JP4700693B2 - 2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンの製造方法 - Google Patents

2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンを選択的に製造する方法に関する。
下記式(I)の2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン(ゲムシタビン)は、リボフラノース骨格の1位置に立体化学的なβ位置に配向したシトシン(cytosine)核酸塩基を有し、非小細胞肺癌(non small cell lung cancer: NSCLC)、膵臓癌、膀胱癌、乳房癌または卵巣癌を治療するのに有効である。
Figure 0004700693
ゲムシタビンは、下記反応式1に示すように通常ラクトール化合物から反応離脱基を有する活性リボフラノース中間体に変換する過程を介して製造し得る。
Figure 0004700693

前記式中、Pはヒドロキシ保護基であり、Lは離脱基である。
前記グリコシル化反応のための活性リボフラノース中間体の例としては、α−メタンスルホン酸リボフラノースのような1−スルホン酸リボフラノース及び1−ハロリボフラノースなどが挙げられる。
前記α−メタンスルホン酸リボフラノースは、核酸塩基と反応して立体選択的なグリコシル化が起るので所望のβ−ヌクレオシドを高収率で得ることができる(米国特許第5,371,210号、第5,401,838号、第5,426,183号、第5,594,124号、第5,606,048号、及びヨーロッパ特許第577303号参照)。しかし、β−メタンスルホン酸リボフラノースに比べてα−メタンスルホン酸リボフラノースを高収率で得るためには約−80℃未満の極低温条件を必要とし、したがってこの方法は量産に不適である。
前記1−ハロリボフラノース誘導体は、穏和な条件(例えば、常温)下で容易に製造でき、陰イオン性核酸塩基と反応させてグリコシル化反応を行うことができる(米国特許第5,744,597号及びヨーロッパ特許第577304号参照)。しかし、1−ハロリボフラノース誘導体を用いたグリコシル化は非立体選択的(すなわち、1位置でアノマー化が起きる)であるので、α−及びβ-ヌクレオシドの混合物を形成し、精製過程を通じて最終的に得る所望のβ-ヌクレオシドの収率が低い。
米国特許第5,223,608号は、α−及びβ−シチジンヌクレオシド1:1混合物を塩酸塩形態に転換させ、この塩酸塩混合物を熱水に溶解させ、生成溶液のpHを8.2に調節した後、その溶液を冷却、濾過することで、該α−及びβ−アノマーのシチジンヌクレオシドの混合物からβ−アノマーを選択的に分離する工程を開示している。しかし、この方法もβ−アノマーの収率が低い。
従って、本発明者らは従来の技術の問題点を解決するために鋭意研究努力を重ねた結果、1−ハロリボフラノース誘導体を用いるグリコシル化反応中に得られるハロゲン化合物を連続的に除去することによってアノマー化の生成を効率的に抑制し、その結果、前記反応の立体選択性が著しく高まることを発見したことにより、本発明を完成するに至った。
米国特許第5,371,210号 米国特許第5,401,838号 米国特許第5,426,183号 米国特許第5,594,124号 米国特許第5,606,048号 ヨーロッパ特許第577303号 米国特許第5,744,597号 ヨーロッパ特許第577304号 米国特許第5,223,608号
本発明の目的は、1−ハロリボフラノースを用いた新規な立体選択的グリコシル化反応を用いて2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンを高純度及び高収率で製造するための改良した方法を提供することである。
本発明では、
i)溶媒中で式(III)の1−ハロリボフラノース化合物と式(IV)の核酸塩基を反応させて式(II)のヌクレオシドを得、反応中に生成される式(V)のハロゲン化シリルを連続的に除去する段階;及び
ii)前記式(II)のヌクレオシドを脱保護して式(I)の2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンを得る段階;
を含むことを特徴とする、前記式(I)の2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンの製造方法を提供する:
Figure 0004700693
Figure 0004700693
前記式中、
Rはアルキルであり、
はヒドロキシ保護基であり、
はアミノ保護基であり、
Xはハロゲン元素である。
本発明によると、α−ハロリボフラノースと核酸塩基とのグリコシル化反応中に生成するハロゲン化シリルを效果的に連続除去することによって2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンを立体選択的に高収率かつ高純度で得ることができる。
本発明の方法は、グリコシル化反応中に生成する式(V)のハロゲン化シリルを連続的に除去することで、式(I)の化合物を效率的に製造することを特徴とする。
本発明で用いられる「アノマーの含量が高い(anomer−enriched)」という用語は、特定のアノマーの含量が50%を超えるアノマー混合物、望ましくは実質的に純粋なアノマー混合物を意味する。また、「アノマー化(anomerization)」は、純粋なアノマー、またはα−アノマーとβ−アノマーの混合物がリボフラノースのC位置でエピマー化(epimerization)することを意味する。
本発明において、「キャリアー(carrier)」は、グリコシル化反応中に生成するハロゲン化シリルを除去するための溶媒を意味し、「熱媒体(heating medium)」は、反応系に充分な熱を供給し、反応混合物をハロゲン化シリルを蒸留によって連続的に除去できる充分に高い沸点を有する溶媒を意味する。
本発明において、「置換された」とは、水素、シアノ、ハロ、カルボアルコキシ、トルオイル、ニトロ、アルコキシ、及びアルキルからなる群から選ばれる一つ以上の基によって単独的にまたはそれらの組み合わせによって置換されることを意味する。
本発明によると、立体選択的グリコシル化反応は反応式2に示すように行う。
Figure 0004700693
具体的に、式(III)のα−アノマーの含量が高い1−ハロリボフラノースを、式(IV)の核酸塩基とグリコシル化応させると式(II)のβ-ヌクレオシドとともに式(V)のハロゲン化シリルが生成するが、このハロゲン化シリルはα−アノマーのアノマー化を誘発するハロゲン化剤として作用する。従って、このハロゲン化シリルはグリコシル化反応が終わるまで単純蒸留または不活性ガスを用いることで連続的に除去される。その結果、アノマー化の程度が著しく減少し、β-アノマー生成に有利な立体選択的グリコシル化反応が行われる。
前記蒸留を行うと同時に、キャリアーまたはキャリアーと高沸点熱媒体との混合物をグリコシル化反応混合液に徐々に滴加する。
不活性ガスは、別途の管を介して反応器内に投入されてグリコシル化反応に影響を与えることなく反応混合物からハロゲン化シリルを除去する。より詳しくは、ハロゲン化シリルを除去するために不活性ガスは、前記管を反応液中に浸した状態でバブリング(bubbling)により管内に注入されるか、または前記管を反応液上に設けてスイーピング(sweeping)により管内に注入される。
本発明の方法で出発物質として用いられる式(III)のα−アノマーの含量が高い1−ハロリボフラノースは、ヒドロキシ保護基を有し、韓国特許出願第2004−59623号に開示された方法により製造し得る。前記ヒドロキシ保護基の例としては、ホルミル、アセチル、置換されたアセチル、プロピオニル、ブチニル、ピバルアミド、ベンゾイル、ビフェニルカルボニル、置換されたビフェニルカルボニル、エトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、t-ブチル、テトラヒドロピラニル、アリル、N−フェニルカルバメート、N−イミダゾイルカルバメート、トリアルキルシリル、イソプロピルジアルキルシリル、アルキルジイソプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、及びt−ブチルジアルキルシリルが挙げられます。その中で、ベンゾイル、ビフェニルカルボニルまたは置換されたビフェニルカルボニルがより望ましい。
式(IV)の核酸塩基は、アミノ保護基を有し、米国特許第5,371,210号、第5,401,838号、第5,426,183号、第5,594,124号、第5,606,048号、及びヨーロッパ特許第577303号に記載された方法で製造し得る。前記アミノ保護基の例としては、トリメチルシリル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、及びt-ブチルジアリールシリルのようなシリル基;t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、及び4−ニトロベンジルオキシカルボニルのようなカルバメート基;ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、メトキシメチル、t−ブチル、ベンジル、及びテトラヒドロピラニルが挙げられます。その中で、トリメチルシリルが最も望ましい。
本発明の方法において、式(IV)の核酸塩基は、式(III)の1−ハロリボフラノースに対して5〜50モル当量、望ましくは10〜30モル当量、より望ましくは15〜20モル当量用いられる。
本発明のグリコシル化工程に好適な溶媒としては、ベンゼン、置換されたベンゼン、トルエン、キシレン、デカリン(decaline)、ジグリム(diglyme)、2−エトキシエチルエーテル、ジフェニルエーテル、置換されたジフェニルエーテル、ビフェニル、置換されたビフェニル、C6−14アルカン、置換されたC6−14アルカン、及びこれらの混合物である。この中で、トルエン、C7−14アルカン、ジフェニルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることが望ましく、特にジフェニルエーテルとヘプタンとの混合溶媒が最も望ましい。前記溶媒は、式(III)の1−ハロリボフラノース1gに対して5ml〜50ml、望ましくは10ml〜20mlの量で用いられる。
蒸留による式(V)のハロゲン化シリルの除去に用いられるキャリアーは、グリコシル化反応条件下で不活性でなければならず、望ましくはハロゲン化シリルより高い沸点を有する。前記キャリアーは、ベンゼン、置換されたベンゼン、トルエン、キシレン、C6−14アルカン、置換されたC6−14アルカン、及びこれらの混合物であり得る。その中で、トルエン、ヘプタン、オクタンまたはノナンが望ましく、ヘプタンが最も望ましい。キャリアーは、式(III)の1−ハロリボフラノース1gに対して50ml〜1000ml、望ましくは100ml〜300mlの量で用いられる。
本発明の方法において、200℃以上の高沸点を有する熱媒体をキャリアーとの混合物の形態でさらに用いることにより、反応系に充分な熱を供給し、蒸留による溶媒損失を補うことができる。熱媒体は、グリコシル化反応条件下で不活性でなければならず、キャリアーより高い沸点を有することが望ましい。前記熱媒体は、デカリン、ジフェニルエーテル、置換されたジフェニルエーテル、ビフェニル、置換されたビフェニル、及びこれらの混合物からなる郡から選ばれることができる。その中で、ジフェニルエーテルが最も望ましい。前記熱媒体は、キャリアーに対して0.1〜5体積%、望ましくは0.5〜3体積%の量で用いられる。
前記キャリアー及び前記熱媒体を、グリコシル化反応が終わるまで反応混合物に一定した速度で連続的に添加することによって、均一な立体選択性を達成することができる。
また、蒸留によるハロゲン化シリルの除去を向上させるために、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)のようなシリル化剤を反応混合物にさらに添加することができ、これはキャリアーとの混合物の形態で用いられる。前記シリル化剤は、キャリアーに対して0.05〜1.5体積%、望ましくは0.1〜0.5体積%の含量で用いられる。
本発明では、窒素、ヘリウム、ネオン、及びアルゴンのような不活性ガスを、式(V)のハロゲン化シリルの除去に用いることができ、特に窒素が最も望ましい。前記不活性ガスは、式(III)の1−ハロリボフラノース化合物100gに対して1L/分以上の流速で注入することが望ましい。不活性ガスの注入量が1L/分未満である場合、α-ヌクレオシドに対するβ-ヌクレオシドの比率が3以下となる。
本発明によるグリコシル化反応は、80〜300℃、望ましくは100〜200℃、より望ましくは130〜150℃の温度で4〜24時間行われる。
グリコシル化反応の工程は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、水素核磁気共鳴性(H−NMR)または高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)法によってモニターできる。
式(II)のβ−アノマーの含量が高いヌクレオシドの脱保護は、通常的な方法で行うことができる。例えば、大抵のシリル保護基は、水またはアルコールの作用により容易に除去することができる。ホルミル、アセチル、ピバロイル、及びベンゾイルのようなアシル−アミノ保護基は、強塩基を用いた加水分解により除去できる。前記強塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;ジエチルアミン、ヒドロキシルアミン、アンモニア、ヒドラジンなどがあり、特にアンモニアが望ましい。また、アシル保護基は、メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸のような酸触媒、または酸性イオン交換樹脂を用いて除去することができる。
式(II)のβ−アノマーの含量が高いヌクレオシドは脱保護後に生成した式(II)のβ−アノマーの含量が高いヌクレオシド及び未反応シトシンの混合物から、溶解度差を利用して分離することによって、純粋な形態で得ることができる。このような分離は、ジクロロメタン及びメタノールからなる溶媒システムを用いて行うことが望ましく、前記溶媒系において、式(II)のβ−アノマーの含量が高いヌクレオシドは溶解性が高いのに対し、未反応シトシンは溶けにくい。
従って、このような本発明の立体選択的グリコシル化反応によると、α:βの比率が1:4〜1:14であるβ-ヌクレオシドの含量が高いヌクレオシド生成物が得られる。
前記式(I)のβ−ヌクレオシドは、α/βアノマー混合物を水に溶解して40〜60℃の温度に加熱した後、10〜25℃の温度に冷却させ、冷却過程で析出した固体を濾過することを含む単純再結晶工程によって、半水和物または二水和物の形態で99.8%以上の高純度及び70%以上の高収率で単離されることができる。このような工程において、半水和物の形態を誘導する場合に攪拌過程を経るようになるが、二水和物の形態を誘導する場合に攪拌なしで行うことができる。
本発明によるβ-ヌクレオシドの半水和物または二水和物は、下記表1に示す条件下で含水率の変化がなく、安定的であることが確認できる。
Figure 0004700693
前記高純度のβ−ヌクレオシドの半水和物または二水和物は、追加精製なしで直接用いられ、米国薬局方(2004)の892〜894ppに記載された純度範囲内の薬学的に許容可能な塩酸塩を製造することができる。
従って、本発明は、また、有機溶媒中で式(I)の2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンまたはその半水和物または二水和物を塩酸と反応させることを含む2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンの塩酸塩の製造方法を提供する。
以下、本発明を下記実施例によってさらに詳しく説明する。但し、下記実施例によって本発明の範囲が限定されない。
製造例及び実施例において、「−OCOBiPh」または「BiPhOCO−」は、構造的に
Figure 0004700693
を意味する。
また、得られた各生成物を下記2つの条件下でHPLCによって分析した。:(1)式(I)の化合物の場合、Zorbax RX−C8カラム(4.6×250mm、5μm)、及び溶出液として水1Lに溶解されたNaHPO・HO 13.8g/HPO(pH2.4−2.6)2.5mlの溶液を用い;(2)式(II)の化合物の場合は、YMC Hydrosphere C18カラム(4.6×150mm、5μm)、及び溶出液として水1Lに溶解されたNaHPO・HO 13.8g/HPO(pH2.4〜2.6)2.5mlの溶液240mlとメタノール760 mlとの混合溶液を用いた。
製造例1:
1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D-リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩の製造
段階1:
2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩の製造
Figure 0004700693
水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウム13.5gをテトラヒドロフラン160mlに溶解し、常温で30分間攪拌した後、−40℃に冷却した。これにテトラヒドロフラン80mlに溶解させたD−エリトロ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−ペントフラノース−1−ウロース−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩20gの溶液を滴加した。前記混合物を徐々に常温へ昇温させた後、2時間反応させた。反応が終わってから、1N HCl 220mlを反応液に加え、テトラヒドロフラン層を分離した。水層をエーテル220mlで抽出し、前記分離したテトラヒドロフラン層と合わせ、水、飽和重炭酸ナトリウム及び生理食塩水各々220mlで順次に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色シロップ状の標題化合物18.3g(収率:91%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDC13,δ);3.89−3.91(d,1H),4.61−4.81(m,2H),5.31−5.92(m,2H),7.26−7.70(m,10H),8.05−8.16(m,4H)
段階2:
2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)ベンゾイル−1β−リン酸ジフェニルの製造
Figure 0004700693
前記段階1で得た2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩18.3gをトルエン146mlに溶解し、これにトリエチルアミン6.7mlを加え、ジフェニルクロロホスフェート12.4mlをトルエン37mlに希釈させて滴加した。4時間後、反応混合液に1N HCl 48mlを加えて残っているトリエチルアミンを中和し、トルエン層を分離し、水層をエーテル48mlで抽出した。エーテル抽出物を前記分離したトルエン層と合わせ、水、飽和重炭酸ナトリウム、及び生理食塩水で順次に洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去してα−フォスフェートアノマー及びβ−フォスフェートアノマーの混合物を固体として得た。この混合物を1H−NMRで分析して、α−フォスフェート:β−フォスフェートが1:10.6の比率で生成されたことを確認した。β−フォスフェートをイソプロパノールと水の混合溶媒(混合比=3:1,v/v)中で再結晶して白色固体の標題化合物26.5g(収率:87%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDC13,δ);4.56−4.25(m,3H),5.80(m,1H),5.95(t,1H),7.44−6.98(m,16H),7.51(d,2H),7.57(d,2H),7.89(d,2H),8.01(d,2H)
融点(m.p):101−103℃
HPLCの純度(面積%):α−フォスフェートアノマー1.76%、β-フォスフェートアノマー98.24%
段階3:
1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩の製造
Figure 0004700693
前記段階2で得た2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)ベンゾイル−1β−リン酸ジフェニル22.8gを30%−HBr/酢酸80.5mlに加え、常温で6時間反応させた。この反応液にジクロロメタン400mlを加えて希釈させ、この希釈液に氷水500mlを徐々に注入した。水層を除去した後、ジクロロメタン層をさらに氷水、飽和重炭酸ナトリウム、及び生理食塩水で順次に洗浄した。前記ジクロロメタン層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、濾液を減圧下で濃縮して固体のα−及びβ−異性体の混合物を得た。この混合物をH−NMRで分析してα−ブロモアノマーと:β−ブロモアノマーの比率が10.7:1の比率で生成されたことを確認した。β−ブロモ混合物をイソプロパノール中で選択的に再結晶して白色固体の標題化合物17.0g(収率:82%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDC13,δ);8.19(d,2H),8.06(d,2H),7.73(d,2H),7.63(d,2H),7.64−7.41(m,6H),6.56(d,1H),5.60(dd,1H)
融点(m.p):111−112℃
HPLCの純度(面積%):α−ブロモアノマー99.74%、β−ブロモアノマー0.26%
製造例2:
1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジ−(4−フェニル)安息香酸塩の製造
段階1:
2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジ−(4−フェニル)安息香酸塩の製造
Figure 0004700693
水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウム8.66gをテトラヒドロフラン120mlに溶解し、常温で30分間攪拌した後、−40℃に冷却した。これにテトラヒドロフラン100mlにD−エリトロ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−ペントフラノース−1−ウロース−3,5−ジ−(4−フェニル)安息香酸塩15gを溶解させた溶液を反応液に徐々に滴加した。混合物を常温へ昇温した後、1時間反応させた。1N HCl 142mlを反応液に徐々に滴加して過量の水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウムを分解させ、有機層を分離した。水層をエーテル150mlで抽出し、前記分離した有機層と合わせた後、水、飽和重炭酸ナトリウム、及び生理食塩水各々220mlで順次に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、得られた固体をトルエン中で再結晶して白色固体の標題化合物13.4g(収率:89%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDC13,δ);3.45(s,1H),4.85−4.50(m,3H),5.8−5.4(m,2H),7.49−7.43(m,6H),7.71−7.61(m,8H),8.18−8.12(m,4H)
融点(m.p):156−158℃
段階2:
2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジ−(4−フェニル)ベンゾイル−1β−リン酸ジフェニルの製造
Figure 0004700693
前記段階1で得た2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジ−(4−フェニル)安息香酸塩13gをトルエン130ml及びジクロロメタン100mlの混合溶媒に溶解し、これにトリエチルアミン5.1mlを加えた後、クロロリン酸ジフェニル7.6mlを1滴ずつ室温で混合溶媒に滴加した。5時間後、減圧下で溶媒を除去し、得られた固体をジクロロメタン130mlに溶解させ、これに1N HCl 65mlを加えた。有機層を分離し、水、飽和重炭酸ナトリウム、及び生理食塩水で順次に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去して固体のα−フォスフェートアノマーとβ−フォスフェートアノマーとの混合物を得た。この混合物をH−NMRで分析してα−フォスフェート:β−フォスフェートの比率が1:10.8の比率で生成されたことを確認した。β−フォスフェートをイソプロパノール中で選択的に再結晶して白色固体の標題化合物15g(収率:83%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDC13,δ);4.70−4.40(m,3H),5.90(m,1H),6.08(t,1H),7.70−7.08(m,24H),8.15−8.04(dd,4H)
融点(m.p):145−147℃
HPLCの純度(面積%):α−フォスフェートアノマー1.29%、β−フォスフェートアノマー98.71%
段階3:
1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジ−(4−フェニル)安息香酸塩の製造
Figure 0004700693
前記段階2で得た2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジ−(4−フェニル)−ベンゾイル−1β−リン酸ジフェニル13gを30%−HBr/酢酸83.2mlに加えて溶解し、この混合溶媒を室温で7時間反応させた。この反応液に氷水50mlを徐々に滴加してから析出された固体を濾過した。この濾過された固体はα−ブロモアノマーとβ−ブロモアノマーとの混合物であって、この混合物をH−NMRで分析してα−ブロモアノマー:β−ブロモアノマーが10.9:1の比率で生成されたことを確認した。α−ブロモ化合物をエタノール中で選択的に再結晶して白色固体の標題化合物8.45g(収率:83%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDC13,δ);4.89−4.22(m.3H),5.62(dd,1H),6.55(d,1H),7.73−7.42(m,14H),8.63−8.11(dd,4H)
融点(m.p):151−153℃
HPLCの純度(面積%):α−ブロモアノマー99.67%、β−ブロモアノマー0.33%
実施例1:
1−(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)ベンゾイル−D−リボフラノシル−4−アミノピリミジン−2−オンの合成
Figure 0004700693
実施例1−1
シトシン44.5g、ヘキサメチルジシラザン252ml、及び硫酸アンモニウム252mgを混合し、溶液が均一になるまで還流させた後、1時間さらに還流させた。この反応混合液に酢酸エチル200mlを加えてから加熱することによって残っている未反応ヘキサメチルジシラザンを留去した。反応液にヘプタン160mlとジフェニルエーテル40mlとの混合物を加え、前記製造例1で得た1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩10.4gを加えた。得られた混合物にジフェニルエーテル40ml/ヘプタン4L混合液を1滴ずつ滴加しつつ8時間反応させるとともに反応温度を130〜140℃に維持して蒸留を行った。この手順を用いることによって反応中の反応混合物から臭化トリメチルシリルを連続的に除去した。反応が終わってから、反応液にヘプタン140mlを加え、100℃に冷却させた。水12mlを注意深く滴加して急冷(quenching)させ、常温で攪拌した。析出した固体を濾過し、ヘプタンで洗浄して白色固体の未反応シトシンを含有するα−及びβ−ヌクレオシド異性体の混合物を得た。この混合物をHPLCで分析してα−ヌクレオシドアノマー:β−ヌクレオシドアノマーの比率は1:8.8の比率であることを確認した。ヌクレオシドの混合物及び未反応シトシンを含む固体をジクロロメタン200mlとメタノール40mlの混合物に加え、一時間還流させた後、濾過してシトシンを除去した。濾液を減圧下で蒸留し、イソプロピルエーテルを残渣に加え、濾過した後、暖風乾燥して白色固体の標題化合物10.8g(収率:98%)を得た。
H−NMR(300MHz,DMSO,d−6,δ);8.1(d,2H),7.9(d,2H),7.8(d,2H),7.7(d,2H),7.6(d,2H),7.5−7.4(m,7H),6.3(t,1H),5.8(m,1H),5.7(d,1H),4.7−4.6(m,3H)
アノマーの比率(HPLC分析):α−ヌクレオシド/β−ヌクレオシド=1/8.8
実施例1−2
シトシン11.1g、ヘキサメチルジシラザン63ml、及び硫酸アンモニウム63mgを混合し、2時間還流させた。この反応混合液にトルエン60mlを加えて加熱することによって残っている未反応ヘキサメチルジシラザンを留去した。反応液にオクタン40m1及びジフェニルエーテル20mlを加え、前記製造例1で得た1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩3.5gを加えた。この混合物にジフェニルエーテ10ml/ヘプタン1Lの混合液を1滴ずつ滴加しつつ10時間反応させるとともに反応温度を140〜150℃に維持して蒸留を行った。この手順を用いることによって反応中に反応混合物から臭化トリメチルシリルを連続的に除去した。反応が終わってから、反応液にヘプタン50mlを加えた。溶液を80〜100℃に冷却し、水12mlを注意深く1滴ずつ滴加し、常温で1時間攪拌した。析出した固体を濾過し、ヘプタンで洗浄して白色固体の未反応シトシンを含有するα−及びβ−ヌクレオシド異性体との混合物を得た。このヌクレオシド混合物をHPLCで分析してα−ヌクレオシド:β−ヌクレオシドの比率は1:5.6であることを確認した。ヌクレオシド混合物及び未反応シトシンを含む固体をジクロロメタン70mlとメタノール15mlの混合物に加え、一時間還流させた後、濾過してシトシンを除去した。濾液を減圧下で蒸留し、イソプロピルエーテルを残渣に加えて、濾過した後、暖風乾燥して白色固体の標題化合物3.45g(収率:93%)を得た。
H−NMRのデータは前記実施例1−1と同一であった。
アノマーの比率(HPLC分析):α−ヌクレオシド/β−ヌクレオシド=1/5.6
実施例1−3
シトシン2.23g、ヘキサメチルジシラザン12.6ml、及び硫酸アンモニウム12.6mgを混合し、溶液が均一になるまで還流させた後、1時間さらに還流させた。この反応混合液に酢酸エチル200mlを加えてから加熱することによって残っている未反応ヘキサメチルジシラザンを除去した。得られた溶液に前記製造例1で得た1−α−ブロモ-2’-デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩0.26gを加えた。この混合物にN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド2ml/ヘプタン200ml混合液を滴加しつつ6時間反応させるとともに反応温度を125〜140℃に維持して蒸留を行った。この手順を用いることによって反応中の反応混合物から臭化トリメチルシリルを連続的に除去した。反応が終わってから、溶液を80℃に冷却させ、水1mlを注意深く1滴ずつ滴加し、常温で1時間攪拌した。析出した固体を濾過し、ヘプタンで洗浄して未反応シトシンを含有するα−及びβ−ヌクレオシド異性体との混合物を得た。この混合物をHPLCで分析してα−ヌクレオシド:β−ヌクレオシドの比率は1:14であることを確認した。
実施例1−4
シトシン340g、ヘキサメチルジシラザン1,835ml、硫酸アンモニウム1.84gを混合し、溶液が均一となるまで還流させた後、1時間さらに還流させた。この反応混合液にヘプタン1.2Lとジフェニルエーテル500mlを連続的に加えて溶液の温度を100℃に下げた後、前記製造例1で得た1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩100gを加えた。反応温度を140〜143℃に維持した状態で反応器内に別途の管を注入し、スイーピングにより窒素を1.0〜1.31L/分の流量で通過させながら反応混合物を12時間反応させた。この手順を用いることによって反応中の反応混合物から臭化トリメチルシリルを除去した。反応が終わってから、溶液を80℃に冷却させ、水100mlを注意深く1滴ずつ滴加し、常温で1時間攪拌した。析出した固体を濾過し、ヘプタンで洗浄して白色固体の未反応シトシンを含有するα−及びβ−ヌクレオシド異性体の混合物を得た。この混合物をHPLCで分析してα−ヌクレオシド:β−ヌクレオシドの比率は1:4.9であることを確認した。
実施例1−5
窒素を3.0〜3.5L/分の流量で管に注入することを除いては、前記実施例1−4の方法と同一に反応を行って白色固体の未反応シトシンを含有するα−及びβ−ヌクレオシド異性体との混合物を得た。この混合物をHPLCで分析してα−ヌクレオシド:β−ヌクレオシドの比率は1:6.1であることを確認した。
実施例2:
1−(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−3,5−ジ−(4−フェニル)ベンゾイル−D−リボフラノシル−4−アミノピリミジン−2−オンの合成
Figure 0004700693
シトシン22.2g、ヘキサメチルジシラザン126ml、及び硫酸アンモニウム126mgを混合し、2時間還流させた後、酢酸エチル100mlを加えて未反応ヘキサメチルジシラザンを留去した。反応液に、ヘプタン80ml、前記製造例2で得た1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジ−(4−フェニル)安息香酸塩5.93g、及びジフェニルエーテル20mlを順次に加えた。この混合物にヘプタン4Lを1滴ずつ9時間反応させるとともに反応温度を130〜140℃に維持して蒸留を行った。この手順を用いることによって反応中の反応混合物から臭化トリメチルシリルを連続的に除去した。反応が終わってから、ヘプタン160mlを反応混合液に加え、温度を100℃に冷却させた。これに水8mlを注意深く滴加し、常温で攪拌した後、濾過した。析出した固体をヘプタンで洗浄して白色固体の未反応シトシンを含有するα−のクレオシドアノマー及びβ−ヌクレオシドアノマーの混合物を得た。この混合物をHPLCで分析してα−ヌクレオシド:β-ヌクレオシドの比率は1:5.4であることを確認した。この混合物をジクロロメタン200ml、メタノール40mlに加え、1時間還流させた後、濾過してシトシンを除去した。濾液を減圧下で蒸留して白色固体の標題化合物4g(64%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl3,δ):8.74−7.27(m,19H),6.38(m,1H),5.83(m,1H),5.78(d,1H),4.78−4.45(m,3H)
融点(m.p):250−255℃
アノマーの比率(HPLC分析):α−ヌクレオシド/β−ヌクレオシド=1/5.4
実施例3:
2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン(式(I)の化合物−1;ゲムシタビン)の合成
Figure 0004700693
実施例3−1:
2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン半水和物
実施例1−1で得た1−(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)ベンゾイル−D−リボフラノシル−4−アミノピリミジン−2−オン10.8gをメタノール中の7N−アンモニア86mlに加え、これにメタノール216mlをさらに加えた。反応混合液を常温で12時間攪拌し、減圧下で溶媒を除去し、水120ml及び酢酸エチル80mlを加えて攪拌した。水層を分離し、酢酸エチル層は水40mlを加えて抽出した。水層を合わせ、ジエチルエテール40mlで水層を洗浄し、減圧下で蒸留して水を除去した。残渣に水25mlをさらに加え、混合物を45〜50℃で加熱して固体を溶解させ、冷却して室温で2時間攪拌して固体の沈殿物を得た。この固体を濾過し、水及びアセトンで洗浄し、一晩中暖風乾燥して純白色固体の標題化合物半水和物を3.99g(収率:76.9%)得た。
含水率:3.4%
H−NMR(300MHz,DMSO d−6,δ);7.7(1H,d),7.39(1H,d),6.2(1H,d),6.1(1H,t),5.8(1H,t),4.2(m,1H),3.9−3.8(m,2H),3.7(m,1H)
融点(m.p)=198−202℃
HPLCの純度(面積%):β−アノマー−99.97%
α−アノマー−0.02%以下
シトシン−0.01%以下
実施例3−2:
2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン二水和物
固体が析出される間、溶液を攪拌無しに冷却させることを除いては、前記実施例3−1の方法と同様に行うことで、純白色の標題化合物二水和物を4.22g(収率:81.3%)得た。
含水率:11.5%
融点(m.p)=220−224℃
H−NMRデータは実施例3−1と同一である。
HPLCの純度(面積%):β−アノマー−99.98%
α−アノマー−0.01%以下
シトシン−0.01%以下
実施例4:
2’-デオキシ−2’,2’-ジフルオロシチジン(式(I)の化合物−2;ゲムシタビン)の合成
Figure 0004700693
シトシン32.2g及び硫酸アンモニウム184mgをヘキサメチルジシラザン184mlに加えた後、1時間還流させた。これにヘプタン250mlを添加して135〜140℃に加熱して未反応のヘキサメチルジシラザンを留去した。生成液にヘプタン150ml及び前記製造例1で得た1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩10.0gを加えた後、ジフェニルエーテル38.7mlを加えた。この混合物にヘプタン1.5Lを1滴ずつ添加しつつ10時間反応させるとともに溶液温度を135〜140℃に維持して蒸留を行った。この手順を用いることによって反応中の反応混合物から臭化トリメチルシリルが連続的に除去された。反応が終わってから、ヘプタン240mlを加え、水11.6mlを徐々に加えた。析出した固体を攪拌し濾過し、ヘプタンで洗浄した常温で乾燥した後、白色固体の未反応シトシンを含有するα−及びβ−ヌクレオシド異性体の混合物を得た。このヌクレオシド混合物をHPLCで分析してα−ヌクレオシド:β−ヌクレオシドの比率は1:6.1であった(図1参照)。前記固体をジクロロメタン300ml及びメタノール60mlに懸濁させ、2時間還流させた。反応液を濾過してジクロロメタン150mlとメタノール30mlとの混合液で洗浄し、減圧下で蒸留して1−(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)ベンゾイル−D−リボフラノシル−4−アミノピリミジン−2−オンのα/β混合物を得た。この混合物にメタノール200ml及び7N アンモニア/メタノール溶液83mlを加え、常温で一晩中攪拌した。反応が終わってから、減圧下で蒸留して溶媒を除去し、残渣に酢酸エチル80ml及び水90mlを加えた。水層を分離し、酢酸エチルを40mlで抽出した。水層を合わせ、エーテル40mlで2回洗浄した。所望の化合物の理論重量に対して5倍が残留するまで水を減圧下で留去し、残渣を50〜55℃に加熱し、2時間攪拌しながら室温に冷却して固体の沈殿を誘導した。析出した固体を濾過し、水及びアセトンで洗浄した後、一晩中暖風乾燥して純白色結晶状の標題化合物3.69g(収率:72.6%)を得た。
含水率:3.5%
H−NMRのデータ及び融点は実施例3−1と同一であった。
HPLCの純度(面積%):β−アノマー−99.9%
α−アノマー−0.01%以下
シトシン−0.02%以下
実施例5:
2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン(式(I)の化合物−3;ゲムシタビン)の合成
Figure 0004700693
N-アセチルシトシン24g、ヘキサメチルジシラザン126ml、及び硫酸アンモニウム126mgを混合し、2時間還流させた。混合物にヘプタン100mlを加え、未反応ヘキサメチルジシラザンを留去した。オクタン50ml及び前記製造例1で得た1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩5gを加えた。この混合物にN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド1.8ml/ヘプタン900ml溶液を1滴ずつ8時間反応させるとともに反応温度を135〜140℃に維持して蒸留を行った。この手順を用いることによって反応中の反応混合物から臭化トリメチルシリルを連続的に除去した。反応が終わってから、ヘプタン60mlを加えて温度を100℃に冷却させた後、水12mlを徐々に滴加した。析出した固体を常温で2時間攪拌した後、濾過し、ヘプタンで洗浄して白色固体状の未反応シトシンを含有するα−及びβ−ヌクレオシド異性体との混合物を得た。このヌクレオシド混合物をHPLCで分析してα−ヌクレオシドアノマー:β−ヌクレオシドアノマーの比率は1:4.8であることを確認した。このヌクレオシド混合物をメタノール108ml及び7N−アンモニア/メタノール溶液45mlに懸濁させ、溶媒を減圧下で除去した後、酢酸エチル50ml及び水60mlを残渣に加えた。水層を分離し、酢酸エチルを水20mlで抽出した。水層を合わせ、エーテル40mlで2回洗浄した。水を減圧下で留去し、水15mlを残渣に加え50〜55℃に加熱し、2時間攪拌しながら室温に冷却して固体の沈殿を誘導した。析出した固体を濾過し、水及びアセトンで洗浄し、一晩中暖風乾燥して純白色の標題化合物32.2g(収率:63%)を得た。
H−NMRデータ及び融点は実施例3−1と同一であった。
HPLCの純度(面積%):β−アノマー−99.8%
α−アノマー−0.02%以下
シトシン−0.02%以下
実施例6:
2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンの塩酸塩
Figure 0004700693
実施例6−1
前記実施例3−1で得た2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン半水和物3.5g(含水率3.8%)をアセトン35mlに加え、濃い塩酸1.2mlを1滴ずつ滴加し、常温で2時間攪拌した。析出した固体を濾過し、アセトンで洗浄し、暖風乾燥して純白色の標題化合物3.52g(91.9%)を得た。
H−NMR(300MHz,DMSO,d6):9.95(s,1H),8.81(s,1H),8.05(d,1H),6.15(d,1H),5.96(m,1H),4.14−4.03(m,1H),3.79(d,1H),3.70−3.51(m,2H)
融点(m.p):287−292℃
実施例6−2
前記実施例3−2で得た2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン二水和物3.5g(含水率11.5%)をアセトン35mlに加え、濃い塩酸1.2mlを1滴ずつ滴加し、常温で2時間攪拌した。析出した固体を濾過し、アセトンで洗浄し、暖風乾燥して純白色の標題化合物3.23g(91.5%)を得た。
H−NMRデータ及び融点は実施例6−1と同一であった。
比較例:
ハロゲン化シリルの除去のための蒸留を省略した2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンの製造
比較例1
シトシン32.2g及び硫酸アンモニウム184mgをヘキサメチルジシラザン184mlに加え、1時間還流させた。これにヘプタン250mlを添加し、135〜140℃で加熱して未反応ヘキサメチルジシラザンを留去した。反応混合液にヘプタン150ml及び前記製造例1で得た1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩10.0gを加えた後、ジフェニルエーテル38.7mlをさらに加えた。得られた混合物を10時間還流して反応させ、反応温度を135〜140℃に維持した。反応が終わってから、ヘプタン240mlを加え、水11.6mlを徐々に加えた。析出した固体を攪拌し、濾過し、ヘプタンで洗浄し、室温で乾燥して白色固体状の未反応シトシンを含有するα−及びβ−ヌクレオシド異性体の混合物を得た。この混合物をHPLCで分析してα−ヌクレオシド:β−ヌクレオシドの比率は1:1.4であることを確認した(図2参照)。前記固体をジクロロメタン300ml及びメタノール60ml溶液に懸濁し、2時間還流させた。反応液を濾過し、濾過物をジクロロメタン150ml及びメタノール30mlの混合液で洗浄した後、濾液を減圧下で蒸留して1−(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)ベンゾイル−D−リボフラノシル−4−アミノピリミジン−2−オンのα/β混合物を得た。この混合物にメタノール200ml及び7N アンモニア/メタノール溶液83mlを加え、常温で一晩中攪拌した。反応が終わってから、減圧下で蒸留して溶媒を除去し、酢酸エチル80ml及び水90mlを残渣に加えた。水層を分離し、酢酸エチル層を水40mlで抽出した。水層を合わせ、エーテル40mlで2回洗浄した。所望の化合物の理論的な重みに基づいて5倍が残留するまで水を減圧下で留去し、残渣を50〜55℃に加熱し、2時間攪拌しながら室温に冷却して固体の沈殿を誘導した。析出した固体を濾過し、水及びアセトンで洗浄し、一晩中暖風乾燥して純白色結晶状の標題化合物1.80g(収率:35.5%)を得た。
含水率:3.7%
H−NMRデータ及び融点は実施例3−1と同一であった。
アノマーの比率(HPLC分析):α−ヌクレオシド/β−ヌクレオシド=1/1.4
比較例2
シトシン32.2g及び硫酸アンモニウム184mgをヘキサメチルジシラザン184mlに加え、1時間還流した。これにヘプタン250mlを添加し、温度を135〜140℃に加熱して未反応ヘキサメチルジシラザンを留去した。反応混合液に前記製造例1で得た1−α−ブロモ−2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)安息香酸塩10.0g及びアニソール36.3mlを加えた。この混合物を10時間還流して反応させ、反応温度を135〜140℃に維持した。反応が終わってから、ヘプタン240mlを加え、水11.6mlを徐々に加えた。析出した固体を攪拌し、濾過し、ヘプタンで洗浄し、常温で乾燥して白色固体状の未反応シトシンを含有するα−及びβ−ヌクレオシド異性体の混合物を得た。この混合物をHPLCで分析してα−ヌクレオシド:β−ヌクレオシドの比率は1:1.3であることを確認した(図3参照)。前記固体にジクロロメタン300ml及びメタノール60mlに懸濁し、2時間還流した。反応液を濾過し、濾液をジクロロメタン150ml及びメタノール30mlの混合液で洗浄し、減圧下で蒸留して1−(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−5−ベンゾイル−3−(4−フェニル)ベンゾイル−D−リボフラノシル−4−アミノピリミジン−2−オンのα/β混合物を得た。この混合物にメタノール200ml及び7N アンモニア/メタノール溶液83mlを加え、常温で一晩中攪拌した。反応が終わってから、減圧下で蒸留して溶媒を除去し、酢酸エチル80ml及び水90mlを残渣に加えた。水層を分離し、酢酸エチル層を水40mlで抽出した。水層を合わせ、エーテル40mlで2回洗浄した。所望の化合物の理論重量に対して5倍が残留するまで水を減圧下で留去し、残渣を50〜55℃に加熱し、2時間攪拌しながら室温に冷却して固体の沈殿を誘導した。析出された固体を濾過し、水及びアセトンで洗浄し、一晩中暖風乾燥して純白色結晶状の標題化合物16.4g(収率:32.3%)を得た。
含水率:3.5%
H−NMRデータ及び融点は実施例3−1と同一であった。
アノマーの比率(HPLC分析):α−ヌクレオシド/β−ヌクレオシド=1/1.3
実施例4、比較例1、及び比較例2によるグリコシル化反応及び脱保護反応の結果を下記表2に示した。
Figure 0004700693
表2から明らかなように、本発明によると、β−アノマーが比較例1及び2に比べて非常に高収率で生成される。
以上、本発明は特定の実施例により説明したが、本発明はこれらに限定されることなく、添付された特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲内で本発明の属する技術分野における当業者により多様に変形及び修正が可能であることは自明である。
実施例4で得られた化合物を高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析した結果を示すグラフである。 比較例1で得られた化合物を高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析した結果を示すグラフである。 比較例2で得られた化合物を高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析した結果を示すグラフである。

Claims (21)

  1. i)溶媒中で式(III)の1−ハロリボフラノース化合物と式(IV)の核酸塩基を反応させて式(II)のヌクレオシドを得、反応中に生成される式(V)のハロゲン化シリルを連続的に除去する段階;及び
    ii)前記式(II)のヌクレオシドを脱保護して式(I)の2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンを得る段階;
    を含むことを特徴とする、式(I)の2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンの製造方法:
    Figure 0004700693
    前記式中、
    Rはアルキルであり、
    1はヒドロキシ保護基であり、
    2はアミノ保護基であり、
    Xはハロゲン元素である。
  2. 前記段階i)でのハロゲン化シリルの除去を蒸留によって行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記段階i)で用いられる前記式(IV)の核酸塩基が前記式(III)の1−ハロリボフラノース1モル当り5〜50モルの量で用いられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記段階i)で用いられる溶媒がベンゼン、置換されたベンゼン、トルエン、キシレン、デカリン、ジグリム、2−エトキシエチルエーテル、ジフェニルエーテル、置換されたジフェニルエーテル、ビフェニル、置換されたビフェニル、C6-14アルカン、置換されたC6-14アルカン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記式(V)のハロゲン化シリルが臭化トリメチルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記蒸留を、反応混合液にキャリアーを滴加してから行うことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  7. 前記キャリアーが、ベンゼン、置換されたベンゼン、トルエン、キシレン、C6-14アルカン、置換されたC6-14アルカン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記キャリアーが、ヘプタンであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記キャリアーが、1−ハロリボフラノース1gに対し50ml〜1000mlの量で用いられることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  10. 前記キャリアーが、熱媒体またはN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)とともに用いられることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  11. 前記熱媒体が、デカリン、ジフェニルエーテル、置換されたジフェニルエーテル、ビフェニル、置換されたビフェニル、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  12. 前記熱媒体が、ジフェニルエーテルであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記熱媒体が、前記キャリアーの量を基準として0.1〜5体積%で用いられることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  14. N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドが前記キャリアーを基準として0.05〜1.5体積%の量で用いられることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  15. 前記段階i)でのハロゲン化シリルの除去が不活性ガスを反応混合物に通過させることで行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 前記不活性ガスが、窒素、ヘリウム、ネオン、及びアルゴンからなる群から選ばれることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記不活性ガスが、バブリング(bubbling)またはスイーピング(sweeping)法によって注入されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 前記不活性ガスを、前記式(III)の1−ハロリボフラノース化合物100gに対し1L/分以上の流速で注入することを特徴とする請求項15に記載の方法。
  19. 前記段階i)が80〜300℃の温度で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  20. 前記段階ii)において、脱保護後、前記式(II)のヌクレオシドをα/βアノマー混合物の形態で水に溶解させ、得られた溶液を40〜60℃の温度に加熱し、攪拌したり、攪拌しなかったりしてpHを調節しないで10〜25℃の温度で冷却させ、析出された固体を濾過して前記式(I)の2’−デオキシ−2’,2’-ジフルオロシチジンを得る段階をさらに含む請求項1に記載の方法。
  21. さらに、式(I)の2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンを有機溶媒中塩酸と反応させて、その塩酸塩を調製することを含む、請求項1に記載の方法。
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