JP3312558B2 - カラートナーの製造方法 - Google Patents

カラートナーの製造方法

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JP3312558B2 JP9971296A JP9971296A JP3312558B2 JP 3312558 B2 JP3312558 B2 JP 3312558B2 JP 9971296 A JP9971296 A JP 9971296A JP 9971296 A JP9971296 A JP 9971296A JP 3312558 B2 JP3312558 B2 JP 3312558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラートナーの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、分光された光で露光して原稿の静
電荷像を形成せしめ、これを3色のカラートナー(もし
くは黒を含め4色)で現像、色重ねをしてフルカラー画
像を得るフルカラー複写の方法が実用化され、これを利
用した複写機の開発が盛んになってきている。それらの
着色剤としては、耐光性、安全性等の観点から有機顔料
系の着色剤が使用されている。
【0003】しかしながら、有機顔料系着色剤は、乾燥
粉末状態のものはトナーに使用する結着樹脂中に分散し
がたく、有機顔料が凝集体として存在すると言う欠点が
ある。フルカラートナーは、OHP(オーバーヘッドプ
ロジェクター)シートに適用されることが多く、光透過
性が強く求められる。しかし、フルカラートナー中に、
前記したような有機顔料が凝集体として存在すると、こ
の重要な特性である光透過性が悪くなったり、色再現性
が悪くなるという問題があった。
【0004】トナー中の有機顔料の分散を向上させる方
法として、特開昭62−127847号公報に記載され
ている青色トナーの製造方法が提示されている。この方
法は、α型フタロシアニン顔料の含水ペーストと結着樹
脂の有機溶剤溶液とを加熱混合し、水および有機溶剤を
除去するフラッシング法である。(この方法で得た着色
剤をフラッシング顔料とする。) この方法で得たフラッシング顔料を用いて作製したトナ
ーの光透過性および色再現性は、従来法によるトナーに
比較してかなり改善されている。
【0005】しかしながら、ここで使用されるα型フタ
ロシアニン結晶は、結晶型が不安定であるために結晶成
長や転移を起こしやすく、着色力の低下や色相の変化を
生じやすく、フルカラートナー用シアントナーの顔料と
しては好ましくなく、β型フタロシアニン結晶を用いる
ことが好ましい。また、この方法は、アシッドペースト
法ならびにアシッドスラリー法という限定された方法の
ため、この方法によらないイエロー顔料およびマゼンタ
顔料には適用できない。さらにこの方法は含水ペースト
中の水を置換する際に有機溶剤を用いているが、溶剤回
収が困難であり、環境衛生上好ましくない。更に、結着
樹脂の有機溶剤溶液と顔料の含水ペーストと混合する
際、高粘度物混練用のニーダで混合しているため、好適
な剪断応力が加わらず顔料分散が不十分となり、高濃度
の顔料を含有する着色剤を得ることが困難であり、そし
てフラッシング顔料がドウ状(dough:軟らかい塊
状、ダンゴ状態を示す。)となり、減圧脱水の効率が悪
く、脱水に多くの時間がかかる等の問題がある。
【0006】また特開平4−2427号公報記載の方法
では、有機顔料の含水ペーストを結着樹脂と共に加熱
し、加圧ニーダ中で少なくとも100℃以上の温度で加
熱混合し、溶融樹脂で水分を置換除去して有機顔料が高
濃度に分散した着色剤(メルトフラッシング顔料とす
る。)を作製した後、トナー化することにより、トナー
中の顔料分散の単位を制御可能であることを述べてい
る。
【0007】しかしながら、この場合も特開昭62−1
27847号公報の場合と同様に、高粘度混練用の加圧
ニーダを用いるため、100℃以上の加熱によって樹脂
が溶融し混合物が低粘度となった場合、顔料凝集体をほ
ぐすのに好適な剪断応力が加わわらず、また、顔料粒子
を分散させる作用より顔料粒子に結着樹脂を濡らす作用
が中心となって顔料分散が不十分になり、好ましくな
い。更に、100℃以上の加熱によってウェット顔料の
水分が蒸発し、失われることで顔料の凝集体が増加し、
不十分な分散状態で顔料が樹脂中に分散され好ましくな
い。
【0008】また、最大消費電力が大きい加圧ニーダを
用いると、最終のメルトフラッシング顔料を得るのに対
して過大な消費電力を必要とすること、メルトフラッシ
ング顔料がドウ状となり100℃以上の加熱をしても脱
水効率が悪く、脱水に多くの時間が必要となり、問題が
ある。
【0009】また、特開平7−261460号公報に提
示された方法は、顔料分散樹脂に線状ポリエステルを用
いることで分子量の変化を防いでいるものの、依然とし
て顔料の微分散処理に不向きな加圧ニーダを用いている
ため、顔料の分散は不十分である上に、生産効率も悪く
問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑み、本発明者等が独自の検討を重ねた結果、成さ
れたものである。すなわち、本発明の目的は、フルカラ
ー画像の高発色性と幅広い色再現域を実現し、かつ着色
剤中の顔料を微分散させることでカラートナーの耐久性
を高め、OHPシート上において高い光透過性を発現し
得るカラートナーを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、少なくと
も着色剤と結着樹脂とからなるカラートナーの製造方法
であって、2価のアルコール成分のうち、エチレングリ
コールを全アルコール成分の20wt%以上含有し、ガ
ラス転移温度Tg=50〜65℃、重量平均分子量Mw
=0.5万〜2万、Mw/Mn=3.0以下、酸価15
mgKOH/g以下の線状ポリエステル樹脂である第一
の結着樹脂と水分量40〜80wt%のウェット顔料と
を、多段ブレードまたは多段攪拌羽根を具備する縦軸型
高速混練機で、混練温度が「第一の結着樹脂のガラス転
移温度(Tg)+20℃」〜95℃の範囲で混練し、水
分を除去する第一の工程と、得られた着色剤を、重量平
均分子量Mw=2万〜6万、Mw/Mn=6.0以上、
酸価15mgKOH/g以下の非線状ポリエステル樹脂
である第二の結着樹脂と混練する第二の工程を経由する
ことを特徴とするカラートナーの製造方法である。
【0012】
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者等は、カラートナーとし
て用いる際の画質の差及び耐久性が、着色剤製造工程の
顔料分散条件に深いかかわりを持つことを見出した。特
に、機械的剪断応力と加熱剪断温度が着色剤中の顔料高
分散化に大きな影響を及ぼすことが判明した。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける高速混練機は、多段ブレードまたは多段羽根を具
備する縦軸型のものが用いられる。多段ブレードまたは
多段羽根を具備する縦軸型高速混練機は、高速回転する
ブレードまたは上下羽根が連続して機械的剪断力を凝集
顔料体に与えて1次顔料粒子に近い形に砕き、更に第1
の結着樹脂へ巨視的には顔料粒子を機械的に打ち込み、
また微視的には吸着させ、最後に強力な攪拌作用によっ
て顔料粒子の第1の結着樹脂相への移行させるので、カ
ラートナー中の顔料の高分散化に適し、係る高速混練機
を用いると発色性に優れ色再現性領域の広い カラート
ナーを好適に得ることができる。
【0016】本発明に用いられる多段ブレードまたは多
段羽根を具備する縦軸型高速混練機としては、スピード
ミキサ、パワーニーダ、堅型ミキサ、ハイブリッドミキ
サ、ジスパーシブアジテータ、ツインシャフトミキサ、
コンビミックス、フロージェットミキサなどが挙げられ
るが、好ましくはスーパーミキサー(カワタ)、ヘンシ
ェルミキサー(三井鉱山/ドイツヘンシェル社)などが
代表的な例として選ばれる。
【0017】本発明において着色剤に使われるウェット
顔料は、水相から製造された顔料を乾燥させないもので
あって、水分量は40〜80wt%の範囲にあることが
重要であり、特に好ましくは55〜75wt%の範囲に
あることが好ましい。ウェット顔料の水分量が50wt
%未満であると顔料粒子と第一の結着樹脂との濡れ性が
悪くなり、顔料粒子の樹脂相への移行がスムーズに行か
なくなるために顔料分散が不十分になる。また、水分量
の減少に伴い、顔料粒子の凝集が進むために、顔料の分
散粒径が大きくなって、やはり、顔料分散が不十分なも
のとなる。
【0018】一方、ウェット顔料の水分量が80wt%
より大きくなると、第一の結着樹脂のと混練時に、いわ
ゆるスラリ−状態(水分を多く含んだ状態)になり、好
適な機械的剪断応力が加わらなくなるため、やはり顔料
分散が不十分となる。
【0019】水分量40〜80wt%のウェット顔料と
しては、例えばモノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、
カーミン、ローダミン、キナクリドン、フタロシアニ
ン、アンスラキノン、チオインジゴ、ペリノン、ペリレ
ン、ジオキサジン、キノフタロン、イソインドリノン、
ベンズイミダゾロン等の有機顔料またはカーボンブラッ
ク等、種々の顔料のウェット顔料を用いることができ
る。特にC.I.ピグメントレッド48:1、C.I.
ピグメンレッド122、C.I.ピグメントイエロー1
7、C.I.ピグメントブルー15:3等の顔料のウェ
ット顔料が好適に用いられる。
【0020】本発明においては、ウェット顔料の水分が
蒸発することによる顔料の再凝集を防ぎ、密閉型の混練
機における水の蒸発と再冷却による循環で水分量を一定
にし、槽内の着色剤をいわゆる粘土状態(スラリ−状態
より更に水分が減少した状態を示す)に保持して剪断応
力を好適な範囲で加えるために、第一工程の混練温度
は、「第一の結着樹脂のガラス転移温度(Tg)+20
℃」〜95℃の範囲で混練することが好ましい。
【0021】「第一の結着樹脂のガラス転移温度(T
g)+20℃」以上で剪断混練を行うと良い結果が得ら
れるのは、ガラス転移温度以上に加熱してあることによ
って第一の結着樹脂とウェット顔料中に分散している顔
料粒子との親和力が高まり、顔料粒子がスムーズに樹脂
中へ分散するためと推察される。また、混練温度が10
0℃以上になると、この温度が概ね第一の結着樹脂の軟
化温度に近いため、樹脂の溶融ないし軟化が始まり、高
速混練機のブレードや攪拌羽根、内壁等に融着して好適
な機械的剪断応力が加わらず、顔料の分散不良を起こし
たり、更には製造効率を低下させるので好ましくない。
【0022】本発明で使用する第一の結着樹脂のガラス
転移温度(Tg)は、50℃〜65℃、好ましくは55
℃〜60℃であることが好ましい。Tgが上述の範囲で
あるのは、50℃より低いTgを持つ第一の結着樹脂で
はカラートナーとした際のトナーのブロッキング性が悪
化する。一方、65℃以上のTgを有する樹脂は、分子
量分布が広がり、顔料分散が不十分となるため、OHP
シートの光透過性が悪化し易い。
【0023】本発明における第一の結着樹脂は、2価の
アルコールモノマーと2価のカルボン酸より合成される
線状ポリエステル樹脂であることが好ましく、全アルコ
ールモノマ−成分の20mol%以上がエチレングリコ
ールであることが望ましく、さらに好ましくは30mo
l%〜60mol%の範囲にあることが好適である。特
にエチレングリコールを用いる理由は、脂肪族系のアル
コールは芳香族系のアルコールに比べアルキル系、アル
ケニル系アルコールはソフトセグメントとして働き、脂
肪族系のアルコールの中でも炭素鎖が短いものほどその
傾向が強く、顔料を微分散するのに好適な性質を示すた
めである。
【0024】上記2価のアルコールモノマー成分以外に
はビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノー
ルAアルキレンオキサイド付加物などが好適であり、そ
の他にはエチレングリコールを除いたグリコール類等が
挙げられる。2価のカルボン酸モノマ−成分はテレフタ
ル酸またはイソフタル酸からなるものが好適に用いられ
る。その他のモノマ−はフタル酸、フマル酸、マレイン
酸等が挙げられる。
【0025】本発明において好適に用いられる前記線状
ポリエステル樹脂は、重量平均分子量Mwが0.5万〜
2万であることが好ましく、さらに好ましくは0.5万
〜1.5万であり、最も好ましくは0.7万〜1.2万
である。また、前記線状ポリエステル樹脂の数平均分子
量Mnは0.1万〜0.6万が好ましくは、さらに0.
2万〜0.5万の範囲にあることが望ましい。重量平均
分子量が2万より大きかったり、数平均分子量が0.6
万よりも大きいと顔料分散が不十分となり易い。また、
重量平均分子量が0.5万より小さかったり、数平均分
子量が0.1万より小さいと、第一の結着樹脂のガラス
転移温度が低下し、トナーのブロッキング性が悪化する
傾向にある。
【0026】さらに、第一の結着樹脂として好ましい線
状ポリエステル樹脂の分子量分布は重要であり、本発明
においては、顔料粒子を1次粒子に近い形で高分散させ
るためには、分子量分布Mw/Mn=3.0以下である
ことが好ましく、さらにMw/Mn=2.0〜2.5が
望ましい。Mw/Mn=3.0を超えるとトナーの発色
性が不十分で、OHPシートのカラー画像の光透過性が
劣る傾向にある。
【0027】さらに、本発明における第一結着樹脂とし
て好ましい線状ポリエステル樹脂のの酸価は15mgK
OH/g以下であることが好ましく、さらに5〜10m
gKOH/gであることが望ましい。線状ポリエステル
樹脂の酸価が15mgKOH/gより大きいと水分を吸
収し易くなり、着色剤中の水分率が大きくなってトナー
帯電性が悪化する傾向にある。
【0028】本発明における第二の結着樹脂は、2価の
アルコールモノマーと3価のカルボン酸より合成される
非線状ポリエステル樹脂であることが好ましい。
【0029】2価のアルコ−ルモノマー成分としては、
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェ
ノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノール
Aアルキレンオキサイド付加物などが挙げられ、その
他、これらモノマート共に使用されるモノマーとしては
エチレングリコールなどグリコール類が挙げられる。
【0030】3価のカルボン酸モノマーとしては、例え
ば、1,2,4ーベンゼントリカルボン酸、1,2,5
−ベンゼントリカルボン酸などが挙げられる。また、3
価のカルボン酸モノマーと共に2価のカルボン酸モノマ
ーを用いてもよい。2価のカルボン酸モノマーとしては
テレフタル酸、イソフタル酸などが好適に用いられる。
【0031】本発明において用いられる第二の結着樹脂
として好適な非線状ポリエステル樹脂の重量平均分子量
Mwは2万〜6万が好ましく、さらに好ましくは2万〜
4万であり、数平均分子量Mnは0.1万〜0.6万が
好ましく、さらに好ましくは0.2万〜0.5万であ
る。重量平均分子量が6万より大きかったり、数平均分
子量が0.6万よりも大きいと低温定着性が悪くなり、
小さいとトナーのオフセット性が悪化する傾向にある。
【0032】また、第二の結着樹脂の軟化点は80〜1
30℃、好ましくは90〜120℃の範囲にあるのが好
ましい。軟化点が上記の範囲より大きいと、低温定着性
が悪くなり、小さいとトナーのブロッキング性が悪化す
る。また、結着樹脂のガラス転移点は50〜70℃好ま
しくは55〜65℃の範囲にあることが望ましい。
【0033】さらに、第二の結着樹脂として好ましい非
線状ポリエステル樹脂は、分子量分布Mw/Mn=6.
0以上であることが好ましく、さらに好ましくはMw/
Mn=7.0〜10.0である。Mw/Mn=6.0よ
り小さいと、オフセット性が悪化し、Mw/Mn=1
2.0以上であると低温定着性が悪化する傾向にある。
【0034】本発明における第二の結着樹脂の酸価は、
15mgKOH/g以下であることが好ましく、さらに
好ましくは5〜10mgKOH/gがである。酸価が1
5mgKOH/gより大きいと高温高湿時の帯電安定性
が悪化するため、十分な画像品質が得られ難くなる。
【0035】また、第二の結着樹脂として好ましい非線
状ポリエステル樹脂の軟化点は80〜130℃であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは90〜120℃であ
る。軟化点が上記の範囲より大きいと、低温定着性が悪
くなり、小さいとトナーのブロッキング性が悪化する。
また、該非線状ポリエステル樹脂のガラス転移温度は5
0〜70℃が好ましくは55〜65℃の範囲にあること
が望ましい。
【0036】本発明においては、第一の結着樹脂、第二
の結着樹脂共に、重量平均分子量、数平均分子量は、市
販のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)を使用し、溶媒にテトラヒドロフランを使用し、流
速=1.0ml/min、室温、検出器は示差屈折計
(RI)にて求めた。
【0037】本発明においては、第一の結着樹脂、第二
の結着樹脂共に、Tgは、示差走査熱量計DSC200
/SSC500システム(セイコー電子工業社製)を用
いて、サンプル重量約10mg、室温から200℃まで
昇温速度10℃/minで昇温し、DSC曲線から接線
法により求めた値をガラス転移温度とした。
【0038】本発明においては、第一の結着樹脂、第二
の結着樹脂共に、酸価は水酸化カリウムによる逆滴定に
より求め、結着樹脂1g当たりのKOHのmgで酸価を
表した。
【0039】本発明において、上記の有機顔料は、第一
の工程を経て、即ち第1の結着樹脂と機械的剪断混合処
理して着色剤とする。具体的には、上記有機顔料のウェ
ット顔料に第一の結着樹脂を加え、高速混練機で剪断混
練しながらウェット顔料中の顔料を樹脂へ移行させ、水
分を除去することによって得られる。着色剤中の有機顔
料の含有量は、20〜50wt%の範囲が好ましい。
【0040】本発明では、第一の工程を経た着色剤を、
必要に応じて熱3本ロ−ル等で形を整え解砕し、第二の
工程を経て、更には粉砕分級を行い、各種添加剤を加え
てカラートナーを製造することができる。着色剤は、カ
ラートナー100重量部中に、1.5〜15重量部含有
されることが好ましい。配合量が1.5重量部よりも少
なくなると、着色力が弱くなり、15重量部より多くな
ると、カラートナーの光透過性を低下させることがあ
る。
【0041】また、本発明においては、必要に応じて無
色または淡色の電荷制御剤を添加しても良い。無色また
は淡色の電荷制御剤としては4級アンモニウム塩、樹脂
にスルホン酸基を導入したスチレン・アクリル系樹脂C
CA、ホウ素錯体、ケイ素錯体、クロム系錯体、亜鉛系
錯体等が挙げられる。電荷制御剤の添加量としては、結
着剤100重量部に対し、0.2〜10重量部の範囲に
あることが好ましい。前記の範囲にあれば所望の帯電量
にコントロールすることができる。
【0042】さらに、本発明においては、必要に応じて
流動化剤を添加しても良い。金属酸化物の表面を疎水化
処理されたものなら何でもよく、また、単独で用いても
2種類以上を組み合わせて用いても良い。例えば疎水化
二酸化珪素微粒子、疎水化酸化チタン微粒子、疎水化酸
化アルミニウム微粒子等が挙げられる。流動化剤の添加
量は、結着樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量部
の範囲にあることが好ましい。また、抵抗調整剤とし
て、金属酸化物等を加えてもよい。例えば、錫系酸化
物、亜鉛系酸化物等を用いてもよく、更に、金属酸化物
の表面を導電性物質でドープしたものや、基材とは異な
る金属酸化物で表面処理したものを用いてもよい。
【0043】本発明の製造方法によって得られたカラー
トナーは、さらに種々の方法によって粉砕しても良い。
粉砕方法としては、ジェットミル粉砕、機械的粉砕等が
挙げられる。また、トナー粒径は体積粒径で4〜11μ
mの範囲にあることが望ましいが、本発明による顔料の
高分散を達成したことにより、4〜8μmのいわゆる小
粒径トナーとして好適に用いることもできる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を、実施例に基づき更に詳細に
説明する。 着色剤製造方法−1 第一の結着樹脂 100重量部 ウェットシアン顔料(水分量60%のC.I.ピグメン
トブルー15:3) 250重量部 第一の結着樹脂は、2価のアルコールモノマー成分のう
ちエチレングリコ−ルを40mol%含有し、 重量平
均分子量Mw=1万、数平均分子量Mw=0.45万、
Mw/Mn=2.2、ガラス転移点60℃、軟化点温度
107℃、酸価8.9である。前述の成分をヘンシェル
ミキサー(三井三池化工機)を用い、混練温度85℃で
剪断混練し、顔料を第一結着樹脂へ移行させて水を除去
し、顔料含有量50wt%のシアン着色剤aを作製し
た。
【0045】着色剤製造方法−2 ウェットシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:
3)を278重量部のウェットマゼンタ顔料(水分量6
4wt%のC.I.ピグメントレッド122)に代え、
混練温度80℃とした以外は、着色剤製造方法−1と同
様にして、顔料含有量50wt%のマゼンタ着色剤bを
作製した。
【0046】着色剤製造方法−3 ウェットシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:
3)を303重量部のウェットイエロー顔料(水分量6
7wt%のC.I.ピグメントイエロー17)に代え、
混練温度90℃とした以外は、着色剤製造方法−1と同
様にして、顔料含有量50wt%のイエロ−着色剤cを
作製した。
【0047】着色剤製造方法−4 ヘンシェルミキサーの代わりにスーパーミキサー(カワ
タ)を用い、ウェットシアン顔料(C.I.ピグメント
ブルー15:3)を208重量部のウェットシアン顔料
(水分量52wt%のC.I.ピグメントブルー15:
3)に代えた以外は、着色剤製造方法−1と同様にし
て、顔料含有量50wt%のシアン着色剤dを作製し
た。
【0048】着色剤製造方法−5 ウェットシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:
3)を250重量部のウェットマゼンタ顔料(水分量6
0wt%のC.I.ピグメントレッド122)に代えた
以外は、着色剤製造方法−4と同様にして、顔料含有量
50wt%のマゼンタ着色剤eを作製した。
【0049】着色剤製造方法−6 ウェットシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:
3)を455重量部のウェットイエロー顔料(水分量7
8wt%のC.I.ピグメントイエロー17)に代えた
以外は、着色剤製造方法−4と同様にして、顔料含有量
50wt%のイエロー着色剤fを作製した。
【0050】着色剤製造方法−7 加圧ニーダー(井上製作所)によって、167重量部の
ウェットシアン顔料(水分量40wt%のC.I.ピグ
メントブルー15:3)を、混練温度80℃で混練した
以外は、着色剤製造方法−1と同様にして、顔料含有量
50wt%のシアン着色剤gを作製した。
【0051】着色剤製造方法−8 ウェットシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:
3)を222重量部のウェットマゼンタ顔料(水分量5
5wt%のC.I.ピグメントレッド122)に代えた
以外は、着色剤製造方法−7と同様にして、顔料含有量
50wt%のマゼンタ着色剤hを作製した。
【0052】着色剤製造方法−9 ウェットシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:
3)を1000重量部のウェットイエロー顔料(水分量
90wt%のC.I.ピグメントイエロー17)に代え
た以外は、着色剤製造方法−7と同様にして、顔料含有
量50wt%のイエロー着色剤iを作製した。
【0053】着色剤製造方法−10 三本ロール(井上製作所)によって、333重量部のウ
ェットシアン顔料(水分量70wt%のC.I.ピグメ
ントブルー15:3)を混練した以外は、着色剤製造方
法−1と同様にして、顔料含有量50wt%のシアン着
色剤jを作製した。
【0054】着色剤a〜fは短時間で顔料粒子が樹脂に
移行し、水の分離除去も完全にかつ短時間で行なわれた
ために、顔料分散が良好で作業性にも優れたものであっ
た。着色剤g〜jは顔料分散が不十分であったり、水の
分離が不十分で加熱乾燥を長時間にわたって行なうな
ど、着色剤としての品質や製造効率に問題が生じた。
【0055】〔実施例1〕 第二の結着樹脂 95重量部 シアン着色剤a 5重量部 第二の結着樹脂は重量平均分子量Mw=3万、数平均分
子量Mn=0.3万、Mw/Mn=10.0、Tg=5
6℃、軟化点110℃、酸価10mgKOH/gであ
り、上記成分をヘンシェルミキサーで混合した後、エク
ストルーダーにて溶融混練し、ジェットミルで粉砕し、
分級して、顔料含有量2.5wt%で体積平均粒径8μ
mのシアントナーAを作製した。
【0056】〔実施例2〕シアン着色剤aをマゼンタ着
色剤b10重量部に代え、第二結着樹脂が90重量部と
した以外は実施例1と同様にして顔料含有量5.0wt
%、体積平均粒径8μmのマゼンタトナーBを作製し
た。
【0057】〔実施例3〕シアン着色剤aをイエロー着
色剤c6重量部に代え、第二結着樹脂が94重量部とし
た以外は、実施例1と同様にして顔料含有量3.0wt
%で体積平均粒径8μmのイエロ−トナーCを作製し
た。
【0058】〔実施例4〕シアン着色剤aをシアン着色
剤d5重量部に代え、第二結着樹脂が95重量部とした
以外は実施例1と同様にして顔料含有量2.5wt%、
体積平均粒径8μmのシアントナーDを作製した。
【0059】〔実施例5〕マゼンタ着色剤bをマゼンタ
着色剤eに代えた以外は実施例2と同様にして顔料含有
量5.0wt%、体積平均粒径8μmのマゼンタトナー
Eを作製した。
【0060】〔実施例6〕イエロ−着色剤cをイエロー
着色剤fに代えた以外は実施例3と同様にして顔料含有
量3.0wt%、体積平均粒径8μmのイエロ−トナー
Fを作製した。
【0061】実施例1〜6の各々のトナー100重量部
に疎水性シリカ0.2重量部、疎水性チタニア0.6重
量部を外添し、スチレン−アクリル系樹脂を被覆したフ
ェライトキャリアと混合して現像剤とし、市販のデジタ
ルフルカラー複写機で画像評価した。
【0062】ここで発色性の評価は、紙上に転写された
未定着画像を一定量のトナー付着量にしたときのIDで
評価し、更にこれを顔料含有率(トナー100重量部と
した時の顔料重量部の割合)で割ったものを発色性指数
として表した。具体的には、シアントナーは0.7mg
/cm2 、マゼンタトナーは0.8mg/cm2 、イエ
ロートナーは0.65mg/cm2 とした時のIDをマ
クベス濃度計(RD918:マクベス社製)を測定し、
各々シアントナー0.025、マゼンタトナー0.0
5、イエロートナー0.03で割って算出した。 発色性指数=各色トナーの画像濃度ID/各色トナーの顔料含有率 但し、IDは各色トナーの一定付着量としたときの値と
する。
【0063】色再現性の評価は、前記の市販のデジタル
フルカラー複写機で画像面積50%のオリジナル原稿を
用いて2万枚複写し、その画像を評価した。OHPシ−
トで画出ししたカラー画像の透明性評価は、オーバーヘ
ッドプロジェクタ−で写し出した時の透過画像を目視に
て判断した。実施例1〜6の各トナーを画出ししたとこ
ろ、発色性に優れ色彩やかな画像が得られ、OHPシー
トのカラー画像の透明性にも優れていた。
【0064】比較例1 シアン着色剤aをシアン着色剤gに代えた以外は、実施
例1と同様にしてシアントナーGを得、実施例1と同様
の方法で外添処理をし、画像を評価した。
【0065】比較例2 マゼンタ着色剤bをマゼンタ着色剤hに代えた以外は、
実施例2と同様にしてシアントナーHを得、実施例1と
同様の方法で外添処理をし、画像を評価した。
【0066】比較例3 イエロー着色剤cをイエロー着色剤iに代えた以外は、
実施例3と同様にしてイエロートナーIを得、実施例1
と同様の方法で外添処理をし、画像を評価した。
【0067】比較例4 シアン着色剤aをシアン着色剤jに代えた以外は、実施
例1と同様にしてシアントナーJを得、実施例1と同様
の方法で外添処理をし、画像を評価した。
【0068】比較例1〜4のいずれのトナーも画像濃度
が実施例に比べて低く、色再現性に乏しい画像しか得ら
れなかった。また、OHPシートのカラー画像は色がく
すんだ透明性に乏しいものであった。
【0069】
【発明の効果】本発明のカラートナーの製造方法によっ
て、顔料が結着樹脂中に微分散されたカラートナーを得
ることができ、カラートナー中の顔料粒子の凝集が大変
少ない事に起因する色再現性、発色性、光透過性に優れ
たカラートナーを提供できるようになった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−161154(JP,A) 特開 平7−234543(JP,A) 特開 平7−319206(JP,A) 特開 平7−333903(JP,A) 特開 平2−82(JP,A) 特開 平8−6312(JP,A) 特開 平4−239021(JP,A) 特開 平7−261459(JP,A) 特開 平4−39671(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも着色剤と結着樹脂とからなる
    カラートナーの製造方法であって、2価のアルコール成
    分のうち、エチレングリコールを全アルコール成分の2
    0wt%以上含有し、ガラス転移温度Tg=50〜65
    ℃、重量平均分子量Mw=0.5万〜2万、Mw/Mn
    =3.0以下、酸価15mgKOH/g以下の線状ポリ
    エステル樹脂である第一の結着樹脂と水分量40〜80
    wt%のウェット顔料とを、多段ブレードまたは多段攪
    拌羽根を具備する縦軸型高速混練機で、混練温度が「第
    一の結着樹脂のガラス転移温度(Tg)+20℃」〜9
    5℃の範囲で混練し、水分を除去する第一の工程と、得
    られた着色剤を、重量平均分子量Mw=2万〜6万、M
    w/Mn=6.0以上、酸価15mgKOH/g以下の
    非線状ポリエステル樹脂である第二の結着樹脂と混練す
    る第二の工程を経由することを特徴とするカラートナー
    の製造方法。
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