JP4209999B2 - シガレット用フィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シガレット用フィルターに係り、特には、たばこ煙中のタールの除去率(濾過率)に優れたシガレット用の高濾過性フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、シガレットに対する消費者の嗜好は、低ニコチン、低タールシガレットに移行する傾向にあり、このような消費者の要求を満足するために、たばこ煙中のタール量を低減させる様々な試みがなされている。シガレット用フィルターのタール濾過効率を向上させるためのフィルター繊維の改善もその一つである。
【0003】
一般的に、シガレット用フィルターは、束状に長手方向に平行に引き揃えられたセルロースアセテート繊維からなるトウにトリアセチン等の可塑剤を添加したものや、解繊したパルプ繊維をバインダーで結着した不織布をロッド状に成形したものが用いられている。
【0004】
これらのシガレット用フィルターにおいて、タール濾過率を向上させる技術として、フィルター繊維の断面形状を異形化したり、繊維を細径化したり、あるいは繊維に捲縮を与えることが行われている。
【0005】
中でも、不織布を用いたシガレット用フィルターとして、例えば特公昭50−38720号公報には、セルロースのアセチル誘導体からなるフィブリル状ミクロファイバーを相互に三次元的に絡合してなるシガレット用フィルターが開示されている。実公昭40−4160号公報には、ニードリングを施した合成繊維ウエブからなるたばこ用フィルターが開示されている。特開昭46−6946号公報には、静電植毛を利用したたばこ用フィルターが開示されている。特公昭43−23969号公報には、接着剤により処理された不織布を円柱状に巻いたシガレット用フィルターが開示されている。特開昭47−28281号公報には、熱可塑性ポリマーの溶融液をオリフィスを通過させて押し出し、これに気流を当て、少なくとも部分的に凝固させた後、コレクタ上にランダムな列をなして繊維を集束することによって不織布ウエブを製造する方法が開示されている。さらに、特開昭48−75800号公報には、熱可塑性ポリマーを加熱高圧ガスとともに吐出孔から噴出させて得られる細径繊維を集積し、シートまたはウエブ状に成形し、これを円柱状に紙巻することによってシガレット用フィルターを製造する方法が開示されている。
【0006】
他方、低タール化の他の手段として、シガレット用フィルターの外周に配置されるチップペーパーに機械的あるいはレーザー光線等の光学的手段を用いて希釈空気導入のための開孔を設けること、またはチップペーパーやフィルター巻取紙自体の通気度を上げること等が行われている。
【0007】
しかしながら、これらの従来技術を低タールシガレットに適用しようとする場合、煙中成分の濾過効率の向上は図れるものの、喫味が薄れる、いやみが目立つ等の喫味の劣化、希釈空気導入に伴い通気抵抗の低下あるいはたばこフィルター中の繊維密度を増加させたことに由来する通気抵抗の過度の増大を招き、喫煙者の適度な吸煙感を維持できない等の問題を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上記事情に鑑み、特に低タールシガレットに適用可能な喫煙者の適度な吸煙感を維持しつつ、たばこの喫味に悪影響を与えることなく、優れたタール濾過率を示すシガレット用フィルターを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは、シガレット用フィルターとして適切な繊維材料を種々検討した結果、従来シガレット用フィルターの素材としては用いられていなかったポリノジック繊維が、ステープルファイバーの形態にあり、かつ適切な繊度を有する場合には、これをスパンレース法により絡合させて不織布とすることによって、喫煙者の適度な吸煙感を維持しつつ、優れた煙中成分の濾過率を示し、しかもバインダーを使用していないためたばこ喫味に悪影響を与えないシガレット用フィルターとなることを見いだした。本発明はこの知見に基づく。
【0010】
すなわち、本発明によれば、平均繊度1.5デニール以下のポリノジックステープルファイバーを含む原料繊維をスパンレース法により絡合させた不織布からなるフィルター本体を有することを特徴とするシガレット用フィルターが提供される。
【0011】
本発明において、前記不織布は、フィルター硬さの観点から、セルロースアセテートステープルファイバーをさらに含むことが好ましく、セルロースアセテートステープルファイバーの好ましい配合割合は、30重量%までである。
【0012】
また、本発明において、前記不織布は、幅引きおよび/または陥入の防止の観点から、モーメント法で測定した長手方向繊維配向度0.29以上を有することが好ましい。
【0013】
さらに、本発明の不織布は、原料繊維重量の10%以下の可塑剤を含有することも好ましく、また本発明の不織布に、フィルター軸方向に沿って深さ1mm以下の複数の溝が形成されるようにクレープ処理を施すことも好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のシガレット用フィルターは、特定の繊度を有するポリノジックステープルファイバーを含む原料繊維をスパンレース法により絡合させた不織布からなるフィルター本体を有する。このフィルター本体は、通常のフィルター巻取紙により円柱状に巻き上げてシガレット用フィルターとして提供する。
【0015】
本発明において使用されるポリノジック繊維は、それ自体繊維の分野で既知のものであり、同じくセルロース系繊維ではあるが、レーヨン繊維やリヨセル繊維とは明確に区別されて認識されているものである。シガレット用フィルター素材として用いる場合、リヨセル繊維は、喫味の点で、レーヨン繊維はタール濾過率の点で難点がある。
【0016】
本発明においては、使用するポリノジック繊維は、ステープルファイバーの形態にあること、および1.5デニール(1.5d)以下の平均繊度を有することが重要である。これらの要件を満たさないときは、たとえポリノジック繊維を用いても、所期の高タール濾過率が達成しないことを見いだした。ポリノジックステープルファイバーは、2.5cmないし10cmの平均長さを有することが好ましい。また、ポリノジックステープルファイバーは、0.3〜1.0dの平均繊度を有することが特に好ましい。
【0017】
本発明の不織布を作るために使用されるスパンレース法は、それ自体当該技術分野でよく知られているものであって、水流絡合(交絡)により不織布を製造する方法であり、ウォータージェットパンチ、ジェットレース、ハイドロエンタングル、ジェットパンチまたはジェットボンド法とも呼ばれている。本発明のスパンレース法により製造される不織布を、以下、「スパンレース不織布」ということがある。
【0018】
より具体的には、本発明のスパンレース不織布は、捲縮された原料繊維(ポリノジックステープルファイバーを含む)をウエブ形成装置によりウエブに形成し、ついで、それぞれ0.05〜1.0mmの直径を有し、孔間隔0.2〜3mmで1列または2列以上に配置された細孔から噴出された高圧水(水圧10〜300kg/cm2 )をウエブに衝突させることにより原料繊維を絡合させることによって製造することができる。こうして得られる本発明のスパンレース不織布は、通常の紙フィルター巻上げ機による巻上げが良好に行い得る十分な横方向の伸びを示すとともに、バインダーを使用しないので、それによるたばこ喫味に対する悪影響もない。
【0019】
上記のように、本発明のスパンレース不織布は、通常の紙フィルター巻上げ機を用いて巻取紙により円柱状に巻き上げられてシガレット用フィルターとなる。こうして巻き上げられたフィルターはチップペーパーによりたばこカラムとともにシガレットに巻き上げられるが、そのシガレット巻上げを支障なく行うためには、フィルターは、所定の硬さを有することが要求される。本発明のスパンレース不織布からなるシガレット用フィルターは、通常の紙フィルター巻上げ機で通常の巻取紙により直径8mmの円柱状に巻き上げられ、300gの荷重下に10秒間放置された後に、わずか1.05mm以下の外径の圧縮長さ(圧縮前の直径−圧縮後の直径)を示すというフィルター硬さを有することが好ましい。本発明のスパンレース不織布がポリノジックステープルファイバーだけで構成される場合には、通常のシガレット用フィルターの通気抵抗範囲内では、好ましい硬さを提供し得ないことが多い。しかしながら、本発明のスパンレース不織布の原料繊維に、ポリノジックステープルファイバーに加えてセルロースアセテートステープルファイバーを配合して混綿すると、上記好ましいフィルター硬さを安定に達成し得ることがわかった。
【0020】
セルロースアセテートステープルファイバー(以下、単にアセテート繊維ということがある)は、30重量%までの割合で原料繊維に配合することが好ましい。例えば、原料繊維が、ポリノジックステープルファイバーとセルロースアセテートステープルファイバーからなる場合、前者を70重量%以上の割合で、後者を30重量%以下の割合で配合することが好ましい。この範囲内でセルロースアセテートステープルファイバーを配合した場合、得られるスパンレース不織布からなるフィルターのタール濾過率は、ポリノジックステープルファイバーのみのスパンレース不織布からなるフィルターのタール濾過率と実質的に等しいことがわかった。異なる繊維を混綿して形成された不織布フィルターのタール濾過率は、各単独の繊維から形成される不織布のタール濾過率の荷重平均となるという従来の知見に鑑みると、この事実は、予期せざるものであった。高いタール濾過効率を維持しつつ、好ましいフィルター硬さを得るためには、セルロースアセテートステープルファイバーを10〜30重量%の割合で原料繊維に配合することが特に好ましい。
【0021】
本発明に用いるセルロースアセテートステープルファイバーは、2.5〜10cmの平均長さおよび0.5〜5dの平均繊度を有することが特に好ましい。また、セルロースアセテートステープルファイバーは、異形断面(例えば、Y字断面)を有することができる。
【0022】
上記セルロースアセテートステープルファイバーの硬さを調整するために、可塑剤(好ましくはトリアセチン)を原料繊維重量の10%以下の割合で、好ましくは3〜6%の割合で添加することができる。
【0023】
以上述べた本発明のスパンレース不織布は、厚さが0.1mmないし0.8mm(押し圧20g/cm2 )程度であり得、また、一般に、20ないし150g/m2 の繊維重量(坪量)を有し得る。
【0024】
ところで、シガレット用フィルターは、タール濾過率が高いことばかりでなく、その通気抵抗が適切な範囲内にあることが必要である。通気抵抗が高くなるほど、フィルターの濾過性能は向上するが、その反面、高い吸煙力が必要となり、喫煙しにくくなる。個人差はあるが、快適に吸煙しうるフィルター付きシガレットの通気抵抗は、毎秒17.5mlの空気流量で吸引した場合に、100〜120mmH2 Oであるといわれている。
【0025】
例えば、快適に吸引し得るといわれる100〜120mmH2 Oの通気抵抗を示すようなフィルターを得るには、通常の長さ25mm、直径8mmのフィルターで、標準喫煙条件下におけるチップペーパーからの空気流入割合が0〜70%程度の範囲では、繊維充填量を0.129g〜0.199gとすることが好ましいことがわかった。この繊維充填量は、約0.107〜約0.165mg/mm3の充填密度に相当すると算出される。
【0026】
また、本発明のシガレット用フィルターは、本発明のスパンレース不織布にその長手方向に沿って深さ1mm以下の溝が形成されるようにクレープ処理を施すことにより、タール濾過率がより一層向上することが見いだされた。このようなクレープ処理は、例えば特開平9−294576号公報、特開平9−294577号公報等に開示されているシガレット用フィルター巻上げ機を用いて施すことができる。クレープ処理により形成される溝の方向は、当該スパンレース不織布をフィルターに巻き上げたとき、そのフィルターの軸方向に実質的に沿うものとなる。このようにクレープ処理されたシガレット用フィルターの断面の不織布繊維は、たばこ煙流との接触面積を増加させる繊維配向となるので濾過率が一層向上する。また、クレープ処理に代えて、例えば格子状のエンボス加工を施した場合も同様の効果が期待できる。
【0027】
さらに、本発明のスパンレース不織布において、不織布を構成する繊維(すなわち、原料繊維)の長手方向の配向度(フィルターの軸方向の配向度に相当)を制御することによって、いわゆる陥入および/または幅引きを抑制し得る。ここで、当業者によく知られているように、陥入とは、巻取紙で巻き上げられたフィルターを所要長に切断した後に、フィルター内の繊維が縮んでしまいその長さが巻取紙よりも短くなるという欠陥のことであり、また幅引きとは、不織布原反をフィルターとして巻き上げる際に、原反幅が狭くなる現象のことであり、陥入やクレープ不良の原因となるものである。
【0028】
上記長手方向繊維配向度は、走査型電子顕微鏡の不織布繊維画像を旭エンジニアリング(株)製IP−1000画像解析装置により測定することができる。モーメント法による長手方向繊維配向度は、それ自体知られているように、以下の式:
Σ(fθn(cos2(θmax−θn)−sin2(θmax−θn))
(ここで、θmax=最大方向の方向角度
N=グラフ分割数
fθn=θnの分布率(全方向の合計を1.0とする))
で算出することができる。
【0029】
本発明において、上記長手方向繊維配向度は、モーメント法により測定して平均で0.29以上であることが陥入および/または幅引きを有意に抑制するという点で好ましい。そのような長手方向繊維配向度を有するスパンレース不織布は、ウエブを調製するときに縦(MD)方向のウエブ繊維に対して20%以下の重量の横方向ウエブ繊維を導入することによって製造することができる。
【0030】
本発明のスパンレース不織布を用いたフィルターは、シガレット用フィルターとして最も多く用いられるトウ形態のセルロースアセテートフィルターやレーヨンフィルターと比較して、通気抵抗を変化させた場合のどの水準においても、ニコチン、タールの濾過率が高く、同一の通気抵抗とした場合、本発明の不織布の方が濾過効率が高い。
【0031】
なお、本発明のポリノジック繊維を含む原料繊維の代わりに、ビスコースレーヨン繊維を使用することもできる。すなわち、ビスコースレーヨン繊維(好ましくは、2.5cmないし10cmの平均長さ、および0.5ないし5d(より好ましくは0.5〜1.5d)の平均繊度を有する)をスパンレース法により絡合させた不織布からなるフィルター本体を有するシガレット用フィルターもセルロースアセテート繊維からなるフィルターよりも優れたタール濾過率を示す。このフィルターの通気抵抗は、65〜206mmH2 Oであることが好ましい。このフィルターにおいても上記本発明のスパンレース不織布と同様にクレープ処理を施すことができ、また、このビスコースレーヨン不織布は、約0.147〜約0.218mg/mm3の不織布充填密度を有することが好ましく、その厚さは、通常、0.1mmないし0.8mm(押し圧20g/cm2 )程度であり得る。
【0032】
【実施例】
実施例1
下記表1に示す各種ポリノジックステープルファイバーからなる各種スパンレース不織布、および比較としてのレーヨン繊維からなる各種スパンレース不織布を製造し、通常の紙フィルター巻上げ機で直径8mm、長さ100mmのフィルターロッドに巻上げた。これを長さ25mmに切断してフィルターチップとした。各フィルターチップの通気抵抗を測定し、また直接法によりたばこ煙中のタール、ニコチンおよび総粒子状物質(TPM:タールとニコチンと水分)の濾過率を測定した。
【0033】
通気抵抗は、試料としての上記各フィルターチップを備えたピース巻とU字管水柱計とを並列に真空ポンプで接続し、試料を通じて真空ポンプで吸引し、試料を通過した気体の通気量が17.5ml/秒に達した時点の水柱目盛りを読み取り、その値を通気抵抗とした。また、濾過率は、各フィルターを市販たばこのピース巻に取り付け、標準喫煙機(フィルトロナ社製)で燃焼させ、コレスタ法に順じて各濾過率を測定したものである。結果を表2に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0004209999
【0035】
【表2】
Figure 0004209999
【0036】
これらの測定結果に基づき、タール濾過率を通気抵抗の関数としてプロットして得たグラフを図1に示す。図1において、線aは、平均繊度:0.7のポリノジックステープルファイバーについてのもの、線bは、平均繊度:1.5のポリノジックステープルファイバーについてのもの、線cは、レーヨン繊維についてのものである。なお、通常のトウ形態のセルロースアセテートフィルターについて同様に測定したタール濾過率についての結果を線dとして示す。
【0037】
図1に示す結果からわかるように、本発明のフィルターは、通常のトウ形態のセルロースアセテートフィルターやレーヨンスパンレース不織布よりも濾過率が有意に向上していることがわかる。また、これらの結果から、約80ないし約100mmH2 Oの通気抵抗の範囲のフィルターチップであっても高いタール除去率を示すこともわかる。
【0038】
実施例2
平均繊度0.7d、平均長さ38mmのポリノジックステープルファイバー80重量%と平均繊度1.9d、平均長さ38mmのセルロースアセテートステープルファイバー20重量%とからなる原料繊維(可塑剤としてトリアセチンを0%、3%または6%添加)を用いて、下記表3に示す各種スパンレース不織布を製造した後、実施例1と同様にして直径8mm、長さ100mmのフィルターロッドを作製した。得られた各フィルターロッドについて通気抵抗を測定するとともに、300グラムの荷重を10秒間掛けた後のフィルターロッドの圧縮長さ(フィルター硬さ)を測定した。結果を表3に併記する。なお、表3に示す繊維充填量および通気抵抗の値は、シガレット製品4本分のフィルター長のフィルターロッドについてのものであるので、それらの値を4で除することにより1本分のフィルターチップについてのデータとなる。
【0039】
【表3】
Figure 0004209999
【0040】
これらの測定結果に基づき、可塑剤添加量毎に各フィルター硬さを通気抵抗の関数としてプロットして得たグラフを図2に示す。図2において、線eは、可塑剤無添加のもの、線fは、可塑剤3%添加のもの、線gは、可塑剤6%添加のものである。
【0041】
通常、シガレットに使用されるフィルターロッドの通気抵抗は、およそ400〜600mmH2 O(通常のフィルターチップとしてはその1/4)である。この範囲において、可塑剤が添加されないフィルターにおいては、好適な硬さである1.05mmが得られないことが多い。このフィルターに可塑剤を3〜6%添加することで、通常の通気抵抗範囲で好適な硬さを安定に得ることができる。
【0042】
実施例3
下記表4に示す各種原料繊維を用いて各種スパンレース不織布を製造した後、実施例1と同様に直径8mm、長さ100mmのフィルターロッドを作製し、これを25mmの長さに切断してフィルターチップとした。得られた各フィルターチップについて通気抵抗を測定するとともに、フィルター硬さおよびタール濾過率を測定した。結果を表5に示す。
【0043】
【表4】
Figure 0004209999
【0044】
【表5】
Figure 0004209999
【0045】
これらの測定結果に基づき、タール濾過率を通気抵抗の関数としてプロットして得たグラフを図3に示す。
【0046】
好適な硬さを得るためには、繊維径を太くすることと、アセテート繊維の配合率を高めること、可塑剤添加量を増加させることで達成できる。この場合、前2者の方法では、濾過率が低下するおそれがある。また後者の方法では、可塑剤が過多になると異臭が発生したり、繊維が溶解してかえって硬さを低下させることになる。適当な繊度を有するアセテート繊維(本実施例では、1.9d、不織布として混綿可能な範囲は、5.0d以下)を使用して、フィルター充填量の6%以下の可塑剤によって通常使用される通気抵抗範囲での硬さを好適なものにすることができることがわかった。
【0047】
実施例4
モーメント法による平均長手方向繊維配向度が0.194、0.2985または0.5345であるスパンレース不織布を作製し、実施例1と同様にしてフィルターを作製した。このときの不織布の幅引き量(mm)およびフィルターの陥入発生率を測定した。結果を下記表6に示す。なお、スパンレース不織布のおよびフィルターの仕様は以下の通りであった。
【0048】
ポリノジックステープル繊維100%
平均繊度:0.7d
平均長さ:38mm
フィルターチップ
直径:8mm
長さ:25mm。
【0049】
【表6】
Figure 0004209999
【0050】
表6に示す結果から、長手方向繊維配向度が0.29以上の不織布は、幅引きおよび陥入が大幅に抑制されることがわかる。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、接着剤を用いないのでたばこの喫味に悪影響を与えることなく、優れたタール濾過率を示すとともに、通気抵抗を喫煙に快適な範囲とすることができるシガレット用フィルターが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシガレット用フィルターのタール濾過率を使用したポリノジックステープルファイバーの平均繊度毎に通気抵抗の関数として、比較例とともに示すグラフ図。
【図2】本発明のシガレット用フィルターの硬さを添加した可塑剤の量毎に通気抵抗の関数として示すグラフ図。
【図3】本発明のシガレット用フィルターのタール濾過率を使用したポリノジックステープルファイバーの割合毎に通気抵抗の関数として示すグラフ図。

Claims (6)

  1. 平均繊度1.5デニール以下のポリノジックステープルファイバーを含む原料繊維をスパンレース法により絡合させた不織布からなるフィルター本体を有することを特徴とするシガレット用フィルター。
  2. 前記不織布が、セルロースアセテートステープルファイバーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシガレット用フィルター。
  3. 前記不織布が、セルロースアセテートステープルファイバーを30重量%までの割合で含むことを特徴とする請求項2に記載のシガレット用フィルター。
  4. 前記不織布が、モーメント法で測定した長手方向繊維配向度0.29以上を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシガレット用フィルター。
  5. 前記不織布が、原料繊維重量の10%以下の可塑剤を含有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシガレット用フィルター。
  6. 前記不織布に、フィルター軸方向に沿って深さ1mm以下の複数の溝が形成されるようにクレープ処理が施されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシガレット用フィルター。
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