり、トウに
対して活性炭と熱可塑性樹脂を均一に供給できる。ま
た、前記吸着剤と熱可塑性樹脂との粉粒状物を用いるこ
とにより、付着した熱可塑性樹脂によりセルロースエス
テル繊維を接着させ、セルロースエステル繊維に対する
吸着剤(活性炭)の保持性も高めることができ、吸着剤
(活性炭)の脱落も防止できる。吸着剤の吸着能を損な
うことなく、熱可塑性樹脂をセルロースエステル繊維に
対する接合に有効に利用するため、吸着剤の表面には前
記熱可塑性樹脂が粉粒状で散在しているのが好ましい。
【0065】吸着剤(活性炭)に熱可塑性樹脂を付着さ
せる方法は、吸着剤の吸着能が損なわれない限り特に制
限されず、例えば、吸着剤と粉粒状の熱可塑性樹脂との
混合物を混合しながら熱可塑性樹脂の軟化温度または融
点に加熱する方法、吸着剤と粉粒状の熱可塑性樹脂とを
浮遊させながら加熱する方法、浮遊する吸着剤に溶融し
た熱可塑性樹脂を噴霧する方法などが例示できる。
【0066】前記粉粒状物において、吸着剤と熱可塑性
樹脂との割合は、適当に選択でき、例えば、吸着剤10
0重量部に対して熱可塑性樹脂1〜300重量部、好ま
しくは5〜200重量部、さらに好ましくは10〜50
重量部程度であり、10〜70重量部程度である場合が
多い。
【0067】また、活性炭と粉粒状の熱可塑性樹脂は1
つの添加装置から同時にトウに供給する必要はなく、例
えば、トウの搬送方向に複数の添加装置(通常は2つの
添加装置)を設け、活性炭及び/又は粉粒状熱可塑性樹
脂を順次供給してもよい。複数の添加装置を用いる場
合、活性炭と熱可塑性樹脂の添加順序は特に制限されな
い。
【0068】なお、活性炭および熱可塑性樹脂は、前記
の構造の添加装置に限らず、種々の装置を使用してトウ
に添加できる。例えば、熱可塑性樹脂は溶融して噴霧す
ることによりトウに添加してもよい。
【0069】また、成形工程では、トウを巻紙により巻
上げて(包み込んで)ロッドに成形する慣用のたばこフ
ィルター製造装置が利用できる。例えば、ロート状の管
部材で構成された成形部材をトウの搬送路に設け、帯状
に開繊し、かつ前記活性炭および熱可塑性樹脂が添加又
はまぶされたトウを、成形部材内を通過させることによ
り、トウをロッド状に成形できる。また、複数の成形部
材(通常は2つの成形部材)をトウの搬送路に設け、前
記と同様に第1の成形部材でトウをロッド状に成形し、
成形されたロッド状のトウを、巻紙ローラから繰り出さ
れ、かつ糊付け器により片面などの適所に接着剤が塗布
された巻紙と共に第2の成形部材内に供給することによ
り、ロッドを巻き上げることができる。
【0070】なお、巻紙を接着させるための接着剤に
は、水不溶性樹脂を用いてもよいが、水に対するフィル
ターの崩壊性又は分散性を高めるためには、水溶性樹
脂、特にホットメルト接着性樹脂を用いるのが好まし
い。なお、ホットメルト接着性樹脂としては、前記と同
様の水溶性樹脂が使用できる。
【0071】前記の方法において、トウの巻上げは、実
用的には、例えば、200〜1000m/分、好ましく
は300〜800m/分(例えば、300〜600m/
分)程度の高速で行われる。トウの巻上げ速度は250
〜700m/分程度である場合が多い。
【0072】さらに、熱処理工程及び冷却工程では、慣
用の加熱手段(例えば、ヒーター、熱風、マイクロ波加
熱器など)、冷却手段(例えば、クーラーなど)が使用
できる。前記熱処理工程は、トウをロッドに成形する成
形工程又は成形工程の後で行なうことができる。また、
熱処理工程では、前記ロッドに含まれる熱可塑性樹脂の
少なくとも表面を溶融すればよいが、粉粒状の熱可塑性
樹脂は溶融する場合が多い。このような加熱処理工程に
おいて、熱可塑性樹脂がホットメルト接着性を有するた
め、加熱操作により熱硬化性樹脂はセルロースエステル
繊維及び/又は吸着剤を効率よく接合する。さらに、粉
粒状の熱可塑性樹脂を用いると、加熱効率及び接合効率
を高めることができ、適度な通気性及び硬度を有する一
体性の高いフィルター材料を得ることができる。
【0073】熱処理工程の後、冷却工程で前記ロッドを
冷却することにより、ロッド状のフィルター材料を得る
ことができる。たばこフィルターの材料として使用する
場合、ロッド状のフィルター材料を、通常、所定の長さ
に切断することにより、たばこフィルタープラグやフィ
ルターチップを得ることができる。
【0074】このようにして得られたフィルター材料
(ロッド)は、セルロースエステル繊維束、この繊維束
に含まれる粉粒状吸着剤(活性炭)、およびホットメル
ト接着性を有する粉粒状の熱可塑性樹脂で構成され、こ
の熱可塑性樹脂は前記セルロースエステル繊維を接着
し、前記繊維束には粉粒状吸着剤(活性炭)が保持され
ている。また、前記熱可塑性樹脂を介して、吸着剤とセ
ルロースエステル繊維とがランダムに接合している場合
が多い。
【0075】前記フィルター材料(ロッド状フィルター
材料)は、たばこフィルターの構成材料として適してい
る。すなわち、本発明のたばこフィルターは、前記ロッ
ド状フィルター材料を備えている。より具体的には、前
記フィルター材料は、たばこフィルター全体を構成して
もよく、複数のフィルター部材(例えば、2つのフィル
ター部材)間に介在させることによりたばこフィルター
の一部を構成してもよい。前記フィルター部材は、クレ
ープ状に加工した、木材パルプを原料とした紙製のたば
こフィルター部材や再生セルロース繊維束からなるたば
こフィルター部材で構成することもできるが、セルロー
スアセテート繊維束などのセルロースエステル繊維束で
構成するのが実用的に有利である。後者の場合、セルロ
ースエステル繊維のバインダーとしては、従来のエステ
ル系可塑剤および前記熱可塑性樹脂のいずれも使用でき
る。また、熱可塑性樹脂をバインダーとして使用する場
合、水溶性樹脂を用いると、たばこフィルターの水分に
よる崩壊性を高めることができ、環境汚染の軽減に有利
である。
【0076】
【発明の効果】本発明のフィルター材料およびこれを備
えたたばこフィルターは、セルロースエステル繊維のバ
インダーが熱可塑性樹脂であるため、活性炭などの吸着
剤とバインダーとが共存していても、酸性臭気成分の発
生を抑制できる。また、繁用されているトリアセチンに
代えてホットメルト接着性を有する前記熱可塑性樹脂を
用いるだけで、長期間に亘り高温下で保存しても酢酸臭
の生成を顕著に抑制できる。さらに、熱可塑性樹脂が粉
粒状体である場合には、吸着剤と熱可塑性樹脂とをトウ
に対して比較的均一に供給できるので、フィルター材料
は、均一性が高く、適度な通気性及び硬度を有し、たば
この喫味を損うことがない。
【0077】本発明の方法では、熱可塑性樹脂がホット
メルト接着性を有すると共に粉粒状であるため、トウに
対する均一な供給性、加熱工程での加熱効率及び冷却効
率を高めることができると共に、セルロースエステル繊
維のトウを高速でかつ円滑に巻上げることができ、前記
の如き優れた特性を有するフィルター材料を効率よく製
造することができる。
【0078】本発明の方法では、前記熱可塑性樹脂を用
いるだけで、活性炭などの吸着剤が共存するセルロース
エステル繊維を含むフィルターを高温下で長期間に亘り
保存しても酸性臭気成分の生成を顕著に抑制できる。
【0079】さらに、熱可塑性樹脂として水溶性樹脂を
使用すると、喫煙後誤って環境中に捨てられても、湿潤
時の崩壊性に優れ、雨水などの水により、速やかに繊維
状に崩壊し、環境汚染を軽減できるとともに、環境の美
観の保全に有効である。
【0080】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0081】実施例1 断面Y字状の3デニールのフィラメントで構成されたセ
ルロースアセテート繊維のトウ(トータルデニール36
000)を幅約20cmに開繊し、たばこ煙用活性炭添
加フィルター製造用巻上機(KDF2/AC1/AF
1;ドイツ ハウニ社製)の活性炭粉末添加装置を用い
て、開繊したトウ100重量部に対して、活性炭(比表
面積1200m2 /g,28〜60メッシュ)80重量
部(トウ10mm当たり40mg)およびホットメルト
接着性を有する粉粒状のエチレン−酢酸ビニル系樹脂
(大同化成(株)製、商品名ダイカラックS1101,
60メッシュパス)15重量部を均一に散布した。次い
で、トウを紙巻装置に供給し、巻取紙を用いてトウを巻
上速度400m/分で巻上げ、得られたフィルターロッ
ドを長さ120mmに切断し、オーブン内で120℃で
10分間加熱し、冷却することにより、フィルタープラ
グを得た。
【0082】実施例2 実施例1の活性炭480重量部と実施例1の粉粒状熱可
塑性樹脂100重量部とを、混合しつつ120℃で10
分間加熱し、冷却することにより、活性炭の表面に熱可
塑性樹脂が付着した粉粒状物を調製した。
【0083】実施例1の活性炭および粉粒状熱可塑性樹
脂に代えて、上記粉粒状物をトウ100重量部に対して
90重量部(活性炭74.5重量部および熱可塑性樹脂
15.5重量部)添加する以外、実施例1と同様にして
フィルタープラグを得た。
【0084】比較例 セルロースアセテート繊維のトウ100重量部に対して
トリアセチン6重量部を塗布した後、実施例1の活性炭
80重量部を添加する以外、実施例1と同様にしてフィ
ルタープラグを得た。
【0085】参考例 活性炭およびバインダーを用いることなくセルロースア
セテート繊維のトウを実施例1と同様にして巻き上げ、
切断することによりフィルタープラグを得た。
【0086】そして、実施例、比較例および参考例で得
られたフィルタープラグについて、下記のようにして、
酢酸の生成量を測定すると共に臭気の評価を行ったとこ
ろ、表に示す結果を得た。なお、酢酸の生成を促進させ
るため、密閉容器内で35℃,相対湿度90%で1カ月
間保存したフィルタープラグについて、酢酸の生成量の
測定と臭気の評価を行った。
【0087】酢酸の生成量:巻取紙を除去したフィルタ
ープラグ5本をエタノール60ml中に入れ、超音波洗
浄器により超音波を30分間照射して前記プラグ中の酢
酸を抽出し、抽出液を回収する。残存するフィルタープ
ラグ5本にエタノール60mlを添加し、上記抽出操作
を繰り返し、抽出液を前記回収抽出液と合わせる。抽出
液10mlをメンブランフィルター(Milipore Millex-
GU,0.22μm)で濾過して微粉末活性炭を除き、濾
液2μlをガスクロマトグラフィー(GC HP589
0,カラムJ&W DB−WAX(メガボアカラム,
m))に供することにより、生成した酢酸量を定量す
る。
【0088】臭気の評価:下記の基準で臭気の程度を評
価した。
【0089】 レベル0:酢酸臭なし レベル1:僅かに酢酸臭様のにおいがある レベル2:酢酸臭がある レベル3:酢酸臭が強い
【0090】
【表1】 表より明らかなように、活性炭とエステル系可塑剤とが
共存する比較例のフィルター材料では、酢酸の生成量が
多く、臭気レベルも高い。これに対して、実施例で得ら
れたフィルター材料では酢酸の生成量を顕著に抑制でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は添加装置を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1…セルロースエステル繊維のトウ 2…供給ローラ 3…ケーシング 4…開度調整プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大路 信之 大阪市住之江区南港中3−3−31−626 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A24D 3/10 A24D 3/02 A24D 3/14 A24D 3/16

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースエステル繊維、吸着剤、およ
    びホットメルト接着性を有する熱可塑性樹脂を含むフィ
    ルター材料。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂の融点が50〜200℃で
    ある請求項1記載のフィルター材料。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が平均粒子径10〜500
    μmの粉粒状体である請求項1記載のフィルター材料。
  4. 【請求項4】 吸着剤が活性炭である請求項1記載のフ
    ィルター材料。
  5. 【請求項5】 吸着剤としての活性炭に熱可塑性樹脂が
    付着している請求項1記載のフィルター材料。
  6. 【請求項6】 セルロースエステル繊維100重量部に
    対して、吸着剤1〜200重量部、および粉粒状の熱可
    塑性樹脂0.5〜50重量部を含む請求項1記載のフィ
    ルター材料。
  7. 【請求項7】 セルロースエステル繊維束、この繊維束
    に含まれる粉粒状活性炭、および前記セルロースエステ
    ル繊維を接着し、前記繊維束に粉粒状活性炭を保持させ
    るためのホットメルト接着性を有する粉粒状の熱可塑性
    樹脂で構成されたロッド状のフィルター材料。
  8. 【請求項8】 セルロースアセテート繊維束100重量
    部に対して、比表面積200〜4000m2 /gの粉粒
    状活性炭25〜150重量部、および粉粒状の熱可塑性
    樹脂5〜25重量部を含む請求項7記載のフィルター材
    料。
  9. 【請求項9】 セルロースエステル繊維、吸着剤、およ
    びホットメルト接着性を有する熱可塑性樹脂で構成され
    たロッド状フィルター材料を備えたたばこフィルター。
  10. 【請求項10】 セルロースエステル繊維束に、吸着剤
    とホットメルト接着性を有する熱可塑性樹脂とを共存さ
    せる、酸性臭気成分の生成を抑制する方法。
  11. 【請求項11】 セルロースエステル繊維のトウに、吸
    着剤、およびホットメルト接着性を有する粉粒状の熱可
    塑性樹脂を添加する添加工程、吸着剤および熱可塑性樹
    脂を含むトウを巻紙により巻いてロッドに成形する成形
    工程、この成形工程又は成形工程の後、前記ロッドを加
    熱処理し、熱可塑性樹脂の少なくとも表面を溶融する熱
    処理工程、および熱処理工程の後、前記ロッドを冷却す
    る冷却工程を含むフィルター材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 2.54cm当りの捲縮度が10〜5
    0個の捲縮したセルロースエステル繊維で構成されたト
    ウを幅150〜450mmに開繊し、開繊したトウ10
    0重量部に対して、活性炭10〜150重量部、および
    粉粒状の熱可塑性樹脂1〜25重量部を添加する請求項
    11記載のフィルター材料の製造方法。
  13. 【請求項13】 繊度1〜10デニール及び2.54c
    当りの捲縮度5〜75個のセルロースエステル繊維
    3,000〜1,000,000本で構成されたトウを
    幅100〜500mmに開繊する開繊工程、開繊したト
    ウ100重量部に対して、活性炭50〜100重量部、
    およびホットメルト接着性を有する粉粒状の熱可塑性樹
    脂7〜20重量部を添加する添加工程、活性炭および熱
    可塑性樹脂を含むトウを巻紙により速度300〜800
    m/分で巻上げてロッドに成形する成形工程、この成形
    工程又は成形工程の後、前記ロッドを加熱処理し、熱可
    塑性樹脂の少なくとも表面を溶融する熱処理工程、およ
    び熱処理工程の後、前記ロッドを冷却する冷却工程とを
    含むたばこフィルター用ロッドの製造方法。
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