JP2021027827A - 被加熱芳香発生基材、その基材を用いた被加熱芳香発生源、その発生体を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その基材の製造方法 - Google Patents

被加熱芳香発生基材、その基材を用いた被加熱芳香発生源、その発生体を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その基材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被加熱芳香発生源とマウスピースとが連結された、紙巻きタバコに相当する被加熱芳香カートリッジと加熱式喫煙具を用い、被加熱芳香発生源を加熱式喫煙具の熱源に装着して行う喫煙は、ニコチン等の有害物質の吸引が少なく、健康的ではあるが、煙成分及び芳香成分の発生及び揮発を阻害する材料を数多く使用しなければならず、喫煙者が十分に楽しむことができる煙と芳香を発生させることが難しいという問題があった。【解決手段】炭化水素が主成分で、結晶性が高く、分子間相互作用が極めて小さくて、融点を有する化学物質を被加熱芳香発生基材に適用することによって、加熱式喫煙具の熱源によって、煙成分となるエアロゾルフォーマ、芳香成分となるタバコ植物及び非タバコ植物、並びに、芳香剤からの揮発量が増加し、喫煙時の煙が豊かになり、口腔内に漂う芳香が強くなる被加熱芳香発生基材を提供することを特徴とする。【選択図】図1−I

Description

本発明は、火炎ではなく、ヒーター等の熱源によって伝達された熱によってエアロゾル及び芳香を発生する、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、熱融解物質を少なくとも含有する被加熱芳香発生基材、その基材を用いた被加熱芳香発生源、その発生体を備えた被加熱芳香カートリッジ、並びに、その基材の製造方法に関する。特に、熱源によって融解し易く、エアロゾル及び芳香の発生が促進されると共に、強靭性が高く、成形加工性に優れている被加熱芳香発生基材、その基材を用いた被加熱芳香発生源、その発生体を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その基材の製造方法に関する。
従来、上記「被加熱芳香発生基材」は、「エアロゾル形成基材」と呼称されることが多かったが、加熱することによって、エアロゾルを形成するエアロゾルフォーマと共に、芳香植物等の芳香源材や芳香剤の香り成分も揮発され、エアロゾルの煙と芳香源材や芳香剤の香りを喫煙によって楽しむことから、本発明においては、「被加熱芳香発生基材」と呼称する。これに基づき、エアロゾル形成基材が充填されたエアロゾル形成体、エアロゾル形成体を備えた電子タバコカートリッジを、それぞれ、「被加熱芳香発生源」、「被加熱芳香カートリッジ」と呼称する。
近年、タバコの禁煙が、職場や飲食店等の人が集う空間に幅広く普及する傾向に従って、タバコを火炎で燃焼して喫煙する人が減少するのに対し、ヒーター等の熱源によって伝達された熱によってエアロゾルを発生するエアロゾルフォーマ、ナス科タバコ属のタバコ植物を含む芳香源材を含有する、被加熱芳香発生基材を用いて形成される被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具で喫煙する人が急激に増加している。これは、加熱式喫煙によれば、従来のタバコの熱分解及び燃焼によって生成される有害成分の吸引が低減されるためであり、加熱式喫煙を楽しむための各種製品に関する技術開発が活発に行われている(例えば、特許文献1〜5)。
このような加熱式喫煙のメカニズムは、加熱式喫煙具、被加熱芳香カートリッジ等の形態によって異なるが、その典型的な例を次に示す。一端に被加熱芳香発生基材が充填された被加熱芳香発生源を、他端にマウスピースを備えた被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香発生源を加熱式喫煙具の熱源と接触するように装着されて加熱されると、被加熱芳香発生源からエアロゾルフォーマ及びタバコ植物を含む芳香源材の揮発物等が放出される。そして、この揮発物は、喫煙者の吸引によって空気と共に他端のマウスピース側に吸い込まれる。この揮発物の搬送工程において、エアロゾルフォーマの揮発物は冷却、凝縮して、煙のようなエアロゾルを形成すると共に、その他の揮発物は、喫煙者の口及び鼻に芳香を与え、その結果として喫煙を楽しむことができる。従って、加熱式喫煙の場合、被加熱芳香発生基材に含まれるグリセリンやプロピレングリコール等のエアロゾルフォーマを揮発させることができる200〜350℃程度、すなわち、タバコの葉の熱分解が開始する程度の温度で喫煙できるため、有害物質の発生が極めて少なく、喫煙者及び喫煙者の周辺にいる受動喫煙者の有害物質吸引量が大幅に低減される。
更に有害物質を低減させるため、被加熱芳香発生源を構成する被加熱芳香発生基材に占めるタバコの含有量を減少させる材料設計が施されている。例えば、タバコ植物の代替え材料として、様々な芳香を発生する非タバコ植物の併用、更には、タバコ植物を全く使用することなく、非タバコ植物だけでも心地よい喫煙を楽しむこともできる、ニコチンレスの被加熱高芳香発生基材も開発されている(特許文献5)。一方、従来のタバコの製造工程で生じたタバコの茎、葉片、及び、粉塵等を使用して、材料の有効活用及び材料コストの削減も図られている。
これに対し、従来の火炎によってタバコを燃焼する火炎式喫煙の場合、少なくとも燃焼するための600℃を超える温度が必要であり、喫煙時には最高900℃に達することがあり、火炎式喫煙の有害物質の発生量は極めて多くなる。しかし、タバコ植物以外の成分が含まれていないため、タバコの燃焼によって、喫煙者の視覚的欲求を満足させる煙、喫煙者がタバコに依存する根源となるニコチン、そして、無数の芳香成分を十分に発生する。
このような加熱式喫煙と火炎式喫煙との本質的なメカニズムの違いから、紙巻きタバコに相当する被加熱芳香カートリッジを構成する被加熱芳香発生源に充填される被加熱芳香発生基材は、喫煙者から要求される、タバコ植物が発生する芳香やニコチンばかりでなく、非タバコ植物が発生する様々な芳香も抑制する材料構成となっている。
まず、上述したように、燃焼することなく煙に見えるエアロゾルを生成するためのエアロゾルフォーマが不可欠な材料として、被加熱芳香発生基材を構成する。
そして、特許文献1〜5には、タバコ植物から発生する芳香やニコチンばかりでなく、非タバコ植物から発生する様々な芳香も抑制する次のような材料が記載されている。
被加熱芳香発生基材の必須成分であるエアロゾルフォーマは、グリセリンやプロピレングリコール等の液体であるため、タバコ植物及び非タバコ植物と混合しても保持されるように、安全性の高い結合剤が用いられている。代表的なものとしては、多糖類系天然高分子やセルロース系天然高分子をあげることができる。更に、これらの結束力を高め、柱状の被加熱芳香発生基材に成形加工できるように、セルロース繊維が加えられる場合もある。
同様の目的に加え、被加熱芳香基材の乾燥時の収縮を低減したり、その成形加工性を高めるため、成形剤として微結晶セルロースが添加される場合もある。
芳香成分を補うための芳香剤、例えば、清涼化剤やニコチン等が用いられる場合には、これらが喫煙に最適な温度に達するまで放出されることなく安定して保持されるために、収着剤として機能する架橋ポリビニルピロリドンやシクロデキストリン等が含有される場合もある。
このように、加熱式喫煙における被加熱芳香カートリッジに備えられる被加熱芳香発生源を形成する被加熱芳香発生基材には、煙成分となるエアロゾルフォーマ、並びに、芳香成分となるタバコ植物、非タバコ植物、及び、芳香剤以外に、結合剤、成形剤、収着剤等、加熱による煙成分及び芳香成分の発生及び揮発を阻害する材料を数多く使用しなければならず、喫煙者が十分に楽しむことができる煙と芳香を発生させることは容易ではない。
この問題を解決する方法として、特許文献6では、50〜150℃の融点植物由来の天然蝋をエアロゾルフォーマに溶解させた溶液のタバコ粉末分散液であるスラリーから、キャスト法で形成された均質化したたばこ材料、すなわち、被加熱芳香発生基材を提案している。しかし、この方法では不十分であると考えられ、特許文献7では、20〜50℃の植物由来のオイルを導入する解決手段が提案されている。
特表2008−518614号公報 特表2010−520764号公報 特表2013−519384号公報 特表2016−538848号公報 特許第6280287号公報 特許第6433626号 特許第6442110号
背景技術に述べたように、少なくとも被加熱芳香発生源とマウスピースとが連結された、紙巻きタバコに相当する被加熱芳香カートリッジと加熱式喫煙具を用い、被加熱芳香発生源を加熱式喫煙具の熱源に装着して行う喫煙は、ニコチン等の有害物質の吸引が少なく、健康的ではある。しかし、被加熱芳香発生源を形成する被加熱芳香発生基材には、煙成分となるエアロゾルフォーマ、並びに、芳香成分となるタバコ植物、非タバコ植物、及び、芳香剤を含んでいるが、結合剤、成形剤、収着剤等、加熱による煙成分及び芳香成分の発生及び揮発を阻害する材料を数多く使用しなければならず、喫煙者が十分に楽しむことができる煙と芳香を発生させることが難しいという問題がある。
そこで、本発明は、加熱式喫煙具の熱源によって、煙成分となるエアロゾルフォーマ、並びに、芳香成分となるタバコ植物や非タバコ植物等の芳香源材、及び、芳香剤等から、これらの揮発物が十分に発生し、喫煙者が煙及び芳香を満足して楽しむことができる被加熱芳香発生基材、その基材を用いた被加熱芳香発生源、その発生体を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その基材の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者は、この課題を解決するために、従来使用されてきた植物由来の蝋やオイル以上に、ある範囲の温度領域で被加熱芳香発生基材のレオロジー特性を大きく変化させることができる材料に着目した。これは、植物由来の蝋もオイルも、高級脂肪酸と高級脂肪族アルコールや多価脂肪族アルコールとがエステル化した脂質であり、カルボニル結合による分子間相互作用がある上、様々な炭素数の脂肪酸と脂肪族アルコールとがエステル化された天然混合物であり、分子量分布が広いことに基づいて、融点の温度範囲が広く、融点前後におけるレオロジー特性の劇的な変化は望めないためである。
そこで、本発明者は、直鎖状炭化水素が主成分で、結晶性が高く、分子間相互作用が極めて小さくて、融点63℃の石油系天然ワックスであるパラフィンワックスに着目し、被加熱芳香発生基材に適用し、植物由来の蝋やオイルと比較評価した。その結果、植物由来の蝋やオイルよりも、加熱式喫煙具の熱源によって、煙成分となるエアロゾルフォーマ、芳香成分となるタバコ植物及び非タバコ植物、並びに、芳香剤からの揮発量が増加し、喫煙時の煙が豊かになり、口腔内に漂う芳香が強くなることを見出した。そして、パラフィンワックスに類似する特性を有する有機化学物質を種々検討した結果、パラフィンワックスのような石油系天然ワックスに限定されず、融点を有する様々な有機化学物質に、パラフィンワックスと同等の効果が発現することを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、加熱式喫煙具に装着され、加熱及び吸引されてエアロゾル及び芳香を生じる被加熱芳香カートリッジの被加熱芳香発生源を形成する被加熱芳香発生基材であって、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、20〜200℃の範囲において融解する石油系天然ワックス、合成ワックス、及び、タッキファイアーの中から選択される少なくとも一つ以上の熱融解物質を含む被加熱芳香発生基材である。
このような構成の被加熱芳香発生基材で形成された被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジが、従来よりも、発煙量及び芳香量が増加するメカニズムは、次のように考えられる。
被加熱芳香発生基材の構成成分として、上述したような、20〜200℃の範囲において融解する石油系天然ワックス、合成ワックス、及び、タッキファイアーの中から選択される少なくとも一つ以上を導入することによって、被加熱芳香カートリッジの一端に備えられた被加熱芳香発生源に加熱式喫煙具の熱源が挿入され、熱源が加熱されると、熱源に接触する被加熱芳香発生基材の変形と共に融解が急激に生じ、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材内における流動が促進され、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材表面への移動が極めて容易となる。それと共に、熱源と接触して芳香源材から発生する芳香成分はエアロゾルフォーマに混入されるので、被加熱芳香発生基材表面で揮発するエアロゾルフォーマと共に芳香成分が揮発する。
石油系天然ワックス、合成ワックス、及び、タッキファイアーの融点前後の流動特性の変化は、分子間相互作用がないことや、分子量分布が狭いことから、植物由来の蝋及びオイルよりも激しいため、このような効果が顕著である。また、エアロゾルフォーマとは極性が異なるため、エアロゾルフォーマと相分離しやすく、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材表面への移動は、エアロゾルフォーマとの相互作用を有する植物由来の蝋及びオイルよりも速く、揮発もされ易い。
このように、植物由来の蝋やオイルよりも、石油系天然ワックス、合成ワックス、及び、タッキファイアーを被加熱芳香発生基材に適用する方が、エアロゾルフォーマは、芳香成分と共に揮発され易く、喫煙者によって吸引されると、被加熱芳香カートリッジの流路内で冷却され、芳香成分を含むエアロゾル、すなわち、白い煙となる量が多くなり、喫煙者の口腔内では芳香を楽しめ、口腔外では紙巻きタバコ同様の煙を楽しむことができる効果が大きくなる。
すなわち、煙成分及び芳香成分の揮発量の増加は、加熱されることによって生じる石油系天然ワックス、合成ワックス、及び、タッキファイアーの変形、それに続く融解が急激であり、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材内における流動が促進される上、加熱によるエアロゾルフォーマの揮発が生じやすいことに起因しているものと考えられる。
このような効果を発現する熱融解物質として使用される石油系天然ワックス、合成ワックス、及び、タッキファイアーは、これらの中から選択される二つ以上の熱融解物質を混合して使用してもよいが、二つ以上の熱融解物質を混合する場合には、それらに相溶性があり、融解する温度領域が広がらないような選択をする必要がある。実際には、異種化合物で相溶性があるものは少なく、これらの中から選択される一つの熱融解物質を用いることが好ましい。
石油系天然ワックスとしては、ワセリン、パラフィンワックス、及び、マイクロクリスタリンワックスが好ましい。しかし、これらには、分子構造に基づく特性の差異がある。ワセリンは、分岐状炭化水素と脂環式炭化水素の混合物で、融点の幅が36〜60℃と広い。パラフィンワックスは、直鎖状炭化水素が主成分で、結晶性が高く、40〜70℃の融点を示すものがほとんどであり、融点の幅が狭い。マイクロクリスタリンワックスは、分岐状炭化水素と飽和環状炭化水素の混合物で、結晶性は低いが、分子量が高く、これらの中では最も高い60〜90℃の融点を示し、融点の幅もワセリンに次いで広い。このように、いずれも、原油から抽出された炭化水素であるが、パラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスが、融点が高く、熱融解時の溶融粘度が最も低く、低表面エネルギーでエアロゾルフォーマとの相互作用も少ないので、被加熱芳香発生基材の熱融解物質として適している。
このようなパラフィンワックスは、例えば、日本精▲蝋▼(株)製の標準品であるParaffin Wax−115、120、125、130、135、140、145、150、及び、155があり、そのいずれも好ましく用いられる。また、特殊なパラフィンワックス、例えば、日本精▲蝋▼(株)製の特製品である高純度精製パラフィンワックスであるHNP系列品、特定用途向けのSP系列品、特殊な製法で製造されたイソパラフィンが主成分のEMW系列品も好ましく用いられる。また、マイクロクリスタリンワックスは、例えば、日本精▲蝋▼(株)製のHi−Micシリーズのいずれも好ましく用いられる。
合成ワックスとしては、フィッシャー−トロプシュ(Fischer−Tropsch)ワックス、ポリエチレン(PE)ワックス及び変性PEワックス、ポリプロピレン(PP)ワックス及び変性PPワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、並びに、ポリオキシエチレンアルキルアミンが好ましい。
フィッシャー−トロプシュワックスは直鎖状炭化水素であるため、熱融解時の溶融粘度が低く、低表面エネルギーでエアロゾルフォーマとの相互作用もないので、被加熱芳香発生基材の熱融解物質として適している。Sasоl社製標準品H1等(融点:約112℃)、中融点品C80等(融点:約85〜88℃)、高融点品C105/H105等(融点:約117℃)、及び、BYK製CERAFAK(登録商標)117(融点:約110℃)、127N(融点:約120℃)等を使用することができる。
PEワックス及び変性PEワックス、並びに、PPワックス及び変性PPワックスは、三井化学(株)製ハイワックス(登録商標)、三洋化成工業(株)製サンワックス及びビスコール等、並びに、BYK製CERAFAK(登録商標)929、950、913,914、及び、915等が、約94〜161℃の融点を有し、好ましく使用することができる。特に、メタロセン触媒ポリオレフィンワックスは、分子量分布が狭くより好ましい。例えば、メタロセン触媒PEワックスである三井化学(株)製エクセレックス(登録商標)は、分子量分布及び組成分布が狭いため、89〜128℃の融点を有するが、熱融解時の溶融粘度が低く、このようなポリオレフィン系ワックスとしては非常に優れている。
脂肪酸アミドとしては、モノアミドとビスアミドが適している。モノアミドとしては、ステアリン酸モノアミド、オレイン酸モノアミド、及び、エルカ酸モノアミドが、約72〜105℃の融点を有しており好ましい。ビスアミドは、エチレンビスステアリン酸アミド及びエチレンビスオレイン酸アミド等が、約140〜145℃の融点を有しており好ましい。このようなアミドは、極性基を有しているが、分子量が小さく、分子量分布がないため、植物由来の蝋やオイルよりも熱溶融粘度が低く、エアロゾルフォーマの移動をより促進する。例えば、モノアミドは、日油(株)製アルフロー(登録商標)S−10、E−10、及び、P−10を、ビスアミドは、日油(株)製アルフロー(登録商標)Hシリーズ及びADシリーズや花王(株)製カオーワックスEBシリーズを使用することができる。
脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、及び、メリシン酸が、約30〜94℃の融点を有しており好ましく用いられる。例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及び、ベヘニン酸は、日油(株)等で工業的に製造されているのでより好ましい。
脂肪族アルコールしては、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、1−へプタデカノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、エライジルアルコール、ナノデシルアルコール、アラキジルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、1−ヘプタコサノール、モンタニルアルコール、1−ノナコサノール、及び、ミリシルアルコールが、約23〜87℃の融点を有しており好ましく用いられる。例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及び、セトステアリルアルコールは、日油(株)等で工業的に製造されているのでより好ましい。
このような高級脂肪酸及び高級脂肪族アルコールは、それぞれ、直鎖状炭化水素の末端に、カルボキシル基及び水酸基が結合しているもので、分子量分布がない、若しくは、分子量分布が極めて狭いため、パラフィンワックス同様、熱融解時の溶融粘度が低く、融点の幅も狭いので、被加熱芳香発生基体の加熱時における変形及び流動を促進する効果が大きい。
ポリオキシアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコールの平均分子量が600〜11,000であるものが、融点が低く、熱融解時の溶融粘度が低く好ましい。また、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック重合体で、ポリエチレングリコールユニットが40〜80wt%であって、平均分子量が3,000〜13,000であるものが、約20〜60℃の融点を有しており好ましい。これは、非イオン性界面活性剤としても使用されるものであるが、分子量分布が狭く、融点の幅が狭いので、熱融解時の流動性に優れている。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレン−モノメチルエーテルの平均分子量が1,000〜4,000のものが約40〜55℃の融点を有しており好ましい。これも、非イオン性界面活性剤として使用されるものであるが、分子量分布が狭く、融点の幅が狭いので、熱融解時の流動性に優れている。
ポリオキシエチレンアルキルアミンとしては、ポリオキシエチレン−ステアリルアミンの約25℃の融点を有する、例えば、日油(株)製ナイミーン(登録商標)S204、約45℃の融点を有する、例えば、日油(株)製ナイミーン(登録商標)S202が好ましく用いられる。これらも、非イオン性界面活性剤として使用されるものであるが、炭素数18の直鎖状炭化水素ユニットを有しており、分子量分布が狭く、融点の幅が狭いので、熱融解時の流動性に優れている。
タッキファイアーとしては、ロジン及びロジン誘導体、並びに、テルペン樹脂及び変性テルペン樹脂が好ましい。特に、ロジン及びロジン誘導体は、荒川化学工業(株)製であるガムロジン、ロジンエステル(ペンセル)、マレイン酸変性ロジン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂(タマノル)が好ましい。また、テルペン樹脂及び変性テルペン樹脂は、ヤスハラケミカル(株)製テルペンモノマー単独重合樹脂(YSレジンPX及びYSレジンPXN)、芳香族変性テルペン樹脂(YSレジンTO)、及び、テルペンフェノール樹脂(YSポリスターシリーズ)が好ましく用いられる。
更に、150〜200℃の範囲で融解するPPワックス及び変性PPワックス、ロジン誘導体、並びに、変性テルペン樹脂は、加熱式喫煙具の熱源の低い温度領域では被加熱芳香発生基材の変形及び流動が生じることがなく、後述するように、柱状の被加熱芳香発生基材の側面で接触するように包装材に充填、巻装される被加熱芳香発生源の気体流路が閉塞されることないため、熱源の最高到達温度近辺まで、揮発した煙成分及び芳香成分の吸引量が確保されるので、特に好ましい。
このようなPPワックス及び変性PPワックスとしては、三井化学(株)製ハイワックス(登録商標)のNP500、並びに、BYK製CERAFAK(登録商標)913、914、及び915等は、約160℃の融点を有しており好ましく使用することができる。
150〜200℃の範囲に融点があるロジン誘導体は、荒川化学工業(株)製ロジンエステル(ペンセル)D−160及びKK、並びに、荒川化学工業(株)製ロジン変性フェノール樹脂(タマノル)を、150〜200℃の範囲に融点がある変性テルペン樹脂は、ヤスハラケミカル(株)製YSポリスターT160及びYSポリスターG150を使用することができる。
一方、本発明の被加熱芳香発生基材に適した芳香源材は、無数にあり、限定されるものではないが、被加熱芳香カートリッジを加熱しないでそのものから漂う香りのフレグランス、被加熱芳香カートリッジを加熱した時に空間に漂う香りのアロマ、及び、被加熱芳香カートリッジを加熱して吸引することによって口腔内で漂う香りのフレーバーを考慮して選択することが好ましく、以下の植物から選択される少なくとも一つ以上を含んでいることが好ましい。すなわち、フレグランスを鼻に強く感じ取ることができる食物としては、中国茶、紅茶、並びに、バラ、モクセイ科モクセイ属モクセイ種の植物、ラベンダー、及び、サフランの花、アロマが空間に漂う植物としては、ラッキョウ、エシャロット、ニンニク、タマネギ、及び、コンニャクの地下茎、フレーバーが口腔内に広がる植物としては、カリン、ミカン科ミカン属の植物(ダイダイ・ウンシュウミカン・ナツダイダイ・ポンカン・ハッサク・イヨカン・イーチャンレモン・カラタチ・オレンジ・マンダリンオレンジ・カボス・キシュウミカン・キノット・グレープフルーツ・コウジ・サンボウカン・シトロン・ジャバラ・スダチ・タチバナ・タンゴール・ナツミカン・ハナユズ・ヒュウガナツ・ヒラミレモン(シークヮーサー)・ブンタン(ザボン)・ユズ・ライム・レモン・コブミカン等)、バラ科モモ属モモ種の植物、リンゴ、パイナップル、マンゴー、キンカン、メロン、ザクロ、ウメ、アンズ、ブルーベリー、バラ科オランダイチゴ属の植物、ラズベリー、バナナ、及び、ブドウの果実、並びに、シソ科ハッカ属のペパーミント系植物(ペパーミント、ニホンハッカ、アップルミント、ウォーターミント、コルシカミント、ペニーロイヤルミント等)、シソ科ハッカ属のスペアミント系植物(スペアミント、ホースミント、ミドリハッカ、チリメンハッカ、ジンジャーミント等)、イヌハッカ、コウスイハッカ(レモンバーム)、キダチハッカ(セイボリー)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、そして、これら三要素を全て兼ね備えたナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から少なくとも一つ以上選択することが好ましい。
エアロゾルフォーマは、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、乳酸、モノアセチン(グリセリンモノアセタート)、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジ二酸ジメチル、テトラデカンサン二酸ジメチル等を全て使用することができるが、加熱式喫煙具の熱源の温度とエアロゾルフォーマの沸点の関係から、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及び、グリセリンの中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
以上、被加熱芳香発生基材の必須成分である、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、熱融解物質の配合比は、それぞれ、20〜40質量%、55〜75質量%、及び、2〜15質量%が好ましいが、25〜35質量%、60〜70質量%、及び、3〜10質量%であることがより好ましい。これらは、それぞれの成分の特徴をバランスよく引き出すと共に、被加熱芳香発生基材を製造可能となるように、多大な実験に基づいて見出された配合比であって、単なる設計事項ではない。
更に、芳香源材を補助することを目的として、芳香剤を更に含むことが好ましく、その芳香剤が、清涼化剤及びニコチンの中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。特に、清涼化剤は、フレーバーとして重要で、メントール及びメントール誘導体、メントン及びメントン誘導体、メンタンカルボン酸アミド、2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸誘導体、メンタン及びメンタン誘導体、L−カルボン、キシリトール、ユーカリ精油、ハッカ油、スペアミント精油、並びに、スピラントールであることが好ましい。この芳香剤は、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、熱融解物質の総量100質量部に対し、3〜25質量部であればよいが、5〜20質量部含まれると、芳香源材の芳香成分を補填することができ、被加熱芳香発生基材の強度等に弊害がなくより好ましい。
また、被加熱芳香発生基材を成形加工するためには、被加熱芳香発生基材と成形加工機との離型性を高め、被加熱芳香発生基材の破断を防ぐ必要がある。また、成形加工後の体積収縮の低減を図り、被加熱芳香発生基材の脱落、気体流路の最適状態を維持する必要がある。そのために、成形剤を更に含むことが好ましい。
成形剤としては、微結晶セルロースであることが好ましく、特に、その平均粒子径は、70〜120μmであることが好ましい。微結晶セルロースの平均粒子径が70μm以下であると、被加熱芳香発生基材の収縮を抑制する効果と共に、被加熱芳香発生基材と成形加工機との癒着を防止することができず、120μm以上であると、被加熱芳香発生基材と成型加工機の離型性については問題ないが、被加熱芳香発生基材が破断し易くなる。また、微結晶セルロースの質量平均分子量(Mw)は、20,000〜60,000であることが好ましい。20,000以下であると、被加熱芳香発生基材の収縮を抑制する効果がなく、60,000以上であると、被加熱芳香発生基材が破断し易く成形加工に問題が生じる。この成形剤の場合、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、熱融解物質の総量100質量部に対し、2〜25質量部であればよいが、3〜20部含まれることによって、上記機能を果たすことができ、芳香源材及びエアロゾルフォーマの揮発物の発生等に弊害がなくより好ましい。
更に、上記構成成分に水やアルコール等を含み、粘性を有する被加熱芳香発生基材組成物を、圧縮・剪断を伴う、例えば、3本ロール等の成形加工によって、シート状、円柱状、角柱状、粒状、鱗片状等の被加熱芳香発生基材を製造するためには、一定以上の強度を有し、形態を保持する結束力がなければ、破断したり、ピンホールが生成したりすることなく、被加熱芳香発生基材を製造することは困難である。しかも、このような結束力がなければ、ブレード型熱源を備えた加熱式喫煙具に被加熱芳香カートリッジを着脱する際に、被加熱芳香発生源から被加熱芳香発生基材が崩落し、熱源を汚染する等の問題が発生する。このような問題を解消するために、上記構成成分を結束する結合剤を加えることが好ましい。
このような結合剤として、多糖類系高分子、セルロース系高分子、及び、セルロース繊維が好ましく用いられるが、上記問題を確実に解決すためには、これらの中から少なくとも一つ以上を含むことがより好ましく、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、熱融解物質の総量100質量部に対し、5〜30質量部であればよいが、上記製造上の課題を解決し、芳香源材及びエアロゾルフォーマの揮発物の発生等への悪影響を回避するためには、8〜28質量部含まれることがより好ましい。
特に、多糖類系高分子としては、コンニャクマンナン(グルコマンナン)、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンシードガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、及び、キサンタンガムが好ましく、セルロース系高分子としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び、ヒドロキシプロピルセルロース、並びに、CMCのナトリウム塩、カリウム塩、及び、カルシウム塩、並びに、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩、カリウム塩、及び、カルシウム塩が好ましい。
セルロース繊維は、特に、サトウキビ、タケ、ムギ、コメ、エスパルト、及び、ジュートのセルロース繊維であることが好ましい。これは、これらの繊維径及び繊維長が、それぞれ、5〜25μm及び0.25〜6mmの範囲内にあり、その他の植物のセルロース繊維よりも細くて短いが、被加熱芳香発生基材の構成成分を結束する効果が高くなることを見出した。
多糖類系高分子及びセルロース系高分子とセルロース繊維との割合は、質量比で、1:1〜1:25であることが好ましい。
一方、芳香源材の芳香を補うために、芳香剤を導入した場合、加熱式喫煙具の熱源が、煙成分となるエアロゾルフォーマ及び芳香成分となる芳香源材が揮発する最適な温度になる前に芳香剤が揮発して放出される可能性がある。また、芳香カートリッジを長期間放置した場合に、芳香剤が揮発して放出されることもある。そのため、被加熱芳香発生材は、所定の温度に到達するまで、または、長期間に亘り芳香剤を寄留させる必要がある。そのため、収着剤を更に含んでいることが好ましい。
収着剤は、上述したように、清涼化剤及びニコチンを対象とすると、清涼化剤については、親水性架橋高分子、または、シクロデキストリンが好ましく、親水性架橋高分子としては、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)がフェノール性水酸基を有する化学物質を吸着し、特に好ましい。また、架橋PVPは、ニコチンと類似した窒素を含む5員複素環式化合物を構造内に有しており、両者の相互作用が形成されるものと考えられので、ニコチンの収着剤としても架橋PVPは好適である。一方、α、β、及び、γ−シクロデキストリンは、様々な大きさの水酸基やカルボキシル基を有する化学物質と包接化合物を作ることが知られているからである。特に、β−シクロデキストリンは、メントールと包接化合物を形成することが知られている。
このような収着剤は、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、熱融解物質の総量100質量部に対し、架橋PVPの場合、4〜25質量部であればよいが、5〜20質量部含まれることがより好ましく、シクロデキストリンの場合、0.1〜1.2質量部であればよいが、0.2〜1.0質量部含まれることがより好ましい。そして、両者を含んでいることがより更に好ましい。
最後に、乾燥、殺虫した芳香源材を使用するが、被加熱芳香発生カートリッジを長期的に保存するためには、被加熱芳香発生基材に保存剤を含有させる必要がある。特に、本発明の被加熱芳香発生基材には、ソルビン酸カリウム及び/又は安息香酸ナトリウムが適しており、この場合、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、熱融解物質の総量100質量部に対し、0.005〜0.04質量部含まれていることが好ましい。
以上説明した被加熱芳香発生基材は、加熱式喫煙具に装着する被加熱芳香カートリッジの挿入側の被加熱芳香発生源を構成し、この被加熱芳香発生源は被加熱芳香カートリッジに備えられる。本発明は、被加熱芳香発生基材を用いて形成した被加熱芳香発生源、及び、この被加熱芳香発生源を用いた被加熱芳香カートリッジも提供するものである。
まず、被加熱芳香発生基材を用いて形成した被加熱芳香発生源について説明する。被加熱芳香発生源は、少なくともこの被加熱芳香発生基材の集合体であればよいが、被加熱芳香発生源に針状の熱源が刺さり易く、吸引する気体の流路が確保されるように形成されている必要がある。そのため、本発明の被加熱芳香発生源は、被加熱芳香発生基材を成形加工した柱状物を、その側面で接触するように包装材に充填、巻装されていることを特徴としている。その形状は、円柱状、角柱状、粒状、鱗片状等、特に限定されないが、円柱状であることが、上記被加熱芳香発生源に要求される機能を満足する上で好ましく、角柱状であることがより好ましい。そして、円柱状体又は角柱状体の側面で接触する集合体であることが更に好ましい。このことによって、被加熱芳香体を着脱するにあたって、被加熱芳香発生基材が脱落することなく、被加熱芳香発生源に熱源が容易に刺さり、煙成分及び芳香成分の流れる方向に気体流路が確保され、心地よい喫煙が可能となる。
被加熱芳香カートリッジを構設することを考慮すると、上記被加熱芳香発生基材の集合体が筒状の巻物である被加熱芳香発生基材ラッピング部材によって巻装されている被加熱芳香発生源は、取り扱い易く好ましい。また、この被加熱芳香発生源は、被加熱芳香発生源からの被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止する上でも好ましい。特に、円柱状又は角柱状被加熱芳香発生基材の側面で接触する集合体が、被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源であれば、熱源が挿入され易く、気体流路が確保でき、より好ましい。
次いで、本発明の上記被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジについて説明する。本発明の単純な構成の被加熱芳香カートリッジの一つは、被加熱芳香発生源が、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され、被加熱芳香発生源を除く被加熱芳香カートリッジ外装部材の筒状の空間がマウスピースとして形成されていることを特徴としている。また、本発明の単純な構成の被加熱芳香カートリッジの一つは、被加熱芳香発生源と共に、被加熱芳香発生源に着接された筒状のマウスピースを、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納されていることを特徴としている。
これは、加熱式喫煙具を用いて喫煙する被加熱芳香カートリッジに特有の形態である。紙巻きたばこの場合、紙巻きタバコを口で加える部分には、ほぼ全てにフィルター部材が備えられており、マウスピースの機能を果たしており、このフィルター部材は、燃焼した煙の固体成分を濾過し、ニコチンやタールを吸着してまろやかな味わいにする役割を果たしている。しかし、加熱式喫煙具を用いた被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香発生源を燃焼させることがなく、被加熱芳香発生源の芳香とエアロゾルフォーマの揮発物が冷却されたエアロゾルの煙を楽しむことができ、煙には固形成分を含むことがない上、芳香源材中のタバコ植物が少ない若しくは全く含まないので、ニコチンやタールが少なく、マウスピースにフィルター機能を必要とするものではない。被加熱芳香カートリッジのマウスピースは、喫煙者が口にくわえて喫煙する際に、熱源からの熱を感じることなく、唇や舌の触感がよく、くわえ易い適度な硬さを有する気体流路を備えた筒状体及び柱状体であれば特に限定されるものではない。従って、上記本発明の被加熱芳香カートリッジにより、十分に心地よい喫煙を楽しむことができるのである。
しかし、喫煙時に吸引することによって、被加熱芳香発生基材及び被加熱芳香発生源のマウスピース側への移動を防止する必要があり、喫煙の楽しみを増幅させる煙の揺らぎを十分に漂わせることが望まれる。そのため、上記被加熱芳香カートリッジ外装部材の筒状の空間であるマウスピース及び被加熱芳香発生源に着接された筒状のマウスピースに、被加熱芳香発生基材及び被加熱芳香発生源のマウスピース側への移動を防止する支持部材又はエアロゾルフォーマの揮発物の冷却によるエアロゾル、すなわち、煙の生成を促進する冷却部材を備えていることが好ましい。更には、紙巻きタバコ愛好者の習性を考慮して、フィルター部材を備えていることが好ましい。
このような支持部材の構造は、被加熱芳香発生源と着接して気体を通過する面と、その面を支持し、貫通孔のような気体流路を少なくとも備えているものであれば限定されるものではない。また、このような冷却部材の構造は、揮発物との接触面積が大きい気体流路を有する、例えば、連続気泡の多孔質体、ハニカム構造体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、素材的には、特に限定されることはないが、支持部材の場合は、紙、プラスチック、ゴム、木材、金属、及び、セラミック等を使用することができるが、種々の形状に成形加工可能なプラスチック製であることがより好ましい。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、ABS系樹脂、及び、生分解性プラスチック等が利用できるが、最終的には廃棄物となるので、自然環境保護という観点から、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、及び、ポリ乳酸(PLA)等の生分解性プラスチックであることが望ましい。
冷却部材の場合は、熱伝導性に優れた金属化合物等が好ましいが、成形加工性に劣り、高価であるため、熱伝導性には劣るが、生産性及びコストに優れている、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、EVA系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、ABS系樹脂、及び、生分解性プラスチック等が利用できるが、自然環境保護という観点から、PHB、PCL、PBS、及び、PLA等の生分解性プラスチックであることが望ましい。
このような構造及び素材から明らかなように、支持部材及び冷却部材は、それぞれ、冷却部材及び支持部材の機能も有しているが、マウスピースが、支持部材と冷却部材とを少なくとも備え、支持部材とフィルター部材とが被加熱芳香発生源側から長手方向にこの順に配備されている方が両者の機能を兼ね備えることができるのでより好ましい。
しかし、上述したように、紙巻きタバコのほぼ全てがフィルター部材を備えているため、紙巻きタバコ愛好者の習性は極めて重要で、少なくともフィルター部材を備えているマウスピースを被加熱芳香発生源に着接することが好ましい。このフィルター部材も、支持部材及び冷却部材同様、支持部材及び冷却部材の機能を果たすことができるので、単独で用いることができる。この場合、被加熱芳香発生源に着接されるマウスピース全体にフィルター部材が充填される形態が、簡易で、フィルター部材、支持部材、及び、冷却部材の機能を効果的に発現できるのでより好ましい。
このようなフィルター部材は、従来の紙巻きタバコで使用されてきたセルロースアセテート繊維を用いたプレーンフィルター、プレーンフィルターに活性炭を含むデュアルチャコールフィルター、フィルター表面に凹凸を有するAFT(Advanced Filter Technology)等典型的な紙巻きタバコ用フィルターを使用することができるが、喫煙に必要な通気性を備えたフィルターであれば、繊維の種類や構造等が限定されるものではない。自然環境保護の観点から、麻及び木材等の植物繊維、並びに、PHB、PCL、PBS、及び、PLA等の生分解性プラスチック繊維を用いたフィルター部材であることが好ましい。また、香料及びマイクロセル化された香料等が含まれていてもよい。
このように、マウスピースに単独で備えられるフィルター部材が、被加熱芳香発生源と着接する場合、支持部材の機能を発現するものの、被加熱芳香発生基材及び被加熱芳香発生源が、フィルター部材の目を詰まらせるため、被加熱芳香発生源とフィルター部材との間に支持部材又は冷却部材のいずれかを少なくとも介在させることが好ましい。この支持部材又は冷却部材も、被加熱芳香発生源からマウスピース側への被加熱芳香発生基材及び被加熱芳香発生源の移動を防止する機能を最大限に発揮するためには、被加熱芳香発生源に着接することが好ましい。
更に、マウスピースに求められる機能を全て兼ね備え、その機能が効果的に発現するためには、上記マウスピースが、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材を少なくとも備え、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が被加熱芳香発生源側から長手方向にこの順で配備されていることがより更に好ましい。
一方、このような被加熱芳香発生源の長手方向にマウスピースが着接され、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納されていることを特徴としている被加熱芳香カートリッジにおいては、被加熱芳香発生源、並びに、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で巻装されている方が好ましい。これは、被加熱芳香発生源、並びに、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が同じ形状であれば、これらが被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され易く、生産性が向上するためである。特に、被加熱芳香発生源については、マウスピースラッピング部材で巻装されることによって、作業性が大幅に改善されると共に、上述したように、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散が低減される。
ここで、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材によって巻装される形態には、次のような三通りの形態がある。第一に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、それぞれ個別にマウスピースラッピング部材で巻装される形態、第二に、支持部材及びフィルター部材、並びに、支持部材及び冷却部材、並びに、冷却部材及びフィルター部材をマウスピースラッピング部材で巻装して一体化する形態、第三に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材をマウスピースラッピング部材で巻装して一体化する形態である。
このようなマウスピースランピング部材は、典型的な例として、従来の紙巻きタバコに使用されている麻及び木材等の植物繊維を素材とした巻紙を挙げることができるが、紙巻きタバコと異なり、燃焼することはないので、巻き上げることが可能なプラスチック製のフィルム等も適用することができ、特に素材が限定されるものではない。ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、EVA系樹脂、アクリル系樹脂等の汎用樹脂フィルムが好ましく用いられるが、自然環境保護の観点から、植物繊維を素材とした巻紙、並びに、PHB、PCL、PBS、及び、PLA等の生分解性プラスチックのフィルムであることがより好ましい。
そして、被加熱芳香発生源とマウスピースとの境界面に、マウスピース内への被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するメッシュが備えられていることが、吸引によるこれら異物の口腔内への侵入及びフィルター部材の目詰まり等を防止する上で更に好ましい。
このメッシュとしては、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵を遮断する大きさの開孔を有し、気体の通過を妨げない機能を有する構造及び素材であれば限定されるものではない。しかし、例えば、麻及び木材等の植物繊維、並びに、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂。アクリル系樹脂等の合成繊維を素材とする通気性に優れた織布及び不織布を用いることが好ましく、自然環境保護という観点から、植物繊維、並びに、PHB、PCL、PBS、及び、PLA等の生分解性プラスチック繊維を素材として用いたものであることが望ましい。
また、被加熱芳香発生源のメッシュの反対側端部表面に、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵が、加熱式喫煙具チャンバー内へ脱落及び飛散することを防止するカバーが備えられていることが、加熱式喫煙具の汚染及び故障を防止する上で好ましい。特に、被加熱芳香発生源のメッシュの反対側端部は、加熱式喫煙具の熱源が貫入されなければならないので、熱源挿通孔が設けられていることがより好ましい。
このカバーとしては、熱源挿通孔が設けられている場合、例えば、麻及び木材等の植物繊維、並びに、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂。アクリル系樹脂等の合成繊維を素材とした織布及び不織布等を用いることができ、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵を遮断する大きさの開孔を有し、気体の通過を妨げない機能を有する構造及び素材であれば限定されるものではない。自然環境保護という観点から、植物繊維又はPHB、PCL、PBS、PLA等の生分解性プラスチック繊維を素材としていることが望ましい。しかし、熱源挿通孔がない場合、熱源とカバーが僅かに接触するため、麻及び木材等の植物繊維を素材とする通気性に優れた織布及び不織布を用いることが好ましい。
このように本発明の筒状体の被加熱芳香カートリッジ外装部材で巻装される被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入される被加熱芳香発生源以外の空間をマウスピースとする場合も、被加熱芳香発生源とマウスピースとを、この被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入し構設する場合も、被加熱芳香発生源及びマウスピース、並びに、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材を交換することができるという特徴がある。従って、被加熱芳香カートリッジハウジング部材を備えた被加熱芳香カートリッジは、様々な種類の被加熱芳香発生源を交換することによって様々な煙及び芳香を楽しめるだけでなく、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が劣化するまで交換する必要がなく、経済性にも優れている。
そして、本発明の筒状体の被加熱芳香カートリッジ外装部材で巻装される被加熱芳香カートリッジは、その筒状体の被加熱芳香カートリッジ外装部材として、筒状の巻物に仕上げることが可能な被加熱芳香カートリッジラッピング部材を適用することが好ましい。この理由は、被加熱芳香発生源、並びに、被加熱芳香発生源及びマウスピースが機械的に巻装され、被加熱芳香カートリッジが構設されるので、被加熱芳香カートリッジの生産性が飛躍的に高められるからである。
このような被加熱芳香カートリッジラッピング部材は、典型的な例として、従来の紙巻きタバコに使用されている麻及び木材等の植物繊維を素材とした巻紙を挙げることができるが、紙巻きタバコと異なり、燃焼することはないので、巻き上げることが可能なプラスチック製のフィルム等も適用することができ、特に素材が限定されるものではない。ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、EVA系樹脂、アクリル系樹脂等の汎用樹脂フィルムが好ましく用いられるが、自然環境保護の観点から、植物繊維を素材とした巻紙、並びに、PHB、PCL、PBS、及び、PLA等の生分解性プラスチックのフィルムであることがより好ましい。ただし、被加熱芳香カートリッジラッピング部材として紙を採用し、それ単独でマウスピースとする場合は、紙を厚くする若しくは紙を巻く回数を増やす必要がある。
また、本発明の被加熱芳香カートリッジの筒状体の被加熱芳香カートリッジ外装部材を筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジハウジング部材とすることによって、新たな利点を付与することもできる。この場合、被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入される被加熱芳香発生源以外の空間をマウスピースとする被加熱芳香カートリッジにしても、被加熱芳香発生源とマウスピースとを、この被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入し構設する被加熱芳香カートリッジにしても、被加熱芳香カートリッジラッピング部材のように巻き上げることがないので、被加熱芳香発生源及びマウスピース、並びに、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材を交換することが一層容易になる。
このような利点を十分に発揮するためには、被加熱芳香発生源及びマウスピース、並びに、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材の装入及び抜出を繰り返して行うことが可能な力学的強度及び低摩擦係数を有する構造及び素材の被加熱芳香カートリッジハウジング部材が求められる。このハウジング部材の素材として紙を適用した場合、力学的強度に相応する所望の厚さが必要であるが、プラスチック、木材、金属、及び、セラミック等を適用する方が薄くできるので好ましい。また、筒状の筐体に成形加工することも考慮すれば、紙よりも、プラスチック、木材、金属、及び、セラミック等の方が好ましく、特に、成形加工性に優れたプラスチック製であることがより好ましい。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、ABS系樹脂、及び、生分解性プラスチック等が利用できるが、自然環境保護という観点から、PHB、PCL、PBS、PLA等の生分解性プラスチックであることが望ましい。
更に、本発明の被加熱芳香カートリッジの筒状体の被加熱芳香カートリッジ外装部材を、少なくとも一箇所で着脱可能に接続されている被加熱芳香カートリッジコネクティング部材とすることによって、種々の利点を有する被加熱芳香カートリッジを提供することが可能となる。
第一に、被加熱芳香カートリッジコネクティング部材を、被加熱芳香発生源を装入することができる被加熱芳香発生源コネクティング部とマウスピースを形成することができるマウスピースコネクティング部とに分割し、被加熱芳香発生源を装入した被加熱芳香発生源コネクティング部とマウスピースコネクティング部とを着脱可能に接続し構設することを特徴とする被加熱芳香カートリッジを提供することができる。
このような被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香カートリッジ外装部材が、被加熱芳香カートリッジラッピング部材又は被加熱芳香カートリッジハウジング部材の場合よりも一段と容易に、被加熱芳香発生源コネクティング部を取り外し、被加熱芳香発生源を自由自在に交換することができるので、喫煙者の好みに応じた様々な芳香及び煙を楽しむことができるようになる。そして、被加熱芳香発生源コネクティング部を清掃し、何度でも使用することができる。また、この形態の被加熱芳香カートリッジは、既に説明したように、加熱式喫煙具を用いた被加熱芳香カートリッジの喫煙の場合、マウスピースは、喫煙者が口にくわえて喫煙し易い筒状体であれば特に限定されることはないので、マウスピースコネクティング部をマウスピースに適用するもので、マウスピースコネクティング部の構造及び素材によって、唇や舌との触感に優れ、口にくわえ易いマウスピースを形成することができる。更に、このマウスピースコネクティング部を、マウスピースを装入することができるマウスピースコネクティング部とすることによって、喫煙者の好みに合った様々なマウスピースを取り付けることもできる。
マウスピースコネクティング部に装入されるマウスピースも、既に説明した上記マウスピースと同様の好ましい態様及び形態とすることができる。すなわち、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材から選ばれる少なくとも一つを備えているマウスピース、支持部材と冷却部材とを少なくとも備え、被加熱芳香発生源コネクティング部側から支持部材と冷却部材とが長手方向にこの順で配備されているマウスピース、支持部材とフィルター部材又は冷却部材とフィルター部材とを少なくとも備え、被加熱芳香発生源コネクティング部側から支持部材とフィルター部材又は冷却部材とフィルター部材が長手方向にこの順で配備されているマウスピース、並びに、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材を少なくとも備え、被加熱芳香発生源コネクティング部側から支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が長手方向にこの順で配備されているマウスピースである。この場合も、マウスピースコネクティング部を取り外すことができるので、被加熱芳香カートリッジラッピング部材又は被加熱芳香カートリッジハウジング部材の場合よりも一段と容易に、マウスピースの着脱が可能である。
そして、このようなマウスピースコネクティング部に装入されるマウスピースについても、マウスピースコネクティング部により装入され易くするため、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で巻装されていることが好ましい。この場合も、巻装される形態には、三通りの形態があり、第一は、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、それぞれ個別にマウスピースラッピング部材で巻装される形態、第二は、支持部材及び冷却部材、支持部材及びフィルター部材、並びに、冷却部材及びフィルター部材をマウスピースラッピング部材で巻装して一体化する形態、第三は、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材をマウスピースラッピング部材で巻装して一体化する形態である。
このように、マウスピースコネクティング部に装入されるマウスピースも、既に説明した上記マウスピースと同様の好ましい態様及び形態であればよく、素材についても同様であるので、素材の説明を省略する。
第二に、マウスピースコネクティング部が、支持部材が装入されている支持部材コネクティング部、冷却部材が装入されている冷却部材コネクティング部、及び、フィルター部材が装入されているフィルター部材コネクティング部から選択される少なくとも二つのコネクティング部を備え、前記被加熱芳香発生源コネクティング部側から前記支持部材コネクティング部、前記冷却部材コネクティング部、及び、前記フィルター部材コネクティング部から選択される少なくとも二つのコネクティング部が長手方向にこの順で配備され、それぞれ着脱可能に接続されることを特徴とする被加熱芳香カートリッジを提供することができる。この場合は、支持部材コネクティング部、冷却部材コネクティング部、及び、フィルター部材コネクティング部が、それぞれ着脱可能に接続されているので、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、それぞれ個別にマウスピースラッピング部材で巻装される必要がある。
すなわち、この被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香発生源コネクティング部とマウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続されており、更に、マウスピースコネクティング部が、被加熱芳香発生源コネクティング部から支持部材が装入されている支持部材コネクティング部と冷却部材が装入されている冷却部材コネクティング部とが長手方向にこの順に着脱可能に接続されている被加熱芳香カートリッジ、被加熱芳香発生源コネクティング部から支持部材が装入されている支持部材コネクティング部とフィルター部材が装入されているフィルター部材コネクティング部とが長手方向にこの順に着脱可能に接続されている被加熱芳香カートリッジ、被加熱芳香発生源コネクティング部から冷却部材が装入されている冷却部材コネクティング部とフィルター部材が装入されているフィルター部材コネクティング部とが長手方向にこの順に着脱可能に接続されている被加熱芳香カートリッジ、被加熱芳香発生源コネクティング部から支持部材が装入されている支持部材コネクティング部と冷却部材が装入されている冷却部材コネクティング部とフィルター部材が装入されているフィルター部材コネクティング部とが長手方向にこの順に着脱可能に接続されている被加熱芳香カートリッジの少なくとも4種類を提供することができる。
この被加熱芳香カートリッジの形態は、被加熱芳香発生源コネクティング部とマウスピースコネクティング部とが、着脱可能に接続されているだけでなく、支持部材コネクティング部、冷却部材コネクティング部、及び、フィルター部材コネクティング部が、それぞれ着脱可能に接続されているので、喫煙者の好みに応じたマウスピースとすることができるだけでなく、それぞれの清掃が容易に行え、消耗したものだけを取り換えることができ経済的である。
第三に、被加熱芳香発生源コネクティング部が、被加熱芳香発生源コネクティング部とマウスピースコネクティング部とを接続した際の、被加熱芳香発生源とマウスピースとの間に、マウスピースコネクティング部内への被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、その崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するメッシュを備えていることを特徴とする被加熱芳香カートリッジを提供することができる。
また、被加熱芳香発生源コネクティング部のマウスピースコネクティング部の反対側端部表面に、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、その崩落物が生成する粉塵の加熱式喫煙具チャンバー内への脱落及び飛散を防止するカバーが備えられていることを特徴とする被加熱芳香カートリッジを提供することができる。特に、このカバーには、加熱式喫煙具の熱源挿通孔が設けられていることが好ましい。
更に、被加熱芳香発生源コネクティング部に上記メッシュとカバーを兼ね備えていることを特徴とする被加熱芳香カートリッジも提供することができる。
このように、被加熱芳香発生源コネクティング部にメッシュ及び/又はカバーが備えられていることによって、これら本来の機能を果たすだけでなく、被加熱芳香発生源コネクティング部にはみ出ることなく容易に被加熱芳香発生源を装入することができる。特に、メッシュ及びカバーは、被加熱芳香発生源の出し入れが容易にできるように着脱可能であることが好ましい。
コネクティング部材は着脱を繰り返すため、紙では耐久性に乏しいため、力学的強度に優れた、プラスチック、木材、金属、及び、セラミック等を適用することが好ましい。また、筒状筐体や嵌合部に成形加工することも考慮すれば、プラスチック、木材、金属、及び、セラミック等が好ましく、特に、成形加工性に優れたプラスチック製であることがより好ましい。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、ABS系樹脂、及び、生分解性プラスチック等が利用できるが、自然環境保護という観点から、PHB、PCL、PBS、PLA等の生分解性プラスチックであることが望ましい。
以上説明した各コネクティング部、並びに、メッシュ及びカバーの着脱方式は、特に限定されないが、嵌合(fitting)、螺合(screwing)、歯合(meshing)、及び、掛合(hooking)のいずれかであることが好ましい。また、接続の形態にかかわらず磁力を用いても着脱が容易で好ましい。
以上、本発明の被加熱芳香発生基材、その集合体である被加熱芳香発生源、その集合体が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源、及び、被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジについて説明してきた。しかし、本発明の根幹をなす技術は、エアロゾルフォーマ及び芳香源材に、20〜200℃の範囲において融解する石油系天然ワックス、合成ワックス、及び、タッキファイアーの中から選択される少なくとも一つ以上の熱融解物質を含むことを特徴としている被加熱芳香発生基材であって、その製造技術も重要な役割を担っている。というのは、芳香源材は、エアロゾルフォーマ及び熱融解物質に溶解することがないことは明白であるが、エアロゾルフォーマと熱融解物質とがどの様な混合状態になるのかは、エアロゾルフォーマと熱融解物質の組合せによって相違するからである。そして、それが製造方法と密接な関係にある。
例えば、特許文献6及び7では、本発明と同様の目的で、熱融解物質として植物由来の蝋及びオイル、すなわち、脂肪酸と脂肪族アルコールがエステル結合した脂質を使用していたため、親水性溶剤であるエアロゾルフォーマとの親和性が高く、両者が均一な溶液を作り、その溶液にたばこ粉末が分散されていたものと考えられる。
しかし、本発明の熱融解物質は、その中心となる分子構造が、炭化水素であって、極めて疎水性の高い物質で、エアロゾルフォーマとは全く相溶しない物質である。そこで、本発明の被加熱芳香発生基材を製造するために、次に示すような製造方法を発明した。
すなわち、熱融解物質とエアロゾルフォーマは全く相溶しないため、エアロゾルフォーマに、熱融解物質を粉末状で分散させる方法を見出した。ここで、芳香源材もエアロゾルフォーマに溶解しないため、芳香源材を熱融解物質に分散させ、熱融解物質の熱融解と共に、芳香源材の芳香成分が流動して、被加熱芳香発生基材表面に移動し易くした。また、芳香剤を芳香源材と共に熱融解物質に共存させてもよい。芳香剤を熱融解物質に存在させることができ、芳香剤の固定、収着、及び、その芳香成分の発生という熱融解物質の機能を十分に発現させることができる。このような熱融解物質の機能に加え、芳香源材及び/又は芳香剤が熱融解物質に分散・混合した芳香性熱融解粉末とすることによって、芳香源材及び/又は芳香剤の局所的な濃度が高くなり、熱源に接触した場合の芳香成分の発生が促進され、芳香成分の揮発量も増加する。
具体的に説明すると、本発明の被加熱芳香発生基材の製造方法は、芳香源材及び/又は芳香剤と熱融解物質とを混合する混合粉末製造工程(A)、繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)、エアロゾルフォーマ、芳香剤、成形剤、結合剤、収着剤、及び、保存剤から選択される所望の材料を準備する材料準備工程(C)、並びに、混合粉末製造工程(A)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C)で製造された材料から被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳香発生基材製造工程(D)を備えている被加熱芳香発生基材の製造方法である。
より詳しくは、混合粉末製造工程(A)が、芳香源材を乾燥・殺虫する乾燥・殺虫工程(A−1)、乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)、熱融解物質を粉砕する粉砕工程(A−5)、粉砕工程(A−2)で製造された粉砕物と粉砕工程(A−5)で製造された粉砕物とを圧縮・剪断して混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)、圧縮・剪断混合工程(A−6)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)、及び、冷却工程(A−7)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−8)を有し、セルロース繊維製造工程(B)が、繊維植物を圧搾する圧搾工程(B−1)、圧搾工程(B−1)を経た繊維植物を粉砕する粉砕工程(B−2)、粉砕工程(B−2)で製造された粉砕物を煮沸する煮沸工程(B−3)、煮沸工程(B−3)で製造された煮沸物を脱水・乾燥する脱水・乾燥工程(B−4)、及び、脱水・乾燥工程(B−4)で製造された乾燥物を粉砕する粉砕工程(B−5)を有し、被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、混合粉末製造工程(A)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C)で製造された材料を混合する混合工程(D−1)、混合工程(D−1)で製造された混合物を圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)、並びに、圧縮・剪断加工工程(D−2)で製造されたシートを裁断する裁断工程(D−3)を有している被加熱芳香発生基材の製造方法である。
この製造方法から明らかなように、本発明のこの製造方法で製造した被加熱芳香発生基材は、芳香源材及び/又は芳香剤を熱融解物質に含む粉末が、被加熱芳香発生基材中に均一に分散されている相分離構造を形成していることを特徴としており、その粉末の最小外径が、好ましくは125〜355μm、より好ましくは150〜300μm、より更に好ましくは180〜250μmである被加熱芳香発生基材である。この最小外径は、熱融解物質の熱流動性及び均一分散性によって決定され、粉砕された芳香源材及び/又は芳香剤を含む芳香性熱融解粉末を篩にかけて選別される。芳香性熱融解粉末の外径が大きすぎると、その総表面積が小さくなり、熱源との接触機会が減少して、熱融解物質の溶融が不十分で、芳香成分の揮発量が低減する。一方、芳香性熱融解粉末の外径が小さすぎると、その粉末が被加熱芳香発生基材に均一に分散した海島構造を形成することが困難で、その粉末が凝集した塊状物として存在するため、熱源との接触による融解速度が低下する領域ができ、芳香成分の揮発量が低減する。そして、この相分離構造によって、熱融解物質の融解と共に、エアロゾルフォーマの流動及び芳香源材及び/又は芳香剤の芳香成分のエアロゾルフォーマへの移動が促進され、被加熱芳香発生基材表面で、エアロゾルフォーマ並びに芳香源材及び/又は芳香剤の芳香成分が揮発し易くなるという効果が顕著になる。また、芳香源材及び/又は芳香剤の局所的な濃度が高くなり、熱源に接触した場合の芳香成分の発生が促進され、芳香成分の揮発量も増加する。
特に、芳香源材の芳香成分を補完する芳香剤を熱融解物質に含有させる場合、芳香剤を熱融解物質に均一に存在させるためには、次のような製造方法を採用することが好ましい。すなわち、芳香源材、芳香剤、及び、熱融解物質を混合する混合粉末製造工程(A’)、繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)、エアロゾルフォーマ、成形剤、結合剤、保存剤、及び、水から選択される所望の材料を準備する材料準備工程(C’)、並びに、混合粉末製造工程(A’)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C’)で製造された材料から被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳香発生基材製造工程(D)を備えている被加熱芳香発生基材の製造方法である。
より詳しくは、混合粉末製造工程(A’)が、芳香源材を乾燥・殺虫する乾燥・殺虫工程(A−1)、乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)、熱融解物質と芳香剤を熱融解物質の融解温度以上の温度で混合する混合工程(A−3)、混合工程(A−3)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−4)、冷却工程(A−4)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−5)、粉砕工程(A−2)で製造された粉砕物と粉砕工程(A−5)で製造された粉砕物を熱融解物質の熱融解温度以下の温度で圧縮・剪断して混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)、圧縮・剪断混合工程(A−6)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)、及び、冷却工程(A−7)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−8)を有し、セルロース繊維製造工程(B)が、繊維植物を圧搾する圧搾工程(B−1)、圧搾工程(B−1)を経た植物を粉砕する粉砕工程(B−2)、粉砕工程(B−2)で製造された粉砕物を煮沸する煮沸工程(B−3)、煮沸工程(B−3)で製造された煮沸物を脱水・乾燥する脱水・乾燥工程(B−4)、及び、脱水・乾燥工程(B−4)で製造された乾燥物を粉砕する粉砕工程(B−5)を有し、被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、混合粉末製造工程(A’)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C’)で製造された材料を混合する混合工程(D−1)、混合工程(D−1)で製造された混合物を圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)、並びに、圧縮・剪断加工工程(D−2)で製造されたシートを裁断する裁断工程(D−3)を有している被加熱芳香発生基材の製造方法である。
このように、混合粉末製造工程(A’)において、熱融解物質と芳香剤を熱融解物質の融解温度以上の温度で混合する混合工程(A−3)、混合工程(A−3)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−4)、及び、冷却工程(A−4)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−5)を経由することによって、芳香剤を熱融解物質に確実に均一に存在させることができ、芳香剤の固定、収着、及び、その揮発成分の発生という熱融解物質の機能を十分に発現させることができる。
本発明のこの製造法で製造した被加熱芳香発生基材は、芳香源材及び芳香剤を熱融解物質に分散・混合した粉末が、被加熱芳香発生基材中に均一に分散されている相分離構造を形成していることを特徴としており、その粉末の最小外径が、好ましくは125〜355μm、より好ましくは150〜300μm、より更に好ましくは180〜250μmである被加熱芳香発生基材である。この最小外径も、上述したように、熱融解物質の熱流動性及び均一分散性によって決定され、粉砕された芳香源材及び芳香剤を含む熱融解物質を篩にかけて選別される。この相分離構造によって、熱融解物質の融解と共に、エアロゾルフォーマの流動、並びに、芳香源材及び芳香剤の芳香成分のエアロゾルフォーマへの移動が促進され、被加熱芳香発生基材表面で、エアロゾルフォーマ並びに芳香源材及び芳香剤の芳香成分が揮発し易くなるという効果が顕著になる。また、芳香源材及び芳香剤の局所的な濃度が高くなり、熱源に接触した場合の芳香成分の発生が促進され、芳香成分の揮発量も増加する。
このような相分離構造を有する被加熱芳香発生基材は、上述した被加熱芳香発生基材製造工程(D)が圧縮・剪断加工法に限定されるものではなく、キャスト加工法を使用することもできる。すなわち、被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、混合粉末製造工程(A’)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C’)で製造された材料を混合してスラリーを製造するスラリー製造工程(D’−1)、スラリー製造工程(D’−1)で製造されたスラリーを抄紙、圧縮、及び、乾燥してシートに成形するキャスト加工工程(D’−2)、及び、キャスト加工工程(D’−2)で製造されたシートを裁断する裁断工程(D−3)を有している被加熱芳香発生基材の製造方法であってもよい。
ただし、被加熱芳香発生基材製造工程(D)で注意しなければならないのは、圧縮・剪断加工工程を経由するにしても、キャスト加工工程を経由するにしても、熱融解物質の融点以上の温度をかけないことである。芳香源材及び/又は芳香剤を含む芳香性熱融解粉末が融解して、被加熱芳香発生基材中に分散した相分離構造が破壊されるためである。この破壊のために、芳香源材及び/又は芳香剤の局所的濃度の低下が生じ、芳香成分の揮発量を増加する効果を損ねることになる。
被加熱芳香発生基材の構成成分として、主成分が炭化水素であって、20〜200℃の範囲において融解する石油系天然ワックス、合成ワックス、及び、タッキファイアーの中から選択される少なくとも一つ以上を導入することによって、被加熱芳香カートリッジの一端に備えられた被加熱芳香発生源に加熱式喫煙具の熱源が挿入され、熱源が加熱されると、熱源に接触する被加熱芳香発生基材の変形と共に融解が急激に生じ、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材内における流動が促進され、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材表面への移動が極めて容易となり、それと共に、熱源と接触して芳香源材から発生する芳香成分はエアロゾルフォーマに混入されるので、被加熱芳香発生基材表面で揮発するエアロゾルフォーマと共に芳香成分が揮発し易くなる。また、煙成分及び芳香成分と熱融解物質との親和性が悪く、煙成分及び芳香成分が放出されやすいという効果もある。更に、芳香剤を熱融解物質に含有させることによって、芳香剤の局所的濃度も高くなり、熱源と接触した際、芳香剤の芳香成分が発生し易くなるという効果も付与することができる。従って、本発明は、煙と芳香を満喫できる被加熱芳香発生基材、それを用いて形成した被加熱芳香発生源、及び、その被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る、芳香源材を分散した熱融解物質を含有する被加熱芳香発生基材の圧縮・剪断成形加工による製造方法を示す製造工程概略図である。 本発明の一実施形態に係る、芳香源材及び芳香剤を分散・混合した熱融解物質を含有する被加熱芳香発生基材の圧縮・剪断成形加工による製造方法を示す製造工程概略図である。 本発明の一実施形態に係る、芳香源材を分散した熱融解物質を含有する被加熱芳香発生基材のキャスト成形加工による製造方法を示す製造工程概略図である。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香発生源とマウスピースとが長手方向に着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されて構設されているラッピング型被加熱芳香カートリッジの概観を示す斜視模式図である。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香発生源とマウスピースとが長手方向に着接され、被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジの概観を示す斜視模式図である。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香発生源が装入され雌ねじを備える被加熱芳香発生源コネクティング部(1)とマウスピースが装入され雄ねじを備えるマウスピースコネクティング部(2)とが嵌合され構設されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジ(3)の概観を示す斜視模式図である。 本発明のコネクティング型被加熱芳香カートリッジに適用できる、代表的な4種の被加熱芳香発生源コネクティング部の概観を示す斜視模式図である。(a)は、雌ねじを備えている巻装するだけの被加熱芳香発生源コネクティング部である。(b)は、(a)に被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、その崩落物が生成する粉塵のマウスピース内への脱落及び飛散を防止するメッシュが更に備えられている被加熱芳香発生源コネクティング部である。(c)は、(b)に被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、その崩落物が生成する粉塵の加熱式喫煙具チャンバー内への脱落及び飛散を防止するカバーが更に備えられている被加熱芳香発生源コネクティング部である。(d)は、(c)のカバーに熱源挿通孔が更に設けられる被加熱芳香発生源コネクティング部である。 本発明の一実施形態に係る、図2−Iにおいて、被加熱芳香発生源とフィルター部材が備えられているマウスピースとが長手方向に着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材で巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源とフィルター部材がマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースとが長手方向に着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源とフィルター部材であるマウスピースとが、被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュを介し長手方向に着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−Iにおいて、被加熱芳香発生源に、支持部材とフィルター部材とが長手方向に着接され備えられているマウスピースの支持部材が着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材で巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源に、支持部材とフィルター部材とが長手方向に着接されマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材が着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源に、被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュを介し、支持部材とフィルター部材とがこの順で長手方向に着接されると共に、マウスピースの反対方向の被加熱芳香発生源端部に被加熱芳香カートリッジラッピング部用カバーを備え、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−Iにおいて、被加熱芳香発生源に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順に長手方向に着接されているマウスピースの支持部材が着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材で巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順で長手方向に着接され、マウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材が着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源に、被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュを介し支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順で長手方向に着接されると共に、マウスピースの反対方向の被加熱芳香発生源端部に熱源挿通孔が設けられている被加熱芳香カートリッジラッピング部用カバーを備え、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−IIにおいて、被加熱芳香発生源とフィルター部材が備えられているマウスピースとが長手方向に着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源とフィルター部材がマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースとが長手方向に着接されように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源とフィルター部材であるマウスピースとが、被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュを介し長手方向に着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−IIにおいて、被加熱芳香発生源に、支持部材とフィルター部材とがこの順で長手方向に着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源に、支持部材とフィルター部材とが長手方向に着接されマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材が着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源に、被加熱芳香カートリッジハウジング部用メッシュを介し、支持部材とフィルター部材とがこの順で長手方向に着接されると共に、マウスピースの反対方向の被加熱芳香発生源端部に被加熱芳香カートリッジハウジング部用カバーを備え、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−IIにおいて、被加熱芳香発生源に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順で長手方向に着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順で長手方向に着接されマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材が着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源に、被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュを介し、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順で長手方向に着接されると共に、マウスピースの反対方向の被加熱芳香発生源端部に熱源挿通孔が設けられている被加熱芳香カートリッジハウジング部用カバーを備え、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−III−1において、被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部の雌ねじとマウスピースが装入されているマウスピースコネクティング部の雄ねじとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す斜視模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部(I)(図2−III−2(a))の雌ネジと、フィルター部材がマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースが装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部用メッシュが備えられている被加熱芳香発生源コネクティング部(II)(図2−III−2(b))の雌ネジと、フィルター部材が装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されるコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−III−1において、被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部の雌ねじと、支持部材とフィルター部材とがマウスピースコネクティング部の雄ネジ側からこの順で長手方向に着接されるように、それぞれが装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す斜視模式図である。(a)は、 被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部の雌ネジと、支持部材とフィルター部材とが長手方向に着接されマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材がマウスピースコネクティング部の雄ネジ側に配置されるように装入されるマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部用のメッシュとカバーが備えられている被加熱芳香発生源コネクティング部(III)(図2−III−2(c))の雌ネジと、支持部材とフィルター部材とがマウスピースコネクティング部の雄ネジ側からこの順で長手方向に着接され装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−III−1において、被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部の雌ねじと、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がマウスピースコネクティング部の雄ネジ側からこの順で長手方向に着接されるように、それぞれが装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合され構設されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す斜視模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部の雌ネジと、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が長手方向にこの順で着接されマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材がマウスピースコネクティング部の雄ネジ側に配置されるように装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部用のメッシュと熱源挿通孔が設けられているカバーを備えている被加熱芳香発生源コネクティング部(IV)(図2−III−2(d))の雌ネジと、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がマウスピースコネクティング部の雄ネジ側からこの順で長手方向に着接されるように装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、四角柱状に裁断された被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源のX(長手)方向に垂直な切断面の概観を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香カートリッジに取り付けられる支持部材をX(長手)方向に垂直なYZ切断面の概観を示す模式図である。この支持部材は、図3−I−B及びC、図3−II−B及びC、並びに、図3−III−B及びCにおいて、X方向が、紙面と平行で紙面左右方向に、Y方向が、紙面と平行で紙面上下方向に、Z方向が、紙面と直交する方向になるように配置されている。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香カートリッジに取り付けられる支持部材をY(半径)方向に垂直なXZ切断面の概観を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る図3−I−C(a)に示すラッピング型被加熱芳香カートリッジが装着された加熱式喫煙具のX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。
以下、実施形態を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
まず、本発明の根幹である、被加熱芳香カートリッジに備えられる被加熱芳香発生源を構成する被加熱芳香発生基材内に、芳香源材及び/又は芳香剤を含む、20〜200℃の範囲において融解する石油系天然ワックス、合成ワックス、及び、タッキファイアーの中から選択される少なくとも一つ以上の熱融解物質から生成される、芳香性熱融解粉末が均一に分散された相分離構造によってもたらされる効果を、実施例1〜7と比較例により具体的に説明する。
≪実施例1≫
芳香源材として、紅茶、コンニャク紛、モクセイ花、及び、アマチャヅル、エアロゾルフォーマとして、グリセリン及びプロピレングリコオール、熱融解物質として、パラフィンワックスワックス(日本精蝋(株)製Paraffin Wax−145、石油系天然ワックス、融点63℃)、芳香剤として、ハッカ油及びメントール、結合剤として、CMCのナトリウム塩、サトウキビ繊維、収着剤として、架橋PVP及びβ−シクロデキストリン、抗菌剤として、ソルビン酸カリウム及び安息香酸ナトリウムを下記のような配合比で使用して被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生源、被加熱芳香カートリッジを作製し、市販されている加熱式喫煙具に装着し、被加熱芳香カートリッジ愛好者10名が被験者となり、煙及び芳香の官能試験を行った。なお、純水は成形加工に必要なために組成物として添加しているが、芳香発生体まで成形加工した後乾燥され除去された。
芳香源材 67質量% 100質量部
紅茶
コンニャク紛
モクセイ花
アマチャヅル
エアロゾルフォーマ 26質量%
グリセリン
プロピレングリコオール
熱融解物質 パラフィンワックス 7質量%
芳香剤 15質量部
ハッカ油
メントール
結合剤 23質量部
CMCのナトリウム塩
サトウキビ繊維
収着剤 21質量部
架橋PVP
β−シクロデキストリン
抗菌剤 0.005質量部
ソルビン酸カリウム
安息香酸ナトリウム
純水 20質量部
被加熱芳香発生基材は、図1−Iに示す工程で製造された。すなわち、芳香源材及び熱融解物質を混合する混合粉末製造工程(A)、繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)、エアロゾルフォーマ、芳香剤、成形剤、結合剤、保存剤、及び、水を準備する材料準備工程(C)、並びに、混合粉末製造工程(A)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C)で製造された材料から被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳香発生基材製造工程(D)に従って被加熱芳香発生基材が製造された。
そして、芳香源材及び熱融解物質を混合する混合粉末製造工程(A)は、芳香源材を乾燥・殺虫する乾燥・殺虫工程(A−1)、乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)、熱融解物質を粉砕する粉砕工程(A−5)、粉砕工程(A−2)で製造された粉砕物と粉砕工程(A−5)で製造された粉砕物をヘンシェルミキサーで粗混合した後、圧縮・剪断して混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)、圧縮・剪断混合工程(A−6)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)、及び、冷却工程(A−7)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−8)とからなり、熱融解物質に芳香源材粉末が分散・混合された混合粉末が製造された。このようにして製造された混合粉末は、80メッシュの篩にかけ、粉末の最小外径が約250μmのものを選別した。なお、本実施例では、芳香剤を後述する材料準備工程(C)において添加しているが、圧縮・剪断混合工程(A−6)において、芳香剤を添加してもよい。
また、繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)は、サトウキビを繊維植物として用い、これを圧搾する圧搾工程(B−1)、圧搾工程(B−1)を経た繊維植物を粉砕する粉砕工程(B−2)、粉砕工程(B−2)で製造された粉砕物を煮沸する煮沸工程(B−3)、煮沸工程(B−3)で製造された煮沸物を脱水・乾燥する脱水・乾燥工程(B−4)、及び、脱水・乾燥工程(B−4)で製造された乾燥物を粉砕する粉砕工程(B−5)からなり、これらの工程に従って結合剤の一つであるサトウキビ繊維が製造された。
このようにして得られた混合粉末、サトウキビ繊維、及び、材料準備工程(C)で準備された材料は、混合工程(D−1)でニーダーにより混合された後、その組成物を、3本ロールを用いて脱水・乾燥してシートに成形する脱水・乾燥工程(D−2)で、シートの厚さが、0.28±0.02mmとなるように成形された。そして、このように成形されたシートは、シートを裁断する裁断工程(D−3)で、幅1.5±0.1mmとなるように裁断された後、所定量の充填率となるように紙巻きされた。次いで、紙巻きされた被加熱芳香発生基材は、長さ11.5〜12.0mmとなるように断裁された後乾燥され、被加熱芳香発生源が製造された。
このようにして製造された被加熱芳香発生源は、ヒーターによるブレード型熱源を備えた加熱式喫煙具を用いた喫煙による官能試験を実施するため、二種の被加熱芳香カートリッジが製造された。
一方は、図3−III−Bに示すように、本実施形態で製造された被加熱芳香発生基材集合体1121を被加熱芳香発生基材ラッピング部材112で巻装した被加熱芳香発生源110が、被加熱芳香発生源コネクティング部用嵌合雌ネジ10311を備えた被加熱芳香発生源コネクティング部(I)1031Aに装着される一方、支持部材123とフィルター部材122とを長手方向に着接して、マウスピースラッピング部材121で巻装された支持部材付きフィルターマウスピース120−B1が、マウスピースコネクティング部用嵌合雄ネジ10321を備えたマウスピースコネクティング部1032に装着された後、これら被加熱芳香カートリッジコネクティング部材(A)103Aが嵌合され、支持部材付きフィルターマウスピースを備えたコネクティング型被加熱芳香カートリッジ(B)100−III−B(a)とした。
他方は、図3−III−Cに示すように、本実施形態で製造された被加熱芳香発生基材集合体1121を被加熱芳香発生基材ラッピング部材112で巻装した被加熱芳香発生源110が、被加熱芳香発生源コネクティング部用嵌合雌ネジ10311を備えた被加熱芳香発生源コネクティング部(I)1031Aに装着される一方、支持部材123、冷却部材124、及び、フィルター部材122が長手方向にこの順で着接して、マウスピースラッピング部材121で巻装された支持・冷却部材付きフィルターマウスピース120−C1が、マウスピースコネクティング部用嵌合雄ネジ10321を備えたマウスピースコネクティング部1032に装着された後、これら被加熱芳香カートリッジコネクティング部材(A)103Aが嵌合され、支持・冷却部材付きフィルターマウスピースを備えたコネクティング型被加熱芳香カートリッジ(C)100−III−C(a)とした。
なお、ここで用いた支持部材123は、被加熱芳香発生源110の吸引方向への移動を防止すると共に、加熱された被加熱芳香発生源110から発生する揮発物を冷却する機能があり、一例として、図5−I及びIIに示す構造の支持部材123を使用した。その支持部材中心部1231は、上記両コネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−III−B(a)及び100−III−C(a)のX方向の中心軸に沿って位置し、その支持部材中心部1231を対象の中心として、半径方向に拡がった第一の支持部材周辺部1232Aと第二の支持部材周辺部1232Bとが支持部材周辺部1232を形成している。そして、これら第一の支持部材周辺部1232Aと第二の支持部材周辺部1232Bとが対峙する間にできる空間が気体流路1233となる。この支持部材周辺部1232の最外周部が、接着剤を介してマウスピースラッピング部材121に巻き込まれ、その内面に固定されている。
また、被加熱芳香発生源110の内部構造を、被加熱芳香発生基材112が被加熱芳香発生基材ラッピング部材111上の長手方向に載置されて巻き上げられ、被加熱芳香発生基材集合体1121が被加熱芳香発生基材ラッピング部材111で巻装された被加熱芳香発生源110を例に挙げて説明する。図4に、その断面の概略模式図を示す。被加熱芳香発生基材112が集合すると、被加熱芳香発生基材凝集体112Aが多数形成されることによって、その凝集体112A内に被加熱芳香発生基材112の位置ずれが作る一次凝集体流路112B、凝集体112A間に生じる二次凝集体流路112C、及び、被加熱芳香発生基材112と被加熱芳香発生基材ラッピング部材111との空間である基材−ラッピング部材気体流路112D等の気体流路が生成されるため、加熱して発生する揮発物は、これらの気体流路を通過して、喫煙者が安定した気流で芳香及び煙を吸引することができる。後述する本発明の被加熱芳香カートリッジの被加熱芳香発生源は、全て、これに類似した内部構造を形成している。角柱状に細断された被加熱芳香発生源111が、所定数束ねられた状態で被加熱芳香発生源110を形成しているので、加熱して発生する揮発物を、喫煙者が安定した気流で吸引することができる。
官能試験は、被験者である喫煙者が上記二種のコネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−III−B(a)及び100−III−C(a)を使用して次のように喫煙して評価した。図6に示すように、コネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−III−C(a)が加熱式喫煙具200のボディー201に形成されたチャンバー202に装着されると共に、チャンバー202の底の中央部に設けられた熱源203が、被加熱芳香発生源110に突き刺さり、被加熱芳香発生源110が電子制御された加熱が行われ、喫煙することができる。コネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−III−B(a)被加熱芳香カートリッジ100−1も同様に使用して官能試験を行った。
比較例としては、上記被加熱芳香発生基材の組成物において、PEワックスだけを1質量%とした組成物で同様にして作製した二種の被加熱芳香カートリッジが被験者に喫煙された。
その結果、被験者10名のうち8名以上が、どちらの被加熱芳香カートリッジについても、比較例と比べて、実施例1の方が煙及び芳香共に、強くしかも心地よく喫煙できたという結果が得られた。以下、この基準を満足した場合に合格とした。
≪実施例2≫
材料準備工程(C)における純水の量だけを160質量部とする実施例1の配合比で、被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、スラリー製造工程(D’−1)及びキャスト加工工程(D’−2)を経由する図1−IIIの製造工程に従ったキャスト法でシートに成形加工され、裁断して製造された被加熱芳香発生基材を用いることを除き、実施例1と同様に被加熱芳香カートリッジを製造した。そして、これらの被加熱芳香カートリッジを用いた官能試験を行ったところ、合格であった。
≪実施例3≫
実施例1のパラフィンワックスの替わりに、PEワックス(三井化学(株)製ハイワックス(登録商標)110P、融点109℃)を使用することを除き、実施例1と同様に被加熱芳香カートリッジを製造し、官能試験を行った結果、合格であった。
≪実施例4≫
実施例1のパラフィンワックスの替わりに、テルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)製テルペンモノマー単独重合樹脂YSレジンPX800)を使用することを除き、実施例1と同様に被加熱芳香カートリッジを製造し、官能試験を行った結果、合格であった。
≪実施例5≫
実施例1のパラフィンワックスの替わりに、PPワックス(三井化学(株)製ハイワックス(登録商標)NP500、融点153/161℃)を使用することを除き、実施例1と同様に被加熱芳香カートリッジを製造し、官能試験を行った結果、合格であった。
≪実施例6≫
実施例1のパラフィンワックスの替わりに、ロジン変性フェノール樹脂(荒川化学工業(株)製タマノル、軟化点180〜190℃)を使用することを除き、実施例1と同様に被加熱芳香カートリッジを製造し、官能試験を行った結果、合格であった。
≪実施例7≫
実施例1と同じ組成物を用い、図1−IIに示す工程で製造された。すなわち、芳香源材、芳香剤、及び、熱融解物質を混合する混合粉末製造工程(A’)、繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)、エアロゾルフォーマ、成形剤、結合剤、保存剤、及び、水を準備する材料準備工程(C’)、混合粉末製造工程(A’)、セルロース繊維製造工程(B)、並びに、材料準備工程(C’)で製造された材料から被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳香発生基材製造工程(D)に従って被加熱芳香発生基材が製造された。
図1−Iの製造方法と基本的に異なるのは、芳香源材、芳香剤、及び、熱融解物質を混合する混合粉末製造工程(A’)であって、芳香源材を乾燥・殺虫する乾燥・殺虫工程(A−1)、乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)、熱融解物質と芳香剤を熱融解物質の融解温度以上の温度で混合する混合工程(A−3)、混合工程(A−3)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−4)、冷却工程(A−4)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−5)、粉砕工程(A−2)で製造された粉砕物と粉砕工程(A−5)で製造された粉砕物をヘンシェルミキサーで粗混合した後、熱融解物質の熱融解温度以下の温度で圧縮・剪断して混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)、圧縮・剪断混合工程(A−6)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)、及び、冷却工程(A−7)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−8)とからなり、この工程に従って、熱融解物質に芳香源材粉末及び芳香剤を分散・混合した混合粉末を製造する工程に特徴がある。このようにして製造された混合粉末は、80メッシュの篩にかけ、粉末の最小外径が約250μmのものを選別した。
この混合粉末製造工程(A’)以外は、実施例1と同様にして、被加熱芳香カートリッジを製造し、官能試験を行った結果、合格であった。特に、この被加熱芳香カートリッジは、10名の被験者全員が比較例を上回っていたという結果が得られ、混合粉末製造工程の影響が顕著に表れた。
本発明は、ナス科タバコ属であるタバコを含む植物に由来する煙及び芳香を喫煙する楽しみを提供することができる技術である。タバコ植物を含まない場合には、喫煙者本人のみならず、周囲の非喫煙者に対しても健康に悪影響を及ぼすことがない喫煙を楽しめ、脳内にα波をもたらす、癒し効果があり、健康及び美容の増進に役立つ新しい喫煙具である。従って、本発明の被加熱芳香発生基材に関する煙及び芳香の発生を促進する技術は、被加熱芳香発生基材と類似する、線香、焼香、抹香、塗香等や、アロマセラピー等に応用できる可能性がある。
100 被加熱芳香カートリッジ
100−I ラッピング型被加熱芳香カートリッジ
100−I−A ラッピング型被加熱芳香カートリッジ(A)フィルターマウスピース
100−I−B ラッピング型被加熱芳香カートリッジ(B)支持部材付きフィルターマウスピース
100−I−C ラッピング型被加熱芳香カートリッジ(C)支持・冷却部材付きフィルターマウスピース
101 被加熱芳香カートリッジラッピング部材
1011 被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュ
1012 被加熱芳香カートリッジラッピング部用カバー(I)
1013 被加熱芳香カートリッジラッピング部用カバー(II)
10131 熱源挿通孔
100−II ハウジング型被加熱芳香カートリッジ
100−II−A ハウジング型被加熱芳香カートリッジ(A)フィルターマウスピース
100−II−B ハウジング型被加熱芳香カートリッジ(B)支持部材付きフィルターマウスピース
100−II−C ハウジング型被加熱芳香カートリッジ(C)支持・冷却部材付きフィルターマウスピース
102 被加熱芳香カートリッジハウジング部材
1021 被加熱芳香カートリッジハウジング部用メッシュ
1022 被加熱芳香カートリッジハウジング部用カバー(I)
1023 被加熱芳香カートリッジハウジング部用カバー(II)
10231 熱源挿通孔
100−III コネクティング型被加熱芳香カートリッジ
100−III−A コネクティング型被加熱芳香カートリッジ(A)フィルターマウスピース
100−III−B コネクティング型被加熱芳香カートリッジ(B)支持部材付きフィルターマウスピース
100−III−C コネクティング型被加熱芳香カートリッジ(C)支持・冷却部材付きフィルターマウスピース
103 被加熱芳香カートリッジコネクティング部材
103A 被加熱芳香カートリッジコネクティング部材(A)
103B 被加熱芳香カートリッジコネクティング部材(B)
103C 被加熱芳香カートリッジコネクティング部材(C)
103D 被加熱芳香カートリッジコネクティング部材(D)
1031 被加熱芳香発生源コネクティング部
1031A 被加熱芳香発生源コネクティング部(I)
1031B 被加熱芳香発生源コネクティング部(II)
1031C 被加熱芳香発生源コネクティング部(III)
1031D 被加熱芳香発生源コネクティング部(IV)
10311 被加熱芳香発生源コネクティング部用嵌合雌ネジ
10312 被加熱芳香発生源コネクティング部用メッシュ
10313 被加熱芳香発生源コネクティング部(III)用カバー(I)
10314 被加熱芳香発生源コネクティング部(IV)用カバー(II)
103141 熱源挿通孔
1032 マウスピースコネクティング部
10321 マウスピースコネクティング部用嵌合雄ネジ
110 被加熱芳香発生源
111 被加熱芳香発生基材ラッピング部材
112 被加熱芳香発生基材
1121 被加熱芳香発生基材集合体
112A 被加熱芳香発生基材凝集体
112B 一次凝集体気体流路(I)
112C 二次凝集体気体流路(II)
112D 基材−ランピング部材気体流路(III)
120 マウスピース
120−A1、A2 フィルターマウスピース
120−B1、B2 支持部材付きフィルターマウスピース
120−C1、C2 支持・冷却部材付きフィルターマウスピース
121 マウスピースラッピング部材
122 フィルター部材
123 支持部材
1231 支持部材中心部
1232 支持部材周辺部
1232A 第一の支持部材周辺部
1232B 第二の支持部材周辺部
1233 気体流路
124 冷却部材
200 加熱式喫煙具
201 ボディー
202 チャンバー
203 熱源
L 支持部の長さ
D 支持部の直径
d 第一の支持部材周辺と第二の支持部材周辺との間隔
、X被加熱芳香カートリッジ断面の中心
X 紙面に平行な被加熱芳香カートリッジの長手方向
Y 紙面に平行な被加熱芳香カートリッジの断面方向
Z 紙面に垂直な被加熱芳香カートリッジの断面方向

Claims (62)

  1. 加熱式喫煙具に装着され、加熱及び吸引されてエアロゾル及び芳香を生じる被加熱芳香カートリッジの被加熱芳香発生源を形成する被加熱芳香発生基材であって、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、熱融解物質を含み、前記熱融解物質が、20〜200℃の範囲において融解する石油系天然ワックス、合成ワックス、及び、タッキファイアーの中から選択される少なくとも一つ以上である被加熱芳香発生基材。
  2. 前記エアロゾルフォーマ、前記芳香源材、及び、前記熱融解物質の配合比が、それぞれ、20〜40質量%、55〜75質量%、及び、2〜15質量%である請求項1に記載の被加熱芳香発生基材。
  3. 前記石油系天然ワックスが、ワセリン、パラフィンワックス、及び、マイクロクリスタリンワックスの中から選択される少なくとも一つ以上である請求項1に記載の被加熱芳香発生基材。
  4. 前記合成ワックスが、フィッシャー−トロプシュ(Fischer−Tropsch)ワックス、ポリエチレン(PE)ワックス及び変性PEワックス、ポリプロピレン(PP)ワックス及び変性PPワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、並びに、ポリオキシエチレンアルキルアミンの中から選択される少なくとも一つ以上である請求項1に記載の被加熱芳香発生基材。
  5. 前記タッキファイアーが、ロジン及びロジン誘導体、並びに、テルペン樹脂及び変性テルペン樹脂の中から選択される少なくとも一つ以上である請求項1に記載の被加熱芳香発生基材。
  6. 前記PPワックス及び変性PPワックスが、150〜200℃の範囲で融解する物質である請求項4に記載の被加熱芳香発生基材。
  7. 前記ロジン誘導体及び前記変性テルペン樹脂が、150〜200℃の範囲で融解する物質である請求項5に記載の被加熱芳香発生基材。
  8. 前記芳香源材が、茶類、並びに、植物の花類、地下茎類、果実類、及び、地上茎葉類の中から選択される少なくとも一つ以上を有し、
    前記茶類が、中国茶及び紅茶の中から選択される少なくとも一つ以上であり、
    前記花類が、バラ、モクセイ科モクセイ属モクセイ種の植物、ラベンダー、及び、サフランの花の中から選択される少なくとも一つ以上であり、
    前記地下茎類が、ラッキョウ、エシャロット、ニンニク、タマネギ、及び、コンニャクの地下茎の中から選択される少なくとも一つ以上であり、
    前記果実類が、カリン、ミカン科ミカン属の植物(ダイダイ・ウンシュウミカン・ナツダイダイ・ポンカン・ハッサク・イヨカン・イーチャンレモン・カラタチ・オレンジ・マンダリンオレンジ・カボス・キシュウミカン・キノット・グレープフルーツ・コウジ・サンボウカン・シトロン・ジャバラ・スダチ・タチバナ・タンゴール・ナツミカン・ハナユズ・ヒュウガナツ・ヒラミレモン(シークヮーサー)・ブンタン(ザボン)・ユズ・ライム・レモン・コブミカン等)、バラ科モモ属モモ種の植物、リンゴ、パイナップル、マンゴー、キンカン、メロン、ザクロ、ウメ、アンズ、ブルーベリー、バラ科オランダイチゴ属の植物、ラズベリー、バナナ、及び、ブドウの果実の中から選択される少なくとも一つ以上であり、
    前記地上茎葉類が、シソ科ハッカ属のペパーミント系植物(ペパーミント、ニホンハッカ、アップルミント、ウォーターミント、コルシカミント、ペニーロイヤルミント等)、シソ科ハッカ属のスペアミント系植物(スペアミント、ホースミント、ミドリハッカ、チリメンハッカ、ジンジャーミント等)、イヌハッカ、コウスイハッカ(レモンバーム)、キダチハッカ(セイボリー)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、及び、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  9. 前記エアロゾルフォーマが、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及び、グリセリンの中から選択される少なくとも一つ以上を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  10. 芳香剤を更に含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  11. 前記芳香剤が、清涼化剤及びニコチンの中から選択される少なくとも一つ以上を含む請求項10に記載の被加熱芳香発生基材。
  12. 前記清涼化剤が、メントール及びメントール誘導体、メントン及びメントン誘導体、メンタンカルボン酸アミド、2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸誘導体、メンタン及びメンタン誘導体、L−カルボン、キシリトール、ユーカリ精油、ハッカ油、スペアミント精油、並びに、スピラントールの中から選択される少なくとも一つ以上である請求項11に記載の被加熱芳香発生基材。
  13. 成形剤を更に含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  14. 前記成形剤が、微結晶セルロースである請求項13に記載の被加熱芳香発生基材。
  15. 結合剤を更に含む請求項1〜14のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  16. 前記結合剤が、多糖類系高分子、セルロース系高分子、及び、セルロース繊維の中から少なくとも一つ以上を含む請求項15に記載の被加熱芳香発生基材。
  17. 前記多糖類系高分子が、コンニャクマンナン(グルコマンナン)、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンシードガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、及び、キサンタンガムの中から選択される少なくとも一つ以上であり、
    前記セルロース系高分子が、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び、ヒドロキシプロピルセルロース、並びに、CMCのナトリウム塩、カリウム塩、及び、カルシウム塩、並びに、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩、カリウム塩、及び、カルシウム塩の中から選択される少なくとも一つ以上であり、
    前記セルロース繊維が、サトウキビ、タケ、ムギ、コメ、エスパルト、及び、ジュートのセルロース繊維の中から選択される少なくとも一つ以上である請求項16に記載の被加熱芳香発生基材。
  18. 収着剤を更に含む請求項1〜17のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  19. 前記収着剤が、架橋ポリビニルピロリドン及び/又はシクロデキストリンである請求項18に記載の被加熱芳香発生基材。
  20. 保存剤を更に含む請求項1〜18のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  21. 前記保存剤が、ソルビン酸カリウム及び/又は安息香酸ナトリウムである請求項20に記載の被加熱芳香発生基材。
  22. 被加熱芳香発生カートリッジを構成する被加熱芳香発生源であって、請求項1〜21のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材の集合体である被加熱芳香発生源。
  23. 前記被加熱芳香発生基材が円柱状体又は角柱状体である請求項22に記載の被加熱芳香発生源。
  24. 被加熱芳香発生カートリッジを構成する被加熱芳香発生源であって、請求項1〜21のいずれか一項に記載の前記被加熱芳香発生基材の集合体が、筒状の巻物である被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源。
  25. 前記被加熱芳香発生基材が円柱状体又は角柱状体である請求項24に記載の被加熱芳香発生源。
  26. 請求項22〜25のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生源が、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され、前記被加熱芳香カートリッジ外装部材がマウスピースを形成している被加熱芳香カートリッジ。
  27. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が形成しているマウスピースに、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材から選択される少なくとも一つ以上が長手方向に配備されている請求項26に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  28. 請求項22〜25のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生源の長手方向にマウスピースが着接され、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納されている被加熱芳香カートリッジ。
  29. 前記マウスピースに、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材から選択される少なくとも一つ以上が長手方向に配備されている請求項28に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  30. 前記支持部材、前記冷却部材、及び、前記フィルター部材から選択される少なくとも一つ以上が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で巻装されている請求項27又は29に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  31. 前記支持部材、前記冷却部材、及び、前記フィルター部材が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で、それぞれ個別に巻装されている請求項30に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  32. 前記被加熱芳香発生源と前記マウスピースとの間に、前記マウスピース内への前記被加熱芳香発生基材、前記被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、前記崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するメッシュが備えられている請求項26〜31のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  33. 前記被加熱芳香発生源の前記メッシュの反対側端部表面に、前記被加熱芳香発生基材、前記被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、前記崩落物が生成する粉塵の加熱式喫煙具チャンバー内への脱落及び飛散を防止するカバーが備えられている請求項26〜32のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  34. 前記カバーに、前記加熱式喫煙具の熱源挿通孔が設けられている請求項33に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  35. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が筒状の巻物である被加熱芳香カートリッジラッピング部材である請求項26〜34に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  36. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジハウジング部材である請求項26〜34のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  37. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が、少なくとも一箇所で着脱可能に接続されている筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジコネクティング部材である請求項26に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  38. 前記被加熱芳香カートリッジコネクティング部材が、前記被加熱芳香発生源を装入することができる被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースを形成することができるマウスピースコネクティング部とを有し、前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続される筒状の筐体であって、前記被加熱芳香発生源が装入されている前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続されている請求項37に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  39. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が、少なくとも一箇所で着脱可能に接続されている筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジコネクティング部材である請求項28に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  40. 前記被加熱芳香カートリッジコネクティング部材が、前記被加熱芳香発生源を装入することができる被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースを装入することができるマウスピースコネクティング部とを有し、前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続される筒状の筐体であって、前記被加熱芳香発生源が装入されている前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースが装入されている前記マウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続されている請求項39に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  41. 前記マウスピースコネクティング部又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、支持部材を少なくとも備えている請求項38又は40に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  42. 前記マウスピースコネクティング部又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、冷却部材を少なくとも備えている請求項38又は40に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  43. 前記マウスピースコネクティング部又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、フィルター部材を少なくとも備えている請求項38又は40に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  44. 前記マウスピースコネクティング部又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、支持部材と冷却部材とを少なくとも備え、前記被加熱芳香発生源コネクティング部側から前記支持部材と前記冷却部材とが長手方向に配備されている請求項38又は40に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  45. 前記マウスピースコネクティング部又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、支持部材とフィルター部材とを少なくとも備え、前記被加熱芳香発生源コネクティング部側から前記支持部材と前記フィルター部材とが長手方向に配備されている請求項38又は40に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  46. 前記マウスピースコネクティング部又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、冷却部材とフィルター部材とを少なくとも備え、
    前記被加熱芳香発生源コネクティング部側から前記冷却部材と前記フィルター部材とが長手方向に配備されている請求項38又は40に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  47. 前記マウスピースコネクティング部又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材を少なくとも備え、前記被加熱芳香発生源コネクティング部側から前記支持部材、前記冷却部材、及び、前記フィルター部材が長手方向に配備されている請求項38又は40に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  48. 前記支持部材、前記冷却部材、及び、前記フィルター部材から選択される少なくとも一つ以上が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で巻装されている請求項41〜47のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  49. 前記マウスピースを構成する前記支持部材、前記冷却部材、及び、前記フィルター部材が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で、それぞれ個別に巻装されている請求項41〜47に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  50. 前記マウスピースコネクティング部が、前記支持部材が装入されている支持部材コネクティング部、前記冷却部材が装入されている冷却部材コネクティング部、及び、前記フィルター部材が挿入されているフィルター部材コネクティング部から選択される少なくとも二つのコネクティング部を備え、前記少なくとも二つのコネクティング部が長手方向に配備され、それぞれ着脱可能に接続されている請求項44〜47、又は、請求項49のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  51. 前記被加熱芳香発生源コネクティング部が、前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースコネクティング部とを接続した際の、前記被加熱芳香発生源と前記マウスピースとの間に、前記マウスピースコネクティング部内への前記被加熱芳香発生基材、前記被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、前記崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するメッシュを備えている請求項30〜50のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  52. 前記被加熱芳香発生源コネクティング部の前記マウスピースコネクティング部の反対側端部表面に、前記被加熱芳香発生基材、前記被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、前記崩落物が生成する粉塵の加熱式喫煙具チャンバー内への脱落及び飛散を防止するカバーが備えられている請求項38〜51のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  53. 前記カバーに、前記加熱式喫煙具の熱源挿通孔が設けられている請求項52に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  54. 前記着脱可能な接続が、嵌合(fitting)、螺合(screwing)、歯合(meshing)、及び、掛合(hooking)のいずれかである請求項37〜53のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  55. 前記着脱可能な接続が、磁力である請求項37〜54のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  56. 芳香源材及び/又は芳香剤と熱融解物質とを混合する混合粉末製造工程(A)と、
    繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)と、
    エアロゾルフォーマ、芳香剤、成形剤、結合剤、保存剤、及び、水から選択される所望の材料を準備する材料準備工程(C)と、
    前記混合粉末製造工程(A)、前記セルロース繊維製造工程(B)、及び、前記材料
    準備工程(C)で製造された材料から被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳香発生基材製造工程(D)と、
    を備えている被加熱芳香発生基材の製造方法。
  57. 前記混合粉末製造工程(A)が、
    前記芳香源材を乾燥・殺虫する乾燥・殺虫工程(A−1)と、
    前記乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された前記芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)と、
    前記熱融解物質を粉砕する粉砕工程(A−5)と、
    前記粉砕工程(A−2)で製造された粉砕物及び/又は前記芳香剤と前記粉砕工程(A−5)で製造された粉砕物とを圧縮・剪断して混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)と、
    前記圧縮・剪断混合工程(A−6)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)と、
    前記冷却工程(A−7)で冷却された前記混合物を粉砕する粉砕工程(A−8)と、
    を有し、
    前記セルロース繊維製造工程(B)が、
    前記繊維植物を圧搾する圧搾工程(B−1)と、
    前記圧搾工程(B−1)を経た前記繊維植物を粉砕する粉砕工程(B−2)と、
    前記粉砕工程(B−2)で製造された粉砕物を煮沸する煮沸工程(B−3)と、
    前記煮沸工程(B−3)で製造された煮沸物を脱水・乾燥する脱水・乾燥工程(B−4)と、
    前記脱水・乾燥工程(B−4)で製造された乾燥物を粉砕する粉砕工程(B−5)と、を有し、
    前記被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、
    前記混合粉末製造工程(A)、前記セルロース繊維製造工程(B)、及び、前記材料
    準備工程(C)で製造された材料を混合する混合工程(D−1)と、
    前記混合工程(D−1)で製造された混合物を圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)と、
    前記圧縮・剪断加工工程(D−2)で製造された前記シートを裁断する裁断工程(D−3)と、
    を有している請求56に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法。
  58. 芳香源材、芳香剤、及び、熱融解物質を混合する混合粉末製造工程(A’)と、
    繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)と、
    エアロゾルフォーマ、成形剤、結合剤、保存剤、及び、水から選択される所望の材料を準備する材料準備工程(C’)と、
    前記混合粉末製造工程(A’)、前記セルロース繊維製造工程(B)、及び、前記材
    料準備工程(C’)で製造された材料から被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳
    香発生基材製造工程(D)と、
    を備えている被加熱芳香発生基材の製造方法。
  59. 前記混合粉末製造工程(A’)が、
    前記芳香源材を乾燥・殺虫する乾燥・殺虫工程(A−1)と、
    前記乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された前記芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)と、
    前記熱融解物質と前記芳香剤を前記熱融解物質の融解温度以上の温度で混合する混合工程(A−3)と、
    前記混合工程(A−3)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−4)と、
    前記冷却工程(A−4)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−5)と、
    前記粉砕工程(A−2)で製造された粉砕物と前記粉砕工程(A−5)で製造された粉砕物を圧縮・剪断して混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)と、
    前記圧縮・剪断混合工程(A−6)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)と、
    前記冷却工程(A−7)で冷却された前記混合物を粉砕する粉砕工程(A−8)と、を有し、
    前記セルロース繊維製造工程(B)が、
    前記繊維植物を圧搾する圧搾工程(B−1)と、
    前記圧搾工程(B−1)を経た前記繊維植物を粉砕する粉砕工程(B−2)と、
    前記粉砕工程(B−2)で製造された粉砕物を煮沸する煮沸工程(B−3)と、
    前記煮沸工程(B−3)で製造された煮沸物を脱水・乾燥する脱水・乾燥工程(B−4)と、
    前記脱水・乾燥工程(B−4)で製造された乾燥物を粉砕する粉砕工程(B−5)と、
    を有し、
    前記被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、
    前記混合粉末製造工程(A’)、前記セルロース繊維製造工程(B)、及び、前記材
    料準備工程(C’)で製造された材料を混合する混合工程(D−1)と、
    前記混合工程(D−1)で製造された混合物を圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)と、
    前記圧縮・剪断加工工程(D−2)で製造された前記シートを裁断する裁断工程(D−3)と、
    を有している請求項58に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法。
  60. 前記被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、
    前記混合粉末製造工程(A)又は(A’)、前記セルロース繊維製造工程(B)、及
    び、前記材料準備工程(C)又は(C’)で製造された材料を混合してスラリーを製造するスラリー製造工程(D’−1)と、
    前記スラリー製造工程(D’−1)で製造されたスラリーを抄紙、圧縮、及び、乾燥してシートに成形するキャスト加工工程(D’−2)と、
    前記キャスト加工工程(D’−2)で製造された前記シートを裁断する裁断工程(D−3)と、
    を有している請求項57又は59に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法。
  61. 請求項56〜60に記載の製造方法によって製造された、前記芳香源材及び/又は前記芳香剤を前記熱融解物質に含む粉末が、前記被加熱芳香発生基材中に分散されている被加熱芳香発生基材。
  62. 前記粉末の最小外径が、125〜355μmである請求項61に記載の被加熱芳香発生基材。
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