JP6748798B1 - 被加熱芳香発生基材、その基材を用いた被加熱芳香発生源、その発生源を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その基材の製造方法 - Google Patents

被加熱芳香発生基材、その基材を用いた被加熱芳香発生源、その発生源を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その基材の製造方法 Download PDF

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Abstract

被加熱芳香発生源とマウスピースとが連結された、紙巻きタバコに相当する被加熱芳香カートリッジと加熱式喫煙具を用い、被加熱芳香発生源を加熱式喫煙具の熱源に装着して行う喫煙は、ニコチン等の有害物質の吸引が少なく、健康的ではあるが、煙成分及び芳香成分の発生及び揮発を阻害する材料を数多く使用しなければならず、被加熱芳香発生源の熱分解又は燃焼を回避して、喫煙者が十分に楽しむことができる煙と芳香を発生させることが難しいという問題がある。少なくとも芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤を含有する被加熱芳香発生基材であって、その密度が700〜1,100mg/cm3であり、その質量対表面積比が0.09〜0.32mg/mm2であることを特徴とする。

Description

本発明は、火炎ではなく、ヒーター等の熱源によって伝達された熱によってエアロゾル及び芳香を発生する、少なくともエアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、結合剤を含有する被加熱芳香発生基材、その基材を用いた被加熱芳香発生源、その発生源を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その基材の製造方法に関する。特に、熱源によるエアロゾルフォーマの煙成分及び芳香源材の芳香成分である揮発物の発生が促進されると共に、揮発物の流路が確保されるだけでなく、熱源による燃焼が生じることがない上、強靭性を有し、成形加工性に優れている被加熱芳香発生基材、その基材を用いた被加熱芳香発生源、その発生源を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その基材の製造方法に関する。
従来、上記「被加熱芳香発生基材」は、「エアロゾル形成基材」と呼称されることが多かったが、加熱することによって、エアロゾルを形成するエアロゾルフォーマと共に、芳香源材や芳香剤の香り成分も揮発され、エアロゾルの煙と芳香源材や芳香剤の香りを喫煙によって楽しむことから、本発明においては、「被加熱芳香発生基材」と呼称する。これに基づき、エアロゾル形成基材が充填されたエアロゾル形成体、エアロゾル形成体を備えた電子タバコカートリッジを、それぞれ、被加熱芳香発生源、被加熱芳香カートリッジと呼称する。
近年、タバコの禁煙が、職場や飲食店等の人が集う空間に幅広く普及する傾向に従って、タバコを火炎で燃焼して喫煙する人が減少するのに対し、ヒーター等の熱源によって伝達された熱によってエアロゾルを発生するエアロゾルフォーマ、ナス科タバコ属のタバコ植物を含む芳香源材を含有する、被加熱芳香発生基材を用いて形成される被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具で喫煙する人が急激に増加している。この加熱式喫煙によれば、従来のタバコの熱分解及び燃焼によって生成される有害成分の吸引が低減されるためであり、加熱式喫煙を楽しむための各種製品に関する技術開発が活発に行われている(例えば、特許文献1〜5)。
このような加熱式喫煙のメカニズムは、加熱式喫煙具、被加熱芳香カートリッジ等の形態によって異なるが、その典型的な例を次に示す。一端に被加熱芳香発生基材が充填された被加熱芳香発生源を、他端にマウスピースを備えた被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香発生源を加熱式喫煙具の熱源と接触するように装着されて加熱されると、被加熱芳香発生源からエアロゾルフォーマ及び芳香源材の揮発物等が放出される。
この揮発物は、喫煙者の吸引によって空気と共に他端のマウスピース側に吸い込まれる。この揮発物の搬送工程において、エアロゾルフォーマの揮発物は冷却、凝縮して、煙のようなエアロゾルを形成すると共に、その他の揮発物は、喫煙者の口及び鼻に芳香を与え、その結果として喫煙を楽しむことができる。従って、加熱式喫煙の場合、被加熱芳香発生基材に含まれるグリセリンやプロピレングリコール等のエアロゾルフォーマを揮発させることができる200〜350℃程度、すなわち、タバコの葉の熱分解が開始する程度の温度で喫煙できるため、燃焼による有害物質の発生を防止できるばかりでなく、熱分解による有害物質の発生も低減できる。
更に有害物質を低減させるため、被加熱芳香発生源を構成する被加熱芳香発生基材に占めるタバコの含有量を減少させる材料設計が施されている。例えば、タバコ植物の代替え材料として、様々な芳香を発生する非タバコ植物の併用、更には、タバコ植物を全く使用することなく、非タバコ植物だけでも心地よい喫煙を楽しむこともできる、ニコチンレスの被加熱高芳香発生基材も開発されている(特許文献5)。一方、従来のタバコの製造工程で生じたタバコの茎、葉片、及び、粉塵等を使用して、材料の有効活用及び材料コストの削減も図られている。
これに対し、従来の火炎によってタバコを燃焼する火炎式喫煙の場合、少なくとも燃焼するための600℃を超える温度が必要であり、喫煙時には最高900℃に達することがあり、火炎式喫煙の有害物質の発生量は極めて多くなる。しかし、タバコ植物以外の成分が含まれていないため、タバコの燃焼によって、喫煙者の視覚的欲求を満足させる煙、喫煙者がタバコに依存する根源となるニコチン、そして、無数の芳香成分を十分に発生する。
このような加熱式喫煙と火炎式喫煙との本質的なメカニズムの違いから、紙巻きタバコに相当する被加熱芳香カートリッジを構成する被加熱芳香発生源に充填される被加熱芳香発生基材は、喫煙者から要求される、タバコ植物からの芳香やニコチンばかりでなく、非タバコ植物からの芳香の発生を抑制する材料構成となっている。
まず、上述したように、燃焼することなく煙に見えるエアロゾルを生成するためのエアロゾルフォーマが、不可欠な材料として被加熱芳香発生基材を構成する。
そして、特許文献1〜5には、タバコ植物からの芳香やニコチンばかりでなく、非タバコ植物からの様々な芳香の発生を抑制する次のような材料が記載されている。
被加熱芳香発生基材の煙の発生に不可欠な成分であるエアロゾルフォーマは、グリセリンやプロピレングリコール等の液体であるため、タバコ植物及び非タバコ植物と混合しても保持されるように、安全性の高い結合剤が用いられている。代表的なものとしては、多糖類系天然高分子やセルロース系天然高分子をあげることができる。更に、これらの結束力を高め、シート状、円柱状、角柱状、粒状、鱗片状等の被加熱芳香発生基材に成形加工できるように、セルロース繊維が加えられる場合もある。
同様の目的に加え、被加熱芳香基材の乾燥時の収縮を低減したり、その成形加工性を高めるため、成形剤として微結晶セルロースが添加される場合もある。
芳香成分を補うための芳香剤、例えば、清涼化剤やニコチン等が用いられる場合には、これらが喫煙に最適な温度に達するまで放出されることなく安定して保持されるために、収着剤として機能する架橋ポリビニルピロリドンやシクロデキストリン等が含有される場合もある。
このように、加熱式喫煙における被加熱芳香カートリッジに備えられる被加熱芳香発生源を形成する被加熱芳香発生基材は、煙成分となるエアロゾルフォーマ、並びに、芳香成分となるタバコ植物、非タバコ植物、及び、芳香剤以外に、結合剤、成形剤、収着剤等から構成され、加熱によって煙成分及び芳香成分を発生及び揮発する材料に加え、これらを阻害する材料を数多く使用しなければならず、喫煙者が十分に楽しむことができる煙と芳香を発生させることは容易ではない。
この問題を解決する方法として、特許文献6では、50〜150℃の融点を有する植物由来の天然ろうをエアロゾルフォーマに溶解させた溶液のタバコ粉末分散液であるスラリーから、キャスト法で形成された均質化したたばこ材料、すなわち、被加熱芳香発生基材を提案している。しかし、この方法では不十分であると考えられ、特許文献7では、20〜50℃の植物由来のオイルを導入する解決手段が提案されている。
一方では、特許文献3に、熱源による熱分解又は燃焼を回避するため、密度を確保すると共に、ストリップ、細断片、フィラメント、ロッド、又は、細長い要素を意味する「ストランド」の形態を制御して、質量対比表面積比を所定の範囲内に収める必要があることが記載されている。しかし、このような密度の確保は、上述したエアロゾルフォーマや芳香源材からの揮発物の発生を抑制するだけでなく、それらの流路を閉塞するという問題を生じる。
特表2008−518614号公報 特表2010−520764号公報 特表2013−519384号公報 特表2016−538848号公報 特許第6280287号公報 特許第6433626号 特許第6442110号
背景技術に述べたように、少なくとも被加熱芳香発生源とマウスピースとが連結された、紙巻きタバコに相当する被加熱芳香カートリッジと加熱式喫煙具を用い、被加熱芳香発生源を加熱式喫煙具の熱源に装着して行う喫煙は、ニコチン等の有害物質の吸引が少なく、健康的ではある。しかし、被加熱芳香発生源を形成する被加熱芳香発生基材には、煙成分となるエアロゾルフォーマ、並びに、芳香成分となるタバコ植物、非タバコ植物、及び、芳香剤以外に、結合剤、成形剤、及び、収着剤等が必要とされるため、加熱による煙成分及び芳香成分の発生及び揮発を阻害する材料を数多く使用しなければならず、喫煙者が十分に楽しむことができる煙と芳香を発生させることが難しいという問題がある。また、同時に、熱源による被加熱芳香発生基材の熱分解又は燃焼を回避しなければならない。
そこで、本発明は、加熱式喫煙具の熱源によって、熱分解又は燃焼することなく、煙成分となるエアロゾルフォーマ、並びに、芳香成分となるタバコ植物や非タバコ植物等の芳香源材、及び、芳香剤等から、これらの揮発物が十分に発生し、喫煙者が煙及び芳香を満足して楽しむことができる被加熱芳香発生基材、その基材を用いた被加熱芳香発生源、その発生源を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その基材の製造方法を提供することを目的としている。
なお、上述したように、本明細書において、一般に、「喫煙カートリッジ」、「電子タバコカートリッジ」、「電子タバコ互換カートリッジ」等と称するものを「被加熱芳香カートリッジ」と称するのは、芳香の元になるものとしては、タバコ成分を含まない非たばこ材料を使用するものにも適用されるため、「芳香を楽しむ」、「芳香を味わう」、「芳香を堪能する」意味合いが強いことに基づいている。この「芳香」とは、「良い香り」の意味であり、素材そのものから漂う香り(フレグランス)、加熱されたときに空間に漂う香り(アロマ)、吸引した時に口に漂う香り(フレーバー)等を含む。また、「喫煙」は、一般的に、タバコを吸うことを意味することが多いが、ここでは、単に、「煙を楽しむ」、「煙を味わう」、「煙を堪能する」の意味であり、煙の元になるものは、タバコ材に限定されず、非タバコ材を使用するものにも適用される。
一方、「芳香」とは、揮発性物質であり、その元になる材料は、タバコ材及び非タバコ材に限定されるものではなく、「芳香源材」と総称するが、芳香源材から抽出されたり、合成される芳香剤は含まない。また、「煙」とは、可燃性物質の燃焼により発生する固体又は液体の微粒子であるが、ここでの「煙」には、燃焼することなく、揮発した物質の冷却により空気中に浮遊した液体の微粒子も含まれ、その原材料はエアロゾルフォーマと呼ばれる。
そして、被加熱芳香カートリッジは、芳香源材、芳香剤、及び、エアロゾルフォーマが加熱されて揮発性物質が発生し、喫煙者が吸引することによって、芳香及び煙を楽しみ、味わい、堪能することができる材料である、上述した被加熱芳香発生基材を備えるが、被加熱芳香カートリッジの形態によって被加熱芳香発生基材の扱い方が異なり、被加熱芳香発生基材の集合体及びその梱包物を被加熱芳香発生源と定義する。
なお、このような被加熱芳香カートリッジを装着すると、被加熱芳香発生源に電子制御式の加熱要素が挿入され、加熱と同時に喫煙することができる「電子タバコ」又は「電子タバコ製品」と一般的に呼称される器具を、本明細書では、「加熱式喫煙具」と称している。これも、この加熱式喫煙具は、被加熱芳香カートリッジの被加熱芳香発生基材に含まれる芳香源材の種類にかかわらず、各種被加熱芳香カートリッジを喫煙することができることに基づいている。
背景技術でも述べたように、特許文献6及び7には、融点を有する化学物質である蝋を導入することによって、被加熱芳香発生基材に含有されるエアロゾルフォーマ及び芳香源材の揮発物の発生を促進させる技術が記載されている。しかし、特許文献3に、熱源による熱分解又は燃焼を回避するため、密度を確保すると共に、ストランドの内部構造ではなく、幾何学的外部構造である形状を制御して、式(1)に示す、単位表面積当たりの被加熱芳香発生基材の質量である質量対比表面積比、すなわち、単位質量当たりの表面積である比表面積を所定の範囲内に収める必要があることが記載されている。すなわち、質量対比表面積が大きすぎると(比表面積が小さすぎると)、被加熱芳香発生基材の熱源によるエアロゾルフォーマ及び芳香源材からの揮発物の発生が抑制され、被加熱芳香発生基材内の揮発物の流路が確保できず、その逆の場合、被加熱芳香発生基材の熱源による熱分解又は燃焼の問題が生じる。
Figure 0006748798
特に、被加熱芳香発生基材は、熱源との接触による熱分解又は燃焼を回避すると共に、熱源との着脱による崩壊を回避するために、被加熱芳香発生基材が、結合剤によって、各種構成材料の充填状態が密となるように設計されてきた。事実、特許文献3のストランドの密度は、汎用樹脂で結晶化度の低いポリエチレンの密度0.91〜0.96g/cmよりも大きく、結晶化度の高いポリエチレンテレフタレートの密度1.34〜1.39g/cmと同等の密度を示している。そのため、特許文献3に記載されているように、ストランドの形状が制約される。
本発明者は、このような被加熱芳香発生基材の特性を鑑み、被加熱芳香発生基材に、熱伝導率が低い空気を含む密度の低い多孔質的な内部構造を形成することによって、上述したような背反する課題を解決しうるという仮説をたてた。まず、被加熱芳香発生基材そのものは、特許文献3に記載されているように、密度が大きく、ある質量対表面積比よりも大きくなると(ある比表面積より小さくなると)、被加熱芳香発生基材のエアロゾルフォーマ及び芳香源材の揮発物が抑制される。これに対し、被加熱芳香発生基材を空気が含まれる密度の低い被加熱芳香発生基材とすることによって、同じ熱源であれば、単位熱量当たりのエアロゾルフォーマ及び芳香源材の質量が少なくなり、揮発物の発生が促進されるものと考えられる。更に、空気を含む密度の低い内部構造は、熱源によって加熱されると、この内部構造が破壊され、これらの揮発物の流路が形成されることになるので、被加熱芳香発生基材表面からの揮発物の放出がより促進されるものと推測した。一方、特許文献3に記載されているように、密度の高い被加熱芳香発生基材において、ある質量対表面積比よりも小さくなると(ある比表面積より大きくなると)、熱源との接触面積が増加して熱分解又は燃焼の問題が発生しているため、密度の低い被加熱芳香発生基材においても、この問題を回避するため、同様の質量対表面積比が確保される必要があるものと考えられる。そのためには、被加熱芳香発生基材の表面には凹凸がない平坦な構造が求められ、熱伝導性が低い空気を含む多孔質的な構造は、内部にのみ形成されている必要がある。
そこで、少なくとも、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、結合剤を含む被加熱芳香発生基材用組成物から圧縮剪断法及びキャスト法で作製した被加熱芳香発生基材を用いて比較評価した。圧縮剪断法は、粘性を有する被加熱芳香発生基材用組成物から、三本ロールのような圧縮及び剪断工程を繰り返して薄いシートに成形加工した後、裁断することによって被加熱芳香発生基材を製造する方法である。一方、キャスト法は、スラリーの被加熱芳香発生基材用組成物から、抄紙工程、乾燥工程を経て薄いシートに成形加工した後、裁断することによって被加熱芳香発生基材を製造する方法である。
その結果、圧縮剪断法で製造してシート状、円柱状、角柱状、粒状、鱗片状等に裁断された被加熱芳香発生基材の密度は、キャスト法で製造したそれよりも低く、その表面は、凹凸がない平坦な構造であることが認められた。また、これらの被加熱芳香発生基材を、その側面で接触するように筒状の巻物となるラッピング部材に充填、巻装して被加熱芳香発生源を形成し、その長手方向にマウスピースを連結して製造した被加熱芳香カートリッジの喫煙テストを行った結果、圧縮剪断法で製造した被加熱芳香発生基材を用いた被加熱芳香カートリッジの方が、豊かな煙及び芳香を味わうことができた。これらの結果に基づき、種々検討した結果、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、加熱式喫煙具に装着され、加熱及び吸引されてエアロゾル及び芳香を生じる被加熱芳香カートリッジの被加熱芳香発生源を形成する被加熱芳香発生基材であって、少なくとも、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、結合剤を含み、その被加熱芳香発生基材の密度が、700mg/cm〜1,100mg/cm、より好ましくは、800〜1,000mg/cmである被加熱芳香発生基材である。この密度の範囲にある被加熱芳香発生基材は、その内部に空気を含む構造が形成されており、内部構造も含めると、単位熱量当たりの被加熱芳香発生基材の質量が少なくなると共に、その内部構造が、加熱によって破壊されて揮発物の流路が形成されるので、被加熱芳香発生基材からのエアロゾルフォーマ及び芳香源材の揮発物の放出が促進される。密度が、700mg/cm未満であると、加熱による被加熱芳香発生基材の崩落等が生じるために好ましくなく、1,100mg/cm、特に、1,000mg/cmを超えると、単位熱量当たりの被加熱芳香発生基材の質量が大きくなり、エアロゾルフォーマや芳香源材からの揮発物の発生が不足する。
更に、このような空気を含む密度の低い内部構造の被加熱芳香発生基材の場合も、熱分解及び燃焼の問題を回避するためには、熱源と接触する表面は、凹凸がない平坦な構造が求められるので、幾何学的な被加熱芳香発生基材の外部形状の表面積に基づいた質量対表面積比は、0.09〜0.32mg/mmであることが好ましい。エアロゾルフォーマ及び芳香源材から揮発物を十分に発生させるためには、熱源との接触面積が確保される必要があり、0.32mg/mm以下の質量対表面積比が好ましい。逆に、被加熱芳香発生基材の熱分解又は燃焼の問題を回避するためには、0.09mg/mm以上の質量対表面積比が必要である。
このような特性を有する被加熱芳香発生基材は、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、結合剤の配合比が、それぞれ、20〜40質量%、45〜75質量%、及び、3〜30質量%であることが好ましく、25〜35質量%、55〜70質量%、及び、5〜25質量%であることがより好ましい。
芳香源材は、特に、中国茶及び紅茶、並びに、バラ、モクセイ科モクセイ属モクセイ種の植物、ラベンダー、及び、サフランの花、並びに、ラッキョウ、エシャロット、ニンニク、タマネギ、及び、コンニャクの地下茎、並びに、カリン、ミカン科ミカン属の植物(ダイダイ・ウンシュウミカン・ナツダイダイ・ポンカン・ハッサク・イヨカン・イーチャンレモン・カラタチ・オレンジ・マンダリンオレンジ・カボス・キシュウミカン・キノット・グレープフルーツ・コウジ・サンボウカン・シトロン・ジャバラ・スダチ・タチバナ・タンゴール・ナツミカン・ハナユズ・ヒュウガナツ・ヒラミレモン(シークヮーサー)・ブンタン(ザボン)・ユズ・ライム・レモン・コブミカン等)、バラ科モモ属モモ種の植物、リンゴ、パイナップル、マンゴー、キンカン、メロン、ザクロ、ウメ、アンズ、ブルーベリー、バラ科オランダイチゴ属の植物、ラズベリー、バナナ、及び、ブドウの果実、並びに、シソ科ハッカ属のペパーミント系植物(ペパーミント、ニホンハッカ、アップルミント、ウォーターミント、コルシカミント、ペニーロイヤルミント等)、シソ科ハッカ属のスペアミント系植物(スペアミント、ホースミント、ミドリハッカ、チリメンハッカ、ジンジャーミント等)、イヌハッカ、コウスイハッカ(レモンバーム)、キダチハッカ(セイボリー)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、及び、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉から選択される少なくとも一つ以上含まれることが、喫煙者に心地よい芳香を提供するために相応しいが、これらに限定されるものではない。
しかし、被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具に装着した時に、被加熱芳香カートリッジそのものから漂う香りと定義するフレグランスと、被加熱芳香カートリッジを加熱した時に空間に漂う香りと定義するアロマと、被加熱芳香カートリッジを加熱してエアロゾルと共に吸引した時に口に漂う香りと定義するフレーバーの三要素を兼ね備えることがより更に好ましい。
フレグランスとしては、中国茶及び紅茶、並びに、バラ、モクセイ科モクセイ属モクセイ種の植物、ラベンダー、及び、サフランの花、並びに、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
アロマとしては、ラッキョウ、エシャロット、ニンニク、タマネギ、及び、コンニャクの地下茎、並びに、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
フレーバーとしては、カリン、ミカン科ミカン属の植物(ダイダイ・ウンシュウミカン・ナツダイダイ・ポンカン・ハッサク・イヨカン・イーチャンレモン・カラタチ・オレンジ・マンダリンオレンジ・カボス・キシュウミカン・キノット・グレープフルーツ・コウジ・サンボウカン・シトロン・ジャバラ・スダチ・タチバナ・タンゴール・ナツミカン・ハナユズ・ヒュウガナツ・ヒラミレモン(シークヮーサー)・ブンタン(ザボン)・ユズ・ライム・レモン・コブミカン等)、バラ科モモ属モモ種の植物、リンゴ、パイナップル、マンゴー、キンカン、メロン、ザクロ、ウメ、アンズ、ブルーベリー、バラ科オランダイチゴ属の植物、ラズベリー、バナナ、及び、ブドウの果実、並びに、シソ科ハッカ属のペパーミント系植物(ペパーミント、ニホンハッカ、アップルミント、ウォーターミント、コルシカミント、ペニーロイヤルミント等)、シソ科ハッカ属のスペアミント系植物(スペアミント、ホースミント、ミドリハッカ、チリメンハッカ、ジンジャーミント等)、イヌハッカ、コウスイハッカ(レモンバーム)、キダチハッカ(セイボリー)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、及び、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
エアロゾルフォーマは、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、モノアセチン(グリセリンモノアセタート)、及び、ジアセチン(グリセリンジアセタート)等を使用することができる。中でも、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及び、グリセリンの中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが、熱源との接触による揮発性及び冷却時の煙に見えるエアロゾル形成性に優れており、特に好ましい。
結合剤は、多糖類系高分子、セルロース系高分子、及び、セルロース繊維の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことによって、少なくとも、エアロゾルフォーマ及び芳香源材を一体化することができる。特に、多糖類系高分子又はセルロース系高分子とセルロース繊維の二種、及び、多糖類系高分子とセルロース系高分子とセルロース繊維の三種を結合剤として使用することが好ましい。
このような結合剤は、水やアルコール等と共に芳香源材やエアロゾルフォーマ等を混合した被加熱芳香発生基材用組成物として用い、その際に、成形加工、特に、圧縮剪断法に適した粘性を付与することができる。そして、粘性を有する塊状状態から、圧縮剪断法を含む成形加工によって、シート状、円柱状、角柱状、粒状、鱗片状等の被加熱芳香発生基材としての形状が形成され、紙等の筒状の巻物であるラッピング部材によって巻装された被加熱芳香発生源が製造される。その結果、密度及び質量対表面積比が制御された被加熱芳香基材が製造されると共に、加熱式喫煙具の熱源に被加熱芳香カートリッジを着脱しても、被加熱芳香発生基材の崩落することがない強度を産生することができる。
多糖類系高分子としては、コンニャクマンナン(グルコマンナン)、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンシードガム、アラビアゴム、大豆多糖類、ローカストビーンガム、カラヤガム、キサンタンガム、及び、寒天から選択される少なくとも一つ以上を用いることができるが、強度及び上記成形加工性という観点から、グルコマンナン、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンシードガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、及び、キサンタンガムが好ましく、中性多糖類のグルコマンナン、グアーガム、タマリンシードガム、及び、ローカストビーンガムがより好ましい。
セルロース系高分子としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び、ヒドロキシプロピルセルロース、並びに、CMCのナトリウム塩、カリウム塩、及び、カルシウム塩、並びに、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩、カリウム塩、及び、カルシウム塩から選択される少なくとも一つ以上を用いることができるが、特に、強度及び成形加工性という観点から、CMCのナトリウム塩及びカリウム塩、並びに、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩及びカリウム塩が好ましい。
また、多糖類系高分子とセルロース系高分子を併用してもよく、この場合には、前者として、グルコマンナン、グアーガム、タマリンシードガム、及び、ローカストビーンガムが、後者として、CMCのナトリウム塩及びカリウム塩、並びに、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩及びカリウム塩を用いることが好ましい。
セルロース繊維は、特に、サトウキビ、タケ、ムギ、コメ、エスパルト、及び、ジュートから選択される少なくとも一つ以上を用いることが好ましい。これは、これらの繊維径及び繊維長が、それぞれ、5〜25μm及び0.25〜6mmの範囲内にあり、その他の植物のセルロース繊維よりも細くて短いが、被加熱芳香発生基材の構成成分を結束する効果が高くなることを見出した。また、芳香という観点から、サトウキビ、タケ、ムギ、及び、コメのセルロース繊維がより更に好ましい。そして、セルロース繊維の配合量は、多糖類系高分子及びセルロース系高分子とセルロース繊維との割合が、質量比で1:1〜1:25であることが結束効果の上で好ましい。
以上のような、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、結合剤に加えて、熱融解物質を更に含むことがより好ましい。これは、熱融解物質を含む被加熱芳香発生基材は、熱源との接触によって、次のようなメカニズムで芳香源材及びエアロゾルフォーマからの揮発物質の発生が促進されるためである。すなわち、被加熱芳香カートリッジの一端に備えられた被加熱芳香発生源に加熱式喫煙具の熱源が挿入され、熱源が加熱されると、熱源に接触する被加熱芳香発生基材の変形と共に融解が急激に生じ、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材内における流動が促進され、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材表面への移動が極めて容易となり、それと共に、熱源と接触して芳香源材から発生する芳香成分はエアロゾルフォーマに混入されるので、被加熱芳香発生基材表面で揮発するエアロゾルフォーマと共に芳香成分が揮発すると考えられるためである。また、熱融解物質と芳香成分との相互作用が小さく、熱融解物質から芳香成分の放出が容易に行われることも関与している。一方、熱融解物質は、常温で固体であり、エアロゾルフォーマとの相互作用が小さいため、芳香源材や芳香剤を安定して固定でき、被加熱芳香発生基材の経時安定性を維持することもできる効能も有する。
このような熱融解物質としては、融点や軟化点を有する蝋やワックスであれば、特に限定されるものではないが、石油系天然ワックス、合成ワックス、タッキファイアー、植物系天然蝋、及び、動物系天然蝋の中から選択される少なくとも一つ以上を含むものを用いることができる。これらの中から選択される二つ以上の熱融解物質を混合して使用する場合には、それらに相溶性があり、融解する温度領域が広がらないような選択をする必要がある。実際には、異種化合物で相溶性があるものは少なく、これらの中から選択される一つの熱融解物質を用いることが好ましい。
石油系天然ワックスとしては、ワセリン、パラフィンワックス、及び、マイクロクリスタリンワックスの炭化水素系有機化合物から選択される少なくとも一つ以上が好ましく用いられる。ただし、これらには、分子構造に基づく特性の差異がある。ワセリンは、分岐状炭化水素と脂環式炭化水素の混合物で、融点の幅が36〜60℃と広い。パラフィンワックスは、直鎖状炭化水素が主成分で、結晶性が高く、40〜70℃の融点を示すものがほとんどであり、融点の幅が狭い。マイクロクリスタリンワックスは、分岐状炭化水素と飽和環状炭化水素の混合物で、結晶性は低いが、分子量が高く、これらの中では最も高い60〜90℃の融点を示し、融点の幅もワセリンに次いで広い。このように、いずれも、原油から抽出された炭化水素であるが、パラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスが、熱融解時の溶融粘度が最も低く、低表面エネルギーでエアロゾルフォーマや芳香成分との相互作用も少ないので、被加熱芳香発生基材の熱融解物質として最も適している。
このようなパラフィンワックスは、例えば、日本精蠟(株)製の標準品であるParaffin Wax−115、120、125、130、135、140、145、150、及び、155があり、そのいずれも好ましく用いられる。また、特殊なパラフィンワックス、例えば、日本精蠟(株)製の特製品である高純度精製パラフィンワックスであるHNP系列品、特定用途向けのSP系列品、特殊な製法で製造されたイソパラフィンが主成分のEMW系列品も好ましく用いられる。また、マイクロクリスタリンワックスは、例えば、日本精蠟(株)製のHi−Micシリーズのいずれも好ましく用いられる。
合成ワックスとしては、フィッシャー−トロプシュ(Fischer−Tropsch)ワックス、ポリエチレン(PE)ワックス及び変性PEワックス、ポリプロピレン(PP)ワックス及び変性PPワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、並びに、ポリオキシエチレンアルキルアミンから選択される少なくとも一つ以上が好ましく用いられる。
フィッシャー−トロプシュワックスは直鎖状炭化水素であるため、熱融解時の溶融粘度が低く、低表面エネルギーでエアロゾルフォーマや芳香成分との相互作用も小さいので、被加熱芳香発生基材の熱融解物質として適している。Sasоl社製標準品H1等(融点:約112℃)、中融点品C80等(融点:約85〜88℃)、高融点品C105/H105等(融点:約117℃)、及び、BYK製CERAFAK(登録商標)117(融点:約110℃)、127N(融点:約120℃)等を使用することができる。
また、PEワックス及び変性PEワックス、並びに、PPワックス及び変性PPワックスも、炭化水素化合物であり、好ましく使用することができる。具体的には、三井化学(株)製ハイワックス(登録商標)、三洋化成工業(株)製サンワックス及びビスコール等、並びに、BYK製CERAFAK(登録商標)929、950、913,914、及び、915等が、約94〜161℃の融点を有し、好ましく使用することができる。特に、メタロセン触媒ポリオレフィンワックスは、分子量分布が狭くより好ましい。例えば、メタロセン触媒PEワックスである三井化学(株)製エクセレックス(登録商標)は、分子量分布及び組成分布が狭いため、89〜128℃の融点を有するが、熱融解時の溶融粘度が低く、このようなポリオレフィン系ワックスとして非常に優れている。
脂肪酸アミドとしては、モノアミドとビスアミドが適している。モノアミドとしては、ステアリン酸モノアミド、オレイン酸モノアミド、及び、エルカ酸モノアミドが、約72〜105℃の融点を有しており好ましい。ビスアミドは、エチレンビスステアリン酸アミド及びエチレンビスオレイン酸アミド等が、約140〜145℃の融点を有しており好ましい。このようなアミドは、極性基を有しているが、分子量が小さく、分子量分布がないため、植物由来の蝋やオイルよりも熱溶融粘度が低く、エアロゾルフォーマの移動をより促進する。例えば、モノアミドは、日油(株)製アルフロー(登録商標)S−10、E−10、及び、P−10を、ビスアミドは、日油(株)製アルフロー(登録商標)Hシリーズ及びADシリーズや花王(株)製カオーワックスEBシリーズを使用することができる。
脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、及び、メリシン酸が、約30〜94℃の融点を有しており好ましく用いられる。例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及び、ベヘニン酸は、日油(株)等で工業的に製造されているのでより好ましい。
脂肪族アルコールしては、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、1−へプタデカノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、エライジルアルコール、ナノデシルアルコール、アラキジルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、1−ヘプタコサノール、モンタニルアルコール、1−ノナコサノール、及び、ミリシルアルコールが、約23〜87℃の融点を有しており好ましく用いられる。例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及び、セトステアリルアルコールは、日油(株)等で工業的に製造されているのでより好ましい。
このような高級脂肪酸及び高級脂肪族アルコールは、それぞれ、直鎖状炭化水素の末端に、カルボキシル基及び水酸基が結合しているもので、分子量分布がない、若しくは、分子量分布が極めて狭いため、パラフィンワックス同様、熱融解時の溶融粘度が低く、融点の幅も狭いので、被加熱芳香発生基体の加熱時における変形及び流動を促進する効果が大きい。
ポリオキシアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコールの平均分子量が600〜11,000であるものが、融点が低く、熱融解時の溶融粘度が低く好ましい。また、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック重合体で、ポリエチレングリコールユニットが40〜80wt%であって、平均分子量が3,000〜13,000であるものが、約20〜60℃の融点を有しており好ましい。これは、非イオン性界面活性剤としても使用されるものであるが、分子量分布が狭く、融点の幅が狭いので、熱融解時の流動性に優れている。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレン−モノメチルエーテルの平均分子量が1,000〜4,000のものが約40〜55℃の融点を有しており好ましい。これも、非イオン性界面活性剤として使用されるものであるが、分子量分布が狭く、融点の幅が狭いので、熱融解時の流動性に優れている。
ポリオキシエチレンアルキルアミンとしては、ポリオキシエチレン−ステアリルアミンの約25℃の融点を有する、例えば、日油(株)製ナイミーン(登録商標)S204、約45℃の融点を有する、例えば、日油(株)製ナイミーン(登録商標)S202が好ましく用いられる。これらも、非イオン性界面活性剤として使用されるものであるが、炭素数18の直鎖状炭化水素ユニットを有しており、分子量分布が狭く、融点の幅が狭いので、熱融解時の流動性に優れている。
タッキファイアーとしては、ロジン及びロジン誘導体、並びに、テルペン樹脂及び変性テルペン樹脂から選択される少なくとも一つ以上が好ましく用いられる。特に、ロジン及びロジン誘導体は、荒川化学工業(株)製であるガムロジン、ロジンエステル(ペンセル)、マレイン酸変性ロジン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂(タマノル)が好ましい。また、テルペン樹脂及び変性テルペン樹脂は、ヤスハラケミカル(株)製テルペンモノマー単独重合樹脂(YSレジンPX及びYSレジンPXN)、芳香族変性テルペン樹脂(YSレジンTO)、及び、テルペンフェノール樹脂(YSポリスターシリーズ)が好ましく用いられる。特に、エアロゾルフォーマや芳香成分との相互作用が小さく、高い熱流動性を有するロジン及びロジン誘導体がより好ましく、ロジンがより更に好ましい。
植物系天然蝋は、ハゼ蝋、ウルシ蝋、カルナウバ蝋、サトウキビ蝋、パーム蝋、及び、カンデリラ蝋等から選択される少なくとも一つ以上が好ましく用いられ、動物系天然蝋は、蜜蝋、鯨蝋、イボタ蝋、羊毛蝋、及び、シェラック等から選択される少なくとも一つ以上が好ましく用いられる。これらは、比較的高い融点を有し、芳香源材及び/又は芳香剤を安定して固定することができ、高い熱流動性を有しているためである。
しかし、植物系天然蝋及び動物系天然蝋は、脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルが主成分であるが、様々な炭素数の脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルの混合物であり、遊離の脂肪酸及び遊離の脂肪族アルコールや炭化水素等も含まれており、分子量分布が広いため、融解する温度領域が広く、融解時の粘性が高い上、エステル結合を有する有機化合物、遊離の脂肪酸、遊離の脂肪族アルコールが含まれているため、エアロゾルフォーマとの相互作用も大きいので、石油系天然ワックス、合成ワックス、及び、タッキファイアーの方が熱融解物質としては好ましい。
特に、炭化水素系有機化合物である、石油系天然ワックス、フィッシャー−トロプシュワックス、PEワックス及び変性PEワックス、並びに、PPワックス及び変性PPワックス、そして、ロジン及びロジン誘導体が好ましい。中でも、融点及び熱流動性という観点から、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー−トロプシュワックス、PEワックス、PPワックス、メタロセン触媒ポリオレフィンワックスが特に好ましい。
このような熱融解物質の融点は、20〜200℃の範囲にあれば、熱融解物質の効果を発現することができる。しかし、150〜200℃の範囲で融解するPPワックス及び変性PPワックス、ロジン誘導体、並びに、変性テルペン樹脂は、加熱式喫煙具の熱源の低い温度領域では被加熱芳香発生基材の変形及び流動が生じることがなく、円柱状又は角柱状の被加熱芳香発生基材の側面で接触するように筒状の巻物となるラッピング部材に充填、巻装される被加熱芳香発生源の気体流路が閉塞されることないため、熱源の最高到達温度近辺まで、揮発した煙成分及び芳香成分の吸引量が確保されるので、より好ましい。
このような融点を有するPPワックス及び変性PPワックスとしては、三井化学(株)製ハイワックス(登録商標)のNP500、並びに、BYK製CERAFAK(登録商標)913、914、及び915等は、約160℃の融点を有しており好ましく使用することができる。
また、同様の温度範囲に融点を有するロジン誘導体は、荒川化学工業(株)製ロジンエステル(ペンセル)D−160及びKK、並びに、荒川化学工業(株)製ロジン変性フェノール樹脂(タマノル)を好ましく使用することができる。更に、同様の温度範囲に融点がある変性テルペン樹脂は、ヤスハラケミカル(株)製YSポリスターT160及びYSポリスターG150を使用することができる。
そして、熱融解物質が機能し、エアロゾルフォーマ及び芳香源材の揮発性物質の発生を阻害しないためには、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤の総量100質量部に対し、2〜10質量部含むことが好ましく、3〜8質量部であることがより好ましい。
更に、芳香源材を補助することを目的として、芳香剤を含むことが好ましく、熱融解物質に含まれることがより更に好ましい。その芳香剤としては、清涼化剤及びニコチンの中から選択される少なくとも一つ以上を使用することができる。特に、清涼化剤は、フレーバーとして重要で、メントール及びメントール誘導体、メントン及びメントン誘導体、メンタンカルボン酸アミド、2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸誘導体、メンタン及びメンタン誘導体、L−カルボン、キシリトール、ユーカリ精油、ハッカ油、スペアミント精油、並びに、スピラントールであることが好ましい。この芳香剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤の総量100質量部に対し、3〜20質量部であればよいが、5〜15質量部含まれると、芳香源材の芳香成分を補填することができ、被加熱芳香発生剤の強度低下等の弊害がなくより好ましい。
このように、被加熱芳香発生基材を構成する材料によって、熱源と接触して発生する煙及び芳香等の官能的機能を向上させることができるが、被加熱芳香発生基材に成形加工するためには、被加熱芳香発生基材が、被加熱芳香発生基材と接触する成形加工機との離型性を備えると共に、成形加工における被加熱芳香発生基材の破断等の損傷を防ぐ必要がある。また、成形加工後の体積収縮の低減を図り、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防ぎ、気体流路の最適状態の維持等の経時安定性等も求められる。そのために、成形剤を更に含むことが好ましい。
成形剤としては、微結晶セルロースであることが好ましく、特に、その平均粒子径は、70〜120μmであることが好ましい。微結晶セルロースの平均粒子径が70μm以下であると、被加熱芳香発生基材の収縮を抑制する効果と共に、被加熱芳香発生基材と成形加工機との癒着を防止することができず、120μm以上であると、被加熱芳香発生基材と成型加工機の離型性については問題ないが、被加熱芳香発生基材が破断し易くなる。また、微結晶セルロースの質量平均分子量(Mw)は、20,000〜60,000であることが好ましい。20,000以下であると、被加熱芳香発生基材の収縮を抑制する効果がなく、60,000以上であると、被加熱芳香発生基材が破断し易く成形加工に問題が生じる。この成形剤の場合、エアロゾルフォーマ、芳香源材、及び、結合剤の総量100質量部に対し、2〜20質量部であればよいが、3〜15質量部含まれることによって、上記機能を果たすと共に、芳香源材及びエアロゾルフォーマの揮発物の発生の弊害になることがなくより好ましい。
一方、芳香源材の芳香を補うために、芳香剤を導入した場合、加熱式喫煙具の熱源が、煙成分となるエアロゾルフォーマ及び芳香成分となる芳香源材が揮発する最適な温度になる前に芳香剤が揮発して放出される可能性がある。そのため、被加熱芳香発生材は、所定の温度に到達するまで、芳香剤を寄留させる必要がある。そのため、収着剤を更に含んでいることが好ましい。
収着剤は、上述したように、清涼化剤及びニコチンを対象とすると、清涼化剤については、親水性架橋高分子、シクロデキストリンが好ましく、親水性架橋高分子としては、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)がフェノール性水酸基を有する化学物質を吸着し、特に好ましい。また、架橋PVPは、ニコチンと類似した窒素を含む5員複素環式化合物を構造内に有しており、両者の相互作用が形成されるものと考えられので、ニコチンの収着剤としても架橋PVPは好適である。一方、α、β、及び、γ−シクロデキストリンは、様々な大きさの水酸基やカルボキシル基を有する化学物質と包接化合物を作ることが知られているからである。特に、β−シクロデキストリンは、メントールと包接化合物を形成することが知られている。
このような収着剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤の総量100質量部に対し、架橋PVPの場合、4〜20質量部であればよいが、5〜15質量部含まれることがより好ましく、シクロデキストリンの場合、0.1〜1.2質量部であればよいが、0.2〜1.0質量部含まれることがより好ましい。そして、両者を含んでいることがより更に好ましい。
最後に、乾燥、殺虫した芳香源材を使用するが、被加熱芳香発生カートリッジを長期的に保存するためには、被加熱芳香発生基材に抗菌性保存剤を含有させる必要がある。特に、本発明の被加熱芳香発生基材には、ソルビン酸カリウム及び/又は安息香酸ナトリウムが適しており、この場合、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤
の総量100質量部に対し、0.005〜0.05質量部含まれていることが好ましい。
以上説明した被加熱芳香発生基材は、加熱式喫煙具を用いて喫煙を楽しむ被加熱芳香カートリッジの一端に備えられ、加熱式喫煙具のチャンバーに装着されると共に熱源が挿入される被加熱芳香発生源を形成するので、本発明は、被加熱芳香発生源、及び、被加熱芳香カートリッジをも提供する。
まず、被加熱芳香発生基材を用いて形成した被加熱芳香発生源について説明する。は、被加熱芳香発生源は、被加熱芳香発生源に針状の熱源が刺さり易く、熱源との接触面積が確保されて所定の温度に加熱され、吸引する気体の流路が確保されるように形成されている必要がある。そのため、被加熱芳香発生源は、少なくとも被加熱芳香発生基材の集合体であることが好ましい。その形状は、シート状、円柱状、角柱状、粒状、鱗片状等、特に限定されないが、円柱状であることが、上記被加熱芳香発生源に要求される機能を満足する上で好ましく、角柱状であることがより好ましい。そして、円柱状体又は角柱状体の側面で接触する集合体であることがより更に好ましい。
被加熱芳香カートリッジを構設することを考慮すると、上記被加熱芳香発生基材の集合体が筒状の巻物である被加熱芳香発生基材ラッピング部材によって巻装されている被加熱芳香発生源は、取り扱い易く好ましい。また、この被加熱芳香発生源は、被加熱芳香発生源からの被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止する上でも好ましい。特に、円柱状体又は角柱状体の側面で接触する集合体が、被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源であれば、熱源が挿入され易く、気体流路が確保でき、より好ましい。
次いで、本発明の上記被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジについて説明する。本発明の単純な構成の被加熱芳香カートリッジの一つは、被加熱芳香発生源が、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され、被加熱芳香発生源を除く被加熱芳香カートリッジ外装部材の筒状の空間がマウスピースとして形成されていることを特徴としている。また、本発明の単純な構成の被加熱芳香カートリッジの一つは、被加熱芳香発生源と共に、被加熱芳香発生源に着接された筒状のマウスピースを、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納されていることを特徴としている。
これは、加熱式喫煙具を用いて喫煙する被加熱芳香カートリッジに特有の形態である。紙巻きたばこの場合、紙巻きタバコを口で加える部分には、ほぼ全てにフィルター部材が備えられており、マウスピースの機能を果たしており、このフィルター部材は、燃焼した煙の固体成分を濾過し、ニコチンやタールを吸着してまろやかな味わいにする役割を果たしている。しかし、加熱式喫煙具を用いた被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香発生源を燃焼させることがなく、被加熱芳香発生源の芳香とエアロゾルフォーマの揮発物が冷却されたエアロゾルの煙を楽しむことができ、煙には固形成分を含むことがない上、芳香源材中のタバコ植物が少ない若しくは全く含まないので、ニコチンやタールが少なく、マウスピースにフィルター機能を必要とするものではない。被加熱芳香カートリッジのマウスピースは、喫煙者が口にくわえて喫煙する際に、熱源からの熱を感じることなく、唇や舌の触感がよく、くわえ易い適度な硬さを有する気体流路を備えた筒状体及び柱状体であれば特に限定されるものではない。従って、上記本発明の被加熱芳香カートリッジにより、十分に心地よい喫煙を楽しむことができるのである。
しかし、喫煙時に吸引することによって、被加熱芳香発生基材及び被加熱芳香発生源のマウスピース側への移動を防止する必要があり、喫煙の楽しみを増幅させる煙の揺らぎを十分に漂わせることが望まれる。そのため、上記被加熱芳香カートリッジ外装部材の筒状の空間であるマウスピース及び被加熱芳香発生源に着接された筒状のマウスピースに、被加熱芳香発生基材及び被加熱芳香発生源のマウスピース側への移動を防止する支持部材又はエアロゾルフォーマの揮発物の冷却によるエアロゾル、すなわち、煙の生成を促進する冷却部材を備えていることが好ましい。更には、紙巻きタバコ愛好者の習性を考慮して、フィルター部材を備えていることが好ましい。
このような支持部材の構造は、被加熱芳香発生源と着接して気体を通過する面と、その面を支持し、貫通孔のような気体流路を少なくとも備えているものであれば限定されるものではない。また、このような冷却部材の構造は、揮発物との接触面積が大きい気体流路を有する、例えば、連続気泡の多孔質体、ハニカム構造体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、素材的には、特に限定されることはないが、支持部材の場合は、紙、プラスチック、ゴム、木材、金属、及び、セラミック等を使用することができるが、種々の形状に成形加工可能なプラスチック製であることがより好ましい。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、ABS系樹脂、及び、生分解性プラスチック等が利用できるが、最終的には廃棄物となるので、自然環境保護という観点から、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、及び、ポリ乳酸(PLA)等の生分解性プラスチックであることが望ましい。
冷却部材の場合は、熱伝導性に優れた金属化合物等が好ましいが、成形加工性に劣り、高価であるため、熱伝導性には劣るが、生産性及びコストに優れている、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、EVA系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、ABS系樹脂、及び、生分解性プラスチック等が利用できるが、自然環境保護という観点から、PHB、PCL、PBS、及び、PLA等の生分解性プラスチックであることが望ましい。
このような構造及び素材から明らかなように、支持部材及び冷却部材は、それぞれ、冷却部材及び支持部材の機能も有しているが、マウスピースが、支持部材と冷却部材とを少なくとも備え、支持部材とフィルター部材とが被加熱芳香発生源側から長手方向にこの順に配備されている方が両者の機能を兼ね備えることができるのでより好ましい。
しかし、上述したように、紙巻きタバコのほぼ全てがフィルター部材を備えているため、紙巻きタバコ愛好者の習性は極めて重要で、少なくともフィルター部材を備えているマウスピースを被加熱芳香発生源に着接することが好ましい。このフィルター部材も、支持部材及び冷却部材同様、支持部材及び冷却部材の機能を果たすことができるので、単独で用いることができる。この場合、被加熱芳香発生源に着接されるマウスピース全体にフィルター部材が充填される形態が、簡易で、フィルター部材、支持部材、及び、冷却部材の機能を効果的に発現できるのでより好ましい。
このようなフィルター部材は、従来の紙巻きタバコで使用されてきたセルロースアセテート繊維を用いたプレーンフィルター、プレーンフィルターに活性炭を含むデュアルチャコールフィルター、フィルター表面に凹凸を有するAFT(Advanced Filter Technology)等典型的な紙巻きタバコ用フィルターを使用することができるが、喫煙に必要な通気性を備えたフィルターであれば、繊維の種類や構造等が限定されるものではない。自然環境保護の観点から、麻及び木材等の植物繊維、並びに、PHB、PCL、PBS、及び、PLA等の生分解性プラスチック繊維を用いたフィルター部材であることが好ましい。また、香料及びマイクロセル化された香料等が含まれていてもよい。
このように、マウスピースに単独で備えられるフィルター部材が、被加熱芳香発生源と着接する場合、支持部材の機能を発現するものの、被加熱芳香発生基材及び被加熱芳香発生源が、フィルター部材の目を詰まらせるため、被加熱芳香発生源とフィルター部材との間に支持部材又は冷却部材のいずれかを少なくとも介在させることが好ましい。この支持部材又は冷却部材も、被加熱芳香発生源からマウスピース側への被加熱芳香発生基材及び被加熱芳香発生源の移動を防止する機能を最大限に発揮するためには、被加熱芳香発生源に着接することが好ましい。
更に、マウスピースに求められる機能を全て兼ね備え、その機能が効果的に発現するためには、上記マウスピースが、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材を少なくとも備え、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が被加熱芳香発生源側から長手方向にこの順で配備されていることがより更に好ましい。
一方、このような被加熱芳香発生源の長手方向にマウスピースが着接され、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納されていることを特徴としている被加熱芳香カートリッジにおいては、被加熱芳香発生源、並びに、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で巻装されている方が好ましい。これは、被加熱芳香発生源、並びに、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が同じ形状であれば、これらが被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され易く、生産性が向上するためである。特に、被加熱芳香発生源については、マウスピースラッピング部材で巻装されることによって、作業性が大幅に改善されると共に、上述したように、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散が低減される。
ここで、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材によって巻装される形態には、次のような三通りの形態がある。第一に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、それぞれ個別にマウスピースラッピング部材で巻装される形態、第二に、支持部材及びフィルター部材、並びに、支持部材及び冷却部材、並びに、冷却部材及びフィルター部材をマウスピースラッピング部材で巻装して一体化する形態、第三に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材をマウスピースラッピング部材で巻装して一体化する形態である。
このようなマウスピースランピング部材は、典型的な例として、従来の紙巻きタバコに使用されている麻及び木材等の植物繊維を素材とした巻紙を挙げることができるが、紙巻きタバコと異なり、燃焼することはないので、巻き上げることが可能なプラスチック製のフィルム等も適用することができ、特に素材が限定されるものではない。ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、EVA系樹脂、アクリル系樹脂等の汎用樹脂フィルムが好ましく用いられるが、自然環境保護の観点から、植物繊維を素材とした巻紙、並びに、PHB、PCL、PBS、及び、PLA等の生分解性プラスチックのフィルムであることがより好ましい。
そして、被加熱芳香発生源とマウスピースとの境界面に、マウスピース内への被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するメッシュが備えられていることが、吸引によるこれら異物の口腔内への侵入及びフィルター部材の目詰まり等を防止する上でより更に好ましい。
このメッシュとしては、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵を遮断する大きさの開孔を有し、気体の通過を妨げない機能を有する構造及び素材であれば限定されるものではない。しかし、例えば、麻及び木材等の植物繊維、並びに、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂。アクリル系樹脂等の合成繊維を素材とする通気性に優れた織布及び不織布を用いることが好ましく、自然環境保護という観点から、植物繊維、並びに、PHB、PCL、PBS、及び、PLA等の生分解性プラスチック繊維を素材として用いたものであることが望ましい。
また、被加熱芳香発生源のメッシュの反対側端部表面に、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵が、加熱式喫煙具チャンバー内へ脱落及び飛散することを防止するカバーが備えられていることが、加熱式喫煙具の汚染及び故障を防止する上で好ましい。特に、被加熱芳香発生源のメッシュの反対側端部は、加熱式喫煙具の熱源が貫入されなければならないので、熱源挿通孔が設けられていることがより好ましい。
このカバーとしては、熱源挿通孔が設けられている場合、例えば、麻及び木材等の植物繊維、並びに、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂。アクリル系樹脂等の合成繊維を素材とした織布及び不織布等を用いることができ、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵を遮断する大きさの開孔を有し、気体の通過を妨げない機能を有する構造及び素材であれば限定されるものではない。自然環境保護という観点から、植物繊維又はPHB、PCL、PBS、PLA等の生分解性プラスチック繊維を素材としていることが望ましい。しかし、熱源挿通孔がない場合、熱源とカバーが僅かに接触するため、麻及び木材等の植物繊維を素材とする通気性に優れた織布及び不織布を用いることが好ましい。
このように本発明の筒状体の被加熱芳香カートリッジ外装部材で巻装される被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入される被加熱芳香発生源以外の空間をマウスピースとする場合も、被加熱芳香発生源とマウスピースとを、この被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入し構設する場合も、被加熱芳香発生源及びマウスピース、並びに、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材を交換することができるという特徴がある。従って、被加熱芳香カートリッジハウジング部材を備えた被加熱芳香カートリッジは、様々な種類の被加熱芳香発生源を交換することによって様々な煙及び芳香を楽しめるだけでなく、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が劣化するまで交換する必要がなく、経済性にも優れている。
そして、本発明の筒状体の被加熱芳香カートリッジ外装部材で巻装される被加熱芳香カートリッジは、その筒状体の被加熱芳香カートリッジ外装部材として、筒状の巻物に仕上げることが可能な被加熱芳香カートリッジラッピング部材を適用することが好ましい。この理由は、被加熱芳香発生源、並びに、被加熱芳香発生源及びマウスピースが機械的に巻装され、被加熱芳香カートリッジが構設されるので、被加熱芳香カートリッジの生産性が飛躍的に高められるからである。
このような被加熱芳香カートリッジラッピング部材は、典型的な例として、従来の紙巻きタバコに使用されている麻及び木材等の植物繊維を素材とした巻紙を挙げることができるが、紙巻きタバコと異なり、燃焼することはないので、巻き上げることが可能なプラスチック製のフィルム等も適用することができ、特に素材が限定されるものではない。ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、EVA系樹脂、アクリル系樹脂等の汎用樹脂フィルムが好ましく用いられるが、自然環境保護の観点から、植物繊維を素材とした巻紙、並びに、PHB、PCL、PBS、及び、PLA等の生分解性プラスチックのフィルムであることがより好ましい。ただし、被加熱芳香カートリッジラッピング部材として紙を採用し、それ単独でマウスピースとする場合は、紙を厚くする若しくは紙を巻く回数を増やす必要がある。
また、本発明の被加熱芳香カートリッジの筒状体の被加熱芳香カートリッジ外装部材を筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジハウジング部材とすることによって、新たな利点を付与することもできる。この場合、被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入される被加熱芳香発生源以外の空間をマウスピースとする被加熱芳香カートリッジにしても、被加熱芳香発生源とマウスピースとを、この被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入し構設する被加熱芳香カートリッジにしても、被加熱芳香カートリッジラッピング部材のように巻き上げることがないので、被加熱芳香発生源及びマウスピース、並びに、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材を交換することが一層容易になる。
このような利点を十分に発揮するためには、被加熱芳香発生源及びマウスピース、並びに、マウスピースを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材の装入及び抜出を繰り返して行うことが可能な力学的強度及び低摩擦係数を有する構造及び素材の被加熱芳香カートリッジハウジング部材が求められる。このハウジング部材の素材として紙を適用した場合、力学的強度に相応する所望の厚さが必要であるが、プラスチック、木材、金属、及び、セラミック等を適用する方が薄くできるので好ましい。また、筒状の筐体に成形加工することも考慮すれば、紙よりも、プラスチック、木材、金属、及び、セラミック等の方が好ましく、特に、成形加工性に優れたプラスチック製であることがより好ましい。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、ABS系樹脂、及び、生分解性プラスチック等が利用できるが、自然環境保護という観点から、PHB、PCL、PBS、PLA等の生分解性プラスチックであることが望ましい。
更に、本発明の被加熱芳香カートリッジの筒状体の被加熱芳香カートリッジ外装部材を、少なくとも一箇所で着脱可能に接続されている被加熱芳香カートリッジコネクティング部材とすることによって、種々の利点を有する被加熱芳香カートリッジを提供することが可能となる。
第一に、被加熱芳香カートリッジコネクティング部材を、被加熱芳香発生源を装入することができる被加熱芳香発生源コネクティング部とマウスピースを形成することができるマウスピースコネクティング部とに分割し、被加熱芳香発生源を装入した被加熱芳香発生源コネクティング部とマウスピースコネクティング部とを着脱可能に接続し構設することを特徴とする被加熱芳香カートリッジを提供することができる。
このような被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香カートリッジ外装部材が、被加熱芳香カートリッジラッピング部材又は被加熱芳香カートリッジハウジング部材の場合よりも一段と容易に、被加熱芳香発生源コネクティング部を取り外し、被加熱芳香発生源を自由自在に交換することができるので、喫煙者の好みに応じた様々な芳香及び煙を楽しむことができるようになる。そして、被加熱芳香発生源コネクティング部を清掃し、何度でも使用することができる。また、この形態の被加熱芳香カートリッジは、既に説明したように、加熱式喫煙具を用いた被加熱芳香カートリッジの喫煙の場合、マウスピースは、喫煙者が口にくわえて喫煙し易い筒状体であれば特に限定されることはないので、マウスピースコネクティング部をマウスピースに適用するもので、マウスピースコネクティング部の構造及び素材によって、唇や舌との触感に優れ、口にくわえ易いマウスピースを形成することができる。更に、このマウスピースコネクティング部を、マウスピースを装入することができるマウスピースコネクティング部とすることによって、喫煙者の好みに合った様々なマウスピースを取り付けることもできる。
マウスピースコネクティング部に装入されるマウスピースも、既に説明した上記マウスピースと同様の好ましい態様及び形態とすることができる。すなわち、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材から選ばれる少なくとも一つを備えているマウスピース、支持部材と冷却部材とを少なくとも備え、被加熱芳香発生源コネクティング部側から支持部材と冷却部材とが長手方向にこの順で配備されているマウスピース、支持部材とフィルター部材又は冷却部材とフィルター部材とを少なくとも備え、被加熱芳香発生源コネクティング部側から支持部材とフィルター部材又は冷却部材とフィルター部材が長手方向にこの順で配備されているマウスピース、並びに、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材を少なくとも備え、被加熱芳香発生源コネクティング部側から支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が長手方向にこの順で配備されているマウスピースである。この場合も、マウスピースコネクティング部を取り外すことができるので、被加熱芳香カートリッジラッピング部材又は被加熱芳香カートリッジハウジング部材の場合よりも一段と容易に、マウスピースの着脱が可能である。
そして、このようなマウスピースコネクティング部に装入されるマウスピースについても、マウスピースコネクティング部により装入され易くするため、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で巻装されていることが好ましい。この場合も、巻装される形態には、三通りの形態があり、第一は、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、それぞれ個別にマウスピースラッピング部材で巻装される形態、第二は、支持部材及び冷却部材、支持部材及びフィルター部材、並びに、冷却部材及びフィルター部材をマウスピースラッピング部材で巻装して一体化する形態、第三は、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材をマウスピースラッピング部材で巻装して一体化する形態である。この場合、
このように、マウスピースコネクティング部に装入されるマウスピースも、既に説明した上記マウスピースと同様の好ましい態様及び形態であればよく、素材についても同様であるので、素材の説明を省略する。
第二に、マウスピースコネクティング部が、支持部材が装入されている支持部材コネクティング部、冷却部材が装入されている冷却部材コネクティング部、及び、フィルター部材が装入されているフィルター部材コネクティング部から選択される少なくとも二つのコネクティング部を備え、前記被加熱芳香発生源コネクティング部側から前記支持部材コネクティング部、前記冷却部材コネクティング部、及び、前記フィルター部材コネクティング部から選択される少なくとも二つのコネクティング部が長手方向にこの順で配備され、それぞれ着脱可能に接続されることを特徴とする被加熱芳香カートリッジを提供することができる。この場合は、支持部材コネクティング部、冷却部材コネクティング部、及び、フィルター部材コネクティング部が、それぞれ着脱可能に接続されているので、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、それぞれ個別にマウスピースラッピング部材で巻装される必要がある。
すなわち、この被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香発生源コネクティング部とマウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続されており、更に、マウスピースコネクティング部が、被加熱芳香発生源コネクティング部から支持部材が装入されている支持部材コネクティング部と冷却部材が装入されている冷却部材コネクティング部とが長手方向にこの順に着脱可能に接続されている被加熱芳香カートリッジ、被加熱芳香発生源コネクティング部から支持部材が装入されている支持部材コネクティング部とフィルター部材が装入されているフィルター部材コネクティング部とが長手方向にこの順に着脱可能に接続されている被加熱芳香カートリッジ、被加熱芳香発生源コネクティング部から冷却部材が装入されている冷却部材コネクティング部とフィルター部材が装入されているフィルター部材コネクティング部とが長手方向にこの順に着脱可能に接続されている被加熱芳香カートリッジ、被加熱芳香発生源コネクティング部から支持部材が装入されている支持部材コネクティング部と冷却部材が装入されている冷却部材コネクティング部とフィルター部材が装入されているフィルター部材コネクティング部とが長手方向にこの順に着脱可能に接続されている被加熱芳香カートリッジの少なくとも4種類を提供することができる。
この被加熱芳香カートリッジの形態は、被加熱芳香発生源コネクティング部とマウスピースコネクティング部とが、着脱可能に接続されているだけでなく、支持部材コネクティング部、冷却部材コネクティング部、及び、フィルター部材コネクティング部が、それぞれ着脱可能に接続されているので、喫煙者の好みに応じたマウスピースとすることができるだけでなく、それぞれの清掃が容易に行え、消耗したものだけを取り換えることができ経済的である。
第三に、被加熱芳香発生源コネクティング部が、被加熱芳香発生源コネクティング部とマウスピースコネクティング部とを接続した際の、被加熱芳香発生源とマウスピースとの間に、マウスピースコネクティング部内への被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、その崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するメッシュを備えていることを特徴とする被加熱芳香カートリッジを提供することができる。
また、被加熱芳香発生源コネクティング部のマウスピースコネクティング部の反対側端部表面に、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、その崩落物が生成する粉塵の加熱式喫煙具チャンバー内への脱落及び飛散を防止するカバーが備えられていることを特徴とする被加熱芳香カートリッジを提供することができる。特に、このカバーには、加熱式喫煙具の熱源挿通孔が設けられていることが好ましい。
更に、被加熱芳香発生源コネクティング部に上記メッシュとカバーを兼ね備えていることを特徴とする被加熱芳香カートリッジも提供することができる。
このように、被加熱芳香発生源コネクティング部にメッシュ及び/又はカバーが備えられていることによって、これら本来の機能を果たすだけでなく、被加熱芳香発生源コネクティング部にはみ出ることなく容易に被加熱芳香発生源を装入することができる。特に、メッシュ及びカバーは、被加熱芳香発生源の出し入れが容易にできるように着脱可能であることが好ましい。
コネクティング部材は着脱を繰り返すため、紙では耐久性に乏しいため、力学的強度に優れた、プラスチック、木材、金属、及び、セラミック等を適用することが好ましい。また、筒状筐体や嵌合部に成形加工することも考慮すれば、プラスチック、木材、金属、及び、セラミック等が好ましく、特に、成形加工性に優れたプラスチック製であることがより好ましい。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、ABS系樹脂、及び、生分解性プラスチック等が利用できるが、自然環境保護という観点から、PHB、PCL、PBS、PLA等の生分解性プラスチックであることが望ましい。
以上説明した各コネクティング部、並びに、メッシュ及びカバーの着脱方式は、特に限定されないが、嵌合(fitting)、螺合(screwing)、歯合(meshing)、及び、掛合(hooking)のいずれかであることが好ましい。また、接続の形態にかかわらず磁力を用いても着脱が容易で好ましい。
以上、本発明の被加熱芳香発生基材、その集合体である被加熱芳香発生源、その集合体が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源、及び、被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジについて説明してきたが、本発明の根幹をなす技術は、被加熱芳香カートリッジに備えられる被加熱芳香発生源を構成する被加熱芳香発生基材が、空気を含む多孔質的な内部構造を有すると共に、凹凸のない平坦な表面構造を有し、所望の質量対表面積比を有する低密度な被加熱芳香発生基材であるということにある。これは、本発明の被加熱芳香発生基材を製造する方法に起因するものである。従って、以下、本発明の被加熱芳香発生基材の製造方法について詳説する。
本発明の被加熱芳香発生基材の製造方法は、芳香源材を粉砕する芳香源材粉末製造工程(A−I)、繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)、
エアロゾルフォーマ、熱融解物質、芳香剤、成形剤、結合剤、保存剤、及び、水から選択される所望の材料を準備する材料準備工程(C−I)、並びに、芳香源材粉末製造工程(A−I)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C−I)で製造された材料から被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳香発生基材製造工程(D)を含む被加熱芳香発生基材の製造方法である。
より詳しくは、芳香源材粉末製造工程(A−I)が、芳香源材を乾燥・殺虫する乾
燥・殺虫工程(A−1)、及び、乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)を含み、セルロース繊維製造工程(B)が、繊維植物を圧搾する圧搾工程(B−1)、圧搾工程(B−1)を経た繊維植物を粉砕する粉砕工程(B−2)、粉砕工程(B−2)で製造された粉砕物を煮沸する煮沸工程(B−3)、煮沸工程(B−3)で製造された煮沸物を脱水・乾燥する脱水・乾燥工程(B−4)、
及び、脱水・乾燥工程(B−4)で製造された乾燥物を粉砕する粉砕工程(B−5)を含み、被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、芳香源材粉末製造工程(A−I)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C−I)で製造された材料を混合する混合工程(D−1)、混合工程(D−1)で製造された混合物を圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)、並びに、圧縮・剪断加工工程(D−2)で製造されたシートを裁断する裁断工程(D−3)を含む被加熱芳香発生基材の製造方法である。
このような製造方法の被加熱芳香発生基材製造工程(D)は、芳香源材粉末製造工程(A−I)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C−I)で製造された材料を混合する混合工程(D−1)、混合工程(D−1)で製造された粘性のある混合物を圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)、圧縮・剪断加工工程(D−2)で製造されたシートを裁断する裁断工程(D−3)を含む。この圧縮・剪断加工工程の装置として、例えば、3本ロールを用いると、混合物に粘性があるため、空気を抱き込み、水を蒸発しながらシートに成形されるため、シート内部に空気を含む多孔質的な構造が形成されると共に固定され、裁断工程(D−3)を経ても、その構造が残り、密度の低い被加熱芳香発生基材となる。また、ロールは、極めて平坦な表面をしているため、ロールと接触して形成されるシートは、凹凸がない平坦な表面構造が形成され、被加熱芳香発生基材の表面積は、裁断された幾何学的外部形状によって決定される。すなわち、本発明の被加熱芳香発生基材は、圧縮・剪断加工工程において、内部に空気を含む多孔質的な構造が形成された低密度なものとなり、表面は凹凸のない構造が形成された平坦なものとなる。
その結果として、この製造工程から製造された被加熱芳香発生基材は、分析したところ、その密度が、700〜1,100mg/cmであり、その質量対表面積比は0.09〜0.32mg/mmであることが実測され、被加熱芳香発生基材として特徴的な構造を有していることが明らかとなった。
このような製造方法に、芳香源材の芳香成分及びエアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材表面への移動を促進し、喫煙時の芳香及び煙の発生を高める効果がある熱融解物質を含む場合にも適用できる工程を検討した。その結果、熱融解物質が室温で固体であり、エアロゾルフォーマとの親和性に乏しく、相溶性が悪いため、エアロゾルフォーマに、熱融解物質を塊状又は粉末状で分散させると共に、芳香源材もエアロゾルフォーマに溶解しないため、芳香源材を熱融解物質に分散させる製造方法が好ましいことを見出した。
すなわち、この製造方法は、芳香源材と熱融解物質とを混合する混合粉末製造工程(A−II)、繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)、及び、エアロゾルフォーマ、芳香剤、成形剤、結合剤、保存剤、及び、水から選択される所望の材料を準備する材料準備工程(C−II)、並びに、混合粉末製造工程(A−II)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C−II)で製造された材料から被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳香発生基材製造工程(D)を含む被加熱芳香発生基材の製造方法である。
より詳しくは、混合粉末製造工程(A−II)が、芳香源材を乾燥・殺虫する乾燥・殺虫工程(A−1)、乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)、熱融解物質を粉砕する粉砕工程(A−5)、粉砕工程(A−2)で製造された粉砕物と粉砕工程(A−5)で製造された粉砕物とを圧縮・剪断して混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)、圧縮・剪断混合工程(A−6)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)、及び、冷却工程(A−7)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−8)を含み、セルロース繊維製造工程(B)が、繊維植物を圧搾する圧搾工程(B−1)、圧搾工程(B−1)を経た繊維植物を粉砕する粉砕工程(B−2)、粉砕工程(B−2)で製造された粉砕物を煮沸する煮沸工程(B−3)、煮沸工程(B−3)で製造された煮沸物を脱水・乾燥する脱水・乾燥工程(B−4)、及び、脱水・乾燥工程(B−4)で製造された乾燥物を粉砕する粉砕工程(B−5)を含み、被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、混合粉末製造工程(A−II)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C−II)で製造された材料を混合する混合工程(D−1)、混合工程(D−1)で製造された混合物を圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)、並びに、圧縮・剪断加工工程(D−2)で製造された前記シートを裁断する裁断工程(D−3)を含む被加熱芳香発生基材の製造方法である。
この製造方法の混合粉末製造工程(A−II)では、乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)で製造された粉砕物と熱融解物質を粉砕する粉砕工程(A−5)で製造された粉砕物とを圧縮・剪断して混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)において、芳香剤の一部又は全てを混合することもできる。
このような製造方法の被加熱芳香発生基材製造工程(D)においても、混合粉末製造工程(A−II)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C−II)で製造された材料を混合する混合工程(D−1)で製造された粘性のある混合物を圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)の圧縮・剪断加工装置として、例えば、3本ロールを用いると、混合物に粘性があるため、空気を抱き込み、水を蒸発しながらシートに成形されるため、シート内部に空気を含む多孔質的な構造が形成されると共に固定され、裁断工程(D−3)を経ても、その構造が残り、密度の低い被加熱芳香発生基材となる。また、ロールは、極めて平坦な表面をしているため、ロールと接触して形成されるシートは、凹凸がない平坦な表面構造が形成され、被加熱芳香発生基材の表面積は、裁断された幾何学的外部形状によって決定される。すなわち、本発明の被加熱芳香発生基材は、圧縮・剪断加工工程において、内部に空気を含む多孔質的な構造を有し、表面は凹凸のない平坦な構造が形成された低密度のものとなる。なお、この製造工程の被加熱芳香発生基材製造工程(D)の圧縮・剪断工程(D−2)は、熱融解物質の融点よりも低い温度に管理されて行われることが好ましい。このような製造工程で製造される被加熱芳香発生基材は、芳香源材及び/又は芳香剤が混合された熱融解物質が0℃以下で粉砕された粉末が、エアロゾルフォーマ等のその他の成分に混合されているため、被加熱芳香発生基材中に芳香源材及び/又は芳香剤が混合された熱融解物質の粉末が分散した海島構造を形成し、芳香源材及び/又は芳香剤の濃度が局所的に高くなっている。しかし、圧縮・剪断工程(D−2)が、熱融解物質の融点よりも高い温度で行われると、熱融解物質が融解することにより、海島構造を形成している被加熱芳香発生基材の島となる熱融解物質に存在して芳香源材及び/又は芳香剤の濃度が局所的に高くなっている構造が破壊され、芳香源材及び/又は芳香剤が被加熱芳香発生基材全体に流出されるためである。なお、海島構造の効果は後程説明する。
このようにして製造された被加熱芳香発生基材を分析した結果、その密度が700〜1,100mg/cmであり、その質量対表面積比が0.09〜0.32mg/mmであることが実測され、本発明の被加熱芳香発生基材の構造的特徴を有していることを確認した。
更に、この製造工程から製造された被加熱芳香発生基材は、製造方法から明らかなように、芳香源材及び又は芳香剤が含まれた芳香性を有する熱融解物質の粉末が分散されており、粉末の最小外径は、125〜355μmであることが好ましく、150〜300μmであることがより好ましく、180〜250μmであることがより更に好ましい。このような粉末の選別は、熱融解物質の熱流動性及び均一分散性という観点から決定され、篩によって行われる。この芳香性熱融解粉末の外径が大きすぎると、その総表面積が小さくなり、熱源との接触機会が減少して、熱融解物質の溶融が不十分で、芳香成分の揮発量が低減する。一方、芳香性熱融解粉末の外径が小さすぎると、その粉末が被加熱芳香発生基材に均一に分散した海島構造を形成することが困難で、その粉末が凝集した塊状物として存在するため、熱源との接触による融解速度が低下する領域ができ、芳香成分の揮発量が低減する。また、被加熱芳香発生基材中に芳香源材及び/又は芳香剤が混合された熱融解物質の粉末が分散した海島構造が形成されると、芳香源材及び/又は芳香剤が熱融解物質に偏在することになり、被加熱芳香発生基材全体に存在する場合よりも、芳香源材及び/又は芳香剤の濃度が局所的に高い方が、熱源との接触により効率よく芳香成分を揮発する効果を奏する。
そのため、本発明の被加熱芳香発生基材は、芳香源材及び/又は芳香剤の偏在により、熱融解物質の熱融解と共に芳香源材及び芳香剤の芳香成分も流動して、エアロゾルフォーマと共に被加熱芳香発生基材表面に移動し易くなる効果が高まり、被加熱芳香カートリッジを喫煙した際に、芳香をより十分味わうことができる。
特に、芳香源材の芳香成分を補完する芳香剤を熱融解物質に含有させる場合、芳香源材と同時に芳香剤が揮発しうる工夫を施した被加熱芳香発生基材の製造方法を発明した。すなわち、芳香源材、芳香剤、及び、熱融解物質を混合する混合粉末製造工程(A−III)、繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)、エアロゾルフォーマ、成形剤、結合剤、保存剤、及び、水から選択される所望の材料を準備する材料準備工程(C−III)、並びに、混合粉末製造工程(A−III)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C−III)で製造された材料から被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳香発生基材製造工程(D)を含む被加熱芳香発生基材の製造方法である。
より詳しくは、混合粉末製造工程(A−III)が、芳香源材を乾燥・殺虫する乾燥・殺虫工程(A−1)、乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)、熱融解物質と芳香剤を熱融解物質の融解温度以上の温度で混合する混合工程(A−3)、混合工程(A−3)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−4)、冷却工程(A−4)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−5)、粉砕工程(A−2)で製造された粉砕物と粉砕工程(A−5)で製造された粉砕物とを圧縮・剪断して混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)、圧縮・剪断混合工程(A−6)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)、及び、冷却工程(A−7)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−8)とを含み、セルロース繊維製造工程(B)が、繊維植物を圧搾する圧搾工程(B−1)、圧搾工程(B−1)を経た繊維植物を粉砕する粉砕工程(B−2)、粉砕工程(B−2)で製造された粉砕物を煮沸する煮沸工程(B−3)、煮沸工程(B−3)で製造された煮沸物を脱水・乾燥する脱水・乾燥工程(B−4)、及び、脱水・乾燥工程(B−4)で製造された乾燥物を粉砕する粉砕工程(B−5)とを含み、被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、混合粉末製造工程(A−III)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C−III)で製造された材料を混合する混合工程(D−1)、混合工程(D−1)で製造された混合物を圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)、並びに、圧縮・剪断加工工程(D−2)で製造されたシートを裁断する裁断工程(D−3)を含む製造方法である。なお、この製造工程の被加熱芳香発生基材製造工程(D)の圧縮・剪断工程(D−2)も、熱融解物質の融点よりも低い温度に管理されて行われることが好ましい。これは、既に説明したように、熱融解物質が融解することにより、海島構造を形成している被加熱芳香発生基材の島となる熱融解物質に存在して芳香源材及び芳香剤の濃度が局所的に高くなっている構造が破壊され、芳香源材及び/又は芳香剤が、被加熱芳香発生基材全体に流出されるためである。
この製造方法により製造された被加熱芳香発生基材も、熱融解物質の熱融解と共に、芳香源材の芳香成分と共に芳香剤も流動して、エアロゾルフォーマと共に被加熱芳香発生基材表面に移動し易くなり、被加熱芳香カートリッジを喫煙した際に、芳香を十分味わうことができる。そして、この場合も、圧縮・剪断加工工程において、シート内部に空気を含む多孔質的な構造が形成されると共に固定され、密度の低い被加熱芳香発生基材となると共に、凹凸がない平坦な表面構造が形成される。
従って、この製造方法により製造された被加熱芳香発生基材も、その密度が700〜1,100mg/cmであり、その質量対表面積比が0.09〜0.32mg/mmである本発明の被加熱芳香発生基材の特徴を有している。
更に、この製造工程から製造された被加熱芳香発生基材も、既に説明したように、芳香源材及び芳香剤が分散・混合された熱融解物質の粉末が分散されており、粉末の最小外径は、125〜355μmであることが好ましく、150〜300μmであることがより好ましく、180〜250μmであることがより更に好ましい。このような粉末の選別は、熱融解物質の熱流動性及び均一分散性という観点から決定され、篩によって行われる。
熱融解物質を含む被加熱芳香発生基材を製造する場合の、上記二種の製造法で製造した被加熱芳香発生基材は、芳香源材及び/又は芳香剤が熱融解物質に分散・混合された粉末が、被加熱芳香発生基材中に分散されている不均一な相分離構造を形成していることを特徴としており、低密度な内部構造であるということと共に、この不均一構造によって、熱融解物質の融解と共に、エアロゾルフォーマの流動、並びに、芳香源材の芳香成分及び芳香剤のエアロゾルフォーマへの移動が促進され、被加熱芳香発生基材表面で、エアロゾルフォーマと共に芳香成分及び芳香剤が揮発し易くなるという効果が顕著になる。
本発明の被加熱芳香発生基材は、従来の被加熱芳香発生基材同様、その表面に凹凸がなく平坦な構造をしているが、その密度が800〜1,000mg/cmで、従来の被加熱芳香発生基材よりも低い。この特性は、本発明の被加熱芳香発生基材の内部に空気を含む多孔質的な構造が形成されていることを意味する。その結果、内部構造も含めると、熱源の単位熱量当たりの被加熱芳香発生基材の質量が少なくなると共に、その内部構造が、加熱によって破壊されて揮発物の流路が形成されるので、被加熱芳香発生基材からのエアロゾルフォーマ及び芳香源材の揮発物の放出が促進される効果を奏する。
更に、被加熱芳香発生基材の構成成分として熱融解物質を含むと、熱源に接触する被加熱芳香発生基材の変形と共に融解が急激に生じ、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材内における流動が促進され、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材表面への移動が極めて容易となる。それと共に、熱源と接触して芳香源材及び/又は芳香剤から発生する芳香成分はエアロゾルフォーマに混入されるので、被加熱芳香発生基材表面で揮発するエアロゾルフォーマと共に芳香成分が揮発し易くなり、煙成分と芳香成分の揮発が促進される効果がある。また、本発明の熱融解物質を含む被加熱芳香発生基材は、芳香成分を揮発する芳香源材及び/又は芳香剤が熱融解物質に偏在されており、被加熱芳香発生基材全体に存在する場合よりも、芳香源材及び/又は芳香剤の濃度が局所的に高くなり、熱源との接触により効率よく芳香成分を揮発する効果をより高めることができる。
一方、本発明の被加熱芳香発生基材は、空気を含む密度の低い内部構造に対し、熱源と接触する表面は、凹凸がない平坦な構造であり、幾何学的な被加熱芳香発生基材の外部形状の表面積に基づいた質量対表面積比が0.09〜0.32mg/mmであるため、被加熱芳香発生基材の熱分解及び燃焼の問題を回避することができる。
本発明の一実施形態に係る、圧縮・剪断成形加工法を用い、低密度被加熱芳香発生基材を製造する方法を示す製造工程概略図である。 本発明の一実施形態に係る、圧縮・剪断成形加工法を用い、芳香源材が混合された熱融解物質を含む低密度被加熱芳香発生基材を製造する方法を示す製造工程概略図である。 本発明の一実施形態に係る、圧縮・剪断成形加工法を用い、芳香源材及び芳香剤が混合された熱融解物質を含む低密度被加熱芳香発生基材を製造する方法を示す製造工程概略図である。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香発生源とマウスピースとが長手方向に着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されて構設されているラッピング型被加熱芳香カートリッジの概観を示す斜視模式図である。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香発生源とマウスピースとが長手方向に着接され、被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジの概観を示す斜視模式図である。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香発生源が装入され嵌合雌ねじを備える被加熱芳香発生源コネクティング部(1)とマウスピースが装入され嵌合雄ねじを備えるマウスピースコネクティング部(2)とが嵌合され構設されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジ(3)の概観を示す斜視模式図である。 本発明のコネクティング型被加熱芳香カートリッジに適用できる、代表的な4種の被加熱芳香発生源コネクティング部の概観を示す斜視模式図である。(a)は、嵌合雌ねじを備えている巻装するだけの被加熱芳香発生源コネクティング部である。(b)は、(a)に被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、その崩落物が生成する粉塵のマウスピース内への脱落及び飛散を防止するメッシュが更に備えられている被加熱芳香発生源コネクティング部である。(c)は、(b)に被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、その崩落物が生成する粉塵の加熱式喫煙具チャンバー内への脱落及び飛散を防止するカバーが更に備えられている被加熱芳香発生源コネクティング部である。(d)は、(c)のカバーに熱源挿通孔が更に設けられる被加熱芳香発生源コネクティング部である。 本発明の一実施形態に係る、図2−Iにおいて、被加熱芳香発生源とフィルター部材が備えられているマウスピースとが長手方向に着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材で巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源とフィルター部材がマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースとが長手方向に着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源とフィルター部材であるマウスピースとが、被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュを介し長手方向に着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−Iにおいて、被加熱芳香発生源に、支持部材とフィルター部材とが長手方向に着接され備えられているマウスピースの支持部材が着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材で巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源に、支持部材とフィルター部材とが長手方向に着接されマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材が着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源に、被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュを介し、支持部材とフィルター部材とがこの順で長手方向に着接されると共に、マウスピースの反対方向の被加熱芳香発生源端部に被加熱芳香カートリッジラッピング部用カバーを備え、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−Iにおいて、被加熱芳香発生源に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順に長手方向に着接されているマウスピースの支持部材が着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材で巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順で長手方向に着接され、マウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材が着接され、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源に、被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュを介し支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順で長手方向に着接されると共に、マウスピースの反対方向の被加熱芳香発生源端部に熱源挿通孔が設けられている被加熱芳香カートリッジラッピング部用カバーを備え、被加熱芳香カートリッジラッピング部材を用いて巻装されているラッピング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−IIにおいて、被加熱芳香発生源とフィルター部材が備えられているマウスピースとが長手方向に着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源とフィルター部材がマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースとが長手方向に着接されように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源とフィルター部材であるマウスピースとが、被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュを介し長手方向に着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−IIにおいて、被加熱芳香発生源に、支持部材とフィルター部材とがこの順で長手方向に着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源に、支持部材とフィルター部材とが長手方向に着接されマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材が着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源に、被加熱芳香カートリッジハウジング部用メッシュを介し、支持部材とフィルター部材とがこの順で長手方向に着接されると共に、マウスピースの反対方向の被加熱芳香発生源端部に被加熱芳香カートリッジハウジング部用カバーを備え、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−IIにおいて、被加熱芳香発生源に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順で長手方向に着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源に、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順で長手方向に着接されマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材が着接されるように、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材である被加熱芳香発生源に、被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュを介し、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がこの順で長手方向に着接されると共に、マウスピースの反対方向の被加熱芳香発生源端部に熱源挿通孔が設けられている被加熱芳香カートリッジハウジング部用カバーを備え、それぞれが被加熱芳香カートリッジハウジング部材に装入されているハウジング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−III−1において、被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部の雌ねじとマウスピースが装入されているマウスピースコネクティング部の雄ねじとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す斜視模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部(I)(図2−III−2(a))の雌ネジと、フィルター部材がマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースが装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部用メッシュが備えられている被加熱芳香発生源コネクティング部(II)(図2−III−2(b))の雌ネジと、フィルター部材が装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されるコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−III−1において、被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部の雌ねじと、支持部材とフィルター部材とがマウスピースコネクティング部の雄ネジ側からこの順で長手方向に着接されるように、それぞれが装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す斜視模式図である。(a)は、 被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部の雌ネジと、支持部材とフィルター部材とが長手方向に着接されマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材がマウスピースコネクティング部の雄ネジ側に配置されるように装入されるマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部用のメッシュとカバーが備えられている被加熱芳香発生源コネクティング部(III)(図2−III−2(c))の雌ネジと、支持部材とフィルター部材とがマウスピースコネクティング部の雄ネジ側からこの順で長手方向に着接され装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、図2−III−1において、被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部の雌ねじと、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がマウスピースコネクティング部の雄ネジ側からこの順で長手方向に着接されるように、それぞれが装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合され構設されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジのX−X線を通る切断面の概観を示す斜視模式図である。(a)は、被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部の雌ネジと、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が長手方向にこの順で着接されマウスピースラッピング部材で巻装されているマウスピースの支持部材がマウスピースコネクティング部の雄ネジ側に配置されるように装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。(b)は、被加熱芳香発生基材が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部用のメッシュと熱源挿通孔が設けられているカバーを備えている被加熱芳香発生源コネクティング部(IV)(図2−III−2(d))の雌ネジと、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材がマウスピースコネクティング部の雄ネジ側からこの順で長手方向に着接されるように装入されているマウスピースコネクティング部の雄ネジとが嵌合されているコネクティング型被加熱芳香カートリッジである。 本発明の一実施形態に係る、四角柱状に裁断された被加熱芳香発生基材が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源のX(長手)方向に垂直な切断面の概観を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香カートリッジに取り付けられる支持部材をX(長手)方向に垂直なYZ切断面の概観を示す模式図である。この支持部材は、図3−I−B及びC、図3−II−B及びC、並びに、図3−III−B及びCにおいて、X方向が、紙面と平行で紙面左右方向に、Y方向が、紙面と平行で紙面上下方向に、Z方向が、紙面と直交する方向になるように配置されている。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香カートリッジに取り付けられる支持部材をY(半径)方向に垂直なXZ切断面の概観を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る図3−I−C(a)に示すラッピング型被加熱芳香カートリッジが装着された加熱式喫煙具のX−X線を通る切断面の概観を示す模式図である。
以下、実施形態を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
≪実施例1≫
芳香源材として、紅茶、コンニャク紛、モクセイ花、及び、アマチャヅル、エアロゾルフォーマとして、グリセリン及びプロピレングリコオール、結合剤として、CMCのナトリウム塩及びサトウキビ繊維、芳香剤として、ハッカ油及びメントール、収着剤として、架橋PVP及びβ−シクロデキストリン、抗菌剤として、ソルビン酸カリウム及び安息香酸ナトリウムを下記のような配合比で使用して被加熱芳香発生基材を製造した。なお、純水は成形加工に必要なために組成物として添加しているが、芳香発生源まで成形加工した後乾燥され除去された。
芳香源材 64質量% 100質量部
紅茶
コンニャク紛
モクセイ花
アマチャヅル
エアロゾルフォーマ 26質量%
グリセリン
プロピレングリコオール
結合剤 10質量%
CMCのナトリウム塩
サトウキビ繊維
芳香剤 10質量部
ハッカ油
メントール
収着剤 20質量部
架橋PVP
β−シクロデキストリン
抗菌剤 0.005質量部
ソルビン酸カリウム
安息香酸ナトリウム
純水 20質量部
上記被加熱芳香発生基材は、図1−Iに示すような工程を経て製造された。すなわち、芳香源材を粉砕する芳香源材粉末製造工程(A−I)、繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)、エアロゾルフォーマ、芳香剤、成形剤、結合剤、保存剤、及び、水を準備する材料準備工程(C−I)、並びに、芳香源材粉末製造工程(A−I)、セルロース繊維製造工程(B)、及び、材料準備工程(C−I)で製造された材料から被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳香発生基材製造工程(D)に従って被加熱芳香発生基材が製造された。
芳香源材粉末製造工程(A−I)は、紅茶、コンニャク粉、モクセイ花、及び、アマチャズルを芳香源材として使用し、これらを乾燥・殺虫する乾燥・殺虫工程(A−1)、及び、乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)からなり、これらの工程に従って芳香源材粉末が製造された。
セルロース繊維製造工程(B)は、サトウキビを繊維植物として使用し、それを圧
搾する圧搾工程(B−1)、圧搾工程(B−1)を経た繊維植物を粉砕する粉砕工程(B−2)、粉砕工程(B−2)で製造された粉砕物を煮沸する煮沸工程(B−3)、煮沸工程(B−3)で製造された煮沸物を脱水・乾燥する脱水・乾燥工程(B−4)、及び、脱水・乾燥工程(B−4)で製造された乾燥物を粉砕する粉砕工程(B−5)からなり、これらの工程に従ってサトウキビ繊維が製造された。
被加熱芳香発生基材製造工程(D)は、芳香源材粉末製造工程(A−I)で製造さ
れた芳香源材粉末、セルロース繊維製造工程(B)で製造された結合剤の一つであるサトウキビ繊維、及び、材料準備工程(C−I)で準備されたエアロゾルフォーマであるグリセリン及びプロピレングリコール、芳香剤であるハッカ油及びメントール、成形剤である微結晶セルロース、結合剤の一つであるCMCのナトリウム塩、保存剤であるソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、及び、水をニーダーで混合する混合工程(D−1)を経た後、混合工程(D−1)で製造された混合物を三本ロールで圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)によって、シートの厚さが0.28±0.02mmとなるように成形された。圧縮・剪断加工工程(D−2)で製造されたシートは、シートを裁断する裁断工程(D−3)で幅1.5±0.1mmとなるように裁断された。
被加熱芳香発生基材112をそのまま被加熱芳香発生源110として用いる場合、上記長方形の断面である紐状の被加熱芳香発生基材前駆体が、長さ11.5〜12.0mmとなるように断裁された後乾燥された。一方、被加熱芳香発生基材112を被加熱芳香発生基材ラッピング部材111で巻装して被加熱芳香発生源110として用いる場合、上記長方形の断面である紐状の被加熱芳香発生基材前駆体が、所定量の充填率となるように被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装され、長さ11.5〜12.0mmとなるように断裁された後乾燥された。
このようにして製造された被加熱芳香発生基材の特性については、その厚さ、幅、長さ、及び、質量が測定され、計算により密度及び質量対表面積比が求められた。その結果は表1に示す。また、被加熱芳香発生基材の表面構造は、激しい凹凸がなく平坦であることを顕微鏡観察により確認した。
また、被加熱芳香発生基材112の集合体である被加熱芳香発生源110の内部構造を、被加熱芳香発生基材112が被加熱芳香発生基材ラッピング部材111で巻装された被加熱芳香発生源110を例に挙げて説明する。図4に、その断面の概略模式図を示す。被加熱芳香発生基材112が集合すると、被加熱芳香発生基材凝集体112Aが多数形成されることによって、その凝集体112A内に被加熱芳香発生基材112の位置ずれが作る一次凝集体流路112B、凝集体112A間に生じる二次凝集体流路112C、及び、被加熱芳香発生基材112と被加熱芳香発生基材ラッピング部材111との空間である基材−ラッピング部材気体流路112D等の気体流路が生成されるため、加熱して発生する揮発物は、これらの気体流路を通過して、喫煙者が安定した気流で芳香及び煙を吸引することができる。後述する本発明の被加熱芳香カートリッジの被加熱芳香発生源は、全て、これに類似した内部構造を形成している。
そして、このようにして形成された被加熱芳香発生基材及びその集合体が被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装された被加熱芳香発生源の喫煙における官能試験は、図3−I−C(a)に示す被加熱芳香カートリッジ100−I−C(a)を作製し、図6に示す、ボディ201に熱源203を有するチャンバー202を備えた加熱式喫煙具200に装着して行った。被加熱芳香発生カートリッジ100−I−C(a)は、被加熱芳香発生基材112が被加熱芳香発生基材ラッピング部材111で巻装された被加熱芳香発生源110と、支持部材123、冷却部材124、及び、フィルター部材122がこの順で長手方向に着接され、マウスピースラッピング部材121で巻装されている支持・冷却部材付きフィルターマウスピース120−C1とが、支持部材123で着接されるように被加熱芳香カートリッジラッピング部材101で巻装されたものを使用した。ここで、支持部材123は、図5−I及びIIに示すような、支持部材中心部1231と(第一の支持部材周辺部1232Aと第二の支持部材周辺部1232Bを備えた)支持部材周辺部1232とから気体流路1233が形成されている簡便なものを、冷却部材124は、連続気泡の多孔質ポリウレタンを、フィルター部材122は、アセテート繊維を用いたプレーンフィルターを、それぞれ使用した。
官能試験の評価基準は、被加熱芳香カートリッジ愛好者10名が被験者となり、被験者10名のうち6名以上が、本発明の被加熱芳香カートリッジについて、後述する比較例と比べ、実施例の方が煙及び芳香共に強く感じられ、しかも心地よく喫煙できたという結果が得られた場合に合格1とし、被験者全員が、どちらの被加熱芳香カートリッジについても、後述する比較例と比べ、実施例の方が煙及び芳香共に強く感じられ、しかも心地よく喫煙できたという結果が得られた場合に合格2とした。その結果は表1に示す。
≪実施例2≫
下記の配合比のように、熱融解物質として、パラフィンワックスワックス(日本精蝋(株)製Paraffin Wax−145、石油系天然ワックス、融点63℃)を、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤の総質量100質量部に対して8質量部加えたこと以外は、実施例1と全く同様の配合比で、図1−IIに示す製造工程で被加熱芳香発生基材を製造し、実施例1と同様に被加熱芳香発生基材の特性が求められた。被加熱芳香発生源及び被加熱芳香カートリッジは、実施例1と同様に作製され、実施例1と同様の被加熱芳香発生基材の特性が求められると共に、その集合体である被加熱芳香発生源の喫煙における官能試験を行った。その結果は表1に示す。熱融解物質を使用する場合は、熱融解物質を粉砕する粉砕工程(A−5)、粉砕された芳香源材と熱融解物質を混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)、芳香源材を混合した熱融解物質を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)、及び、冷却された芳香源材を混合した熱融解物質を粉砕する粉砕工程(A−8)を経ることに特徴がある。更に、粉砕工程(A−8)で粉砕された芳香源材を含む熱融解物質の粉末の内、50メッシュの篩で分級された最小外径が約300μmの芳香源材/熱融解物質混合粉末が被加熱芳香発生基材製造工程(D)に投入され、被加熱芳香発生基材製造工程(D)の圧縮・剪断工程(D−2)が、熱融解物質の融点よりも低い温度に管理されて行われた。このような冷却工程(A−7)後の粉砕、及び、圧縮・剪断加工工程(D−2)の温度管理が、芳香源材/熱融解物質混合粉末を、その状態に維持し、被加熱芳香発生基材中に分散させる主たる要因となっている。
芳香源材 64質量% 100質量部
紅茶
コンニャク紛
モクセイ花
アマチャヅル
エアロゾルフォーマ 26質量%
グリセリン
プロピレングリコオール
結合剤 10質量%
CMCのナトリウム塩
サトウキビ繊維
熱融解物質 パラフィンワックス 8質量部
芳香剤 10質量部
ハッカ油
メントール
収着剤 20質量部
架橋PVP
β−シクロデキストリン
抗菌剤 0.005質量部
ソルビン酸カリウム
安息香酸ナトリウム
純水 20質量部
≪実施例3≫
被加熱芳香発生基材の製造方法が図1−IIIであることを除き、実施例2と全く同様の配合比で被加熱芳香カートリッジを作製し、実施例1及び2と全く同様に評価した。その結果も表1に示す。この場合、芳香剤を熱融解物質に予め混合することに特徴があり、それ以外の製造工程は、芳香源材/芳香剤/熱融解物質混合粉末を、その状態に維持し、被加熱芳香発生基材中に分散させるため、実施例2と同様の工程を経た。すなわち、実施例3では、熱融解物質/芳香剤が加熱混合工程(A−3)で混合され、冷却工程(A−4)を経た後、熱融解物質/芳香剤混合物が粉砕工程(A−5)に投入されることに特徴がある。そして、粉砕された芳香源材と熱融解物質/芳香剤混合物を混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)で製造された芳香源材を混合した熱融解物質/芳香剤混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)、その後の粉砕工程(A−8)で粉砕された芳香源材及び芳香剤を含む熱融解物質の粉末の内、50メッシュの篩で分級された最小外径が約300μmの芳香源材/芳香剤/熱融解物質混合粉末が被加熱芳香発生基材製造工程(D)に投入され、被加熱芳香発生基材製造工程(D)の圧縮・剪断工程(D−2)が、熱融解物質の融点よりも低い温度に管理されて行われることは実施例2に準拠している。
比較例としては、実施例1の被加熱芳香発生基材の配合において、純水だけを130質量部とした組成物でスラリーとし、キャスト法で作製された被加熱芳香発生基材を用いた。この被加熱芳香発生基材についても、実施例1と同様に、密度及び質量対表面積比が求められた。また、この被加熱芳香発生基材を用い、実施例1と同様に作製された被加熱芳香カートリッジが被験者に喫煙され評価された。これらの結果も表1に示す。この被加熱芳香発生基材の表面構造も、激しい凹凸がなく平坦であることを顕微鏡観察により確認した。
Figure 0006748798
表1の実施例と比較例を比べると、本発明の被加熱芳香発生基材は、従来の被加熱芳香発生基材と比較し、密度が大幅に低いことが分かる。この特性は、本発明の被加熱芳香発生基材の内部に空気を含む多孔質的な構造が形成されていることを意味する。その結果、内部構造も含めると、熱源の単位熱量当たりの被加熱芳香発生基材の質量が少なくなると共に、その内部構造が、加熱によって破壊されて揮発物の流路が形成されるので、被加熱芳香発生基材からのエアロゾルフォーマ及び芳香源材の揮発物の放出が促進される効果を奏し、官能試験のような結果が得られたものと考えられる。
更に、表1の実施例1と実施例2及び3とを比較すると、熱融解物質を含む被加熱芳香発生基材の官能試験が勝っていた。これは、被加熱芳香発生基材の構成成分として熱融解物質を含むと、熱源に接触する被加熱芳香発生基材の変形と共に融解が急激に生じ、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材内における流動が促進され、エアロゾルフォーマの被加熱芳香発生基材表面への移動が極めて容易となると共に、熱源と接触して芳香源材及び/又は芳香剤から発生する芳香成分はエアロゾルフォーマに混入されるので、被加熱芳香発生基材表面で揮発するエアロゾルフォーマと共に芳香成分が揮発し易くなり、煙成分と芳香成分の揮発が促進される効果があるものと考えられる。
また、上述した煙成分と芳香成分の揮発の促進は、実施例2及び3の場合、被加熱芳香発生基材中に芳香源材及び/又は芳香剤が混合された熱融解物質の粉末が分散した海島構造が形成されていることにも起因している。つまり、芳香源材及び/又は芳香剤が熱融解物質に偏在することになり、被加熱芳香発生基材全体に存在する場合よりも、芳香源材及び/又は芳香剤の濃度が局所的に高い方が、熱源との接触により効率よく芳香成分を揮発する効果を奏するためである。
一方、本発明の被加熱芳香発生基材は、空気を含む密度の低い内部構造に対し、熱源と接触する表面は、比較例同様、凹凸がない平坦な構造であることを顕微鏡観察によって確認した。従って、幾何学的な被加熱芳香発生基材の外部形状の表面積に基づいた質量対表面積比が、熱分解及び燃焼の問題を回避することなく、被加熱芳香発生基材に熱が伝わる適度な値を確保する必要がある。すなわち、熱源と被加熱芳香発生基材との接触面積を抑え、熱分解又は燃焼の問題を回避するためには、0.09mg/mm以上の質量対表面積比が必要であり、熱源と被加熱芳香発生基材との接触面積を確保し、エアロゾルフォーマ及び芳香源材の揮発物を十分に発生させるためには、0.32mg/mm以下の質量対表面積比が必要である。
以上、本発明の被加熱芳香発生基材を具体的に説明してきたが、次いで、この被加熱芳香発生基材を用いた本発明の被加熱芳香発生源、そして、この被加熱芳香発生源を用いた被加熱芳香カートリッジについて、図を用いて説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
被加熱芳香発生源110は、図3−I−A〜図3−III−Cの各(b)に示すように、実施例1〜3で製造した被加熱芳香発生基材112の少なくとも集合体1121であればよく、本実施例では、被加熱芳香カートリッジの筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材、すなわち、筒状の巻物である被加熱芳香カートリッジラッピング部材101、筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジハウジング部材102、少なくとも一箇所で着脱可能に接続される筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジコネクティング部材103に装入されているものを例示している。これら被加熱芳香カートリッジ外装部材については、被加熱芳香カートリッジにおいて詳説する。
また、被加熱芳香発生源110は、図3−I−A〜図3−III−Cの各(a)に示すように、実施例1〜3で製造した被加熱芳香発生基材112の集合体1121が、筒状の巻物である被加熱芳香発生基材ラッピング部材111で巻装されていてもよい。この被加熱芳香発生基材ラッピング部材111の素材は、筒状の巻物にすることができれば、特に素材は限定されないが、本実施例では、薄い紙及びプラスチックフィルムを例示している。
被加熱芳香発生源110を構成する被加熱芳香発生基材112の形状も、シート状、円柱状、角柱状、粒状、鱗片状等、特に限定されないが、芳香及び煙の流路を確保する観点から円柱状又は角柱状が好ましい。本実施例では、例えば、図4の、被加熱芳香発生基材112の集合体1121が被加熱芳香発生基材ラッピング部材111で巻装された被加熱芳香発生源110の断面模式図に例示しているように、四角柱の被加熱芳香発生基材112を用いている。図から明らかなように、被加熱芳香発生基材112の集合体1121は、被加熱芳香発生基材凝集体112Aが多数形成されることによって、その凝集体112A内に被加熱芳香発生基材112の位置ずれが作る一次凝集体流路112B、凝集体112A間に生じる二次凝集体流路112C、及び、被加熱芳香発生基材112と被加熱芳香発生基材ラッピング部材111との空間である基材−ラッピング部材気体流路112D等の気体流路が生成されるため、加熱して発生する揮発物は、これらの気体流路を通過して、喫煙者が安定した気流で芳香及び煙を吸引することができる。このような気体流路は、シート状、円柱状、角柱状、粒状、及び、鱗片状等であっても同様に形成される。
このような被加熱芳香発生源110を用いた本発明の被加熱芳香カートリッジの実施例として、大別すると、次の三種に構設される被加熱芳香カートリッジ100を例示する。第一に、図2−Iに示すように、被加熱芳香発生源110が、筒状の巻物である被加熱芳香カートリッジラッピング部材101によって巻装されると共に、マウスピース120が形成されることによって、ラッピング型被加熱芳香カートリッジ100−Iとして喫煙可能な形態に構設される被加熱芳香カートリッジである。第二に、図2−IIに示すように、被加熱芳香発生源110が、筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジハウジング部材102によって巻装されると共に、マウスピース120が形成されることによって、ハウジング型被加熱芳香カートリッジ100−IIとして喫煙可能な形態に構設される被加熱芳香カートリッジである。第三に、図2−III−1に示すように、被加熱芳香発生源110が装入されている被加熱芳香発生源コネクティング部用嵌合雌ネジ10311を備えた被加熱芳香発生源コネクティング部1031と、マウスピース120となるマウスピースコネクティング部用雄ネジを備えたマウスピースコネクティング部1032とが着脱可能に接続された筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジコネクティング部材103が形成されることによって、コネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−IIIとして喫煙可能な形態に構設される被加熱芳香カートリッジである。
特に、コネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−IIIは、図2−III−1に示すように、被加熱芳香カートリッジコネクティング部材103を構成する被加熱芳香発生源コネクティング部1031とマウスピースコネクティング部1032とが着脱可能であるため、被加熱芳香発生源110及び後述する各種マウスピース120を喫煙者の好みに応じて自由自在に交換することができる上、被加熱芳香発生源コネクティング部1031及びマウスピースコネクティング部1032を簡単に洗浄することができ、繰り返し使用可能であるという特徴を備えている。
また、本発明の被加熱芳香カートリッジには、図2−I、図2−II、及び、図2−III−1に示すマウスピース120に特徴がある。図6に示すように、加熱式喫煙具200を用いた被加熱芳香カートリッジの喫煙における煙は、エアロゾルフォーマが揮発した後、冷却されることによって発生するエアロゾルに基づくものであり、紙巻きタバコのように煙に固体成分を含まないと共に、芳香源材に含まれるタバコ植物も少ない若しくは全く含まないため、ニコチンやタールが少なく、マウスピースにフィルター機能を必要とするものではない。少なくともエアロゾルの揮発成分が凝結してエアロゾルとなる冷却機能を必要とするため、図2−I、図2−II、及び、図2−III−1に示したラッピング型被加熱芳香カートリッジ100−I、ハウジング型被加熱芳香カートリッジ100−II、及び、コネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−IIIのマウスピース120は、空洞である実施例を示している。
この場合、被加熱芳香カートリッジラッピング部材101が口にくわえられるため、紙を使用することはできず、本実施例では、ポリオレフィン系樹脂フィルムの場合を例示している。被加熱芳香カートリッジハウジング部材102及びコネクティング部材103も素材はポリオレフィン系樹脂であるが、その成形加工された筐体を例示している。被加熱芳香カートリッジハウジング部材及びコネクティング部材の素材は、以下同様である。
しかし、図3−I−A、図3−II−A、及び、図3−III−Aの、ラッピング型被加熱芳香カートリッジ100−I−A、ハウジング型被加熱芳香カートリッジ100−II−A、及び、コネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−III−Aに示すように、紙巻きタバコの喫煙者習性に応じて、マウスピースに、フィルター部材122を備えることができる。特に、この場合、ラッピング型被加熱芳香カートリッジ100−I−Aの被加熱芳香カートリッジラッピング部材101は、紙巻きタバコ同様の巻紙が好ましく、本実施例では、巻紙を使用している場合を例示している。図から明らかなように、いずれの被加熱芳香カートリッジも、フィルター部材122がマウスピースラッピング部材121で巻装されたフィルターマウスピース120−A1とフィルター部材122がそのまま被加熱芳香カートリッジ外装部材に装入されたフィルターマウスピース120−A2が例示されているように、どちらでもよいが、ハウジング型被加熱芳香カートリッジ100−II−A及びコネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−III−Aの場合には、フィルターマウスピース120−A1及びA2の着脱が可能であるので、マウスピースラッピング部材121で巻装されている方が好ましい。また、本実施例では、エアロゾルフォーマに対する耐性を考慮し、薄いポリオレフィン樹脂フィルムのマウスピースラッピング部材121を例示している。以下同様である。
更に、図3−I−A(b)、図3−II−A(b)、及び、図3−III−A(b)には、被加熱芳香発生源110からフィルター部材122への、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するためのメッシュ1011、1021、10312が設けられている各被加熱芳香カートリッジ100−I−A(b)100−II−A(b)100−III−A(b)が例示されている。本実施例のメッシュ1011、1021は、ポリエステル系樹脂繊維から製造される不織布を例示している。
ここで、コネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−III−A(b)の場合は、図2−III−2(b)に示すように、メッシュ10312を着脱可能に取り付けた被加熱芳香発生源コネクティング部1031Bとすることができる。そのため、メッシュ10312を取り付けた被加熱芳香発生源コネクティング部1031Bは、上記脱落及び飛散防止だけでなく、被加熱芳香発生源コネクティング部1031Bから被加熱芳香発生源110がはみ出ることなく装入することができ、装入量も調整することができる上、メッシュ10312の清掃も可能である。このようなメッシュ10312においても、ポリエステル系樹脂繊維から製造される不織布を備えられるが、本実施例では、繰り返し使用するための強度に優れるポリエステル系樹脂繊維から製造される織布が例示されている。
更に、被加熱芳香発生源110のフィルター部材122側への移動を防止するための支持部材123を備えた被加熱芳香カートリッジ100を図3−I−B、図3−II−B、及び、図3−III−Bの100−I−B100−II−B、及び、100−III−Bに示す。この場合も、フィルター部材122だけのマウスピース120−A1及びA2同様、マウスピースラッピング部材121の有無に対応したマウスピース120−B1及びB2を例示している。
この実施例では、図3−I−B(b)、図3−II−B(b)、及び、図3−III−B(b)に示すように、被加熱芳香発生源110からフィルター部材122への、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するためのメッシュ1011、1021、10312に加え、被加熱芳香発生源110から加熱式喫煙具200のチャンバー202への、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するためのカバー1012、1022、10313を備えた被加熱芳香カートリッジ100を例示している。図6に示す加熱式喫煙具200の熱源203が、これらを貫通し、熱源203と僅かではあるが接触するため、熱源203を汚さないように、植物性繊維で製造された不織布又は織布であることが好ましく、カバー1012、1022では不織布が例示されている。
この場合も、コネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−III−B(b)は、図2−III−2(c)に示すように、カバー10313を着脱可能に取り付けた被加熱芳香発生源コネクティング部1031Cとし、繰り返し使用することができるが、初めて使用する際に、熱源203が挿通されなければならないので、植物性繊維で製造された不織布であることが好ましく、本実施例では、植物性繊維で製造された不織布が例示されている。
そして、エアロゾルフォーマの揮発物を冷却し、煙の発生を促進するための冷却部材124を備えた被加熱芳香カートリッジ100を図3−I−C、図3−II−C、及び、図3−III−Cの100−I−C100−II−C、及び、100−III−Cに示す。この場合も、フィルター部材122だけのマウスピース120−A1及びA2同様、マウスピースラッピング部材121の有無に対応したマウスピース120−B1及びB2を例示している。
この実施例でも、図3−I−B(b)、図3−II−B(b)、及び、図3−III−B(b)と同様に、被加熱芳香発生源110からフィルター部材122への、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するためのメッシュ1011、1021、10312に加え、被加熱芳香発生源110から加熱式喫煙具200のチャンバー202への、被加熱芳香発生基材、被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するためのカバー1013、1023、10314を備えた被加熱芳香カートリッジ100を例示している。ただし、これらのカバー1013、1023、10314には、図6に示す加熱式喫煙具200の熱源203が挿通される熱源挿通孔10131、10231、103141が設けられているため、これらのカバー1013、1023、10314と熱源203とが接触することはない。このため、熱源203が、被加熱芳香源110に挿通され易く、カバー1013、1023、10314が加熱されて熱源203が汚染されることはない。従って、カバー1013、1023、10314の素材として、プラスチック製繊維の不織布又は織布を使用することができ、本実施例では、ポリエステル製繊維の不織布又は織布が例示されている。
この場合も、コネクティング型被加熱芳香カートリッジ100−III−C(b)は、図2−III−2(d)に示すように、カバー10314を着脱可能に取り付けた被加熱芳香発生源コネクティング部1031Dとし、繰り返し使用することができる、熱源203が挿通される熱源挿通孔103141が設けられているので、繰り返し使用することを考慮し、ポリエステル製繊維で製造された織布であることが好ましく、本実施例では、ポリエステル製繊維で製造された織布が例示されている。
以上、被加熱芳香発生源110、マウスピース120、及び、被加熱芳香発生源110とマウスピース120が被加熱芳香カートリッジ外装材である被加熱芳香カートリッジラッピング部材101、被加熱芳香カートリッジハウジング部材102、及び、被加熱芳香カートリッジコネクティング部材103に巻装されて構設されている被加熱芳香カートリッジの実施例を例示したが、これらに限定されるものではない。本発明の被加熱芳香発生源及び被加熱芳香カートリッジは、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
100 被加熱芳香カートリッジ
100−I ラッピング型被加熱芳香カートリッジ
100−I−A ラッピング型被加熱芳香カートリッジ(A)フィルターマウスピース
100−I−B ラッピング型被加熱芳香カートリッジ(B)支持部材付きフィルターマウスピース
100−I−C ラッピング型被加熱芳香カートリッジ(C)支持・冷却部材付きフィルターマウスピース
101 被加熱芳香カートリッジラッピング部材
1011 被加熱芳香カートリッジラッピング部用メッシュ
1012 被加熱芳香カートリッジラッピング部用カバー(I)
1013 被加熱芳香カートリッジラッピング部用カバー(II)
10131 熱源挿通孔
100−II ハウジング型被加熱芳香カートリッジ
100−II−A ハウジング型被加熱芳香カートリッジ(A)フィルターマウスピース
100−II−B ハウジング型被加熱芳香カートリッジ(B)支持部材付きフィルターマウスピース
100−II−C ハウジング型被加熱芳香カートリッジ(C)支持・冷却部材付きフィルターマウスピース
102 被加熱芳香カートリッジハウジング部材
1021 被加熱芳香カートリッジハウジング部用メッシュ
1022 被加熱芳香カートリッジハウジング部用カバー(I)
1023 被加熱芳香カートリッジハウジング部用カバー(II)
10231 熱源挿通孔
100−III コネクティング型被加熱芳香カートリッジ
100−III−A コネクティング型被加熱芳香カートリッジ(A)フィルターマウスピース
100−III−B コネクティング型被加熱芳香カートリッジ(B)支持部材付きフィルターマウスピース
100−III−C コネクティング型被加熱芳香カートリッジ(C)支持・冷却部材付きフィルターマウスピース
103 被加熱芳香カートリッジコネクティング部材
103A 被加熱芳香カートリッジコネクティング部材(A)
103B 被加熱芳香カートリッジコネクティング部材(B)
103C 被加熱芳香カートリッジコネクティング部材(C)
103D 被加熱芳香カートリッジコネクティング部材(D)
1031 被加熱芳香発生源コネクティング部
1031A 被加熱芳香発生源コネクティング部(I)
1031B 被加熱芳香発生源コネクティング部(II)
1031C 被加熱芳香発生源コネクティング部(III)
1031D 被加熱芳香発生源コネクティング部(IV)
10311 被加熱芳香発生源コネクティング部用嵌合雌ネジ
10312 被加熱芳香発生源コネクティング部用メッシュ
10313 被加熱芳香発生源コネクティング部(III)用カバー(I)
10314 被加熱芳香発生源コネクティング部(IV)用カバー(II)
103141 熱源挿通孔
1032 マウスピースコネクティング部
10321 マウスピースコネクティング部用雄ネジ
110 被加熱芳香発生源
111 被加熱芳香発生基材ラッピング部材
112 被加熱芳香発生基材
1121 被加熱芳香発生基材集合体
112A 被加熱芳香発生基材凝集体
112B 一次凝集体気体流路(I)
112C 二次凝集体気体流路(II)
112D 基材−ランピング部材気体流路(III)
120 マウスピース
120−A1、A2 フィルターマウスピース
120−B1、B2 支持部材付きフィルターマウスピース
120−C1、C2 支持・冷却部材付きフィルターマウスピース
121 マウスピースラッピング部材
122 フィルター部材
123 支持部材
1231 支持部材中心部
1232 支持部材周辺部
1232A 第一の支持部材周辺部
1232B 第二の支持部材周辺部
1233 気体流路
124 冷却部材
200 加熱式喫煙具
201 ボディー
202 チャンバー
203 熱源
L 支持部の長さ
D 支持部の直径
d 第一の支持部材周辺と第二の支持部材周辺との間隔
、X被加熱芳香カートリッジ断面の中心
X 紙面に平行な被加熱芳香カートリッジの長手方向
Y 紙面に平行な被加熱芳香カートリッジの断面方向
Z 紙面に垂直な被加熱芳香カートリッジの断面方向

Claims (78)

  1. 加熱式喫煙具に装着されてエアロゾル及び芳香を生じる被加熱芳香カートリッジの被加熱芳香発生源を構成する被加熱芳香発生基材であって、
    少なくとも、芳香源材、エアロゾルフォーマ結合剤及び熱融解物質を含み、
    密度が700〜1,100mg/cmであり、
    前記熱融解物質が粉末状をなして分散している被加熱芳香発生基材。
  2. 前記熱融解物質の融点が20〜200℃である請求項1記載の被加熱芳香発基材
  3. 前記熱融解物質が芳香剤を含有する請求項1又は2記載の被加熱芳香発基材
  4. 質量対表面積比が0.09〜0.32mg/mmである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  5. 前記芳香源材が、茶類、及び、植物の花、地下茎、果実、並びに、地上茎葉から選択される少なくとも1つ以上であって、
    前記茶類が、中国茶及び紅茶から選択される少なくとも1つ以上であり、
    前記花が、バラ、モクセイ科モクセイ属モクセイ種の植物、ラベンダー、及び、サフランの花から選択される少なくとも1つ以上であり、
    前記地下茎が、ラッキョウ、エシャロット、ニンニク、タマネギ、及び、コンニャクの地下茎から選択される少なくとも1つ以上であり、
    前記果実が、カリン、ミカン科ミカン属の植物(ダイダイ・ウンシュウミカン・ナツダイダイ・ポンカン・ハッサク・イヨカン・イーチャンレモン・カラタチ・オレンジ・マンダリンオレンジ・カボス・キシュウミカン・キノット・グレープフルーツ・コウジ・サンボウカン・シトロン・ジャバラ・スダチ・タチバナ・タンゴール・ナツミカン・ハナユズ・ヒュウガナツ・ヒラミレモン(シークヮーサー)・ブンタン(ザボン)・ユズ・ライム・レモン・コブミカン等)、バラ科モモ属モモ種の植物、リンゴ、パイナップル、マンゴー、キンカン、メロン、ザクロ、ウメ、アンズ、ブルーベリー、バラ科オランダイチゴ属の植物、ラズベリー、バナナ、及び、ブドウの果実から選択される少なくとも1つ以上であり、
    前記地上茎葉が、シソ科ハッカ属のペパーミント系植物(ペパーミント、ニホンハッカ、アップルミント、ウォーターミント、コルシカミント、ペニーロイヤルミント等)、シソ科ハッカ属のスペアミント系植物(スペアミント、ホースミント、ミドリハッカ、チリメンハッカ、ジンジャーミント等)、イヌハッカ、コウスイハッカ(レモンバーム)、キダチハッカ(セイボリー)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、及び、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉から選択される少なくとも1つ以上である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  6. 前記エアロゾルフォーマが、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及び、グリセリンの中から選択される少なくとも1つ以上を含む請求項1乃至5のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  7. 前記結合剤が、多糖類系高分子、セルロース系高分子、及び、セルロース繊維の中から選択される少なくとも1つ以上を含む請求項1乃至6のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  8. 前記多糖類系高分子が、コンニャクマンナン(グルコマンナン)、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンシードガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、及び、キサンタンガムから選択される少なくとも1つ以上であり、
    前記セルロース系高分子が、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、並びに、ヒドロキシプロピルセルロース、及び、CMCのナトリウム塩、CMCのカリウム塩、CMCのカルシウム塩、並びに、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩、カルボキシエチルセルロースのカリウム塩、カルボキシエチルセルロースのカルシウム塩から選択される少なくとも1つ以上であり、
    前記セルロース繊維が、サトウキビ、タケ、ムギ、コメ、エスパルト、及び、ジュートのセルロース繊維から選択される少なくとも1つ以上である請求項に記載の被加熱芳香発生基材。
  9. 前記芳香源材、前記エアロゾルフォーマ、及び、前記結合剤の配合比が、それぞれ、45〜75質量%、20〜40質量%、及び、3〜30質量%である請求項1乃至8のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  10. 前記熱融解物質が、石油系天然ワックス、合成ワックス、タッキファイアー、植物系天然蝋、及び、動物系天然蝋の中から選択される少なくとも1つ以上を含む請求項1乃至9のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  11. 前記石油系天然ワックスが、ワセリン、パラフィンワックス、及び、マイクロクリスタリンワックスから選択される少なくとも1つ以上である請求項10に記載の被加熱芳香発生基材。
  12. 前記合成ワックスが、フィッシャー−トロプシュ(Fischer−Tropsch)ワックス、ポリエチレン(PE)ワックス並びに変性PEワックス、ポリプロピレン(PP)ワックス並びに変性PPワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルアミンから選択される少なくともつ以上である請求項10又は11に記載の被加熱芳香発生基材。
  13. 前記タッキファイアーが、ロジン並びにロジン誘導体及びテルペン樹脂並びに変性テルペン樹脂から選択される少なくともつ以上である請求項10乃至12に記載の被加熱芳香発生基材。
  14. 前記植物系天然蝋が、ハゼ蝋、ウルシ蝋、カルナウバ蝋、サトウキビ蝋、パーム蝋、及び、カンデリラ蝋から選択される少なくともつ以上である請求項10乃至13のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  15. 前記動物系天然蝋が、蜜蝋、鯨蝋、イボタ蝋、羊毛蝋、及び、シェラックから選択される少なくともつ以上である請求項10乃至14のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  16. 前記芳香源材、前記エアロゾルフォーマ、及び、前記結合剤の総量100質量部に対し、前記熱融解物質が2〜10質量部含む請求項1乃至15のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  17. 前記芳香剤が、清涼化剤及びニコチンの中から選択される少なくとも1つ以上を含む請求項3乃至16のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  18. 前記清涼化剤が、メントール並びにメントール誘導体、メントン並びにメントン誘導体、メンタンカルボン酸アミド、2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸誘導体、メンタン並びにメンタン誘導体、L−カルボン、キシリトール、ユーカリ精油、ハッカ油、スペアミント精油、及び、スピラントールから選択される少なくとも1つ以上である請求項17に記載の被加熱芳香発生基材。
  19. 前記芳香源材、前記エアロゾルフォーマ、及び、前記結合剤の総量100質量部に対し、前記芳香剤が3〜20質量部含む請求項3乃至18のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  20. 成形剤を更に含む請求項1乃至19のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  21. 前記成形剤が、微結晶セルロースである請求項20に記載の被加熱芳香発生基材。
  22. 前記微結晶セルロースの平均粒子径及び質量平均分子量(Mw)が、それぞれ、70〜120μm及び20,000〜60,000である請求項21に記載の被加熱芳香発生基材。
  23. 前記芳香源材、前記エアロゾルフォーマ、及び、前記結合剤の総量100質量部に対し、前記成形剤が2〜20質量部含む請求項20乃至22のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  24. 収着剤を更に含む請求項1乃至23のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  25. 前記収着剤が、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)及び/又はシクロデキストリンである請求項24に記載の被加熱芳香発生基材。
  26. 前記収着剤が、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)及びシクロデキストリンであり、
    前記芳香源材、前記エアロゾルフォーマ、及び、前記結合剤の総量100質量部に対し、前記架橋PVPが4〜20質量部、前記シクロデキストリンが0.1〜1.2質量部含む請求項25に記載の被加熱芳香発生基材。
  27. 保存剤を更に含む請求項1乃至26のいずれか一項に記載の被加熱芳香発生基材。
  28. 前記保存剤が、ソルビン酸カリウム及び/又は安息香酸ナトリウムである請求項27に記載の被加熱芳香発生基材。
  29. 前記芳香源材、前記エアロゾルフォーマ、及び、前記結合剤の総量100質量部に対し、前記ソルビン酸カリウム及び/又は安息香酸ナトリウムが0.005〜0.05質量部含む請求項28に記載の被加熱芳香発生基材。
  30. 被加熱芳香発生カートリッジを構成する被加熱芳香発生源であって、
    芳香源材、エアロゾルフォーマ、結合剤及び熱融解物質を含み、密度が700〜1,100mg/cm であり、前記熱融解物質が粉末状をなして分散している被加熱芳香発生基材の集合体を含む被加熱芳香発生源。
  31. 前記被加熱芳香発生基材が円柱状体又は角柱状体である請求項30に記載の被加熱芳香発生源。
  32. 被加熱芳香発生カートリッジを構成する被加熱芳香発生源であって、
    芳香源材、エアロゾルフォーマ、結合剤及び熱融解物質を含み、密度が700〜1,100mg/cm であり、前記熱融解物質が粉末状をなして分散している被加熱芳香発生基材の集合体が、筒状の巻物である被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されている被加熱芳香発生源。
  33. 前記被加熱芳香発生基材が円柱状体又は角柱状体である請求項32に記載の被加熱芳香発生源。
  34. 筒状体の被加熱芳香カートリッジ外装部材を有し、
    芳香源材、エアロゾルフォーマ、結合剤及び熱融解物質を含み、密度が700〜1,100mg/cm であり、前記熱融解物質が粉末状をなして分散している被加熱芳香発生基材の集合体を含む被加熱芳香発生源が、前記被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され、
    前記被加熱芳香カートリッジ外装部材の一端側がマウスピースを形成している被加熱芳香カートリッジ。
  35. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が形成しているマウスピースに、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材から選択される少なくとも1つ以上が長手方向に配備されている請求項34に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  36. 芳香源材、エアロゾルフォーマ、結合剤及び熱融解物質を含み、密度が700〜1,100mg/cm であり、前記熱融解物質が粉末状をなして分散している被加熱芳香発生基材の集合体を含む被加熱芳香発生源の長手方向にマウスピースが着接され、かつ筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納されている被加熱芳香カートリッジ。
  37. 前記マウスピースは、筒状に形成され、
    前記マウスピースに、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材から選択される少なくとも1つ以上がその長手方向に配備されている請求項36に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  38. 前記支持部材、前記冷却部材、及び、前記フィルター部材から選択される少なくとも1つ以上が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で巻装されている請求項35に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  39. 前記支持部材、前記冷却部材、及び、前記フィルター部材が、前記マウスピースラッピング部材で、それぞれ個別に巻装されている請求項38に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  40. 前記被加熱芳香発生源及び前記マウスピースは、前記被加熱芳香カートリッジ外装部材の長手方向に沿って配され、
    前記被加熱芳香発生源と前記マウスピースとの間に、前記被加熱芳香発生基材、前記被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、前記崩落物が生成する粉塵の前記マウスピース内への脱落及び飛散を防止するメッシュが備えられている請求項34乃至39のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  41. 前記被加熱芳香発生源及び前記マウスピースは、前記被加熱芳香カートリッジ外装部材の長手方向に沿って配され、
    前記被加熱芳香カートリッジ外装部材の他端側の前記被加熱芳香発生源表面に、前記被加熱芳香発生基材、前記被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、前記崩落物が生成する粉塵の加熱式喫煙具チャンバー内への脱落及び飛散を防止するカバーが備えられている請求項34乃至40のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  42. 前記カバーに、前記加熱式喫煙具の熱源を挿通可能に形成されている熱源挿通孔が設けられている請求項41に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  43. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が筒状の巻物である被加熱芳香カートリッジラッピング部材である請求項34乃至42に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  44. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジハウジング部材である請求項34乃至42のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  45. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が、少なくとも一箇所で着脱可能に接続されている筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジコネクティング部材である請求項34に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  46. 前記被加熱芳香カートリッジコネクティング部材が、前記被加熱芳香発生源を装入することができる被加熱芳香発生源コネクティング部及びマウスピースを形成することができるマウスピースコネクティング部を有し、
    前記被加熱芳香発生源コネクティング部及び前記マウスピースコネクティング部が互いに着脱可能に接続される筒状の筐体であ
    前記被加熱芳香発生源が装入されている前記被加熱芳香発生源コネクティング部及び前記マウスピースコネクティング部が互いに着脱可能に接続されている請求項45に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  47. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が、少なくとも一箇所で着脱可能に接続されている筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジコネクティング部材である請求項35記載の被加熱芳香カートリッジ。
  48. 前記被加熱芳香カートリッジコネクティング部材が、前記被加熱芳香発生源を装入することができる被加熱芳香発生源コネクティング部及び前記マウスピースを装入することができるマウスピースコネクティング部を有し、
    前記被加熱芳香発生源コネクティング部及び前記マウスピースコネクティング部が互いに着脱可能に接続される筒状の筐体であ
    前記被加熱芳香発生源が装入されている前記被加熱芳香発生源コネクティング部及び前記マウスピースが装入されている前記マウスピースコネクティング部が互いに着脱可能に接続されている請求項47に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  49. 前記マウスピースコネクティング部の前記マウスピース又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、支持部材を少なくとも備えている請求項46又は48に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  50. 前記マウスピースコネクティング部の前記マウスピース又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、冷却部材を少なくとも備えている請求項46又は48に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  51. 前記マウスピースコネクティング部の前記マウスピース又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、フィルター部材を少なくとも備えている請求項46又は48に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  52. 前記マウスピースコネクティング部の前記マウスピース又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、支持部材及び冷却部材少なくとも備え、前記被加熱芳香発生源コネクティング部側から前記支持部材及び前記冷却部材長手方向に配備されている請求項46又は48に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  53. 前記マウスピースコネクティング部の前記マウスピース又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、支持部材及びフィルター部材少なくとも備え、前記被加熱芳香発生源コネクティング部側から前記支持部材及び前記フィルター部材長手方向に配備されている請求項46又は48に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  54. 前記マウスピースコネクティング部の前記マウスピース又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、冷却部材及びフィルター部材少なくとも備え、前記被加熱芳香発生源コネクティング部側から前記冷却部材及び前記フィルター部材長手方向に配備されている請求項46又は48に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  55. 前記マウスピースコネクティング部の前記マウスピース又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材を少なくとも備え、前記被加熱芳香発生源コネクティング部側から前記支持部材、前記冷却部材、及び、前記フィルター部材が長手方向に配備されている請求項46又は48に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  56. 前記支持部材、前記冷却部材、及び、前記フィルター部材から選択される少なくとも1つ以上が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で巻装されている請求項49乃至55のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  57. 前記マウスピースを構成する前記支持部材、前記冷却部材、及び、前記フィルター部材が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で、それぞれ個別に巻装されている請求項49乃至55に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  58. 前記マウスピースコネクティング部が、前記支持部材が装入されている支持部材コネクティング部、前記冷却部材が装入されている冷却部材コネクティング部、及び、前記フィルター部材が挿入されているフィルター部材コネクティング部から選択される少なくとも2つのコネクティング部を備え、
    前記少なくとも2つのコネクティング部が長手方向に配備され、それぞれ着脱可能に接続されている請求項52乃至55、又は、請求項57のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  59. 前記被加熱芳香発生源コネクティング部が、前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースコネクティング部とを接続した際の、前記被加熱芳香発生源と前記マウスピースとの間に、前記マウスピースコネクティング部内への前記被加熱芳香発生基材、前記被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、前記崩落物が生成する粉塵の脱落及び飛散を防止するメッシュを備えている請求項46乃至58のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  60. 前記被加熱芳香発生源コネクティング部の前記マウスピースコネクティング部の反対側端部表面に、前記被加熱芳香発生基材、前記被加熱芳香発生基材の崩落物、及び、前記崩落物が生成する粉塵の加熱式喫煙具チャンバー内への脱落及び飛散を防止するカバーが備えられている請求項46乃至59のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  61. 前記カバーに、前記加熱式喫煙具の熱源を挿通可能に形成されている熱源挿通孔が設けられている請求項60に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  62. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材の前記着脱可能な接続が、嵌合(fitting)、螺合(screwing)、歯合(meshing)、及び、掛合(hooking)のいずれかである請求項45乃至61のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  63. 前記被加熱芳香カートリッジ外装部材の前記着脱可能な接続が、磁力である請求項45乃至62のいずれか一項に記載の被加熱芳香カートリッジ。
  64. 芳香源材を粉砕し、粉砕された前記芳香源材及び熱溶融性物質の粉末を混合する芳香源材粉末製造工程(A−II)と、
    繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)と、
    エアロゾルフォーマ、芳香剤、成形剤、結合剤、保存剤、及び、水から選択される所望の材料を準備する材料準備工程(C−II)と、
    前記芳香源材粉末製造工程(A−II)、前記セルロース繊維製造工程(B)、及び、前記材料準備工程(C−II)で製造された材料を、前記熱溶融性物質の粉末が粉末状を保って分散するように混合して被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳香発生基材製造工程(D)と、
    を含む被加熱芳香発生基材の製造方法。
  65. 前記混合粉末製造工程(A−II)が、
    前記芳香源材を乾燥・殺虫する乾燥・殺虫工程(A−1)と、
    前記乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された前記芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)と、
    前記熱融解物質を粉砕する粉砕工程(A−5)と、
    前記粉砕工程(A−2)で製造された粉砕物及び/又は前記芳香剤と前記粉砕工程(A−5)で製造された粉砕物とを圧縮・剪断して混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)と、
    前記圧縮・剪断混合工程(A−6)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)と、
    前記冷却工程(A−7)で冷却された前記混合物を粉砕する粉砕工程(A−8)と、を含み、
    前記セルロース繊維製造工程(B)が、
    前記繊維植物を圧搾する圧搾工程(B−1)と、
    前記圧搾工程(B−1)を経た前記繊維植物を粉砕する粉砕工程(B−2)と、
    前記粉砕工程(B−2)で製造された粉砕物を煮沸する煮沸工程(B−3)と、
    前記煮沸工程(B−3)で製造された煮沸物を脱水・乾燥する脱水・乾燥工程(B−4)と、
    前記脱水・乾燥工程(B−4)で製造された乾燥物を粉砕する粉砕工程(B−5)と、を含み、
    前記被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、
    前記混合粉末製造工程(A−II)、前記セルロース繊維製造工程(B)、及び、前記材料準備工程(C−II)で製造された材料を混合する混合工程(D−1)と、
    前記混合工程(D−1)で製造された混合物を圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)と、
    前記圧縮・剪断加工工程(D−2)で製造された前記シートを裁断する裁断工程(D−3)と、
    を含む請求項64に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法。
  66. 芳香源材を粉砕し、粉砕された前記芳香源材及び芳香剤を含有する熱溶融性物質の粉末を混合する芳香源材粉末製造工程(A−III)と、
    繊維植物からセルロース繊維を製造するセルロース繊維製造工程(B)と、
    エアロゾルフォーマ成形剤、結合剤、保存剤、及び、水から選択される所望の材料を準備する材料準備工程(C−III)と、
    前記芳香源材粉末製造工程(A−III)、前記セルロース繊維製造工程(B)、及び、前記材料準備工程(C−III)で製造された材料を、前記熱溶融性物質の粉末が粉末状を保って分散するように混合して被加熱芳香発生基材を製造する被加熱芳香発生基材製造工程(D)と、
    を含む被加熱芳香発生基材の製造方法。
  67. 前記混合粉末製造工程(A−III)が、
    前記芳香源材を乾燥・殺虫する乾燥・殺虫工程(A−1)と、
    前記乾燥・殺虫工程(A−1)で製造された前記芳香源材を粉砕する粉砕工程(A−2)と、
    前記熱融解物質と前記芳香剤を前記熱融解物質の融解温度以上の温度で混合する混合工程(A−3)と、
    前記混合工程(A−3)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−4)と、
    前記冷却工程(A−4)で冷却された混合物を粉砕する粉砕工程(A−5)と、
    前記粉砕工程(A−2)で製造された粉砕物と前記粉砕工程(A−5)で製造された粉砕物とを圧縮・剪断して混合する圧縮・剪断混合工程(A−6)と、
    前記圧縮・剪断混合工程(A−6)で製造された混合物を0℃以下に冷却する冷却工程(A−7)と、
    前記冷却工程(A−7)で冷却された前記混合物を粉砕する粉砕工程(A−8)と、を含み、
    前記セルロース繊維製造工程(B)が、
    前記繊維植物を圧搾する圧搾工程(B−1)と、
    前記圧搾工程(B−1)を経た前記繊維植物を粉砕する粉砕工程(B−2)と、
    前記粉砕工程(B−2)で製造された粉砕物を煮沸する煮沸工程(B−3)と、
    前記煮沸工程(B−3)で製造された煮沸物を脱水・乾燥する脱水・乾燥工程(B−4)と、
    前記脱水・乾燥工程(B−4)で製造された乾燥物を粉砕する粉砕工程(B−5)と、を含み、
    前記被加熱芳香発生基材製造工程(D)が、
    前記混合粉末製造工程(A−III)、前記セルロース繊維製造工程(B)、及び、前記材料準備工程(C−III)で製造された材料を混合する混合工程(D−1)と、
    前記混合工程(D−1)で製造された混合物を圧縮・剪断加工してシートに成形する圧縮・剪断加工工程(D−2)と、
    記圧縮・剪断加工工程(D−2)で製造された前記シートを裁断する裁断工程(D−3)と、
    を含む請求項66に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法。
  68. 前記被加熱芳香発生基材の密度が700〜1,100mg/cmである請求項64又は66に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法
  69. 前記被加熱芳香発生基材の質量対表面積比が0.09〜0.32mg/mmである請求項64又は66に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法
  70. 前記被加熱芳香発生基材の前記芳香源材を前記熱融解物質に混合した粉末が前記エアロゾルフォーマ中に分散されており、密度が700〜1,100mg/cmである請求項64又は66に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法
  71. 前記芳香源材を前記熱融解物質に混合した粉末が前記エアロゾルフォーマ中に分散されており、かつ質量対表面積比が0.09〜0.32mg/mmである請求項64又は66に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法
  72. 前記熱融解物質の粉末の最小外径が125〜355μmである請求項64又は66に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法
  73. 前記芳香源材及び前記芳香剤を前記熱融解物質に混合した粉末が前記エアロゾルフォーマ中に分散されており、密度が700〜1,100mg/cmである請求項66又は67に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法
  74. 前記芳香源材及び前記芳香剤を前記熱融解物質に混合した粉末が前記エアロゾルフォーマ中に分散されており、かつ質量対表面積比が0.09〜0.32mg/mmである請求項66又は67に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法
  75. 前記芳香源材及び前記芳香剤を前記熱融解物質に混合した前記粉末の最小外径が125〜355μmである請求項73又は74に記載の被加熱芳香発生基材の製造方法
  76. 加熱式喫煙具に装着されてエアロゾル及び芳香を生じる被加熱芳香カートリッジであって、少なくとも、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤を含み、密度が700〜1,100mg/cm である被加熱芳香発生基材の集合体である前記被加熱芳香発生カートリッジを構成する被加熱芳香発生源を有し、
    前記被加熱芳香発生源が、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され、
    前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が、マウスピースを形成し、かつ少なくとも一箇所で着脱可能に接続されている筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジコネクティング部材であり、
    前記被加熱芳香カートリッジコネクティング部材が、前記被加熱芳香発生源を装入することができる被加熱芳香発生源コネクティング部及び前記マウスピースを形成することができるマウスピースコネクティング部を有し、かつ前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続される筒状の筐体であり、
    前記被加熱芳香発生源が装入されている前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続され、
    前記マウスピースコネクティング部又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、支持部材を少なくとも備えている被加熱芳香カートリッジ。
  77. 加熱式喫煙具に装着されてエアロゾル及び芳香を生じる被加熱芳香カートリッジであって、少なくとも、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤を含み、密度が700〜1,100mg/cm である被加熱芳香発生基材の集合体である前記被加熱芳香発生カートリッジを構成する被加熱芳香発生源を有し、
    前記被加熱芳香発生源が、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され、かつ前記被加熱芳香カートリッジ外装部材がマウスピースを形成し、
    前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が、少なくとも一箇所で着脱可能に接続されている筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジコネクティング部材であり、
    前記被加熱芳香カートリッジコネクティング部材が、前記被加熱芳香発生源を装入することができる被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースを形成することができるマウスピースコネクティング部とを有し、
    前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続される筒状の筐体であり、かつ前記被加熱芳香発生源が装入されている前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続され、
    前記マウスピースコネクティング部又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、冷却部材を少なくとも備えている被加熱芳香カートリッジ。
  78. 加熱式喫煙具に装着されてエアロゾル及び芳香を生じる被加熱芳香カートリッジであって、少なくとも、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤を含み、密度が700〜1,100mg/cm である被加熱芳香発生基材の集合体である前記被加熱芳香発生カートリッジを構成する被加熱芳香発生源を有し、
    前記被加熱芳香発生源が、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され、前記被加熱芳香カートリッジ外装部材がマウスピースを形成し、
    前記被加熱芳香カートリッジ外装部材が、少なくとも一箇所で着脱可能に接続されている筒状の筐体である被加熱芳香カートリッジコネクティング部材であり、
    前記被加熱芳香カートリッジコネクティング部材が、前記被加熱芳香発生源を装入することができる被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースを形成することができるマウスピースコネクティング部とを有し、前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続される筒状の筐体であって、前記被加熱芳香発生源が装入されている前記被加熱芳香発生源コネクティング部と前記マウスピースコネクティング部とが着脱可能に接続され、
    前記マウスピースコネクティング部又は前記マウスピースコネクティング部に装入されている前記マウスピースが、支持部材と冷却部材とを少なくとも備え、前記被加熱芳香発生源コネクティング部側から前記支持部材と前記冷却部材とが長手方向に配備されている被加熱芳香カートリッジ。
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