JP4505406B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像データに応じてトナーを媒体に定着させて画像を形成する電子写真用トナーの製造方法に関する。
電子写真用トナーは、一般に次のような工程により製造される。
まず、計量工程において、ポリエステル樹脂やポリスチレン樹脂などの結着樹脂、カーボンブラックやアセチレンブラックなどの着色剤、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスなどの離型剤、ニグロシン系染料や4級アンモニウム塩などの帯電制御剤などの原料を計量する。
次に、混合工程において、上記の原料をミキサーで均一に混合する。
次に、混練工程において、例えばニーダー、ロートミル、エクストルーダーなどの汎用混練装置を用いて溶融混練を行う。
その後、冷却工程において、得られた混練物を冷却し、続く粗粉砕工程において、ハンマーミルやカッターミルなどの粗砕機を用いて、得られた混練冷却物を数ミリ程度に粗粉砕する。
次に、粉砕工程において、機械式または流動床式粉砕機などを用いて、得られた粗粉砕物を10μm程度にまで微粉砕し、続く分級工程において、分級機を用いて、感光時に画像カブリなどの不具合を起こす所定粒径以下の微紛を取り除き、トナー粒子を得る。
そして、分級工程において取り除き、回収した微紛を再び混合工程において原料として用いることにより、生産性を向上させている。
次に、所定の粒度分布に揃えたトナー粒子に、流動性向上用の外添剤などとしてシリカやアルミナを配合し、ミキサー混合してトナーを得る(例えば、特開平10−10780号公報:特許文献1参照)
しかしながら、上記の工程で製造されたトナーにおいて、着色剤の分散が充分になされていない場合には、トナーの抵抗性が低くなり、感光時に画像カブリやトナー飛散といった不具合が発生することがある。
そこで、近年、このような着色剤の分散不良を解決する方法として、2本ロール型連続混練機を用いる混練工程が提案され、実用化されている(特開平6−43690号公報:特許文献2参照)。
2本ロール型連続混練機は、供給された各種原料を2本のロールで溶融しながら、ロール間隙部において、原料に圧縮とせん断を繰り返し与えることができる。したがって、従来の他の混練機に比べて材料の分散性が向上し、トナーの生産性が向上する。
また、トナー中の着色剤の分散性を向上させる方法として、予め着色剤を高含有率で含むマスターバッチを準備し、これを結着樹脂に配合して所望の成分組成に調整するトナーの製造方法が提案され、実用化されている。
マスターバッチは、例えば、結着樹脂と着色剤とを予めミキサーで充分に混合した後、フィーダーによって加熱した通常2本ロール、3本ロールもしくは開放型混練機に得られた混合物を排出しながら巻きつけ、ロールの回転により、混練物中の着色剤を均一に分散させ、混練物をカッターで切り出すことにより製造される。
上記の製造方法では、得られたマスターバッチと結着樹脂などの原料をミキサーで均一に混合し、得られた混合物を一軸または二軸の連続混練機を用いて溶融混練し、得られた混練物を冷却し、ハンマーミルやカッターミルで粗砕した後、ジェットミル式粉砕機などで微粉砕し、所定の粒度分布に分級した後、シリカやアルミナなどの外添剤をトナー表面に付着させる外添工程を経て、トナーを得ている。
特開平10−10780号公報 特開平6−43690号公報
しかしながら、2本ロール型連続混練機で混練を行う場合、溶融混練する部分がオープン型であるため、供給された原料が加熱ロールで溶融しきれない場合には、ロールから原料が落下し、結果としてトナーの収率が低下し、生産性に影響を及ぼすことになる。
本発明は、生産性と性能の両方を兼ね備え、特に着色剤を高分散化させたトナーの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、オープンロール型連続混練機でトナー原料を混練する際に、加熱ロールと冷却ロールの温度を特定の範囲に設定すること、すなわち、2本ロール型連続混練機の場合、2本のロールの設定温度を近付けることにより、ロールからの供給原料の落下量が低減し、トナーの生産性が向上し、かつトナー中の着色剤を高分散化させたトナーが得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、結着樹脂と該結着樹脂70重量部に対して30重量部の着色剤と混合物を、表面にらせん状の溝を有し、互いに内側方向に回転する加熱ロールおよび冷却ロールを備えた2本ロール型のオープンロール型連続混練機を用いて、
10℃≦Tf−Tr≦25℃、および
(Tm−70)℃≦Tf≦(Tm−20)℃
(式中、Tfは加熱ロールの供給側の設定温度(℃)で50℃≦Tf≦90℃であり、Trは冷却ロールの供給側の設定温度(℃)で40℃≦Tr≦65℃であり、Tmは樹脂の軟化点温度(℃)である)
加熱ロールおよび冷却ロールの回転比1:1〜1:0.1、ならびに
加熱ロールおよび冷却ロールの間隙0.1〜5mm
を満足する条件で溶融混練してマスターバッチ組成物を得、得られたマスターバッチ組成物を用いてトナーを得ることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法が提供される。
本発明のトナーの製造方法によれば、ロール型連続混練機におけるロールからの供給原料の落下量が低減し、安定した混練を行うことができ、トナーの生産性が向上し、生産性と性能の両方を兼ね備え、特に着色剤を高分散化させたトナーを得ることができる。
さらに、ロールの設定温度を下げることにより、マスターバッチ中の着色剤の分散性を向上させることができる。
混合には、公知の装置、例えば、スーパーミキサーやヘンシェルミキサーなどの高速撹拌型混合機を用いることができる。また、混合条件は、用いる材料や装置などの条件により、適宜設定すればよい。
次に、得られたマスターバッチ原料の混合物を、加熱ロールおよび冷却ロールを備えたオープンロール型連続混練機を用いて、
10℃≦Tf−Tr≦25℃および
(Tm−70)℃≦Tf≦(Tm−20)℃
(式中、Tfは加熱ロールの供給側の設定温度(℃)であり、Trは冷却ロールの供給側の設定温度(℃)であり、Tmは樹脂の軟化点温度(℃)である)
を満足する条件で溶融混練してマスターバッチ組成物を得る。
本発明において、「加熱ロールおよび冷却ロールの供給側の設定温度」とは、オープンロール型連続混練機の加熱ロールおよび冷却ロールにおける原料混合物の供給側の設定温度、すなわち混練機の装置としての設定温度を意味する。
樹脂の軟化点温度(Tm)は、例えば、高下式フローテスター(株式会社島津製作所製、型式:CFT−500)を用い、ダイの細孔径1mm、長さ1mm、荷重100kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件下で測定することができる。具体的には、1cm3の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を樹脂の軟化点温度(Tm)とする。
加熱ロールおよび冷却ロールを備えたオープンロール型連続混練機としては、上記の温度設定が可能な装置であれば、特に限定されない。
このような装置としては、例えば、図1に示されるような2本ロール型連続混練機が挙げられる。
2本ロール型連続混練機は、原料を巻き付かせる加熱ロールと溶融した原料を冷却させる冷却ロールの2本のロールを有し、各ロール共はロールの真ん中を境にして、左右独立して異なる温度に設定できる構造を有している。
また、2本ロール型連続混練機は、表面にらせん状の溝を有し、互いに内側方向に回転する加熱ロールおよび冷却ロールを備えている。
さらに、2本ロール型連続混練機は、定量的に原料を連続供給するために、原料供給部にスクリューフィーダやテーブルフィーダーなどの供給装置を備えるのが好ましい。その供給速度は、例えば、5〜25kg/h程度である。
上記の温度以外の混練条件は、用いる材料や装置などの条件により、適宜設定すればよい。
加熱ロールと冷却ロールの回転比は、1:1〜1:0.1の範囲が好ましく、1:0.4〜1:0.85の範囲が特に好ましい。回転比がこの範囲であれば、動力を効率的に用いて、ロールを回転させることができ、しかもマスターバッチ組成物中の着色剤の分散性も良好となる。
また、加熱ロールと冷却ロールの間隙は、狭いほど混練物に与えるせん断力、圧縮力が大きくなるが、発熱量も多くなり、十分な冷却がなされない場合には、混練物の温度が上昇し、混練物の粘度が低下して、十分なせん断力、圧縮力を混練物に作用させることができなくなり、マスターバッチ組成物中の着色剤の分散状態が不十分になる。したがって、ロール間の間隙は、0.1〜5mmが好ましく、0.1〜3mmが特に好ましい。
図1の2本ロール型連続混練機では、油圧シリンダーでロール間隙が調整された加熱ロール(下部ロール)と冷却ロール(上部ロール)の間に、マスターバッチ原料が定量供給され(左矢印)、圧縮、溶融、均質化および分散を経て、吐出される(右矢印)。また、必要に応じて、均質化の部分で副材料が供給される(中矢印)。
加熱ロールおよび冷却ロールは、各ロール内に熱媒体を流通させることにより加熱および冷却され、圧縮、溶融、均質化および分散の各部毎にゾーンコントロールされている。このような加熱・冷却機構の場合、加熱ロールおよび冷却ロールの供給側の設定温度は、各ロール内部の熱媒体の温度により設定される。
本発明に用いられる結着樹脂は、一般にトナー材料として使用可能な樹脂であれば、特に限定されない。
このような樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアマイド、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられ、これらの中でも、得られるトナー特性の点で、ポリエステル(不飽和ポリエステル樹脂を含む)が好ましい。また、これらの樹脂は、単独または2種以上を混合して用いることができる。
本発明に用いられる着色剤は、一般にトナー材料として使用可能な着色剤であれば、特に限定されない。
このような着色剤としては、有機顔料、無機顔料、金属からなる顔料のいずれでもよく、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラックなどの黒色着色剤;黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタン黄、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ピグメントイエロー、ベンジジンイエロー、パーマネントイエロー、アンスラピリミジンイエローなどの黄色着色剤;ベンガラ、パーマネントレッド、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミン、ライトファスレッドトーナー、パーマネントカーミン、ピラゾロンレッド、ボルドー、ヘリオボルドー、ローダミンレーキ、チオインジゴレッド、チオインジゴマルーンなどの赤色着色剤;コバルトブルー、セルリアンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー、インジゴなどの青色着色剤が挙げられる。
着色剤の平均粒子径は、十数〜数百nm程度である。
次に、得られたマスターバッチ組成物を用いて、公知の方法、すなわちマスターバッチ組成物粗粉砕し、これに結着樹脂および内添剤を加えて希釈混合し、希釈混練、冷却固化、粗粉砕、微粉砕、分級および必要に応じて外添剤の添加に付して、トナーを得る。
まず、粗粉砕したマスターバッチ組成物に、マスターバッチ組成物に用いたものと同種または異種の結着樹脂と、荷電制御剤(帯電制御剤)、離型剤などの内添剤とを加え、Vブレンダー、Wコーンなどの容器回転型混合機やヘンシェルミキサーなどの高速撹拌型混合機を用いる公知の方法で希釈混合する。
次に、得られた希釈混合物を、混練機を用いる公知の方法で希釈混練する。この工程で用いる混練機は、汎用の押出機(エクストルーダー)であれば特に限定されないが、品質安定性および量産性の観点から、二軸押出機が特に好ましい。具体的には、東芝機械株式会社製の型式:TEM−100B、株式会社池貝製、型式:PCM−30、PCM−87などが挙げられる。
また、希釈混練条件は、用いる材料や装置などの条件により、適宜設定すればよい。
結着樹脂としては、マスターバッチ組成物において例示の樹脂が挙げられる。
帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、ピリジニウム塩、アンモニウム塩、およびこれらのレーキ化合物などが挙げられる。
離型剤としては、モンタン酸エステルワックスなどの天然ワックス、高圧法ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系ワックス、シリコーン系ワックスおよびフッ素系ワックスなどが挙げられる。
次に、得られた希釈混練物を、公知の装置を用いた方法で、冷却固化(圧延冷却)、粗粉砕、ジェット気流による微粉砕および分級に付す。
得られた分級物に、必要に応じて、シリカやアルミナなどの外添剤を添加し、これらの外添剤を分級物(粒子表面)に付着させて、トナーを得る。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
なお、以下の説明において、特記しない限り「部」は「重量部」を意味する。
(マスターバッチ混合工程)
表1に示す処方割合のマスターバッチ原料5kgを計量し、ヘンシェルミキサーで羽根回転数500rpm、処理時間2分間の条件で混合した。
(マスターバッチ混練工程)
テーブルフィーダーを用いて、得られた混合物を、図1に示す2本ロール型連続混練機に定量供給し、混練を行うことでマスターバッチ組成物を得た。
ロール外径 : 0.16m
ロール長 : 0.56m
加熱ロール(フロントロール)回転数 : 75rpm
ロール回転比 : 1:0.7
ロール間隙 : 0.1mm
原料混合物の供給速度 : 8kg/時
加熱ロール供給側の設定温度(*) : 実施例1〜3および比較例1〜3参照
冷却ロール供給側の設定温度(*) : 実施例1〜3および比較例1〜3参照
*2本ロール型連続混練機における各ロール内部の熱媒体の温度を示す。以下の実施例では、媒体設定温度として表す。
(実施例1)
加熱ロール供給側の媒体設定温度を90℃、排出側を50℃、冷却ロール供給側の媒体設定温度を65℃、排出側を15℃に設定し、マスターバッチ混合工程で得られた混合物を上記混練条件で混練して、マスターバッチ組成物を得た。
混練中に、2本ロールの原料供給部分からロール下の受け皿に落下した混合物を秤量し、その混合物の供給量に対する割合から落下率を求めた。
(実施例2)
加熱ロール供給側の媒体設定温度を60℃、排出側を50℃、冷却ロール供給側の媒体設定温度を50℃、排出側を15℃に設定し、実施例1と同様にして、マスターバッチ組成物を得、落下率を求めた。
(実施例3)
加熱ロール供給側の媒体設定温度を50℃、排出側を50℃、冷却ロール供給側の媒体設定温度を40℃、排出側を15℃に設定し、実施例1と同様にして、マスターバッチ組成物を得、落下率を求めた。
(比較例1)
加熱ロール供給側の媒体設定温度を90℃、排出側を50℃、冷却ロール供給側の媒体設定温度を15℃、排出側を15℃に設定し、実施例1と同様にして、マスターバッチ組成物を得、落下率を求めた。
(比較例2)
加熱ロール供給側の媒体設定温度を90℃、排出側を50℃、冷却ロール供給側の媒体設定温度を50℃、排出側を15℃に設定し、実施例1と同様にして、マスターバッチ組成物を得、落下率を求めた。
(比較例3)
加熱ロール供給側の媒体設定温度を30℃、排出側を30℃、冷却ロール供給側の媒体設定温度を20℃、排出側を15℃に設定し、実施例1と同様にして、マスターバッチ組成物を得、落下率を求めた。
実施例1〜3および比較例1〜3において得られたマスターバッチを、それぞれ冷却後、φ2mmのスクリーンを有するハンマータイプの粉砕機で粗粉砕した。得られた粗粉砕物をそれぞれ表2に示す処方割合で10kgを計量し、ヘンシェルミキサーで羽根回転数850rpm、処理時間2分間の条件で混合して、希釈混練工程用の原料を得た。
得られた希釈混練工程用の原料を、それぞれ2軸押出機(エクストルーダー、株式会社池貝製、型式:PCM−30)を使用し、シリンダー設定温度100℃、バレル回転数300rpm、原料供給速度10kg/時の運転条件で希釈混練した。
得られた希釈混練物を冷却ベルトで冷却し、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕した。得られた粗粉砕物をI型ジェットミルで粉砕し、さらにエルボージェット分級機にて微粉、粗粉をカットして、平均粒径8.3μmのトナーを得た。トナーの平均粒径を、コールターカウンター(コールター株式会社製、型式:TA−II)で測定した。
得られたトナーの体積抵抗値を誘電体損測定装置(安藤電気株式会社製:TRS−10T型)を用いて測定した。
まず、錠剤成型器を用いて、得られたトナーサンプルを直径約1.5mm程度の測定用サンプルに成型した。次に、得られた測定用サンプルを誘電体損測定装置の固体用電極内部に装着し、電極を恒温槽の中にプラグインした。誘電体損測定装置の測定モードをゼロバランスモードに設定し、測定周波数(1kHz)に応じてRATIO値を決定し(1×10-9)、平衡操作を行った。このときのコンダクタンス値をR0とした。さらに測定モードを変えてゼロ平衡と同様に平衡操作を行った。このときのキャパシタンスをCX、コンダクタンスをR’とした。得られた測定値を用いて下式によりtanδを求めた。
誘電率(ε’)は次式で表される。
ε’=CX/C0 (1)
(式中、CXは測定値のキャパシタンスであり、C0は誘電体を空気に置き換えたときの静電容量(幾何学的静電容量)である)
誘電損率(ε”)は次式で表される。
ε”=GX/ωC0 (2)
(式中、ωは角周波数であり、ω=2πf(fは周波数、Hz)で表され、GXはコンダクタンスで、GX=RATIO値×(R’−R0)で表される)
tanδは次式で表される
tanδ=ε”/ε’ (3)
式(3)に式(1)および式(2)を代入する。
tanδ=GX/ωCX=RATIO値×(R’−R0)/2πfCX (4)
式(4)に各測定値をそれぞれ代入してtanδを求めた。
トナーの体積抵抗値Rを下式により求めた。
R=10A/(GX×tX) (5)
(式中、Aは有効電極面積、tXは測定用サンプルの厚みである)
一般にトナーの体積抵抗値Rが高くなるほど、トナー中の着色剤の分散性が良好になる。
以上の結果をまとめて表3に示す。なお、表中のtanδおよびRはそれぞれ×10-3および×10-9の値を示す。
実施例1および比較例1、2では、加熱ロールにおける供給側の媒体設定温度(Tf)を90℃に設定し、冷却ロールにおける供給側の媒体設定温度(Tr)を変化させた。これらの結果から、加熱ロールと冷却ロールにおける各供給側の媒体設定温度の差(Tf−Tr)が小さくなるほど、原料落下率が低下することがわかる。
また、実施例2、3では、加熱ロールにおける供給側の媒体設定温度(Tf)を実施例1の90℃からさらに下げて、実施例2では60℃、実施例3では50℃に設定した。それらに伴い冷却ロールにおける供給側の媒体設定温度(Tr)も低く設定し、それらの温度差(Tf−Tr)を10℃にした。これらの結果から、各設定温度を低温側にシフトさせても原料落下率は約2%程度であり、ほぼ一定になることがわかる。
比較例3では、加熱ロールにおける供給側の媒体設定温度(Tf)を実施例3の50℃からさらに下げて、30℃に設定した。しかし、混練物が加熱ロールに張り付き、シート状になって剥がれ落ちた。この結果から、比較例3の設定温度は混練に適切ではないことがわかる。これは、使用した不飽和ポリエステル樹脂の軟化点温度(Tm)が110℃であり、混練物が冷却されて剥がれ落ちたものである。したがって、加熱ロールにおける供給側の媒体設定温度(Tf)は、(Tm−70)℃以上が適切であることがわかる。
一方、加熱ロールにおける供給側の媒体設定温度(Tf)を(Tm−20)℃以上にした場合には、混練物の粘度が低下して十分なせん断力、圧縮力を混練物に作用させることができず、結着樹脂中の着色剤の分散状態が不十分になる。
したがって、加熱ロールにおける供給側の媒体設定温度(Tf)は、(Tm−70)℃≦Tf≦(Tm−20)℃の範囲が適切であり、それらの条件を満たしたときに、供給された原料のロールからの落下量を低減させることができ、トナーの生産性を向上できることがわかる。
また、実施例2、3のマスターバッチを用いて作製したトナーの体積抵抗値は高く、比較的低い温度で混練したトナーは、マスターバッチ中の着色剤の分散性が向上することがわかる。
以上の結果から、本発明のトナーの製造方法によれば、ロール型連続混練機におけるロールからの供給原料の落下量が低減し、安定した混練を行うことができ、トナーの生産性が向上し、生産性と性能の両方を兼ね備え、特に着色剤を高分散化させたトナーを得ることができ、さらに、ロールの媒体設定温度を下げることにより、マスターバッチ中の着色剤の分散性を向上させることができる。
2本ロール型連続混練機の概略模式図である。

Claims (1)

  1. 結着樹脂と該結着樹脂70重量部に対して30重量部の着色剤と混合物を、表面にらせん状の溝を有し、互いに内側方向に回転する加熱ロールおよび冷却ロールを備えた2本ロール型のオープンロール型連続混練機を用いて、
    10℃≦Tf−Tr≦25℃、および
    (Tm−70)℃≦Tf≦(Tm−20)℃
    (式中、Tfは加熱ロールの供給側の設定温度(℃)で50℃≦Tf≦90℃であり、Trは冷却ロールの供給側の設定温度(℃)で40℃≦Tr≦65℃であり、Tmは樹脂の軟化点温度(℃)である)
    加熱ロールおよび冷却ロールの回転比1:1〜1:0.1、ならびに
    加熱ロールおよび冷却ロールの間隙0.1〜5mm
    を満足する条件で溶融混練してマスターバッチ組成物を得、得られたマスターバッチ組成物を用いてトナーを得ることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
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