JP4047253B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像データに応じてトナーを媒体に定着させて画像を形成する電子写真用のトナーの製造方法に関するものである。
一般に、トナーの製造方法としては図4に示すような工程がある。
計量工程1では、ポリエステル樹脂やポリスチレン樹脂などの結着樹脂、カーボンブラックやアセチレンブラックなどの着色剤、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスなどの離型剤、ニグロシン系や4級アンモニウム塩などの帯電制御剤などを計量する。次に混合工程2では、ミキサーで上記原料を均一に混合する。その次の混練工程11では、例えば2軸押し出し式混練機により溶融混練を行う。その後冷却工程12で混練物を冷却し、続く粗粉砕工程13ではハンマーミルやカッターミルなどの粗砕機によって数ミリ程度に粗砕する。粉砕・分級工程14では、衝突板を利用した粉砕方式のジェットミル式粉砕機などにより10μm程度にまで微粉砕する。この段階においては画像カブリなどの不具合を起こす所定粒径(例えば8μm)以下の微紛が含まれているため、該微紛を分級機によって取り除き、トナーとしている。そして上記分級工程により取り除かれた微紛は回収し、再び混合工程2で加えることによって生産性を向上させることができる。
粉砕・分級工程14にて所定の粒度分布に揃えたトナーは、例えば特許文献1では、流動性向上用の外添剤などとしてシリカやアルミナとともにミキサーで配合されてトナーとなる。
しかし、上述した技術により作成されたトナーで、カーボンブラックの分散が充分になされていない場合には、トナーの抵抗性が低くなり、結果的にカブリやトナー飛散といった不具合を発生してしまうことがある。
また、近年、電子写真式の複写機などで用いられるトナーの消費量低減を目的として顔料の濃度を高めたトナーの開発が望まれているが、粉砕法による従来からのトナーの製造方法では、顔料の濃度を高めても混練時に充分な分散を行うことができず、そのために画像濃度にムラが生じてしまうというような不具合が発生することがある。
そこで特許文献2では、上述した分散不良を解決する方法として、2本ロールで高濃度のカーボンブラックを結着樹脂中に含有させるマスターバッチを予め作製しておき、該マスターバッチを着色剤として使用し、混練時に結着樹脂により所定の濃度に希釈して、トナー中に均一に顔料を分散させる方法がとられている。
また定着する方法として加熱ローラー式が一般的に使用されているが、定着プロセスでの消費電力が大きいために省エネルギー化、コスト削減の観点から、またウォームアップタイムの短縮といった観点からも、低温で定着を行うことができるトナーの開発が望まれている。
そのため、従来からポリエチレンワックスなどの低融点結晶性化合物を多量に樹脂中に含有させることでトナーの低融点化が行われ、これにより低温での定着が可能となっていた。
特開平10−10780号公報(公開平成10年1月16日) 特開平6−43690号公報(公開平成6年2月18日)
しかしながら、着色剤を結着樹脂中に含有したマスターバッチを予め作製してこれを着色剤として使用する場合において、上述したように、原料混合時に上記低融点結晶性化合物を多量に樹脂中に含有させた場合、低融点であるがためにミキサーの壁面や羽根に融着が生じてしまい、結果的に、混合後の材料の組成が混合前の材料の組成とは異なってしまうことや、融着することによって収率が悪くなってしまうなどの悪影響が生じるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、省エネルギー化、コスト削減、またウォームアップタイムの短縮の観点から低融点結晶性化合物を用いて低温での定着を行うようにしながらも、原料混合時に低融点化剤が製造装置等の内壁に融着することなく原料混合を行うことができるトナーの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明に係るトナーの製造方法は、原料として少なくとも、結着剤と着色剤とを混練して得たマスターバッチと、結着剤と、結着剤の低融点化剤とを混合し、溶融混練、粉砕、分級することでトナーを製造するトナーの製造方法において、上記溶融混練開始までに、低融点化剤と他の原料との混合時に低融点化剤の混合装置内における融着が起きるのを防止するに足る被覆剤を上記低融点化剤に添加して上記低融点化剤の表面に吸着させて低融点化剤粒子表面を覆うことを特徴としている。
また、本発明に係るトナーの製造方法は、上記の構成に加えて、上記被覆剤として、上記着色剤または上記着色剤と上記分級で出た微粉とを用いることを特徴としている。
また、本発明に係るトナーの製造方法は、上記の構成に加えて、上記被覆剤による被覆処理において、低融点化剤表面に対し被覆剤の被覆率が100%以上であることを特徴としている。
また、本発明に係るトナーの製造方法は、上記の構成に加えて、上記被覆剤による被覆処理を、原料の混合と同時に行うことを特徴としている。
本発明に係るトナーの製造方法は、以上のように、溶融混練開始までに、低融点化剤と他の原料との混合時に低融点化剤の混合装置内における融着が起きるのを防止するに足る被覆剤を上記低融点化剤に添加して上記低融点化剤の表面に吸着させて低融点化剤粒子表面を覆うので、溶融混練開始までに、上記低融点化剤粒子の表面が、上記被覆剤の吸着により覆われる。
したがって、低融点化剤の表面が被覆剤で覆われているので、低融点化剤が混合装置内で溶融して混合装置の内壁へ融着することが阻止される。
それゆえ、低温での定着を可能にして省エネルギー化、コスト削減、ウォームアップタイムの短縮を行いながら、同時に、低融点化剤の、混合装置への融着を防止することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るトナーの製造方法は、上記の構成に加えて、上記被覆剤として、上記着色剤または上記着色剤と上記分級で出た微粉とを用いるので、溶融混練開始までに、上記低融点化剤粒子の表面が、上記着色剤または上記着色剤と上記分級で出た微粉との吸着により覆われる。
したがって、低融点化剤の表面が、同じ混合装置内の環境において融着性を持たないかあるいは低融点化剤よりも融着性が弱い着色剤や微粉で覆われているので、低融点化剤の、混合装置の内壁への融着が阻止される。
それゆえ、別途専用の物質を用意することなく、容易に、低融点化剤の、混合装置への融着を防止することができる。
なお、上記の構成に加えて、上記被覆剤が、トナーの着色剤として用いるカーボンブラックであり、そのpH値が4以下、比表面積が100〜150m2/gであるように構成してもよい。このようにすれば、上記の構成による効果に加えて、より簡単かつ良好に、低融点化剤の、混合装置への融着を防止することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るトナーの製造方法は、上記の構成に加えて、上記被覆剤による被覆処理において、低融点化剤表面に対し被覆剤の被覆率が100%以上であるので、低融点化剤表面を全て覆うとともにさらに分厚く覆うことができる。それゆえ、上記の構成による効果に加えて、低融点化剤の、混合装置への融着を一層効果的に防止することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るトナーの製造方法は、上記の構成に加えて、上記被覆剤による被覆処理を、原料の混合と同時に行うので、別途専用の工程を設けなくても、原料の混合を行いながら被覆処理を行うことができる。それゆえ、上記の構成による効果に加えて、製造工程を簡素化することができるという効果を奏する。
なお、これとは異なり、まず被覆剤を添加して被覆処理だけを行い、次いで原料の混合に移ってもよいし、まず原料の混合だけを行い、次いで被覆剤を添加して被覆処理に移ってもよい。
本発明の実施の一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
通常トナーを作製する場合には、結着樹脂(結着剤)、離型剤、染顔料(着色剤)、帯電制御剤、磁性粉末などの物質を混合して作製する。結着樹脂としては、例えばH体ポリエステル樹脂、L体ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン/アクリレート共重合体樹脂、エポキシ樹脂などが使用可能である。着色剤としては、例えばカーボンブラックであれば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、アセチレンブラックなどを使用することができる。離型剤としては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、脂肪酸エステル、ライスワックス、カルナバワックスなどを使用することができる。これらの離型剤は、低融点結晶性化合物であり、多量に結着樹脂中に含有させることでトナーの低融点化が行われ、これにより低温での定着を可能にする低融点化剤として働く。
また、本実施の形態では、トナー中の染顔料の分散を向上させるために、マスターバッチを用いる。マスターバッチの製造方法としては、結着樹脂等の結着剤と染顔料等の着色剤とを予めミキサー(混合装置)で充分に混合した後、フィーダーによって樹脂の軟化点よりもすこし高めの温度に加熱した通常2本ロール、3本ロールもしくは開放型混練機に排出しながら巻きつけ、ロールの回転により染顔料を均一に分散させ、混練物をカッターで切り出すことによって得ることができる。
トナーの製造方法としては、前述の図4に示した手順をとることができる。すなわち、マスターバッチを含む上記樹脂などの原料をミキサーで均一に混合し、それを一軸または二軸の連続混練機を用いて溶融混練したのち、ハンマーミルやカッターミルで粗砕した後、ジェットミル式粉砕機などで微粉砕を行い、分級工程によって所定の粒度分布にした後、シリカやアルミナなどの外添剤をトナー表面に付着させる外添工程を経てトナーを製造することができる。
ここで、低融点化剤は低融点であるため混合時に粘着性・接着性が強く、そのままでは混合装置(ミキサーなど)の内壁や撹拌のための羽根等に融着しやすい。そこで、本実施の形態では、低融点化剤よりも粘着性・接着性が低く、したがって混合装置内壁に融着しにくい物質を、被覆剤として低融点化剤と混合する。被覆剤としては、混合処理中に、原料として仕込んだマスターバッチに使用されるのと同じ着色剤や、分級処理中で出る微粉を採用可能である。その結果、被覆剤が低融点化剤粒子の表面に付着し、これにより低融点化剤粒子の表面が被覆剤で覆われる(すなわち、低融点化剤粒子の表面に、被覆剤による被膜が形成される)ので、粒子表面の粘着性・接着性が減少する。したがって、混合装置の中で混合するときに、低融点化剤の、混合装置の内壁への融着が阻止される。
低融点化剤が混合装置の壁面や羽根に融着しているか否かは、例えば製造終了後に目視により判断できる。また、低融点化剤粒子の表面に被覆剤による被膜が形成されたかどうかは、後述のように、顕微鏡で観察すれば判断できる。したがって、種々条件を変えて製造テストを繰り返し、被膜の出来具合を観察するなどして、良好に被覆処理がなされうる条件を探せばよい。
溶融混練開始までに、低融点化剤粒子の表面に吸着させて低融点化剤粒子表面を覆う役割を持った被覆剤として、色を出すために本来の意図でマスターバッチの形で使っている着色剤や、分級で出た微粉を兼用してもよい。しかしながら、これ以外にも、このような被覆作用を持つとともに、所望のトナーの特性を損なうことのない物質であればよい。すなわち、被覆剤としては、同じ溶融混練装置内の環境において融着性を持たないか、あるいは溶融状態の低融点化剤よりも融着性が弱いものであればよい。そのような、低融点化剤を覆うためだけに用意した物質を使ってもよい。例えば、同じ色の着色剤ではあるが、メインのものとは異なる着色剤を混ぜてもよい。例えば、本来用いる着色剤以外の着色剤としてであれば、本来用いる着色剤としてのカーボンブラックに対し、ファーネスブラックやケッチェンブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、アセチレンブラックなどを共に混合してもよい。なお、一つの着色剤に兼用させた場合には、トナーの内容物の特性を把握しやすく、したがってトナーの特性を制御しやすいという利点がある。
また、被覆処理として、上記のような被覆作用を持つとともに、所望のトナーの特性を損なうことのない限り、着色剤と微粉との両方を用いてもよいし、着色剤のみを用いてもよいし、微粉のみを用いてもよい。両方を用いれば、片方のみを用いる場合と比べて、それぞれの必要量が少なくて済む。
また、被覆処理と原料の混合とは、同時に行ってもよいが、これとは異なり、まず低融点化剤に被覆剤を添加して被覆処理だけを行い、次いで原料の混合に移ってもよいし、まず原料の混合だけを行い、次いで被覆剤を添加して被覆処理に移ってもよい。同時に行った場合、製造工程を簡素化できる。
ここで、結着剤としてガラス転移点が65℃以下の結着樹脂を選び、低融点化剤として融点が80〜150℃のワックスを選んだ場合、被覆剤としても機能する着色剤として、pH値が3以上4以下、比表面積が100〜150m2/gのカーボンブラックを採用することができる。
以下に示すのは、着色剤としてカーボンブラックを使用し、該カーボンブラックの特性として比表面積(m2/g)、pH値、粒径(nm)についていくつかの組み合わせで4種類のカーボンブラックを作成し、混合工程において上記の4種類のカーボンブラックや微粉をそれぞれミキサーで混合して、ミキサーの壁面や羽根へのワックスの融着具合を調査することで、ミキサーと上記ワックスとの融着を効果的に防止するカーボンブラックを検討した。
なお、この融着具合の調査方法について、図1に示した混合工程に基づいて説明すると以下の通りである。
計量工程1では、表1に示すトナーの原料となる材料を計量した。原料は、H体ポリエステル樹脂およびL体ポリエステル樹脂、マスターバッチ、磁性粉末、帯電制御剤、ポリエチレンワックスである。H体ポリエステル樹脂およびL体ポリエステル樹脂は結着樹脂(結着剤)であり、ポリエチレンワックス(以下、単に「ワックス」と称する)は低融点化剤である。
なお、ここで「部数」とは重量基準である。
Figure 0004047253
続いて、混合工程2に進む。図2には、図1の混合工程2において用いたミキサーの一例として、スーパーミキサー(カワタ社製、SMV−20A)の断面図を示す。また、上記スーパーミキサー(カワタ社製、SMV−20A)の上羽根8および下羽根9について、図3(a)には上羽根として使用したS型撹拌羽根を示し、図3(b)には下羽根として使用したBL型撹拌羽根を示す。
上記スーパーミキサーのタンク7に、計量工程1において計量した、表1に示した結着樹脂などの原料と、表2に示すようなそれぞれ異なる特性を持つカーボンブラック(カーボン(1)〜(4))3および/または微紛4とを加える。
Figure 0004047253
上記スーパーミキサーのモーター10を作動させることによりタンク7内の上羽根8および下羽根9が回転し、上記材料を混合した。
なお、ここでの混合条件は、400rpm、5分間とした。
続いて、6で示すように、融着具合を調査する。すなわち、上記ミキサーによる混合を行った後、上記ワックスが上記ミキサーの壁面や羽根に融着しているかを調査した。
以下に示す実施例および比較例により、上述した過程によって調査した上記ワックスと上記ミキサーとの融着具合について、表3に示した実験結果に基づいて説明する。
なお、表3に示した融着の評価は、○:融着なし、△:やや融着あり、×:融着あり、××:かなりの融着ありの4段階で示した。
Figure 0004047253
実施例1として、表1に示した結着樹脂などの原料に、表2で示した比表面積130m2/g、pH3、粒径24nmの特性を持つカーボン(1)を1部添加し、上記混合条件で混合して融着具合の評価を行った。
実施例2として、上記カーボン(2)の添加量を3部に変化させたこと以外は実施例1と同様の条件で融着具合の評価を行った。
比較例1として、上記カーボン(1)の添加量を0.9部に変化させたこと以外は実施例1と同様の条件で融着具合の評価を行った。
比較例2として、上記カーボン(1)の添加量を0.5部に変化させたこと以外は実施例1と同様の条件で融着具合の評価を行った。
比較例3として、表1に示した結着樹脂などの原料に、表2で示した比表面積90m2/g、pH3、粒径27nmの特性を持つカーボン(2)を1部添加し、上記混合条件で混合して融着具合の評価を行った。
比較例4として、表1に示した結着樹脂などの原料に、表2で示した比表面積130m2/g、pH5、粒径23nmの特性を持つカーボン(3)を1部添加し、上記混合条件で混合して融着具合の評価を行った。
比較例5として、表1に示した結着樹脂などの原料に、表2で示した比表面積160m2/g、pH3、粒径20nmの特性を持つカーボン(4)を1部添加し、上記混合条件で混合して融着具合の評価を行った。
比較例6として、表1に示した結着樹脂などの原料に、カーボンブラックの代わりに微粉を15部添加した以外は実施例1と同様の条件で融着具合の評価を行った。
比較例7として、上記微紛の添加量を10部に変化させたこと以外は実施例5と同様の条件で融着具合の評価を行った。
実施例3として、実施例1でのカーボンブラックのみの添加の代わりに、その添加量を1部から0.9部に減らして、微粉15部とカーボンブラック0.9部とを併せて添加したこと以外は実施例1と同様に評価を行った。
比較例8として、カーボンブラックまたは微紛のいずれも添加せず、その他の条件は実施例1と同様の条件で融着具合の評価を行ったものを示す。
実施例1、2および比較例1、2では、カーボン(1)の添加量を変化させ、ワックスの、ミキサーへの融着具合を調査した。そのうち実施例1、2で、カーボン(1)を1部添加した場合と3部添加した場合とはミキサーへの融着を完全に防止することができることがわかった。またカーボン(1)を0.9部添加した比較例1の場合では、ミキサーへの融着が若干見られ、融着を完全に防止することができないことがわかった。さらにカーボン(1)を0.5部添加した比較例2では、上記ミキサーへの融着がかなり存在することがわかった。
これにより、実験例1、2においては上記ミキサーへの融着がまったく見られなかったのに対し、0.9部添加した比較例2において上記ミキサーへの融着が若干見られたということから、本実施例の条件における、融着を完全に防止する下限値は1部であることがわかった。
ワックスのミキサーへの融着の防止は、カーボンブラックの粒子がワックスの表面を覆い、その結果ワックスのミキサーへの融着を阻止したためであると考えられる。
そこで上記混合工程にて混合した材料を光学顕微鏡で観察したところ、実施例1、2における材料においては、結着樹脂やワックス等の粒子がカーボンブラックによって全体的に覆われている様子が認められた。また、各材料の粒径や比重を基にした計算結果からも、カーボンブラックを1部添加したときのワックス表面に対するカーボンブラックの被覆率が100%であることが確認され、被覆率が100%以上のときに融着を防止できることがわかった。
ここで、被覆率とは、一つの粒子(ここではワックスの粒子)における全表面積に対する被覆面積(すなわち被覆面積/全表面積×100)である。
すなわち、原料混合時に被覆剤として投入するカーボンブラック以外の各原料の粒子径、比重、重量部から表面積を算出し、その全表面積とカーボンブラックの投影面積との割合から被覆率を算出した。結果として、どの原料にも同じ被覆率でカーボンブラックが被覆するものと仮定した計算方法となっている。より詳しくは、H体・L体ポリエステル樹脂、マスターバッチ、磁性粉末、帯電制御剤、ポリエチレンワックス、カーボンブラックの比重、粒子径から粒子1個の表面積・体積・投影面積を算出し、各原料の投入量からさらに全粒子の体積・個数・表面積・投影面積を算出した。被覆率は、カーボンブラックの全投影面積をカーボンブラック以外の原料の全表面積で割り100を掛けたものとして算出した。
100%以上であるというのは、被覆剤(ここでは着色剤としてのカーボンブラック)粒子が低融点化剤(ここではワックス)粒子の全ての表面を覆い尽くした上にさらに積み重なって堆積し、被覆剤粒子が複数層を形成した形で覆った状態であるということを意味する。すなわち、融着を防止できる条件としては、最低でもワックスの全ての表面を覆い尽くさなければならないが、ワックスの全ての表面をちょうど被覆剤粒子一層で覆った状態(100%)に限らず、それ以上に被覆剤粒子を分厚く堆積させて被覆してもよい。
実施例1および比較例3〜5では、カーボンブラックの添加量を1部と一定としたまま、表2に示した特性の異なる4種類のカーボンブラックを添加させたときの結果である。
これによると、カーボン(1)を用いた実施例1以外は上記ミキサーへの融着が若干見られたということから、カーボンブラックの特性としてpH値が3以上4以下、比表面積が100〜150m2/gの特性を持つ場合に融着改善を効果的に行えることがわかった。
実施例3および比較例6、7は、図4に示す分級工程14において生じた微紛4を上記カーボンブラックとともに、あるいはカーボンブラックの代わりに用いて同様の融着評価を行ったものである。
微粉のみの添加ではカーボンブラック添加時のように完全に融着を防ぐことはできなかったが、添加量を増やすと融着量が軽減したことから、カーボンブラックだけでなく微粉にも融着改善に効果があるということが判明した。すなわち、微紛を10部添加した比較例7では、上記ミキサーへの融着をまったく防止できないことがわかった。しかし微紛を15部に増加して添加した比較例6では、上記ミキサーへの融着量が軽減されることがわかった。
実施例3では、上記ミキサーへの融着が若干見られた比較例1と同量のカーボンブラック(カーボン(1))を用い、加えて上記ミキサーへの融着が若干見られた比較例6と同量の微紛15部を添加したものである。
これにより、微粉とカーボンブラックとを併せて添加した場合は、それぞれの単独の使用では融着が発生した添加量でも、2つを併せることによって融着を完全に防止できることがわかった。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、結着樹脂、ワックス、着色剤、帯電制御剤、磁性粉末などの物質と、予め結着樹脂と着色剤を混練して作製したマスターバッチとを混合して、トナーを作製する電子写真用のトナーの製造方法において、まず、上記ワックスと上記着色剤とを混合し、該ワックスの表面に該着色剤の粒子による被膜を形成した後、そのほかの上記物質および上記マスターバッチを混合するように構成してもよい。
上述した製造方法によれば、上記ワックスの表面に、トナーの原料である上記着色剤の粒子を混合させることにより被膜を形成することができ、低融点結晶性化合物を用いることで低温での定着を可能にしながら、低融点結晶性化合物がミキサーの壁面や羽根に融着するのを効果的に防ぐことができる。
また本発明の電子写真用トナーの製造方法は、上記ワックスの融点以下の温度で上記物質を混合するように構成してもよい。
過熱がトナーの品質低下の原因となるため、トナーの製造はできるだけ低い温度で行うことが望まれている。
したがって上述したような方法により、ワックスはその表面を着色剤により被覆されているので、該ワックスの融点温度以下においても該ワックスがミキサーに融着することなく混合することが可能となる。
したがって、高品質のトナーを製造することが可能となる。
また本発明の電子写真用トナーの製造方法は、pH値が3以上4以下、比表面積が100〜150m2/gの特性を持つ上記着色剤を使用するように構成してもよい。
上記ワックスの表面が低温による処理を行っても、ミキサーに融着しないために、pH値が3以上4以下、比表面積が100〜150m2/gの特性を持つ上記着色剤を使用することで、効果的に融着を防ぐことが可能となる。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、上記混合における上記ワックスの表面に対する上記着色剤の被覆率が100%以上であるときに上記ワックスの表面とミキサーとの融着を完全に防ぐことができるように構成してもよい。
これにより、ミキサーとの融着を完全に防ぐには上記着色剤の粒子が上記ワックスの表面を100%またはそれ以上の被覆率で被覆していることが必要である。
また本発明の電子写真用トナーの製造方法は、トナー製造時の分級工程で生じた微紛を回収し、上記ワックスと上記着色剤とを混合している中に添加するように構成してもよい。
微紛トナーを製造工程に戻すことにより、新たなトナーの製造に用いられることができるので生産効率を向上させることができる。
また本発明の電子写真用トナーの製造方法は、上記混合により、上記ワックスの表面に対する上記着色剤の被覆率が100%未満であっても上記微紛により被覆率を100%以上にすることができるように構成してもよい。
例えば、混合した上記着色剤の量が上記ワックスの表面を被覆するために充分な量ではなかった場合に、低温による処理を行うことによってミキサーに融着してしまう可能性がある。
上述した方法によれば、分級工程で生じた微紛を回収し、上記着色剤と上記ワックス中に添加することで、上記着色剤によって被覆しきれなかった上記ワックスの表面を上記微紛が被覆することができ、ミキサーへの融着を防ぐことができる。
また、本発明は、少なくともガラス転移点が65℃以下の結着樹脂と融点が80℃〜150℃のワックスと、予め結着樹脂と着色剤を混練して作製したマスターバッチとを混合し、溶融混練した後、粉砕、分級する製造方法において、前記ワックスが前処理されているように構成してもよい。
また、本発明は、ワックスと前処理を行う物質がトナーの特性を損なうことのない着色剤または前記分級工程で生じる微粉と前記着色剤とを併せて用いるように構成してもよい。
また、本発明は、第1のトナーの製造方法における前処理で用いる着色剤は、pH値4以下、比表面積が100〜150m2/gのカーボンブラックであるように構成してもよい。
また、本発明は、第1のトナーの製造方法における前処理において、ワックス表面に対しカーボンブラックの被覆率が100%以上であるように構成してもよい。
また、本発明は、第1のトナーの製造方法における前処理が原料混合と同時に行われるように構成してもよい。
省エネルギー化、コスト削減、またウォームアップタイムの短縮の観点から低融点結晶性化合物を用いて低温での定着を行うようにしながらも、原料混合時に低融点化剤が製造装置等の内壁に融着することなく原料混合を行うことができ、画像データに応じてトナーを媒体に定着させて画像を形成する電子写真の用途にも適用できる。
トナーの一般的な製造工程を示す図である。 スーパーミキサーの断面図である。 (a)はスーパーミキサーの上羽根として用いたS型標準撹拌羽根の平面図であり、(b)はスーパーミキサーの上羽根として用いたBL型標準撹拌羽根の平面図である。 トナーの一般的な製造工程を示す図である。
符号の説明
1 計量工程
2 混合工程
3 カーボンブラック(カーボン(1)〜(4))
4 微紛
5 スーパーミキサー
6 融着具合の調査
7 タンク
8 上羽根
9 下羽根
10 モーター
11 溶融混練工程
12 冷却工程
13 粗粉砕工程
14 粉砕・分級工程
15 微粉
16 製品


Claims (5)

  1. 結着剤および着色剤を成分として含み且つ低融点化剤を成分として含まないマスターバッチと、結着剤と、低融点化剤とを混合する混合工程と、
    前記混合工程の後、前記混合工程にて得られた混合物に対して溶融混練処理、粉砕処理、分級処理をこの順に施すことによってトナーを得るトナー生成工程とを含み、
    前記混合工程では、前記マスターバッチ、結着剤、低融点化剤の他に、前記低融点化剤の表面を被膜するための被膜剤も混合し、
    前記着色剤と同じ色の着色剤を前記被膜剤として用いることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記混合工程では、前記マスターバッチ、前記結着剤、前記低融点化剤、前記被膜剤の他に、前記分級処理で得られる微粉も混合することを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記低融点化剤表面に対する前記被膜剤の被覆率が100%以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記被膜剤による被膜処理は、前記混合工程が実行されている間に行われることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  5. 前記着色剤および被膜剤は、pH値が4以下であって比表面積が100〜150m /gのカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
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