JP3366577B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
トナーの製造方法Info
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刷法及び磁気記録法等に用いられるトナーの製造方法に
関する。
て、着色力及び透過性がある。着色力及び透過性は、着
色剤の量によっても左右されるが、カラートナー粒子内
の着色剤の分散具合によっても大きく左右される。カラ
ートナー粒子内の各種原料の分散状態は、粉砕法による
カラートナーの製造方法においては、原料を混合する工
程と混練する工程とによって、実質的に決定される。
1154号公報には、水に不溶性の染料及び/又は顔料
をフラッシング法により結着樹脂に分散させる技術が開
示されている。また、特開平6−11895号公報に
は、溶融混練する工程を二工程に分け、第一混練工程に
おいて原料混合物を造粒し、第二混練工程で結着樹脂等
の添加物を加えて希釈混合する技術が開示されている。
しかしながらこれらの試みは、特殊な複数の工程が必要
であるばかりでなく、工程が非常に多く煩雑であるとい
う課題を有するものである。
な押出機を用いた方法では、混練熱による組成物の温度
上昇に伴い、カラートナーとして要求される着色剤、荷
電制御剤、ワックス等の分散を十分に行うことができな
いという問題を有する。
散に優れたトナーを製造する方法及び荷電制御剤、ワッ
クスの分散度を制御したトナーを製造する方法を提供す
ることを目的とする。
結着樹脂と着色剤とを含む原料の溶融混練工程を有する
トナーの製造方法において、該溶融混練工程が加熱及び
冷却機能を有するオープンロール型連続混練機を用いて
溶融混練を行なう工程からなり、前記溶融混練に際し
て、該混練機のロールの軸方向に沿って複数の位置に供
給口を設け、配合する結着樹脂の6〜70重量%を該混
練機の入り口側のロール端部0L(但し、Lはロール長
さを示す)〜0.5Lの位置から連続的に供給し、かつ
0L〜0.5Lの位置で着色剤の50〜100重量%を
供給して溶融混練を行う、トナーの製造方法に関する。
ては、結着樹脂と着色剤とを含有する組成物を溶融混練
する際に加熱及び冷却機能を有するオープンロール型連
続混練機を用い、かつ複数の供給口から原料を供給する
点に一つの大きな特徴がある。これにより、着色剤等の
分散度を容易に制御でき、さらに組成物の原料を一度に
混練させることができるため、製造にかかる時間が著し
く短縮され、さらに着色剤の分散に優れたトナーを容易
に製造することができるという優れた効果を発現する。
混練機は、2本のロールが並行に近接して配設されたオ
ープンロール型連続混練機に、ロールの軸方向に沿って
複数の位置に原料の供給口を設けたものが使用される。
各ロールは、熱媒体を通すことにより加熱又は冷却を行
うことができる。即ち、一方を加熱ロールとし、結着樹
脂の溶融温度付近の温度に調節し、もう一方のロールを
冷却ロールとし、結着樹脂の溶融温度以下の温度に調節
する。なお、溶融温度(Tm)は、高下式フローテスタ
ー(CFT−500、島津製作所(株)製)を用い、ダ
イスの細孔の径1mm、長さ1mm、荷重20kg/c
m2 G、昇温速度6℃/minの条件下で1cm3 の試
料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の
高さの1/2に相当する温度とする。
〜10mm、更に好ましくは0.1〜3mmである。ま
た、各ロールの構造、大きさ、材料等について特に限定
はなく、ロール表面は、平滑であってもよく、波型、凸
凹型等であってもよい。
せながら、ロールの軸方向に沿って複数の位置に設けら
れた供給口からロール上面又は2本のロールの間に原料
を供給することで、混練を行うことが好ましい。
00m/minであることが好ましく、2本のロールの
回転数比(冷却ロールの回転数/加熱ロールの回転数)
は、1/10〜9/10であることが好ましい。
調節することにより所望の混練力を得ることができる。
を供給するには、例えば、テーブルフィーダー等を用い
て行う。
装置を用いて予備混合してもよい。混合装置としては、
特に限定するものではなく、ヘンシェルミキサー(三井
鉱山製)、スーパーミキサー(カワタ製)、ハイスピー
ドミキサー(深江工業製)、レーディゲミキサー(マツ
ボー製)等の高速攪拌型混合装置が挙げられる。
に限定されるものではなく、黒トナー又はカラートナー
用の公知の結着樹脂を使用することができ、例えば、特
開平7−98518号公報第3頁第4欄第37行〜第6
頁第10欄第10行に記載のポリエステル樹脂、ビニル
樹脂等の結着樹脂や、原料モノマー混合物に離型剤を混
合し、重合反応で得られた結着樹脂を用いても良い。
練させる場合、結着樹脂中に着色剤等を十分に分散させ
るために、ロールの軸方向に沿って複数の位置に設けら
れた供給口から結着樹脂を供給することが好ましい。十
分な滞留時間を得、しかも着色剤等の分散度を向上させ
る観点から、0L〜0.5Lの位置から、配合する結着
樹脂の6重量%以上、好ましくは10重量%以上であっ
て、70重量%以下、好ましくは50重量%以下を供給
する。特に、0L〜0.3Lの位置から、配合する結着
樹脂の6〜30重量%を供給することがより好ましい。
前記部位での結着樹脂の量を調節することにより、混練
物中の着色剤濃度を高め、混練物の粘度を上昇させ、よ
り強い混練力を生じさせることにより、分散度を向上さ
せることができる。
なく、黒トナー又はカラートナー用の公知の着色剤を使
用することができる。着色剤は、黒色着色剤、黄色顔
料、赤色若しくは紅色顔料、青色系顔料、緑色顔料等が
あり、これらの着色剤は単独で用いても2種以上混合し
て用いても良い。
に、ロールの軸方向に沿って1個所以上の供給口から供
給することが好ましく、分散度を向上させる観点から、
0L〜0.5Lの位置、好ましくは0L〜0.3Lの位
置の1箇所以上から、配合する着色剤の50重量%以
上、好ましくは80重量%以上であって100重量%以
下を供給することで、着色剤を高分散させることができ
る。
給する組成物中における含有量は、組成物の粘度を上昇
させ、より強い混練力を得て、分散度を向上させる点か
ら、3重量%以上、好ましくは5重量%以上であること
が望ましく、多量の着色剤を結着樹脂中に良好に混練で
きる点から、50重量%以下、好ましくは30重量%以
下であることが望ましい。
に電荷制御剤、ワックス等を含有していてもよい。
はなく、黒トナー又はカラートナー用の公知の荷電制御
剤を使用することができる。負帯電トナー用の荷電制御
剤としては、クロム・アゾ錯体染料;鉄アゾ錯体染料;
コバルト・アゾ錯体染料;サリチル酸もしくはその誘導
体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体もしくは
塩化合物;ナフトール酸もしくはその誘導体のクロム・
亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体もしくは塩化合物;ベ
ンジル酸もしくはその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニ
ウム・ホウ素錯体もしくは塩化合物;長鎖アルキル・カ
ルボン酸塩、長鎖アルキル・スルフォン酸塩などの界面
活性剤類等が挙げられる。また、正帯電トナー用の荷電
制御剤としては、ニグロシン染料及びその誘導体、トリ
フェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホス
フォニウム塩、四級ビリジニウム塩、グアニジン塩、ア
ミジン塩等の誘導体等が挙げられる。
0L〜0.9Lの位置の1個所以上の供給口から供給す
ることが好ましい。また、荷電制御剤を複数用いると
き、それぞれの目的の分散度に合わせて、その供給位置
を変えることができる。なお、荷電制御剤は、分散度を
上げていくとその効果は上昇するものの、更にその分散
度を上げすぎるとその効果は下降していく。従って、用
いる荷電制御剤の最適な分散度となるように、分散度を
制御するのが好ましい。また、荷電制御剤の混練物中に
おける最適な分散粒径は、0.1〜3μm、好ましくは
0.1〜2μmであることが望ましい。
含有量は、電荷を付与することの観点から、0.1重量
%以上、好ましくは0.5重量%以上であることが望ま
しく、荷電制御及びトナーとしての透明性の観点から、
15重量%以下、好ましくは10重量%以下であること
が望ましい。
ワックス類、シリコーン系、高級脂肪酸、ポリオレフィ
ン系、低分子重合体等が挙げられる。これらの中でも、
天然ワックスが好適に用いられ、具体的には、カルナバ
ワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、蜜
ロウ等が挙げられる。
L〜0.9Lの位置の1個所以上の供給口から供給する
ことが好ましい。また、ワックスを複数用いるとき、そ
れぞれの目的の分散度に合わせて、その供給位置を変え
ることができる。トナー中におけるワックスは、結着樹
脂とは相溶せず分離した状態で存在するため、ワックス
の分散粒径が大きすぎると、ワックスがトナー表面に現
れ、現像機内の感光体に付着したり、時間の経過と共
に、帯電量が低下し安定した現像が行えなくなる。一
方、ワックスの分散粒径が小さすぎると、定着時に、ワ
ックスがブリードアウトする速度が遅くなり、オフセッ
ト防止剤として働かなくなる。そのため、式(1):
ーの重量平均粒径(D)に対して、0.1〜0.3Dμ
mであることが好ましく、具体的には、0.5〜3μm
であることが望ましい。
有量は、良好なオフセット防止効果を発揮させる観点か
ら、1重量%以上、好ましくは3重量%以上であること
が望ましく、感光体へのフィルミング抑制の観点から、
20重量%以下、好ましくは15重量%以下であること
が望ましい。
た混練物は、オープンロール型連続混練機から連続的に
取り出すことができる。得られた混練物は、冷却した
後、固化し、粉砕し、分級するなど公知の工程でさらに
処理することにより、トナーを製造することができる。
ば、冷却ベルト等が挙げられる。
ば、ジェットミル、衝突板式ミル、回転型機械ミル等が
挙げられる。
ば、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げら
れる。
性、さらには電荷制御剤、ワックス等の分散性に優れた
ものである。
び磁気記録法等の印刷方法に使用すると、トナーに印刷
機内の感光体へのフィルミングもなく、印刷後も画像が
安定しているという優れた効果が発現される。
用いてオープンロール型連続混練機(三井鉱山(株)
製、商品名:ニーデックス)に連続的に供給した。その
際の各原料の供給位置とその供給量を表1に示す。な
お、各原料の供給位置が同じ場合には、各原料を混合装
置であるヘンシェルミキサー(有効容量10L)に投入
し、羽根回転数を2500回転/分にて1分間混合を行
って、得られた混合物を用いた。
練機はロール外径0.14〔m〕、有効ロール長0.8
〔m〕のものであり、運転条件は、高回転側ロール(前
ロール)回転数75回転/分、低回転側ロール(後ロー
ル)回転数50回転/分、ロール間隙0.0001m、
ロール内の加熱及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原
料投入側が100℃及び混練物排出側が100℃であ
り、低回転ロールの原料投入側が30℃及び混練物排出
側が30℃、原材料混合物の供給速度は5kg/時、平
均滞留時間は約5分間であった。
却後、φ2〔mm〕のスクリーンを有するミルにて粗砕
した。次に、この粗砕物を衝突板型ジェットミルにて粉
砕し、更に、サイクロン型風力分級機にて粗粉及び微粉
をカットし、重量平均粒径が9μmのシアントナーとし
た。なお、トナーの平均粒径は、コールターカウンター
にて測定した。更に得られたトナー100重量部に対し
て、コロイダルシリカ2重量部を外添して、現像剤とし
た。
い、各現像剤に使用したそれぞれのトナーの着色力及び
透過性についての確認を行った。なお、画出し試験に
は、九州松下電器(株)社製テクトロニクス フェイザ
ー550を用いて行った。まず、画像濃度について、O
HPシートを使用し、該シート上のトナー量が0.5m
g/cm2 となるようなベタ画像を作成し、160℃の
温度にて定着を行い、画像濃度を約1.3程度に合わせ
て、HAZE値を用いて得られた画像の着色力及び透過
性を評価した。結果を表1に示す。なお、HAZE値
は、以下の式で表されており、着色剤の分散性がよい
程、拡散透過率は小さく、従ってHAZE値は小さくな
る。また、通常、用いられるカラートナーのHAZE値
は22%以下程度である。さらに、10,000枚連続
複写後に得られた画像についても同様に調べた(以下、
耐刷試験という)ところ、いずれも安定した画像を得る
ことができた。
すようにした以外は、実施例1と同条件で溶融混練等の
製造を行い、トナー(重量平均粒径9μm)を得た。こ
のトナーでの顔料分散をHAZEメーターで測定したと
ころ、HAZE=28%と良好な画像を得ることができ
なかった。また、10,000枚の耐刷試験において
は、安定した画像を得ることができなかった。
ようにした以外は、実施例1と同条件で溶融混練等を行
い、トナー(重量平均粒径9μm)を得た。得られたト
ナーを透過型電子顕微鏡(2500倍)にて荷電制御剤
粒径について観察したところ、平均粒径0.3μm程度
に分散することができた。このトナーでの顔料分散をH
AZEメーターで測定したところ、HAZE=18%と
良好な画像を得ることができた。更に10,000枚の
耐刷試験においても安定した画像を得ることができた。
から供給した以外は、実施例1と同条件で溶融混練等を
行い、トナー(重量平均粒径9μm)を得た。得られた
トナーを透過型電子顕微鏡(2500倍)にて荷電制御
剤粒径を観察したところ、平均粒径0.5μm程度に分
散することができた。このトナーでの顔料分散をHAZ
Eメーターで測定したところ、HAZE=19%と良好
な画像を得ることができた。更に10,000枚の耐刷
試験においても安定した画像を得ることができた。
置から供給した以外は、比較例1と同条件で溶融混練等
を行い、トナー(重量平均粒径9μm)を得た。得られ
たトナーを透過型電子顕微鏡(2500倍)にて荷電制
御剤粒径を観察したところ、平均粒径3.5μm程度に
分散することができた。このトナーでの顔料分散をHA
ZEメーターで測定したところ、HAZE=26%と良
好な画像を得ることができなかった。更に10,000
枚の耐刷試験においても、荷電制御剤の分散不良によ
り、かぶり、転写率の低下及び現像むらが生じた。
ようにした以外は、実施例1と同条件で溶融混練等を行
い、トナー(重量平均粒径9μm)を得た。得られたト
ナーを透過型電子顕微鏡(2500倍)にてワックス粒
径を観察したところ、平均粒径1.5μm程度に分散す
ることができた。このトナーでの顔料分散をHAZEメ
ーターで測定したところ、HAZE=22%と良好な分
散を示し、良好な画像を得ることができた。
L位置から供給した以外は、実施例1と同条件で溶融混
練等を行い、トナー(重量平均粒径9μm)を得た。得
られたトナーを透過型電子顕微鏡(2500倍)にてワ
ックス粒径を観察したところ、平均粒径1.5μm程度
に分散することができた。このトナーでの顔料分散をH
AZEメーターで測定したところ、HAZE=17%と
良好な分散を示し、良好な画像を得ることができた。更
に10,000枚の耐刷試験においても安定した画像を
得ることができ、感光体へのフィルミングも無く良好で
あった。
L位置から供給した以外は、比較例1と同条件で溶融混
練等を行い、トナー(重量平均粒径9μm)を得た。得
られたトナーを透過型電子顕微鏡(2500倍)にてワ
ックスの分散粒径を観察したところ、平均粒径0.5μ
m程度に分散することができた。このトナーでの顔料分
散をHAZEメーターで測定したところ、HAZE=2
5%と良好な分散を得ることができなかった。そのた
め、目標の画像濃度を得ることができなかった。
れたトナーは、比較例1〜3で得られたトナーに比べ
て、いずれも低いHAZE値を示すため、いずれも着色
剤の分散に優れていることがわかる。
比較例2で得られたトナーに比べ、荷電制御剤の分散度
が好適なものであることがわかる。
は、比較例3で得られたトナーに比べ、ワックスの分散
度が好適なものであることがわかる。
色剤の分散に優れ、また荷電制御剤、ワックスの分散度
が適度に制御されたものであり、特に電子写真法、静電
印刷法及び磁気記録法等において良好に用いられる。
Claims (3)
- 【請求項1】 結着樹脂と着色剤とを含む原料の溶融混
練工程を有するトナーの製造方法において、該溶融混練
工程が加熱及び冷却機能を有するオープンロール型連続
混練機を用いて溶融混練を行なう工程からなり、前記溶
融混練に際して、該混練機のロールの軸方向に沿って複
数の位置に供給口を設け、配合する結着樹脂の6〜70
重量%を該混練機の入り口側のロール端部0L(但し、
Lはロール長さを示す)〜0.5Lの位置から連続的に
供給し、かつ0L〜0.5Lの位置で着色剤の50〜1
00重量%を供給して溶融混練を行う、トナーの製造方
法。 - 【請求項2】 1個所以上の供給口から荷電制御剤をさ
らに供給する請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 1個所以上の供給口からワックスをさら
に供給する請求項1又は2記載の製造方法。
Priority Applications (7)
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JP5101270B2 (ja) * | 2007-12-27 | 2012-12-19 | 花王株式会社 | トナーの製造方法 |
-
1998
- 1998-09-01 JP JP24741598A patent/JP3366577B2/ja not_active Expired - Lifetime
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