JP4493409B2 - 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナーおよびその製造方法に関する。
電子写真方式、静電印刷方式などの画像形成装置においては、静電荷像現像用トナー(以後特に断らない限り単に「トナー」と称す)を用いて、記録材に画像が形成される。
すなわち、電子写真方式の画像形成装置に例をとれば、感光体上に種々の作像プロセスにて静電荷像を形成し、次いで現像機から供給されるトナーにより感光体上の静電荷像を現像してトナー像とし、該トナー像を記録材に転写した後、定着ローラにより加熱加圧して記録材に定着させて画像が記録される。
トナーは、結着樹脂中に着色剤、電荷制御剤、離型剤などの添加成分を分散させた微細粒子であり、画像濃度の高い画像を形成でき、帯電性能が高いことが要求される。帯電性能が低いと、感光体の静電荷像以外の部分にトナーが付着するカブリという現象が起こりやすくなる。カブリは、画像の画質を低下させるとともに、トナー消費量が徒らに増加させるという欠点がある。帯電性能が低いと、トナーが画像形成装置内部で飛散するという弊害も起こる。また、トナーには、耐オフセット性に優れることが要求される。オフセットとは、トナー像の定着時にトナーが記録材ではなく定着ローラに融着する現象であり、定着ローラにトナーが融着すると、画像記録を円滑に実施することが困難になる。特に、高温でオフセット現象が起こらないこと、すなわち耐ホットオフセット性に優れることが望まれる。また、トナーは画像形成装置内のトナー収容容器に充填されるけれども、画像形成装置内は、定着ローラなどの余熱によって比較的高温になりやすいので、トナーが互いに融着して凝集し、粗大化するブロッキングという現象が起こる。従って、トナーには、ブロッキングを起こし難く、保存性が良好であることが要求される。さらに、記録材への定着強度が高いことも必要である。
静電荷像現像用トナーの代表的な製造法に、粉砕法がある。粉砕法は、たとえば、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、離型剤などの原料をヘンシェルミキサーなどの混合機により乾式混合し、この原料混合物を、混練機により、加熱下に圧縮力およびせん断力を付与しながら溶融混練する混練工程と、混練工程で得られる溶融混練物を冷却して固化させ、この固化物を粉砕装置により微粉砕してトナー粒子を得る粉砕工程とを含む。なお、粉砕工程で得られるトナー粒子は、必要に応じて、分級装置により分級され、トナーとしての性能を充分発揮できるように粒子径を揃える分級工程、流動化剤などの外添剤を混合する後処理工程などに供される。このような粉砕法において、トナー性能を向上させるためには、結着樹脂中での各原料の分散性が重要である。このため、混練工程で用いられる混練機としても、ニーダ、ロールミル、押出機などの従来からの汎用混練機とともに、最近では、微粒成分を樹脂中に分散させる性能および生産性が高い連続式2本ロール型混練機が用いられるようになってきている。連続式2本ロール型混練機は、2本のロールの間隙部で樹脂および微粒成分が圧縮およびせん断を繰り返し受けることで、従来の混練機よりも、微粒成分の樹脂中への分散性が向上する。
従来から、連続式2本ロール型混練機を用いた静電荷像現像用トナーの製造方法は、種々提案されている。なお、オープンロール型混練機は、連続式2本ロール型混練機の一型式である。
たとえば、結着樹脂と着色剤とを含む原料混合物を、オープンロール型混練機によって溶融混練するに際し、該混練機のロール軸方向に沿って複数の位置に原料供給口を設け、結着樹脂全量の6〜70重量%を該混練機の入口側のロール端部からロール長さの1/2までの位置で連続的に供給し、かつ着色剤の50〜100重量%を該混練機の入口側端部からロール長さの1/2までの位置で供給することを特徴とするトナーの製造方法が挙げられる(たとえば、特許文献1参照)。
また、結着樹脂、着色剤およびワックスを含み、ワックス含有量が結着樹脂100重量部に対して3〜20重量部である組成物をオープンロール型混練機によって溶融混練するに際し、混練温度を結着樹脂の溶融温度±20℃に保持することを特徴とするトナーの製造方法が挙げられる(たとえば、特許文献2参照)。この方法では、混練温度を前記の範囲にすることによって、まず、混練機のロールを原材料、特に結着樹脂を巻き付かせたのち、せん断力σを加えて着色剤などの添加成分を結着樹脂に分散させる。したがって、この方法では、原材料をロールに巻きつかせるために、原材料中の結着樹脂の溶融温度またはその付近の温度で混練する必要がある。次に、添加成分の分散を向上させるには、せん断力を最大にすることが必要である。せん断力σは、下記式(3)で表わされる。
σ=[2ηu(Dh)1/2]g(θ)/hx …(3)
〔式中、η:材料粘度、D:ロール径、u:前後ロールの平均速度、h:ロール間隔、x:バンク高さ、g(θ):ロール間隔とバンク幅との装置関数を示す。〕
なお、式(3)における前後ロールの平均速度uは、
u=πD(N+N)/2
〔式中Dは上記に同じ。π:円周率、N:前ロール回転数、N:後ロール回転数である。〕
で表わされる。すなわち、上記式から、せん断力σを最大にするには、たとえば、材料粘度ηを高くすることが考えられる。材料粘度は、結着樹脂の溶融温度に関連し、混練温度が樹脂の溶融温度よりも低いと材料粘度は高くなり、溶融粘度よりも高いと材料粘度は低くなる。したがって、添加成分の分散性を向上させるためには、混練温度を結着樹脂の溶融温度よりも低くし、結着樹脂の溶融粘度を低く保つことが必要である。このため、混練温度を結着樹脂の溶融温度±20℃に設定している。しかしながら、この方法では、着色剤濃度が高くなると、着色剤の充填剤効果による増粘作用により樹脂粘度が高くなるので、結着樹脂の溶融温度前後では結着樹脂およびその他の添加成分を充分ロールに巻き付かせることができない。また、この時、ロールへの巻き付きを充分に実行するために、混練温度を高くすると、樹脂粘度が低くなりすぎるので、せん断力σを掛けることができなくなる。したがって、この方法では、添加成分の結着樹脂への分散が不充分になるおそれがある。
また、結着樹脂と着色剤とを含む原料混合物を、嵩密度が元の原料混合物の1.3倍以上になるように造粒し、得られる造粒物を連続式2本ロール型混練機で溶融混練し、その際、溶融混練物の該混練機内での平均滞留時間を2分以上、好ましくは5分以上にする第1混練工程と、第1工程で得られる混練物(マスターバッチ)と結着樹脂とを押出機により溶融混練する第2混練工程とを含むトナーの製造方法が挙げられる(たとえば、特許文献3参照)。この方法は、第1混練工程でトナーのマスターバッチを製造し、第2混練工程でマスターバッチに樹脂を加えて希釈する、いわゆるマスターバッチ法と呼ばれる方法である。ここで、平均滞留時間θs(分)は、下記式(4)で定義される。
θs=300・π・L・ρ・Δd(Δd+D)・1/F …(4)
〔式中、π:円周率、L:有効ロール長さ(m)、D:ロール径(m)、Δd:ロール間隙(m)、F:混練物処理速度(kg/h)、ρ:混練物密度(kg/m)である。〕
特許文献3の製造方法では、式(4)で示されるように、第1混練工程における混練機内での滞留時間ひいては混練時間をロール寸法、ロール間隙、混練処理速度、混練物密度などに基づいて制御することにより、着色剤などの結着樹脂への分散性を向上させている。しかしながら、この方法では、特に第2混練工程において、マスターバッチの結着樹脂中への分散性が不充分であることから、結着樹脂に対するマスターバッチの使用割合を高めることができない。このため、その実施例の第2混練工程では、結着樹脂100重量部にマスターバッチ12重量部という少量を混練する例が開示されるのみである。このように、特許文献3の製造方法には、一度の製造で得られるトナー量が少なく、生産性が非常に低いという解決すべき課題がある。
加えて、特許文献1〜3により得られる静電荷像現像用トナーは、着色剤などの添加成分の結着樹脂中への分散性が従来のものよりは向上しているものの、耐オフセット性、記録材への定着強度、保存性などは充分満足できるものではない。
特開2000−75543号公報 特開2000−75548号公報 特許第2993624号明細書
本発明の目的は、マスターバッチ法を利用した静電荷像現像用トナーの製造方法であって、耐オフセット性、記録材への定着強度、保存性などに優れ、カブリなどの発生がほとんどなく、画像濃度の高い画像を形成できる静電荷像現像用トナーを生産性良く製造する方法、および該製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行い、その研究過程で、連続式2本ロール型混練機で混練を行う場合には、強いせん断力が繰り返し付与されるので、結着樹脂の分子切断、ゲル成分破壊などが起こり、結着樹脂本来の特性が損なわれ、得られるトナーの耐オフセット性、定着強度、保存性などが低下することを見出した。
この知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、マスターバッチ法でありながら、結着樹脂の特性を損なうことなく、着色剤などの添加成分の結着樹脂への分散性を向上させることができる方法を得ることに成功し、しかも、該方法によれば所望の特性を有する静電荷像現像用トナーを生産性良く製造できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、混練工程が、結着樹脂および着色剤を含有する原料混合物を連続式2本ロール型混練機によって溶融混練する第1混練工程と、第1混練工程で得られる混練物を結着樹脂と混合し、この混合物を連続混練機によって溶融混練する第2混練工程とを含む静電荷像現像用トナーの製造方法において、
第1混練工程における溶融混練が、下記式(1)を満たす条件下に実施され、
=1.67×CCB+Tm−k±20 …(1)
〔式中、Tは連続式2本ロール型混練機の前ロール内における原料混合物投入側のロール加熱用媒体温度(℃)を示し、CBは第1混練工程における原料混合物中の着色剤濃度(重量%)を示し、Tmは結着樹脂の軟化点温度(℃)を示す。kは連続式2本ロール型混練機の装置定数であり、29である。〕
前記結着樹脂の軟化点温度(Tm)は、80℃以上150℃以下であり、
前記着色剤濃度(C CB )は、5重量%以上60重量%以下であり、
第1混練工程では、
連続式2本ロール型混練機の前ロールの回転数が150rpm以下であり
連続式2本ロール型混練機の高速回転ロールと低速回転ロールとの回転比が1:1〜1:0.3であり、
連続式2本ロール型混練機の前ロールと後ロールとの間隙が0.1mm〜3mmであり、
第1混練工程における混練物の平均滞留時間(θs)が下記式(2)
θs=0.12×C CB ±1 …(2)
〔式中、θsは平均滞留時間を示し、C CB は前記と同一意味を示す〕
を満たす範囲内に設定されることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
さらに本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、前述の第1混練工程にて使用する結着樹脂の粒度が0.1mm〜0.4mm(0.1mm以上、0.4mm以下)であることを特徴とする。
さらに本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、前述の第1混練工程にて使用する結着樹脂のゲル残存量が5%以下であることを特徴とする。
また本発明は、前述のいずれか1つの製造方法によって製造されてなることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
本発明によれば、第1混練工程で、結着樹脂および着色剤などの添加成分を含む原料混合物を連続式2本ロール型混練機により溶融混練するに際し、該混練機における前ロール内の原料混合物投入側の前ロール加熱用媒体温度Tを、式(1)で表わされる特定の範囲に設定し、かつ第1混練工程で得られる混練物を第2混練工程で押出機などの連続混練機により結着樹脂と混練して希釈することによって、結着樹脂が本来有する物性をほとんど損なうことなく、添加成分、特に着色剤が均一に分散した静電荷像現像用トナーが得られる。
特に、本発明の製造方法では、式(1)で表される温度範囲を設定することによって、第1混練工程における原料混合物中の着色剤濃度に関係なく(着色剤濃度が高くなっても)、原料混合物のロールへの巻き付けひいては原料混合物への充分なせん断力の付与が実現できるので、添加成分の結着樹脂中への分散性が向上し、トナーに要求される性能のいずれをも高水準で満たす静電荷像現像用トナーが得られる。さらに、第1混練工程で得られる混練物が、トナー用結着樹脂として用いられる各種合成樹脂に対する分散性に優れるので、第2混練工程で溶融混練機として押出機などの連続混練機を用いても、たとえば、結着樹脂100重量部に対して40〜80重量部程度のかなり多い量を添加することが可能である。したがって、上記製造方法では、静電荷像現像用トナーを生産性良く製造することができる。
た、第1混練工程において、連続式2本ロール型混練機の前ロールの回転数を好ましくは150rpm以下、さらに好ましくは100rpm以下に調整することによって、ロールの回転に伴う発熱量の増加を抑制し、着色剤などの添加成分の結着樹脂中への分散性をさらに向上させることができる。
さらに、第1混練工程において、連続式2本ロール型混練機の高速回転ロールと低速回転ロールとの回転比を1:1〜1:0.3の範囲に調整することによって、着色剤などの添加成分の結着樹脂中への分散性を一層向上させ得るとともに、着色剤および結着樹脂を含む原料混合物を加熱して得られる混練物のロールへの巻き付き性がさらに向上する。また、前ロールおよび後ロールを回転させるための動力を、これらのロールに効率良く伝達することができる。
さらに、第1混練工程において、連続式2本ロール型混練機の前ロールと後ロールとの間隙を好ましくは0.1〜3mmに調整することによって、原料混合物の溶融混練物がロール間を円滑に通過するので、本発明製造方法の生産性がさらに向上する。
さらに、第1混練工程において、連続式2本ロール型混練機内での混練物の平均滞留時間を、該混練物中の着色剤濃度に基づいて制御することによって、具体的には平均滞留時間と着色剤とが上記式(2)の関係を有するように制御することによって、着色剤の混練物中での分散性(着色剤の結着樹脂への分散性)および生産性の両方を高い水準で満足させることができる。
さらに本発明によれば、第1混練工程において、結着樹脂として、粒度0.1〜0.4mmであるペレット状結着樹脂を用いるのが好ましい。これによって、原料混合物のロールへの巻き付きが一層均一になり、着色剤などの添加成分の分散性が一層向上する。
さらに本発明によれば、第1混練工程において、結着樹脂として、ゲル残存量が結着樹脂全量の0.5重量%以下のものを用いるのが好ましい。これによって、耐オフセット性、記録材への定着強度、保存性などが一層向上した静電荷像現像用トナーを得ることができる。
また本発明によれば、本発明の製造方法によって、耐オフセット性、記録材への定着強度、保存性などに優れ、カブリなどの発生がほとんどなく、画像濃度の高い画像を形成できる静電荷像現像用トナーが得られる。さらに、本発明の製造方法によって製造された静電荷像現像用トナーでは、着色剤の分散性が一層向上し、着色剤が均一に結着樹脂中に分散しているので、従来よりも高い画像濃度を確保することができ、隠蔽性にも優れている。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、混練工程が、第1混練工程および第2混練工程を含む。
[第1混練工程]
第1混練工程は、結着樹脂および着色剤を混合する原料混合工程と、原料混合工程で得られる原料混合物を溶融混練する溶融混練工程とを含む。
原料混合工程で使用する結着樹脂としては、従来からこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリスチレン、ポリp−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単独重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリル酸樹脂などの(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなどのビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエステル、不飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアマイド、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは必要に応じて相溶性などを考慮しながら2種以上を併用できる。
結着樹脂としては、粉末状、ビーズ状、フレーク状またはペレット状のものが好ましく、これらの中でも、粒度が0.1〜0.4mmのものがさらに好ましい。0.1mm未満では、粉落ち(連続式2本ロール型混練機のロール表面からの落下)が起こり、ロール表面への巻き付きが不充分になる可能性がある。0.4mmを超えると、樹脂が2本のロールの間に入らずにただその上を流れるショートパスという現象が起こり、やはりロール表面への巻き付きが不充分になるおそれがある。
また結着樹脂としては、ゲル成分含有量が、結着樹脂全量の5重量%以下のものが好ましい。ここで、ゲル成分とは、架橋されて溶媒に対して不溶性となったポリマー成分を意味し、ゲル成分を含む結着樹脂とは、部分的に架橋された結着樹脂を意味する。ゲル成分含有量が結着樹脂全量の5重量%を超えると、ゲル成分がせん断力を受けて変性し、結着樹脂の特性にも悪影響を及ぼし、最終的に得られるトナーの耐オフセット性、記録材への定着強度、保存性などを低下させるおそれがある。
なお、ゲル成分を含む結着樹脂は、たとえば、重合の際に架橋成分を含ませることにより合成できる。架橋成分は結着樹脂の種類によって異なり、たとえば結着樹脂がポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの場合は、3価以上の多価アルコール、3価以上の多塩基酸などである。
さらに結着樹脂としては、軟化点温度Tmが80〜150℃(80℃以上、150℃以下)のものが好ましい。軟化点温度が前記範囲の結着樹脂を用いることによって、着色剤などの添加成分の結着樹脂中での分散性を一層向上させることができる。
なお、本明細書において、軟化点温度は次のようにして測定される。
軟化点温度の測定には、フローテスター(商品名:CFT−500型、(株)島津製作所製)を用いる。試料の60メッシュパス品約1.0〜1.5gを成形器により約9.8×10Pa(100kg/cm)の加重で1分間加圧する。得られる成形試料を用い、下記の条件下および常温常湿下(温度約20〜30℃、湿度30〜70%RH)に、上記フローテスターによる測定を行い、溶融流出開始点から流出終了点までの高さの1/2に相当する温度を軟化点温度(℃)とする。
昇温速度6.0℃/分、開始温度70.0℃、到達温度200.0℃、
測定間隔3.0℃、予熱時間300.0秒、
荷重約19.6×10Pa(20.0kgf)、
ダイ直径1.0mm、ダイ長さ1.0mm、ブランジャー1.0cm
結着樹脂の原料混合物中の含有量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは原料混合物全量の40〜95重量%、さらに好ましくは45〜92重量%である。
着色剤としても、この分野で常用される顔料、染料および磁性粉を使用でき、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラックなどの黒色着色剤、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタン黄、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ピグメントイエロー、ベンジジンイエロー、パーマネントイエロー、キノリンイエローレーキ、アンスラピリミジンイエローなどの黄色着色剤、パーマネントオレンジ、バルカンファストオレンジ、ベンジジンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジなどの橙色着色剤、酸化鉄、アンバー、パーマネントブラウンなどの褐色着色剤、ベンガラ、アンチモン末、パーマネントレッド、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミン、ライトファスレッドトーナー、パーマネントカーミン、ピラゾロンレッド、ボルドー、ヘリオボルドー、ローダミンレーキ、チオインジゴレッド、チオインジゴマルーンなどの赤色着色剤、コバルト紫、ファストバイオレット、ジオキサジンバイオレットなどの紫色着色剤、コバルトブルー、セルリアンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー、インジゴなどの青色着色剤、クロムグリーン、コバルトグリーン、グリーンゴールド、フタロシアニングリーン、ポリクロムブロム銅フタロシアニンなどの緑色着色剤が挙げられる。これらの中でも、カーボンブラック、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ベイシックレッド12、C.I.ベイシックレッド1、C.I.ベイシックレッド3b、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、下記[化1]で表わされる化学構造式を有する、フタロシアニン骨格にカルボキシベンズアミドメチル基を2〜3個置換したBa塩である銅フタロシアニン顔料などがさらに好ましい。着色剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
Figure 0004493409
なお、カーボンブラックは材料固有の充填材効果(フィラー効果)を有するので、一般的なマスターバッチ法における第1混練工程で使用する際には、その一次粒子径、ストラクチャー指数、DBP給油量、揮発量、pHなどの物理化学的特性が制限されることが多いけれども、本発明製造方法の第1混練工程の混練条件では、特にそのような制約はない。
着色剤の原料混合物中の含有量(すなわち着色剤濃度、CCBは原料混合物全量の5〜60重量%であり、さらに好ましくは8〜55重量%である。
原料混合物には、結着樹脂および着色剤のほかに、電荷制御剤、離型剤、流動化剤などの一般的なトナー用添加剤が含まれてもよい。負帯電性トナー用の帯電制御剤としては公知のものを使用でき、たとえば、サリチル酸およびその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体および塩化合物、ベンジル酸およびその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体および塩化合物、テトラフェニルボレート、クロム・アゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバルト・アゾ錯体染料、ナフトール酸およびその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体および塩化合物、長鎖アルキル・カルボン酸塩、長鎖アルキル・スルホン酸塩などが挙げられる。また、正帯電性トナー用の帯電制御剤は、たとえば、セチルトリメチルアンモニウムブロイド、四級アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類の含窒素官能基を有するモノマーを共重合したラジカル重合性共重合体、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級ホスホニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。離型剤としては公知のものを使用でき、たとえば、低分子ポリプロピレン、低分子ポリエチレン、マイクロスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックスなどのワックス類があげられる。これらは、いずれも1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
結着樹脂および着色剤ならびに必要に応じて他の添加剤の混合は、Wコーン、Vブレンダなどの容器回転型混合機、ヘンシェルミキサーなどの高速撹拌型混合機といった公知の混合機を用いて行われ、原料混合物が得られる。
原料混合物は、引き続き、溶融混練工程に供される。
溶融混練工程では、連続式2本ロール型混練機を用いて、原料混合物の溶融混練が実施される。図1は、連続式2本ロール型混練機の構成を概略的に示す斜視図である。図2は、連続式2本ロール型混練機の要部の構成を概略的に示す斜視図である。図3は、連続式2本ロール型混練機による原料混合物の溶融混練を模式的に示す側面図である。
連続式2本ロール型混練機1は、原料混合物を溶融混練する前ロール2および後ロール3と、前ロール2と後ロール3との間に原料混合物を供給する原料投入部4と、前ロール2の下部に設けられ、前ロール2の表面に付着する原料混合物の混練物を、前ロール2表面から掻き取る混練物取出し装置5と、混練物取出し装置5によって掻き取られる混練物を外部に排出する混練物排出部6と、前ロール2および後ロール3を混練機1の設置面に対して水平に支持する支持部7,8と、落下物捕集台9とを含んで構成される。
連続式2本ロール型混練機1において、混練物取出し装置5および混練物排出部6が設けられた方向から見て、前方に位置するのが前ロール2および後方に位置するのが後ロール2である。
前ロール2および後ロール3は、支持部7,8によって支持され、図示しない駆動手段により、それぞれ、その軸線回りに矢符14,15の方向に回転駆動可能に設けられる。前ロール2および後ロール3の表面には、らせん状の溝が設けられる。後ロール3は、その両端に油圧シリンダ10,11が取り付けられ、混練機1の設置面に対して水平方向にも駆動可能に設けられる。
前ロール2は、通常、後ロール3よりも高速で回転する。したがって、前ロール2を高速回転ロール、後ロール3を低速回転ロールと呼ぶこともできる。前ロール2の回転数は特に制限はないけれども、前ロール2および後ロール3の回転に伴う発熱量の増加を抑制し、着色剤などの添加成分の結着樹脂中への分散性をさらに向上させることを考慮すると150rpm以下であり、さらに好ましくは100rpm以下である。すなわち、ロール回転数が高いほど、混練物に付与される圧縮力、せん断力が大きくなるけれども、同時に発熱量が増加する。したがって、冷却効果が充分でない場合は、混練物の温度制御が困難になり、混練物温度が上昇して該混練物の粘度が低下し、充分なせん断力を該混練物に付与することができなくなり、結着樹脂への着色剤の分散が不充分になるおそれがある。
また、前ロール(高速回転ロール)2と後ロール(低速回転ロール)3との回転数比(回転比)は前ロール2の回転数:後ロール3の回転数=1:1〜1:0.3、さらに好ましくは1:0.85〜1:0.4である。この範囲にあれば、前ロール2への混練物の巻き付き性および着色剤の結着樹脂中への分散性がさらに向上し、ロール2,3を回転させるための動力をロール2,3に効率良く伝達することができる。
前ロール2と後ロール3との間隙Δdは、後ロール3の両端に取り付けられた油圧シリンダ10,11のロッドを進退させることにより、後ロール3の水平方向の位置を適宜変更することによって調節できる。Δdは、0.1〜3mmである。すなわち、ロール間隙が狭いほど、混練物に付与される圧縮力、せん断力が大きくなるものの、それと同時に発熱量も増加する。このため、充分な冷却がなされない場合は、混練物の温度が上昇して低粘度化し、充分なせん断力を混練物に付与することが困難になる。その結果、結着樹脂中への着色剤の分散が不充分になるとともに、ロール間隙を通過する混練物の単位ロール長当りの通過量も減少するので、生産性の低下をも招来する。
前ロール2および後ロール3の回転軸2a,3aは、内部が中空状になり、ロール加熱冷却用媒体を循環させることができる。したがって、ロール加熱冷却用媒体の温度を適宜変更することによって、ロール表面温度を調節することができる。ロール加熱冷却用媒体には、たとえば、蒸気、温水などの熱媒体、冷却水などの冷媒を使用できる。
前ロール2および後ロール3は、原料投入部4が上方に設けられる原料混合物投入側と、混練物取出し装置5が下部に設けられる混練物排出側とでそれぞれ独立に、ロール表面温度を制御するのが好ましい。その場合、原料混合物投入側および混練物排出側の両方において、前ロール2の表面温度が後ロール3の表面温度よりも高くなるように、ロール加熱用媒体温度を調整するのがさらに好ましい。このような制御は、たとえば、回転軸2a,3aをそれぞれ2分割型とし、原料混合物投入側に高温の熱媒体を供給し、混練物排出側に冷却水などの冷媒を供給することにより実施することができる。一般に、連続式2本ロール型混練機では、前ロール2および後ロール3の原料投入側において、原料混合物を効率良く溶融させるために熱媒が使用される。熱媒によって溶融した原料混合物は、繰返し付与される圧縮力、せん断力により発熱して粘度低下を起こす。その結果、圧縮力およびせん断力が効率的に付与できない傾向がある。しかしながら、前記のような2分割型の構成を採用することによって、溶融した原料混合物の粘度低下を一層抑制し、さらに効率的な混練を可能にする。特に、溶融粘度が比較的低い、シャープメルト性を有する結着樹脂を使用する場合に有効である。
ここで、前ロール2の原料混合物投入側の温度Tを、1.67×CCB+Tm−k−20(℃)〜1.67×CCB+Tm−k+20(℃)の範囲に調整することが必須である。なお、CCB、Tmおよびkは上記に同じである。Tを前記範囲内に調整することによって、着色剤の結着樹脂中への分散性およびトナーの生産性のいずれをも高水準で両立させることができる。
ここで、装置定数kとは、連続式2本ロール型混練機におけるスケール定数であり装置スケールにより決定される。
また、後ロール3表面に、帯電制御剤、離型剤、その他の補助成分を、矢符13の方向から直接供給することができる。
原料投入部4は、スクリューフィーダなどにより定量的かつ連続的に原料混合物の供給を受ける供給口4aと、原料混合物を前ロール2と後ロール3との間に連続的に投入する投入口4bとを含んで構成される。
投入口4bから矢符12の方向に供給される原料混合物は、前ロール2および後ロール3の回転によって、原料混合物投入側から混練物排出側に移送される。その際、前後ロール2,3により圧縮され、前後ロール2,3の表面温度によって加熱されて溶融し、さらに前ロール2表面に付着した状態で、前後ロール2,3間で急激に圧縮力、せん断力を付与されて均質化および分散され、均質な混練物になる。移送は、原料混合物が連続的に供給され、原料供給部4の供給口4a下方のロール2,3間に滞留する原料混合物が、ロール2,3の他の部分に滞留する量よりも常に多くなるため、円滑に進行する。つまり、ロール2,3間に形成されるバンク(混練物滞留品)量は原料供給部4の下方周辺で最も多いので、軸方向に圧力差を生じ、これが移送の推進力となる。更にはロール2,3表面部に設けられるらせん状の溝により、スクリュー効果が発生し、これも推進力の一部になる。このようにして、ロール2,3間にて繰り返し圧縮、せん断を連続的に受けることによって、着色剤などが結着樹脂中に均一に分散した混練物が前ロール2表面に付着した状態で形成される。
なお、連続式2本ロール型混練機1内での、原料混合物の混練物の平均滞留時間θsは、原料混合物中の着色剤含有量(着色剤濃度CCB、重量%)に基づいて適宜決定され、θsを0.12×CCB−1〜0.12×CCB+1の範囲になるように設定する。平均滞留時間θsをこの範囲に設定することによって、着色剤の結着樹脂への分散性の一層の向上、結着樹脂のさらなる劣化防止などを図ることができる。
混練物取出し装置5は、支持部8に装着され、矢符16の方向に回転駆動可能に設けられる。混練物取出し装置5の回転によって、前ローラ2表面に付着した原料混合物の混練物が掻き取られ、混練物排出部6に送給される。混練物を前ローラ2表面から連続的に掻き取るためには、混練機の構造上、混練物排出部付近において、混練物を前ロール2に付着させておくことが必要である。このためには、前ロール2の回転数を、後ロール3の回転数と同等以上の回転数に調節するか、または、前ロール2の混練物排出側の表面温度を、後ロール3の混練物排出側の表面温度と同等もしくはそれ以上に調節するのが好ましい。
混練物排出部6は、混練物取出し装置5から送給される原料混合物の混練物を、矢符17の方向、すなわち混練機1の外部に排出する。
支持部7,8には、図示しないけれども、原料投入部4、前ロール2および後ロール3の駆動手段、油圧シリンダ10,11、熱媒体および/または冷媒を回転軸2a,2bに供給する手段などが収容される。
落下物捕集台9は、前ロール2および後ロール3から落下する原料混合物およびその混練物を捕集するテーブルである。
連続式2本ロール型混練機1によれば、まず、原料混合物が、原料供給部4から前ロール2と後ロール3との間に供給される。供給された原料混合物は、前ロール2および後ロール3の回転によって、原料混合物投入側から混練物排出側に移送される。その間に、原料混合物は、圧縮、溶融、均質化および分散を受け、均質な混練物になる。この混練物は、混練物取出し装置5によって前ロール2表面から掻き取られ、混練物排出部6から外部に排出される。
連続式2本ロール型混練機1は、3本ロールミルのような繰り返しのパス(回分)操作がなく、連続供給および連続排出ができ、更に混練作業上、経験的感による熟練を要した運転手法は必要とせず、運転の初期条件、すなわち、混練速度、ロール加熱、冷却温度、各ロール回転数、ロール間隙等を設定することにより常時安定した品質の混練物が連続的に得られ、しかも無人化運転も可能な程の高い信頼性を持つ。
このような連続式2本ロール型混練機1は、市販されており、たとえば、ニーデックス混練機(商品名:MOS 140−800、三井鉱山(株)製、装置定数29)などが挙げられる。
得られる混練物は、冷却により固化された後、粗砕され、混練粗砕物が得られる。
[第2混練工程]
第1混練工程で得られる混練粗砕物は、まず、第1混練工程で用いられる結着樹脂と同種または異種の結着樹脂と希釈混合される。混合には、たとえば、Vブレンダー、Wコーンなどの容器回転型混合機、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、メカノミル、Q型ミキサなどの高速撹拌型混合機が使用できる。必要に応じて、混練粗砕物および結着樹脂とともに、荷電制御剤、離型剤などの他のトナー添加剤を混合しても良い。
混練粗砕物と結着樹脂およびその他の成分との混合物は、連続式混練機によって希釈混練される。連続式混練機としては公知のものを使用でき、たとえば、押出機などが挙げられる。その中でも、品質安定性および生産性の一層の向上という観点から、二軸押出機が好ましい。市販の二軸押出機としては、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械(株)製)、PCM−87(商品名、(株)池貝製)等が挙げられる。混練温度および時間は、結着樹脂の種類、着色剤濃度などに応じて、広い範囲から適宜選択すればよいけれども、70〜180℃の範囲で行われる。
第2混練工程で得られる混練物は、以後、一般的な静電荷像現像用トナーの製造法と同様にしてトナーに形成される。たとえば、該混練物を冷却固化し、固化物をジェットミルなどのエア式粉砕機により粉砕し、必要に応じて風力分級などにより分級して粗粉および微粉を除去し、さらに必要に応じて流動化剤などの外添剤を表面に付着させることによって、静電荷像現像用トナーが得られる。
このように製造される静電荷像現像用トナーは、結着樹脂中に一層均一に着色剤が分散しているので、着色力が増加し、従来よりも高い画像濃度を有する画像を形成することができ、さらに高い隠蔽性を持つ。
次に、本発明の静電荷像現像用トナーを使用した画像形成装置について、図面を参照しつつ説明する。図1は、画像形成装置100の要部の構成を概略的に示す断面図である。
画像形成装置100は、画像読取装置にて読み込まれた画像や、画像形成装置100に外部から接続された機器(例えばパーソナルコンピュータなどの画像処理装置)からのデータ(画像情報)を画像として記録出力するものである。
画像形成装置100は、画像形成部21と、記録材供給部22と、画像定着部23と、制御部24とを含んで構成される。
画像形成部21は、感光体ドラム25と、感光体ドラム25の周面に対向するように設けられる帯電手段26、露光ユニット27、現像ユニット28、転写手段29、クリーニングユニット30および除電手段31とを含む。
感光体ドラム25は、図示しない、円筒状または円柱状の導電性基体と、導電性基体の表面に形成される光導電層とを含む。
帯電手段26は、帯電ローラ、帯電チャージャなどの接触式または非接触式の帯電器によって構成され、感光体ドラム25の周面を所定の極性および電位に帯電させる。
露光ユニット27は、半導体レーザなどのレーザユニットによって構成され、制御部24から伝達される画像情報に基づいて、帯電手段26によって帯電状態にある感光体ドラム25の周面を露光し、該周面に静電潜像を書き込む。
現像ユニット28は、感光体ドラム25の周面に書き込まれた静電潜像に、現像剤補給容器33から供給されるトナーを含む現像剤を供給し、静電潜像を顕像化する。これによって、感光体ドラム25周面に、トナー像が形成される。
転写手段29は、たとえば、転写ローラ32と、図示しない電圧印加手段とを含んで構成され、記録材の転写ローラ32側から電圧を印可して記録材を帯電させ、さらに転写ローラ32にて加圧することによって、感光体ドラム25周面上のトナー像が、記録材に転写される。なお、記録材は、露光ユニット27による露光に同期して、後述する記録材供給手段22によって転写手段29に供給される。
クリーニングユニット30は、弾性材料からなるクリーニングブレードなどによって構成され、トナー像を記録材に転写した後に、感光体ドラム25の周面に残留するトナーを除去する。
除電手段31は、除電ランプなどによって構成され、クリーニング後の感光体ドラム25周面の電荷を除去する。
画像形成部21では、感光体ドラム25の周面が、帯電手段26によって均一に帯電され、これに露光ユニット7から露光が行われ、静電潜像が書き込まれる。この静電潜像は、現像ユニット28から供給される現像剤により顕像化され、感光体ドラム25周面にトナー像が形成される。このトナー像は、転写手段29によって記録材に転写される。転写後、感光体ドラム25は、クリーニングユニット30による残留トナーの除去および除電手段31による電荷除去を受け、清浄化される。この一連の操作が繰り返し実行されることにより、複数の画像を形成することができる。
記録材供給手段22は、記録材収容トレイ40と、ピックアップローラ41と、レジストローラ42とを含んで構成される。記録材収容トレイ40は、普通紙、カラーコピー用紙、OHPフィルムなどの記録材を収容するトレイである。記録材収容トレイ40への記録材の補給は、画像形成装置100の正面側(操作側)に、記録材収容トレイ40を引き出して行われる。ピックアップローラ41は、記録材収容トレイ40内の記録材を1枚ずつ分離してレジストローラ42に送給する。レジストローラ42は、画像形成部21における露光ユニット27の感光体ドラム25周面への露光に同期して、記録材を感光体ドラム25と転写手段29との間に順次送給する。
記録材供給手段22によれば、記録材収容トレイ40に収容される記録材は、ピックアップローラ41およびレジストローラ42を介して、画像形成部21に供給される。
画像定着部23は、定着装置50と、搬送ローラ51と、切換えゲート52と、反転ローラ53と、積載トレイ54とを含んで構成される。定着装置50は、定着ローラ55と加圧ローラ56とを含む。定着装置50では、画像形成部21の転写手段29によりトナー像が転写された記録材を、定着ローラ55と加圧ローラ56との間を通過させ、加熱加圧により、トナー像を記録材に定着させる。これによって、記録材上に画像が形成(記録)される。搬送ローラ51は、定着装置50にて画像が形成された記録材を切換えゲート52に送給する。切換えゲート52は、画像記録済み記録材の送給経路を切換える。切換えゲート52を介して、画像記録済み記録材は、反転ローラ53または図示しない中継搬送装置もしくは記録材再供給搬送装置のいずれかに搬送される。なお、中継搬送装置および記録材再供給搬送装置については後述する。反転ローラ53は、記録材の排出トレイが積載トレイ54に設定される場合は、画像記録済み記録材を積載トレイ54に排出する。一方、両面画像形成または後処理が指定される場合は、反転ローラ53は、画像記録済み記録材を挟持した状態で、該記録材の一部を積載トレイ54に向けて排出した後逆回転し、該記録材を切換えゲート52から図示しない中継搬送装置に搬送する。このとき、切換えゲート52は、実線の状態から破線の状態に切換えられる。積載トレイ54は、画像形成装置100の外部に設けられ、画像記録済み記録材を画像形成装置100の外部に排出し、貯留するためのトレイである。
画像定着部23によれば、定着装置50によりトナー像が定着され、画像が記録された記録材は、搬送ローラ51および切換えゲート52を介して反転ローラ53に搬送され、設定に応じて積載トレイ54に排出されるかまたは再び切換えゲート52を介して図示しない中継搬送装置もしくは記録材再供給搬送装置に反転搬送される。
制御部24は、画像形成装置100内部の、露光ユニット27の上下空間部に設けられ、図示しない、画像形成プロセスを制御する回路基板、外部機器からの画像データを受け入れるインターフェイス基板および電源装置を含んで構成される。電源装置は、回路基板およびインターフェイス基板だけでなく、画像形成部21、記録材供給部22および画像定着部23における各装置にも電力を供給する。
なお、画像形成装置100の下面および側面には、搬送路57,58,59が設けられる。搬送路57,58,59は、画像形成装置100に外部装置を接続する際に、記録材を画像形成装置100の内部または外部に搬送するために利用される。
画像形成装置100によれば、制御部24に入力される画像情報に基づいて、感光体ドラム25の周面に静電潜像が書き込まれ、この静電潜像が現像されて記録材に転写され、さらに定着されて、積載トレイ54に排出されるかまたは再度の画像形成工程に供される。
図2は、画像形成装置の構成を概略的に示す側面図である。画像形成装置は、画像形成装置100の外部に、記録材供給装置70、記録材供給装置71、記録材再供給搬送装置72、中継搬送装置73および後供給装置74、画像読取装置75が配置されている。画像形成装置100の部分については説明を省略する。
記録材供給装置70は、記録材収容トレイ76a,76b,76cと送給路77とを含んで構成される。記録材収容トレイ76a,76b,76cは同一サイズまたは異なるサイズの記録材を収容する。記録材収容トレイ76a,76b,76cに記録材を補給または交換する場合には、記録材収容トレイ76a,76b,76cを、記録材供給装置72本体の前面側方向に引き出して行う。なお、本図では、記録材供給装置70は3つの記録材収容トレイ76a,76b,76cにより構成されるけれども、1または2もしくは4以上の記録材収容トレイで構成されてもよい。記録材送給路78は、記録材供給装置70の上面において、画像形成装置100下面の搬送路57に接続され、記録材収容トレイ76a,76b,76cから送給される記録材を画像形成装置100に供給する。記録材供給装置70は、使用者よって指定された記録材を収容する記録材収容トレイ76a,76b,76cのいずれかを選択的に動作させるとともに、該記録材収容トレイ76a,76b,76cに収容された転写材を、送給路77を介して、画像形成装置100に送給する。また、記録材供給装置70は、画像形成装置100を載置するデスク機能を有するユニットでもあり、画像形成装置100に着脱自在に構成される。記録材供給装置70によれば、記録材は、送給路77を介して、画像形成装置100の搬送路57に受け渡され、画像形成部21に至る。
記録材供給装置71は、記録材収容トレイ78と、記録材収容トレイ78の内部に設けられる記録材供給手段79と、その側面上部に設けられる送給路80とを含んで構成される。記録材収容トレイ78は、画像形成装置100における記録材収容トレイ40および記録材供給装置70における記録材収容トレイ76a,76b,76cよりも大量の記録材を収容できる。記録材は、記録材供給手段79の上に載置される。記録材供給手段79は、図示しない駆動手段およびセンサによって、その上に載置される記録材の最上部が搬送路80の位置に来るように調整する。送給路80は、後述する記録材再供給搬送装置72の側面下部に設けられる送給路83に接続され、さらに該送給路83は画像形成装置100の側面下部に設けられる搬送路58に接続される。記録材供給装置71によれば、記録材収容トレイ78に収容される記録材は、送給路80、送給路83および搬送路58を介して、画像形成部21に分離送給される。
記録材再供給搬送装置72は、送給路81,82,83を含んで構成される。
送給路81は、一方が、画像形成装置100に対向する側面上部において、画像形成装置100側面の搬送路59に接続され、他方が後述する中継搬送装置73の側面に設けられる送給路84に接続される。
送給路82は、送給路81から枝分れしたものであり、送給路83と合流した後、画像形成装置100に対向する側面下部において、画像形成装置100側面の搬送路58に接続される。
送給路83は、記録材供給装置71に対向する側面下部において、記録材供給装置71の側面上部に設けられる送給路80に接続される。
記録材再供給搬送装置72によれば、画像形成装置100の画像定着部23において、反転ローラ53により反転搬送される記録材を、送給路81を介して後述の中継搬送装置73に送給するかまたは送給路81,82を介して再度画像形成装置100に送給する。中継搬送装置73への送給は、後処理を行う場合である。画像形成装置100への再度の送給は、両面画像形成を行う場合である。また、送給路82,83を介して、記録材供給装置71に収容される記録材を画像形成装置100に送給する。
中継搬送装置73は、一端が記録材再供給搬送装置72に、他の一端が後述する後処理装置74の受け取り搬送部85にそれぞれ装着され、搬送部85に設けられる回転支点86を中心にして回転可能に支持される。また、その内部には、送給路84が設けられ、送給路84は、一端が記録材再供給装置72の送給路81に接続され、他の一端が後処理装置74内部の送給路88に接続される。
中継搬送装置73は、画像形成装置100から記録材再供給搬送装置72を介して供給される画像形成済み記録材を、後処理装置74に送給する装置である。
なお、中継搬送装置73は、回転可能に設ける必要はなく、画像形成装置100と後処理装置74とを連結する連結部材(第1位置決め部材)とすることもできる。
後処理装置74は、記録材再供給搬送装置72および中継搬送装置73を介して、画像形成装置100に接続され、受け取り搬送部85と、受け取り搬送部85に設けられる回転支点86と、後処理部87と、受け取り搬送部85および後処理部87を貫通するように設けられる送給路88と、第1の記録材排出部89と、第2の記録材排出部90とを含んで構成される。
受け取り搬送部85は、中継搬送装置73から供給される画像記録済み記録材を、送給路88を介して、後処理部87に送給する。
後処理部87は、図示しないけれども、所定枚数の記録材をホッチキス留めなど施す機能(ステープル機能)を有する後処理手段、記録材を所定サイズ(A4、B4など)に紙折りする機能を有する後処理手段、ファイリング用の穴をあける機能(パンチ機能)を有する後処理手段、ソートまたは仕分けを行うために数ビン〜数10ビンの範囲で排出位置を変更できる機能(ソータ機能)を有する後処理手段などの1または2以上を設けることができる。
第1の記録材排出部89には、画像記録済み記録材が、後処理部87のソータ機能により、複数部に仕分けされて排出される。もちろん、ソータ機能を利用せず、仕分けすることなく排出してもよい。第2の記録材排出部90には、画像記録済み記録材が、ステープル(ホッチキス留め)、パンチ(ファイル用穴開け)などの処理を施されて排出される。どちらに排出するかは、使用者によって選択される。
後処理装置74によれば、画像記録済み記録材に所望の後処理が施される。
画像読取装置75は、図示しない原稿台と、原稿台の下部に設けられる光走査ユニット91と、撮像素子92と、自動原稿搬送装置93と、画像読取装置支持台94と、図示しないメモリとを含んで構成される。
原稿台は、ガラスなどの透明性材料によって構成され、画像記録済みの原稿を載置するために設けられる。
光走査ユニット91は、原稿台下面を走査移動可能に設けられ、原稿台にセットされる原稿の画像に露光走査し、その光像を撮像素子92に伝達する。光走査ユニット91は、自動原稿搬送経路にそって原稿を搬送する過程において、原稿の下方から、原稿画像を走査して読み取る。光走査ユニット91は、撮像素子92まで光像を導き、原稿画像を読み取る。また、原稿の両面を同時に読み取る場合は、原稿面の上面に対して、原稿を露光する光源、光像を撮像素子まで導く光学レンズ、光像を画像データに変換する撮象素子などを含む密着イメージセンサ(CIS)を自動原稿搬送装置93に装着する構成にすることができる。このように構成されるとき、両面原稿の読み取りモードが設定されると、自動原稿搬送装置73の図示しない供給部にセットされた原稿が順次搬送され、原稿両面の画像がほぼ同時に読み取られる。
撮像素子92は、電荷結合素子(CCD)などで構成され、光走査ユニット91から導かれる光像を画像データに変換する。
自動原稿搬送装置93は、図示しない供給部に載置される原稿を1枚ずつ順次原稿台に送給する装置である。自動原稿搬送装置93は、画像読取装置75を自動読取モードにした場合に作動する。一方、画像読取装置75には、自動読取モードのほかに、手動読取モードが備えられる。手動読取モードは、書物、雑誌などのように複数の原稿が一括して綴じられた原稿、自動原稿搬送装置93による自動供給が不可能なシート状原稿を手作業により原稿台にセットして原稿画像を読み取る方式である。
画像読取装置75によれば、透明性載置台上にセットされる原稿の画像を、露光ユニット91により露光走査して撮像素子92上に結像し、原稿の画像を電気的信号に変換してメモリに格納した上で、画像データとして制御部24に出力する。
以下に実施例、比較例および試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。なお、以下において、「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
(実施例1)
(1)第1混練工程
不飽和ポリエステル樹脂(軟化点温度Tm=100℃、粒度D50=0.3mm、ゲル残存率0.5%)50部とカーボンブラック(♯44、粒子径24nm、三菱化学(株)製)50部とからなる原料10kg(CCB=50%)をヘンシェルミキサー(羽根回転数700rpm)にて3分間混合した。得られた混合物を、テーブルフィーダーにて図1に示す連続式2本ロール混練機に定量供給し、混練を行い、混練物を得た。この混練物を、冷却後、ハンマータイプの粉砕機にて2m/mのスクリーンを使用し粗砕し、混練粗砕物を得た。
連続式2本ロール型混練機は、ロール外径0.12m、有効ロール長0.8mであり、運転条件は下記の通りである。
高回転側ロール(前ロール)回転数N 75rpm
ロール回転比(低速ロール回転数:高速ロール回転数)L/H 1:0.7
ロール間隙ΔD 0.1mm
ロール内加熱冷却媒体温度
高回転ロール 原料投入側T 155℃、混練物排出側110℃
低回転ロール 原料投入側38℃、混練物排出側32℃
原材料混合物の平均滞留時間θs 6分
(2)第2混練工程
不飽和ポリエステル樹脂(Tm=100℃、)100部、第1混練工程で得られた混練粗砕物12部および荷電制御剤(サリチル酸クロム錯体)4部の割合で10kg計量し、ヘンシェルミキサー(羽根回転数850rpm)にて2分間混合し、第2混練工程用原料とした。
第2混練工程用原料を、押出機(商品名:PCM−30、(株)池貝製)を用いて混練した。運転条件は、シリンダ設定温度100℃、バレル回転数300rpm、原料供給速度20kg/hであった。得られたトナー混練物を冷却ベルトにて冷却後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルにて粗粉砕した。次にこの粗砕物をI型ジェットミルにて粉砕し、更にエルボージェット分級機にて微粉、粗粉を取り除き、平均粒径(D4)8.3μmのトナーを製造した。なお、平均粒径(D4)は、コールターカウンター(TA−II)にて測定した。
このトナーに、コロイダルシリカ0.6%を外添した後、樹脂被覆フェライトキャリアと混合し現像剤を製造した。
(実施例2)
第1混練工程における不飽和ポリエステル樹脂とカーボンブラックとの使用割合、第2混練工程における不飽和ポリエステル樹脂と混練粗砕物との使用割合、および第2混練工程における連続式2本ロール型混練機の運転条件の一部を下記の通り変更する以外は、実施例1と同様にして、現像剤を製造した。
第1混練工程:不飽和ポリエステル樹脂 80部
カーボンブラック 20部
第2混練工程:不飽和ポリエステル樹脂 100部
第1混練工程で得られた混練粗砕物 40部
運転条件:高回転ロール 原料投入側T 104℃、混練物排出側90℃
低回転ロール 原料投入側38℃、混練物排出側32℃
第2混練工程用原料の平均滞留時間θs 2.4分
(実施例3)
第1混練工程における不飽和ポリエステル樹脂とカーボンブラックとの使用割合、第2混練工程における不飽和ポリエステル樹脂と混練粗砕物との使用割合、および第2混練工程における連続式2本ロール型混練機の運転条件の一部を下記の通り変更する以外は、実施例1と同様にして、現像剤を製造した。
第1混練工程:不飽和ポリエステル樹脂 90部
カーボンブラック 10部
第2混練工程:不飽和ポリエステル樹脂 100部
第1混練工程で得られた混練粗砕物 80部
運転条件:高回転ロール 原料投入側T 88℃、混練物排出側80℃
低回転ロール 原料投入側38℃、混練物排出側32℃
第2混練工程用原料の平均滞留時間θs 1.2分
(実施例4)
第1混練工程で使用する結着樹脂を、不飽和ポリエステル樹脂(Tm=150℃、D50=0.3mm、ゲル残存率=0.5%)に変更し、および第2混練工程における連続式2本ロール型混練機の運転条件の一部を下記の通り変更する以外は、実施例1と同様にして、現像剤を製造した。
運転条件:高回転ロール 原料投入側T 205℃、混練物排出側180℃
(実施例5)
第1混練工程で使用するカーボンブラックを三菱化学(株)製、♯25、粒子径47nmのカーボンブラックに変更する以外は、実施例1と同様にして、現像剤を製造した。
(実施例6)
第1混練工程において、不飽和ポリエステル樹脂(Tm=100℃)60部と銅フタロシアニン顔料40部とからなる原料10kgを使用する以外は、実施例1と同様にして、現像剤を製造した。
(比較例1)
第1混練工程において、不飽和ポリエステル樹脂60部とカーボンブラック40部とを使用し、原料投入側温度Tを110℃とする以外は、実施例1と同様にして、現像剤を製造した。
(比較例2〜12
表1に示すように、使用原料および混練条件の少なくとも1つを変更する以外は、比較例1と同様にして、現像剤を製造した。
(試験例1)
実施例1〜6および比較例1〜12で得られた二成分現像剤および市販複写機(商品名:AR−620、シャープ(株)製)を用い、下記の評価試験を実施した。なお、耐オフセット性評価以外の評価については、定着温度は190℃とした。
[材料巻き付き]
材料巻きつきは供給速度3kg/時間以上において第2混練工程用原料の落下が20%未満のものをOKレベルとし、20%以上落下する場合、実生産上NGとして以降の評価には進まないこととした。
[画像濃度]
直径55mmの黒円を記録した原稿を3枚複写し、得られた複写物の黒円部の画像濃度をマクベス濃度計にて測定して平均値を求め、下記の基準により評価した。画像濃度値が高いほど、良好である。
5:1.4以上
4:1.3以上、1.4未満
3:1.2以上、1.3未満
2:1.0以上、1.2未満
1:1.0未満
[カブリ濃度]
白度計(ハンター白度計、日本電色工業(株)製)にて、A4サイズの普通紙の白度を測定し、その値を第1測定値とする。次に、直径55mmの白円を記録した原稿を3枚複写し、得られた複写物の白円部を前述の白度計にて測定し、その値を第2測定値とする。第1測定値から第2測定値を差し引いた値をカブリ濃度値とし、下記の基準で評価した。カブリ濃度値が小さいほど、カブリの発生が少なく、良好である。
5:0.4未満
4:0.4以上〜0.6未満
3:0.6以上〜0.8未満
2:0.8以上〜1.0未満
1:1.0以上
[耐オフセット性]
普通紙にトナー像を転写し、定着を行っていない試料を作成した。ベタは付着量を0.60〜0.70mg/cmに調整した。この試料を、定着ローラの表面温度を変化させながら定着ローラに通紙し、定着を行った。定着後の試料および定着ローラ表面を観察してオフセット発生の有無を判断し、また発生していない領域(オフセットマージン)を確認し、定着ローラの表面温度に基づき下記の基準で評価した。
5:100℃以上でもオフセットが発生しない。
4:80℃以上、100℃未満でオフセットが発生する。
3:60℃以上、80℃未満でオフセットが発生する。
2:40℃以上、60℃未満でオフセットが発生する。
1:40℃未満でオフセットが発生する。
[定着強度]
普通紙に記録された画像のソリッド部(3cm×3cm)にテープを貼付して剥し、テープ貼付前の画像濃度に対する、テープを剥した後の画像濃度の百分率を算出し、下記の基準で評価した。数値が高いほど、定着強度が高いことを示す。
5:90%以上
4:80%以上〜90%未満
3:60%以上〜80%未満
2:40%以上〜60%未満
1:40%未満
[保存性]
トナー100gをポリ容器に密閉しり、50℃で48時間放置した後、トナーを取り出して♯100メッシュのふるいに掛け、トナー全重量に対する、ふるい上に残存するトナーの重量の百分率を求め、下記の基準で評価した。数値が低いほど、トナーがブロッキングを起こさず、保存性が良好であることを示す。
5:10%未満
4:10%以上20%未満
3:20%以上
[総合評価]
評価値平均が4以上のものを合格、4未満のものを不合格とした。
結果を表1に示す。なお、表1において、CCBは着色剤濃度(%)、Tmは結着樹脂の軟化点温度(℃)、TRは連続式2本ロール型混練機における高回転ロールの原料投入側媒体温度(℃)、Nは高回転ロールの回転数(rpm)、L/Hは低回転ロールと高回転ロールとの回転数比(低回転ロール回転数:高回転ロール回転数)、Δdは高回転ロールと低回転ロールとの間隙(mm)、θsは連続式2本ロール型混練機内での平均滞留時間(分)、D50は結着樹脂の粒度(mm)をそれぞれ示す。
Figure 0004493409
表1から、本発明の製造方法により得られる静電荷像現像用トナーは、カブリの発生が極めて少なく、耐オフセット性、記録材への定着強度、保存性などに優れることが明らかである。
連続式2本ロール型混練機の構成を概略的に示す斜視図である。 連続式2本ロール型混練機の要部の構成を概略的に示す斜視図である。 連続式2本ロール型混練機による原料混合物の溶融混練を模式的に示す側面図である。 本発明のトナーを使用する画像形成装置の要部の構成を概略的に示す断面図である。 本発明のトナーを使用する画像形成装置の構成を概略的に示す側面図である。
符号の説明
1 連続式2本ロール型混練機
2 前ロール
3 後ロール
4 原料投入部
5 混練物取出し装置
6 混練物排出部
7,8 支持部
9,10 油圧シリンダ
11,12,13,14,15,16 矢符
21 画像形成部
22 記録材供給部
23 画像定着部
24 制御部
25 感光体ドラム
26 帯電手段
27 露光ユニット
28 現像ユニット
29 転写手段
30 クリーニングユニット
31 除電手段
32 転写ローラ
40 記録材収容トレイ
41 ピックアップローラ
42 レジストローラ
50 定着装置
51 搬送ローラ
52 切換えゲート
53 反転ローラ
54 積載トレイ
55 定着ローラ
56 加圧ローラ
57,58,59 搬送路
70,71 記録材供給装置
72 記録材再供給搬送装置
73 中継搬送装置
74 後処理装置
75 画像読取装置
76a,76b,76c,78 記録材収容トレイ
77,80,81,82,83,84,88 送給路
79 記録材供給手段
85 受け取り搬送部
86 回転支点
87 後処理部
89 第1の記録材排出部
90 第2の記録材排出部
91 光走査ユニット
92 光電変換素子
93 自動原稿搬送装置
94 画像読取装置支持台
100 画像形成装置

Claims (4)

  1. 混練工程が、結着樹脂および着色剤を含有する原料混合物を連続式2本ロール型混練機によって溶融混練する第1混練工程と、第1混練工程で得られる混練物を結着樹脂と混合し、この混合物を連続混練機によって溶融混練する第2混練工程とを含む静電荷像現像用トナーの製造方法において、
    第1混練工程における溶融混練が、下記式(1)を満たす条件下に実施され、
    =1.67×CCB+Tm−k±20 …(1)
    〔式中、Tは連続式2本ロール型混練機の前ロール内における原料混合物投入側のロール加熱用媒体温度(℃)を示し、CBは第1混練工程における原料混合物中の着色剤濃度(重量%)を示し、Tmは結着樹脂の軟化点温度(℃)を示す。kは連続式2本ロール型混練機の装置定数であり、29である。〕
    前記結着樹脂の軟化点温度(Tm)は、80℃以上150℃以下であり、
    前記着色剤濃度(C CB )は、5重量%以上60重量%以下であり、
    第1混練工程では、
    連続式2本ロール型混練機の前ロールの回転数が150rpm以下であり
    連続式2本ロール型混練機の高速回転ロールと低速回転ロールとの回転比が1:1〜1:0.3であり、
    連続式2本ロール型混練機の前ロールと後ロールとの間隙が0.1mm〜3mmであり、
    第1混練工程における混練物の平均滞留時間(θs)が下記式(2)
    θs=0.12×C CB ±1 …(2)
    〔式中、θsは平均滞留時間を示し、C CB は前記と同一意味を示す〕
    を満たす範囲内に設定されることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 第1混練工程にて使用する結着樹脂の粒度が0.1mm〜0.4mmであることを特徴とする請求項記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 第1混練工程にて使用する結着樹脂のゲル残存量が5%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1つの製造方法によって製造されてなることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
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