JP3478963B2 - フルカラー電子写真用トナーおよびその製造方法 - Google Patents

フルカラー電子写真用トナーおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷等における静電潜像を現像する画像形成方
法に使用されるトナーに関するもので、結着樹脂中の着
色剤、離型剤の分散状態及び帯電立ち上がり特性を飛躍
的に向上させる製造方法を提供し、低い着色剤濃度でも
高着色度で光透過性に優れて、トナー飛散も発生せず、
画像品質においても色調再現性、耐オフセット性に優れ
て安定した画像が得られるフルカラー電子写真用トナー
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真法、静電写真法等の画像
形成方法において潜像担持体上に形成された静電潜像を
現像するために、トナーが使用される。このトナーは微
細粒子であり、かつ流動性に優れ、適当に帯電された粉
体であることが要求される。静電潜像を現像する方法と
してはトナーとキャリアの混合物である2成分系現像剤
を使用する方法とキャリアを含まない1成分系現像剤を
使用する方法が公知である。前者の2成分系現像剤を用
いた現像方式は、比較的安定した良好な画像が得られる
反面、キャリア劣化やトナーとキャリアの混合比が変動
しやすい。また通常、感光体上にてトナーで静電潜像を
現像した後に転写シートなどに転写して、定着すること
によって画像が得られる。この際の定着方式としては加
熱されたロールによって圧着加熱する熱ロール定着方式
が一般的である。該方式では熱効率が高く迅速に定着で
きる反面、トナー像の一部がロール表面に付着して再度
シート上に移行してしまう、所謂オフセット現象が発生
しやすい。
【0003】このような従来の問題に対して、いくつか
の提案がなされている。例えば特開平2−23506
7号公報では、トナー粒状体内部に適当な比率で離型剤
を内添させて、またトナー粒状体表面にも適当な比率で
離型剤を外添させる方法が提案されている。この方法で
はトナーに離型性をもたせることは可能であるが、離型
剤をトナー表面に外添させる為に、流動性、保存性にお
いて明らかに劣る水準になり、均一な帯電量分布を有す
る現像剤を得ることが困難になるため、画像品質にも問
題を引き起こす。さらに特開平3−168649号公
報では、バインダー樹脂中の低分子量ワックスの分散径
が1μm以下になるように規定しているが、所望の分散
径を得るためには大きな剪断力で長時間混練する方法が
提案されている。この方法では離型剤の分散径を規定す
ることによって、オフセット現象を抑制することを目的
としているが、大きな剪断力を必要とするため使用でき
る製造設備が限定されてしまい、混練時間も非常に長く
なるため生産性においても非常に不利である。
【0004】また近年では電子写真方式のカラー化が進
み、高画質、高再現性の要求が高まってきている。フル
カラー電子写真トナーにはイエロー、マゼンタ、シアン
に着色されたトナーが使用される。また必要に応じてブ
ラックトナーも使用される。このようなカラートナーに
おいては、定着されたトナーが乱反射することのない良
好な分光反射特性を持つこと、および重ね合わさったト
ナーがあらゆる色調を再現するために透明性を有するこ
とが必須条件であり、結着樹脂中に着色剤の分散を向上
させることが不可欠になってくる。さらに、高い解像力
と画像の鮮明さを得るためにトナーの粒径も小粒径であ
ることが望ましい。一般にトナーは結着樹脂、着色剤
(染料、顔料、磁性体等)、帯電制御剤などの所定材料
を溶融混練し、冷却して固化させた後粉砕し、さらに微
粉砕された粉砕物を分級して得られた微粒子粉体に流動
性を持たせるために添加剤(超微粒子状のコロイダルシ
リカなど)を加えて撹拌混合することによって得られ
る。従来の溶融混練方法にはスクリュー型押出式連続混
練機、2本ロールミル、3本ロールミル、加圧加熱ニー
ダーなどが使用されている。
【0005】結着樹脂中の着色剤の分散状態はこの混練
工程に依存し、着色剤の分散が不十分である場合得られ
たカラートナーの着色度は低く、色も鮮やかさが無く、
透明性もないことにより、色再現性が著しく劣る。上記
に示したような一般的な溶融混練方法では、結着樹脂中
の着色剤の分散は不十分なレベルであり、良好な画像品
質を得ることは困難になる。このような従来の問題に対
して提案されているのが、所謂マスターバッチ法であ
る。
【0006】例えば特開平3−155568号公報で
は、結着樹脂の一部と染顔料に溶剤を加えて予め溶融混
練し、得られた混練物を冷却粉砕してマスターバッチと
して、再度結着樹脂と得られたマスターバッチとを溶融
混練する方法が提案されている。この方法では溶剤を加
えることによって結着樹脂中の染顔料の分散性向上を狙
っているが、マスターバッチを得る際の混練温度が高い
ために、混練物の粘度が低下してしまい染顔料の分散が
飛躍的に向上することはなく、所望の分散レベルを得る
までに膨大な時間を要するといった欠点がある。さらに
特開平8−123076号公報においては、結着樹
脂、帯電制御剤および着色剤の混合物を予め有機溶剤と
共に該結着樹脂の溶融温度よりも低い温度で1段目の混
練を行う方法が提案されているが、帯電制御剤、着色剤
の分散性向上には効果があり、離型剤を含有しない系で
は非常に良好な品質が得られる。しかし、離型剤を含有
する系においては、離型剤の分散性も品質に大きく寄与
するために該方法では不十分である。また該マスターバ
ッチを得るための混練は、バッチ処理であるために生産
性の低下なども懸念される。
【0007】また上記に示したような一般的なトナーの
製造方法において、例えば衝突式粉砕の場合、得られる
粒子の形状は不定形であり、流動性を保持させるために
粉体粒子に添加剤を加えて撹拌混合を行うが、該方法で
得られるトナーは、流動性等の見かけの指数の向上は図
られるがトナー母体自体の特性は変らないという欠点が
あり、このような問題に対していくつかの提案がなされ
ている。例えば特公平7−181732号公報では、
粉砕処理されたトナー母体粒子に機械的衝撃力により球
形化処理を施す方法が提案されているが、本方法ではト
ナー表面の凹凸が無くなるまで球形処理を施している
が、離型剤を含有した系ではこのレベルまで球形処理を
してしまうと離型剤が溶融してしまい所望の品質が得ら
れない。
【0008】また特公平7−181736号公報で
は、粉砕原料を衝突式気流粉砕手段で粉砕した後、低衝
撃処理装置を用いて表面改質を行う方法が提案されてお
り、本公報においては生産効率を考慮して分級設備を有
しないクリプトロンシステムを使用している。しかし該
方法で得られるトナーの表面改質は満足のいくものでは
なく、理想の帯電立ち上がり特性は得られない。
【0009】上記,の提案においては離型剤添加に
よる副作用及び生産性低下、また,の提案において
も顔料の高分散化に伴う生産性低下などの問題があり総
合的に満足のいくものは得られていない。ましてや着色
剤、離型剤を同時に高分散させる提案はいまだになされ
ていない。さらに,の提案においては離型剤を含有
した系では所望の粉体及び帯電特性は得られず、離型剤
の分散径についても考慮する必要性がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解決するためになされたものであり、その目的の
第1は低い着色剤濃度でも高着色度であり光透過性に優
れて、画像品質においても高い画像濃度で色再現性、耐
オフセット性に優れて安定した画像が得られて、さらに
帯電立ち上がり特性にも優れて、トナー飛散も発生しな
いフルカラー電子写真用トナーを提供すること、および
該トナーの製造方法を提供することである。本発明の第
2の目的は、2成分系現像用トナーとしても使用でき、
特に1成分系トナーとして有用なフルカラー電子写真用
トナーを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の問題点を解決するために検討を続けてきた結果、容易
に結着樹脂中への着色剤及び離型剤の分散が飛躍的に向
上する方法、すなわち結着樹脂、着色剤、離型剤のみか
らなる混合物を予め溶融混練することによって、着色剤
の分散に合わせて、離型剤も結着樹脂中に飛躍的に分散
したマスターバッチが得られる。該混練時には従来必要
としていた大きな剪断力は不要であり、従来マスターバ
ッチ混練を行うには不向きであった連続混練機も使用可
能であるため、製造効率面からも非常に有利である。ま
た該マスターバッチに結着樹脂、帯電制御剤を加えて溶
融混練した後に冷却固化して、圧縮空気及び衝突板を主
構成要素として具備してなるジェット式粉砕機にて1次
粉砕を行った後、外壁としての固定容器と該固定容器と
中心軸を同一にする回転片とを主構成要素として具備し
てなるローター式粉砕機が気流分級装置に連結されてお
り、該気流分級手段により分級されることによって微粉
体が該ローター式粉砕機と該気流分級装置とを循環して
2次粉砕を行うことによって、離型剤が溶融することな
く、流動性、保存性において良好な水準が得られて、帯
電立ち上がり特性に優れてトナー飛散が発生せずに、な
おかつ色再現性、離型性、耐オフセット性にも優れたフ
ルカラー電子写真用トナーが非常に容易に効率良く製造
可能となり、品質改善効果も顕著であることを知見し、
これらに基づいて本発明は完成したものである。
【0012】 すなわち、本発明によれば、(1)電子
写真、静電記録、静電印刷などにおける静電潜像を現像
する画像形成方法に使用されるトナーであって少なくと
も結着樹脂と着色剤、離型剤、帯電制御剤を主成分とす
る電子写真用トナーにおいて、結着樹脂中の着色剤分散
径は1μm以下、離型剤分散径は0.1μm以上で2μ
m以下であり、常温常湿下、トナー濃度5%の条件下で
キャリアと10分間攪拌混合した時に得られる帯電量Q
600に対して、同じ条件下で20秒間攪拌混合した時
に得られる帯電量をQ20とすると、 Z(%)=(Q20/Q600)×100 で計算される帯電立ち上がり比率が70%以上であっ
て、結着樹脂、着色剤、離型剤のみからなる混合物を1
段目溶融混練して、得られた混練物を冷却破砕して、該
破砕物に結着樹脂、帯電制御剤を加えて2段目の溶融混
練を行うことにより製造されたことを特徴とするフルカ
ラー電子写真用トナーが提供される。なお、ここでの帯
電量(Q/M)は、トナー担時体上のトナーをエアーで
ファラデーゲージ内に捕集する。いわゆる吸引式ファラ
デーゲージ法を用いて測定した値である。具体的にはブ
ローオフ法という手段が採用される。
【0013】また本発明によれば、(2)前記(1)に
おいて結着樹脂の軟化温度をTsr、結着樹脂の流出開始
温度をTfrとした時に、離型剤の融点MpwがTsr+5<
pw<Tfr−5(℃)の範囲にあることを特徴とするフ
ルカラー電子写真用トナーが提供される。さらに
(1),(2)において離型剤がエステル系の離型剤で
あることを特徴とするフルカラー電子写真用トナーが提
供される。さらに本発明によれば、前記(1),(2)
において離型剤がカルナウバワックスであることを特徴
とするフルカラー電子写真用トナーが提供される。
【0014】また本発明によれば前記(1),(2)に
おいて体積平均粒径が9μm以下であることを特徴とす
るフルカラー電子写真用トナーが提供される。また
(1),(2)において5μm以下の微粉含有量が20
個数%以下であることを特徴とするフルカラー電子写真
用トナーが提供される。さらに(1),(2)において
凝集度が4〜20%以下であることを特徴とするフルカ
ラー電子写真用トナーが提供される。
【0015】更に本発明によれば、(3)結着樹脂、着
色剤、離型剤のみからなる混合物を1段目の溶融混練し
て、得られた混練物を冷却破砕して、該破砕物に結着樹
脂、帯電制御剤を加えて2段目の溶融混練を行うことを
特徴とするフルカラー電子写真用トナーの製造方法が提
供される。また本発明によれば前記(3)において1段
目の混練物100重量部において、着色剤が10から4
0重量部、離型剤が10から50重量部の範囲で含有し
て1段目の溶融混練を行うことを特徴とするフルカラー
電子写真用トナーの製造方法が提供される。
【0016】更に本発明によれば、圧縮空気及び衝突
板を主構成要素として具備してなるジェット式粉砕機に
て粉砕原料の1次粉砕を行った後、外壁としての固定
容器と該固定容器と中心軸を同一にする回転片とを主構
成要素として具備してなるローター式粉砕機が気流分級
装置に連結されており、該気流分級手段により分級され
ることによって微粉体が該ローター式粉砕機と該気流分
級装置とを循環して2次粉砕を行うことを特徴とするフ
ルカラー電子写真用トナーの製造方法が提供される。
【0017】本発明者らの鋭意研究したところによれ
ば、結着樹脂中への着色剤の分散が不十分である場合、
得られたトナーの着色度は低く、透明性において劣るこ
とより、特にカラートナーの場合はイエロー、マゼン
タ、シアンを重ね合せて色調を再現させていることよ
り、電子写真プロセスにおいて画像を得る際に色調の再
現性は著しく低下するようになる。また離型剤について
も分散が不十分である場合、流動性、保存性において劣
り、均一な帯電量分布を有する現像剤は得られず、画像
品質において品質低下を引き起こすことが判った。また
離型剤が極度に分散した場合、トナーの離型性の低下が
認められ、定着ローラーへのシートの巻き付き、爪跡の
問題などを発生する。さらにトナーの帯電立ち上がり比
率が低いとトナー飛散及び画像濃度低下、地汚れの原因
となりやはり色調再現性において著しく劣るようにな
る。そして、そのためには結着樹脂中の着色度分散径は
1μm以下、離型剤分散径は0.1μm以上で2μm以
下であり、帯電立ち上がり比率(Z)が70%以上でな
ければならないことが明らかになった。さらに製造方法
として結着樹脂、着色剤、離型剤のみからなる3元系マ
スターバッチ混練を行うことによって、良好な着色剤、
離型剤の分散径の水準が得られて、圧縮空気及び衝突
板を主構成要素として具備してなるジェット式粉砕機に
て粉砕原料の1次粉砕を行った後、外壁としての固定
容器と該固定容器と中心軸を同一にする回転片とを主構
成要素として具備してなるローター式粉砕機が気流分級
装置に連結されており、該気流分級手段により分級され
ることによって微粉体が該ローター式粉砕機と該気流分
級装置とを循環して2次粉砕を行うことによって、良好
な帯電立ち上がり特性が得られることが明らかになっ
た。
【0018】また本発明のマスターバッチ混練を行うに
あたり、使用する結着樹脂、離型剤において、結着樹脂
の軟化温度をTsr、結着樹脂の流出開始温度をTfr、離
型剤の融点をMpwとした時に、Tsr+5<Mpw<Tfr
5(℃)の関係を満足することが望ましい。離型剤の融
点MpwがTsr+5(℃)より低い場合、混練時に離型剤
が結着樹脂より先に溶融する傾向にあり、離型剤は混練
物から液化分離して着色剤の分散性向上として機能しな
くなり、離型剤自体の結着樹脂中への分散も困難とな
る。また離型剤の融点MpwがTfr−5(℃)よりも高い
場合、結着樹脂が離型剤より先に溶融する傾向にあり、
この場合着色剤の分散性向上としては機能するものの、
結着樹脂の粘度が低くなりすぎて離型剤の分散において
はやはり不利である。すなわち離型剤の融点MpwはTsr
+5<Mpw<Tfr−5(℃)の範囲にあるのが望まし
い。また結着樹脂、離型剤は共に単独であるいは2種以
上混合して使用されるが、2種以上を使用する場合は、
結着樹脂と離型剤のいずれの組み合わせにおいてもTsr
+5<Mpw<Tfr−5(℃)の関係を満足する必要があ
る。
【0019】さらに本発明で使用される離型剤は、融点
Mpwが上記範囲であるものは合成ワックス、天然ワッ
クスなどいずれの系のものも使用可能であるが、結着樹
脂に非相溶のワックスの分子量分布Mw/Mnが1.0
〜1.2であることが好ましい。なかでもエステル結合
を有するエステル系ワックス、キャンデリラワックス、
カルナウバワックス、ライスワックス等の天然ワックス
及びモンタンワックス等を使用するのが好ましい。さら
にエステル系ワックスのなかでもカルナウバワックスを
使用するのが非常に好ましい。本発明において、カルナ
ウバワックスを使用した場合、1段目の溶融混練時に低
い剪断力でも結着樹脂に非相溶でありながら容易に分散
して、特に耐オフセット性が向上することが明らかにな
った。
【0020】本発明において体積平均粒径が9μm以下
であることが望ましいが、トナーの小粒径化は解像度を
上げるためには不可欠であるが、副作用として、離型剤
を含有した処方系では流動性、保存性において悪化傾向
にある。しかし本発明の3元系マスターバッチ混練によ
って離型剤の高分散化が図られており、なおかつロータ
ー式粉砕機により表面処理が施されていることにより、
体積平均粒径が9μm以下でも、流動性、保存性におい
て良好な水準が得られて、なおかつ解像度の向上も図ら
れ、高品質な画像が得られる。また微粉含有量について
も5μm以下の微粉含有量を20%以下にすることによ
って、流動性、保存性における品質改善効果は顕著であ
り、現像機中へのトナー補給性及びトナーの帯電立ち上
がり特性において良好な水準が得られる。
【0021】さらに本発明の3元系マスターバッチ混
練、ローター式粉砕機による表面処理を行うことによっ
て、離型剤を含有した処方系にも関わらず、凝集度4〜
20%の良好な水準が得られることにより、流動性、補
給性、保存性、トナーの帯電立ち上がり特性において良
好な水準が得られることが明らかになった。また本発明
においてマスターバッチ混練時の離型剤、着色剤の含有
量の比率が高いほど品質向上傾向にある。しかし、マス
ターバッチ混練100重量部に対して着色剤が40重量
部を超えると、混練安定性に欠け、製造が困難になる。
また離型剤も50重量部を超えると混練物は脆くなり、
結着樹脂中への分散も困難になり、得られたトナーは流
動性、保存性において十分な品質が得られない、また着
色剤、離型剤ともに10重量部以下であると、所望の分
散状態を得るためには大きな剪断力が必要になり、生産
性の低下が避けられない。
【0022】結着樹脂中の離型剤、着色剤の分散径は種
々の方法で測定できるが、混練後に圧延冷却したものを
ミクロトームMT−6000(R.M.C.Inc製)
により1000Åの薄さにスライスし、透過電子顕微鏡
JSM−880(日本電子社製)で観察し、さらにスキ
ャンニングコンバータ−ユニットを介して画像解析装置
LUZEX500(ニレコ社製)にて粒径を測定した。
【0023】トナーの粒径分布は種々の方法で測定でき
るが、本発明では小孔透過法(コールターカウンター
法)を用いて行った。測定装置としてコールターカウン
ターTAII(コールター社製)を用い、電解液として1
%食塩水、アパチャーを100μmとして測定した。な
お結着樹脂の軟化温度及び流出開始温度は、高架式フロ
ーテスター(CFT−500)(島津製作所製)を用
い、ダイスの細孔の径1mm、加圧20kg/cm2
昇温速度6℃/minの条件で測定した。またワックス
の融点は以下のように測定した。理学電気社製のRig
aku THERMOFLEX TG8110型によ
り、昇温速度10℃/minの条件して測定し、吸熱曲
線の主体極大ピークを融点とする。
【0024】主濃度及びヘイズ度の測定としては、まず
トナー付着量を変化させた一定面積の画像を現像して、
紙へ転写させる。その紙を定着した後、色彩色差計X−
riteを用いて主濃度を測定した。該測定により、主
濃度1.5時の付着量を換算して、得られた付着量をO
HPシートに転写、更に定着した後、全自動ヘイズコン
ピューターHGM−2DP型を用いて、ヘイズ度を測定
した。
【0025】本発明のトナーは少なくとも結着樹脂、着
色剤、離型剤と帯電制御剤とから構成される。本発明の
トナーで使用される結着樹脂としては従来からトナー用
結着樹脂として使用されてきたものは全てが適用され
る。具体的にはポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポ
リビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重
合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレ
ン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共
重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレ
ン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸
エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン
/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル
酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重
合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/
ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチ
ルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、ス
チレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニト
リル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合
体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体などのスチ
レン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチ
ルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビ
ニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、
変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又
は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラ
フィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは
単独であるいは2種以上を混合して使用される。
【0026】本発明のトナーに使用される着色剤として
は、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料
及び染料の全てが適用される。具体的にはニグロシン染
料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、デュポンオ
イルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリ
ド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
ハンザイエローGローダミン6Cレーキ、クロムイエロ
ー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、マラカイトグ
リーン、マラカイトグリーンヘキサレート、ローズベン
ガル、モノアゾ系染顔料、ジスアゾ系染顔料、トリスア
ゾ系染顔料などが挙げられる。
【0027】本発明のトナーに使用される帯電制御剤と
しては、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム
塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチ
ル酸の錯化合物、フェノール化合物などが挙げられる。
また本発明のトナーにおいては、離型性を持たせるため
に、低分子量のポリエチレン、ポリプロピレンなどの合
成ワックスの類の他、キャンデリラワックス、カルナウ
バワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油などの
植物系ワックス類;みつろう、ラノリン、鯨ろうなどの
動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライトな
どの鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油、ヒドロキシステア
リン酸、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなど
の油脂系ワックス類を含有することができ、これらは単
独であるいは2種以上混合して使用される。
【0028】さらに本発明において離型剤は特に限定さ
れるものではないが、融点が70〜120℃の範囲にあ
る離型剤を含有、好ましくは80〜110℃の範囲にあ
る離型剤を含有することが望ましい。融点が70℃より
低い離型剤のみを含有した場合、熱ロール定着方式によ
る定着時にオフセット現象が発生しやすい。また融点が
120℃より高い離型剤のみを含有したトナーにおいて
は所望の離型効果が得られにくく、離型効果を出すため
に定着温度を高くする必要があり、電力消費量の増大は
避けられない。
【0029】更に本発明で用いるトナーには、前記の離
型剤の他に必要に応じてトナーの熱特性、電気特性、物
理特性を調整する目的で、各種の可塑剤(フタル酸ジブ
チル、フタル酸ジオクチルなど)、抵抗調整剤(酸化
錫、酸化鉛、酸化アンチモンなど)等の助剤を添加する
ことも可能である。更に本発明のトナーには、必要に応
じて前記の離型剤、助剤等以外の添加剤を混合すること
もできる。その添加剤としては、例えばコロイダルシリ
カ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の流動付与部剤が
ある。なお、流動付与部剤としては、一次粒子の粒径が
0.1μmより小さく、表面をシランカップリング剤や
シリコンオイル等で疎水化処理し、疎水化度40以上の
ものが好ましい。
【0030】本発明のトナー製造方法においては、3元
系マスターバッチ混練で得られた混練物に適当な比率に
なるように結着樹脂、帯電制御剤等を加えて、スクリュ
ー型押出し式連続混練機、2本ロールミル、3本ロール
ミル、加圧加熱ニーダーを用いて溶融混練を行う。この
混練物を冷却固化させた後にハンマーミルなどの粉砕機
を用いて粗粉砕をする。さらにジェットミル粉砕機で粉
砕処理した後に気流式分級機などに連結されたローター
粉砕機などを用いて表面処理を行うが、例えば衝突式粉
砕機としてはハンマーミル、ボールミル、チューブミ
ル、振動ミル等を挙げることができるが、圧縮空気及び
衝突板を主構成要素として具備してなるジェット式粉砕
機として1タイプ及びIDSタイプ衝突式粉砕機(日本
ニューマチック工業社製)を好ましく使用できる。また
ローター粉砕機としてはロールミル、ピンミル、流動層
式ジェットミル等を例示できるが、特に外壁としての固
定容器と該固定容器と中心軸を同一にする回転片とを主
構成要素として具備してなるローター式粉砕機としてタ
ーボミル(ターボ工業社製)、クリプトロン(川崎重工
業社製)、ファインミル(日本ニューマチック工業社
製)等が使用でき、連結された分級機には気流式分級機
としてディスパージョンセパレータ(DS)式分級機
(日本ニューマチック工業社製)、多分割式分級機(エ
ルボージェット;日鉄鉱業社製)などが使用できる。さ
らに気流式分級機、機械式分級機を用いて微粉分級を行
い、微細粒子を得ることができる。また必要に応じてこ
の微細粒子に流動性付与部剤を添加混合することもでき
る。
【0031】次に本発明のトナーの技術的内容について
説明する。本発明のトナーは結着樹脂、着色剤、離型剤
のみからなる3元系の混合物をマスターバッチ混練する
ことによって製造可能になるが、この際に離型剤が着色
剤の分散助剤としても機能することによって、結着樹脂
中への着色剤の分散が飛躍的に向上するという知見に基
づいている。離型剤が分散助剤として機能するというこ
とは着色剤の吸油性という特性によるものと考えられ、
着色剤が溶融した離型剤を吸い込んだ時に凝集体が急速
に解れて、低い剪断力でも結着樹脂中への高分散化が可
能になると考えられる。従来マスターバッチ混練には大
きな剪断力及び膨大な時間は不可欠であったが、またロ
ールミル等を使用していたためにバッチ処理にならざる
を得ず、生産性の低下を招いていたが、この知見により
低い剪断力でも高分散化が可能になり、低い着色剤濃度
でも高い着色度及び光透過性に優れたトナーが得られ
て、従来マスターバッチ混練には不向きであったスクリ
ュー型押出し式連続混練等も使用可能になるため生産性
向上が可能となる。
【0032】さらに上記方法で得られたマスターバッチ
混練物を使用した系をジェット式粉砕機等で粉砕処理し
た後に、ローター粉砕機等を用いて球形処理することに
よって、流動性、凝集度において品質改善傾向が認めら
れ、帯電立ち上がり特性及び離型性の両立が図られる。
例えば該マスターバッチ混練物を使用した系で、球形処
理を施さない場合は、得られたフルカラートナーは透明
性、着色度において非常に良好な水準であるが、帯電立
ち上がり特性においては不十分なレベルであり、トナー
飛散が発生しやすい。さらに離型剤分散径が2.0μm
以上のマスターバッチ混練物を使用した系の場合にはト
ナー表面上で離型剤が溶融する傾向が認められ、流動
性、凝集度において良好な水準は得られず、また所望の
帯電立ち上がり特性も得られない。よって3元系マスタ
ーバッチ混練により離型剤、着色剤共に良好な分散性を
有するマスターバッチ混練物を使用した系の粉体粒子に
本発明の表面処理を施すことによって、非常に良好な品
質を有するフルカラートナーが得られる。本発明の方法
は特公平8−20762号公報の短時間で表面改質を行
う提案とは明らかに異なるものであり、本発明において
は気流分級機が不可欠であり、粉体粒子をローター式粉
砕機と気流分級機間を循環させることによって、特に離
型剤を含有する系では離型剤が溶融しない範囲で表面処
理を施す必要がある。
【0033】また離型剤を含有しない系で、結着樹脂、
着色剤のみのマスターバッチ混練は着色剤の高分散化の
ために大きな剪断力が不可欠であることは周知である
が、該混練で得られたマスターバッチに離型剤を加えて
更に混練を行っても、離型剤を含有しないトナーに対し
ては、着色度、ヘイズ度において若干の品質改善効果は
認められるが、結着樹脂、着色剤、離型剤からなる3元
系マスターバッチ混練によって得られる品質には及ばな
い。
【0034】本発明における球形処理の度合いを制御す
る因子として、ローター式粉砕装置内の滞留時間が挙げ
られる。例えば分級装置を具備しないクリプトロンシス
テムではジェット式粉砕品はローター式粉砕装置内に滞
留することなく、粉砕粒子は次工程に送られる。該粒子
形状はジェット式粉砕品と全く変化しておらず、流動
性、凝集度においても水準差は極微少である。また、ロ
ーター式粉砕装置内の滞留時間が長すぎる場合、即ち分
級機から該粒子の該粉砕装置の戻り量を多くした場合、
球形化は進む方向であるが、球形化が進みすぎると離型
剤が溶融しはじめて、流動性の低下現象が認められ、所
望の帯電立ち上がり特性は得られない。よって離型剤が
溶融しないレベルまで球形処理することによって、良好
な帯電立ち上がり比率を得ることが可能になる。
【0035】またローター式粉砕機に連結できる分級機
としては、気流式、機械式分級機などが挙げられるが、
本発明の製造方法においては気流式分級機を使用するの
が好ましい。特にディスパージョンセパレータ(DS)
タイプ気流式分級機(日本ニューマチック工業社製)を
使用するのが好ましい。離型剤を含有する粉体粒子で
は、分級室内に供給される旋回気流により非常に効率良
く分級されるためであり、コアンダ効果を利用した多分
割式分級機では粉体粒子の分散が十分になされないため
に、分級精度において不利であるという欠点を有する。
また機械式分級機、気流式分級機と比較して分級精度に
おいて劣り、条件変更時に調整因子が少ないために粒度
調整が非常に困難であり、切換え作業などのメンテナン
スにおいても非常に煩雑さが伴う問題がある。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。なお、ここでの部は重量基準であ
る。
【0037】 実施例1 結着樹脂 ポリエステル系重合体(Tsr=75℃、Tfr=110℃) 10.0部 離型剤 低分子ポリプロピレン(Mpw=85℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練
し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉砕した。得られた
粉砕物に上記ポリエステル系重合体73.5部、帯電制
御剤としてサリチル酸系化合物5.0部を加えて、2軸
混練機を用いて溶融混練を行った。該混練物をジェット
ミル粉砕機で平均粒径12μmになるように微粉砕し、
さらにDSタイプ気流式分級機に連結したターボミルを
使用して表面処理を行ったが平均粒径11.5μmであ
った。さらに微粉分級して、体積平均粒径が12μmの
微細粒子を得た。該微細粒子100部に対して疎水性シ
リカ0.5部を添加混合して、イエロー電子写真用トナ
ーを得た。次に着色剤C.I.ピグメントイエロー17
の代わりにローダミン系顔料3.5部を使用して、体積
平均粒径が12μmのマゼンタトナーを得た。更にC.
I.ピグメントイエロー17の代わりにフタロシアニン
顔料3.5部を使用して、体積平均粒径が12μmのシ
アントナーを得た。
【0038】 実施例2(離型剤の融点MpwがTfr−5(℃)より高い場合) 結着樹脂 ポリエステル系重合体(Tsr=75℃、Tfr=110℃) 10.0部 離型剤 低分子ポリプロピレン(Mpw=85℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練
し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉砕した。得られた
粉砕物に上記ポリエステル系重合体73.5部、帯電制
御剤としてサリチル酸系化合物5.0部を加えて、2本
ロールを用いて非常に強い剪断力を掛けてバッチ処理で
1時間混練を行った。該混練物をジェットミル粉砕機で
平均粒径12μmになるように微粉砕し、さらにDSタ
イプ気流式分級機に連結したターボミルを使用して表面
処理を行ったが平均粒径11.5μmであった。さらに
微粉分級して、体積平均粒径が12μmの微細粒子を得
た。該微細粒子100部に対して疎水性シリカ0.5部
を添加混合して、イエロー電子写真用トナーを得た。次
に着色剤C.I.ピグメントイエロー17の代わりにロ
ーダミン系顔料3.5部を使用して、体積平均粒径が1
2μmのマゼンタトナーを得た。更にC.I.ピグメン
トイエロー17の代わりにフタロシアニン顔料3.5部
を使用して、体積平均粒径が12μmのシアントナーを
得た。
【0039】 実施例3(離型剤の融点MpwがTsr+5(℃)より低く、マスターバッチ混練処 方において着色剤が10重量部以下の場合) 結着樹脂 ポリエステル系重合体(Tsr=75℃、Tfr=110℃) 10.0部 離型剤 低分子ポリプロピレン(Mpw=85℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練を
行った。若干離型剤が溶融分離していたが混練可能であ
った。冷却固化後、ハンマーミルで粗粉砕した。得られ
た粉砕物に上記ポリエステル系重合体53.5部、帯電
制御剤としてサリチル酸系化合物5.0部を加えて、2
本ロールを用いて、非常に強い剪断力を掛けてバッチ処
理で1時間混練を行った。該混練物をジェットミル粉砕
機で平均粒径12μmになるように微粉砕し、さらにD
Sタイプ気流式分級機に連結したターボミルを使用して
表面処理を行ったが平均粒径11.5μmであった。さ
らに微粉分級して、体積平均粒径が12μmの微細粒子
を得た。該微細粒子100部に対して疎水性シリカ0.
5部を添加混合して、イエロー電子写真用トナーを得
た。次に着色剤C.I.ピグメントイエロー17の代わ
りにローダミン系顔料3.5部を使用して、体積平均粒
径が12μmのマゼンタトナーを得た。更にC.I.ピ
グメントイエロー17の代わりにフタロシアニン顔料
3.5部を使用して、体積平均粒径が12μmのシアン
トナーを得た。
【0040】実施例4(実施例1に対して、体積平均粒
径8μm) 実施例1と同じ混練物をジェットミル粉砕機で平均粒径
8μmになるように微粉砕し、さらにDSタイプ気流式
分級機に連結したターボミルを使用して表面処理を行っ
たが平均粒径7.5μmであった。さらに分級して体積
平均粒径が8μm(5μm以下微粉含有量25%)のイ
エロー、マゼンタ、シアンのそれぞれのトナーを得た
(疎水性シリカ0.5部添加)。
【0041】 実施例5(実施例1に対して、マスターバッチ混練処方で着色剤、離型剤共に1 0重量部以下) 結着樹脂 ポリエステル系重合体(Tsr=75℃、Tfr=110℃) 40.0部 離型剤 低分子ポリプロピレン(Mpw=85℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2本ロールを用いてバッチ処理
で2時間溶融混練し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉
砕した。得られた粉砕物に上記ポリエステル系重合体4
3.5部、帯電制御剤としてサリチル酸系化合物5.0
部を加えて、2軸混練機を用いて溶融混練を行った。該
混練物をジェットミル粉砕機で平均粒径12μmになる
ように微粉砕し、さらにDSタイプ気流式分級機に連結
したターボミルを使用して表面処理を行ったが平均粒径
11.5μmであった。さらに微粉分級して、体積平均
粒径が12μmの微細粒子を得た。該微細粒子100部
に対して疎水性シリカ0.5部を添加混合して、イエロ
ー電子写真用トナーを得た。次に着色剤C.I.ピグメ
ントイエロー17の代わりにローダミン系顔料3.5部
を使用して、体積平均粒径が12μmのマゼンタトナー
を得た。更にC.I.ピグメントイエロー17の代わり
にフタロシアニン顔料3.5部を使用して、体積平均粒
径が12μmのシアントナーを得た。
【0042】 実施例6(実施例4に対して、結着樹脂、離型剤の種類変更) 結着樹脂 ポリオール樹脂(Tsr=72℃、Tfr=98℃) 10.0部 離型剤 カルナウバワックス(Mpw=85℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練
し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉砕した。得られた
粉砕物に上記ポリオール樹脂73.5部、帯電制御剤と
してサリチル酸系化合物5.0部を加えて、2軸混練機
を用いて溶融混練を行った。該混練物をジェットミル粉
砕機で平均粒径8μmになるように微粉砕し、さらにD
Sタイプ気流式分級機に連結したターボミルを使用して
表面処理を行ったが平均粒径7.5μmであった。さら
に微粉分級して、体積平均粒径が8μmの微細粒子を得
た。該微細粒子100部に対して疎水性シリカ0.5部
を添加混合して、イエロー電子写真用トナーを得た。次
に着色剤C.I.ピグメントイエロー17の代わりにロ
ーダミン系顔料3.5部を使用して、体積平均粒径が8
μmのマゼンタトナーを得た。更にC.I.ピグメント
イエロー17の代わりにフタロシアニン顔料3.5部を
使用して、体積平均粒径が8μmのシアントナーを得
た。また、いずれのトナーも5μm以下の微粉含有量が
25%になるように調整した。
【0043】実施例7(実施例6に対して、体積平均粒
径8μm及び5μm以下微粉含有量15%) 実施例1と同じ混練物をジェットミル粉砕機で平均粒径
8μmになるように微粉砕し、さらにDSタイプ気流式
分級機に連結したターボミルを使用して表面処理を行っ
たが平均粒径7.5μmであった。さらに分級して体積
平均粒径が8μm(5μm以下微粉含有量15%)のイ
エロー、マゼンタ、シアンのそれぞれのトナーを得た
(疎水性シリカ0.5部添加)。
【0044】 実施例8(実施例6に対して、離型剤の種類変更) 結着樹脂 ポリオール樹脂(Tsr=72℃、Tfr=98℃) 10.0部 離型剤 低分子ポリプロピレン(Mpw=85℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練
し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉砕した。得られた
粉砕物に上記ポリオール樹脂73.5部、帯電制御剤と
してサリチル酸系化合物5.0部を加えて、2軸混練機
を用いて溶融混練を行った。該混練物をジェットミル粉
砕機で平均粒径8μmになるように微粉砕し、さらにD
Sタイプ気流式分級機に連結したターボミルを使用して
表面処理を行ったが平均粒径7.5μmであった。さら
に微粉分級して、体積平均粒径が8μmの微細粒子を得
た。該微細粒子100部に対して疎水性シリカ0.5部
を添加混合して、イエロー電子写真用トナーを得た。次
に着色剤C.I.ピグメントイエロー17の代わりにロ
ーダミン系顔料3.5部を使用して、体積平均粒径が8
μmのマゼンタトナーを得た。更にC.I.ピグメント
イエロー17の代わりにフタロシアニン顔料3.5部を
使用して、体積平均粒径が8μmのシアントナーを得
た。いずれの場合も5μm以下の微粉含有量は25%に
なるように調整した。
【0045】 実施例9(実施例8に対して、離型剤(ポリエステル系ワックス)の種類変更) 結着樹脂 ポリオール樹脂(Tsr=72℃、Tfr=98℃) 10.0部 離型剤 ライスワックス(Mpw=83℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練
し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉砕した。得られた
粉砕物に上記ポリオール樹脂73.5部、帯電制御剤と
してサリチル酸系化合物5.0部を加えて、2軸混練機
を用いて溶融混練を行った。該混練物をジェットミル粉
砕機で平均粒径8μmになるように微粉砕し、さらにD
Sタイプ気流式分級機に連結したターボミルを使用して
表面処理を行ったが平均粒径7.5μmであった。さら
に微粉分級して、体積平均粒径が8μmの微細粒子を得
た。該微細粒子100部に対して疎水性シリカ0.5部
を添加混合して、イエロー電子写真用トナーを得た。次
に着色剤C.I.ピグメントイエロー17の代わりにロ
ーダミン系顔料3.5部を使用して、体積平均粒径が8
μmのマゼンタトナーを得た。更にC.I.ピグメント
イエロー17の代わりにフタロシアニン顔料3.5部を
使用して、体積平均粒径が8μmのシアントナーを得
た。いずれの場合も5μm以下の微粉含有量が25%に
なるように調整した。
【0046】比較例1(表面処理工程なし) 実施例1と同じ混練物をジェットミル粉砕機で平均粒径
11.5μmになるように微粉砕し、さらに微粉分級し
て体積平均粒径が12μmのイエロー、マゼンタ、シア
ンのそれぞれのトナーを得た(疎水性シリカ0.5部添
加)。
【0047】比較例2(気流式分級機に連結していない
ローター式粉砕機で処理) 実施例1と同じ混練物をジェットミル粉砕機で平均粒径
11.5μmになるように微粉砕し、ターボミル単体を
使用して表面処理を行ったが、平均粒径が11.5μm
であった。さらに微粉分級して体積平均粒径が12μm
のイエロー、マゼンタ、シアンのそれぞれのトナーを得
た(疎水性シリカ0.5部添加)。
【0048】比較例3(過度に表面処理を施した場合) 実施例1と同じ混練物をジェットミル粉砕機で平均粒径
11.5μmになるように微粉砕し、DSタイプ気流式
分級機に連結したターボミルを使用して処理粉体の循環
量が多くなるように条件設定して表面処理を行ったが、
平均粒径7.5μmであった。さらに微粉分級して体積
平均粒径が8μmのイエロー、マゼンタ、シアンのそれ
ぞれのトナーを得た(疎水性シリカ0.5部添加)。
【0049】 比較例4(離型剤を含有しないマスターバッチ混練) 結着樹脂 スチレン−アクリル系共重合体(Tsr=63℃、 Tfr=94℃) 10.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練
し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉砕した。得られた
粉砕物に上記ポリエステル系重合体73.5部、離型剤
として低分子ポリプロピレン(Mpw=85℃)5.0
部、帯電制御剤としてサリチル酸系化合物5.0部を加
えて、2軸混練機を用いて溶融混練を行った。該混練物
をジェットミル粉砕機で平均粒径12μmになるように
微粉砕し、さらにDSタイプ気流式分級機に連結したタ
ーボミルを使用して表面処理を行ったが平均粒径11.
5μmであった。さらに微粉分級して、体積平均粒径が
12μmの微細粒子を得た。該微細粒子100部に対し
て疎水性シリカ0.5部を添加混合して、イエロー電子
写真用トナーを得た。次に着色剤C.I.ピグメントイ
エロー17の代わりにローダミン系顔料3.5部を使用
して、体積平均粒径が12μmのマゼンタトナーを得
た。更にC.I.ピグメントイエロー17の代わりにフ
タロシアニン顔料3.5部を使用して、体積平均粒径が
12μmのシアントナーを得た。
【0050】 比較例5(離型剤の融点MpwがTfr−5(℃)より高い場合) 結着樹脂 ポリエステル系重合体(Tsr=63℃、Tfr=87℃) 10.0部 離型剤 ポリエチレン(Mpw=85℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練
し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉砕した。得られた
粉砕物に上記ポリエステル系重合体73.5部、帯電制
御剤としてサリチル酸系化合物5.0部を加えて、2軸
混練機を用いて溶融混練を行った。該混練物をジェット
ミル粉砕機で平均粒径12μmになるように微粉砕し、
さらにDSタイプ気流式分級機に連結したターボミルを
使用して表面処理を行ったが平均粒径11.5μmであ
った。さらに微粉分級して、体積平均粒径が12μmの
微細粒子を得た。該微細粒子100部に対して疎水性シ
リカ0.5部を添加混合して、イエロー電子写真用トナ
ーを得た。次に着色剤C.I.ピグメントイエロー17
の代わりにローダミン系顔料3.5部を使用して、体積
平均粒径が12μmのマゼンタトナーを得た。更にC.
I.ピグメントイエロー17の代わりにフタロシアニン
顔料3.5部を使用して、体積平均粒径が12μmのシ
アントナーを得た。
【0051】 比較例6(離型剤の融点MpwがTsr+5(℃)より低い場合) 結着樹脂 ポリエステル系重合体(Tsr=81℃、Tfr=108℃) 10.0部 離型剤 カルナウバワックス(Mpw=80℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練を
行ったが、混練物から溶融した離型剤が分離して、混練
不可であった。着色剤をマゼンタ、シアントナー用に代
えても、同様に混練不可であった。
【0052】 比較例7(離型剤の融点MpwがTfr−5(℃)より高い場合) 結着樹脂 ポリオール系重合体(Tsr=72℃、Tfr=98℃) 10.0部 離型剤 フィッシャーワックス(Mpw=96℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練
し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉砕した。得られた
粉砕物に上記ポリエステル系重合体73.5部、帯電制
御剤としてサリチル酸系化合物5.0部を加えて、2軸
混練機を用いて溶融混練を行った。該混練物をジェット
ミル粉砕機で平均粒径12μmになるように微粉砕し、
さらにDSタイプ気流式分級機に連結したターボミルを
使用して表面処理を行ったが平均粒径11.5μmであ
った。さらに微粉分級して、体積平均粒径が12μmの
微細粒子を得た。該微細粒子100部に対して疎水性シ
リカ0.5部を添加混合して、イエロー電子写真用トナ
ーを得た。次に着色剤C.I.ピグメントイエロー17
の代わりにローダミン系顔料3.5部を使用して、体積
平均粒径が12μmのマゼンタトナーを得た。更にC.
I.ピグメントイエロー17の代わりにフタロシアニン
顔料3.5部を使用して、体積平均粒径が12μmのシ
アントナーを得た。
【0053】 比較例8(離型剤の融点MpwがTsr+5(℃)より低い場合) 結着樹脂 ポリオール樹脂(Tsr=72℃、Tfr=98℃) 10.0部 離型剤 ポリエチレン(Mpw=75℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練を
行ったが、混練物から溶融した離型剤が分離して、混練
不可であった。着色剤をマゼンタ、シアントナー用に代
えても、同様に混練不可であった。
【0054】 比較例9(実施例5に対して、2軸混練機で混練) 結着樹脂 ポリエステル系重合体(Tsr=75℃、Tfr=110℃) 40.0部 離型剤 低分子ポリプロピレン(Mpw=85℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練
し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉砕した。得られた
粉砕物に上記ポリエステル系重合体43.5部、帯電制
御剤としてサリチル酸系化合物5.0部を加えて、2軸
混練機を用いて溶融混練を行った。該混練物をジェット
ミル粉砕機で平均粒径12μmになるように微粉砕し、
さらにDSタイプ気流式分級機に連結したターボミルを
使用して表面処理を行ったが平均粒径11.5μmであ
った。さらに微粉分級して、体積平均粒径が12μmの
微細粒子を得た。該微細粒子100部に対して疎水性シ
リカ0.5部を添加混合して、イエロー電子写真用トナ
ーを得た。次に着色剤C.I.ピグメントイエロー17
の代わりにローダミン系顔料3.5部を使用して、体積
平均粒径が12μmのマゼンタトナーを得た。更にC.
I.ピグメントイエロー17の代わりにフタロシアニン
顔料3.5部を使用して、体積平均粒径が12μmのシ
アントナーを得た。
【0055】 比較例10(結着樹脂中の離型剤の分散径が0.1μmより小さい場合) 結着樹脂 ポリエステル系重合体(Tsr=75℃、Tfr=110℃) 10.0部 離型剤 低分子ポリプロピレン(Mpw=85℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 からなる組成の混合物を実施例1に対して大きな剪断力
をかけて溶融混練し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉
砕した。得られた粉砕物に上記ポリエステル系重合体7
3.5部、帯電制御剤としてサリチル酸系化合物5.0
部を加えて、2本ロールを用いて2時間溶融混練を行っ
た。該混練物をジェットミル粉砕機で平均粒径12μm
になるように微粉砕し、さらにDSタイプ気流式分級機
に連結したターボミルを使用して表面処理を行ったが平
均粒径11.5μmであった。さらに微粉分級して、体
積平均粒径が12μmの微細粒子を得た。該微細粒子1
00部に対して疎水性シリカ0.5部を添加混合して、
イエロー電子写真用トナーを得た。次に着色剤C.I.
ピグメントイエロー17の代わりにローダミン系顔料
3.5部を使用して、体積平均粒径が12μmのマゼン
タトナーを得た。更にC.I.ピグメントイエロー17
の代わりにフタロシアニン顔料3.5部を使用して、体
積平均粒径が12μmのシアントナーを得た。
【0056】 比較例11(マスターバッチ混練無し) 結着樹脂 ポリエステル系重合体(Tsr=75℃、Tfr=110℃) 83.5部 離型剤 低分子ポリプロピレン(Mpw=85℃) 8.0部 着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 帯電制御剤 サリチル酸系化合物 5.0部 からなる組成の混合物を2軸混練機を用いて溶融混練
し、冷却固化後、ハンマーミルで粗粉砕した。該粗粉砕
物をジェットミル粉砕機で平均粒径12μmになるよう
に微粉砕し、さらにDSタイプ気流式分級機に連結した
ターボミルを使用して表面処理を行ったが平均粒径1
1.5μmであった。さらに微粉分級して、体積平均粒
径が12μmの微細粒子を得た。該微細粒子100部に
対して疎水性シリカ0.5部を添加混合して、イエロー
電子写真用トナーを得た。次に着色剤C.I.ピグメン
トイエロー17の代わりにローダミン系顔料3.5部を
使用して、体積平均粒径が12μmのマゼンタトナーを
得た。更にC.I.ピグメントイエロー17の代わりに
フタロシアニン顔料3.5部を使用して、体積平均粒径
が12μmのシアントナーを得た。
【0057】これらの実施例及び比較例で得られたフル
カラー電子写真用トナーを使用し、(株)リコー製複写
機PRETER550により画像評価及び耐久性評価を
行った。その結果を表1に示す。又これらの実施例、比
較例における凝集度の測定法は、パウダーテスターを用
いて行った。すなわち、トナー2.0gを目開き150
μm、75μm、45μmの篩を通過させた時の、それ
ぞれの篩上の残トナー量を測定して、以下に示す式を用
いて算出した。
【0058】凝集度(%)=(A+0.6×B+0.2
×C)/2.0×100 A:目開き150μmの篩上のトナー残量(g)、B:
目開き75μmの篩上のトナー残量(g)、C:目開き
45μmの篩上のトナー残量(g) 色再現性については以下に示す方法で評価できる。PR
ETER550によって得られた複写画像に対して色彩
色度計X−reteを使用して、明度L1、色相a1、彩
度b1を求める。また複写に使用したオリジナル画像に
対しても同様にL0、a0、b0を測定して、以下に示す
式を用いて△E(色差)を求める。
【0059】△E=〔(L0−L12+(a0−a12
(b0−b121/2 △E≦3:色再現性に優れ、全く問題ない 3<△E≦5:色再現性は若干劣るが、実使用上問題な
いレベル 5<△E≦7:色再現性に劣り、使用するのは困難 7<△E:使用不可レベル また解像度については、縦線、横線がそれぞれ1mmあ
たり2.0、2.2、2.5、2.8、3.2、3.
6、4.0、4.5、5.0、5.6、6.3、7.1
本の線が等間隔に並んでいる線画像に対して、複写画像
が線間をどこまで忠実に再現できているかを評価する。
即ち再現できている1mmあたりの本数が解像度にな
る。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】これまでの説明で明らかように、本発明
のフルカラー電子写真用トナーの製造方法によれば、結
着樹脂、着色剤、離型剤のみからなる混合物を溶融混練
することによって、結着樹脂中の着色剤、離型剤の分散
が飛躍的に向上したマスターバッチが得られる。該混練
時には従来必要としていた大きな剪断力は不要であり、
連続混練機も使用可能となる。さらに該マスターバッチ
を使用した系の粗粉砕したものをジェット粉砕機等で粉
砕処理した後に、気流分級機に連結したローター式粉砕
機等を用いて球形処理することによって、非常に容易に
効率良くフルカラー電子写真トナーが得られる。また本
発明の製造方法で得られたフルカラー電子写真用トナー
は、結着樹脂中の着色剤分散径が1μm以下、離型剤分
散径が0.1μm以上で2μm以下であり、帯電立ち上
がり比率が70%以上であることにより、低い着色剤濃
度でも高い着色度で光透過性に優れ、画像品質において
も色調再現性に優れて、トナー飛散も発生せずに安定し
た画像が得られる。また、流動性、保存性においても良
好な水準が得られて、定着時の耐オフセット性にも優れ
る。特に離型剤にポリエステル系ワックス、カルナウバ
ワックスを使用することによって、品質改善効果は顕著
である。さらに体積平均粒径を9μm以下及び5m以下
の微粉含有量を20%以下に調整することによって、解
像度が向上しより鮮明な画像が得られる。
フロントページの続き (72)発明者 矢口 宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 木下 宣孝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平8−123076(JP,A) 特開 平9−80817(JP,A) 特開 平9−288377(JP,A) 特開 平9−251217(JP,A) 特開 平7−199538(JP,A) 特開 平7−49583(JP,A) 特開 平7−244399(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 - 9/097

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子なくとも結着樹脂と着色剤、離型
    剤、帯電制御剤を主成分とする少写真用トナーにおい
    て、結着樹脂中の着色剤分散径は1μm以下、離型剤分
    散径は0.1μm以上で2μm以下であり、常温常湿
    下、トナー濃度5%の条件下でキャリアと10分間攪拌
    混合した時に得られる帯電量Q600に対して、同じ条
    件下で20秒間攪拌混合した時に得られる帯電量をQ
    20とすると、 Z(%)=(Q20/Q600)×100 で計算される帯電立ち上がり比率が70%以上であっ
    て、結着樹脂、着色剤、離型剤のみからなる混合物を1
    段目溶融混練して、得られた混練物を冷却破砕して、該
    破砕物に結着樹脂、帯電制御剤を加えて2段目の溶融混
    練を行うことにより製造されたことを特徴とするフルカ
    ラー電子写真用トナー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するフルカラー電子写真
    用トナーにおいて、結着樹脂の軟化温度をTsr、結着樹
    脂の流出開始温度をTfrとした時に、離型剤の融点Mpw
    が Tsr+5<Mpw<Tfr−5(℃) の範囲にあることを特徴とするフルカラー電子写真用ト
    ナー。
  3. 【請求項3】 請求項1,2において離型剤がエステル
    系の離型剤であることを特徴とするフルカラー電子写真
    用トナー。
  4. 【請求項4】 請求項1,2において離型剤がカルナウ
    バワックスであることを特徴とするフルカラー電子写真
    用トナー。
  5. 【請求項5】 請求項1,2に記載するフルカラー電子
    写真用トナーの体積平均粒径が9μm以下であることを
    特徴とするフルカラー電子写真用トナー。
  6. 【請求項6】 請求項1,2に記載するフルカラー電子
    写真用トナーの5μm以下の微粉含有量が20個数%以
    下であることを特徴とするフルカラー電子写真用トナ
    ー。
  7. 【請求項7】 請求項1,2においてフルカラー電子写
    真用トナーの凝集度が4〜20%以下であることを特徴
    とするフルカラー電子写真用トナー。
  8. 【請求項8】 結着樹脂、着色剤、離型剤のみからなる
    混合物を1段目の溶融混練して、得られた混練物を冷却
    破砕して、該破砕物に結着樹脂、帯電制御剤を加えて2
    段目の溶融混練を行うことを特徴とするフルカラー電子
    写真用トナーの製造方法。
  9. 【請求項9】 1段目の混練物100重量部において、
    着色剤が10から40重量部、離型剤が10から50重
    量部の範囲で含有して1段目の溶融混練を行うことを特
    徴とする請求項8記載のフルカラー電子写真用トナーの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 圧縮空気及び衝突板を主構成要素とし
    て具備してなるジェット式粉砕機にて粉砕原料の1次粉
    砕を行った後、外壁としての固定容器と該固定容器と中
    心軸を同一にする回転片とを主構成要素として、具備し
    てなるローター式粉砕機が気流分級装置に連結されてお
    り、該気流分級手段により分級されることによって微粉
    体が該ローター式粉砕機と該気流分級装置とを循環して
    2次粉砕を行うことを特徴とする請求項8又は9記載の
    フルカラー電子写真用トナーの製造方法。
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