JPH1161612A - シート状物 - Google Patents
シート状物Info
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- JPH1161612A JPH1161612A JP9223899A JP22389997A JPH1161612A JP H1161612 A JPH1161612 A JP H1161612A JP 9223899 A JP9223899 A JP 9223899A JP 22389997 A JP22389997 A JP 22389997A JP H1161612 A JPH1161612 A JP H1161612A
- Authority
- JP
- Japan
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- cellulose ester
- sheet
- weight
- fibril
- specific surface
- Prior art date
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-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A24—TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
- A24D—CIGARS; CIGARETTES; TOBACCO SMOKE FILTERS; MOUTHPIECES FOR CIGARS OR CIGARETTES; MANUFACTURE OF TOBACCO SMOKE FILTERS OR MOUTHPIECES
- A24D3/00—Tobacco smoke filters, e.g. filter-tips, filtering inserts; Filters specially adapted for simulated smoking devices; Mouthpieces for cigars or cigarettes
- A24D3/06—Use of materials for tobacco smoke filters
- A24D3/08—Use of materials for tobacco smoke filters of organic materials as carrier or major constituent
- A24D3/10—Use of materials for tobacco smoke filters of organic materials as carrier or major constituent of cellulose or cellulose derivatives
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D21—PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
- D21H—PULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- D21H27/00—Special paper not otherwise provided for, e.g. made by multi-step processes
- D21H27/08—Filter paper
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Paper (AREA)
- Cigarettes, Filters, And Manufacturing Of Filters (AREA)
- Filtering Materials (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 タバコのニコチン成分とタール成分の除去率
を高めるために必要な高い比表面積を有し、工業的な製
造に耐えるだけのシート強度を有し、均一な円棒状に成
型するために必要なクレープ加工が十分に実施できるセ
ルロースエステルを含有するシート状物を提供する。 【解決手段】 セルロースエステル中に幅0.1μm〜
30μm、長さ10μm〜10mmのフィブリル状物、
及び/又はフィルム状物から構成され、1000μm以
上の長さを有するフィブリル含有セルロースエステルと
叩解パルプを含有させた、少なくとも1方向の引張強度
が800gf/15mm以上、比表面積が1.5m2/
g以上であるシート状物。
を高めるために必要な高い比表面積を有し、工業的な製
造に耐えるだけのシート強度を有し、均一な円棒状に成
型するために必要なクレープ加工が十分に実施できるセ
ルロースエステルを含有するシート状物を提供する。 【解決手段】 セルロースエステル中に幅0.1μm〜
30μm、長さ10μm〜10mmのフィブリル状物、
及び/又はフィルム状物から構成され、1000μm以
上の長さを有するフィブリル含有セルロースエステルと
叩解パルプを含有させた、少なくとも1方向の引張強度
が800gf/15mm以上、比表面積が1.5m2/
g以上であるシート状物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアーフィルター、
特にタバコフィルター用途に適した新規なシート状物に
関する。さらに詳しくは、比表面積が高く、シート強度
が高いセルロースアセテート含有シート状物に関する。
特にタバコフィルター用途に適した新規なシート状物に
関する。さらに詳しくは、比表面積が高く、シート強度
が高いセルロースアセテート含有シート状物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タバコフィルターの種類として、
セルロースアセテート、紙フィルター、レイヨンフィル
ター及びそれらに活性炭微粒子を包み込んだものが知ら
れている。これらのタバコフィルターの製造方法は概略
次のようになっている。すなわち、セルロースアセテー
ト及びレイヨンフィルターは、捲縮のかかった繊維束を
緊張して開繊し、均一な円棒状に成型し、巻き紙でプラ
グに巻き上げることによって製造される。また、紙フィ
ルターは、木材パルプからなる紙に縦方向にしわ付けを
行うクレープ加工を施すことによって紙に柔軟性と嵩高
性とを付与し、これを均一な円棒状に成型し、巻き紙で
プラグに巻き上げることによって製造される。
セルロースアセテート、紙フィルター、レイヨンフィル
ター及びそれらに活性炭微粒子を包み込んだものが知ら
れている。これらのタバコフィルターの製造方法は概略
次のようになっている。すなわち、セルロースアセテー
ト及びレイヨンフィルターは、捲縮のかかった繊維束を
緊張して開繊し、均一な円棒状に成型し、巻き紙でプラ
グに巻き上げることによって製造される。また、紙フィ
ルターは、木材パルプからなる紙に縦方向にしわ付けを
行うクレープ加工を施すことによって紙に柔軟性と嵩高
性とを付与し、これを均一な円棒状に成型し、巻き紙で
プラグに巻き上げることによって製造される。
【0003】このうち、紙フィルター及びレイヨンフィ
ルターは原料がセルロース100%であり、後述のセル
ロースアセテートからなるフィルターと比べて、煙中の
ニコチン成分、タール成分を良く吸着するが、タバコの
香喫味が劣り、フィルターとして必要なフェノール類の
選択除去性が低い。また、活性炭フィルターもニコチン
成分及びタール成分を良く吸着するが、煙中の気相成分
の吸着能力が著しいため香喫味を害し、さらに喫煙時に
異臭が感じられるという欠点がある。
ルターは原料がセルロース100%であり、後述のセル
ロースアセテートからなるフィルターと比べて、煙中の
ニコチン成分、タール成分を良く吸着するが、タバコの
香喫味が劣り、フィルターとして必要なフェノール類の
選択除去性が低い。また、活性炭フィルターもニコチン
成分及びタール成分を良く吸着するが、煙中の気相成分
の吸着能力が著しいため香喫味を害し、さらに喫煙時に
異臭が感じられるという欠点がある。
【0004】それに対して、セルロースアセテート繊維
からなるフィルターは、パルプ紙やレイヨンフィルター
と比較して香喫味が良好であり、煙中の固体や液体に対
するろ過作用があり、ニコチン成分及びタール成分の適
切な吸着能力を有する。この様に、セルロースアセテー
トフィルターはその吸着特性が他のタバコフィルター材
料と比較し優れているために、タバコフィルター材料の
ほとんどがセルロースアセテートフィルター、特にセル
ロースジアセテート材料からなる。
からなるフィルターは、パルプ紙やレイヨンフィルター
と比較して香喫味が良好であり、煙中の固体や液体に対
するろ過作用があり、ニコチン成分及びタール成分の適
切な吸着能力を有する。この様に、セルロースアセテー
トフィルターはその吸着特性が他のタバコフィルター材
料と比較し優れているために、タバコフィルター材料の
ほとんどがセルロースアセテートフィルター、特にセル
ロースジアセテート材料からなる。
【0005】ところで、近年になって、喫煙と健康の関
係が非常に大きな問題として取り上げられ、タバコのニ
コチン成分とタール成分の除去率を従来より高めること
が強く要請されるようになってきた。その結果、アセテ
ートの素材の良さを十分に活かし、かつ、その目的を達
成するために種々検討が進められている。その具体策と
して、従来より、フィルターの吸着面積を増大する方法
が提案されている。その例として(1)アセテート繊維
の繊度を細デニール化する方法、(2)異形断面繊維の
開発、(3)フィルター長をさらに長くする等の検討が
なされている。
係が非常に大きな問題として取り上げられ、タバコのニ
コチン成分とタール成分の除去率を従来より高めること
が強く要請されるようになってきた。その結果、アセテ
ートの素材の良さを十分に活かし、かつ、その目的を達
成するために種々検討が進められている。その具体策と
して、従来より、フィルターの吸着面積を増大する方法
が提案されている。その例として(1)アセテート繊維
の繊度を細デニール化する方法、(2)異形断面繊維の
開発、(3)フィルター長をさらに長くする等の検討が
なされている。
【0006】タバコフィルター用アセテート繊維は一般
に乾式紡糸法により製造されている。乾式紡糸で製造す
る場合、紡糸塔内の加熱雰囲気中で溶剤を蒸発させるた
めに、一定時間滞在する必要があり、紡糸速度の向上に
は限界が生じる。このため、(1)の場合のように繊度
を細くするためには、熟成終了液がノズルより押し出さ
れる速度と巻き取り速度の比で示される紡糸ドラフト比
を大きくする方法がある。しかし通常のタバコフィルタ
ー用アセテート繊維の紡糸ドラフト比は1前後であり、
大きくとも1.5である。これ以上大きくするとドラフ
ト切れが多発するため実際的でない。またノズル孔径を
小さくし、吐出量を下げることによりある程度の細デニ
ール化が達成できるが、生産性の低下は避けられない。
また(2)の異形断面繊維、(3)のフィルター長を長
くする場合でも、そのアセテート繊維の生産性は従来通
りであり、高生産性を得ることは難しい。さらに(3)
の場合は使用するアセテート繊維の量が増えるためコス
トが高くなることは避けられない。
に乾式紡糸法により製造されている。乾式紡糸で製造す
る場合、紡糸塔内の加熱雰囲気中で溶剤を蒸発させるた
めに、一定時間滞在する必要があり、紡糸速度の向上に
は限界が生じる。このため、(1)の場合のように繊度
を細くするためには、熟成終了液がノズルより押し出さ
れる速度と巻き取り速度の比で示される紡糸ドラフト比
を大きくする方法がある。しかし通常のタバコフィルタ
ー用アセテート繊維の紡糸ドラフト比は1前後であり、
大きくとも1.5である。これ以上大きくするとドラフ
ト切れが多発するため実際的でない。またノズル孔径を
小さくし、吐出量を下げることによりある程度の細デニ
ール化が達成できるが、生産性の低下は避けられない。
また(2)の異形断面繊維、(3)のフィルター長を長
くする場合でも、そのアセテート繊維の生産性は従来通
りであり、高生産性を得ることは難しい。さらに(3)
の場合は使用するアセテート繊維の量が増えるためコス
トが高くなることは避けられない。
【0007】これらの問題点を解決するために、新規な
タバコフィルター用のセルロースアセテート素材が提案
されている。特にフィブリル状繊維と呼ばれる、多数の
分岐構造を有し繊維の断面構造にも凹凸があり、さらに
繊維側面も非常に隆起の著しい表面構造を有する比表面
積の大きな繊維構造体を用いる方法が提案されている。
タバコフィルター用のセルロースアセテート素材が提案
されている。特にフィブリル状繊維と呼ばれる、多数の
分岐構造を有し繊維の断面構造にも凹凸があり、さらに
繊維側面も非常に隆起の著しい表面構造を有する比表面
積の大きな繊維構造体を用いる方法が提案されている。
【0008】例えば、特公昭50−38720号公報に
比表面積の高いセルロースアセチル誘導体主体繊維とし
て他の繊維を組み合わせることによるシガレット用フィ
ルター素材が提案されている。このフィブリル状繊維構
造体を用いたタバコフィルターは、タバコの煙中に含ま
れるエアロゾルがショートパスすることなく、フィブリ
ル状繊維構造体と衝突を繰り返しながら吸着捕捉される
ことにより、ニコチンやタール分を有効に除去でき優れ
た濾過特性を示す。この特公昭50−38720号公報
の比表面積の高いセルロースジアセテートとセルロース
ジアセテート繊維、あるいは針葉樹パルプの混合したウ
エブを形成し、プラグに成形する方法で得られたシート
は、強度、伸度に乏しく、試験的にプラグを作成するこ
とは可能であるが、工業的な規模でのプラグ製造を考え
ると十分とは言えない。
比表面積の高いセルロースアセチル誘導体主体繊維とし
て他の繊維を組み合わせることによるシガレット用フィ
ルター素材が提案されている。このフィブリル状繊維構
造体を用いたタバコフィルターは、タバコの煙中に含ま
れるエアロゾルがショートパスすることなく、フィブリ
ル状繊維構造体と衝突を繰り返しながら吸着捕捉される
ことにより、ニコチンやタール分を有効に除去でき優れ
た濾過特性を示す。この特公昭50−38720号公報
の比表面積の高いセルロースジアセテートとセルロース
ジアセテート繊維、あるいは針葉樹パルプの混合したウ
エブを形成し、プラグに成形する方法で得られたシート
は、強度、伸度に乏しく、試験的にプラグを作成するこ
とは可能であるが、工業的な規模でのプラグ製造を考え
ると十分とは言えない。
【0009】さらに、特開昭53−45468号公報に
は、フィブリル状のセルロースエステル成型物とセルロ
ースエステル短繊維の混合物をシート状に成形したの
ち、タバコフィルター用ロッドに成形する方法が提案さ
れている。すなわち、フィブリル状のセルロースエステ
ルを利用することにより、高い比表面積を有する該繊維
をセルロースエステル短繊維と混ぜることで比表面積の
高い、高濾過特性を有するフィルターロッドを成形する
が可能で、ロット成型時のシート強度を向上させること
が提案されている。このようなフィブリル状セルロース
エステルを含有するシートを工業的な規模でタバコフィ
ルターに成型する方法は、紙フィルターを製造する方法
と同様、シートに縦方向にしわ付けを行うクレープ加工
を施し、シートに柔軟性と嵩高性とを付与し、均一な円
棒状に成型し、巻き紙でプラグに巻き上げることによっ
て製造する。ロール状のシートの巻き出し、クレープ加
工の際には、シートに張力がかかるが、特開昭53−4
5468号公報のシート強度は1300gf/50mm
以下であり、フィルターになるシートの全巾を200m
mと推定すると、全巾での強度は5.2kgf以下に換
算される。この強度ではシートを巻き上げる際のシート
の切断が起こりやすく、均一な円棒状に成型するために
必要なクレープ加工を充分に施すことができず、シート
強度が十分であるとは言えない。
は、フィブリル状のセルロースエステル成型物とセルロ
ースエステル短繊維の混合物をシート状に成形したの
ち、タバコフィルター用ロッドに成形する方法が提案さ
れている。すなわち、フィブリル状のセルロースエステ
ルを利用することにより、高い比表面積を有する該繊維
をセルロースエステル短繊維と混ぜることで比表面積の
高い、高濾過特性を有するフィルターロッドを成形する
が可能で、ロット成型時のシート強度を向上させること
が提案されている。このようなフィブリル状セルロース
エステルを含有するシートを工業的な規模でタバコフィ
ルターに成型する方法は、紙フィルターを製造する方法
と同様、シートに縦方向にしわ付けを行うクレープ加工
を施し、シートに柔軟性と嵩高性とを付与し、均一な円
棒状に成型し、巻き紙でプラグに巻き上げることによっ
て製造する。ロール状のシートの巻き出し、クレープ加
工の際には、シートに張力がかかるが、特開昭53−4
5468号公報のシート強度は1300gf/50mm
以下であり、フィルターになるシートの全巾を200m
mと推定すると、全巾での強度は5.2kgf以下に換
算される。この強度ではシートを巻き上げる際のシート
の切断が起こりやすく、均一な円棒状に成型するために
必要なクレープ加工を充分に施すことができず、シート
強度が十分であるとは言えない。
【0010】例えば、セルロースアセテート繊維束の強
力は10〜20kgf程度であり、また紙フィルター原
料の紙は2kgf/15mm程度で、フィルターになる
紙の全巾を200mmとすると全巾での強度は27kg
fと換算され、特開昭53−45468号公報のシート
よりもはるかに強力が高い。
力は10〜20kgf程度であり、また紙フィルター原
料の紙は2kgf/15mm程度で、フィルターになる
紙の全巾を200mmとすると全巾での強度は27kg
fと換算され、特開昭53−45468号公報のシート
よりもはるかに強力が高い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、エアーフィルター、特にタバコフィルター用途であ
って、タバコのニコチン成分とタール成分の除去率を高
めるために必要な高い比表面積を有し、工業的な製造に
耐えるだけのシート強度を有し、均一な円棒状に成型す
るために必要なクレープ加工が十分に実施でき、良好な
タバコの香喫味が得られるセルロースエステルを含有す
るシート状物を提供することにある。
は、エアーフィルター、特にタバコフィルター用途であ
って、タバコのニコチン成分とタール成分の除去率を高
めるために必要な高い比表面積を有し、工業的な製造に
耐えるだけのシート強度を有し、均一な円棒状に成型す
るために必要なクレープ加工が十分に実施でき、良好な
タバコの香喫味が得られるセルロースエステルを含有す
るシート状物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、セルロースエステルを20重量%以
上、叩解パルプを30重量%以上含有し、少なくとも1
方向の引張強度が800gf/15mm以上、比表面積
が1.5m2/g以上であることを特徴とするシート状
物を主要な構成としている。
めに、本発明は、セルロースエステルを20重量%以
上、叩解パルプを30重量%以上含有し、少なくとも1
方向の引張強度が800gf/15mm以上、比表面積
が1.5m2/g以上であることを特徴とするシート状
物を主要な構成としている。
【0013】ここで、セルロースエステルの含有量が2
0重量%未満では、セルロースエステルが有する良好な
タバコの香喫味の特性を損なうので、セルロースエステ
ルの含有量を20重量%以上とする必要がある。また、
叩解パルプを含有させるのは、パルプの有する水酸基に
よる水素結合力と、叩解による繊維どうしのからみによ
る力とで、十分なシート強度を得るためである。本発明
により得られるシートの引張強度は800gf/15m
m以上である。フィルターになるシートの全巾を200
mmとすると、全巾でのシート強度は11kgfに換算
され、巻き上げ時のシートの切断を起こすことがなく、
均一な円棒状に成型するために必要なクレープ加工を十
分に施すことができる。叩解パルプが30重量%未満で
あるとシート強度が低下し、巻き上げ時にシートが切断
し、十分なクレープ加工を施すことができずにクレープ
加工時にシートの破断を生じ、プラグに巻き上げること
が困難になるので、叩解パルプの含有量は30重量%以
上が必要である。
0重量%未満では、セルロースエステルが有する良好な
タバコの香喫味の特性を損なうので、セルロースエステ
ルの含有量を20重量%以上とする必要がある。また、
叩解パルプを含有させるのは、パルプの有する水酸基に
よる水素結合力と、叩解による繊維どうしのからみによ
る力とで、十分なシート強度を得るためである。本発明
により得られるシートの引張強度は800gf/15m
m以上である。フィルターになるシートの全巾を200
mmとすると、全巾でのシート強度は11kgfに換算
され、巻き上げ時のシートの切断を起こすことがなく、
均一な円棒状に成型するために必要なクレープ加工を十
分に施すことができる。叩解パルプが30重量%未満で
あるとシート強度が低下し、巻き上げ時にシートが切断
し、十分なクレープ加工を施すことができずにクレープ
加工時にシートの破断を生じ、プラグに巻き上げること
が困難になるので、叩解パルプの含有量は30重量%以
上が必要である。
【0014】本発明においては、セルロースエステル中
に幅0.1μm〜30μm、長さ10μm〜10mmの
フィブリル状物、及び/又はフィルム状物から構成さ
れ、1000μm以上の長さを有するフィブリル状物、
及び/又はフィルム状物の割合が5重量%以上であり、
比表面積が4m2/g以上であり、かつ篩い分け試験
(JIS P−8207)における150メッシュ通過
分が10重量%以下であるフィブリル含有セルロースエ
ステル含まれることが好ましい。
に幅0.1μm〜30μm、長さ10μm〜10mmの
フィブリル状物、及び/又はフィルム状物から構成さ
れ、1000μm以上の長さを有するフィブリル状物、
及び/又はフィルム状物の割合が5重量%以上であり、
比表面積が4m2/g以上であり、かつ篩い分け試験
(JIS P−8207)における150メッシュ通過
分が10重量%以下であるフィブリル含有セルロースエ
ステル含まれることが好ましい。
【0015】フィブリル含有セルロースエステル、すな
わち、フィブリル状物、及び/又はフィルム状物の割合
は、セルロースエステル全体に対して20重量%以上で
あることが好ましい。
わち、フィブリル状物、及び/又はフィルム状物の割合
は、セルロースエステル全体に対して20重量%以上で
あることが好ましい。
【0016】セルロースエステルとして、好ましくはセ
ルロースアセテート、さらに好ましくはセルロースジア
セテートを用いる。セルロースエステル中には、光分解
促進剤として二酸化チタンを含有していても良い。特
に、本発明のフィブリル状物、及び/又はフィルム状物
は、幅が細く、比表面積が大きいことから、光分解促進
剤を含有することにより、容易に分解が進行する。二酸
化チタンとしては、未被覆のアナターゼ型二酸化チタン
が光分解の性能に優れていることが知られている。光分
解促進剤の含有量はセルロースエステル対して10重量
%以下、好ましくは、約0.05〜5.0重量%であ
る。このような、二酸化チタンの平均粒子径は、100
nm以下であることが好ましい。
ルロースアセテート、さらに好ましくはセルロースジア
セテートを用いる。セルロースエステル中には、光分解
促進剤として二酸化チタンを含有していても良い。特
に、本発明のフィブリル状物、及び/又はフィルム状物
は、幅が細く、比表面積が大きいことから、光分解促進
剤を含有することにより、容易に分解が進行する。二酸
化チタンとしては、未被覆のアナターゼ型二酸化チタン
が光分解の性能に優れていることが知られている。光分
解促進剤の含有量はセルロースエステル対して10重量
%以下、好ましくは、約0.05〜5.0重量%であ
る。このような、二酸化チタンの平均粒子径は、100
nm以下であることが好ましい。
【0017】また、叩解パルプは、木材パルプ、綿パル
プ、麻パルプの少なくとも1種のパルプを叩解したもの
を用いるのが好ましい。
プ、麻パルプの少なくとも1種のパルプを叩解したもの
を用いるのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のセルロースエステルの具
体例としては、セルロース(モノ)アセテート、セルロ
ースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロ
ースアセテートブチレート、ベンジルセルロース、又は
これらの混合物が挙げられるが、好ましくはセルロース
アセテート、更に好ましくは、セルロースジアセテート
が選ばれる。
体例としては、セルロース(モノ)アセテート、セルロ
ースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロ
ースアセテートブチレート、ベンジルセルロース、又は
これらの混合物が挙げられるが、好ましくはセルロース
アセテート、更に好ましくは、セルロースジアセテート
が選ばれる。
【0019】本発明でいう”フィブリル含有セルロース
エステル”とは、約0.1μm〜約100μmの太さか
らなる無数の微細な繊維が枝分かれした構造を有する繊
維及びその集合体を意味するものであって、繊維の長さ
は数十μm〜10mmの範囲にある。さらに、幅0.1
μm〜30μm、長さ10μm〜10mmのフィブリル
状物、及び/又はフィルム状物から構成され、1000
μm以上の長さを有するフィブリル状物、及び/又はフ
ィルム状物の割合が5重量%以上、比表面積が4m2/
g以上であり、かつ篩い分け試験(JIS P−820
7)における150メッシュ通過分が10重量%以下の
ものが好適に使用される。
エステル”とは、約0.1μm〜約100μmの太さか
らなる無数の微細な繊維が枝分かれした構造を有する繊
維及びその集合体を意味するものであって、繊維の長さ
は数十μm〜10mmの範囲にある。さらに、幅0.1
μm〜30μm、長さ10μm〜10mmのフィブリル
状物、及び/又はフィルム状物から構成され、1000
μm以上の長さを有するフィブリル状物、及び/又はフ
ィルム状物の割合が5重量%以上、比表面積が4m2/
g以上であり、かつ篩い分け試験(JIS P−820
7)における150メッシュ通過分が10重量%以下の
ものが好適に使用される。
【0020】本発明で用いるフィブリル含有セルロース
エステルは、次のような方法によって製造される。フィ
ブリル含有セルロースエステルを製造する際に用いるセ
ルロースエステルの溶媒としては、塩化メチレン、アセ
トン、酢酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等の単独溶剤、或いは塩化メチレンとメタノール等
の混合溶媒を用いることができるが、残存溶剤の問題を
考慮するとアセトンを使用することが最も好ましい。特
に、セルロースエステルが、セルロースジアセテートの
場合、溶解性の点からも、溶媒にアセトンを用いて行う
ことが好ましい。
エステルは、次のような方法によって製造される。フィ
ブリル含有セルロースエステルを製造する際に用いるセ
ルロースエステルの溶媒としては、塩化メチレン、アセ
トン、酢酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等の単独溶剤、或いは塩化メチレンとメタノール等
の混合溶媒を用いることができるが、残存溶剤の問題を
考慮するとアセトンを使用することが最も好ましい。特
に、セルロースエステルが、セルロースジアセテートの
場合、溶解性の点からも、溶媒にアセトンを用いて行う
ことが好ましい。
【0021】セルロースエステル溶液の濃度は18重量
%以上であることが好ましい。 この理由が溶液濃度以
外の賦形条件によっても異なるが、溶液の固形分が18
重量%未満では得られた賦形体の長さが不十分になるた
めである。 さらに、好ましくは21重量%以上であ
り、工業的な意味から洗浄、溶剤回収等の後工程の効率
を上げることができる。また、酸化チタン等の白色顔料
や水等の凝固剤を予め溶液中に添加することも可能であ
る。
%以上であることが好ましい。 この理由が溶液濃度以
外の賦形条件によっても異なるが、溶液の固形分が18
重量%未満では得られた賦形体の長さが不十分になるた
めである。 さらに、好ましくは21重量%以上であ
り、工業的な意味から洗浄、溶剤回収等の後工程の効率
を上げることができる。また、酸化チタン等の白色顔料
や水等の凝固剤を予め溶液中に添加することも可能であ
る。
【0022】次に、セルロースエステルを溶媒に溶解し
た紡糸原液を紡糸吐出口を通して混合セル内に吐出す
る。ここで用いる紡糸吐出口の口径は溶液の吐出量によ
って適宜選択が可能であるが、30μm〜0.5mm、
好ましくは0.1mm〜0.3mmである。吐出口の形
は特に限定するものではないが、多葉状断面好ましく
は、Y字、+字、又は矩形断面を有する吐出口を使用す
ることで、比表面積を維持しつつ、繊維形態を改善する
ことが可能となり、さらに高いポリマー濃度の原液から
本発明繊維を効率的に製造することが可能となる。また
複数の吐出口から混合セルに吐出することも可能であ
る。
た紡糸原液を紡糸吐出口を通して混合セル内に吐出す
る。ここで用いる紡糸吐出口の口径は溶液の吐出量によ
って適宜選択が可能であるが、30μm〜0.5mm、
好ましくは0.1mm〜0.3mmである。吐出口の形
は特に限定するものではないが、多葉状断面好ましく
は、Y字、+字、又は矩形断面を有する吐出口を使用す
ることで、比表面積を維持しつつ、繊維形態を改善する
ことが可能となり、さらに高いポリマー濃度の原液から
本発明繊維を効率的に製造することが可能となる。また
複数の吐出口から混合セルに吐出することも可能であ
る。
【0023】また同時に、水蒸気をセルロースエステル
の紡糸原液の吐出線方向に対して0度以上、90度未満
の角度で混合セル内に噴出させる。水蒸気の噴出角度を
上記範囲に設定することで、凝固されたセルロースエス
テル、溶媒および水からなる懸濁液をすみやかに混合セ
ルの出口から排出することが可能となる。さらに、比表
面積の高い凝固体をえるためには、水蒸気の噴出角度
を、20度から80度、より好ましくは30度から70
度の範囲に設定する必要がある。この範囲内で両液を吐
出することによって、混合セルに吐出されるセルロース
エステルの紡糸原液と水蒸気が十分混合され、これら混
合液は、すみやかに、剪断流となり、混合セルを通るこ
とによって比表面積の高い凝固体を得ることが可能とな
る。セルロースエステルの紡糸原液の吐出線と水蒸気の
噴出線が並行な場合、すなわち両者のなす角度が0度の
場合、セルロースエステルの紡糸原液と水蒸気の混合が
不十分となるが、十分な長さの混合セルを設けることに
よって、比表面積の高いフィブリル含有セルロースエス
テルの凝固体を得ることが可能である。
の紡糸原液の吐出線方向に対して0度以上、90度未満
の角度で混合セル内に噴出させる。水蒸気の噴出角度を
上記範囲に設定することで、凝固されたセルロースエス
テル、溶媒および水からなる懸濁液をすみやかに混合セ
ルの出口から排出することが可能となる。さらに、比表
面積の高い凝固体をえるためには、水蒸気の噴出角度
を、20度から80度、より好ましくは30度から70
度の範囲に設定する必要がある。この範囲内で両液を吐
出することによって、混合セルに吐出されるセルロース
エステルの紡糸原液と水蒸気が十分混合され、これら混
合液は、すみやかに、剪断流となり、混合セルを通るこ
とによって比表面積の高い凝固体を得ることが可能とな
る。セルロースエステルの紡糸原液の吐出線と水蒸気の
噴出線が並行な場合、すなわち両者のなす角度が0度の
場合、セルロースエステルの紡糸原液と水蒸気の混合が
不十分となるが、十分な長さの混合セルを設けることに
よって、比表面積の高いフィブリル含有セルロースエス
テルの凝固体を得ることが可能である。
【0024】この混合セルで、セルロースエステル紡糸
原液と水蒸気の混合により、該混合液に剪断が与えら
れ、セルロースエステルの凝固が行われる。ここで、凝
固とはセルロースエステル紡糸原液から凝固体を形成せ
しめる最小限の溶媒と凝固剤の置換を意味するものであ
り、凝固体は溶媒を含有したゲル状態をも含むものであ
る。
原液と水蒸気の混合により、該混合液に剪断が与えら
れ、セルロースエステルの凝固が行われる。ここで、凝
固とはセルロースエステル紡糸原液から凝固体を形成せ
しめる最小限の溶媒と凝固剤の置換を意味するものであ
り、凝固体は溶媒を含有したゲル状態をも含むものであ
る。
【0025】ここでいう混合セルとは、具体的にはセル
ロースエステル紡糸原液と水蒸気が接触した位置から下
方部に設けられた、ある一定の長さを有する隙間であ
り、その長さは、100mm以下、好ましくは1mm〜
30mmである。混合セルを短くすると得られる凝固体
はフィルム状を呈する様になり比表面積の小さな凝固体
となる。 さらに、混合セルの長さが0.1mm未満の
場合、水蒸気により凝固されたセルロースエステルの一
部が混合セル吐出口周辺に付着し、混合セル吐出口を閉
塞しやすくなり、好ましくない。0.1mm以上の長さ
を有することで凝固したセルロースエステルは水蒸気に
よる剪断流によって混合セルの出口よりすみやかに排出
することができる。一方、混合セルを長くすると、セル
ロースエステル紡糸原液と水蒸気が十分混合され、ま
た、十分な剪断を受け、得られる凝固体はフィブリル状
の繊維となり、比表面積の大きな凝固体を形成する。し
かしながら、必要以上に長くすると生成するフィブリル
状の繊維によって詰まりが発生し易くなり、工業的には
問題となり、100mm以下が好ましい。
ロースエステル紡糸原液と水蒸気が接触した位置から下
方部に設けられた、ある一定の長さを有する隙間であ
り、その長さは、100mm以下、好ましくは1mm〜
30mmである。混合セルを短くすると得られる凝固体
はフィルム状を呈する様になり比表面積の小さな凝固体
となる。 さらに、混合セルの長さが0.1mm未満の
場合、水蒸気により凝固されたセルロースエステルの一
部が混合セル吐出口周辺に付着し、混合セル吐出口を閉
塞しやすくなり、好ましくない。0.1mm以上の長さ
を有することで凝固したセルロースエステルは水蒸気に
よる剪断流によって混合セルの出口よりすみやかに排出
することができる。一方、混合セルを長くすると、セル
ロースエステル紡糸原液と水蒸気が十分混合され、ま
た、十分な剪断を受け、得られる凝固体はフィブリル状
の繊維となり、比表面積の大きな凝固体を形成する。し
かしながら、必要以上に長くすると生成するフィブリル
状の繊維によって詰まりが発生し易くなり、工業的には
問題となり、100mm以下が好ましい。
【0026】混合セルの大きさは特に限定するものでは
ないが、形成された繊維による詰まりを防止する上で、
円筒状の形状を有する場合好ましくは1mmφ以上、矩
形のスリットの場合でも1mm以上の大きさが必要であ
る。また、混合セルの形状は上記の如く十分長さを有す
るものであればよく、断面の形状が円形、矩形等どのよ
うな形であっても本発明の繊維を得ることができる。本
発明に必要な要件を満足するものであれば、混合セルの
出口方向へ断面積を小さくすること、また逆に大きくす
ること、さらに先端を丸くし、排出口を広げることも可
能である。但し、混合セルの大きさは必要な水蒸気の線
流速を得る上であまり大きいと好ましくない。
ないが、形成された繊維による詰まりを防止する上で、
円筒状の形状を有する場合好ましくは1mmφ以上、矩
形のスリットの場合でも1mm以上の大きさが必要であ
る。また、混合セルの形状は上記の如く十分長さを有す
るものであればよく、断面の形状が円形、矩形等どのよ
うな形であっても本発明の繊維を得ることができる。本
発明に必要な要件を満足するものであれば、混合セルの
出口方向へ断面積を小さくすること、また逆に大きくす
ること、さらに先端を丸くし、排出口を広げることも可
能である。但し、混合セルの大きさは必要な水蒸気の線
流速を得る上であまり大きいと好ましくない。
【0027】水蒸気の線流速は水蒸気の噴出流量、及び
混合セルの大きさによって変化するが、本発明において
は水蒸気の線流速は、100m/sec.以上が好まし
い。100m/sec.以下では十分な比表面積を有す
る凝固体が得られ難く、混合セルの長さによってもこと
なるが、混合セル内での詰まりを発生しやすくなる。逆
に線流速を上げると比表面積の高い凝固体を得ることが
できるが、線流速を上げるために必要以上に水蒸気を使
用することは工業的な面で経済的でない。また、混合セ
ルの断面積を小さくして線流速を高めることも可能であ
るが、前述したように極度な断面積の縮小は詰まりの原
因となり好ましくない。水蒸気の噴出流量は混合セル内
の剪断を与える一方、セルロースエステル紡糸原液との
接触によりセルロースエステルを凝固せしめる役割を有
している。凝固を十分行う上での水蒸気の適切な量は、
紡糸原液の濃度、紡糸原液の吐出量によって変化する
が、本発明において、混合セル内での水蒸気の線流速が
100m/sec.であれば十分である。
混合セルの大きさによって変化するが、本発明において
は水蒸気の線流速は、100m/sec.以上が好まし
い。100m/sec.以下では十分な比表面積を有す
る凝固体が得られ難く、混合セルの長さによってもこと
なるが、混合セル内での詰まりを発生しやすくなる。逆
に線流速を上げると比表面積の高い凝固体を得ることが
できるが、線流速を上げるために必要以上に水蒸気を使
用することは工業的な面で経済的でない。また、混合セ
ルの断面積を小さくして線流速を高めることも可能であ
るが、前述したように極度な断面積の縮小は詰まりの原
因となり好ましくない。水蒸気の噴出流量は混合セル内
の剪断を与える一方、セルロースエステル紡糸原液との
接触によりセルロースエステルを凝固せしめる役割を有
している。凝固を十分行う上での水蒸気の適切な量は、
紡糸原液の濃度、紡糸原液の吐出量によって変化する
が、本発明において、混合セル内での水蒸気の線流速が
100m/sec.であれば十分である。
【0028】水蒸気の噴出位置は本発明に必要な要件を
満足するものであれば、セルロースエステル紡糸原液の
吐出線の円周状または内部から噴出することができる
が、セルロースエステル紡糸原液の吐出口と水蒸気の噴
出口は両液の混合を効果的に行う上でできるだけ接近し
ている構造が望ましい。しかしながら、必要以上に近す
ぎると形成される凝固物によって水蒸気の噴出口を閉塞
しやすくなるので、セルロースエステル紡糸原液の吐出
口の最外周位置と水蒸気の噴出口の最外周位置との距離
を0.8mm以上になるように設計することが好まし
い。形成されたフィブリル含有セルロースエステルの凝
固体、溶媒及び水蒸気の混合流体は、混合セル出口よ
り、水又は水と該セルロースエステルの溶媒の混合溶媒
からなる凝固液中に排出される。混合セルより排出され
たセルロースエステルの凝固体は溶媒により膨潤状態に
ある場合が多く、直接積層を行なうと形成されたフィブ
リル繊維同士が融着し、比表面積の低下を引き起こす原
因となり好ましくない。
満足するものであれば、セルロースエステル紡糸原液の
吐出線の円周状または内部から噴出することができる
が、セルロースエステル紡糸原液の吐出口と水蒸気の噴
出口は両液の混合を効果的に行う上でできるだけ接近し
ている構造が望ましい。しかしながら、必要以上に近す
ぎると形成される凝固物によって水蒸気の噴出口を閉塞
しやすくなるので、セルロースエステル紡糸原液の吐出
口の最外周位置と水蒸気の噴出口の最外周位置との距離
を0.8mm以上になるように設計することが好まし
い。形成されたフィブリル含有セルロースエステルの凝
固体、溶媒及び水蒸気の混合流体は、混合セル出口よ
り、水又は水と該セルロースエステルの溶媒の混合溶媒
からなる凝固液中に排出される。混合セルより排出され
たセルロースエステルの凝固体は溶媒により膨潤状態に
ある場合が多く、直接積層を行なうと形成されたフィブ
リル繊維同士が融着し、比表面積の低下を引き起こす原
因となり好ましくない。
【0029】凝固液中の溶媒濃度は特に限定するもので
はないが、形成されたフィブリル含有セルロースエステ
ルの凝固体が膨潤しない範囲であれば、本発明に用いる
に際して好適な素材を製造することができ、概ね溶媒濃
度が50重量%以下が好ましい。混合セルより凝固液中
へ排出されたフィブリル含有セルロースエステルの凝固
体は、公知の方法による洗浄を行うことによって湿潤し
た形態、さらに乾燥を施すことによって乾燥した形態の
素材をえることができる。
はないが、形成されたフィブリル含有セルロースエステ
ルの凝固体が膨潤しない範囲であれば、本発明に用いる
に際して好適な素材を製造することができ、概ね溶媒濃
度が50重量%以下が好ましい。混合セルより凝固液中
へ排出されたフィブリル含有セルロースエステルの凝固
体は、公知の方法による洗浄を行うことによって湿潤し
た形態、さらに乾燥を施すことによって乾燥した形態の
素材をえることができる。
【0030】図1に本発明に用いられる紡糸吐出口と水
蒸気噴出口と混合セルからなるノズルを示すが、セルロ
ースエステル紡糸原液と水蒸気の噴出線と角度は原液流
路の中心線と水蒸気流路の中心線の角度が0度以上90
度未満に設計することによって行なうことができる。そ
れ以外のノズル形状は特に限定するものではない。たと
えば、セルロースエステルの紡糸原液の吐出口を複数設
けたり、セルロースエステルの紡糸原液吐出口と凝固剤
流体の噴出口は1対1で対応している複数のユニットを
1つの混合セルで対応させたノズルを使用し、高生産化
を図ることも、本発明の要件を満足するものであれば可
能である。
蒸気噴出口と混合セルからなるノズルを示すが、セルロ
ースエステル紡糸原液と水蒸気の噴出線と角度は原液流
路の中心線と水蒸気流路の中心線の角度が0度以上90
度未満に設計することによって行なうことができる。そ
れ以外のノズル形状は特に限定するものではない。たと
えば、セルロースエステルの紡糸原液の吐出口を複数設
けたり、セルロースエステルの紡糸原液吐出口と凝固剤
流体の噴出口は1対1で対応している複数のユニットを
1つの混合セルで対応させたノズルを使用し、高生産化
を図ることも、本発明の要件を満足するものであれば可
能である。
【0031】1はセルロースエステルの紡糸原液の流
路、2はセルロースエステルの紡糸原液の吐出口、3は
水蒸気の流入口、4は水蒸気流路、5は混合セル、6は
混合セルの出口をそれぞれ示す。線はセルロースエス
テルの紡糸原液の吐出線方向、線は凝固剤流体の噴射
線方向を示し、角は両者のなす角度をしめす。図2
は、ノズルの吐出口を示したものであるが、Y字断面の
吐出口を用いることが好ましい。
路、2はセルロースエステルの紡糸原液の吐出口、3は
水蒸気の流入口、4は水蒸気流路、5は混合セル、6は
混合セルの出口をそれぞれ示す。線はセルロースエス
テルの紡糸原液の吐出線方向、線は凝固剤流体の噴射
線方向を示し、角は両者のなす角度をしめす。図2
は、ノズルの吐出口を示したものであるが、Y字断面の
吐出口を用いることが好ましい。
【0032】セルロースエステルの紡糸原液は、例えば
セルロースジアセテートのフレークをアセトンに分散混
合し、加熱溶解することによって容易に調製することが
可能である。かくして得られたセルロースエステルの紡
糸原液は通常工業的に用いられる高粘度溶液を押し出す
ギヤポンプ又は押し出し機によって、窒素加圧下で押し
出し、図1に示したノズルへ定量供給を行う。紡糸原液
は、ノズルへ供給されるセルロースエステル溶液の流路
1を通過した後、吐出口2より混合セル5へ押し出され
る。
セルロースジアセテートのフレークをアセトンに分散混
合し、加熱溶解することによって容易に調製することが
可能である。かくして得られたセルロースエステルの紡
糸原液は通常工業的に用いられる高粘度溶液を押し出す
ギヤポンプ又は押し出し機によって、窒素加圧下で押し
出し、図1に示したノズルへ定量供給を行う。紡糸原液
は、ノズルへ供給されるセルロースエステル溶液の流路
1を通過した後、吐出口2より混合セル5へ押し出され
る。
【0033】更にセルロースエステル紡糸原液を供給す
ると同時に、水蒸気を流入口3より供給する。供給され
た水蒸気はスリット状の流路4を通じて混合セル5へ噴
射され、セルロースエステルの紡糸原液と混合される。
混合セル内でセルロースエステルは剪断流速下で凝固
し、フィブリル状、フィルム状の凝固体となり、出口6
より排出される。このようにして得た凝固体は、さらに
凝固液中へ排出され、公知の方法で溶媒を除去すること
によって本発明に用いるフィブリル含有セルロースエス
テルを得ることができる。
ると同時に、水蒸気を流入口3より供給する。供給され
た水蒸気はスリット状の流路4を通じて混合セル5へ噴
射され、セルロースエステルの紡糸原液と混合される。
混合セル内でセルロースエステルは剪断流速下で凝固
し、フィブリル状、フィルム状の凝固体となり、出口6
より排出される。このようにして得た凝固体は、さらに
凝固液中へ排出され、公知の方法で溶媒を除去すること
によって本発明に用いるフィブリル含有セルロースエス
テルを得ることができる。
【0034】本発明のセルロースエステルは、ニコチン
成分やタール成分を吸着/濾過するために十分な比表面
積と、タバコフィルターに加工するために適した物性を
兼ね備えている必要がある。
成分やタール成分を吸着/濾過するために十分な比表面
積と、タバコフィルターに加工するために適した物性を
兼ね備えている必要がある。
【0035】現在タバコフィルター用に使用されている
セルロースアセテートトウの比表面積は高々0.3m2
/g、さらにセルロースパルプを使用したタバコフィル
ターにおいても1m2/g程度であり、本発明のセルロ
ースエステルシートの比表面積は1.5m2/g以上で
あるので、ニコチンやタールを吸着/濾過する性能を十
分発揮できる。本発明のセルロースエステルシートの比
表面積を1.5m2/g以上を確保するためには、フィ
ブリル含有セルロースエステルの比表面積は4m2/g
以上必要である。
セルロースアセテートトウの比表面積は高々0.3m2
/g、さらにセルロースパルプを使用したタバコフィル
ターにおいても1m2/g程度であり、本発明のセルロ
ースエステルシートの比表面積は1.5m2/g以上で
あるので、ニコチンやタールを吸着/濾過する性能を十
分発揮できる。本発明のセルロースエステルシートの比
表面積を1.5m2/g以上を確保するためには、フィ
ブリル含有セルロースエステルの比表面積は4m2/g
以上必要である。
【0036】本発明のシートの成形方式として好ましい
湿式抄造方式において、セルロースエステルの長さが不
十分だと、シート形成工程において脱落し歩留まりを低
下させる要因となり、経済的でない。また、湿式抄造し
た後の湿潤シート状物を乾燥工程へ連続的に送る工程、
あるいはフィルタープラグに巻き上げる工程ではシート
状物自体の強度が要求される。特に、セルロースエステ
ルからなるシート状物は、セルロースに比べて、疎水性
の置換基により、フィブリル又は/及びフィルム状物相
互の親和性が低く、シート状物としての強度が低くなり
やすい。以上の理由から、本発明に使用されるフィブリ
ル含有セルロースエステルは、幅0.1μm〜30μ
m、長さ10μm〜10mmのフィブリル状物、及び/
又はフィルム状物から構成され、1000μm以上の長
さを有するフィブリル状物、及び/又はフィルム状物の
割合が5重量%以上であり、かつ篩い分け試験(JIS
P−8207)における150メッシュ通過分が10
重量%以下のものが好適に使用される。
湿式抄造方式において、セルロースエステルの長さが不
十分だと、シート形成工程において脱落し歩留まりを低
下させる要因となり、経済的でない。また、湿式抄造し
た後の湿潤シート状物を乾燥工程へ連続的に送る工程、
あるいはフィルタープラグに巻き上げる工程ではシート
状物自体の強度が要求される。特に、セルロースエステ
ルからなるシート状物は、セルロースに比べて、疎水性
の置換基により、フィブリル又は/及びフィルム状物相
互の親和性が低く、シート状物としての強度が低くなり
やすい。以上の理由から、本発明に使用されるフィブリ
ル含有セルロースエステルは、幅0.1μm〜30μ
m、長さ10μm〜10mmのフィブリル状物、及び/
又はフィルム状物から構成され、1000μm以上の長
さを有するフィブリル状物、及び/又はフィルム状物の
割合が5重量%以上であり、かつ篩い分け試験(JIS
P−8207)における150メッシュ通過分が10
重量%以下のものが好適に使用される。
【0037】セルロースエステル中には、光分解促進剤
として二酸化チタンを含有していても良い。これは、フ
ィブリル含有セルロースエステル製造用の溶液に、公知
の方法で二酸化チタンを分散させることにより得ること
ができる。本発明のシート状物は、上記セルロースエス
テルを、少なくとも20重量%含有させる必要がある。
20重量%未満になると、セルロースエステルの優れた
香喫味特性を損なうためである。
として二酸化チタンを含有していても良い。これは、フ
ィブリル含有セルロースエステル製造用の溶液に、公知
の方法で二酸化チタンを分散させることにより得ること
ができる。本発明のシート状物は、上記セルロースエス
テルを、少なくとも20重量%含有させる必要がある。
20重量%未満になると、セルロースエステルの優れた
香喫味特性を損なうためである。
【0038】本発明のシートは、少なくとも1方向の引
張強度が800gf/15mm以上、さらには伸度2%
以上の要件が充足することが好ましい。この理由は円棒
状のプラグに成形する場合、シートに縦方向にしわ付を
行うクレープ加工を施すことによって柔軟性と嵩高性と
を付与し、均一な円棒状に巻き上げるが、引張強度が8
00gf/15mm未満になると、紙の巻き出しの際に
切断するか、または十分なクレープ加工を施すことがで
きずにクレープ加工時に紙の破断を生じ、プラグに巻き
上げることが困難になるためである。本発明のシート状
物は、セルロースエステルを20重量%以上と、叩解パ
ルプを30重量%以上とからなる混合物を、公知の方法
で湿式抄紙することによって得ることができる。
張強度が800gf/15mm以上、さらには伸度2%
以上の要件が充足することが好ましい。この理由は円棒
状のプラグに成形する場合、シートに縦方向にしわ付を
行うクレープ加工を施すことによって柔軟性と嵩高性と
を付与し、均一な円棒状に巻き上げるが、引張強度が8
00gf/15mm未満になると、紙の巻き出しの際に
切断するか、または十分なクレープ加工を施すことがで
きずにクレープ加工時に紙の破断を生じ、プラグに巻き
上げることが困難になるためである。本発明のシート状
物は、セルロースエステルを20重量%以上と、叩解パ
ルプを30重量%以上とからなる混合物を、公知の方法
で湿式抄紙することによって得ることができる。
【0039】
【実施例】次に本発明を実施例にて具体的に説明する。 (実施例1)パルプとして針葉樹パルプを用い、ビータ
ーでカナダ標準ろ水度525mlまで叩解した。次に、
セルロースジアセテート(ダイセル化学工業社製 MB
H)280gを水分を5重量%含有するアセトン720
gに溶解し、28重量%のセルロースジアセテートのア
セトン溶液を調製した。次いで得られた溶液を40℃に
保ったまま、1.5kg/cm2の窒素加圧下で押し出
し、ギヤポンプを用いて図1に示したノズル部へ定量供
給を行うと同時に水蒸気を供給した。水蒸気の供給量は
減圧弁により供給圧力を規定することにより行なった。
水蒸気量は図1に示すノズルより水蒸気のみを凝固液中
に噴射し、単位時間当たりの重量の増分を求めることに
より測定した。図2に示す様な、Y字断面形状を有する
溶液吐出口、直径が2mmφ、長さが1.5mmの円筒
状の混合セル、水蒸気流路がスリット状で開度を390
μmに調製し、溶液流路の中心線とスリットの中心線と
のなす角度が30度になるように製作したノズルを用
い、セルロースジアセテートのアセトン溶液の供給量を
48.7ml/min、水蒸気の供給圧を2.5kg/
cm2とし、温度30℃の水中へ噴出した。このときの
水蒸気消費量は水換算で150g/minであり、混合
セル内の水蒸気の線流速を計算すると約1350m/s
ec.となった。凝固液中に浮遊したセルロースジアセ
テートの凝固体を捕集し、更に沸騰水中で1時間以上洗
浄を行い、80℃の熱風で乾燥した。この得られた凝固
体を走査型電子顕微鏡を用いて、繊維側面の形態を観察
した。さらに、投写型実体顕微鏡(日本光学社製プロフ
ァイルプロジェクター V−12)を用いて繊維の長さ
方向の形態を観察した。このセルロースジアセテートか
らなるフィブリル含有セルロースエステルは、幅0.1
μm〜30μm、長さ10μm〜10mmのフィブリル
状、フィルム状を呈する集合体であり、このフィブリル
含有セルロースエステルのフィブリルの長さを測定した
ところ、1000μm以上の長さを有するものの割合は
約40%であり、フィブリルが枝分かれした分岐構造を
有していた.さらに、洗浄したフィブリル含有セルロー
スエステルをJIS SP−8207に順じ、節分試験
を行ったところ150メッシユ通通分の割合は3.9重
量%であった。このフィブリル含有セルロースエステル
の比表面積を測定したところ、6.6m2/gであっ
た。
ーでカナダ標準ろ水度525mlまで叩解した。次に、
セルロースジアセテート(ダイセル化学工業社製 MB
H)280gを水分を5重量%含有するアセトン720
gに溶解し、28重量%のセルロースジアセテートのア
セトン溶液を調製した。次いで得られた溶液を40℃に
保ったまま、1.5kg/cm2の窒素加圧下で押し出
し、ギヤポンプを用いて図1に示したノズル部へ定量供
給を行うと同時に水蒸気を供給した。水蒸気の供給量は
減圧弁により供給圧力を規定することにより行なった。
水蒸気量は図1に示すノズルより水蒸気のみを凝固液中
に噴射し、単位時間当たりの重量の増分を求めることに
より測定した。図2に示す様な、Y字断面形状を有する
溶液吐出口、直径が2mmφ、長さが1.5mmの円筒
状の混合セル、水蒸気流路がスリット状で開度を390
μmに調製し、溶液流路の中心線とスリットの中心線と
のなす角度が30度になるように製作したノズルを用
い、セルロースジアセテートのアセトン溶液の供給量を
48.7ml/min、水蒸気の供給圧を2.5kg/
cm2とし、温度30℃の水中へ噴出した。このときの
水蒸気消費量は水換算で150g/minであり、混合
セル内の水蒸気の線流速を計算すると約1350m/s
ec.となった。凝固液中に浮遊したセルロースジアセ
テートの凝固体を捕集し、更に沸騰水中で1時間以上洗
浄を行い、80℃の熱風で乾燥した。この得られた凝固
体を走査型電子顕微鏡を用いて、繊維側面の形態を観察
した。さらに、投写型実体顕微鏡(日本光学社製プロフ
ァイルプロジェクター V−12)を用いて繊維の長さ
方向の形態を観察した。このセルロースジアセテートか
らなるフィブリル含有セルロースエステルは、幅0.1
μm〜30μm、長さ10μm〜10mmのフィブリル
状、フィルム状を呈する集合体であり、このフィブリル
含有セルロースエステルのフィブリルの長さを測定した
ところ、1000μm以上の長さを有するものの割合は
約40%であり、フィブリルが枝分かれした分岐構造を
有していた.さらに、洗浄したフィブリル含有セルロー
スエステルをJIS SP−8207に順じ、節分試験
を行ったところ150メッシユ通通分の割合は3.9重
量%であった。このフィブリル含有セルロースエステル
の比表面積を測定したところ、6.6m2/gであっ
た。
【0040】このフィブリル含有セルロースエステル5
0重量部と叩解パルプ50重量部とを水中で混合し、粘
剤にPoly Ethylene Oxide系高分子
を添加した後、湿式抄造方式でシート化を行った。抄紙
方式は丸網で行い、乾燥方式はヤンキードライヤーにて
連続的に乾燥を行った。乾燥温度は110℃、巻取速度
は10m/minで行った。得られたシートの坪量、比
表面積、伸び、引張強度を表1に示す。このシートは巻
き上げ時に破断することなく巻き上げることができた。
0重量部と叩解パルプ50重量部とを水中で混合し、粘
剤にPoly Ethylene Oxide系高分子
を添加した後、湿式抄造方式でシート化を行った。抄紙
方式は丸網で行い、乾燥方式はヤンキードライヤーにて
連続的に乾燥を行った。乾燥温度は110℃、巻取速度
は10m/minで行った。得られたシートの坪量、比
表面積、伸び、引張強度を表1に示す。このシートは巻
き上げ時に破断することなく巻き上げることができた。
【0041】(実施例2)実施例1と同様の方法でセル
ロースジアセテートからなるフィブリル含有セルロース
エステルを調製し、フィブリル含有セルロースエステル
70重量部と叩解パルプ30重量部とを水中で混合し、
粘剤にPoly Ethylene Oxide系高分
子を添加した後、湿式抄造方式でシート化を行った。抄
紙方式は丸網で行い、乾燥方式はヤンキードライヤーに
て連続的に乾燥を行った。乾燥温度は110℃、巻取速
度は10m/minで行った。得られたシートの坪量、
比表面積、伸び、引張強度を表1に示す。このシートは
巻き上げ時に破断することなく巻き上げることができ
た。
ロースジアセテートからなるフィブリル含有セルロース
エステルを調製し、フィブリル含有セルロースエステル
70重量部と叩解パルプ30重量部とを水中で混合し、
粘剤にPoly Ethylene Oxide系高分
子を添加した後、湿式抄造方式でシート化を行った。抄
紙方式は丸網で行い、乾燥方式はヤンキードライヤーに
て連続的に乾燥を行った。乾燥温度は110℃、巻取速
度は10m/minで行った。得られたシートの坪量、
比表面積、伸び、引張強度を表1に示す。このシートは
巻き上げ時に破断することなく巻き上げることができ
た。
【0042】
【表1】
【0043】(実施例3)実施例1と同様の方法でセル
ロースジアセテートからなるフィブリル含有セルロース
エステルを調製した。パルプとして針葉樹パルプを用
い、ビーターでカナダ標準ろ水度640mlまで叩解し
た。アセテートフィブリル50重量部と叩解パルプ50
重量部とを水中で混合し、粘剤にPoly Ethyl
ene Oxide系高分子を添加した後、湿式抄造方
式でシート化を行った。抄紙方式は丸網で行い、乾燥方
式はヤンキードライヤーにて連続的に乾燥を行った。乾
燥温度は110℃、巻取速度は40m/minで行っ
た。得られたシートの坪量、比表面積、伸び、引張強度
を表2に示す。このシートは巻き上げ時に破断すること
なく巻き上げることができた。
ロースジアセテートからなるフィブリル含有セルロース
エステルを調製した。パルプとして針葉樹パルプを用
い、ビーターでカナダ標準ろ水度640mlまで叩解し
た。アセテートフィブリル50重量部と叩解パルプ50
重量部とを水中で混合し、粘剤にPoly Ethyl
ene Oxide系高分子を添加した後、湿式抄造方
式でシート化を行った。抄紙方式は丸網で行い、乾燥方
式はヤンキードライヤーにて連続的に乾燥を行った。乾
燥温度は110℃、巻取速度は40m/minで行っ
た。得られたシートの坪量、比表面積、伸び、引張強度
を表2に示す。このシートは巻き上げ時に破断すること
なく巻き上げることができた。
【0044】(実施例4)実施例3で用いた抄紙液に、
ビニロンバインダー繊維 VPB107−1 3mmカ
ット(クラレ製)を5重量部を混合し、粘剤にPoly
Ethylene Oxide系高分子を添加した
後、湿式抄造方式でシート化を行った。抄紙方式は丸網
で行い、乾燥方式はヤンキードライヤーにて連続的に乾
燥を行った。乾燥温度は90℃、巻取速度は32m/m
inで行った。得られたシートの坪量、比表面積、伸
び、引張強度を表2に示す。このシートは巻き上げ時に
破断することなく巻き上げることができた。
ビニロンバインダー繊維 VPB107−1 3mmカ
ット(クラレ製)を5重量部を混合し、粘剤にPoly
Ethylene Oxide系高分子を添加した
後、湿式抄造方式でシート化を行った。抄紙方式は丸網
で行い、乾燥方式はヤンキードライヤーにて連続的に乾
燥を行った。乾燥温度は90℃、巻取速度は32m/m
inで行った。得られたシートの坪量、比表面積、伸
び、引張強度を表2に示す。このシートは巻き上げ時に
破断することなく巻き上げることができた。
【0045】
【表2】
【0046】(実施例5)実施例1と同様の方法でアセ
テートフィブリルを調製した。針葉樹パルプをビーター
でカナダ標準ろ水度470mlまで叩解した。また、麻
パルプをビーターでろ水度580mlまで叩解した。ア
セテートフィブリル50重量部と叩解した針葉樹パルプ
20重量部、叩解した麻パルプ30重量部とを水中で混
合し、手抄きのバッチ抄紙でシート化を行った。得られ
たシートの坪量、伸び、引張強度を表3に示す。
テートフィブリルを調製した。針葉樹パルプをビーター
でカナダ標準ろ水度470mlまで叩解した。また、麻
パルプをビーターでろ水度580mlまで叩解した。ア
セテートフィブリル50重量部と叩解した針葉樹パルプ
20重量部、叩解した麻パルプ30重量部とを水中で混
合し、手抄きのバッチ抄紙でシート化を行った。得られ
たシートの坪量、伸び、引張強度を表3に示す。
【0047】(実施例6)実施例1と同様の方法でセル
ロースジアセテートからなるフィブリル含有セルロース
エステルを調製した。針葉樹パルプをビーターでカナダ
標準ろ水度610mlまで叩解した。また、麻パルプを
ビーターでろ水度580mlまで叩解した。アセテート
フィブリル50重量部と叩解した針葉樹パルプ20重量
部、叩解した麻パルプ30重量部とを水中で混合し、手
抄きのバッチ抄紙でシート化を行った。得られたシート
の坪量、伸び、引張強度を表3に示す。
ロースジアセテートからなるフィブリル含有セルロース
エステルを調製した。針葉樹パルプをビーターでカナダ
標準ろ水度610mlまで叩解した。また、麻パルプを
ビーターでろ水度580mlまで叩解した。アセテート
フィブリル50重量部と叩解した針葉樹パルプ20重量
部、叩解した麻パルプ30重量部とを水中で混合し、手
抄きのバッチ抄紙でシート化を行った。得られたシート
の坪量、伸び、引張強度を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明により、エアーフィルター特にタ
バコフィルター材料において、ニコチン成分とタール成
分の除去率を高めるために必要な高い比表面積を有し、
工業的な製造に耐えるだけのシート強度を有し、均一な
円棒状に成型するために必要なクレープ加工を十分に施
すことができ、良好なタバコの香喫味が得られるセルロ
ースエステルを含有するシート状成型物が得られること
は、工業的な意味が大きい。
バコフィルター材料において、ニコチン成分とタール成
分の除去率を高めるために必要な高い比表面積を有し、
工業的な製造に耐えるだけのシート強度を有し、均一な
円棒状に成型するために必要なクレープ加工を十分に施
すことができ、良好なタバコの香喫味が得られるセルロ
ースエステルを含有するシート状成型物が得られること
は、工業的な意味が大きい。
【図1】本発明に用いられるフィブリル含有セルロース
エステルを製造するに際して用いられるノズルの一例を
示す断面図である。
エステルを製造するに際して用いられるノズルの一例を
示す断面図である。
【図2】本発明に用いられるフィブリル含有セルロース
エステルを製造するに際して用いられるノズルの吐出口
の一例を示す断面図である。
エステルを製造するに際して用いられるノズルの吐出口
の一例を示す断面図である。
1:セルロースエステルの紡糸原液の流路 2:セルロースエステルの紡糸原液の吐出口 3:凝固剤流体の流入口 4:凝固剤流体のスリット 5:混合セル 6:混合セルの出口 :セルロースエステルの紡糸原液の吐出線 :凝固剤流体の噴射線 :とのなす角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A24D 3/10 A24D 3/16 3/16 D01F 2/28 Z D01F 2/28 D21H 5/14 B (72)発明者 宝迫 芳彦 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内
Claims (8)
- 【請求項1】 セルロースエステルを20重量%以上、
叩解パルプを30重量%以上含有し、少なくとも1方向
の引張強度が800gf/15mm以上、比表面積が
1.5m2/g以上であることを特徴とするシート状
物。 - 【請求項2】 セルロースエステル中に幅0.1μm〜
30μm、長さ10μm〜10mmのフィブリル状物、
及び/又はフィルム状物から構成され、1000μm以
上の長さを有するフィブリル状物、及び/又はフィルム
状物の割合が5重量%以上であり、比表面積が4m2/
g以上であり、かつ篩い分け試験(JIS P−820
7)における150メッシュ通過分が10重量%以下で
あるフィブリル含有セルロースエステルを含む請求項1
記載のシート状物。 - 【請求項3】 セルロースエステルがセルロースアセテ
ートである請求項1又は2記載のシート状物。 - 【請求項4】 セルロースアセテートがセルロースジア
セテートである請求項3記載のシート状物。 - 【請求項5】 セルロースエステル中にセルロースエス
テルに対して10重量%以下の光分解促進剤を含有する
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート状物。 - 【請求項6】 光分解促進剤が、100nm以下の平均
粒子径をもつ二酸化チタンである請求項5記載のシート
状物。 - 【請求項7】 100nm以下の平均粒子径をもつ二酸
化チタンの含有量が約0.05〜5.0重量%である請
求項6に記載のシート状物。 - 【請求項8】 叩解パルプが、木材パルプ、綿パルプ、
麻パルプの少なくとも1種のパルプを叩解したものであ
る請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシート状
物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9223899A JPH1161612A (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | シート状物 |
PCT/JP1998/003687 WO1999009250A1 (fr) | 1997-08-20 | 1998-08-20 | Materiau sous forme de feuille et son procede de fabrication |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9223899A JPH1161612A (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | シート状物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1161612A true JPH1161612A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16805459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9223899A Pending JPH1161612A (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | シート状物 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1161612A (ja) |
WO (1) | WO1999009250A1 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004223413A (ja) * | 2003-01-23 | 2004-08-12 | Yuniseru Kk | フィルタ |
JP2013519800A (ja) * | 2010-02-12 | 2013-05-30 | ローディア アセトウ ゲーエムベーハー | 光分解性紙およびその使用 |
US9351520B2 (en) * | 2003-10-27 | 2016-05-31 | Philip Morris Usa Inc. | Cigarettes and cigarette components containing nanostructured fibril materials |
JP2017014638A (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-19 | 株式会社ダイセル | 水崩壊性たばこ巻紙及びその製造方法 |
JP2018096010A (ja) * | 2016-12-16 | 2018-06-21 | 株式会社ダイセル | 抄紙シート及び抄紙シートの製造方法 |
JP2022510456A (ja) * | 2018-12-07 | 2022-01-26 | エスダブリュエム・ルクセンブルク | 紙シート及びこれを作製する方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4748680B1 (ja) * | 1968-04-18 | 1972-12-07 | ||
FR2462111B1 (fr) * | 1979-07-26 | 1988-08-12 | Job Ets Bardou Job Pauilhac | Procede pour la realisation d'une structure filtrante, notamment pour filtres a cigarettes et filtres obtenus |
JP3316309B2 (ja) * | 1993-07-13 | 2002-08-19 | ダイセル化学工業株式会社 | たばこフィルターおよびその製造方法 |
-
1997
- 1997-08-20 JP JP9223899A patent/JPH1161612A/ja active Pending
-
1998
- 1998-08-20 WO PCT/JP1998/003687 patent/WO1999009250A1/ja active Application Filing
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004223413A (ja) * | 2003-01-23 | 2004-08-12 | Yuniseru Kk | フィルタ |
US9351520B2 (en) * | 2003-10-27 | 2016-05-31 | Philip Morris Usa Inc. | Cigarettes and cigarette components containing nanostructured fibril materials |
JP2013519800A (ja) * | 2010-02-12 | 2013-05-30 | ローディア アセトウ ゲーエムベーハー | 光分解性紙およびその使用 |
JP2017008476A (ja) * | 2010-02-12 | 2017-01-12 | ローディア アセトウ ゲーエムベーハー | 光分解性紙およびその使用 |
JP2017014638A (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-19 | 株式会社ダイセル | 水崩壊性たばこ巻紙及びその製造方法 |
JP2018096010A (ja) * | 2016-12-16 | 2018-06-21 | 株式会社ダイセル | 抄紙シート及び抄紙シートの製造方法 |
WO2018110059A1 (ja) * | 2016-12-16 | 2018-06-21 | 株式会社ダイセル | 抄紙シート及び抄紙シートの製造方法 |
KR20190067198A (ko) * | 2016-12-16 | 2019-06-14 | 주식회사 다이셀 | 초지 시트 및 초지 시트의 제조 방법 |
CN110073055A (zh) * | 2016-12-16 | 2019-07-30 | 株式会社大赛璐 | 抄纸片材与抄纸片材的制造方法 |
CN110073055B (zh) * | 2016-12-16 | 2021-11-09 | 株式会社大赛璐 | 抄纸片材与抄纸片材的制造方法 |
JP2022510456A (ja) * | 2018-12-07 | 2022-01-26 | エスダブリュエム・ルクセンブルク | 紙シート及びこれを作製する方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO1999009250A9 (fr) | 1999-08-26 |
WO1999009250A1 (fr) | 1999-02-25 |
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---|---|---|---|
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