JP3313230B2 - 高速紡糸ポリアミドマルチフィラメント - Google Patents
高速紡糸ポリアミドマルチフィラメントInfo
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Description
てなる直接紡糸延伸糸であって、織物及びトリコット等
に使用出来る高タフネスのポリアミドマルチフィラメン
ト糸に関する。
経糸や緯糸には従来糸が使われていた。この糸は紡速が
低く(通常1000m/分程度)、常温で延伸できるた
めに、経糸には鉱物油系の油剤を付与した糸が一般に生
産されてきた。このような経糸は糸質も良く、更に糊剤
との相溶性も良いため、ウォータージェットルームの織
物製造において停台も少なく、十分な性能を発揮してき
た。しかしながら、この糸は紡速が低いうえに、製造工
程も多いため、製造コストが高いという問題があった。
このため、近年は紡糸と延伸を一工程で行う直接紡糸延
伸法が採用されている。
て延伸するため、従来汎用されている鉱物油系油剤を付
与すると発煙が非常に多くなるという欠点がある。又、
直接紡糸延伸に際して低粘度鉱物油(通常RW(レッド
ウッド)30秒)で希釈したエステル系のストレート油
剤を付与すると、製糸性が良く、高強力糸も得られる
が、糊剤との相溶性が悪く、ウォータージェットルーム
で製織する場合に経糸の毛羽が多く、停台が多いという
問題がある。更に、ストレート油剤は希釈剤が延伸中に
全部揮発するので、環境汚染の問題を起こし、また油剤
コストも高いという問題がある。
紡糸延伸法において、織物経糸用として鉱物油と二塩基
酸エステルを主体とする処理剤を用いることが提案され
ているが、この油剤をナイロン66の直接紡糸延伸法の
紡糸で付与すると熱ロールの温度が高いので、鉱物油の
粘度が低いと(例えばRW100秒以下)、前述の如
く、発煙が多くなるという問題がある。又鉱物油の粘度
を高くすると、この発煙はある程度少なくなるが、平滑
性が十分でないため、製糸性が悪化するという問題があ
る。
安く、環境を汚染させることなく、高強力糸が得られ、
更にウォータージェットルームの製織において停台が発
生しない直接紡糸延伸法によって製造したポリアミドマ
ルチフィラメント糸を提供することを目的とする。
ルで、且つ耐熱性の良い油剤系における糊剤と油剤の相
溶性を鋭意検討したところ、フィラメント(単糸)の表
面に固体状の制電剤が付着していないもの、言い換えれ
ば油剤が低水分下で低温安定性が良く、且つ糊剤との相
溶性の良い油剤を用いることにより、ウォータージェッ
トルームでの製織停台を少なくできることを見出し、本
発明に至った。
溶融紡出糸を冷却固化した後、ニートオイルの重量基準
で、ソルビタンエステル5〜20重量%、ポリオキシエ
チレン(1〜10)高級アルコール(C4 〜C20)ホス
フェートトリエタノールアミン(以下、POE(1〜1
0)高級アルコール(C4 〜C20)ホスフェートトリエ
タノールアミンと示す)1〜10重量%及び酸化防止剤
0.1〜1.0重量%の3成分を含むニートオイルを付
与してなる直接紡糸延伸ポリアミドマルチフィラメント
糸が提供される。
発明において、ポリアミドマルチフィラメントとは、ナ
イロン6、ナイロン66、共重合ナイロン等のマルチフ
ィラメント糸をいい、デニールとしては一般に2000
デニール以下のものが好ましい。
フィラメント糸の製造方法の一例を図1に従って説明す
る。図1に示したように、口金1より溶融ポリマーを押
し出し、冷風2でポリアミドマルチフィラメント糸5を
冷却する。次にニートオイル6をギヤポンプ(図示せ
ず)で計量送液し、ヒーター3で60℃に昇温してポリ
アミドマルチフィラメント糸5に付与する。最後に第1
ゴデッドロール(常温)7に糸を巻き付けた後、第2ゴ
デッドロール(加熱)8に巻き付け、ロール7とロール
8との間で延伸してインタレーサー11で交絡を付与し
てチーズ10に巻き取る。
剤、乳化剤、制電剤及び添加剤等を配合した油剤をい
い、含有水分が0.5重量%以下であり、低温安定性
(例えば10℃における安定性)が良好(均一透明な油
剤)で、通常希釈剤を含有しないものであるが、30デ
ニール以下の場合にはギヤポンプの回転が少なくなるの
で30重量%以下の希釈剤を含んでいても良い。本発明
において紡出糸に付与されるニートオイルは通常温度3
0〜100℃で付与し、更に好ましくは温度50〜70
℃で付与する。
る平滑剤としては、特に制限はないが、ブチルステアレ
ート、イソオクチルパルミテート、オレイルオレート等
の一価エステル、ジオクチルアジペート、ジオレイルア
ジペート、1,4−ブタンジオールジオレート等の二価
エステル等が挙げられる。本発明に係るニートオイル中
に配合される乳化剤としては、特に制限はないが、PO
E(5〜10)ラウリルエーテル、POE(5〜10)
オレイルエーテル等のアルキルエーテル系、PEG(2
00〜600)モノラウレート、PEG(200〜60
0)モノオレート等のPEGエステル系、POE(20
〜40)ヒマシ油エーテル、POE(20)ソルビタン
モノラウレート等の多価アルコール系等の乳化剤を用い
ることができる。
してソルビタンエステルを含有するが、その目的はニー
トオイルの低温安定性を向上させることにあり、その配
合量が5重量%未満ではその効果がなく、20重量%を
超えるとニートオイルの粘度が高くなる欠点があるの
で、5〜20重量%でなければならず、8〜15重量%
が好ましい。具体的なソルビタンエステルには、ソルビ
タンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビ
タントリオレート、ソルビタンパルミチン酸エステル等
がある。
して配合されるPOE(1〜10)高級アルコール(C
4 〜C20)ホスフェートトリエタノールアミンを含有す
るが、その目的はニートオイルの含有水分を少なくする
ためであり、その配合量が1重量%未満では制電性が悪
化し、逆に10重量%を超えると低温安定性が悪化する
ため、1〜10重量%配合する必要があり、更に好まし
くは2〜5重量%である。POE(n)のモル数は1〜
10モルであり、好ましくは2〜6モルが良い。高級ア
ルコールの炭素数は4〜20で、好ましくは10〜15
である。POE(n)高級アルコールホスフェートトリ
エタノールアミンは還元性が強いため、少量添加でもN
OX 黄変防止に著しい効果を発揮するものであり、トリ
コットや他の分野でも用いることができる。具体的なP
OE(1〜10)高級アルコール(C4 〜C20)ホスフ
ェートトリエタノールアミンとしてはPOE(3)ラウ
リルアルコールホスフェートトリエタノールアミン、P
OE(6)オレイルアルコールホスフェートトリエタノ
ールアミン、POE(3)2エチルヘキシルアルコール
ホスフェートトリエタノールアミンなどが挙げられる。
て配合される、酸化防止剤にはヒンダードフェノール
系、リン系、ヒドラジン系等の従来公知の任意のものと
することができるが、ヒンダードフェノール系の使用が
好ましい。酸化防止剤は延伸中の発煙減少やポリアミド
マルチフィラメント糸の熱黄変防止を行なう目的で用い
られ、その配合量が0.1重量%未満ではその効果がな
く、逆に1.0重量%を超えると低温安定性が悪化する
ため、0.1〜1.0重量%配合することが必要で、好
ましくは0.2〜0.6重量%である。具体的な酸化防
止剤としてはヒンダードフェノール等ではチバガイギー
製のイルガノックス565、アデカアーガス化学製のM
ark AO−30、リン系ではアデカアーガス製のM
ark260、ヒドラジン系では日本ヒドラジン製のH
N−130,HN−150などが挙げられる。
ミドマルチフィラメント糸を製造する際のオイリング方
法にはオイリングロール方式とギヤポンプでニートオイ
ルを計量給油するオイリングノズル方式の2つの方法が
あるが、糸への抵抗を下げる目的でオイリングノズル方
式が好ましい。またマルチフィラメント糸へのニートオ
イル付着量は絶乾状態で0.5〜2.0重量%で良く、
好ましくは0.7〜1.2重量%が良い。
するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するもの
でないことは言うまでもない。ナイロン66チップ(9
5.5%硫酸に糸を1.0%溶解し、オストワルド粘度
計(25℃)で測定した秒数を溶媒のみの場合の秒数で
除した値として定義される硫酸粘度2.45)を押出機
で溶融した後、スピンヘッドに送り、34ホールを有す
る口金より紡糸温度295℃で吐出させ、チヤンバーで
冷風にて冷却した。冷却後の糸に、ギヤポンプで計量送
液した下記組成の油剤を、ノズル付与部において、ヒー
タで設定温度60℃、付与部油剤液温55℃で、糸に対
して0.9重量%付与し、次いで2.75倍の1段加熱
延伸し、交絡を付与して4000m/min の速度で40
d/34fのチーズを捲取った。得られた糸の物性は、
強度が6.5g/d(多試料法で測定)で伸度が38%
(多試料法にて測定)であった。
ようにして評価した。 (2)製糸性 ワインダー8エンド方式で、チーズ重量2kg捲きを採取
し、前記油剤A〜Cの1点につき2000個分行ない、
その切糸回数を回/tで評価した。従来糸の場合の切糸
は1回の切糸で1パーン不良となるが、高速紡糸は1回
の切糸で8チーズが不良となる。切糸結果は表1に示
す。
をクリールして整経を行なって、10ビーム採取し、こ
れを集めて10650本の経糸を準備した(但し、従来
糸の場合はコンベンショナル方式で紡糸、延伸した)。
次に経糸をアクリル系の糊剤を付与して乾燥した後、ビ
ームに捲取り織機(ウォータージェットルーム)にセッ
トする。ウォータージェットルームは600rpm で運転
し、緯糸は油剤Aを付与した交絡15ケ/Mの糸を用い
て打込んだ。ウォータージェットルームの総停台(経糸
因+緯糸因)を回/台、日の単位で表した。結果を表1
に示す。
て糸重量W1 を測定し、次に水酸化ナトリウム6g/L
+スコアロール液5g/L 500ccで一次洗浄をして
しぼり、次にスコアロール5g/L 500ccで二次洗
浄をした後、最後に水で十分洗ってしぼり、105℃で
3時間乾燥してW2 を求める。このようにして求めたW
1 及びW2 から、式:〔(W1 −W2 )/W2 〕×10
0で糊剤+油剤付着量を求め、この値から油剤付着量を
引いたものが糊付着量である。得られた結果を表1に示
す。
糸は製糸性の糸切れが少なく、ウォータージェットルー
ムの製織では同一糊付着量レベルで総停台が少なく、更
に糊付着量を上げると、停台が驚異的に少なくなる。
ラメントの製造工程の一例を示す図面である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリアミドの溶融紡出糸を、冷却固化し
た後、ニートオイルの重量基準で、ソルビタンエステル
5〜20重量%、ポリオキシエチレン(1〜10)高級
アルコール(C4 〜C20)ホスフェートトリエタノール
アミン1〜10重量%及び酸化防止剤0.1〜1.0重
量%の3成分を含むニートオイルを付与してなる直接紡
糸延伸ポリアミドマルチフィラメント糸。
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JP4122094A JP3313230B2 (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | 高速紡糸ポリアミドマルチフィラメント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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JP4122094A Expired - Fee Related JP3313230B2 (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | 高速紡糸ポリアミドマルチフィラメント |
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1994
- 1994-03-11 JP JP4122094A patent/JP3313230B2/ja not_active Expired - Fee Related
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