JP2993624B2 - カラートナーの製造方法 - Google Patents

カラートナーの製造方法

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JP2993624B2 JP4191439A JP19143992A JP2993624B2 JP 2993624 B2 JP2993624 B2 JP 2993624B2 JP 4191439 A JP4191439 A JP 4191439A JP 19143992 A JP19143992 A JP 19143992A JP 2993624 B2 JP2993624 B2 JP 2993624B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法及び磁気記録法等に用いられるカラートナーの製造方
法に関し、更に詳しくは、乾式法にてカラートナーを製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法においては、一般的に、光導
電性物質を利用して種々の方法により感光体上に電気的
潜像を形成し、次いでトナーを用いて該潜像を現像し、
必要に応じて紙等の被転写材にトナー画像を転写した後
に種々な方法で定着を行い複写物を得る方法がとられ
る。この際に用いられるトナーとしては、一般的に乾式
トナーと湿式トナーとに分類されるが、湿式トナーに使
用されている溶剤の揮発、回収及び臭い等の問題から、
近年は乾式トナーが主流を占めている。又、トナーは画
像を形成する粉体であるが、画像形成が正確になされる
為にはトナー粒子に数多くの機能を持たせる必要があ
る。例えば、帯電性、搬送性、定着性、着色力及び保存
性等である。従って、トナーは各種原料の混合物として
作成される。
【0003】乾式トナーの製造方法としては、粉砕法、
重合法又はカプセル化法等が挙げられるが、一般には粉
砕法が主流を占めている。粉砕法による一般的なカラー
トナー製造方法としては、先ず、被転写材に定着させる
為の結着樹脂、カラートナーとしての色味を出させる為
の各種着色剤、及び荷電制御剤等、必要に応じて添加さ
れるその他の添加物から成る原料を乾式混合し、然る
後、ニーダー、ロールミル、エクストルーダーの様な汎
用の混練装置にて温度をかけながら、主に圧縮力及び剪
断力により溶融混練し、冷却固化した後に必要に応じて
粗粉砕を行い混練粗砕物を作り、その後、ジェットミル
等の微粉砕装置を用いてカラートナーとして適切な粒径
に微粉砕を行う。その後、必要により各種分級機により
分級を行って、カラートナーとして十分な性能を発揮し
得る粒度分布に粒子サイズを揃える。更には必要に応じ
て、流動性向上剤や滑剤、研磨剤等を乾式混合し、カラ
ートナーとして用いる。又、いわゆる、2成分トナーと
して用いる場合には、これを各種磁性キャリアと混合し
た後に、現像剤として画像形成に供する。
【0004】カラートナーの性能に関する要素として着
色力及び透過性がある。着色力及び透過性は、着色剤の
量によっても左右されるが、着色剤の分散具合によって
も大きく左右される。カラートナーにおけるカラートナ
ー粒子中の各種原料の分散状態は、粉砕法によるカラー
トナーの製造方法においては、原料を混合する工程と混
練する工程とによってほぼ決まる。原料混合に用いられ
る製造装置としては、通常、Vブレンダー、Wコーンの
如き容器回転型混合機や、ヘンシェルミキサーの如き高
速撹拌型混合タイプの混合装置が用いられ、これらの装
置により調整された混合物は、ニーダーやエクストルー
ダー等により溶融混練される。しかしながら、粉砕法に
よるカラートナーの製造方法で得られる混練物は、結着
樹脂中の、特に着色剤の分散状態が不十分な為、カラー
トナーとしての着色力及び透過性に劣る。
【0005】そこで、これらの問題点を一部改良する為
になされた製造方法が、図3及び図9の従来例の製造工
程図に示した、第一混練工程と第二混練工程とを有する
製造方法である。即ち、第一混練工程において、少なく
とも第二混練工程で得られる混練物の着色剤の含有率以
上の着色剤を含有した高濃度の着色剤含有樹脂を混練
し、更に第二混練工程では、必要に応じて結着樹脂や荷
電制御剤等の添加物を加えて希釈混合した後、ニーダー
やエクストルーダーの様な混練機を用いて混練を行い、
カラートナー混練物を得るものである。しかしながら、
上記の製造方法において、第一混練工程の原料混合工程
に使用される混合機としては、Vブレンダー、Wコーン
の如き容器回転型混合機や、ヘンシェルミキサーの如き
高速撹拌型混合タイプの混合装置が用いられており、各
原材料をミクロ的に分散させることが出来ず、混合及び
混練の条件を工夫したとしても、十分に満足な原材料の
分散あるいは濡れ性が得られないことが多い。更に、原
材料の粒度に着目してみると、一般的には確かに、原材
料粒度の小さい方が分散あるいは濡れ等がよいはずであ
るが、実際には粒度を小さくすると原材料粒子の凝集力
が強まり、予備混合時の十分な分散が得られない。又、
粒子が細かくなるほど空気を含み易くなり、十分な混練
分散が得られなくなる。
【0006】又、第一混練工程に使用される代表的な混
練機は三本ロールミルであるが、斯かる混練機の混練操
作は回分操作であり、種々の混練条件、即ち、混練温
度、ロール回転数、ロール間クリアランス、各ロール回
転比及びパス回数(処理回数)等の条件を微妙に変化さ
せながら、作業員が付きっきりで混練することが行わ
れ、混練物中の着色剤等の分散状態を均一にコントロー
ルする為には、非常に熟練を要する工程となっている。
更に、パス回数においては、少なくとも2回以上好まし
くは4回以上繰り返し回分処理をする必要があり、この
度に人的手段による作業が行われる為、機械の構造上の
安全性という面においても不安が伴う製造方法である。
更に、トナーの品質面においては、近年、複写機やプリ
ンター等の性能の向上に伴いカラートナー自体に要求さ
れる性能も一段と厳しくなってきているが、この様な高
性能のカラートナーを得ようとしても、前記した従来の
製造方法では、例えば、着色剤の微分散や着色剤の濡
れ、又は他の内添剤の分散等において必ずしも満足なカ
ラートナーが得られないことが多い。これら、分散や濡
れ等の不十分なカラートナーは、結果として、得られる
画像の画像濃度の低下、透過性の低下、その他の性能の
低下の原因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記の従来技術の問題点を解決し、着色剤等の分散
性を改良し、より高性能なカラートナーを作成する為の
製造方法を提供するものである。本発明の目的を更に詳
しく述べれば、着色剤、その他の内添剤の分散性を向上
させたカラートナーの製造方法を提供するものである。
即ち、本発明の目的は、着色剤の分散及び濡れを向上さ
せ、粉砕により微粒化したとしても粒子ごとの各成分の
比率の変化が小さく、且つ微分散された、着色力が高
く、且つ色調の鮮明な透過性の高い優れたカラートナー
が得られるカラートナーの製造方法を提供するものであ
る。又、本発明の目的は、粉砕による内添成分の遊離が
少なく、現像スリーブやキャリア等に対する汚染が発生
することが少ないカラートナーの製造方法を提供するも
のである。更に本発明の目的は、材料の偏折がなく、現
像性が良好で耐久性がよく、カブリもなく、更には、環
境特性の良好なカラートナーの製造方法を提供するもの
である。更に本発明の別の目的は、人的作業を主体と
し、しかも経験と作業者の勘に頼った熟練が不要であ
り、且つ繰り返しの回分操作が全く不要である連続処理
の混練方法を用いた高品質のカラートナーを効率よく生
産し得るカラートナーの製造方法を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、少なくとも、結着樹脂
と着色剤とを含有した原料混合物を、混練機で溶融混練
する第一混練工程と、該第一混練工程で得られた混練物
を、少なくとも同種または異種の結着樹脂で希釈混合
し、更に該希釈混合物を溶融混練する第二混練工程とを
有し、且つ第二混練工程で得られた混練物を粉砕してカ
ラートナーを製造するカラートナーの製造方法におい
て、第一混練工程で溶融混練を行う前に、原料混合物を
造粒して造粒物の嵩密度を原料混合物の1.3倍以上に
、得られた該造粒物を連続式二本ロール型混練機を用
いて溶融混練し、且つ該混練機における混練物の平均滞
留時間が少なくとも2分以上であることを特徴とするカ
ラートナーの製造方法であり、本発明の第二の発明は、
少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有した原料混合物を
混練機で溶融混練する第一混練工程と、該第一混練工程
で得られた混練を、少なくとも同種または異種の結着
樹脂で希釈混合し、更に該希釈混合物を溶融混練する第
二混練工程とを有し、且つ第二混練工程で得られた混練
物を粉砕してカラートナーを製造するカラートナーの製
造方法において、第一混練工程における混練機へ供給す
原料混合物の混合にメディア及び該メディアを運動
させるための回転するアジテーターアームを有する乾式
分散機を用い、原料混合物の混練に連続式二本ロール型
混練機を用い、且つ該混練機における混練物の平均滞留
時間が少なくとも2分以上であることを特徴とするカラ
ートナーの製造方法である。
【0009】
【作用】本発明者らは、従来技術の問題点を解決すべく
鋭意研究した結果、従来の第一混練工程と第二混練工程
とを有するカラートナーの製造方法において、第一混練
工程で溶融混練を行う前に、原料混合物を造粒して造粒
物の嵩密度が原料混合物の1.3倍以上になるように
、且つ得られた造粒物を溶融混練する第一混練工程で
使用する混練装置を、従来の三本ロールミル等ではな
く、連続式二本ロール型混練機とすれば、特に着色剤の
濡れ性を向上させることが出来ることを知見して本発明
の第一の発明を完成した。又、従来の第一混練工程と第
二混練工程とを有するカラートナーの製造方法におい
て、第一混練工程における原料の混合に、従来の混合装
置でなく、強い剪断力を有した乾式分散機、特に、メデ
ィア及び該メディアを運動させるための回転するアジテ
ーターアームを有する乾式分散機を用い、且つ原料混合
物の混練に使用する混練装置、従来の三本ロールミル
等ではなく、連続式二本ロール型混練機を用いれば、上
記の本発明の第一の発明と同様に、特に着色剤の濡れ性
を向上させることが出来ることを知見して本発明の第二
の発明を完成した。
【0010】
【好ましい実施態様】好ましい実施態様を挙げて、図面
に従って本発明の第一の発明について更に詳細に説明す
る。図1に本発明方法に使用される、第一混練工程の原
料混合工程及び造粒工程に用いられる混合造粒機の一例
を示した。又、第一混練工程の混練に用いた連続式二本
ロール型混練機の一例を図2に示した。以下、これらに
ついて詳細に説明する。図1の混合造粒機において、1
は本体ケーシング、2はジャケット、3は本体カバー、
4は主羽根、5は造粒羽根である。この装置では、主羽
根4及び造粒羽根5が高速回転することにより、剪断作
用を主体とした混合作用により、被処理物の凝集体を解
砕しながら短時間で十分な混合が行われる。更に、撹拌
時に発生するシェア熱(主に主羽根4の回転により発
生)により被処理物は温度が上昇し、被処理物の成分が
一部軟化して被処理物が造粒されるものである。造粒羽
根5は造粒効果と共に整粒効果も有する。
【0011】図1のごとき混合造粒機に投入された原料
は、主羽根4及び造粒羽根5の高速回転運動による剪断
作用を主体とした混合作用により、着色剤等の原料凝集
体が解砕されながら混合される。更には、混合時に発生
するシェア熱により混合物の温度は、混合操作中に徐々
に上昇し、やがて混合物の一部が軟化し始め、これを核
として該混合物は造粒される。尚、図1に示した様な混
合造粒機においては、主羽根形状、造粒羽根形状、羽根
回転数、処理時間等の操作条件は、使用原料及び所望の
混合状態、造粒状態により適宣設定すればよい。又、本
体ケーシング1をジャケット構造とし、熱媒体あるいは
冷媒体を供給することにより混合造粒物の温度をコント
ロールすることは、造粒時間の短縮や付着対策という面
においても、より好ましい。
【0012】本発明の第一混練工程における原料を混合
する工程と造粒する工程とは、夫々別の装置で混合及び
造粒行われる様な機能分離した装置、例えば、容器回
転型混合機で混合し、得られた混合物をローラー圧縮造
粒装置で造粒してもよい。又、本発明の第一混練工程に
用いられる混合機、造粒機は、これらのタイプに限定し
たものではなく、あらゆるタイプの混合機及び造粒機を
使用することが可能である。又、本発明の第一混練工程
用いる造粒物は、その嵩密度、原料混合物の嵩密度
の1.1以上であるものでもよいが本発明において
は、1.3倍以上の嵩密度を有するものを用いる。尚、
原料混合物、造粒物の嵩密度の測定は、パウダーテスタ
ー(ホソカワミクロン社製)にてすべて測定した。
【0013】次に、第一混練工程の混合及び造粒工程に
おいて得られた造粒物を、第一混練工程の混練工程にて
混練する。本発明方法においては、この際に使用する混
練機として連続式二本ロール型混練機を使用する。連続
式二本ロール型混練機は、図2に例示した様に、表面に
少なくとも、ら線状の複数条の溝を有した円筒形状の互
いに内側方向に回転する2本のロール状回転軸13及び
14を有する。13はフロントロールであり、14はバ
ックロールである。連続式二本ロール型混練機では、図
1に示した原料供給部11に、造粒物をスクリューフィ
ーダー等を用いて定量的に連続供給しながら混練を行
う。連続式二本ロール型混練機の各ロール回転軸13及
び14は、内部が中空状になっており、蒸気又は温水等
の熱媒体、あるいは冷却水等の冷媒を供給することより
各ロールの表面温度を任意に制御することができる構造
となっている。更に、各ロールの原料供給側のロール表
面温度と、混練物排出側のロール表面温度とを、異なっ
た温度に制御することが出来るような構造であればより
好ましい。
【0014】原料供給部11に供給された造粒物は、ロ
ール内の中空部に充填された熱媒体によるロール表面に
おける伝熱作用により、加熱されると同時にロールの回
転に伴い、ロール13及び14間の間隙部で急激な圧縮
力及び剪断力が与えられ、発熱しながら溶融し、ロール
表面に付着した状態でロール間隙部にて繰り返し圧縮、
剪断を受けて混練されながら、ロールの原料供給部11
を有する端部とは逆の他端側にある混練物排出部12側
へと移送される。混練物の移送は、原料供給部11から
連続的に原料が供給される為、原料供給部11における
ロール13及び14間に滞留している原料が他の部分よ
りも常に多くなり、つまりロール間に形成されるバンク
(混練物滞留品)量が原料供給部11がもっとも多くな
る為、軸方向に圧力差を生じこれが推進力となって混練
物が移送される。更に、ロール13及び14の表面部に
設けられた、ら線状の溝により、発生するスクリュー効
果により、混練物が移送される。
【0015】上記の様な混練機で処理される原料の形態
を造粒物とすることは、従来の造粒しない状態の粉体の
混合物原料をそのまま混練した場合と比べ、原料の濡れ
性及び嵩密度が増加し、原料供給量としての処理容積の
減少、流動性の改質(特にフラッシング性)の効果が得
られる。この結果、原料供給部11における原料のロー
ル間での食い込み性が向上するだけでなく、ロール間で
の未処理原料のフラッシング防止に効果的であり、ピス
トンフロー性が向上する。以上の様にして、ロール間に
て繰り返し圧縮及び剪断力を連続的に受けながら、混練
物は着色剤等が十分均一に分散された状態で連続的に混
練物排出部12より排出される。
【0016】又、混練物を連続的に排出させる為には、
混練機の構造上、排出部12付近での混練物をフロント
ロール13に付着させておくことが必要であり、この為
には、フロントロール13の回転数をバックロール14
の回転数と同等以上の回転数とするか、又は排出側の各
ロール温度について、フロントロール13の温度をバッ
クロール14と同等かそれ以上とすることが重要であ
る。又、原料供給側11において、原料を効率よく溶融
させる為にしばしば熱媒体が使用されるが、一度溶融し
た溶融原料は、くり返し作用する圧縮力及び剪断力によ
り発熱し、原料の粘度低下が起こる結果、圧縮力及び剪
断力が効率的に与えられなくなる傾向を有している。し
かしながら、本発明に使用される連続式二本ロール型混
練機のロール内部は2分割型であり、この為ロールの排
出側内部に冷却水等の冷媒を供給することにより混練物
を冷却することが可能であり、混練物の粘度低下を抑制
することが出来、効率的な混練が可能となっている。特
に、溶融粘度の低いシャープメルト性のある結着樹脂を
使用する場合においては効果は大きい。
【0017】以上説明した様に、本発明方法の第一混練
工程に用いられる連続式二本ロール型混練機は、従来の
三本ロールミルの様な繰り返しのパス(回分)操作が必
要でなく、原料の連続供給及び連続排出することが出来
る。更に、混練作業上、作業者の経験的な勘による熟練
を要した運転手法を必要とすることなく、運転の初期条
件、即ち、混練速度、ロールの加熱及び冷却温度、各ロ
ールの回転数及びロール間隙等を設定することにより、
常時安定した品質の混練物が連続的に得られ、しかも無
人化運転も可能な程の高い信頼性を持っている。
【0018】以下に、本発明方法で使用する連続式二本
ロール型混練機の好ましい運転条件について更に詳しく
説明する。各ロールの回転数としては、極度な発熱を防
止するため150回転/分以下が好ましく、100回転
/分以下であれば更に好ましい。ロール回転数は、高け
れば高い程混練物に与える圧縮力及び剪断力は大きくな
るが、同時に発熱量も増加する為、冷却効果が十分でな
い場合には混練物の温度制御が困難となり、混練物温度
が上昇し、この結果混練物の粘度が低下し、十分なシェ
アーがかからず、結着樹脂中の着色剤の分散状態が不十
分となる場合がある。又、各ロールの回転比としては、
高回転側ロールと低回転側ロールとの回転比が1:1〜
1:0.1の範囲であることが好ましいが、1:0.4
〜1:0.85の範囲内であれば、混練物に対しより効
果的に剪断力及び圧縮力がかかり、着色剤等の分散状態
が良好となる。
【0019】又、ロール間隙としては、狭い程混練物に
与える圧縮力及び剪断力は大きくなるが、発熱量も大き
くなる為に、十分な冷却がなされない場合には混練物の
温度が上昇し、混練物の粘度が低下して、十分な圧縮力
及び剪断力を混練物に作用させることが出来ず、結着樹
脂中の着色剤の分散状態が不十分になるばかりでなく、
ロール間隙を通過する混練物の単位ロール長当りの通過
量も減少する為、生産性にも逆効果となる場合がある。
従ってロール間隙は、0.3mmから3mmの範囲であ
ることが好ましい。
【0020】又、混練物の平均滞留時間は、ロール外
径、ロール間隙、有効ロール長、混練物処理速度及び混
練物密度等の因子により決まるものであるが、結着樹脂
中の着色剤を均一に分散する為には、少なくとも2分以
上の平均滞留時間を要し、5分以上であればより好まし
い。平均滞留時間の定義を式で示すと、下記の様であ
る。
【0021】 θs =300・π・L・ρ・Δd・(Δd+D)・1/F ここで、夫々の記号は以下のものを表す。 θs :平均滞留時間〔min〕 L :有効ロール長〔m〕 D :ロール外径 〔m〕 Δd:ロール間隙〔m〕 F :混練物処理速度〔Kg/H〕 ρ :混練物密度〔Kg/m3〕 π :円周率
【0022】以上の様にして得られた混練物は、冷却
後、必要に応じて粗砕された後、第二混練工程におい
て、少なくとも同種または異種の結着樹脂と荷電制御剤
等の添加物を加え混合した後、エクストルーダー等に代
表される様な混練機にて希釈混練を行い、得られた混練
物を必要に応じて冷却、粗砕し、ジェットミル等の微粉
砕機にて粉砕した後、分級して粗砕及び微粉をカット
し、更に必要に応じて外添工程を経て、カラートナーが
得られる。この様にして得られたカラートナーは、結着
樹脂中に、より均一に着色剤が微分散している為、着色
力が増加し、従来よりも着色剤の高い濃度を確保するこ
とが出来、更に高い透過性が得られる。
【0023】本発明で使用されるカラートナー用の結着
樹脂としては、公知のものがすべて使用可能である。例
えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリ
ビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合
体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン
−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重
合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン
−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、
スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エ
チル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルケトン共
重合体、スチレン−ブタンジエン共重合体、スチレン−
イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イ
ンデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチ
レン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重
合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポ
リアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ
アマイド、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、
テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭
化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パ
ラフィンワックス等が単独或いは混合して使用すること
が出来る。
【0024】特に、溶融粘度が100℃で5×105
イズ以下、好ましくは1×105ポイズ以下の樹脂に対
して、本発明の効果は大きい。尚、溶融粘度の測定方法
は次の通りである。溶融粘度測定方法フローテスターC
FT−500型(島津製作所製)を用い、下記の操作に
より測定する。60メッシュの篩をパスした試料を、約
1.0〜1.5g秤量する。これを成形器に入れ、10
0kg/cm2の加重で1分間加圧し、測定用の試料を
作製する。上記のフローテスターを用い、この加圧サン
プルを下記の条件で常温常湿下(温度約20〜30℃、
湿度30〜70%RH)でフローテスター測定を行い、
湿度−見掛け粘度曲線を得る。得られたスムース曲線よ
り、100℃の見掛け粘度を求め、それを試料の温度に
対する溶融粘度とする。 ・RATE TEMP 6.0 D/M(℃1分) ・SET TEMP 70.0 DEG(℃) ・MAX TEMP 200.0 DEG(℃) ・INTERVAL 3.0 DEG(℃) ・PREHEAT 300.0 SEC(秒) ・LOAD 20.0 KGF(kg) ・DIE(DIA) 1.0 MM (mm) ・DIE(LENG) 1.0 MM (mm) ・PLUNGIR 1.0 CM2 (cm2
【0025】又、本発明で使用されるカラートナー用の
着色剤も公知のものがすべて使用可能である。例えば、
カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラッ
ク、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック
等の黒色着色剤、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化
鉄、チタン黄、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、
ピグメントイエロー、ベンジジンイエロー、パーマネン
トイエロー、キノリンイエローレーキ、アンスラピリミ
ジンイエロー等の黄色着色剤、パーマネントオレンジ、
バルカンファストオレンジ、ベンジンオレンジ、インダ
ンスレンブリリアントオレンジ等の橙色着色剤、酸化
鉄、アンバー、パーマネントブラウン等の褐色着色剤、
ベンガラ、アンチモン末、パーマネントレッド、ファイ
アーレッド、ブリリアントカーミン、ライトファスレッ
ドトーナー、パーマネントカーミン、ピラゾロンレンレ
ッド、ボルドー、ヘリオボルドー、ローダミンレーキ、
チオインジゴレッド、チオインジゴマルーン等の赤色着
色剤、コバルト紫、ファストバイオレット、ジオキサジ
ンバイオレット等の紫色着色剤、コバルトブルー、セル
リアンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシ
アニンブルー、インダンスレンブルー、インジゴ等の青
色着色剤、クロムグリーン、コバルトグリーン、グリー
ンゴールド、フタロシアニングリーン、ポリクロム銅フ
タロシアニン等の緑色着色剤があり、
【0026】特に好ましくは、カーボンブラック、C.
I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエ
ロー15、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.
ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー
12、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメン
トレッド3、C.I.ピグメント2、C.I.ピグメン
トレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピ
グメントレッド122、C.I.ピグメントレッド20
2、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベン
トレッド52、C.I.ベイシックレッド12、C.
I.ベイシックレッド1、C.I.ベイシックレッド3
b、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメン
トブルー16、又は下記で示される構造式(1)有す
る、フタロシアニン骨格にカルボキシベンズアミドメチ
ルキ基を2〜3個置換したBa塩である銅フタロシアニ
ン顔料等である。
【0027】
【化1】
【0028】次に、本発明方法の第二の発明について説
明する。本発明の第二の発明では、図9の工程図に示し
た様に第一混練工程の原料を混合する工程に、従来の混
合装置を用いるのではなく、強い剪断力を有した乾式分
散機、特にメディア及び該メディアを運動させるため
の回転するアジテーターアームを有する乾式分散機を用
いて混合することを特徴とする。図8に、本発明方法で
使用されるメディアを用いた乾式分散機の一例を示す。
以下、これについて詳細に説明する。図8において、7
1は本体容器であり、72はアジテーターシャフト、7
3はアジテーターアーム、74はボールである。
【0029】この装置では、アジテーターアーム73が
高速回転することにより、メディアとしての複数のボー
ル74が運動し、これらのボール間の、剪断力、圧縮力
及び衝撃力により被処理物がより均一に分散される。即
ち、本発明方法においては、先ず、少なくとも結着樹脂
と着色剤とを含む原料を上記の様な乾式分散機(図8)
に投入し、メディア間の剪断力、圧縮力及び衝撃力によ
り、結着樹脂と着色剤とをより均一に混合、分散させ
る。このメディア間に生じる繰り返し剪断作用により、
特に凝集性の強い着色剤のごとき微細原料が結着樹脂粒
子表面近傍に十分に分散され、ミクロ的に精密混合され
る。
【0030】上記の乾式分散機において、メディアとし
てのボール74の材質及びボール径、アジテーターアー
ム73の回転数及び分散時間は、使用する原料及び所望
の分散状態により適宜設定すればよい。メディアとして
のボール、アジテーターアーム及びタンクの材質は、耐
摩耗性の優れたセラミック製とするのがより好ましい。
又、タンクをジャケット構造として、冷媒を通すことに
よりタンクを冷却することは、発熱を抑えることが出来
る為、より好ましい。又、本発明方法の第一混練工程の
原料を混合する工程において、より均一な混合、分散を
所望する場合には、かかる乾式分散を行う前に予備混合
を行ってもよい。
【0031】本発明の第二の発明方法では、第一混練工
程の混合工程において、この様にして得られた混合物を
第一混練工程の混練工程にて混練する。この際に使用さ
れる混練機は、第一の発明方法と同様に連続式二本ロー
ル型混練機を使用する。使用する条件等も第一の発明方
法と同様である。又、トナーに使用する結着樹脂及び着
色剤等の原料も、第一の発明方法と同様である。
【0032】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
更に具体的に説明する。実施例1〜実施例3は、本発明
の第一のカラートナーの製造方法に関するものであり、
実施例〜実施例は、本発明の第二のカラートナーの
製造方法に関するものである。先ず、本発明で使用した
カラートナーの処方を以下に示す。 第一混練工程処方 ・不飽和ポリエステル樹脂 60重量部 ・銅フタロシアニンン顔料(C.I.ピグメントブルー15) 40重量部 第2混練工程処方 ・不飽和ポリエステル樹脂 100重量部 ・で得られた高濃度着色剤含有樹脂粗砕物 12重量部 ・荷電制御性(サリチル酸クロム錯体) 4重量部
【0033】実施例1 上記処方の材料を図1に示す混合・造粒装置を用い
て、以下の様に混合、造粒を行った。有効容量は62リ
ットルのものを用いた。上記の処方の材料3kgを、
混合・造粒装置に投入し、主羽根根回転数400回転/
分、造粒羽根回転数1450回転/分にて3分間混合を
行った。更に、主羽根回転数を850回転/分、造粒羽
根回転数2950回転/分にて混合物温度が55℃にな
るまで撹拌を行った後、主羽根回転数150回転/分、
造粒羽根回転数1450回転/分にて造粒を行った。
尚、混合物の温度を55℃に保持できる様に、ジャケッ
トに冷却水を供給し、温度調節を行った。更に、主羽根
の負荷動力が上昇傾向を示した時点で、主羽根回転数7
00回転/分にて30秒間運転して造粒物を得た。この
様にして得られた造粒物の嵩密度は、原料混合物の約
1.6倍(パウダーテスター測定)であった。
【0034】得られた造粒物をテーブルフィーダーに
て、図2に示した連続式二本ロール型混練機に定量的に
供給して混練を行い、高濃度着色剤含有樹脂を得た。こ
の際に使用した連続式二本ロール型混練機は、ロール外
径0.12〔m〕、有効ロール長0.8〔m〕のもので
あり、運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)
回転数50回転/分、ロール回転比1:0.8、ロール
間隙0.0005〔m〕、ロール内の加熱及び冷却媒体
温度は、高回転ロールの原料投入側が60℃及び混練物
排出側が45℃であり、低回転ロールの原料投入側が3
0℃及び混練物排出側が30℃、原材料混合物の供給速
度は、5kg/時、平均滞留時間は約9分であった。
【0035】次に、上記の様にして得られた高濃度着色
剤含有樹脂の混合物を、冷却後ハンマータイプの粗砕機
にて1m/mのスクリーンを使用して粗砕した後、第二
混練工程の処理を行った。即ち、処方の割合で原料1
0kgを計量し、高速撹拌型の混合機にて、羽根回転数
850回転/分、処理時間2分の条件にて混合した後、
該混合物をエクストルーダー(池貝鉄工 PCM−3
0)にて希釈混練を行った。運転条件は、バレル設定温
度100〔℃〕、スクリュー回転数300〔回転/
分〕、原料供給速度20〔kg/時〕であった。
【0036】得られたトナー混練物を冷却ベルトにて冷
却後、φ2〔mm〕のスクリーンを有するスピードミル
にて粗砕した。この粗砕物をキシレンに溶解させて粘度
を調整した後、OHPシート上に、バーコーターを用い
た電動フィルムアプリケーターにより膜厚が約7μmと
なる様に塗膜を作成した。この塗膜物を光学顕微鏡にて
観察したところ、粗大な顔料塊は全く見られなかった。
次に、この粗砕物をI型ジェットミルにて粉砕し、更
に、エルボージェット分級機にて粗粉及び微粉をカット
し、平均粒径(D4)が8.3〔μm〕のシアントナー
とした。尚、平均粒径は、コールターカウンター(TA
−II)にて測定した。更にこれに、コロイダルシリカ
0.6〔wt%〕を外添した後、樹脂コート鉄粉キャリ
アと混合し、現像剤とした。
【0037】実施例2 実施例1と同様の処方を原料として、同様の混合・造
粒装置を用いて、以下の条件にて混合、造粒を行った。
上記の処方の材料3kgを、混合・造粒装置に投入
し、主羽根根回転数400回転/分、造粒羽根回転数1
450回転/分にて3分間混合を行った。更に、主羽根
回転数を700回転/分、造粒羽根回転数2950回転
/分にて、主羽根負荷動力が急激に増加する直前まで運
転し、負荷の増加傾向が確認された時点で、主羽根回転
数100回転/分、造粒羽根回転数1450回転/分に
て運転し、再び主羽根負荷の上昇傾向が確認された直後
に、主羽根回転数を400回転/分に変更し、30秒間
運転して造粒物を得た。この様にして得られた造粒物の
嵩密度は、原料混合物の約1.6倍(パウダーテスター
測定)であった。
【0038】得られた造粒物をテーブルフィーダーに
て、図2に示した連続式二本ロール型混練機に定量的に
供給して混練を行い、高濃度着色剤含有樹脂を得た。こ
の際に使用した連続式二本ロール型混練機は、ロール外
径0.12〔m〕、有効ロール長0.8〔m〕のもので
あり、運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)
回転数50回転/分、ロール回転比1:0.8、ロール
間隙0.0005〔m〕、ロール内の加熱及び冷却媒体
温度は、高回転ロールの原料投入側が60℃及び混練物
排出側が45℃であり、低回転ロールの原料投入側が3
0℃及び混練物排出側が30℃、原材料混合物の供給速
度は、5kg/時、平均滞留時間は約9分であった。
【0039】次に、上記の様にして得られた高濃度着色
剤含有樹脂の混合物を、冷却後ハンマータイプの粗砕機
にて1m/mのスクリーンを使用して粗砕した後、第二
混練工程の処理を行った。即ち、処方の割合で原料1
0kgを計量し、高速撹拌型の混合機にて、羽根回転数
850回転/分、処理時間2分の条件にて混合した後、
該混合物をエクストルーダー(池貝鉄工 PCM−3
0)にて希釈混練を行った。運転条件は、バレル設定温
度100〔℃〕、スクリュー回転数300〔回転/
分〕、原料供給速度20〔kg/時〕であった。
【0040】得られたトナー混合物を冷却ベルトにて冷
却後、φ2〔mm〕のスクリーンを有するスピードミル
にて粗砕した。この粗砕物をこの粗砕物を実施例1と同
様の方法にて、OHPシート上に塗膜し、この塗膜物を
光学顕微鏡にて観察したところ、粗大な顔料魂はほとん
ど見られなかった。次に、この粗砕物を実施例1と同様
の条件にて粉砕、分級、外添及びキャリア混合を行い、
現像剤とした。
【0041】実施例3 実施例1と同様の処方の原料を使用して、実施例1と
同様の混合・造粒装置を用いて、実施例2と同様の条件
にて混合、造粒を行った。得られた造粒物を、実施例1
で使用したと同様の連続式二本ロール型混練機を用いて
混練し、高濃度着色剤含有樹脂を得た。この際の連続式
二本ロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フ
ロントロール)回転数100回転/分、ロール回転比
1:0.6、ロール間隙0.0003〔m〕であり、ロ
ール内の加熱及び冷却媒体の温度は、高回転ロールの原
料投入側が50℃、混練物排出側が38℃であり、低回
転ロールの原料投入側が30℃、及び混練物排出側が2
8℃であった。又、原材料混合物の供給速度は、4kg
/H、平均滞留時間は約7分であった。
【0042】得られた高濃度着色剤含有樹脂の混合物
は、実施例1と同様にして粗砕した後、実施例1と同様
の処方及び同様の処理条件で、結着樹脂と荷電制御剤と
を加えて、希釈混合、希釈混練を行いトナー混練物と
し、冷却後スピードミルにて粗粉砕を行った。この粗砕
物を実施例1と同様の条件にてOHPシート上に塗膜
し、この塗膜物を光学顕微鏡にて観察したところ、粗大
な顔料塊はほとんど見られなかった。次に、この粗砕物
を実施例1と同様の条件にて粉砕、分級、外添及びキャ
リア混合を行い、現像剤とした。
【0043】比較例1 実施例1と同様の処方にて計量された原材料10kg
を、図5に示した様な内容積75リットルの混合機に
て、羽根回転数700回転/分、処理時間3分の条件で
混合し、得られた混合物0.2kgを図4に示した三本
ロールミルの原料供給部に投入し、3本ロール間隙部で
溶融混練して混練物排出部より混練物を排出させた。こ
の混練物は、顔料の分散が不十分である為、合計4回同
様の混練操作を繰り返して、高濃度着色剤含有樹脂を得
た。この操作を複数回行い、計2kgの混練物を冷却、
粗砕し、混練物粗砕品とした。この際に使用した三本ロ
ールミルは、ロール外径0.051〔m〕、有効ロール
長0.152〔m〕であり、混練は、供給ロール回転数
70〔回転/分〕、ロール回転比は、供給ロール1に対
する中央ロール、エプロンロールの比が1:1.5:
2.5であり、ロール間隙0.005〔m〕、ロール温
度60℃の条件で行った。
【0044】上記の様にして得られた混練物粗砕品は、
処方の割合で実施例1と同様の条件で希釈混合及び混
練を行い、冷却後φ1〔mm〕のスクリーンを有するス
ピードミルにて粗砕した。この粗砕物を実施例1と同様
な方法によりOHPシート上に塗膜して、光学顕微鏡に
て観察したところ、粗大な顔料塊がところどころ確認さ
れた。次に、この粗砕物をI型ジェットミルにて粉砕
し、更に、エルボジェット分級機にて、微粉及び粗粉を
カットし、平均粒径(D4)が8.2μmのシアントナ
ーとした。尚、平均粒径は、コールターカウンター(T
A−II)にて測定した。更に、コロイダルシリカ0.6
w.t%を外添した後、樹脂コート鉄粉キャリアと混合
し、現像剤とした。
【0045】比較例2 実施例1と同様の処方にて原材料10kgを用い、比
較例1と同様の混合機にて、羽根回転数700回転/
分、処理時間5分の条件で混合し、得られた混合物0.
2kgを比較例1と同様の3本ロールミルにて同様の条
件で合計6回の回分混練操作を行い、高濃度着色剤含有
樹脂を得た。この操作を複数行い、計2kgの混練物を
得た。この混練物を、冷却、粗砕した後、処方の割合
で実施例1と同様の条件で希釈混合及び混練を行い、冷
却後φ1〔mm〕のスクリーンを有するスピードミルに
て粗砕した。この粗砕物を実施例1と同様な方法により
OHPシート上に塗膜して、光学顕微鏡にて観察したと
ころ、粗大な顔料塊が確認された。この粗砕物を実施例
1と同様な方法により分砕、分級して平均粒径(D4)
が8.2μmのシアントナーとした。更に、コロイダル
シリカ0.6w.t%を外添した後、樹脂コート鉄粉キ
ャリアと混合し、現像剤とした。
【0046】比較例3 前記処方の原料10kgを、図5に示した様な高速撹
拌型混合機を用いて混合した。本体容器50の有効容積
は、75リットルのものを用い、撹拌羽根回転数700
回転/分にて3分間混合し、得られた混合物を図6に示
した様なローラー圧縮造粒装置を用いて造粒した。原料
ホッパー31に上記の様にして得られた約10kgの混
合物を投入し、アーチブレーカー32を30回転/分に
て回転させながら、2軸のスクリューフィーダー33に
て、スクリュー回転数80回転/分、供給量25kg/
Hの割合でフィードチャンバー37に供給し、回転数1
5回転/分の2本のロール34の間で圧縮しながら圧ぺ
んし、φ4m/mのスクリーン35を装着した解砕機の
チップ型ローター36の回点数を800回転/分にし、
得られた圧ぺん物を解砕して造粒物を得た。この様にし
て得られた造粒物の嵩密度は、混合物に比べ1.2倍
(パウダーテスター測定)であった。尚、ロール34
は、溝型タイプを使用した。
【0047】得られた造粒混合物を実施例1と同様の連
続式二本ロール型混練機を用いて混練し、高濃度着色剤
含有樹脂を得た。この際の連続式二本ロール型混練機の
運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数
100回転/分、ロール回転比1:0.6ロール間隙
0.0003〔m〕、ロール内の加熱及び冷却媒体の温
度は、高回転ロールの原料投入側が60℃、高回転ロー
ルの混練物排出側が45℃であり、低回転ロールの原料
投入側が38℃、低回転ロールの混練物排出側が32℃
であった。又、原材料混合物の供給速度は、14kg/
H、平均滞留時間は約2分であった。得られた高濃度着
色剤含有樹脂の混合物は、実施例1と同様にして、希釈
混合及び希釈混練された後、冷却、粗砕して得られた粗
砕物を実施例1と同様にしてOHPシート上に塗膜し
た。この塗膜物を光学顕微鏡にて観察したところ、粗大
な顔料塊は少なかった。
【0048】<評価1> 実施例1〜実施例、及び比較例1〜3で得られた各現
像剤を用いて画出し試験を行い、各現像剤に使用した夫
々のトナーの着色力及び透過性についての確認を行っ
た。尚、画出し試験は、キヤノン(株)社製カラーレー
ザーコピア500(CLC−500)を用いて行った。
先ず、画像濃度については、OHPシートを使用し、該
シート上のトナー量が0.5mg/cm2 となる様なベ
タ画像を作成し、160℃の温度にて定着を行い、マク
ベス反射濃度計にて画像濃度の違いを見て、評価した。
その結果、画像濃度の平均は、比較例1の現像剤では
1.02、比較例2では1.06、比較例3の現像剤で
は1.10であった。これに対し、実施例1の現像剤で
は1.19、実施例2の現像剤では1.19、実施例3
の現像剤では1.22であり、いずれも、実施例では比
較例に比べ、高い着色力のトナーが得られた。
【0049】又、画像の透過性については、日本電色工
業(株)製のNDH−1001DP型HAZEメーター
で測定した。この結果、各現像剤のHAZE値の平均
は、比較例1が21.0、比較例2が20.8、比較例
3の現像剤では18.8であった。これに対し、実施例
1では18.0、実施例2では18.0、実施例3では
17.8であり、実施例の現像剤は、いずれも比較例に
比べ透過性が優れていた。次に、比較例1〜3と実施例
1〜実施例3で得られた現像剤を用いて形成した夫々の
画像を、オーバーヘッドプロジェクターにより白スクリ
ーン上に映し出し比較したところ、実施例1〜実施例4
の画像は透き通った鮮やかなシアン色であったが、比較
例1及び比較例2の画像は、ややくすんで黄色味がかっ
ていた。
【0050】尚、HAZE値は、以下の式で表されてお
り、着色剤の分散がよい程、拡散透過率は小さく、従っ
てHAZE値は小さくなる。
【0051】
【数1】
【0052】次に、実施例1〜実施例と、比較例1
3で得られた各トナーを使用して、30℃、80%の高
温、高湿下において、1万枚の耐刷試験を行ったが、実
施例1〜実施例3及び比較例3で得られたトナーでは、
いずれもトナーの飛散の発生は無く、カブリのない画像
が得られた。これに対し、比較例1では、3千枚でトナ
ー飛散とカブリが発生し、比較例2では、4千枚でトナ
ー飛散とかぶりが発生した。
【0053】次に、本発明の第二のカラートナーの製造
方法について、実施例及び比較例を挙げて説明する。 実施例 上記処方の材料を図8に示す分散装置を用いて、以下
の様に分散を行った。タンク容量は、50リットルのも
のを用い、メディアとしてのボールはハイアルミナ製の
10mmφのものを使用した。尚、タンクの材質は、ハ
イアルミナであり、アームの材質はジルコニア製のもの
を使用した。上記処方の材料5kgを該分散装置に投
入し、アジテーターアームの回転数を100回転/分と
して30分間、乾式分散を行った。
【0054】上記で分散・混合して得られた原料混合物
をテーブルフィーダーにて、図2に示した連続式二本ロ
ール型混練機に定量的に供給して混練を行い、高濃度着
色剤含有樹脂を得た。この際に使用した連続式二本ロー
ル型混練機は、ロール外径0.12〔m〕、有効ロール
長0.8〔m〕のものであり、運転条件は、高回転側ロ
ール(フロントロール)回転数50回転/分、ロール回
転比1:0.8、ロール間隙0.0005〔m〕、ロー
ル内の加熱及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投
入側が60℃及び混練物排出側が45℃であり、低回転
ロールの原料投入側が30℃及び混練物排出側が30
℃、原材料混合物の供給速度は、5kg/時、平均滞留
時間は約9分であった。
【0055】次に、上記の様にして得られた高濃度着色
剤含有樹脂の混合物を、冷却後ハンマータイプの粗砕機
にて1m/mのスクリーンを使用して粗砕した後、第二
混練工程の処理を行った。即ち、処方の割合で原料1
0kgを計量し、高速撹拌型の混合機にて、羽根回転数
850回転/分、処理時間2分の条件にて混合した後、
該混合物をエクストルーダー(池貝鉄工 PCM−3
0)にて希釈混練を行った。運転条件は、バレル設定温
度100〔℃〕、スクリュー回転数300〔回転/
分〕、原料供給速度20〔kg/時〕であった。
【0056】得られたトナー混合物を冷却ベルトにて冷
却後、φ2〔mm〕のスクリーンを有するスピードミル
にて粗砕した。この粗砕物をキシレンに溶解させて粘度
を調整した後、OHPシート上に、バーコーターを用い
た電動フィルムアプリケーターにより膜厚が約7μmと
なる様に塗膜を作成した。この塗膜物を光学顕微鏡にて
観察したところ、粗大な顔料塊は全く見られなかった。
次に、この粗砕物をI型ジェットミルにて粉砕し、更
に、エルボージェット分級機にて粗粉及び微粉をカット
し、平均粒径(D4)が8.3〔μm〕のシアントナー
とした。尚、平均粒径は、コールターカウンター(TA
−II)にて測定した。更にこれに、コロイダルシリカ
0.6〔wt%〕を外添した後、樹脂コート鉄粉キャリ
アと混合し、現像剤とした。
【0057】実施例 実施例と同様の処方にて、同様の分散装置を用い
て、以下の条件にて分散を行った。ハイアルミナ製のφ
10mmボールをメディアとして用い、処方の材料5
kgを該分散装置に投入し、アジテーターアームの回転
数100回転/分で50分間乾式分散を行った。
【0058】上記で分散・混合して得られた原料混合物
をテーブルフィーダーにて、図2に示した連続式二本ロ
ール型混練機に定量的に供給して混練を行い、高濃度着
色剤含有樹脂を得た。この際に使用した連続式二本ロー
ル型混練機は、ロール外径0.12〔m〕、有効ロール
長0.8〔m〕のものであり、運転条件は、高回転側ロ
ール(フロントロール)回転数50回転/分、ロール回
転比1:0.8、ロール間隙0.0005〔m〕、ロー
ル内の加熱及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投
入側が60℃及び混練物排出側が45℃であり、低回転
ロールの原料投入側が30℃及び混練物排出側が30
℃、原材料混合物の供給速度は、5kg/時、平均滞留
時間は約9分であった。
【0059】次に、上記の様にして得られた高濃度着色
剤含有樹脂の混合物を、冷却後ハンマータイプの粗砕機
にて1m/mのスクリーンを使用して粗砕した後、第二
混練工程の処理を行った。即ち、処方の割合で原料1
0kgを計量し、高速撹拌型の混合機にて、羽根回転数
850回転/分、処理時間2分の条件にて混合した後、
該混合物をエクストルーダー(池貝鉄工 PCM−3
0)にて希釈混練を行った。運転条件は、バレル設定温
度100〔℃〕、スクリュー回転数300〔回転/
分〕、原料供給速度20〔kg/時〕であった。
【0060】得られたトナー混合物を冷却ベルトにて冷
却後、φ2〔mm〕のスクリーンを有するスピードミル
にて粗砕した。この粗砕物をこの粗砕物を実施例1と同
様の方法にて、OHPシート上に塗膜し、この塗膜物を
光学顕微鏡にて観察したところ、粗大な顔料魂はほとん
ど見られなかった。次に、この粗砕物を実施例と同様
の条件にて粉砕、分級、外添及びキャリア混合を行い、
現像剤とした。
【0061】実施例 実施例と同様の処方にて、同様の分散装置を用い
て、実施例と同様の条件にて分散を行った。以上の様
にして得られた原料混合物を、実施例と同様の連続式
二本ロール型混練機を用いて混練し、高濃度着色剤含有
樹脂を得た。この際の連続式二本ロール型混練機の運転
条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数10
0回転/分、ロール回転比1:0.6、ロール間隙0.
0003〔m〕であり、ロール内の加熱及び冷却媒体の
温度は、高回転ロールの原料投入側が50℃、混練物排
出側が38℃であり、低回転ロールの原料投入側が30
℃、及び混練物排出側が28℃であった。又、原材料混
合物の供給速度は、4kg/H、平均滞留時間は約7分
であった。
【0062】得られた高濃度着色剤含有樹脂の混合物
は、実施例と同様にして粗砕した後、実施例と同様
の処方及び同様の処理条件で、結着樹脂と荷電制御剤と
を加えて、希釈混合、希釈混練を行いトナー混練物と
し、冷却後スピードミルにて粗粉砕を行った。この粗砕
物を実施例と同様の条件にてOHPシート上に塗膜
し、この塗膜物を光学顕微鏡にて観察したところ、粗大
な顔料塊はほとんど見られなかった。次に、この粗砕物
を実施例と同様の条件にて粉砕、分級、外添及びキャ
リア混合を行い、現像剤とした。
【0063】実施例 実施例と同様の処方にて、同様の分散装置を用い
て、以下の条件にて分散を行った。ジルコニア製のφ1
0mmボールをメディアとして用い、処方の材料5k
gを該分散装置に投入し、アジテーターアームの回転数
100回転/分で30分間乾式分散を行った。
【0064】上記で分散・混合して得られた原料混合物
を実施例と同様の連続式二本ロール型混練機を用いて
混練し、高濃度着色剤含有樹脂を得た。この際の連続式
二本ロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フ
ロントロール)回転数100回転/分、ロール回転比
1:0.6、ロール間隙0.0003〔m〕、ロール内
の加熱及び冷却媒体の温度は、高回転ロールの原料投入
側が60℃、高回転ロールの混練物排出側が45℃であ
り、低回転ロールの原料投入側が38℃、低回転ロール
の混練物排出側が32℃であった。又、原材料混合物の
供給速度は、14kg/H、平均滞留時間は約2分であ
った。得られた高濃度着色剤含有樹脂の混合物は、実施
と同様にして、希釈混合及び希釈混練された後、冷
却、粗砕して得られた粗砕物を実施例と同様にしてO
HPシート上に塗膜した。この塗膜物を光学顕微鏡にて
観察したところ、粗大な顔料塊は少なかった。
【0065】比較例 実施例と同様の処方にて計量された原材料10kg
を、図5に示した様な内容積75リットルの混合機に
て、羽根回転数700回転/分、処理時間3分の条件で
混合し、得られた混合物0.2kgを図4に示した三本
ロールミルの原料供給部に投入し、3本ロール間隙部で
溶融混練して混練物排出部より混練物を排出させた。こ
の混練物は、顔料の分散が不十分である為、合計4回同
様の混練操作を繰り返して、高濃度着色剤含有樹脂を得
た。この操作を複数回行い、計2kgの混練物を冷却、
粗砕し、混練物粗砕品とした。この際に使用した三本ロ
ールミルは、ロール外径0.051〔m〕、有効ロール
長0.152〔m〕であり、混練は、供給ロール回転数
70〔回転/分〕、ロール回転比は、供給ロール1に対
する中央ロール、エプロンロールの比が1:1.5:
2.5であり、ロール間隙0.005〔m〕、ロール温
度60℃の条件で行った。
【0066】上記の様にして得られた混練物粗砕品は、
処方の割合で実施例1と同様の条件で希釈混合及び
混練を行い、冷却後φ1〔mm〕のスクリーンを有する
スピードミルにて粗砕した。この粗砕物を実施例1と同
様な方法によりOHPシート上に塗膜して、光学顕微鏡
にて観察したところ、粗大な顔料塊がところどころ確認
された。次に、この粗砕物をI型ジェットミルにて粉砕
し、更に、エルボージェット分級機にて、微粉及び粗粉
をカットし、平均粒径(D4)が8.2μmのシアント
ナーとした。尚、平均粒径は、コールターカウンター
(TA−II)にて測定した。更に、コロイダルシリカ
0.6w.t%を外添した後、樹脂コート鉄粉キャリア
と混合し、現像剤とした。
【0067】比較例 実施例と同様の処方にて原材料10kgを用い、比
較例1と同様の混合機にて、羽根回転数700回転/
分、処理時間5分の条件で混合し、得られた混合物0.
2kgを比較例1と同様の3本ロールミルにて同様の条
件で合計6回の回分混練操作を行い、高濃度着色剤含有
樹脂を得た。この操作を複数行い、計2kgの混練物を
得た。この混練物を、冷却、粗砕した後、処方の割合
で実施例1と同様の条件で希釈混合及び混練を行い、冷
却後φ1〔mm〕のスクリーンを有するスピードミルに
て粗砕した。この粗砕物を実施例1と同様な方法により
OHPシート上に塗膜して、光学顕微鏡にて観察したと
ころ、粗大な顔料塊が確認された。この粗砕物を実施例
1と同様な方法により粉砕、分級して平均粒径(D4)
が8.2μmのシアントナーとした。更に、コロイダル
シリカ0.6w.t%を外添した後、樹脂コート鉄粉キ
ャリアと混合し、現像剤とした。
【0068】<評価2> 実施例〜実施例、及び比較例及び比較例で得ら
れた各現像剤を用いて画出し試験を行い、各現像剤に使
用した夫々のトナーの着色力及び透過性についての確認
を行った。尚、画出し試験は、キヤノン(株)社製カラ
ーレーザーコピア500(CLC−500)を用いて行
った。先ず、画像濃度については、OHPシートを使用
し、該シート上のトナー量が0.5mg/cm2 となる
様なベタ画像を作成し、160℃の温度にて定着を行
い、マクベス反射濃度計にて画像濃度の違いを見て、評
価した。その結果、画像濃度の平均は、比較例の現像
剤では1.02、比較例では1.06であった。これ
に対し、実施例の現像剤では1.21、実施例の現
像剤では1.23、実施例の現像剤では1.25、実
施例の現像剤では1.15と、いずれも、実施例では
比較例に比べ、高い着色力のトナーが得られた。
【0069】又、画像の透過性については、日本電色工
業(株)製のNDH−1001DP型HAZEメーター
で測定した。尚、HAZE値は、本発明の第一の発明方
法で説明したものと同意義である。この結果、各現像剤
のHAZE値の平均は、比較例が21.0、比較例
が20.8であった。これに対し、実施例では17.
9、実施例では17.7、実施例では17.4、実
施例では18.4であり、実施例の現像剤は、いずれ
も比較例に比べ透過性が優れていた。次に、比較例
び比較例と実施例〜実施例の現像剤を用いて得ら
れた夫々の画像を、オーバーヘッドプロジェクターによ
り白スクリーン上に映し出し比較したところ、実施例
〜実施例の画像は透き通った鮮やかなシアン色であっ
たが、比較例及び比較例の画像は、ややくすんで黄
色味がかっていた。
【0070】
【発明の効果】以上、説明した様に、本発明の第一のカ
ラートナーの製造方法で製造されたトナーでは、第一混
練工程において、連続式二本ロール型混練機へと供給す
るための原料混合物を造粒することにより、その嵩密度
1.3倍以上に増加させ、流動性(フラッシング性)
を改良することが出来、更に、濡れ性を改良することが
出来た。又、混合物の造粒物を連続式二本ロール型混練
機を用いて混練することにより、従来は、長い経験から
培われた高度な熟練を要した人的判断による繰り返し回
分操作が必要であった混練操作が、本発明方法によれ
ば、経験的な高度な熟練が不要であり、しかも連続処
理、無人化運転が可能となり、品質の安定した経済性の
高い、高着色で、透過性のすぐれたカラートナーを製造
することが出来る。
【0071】又、以上説明した様に、本発明の第二のカ
ラートナー製造方法において、第一混練工程の混練機へ
と供給するための原料混合物を混合する工程に、メディ
及び該メディアを運動させるための回転するアジテー
ターアームを有する乾式分散機を使用することにより、
各原料を従来にない高分散化して混合するが可能とな
り、更に、第一混練工程の混練に連続式二本ロール型混
練機を用いることにより、従来は、長い経験から培われ
た高度な熟練を要し、しかも人的手段による繰り返し回
分操作が必要であった混練操作が、本発明方法により、
経験的な高度な熟練が不要となり、連続処理であり、無
人化運転も可能となり、しかも品質の安定した経剤性の
高い高着色の透過性のすぐれたカラートナーを製造する
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一のカラートナーの製造方法の第一
混練工程における、混合、造粒工程に用いた混合・造粒
装置の一例である。
【図2】本発明の第一混練工程の混練工程に用いた連続
式二本ロール型混練機の一例を示すものである。
【図3】本発明の第一のカラートナーの製造方法の製造
工程、及び従来例のカラートナーの製造工程図を示すも
のである。
【図4】比較例に用いた三本ロールミルの例を示す。
【図5】比較例3に用いた混合機の一例である。
【図6】比較例3に用いた造粒機の一例である。
【図7】従来の混合機の一例である。
【図8】本発明の第二のカラートナー製造方法の第一混
練工程の、原料を混合する工程に用いた分散装置の一例
である。
【図9】本発明の第二のカラートナー製造方法の工程
図、及び従来例のカラートナーの製造工程図を示したも
のである
【符号の説明】
1:本体ケーシング 2:ジャケット 3:本体カバー 4:主羽根 5:造粒羽根 11:原料供給部 12:混練物排出部 13:フロントロール 14:バックロール 15、16:加熱及び冷却媒体供給排出部 17、18:ロール駆動用モーター 21:供給ロール 22:中央ロール 23:エプロンロール 24:原料供給部 25:混練物排出部 26:排出用スクレーパー 27:加熱冷却媒体供給排出部 28、29:ロール間隙調整ハンドル 30:ロール駆動用モーター 31:原料ホッパー 32:アーチブレーカー 33:スクリューフィーダー 34:ロール 35:スクリーン 36:ローター 37:フィードチャンバー 50:本体容器 51:撹拌羽根 52:排出口 53:モーター 54:本体容器 55:撹拌スクリュー 56:排出口 71:本体容器 72:アジテーターシャフト 73:アジテーターアーム 74:メディア(ボール)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−155568(JP,A) 特開 昭62−30259(JP,A) 特開 平2−66561(JP,A) 特公 平3−47131(JP,B2) 「造粒ハンドブック」オーム社 日本 粉体工業技術協会編 平成3年3月10 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、結着樹脂と着色剤とを含有
    した原料混合物を、混練機で溶融混練する第一混練工程
    と、該第一混練工程で得られた混練物を、少なくとも同
    種または異種の結着樹脂で希釈混合し、更に該希釈混合
    物を溶融混練する第二混練工程とを有し、且つ第二混練
    工程で得られた混練物を粉砕してカラートナーを製造す
    るカラートナーの製造方法において、第一混練工程で
    融混練を行う前に、原料混合物を造粒して造粒物の嵩密
    度を原料混合物の1.3倍以上にし、得られた該造粒物
    を連続式二本ロール型混練機を用いて溶融混練し、且つ
    該混練機における混練物の平均滞留時間が少なくとも2
    分以上であることを特徴とするカラートナーの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 第一混練工程で用いられる混練機の回転
    ロールの回転数が150回転/分以下である請求項1に
    記載のカラートナー製造方法。
  3. 【請求項3】 第一混練工程で用いられる混練機の各回
    転ロールの回転比が1:1〜1:0.1の範囲である請
    求項1又は2に記載のカラートナー製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有し
    た原料混合物を混練機で溶融混練する第一混練工程と、
    該第一混練工程で得られた混練を、少なくとも同種ま
    たは異種の結着樹脂で希釈混合し、更に該希釈混合物を
    溶融混練する第二混練工程とを有し、且つ第二混練工程
    で得られた混練物を粉砕してカラートナーを製造するカ
    ラートナーの製造方法において、第一混練工程における
    混練機へ供給する原料混合物の混合にメディア及び該
    メディアを運動させるための回転するアジテーターアー
    ムを有する乾式分散機を用い、原料混合物の混練に連続
    式二本ロール型混練機を用い、且つ該混練機における混
    練物の平均滞留時間が少なくとも2分以上であることを
    特徴とするカラートナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 第一混練工程で用いられる混練機の回転
    ロールの回転数が150回転/分以下である請求項4に
    記載のカラートナー製造方法。
  6. 【請求項6】 第一混練工程で用いられる混練機の各回
    転ロールの回転比が1:1〜1:0.1の範囲である請
    求項4又は5に記載のカラートナー製造方法。
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