JP2000084323A - エアーフィルターとタバコ用フィルター及び同フィルターを備えたタバコシガレット - Google Patents

エアーフィルターとタバコ用フィルター及び同フィルターを備えたタバコシガレット

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JP2000084323A
JP2000084323A JP26131798A JP26131798A JP2000084323A JP 2000084323 A JP2000084323 A JP 2000084323A JP 26131798 A JP26131798 A JP 26131798A JP 26131798 A JP26131798 A JP 26131798A JP 2000084323 A JP2000084323 A JP 2000084323A
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air
cellulose ester
sheet
air filter
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Shiruyoshi Matsumoto
鶴義 松本
Shigeyuki Hirota
恵至 廣田
Teruyuki Yamada
輝之 山田
Katsuhiko Shinada
勝彦 品田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】濾過性能を高めるために必要な高い比表面積を
有し、フィルタープラグを製造する際には作業環境の悪
化や製造中断のトラブルの原因となるダストの発生が少
なく、タバコ用フィルターとして使用した場合にニコチ
ン成分とタール成分の除去率が良好で且つタバコの香喫
味が得られ、フィルターから繊維片が脱落することがな
いエアーフィルターを提供する。 【解決手段】セルロースエステルを含有するエアーフィ
ルターであって、同フィルターに毎秒50mlの空気を
通過させたとき、JIS B9920により測定した空
気中に浮遊する微粒子の個数濃度Xは、フィルター通過
後の個数濃度Xaのフィルター通過前の個数濃度Xbに対
する増加量Xa−Xbが、少なくとも0.5μm以上の
粒径を持つ粒子では1個/l以下、或いは5μm以上の
粒径を持つ粒子では0.1個/l以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なエアーフィル
ターとタバコ用フィルター及び同フィルターを備えたタ
バコシガレットに関する。更に詳しくは、比表面積が大
きく濾過性能に優れ、フィルタープラグ製造の際、微細
な繊維片からなる浮遊ダストの発生が少ないエアーフィ
ルターと、タバコ煙の濾過性能に優れ、香喫味も良好で
あり、タバコシガレットを喫煙する際にも、微細な繊維
片がフィルターから脱落することが少ないタバコ用フィ
ルターと同フィルターを備えたタガコシガレットとに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアーフィルターとして、各種の
繊維を用いたものが知られている。これらのエアーフィ
ルターのうち、タバコ用フィルターとしては、セルロー
スアセテート繊維、レーヨン繊維、又はポリプロピレン
繊維からなるフィルター、紙フィルター、或いはそれら
のフィルターに活性炭微粒子を包み込んだものなどが知
られている。
【0003】これらのタバコ用フィルターの製造方法は
概略次のようである。すなわち、セルロースアセテート
繊維又はポリプロピレン繊維からなるフィルターは、捲
縮のかかった長繊維繊維束を緊張して開繊し、均一な円
棒状に成型し、巻き紙でプラグに巻き上げることによっ
て製造される。レーヨンフィルターも同様に、繊維束を
均一な円棒状に成型して巻き紙でプラグに巻き上げるこ
とによって製造される。また、紙フィルターは、木材パ
ルプからなる紙に縦方向にしわ付けを行うクレープ加工
を施すことによって紙に柔軟性と嵩高性とを付与し、こ
れを均一な円棒状に成型し、巻き紙でプラグに巻き上げ
ることによって製造される。
【0004】このうち、紙フィルター及びレーヨンフィ
ルターはセルロース繊維からなり、後述するセルロース
アセテート繊維からなるフィルターと比べて、タバコの
煙に含まれているニコチン成分やタール成分の吸着性能
に優れたものであるが、香喫味には劣るものである。
【0005】一方、ポリプロピレン繊維からなるフィル
ターは、繊維束を結束する際に使用する接着剤として適
当なものがなく、フィルターの硬さが不十分であり、軟
らかいフィルターとなってしまうといった欠点がある。
また、フィルターの機能として必須であるフェノール類
を選択的に除去するといった性能に劣るという問題もあ
る。
【0006】これに対して、セルロースアセテート繊維
からなるフィルターは、タバコの煙に含まれるニコチン
成分及びタール成分の吸着能力も適当であり、紙フィル
ター、レーヨンフィルター、ポリプロピレンフィルター
と比較して、特に香喫味が良好である。
【0007】このようにセルロースアセテート繊維は特
に香喫味が他のタバコ用フィルターの材料と比較して優
れており、ニコチン成分及びタール成分の吸着能力など
のタバコ用フィルターに要求される各種性能も良好であ
るため、現在ではタバコ用フィルター材料として殆どが
セルロースアセテート、特にセルロースジアセテートが
使用されている。
【0008】ところで、近年になって、喫煙と健康の関
係が非常に大きな問題として取り上げられ、タバコの煙
に含まれるニコチン成分及びタール成分の除去性能を従
来より高めることが強く要請されるようになってきた。
その結果、セルロースアセテート繊維のもつ香喫味が良
好であるといった素材の良さを十分に活かし、且つニコ
チン成分及びタール成分の除去性能を向上させるべく、
種々検討が進められている。
【0009】その具体的な方法として、従来からフィル
ターの吸着面積を増大させる方法が提案されている。フ
ィルターの吸着面積を増大させるためには、繊度を細く
する方法、異型断面繊維とする方法、フィルター長を更
に長くする方法などの検討がなされている。
【0010】ところで、一般にタバコ用フィルターに使
用されるセルロースアセテート繊維は一般に乾式紡糸法
により製造されている。この乾式紡糸によりセルロース
アセテート繊維を製造する場合において、繊度を細くす
るためには、紡糸原液のノズルからの吐出速度と繊維の
巻取り速度との比で表される紡糸ドラフトを大きくし、
紡糸筒内で繊維を細くしている。しかしタバコ用フィル
ター用のセルロースアセテート繊維の紡糸ドラフトは通
常は1前後であり、大きくても1.5程度である。紡糸
ドラフトをそれ以上大きくするとドラフト切れが多発
し、セルロースアセテート繊維の製造が困難となる。ま
たノズルの孔径を小さくし、紡糸原液の吐出量を少なく
することによっても細繊度化が可能であるが、ノズルの
孔径を小さくしすぎるとノズルからの紡糸原液の吐出が
困難になるため、細繊度化にも限界がある。
【0011】また、吸着面積を増大させるための異型断
面繊維の開発については、タバコ用フィルターに使用さ
れるアセテート繊維は一般にY形断面であり、これ以上
吸着面積を増大させることのできる新規な異型断面繊維
を開発することは難しい。
【0012】更に、フィルター長を長くすることにより
吸着面積を増大させる方法は、フィルター長が長くなる
ほど、タバコを喫煙する際の吸引抵抗が増大し、喫煙が
困難になるため、フィルター長にも限界がある。また、
フィルター長を長くすることはアセテート繊維の使用量
を増加させることとなるためコスト高となることは避け
られない。
【0013】かかる問題点を解決するために、タバコ用
フィルターとして使用するための新規なセルロースアセ
テート素材が多数提案されている。特に、近年では、セ
ルロースアセテート素材としてフィブリル状繊維と呼ば
れる、多数の分岐構造を有し、繊維の断面構造にも凹凸
があり、更に繊維側面も非常に隆起の著しい表面構造を
有する比表面積の大きな繊維構造体を用いる方法が提案
されている。
【0014】例えば、特公昭50−38720号公報に
開示されたタバコ用フィルター素材は、セルロースのア
セチル誘導体からなり、最小構成単位が直径0.1μm
〜10μmの大きさを有する多数のフィブリル状のミク
ロファイバーから構成され、該ミクロファイバーの一部
あるいは大部分が互いに三次元的に絡合している繊維状
物を主体としている。この繊維状物は表面積が3m2
g以上と大きく、且つ内部気孔率が大きな構造を持って
おり、かかる繊維状物を用いたタバコ用フィルターは、
吸引したガスがショートパスすることなくミクロファイ
バーとの衝突を繰り返すことにより、ガスのフィルター
中への滞在時間を長くし、タバコの味を保ったまま、有
害物を効果的に除去するものである。
【0015】更に、特開昭53−45468号公報に
は、非常にフィブリル化したアセテート繊維として、
5.0m2 /g以上の表面積をもち、長さが1000μ
mより短く、径が約0.5〜50μmであるセルロース
エステル繊維状物質を5〜35%含むシート状のフィル
ター材料が開示されている。例えば前記セルロースエス
テル繊維状物質はセルロースエステル短繊維とにより例
えば密着性不織ウェブなどのシート状物に成形したの
ち、タバコ用フィルターに形成される。この、比表面積
の大きな前記セルロースエステル繊維状物質を含むシー
ト状物は、ニコチン成分やタール成分の除去率が増加
し、シート状物の強度も向上する。
【0016】このようなフィブリル状のセルロースエス
テル繊維を含有するシート状物を工業的な規模で製造す
るためには、例えば紙を製造する場合と同様に湿式抄紙
法にて製造することができる。また、シート状物からフ
ィルターを製造する際には、シート状物に縦方向のシワ
付けを行うクレープ加工を施し、シート状物に柔軟性と
嵩高性とを付与した後、均一な円棒状のフィルタープラ
グに成型して巻き紙でプラグに巻き上げた後、所定の寸
法に切断する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように高い比表面積を得るために、より微細なフィブリ
ル化が施されたセルロースエステル繊維をタバコ用フィ
ルターの素材として使用する場合、フィルター製造工程
において、或いはタバコシガレットを喫煙する際のフィ
ルターからの微細な繊維片の脱落が問題となる。
【0018】例えばフィルタープラグを巻き上げる作業
時に、フィルターから微細なフィブリル状の繊維片が脱
落してダストとして浮遊し、作業環境が極めて低下す
る。また、ダストがフィルタープラグ巻上げ機械のロー
ラなどに付着すると、機械のトラブルの原因となった
り、また、ダストを除去するために製造を中断しなけれ
ばならず、安定した製造ができない。また、タバコシガ
レットを喫煙する際にフィルターから微細な繊維片が脱
落しすると、その繊維片が喫煙者の口中に達して喫煙者
に不快感を与えるといった問題がある。
【0019】従って、本発明の目的は、濾過性能を高め
るために必要な高い比表面積を有し、フィルタープラグ
を製造する際には、作業環境の悪化や製造中断のトラブ
ルの原因となるダストの発生が少ないエアーフィルター
と、特に、タバコのニコチン成分とタール成分の除去率
を良好なタバコの香喫味が得られるセルロースエステル
を含有するタバコ用フィルターであって、更にそのフィ
ルターを備えたタバコシガレットを喫煙する際にも、フ
ィルターからの脱落物が少ないタバコ用フィルターと、
同フィルターを備えたタバコシガレットとを提供するこ
とにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明においては、セルロースエステルの形状及
びフィルター構造により、フィルタープラグの巻上げ時
にダストの発生を低減すると共に、同フィルターを使用
する際にフィルターからの脱落物を低減させている。
【0021】即ち、本発明は、セルロースエステルを含
有するエアーフィルターであって、同フィルターに毎秒
50mlの空気を通過させたとき、JIS B9920
により測定した空気中に浮遊する微粒子の個数濃度X
は、フィルター通過後の個数濃度Xaのフィルター通過
前の個数濃度Xbに対する増加量Xa−Xbが、少なく
とも0.5μm以上の粒径を持つ粒子では1個/l以
下、或いは5μm以上の粒径を持つ粒子では0.1個/
l以下であることを特徴とするエアーフィルターを主要
な構成としている。
【0022】前記増加量Xa−Xbが、0.5μm以上
の粒径をもつ粒子で1個/lを越えたり、5μ以上の粒
径をもつ粒子で0.1個/lを越える個数濃度である
と、そのようなエアーフィルターを通過したエアーがフ
ィルターから脱落した繊維片により汚れることとなり、
例えば同フィルターをタバコ用フィルターとして使用し
た場合には、喫煙者の口中に繊維片が入り、不快感を与
える虞れがある。
【0023】本発明は更に、前記エアーフィルターはシ
ート状物を巻き上げたプラグから形成されたシート状物
フィルター部を有してなり、前記シート状物は、前記セ
ルロースエステルを20重量%以上、叩解パルプを30
重量%以上含有し、少なくとも1方向の引張強度が8N
/15mm以上、比表面積が1.5m2 /g以上であ
り、JIS P−8118による厚みが10μm〜10
00μmであり、ISO−2965によるシートの通気
度が10ml/cm2 〜10000ml/cm2である
ことが好ましい。
【0024】セルロースエステルの含有量が20重量%
未満の場合には、セルロースエステルが有する良好なタ
バコの香喫味の特性を損なうこととなるため、セルロー
スエステルの含有量を20重量%以上であることが望ま
しい。また、叩解パルプを含有させるのは、パルプの有
する水酸基による水素結合力と、叩解による繊維同士の
からみ力とにより、シート強度を向上させることができ
るためである。この叩解パルプの含有量が30重量%未
満であると、シート状物の強度が低下し、巻き上げ時の
ロールからの引き出し、クレープ加工、均一な円棒状へ
の成型などの工程において、シート状物が破断し、或い
は微細な繊維片が脱落して作業環境が悪化する。そのた
め、安定したプラグ巻き上げが困難になるので、叩解パ
ルプの含有量を30重量%以上とすることが好ましい。
【0025】更に、シート状物の少なくとも一方向の引
張り強度が8N/15mm以上であることが好ましい。
かかる引張り強度をもつシート状物は、例えば全巾が2
00mmであるとすると、全巾でのシート状物の強度は
107Nに換算される。ここで、従来、タバコ用フィル
ターとして使用されているセルロースアセテート繊維束
は、少なくとも98Nの引張り強度があり、プラグに巻
き上げる際に、ベールからの引き上げ、緊張開繊、又は
均一な円棒状への成型等の工程で、繊維に負荷される張
力に十分に抗することができるものである。従って、本
発明のシート状物も巻き上げ時のロールからの引き出
し、クレープ加工、均一な円棒状への成型の過程でシー
ト状物の破断を起こすことがなく、また、微細な繊維片
の脱落も発生しにくい。
【0026】また、セルロースエステルと叩解パルプと
を含むシート状物は、JIS P−8118による試験
方法における厚みが10μm〜1000μmであり、I
SO−2965によるシートの通気度試験における通気
度が、10ml/cm2 〜10000ml/cm2 であ
ることが好ましい。シート状物の厚みが10μm未満で
あると、シート状物の強度が小さいためにフィルタープ
ラグを製造する際にシート状物を引き出すときの張力に
抗することができず、シート状物が破断し易くなる。ま
た、シート状物の厚みが1000μmを越えると、シー
ト状物の剛性が高くなりしなやかさに欠けるため、巻き
上げたフィルタープラグの切断面には、不規則な空隙が
発生し、均一で緻密な円棒状への成型ができない。
【0027】なお、前記セルロースエステルは約0.1
μm〜約100μmの太さからなる無数の微細な繊維が
枝分かれした構造を有する繊維及びその集合体であるこ
とが好ましく、繊維の長さは数十μm〜10mmの範囲
にあることが好ましい。
【0028】特に、前記セルロースエステルは、幅0.
1μm〜30μm、長さ10μm〜10mm、比表面積
が3m2 /g以上であるフィブリル状物及び/又はフィ
ルム状物から構成され、1000μm以上の長さを有す
るフィブリル状物及び/又はフィルム状物の割合が5重
量%以上であることが好ましい。
【0029】更に、前記セルロースエステルが、少なく
とも、JIS P−8207によるふるい分け試験にお
ける150メッシュ通過分が20重量%以下、80メッ
シュ通過分が30重量%以下、又はJIS P−812
1による濾水度試験におけるカナダ標準濾水度が100
ml〜900mlであることが好ましい。更には、濾水
度試験におけるカナダ標準濾水度が、300ml〜70
0mlであることがより好ましい。
【0030】ふるい分け試験における150メッシュ通
過分が20重量%よりも多い場合や、濾水度試験におけ
るカナダ標準濾水度が100ml未満である場合には、
フィルタープラグから脱落する微細な繊維片が多くな
り、好ましくない。また、濾水度試験におけるカナダ標
準濾水度が900mlよりも大きい場合には、フィルタ
ープラグの通気抵抗が低くなり、濾過性能が低く、例え
ばタバコ用フィルターとして使用した場合には、ニコチ
ン成分やタール成分の吸着性能が低くなる。
【0031】本発明のセルロースエステルの具体例とし
ては、セルロース(モノ)アセテート、セルロースジア
セテート、セルローストリアセテート、セルロースアセ
テートブチレート、ベンジルセルロース、又はこれらの
混合物が挙げられるが、好ましくはセルロースアセテー
ト、更に好ましくは、セルロースジアセテートが選ばれ
る。
【0032】更に、前記セルロースエステルには、50
nm以下の平均粒子径である光分解促進剤が、セルロー
スエステルに対して10重量%以下の添加量で含有され
ていることが好ましい。本発明のエアーフィルターに含
まれている前記フィブリル状物及び/又はフィルム状物
は、幅が細く、比表面積が大きいことから、光分解促進
剤を含有することにより、容易に分解が進行する。前記
光分解促進剤の含有量はセルロースエステル対して10
重量%以下、好ましくは、約0.05〜5.0重量%で
ある。前記フィブリル状物及び/又はフィルム状物の中
における分散状態において、光分解促進剤の平均粒子径
は50nm以下であり、凝集がないことが好ましい。ま
た、前記光分解促進剤は二酸化チタンであることが好ま
しい。更に前記二酸化チタンとしては、未被覆のアナタ
ーゼ型二酸化チタンが特に光分解の性能に優れているこ
とが知られている。
【0033】前記叩解パルプが、木材パルプ、綿パルプ
又は麻パルプの少なくとも1種のパルプを叩解したもの
であり、JIS P−8207によるふるい分け試験に
おける150メッシュ通過分が20重量%以下であるこ
とが好ましい。ふるい分け試験における150メッシュ
通過分が20重量%を越える場合には、シート状物の中
に微細なフィブリル状パルプが多く含まれることとな
り、フィルターからそれらのフィブリル状パルプが脱落
し易くなる。
【0034】フィルターの構造としては、エアー出側に
は長繊維繊維束をプラグに巻き上げた長繊維フィルター
部が配され、エアー入り側にはセルロースエステルと叩
解パルプとを含むシート状物をプラグに巻き上げて形成
されたシート状物フィルター部が配されたデュアル構造
フィルターであることが望ましい。
【0035】長繊維フィルター部は、エアー入り側にあ
るシート状物フィルター部から脱落する繊維片を捕捉し
て、繊維片を放出することを阻止するため、例えばタバ
コ用フィルターとして使用した場合に、喫煙者の口中へ
繊維片が達することを阻止するため、繊維片による喫煙
時の不快感が防止される。
【0036】また、前記長繊維フィルター部は、長さが
5mm以上、通気抵抗が10mmH2 O以上であり、単
繊維繊度が16dtex未満である繊維から構成されて
おり、且つ同長繊維フィルター部は単独で毎秒50ml
の空気を通過させたとき、JIS B9920により測
定した空気中に浮遊する微粒子の個数濃度Yは、前記フ
ィルター通過後の個数濃度Yaの前記フィルター通過前
の個数濃度Ybに対する増加量Ya−Ybが、0.5μ
m以上の粒径を持つ粒子では0.1個/l以下であるこ
とが好ましい。更に、前記長繊維フィルター部の長さが
10mm以上であり、通気抵抗は20mmH2 O以上で
あり、その単繊維繊度は5dtexを越えない繊維から
構成されていることがより好ましい。
【0037】前記長繊維フィルター部の長さが5mm未
満であったり、又は通気抵抗が10mmH2 O未満であ
る場合、或いは長繊維フィルター部を構成する繊維の単
繊維繊度が16dtex以上である場合、更には、前記
増加量Ya−Ybが0.5μm以上の粒径を持つ粒子
で、0.1個/lを越える個数濃度である場合には、シ
ート状物フィルター部から脱落した繊維片を捕捉する効
果が低く、また、長繊維フィルター部からも繊維片が脱
落することがあるため、例えばそのようなエアーフィル
ターをタバコ用フィルターとして使用した場合に、タバ
コシガレットを喫煙する際に繊維片が喫煙者の口中に達
して喫煙の快適性を損なう虞れがある。
【0038】前記シート状物フィルター部は、円周が2
4.2mm、長さが100mmのプラグであるとき、通
気抵抗が500mmH2 O以上であることが好ましい。
通気抵抗が500mmH2 O未満であると、エアーフィ
ルターとして必要な濾過性能が低くなる。
【0039】更に、セルロースエステルには可塑剤が添
着されていることが望ましい。この可塑剤は、セルロー
スエステルと叩解パルプとを含むシート状物をプラグに
巻き上げる際に添着することができる。このようにシー
ト状物に可塑剤を添着することにより、シート状物の内
部に含まれている微細なフィブリル状のセルロースアセ
テート繊維が相互に、或いはセルロースアセテート繊維
とパルプとの間が可塑剤により溶着されるため、フィル
タープラグを巻き上げる際にシート状物からの微細な繊
維片やパルプの脱落が減少し、ダストの発生を抑制でき
る。
【0040】更に、前記可塑剤は、前記セルロースエス
テルと前記叩解パルプとを含むシート状物に、部分的に
添着されてなることが好ましい。前記可塑剤を部分的に
添着する方法としては、シート状物の片面のみに添着す
る、或いはシート状物に対してスポット状又はブロック
状に添着するなどの方法を採用できる。このように前記
可塑剤をシート状物に部分的に添着することで、可塑剤
により微細なフィブリル状のセルロースエステル繊維が
過度に溶解されて、フィルターの濾過性能が低下するこ
とを抑制できる。
【0041】なお、前記可塑剤としてはアセテートトウ
からなるエアーフィルターに使用可能である各種の可塑
剤を用いることができるが、特に、前記可塑剤としてト
リアセチンを用いることが好ましい。
【0042】更に、本発明は、上述したようなエアーフ
ィルターからなることを特徴とするタバコ用フィルター
を他の主要な構成としている。本発明のタバコ用フィル
ターに使用されている前記シート状物は、ニコチン成分
やタール成分を吸着/濾過するために十分な比表面積を
有しており、また、フィルタープラグ製造の際、微細な
繊維片からなる浮遊ダストの発生が少ない。また、本発
明のタバコ用フィルターを備えたシガレットを喫煙する
際にも、微細な繊維片がフィルターから脱落することが
少ないという優れた物性を兼ね備えており、喫煙者に不
快感を与えることがない。
【0043】現在タバコ用フィルター用に使用されてい
るセルロースアセテートトウの比表面積は、大きいもの
であっても0.3m2 /g、更にセルロースパルプを使
用したタバコ用フィルターにおいても1m2 /g程度で
あるのに対し、本発明のタバコ用フィルターに使用され
ているシート状物の比表面積は1.5m2 /g以上であ
るため、ニコチン成分やタール成分を吸着/濾過する性
能を十分発揮できるものである。
【0044】また、本発明は、上述したタバコ用フィル
ターを備えてなるタバコシガレットを他の主要な構成と
している。かかるフィルターを備えたタバコシガレット
は、上述したように、喫煙した際にフィルターから繊維
片が脱落することがないため、かかる繊維片による不快
感がない。また、セルロースアセテート繊維のもつ香喫
味を損なうことなく、タール成分やニコチン成分を効果
的に除去することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明
のタバコ用フィルターに使用されるフィブリルを含有す
るセルロースエステルを製造するための紡糸口金の概略
を示す断面図である。前記紡糸口金10は、セルロース
エステル紡糸原液用の流路1と、凝固剤流体として水蒸
気用の流路4と、円筒状の混合セル5とを備えている。
【0046】前記紡糸原液流路1は前記紡糸口金10の
中央を垂直方向に延びており、同原液流路1の下流側に
は同原液流路1の軸線Aと同一軸線上に前記混合セル5
が配されている。前記原液流路1はその下端に吐出口2
が形成されており、同吐出口2は図2に示すように略Y
字状の断面をもつ。なお、吐出口2の断面形状はかかる
略Y字状に限定されるものではなく、従来からセルロー
スアセテートの紡糸用として使用されている他の断面形
状の吐出口を使用することもでき、例えば多葉状断面で
ある十字状や矩形断面を有する吐出口とすることができ
る。このような形状とすることで、繊維の比表面積を維
持しつつ、繊維形態を改善することが可能となり、さら
に高いポリマー濃度の原液から前記繊維を効率的に製造
することが可能となる。また口径は溶液の吐出量によっ
て適宜選択が可能であるが、30μm〜0.5mm、好
ましくは0.1mm〜0.3mmである。
【0047】また、本実施例では一の紡糸原液吐出口2
に対して、一の混合セル5が形成されているが、これに
限定されるものではなく、例えば、セルロースエステル
紡糸原液の吐出口2を複数形成して共通の混合セル5に
吐出したり、又は、セルロースエステル紡糸原液の吐出
口2と後述する凝固剤流体の噴出口4aとが1対1で対
応している複数のユニットを、共通の単一の混合セル5
に対応させたノズルを使用することで、生産効率の向上
を図ることもできる。
【0048】水蒸気は水蒸気流入口3から導入され、前
記原液流路1の周囲を囲むリング状の貯留部3aを通っ
て逆円錐形状のスリット状をなす水蒸気流路4から前記
混合セル5内に噴出される。前記水蒸気流路4の噴出口
4aは前記混合セル5における前記原液流路1の吐出口
2の直下で開口している。そのため、この噴出口4aか
らは水蒸気が、紡糸原液の前記吐出口2から吐出された
セルロースエステル紡糸原液の吐出線の周囲から円周状
に噴出される。なお、上述したように複数の吐出口2か
ら単一の混合セル5に紡糸原液が吐出される場合、複数
の前記吐出口2の中心に水蒸気噴出口4aを形成して水
蒸気を内側から噴出することもできる。
【0049】また、セルロースエステル紡糸原液の吐出
口2と水蒸気の噴出口4aとは両液の混合を効果的に行
うため、できるだけ接近して形成されていることが望ま
しい。しかしながら、前記吐出口2と噴出口4aとを必
要以上に近接させると、形成される凝固物によって前記
水蒸気噴出口4aを閉塞しやすくなるため、前記紡糸原
液吐出口2の最外周位置と前記水蒸気噴出口4aの最外
周位置との距離を0.8mm以上とすることが好まし
い。
【0050】また、前記水蒸気流路4の中心線Bは前記
原液流路1の軸線Aに対して0°以上90°未満の角度
θをもって形成されている。前記角度θを0°以上90
°未満とすることにより、凝固されたセルロースエステ
ル、溶媒及び水からなる懸濁液をすみやかに混合セル5
の出口から排出することが可能となる。さらに、比表面
積の高い凝固体をえるためには、前記角度θを、20度
から80度、より好ましくは30度から70度の範囲に
設定する。前記角度θをこの範囲内とすることによっ
て、混合セル5に吐出されるセルロースエステル紡糸原
液と水蒸気とが十分混合され、これらの混合液は、すみ
やかに剪断流となり、混合セル5を通過することによっ
て比表面積の高い凝固体を得ることが可能となる。な
お、前記角度θが0°であり、セルロースエステル紡糸
原液の吐出線と水蒸気の噴出線とが並行となる場合、セ
ルロースエステル紡糸原液と水蒸気との混合が不十分と
なるが、混合セル5の長さを十分に長くすることによっ
て、比表面積の高いフィブリル含有セルロースエステル
の凝固体を得ることが可能である。
【0051】更に、前記混合セル5は、セルロースエス
テル紡糸原液と水蒸気とが接触した位置から下方部に設
けられた、ある一定の長さを有する隙間である。同混合
セル5の長さは0.1mm以上100mm以下に設定さ
れており、更に好ましくは1mm〜30mmである。前
記混合セル5を短くすると、得られる凝固体はフィルム
状を呈する様になり比表面積の小さな凝固体となる。
【0052】前記混合セル5の長さが0.1mm未満の
場合、水蒸気により凝固されたセルロースエステルの一
部が混合セル5の下端に形成された出口6の周辺に付着
し、混合セル5の出口6を閉塞しやすくなるため好まし
くない。そのため、前記混合セル5の長さを0.1mm
以上とすることで、凝固したセルロースエステルは水蒸
気による剪断流によって混合セル5の出口6よりすみや
かに排出される。一方、混合セルを長くすると、セルロ
ースエステル紡糸原液と水蒸気が十分混合され、また十
分な剪断を受け、得られる凝固体はフィブリル状の繊維
となり、比表面積の大きな凝固体を形成する。しかしな
がら、必要以上に長くすると生成するフィブリル状の繊
維によって混合セル5に詰まりが発生し易くなり、工業
的に問題となるため、前記混合セル5の長さは100m
m以下が好ましい。
【0053】更に、混合セル5の断面寸法は特に限定す
るものではないが、形成された繊維による混合セル5の
詰まりを防止するうえで、円筒状の混合セル5の場合
に、その直径を1mm以上とすることが好ましい。ま
た、矩形スリット形状をなす混合セルの場合でも、その
長辺寸法を1mm以上とすることが好ましい。また、本
実施例では円筒状の混合セル5を使用しているが、同混
合セル5の断面形状は上述のような十分な断面寸法をも
つものであればよく、断面形状を矩形等の多角形状とし
た場合であっても本発明の繊維を得ることができる。
【0054】なお、本発明に必要な要件を満足するもの
であれば、混合セル5の出口6へ向けてその断面積を減
少させたり、或いは増加させることもでき、さらには前
記混合セル5の先端を丸くし、出口6を広げることも可
能である。但し、必要な水蒸気の線流速を得るためには
混合セル5の大きさをあまり大きくすることは好ましく
ない。
【0055】以上、本発明のタバコ用フィルターに使用
される前記フィブリル含有セルロースエステルを製造す
るための紡糸口金10について説明したが、かかる紡糸
口金10において、前記原液流路1の軸線Aと前記水蒸
気流入口4の中心線Bとのなす角度θを0°以上90°
未満となるよう、前記紡糸口金10を設計することが重
要である。しかしながら、それ以外のノズル形状は特に
限定されるものではなく、適宜、変更が可能である。
【0056】続いて、上述のような紡糸口金10を使用
してフィブリル含有セルロースアセテートを製造する方
法について、説明する。
【0057】セルロースエステル紡糸原液は、例えばセ
ルロースジアセテートのフレークを溶媒に溶解させて所
定の濃度に調製することにより得られる。前記フィブリ
ル含有セルロースエステルを製造する際に用いるセルロ
ースエステルの溶媒としては、塩化メチレン、アセト
ン、酢酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等の単独溶剤、或いは塩化メチレンとメタノール等の
混合溶媒を用いることができる。なかでも、残存溶剤の
問題を考慮するとアセトンを使用することが最も好まし
い。更に、セルロースエステルとしてセルロースジアセ
テートを使用する場合には特に、溶解性の点からも溶媒
にアセトンを用いて行うことが好ましい。溶媒としてア
セトンを使用する場合には、セルロースジアセテートの
フレークをアセトンに分散混合し、加熱溶解することに
よって容易に紡糸原液を調製することができる。
【0058】前記セルロースエステル紡糸原液の濃度は
18重量%以上であることが好ましい。その理由は、溶
液濃度以外の賦形条件によっても異なるが、溶液の固形
分が18重量%未満の場合には得られた賦形体の長さが
不十分になるためである。更に好ましくは前記紡糸原液
の濃度は21重量%以上であり、工業的な観点からも洗
浄、溶剤回収等の後工程の効率を上げることができるた
め、好ましい。また、水等の凝固剤を予め溶液中に添加
することも可能である。
【0059】更に、セルロースエステル中には、光分解
促進剤として二酸化チタンを含有していても良い。特
に、本発明のフィブリル状物、及び/又はフィルム状物
は、幅が細く、比表面積が大きいことから、光分解促進
剤を含有することにより、容易に分解が進行する。二酸
化チタンとしては、未被覆のアナターゼ型二酸化チタン
が光分解の性能に優れていることが知られている。光分
解促進剤の含有量はセルロースエステル対して10重量
%以下、好ましくは、約0.05〜5.0重量%であ
る。フィブリル状物、及び/又はフィルム状物の中にお
ける分散状態において、二酸化チタンの平均粒子径が、
50nm以下であり、凝集がないことが好ましい。
【0060】かかるセルロースエステル紡糸原液は、通
常工業的に用いられる高粘度溶液を押し出すギヤポンプ
又は押し出し機によって、窒素加圧下で押し出し、図1
に示した紡糸口金10へと定量的に供給される。それと
同時に水蒸気を水蒸気流路3から供給する。
【0061】前記紡糸原液は前記紡糸原液流路1を通過
した後、吐出口2から混合セル5内へと押し出される。
同時に、水蒸気流路3から供給された水蒸気は貯留部3
aからスリット状の前記水蒸気流入口4へと導入され、
前記セルロースエステル紡糸原液の吐出線方向に対して
0度以上90度未満の角度で混合セル5内に噴出され、
セルロースエステルの紡糸原液と混合される。この混合
セル5内ではセルロースエステルが剪断流速下で凝固
し、フィブリル状又はフィルム状の凝固体となり、出口
6より排出される。このとき、水蒸気の噴出角度を上記
範囲に設定することで、凝固されたセルロースエステ
ル、溶媒および水からなる懸濁液をすみやかに混合セル
5の出口6から排出することが可能となる。
【0062】この混合セル5内では、セルロースエステ
ル紡糸原液と水蒸気の混合により、かかる混合液に剪断
が与えられ、セルロースエステルの凝固が行われる。こ
こで凝固とは、セルロースエステル紡糸原液から凝固体
を形成せしめる最小限の溶媒と凝固剤である水との置換
を意味するものであり、凝固体とは溶媒を含有したゲル
状態をも含むものである。
【0063】なお、水蒸気の線流速は水蒸気の噴出流量
及び混合セル5の大きさに応じて設定されるが、本発明
においては水蒸気の線流速は、100m/sec.以上が好
ましい。100m/sec.以下では十分な比表面積を有す
る凝固体を得ることが困難であり、前記混合セル5の長
さによっても異なるが、混合セル5内での詰まりを発生
しやすくなる。逆に線流速を上げると比表面積の高い凝
固体を得ることができるが、線流速を上げるために必要
以上に水蒸気を使用することとなり、工業的な面からみ
て経済的でない。また、混合セル5の断面積を小さくし
て線流速を高めることも可能であるが、前述したように
極度に断面積を小さくすると、混合セル5内での詰まり
の原因となり好ましくない。
【0064】また、水蒸気の噴出は混合セル5内の剪断
を与える一方、セルロースエステル紡糸原液との接触に
よりセルロースエステルを凝固せしめる役割を有してい
る。そのため、凝固を十分行う上での水蒸気の適切な噴
出量は、紡糸原液の濃度、紡糸原液の吐出量によって変
化するが、本発明において、混合セル5内での水蒸気の
線流速は上述したように100m/sec.であれば十
分である。
【0065】上述のように形成されたフィブリル含有セ
ルロースエステルの凝固体、溶媒及び水蒸気の混合流体
は、混合セル5の出口6から、水又は水とセルロースエ
ステルの溶媒との混合溶媒からなる凝固液中に排出され
る。混合セル5より排出されたセルロースエステルの凝
固体は溶媒により膨潤状態にある場合が多く、直接積層
を行なうと形成されたフィブリル繊維同士が融着し、比
表面積の低下を引き起こす原因となり好ましくない。
【0066】なお、前記凝固液中の溶媒濃度は特に限定
するものではないが、形成されたフィブリル含有セルロ
ースエステルの凝固体が膨潤しない範囲であれば、本発
明に用いるに際して好適な素材を製造することができ、
概ね溶媒濃度が50重量%以下であることが好ましい。
【0067】混合セル5から凝固液中へ排出されたフィ
ブリル含有セルロースエステルの凝固体は、公知の方法
による洗浄(溶媒除去)を行うことによって湿潤した形
態、さらに乾燥を施すことによって乾燥した形態の、本
発明に用いるフィブリル含有セルロースエステルを得る
ことができる。
【0068】このようにして得られたフィブリル含有セ
ルロースエステルは、叩解パルプと混合された混合物を
公知の方法で湿式抄紙して得られたシート状物を、フィ
ルタープラグに巻き上げることによって本発明のタバコ
用フィルターが製造される。
【0069】次に本発明について、具体的な実施例及び
比較例を挙げて説明する。なお、以下の実施例及び比較
例における各種評価項目については以下の通りである。 (通気抵抗)プラグ及びフィルターチップの通気抵抗
は、吸引抵抗測定器を用いて測定した。
【0070】(タバコのタール成分、ニコチン成分の濾
過率)喫煙によるタバコ煙中のタール成分とニコチン成
分の喫煙量は、ボルグワルド製回転型喫煙器RS20/
CSを用いて、コレスタ法に基づいて測定した。この喫
煙量とフィルターチップでの捕捉量とから、フィルター
チップでのタール成分、ニコチン成分の濾過率をそれぞ
れ算出した。
【0071】(浮遊する微粒子の測定方法)クリーンル
ーム及びクリーンブースを用いることにより、少なくと
も、JISB−9920に定める清浄度がクラス5以上
の清浄度を有する雰囲気下において測定を行った。微粒
子計測器に毎秒50mlの空気を流し、空気中に浮遊す
る微粒子の個数濃度を測定する。次に、フィルターに毎
秒50mlの空気を流し、フィルターを通過した後の空
気中に浮遊する微粒子の個数濃度を微粒子計測器で測定
する。両者の個数濃度から、フィルターを通過する前後
での微粒子の個数濃度の増加量を求める。なお、測定に
用いる空気は、あらかじめメンブランフィルターを通す
ことにより、浮遊する微粒子を極力除外したものを用い
た。微粒子測定器としては、リヨン株式会社のパーティ
クルカウンター『KC−03』、又は『KC−20』を
用いた。微粒子測定器の空気流量が毎秒50mlよりも
多い場合は、分岐配管を設けて希釈空気を導入すること
によって、フィルターに通過させる空気の流量を毎秒5
0mlとなるように調整した。 〔実施例1〕セルロースジアセテート(ダイセル化学工
業社製)280gを、水分を5重量%含有するアセトン
840gに溶解し、濃度25重量%のセルロースジアセ
テート紡糸原液を調製した。次いで、得られた前記紡糸
原液を40℃に保ったまま、1.5kg/cm2 の窒素
加圧下で押し出し、ギヤポンプを用いて図1に示した紡
糸口金10へ定量供給を行うと同時に、水蒸気を供給し
た。水蒸気の供給量は減圧弁により供給圧力を規定する
ことにより調整した。水蒸気量は前記紡糸口金10から
水蒸気のみを凝固液中に噴射し、単位時間当たりの重量
の増分を求めることにより測定した。前記紡糸口金10
は、Y字断面形状の紡糸原液吐出口2、直径が2mm
φ、長さが15mmの円筒状の混合セル5を採用し、水
蒸気流路4はスリット状で開度を390μmに調製し
た。更に、紡糸原液流路1の軸線Aと水蒸気流路4の中
心線Bとのなす角度θが30度になるように製作した紡
糸口金10を用い、セルロースジアセテートのアセトン
溶液の供給量を96ml/min、水蒸気の供給圧を
1.5kg/cm2 とし、25℃の水中へ噴出した。こ
のときの水蒸気消費量は水換算で65g/minであ
る。
【0072】凝固液中に浮遊したセルロースジアセテー
トの凝固体を捕集し、更に沸騰水中で1時間以上洗浄を
行い、80℃の熱風で乾燥した。得られた凝固体の繊維
側面の形態を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。更
に、繊維の長さ方向の形態を、投写型実体顕微鏡(日本
光学社製プロファイルプロジェクター V−12)を用
いて観察した。このセルロースジアセテートからなるフ
ィブリル含有セルロースエステルは、幅0.1μm〜3
0μm、長さ10μm〜10mmのフィブリル状やフィ
ルム状を呈する集合体であり、このアセテートフィブリ
ルの長さを測定したところ、1000μm以上の長さを
有するものの割合は約40%であり、フィブリルが枝分
かれした分岐構造を有していた。さらに、洗浄したフィ
ブリル含有セルロースエステルの篩い分け試験をJIS
SP−8207に準じて行ったところ、80メッシュ
通過分は21.8重量%、150メッシユ通過分は1
4.4重量%であった。更に、このフィブリル含有セル
ロースエステルの比表面積を測定したところ、3.9m
2 /gであった。また、JIS P−8121に準じて
測定したカナダ標準ろ水度は、600mlであった。
【0073】次に、針葉樹パルプをビーターでカナダ標
準ろ水度600mlまで叩解した。この針葉樹叩解パル
プは、篩い分け試験をJIS P−8207に準じて行
ったところ、80メッシュ通過分は7.3重量%、15
0メッシユ通過分は4.1重量%であった。前記フィブ
リル含有セルロースエステル50重量部と前記叩解パル
プ50重量部とを水中で混合し、粘剤にPoly Et
hylene Oxide系高分子を添加した後、湿式
抄造方式でシート化を行った。なお、この抄紙方式は丸
網で行い、乾燥方式はヤンキードライヤーで行った。乾
燥温度は110℃、巻取速度は10m/minで行っ
た。得られたシート状物の坪量、比表面積、厚さ、通気
度、及び、引張強度を表1に示す。
【0074】このシート状物から、ペーパークレーピン
グ巻上げ機(三條機械製作所製 PF−4/RF−4)
を用いて、長さが100mm、円周が24.2mmのプ
ラグを毎分1000本の速度にて巻き上げた。その際、
巻き上げ機の周辺に発生したダストを収集してその量を
測定したところ、ダストの発生量は0.8g/Hrと極
めて少ないものであった。
【0075】また、このプラグを切断して、長さ25m
mのフィルターチップを作成した。このフィルターチッ
プに、毎秒50mlの空気を流して、フィルターチップ
を通過する前後での空気中に浮遊する微粒子の個数濃度
の増加量を測定したところ、0.5μm以上の粒径を持
つ粒子では、0.2個/l、また、5μ以上の粒径を持
つ粒子では、0.02個/lの個数濃度であった。
【0076】更に、単繊維繊度が1.7dtex、総繊
度が49000dtexのセルロースジアセテート長繊
維繊維束から巻き上げたプラグを切断して、長さ15m
mの長繊維フィルター部を作成した。フィブリル含有セ
ルロースエステルを含む前記シート状物からなるプラグ
を長さ10mmに切断したシート状物フィルター部をエ
アー入り側に、またセルロースジアセテート長繊維繊維
束からなる前記長繊維フィルター部をエアー出側に配し
て、両者の外周を巻き取り紙にて巻き付けることによ
り、長さ25mmのデュアル構造のフィルターチップを
作成した。このフィルターチップに、エアー入り側から
毎秒50mlの空気を流して、フィルターチップを通過
する前後での空気中に浮遊する微粒子の個数濃度の増加
量を測定したところ、0.5μm以上の粒径を持つ粒子
では、0.1個/l、また、5μm以上の粒径を持つ粒
子は検出されなかった。
【0077】更に、市販タバコ『アルファ』から刻み部
分を切り離し、この刻み部分に上記のデュアル構造のフ
ィルターチップを接続して、試験用タバコを作成した。
この試験用タバコのタールとニコチンの濾過率を測定し
た。その結果、表2に示すようにタール成分の濾過率は
71.3%、ニコチン成分の濾過率は66.7%であっ
た。
【0078】〔実施例2〕実施例1と同様の方法で、前
記フィブリル含有セルロースエステルが60重量%、前
記叩解パルプが40重量%からなるシート状物を製造し
た。このシート状物の片面に、可塑剤としてトリアセチ
ンをシート状物の重量に対して5重量%添着する以外
は、実施例1と同様にしてプラグを巻き上げた。プラグ
を巻き上げる際に、巻き上げ機周辺に発生したダストを
収集して、ダスト発生量を測定したところ、0.95g
/Hrと少ないものであった。
【0079】また、実施例1と同様にして、このフィブ
リル含有セルロースエステルを含むシート状物からなる
15mmのシート状フィルター部と、単繊維繊度が2.
4dtex、総繊度が49000dtexのセルロース
ジアセテート長繊維繊維束を巻き上げて作成した10m
mの長繊維フィルター部とを備えた、表2に示すデュア
ル構造のフィルターチップを作成した。
【0080】このフィルターチップに毎秒50mlの空
気を流して、フィルターチップを通過する前後での空気
中に浮遊する微粒子の個数濃度の増加量を測定したとこ
ろ、0.5μm以上の粒径を持つ粒子では、0.2個/
l、また、5μm以上の粒径を持つ粒子は検出されなか
った。また、実施例1と同様にして試験用タバコを作成
して、タールとニコチンの濾過率を測定した。その結
果、表2に示すようにタール成分の濾過率は73.0
%、ニコチン成分の濾過率は68.2%であった。
【0081】〔実施例3〕実施例1と同様の方法でフィ
ブリル含有セルロースエステルを調製した。また、針葉
樹パルプをビーターでカナダ標準ろ水度650mlまで
叩解した。アセテートフィブリル55重量部と叩解パル
プ40重量部とビニロンバインダー繊維を3mmにカッ
トしたもの(クラレ製 VPB107−1)5重量部と
を水中で混合し、粘剤にPoly Ethylene
Oxide系高分子を添加した後、湿式抄造方式でシー
ト化を行った。抄紙方式は丸網で行い、乾燥方式はヤン
キードライヤーにて行った。乾燥温度は90℃、巻取速
度は30m/min.で行った。
【0082】このシートの片面に、可塑剤としてトリア
セチンをシート重量に対して5重量%添着する以外は、
実施例1と同様にしてプラグを巻き上げた。このシート
からフィルタープラグを巻き上げた際のダスト発生量
は、0.90g/Hrであった。
【0083】また、このフィブリル含有セルロースエス
テルを含むシート状物からなる15mmのシート状フィ
ルター部と、単繊維繊度が4.4dtex、総繊度が4
4000dtexのセルロースアセテート長繊維繊維束
を巻き上げて作成した15mmの長繊維フィルター部と
からデュアル構造の表2に示すフィルターチップを作成
した。
【0084】このフィルターチップに毎秒50mlの空
気を流して、フィルターチップを通過する前後での空気
中に浮遊する微粒子の個数濃度の増加量を測定した。そ
の結果、表2に示すように、0.5μm以上の粒径を持
つ粒子では、0.1個/l、また、5μm以上の粒径を
持つ粒子は検出されなかった。また、実施例1と同様に
して、試験用タバコを作成して、タール成分とニコチン
成分の濾過率を測定した。その結果、表2に示すように
タール成分の濾過率は72.5%、ニコチン成分の濾過
率は67.9%であった。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】〔比較例1〕実施例1と同じように調製し
たセルロースジアセテート紡糸原液を、水中に浸漬した
紡糸ノズルから吐出させながら、水を急速に攪拌するこ
とにより、セルロースジアセテートの不連続なフィブリ
ル状物を調製した。このフィブリル状物の篩い分け試験
をJIS P−8207に準じて行ったところ、80メ
ッシュ通過分は55.7重量%、150メッシユ通過分
は43.8重量%であった。また、JIS P−812
1に準じて測定したカナダ標準ろ水度は、250mlで
あった。
【0088】このフィブリル状物40重量%と、ビータ
ーでカナダ標準ろ水度が450mlになるように叩解し
た針葉樹叩解パルプ60重量%とから、実施例1と同様
にして、シート状物を作成した。このシート状物は、坪
量は65g/m2 であり、厚みは135μm、シート状
物の比表面積は1.8m2 /g、通気度は120ml/
cm2 、また、縦方向の引張り強度は10N/15mm
であった。
【0089】得られたシート状物を、可塑剤を用いるこ
となく、フィルタープラグに巻き上げところ、発生した
ダストの量は、5.8g/Hrであり、プラグ巻き上げ
機の周辺には、ダストが多量に散乱した。
【0090】また、このフィブリル状物を含むシート状
物からなるプラグを切断して、25mmのフィルターチ
ップを作成した。このフィルターチップに毎秒50ml
の空気を流して、フィルターチップを通過する前後での
空気中に浮遊する微粒子の個数濃度の増加量を測定し
た。その結果、表3に示すように、0.5μm以上の粒
径を持つ粒子では0.5個/l、また、5μm以上の粒
径を持つ粒子は0.1個/lと、多くの繊維片がフィル
ターから脱落した。
【0091】更に、市販タバコ『アルファ』から刻み部
分を切り離し、前記フィルターチップを接続して試験用
タバコを作成した。この試験用タバコのタール成分とニ
コチン成分の濾過率を測定した。その結果、タール成分
の濾過率は、59.8%、ニコチン成分の濾過率は、5
3.4%であった。
【0092】〔比較例2〕比較例1と同様にして、フィ
ブリル状物を含むシート状物からなるプラグを作成し、
このプラグを切断して20mmのシート状物フィルター
部を作成した。更に別途、単繊維繊度が15dtex、
総繊度が31000dtexのセルロースジアセテート
長繊維繊維束から巻き上げたプラグを切断して、5mm
の長繊維フィルター部を作成した。このシート状物フィ
ルター部をエアー入り側に、長繊維フィルター部をエア
ー出側に配して、両者の外周を巻き取り紙にて巻き付け
ることにより、25mmのデュアル構造のフィルターチ
ップを作成した。
【0093】このフィルターチップに、エアー入り側か
ら毎秒50mlの空気を流して、フィルターチップを通
過する前後での空気中に浮遊する微粒子の個数濃度の増
加量を測定したところ、表3に示すように、0.5μm
以上の粒径を持つ粒子では0.6個/l、また、5μm
以上の粒径を持つ粒子は0.1個/lと、フィルターか
らの繊維片の脱落が多いものであった。
【0094】〔比較例3〕実施例1と同様の方法でフィ
ブリル含有セルロースエステルを調製した。このフィブ
リル含有セルロースエステル40重量%と、単繊維繊度
が2.2dtexのアセテート長繊維繊維束を長さ3m
mにカットした短繊維を40重量%と、ポリエステル系
熱融着繊維(クラレ製 N−720)20重量%とか
ら、乾式抄造方式でシート状物を製造した。このシート
状物は、坪量が56g/m2 であり、厚みは650μ
m、シートの比表面積は1.6m2 /g、通気度は45
0ml/cm2 、また縦方向の引張り強度は3N/15
mmであった。
【0095】このシート状物を、可塑剤を添着すること
なくプラグに巻き上げたところ、巻き上げ途中でシート
の破断が断続的に発生した。また、少量ながら得られた
プラグを切断して、25mmのフィルターチップを作成
した。このフィルターチップに毎秒50mlの空気を流
して、フィルターチップを通過する前後での空気中に浮
遊する微粒子の個数濃度の増加量を測定したところ、表
3に示すように、0.5μm以上の粒径を持つ粒子では
1.2個/l、また、5μm以上の粒径を持つ粒子は
0.2個/lであり、繊維片の脱落が極めて多いもので
あった。
【0096】
【表3】
【0097】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のエアー
フィルターは、濾過性能を高めるために必要な高い比表
面積を有し、工業的にフィルタープラグを製造する際に
も、微細な粉塵の発生が少なく、安定に巻き上げ作業を
行うことができる。また、かかるエアーフィルターをタ
バコ用フィルターとして使用した場合にも、ニコチン成
分とタール成分の除去率が向上し、かかるタバコ用フィ
ルターを備えたタバコシガレットを喫煙する際にも、微
細な繊維片がフィルターから脱落することが少ないた
め、喫煙者に不快感を与えることがなく、良好なタバコ
の香喫味とが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用されるフィブリル含有セルロース
エステルを製造するために用いられる紡糸口金の一例を
示す断面図である。
【図2】本発明に使用されるフィブリル含有セルロース
エステルを製造するために用いられる紡糸口金の吐出口
の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 紡糸原液流路 2 紡糸原液の吐出口 3 水蒸気流入口 4 水蒸気流路 5 混合セル 6 混合セルの出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 輝之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 品田 勝彦 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4B045 AA45 AB16 BA08 BC07 BD52 BD54 4D019 AA01 AA02 BA12 BB01 BB05 BC05 BC07 BC20 BD01 CB06 DA02 DA04

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースエステルを含有するエアーフ
    ィルターであって、同フィルターに毎秒50mlの空気
    を通過させたとき、JIS B9920により測定した
    空気中に浮遊する微粒子の個数濃度Xは、フィルター通
    過後の個数濃度Xaのフィルター通過前の個数濃度Xb
    に対する増加量Xa−Xbが、少なくとも0.5μm以
    上の粒径を持つ粒子では1個/l以下、或いは5μm以
    上の粒径を持つ粒子では0.1個/l以下であることを
    特徴とするエアーフィルター。
  2. 【請求項2】 前記エアーフィルターはシート状物を巻
    き上げたプラグから形成されたシート状物フィルター部
    を有してなり、 前記シート状物は、前記セルロースエステルを20重量
    %以上、叩解パルプを30重量%以上含有し、少なくと
    も1方向の引張強度が8N/15mm以上、比表面積が
    1.5m2 /g以上であり、JIS P−8118によ
    る厚みが10μm〜1000μmであり、ISO−29
    65によるシートの通気度が10ml/cm2 〜100
    00ml/cm2 である請求項1記載のエアーフィルタ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記セルロースエステルは、幅0.1μ
    m〜30μm、長さ10μm〜10mm、比表面積が3
    2 /g以上であるフィブリル状物及び/又はフィルム
    状物から構成され、 1000μm以上の長さを有するフィブリル状物及び/
    又はフィルム状物の割合が5重量%以上である請求項1
    又は2記載のエアーフィルター。
  4. 【請求項4】 前記セルロースエステルが、JIS P
    −8207によるふるい分け試験における150メッシ
    ュ通過分が20重量%以下であり、及び/又は80メッ
    シュ通過分が30重量%以下であり、及び/又はJIS
    P−8121による濾水度試験におけるカナダ標準濾
    水度が100ml〜900mlである請求項1〜3のい
    ずれかに記載のエアーフィルター。
  5. 【請求項5】 前記セルロースエステルがセルロースジ
    アセテートである請求項1〜4のいずれかに記載のエア
    ーフィルター。
  6. 【請求項6】 前記セルロースエステルには、50nm
    以下の平均粒子径である光分解促進剤が、セルロースエ
    ステルに対して10重量%以下の添加量で含有されてな
    る請求項1〜5のいずれかに記載のエアーフィルター。
  7. 【請求項7】 前記光分解促進剤が二酸化チタンである
    請求項6記載のエアーフィルター。
  8. 【請求項8】 前記叩解パルプが、木材パルプ、綿パル
    プ又は麻パルプの少なくとも1種のパルプを叩解したも
    のであり、JIS P−8207によるふるい分け試験
    における150メッシュ通過分が20重量%以下である
    請求項2記載のエアーフィルター。
  9. 【請求項9】 エアー出側には長繊維繊維束をプラグに
    巻き上げた長繊維フィルター部が配され、エアー入り側
    にはセルロースエステルと叩解パルプとを含むシート状
    物をプラグに巻き上げて形成されたシート状物フィルタ
    ー部が配されたデュアル構造フィルターである請求項1
    〜8のいずれかに記載のエアーフィルター。
  10. 【請求項10】 前記長繊維フィルター部は、長さが5
    mm以上、通気抵抗が10mmH2 O以上であり、単繊
    維繊度が16dtex未満である繊維から構成されてお
    り、且つ同長繊維フィルター部は単独で毎秒50mlの
    空気を通過させたとき、JIS B9920により測定
    した空気中に浮遊する微粒子の個数濃度Yは、前記フィ
    ルター通過後の個数濃度Yaの前記フィルター通過前の
    個数濃度Ybに対する増加量Ya−Ybが、0.5μm
    以上の粒径を持つ粒子では0.1個/l以下である請求
    項9記載のエアーフィルター。
  11. 【請求項11】 前記シート状物フィルター部は、円周
    が24.2mm、長さが100mmのプラグであると
    き、通気抵抗が500mmH2 O以上である請求項9記
    載のエアーフィルター。
  12. 【請求項12】 更に、セルロースエステルに可塑剤が
    添着されてなる請求項1〜11のいずれかに記載のエア
    ーフィルター。
  13. 【請求項13】 前記可塑剤は、前記セルロースエステ
    ルと前記叩解パルプとを含むシート状物に、部分的に添
    着されてなることを特徴とする請求項12記載のエアー
    フィルター。
  14. 【請求項14】 前記可塑剤はトリアセチンであること
    を特徴とする請求項12又は13記載のエアーフィルタ
    ー。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載のエ
    アーフィルターからなることを特徴とするタバコ用フィ
    ルター。
  16. 【請求項16】 請求項15記載のタバコ用フィルター
    を備えてなるタバコシガレット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015507937A (ja) * 2012-02-23 2015-03-16 エッセントラ フィルター プロダクツ ディベロップメント カンパニープライベート リミティド たばこ煙フィルタ
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EP4309760A1 (de) * 2022-07-19 2024-01-24 Filtrox AG Filterschicht

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