JP3313191B2 - 立体選択的グリコシル化法 - Google Patents

立体選択的グリコシル化法

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JP3313191B2
JP3313191B2 JP14913093A JP14913093A JP3313191B2 JP 3313191 B2 JP3313191 B2 JP 3313191B2 JP 14913093 A JP14913093 A JP 14913093A JP 14913093 A JP14913093 A JP 14913093A JP 3313191 B2 JP3313191 B2 JP 3313191B2
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    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H17/00Compounds containing heterocyclic radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は2'-デオキシフルオロヌクレオシ
ドを製造するための立体選択的グリコシル化法およびそ
の方法の中間体に関する。
【0002】2'-デオキシフルオロヌクレオシドとそれ
らの類縁体の合成に引き続き興味がもたれていること
は、それらがウイルス病と癌疾患を治療するための治療
物質として成功裏に使用されていることに基づいてい
る。特に興味が持たれている化合物はジェムシタビン(g
emcitabine)である(欧州特許明細書第211354号お
よび米国特許第4526988号を参照のこと)。これ
らの化合物はβ-ヌクレオシドであるので、このような
化合物を高収率で得る必要がある。
【0003】2'-デオキシフルオロヌクレオシドの合成
における決定的な段階は、N-グリコシド結合が形成さ
れる核酸塩基と炭水化物の縮合またはグリコシル化であ
る。しかし、2'-デオキシヌクレオシドの合成法は典型
的には非立体選択的であり、αおよびβヌクレオシドの
混合物を形成する。例えば、米国特許第4526988
号は2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-β-ヌクレオシドを
立体選択的には生産せず、2-デオキシ-2,2-ジフルオ
ロヌクレオシドのβアノマーに対してαアノマーを4:
1で生産する。保護基を最適化してもβに対するαの比
率を1:1を越えて増大させることはできなかった(炭
水化物上にベンゾイル遮断基を使用した米国特許第49
65374号を参照のこと)。
【0004】本発明によれば、式:
【化13】 [式中、Tは水素またはフッ素から選択され、Rは群:
【化14】 {ここにRは水素、アルキル、置換アルキルおよびハ
ロからなる群から選択され、Rはヒドロキシ、ハロ,
アジド、1級アミノおよび2級アミノからなる群から選
択され、Rは水素、アルキル、およびハロからなる群
から選択され、R、RおよびRは水素、−OH、
−NH、−NH(アルキル)、ハロ,アルコキシおよび
チオアルキルからなる群から独立に選択され、Rは水
素、ハロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アルコキシ
カルボニル、チオアルキル、チオカルボキシアミドおよ
びカルボキシアミドからなる群から選択され、QはC
H、CRおよびNからなる群から選択される(ここに
はハロ、カルボキシアミド、チオカルボキシアミ
ド、アルコキシカルボニルおよびニトリルからなる群か
ら選択される)}から選択される核酸塩基を表す]で表
されるβアノマーに富むヌクレオシドを製造する立体選
択的グリコシル化法であって、式:
【化15】 [式中、Xはヒドロキシ保護基から独立に選択され、T
は上記と同意義である]で表されるαアノマーに富む炭
水化物のスルホニルオキシ基(Y)の、群:
【化16】
【化17】 [式中、RからRまでとQは上記と同意義であり、
Zはヒドロキシ保護基を表し、Wはアミノ保護基を表
し、Mはカチオンを表す]から選択される少なくとも
1モル等量の核酸塩基(R'')によるS2求核置換と、
脱保護して式(I)の化合物を生成させることからなる方
法が提供される。
【0005】特に明記する場合を除いて、本明細書を通
して、すべての温度を摂氏温度で表し、すべての比率、
百分率などを重量単位で表し、すべての混合物を体積単
位で表す。アノマー混合物を重量/重量比または百分率
として表す。用語「ラクトール」は単独で、あるいは組
み合わされて、2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボ
フラノースまたは2-デオキシ-2-フルオロ-D-リボフ
ラノースを表す。用語「キシレン」は単独で、あるいは
組み合わされて、キシレンのすべての異性体およびそれ
らの混合物を表す。用語「炭水化物」は単独で、あるい
は組み合わされて、C-1位のヒドロキシ基が所望の脱
離基に置換されている活性化されたラクトールを意味す
る。用語「ハロ」は単独で、あるいは組み合わされて、
クロロ、ヨード、フルオロおよびブロモを意味する。用
語「アルキル」は1ないし7炭素原子を含有し、好まし
くは4炭素原子までを含有する直鎖、環状および分枝鎖
脂肪族炭化水素基、例えばメチル、エチル、n-プロピ
ル、イソプロピル,n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチ
ル、n-ヘキシル、3-メチルペンチル基など、もしくは
置換された直鎖、環状および分枝鎖脂肪族炭化水素、例
えばクロロエチル、1,2-ジクロロエチルなどを意味す
る。用語「アルコキシ」は単独で、あるいは組み合わさ
れて、一般式AO(ここにAはアルキルを表す)で表され
る化合物を意味する。用語「アリール」は単独で、ある
いは組み合わされて、炭素環式または複素環式基、例え
ばフェニル、ナフチル、チエニルおよびそれらの置換誘
導体などを意味する。用語「チオアルキル」は単独で、
あるいは組み合わされて、一般式BS(ここにBはアル
キルまたは水素を表す)を意味する。用語「エステル」
は単独で、あるいは組み合わされて、一般式EOOC
(ここにEはアルキルまたはアリールを表す)を意味す
る。用語「芳香族」は単独で、あるいは組み合わされ
て、(4n+2)非極在化π電子を含有するベンゼン様構
造を意味する。用語「スルホネート」または「スルホニ
ルオキシ」は単独で、一般式BSO3(ここにBはアルキ
ル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールを表
す)で表される化合物を意味する。用語「置換(され
た)」は単独で、あるいは組み合わされて、シアノ、ハ
ロ、カルボアルコキシ、トルオイル、ニトロ、アルコキ
シ、アルキル、およびジアルキルアミノから選択される
1またはそれ以上の基での置換を意味する。「アノマー
に富む」という表現は、単独で、あるいは組み合わされ
て、特定のアノマーの比率が1:1より大きいことを意
味し、実質上純粋なアノマーを包含する。用語「濃縮
(された)」は単独で、あるいは組み合わされて、溶媒中
に溶解している炭水化物の重量が溶媒の単位体積あたり
重量で20%を越える溶液を意味する。例えば、200
ミリリットルの溶媒中に100グラムの炭水化物を溶解
させると50%炭水化物溶液が生成する。用語「共役ア
ニオン」は一般式BSO3−(ここにBは上記と同意義で
ある)で表されるアニオンを意味する。用語「アノマー
化」は単独で、あるいは組み合わされて、リボフラノシ
ル誘導体のC-1位におけるエピマー化を意味する。
【0006】本グリコシル化法によれば、式(I)で表さ
れるベータ-アノマーに富む2'-デオキシ-2',2'-ジフ
ルオロヌクレオシドと2'-デオキシ-2'-フルオロヌク
レオシドが、式(II)で表されるαアノマーに富む炭水
化物を少なくとも1モル等量の核酸塩基(R'')と反応さ
せ、得られたヌクレオシドを下記のように脱遮断するこ
とによって製造される。
【化18】 [式中、Y、X、T、R''およびRは上記と同意義であ
る]このグリコシル化反応はSN2置換を通して進行す
ると考えられる。したがって、本発明のβアノマーに富
むヌクレオシド産物は核酸塩基のαアノマーに富む炭水
化物との反応から立体選択的に導かれる。
【0007】本グリコシル化法で使用される式(II)の
αアノマーに富む炭水化物を製造する際に用いる好適な
ラクトール出発物質は当該技術分野で既知であり、当業
者が一般的に使用する標準的な手法によって容易に合成
される。例えば米国特許第4526988号(参考文献
として本明細書の一部を構成する)は、式:
【化19】 [式中、Xはヒドロキシ保護基を表す]で表される2,
2-ジフルロロ-2-デオキシ-D-リボフラノース中間体
の合成を教示している。さらにReichmanら,Carbohydr.R
es.,42,233(1975)は、式:
【化20】 [式中、Xはヒドロキシ保護基を表す]で表される2-
デオキシ-2-フルオロ-D-リボフラノース中間体の合成
を教示している。本方法の好ましい態様では、式(II
I)で表されるαアノマーに富む2,2-ジフルオロ-2-
デオキシ-D-リボフラノース-3,5-ジベンゾエート中
間体を使用する。
【0008】本発明の重要な特徴は、式(III)または
(IV)の新規αアノマーに富む炭水化物中間体が反転に
有利な求核置換条件(即ち、SN2)下で反応して、式
(I)のβアノマーに富むヌクレオシドを与えるという発
見である。
【0009】核酸塩基と式(II)のαアノマーに富む炭
水化物の間の効率的な反応を得るためには、適当な脱離
基(Y)がラクトールに立体選択的に結合してラクトール
を活性化し、式(II)のαアノマーに富む炭水化物を生
成させなければならない。しかし選択される脱離基は選
択した核酸塩基と選択したグリコシル化反応条件に依存
する。
【0010】式(II)のαアノマーに富む炭水化物中間
体の製造は、2つの係属中の米国特許出願USSN07
/902301およびUSSN07/902305に記
述された教示によって好ましく製造される。
【0011】USSN07/902301は、式(II
I)のラクトールを8から20までのpKaを有するア
ミン塩基と低融点不活性溶媒中で反応させ、その反応混
合物の温度を約−40℃から約−120℃までに調節
し、スルホネート化試薬を添加することによって、Tが
フルオロである式(II)のαアノマーに富む中間体を製
造する立体選択的方法を教示している。
【0012】アミン塩基はトリエチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリブチルアミン、ジブチルアミン、ジエチ
ルメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ベンジルメチ
ルアミン、N-メチルモルホリン、トリプロピルアミ
ン、ジプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルベンジル
アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミ
ン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エ
ンおよび1,5ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エ
ンからなる群から選択することが好ましい。好ましく使
用される塩基の量は約1モル等量から約2モル等量まで
の範囲であり、より好ましくは約1.2モル等量から約
1.5モル等量までである。
【0013】この反応は好ましくは−78℃未満の融点
を有する不活性溶媒中で行われる。好ましい溶媒はジク
ロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジクロロフルオロ
メタン、アセトン、トルエン、アニソール、クロロベン
ゼンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0014】溶媒混合物の温度は好ましくは約−78℃
未満である。例えば、Xがベンゾイルである式IIIの
化合物をジクロロメタンとトリエチルアミンに室温で3
0分間加える。次に、その反応液の温度を低下させる。
19F NMRを様々な温度でとったところ、イオン化し
たラクトールのβアノマーに対するαアノマーの比率の
増大が温度が低下するにつれて起こることが示された。
【0015】次に、スルホネート化試薬を加えてαアノ
マーに富む式(II)の炭水化物を形成させることによ
り、低温と高いαアノマー比で溶液中のイオン化したラ
クトールを捕捉する。したがって、温度を適当に選択す
ることにより、炭水化物中間体出発物質のβに対するα
の比率を変化させることができる。
【0016】脱離基(Y)はスルホネート化によりラクト
ールに結合される。スルホネート化試薬は好ましくは、
置換および非置換アルキルスルホネート化ハロゲン化
物、置換および非置換アリールスルホネート化ハロゲン
化物およびアルキルスルホン酸無水物およびアリールス
ルホン酸無水物、例えば、ハロゲン化メタンスルホニ
ル、ハロゲン化エタンスルホニル、ハロゲン化2-クロ
ロ-1-エタンスルホニル、ハロゲン化p-ニトロベンゼ
ンスルホニル、ハロゲン化2,4-ジニトロベンゼンスル
ホニル、ハロゲン化ブロモベンゼンスルホニル、ハロゲ
ン化ジブロモベンゼンスルホニル、ベンゼンスルホン酸
無水物、p-ブロモベンゼンスルホン酸無水物、および
メタンスルホン酸無水物および置換および非置換フルオ
ロアルキルおよびフルオロアリールスルホネート化ハロ
ゲン化物およびフルオロアルキルおよびフルオロアリー
ルスルホン酸無水物、例えば、トリフルオロメタンスル
ホニル無水物、ハロゲン化トリフルオロメタンスルホニ
ル、ハロゲン化1,1,1-トリフルオロエタンスルホニ
ル、1,1,1-トリフルオロエタンスルホニル無水物、
オクタフリック酸(octaflic acid)ハロゲン化物、オク
タフリック酸無水物、ナノフリック酸(nanoflic acid)
ハロゲン化物、ナノフラリック酸(nanoflalic acid)無
水物からなる群から、所望の脱離基に応じて選択され
る。より好ましいものはハロゲン化メタンスルホニルで
ある。イオン化したラクトールから製造されるαアノマ
ーに富む炭水化物中間体、特にトリフルオロメタンスル
ホニルオキシを含有する炭水化物は室温で不安定であ
り、したがって、系中(in situ)で核酸塩基と反応させ
ることが好ましい。また、スルホネート化試薬の反応性
ゆえに、グリコシル化反応をバッチで、あるいは大規模
操作には連続的な様式で行うことが望ましいであろう。
【0017】Tが水素を表す式(II)のαアノマーに富
む中間体も、式(IV)のラクトールを出発物質として用
いる点を除いて、同様の方法で製造することができる。
【0018】USSN07/902305は、式:
【化21】 [式中、Yはスルホネートを表し、各Xはヒドロキシ保
護基から独立に選択される]で表されるベータ-アノマ
ーリボフラノシルスルホネートを、スルホン酸の共役ア
ニオンの供給源と不活性溶媒中高温で処理することによ
って、Tがフルオロを表す式(II)のαアノマーに富む
中間体を製造する第2の立体選択的方法を教示してい
る。
【0019】スルホン酸の共役アニオンは当業者の知る
いくつかの供給源から誘導することができる。これらに
は次のものが含まれる。 (a)アルキルまたはアリールスルホン酸、例えば1-メ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-ブロモベン
ゼンスルホン酸およびカンファースルホン酸などを、ア
ルカリ金属塩基、例えば水酸化ナトリウム、水素化ナト
リウム、水酸化カリウム、カリウムt-ブトキシド、ナ
トリウムメトキシドなどで中和すること、 (b)上記アルキルまたはアリールスルホン酸をアミン塩
基、例えばトリエチルアミン、トリメチルアミン、N,
N-ジメチルベンジルアミンまたはN-メチルモルホリン
など、もしくは芳香族窒素塩基、例えばピリジンなどで
中和すること。この方法によって製造されるスルホン酸
の共役アニオンの例には、メタンスルホン酸トリエチル
アンモニウム、メタンスルホン酸トリメチルアンモニウ
ム、メタンスルホン酸N,N-ジメチルベンジルアンモニ
ウム、メタンスルホン酸ピリジニウム、(p-ブロモベン
ゼン)スルホン酸トリエチルアンモニウム、(p-ブロモ
ベンゼン)スルホン酸テトラエチルアンモニウム、(p-
トルエン)スルホン酸テトラエチルアンモニウム、(p-
トルエン)スルホン酸ピリジニウムおよび3-ニトロベン
ゼンスルホン酸ピリジニウムが含まれ、より好ましくは
メタンスルホン酸トリエチルアンモニウムである。 最後に、(c)2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノースをスルホン酸無水物、例えばベンゼンスルホン
酸無水物、p-ブロモベンゼンスルホン酸無水物または
メタンスルホン酸無水物などと、トリエチルアミンなど
の塩基中で反応させることによって、スルホン酸の共役
アニオンを系中で生成させることができる。この反応の
産物は例えば2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジ-O-ベンゾイル-1-メタンスルホネー
トとメタンスルホン酸トリエチルアンモニウムである。
【0020】ベータ-アノマーリボフラノシルスルホネ
ートと共役アニオンスルホン酸を約50℃ないし約13
0℃に加熱し、より好ましくはその溶媒混合物の還流温
度に加熱する。
【0021】アノマー化工程での使用に適する溶媒は、
その反応条件に対して不活性でなければならず、好まし
くはアセトニトリル、1,2-ジクロロエタン、1,1,2
-トリクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼ
ン、ジクロロブロモメタン、アニソール、グライム、ジ
グライム、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、トルエン、キシ
レン、ピリジン、N-メチルピロリジノン、N,N-ジメ
チルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノ
ン、N,N-ジメチルアセトアミドおよびそれらの混合物
であり、最も好ましくはアニソール、トルエン、グライ
ム、アセトニトリル、およびそれらの混合物である。
【0022】スルホン酸の共役アニオンの供給源として
使用する金属塩の溶解度と求核性を増大させるためにク
ラウンエーテルまたは相間移動触媒から選択される触媒
を加えてもよい。好ましくは触媒は18-クラウン-6、
15-クラウン-5、12-クラウン-4およびトリス[2
-(2-メトキシエトキシ)エチル]アミンから選択され
る。
【0023】この工程は周囲条件下、好ましくは無水条
件下で行われ、約15分ないし約24時間で実質上完結
する。得られたアルファ-アノマーに富む式(II)の炭
水化物は約2.3:1ないし3.0:1(アルファ対ベー
タ)で製造される。
【0024】Tが水素である式(II)のαアノマーに富
む中間体は、式(IV)のラクトールを出発物質として用
いる点以外は同様の方法で製造することができる。
【0025】グリコシル化反応は典型的には使用に先立
って、ヒドロキシ基が核酸塩基と反応したり、何らかの
様式で分解するのを防止するために、ラクトールのヒド
ロキシ基を保護する必要がある。本グリコシル化工程で
の使用に適するヒドロキシ保護基(X)は、合成有機化学
で使用される既知の保護基から独立に選択される。選択
される各ヒドロキシ保護基は好ましくは効率よくラクト
ールに置くことができ、グリコシル化反応が完結したら
容易にそこから除去される。当該技術分野公知のヒドロ
キシ保護基は「Protective Groups in Organic Chemist
ry」,McOmie編,Plenum Press,ニューヨーク(1973)の
第3章および「Protective Groups in Organic Synthes
is」,Green,John,J.Wiley and Sons,ニューヨーク
(1981)の第2章に記述されている。好ましいものはホル
ミル、アセチル、置換アセチル、ピロピオニル、ブチニ
ル、ピバルアミド、2-クロロアセチル、ベンゾイル、
置換ベンゾイル、フェノキシカルボニル、メトキシアセ
チルなどのエステル形成基、フェノキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、ビニルオ
キシカルボニル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボ
ニルおよびベンジルオキシカルボニルなどのカーボネー
ト誘導体、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニル
メチル、t-ブチル、メトキシメチル、テトラヒドロピ
ラニル、アリル,テトラヒドロチエニル、2-メトキシ
エトキシメチルなどのアルキルエーテル形成基、トリア
ルキルシリル、トリメチルシリル、イソプロピルジアル
キルシリル、アルキルジイソプロピルシリル、トリイソ
プロピルシリル、t-ブチルジアルキルシリルおよび1,
1,3,3-テトライソプロピルジスロキサニルなどのシ
リルエーテル形成基、N-フェニルカルバメートおよび
N-イミダゾイルカルバメートなどのカルバメートであ
るが、より好ましいものはベンゾイル、モノ置換ベンゾ
イルおよびジ置換ベンゾイル、アセチル、ピバロイル、
トリフェニルメチルエーテル、およびシリルエーテル形
成基、特にt-ブチルジメチルシリルであり、最も好ま
しいものはベンゾイルである。
【0026】ヒドロキシ保護基をラクトールに結合させ
る際には典型的な反応条件が用いられ、これは選択した
ヒドロキシ保護基の性質に依存する。典型的な反応条件
は米国特許第4526988号に記述されている。
【0027】本方法によれば、使用する炭水化物の量に
対して少なくとも等モル量の核酸塩基(R'')を使用す
る。しかし、約1モル等量から30モル等量までの範囲
の過剰の核酸塩基を用いることが好ましく、より好まし
くは約10モル等量から20モル等量まで、最も好まし
くは約15モル等量から約20モル等量までを使用す
る。
【0028】ここで使用する核酸塩基(R'')は有機化学
者には一般に知られており、その合成についての議論は
必要でない。しかし、本グリコシル化法で有用であるた
めには、アミノ基またはヒドロキシ基を保持する核酸塩
基またはその互変異性等価物が、その核酸塩基の性質に
応じて、1級アミノ保護基(W)および/またはヒドロキ
シ保護基(Z)などの保護基を含有することが好ましい。
これらの保護基はヒドロキシ基またはアミノ基がαアノ
マーに富む炭水化物に競合する反応部位を提供すること
を防止する。これらの保護基を式IIのアルファ-アノ
マーに富む炭水化物と反応させる前に核酸塩基(R'')に
結合し、それ以降に除去する。核酸塩基に保護基を結合
させる手法は米国特許第4526988号に記述されて
いる。
【0029】好ましいアミノ保護基(W)は、トリアルキ
ルシリル、t-ブチルジアルキルシリルおよびt-ブチル
ジアリールシリルなどのシリルエーテル形成基、t-ブ
トキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、4-メ
トキシベンジルオキシカルボニル、および4-ニトロベ
ンジルオキシカルボニルなどのカルバメート、ホルミ
ル、アセチル、ベンゾイルおよびピバルアミド、メトキ
シメチル、t-ブチル、ベンジル、アリルおよびテトラ
ヒドロピラニルなどのエーテル形成基からなる群から選
択され、より好ましいものはトリメチルシリルである。
プリン核酸塩基にとって好ましいアミノ保護基(W)は、
アルキルカルボキシアミド、ハロアルキルカルボキシア
ミドおよびアリールカルボキシアミド、例えば2-トリ
アルキルシリルエトキシメチル、4-メトキシベンジ
ル、3,4-ジメトキシベンジル、t-ブチル、フタルア
ミド、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、
メトキシメチルエーテル、メトキシチオメチル、トリチ
ル、ピバルアミド、t-ブチルジメチルシリル、t-ヘキ
シルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル、トリク
ロロエトキシカルボニル、トリフルオロアセチル、ナフ
トイル、ホルミル、アセチルなど、スルホンアミド、例
えばアルキルスルホンアミドおよびアリールスルホンア
ミドなどからなる群から選択され、より好ましくはピバ
ルアミドである。アミノ保護基として機能する他にピバ
ルアミド保護基は不溶性であることがよく知られている
プリン誘導体の溶解度を増大させ、プリン塩基のN-グ
リコシドカップリングを7位置異性体ではなく9位置異
性体に向けさせる。
【0030】ピリミジン核酸塩基にとって好ましいヒド
ロキシ保護基(Z)はトリアルキルシリルなどのシリルエ
ーテル形成基、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキ
シカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル
および4-ニトロベンジルオキシカルボニルなどのカル
バメート、ホルミル、アセチル、およびピバルアミドな
どの炭素環状エステルから選択され、好ましいものはト
リメチルシリルである。プリン核酸にとって好ましいヒ
ドロキシ保護基(Z)はベンジル、t-ブチル、トリチ
ル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、メ
トキシメチル、トリチルなどのエーテル形成基、ホルミ
ル、アセチルプロピオニル、ピバルアミド、ベンゾイ
ル、置換ベンゾイルなどのエステル、カルボベンゾキ
シ、t-ブトキシカルボニル、カルボエトキシ、ビニル
オキシカルボニルなどのカーボネート、N,N-ジアルキ
ルカルバモイルなどのカルバメート、t-ブチルトリメ
チルシリル、t-ヘキシルジメチルシリル、トリイソプ
ロピルシリルなどのトリアルキルシリルエーテルからな
る群から選択され、より好ましいものはピバルアミドで
ある。
【0031】本方法の核酸塩基に保護基を提供する際に
は、保護基自体を保護することができる。例えば、N-
アセチルシトシンをトリメチルシリルで保護してビスト
リメチルシリル-N-アセチルシトシンにすることができ
る。
【0032】加えて、核酸塩基上のあらゆるケト酸素原
子をエノール型に変換することがしばしば望ましい。こ
れは核酸塩基をより芳香族性にし、核酸塩基の、式(I
I)のアルファ-アノマーに富む炭水化物との反応性を増
大させる。ケト酸素をエノール化し、それらにシリル保
護基を与えることが最も便利である。
【0033】不可欠なことではないが、式(II)のαア
ノマーに富む炭水化物と核酸塩基の間の反応を乾燥雰囲
気下、例えば乾燥空気、窒素またはアルゴン下で行うこ
とが望ましい。その理由はシリル化核酸塩基誘導体など
のいくつかの核酸塩基誘導体が湿気感受性だからであ
る。
【0034】核酸塩基を製造するために使用するあらゆ
る溶媒はグリコシル化反応の前に除去するか、あるいは
その混合物がグリコシル化反応に対して不活性であれ
ば、その反応溶媒と混合することができる。
【0035】グリコシル化反応を反応溶媒中で行う場合
には、その溶媒はグリコシル化反応に対して不活性でな
ければならない。しかし、前述のように、使用する特定
の反応溶媒は使用するグリコシル化反応条件(例えば、
反応温度、溶媒)、脱離基および核酸塩基に依存するで
あろう。
【0036】グリコシル化反応は大気条件下約170℃
から約−120℃までの範囲の温度で行うことができ、
典型的には約5分ないし約20分で実質上完結する。
【0037】本工程の進行は当業者によく知られている
手法、例えばヌクレオシド産物の形成を検出するために
使用することができる高圧液体クロマトグラフィー(H
PLC)や薄層クロマトグラフィー(TLC)などによっ
て追跡することができる。
【0038】反応を溶液中で達成する場合には、高沸点
不活性溶媒と少なくとも20%炭水化物の炭水化物濃度
を有する溶液を使用することが好ましい。約20%から
約70%までの炭水化物濃度が好ましく、約30%から
約70%までがより好ましく、約30%から約50%ま
でが最も好ましい。適切な反応温度範囲は約70℃から
約170℃までである。
【0039】高沸点溶媒は好ましくは約70℃以上の沸
点を有し、非求核性の芳香族、ハロアルキル、アルコキ
シおよびハロ置換芳香族溶媒、およびそれらの混合物か
らなる群から選択される。好ましい溶媒は1,2-ジクロ
ロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、グライム、ジ
グライム、トルエン、キシレン、アニソール、ジクロロ
ブロモメタン、クロロベンゼン、ジブロモクロロメタ
ン、トリブロモエタン、ジブロモエタン、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ジオキサンおよびそれらの混合
物であり、より好ましくはアニソールである。
【0040】高沸点溶媒と共に使用される式(II)のα
アノマーに富む炭水化物は、アルキルスルホニルオキ
シ、アリールスルホニルオキシ、置換アルキルスルホニ
ルオキシおよび置換アリールスルホニルオキシ、例えば
メタンスルホニルオキシ、2-クロロ-1-エタンスルホ
ニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、p-ニトロベ
ンゼンスルホニルオキシおよびp-ブロモベンゼンスル
ホニルオキシなどから選択されるスルホノイルオキシ基
を含有する。
【0041】高沸点溶媒と共に使用するのに好ましい核
酸塩基(R'')は、群:
【化22】 [式中、R1、R3、ZおよびWは上記と同意義である]
から選択されるものである。
【0042】式(II)のαアノマーに富む炭水化物がフ
ルオロスルホニルオキシ基を含有する場合、室温より高
い温度で不安定である。したがって、これらのスルホニ
ルオキシ基を使用するグリコシル化反応は室温か、室温
未満の温度で行わなければならない。グリコシル化反応
がこれらの条件下で行われる場合、その溶媒は低融点で
なければならない。この反応にとって好ましい温度は約
25℃から約−120℃までにわたる。この場合、好ま
しい溶媒はジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジ
クロロフルオロメタン、アセトン、トルエン、アニソー
ル、クロロベンゼン、およびそれらの混合物からなる群
から選択され、より好ましいものはジクロロメタンであ
る。しかし、低温で使用される至適グリコシル化反応温
度は脱離基(Y)に依存する。例えば脱離基がトリフルオ
ロメタンスルホニルオキシである場合、好ましい反応温
度は約−50℃から約25℃であり、約−20℃ないし
約25℃がより好ましい。しかし、脱離基が1,1,1-
トリフルオロエタンスルホニルオキシ、オクタフルオロ
ブタンスルホニルオキシまたはナノフルオロブタンスル
ホニルオキシである場合には、好ましい反応温度は約−
20℃から約25℃までにわたり、約0℃ないし約25
℃がより好ましい。
【0043】低温条件下での使用に好ましい核酸塩基
(R'')は群:
【化23】 [式中、R1、R2、R3、ZおよびWは上記と同意義で
ある]から選択されるものである。
【0044】核酸塩基(R'')は、式(II)のアルファ-
アノマーに富む炭水化物との求核反応性(即ち、アニオ
ングリコシル化)を増大させるために、金属カチオン塩
に変換してもよい。これら核酸塩基カチオン塩は溶媒中
の核酸塩基に塩基を加えることによって調製される。上
記塩基はナトリウムt-ブトキシド、水素化ナトリウ
ム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水
素化リチウム、水素化カリウム、水酸化カリウム、カリ
ウムメトキシド、カリウムエトキシドおよびカリウムt
-ブトキシドからなる群から選択することができる。あ
るいは、塩基をトリアルキルアミンまたはテトラアルキ
ルアンモニウムから選択することもできる。この反応に
適する不活性溶媒は、アセトニトリル、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イ
ミダゾリジノン、テトラヒドロフラン、スルホラン、N
-メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシドおよびそ
れらの混合物からなる群から選択することができる。グ
リコシル化に先立って溶媒を除去するか、もしくは混合
物が実質上グリコシル化反応に対して不活性であるので
あれば、グリコシル化反応溶媒と混合することができ
る。好適な反応温度は約23℃から約130℃までにわ
たる。
【0045】核酸塩基(R'')は好ましくは群:
【化24】
【化25】 [式中、R1からR7まで、Q、Z、WおよびM+は上記
と同意義である]から選択される。
【0046】これらの条件下で式(II)のαアノマーに
富む炭水化物は、アルキルスルホニルオキシ、アリール
スルホニルオキシ、置換アルキルスルホニルオキシ、置
換アリールスルホニルオキシ、フルオロアルキルスルホ
ニルオキシおよびフルオロアリールスルホニルオキシ、
例えばトリフルオロメタンスルホニルオキシ、1,1,1
-トリフルオロエタンスルホニルオキシ、オクタフルオ
ロブタンスルホニルオキシ、ナノフルオロブタンスルホ
ニルオキシ、メタンスルホニルオキシ、2-クロロ-1-
エタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、
p-ニトロベンゼンスルホニルオキシおよびp-ブロモベ
ンゼンスルホニルオキシなどから選択されるスルホノイ
ルオキシ基を含有する。
【0047】上述のように、式(II)のフルオロスルホ
ニルオキシ基は高温で不安定になる傾向があり、金属カ
チオン塩核酸塩基との上記反応はそのような基と共に低
融点不活性溶媒を用いて達成されるべきである。この反
応にとって好ましい温度は約25℃から約−120℃の
範囲である。
【0048】グリコシル化反応は溶媒なしでも行うこと
ができる(即ち、融合グリコシル化)。明らかに、使用す
る温度は式(II)のαアノマーに富む炭水化物中間体と
核酸塩基を溶融相に変換するに足るものでなければなら
ない。好ましい反応温度は約100℃から約160℃ま
でであるが、より好ましくは約110℃ないし約150
℃であり、最も好ましくは約130℃ないし約150℃
である。
【0049】融合条件下の式(II)のαアノマーに富む
炭水化物は、アルキルスルホニルオキシ、アリールスル
ホニルオキシ、置換アルキルスルホニルオキシおよび置
換アリールスルホニルオキシ、例えばメタンスルホニル
オキシ、2-クロロ-1-エタンスルホニルオキシ、トル
エンスルホニルオキシ、p-ニトロベンゼンスルホニル
オキシおよびp-ブロモベンゼンスルホニルオキシなど
から選択されるスルホノイルオキシ基を含有する。
【0050】融合条件下での使用に適する核酸塩基
(R'')は好ましくは群:
【化26】 [式中、R1、R3、ZおよびWは上記と同意義である]
から選択される。
【0051】本工程を触媒によって促進させることもで
きる。触媒を使用する場合、それは必要な核酸塩基の量
を減じ、立体選択性を増大し、加工コストを下げ、加工
処理量を増大し、生成物の分離を簡単にし、必要な反応
温度を下げて熱的に不安定な炭水化物の使用を可能にす
る。したがって、本工程では非求核性アニオンを含有す
る塩である触媒を使用することが望ましい。好ましいも
のはグループIA、グループIIAまたは4級アンモニ
ウム塩である。触媒は反応溶媒に可溶性であって、高度
にイオン化されるべきである。好ましいものは、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、ナノフルオロブタンスルホン
酸、硫酸、過塩素酸、硝酸およびトリフルオロ酢酸のカ
リウム、バリウム、セシウムおよびトリアルキルアンモ
ニウム塩からなる群から選択される塩触媒であり、より
好ましいものはトリフルオロメタンスルホン酸のカリウ
ムまたはセシウム塩である。好適な反応温度は約50℃
から約100℃までにわたる。
【0052】溶媒は好ましくは極性非求核性溶媒、例え
ばグライム、ジグライム、アニソール、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ジオキサンおよびそれらの混合
物などから選択され、より好ましくはアセトニトリルで
ある。
【0053】触媒条件下の式(II)のαアノマーに富む
炭水化物は好ましくは、アルキルスルホニルオキシおよ
びアリールスルホニルオキシ基、例えばメタンスルホニ
ルオキシ、2-クロロ-1-エタンスルホニルオキシ、ト
ルエンスルホニルオキシ、p-ニトロベンゼンスルホニ
ルオキシおよびp-ベンゼンスルホニルオキシなどから
選択されるスルホニルオキシ基を含有する。
【0054】触媒条件下で使用するための核酸塩基
(R'')は好ましくは群:
【化27】 [式中、R1、R2、R3、ZおよびWは上記と同意義で
ある]から選択される。
【0055】この反応順序の最終相は遮断された式(I)
のヌクレオシドからの保護基X、Zおよび/またはWの
除去(即ち、脱遮断)である。保護基を除去すれば同じア
ノマー比のヌクレオシドが得られる。
【0056】ほとんどのシリルおよびシリル-アミノ保
護基はプロトン性溶媒、例えば水やアルコールなどの使
用によって容易に切断される。ベンゾイルやアシル-ア
ミノ保護基などのアシル保護基は約0℃から約100℃
までの温度での強塩基による加水分解によって除去され
る。この反応での使用に適する強いまたは中度に強い塩
基は約8.5ないし約20.0のpKa(25℃)を有する
塩基である。このような塩基には、水酸化ナトリウムや
水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属、ナトリウム
メトキシドやカリウムt-ブトキシドなどのアルカリ金
属アルコキシド、アルカリ金属アミド、ジエチルアミ
ン、ヒドロキシルアミン、アンモニアなどのアミン、お
よびヒドラジンなどの他の一般的な塩基が含まれる。各
保護基について少なくとも1等量の塩基が必要である。
【0057】アシル保護基は、メタンスルホン酸、塩化
水素酸、臭化水素酸、硫酸などの酸触媒か、もしくは酸
性イオン交換樹脂で除去することもできる。このような
加水分解はその混合物の還流温度など比較的高い温度で
行うことが好ましいが、特に強い酸を使用する場合には
周囲と同程度の温度を用いることができる。
【0058】エーテル保護基の除去は既知の方法、例え
ばエタンチオールと塩化アルミニウムによって行われ
る。
【0059】t-ブチルジメチルシリル保護基は酸条
件、例えば気体状ハロゲン化水素との接触などをその除
去に必要とする。
【0060】保護基の除去はアルコール性溶媒、特にメ
タノールなどの水性アルカノール中で便利に行うことが
できる。しかし、脱遮断反応は便利な溶媒、例えばエチ
レングリコールを含むポリオール、テトラヒドロフラン
などのエーテル、アセトンやメチルエチルケトンなどの
ケトン、またはジメチルスルホキシドなどの中で行うこ
ともできる。
【0061】好ましい態様では、脱遮断反応にアンモニ
アを用いて、ベンゾイルヒドロキシ保護基を約10℃の
温度で除去する。しかし、使用する過剰な塩基の量は決
定的ではないが、この反応では過剰の塩基を使用するこ
とが好ましい。
【0062】本方法によれば、βアノマーに富むヌクレ
オシドが、βアノマーに対するαの比率が1:1より大
きく、およそ1:9までで製造される。
【0063】得られた式(I)のβアノマーに富むヌクレ
オシドを米国特許第4965374号(参考文献として
本明細書の一部を構成する)に記述されているようにし
て反応混合物から抽出および/または単離することがで
きる。
【0064】以下の実施例は本発明の特定の側面を例示
するものであり、本発明の範囲の限定を意図するもので
はなく、またそのように見なすべきでもない。
【0065】実施例1:10等量のビス-トリメチルシ
リルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-デ
オキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル
-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オンの
製造 シトシン2.44g、ヘキサメチルジシラザン5.15m
lおよび硫酸アンモニウム580mgをキシレン5ml
と共に混合し、その溶液を120℃で1時間還流するこ
とによってビストリメチルシリルシトシンを製造した。
ヘキサメチルジシラザン5mlを追加して均一な溶液を
形成させて、それを30分間還流した。キシレンと過剰
のヘキサメチルジシラザンを除去し、ゼラチン様のビス
-トリメチルシリルシトシンを得た。ビス-トリメチルシ
リルシトシン5.6gをキシレン20ml中に再構成し
た。キシレンを除去し、ビス-トリメチルシリルシトシ
ンを再びキシレン20ml中に再構成した。そのビス-
トリメチルシリルシトシンを蒸発乾固し、キシレン5m
l中に再構成した。2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-
リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-α-メタンスル
ホネート1gを上記ビス-トリメエチルシリルシトシン
溶液と127℃で3.5時間反応させた。HPLC分析
により反応の完結を確認した。
【0066】ヌクレオシド生成物を抽出するために、反
応混合物を60℃に冷却し、酢酸エチル100mlで希
釈し、1N 塩化水素酸200mlで洗浄した。乳濁が
起こり、形成した2層を分離した。有機層を5%重炭酸
ナトリウム100mlおよび飽和塩化ナトリウム溶液1
00mlで順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。酢酸エチル層の定量的HPLC分析は遮断されたベ
ータ-アノマーヌクレオシドの収率が50%であること
を示した。遮断されたヌクオシドのアルファに対するベ
ータのアノマー比は2.2:1であった。
【0067】実施例2:5等量のビス-トリメチルシリ
ルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-デオ
キシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-
D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オンの製
造 ビス-トリメチスシリルシトシン2.8gにキシレン3m
lを加えて、ビス-トリメチスシリルシトシンが溶解す
るまでその溶液を120℃に加熱した。キシレン2ml
に溶解した2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラ
ノシル-3,5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート
1gを加熱し、上記ビス-トリメチルシリルシトシン溶
液と130℃で16時間反応させた。HPLC分析によ
り反応の完結を確認した。遮断されたヌクレオシドのア
ルファに対するベータのアノマー比は1.1:1であっ
た。
【0068】ヌクレオシド生成物を抽出するために、反
応混合物を酢酸エチル150mlで希釈し、1N 塩化
水素酸150mlで洗浄した。乳濁が起こり、形成した
2層を分離した。有機層を水100mlと5%重炭酸ナ
トリウム100mlで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥した。より正確なHPLC分析のために、有機層1
mlを蒸発乾固し、アセトニトリル1ml中に再構成し
た。アセトニトリル中の有機層の定量的HPLC分析
は、遮断されたベータ-アノマーヌクレオシドの収率が
36%であることを示した。
【0069】実施例3:15等量のビス-トリメチルシ
リルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-デ
オキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル
-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン塩
酸塩の製造 シトシン18.33gとアニソール10mlをN-メチル
-N-(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド6
4.3mlと共に混合し、その溶液を80℃で30分間
加熱することによりビス-トリメチルシリルシトシンを
製造した。アニソール10mlに溶解した2-デオキシ-
2,2-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-α-メタ
ンスルホネート5.0gを上記ビス-トリメチルシリルシ
トシン溶液と105℃で5時間反応させた。HPLC分
析により反応の完結を確認した。遮断されたヌクレオシ
ドのアルファに対するベータのアノマー比は5.4:1
であった。
【0070】ヌクレオシド生成物を単離するために、反
応混合物を60℃に冷却し、酢酸エチル75mlで希釈
し、1N 塩化水素酸200mlで洗浄した。固体粒子
を含有する半透明の溶液が生成した。この溶液を60℃
〜70℃に15分間温め、濾過し、単離した固体を酢酸
エチル20mlで連続的に洗浄した後、40℃の真空乾
燥機で16時間乾燥した。得られたヌクレオシド産物は
4.0g、融点252℃〜256℃であった。定量的H
PLC分析により、生成物が収率75%の遮断されたベ
ータ-アノマーヌクレオシドの塩酸塩であることを確認
した。
【0071】実施例4:10等量のビス-トリメチルシ
リルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-デ
オキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル
-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オンの
製造 シトシン20g、ヘキサメチルジシラザン380ml、
硫酸アンモニウム1.18g、キシレン48mlを用い
たことを除いて、実施例1に記述した手法でビス-トリ
メチルシリルシトシンを製造した。そのビス-トリメチ
ルシリルシトシンをキシレン24ml中に再構成した。
ベータに対するアルファの比率が70:30である2-
デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-
ジベンゾイル-1-トルエンスルホネート9.6gをキシ
レン24mlに溶解し、ビス-トリメチルシリルシトシ
ン溶液と1時間反応させた。HPLC分析により反応の
完結を確認した。
【0072】ヌクレオシド生成物を抽出するために、反
応混合物を65℃に冷却し、酢酸エチル100mlを加
えた。その溶液を65℃に保ち、1N塩化水素酸200
mlで洗浄した。乳濁が起こり、形成した2層を分離し
た。有機層を5%重炭酸ナトリウム200mlで洗浄し
た後、硫酸マグネシウムで乾燥した。遮断されたヌクレ
オシドのアルファに対するベータのアノマー比は1.
1:1であった。定量的HPLC分析は遮断されたベー
タ-アノマーヌクレオシドの収率が27%であることを
示した。
【0073】実施例5:20等量のビス-トリメチルシ
リルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-デ
オキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル
-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オンの
製造 シトシン30gをヘキサメチルジシラザン175mlお
よび硫酸アンモニウム25mgと窒素下で混合し、12
0℃で2時間加熱することによってビス-トリメチルシ
リルシトシンを製造した。その混合物を80℃に冷却
し、酢酸エチル100mlで希釈した。次にヘキサメチ
ルジシラザンと酢酸エチルを145℃の温度で常圧蒸留
した。この操作を2回繰り返した後、得られたビス-ト
リメチルシリルシトシンをアニソール15mlに加え、
110℃〜115℃に冷却した。アニソール10mlに
溶解した2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノ
シル-3,5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート
5.75gを均一な溶液が形成するまで45℃で撹拌
し、上記ビス-トリメチルシリルシトシン溶液と115
℃〜120℃で7時間反応させた。HPLC分析により
反応の完結を確認した。遮断されたヌクレオシドのアル
ファに対するベータのアノマー比は7.3:1であっ
た。
【0074】ヌクレオシド生成物を単離するために、反
応混合物を88℃に冷却し、酢酸エチル34mlで希釈
し、4N 塩化水素酸125mlで洗浄した。固体粒子
を含有するスラリーが形成し、これを80℃で1.5時
間撹拌した後、濾過した。濾液を4N 塩化水素酸で洗
浄し、真空乾燥機中45℃で乾燥した。得られたヌクレ
オシド生成物は4.6gであった。定量的HPLC分析
は遮断されたベータ-アノマーヌクレオシドの収率が7
9.5%であることを示した。
【0075】実施例6:20等量のビス-トリメチルシ
リルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-デ
オキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル
-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン塩
酸塩の製造 実施例5に記述した操作によってビス-トリメチルシリ
ルシトシンを製造した。その溶液を100℃に冷却し
た。アニソール10mlに溶解した2-デオキシ-2,2-
ジフルオロ-D-リボフラノース-3,5-ジベンゾイル-1
-α-メタンスルホネート5.75gを均一な溶液が形成
するまで45℃で撹拌し、ビス-トリメチルシリルシト
シン溶液と110℃〜115℃で16時間反応させた。
HPLC分析によりわずか3.9%の未反応2-デオキシ
-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾ
エート-1-α-メタンスルホネートが残っていることを
確認した。遮断されたヌクレオシドのアルファに対する
ベータの比は7.2:1であった。
【0076】ヌクレオシド生成物を抽出するために、反
応混合物を冷却し、65℃の酢酸エチル69mlで希釈
した。次に反応混合物を4N塩化水素酸185mlと混
合した。その混合物を78℃で1時間還流してスラリー
を形成させた。このスラリーを濾過し、固体を4N塩化
水素酸60mlで洗浄し、真空乾燥機中45℃で乾燥し
た。ヌクレオシド生成物は3.62gであった。定量的
HPLC分析により、この生成物が収率64.2%の遮
断されたベータ-アノマーヌクレオシドの塩酸塩である
ことを確認した。
【0077】実施例7:15等量のビス-トリメチルシ
リルアデニンによるベータ-アノマーに富む9-(2'-デ
オキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル
-D-リボフラノシル)-5-アミノプリンの製造 アデニン7gとヘキサメチルジシラザン109mlを硫
酸アンモニウム250mgと混合し、その混合物を11
0〜115℃で8時間加熱することによりビス-トリメ
チルシリルアデニンを製造した。その溶液をさらに30
分間還流し、次いで過剰のヘキサメチルジシラザンを除
去し、ビス-トリメチルシリルアデニン14.5gをアニ
ソール3ml中に再構成した。2-デオキシ-2,2-ジフ
ルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-α-
メタンスルホネート1.58gをビス-トリメチルシリル
アデニン溶液と105℃〜110℃で24時間反応させ
た。HPLC分析により反応の完結を確認した。
【0078】ヌクレオシド生成物を抽出するために、反
応混合物を30℃に冷却し、酢酸エチル50mlで希釈
し、4N塩化水素酸75mlで洗浄した。乳濁が起こ
り、有機層を分離して、5%重炭酸ナトリウム75ml
および飽和塩化ナトリウム溶液75mlで順次洗浄した
後、硫酸マグネシウムで乾燥した。遮断されたヌクレオ
シドのアルファに対するベータのアノマー比は6:1で
あった。
【0079】次の表は炭水化物濃度と選択した炭水化物
がいかにヌクレオシド生成物のアノマー比に影響を与え
るかを示す。
【表1】 溶媒 炭水化物 塩基 塩基 温度 炭水 α/β 収率 (R') (R') 化物 ヌクレオシド 等量 濃度 比率 キシレン α-OMs シトシン 1.5 127℃ 20% 1.5:1 14%βキシレン α-OMs シトシン 1.5 127℃ 50% 1.5:1 15%βキシレン α-OMs シトシン 5 130℃ 20% 1:1.1 36%βキシレン α-OMs シトシン 10 127℃ 50% 1:2.2 50%βキシレン α-OMs シトシン 10 120℃ 20% 1:1.6 32%βキシレン 50:50 シトシン 1.5 125℃ 50% 3:1 12%β α/β-OMsアニソール α-OMs シトシン 2 105℃ 20% 1.3:1 18%βアニソール α-OMs シトシン 3 105℃ 50% 1:1.3 22%βアニソール α-OMs シトシン 15 105℃ 50% 1:5.4 75%β(a)アニソール α-OMs 5-F-シトシン 10 115℃ 50% 1:6 N/Dアニソール α-OMs 5-F-ウラシル 5 130℃ 50% 1:6 N/Dキシレン 70:30 シトシン 3 123℃ 20% 1.7:1 6%β α:β-OTsキシレン 70:30 シトシン 5 125℃ 20% 1.7:1 N/D α:β-OTsキシレン 70:30 シトシン 10 125℃ 20% 1:1.1 27%β α:β-OTsキシレン 70:30 シトシン 10 125℃ 20% 1.3:1 23%β α:β-OTsキシレン 85:15 N-アセチル- 5 110℃ 20% 1:1 N/D α:β-OBs シトシンアニソール α-OMs シトシン 20 115℃ 25% 1:7.3 79.5%β(a)アニソール α-OMs アテ゛ニン 15 110℃ 50% 1:6 N/Dアニソール α-OMs シトシン 20 115℃ 25% 1:7.2 64%β (N/D)は決定しなかったことを示す。炭水化物はヒド
ロキシ保護されており、α-またはβ-OMsはアルファ
-またはベータ-2,2-ジフルオロ-2-デオキシ-D-リボ
フラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-メタンスルホネー
トを表す。β-またはα-OTsはベータ-またはアルフ
ァ-2,2-ジフルオロ-2-デオキシ-D-リボフラノシル-
3,5-ジベンゾイル-1-トルエンスルホネートを表す。
α-またはβ-OBsはアルファ-またはベータ-2,2-ジ
フルオロ-2-デオキシ-D-リボフラノシル-3,5-ジベ
ンゾイル-1-ブロモ-ベンゼンスルホネートを表す。7
0:30α:β-OTs炭水化物はp-トルエンスルホン
酸によるβ-OTsのアノマー化によって得た。収率は
炭水化物の量に基づいており、単離した生成物収率であ
る(a)を除いて、対応する溶液生成物ピークを標品1-
(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベ
ンゾイル-β-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン
-2-オンと比較する定量的逆相HPLC分析から計算し
た。(*)炭水化物濃度は溶媒(ミリリットル)の単位体積
あたりの重量(グラム)による炭水化物百分率の単位を有
する。各例の核酸塩基保護基はトリメチルシリルであ
る。
【0080】実施例8:20等量のビス-トリメチルシ
リルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-デ
オキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル
-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オンの
製造 シトシン5.78gにヘキサメチルジシラザン112m
lと硫酸アンモニウム100mgを加えた。その溶液を
撹拌しながら115℃〜120℃に1.5時間加熱し、
次いで過剰のヘキサメチルジシラザンを除去した。その
混合物を60℃に冷却し、1,2-ジクロロエタン40m
l中に再構成してビス-トリメチルシリルシトシンの均
一な溶液とした。
【0081】2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾエート1gにジクロロメタン
10mlとトリエチルアミン0.54mlを加えた。こ
の溶液を23℃で30分間撹拌し、−78℃に冷却し、
ジクオロロメタン0.50ml中のトリフルオロメタン
スルホニル無水物0.57mlと反応させて、溶液中に
アルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオ
ロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフ
ルオロメタンスルホネート中間体を形成させた。反応混
合物の温度を−65℃未満に維持するように注意した。
アルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオ
ロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフ
ルオロメタンスルホネート中間体の65℃での19F核磁
気共鳴(NMR)分析は次のデータを示した:19F NM
R(300MHz,CDCl3),δ−77(s,3F,C
3SO2−),−111(d,J=257Hz,1F,ア
ルファ-アノマー),−122(d,J=242Hz,1
F,ベータ-アノマー),−124(d,J=257H
z,1F,アルファ-アノマー),−126ppm(d,
J=242Hz,1F,ベータ-アノマー)。すべての19
F NMRピークシフトが−162.9ppmに割り当て
たヘキサフルオロベンゼンに対するものであることに注
意すること。19F NMRスペクトルはフッ素-プロトン
カップリングをも示したが、これらのカップリングの性
質は決定しなかった。
【0082】アルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,
2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-
1-トリフルオロメタンスルホネート溶液をビス-トリメ
チルシリルシトシン溶液と−65℃で反応させて、反応
温度を23℃に上げることにより標記の遮断されたヌク
レオシドを得、これをHPLC分析で確認した。遮断し
たヌクレオシドのアルファに対するベータのアノマー比
は1.9:1であった。
【0083】ヌクレオシド生成物を反応混合物から抽出
するために、ジクロロメタン100mlと1N塩化水素
酸200mlを加えた。有機層を分離し、5%重炭酸ナ
トリウム200mlで洗浄した。有機層を再び分離し、
飽和塩化ナトリウム200mlで洗浄した。標記ヌクレ
オシド生成物が有機層から沈殿した。定量的HPLC分
析により、遮断されたベータ-アノマーヌクレオシドの
収率が42%であることがわかった。1H NMR(DM
SO):δ=4.74(4'H),4.79(5'H),5.84
(5H),5.88(3'H),6.44(1'H),7.56(N
2),7.68(6H)。13C NMR(DMSO):δ=6
3.45(5'C),71.80(3'C),75.71(4'
C),84.64(1'C),95.12(5C),121.8
6(2'C),141.93(6C),154.48(2C),
165.87(4C)。
【0084】実施例9:20等量のビス-トリメチルシ
リルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-デ
オキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル
-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オンの
製造 ジクロロメタン75mlにシトシン5.78gを懸濁
し、N-メチル-N-トリメチルシリルトリフルオロアセ
トアミド20.57mlを加え、得られた溶液を−30
℃に冷却することによってビス-トリメチルシリルシト
シン溶液を調製した。
【0085】2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾエート1gにジクロロメタン
10mlとトリエチルアミン0.55mlを加えた。こ
の溶液を23℃で30分間撹拌し、−78℃に冷却し、
ジクロロメタン1mlちゅうのトリフルオロメタンスル
ホニル無水物0.57mlと反応させて、溶液中にアル
ファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D
-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロ
メタンスルホネートを形成させた。反応混合物の温度を
−65℃未満に維持するよう注意した。アルファ-アノ
マーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラ
ノース-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロメタンス
ルホネート溶液をビス-トリメチルシリルシトシン溶液
と−30℃で反応させて標記の遮断されたヌクレオシド
を形成させ、これをHPLC分析によって確認した。遮
断されたヌクレオシドのアルファに対するベータのアノ
マー比は2.3:1であった。
【0086】反応混合物からヌクレオシドを抽出するた
めに、1N塩化水素酸200mlを加えた。有機層を分
離し、5%炭酸ナトリウムで洗浄した。有機層の定量的
HPLC分析より遮断されたベータ-アノマーの収率が
45%であることがわかった。
【0087】実施例10:20等量のビス-トリメチル
シリルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 実施例8に記載の方法によってビス-トリメチルシリル
シトシン溶液を製造し、−15℃に冷却した。
【0088】2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾエート1gにジクロロメタン
10mlとトリエチルアミン0.54mlを加えた。こ
の溶液を23℃で30分間撹拌し、−78℃に冷却し、
ジクロロメタン0.5ml中のトリフルオロメタンスル
ホニル無水物0.57mlと反応させて溶液中にアルフ
ァ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-
リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロ
メタンスルホネートを形成させた。反応混合物の温度を
−65℃に維持するように注意した。アルファ-アノマ
ーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノ
シル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロメタンスル
ホネート溶液を−15℃でビス-トリメチルシリルシト
シン溶液と反応させることにより、標記の遮断されたヌ
クレオシドを得、これをHPLC分析で確認した。遮断
されたヌクレオシドのアルファに対するベータのアノマ
ー比は2.3:1であった。
【0089】ヌクレオシド生成物を反応混合物から抽出
するために、ジクロロメタンを除去し、得られた残渣を
アニソール21mlと水40ml中に再構成した後、9
0℃に加熱した。生成した固体を溶液から除去した。有
機層と水層を分離し、次いで有機層を水10mlで洗浄
した。ベ−タ-アノマーヌクレオシド生成物が有機層か
ら沈殿した。定量的HPLC分析により遮断されたベー
タ-アノマーヌクレオシドの収率が58%であることが
わかった。
【0090】実施例11:20等量のビス-トリメチル
シリルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 シトシン5.78gをジクロロメタン20mlに懸濁
し、ジクロロメタン10ml中のN-メチル-N-トリメ
チルシリルトリフルオロアセトアミド20.57mlを
加え、得られた溶液を0℃に冷却することによってビス
-トリメチルシリルシトシン溶液を製造した。
【0091】2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾエート1gにジクロロメタン
10mlとトリエチルアミン0.55mlを加えた。こ
の溶液を23℃で30分間撹拌し、−78℃に冷却し、
ジクロロメタン1ml中のトリフルオロメタンスルホニ
ル無水物0.57mlと反応させることにより、溶液中
にアルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフル
オロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリ
フルオロメタンスルホネートを形成させた。反応混合物
の温度を−65℃未満に維持するように留意した。アル
ファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D
-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロ
メタンスルホネート溶液を0℃でビス-トリメチルシリ
ルシトシン溶液と反応させて、標記の遮断されたヌクレ
オシドを形成させ、それをHPLCによって確認した。
遮断されたヌクレオシドのアルファに対するベータのア
ノマー比は2.5:1であった。
【0092】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、1N塩化水素酸250mlを加えた。有機
層を分離し、5%炭酸ナトリウム200mlで洗浄し
た。有機層の定量的HPLC分析により遮断されたベー
タ-アノマーヌクレオシドの収率が49%であることが
わかった。
【0093】実施例12:10等量のビス-トリメチル
シリル-N-アセチルシトシンによるベータ-アノマーに
富む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ
-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-4-アセトアミド
ピリミジン-2-オンの製造 N-アセチルシトシン4gにヘキサメチルジシラザン5
6mlと硫酸アンモニウム698mgを加えた。この溶
液を撹拌しながら115℃〜120℃に4時間加熱し、
次いで過剰のヘキサメチルジシラザンを除去した。その
混合物を50℃に冷却し、1,2-ジクロロエタン50m
lを加えた。1,2-ジクロロエタンヲ除去し、得られた
固体残渣を1,2-ジクロロエタン50ml中に再構成し
た。1,2-ジクロロエタンを再び除去し、油状残渣を得
た。この油状残渣に1,2-ジクロロエタン2.5mlを
加えて均一なビス-トリメチルシリル-N-アセチルシト
シン溶液を得た。
【0094】2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾエート1gに乾燥ジクロロメ
タン2mlを加えた。この溶液を−78℃に冷却し、ト
リエチルアミン0.55mlおよびトリフルオロメタン
スルホニル無水物0.58mlと反応させることにより
溶液中にアルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-
ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1
-トリフルオロメタンスルホネートを形成させた。反応
混合物の温度を−65℃に維持するよう留意した。アル
ファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D
-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロ
メタンスルホネート溶液を23℃でビス-トリメチルシ
リル-N-アセチルシトシン溶液と反応させた。この反応
混合物を−60℃で1.5時間撹拌するうことにより、
標記の遮断されたヌクレオシドを形成させ、それをHP
LC分析によって確認した。遮断されたヌクレオシドの
アルファに対するベータのアノマー比は2:1であっ
た。
【0095】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、ジクロロメタン50mlを加えた。有機層
を分離し、5%重炭酸ナトリウム50ml、次いで1N
塩化水素酸50ml、および飽和塩化ナトリウム50m
lで順次洗浄した。有機層の定量的HPLC分析によ
り、遮断されたベータ-アノマーヌクレオシドの収率が
15%であることがわかった。
【0096】実施例13:20等量のビス-トリメチル
シリルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 シトシン5.78gにヘキサメチルジシラザン112m
lと硫酸アンモニウム50mgを加えた。その混合物を
撹拌しながら115℃〜120℃に3時間加熱し、次い
で過剰のヘキサメチルジシラザンを除去した。次にこの
溶液をを27℃に冷却し、生成した固体残渣をジクロロ
メタン35ml中に再構成することにより均一なビス-
トリメチルシリルシトシン溶液を得た。
【0097】2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾエート1gにジクロロメタン
10mlとトリエチルアミン0.54mlを加えた。こ
の溶液を−78℃に冷却し、ジクロロメタン0.50m
l中のトリフルオロメタンスルホニル無水物0.57m
lと反応させて、溶液中にアルファ-アノマーに富む2-
デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-
ジベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネートを形
成させた。反応混合物の温度を−65℃未満に維持する
よう留意した。アルファ-アノマーに富む2-デオキシ-
2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾ
エート-1-トリフルオロメタンスルホネート溶液を27
℃でビス-トリメチルシリルシトシンと反応させること
により標記の遮断されたヌクレオシドを形成させ、それ
をHPLCで確認し、アルファ−アノマーに富む2−デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
ベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネートの11
%が未反応で残っていることが示された。遮断されたヌ
クレオシドのアルファに対するベータのアノマー比は
2.2:1であった。定量的HPLC分析により、遮断
されたベータ-アノマーヌクレオシドの収率が54%で
あることがわかった。
【0098】実施例14:20等量のビス-トリメチル
シリルシトシンによる1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフ
ルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)
-4-アミノピリミジン-2-オンの製造 シトシン5.78gにヘキサメチルジシラザン112m
lと硫酸アンモニウム50mgを加えた。この溶液を撹
拌しながら115℃〜120℃に2時間加熱し、次いで
過剰のヘキサメチルジシラザンを除去した。得られた油
状物を23℃に冷却することにより生成した固体残渣を
ジクロロメタン35mlに再溶解して均一なビス-トリ
メチルシリルシトシン溶液を得、これを0℃に冷却し
た。
【0099】2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾエート1gにジクロロメタン
9mlとトリエチルアミン0.54mlを加えた。この
溶液を−78℃に冷却し、ジクロロメタン0.50ml
中のトリフルオロメタンスルホニル無水物0.57ml
と反応させて溶液中にアルファ-アノマーに富む2-デオ
キシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベ
ンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネートを形成さ
せた。反応混合物の温度を−65℃未満に維持するよう
留意した。アルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2
-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-
1-トリフルオロメタンスルホネート溶液を23℃でビ
ス-トリメチルシリルシトシン溶液と反応させることに
より、標記の遮断されたヌクレオシドを形成させ、それ
をHPLC分析によって確認した。遮断されたヌクレオ
シドのアルファに対するベータのアノマー比は2.2:
1であった。
【0100】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、1N塩化水素酸150mlで2回洗浄し
た。有機層を分離し、5%重炭酸ナトリウム150ml
で洗浄し、飽和塩化ナトリウム150mlで再度洗浄し
た。有機層の定量的HPLC分析により遮断されたベー
タ-アノマーヌクレオシドの収率が49%であることが
わかった。
【0101】実施例15:30等量のビス-トリメチル
シリルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 シトシン5.9gにヘキサメチルジシラザン112ml
と硫酸アンモニウム25mgを加えた。その溶液を撹拌
しながら120℃〜125℃に3時間加熱し、次いで過
剰のヘキサメチルジシラザンを除去した。得られた固体
残渣をジクロロメタン35mlに再溶解し、10℃に冷
却して均一なビス-トリメチルシリルシトシン溶液を形
成させた。
【0102】2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾエート655mgにジクロロ
メタン0.55mlとトリエチルアミン0.36mlを加
えた。その溶液を23℃で30分間撹拌し、−78℃に
冷却し、ジクロロメタン0.50ml中のトリフルオロ
メタンスルホニル無水物0.35mlと反応させて溶液
中にアルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフ
ルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-ト
リフルオロメタンスルホネートを形成させた。反応混合
物の温度を−65℃未満に維持するよう留意した。アル
ファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D
-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロ
メタンスルホネート溶液を10℃でビス-トリメチルシ
リルシトシン溶液と反応させることにより、標記の遮断
されたヌクレオシドを形成させ、それをHPLC分析に
よって確認した。遮断されたヌクレオシドのアルファに
対するベータのアノマー比は2.7:1であった。定量
的HPLC分析により遮断されたベータ-アノマーヌク
レオシドの収率が60%であることがわかった。
【0103】実施例16:20等量のビス-トリメチル
シリルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 シトシン5.78gにヘキサメチルジシラザン112m
lと硫酸アンモニウム50mgを加えた。この溶液を撹
拌しながら115℃〜120℃に1.5時間加熱し、次
いで過剰のヘキサメチルジシラザンを除去した。得られ
た固体残渣を23℃で1,2-ジクロロメタン40mlに
再溶解することにより均一なビス-トリメチルシリルシ
トシン溶液を得た。
【0104】2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾエート1gにジクロロメタン
10mlとトリエチルアミン1.2mlを加えた。この
溶液を−78℃に冷却し、ジクロロメタン0.50ml
中でトリフルオロメタンスルホニル無水物0.57ml
と反応させることにより溶液中にアルファ-アノマーに
富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル
-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネ
ートを形成させた。反応混合物の温度を−65℃未満に
維持するよう留意した。アルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
ベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネート溶液を
23℃でビス-トリメチルシリルシトシン溶液と反応さ
せることにより、標記の遮断されたヌクレオシドを形成
させ、それをHPLC分析によって確認した。遮断され
たヌクレオシドのアルファに対するベータのアノマー比
は2.8:1であった。定量的HPLC分析により、遮
断されたベータ-アノマーヌクレオシドの収率が50%
であることがわかった。
【0105】実施例17:20等量のビス-トリメチル
シリルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 シトシン5.78gにヘキサメチルジシラザン112m
lと硫酸アンモニウム50mgを加えた。この溶液を撹
拌しながら115℃〜120℃に1.5時間加熱し、次
いで過剰のヘキサメチルジシラザンを除去した。得られ
た固体残渣を23℃で1,2-ジクロロメタン40mlに
再溶解することにより均一なビス-トリメチルシリルシ
トシン溶液を得た。
【0106】2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾエート1gにジクロロメタン
10mlとトリエチルアミン0.54mlを加えた。こ
の溶液を23℃で30分間撹拌し、−78℃に冷却し、
ジクロロメタン0.50ml中でトリフルオロメタンス
ルホニル無水物0.57mlと反応させることにより溶
液中にアルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジ
フルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-
トリフルオロメタンスルホネートを形成させた。反応混
合物の温度を−65℃未満に維持するよう留意した。ア
ルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-
D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオ
ロメタンスルホネート溶液を23℃でビス-トリメチル
シリルシトシン溶液と反応させることにより、標記の遮
断されたヌクレオシドを形成させ、それをHPLC分析
によって確認した。遮断されたヌクレオシドのアルファ
に対するベータのアノマー比は2.5:1であった。定
量的HPLC分析により、遮断されたベータ-アノマー
ヌクレオシドの収率が68%であることがわかった。
【0107】実施例18:20等量のビス-トリメチル
シリルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 シトシン5.78gにジクロロメタン5ml、N-メチル
-N-トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド20.
6mlおよびジクロロメタン5mlを加えて均一なビス
-トリメチルシリルシトシン溶液を得た。
【0108】2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾエート1gにジクロロメタン
3mlとトリエチルアミン0.55mlを加えた。この
溶液を23℃で30分間撹拌し、−78℃に冷却し、ジ
クロロメタン1ml中でトリフルオロメタンスルホニル
無水物0.57mlと反応させることにより溶液中にア
ルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-
D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオ
ロメタンスルホネートを形成させた。反応混合物の温度
を−65℃未満に維持するよう留意した。アルファ-ア
ノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロメタン
スルホネート溶液を23℃でビス-トリメチルシリルシ
トシン溶液と反応させることにより、標記の遮断された
ヌクレオシドを形成させ、それをHPLC分析によって
確認した。遮断されたヌクレオシドのアルファに対する
ベータのアノマー比は2.5:1であった。
【0109】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、1N塩化水素酸塩250mlを加えた。有
機層を分離し、5%炭酸ナトリウム250mlで洗浄し
た。有機層の定量的HPLC分析は遮断されたベータ-
アノマーの収率が50%であることを明らかにした。
【0110】次の表はヌクレオシド生成物のアノマー比
と収率に対する溶媒、ピリミジンヌクレオシド誘導体の
モル等量の効果を示している。
【表2】 溶媒 (R') (R') 温度 α/β β 塩基 塩基 ヌクレオシド 収率 等量 比 ジクロロメタン シトシン 20 −25℃ 1:2.5 44% ジクロロメタン シトシン 20 −30℃ 1:2.3 45% ジクロロメタン シトシン 20 0℃ 1:2.5 49% ジクロロメタン シトシン 20 23℃ 1:2.2 49% ジクロロメタン シトシン 20 23℃ 1:1.8 31% および 1,2-ジクロロエタン ジクロロメタン シトシン 20 23℃ 1:1.9 42% および 1,2-ジクロロエタン ジクロロメタン シトシン 20 23℃ 1:2.8 50% および 1,2-ジクロロエタン ジクロロメタン シトシン 20 23℃ 1:2.5 68% ジクロロメタン シトシン 20 −15℃ 1:2.3 58% ジクロロメタン シトシン 20 27℃ 1:2.2 54% ジクロロメタン シトシン 20 23℃ 1:2.2 49% ジクロロメタン シトシン 30 10℃ 1:2.7 60% ジクロロメタン シトシン 1.5 23℃ 1:1 17% ジクロロメタン シトシン 3 23℃ 1:1.3 6% および 1,2-ジクロロエタン ジクロロメタン ウラシル 2 −20℃ 1:1 N/D および 1,2-ジクロロエタン ジクロロメタン シトシン 3.5 −78℃ 1.3:1 10% ジクロロメタン N-アセチル- 10 −60℃ 1:2 15% および シトシン 1,2-ジクロロエタン 1,2-ジクロロエタン シトシン 10 −78℃ 1:3 28% ジクロロメタン シトシン 10 0℃ 1:2.5 32%ジクロロメタン 5-F-ウラシル 15 23℃ 1:1 N/D 表中の遮断されたヌクレオシドを製造するために用いた
炭水化物はアルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2
-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-
1-トリフルオロメタンスルホネートである。(N/D)
は決定しなかったことを示す。収率は炭水化物の量に基
づいており、対応する溶液生成物ピークを標品と比較す
る定量的逆相HPLC分析から計算した。上記ヌクレオ
シド塩基の保護基はトリメチリシリルである。
【0111】実施例19:ベータ-アノマーに富む1-
(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベ
ンゾイル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2
-オンの製造 シトシン(12.0g)、ヘキサメチルジシラザン(60m
l)および硫酸アンモニウム(10mg)を125℃で3
0分間還流することにより均一な溶液を得た。蒸留によ
ってヘキサメチルジシラザンを除去することによりビス
-トリメチルシリルシトシンを得た。アニソール(2m
l)とアセトニトリル(3ml)中で2-デオキシ-2',2'
-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-
1-アルファ-メタンスルホネート(1.15g)をビス-ト
リメチルシリルシトシン(6.89g,10等量)とナノ
フルオロ-1-ブタンスルホン酸(0.5g)のカリウム塩
の存在下80℃で16時間反応させた。HPLC分析に
より反応の完結を確認し、系中での収率が33%である
ことがわかった。標記化合物のアルファに対するベータ
のアノマー比は3:1であった。
【0112】実施例20:硫酸カリウムによるベータ-
アノマーに富む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-
3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-4-ア
ミノピリミジン-2-オンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート(1.15
g)を硫酸カリウム(0.5g)の存在下で、実施例19に
記述したように調製したビス-トリメチルシリルシトシ
ン(6.89g,10等量)とアセトニトリル(2.0ml)
中80℃で72時間反応させた。HPLC分析により反
応の完結を確認し、系中での収率が65%であることが
わかった。標記化合物のアルファに対するベータのアノ
マー比は4.7:1であった。
【0113】実施例21:トリフルオロメタンスルホン
酸のテトラブチルアンモニウム塩によるベータ-アノマ
ーに富む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',
5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-4-アミノ
ピリミジン-2-オンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1−α−メタンスルホネート(0.29
ml)をトリフルオロメタンスルホン酸のテトラブチル
アンモニウム塩(1.5mmol)(水酸化テトラブチルア
ンモニウム(メタノール中の1M溶液1.5ml)をトリ
フルオロメタンスルホン酸(0.13ml)で処理し、次
いでメタノールを留去することによって系中で調製した
もの)の存在下で、実施例19に記述したように調製し
たビス-トリメチルシリルシトシン(6.89g,10等
量)とアセトニトリル(3.0ml)中80℃で4時間反応
させた。HPLC分析により反応の完結を確認し、系中
での収率が45%であることがわかった。標記化合物の
アルファに対するベータのアノマー比は7.1:1であ
った。
【0114】実施例22:硫酸バリウムによるベータ-
アノマーに富む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-
3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-4-ア
ミノピリミジン-2-オンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート(1.15
g)を硫酸バリウム(1.0g)の存在下で、実施例19に
記載の如く調製したビス-トリメチルシリルシトシンと
アセトニトリル(3.0ml)中75℃で20.5時間反応
させた。HPLC分析により系中での収率が36%であ
ることがわかった。標記化合物のアルファに対するベー
タのアノマー比は11.2:1であった。
【0115】実施例23:硫酸セシウムによるベータ-
アノマーに富む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-
3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-4-ア
ミノピリミジン-2-オンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート(1.15
g)を硫酸セシウム(1.0g)の存在下で、実施例19に
記載の如く調製したビス-トリメチルシリルシトシン
(6.89g,10等量)と、アセトニトリル(3.0ml)
中75℃で21時間反応させた。HPLC分析により、
系中での収率が24%であることがわかった。標記化合
物のアルファに対するベータのアノマー比は14.9:
1であった。
【0116】実施例24:トリフルオロメタンスルホン
酸のセシウム塩によるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート(1.15
g)をトリフルオロメタンスルホン酸のセシウム塩(トリ
フルオロメタンスルホン酸0.13mlを過剰の炭酸セ
シウムで処理することにより系中で調製したもの)の存
在下で、実施例19に記載の如く調製したビス-トリメ
チルシリルシトシン(6.89g,10等量)とアセトニ
トリル(3.0ml)中75℃で20.5時間反応させた。
HPLC分析により反応の完結を確認し、系中での収率
が65%であることがわかった。標記化合物のアルファ
に対するベータのアノマー比は7.2:1であった。
【0117】実施例25:トリフルオロメタンスルホン
酸のバリウム塩によるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート(1.15
g)をトリフルオロメタンスルホン酸のバリウム塩(トリ
フルオロメタンスルホン酸0.13mlを過剰の炭酸バ
リウムで処理することにより系中で調製したもの)の存
在下で、実施例19に記載の如く調製したビス-トリメ
チルシリルシトシン(6.89g,10等量)とアセトニ
トリル(3.0ml)中75℃で20.5時間反応させた。
HPLC分析により系中での収率が25%であることが
わかった。標記化合物のアルファに対するベータのアノ
マー比は14.4:1であった。
【0118】実施例26:トリフルオロメタンスルホン
酸のカリウム塩によるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1−α−メタンスルホネート(2.3
g,12.6等量)をトリフルオロメタンスルホン酸のカ
リウム塩(トリフルオロメタンスルホン酸(0.26ml)
を炭酸カリウム(1.0g)で処理することにより系中で
調製したもの)の存在下で、実施例19に記載の如く調
製したビス-トリメチルシリルシトシン(16.1g)とア
セトニトリル(8.0ml)中75℃で45時間反応させ
た。HPLC分析により系中での収率が69.8%であ
ることがわかった。標記化合物のアルファに対するベー
タのアノマー比は7.2:1であった。
【0119】ヌクレオシド生成物を抽出するために、反
応混合物を70℃ないし80℃に冷却し、4N塩化水素
酸40mlと混合した。沈殿した生成物を濾過し、乾燥
した。定量的HPLC分析は62.4%の単離収率を示
した。
【0120】実施例27:トルフルオロメタンスルホン
酸のカリウム塩によるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート(2.3g)
をトリフルオロメタンスルホン酸のカリウム塩(トリフ
ルオロメタンスルホン酸(0.26ml)を炭酸カリウム
(1.0g)で処理することにより系中で調製したもの)の
存在下で、実施例19に記載の如く調製したビス-トリ
メチルシリルシトシン(16.1g,12.6等量)とプロ
ピオニトリル(8.0ml)中90℃で21時間反応させ
た。HPLC分析により反応の完結を確認した。標記化
合物のアルファに対するベータのアノマー比は6.7:
1であった。
【0121】ヌクレオシド生成物を抽出するために、反
応混合物を70℃ないし80℃に冷却し、4N塩化水素
酸40mlと混合した。沈殿した生成物を濾過し、乾燥
した。定量的HPLC分析は59.3%の単離収率を示
した。
【0122】比較実施例28:触媒を用いないベータ-
アノマーに富む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-
3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-4-ア
ミノピリミジン-2-オンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート(1.15
g)を実施例19に記載の如く調製したビス-トリメチル
シリルシトシン(6.09g,10等量)とアニソール(4
ml)中110℃で20時間反応させた。HPLC分析
により反応の完結を確認し、系中での収率が77%であ
ることがわかった。標記化合物のアルファに対するベー
タのアノマー比は3.4:1であった。
【0123】比較実施例29:触媒を用いないベータ-
アノマーに富む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-
3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-4-ア
ミノピリミジン-2-オンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート(1.15
g)をトリフルオロメタンスルホン酸のセシウム塩(トリ
フルオロメタンスルホン酸(0.13ml)を過剰の炭酸
セシウムで処理することにより系中で調製したもの)の
存在下で、実施例19に記載の如く調製したビス-トリ
メチルシリルシトシン(6.08g,10等量)とプロピ
オニトリル(4ml)中85℃で20時間反応させた。H
PLC分析により反応の完結を確認し、系中での収率が
70%であることがわかった。標記化合物のアルファに
対するベータのアノマー比は6.7:1であった。
【0124】実施例30:2等量の2,6-ジピバルアミ
ドアミノプリンカリウム塩によるベータ-アノマーに富
む9-[1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'
-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)]-2,6-ジピ
バロイルアミノプリンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート100mgにジクロロメタン1ml
とトリエチルアミン0.036mlを加えた。その溶液
を23℃で15分間撹拌し、−40℃に冷却し、トリフ
ルオロメタンスルホン酸無水物0.045mlと反応さ
せることにより溶液中にアルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-トリフルオロメタンスルホネートを形成
させた。
【0125】2,6-ジピバルアミドアミノプリン185
mgの懸濁液をアセトニトリル1.5ml中に調製し、
窒素雰囲気下で無水状態に維持した。この懸濁液にカリ
ウムt-ブトキシ65mgを加え、得られた混合物を2
3℃で10分間撹拌することにより、2,6-ジピバルア
ミドアミノプリンカリウム塩を得た。その塩を0℃に冷
却し、アルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジ
フルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-
トリフルオロメタンスルホネート溶液と反応させ、1時
間撹拌し、22℃に温めて標記の遮断されたヌクレオシ
ドを形成させ、それをHPLC分析によって確認した。
遮断されたヌクレオシドのアルファに対するベータの比
は2:1であった。
【0126】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル25ml、水1ml、1N塩化
水素酸1mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液2mlを
加えた。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液
5ml、食塩水5mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。定量的HPLC分析により遮断されたベータ-
およびアルファ-アノマーヌクレオシドの合わせた収率
が42%であることがわかった。
【0127】実施例31:2等量の2,6-ジピバルアミ
ドアミノプリンカリウム塩によるベータ-アノマーに富
む9-[1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'
-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)]-2,6-ジピ
バルアミドアミノプリンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート1gにトリエチルアミン0.55ml
とジクロロメタン8.33mlを23℃で加えた。この
混合物を−78℃に冷却し、ジクロロメタン0.50m
l中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物0.53m
lと反応させることにより、溶液中にアルファ-アノマ
ーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノ
シル-3,5-ジベンゾエート-1-トリフルオロメタンサ
ルフェートを形成させた。反応混合物の温度を−65℃
未満に維持するよう留意した。
【0128】2,6-ジピバルアミドアミノプリン1.8
5gの懸濁液をアセトニトリル30ml中に調製し、窒
素雰囲気下で無水状態を維持した。その懸濁液にカリウ
ムt-ブトキシド651mgを加え、得られた混合物を
23℃で15分間撹拌することにより2,6-ジピバルア
ミドアミノプリンカリウム塩を得た。その塩懸濁液を乾
燥ジクロロメタン20mlに加え、0℃に冷却し、アル
ファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D
-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロ
メタンスルホネート溶液と反応させ、1時間撹拌し、2
3℃に温めて標記の遮断されたヌクレオシドを形成さ
せ、それをHPLC分析で確認した。遮断されたヌクレ
オシドのアルファに対するベータのアノマー比は2:1
であった。
【0129】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル50mlと1N塩化水素酸50
mlを加えた。有機層を分離し、5%重炭酸ナトリウム
50mlで洗浄した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリ
ウム水溶液50mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した。
【0130】実施例32:2等量の6-クロロプリンカ
リウム塩によるベータ-アノマーに富む9-[1-(2'-デ
オキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル
-D-リボフラノシル)]-6-クロロプリンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート1.4gにジクロロメタン14mlと
トリエチルアミン0.515mlを加えた。この溶液を
23℃で15分間撹拌し、−40℃に冷却し、トリフル
オロメタンスルホン酸無水物0.621mlと反応させ
ることにより溶液中にアルファ-アノマーに富む2-デオ
キシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベ
ンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネートを形成さ
せた。
【0131】6-クロロプリン155mgの懸濁液をア
セトニトリル3ml中に調製し、窒素雰囲気下で無水状
態を維持した。その懸濁液にカリウムt-ブトキシド1
30mgを加え、得られた混合物を23℃で10分間撹
拌することにより6-クロロプリンカリウム塩を得た。
その塩懸濁液を0℃に冷却し、アルファ-アノマーに富
む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-
3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネー
ト溶液2mlと反応させ、1時間撹拌し、22℃に温め
て標記の遮断されたヌクレオシドを形成させ、それをH
PLC分析で確認した。遮断されたヌクレオシドのアル
ファに対するベータのアノマー比は2:1であった。
【0132】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル25ml、水1ml、1N塩化
水素酸1mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液2mlを
加えた。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液
5mlと食塩水5mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。定量的HPLC分析により、遮断されたベータ
-アノマーヌクレオシドの収率が27%であることがわ
かった。
【0133】実施例33:2等量の2,6-ジクロロ-3-
デアザプリンカリウム塩による9-[1-(2'-デオキシ-
2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リ
ボフラノシル)]-2,6-ジクロロ-3-デアザプリンの製
造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート1.4gにジクロロメタン14mlと
トリエチルアミン0.515mlを加えた。この溶液を
23℃で15分間撹拌し、−40℃に冷却し、トリフル
オロメタンスルホン酸無水物0.621mlと反応させ
ることにより、溶液中にアルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
ベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネートを形成
させた。
【0134】2,6-ジクロロ-3-デアザプリン82mg
の懸濁液をアセトニトリル1.5ml中に調製し、窒素
雰囲気下で無水状態を維持した。この懸濁液にカリウム
t-ブトキシド49mgを加え、得られた混合物を23
℃で10分間撹拌することにより2,6-ジクロロ-3-デ
アザプリンカリウム塩を得た。その塩懸濁液を0℃に冷
却し、アルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジ
フルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-
トリフルオロメタンスルホネート溶液と反応させ、1時
間撹拌し、20℃に温めて標記の遮断されたヌクレオシ
ドを形成させ、それをHPLC分析で確認した。遮断さ
れたヌクレオシドのアルファに対するベータのアノマー
比は2.5:1であった。
【0135】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル25ml、水1ml、1N塩化
水素酸1mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液2mlを
加えた。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液
5mlと食塩水5mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。定量的HPLC分析により遮断されたベータ-
アノマーヌクレオシドの合わせた収率が21%であるこ
とがわかった。融点127〜129℃。
【0136】実施例34:2,6-ジクロロプリンカリウ
ム塩による9-[1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ
-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)]-2,
6-ジクロロプリンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート1.4gにジクロロメタン14mlと
トリエチルアミン0.515mlを加えた。この溶液を
23℃で15分間撹拌した後、−40℃に冷却し、トリ
フルオロメタンスルホン酸無水物0.621mlと反応
させることにより、溶液中にアルファ-アノマーに富む
2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネート
を形成させた。
【0137】2,6-ジクロロプリン220mgの懸濁液
をアセトニトリル3ml中に調製し、窒素雰囲気下で無
水状態を維持した。カリウムt-ブトキシド130mg
を加え、得られた混合物を23℃で10分間撹拌するこ
とにより2,6-ジクロロプリンカリウム塩を得た。その
塩懸濁液を0℃に冷却し、アルファ-アノマーに富む2-
デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-
ジベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネート溶液
と反応させ、1時間撹拌し、22℃に温めることにより
標記の遮断されたヌクレオシドを形成させ、それをHP
LC分析で確認した。遮断されたヌクレオシドのアルフ
ァに対するベータのアノマー比は2.5:1であった。
【0138】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル25ml、水1ml、1N塩化
水素酸1mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液2mlを
加えた。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液
5ml、食塩水5mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。定量的HPLC分析により、遮断されたベータ
-アノマーの収率が22%であることがわかった。
【0139】実施例35:2等量の3-カルボエトキシ-
1,2,4-トリアゾールカリウム塩によるベータ-アノマ
ーに富む1-[1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-
3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)]-3-
カルボエトキシ-1,2,4-トリアゾールの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート1.4gにジクロロメタン14mlと
トリエチルアミン0.515mlを加えた。この溶液を
23℃で15分間撹拌した後、−40℃に冷却し、トリ
フルオロメタンスルホン酸無水物0.621mlと反応
させることにより、溶液中にアルファ-アノマーに富む
2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネート
を形成させた。
【0140】トリアゾールエステル164mgの懸濁液
をアセトニトリル3ml中に調製し、窒素雰囲気下で無
水状態に維持した。カリウムt-ブトキシド131mg
を加え、得られた混合物を23℃で10分間撹拌するこ
とにより、3-カルボエトキシ-1,2,4-トリアゾール
カリウム塩を得た。その塩懸濁液を0℃に冷却し、アル
ファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D
-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロ
メタンスルホネート溶液2mlと反応させ、40分間撹
拌し、15℃に温めることにより標記の遮断されたヌク
レオシドを形成させ、それをHPLC分析で確認した。
遮断されたヌクレオシドのアルファに対するベータのア
ノマー比は2.5:1であった。
【0141】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル25ml、水1ml、1N塩化
水素酸1mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液2mlを
加えた。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液
5ml、食塩水5mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。定量的HPLC分析により遮断されたベータ-
アノマーヌクレオシドの収率が14%であることがわか
った。
【0142】実施例36:2等量の2-アミノ-6-クロ
ロプリンカリウム塩による9-[1-(2'-デオキシ-2',
2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフ
ラノシル)]-2-アミノ-6-クロロプリンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート1.4gにジクロロメタン14mlと
トリエチルアミン0.515mlを加えた。この溶液を
23℃で15分間撹拌した後、−40℃に冷却し、トリ
フルオロメタンスルホン酸無水物0.621mlと反応
させることにより、溶液中にアルファ-アノマーに富む
2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネート
を形成させた。
【0143】2-アミノ-6-クロロプリン197mgの
懸濁液をアセトニトリル3ml中に調製し、窒素雰囲気
下で無水状態を維持した。カリウムt-ブトキシド13
0mgを加え、得られた混合物を23℃で10分間撹拌
することにより、2-アミノ-6-クロロプロリンカリウ
ム塩を得た。その塩懸濁液を0℃に冷却し、アルファ-
アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボ
フラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロメタ
ンスルホネート溶液2mlと反応させ、1時間撹拌し、
22℃に温めることにより標記の遮断されたヌクレオシ
ドを形成させ、それをHPLC分析によって確認した。
遮断されたヌクレオシドのアルファに対するベータのア
ノマー比は2:1であった。
【0144】ヌクレオシド生成物を反応混合物から抽出
するために、酢酸エチル100ml、水10mlを加
え、沈殿が生じた。その沈殿を濾過し、飽和重炭酸ナト
リウム水溶液5ml、食塩水5mlで洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。定量的HPLC分析により遮断さ
れたベータ-アノマーヌクレオシドの収率が14%であ
ることがわかった。
【0145】実施例37:2等量の2,6-ジピバルアミ
ドアミノプリンカリウム塩によるベータ-アノマーに富
む9-[1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'
-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)]-2,6-ジピ
バルアミドアミノプリンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート3.78gにジクロロメタン30ml
とトリエチルアミン1.39mlを加えた。この溶液を
23℃で15分間撹拌し、−40℃に冷却し、トリフル
オロメタンスルホン酸無水物1.68mlと反応させて
溶液中にアルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-
トリフルオロメタンスルホネートを形成させた。
【0146】2,6-ジピバルアミドアミノプリン6.9
9gの懸濁液をアセトニトリル100ml中に調製し、
窒素雰囲気下で無水状態を維持した。カリウムt-ブト
キシド2.46gを加え、得られた混合物を23℃で1
0分間撹拌し、一定重量になるまで減圧下40℃で乾燥
し、2,6-ジピバルアミドアミノプリンカリウム塩を得
た。その塩懸濁液をジクロロメタン100mlに加え、
0℃に冷却し、アルファ-アノマーに富む2-デオキシ-
2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾ
イル-1-トリフルオロメタンスルホエネート溶液と反応
させ、1時間撹拌し、22℃に温めて標記の遮断された
ヌクレオシドを形成させ、それをHPLC分析で確認し
た。
【0147】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル500ml、氷20ml、1N
塩化水素酸20mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液3
5mlを加えた。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウ
ム水溶液25ml、食塩水25mlで洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。遮断されたヌクレオシドのアルフ
ァに対するベータのアノマー比は1.8:1であった。
定量的HPLC分析により、遮断されたベータ-アノマ
ーヌクレオシドの収率が28%であることがわかった。
融点238℃〜239℃。
【0148】実施例38:2等量の6-ピバルアミドア
ミノプリンカリウム塩によるベータ-アノマーに富む9-
[1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-
O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)]-6-ピバルアミド
アミノプリンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート1.4gにジクロロメタン14mlと
トリエチルアミン0.515mlを加えた。この溶液を
23℃で15分間撹拌し、−40℃に冷却し、トリフル
オロメタンスルホン酸無水物0.621mlと反応させ
ることにより、溶液中にアルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
ベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネートを形成
させた。
【0149】6-ピバルアミドアミノプリン255mg
の懸濁液をアセトニトリル3ml中に調製し、窒素雰囲
気下で無水状態を維持した。カリウムt-ブトキシド1
31mgを加え、得られた混合物を23℃で10分間撹
拌することにより6-ピバルアミドアミノプリンカリウ
ム塩を得た。その塩懸濁液を0℃に冷却し、アルファ-
アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボ
フラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロメタ
ンスルホネート溶液と反応させ、1時間撹拌し、22℃
に温めることにより標記の遮断されたヌクレオシドを形
成させ、それをHPLC分析で確認した。遮断されたヌ
クレオシドのアルファに対するベータの比は2:1であ
った。
【0150】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル25ml、水1ml、1N塩化
水素酸1mlおよび飽和塩化ナトリウム溶液2mlを加
えた。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム5ml、
食塩水5mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。
定量的HPLC分析により、遮断されたベータ-および
アルファ-アノマーヌクレオシドの合わせた収率が28
%であることがわかった。
【0151】実施例39:2等量の8-ブロモ-7-シア
ノ-7-デアザ-6-ピバルアミドプリンカリウム塩による
ベータ-アノマーに富む9-[1-(2'-デオキシ-2',2'
-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-べンゾイル-D-リボフラノ
シル)]-8-ブロモ-7-シアノ-7-デアザ-6-ピバルア
ミドプリンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート1.4gにジクロロメタン14mlと
トリエチルアミン0.515mlを加えた。この溶液を
23℃で15分間撹拌し、−40℃に冷却し、トリフル
オロメタンスルホン酸無水物0.621mlと反応させ
ることにより、溶液中にアルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
ベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネートを形成
させた。
【0152】8-ブロモ-7-シアノ-7-デアザ-6-ピバ
ルアミドプリン187mgの懸濁液をアセトニトリル3
ml中に調製し、窒素雰囲気下で無水状態を維持した。
カリウムt-ブトキシド65mgを加え、得られた混合
物を23で10分間撹拌することにより8-ブロモ-7-
シアノ-7-デアザ-6-ピバロイルアミドプリンカリウム
塩を得た。その塩懸濁液を0℃に冷却し、アルファ-ア
ノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-トリフルオロメタン
スルホネート溶液1mlと反応させ、1時間撹拌し、2
0℃に温めることにより標記の遮断されたヌクレオシド
を形成させ、それをHPLC分析で確認した。遮断され
たヌクレオシドのアルファに対するベータのアノマー比
は2:1であった。
【0153】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル25ml、水1ml、1N塩化
水素酸1mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液2mlを
加えた有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム溶液5m
l、食塩水5mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。定量的HPLC分析により遮断されたベータ-およ
びアルファ-アノマーヌクレオシドを合わせた収率が2
4%であることがわかった。
【0154】実施例40:様々な反応溶媒における2等
量の2,6-ジピバルアミドアミノプリンカリウム塩によ
るベータ-アノマーに富む9-[1-(2'-デオキシ-2',
2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフ
ラノシル)]-2,6-ジピバルアミドアミノプリンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート1gにジクロロメタン10mlとト
リエチルアミン0.36mlを加えた。この溶液を23
℃で15分間撹拌し、−40℃に冷却し、トリフルオロ
メタンスルホン酸無水物0.45mlと反応させること
により、溶液中にアルファ-アノマーに富む2-デオキシ
-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾ
イル-1-トリフルオロメタンスルホネートを形成させ
た。
【0155】2,6-ジピバルアミドアミノプリン1.8
5gの懸濁液をアセトニトリル30ml中に調製し、窒
素雰囲気下で無水状態を維持した。カリウムt-ブトキ
シド0.65gを加え、得られた混合物を25℃で10
分間撹拌することにより、2,6-ジピバルアミドアミノ
プリンカリウム塩を得た。その塩懸濁液を減圧下40℃
で乾燥して一定重量の白色固体を得た。上記プリン塩2
07mgを下記表の実験A〜Fに記載の溶媒1.5ml
に窒素下0℃で懸濁し、アルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
ベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネート溶液1
mlと反応させ、1時間撹拌し、0℃に温めることによ
り標記の遮断されたヌクレオシドを形成させ、それをH
PLC分析によって確認した。遮断されたヌクレオシド
のアルファに対するベータのアノマー比を以下に示す。
【0156】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル25ml、水1ml、1N塩化
水素酸1mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液2mlを
加えた。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液
2ml、食塩水5mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。定量的HPLC分析により遮断されたベータ-
アノマーの収率が以下の通り明らかになった。
【表3】 実験 溶媒 β/α β ヌクレオシド比 収率(%) A テトラヒドロフラン 1.3:1 45 B トルエン 1.8:1 49 C 酢酸エチル 1.6:1 47 D ジクロロエタン 2.1:1 55 E t-ブチルアルコール 3.5:1 53 F アセトニトリル 1.6:1 40
【0157】実施例41:2等量の2-アセトアミド-6
-ジフェニルカルバモイルオキシプリンカリウム塩によ
るベータ-アノマーに富む9-[1-(2'-デオキシ-2',
2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフ
ラノシル)]-2-アセトアミド-6-ジフェニルカルバモ
イルオキシプリンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート1.4gにジクロロメタン14mlと
トリエチルアミン0.515mlを加えた。この溶液を
23℃で15分間撹拌し、−40℃に冷却し、トリフル
オロメタンスルホン酸無水物0.621mlと反応させ
ることにより、溶液中にアルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
ベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネートを形成
させた。
【0158】2-アセトアミド-6-ジフェニルカルバモ
イルプリン2.56gの溶液を熱いジメチルホルムアミ
ド50ml中に調製し、窒素雰囲気下で無水状態を維持
した。その溶液を25℃に冷却し、カリウムt-ブトキ
シ0.74gを加えた。得られた混合物を23℃で10
分間撹拌し、エバポレートして油状物を得、それをエー
テルでトリチュレートし、フィルター上に集め、減圧下
40℃で乾燥して2-アセトアミド-6-ジフェニルカル
バモイルオキシプリンカリウム塩を得た。上記プリン塩
496mgをジクロロメタン3mlに懸濁し、5℃に冷
却し、アルファ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジ
フルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-
トリフルオロメタンスルホネート溶液と反応させ、1時
間撹拌し、25℃に温めることにより標記の遮断された
ヌクレオシドを形成させ、それをHPLC分析によって
確認した。遮断されたヌクレオシドのアルファに対する
ベータのアノマー比は1.8:1であった。
【0159】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル25ml、水1ml、1N塩化
水素酸1mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液2mlを
加えた。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液
5ml、食塩水5mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。遮断されたベータ-アノマーヌクレオシドの収
率は5.8%であった。
【0160】実施例42:7等量の2,6-ジピバルアミ
ドアミノプリンカリウム塩によるベータ-アノマーに富
む9-[1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'
-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)]-2,6-ジピ
バルアミドアミノプリンの製造 2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾエート100mgにジクロロメタン3ml
とトリエチルアミン0.036mlを加えた。この溶液
を23℃で15分間撹拌し、−78℃に冷却し、トリフ
ルオロメタンスルホン酸無水物0.045mlと反応さ
せることにより、溶液中にアルファ-アノマーに富む2-
デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-
ジベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネートを形
成させた。
【0161】2,6-ジピバルアミドアミノプリン1.8
5gの懸濁液をアセトニトリル30ml中に調製し、窒
素雰囲気下で無水状態を維持した。カリウムt-ブトキ
シド0.65gを加え、得られた混合物を23℃で10
分間撹拌し、減圧下40℃で乾燥して2,6-ジピバルア
ミドアミノプリンカリウム塩を得、これを−78℃に冷
却した。上記プリン塩をアルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
ベンゾイル-1-トリフルオロメタンスルホネート溶液と
23℃で反応させ、1.5時間撹拌し、22℃に温める
ことにより標記の遮断されたヌクレオシドを形成させ、
それをHPLC分析によって確認した。
【0162】反応混合物からヌクレオシド生成物を抽出
するために、酢酸エチル25ml、氷1ml、1N塩化
水素酸1mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液2mlを
加えた。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム溶液5
ml、食塩水5mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した。遮断されたヌクレオシドのアルファに対するベー
タのアノマー比は2.7:1であった。
【0163】実施例43:3等量のビス-トリメチルシ
リルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-デ
オキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル
-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オンの
製造 シトシン292mgをヘキサメチルジシラザン2ml、
硫酸アンモニウム11mgおよびキシレン5mlと混合
し、その溶液を還流して均一な溶液にすることによりビ
ス-トリメチルシリルシトシンを調製した。過剰のキシ
レンとヘキサメチルジシラザンを除去したところ、ビス
-トリメチルシリルシトシンの融解残渣が残った。キシ
レン2mlに溶解した2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-
D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-α-メタン
スルホネート400mgを上記融解ビス-トリメチルシ
リルシトシンに加え、キシレンを除去した。反応混合物
の温度を160℃に15分間維持した。HPLC分析に
より反応の完結を確認した。遮断されたヌクレオシド生
成物のベータに対するアルファのアノマー比は1:1.
3であった。
【0164】ヌクレオシド生成物を抽出するために反応
混合物を冷却し、酢酸エチル50mlで希釈し、1N塩
化水素酸50mlで洗浄した。
【0165】実施例44:3等量のビス-トリメチルシ
リルウラシルによるベータ-アノマーに富む1-(2'-デ
オキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル
-D-リボフラノシル)-4-ケトピリミジン-2-オンの製
造 ウラシル295mgをヘキサメチルジシラザン5ml、
硫酸アンモニウム11mgおよび1,2-ジクロロエタン
10mlと混合することによってビス-トリメチルシリ
ルウラシルを調製した。その溶液を110℃に1時間加
熱して均一な溶液にし、過剰のキシレンとヘキサメチル
ジシラザンを除去することにより、融解したビス-トリ
メチルシリルウラシルを得た。2-デオキシ-2,2-ジフ
ルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-α-
メタンスルホネート200mgを融解したビス-メチル
シリルウラシルに加えた。反応混合物の温度を150℃
に2時間維持した。HPLC分析により反応の完結を確
認した。遮断されたヌクレオシドのベータに対するアル
ファのアノマー比は1:1.8であった。
【0166】ヌクレオシド生成物を抽出するために、反
応混合物を冷却し、酢酸エチル50mlで希釈し、1N
塩化水素酸50mlで洗浄した。
【0167】実施例45:10等量のビス-トリメチル
シリルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 融解したビス-トリメチルシリルシトシン1.12gに2
-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5
-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート200mgを
加えた。反応混合物の温度を130℃で1時間維持し
た。HPLC分析により反応の完結を確認した。遮断さ
れたヌクレオシド生成物のアノマー比は1.7:1(べー
タ:アルファ)であった。
【0168】ヌクレオシド生成物を抽出するために反応
混合物を酢酸エチル100mlで希釈し、1N塩化水素
酸100mlで洗浄した。有機層の定量的HPLC分析
は遮断されたベータ-アノマーヌクレオシドの収率が5
0%であることを示した。
【0169】実施例46:3等量のビス-トリメチルシ
リル-N-アセチルシトシンによるベータ-アノマーに富
む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-
O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-4-アセタミドピリ
ミジン-2-オンの製造 ビス-トリメチルシリル-N-アセチルシトシン500m
gに2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル
-3,5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネート980
mgを加えた。反応混合物の温度を108℃で3時間維
持した。HPLC分析によって反応の完結を確認した。
遮断されたヌクレオシド生成物のアルファに対するベー
タのアノマー比は1.4:1であった。
【0170】ヌクレオシド生成物を抽出するために反応
混合物を冷却し、酢酸エチル25mlで希釈し、1N塩
化水素酸25mlで洗浄した。水層を酢酸エチル30m
lで洗浄した。酢酸エチル層の定量的HPLC分析は遮
断されたベータ-アノマーヌクレオシドの収率が34%
であることを示した。
【0171】実施例47:3等量のビス-トリメチルシ
リル-N-アセチルシトシンによるベータ-アノマーに富
む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-
O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-4-アセトアミドピ
リジン-2-オンの製造 融解したビス-トリメチルシリル-N-アセチルシトシン
393mgに2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-α-メタンスルホネー
ト200mgを加えた。反応混合物の温度を110℃で
1時間維持した。遮断されたヌクレオシド生成物のアル
ファに対するベータのアノマー比は2.3:1であっ
た。
【0172】ヌクレオシド生成物を抽出するために、反
応混合物を酢酸エチル40mlで希釈し、1N塩化水素
酸25mlで洗浄した。有機層の定量的HPLC分析は
ベータ-アノマーヌクレオシドの収率が27%であるこ
とを示した。
【0173】実施例48:20等量のビス-トリメチル
シリルシトシンによるベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-4-アミノピリミジン-2-オン
の製造 シトシン4.9gをヘキサメチルジシラザン90ml、
硫酸アンモニウム581mgおよびキシレン2mlと混
合し、その溶液を2時間加熱して均一な溶液を得ること
によりビス-トリメチルシリルシトシンを調製した。過
剰のヘキサメチルジシラザンを除去すると白色の残渣が
生成した。アセトニトリル5mlに溶解した2-デオキ
シ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベン
ゾイル-1-α-メタンスルホネート1gをビス-トリメチ
ルシリルシトシン溶液に加え、アセトニトリルを除去し
た。反応混合物の温度を減圧下で1時間130℃に維持
した。HPLC分析により反応の完結を確認した。遮断
されたヌクレオシド生成物のアルファに対するベータの
アノマー比は3.9:1であった。
【0174】ヌクレオシド生成物を抽出するために、反
応混合物をジクロロメタン100mlで希釈し、1N塩
化水素酸100ml、5%重炭酸ナトリウム200ml
および飽和塩化ナトリウム200mlで順次洗浄した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、エバポレ
ートして黄色固体1.03gを得た。定量的HPLC分
析はベータ-アノマーヌクレオシドの収率が43%であ
ることを示した。
【0175】次の表は選択した炭水化物、反応温度およ
び核酸塩基のモル等量がいかにヌクレオシド生成物の収
率とアノマー比に影響を与えるかを示すものである。
【表4】 炭水化物 塩基 塩基 温度 α/β 収率 (R') (R') ヌクレオシド比 1:1α:β-OMs シトシン 1.5 130℃ 3:1 N/D α-OMs シトシン 3.0 160℃ 1:1.3 N/D α-OMs シトシン 10.0 130℃ 1:1.7 50%β α-OMs ウラシル 3.0 150℃ 1:1.8 N/D α-OMs N-アセチル- 3.0 115℃ 1:1.4 34%β シトシン α-OMs N-アセチル- 3.0 110℃ 1:1.3 27%β シトシン α-OMs シトシン 20.0 130℃ 1:4 43%β (N/D)は決定しなかったことを示す。炭水化物はヒド
ロキシ保護されている。α-またはβ-OMsはアルファ
-またはベータ-2,2-ジフルオロ-2-デオキシ-D-リボ
フラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-メタンスルホネー
トを表し、β-またはα-OTsはベータ-またはアルフ
ァ-2,2-ジフルオロ-2-デオキシ-D-リボフラノシル-
3,5-ジベンゾイル-1-トルエンスルホネートを表す。
収率は炭水化物の総量に基づいており、対応する溶液生
成物ピークを標品1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオ
ロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-ベータ-D-リボフラノシ
ル)-4-アミノピリミジン-2-オンと比較する定量的逆
相HPLC分析から計算した。
【0176】実施例49:アセトニトリル中でのベータ
-アノマーに富む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ
-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-4-ピ
バルアミドピリミダ-2-オンの製造 N-ピバルアミドシトシン(1.0g,5.5mmol)を
アセトニトリル(15.0ml)に懸濁し、カリウムt-ブ
トキシド(0.062g,5.5mmol)で処理し、窒素
雰囲気下25℃で撹拌することによりN-ピバロイルシ
トシンのカリウム塩を得た。
【0177】アセトニトリル(10.0ml)中の2-デオ
キシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベ
ンゾイル-1-α-(p-ブロモベンゼン)スルホネート(2.
99g,5.0mmol)を上記塩に加え、その全混合物
を65℃で5.5時間反応させることにより遮断された
ヌクレオシドを得た。HPLC分析により反応の完結を
確認し、アルファに対するベータのアノマー比が3.
9:1であることが示された。
【0178】ヌクレオシド生成物を単離するために、反
応混合物を酢酸エチルと水に分配し、有機層を重炭酸ナ
トリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。カラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン/酢酸エ
チル6:4)により、標記生成物0.700gを20%の
収率で得た。融点191〜193℃。
【0179】実施例50:アセトニトリル中でのベータ
-アノマーに富む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ
-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-4-
(N-ピバルアミド)アミノピリミダ-2-オンの製造 N-ピバルアミドシトシン(0.098g,0.5mmo
l)をアセトニトリル(1.5ml)に懸濁し、カリウムt
-ブトキシド(0.062g,0.55mmol)で処理
し、窒素雰囲気下25℃で撹拌することによりN-ピバ
ロイルシトシンのカリウム塩を得た。
【0180】アセトニトリル(1.5ml)中の2-デオキ
シ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベン
ゾイル-1-α-ヨウ化物(0.244g,0.5mmol)
を上記塩に加え、その全混合物を60℃で24時間反応
させることにより、遮断されたヌクレオシドを得た。H
PLC分析により反応の完結を確認し、アルファに対す
るベータのアノマー比が1.13:1であることが示さ
れた。
【0181】実施例51:アセトニトリル中でのベータ
-アノマーに富む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ
-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-1,
2,4-トリアゾール-3-カルボニトリルの製造 1,2,4-トリアゾール-3-カルボニトリル(0.101
g,1.03mmol)をアセトニトリル(10ml)に懸
濁し、水素化ナトリウム(0.0445g,1.12mm
ol)で処理し、窒素雰囲気下25℃で撹拌することに
より、対応するトリアゾールのナトリウム塩を得た。ア
セトニトリル(10ml)中の2-デオキシ-2,2-ジフル
オロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾイル-1-α-ブ
ロミド(0.451g,1.02mmol)を上記塩に加
え、その全混合物を82℃で78時間反応させることに
より遮断されたヌクレオシドを得た。HPLC分析によ
り反応の完結を確認し、アルファに対するベータのアノ
マー比が1.2:1であることが示された。
【0182】ヌクレオシド生成物を単離するために、反
応混合物をエバポレートして油状固体を得、酢酸エチル
で希釈し、重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、濃縮した。残渣はエタノールから結晶化し
て標記の生成物30mgを6%の収率で与えた。融点2
25℃〜226℃。MS(FD)M/Z455(M+1)。
2216245についての元素分析:(理論値),5
8.15;H,3.55;N,12.33;(実測値)C,
58.36;H,3.79;N,12.10。
【0183】実施例52:アセトニトリル中でのベータ
-アノマーに富む1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ
-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-1,
2,4-トリアゾール-3-カルボニトリルの製造 1,2,4-トリアゾール-3-カルボアニトリル-(0.27
2g,2.89mmol)をアセトニトリル(20ml)に
懸濁し、水素化ナトリウム(0.094g,2.7mmo
l)で処理し、窒素雰囲気下25℃で撹拌することによ
り上記トリアゾールのナトリウム塩を得た。
【0184】アセトニトリル(20ml)中の2-デオキ
シ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベン
ゾイル-1-α-ヨウ化物(0.941g,1.9mmol)
を上記塩に加え、その全混合物を82℃で48時間反応
させることにより遮断されたヌクレオシドを得た。HP
LC分析により反応の完結を確認し、アルファに対する
ベータのアノマー比が3.5:1であることが示され
た。
【0185】ヌクレオシド生成物を単離するために反応
混合物をエバポレートして油状固体を得、酢酸エチルで
希釈し、重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥し、濃縮した。その残渣はエタノールから結晶化
して標記の生成物0.421g(融点225℃〜226
℃)を48%の収率で与えた。MS(FD)M/Z455
(M+1)。C2216245についての元素分析:(理
論値)C,58.15;H,3.55;N,12.33;
(実測値)C,58.35;H,3.65;N,12.3
3。
【0186】実施例53:N,N-ジメチルアセトアミド
中での(9)位置異性体ベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-6-シアノプリンの製造 6-シアノプリン(0.92g,6.35mmol)をN,N
-ジメチルアセトアミド(12ml)に懸濁し、水素化ナ
トリウム(0.396g,8.25mmol)で処理し、窒
素雰囲気下25℃で6-シアノプリンのナトリウム塩を
得た。
【0187】N,N-ジメチルアセトアミド(4ml)中の
2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,
5-ジベンゾイル-1-α-ヨウ化物(3.09g,6.35
mmol)を上記塩に加え、その全混合物を70℃で5
時間反応させることにより遮断されたヌクレオシドを得
た。HPLC分析により反応の完結を確認し、アルファ
に対するベータのアノマー比が1.2:1であることが
示された。
【0188】ヌクレオシド生成物を単離するために、反
応混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去し、その残渣を
酢酸エチルに溶解し、0.2M塩化リチウム溶液で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル,トルエン/酢酸エチル
9:1)により標記生成物0.21gを6.5%の収率で
得た。MS(FD)506(M+1)。C2517255
についての元素分析:(理論値)C,59.41;H,3.
39;N,13.86;(実測値)C,59.85;H,
3.49;N,13.48。
【0189】実施例54:N,N-ジメチルアセトアミド
中での(9)位置異性体ベータ-アノマーに富む1-(2'-
デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイ
ル-D-リボフラノシル)-2,6-(ジピバルアミド)ジアミ
ノプリンの製造 2,6-(ジピバルアミド)ジアミノプリン(0.159g,
0.5mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(1.0m
l)中に懸濁し、カリウムt-ブトキシド(0.062g,
0.55mmol)で処理し、窒素雰囲気下25℃で撹拌
することにより2,6-(ジピバロイル)ジアミノプリンの
カリウム塩を得た。
【0190】N,N-ジメチルアセトアミド(0.5ml)
中の2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-
3,5-ジベンゾイル-1-α-(p-ブロモベンゼン)スルホ
ネート(0.299g,0.5mmol)を上記塩に加え、
その全混合物を60℃で6時間反応させることにより遮
断されたヌクレオシドを得た。HPLC分析により反応
の完結を確認し、標記生成物のアルファに対するベータ
のアノマー比が1.9:1であることが示された。
【0191】ヌクレオシド生成物を単離するために、反
応混合物を冷却し、減圧下で溶媒を除去した。残渣を酢
酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、油状物に濃縮した。カラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル,トルエン/酢酸エチル1:
1)によりアルファとベータ両方のヌクレオシド生成物
0.141gが28%の収率で得られた。MS(FD)6
79(M+1)。
【0192】実施例55:アセトニトリル中での(9)位
置異性体ベータ-アノマーに富む1-(2'-デオキシ-2',
2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフ
ラノシル)-2,6-(ジピバルアミド)ジアミノプリンの製
造 2,6-(ジピバルアミド)ジアミノプリン(0.159g,
0.5mmol)をアセトニトリル(1.5ml)に懸濁
し、カリウムt-ブトキシド(0.062g,0.55mm
ol)で処理し、窒素雰囲気下25℃で撹拌することに
より2,6-(ジピバルアミド)ジアミノプリンのカリウム
塩を得た。
【0193】アセトニトリル(1.5ml)中の2-デオキ
シ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベン
ゾイル-1-α-ヨウ化物(0.244g,0.5mmol)
を上記塩に加え、その全混合物を60℃で16時間反応
させることにより遮断されたヌクレオシドを得た。HP
LC分析により反応の完結を確認し、アルファに対する
ベータのアノマー比が2.2:1であることが示され
た。
【0194】ヌクレオシド生成物を単離するために、反
応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機層を重炭酸ナトリ
ウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、分離し、油
状物に濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル,トルエン/酢酸エチル1:1)の後、再結晶するこ
とにより、標記の生成物0.085gを25%の収率で
得た。MS(FD)679(M+1)。
【0195】実施例56:N,N-ジメチルアセトアミド
中でのベータ-アノマーに富む1-(2'-デオキシ-2',
2'-ジフルオロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-D-リボフ
ラノシル)-4-(ベンジルアミノ)ピリミダ-2-オンの製
造 N-ベンジルシトシン(0.099g,0.493mmo
l)をN,N-ジメチルアセトアミド(2.0ml)に懸濁
し、水素化ナトリウム(0.0256g,0.534mm
ol)で処理し、窒素雰囲気下25℃で撹拌することに
より、N-ベンジルシトシンのナトリウム塩を得た。
【0196】N,N-ジメチルアセトアミド(1.5ml)
中の2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル
-3,5-ジベンゾイル-1-α-ヨウ化物(0.201g,
0.411mmol)を上記塩に加え、その全混合物を2
3℃で5時間反応させることにより遮断されたヌクレオ
シドを得た。HPLC分析により反応の完結を確認し、
アルファに対するベータのアノマー比が1.9:1であ
ることがわかった。
【0197】反応溶媒を減圧下で除去し、その残渣を酢
酸エチルに溶解し、重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、油状物に濃縮した。カラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル,トルエン/酢酸エチル9:
1)により標記生成物0.015mgが6.5%の収率で
得られた。MS(FD)562(M+2)。
【0198】実施例57:N,N-ジメチルアセトアミド
中での1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-3',5'-
ジ-O-ベンゾイル-D-リボフラノシル)-1,2,4-トリ
アゾール-3-カルボン酸エチルの製造 1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸エチル(0.72
3g,5.13mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド
(2.5ml)に懸濁し、水素化ナトリウム(0.123
g,5.13mmol)で処理し、窒素雰囲気下25℃で
撹拌することによりトリアゾールのナトリウム塩を得
た。
【0199】N,N-ジメチルアセトアミド(2.5ml)
中の2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル
-3,5-ジベンゾイル-1-α-ヨウ化物(2.0g,4.1
1mmol)を上記塩に加え、その全混合物を23℃で
24時間反応させることにより遮断されたヌクレオシド
を得た。HPLC分析により反応の完結を確認し、アル
ファに対するベータのアノマー比が3:1であることが
わかった。
【0200】溶媒を減圧下で除去し、カラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル,トルエン/酢酸エチル9:1)を
用いることにより上記粗製反応混合物を精製した。遮断
されたヌクレオシドのアルファおよびベータの位置異性
体(下記AおよびB)の合わせた理論的収率は67%であ
った。
【0201】A.1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオ
ロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-β-D-リボフラノシル)-
1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸エチル(436m
g,収率21.2%)
【化28】 酢酸エチル-イソオクタンからの「A」の再結晶により
純粋なβ-アノマー267mgを13%の収率で得た。
【0202】B.1-(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオ
ロ-3',5'-ジ-O-ベンゾイル-β-D-リホ゛フラノシル)-1,2,
4-トリアゾール-5-カルボン酸エチル(855mg,収
率41.5%)
【化29】
【0203】実施例58:ジメチルアセトアミド中での
ベータ-アノマーに富む2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-
D-リボフラノシル-1-β-(2-アミノ-6-クロロプリ
ン)の製造 0℃で窒素下のジメチルアセトアミド(900ml)中の
2-アミノ-6-クロロプリン(82.6mmol,14.0
g)の懸濁液に粉砕した水酸化カリウム(99.12mm
ol,5.55g)を加えた。この混合物を30分間撹拌
して溶液を形成させた。ジメチルアセトアミド(450
ml)中の2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラ
ノシル-3,5-ジベンゾイル-1-α-ヨウ化物(82.6m
mol,40.31g)を加えた。反応液を室温に温め、
窒素下で終夜撹拌した。
【0204】酢酸エチルと食塩水を加えることにより生
成物を抽出した。有機層を1N HCl、飽和重炭酸ナ
トリウム溶液、水および食塩水で順次洗浄した。次に有
機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下でエバポレート
した。
【0205】粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー
で精製することによりベータ対アルファのアノマー比が
3:1の2-デオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノ
シル-3,5-ジベンゾイル-1-(2-アミノ-6-クロロプ
リン)を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD),
δ4.68(m,2H,4'-H,5'a-H),4.90(m,1
H,5'b-H),6.02(m,1H,3'-H),6.29
(m,1H,1'-H)、7.53(m,6H,Bz),7.9
2(s,1H,8'-H),8.05(m,4H,Bz)。
【0206】ジベンゾイル中間体(0.49mmol,2
60mg)を0℃のメタノール中に懸濁し、その混合物
を無水アンモニアで飽和させることにより脱保護した。
得られた溶液を室温に温め、終夜撹拌した。次に溶液を
窒素でパージし、エバポレートした。次に、塩化メチレ
ンなどの非極性溶媒で洗浄してベンゾエート副生成物を
除去することにより標記生成物を精製した。逆相HPL
Cによってベータ-アノマーを分離した。1H NMR(3
00MHz,CD3OD),∂3.90(m,3H,4'-
H,5'-H),4.58(m,1H,3'-H),6.27(d
d,1H,1'-H),8.31(s,1H,8-H)
【0207】製造例1:アルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
-O-ベンゾイル-1-メタンスルホネート CD2Cl2(0.5ml)中の2-デオキシ-2,2-ジフル
オロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾエート(40m
g)の溶液にトリエチルアミン(0.025ml)を加え
た。室温で30分間撹拌した後、その全混合物を−78
℃に冷却し、次いで塩化メタンスルホニル(0.01m
l)を加えた。反応温度を−78℃と−80℃の間に3
0分間維持し、その後室温に温めた。HPLC分析は反
応が完結したことを示した。19F NMR分析によって
決定した標記化合物のアノマー比は4:1(アルファ対
ベータ)であった。
【0208】製造例2:アルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
-O-ベンゾイル-1-メタンスルホネート ジクロロメタン(600ml)中の2-デオキシ-2,2-ジ
フルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジベンゾエート(6
0g,純度95%)の溶液にトリエチルアミン(31.5
ml,1.5等量)を加えた。室温で30分間撹拌した
後、その混合物を−78℃に冷却した。5分後、ジクロ
ロメタン(140ml)中の塩化メタンスルホニル(14
ml,1.2等量)をその混合物に加えた。窒素下で反応
温度を−78℃と−80℃の間に1時間維持した。HP
LC分析は反応が完結したことを示した。HPLC分析
によって決定した標記化合物のアノマー比は3.53:
1(アルファ対ベータ)であった。
【0209】標記化合物を単離するために、反応混合物
を水、1N HCl溶液および5%重炭酸ナトリウム(各
300ml)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。標記化合物(31.5g)を46
%の収率で得た。融点88〜89℃。[α]D(c 1.0
1,CHCl3) +84.2°;[α]365nm +302.
0°;元素分析(C20188SF2);(計算値)C 52.
63;H 3.98;F8.33;S 7.02(456.
4)、(実測値)C 52.92;H 3.82;F 8.3
3;S 7.30;1H NMR(CDCl3):δ=3.17
(CH3),4.66および4.76(C-5H),4.84(C
-4H),5.57(C-3H),6.13(C-1H);13
NMR(CDCl3);δ=40.22(CH3),62.51
(C-5H),71.03(C-3H;JC,F=18.3,3
8.5Hz),82.75(C-4H),99.59(C-1
H;JC,F=25.5,48.3Hz),122.24(C-
2H;JC,F=259,286Hz)
【0210】製造例3:アルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
-O-ベンゾイル-1-メタンスルホネート アセトニトリル(10ml)中の2-デオキシ-2,2-ジフ
ルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ-O-ベンゾイル-1
-メタンスルホネートのアノマー混合物(1.0g,97
%ベータ-アノマー)にメタンスルホン酸N,N-ジメチル
ベンジルアンモニウム(100mg)を加えた。その混合
物を撹拌し、加熱還流した。HPLC分析を用いて標記
生成物のベータに対するアルファの比率を決定し、次の
結果を得た。
【0211】製造例4:アルファ-アノマーに富む2-デ
オキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ
-O-ベンゾイル-1-メタンスルホネート ジクロロメタンと酢酸n-プロピル中の2-デオキシ-2,
2-ジフルオロ-D-リボフラノシル-3,5-ジ-O-ベンゾ
イル-1-メタンスルホネートのアノマー混合物(29.1
g,50%ベータ-アノマー)を90℃に加熱してジクロ
ロメタンを除去した。その混合物を50〜60℃に冷却
し、酢酸n-プロピル(2ml)中のトリエチルアミン
(5.33ml,0.55等量)とメタンスルホン酸(2.0
4ml,0.55等量)の混合物を加えた。得られた混合
物を95℃〜97℃に加熱し、撹拌した。この混合物は
23.2gの2-でオキシ-2,2-ジフルオロ-D-リボフ
ラノシル-3,5-ジ-O-ベンゾイル-1-メタンスルホネ
ートを含有した。HPLC分析を用いて標記生成物のベ
ータに対するアルファの比率を決定し、次の結果を得
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07H 19/16 C07H 19/16 (31)優先権主張番号 902302 (32)優先日 平成4年6月22日(1992.6.22) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 902312 (32)優先日 平成4年6月22日(1992.6.22) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 902313 (32)優先日 平成4年6月22日(1992.6.22) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 044309 (32)優先日 平成5年4月7日(1993.4.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 044312 (32)優先日 平成5年4月7日(1993.4.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 044315 (32)優先日 平成5年4月7日(1993.4.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 044343 (32)優先日 平成5年4月7日(1993.4.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 044345 (32)優先日 平成5年4月7日(1993.4.7) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 044996 (32)優先日 平成5年4月7日(1993.4.7) (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 ローリー・マイケル・ポティート アメリカ合衆国46077インディアナ州ジ オンズビル、フランクリン・トレイス 822番 (72)発明者 ダグラス・パットン・ジェル アメリカ合衆国47906インディアナ州ウ エスト・ラファイエット、ベントン・ス トリート3072番 (72)発明者 コーラ・スー・グロスマン アメリカ合衆国46250インディアナ州イ ンディアナポリス、バロン・コート5838 番 (72)発明者 ラリー・ウェイン・ハーテル アメリカ合衆国46239インディアナ州イ ンディアナポリス、クワイエット・コー ト2313番 (72)発明者 リチャード・エルマー・ホームズ アメリカ合衆国46226インディアナ州イ ンディアナポリス、ローレル・サークル 4848番 (72)発明者 チャールズ・デイビッド・ジョーンズ アメリカ合衆国46227インディアナ州イ ンディアナポリス、イースト・ブランズ ウィック・アベニュー223番 (72)発明者 トーマス・エドワード・メイブリー アメリカ合衆国46227インディアナ州イ ンディアナポリス、ハイ−ブ・ドライブ 8104番 (56)参考文献 国際公開91/15498(WO,A2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 1/00 C07H 19/00 - 19/24 REGISTRY(STN) CA(STN) CAOLD(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 [式中、Tは水素またはフッ素から選択され、Rは群: 【化2】 {ここにRは水素、アルキル、置換アルキルおよびハ
    ロからなる群から選択され、Rはヒドロキシ、ハロ,
    アジド、1級アミノおよび2級アミノからなる群から選
    択され、Rは水素、アルキル、およびハロからなる群
    から選択され、R、RおよびRは水素、−OH、
    −NH、−NH(アルキル)、ハロ,アルコキシおよび
    チオアルキルからなる群から独立に選択され、Rは水
    素、ハロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アルコキシ
    カルボニル、チオアルキル、チオカルボキシアミドおよ
    びカルボキシアミドからなる群から選択され、QはC
    H、CRおよびNからなる群から選択される(ここに
    はハロ、カルボキシアミド、チオカルボキシアミ
    ド、アルコキシカルボニルおよびニトリルからなる群か
    ら選択される)}から選択される核酸塩基を表す]で表
    されるβアノマーに富むヌクレオシドを製造する方法で
    あって、式: 【化3】 [式中、Xはヒドロキシ保護基から独立に選択され、T
    は上記と同意義である]で表されるαアノマーに富む炭
    水化物のスルホニルオキシ基(Y)の、群: 【化4】 【化5】 [式中、RからRまでとQは上記と同意義であり、
    Zはヒドロキシ保護基を表し、Wはアミノ保護基を表
    し、Mはカチオンを表す]から選択される少なくとも
    1モル等量の核酸塩基(R'')によるS2置換と、脱保
    護して式(I)の化合物を生成させることからなる方法。
  2. 【請求項2】 R''が群: 【化6】 [式中、Rは水素、アルキル、置換アルキルおよびハ
    ロからなる群から選択され、Rは水素、アルキルおよ
    びハロからなる群から選択され、Zはヒドロキシ保護基
    を表し、Wはアミノ保護基を表す]から選択され、Yが
    アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキ
    シ、置換アルキルスルホニルオキシおよび置換アリール
    スルホニルオキシからなる群から選択され、炭水化物濃
    度が20%以上の溶液中で行い、溶媒が高沸点不活性溶
    媒である請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 R''が群: 【化7】 [式中、Rは水素、アルキル、置換アルキルおよびハ
    ロからなる群から選択され、Rはヒドロキシ、ハロ、
    アジド、1級アミノおよび2級アミノからなる群からな
    る群から選択され、Rは水素、アルキル、およびハロ
    からなる群から選択され、Zはヒドロキシ保護基を表
    し、Wはアミノ保護基を表す]から選択され、Yがトリ
    フルオロメタンスルホニルオキシ、1,1,1-トリフル
    オロエタンスルホニルオキシ、オクタフルオロブタンス
    ルホニルオキシおよびナノフルオロブタンスルホニルオ
    キシからなる群から選択され、反応が低融点不活性溶媒
    を用いて−120℃から25℃までの温度で行われる請
    求項1の方法。
  4. 【請求項4】 R''が群: 【化8】 [式中、Rは水素、アルキル、置換アルキルおよびハ
    ロからなる群から選択され、Rは水素、アルキル、お
    よびハロからなる群から選択され、Zはヒドロキシ保護
    基を表し、Wはアミノ保護基を表す]から選択され、触
    媒の存在下で行われ、Yがアルキルスルホニルオキシ、
    アリールスルホニルオキシ、置換アルキルスルホニルオ
    キシおよび置換アリールスルホニルオキシからなる群か
    ら選択される請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 触媒が、溶媒に実質上可溶性であり、非
    求核性アニオンを含有する高度にイオン化した塩から選
    択される請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 溶媒が極性非求核性溶媒から選択される
    請求項4または5の方法。
  7. 【請求項7】 R''が群: 【化9】 [式中、Rはヒドロキシ、ハロ、アジド、1級アミノ
    および2級アミノからなる群から選択され、Rは水
    素、アルキル、およびハロからなる群から選択され、R
    、RおよびRは水素、−OZ、−NHW、N(ア
    ルキル)W、ハロ、アルコキシ、およびチオアルキルか
    らなる群から独立に選択され、Rは水素、ハロ、シア
    ノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、チオアルキ
    ル、チオカルボキシアミドおよびカルボキシアミドから
    なる群から選択され、QはCH、CR、およびNから
    なる群から選択され(ここにRはハロ、カルボキシア
    ミド、チオカルボキシアミド、アルコキシカルボニル、
    およびニトリルからなる群から選択される)、Zはヒド
    ロキシ保護基を表し、Wはアミノ保護基を表し、M
    カチオンを表す]から選択され、Yがトリフルオロメタ
    ンスルホニルオキシ、1,1,1-トリフルオロエタンス
    ルホニルオキシ、オクタフルオロブタンスルホニルオキ
    シ、およびナノフルオロブタンスルホニルオキシからな
    る群から選択され、溶媒が低融点不活性溶媒である請求
    項1の方法。
  8. 【請求項8】 溶媒なしで行われ、R''が群: 【化10】 [式中、Rは水素、アルキル、置換アルキルおよびハ
    ロからなる群から選択され、Rは水素、アルキルおよ
    びハロからなる群から選択され、Zはヒドロキシ保護基
    を表し、Wはアミノ保護基を表す]から選択され、Yが
    アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキ
    シ、置換アルキルスルホニルオキシおよび置換アリール
    スルホニルオキシからなる群から選択される請求項1の
    方法。
  9. 【請求項9】 反応温度が100℃から160℃までで
    ある請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 R''が群: 【化11】 [式中、Rは水素、アルキル、置換アルキルおよびハ
    ロからなる群から選択され、Rはヒドロキシ、ハロ、
    アジド、1級アミノおよび2級アミノからなる群から選
    択され、Rは水素、アルキルおよびハロからなる群か
    ら選択され、R、RおよびRは水素、−OZ、−
    NHW、N(アルキル)W、ハロ、アルコキシおよびチオ
    アルキルからなる群から独立に選択され、Rは水素、
    ハロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アルコキシカル
    ボニル、チオアルキル、チオカルボキシアミドおよびカ
    ルボキシアミドからなる群から選択され、QはCH、C
    およびNからなる群(ここにRはハロ、カルボキ
    シアミド、チオカルボキシアミド、アルコキシカルボニ
    ルおよびニトリルからなる群から選択される)から選択
    され、Zはヒドロキシ保護基を表し、Wはアミノ保護基
    を表す]から選択され、Yがアルキルスルホニルオキ
    シ、アリールスルホニルオキシ、置換アルキルスルホニ
    ルオキシおよび置換アリールスルホニルオキシからなる
    群から選択される請求項1の方法。
  11. 【請求項11】 式: 【化12】 で表される構造を有する式(I)の化合物を製造するため
    の請求項1ないし請求項10のいずれかの方法。
  12. 【請求項12】 式(II)で表される化合物のヒドロキ
    シ保護基(X)がベンゾイルである請求項1ないし請求項
    11のいずれかの方法。
  13. 【請求項13】 式(II)で表される化合物のスルホニ
    ルオキシ基(Y)がメタンスルホニルである請求項1ない
    し請求項12のいずれかの方法。
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