JP3311989B2 - 低比抵抗低熱膨張合金 - Google Patents

低比抵抗低熱膨張合金

Info

Publication number
JP3311989B2
JP3311989B2 JP08804498A JP8804498A JP3311989B2 JP 3311989 B2 JP3311989 B2 JP 3311989B2 JP 08804498 A JP08804498 A JP 08804498A JP 8804498 A JP8804498 A JP 8804498A JP 3311989 B2 JP3311989 B2 JP 3311989B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal expansion
low
alloy
expansion alloy
specific resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08804498A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11264056A (ja
Inventor
▲斉▼ ▲泰▼松
雅巳 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP08804498A priority Critical patent/JP3311989B2/ja
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority to EP98907267A priority patent/EP0913492B1/en
Priority to CN98800496A priority patent/CN1075564C/zh
Priority to DE69803426T priority patent/DE69803426T2/de
Priority to KR1019980709308A priority patent/KR100306247B1/ko
Priority to PCT/JP1998/001121 priority patent/WO1998041665A1/ja
Priority to US09/180,750 priority patent/US6123898A/en
Publication of JPH11264056A publication Critical patent/JPH11264056A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3311989B2 publication Critical patent/JP3311989B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、安定化ジルコニ
アと熱膨張係数が近似したCr−W−Fe系低熱膨張合
金の改良に係り、該系合金を基本としてTi,Zr,H
fのうち少なくとも1種の元素を添加することにより低
比抵抗化したことを特徴とし、他にAl,Coを添加す
ることにより、遮熱コーティングとしてのジルコニア系
セラミックスと母材との中間層、あるいは第三世代とし
て開発されている固体酸化物型燃料電池に用いられる安
定化ジルコニアと熱膨張係数が近似し、特に高温におけ
る機械的強度並びに耐酸化性にすぐれた低比抵抗低熱膨
張合金に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギー問題や地球環境問題が
クローズアップされ、発電用ガスタービンをはじめとす
る各種高温プラント機器の高温高圧化傾向が著しく、こ
れに伴い臨界条件下で使用されている金属材料の損傷劣
化問題が深刻化している。
【0003】そのため、最近の航空機用ならびに陸用の
ガスタービンでは、動静翼用の高強度超合金に対して耐
食コーティングの適用が通例となっているが、該コーテ
ィングにおいても高温腐食が絡んだ損傷劣化問題は解決
されていないのが現状である。
【0004】コーティングの一例として、遮熱コーティ
ング(TBC)は、温度差を有する金属部品へ熱伝導率
の低いセラミックをコーティングし、金属部品表面の温
度上昇を防止するものであり、ガスタービンへは燃焼器
を中心に10年以上前より使用されており、最近では冷
却翼への適用も盛んに研究され、実翼を用いたテストに
より50〜100℃の遮熱効果が確認されている。
【0005】TBCは、通常熱伝導率(cal/cm・
s・℃)が0.04〜0.08であるAl23や0.0
1〜0.02のTiO2に比べて0.005〜0.00
6と低いZrO2(MgO、Y23、CaO等の安定化
材を固溶)を主成分とするセラミック溶射層と合金(基
材)との熱膨張差を緩和あるいは耐食性の向上を目的と
するNi−Al系合金、Ni−Cr系合金、M−Cr−
Al−Y系合金(MはFe,Ni,Co等)等からなる
中間溶射層からなり、この中間層を金属とセラミックの
混合層として多層化したり、完全な傾斜組成にすること
なども研究されている。
【0006】一方、新たな発電システムとして注目され
ている燃料電池は、電解質にリン酸水溶液を用いるリン
酸型(PAFC)、電解質に炭酸リチウム、炭酸カリウ
ム等を用いる溶融炭酸塩型(MCFC)、電解質にジル
コニア系のセラミックを用いる固体酸化物型(SOF
C)等があり、いずれも燃料のもつ化学エネルギーを電
気化学反応により直接電気エネルギーに変換する発電方
式であり、種々のすぐれた特徴を有している。
【0007】最近のエネルギー政策、地球環境問題の高
まりの中で需要地に接近設置できる分散電源、コージェ
ネレーション用電源として燃料電池の早期実用化が強く
望まれており、分散型電源導入量でも燃料電池に最も大
きな期待がかけられている。
【0008】固体酸化物型燃料電池は、イットリア安定
化ジルコニア(YSZ)の電解質板の両面を、燃料極
(アノード)と空気極(カソード)とで挟んだものを単
セルとなし、さらに、実用電力を得るためにセパレータ
を介して該単セルを多層に積層した構成からなり、前記
セパレータと燃料極(アノード)の間に形成される通路
空間には燃料となるH2とCOが供給され、セパレータ
と空気極(カソード)の間に形成される通路空間には空
気が供給される機構を基本とする、いわゆる、水の電気
分解反応の逆の反応を応用した発電システムである。
【0009】通商産業省が推進している省エネルギーに
関するムーンライト計画における高温ガスタービンの開
発目標は、最終的に入口ガス温度1773Kを達成し、
そのタービンの排熱により駆動される蒸気タービンとの
組合せによる、いわゆる複合発電により総合発電効率を
55%にすることを目標としている。
【0010】蒸気タービンのみによる現在の火力発電の
効率は約40%であり、これが10%向上したとすると
我が国において1年間約3100億円の燃料が節約でき
るといわれている。
【0011】さて、前者の遮熱コーティング(TBC)
の構成において、特に重要視されるのが安定化ジルコニ
アの溶射層の存在である。上記のような高温、高効率化
の目標を達成するために、Ni基超合金が使用されてい
るが、合金をガスタービン中でコーティングなしで用い
ると、1年程度の寿命しか期待できない。従って、ガス
タービン用ブレードにコーティングを行うことは不可欠
である。
【0012】しかし、安定化ジルコニアの熱膨張係数
(10〜12×10-6/K程度)とNi基超合金の熱膨
張係数(18〜20×10-6/K程度)の差が大きいた
め、安定化ジルコニアの溶射層に亀裂が発生しやすいと
いう問題がある。
【0013】これに対し、耐食性向上も期待できるNi
−Al系合金、Ni−Cr系合金、M−Cr−Al−Y
系合金(MはFe,Ni,Co等)等からなる中間層を
熱膨張差を緩和する目的で溶射する場合もあるが、これ
らの熱膨張係数もまだ16〜18×10-6/K程度と大
きく、充分な結果が得られていない。
【0014】次に、後者の固体酸化物型燃料電池の構成
においては、特に重要視されるのがセパレータの存在で
ある。燃料電池は内部抵抗を小さくし、容積当たりの電
極面積を大きくするために通常は平板を積層した構成を
とる。
【0015】燃料電池のセパレータは、空気極や燃料極
あるいは固体電解質と近似した熱膨張係数と耐酸化性、
高導電性を要求されることから、その材質には(La,
アルカリアース)CrO3を用いるのが一般的である。
【0016】セパレータの具体的な役割は、単セルを積
層する際に各々単セルを仕切り、燃料となるH2と空気
を遮断するなどの機能を有するほか、電解質板を保持す
る機能を有している。
【0017】電解質板を保持するには、予め電解質板の
面積を燃料極や空気極の面積よりも大きくしておくこと
により、容易にセパレータとの積層が可能となって、電
解質板を保持することができる。しかし、セパレータは
上記の如くセラミックスであるため、強度的に弱くまた
成形性が悪いため、大型化できないという問題がある。
【0018】セパレータ材料としては、高温で酸化雰囲
気にある空気極と還元雰囲気にある燃料極とを連絡する
必要上、酸化にも還元にも強く、かつ電気導電性がよい
ことが要求される。
【0019】セパレータ材料として、LaCr0.9Mg
0.13やCoCr24あるいはNi‐Al合金が検討さ
れているが、これらのセパレータ用材料と燃料極あるい
は固体電解質との接合が困難であるという問題がある。
【0020】上述の(La,アルカリアース)CrO3
は、工業的に均質な原料粉末を得る粉末調整法が確立さ
れておらず、ステンレス鋼やいわゆるインコネルなどの
耐熱合金は、強度的な点では上記のセラミックスより優
れているが、熱膨張係数が大きいため電池作動温度(約
1000℃)では固体電解質にかなりの引張応力がかか
り、また酸化被膜の電気抵抗も大きい問題がある。
【0021】金属セパレータについては、熱膨張係数の
不整合と耐熱鋼上の酸化被膜の成長の問題があり、熱膨
張係数については、接続体としてLaMnOxの発泡体
を使う方法や金属の組成制御により熱膨張係数を近づけ
る試みがなされており、酸化被膜についてはLaCrO
3を溶射する方法などが試みられているが、いずれも満
足した結果は得られていない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】今日、MgO、Y
23、CaO等の種々の安定化材を固溶させた安定化ジ
ルコニアは、その特徴である高強度や強靭性、高融点や
断熱性、電気的特性等を活かすために、各種の用途別に
該特性を追求して、安定化材の選定とともに製造方法に
工夫がされており、製鋼工業、化学工業、電池、溶射材
料、タービン、内燃機関、センサーなど多方面の用途に
使用されている。
【0023】種々用途に採用され、セラミックス単体で
用いる以外は、多くの場合、他の金属材料等と隣接ある
いは接合されて使用されるが、熱膨張係数が近似しかつ
各種用途に適用可能な材料は提案されていなかった。
【0024】そこで、発明者らは先に、安定化ジルコニ
アと熱膨張係数が近似し、かつ高温における耐酸化性に
すぐれる耐酸化性金属材料として、特定組成のCr−W
−Fe系合金にM(M=Y,Hf,Ce,La,Nd,
Dyの1種または2種以上)あるいはさらにBを添加し
たCr−W−M−Fe系合金及びCr−W−M−B−F
e系合金を提案した(特開平8−277441号)。
【0025】上記発明者らの提案による金属材料は、安
定化ジルコニアの熱膨張係数(10〜12×10-6
K)と近似した熱膨張係数(12〜13×10-6/K)
が得られ、また、耐酸化性においても従来のステンレス
鋼に比べ格段に優れてはいるが、近年、益々要求が高ま
る高温高圧下における耐酸化性、および安定化ジルコニ
アとの優れた熱膨張整合性を満足させるまでには至って
いない。
【0026】また、該金属材料は、導電性セラミックス
と比較すると比抵抗増が大きいため、すぐれた電気伝導
性を得ることが困難であり、さらに、構造材として使用
するには強度が弱く、特に高温(約1000℃)におけ
る機械的強度が十分ではなかった。
【0027】この発明は、ガスタービンを始めとする各
種高温プラント機器の長寿命化、並びに固体酸化物型燃
料電池の大型化を図ることが可能なように、安定化ジル
コニアと熱膨張係数が近似し、低比抵抗値を有する低熱
膨張合金の提供を目的とし、さらに近年の高い要求を満
足する耐酸化性及び電気伝導性を発揮するとともに、特
に、高温における機械的強度並びに耐酸化性にすぐれ、
かつ低比抵抗値を有する低比抵抗低熱膨張合金の提供を
目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】発明者らは、先の提案
(特開平8−277441号)に基づいて、安定化ジル
コニアとのさらに優れた熱膨張整合性、耐酸化性及び電
気伝導性を有するとともに、特に低比抵抗値を有する合
金を目的に鋭意研究の結果、前記Cr−W−Fe系合金
にTi,Zr,Hfのうち少なくとも1種を添加する
と、熱膨張整合性、耐酸化性を損なうことなく、比抵抗
値が小さくなることを知見した。
【0029】また、発明者らは、このCr−W−(T
i,Zr,Hf)−Fe系合金に、少量のAlを添加す
ることにより、Crより酸素との親和力の大きいAlが
選択酸化を受けるため、CrとAlの量を最適に調整す
ることによって、金属表面にAl23を含むCr23
らなる酸化物層が形成され、その酸化物層が、Cr−W
−Fe系合金におけるCr23表面酸化物層に比べ、保
護性が大きく耐酸化性を損なうことなく、かつ層の厚み
が薄くなるため、優れた電気伝導性が得られること、並
びに金属材料内部のAl23の分散層の存在によって、
表面付近の熱膨張係数がいっそう安定化ジルコニアに近
づくことを知見した。
【0030】また、発明者らは、Cr−W−(Ti,Z
r,Hf)−Fe系合金、Cr−W−(Ti,Zr,H
f)−Al−Fe系合金に、Coを添加すると熱膨張整
合性、耐酸化性、電気伝導性を損なうことなく、高温に
おける機械的強度が向上することを知見した。
【0031】さらに、発明者らは、Cr−W−(Ti,
Zr,Hf)−Fe系、Cr−W−(Ti,Zr,H
f)−Al−Fe系、Cr−W−(Ti,Zr,Hf)
−Co−Fe系、Cr−W−(Ti,Zr,Hf)−A
l−Co−Fe系に、少量のBを添加することにより、
該合金におけるWの粒界への偏析を防止できることを知
見し、そして、上述した合金それぞれに、少量のY,H
f,Ce,La,Nd,Dyのうち少なくとも1種を添
加することにより、なお一層耐酸化性が向上することを
確認し、特にHf含有時にはBが共存することで熱間加
工が可能になることを知見し、この発明を完成した。
【0032】すなわち、この発明は、Cr15〜40w
t%、W5〜15wt%、Al 0.1〜1wt%、
i、Zr、Hfのうち少なくとも1種を0.1(但しH
f単独の場合は1wt%を超える)〜5wt%含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなり、表面にAl 2
3 を含むCr 2 3 からなる酸化物層、内部にAl 2 3
の分散層を有する低比抵抗低熱膨張合金である。
【0033】また、この発明は、上記組成の低比抵抗低
熱膨張合金において機械的強度の向上を目的にCoを
1〜10wt%添加したことを特徴とする低比抵抗低
熱膨張合金である。
【0034】また、この発明は、上記の種々組成の低比
抵抗低熱膨張合金において、当該合金におけるWの粒界
への偏析防止を目的にBを0.001〜0.01wt%
添加した低比抵抗低熱膨張合金である。
【0035】また、この発明は、上記の種々組成の低比
抵抗低熱膨張合金において、なお一層の耐酸化性の向上
を目的にM( MはY,Hf,Ce,La,Nd,Dy
の1種または2種以上)を0.01〜1wt%添加した
低比抵抗低熱膨張合金である。但し、MよりHfを選択
するのはTi,Zrのうち少なくとも1種を含有する時
のみである。
【0036】また、発明者らは、上記構成からなる低比
抵抗低熱膨張合金において、1000℃における0.2
%耐力が2.0kgf/mm2以上であること、室温か
ら1000℃における平均熱膨張係数が12×10-6
K以上13×10-6/K未満であること大気中におけ
る1000℃×490時間処理後の抵抗増分に、試料の
表面積をかけ合わせた数値で表される比抵抗増が10m
Ω・cm2未満であること、をそれぞれ特徴とする低比
抵抗低熱膨張合金を併せて提案する。
【0037】
【発明の実施の形態】この発明による金属材料の組成の
限定理由について説明する。Crは、耐熱性を得るため
の基本成分であり、少なくとも15wt%の含有を必要
とする。しかし、40wt%を超えて添加しても効果が
飽和し、また熱膨張係数を増加させたり、加工性が劣化
するため15〜40wt%とする。より好ましくは15
〜25wt%の範囲である。
【0038】Wは、所定の熱膨張係数を得るための基本
成分であり、少なくとも5wt%の含有を必要とする。
しかし、15wt%を超えて添加すると、熱膨張係数が
増加して好ましくないため、5〜15wt%とする。よ
り好ましくは5〜10wt%の範囲である。
【0039】Coは、高温における機械的強度を得るた
めの基本成分であり、少なくとも1wt%の含有を必要
とする。しかし、10wt%を超えて添加すると、熱間
加工性が劣化するとともに熱膨張係数が増加して好まし
くないため、1〜10wt%とする。より好ましくは5
〜10wt%の範囲である。
【0040】Alは、0.1wt%未満では金属材料内
部にAl23分散層が生成されず、また、1wt%を超
えて添加すると、電気伝導性が低下して熱膨張係数が大
きくなり好ましくないため、0.1〜1wt%とする。
【0041】Ti,Zr,Hfのうち少なくとも1種
は、電気抵抗の低減に効果があり、0.1wt%未満で
はかかる効果が得られず、5wt%を超えるとその効果
が飽和し、またHf単独の場合、1wt%以下ではかか
る電気抵抗の低減効果が得られず、5wt%を超えると
その効果が飽和するため、0.1wt%(但しHfは1
wt%を超える)〜5wt%の含有が望ましく、より好
ましくはTiまたはZrの場合は0.5〜2wt%、H
fの場合は1wt%を超え2wt%以下の範囲である。
【0042】Bは、Wが粒界へ偏析するのを防止する効
果があり、少なくとも0.001wt%の含有すること
が好ましい。しかし、0.01wt%を超えて添加して
も効果が飽和するため、0.001〜0.01wt%と
する。なお、前記のHfを1wt%を超えて含有する場
合は、特にBの共存により熱間加工を良好にする効果が
ある。
【0043】Y,Hf,Ce,La,Nd,Dyは、単
独添加あるいは複合添加することによって、耐酸化性を
向上させる効果があり、少なくとも0.01wt%含有
することが好ましい。しかし、1wt%を超えて添加す
ると、熱間加工性が急激に劣化するため、好ましい添加
範囲は0.01〜1wt%である。
【0044】なお、この発明による金属材料は、Cr−
W−Fe系合金の耐酸化性の向上のためにAlを、また
電気抵抗の低減のために、Ti,Zr,Hfのうち少な
くとも1種を含有することを特徴とする。また、低抵抗
値を特徴とする本系のCr−W−Al−(Ti,Zr)
−Fe系において、耐酸化性に向上効果を付与するため
に、上記の添加元素(Y,Hf,Ce,La,Nd,D
y)より少なくとも1種を選定添加する。Cr−W−
l−(Hf)−Fe系の場合はHfの含有によって、低
抵抗と耐酸化性の特徴を有しているが、さらに耐酸化性
を向上させるため、Y,Ce,La,Nd,Dyより1
種以上を含有させることが可能である。
【0045】Feは、この発明による金属材料の基幹を
なし、上記元素の含有残余を占める。
【0046】この発明による種々のCr−W−Al−
(Ti,Zr,Hf)−Fe系合金は、例えば溶解鋳造
などの公知の方法によって得ることができ、得られた合
金に熱間や冷間などの加工を施したり、粉末化して用い
る等、用途に応じた形態を適宜選定することができる。
【0047】この発明による種々のCr−W−Al−
(Ti,Zr,Hf)−Fe系合金は、安定化ジルコニ
アの熱膨張係数(10〜12×10-6/K)とほぼ同等
の、室温から1000℃における平均熱膨張係数が1
2.0×10-6/K以上13.0×10-6/K未満の熱
膨張係数が得られ、安定化ジルコニアあるいは安定化ジ
ルコニアと同様な熱膨張係数を有する材料と共に用いる
のに最適な特性を有する。
【0048】この発明による種々のCr−W−Al−
o−(Ti,Zr,Hf)−Fe系合金は、上述した組
成並びに製造方法によって、1000℃における0.2
%耐力が2.0kgf/mm2以上となり、高温におけ
る機械的強度が飛躍的に向上する。
【0049】また、Cr−W−Al−(Ti,Zr,H
f)−Fe系合金は、Alを含有するため、その表面に
Al23を含むCr23酸化物層、内部にAl23の分
散層が形成され、該酸化物層によって耐酸化性が向上
し、さらに該分散層によって、表面付近の熱膨張係数が
より一層、安定化ジルコニアの熱膨張係数に近づくとい
う効果を奏する。
【0050】さらに、この発明による種々のCr−W−
Al−(Ti,Zr,Hf)−Fe系合金は、大気中に
おける1000℃×490時間処理後の抵抗増分に試料
の表面積をかけ合わせた数値で表される比抵抗増が、従
来の合金と同等以下となり、高温においても優れた電気
伝導性を示すことが可能となる。
【0051】
【実施例】実施例1 この発明の効果を実証するために、表1に示す組成から
なるこの発明による種々のCr−W−(Ti,Zr,H
f)−Fe系合金を作成し、1000℃における0.2
%耐力、室温から1000℃の熱膨張係数、高温におけ
る酸化増量及び比抵抗を測定した。その結果を比較例と
共に表1、表2に示す。なお、表1、表2の本発明欄中
のAlを含有しない組成は参考例である。
【0052】なお、1000℃における0.2%耐力
は、JIS G0567「鉄鋼材料および耐熱合金の高
温引張試験方法」に準拠する高温引張試験装置で、ひず
み速度0.6%/minで試験した結果によって測定し
た。また、酸化増量は、大気中において1000℃×1
000時間の加熱後の重量と加熱前の重量との差を試料
の表面積で除した数値で評価した。
【0053】さらに、比抵抗増は、大気中において、1
000℃×490時間加熱後の抵抗増分に試料の表面積
をかけ合わせた数値で評価した。なお、比抵抗増につい
て、界面は厚みを持たないため、面積のみが抵抗の大き
さを決定する要素となる。従って、測定した抵抗をRと
すると、Rは界面積に反比例する、すなわちR∝1/S
となる。この比例定数をρとするとR=ρ・1/S、ρ
=R・Sとなる。従って、ρの単位はmΩ・cm2とな
る。
【0054】表1、表2より、この発明によるCr−W
Al−(Ti,Zr,Hf)−Fe系合金が、比抵抗
が低く、熱膨張係数が安定化ジルコニアの熱膨張係数
(10〜12×10-6/K)と近似しており、特に、電
気伝導性、耐酸化性にも極めて優れていることが分か
る。さらに、本系合金にCoを含有すると、前記特性に
加えて高温での機械的強度に優れることが分かる。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】この発明によCr−W−Al−(T
i,Zr,Hf)−Fe系、Cr−W−Al−(Ti,
Zr,Hf)−B−Fe系、Cr−W−Al−(Ti,
Zr,Hf)−M−Fe系、Cr−W−Al−(Ti,
Zr,Hf)−B−M−Fe系Cr−W−Al−(T
i,Zr,Hf)−Co−Fe系、Cr−W−Al−
(Ti,Zr,Hf)−Co−B−Fe系、Cr−W−
Al−(Ti,Zr,Hf)−Co−M−Fe系、Cr
−W−Al−(Ti,Zr,Hf)−Co−B−M−F
e系の各合金は、安定化ジルコニアと近似した熱膨張係
数を有し、かつ高温における優れた機械的強度並びに耐
酸化性を有するとともに、すぐれた電気伝導性を有する
ため、遮熱コーティングとしてのジルコニア系セラミッ
クスと母材との中間層、あるいは安定化ジルコニアを電
解質とする固体酸化物型燃料電池のセパレータ材として
最適である。
【0058】また、この発明による金属材料を用いるこ
とにより、ガスタービンを始めとする各種高温プラント
機器の長寿命化、並びに固体酸化物型燃料電池の大型化
を図ることが可能となる。
【0059】さらに、金属材料であることから酸化物に
比べて加工が容易であり、特に固体酸化物型燃料電池で
は製造性が良好で、コストの低減効果が大きい。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr 15〜40wt%、W5〜15w
    t%、Al 0.1〜1wt%、Ti、Zr、Hfのう
    ち少なくとも1種を0.1(但しHf単独の場合は1w
    t%を超える)〜5wt%含有し、残部Feおよび不可
    避的不純物からなり、表面にAl 2 3 を含むCr 2 3
    らなる酸化物層、内部にAl 2 3 の分散層を有する低比
    抵抗低熱膨張合金。
  2. 【請求項2】 請求項1において、Coを1〜10wt
    %含有する低比抵抗低熱膨張合金。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、Bを
    0.001〜0.01wt%含有する低比抵抗低熱膨張
    合金。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項のいずれかにおい
    て、さらにY、Hf(Ti、Zrのうち少なくとも1種
    を含有する時のみ)、Ce、La、Nd、Dyのうち少
    なくとも1種を0.01〜1wt%含有する低比抵抗低
    熱膨張合金。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項のいずれかにおい
    て、室温から1000℃における平均熱膨張係数が12
    ×10-6/K以上13×10-6/K未満である低比抵
    抗低熱膨張合金。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項のいずれかにおい
    て、大気中における1000℃×490時間処理後の抵
    抗増分に、試料の表面積をかけ合わせた数値で表される
    比抵抗増が10mΩ・cm2未満である低比抵抗低熱膨
    張合金。
  7. 【請求項7】 請求項2において、1000℃における
    0.2%耐力が2.0kgf/mm2以上である低比抵
    抗低熱膨張合金。
JP08804498A 1997-03-18 1998-03-16 低比抵抗低熱膨張合金 Expired - Fee Related JP3311989B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08804498A JP3311989B2 (ja) 1998-03-16 1998-03-16 低比抵抗低熱膨張合金
CN98800496A CN1075564C (zh) 1997-03-18 1998-03-17 低热膨胀合金
DE69803426T DE69803426T2 (de) 1997-03-18 1998-03-17 Legierung mit niedrigem wärmeausdehnungskoeffizient
KR1019980709308A KR100306247B1 (ko) 1997-03-18 1998-03-17 저열팽창합금
EP98907267A EP0913492B1 (en) 1997-03-18 1998-03-17 Low heat expansion alloy
PCT/JP1998/001121 WO1998041665A1 (fr) 1997-03-18 1998-03-17 Alliage a faible dilatation thermique
US09/180,750 US6123898A (en) 1997-03-18 1998-03-17 Low heat expansion alloy

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08804498A JP3311989B2 (ja) 1998-03-16 1998-03-16 低比抵抗低熱膨張合金

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001392578A Division JP3701902B2 (ja) 2001-12-25 2001-12-25 低比抵抗低熱膨張合金

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11264056A JPH11264056A (ja) 1999-09-28
JP3311989B2 true JP3311989B2 (ja) 2002-08-05

Family

ID=13931841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08804498A Expired - Fee Related JP3311989B2 (ja) 1997-03-18 1998-03-16 低比抵抗低熱膨張合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3311989B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11264056A (ja) 1999-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6936217B2 (en) High-temperature material
JP3236755B2 (ja) 耐酸化性金属材料
KR101411671B1 (ko) 페라이트 크롬강
JP3534285B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セパレーター用鋼
JP2003173795A (ja) 固体酸化物型燃料電池セパレータ用鋼
JP4737600B2 (ja) 固体酸化物型燃料電池セパレータ用鋼
CN101519740A (zh) 一种抗阴极Cr毒化的中温固体氧化物燃料电池金属连接体用Ni-Mo-Cr合金
JP2003187828A (ja) 固体酸化物型燃料電池部材用フェライト系ステンレス鋼
JP5306631B2 (ja) 固体酸化物型燃料電池その他の高温用途向けのフェライト鋼
JPH10280103A (ja) 固体電解質型燃料電池セパレータ用鋼
KR100306247B1 (ko) 저열팽창합금
JP3311989B2 (ja) 低比抵抗低熱膨張合金
JP3256483B2 (ja) 高強度低熱膨張合金
JP2007016297A (ja) 固体酸化物型燃料電池セパレータ用鋼
JP3245304B2 (ja) 金属材料
JP3701902B2 (ja) 低比抵抗低熱膨張合金
JP3311990B2 (ja) 耐酸化性低熱膨張合金
KR100229293B1 (ko) 내산화성 금속재료
JP2015122303A (ja) 固体酸化物形燃料電池用金属部材
JP2003105503A (ja) 固体酸化物型燃料電池セパレータ用鋼
Uehara et al. Improvement of oxidation resistance of Fe-Cr ferritic alloy sheets for SOFC interconnects
CN110574197A (zh) 不锈钢材、结构构件、单电池和燃料电池堆
JPS6277451A (ja) 電導性耐食材料の製造方法
KR20030052106A (ko) 고체 산화물 연료 전지용 금속간 화합물 접속자
JP2016141853A (ja) 固体酸化物型燃料電池セパレータ用鋼

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090524

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090524

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100524

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110524

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110524

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120524

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130524

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees