JP3256483B2 - 高強度低熱膨張合金 - Google Patents

高強度低熱膨張合金

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    • Y02E60/50Fuel cells

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、安定化ジルコニ
アと熱膨張係数が近似したCr−W−Fe系低熱膨張合
金の改良係り、該系合金を基本としてCoを添加するこ
とにより、例えば、遮熱コーティングとしてのジルコニ
ア系セラミックスと母材との中間層、あるいは第三世代
として開発されている固体酸化物型燃料電池に用いられ
る安定化ジルコニアと熱膨張係数が近似し、特に高温に
おける機械的強度並びに耐酸化性にすぐれ、かつ比抵抗
増が低く抑制された高強度低熱膨張合金に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギー問題や地球環境問題が
クローズアップされ、発電用ガスタービンをはじめとす
る各種高温プラント機器の高温高圧化傾向が著しく、こ
れに伴い臨界条件下で使用されている金属材料の損傷劣
化問題が深刻化している。
【0003】そのため、最近の航空機用ならびに陸用の
ガスタービンでは、動静翼用の高強度超合金に対して耐
食コーティングの適用が通例となっているが、該コーテ
ィングにおいても高温腐食が絡んだ損傷劣化問題は解決
されていないのが現状である。
【0004】コーティングの一例として、遮熱コーティ
ング(TBC)は、温度差を有する金属部品へ熱伝導率
の低いセラミックをコーティングし、金属部品表面の温
度上昇を防止するものであり、ガスタービンへは燃焼器
を中心に10年以上前より使用されており、最近では冷
却翼への適用も盛んに研究され、実翼を用いたテストに
より50〜100℃の遮熱効果が確認されている。
【0005】TBCは、通常熱伝導率(cal/cm・
s・℃)が0.04〜0.08であるAl23や0.0
1〜0.02のTiO2に比べて0.005〜0.00
6と低いZrO2(MgO、Y23、CaO等の安定化
材を固溶)を主成分とするセラミック溶射層と合金(基
材)との熱膨張差を緩和あるいは耐食性の向上を目的と
するNi−Al系合金、Ni−Cr系合金、M−Cr−
Al−Y系合金(MはFe,Ni,Co等)等からなる
中間溶射層からなり、この中間層を金属とセラミックの
混合層として多層化したり、完全な傾斜組成にすること
なども研究されている。
【0006】一方、新たな発電システムとして注目され
ている燃料電池は、電解質にリン酸水溶液を用いるリン
酸型(PAFC)、電解質に炭酸リチウム、炭酸カリウ
ム等を用いる溶融炭酸塩型(MCFC)、電解質にジル
コニア系のセラミックを用いる固体酸化物型(SOF
C)等があり、いずれも燃料のもつ化学エネルギーを電
気化学反応により直接電気エネルギーに変換する発電方
式であり、種々のすぐれた特徴を有している。
【0007】最近のエネルギー政策、地球環境問題の高
まりの中で需要地に接近設置できる分散電源、コージェ
ネレーション用電源として燃料電池の早期実用化が強く
望まれており、分散型電源導入量でも燃料電池に最も大
きな期待がかけられている。
【0008】固体酸化物型燃料電池は、イットリア安定
化ジルコニア(YSZ)の電解質板の両面を、燃料極
(アノード)と空気極(カソード)とで挟んだものを単
セルとなし、さらに、実用電力を得るためにセパレータ
を介して該単セルを多層に積層した構成からなり、前記
セパレータと燃料極(アノード)の間に形成される通路
空間には燃料となるH2とCOが供給され、セパレータ
と空気極(カソード)の間に形成される通路空間には空
気が供給される機構を基本とする、いわゆる、水の電気
分解反応の逆の反応を応用した発電システムである。
【0009】通商産業省が推進している省エネルギーに
関するムーンライト計画における高温ガスタービンの開
発目標は、最終的に入口ガス温度1773Kを達成し、
そのタービンの排熱により駆動される蒸気タービンとの
組合せによる、いわゆる複合発電により総合発電効率を
55%にすることを目標としている。
【0010】蒸気タービンのみによる現在の火力発電の
効率は約40%であり、これが10%向上したとすると
我が国において1年間約3100億円の燃料が節約でき
るといわれている。
【0011】さて、前者の遮熱コーティング(TBC)
の構成において、特に重要視されるのが安定化ジルコニ
アの溶射層の存在である。上記のような高温、高効率化
の目標を達成するために、Ni基超合金が使用されてい
るが、合金をガスタービン中でコーティングなしで用い
ると、1年程度の寿命しか期待できない。従って、ガス
タービン用ブレードにコーティングを行うことは不可欠
である。
【0012】しかし、安定化ジルコニアの熱膨張係数
(10〜12×10-6/K程度)とNi基超合金の熱膨
張係数(18〜20×10-6/K程度)の差が大きいた
め、安定化ジルコニアの溶射層に亀裂が発生しやすいと
いう問題がある。
【0013】これに対し、耐食性向上も期待できるNi
−Al系合金、Ni−Cr系合金、M−Cr−Al−Y
系合金(MはFe,Ni,Co等)等からなる中間層を
熱膨張差を緩和する目的で溶射する場合もあるが、これ
らの熱膨張係数もまだ16〜18×10-6/K程度と大
きく、充分な結果が得られていない。
【0014】次に、後者の固体酸化物型燃料電池の構成
においては、特に重要視されるのがセパレータの存在で
ある。燃料電池は内部抵抗を小さくし、容積当たりの電
極面積を大きくするために通常は平板を積層した構成を
とる。
【0015】燃料電池のセパレータは、空気極や燃料極
あるいは固体電解質と近似した熱膨張係数と耐酸化性、
高導電性を要求されることから、その材質には(La,
アルカリアース)CrO3を用いるのが一般的である。
【0016】セパレータの具体的な役割は、単セルを積
層する際に各々単セルを仕切り、燃料となるH2と空気
を遮断するなどの機能を有するほか、電解質板を保持す
る機能を有している。
【0017】電解質板を保持するには、予め電解質板の
面積を燃料極や空気極の面積よりも大きくしておくこと
により、容易にセパレータとの積層が可能となって、電
解質板を保持することができる。しかし、セパレータは
上記の如くセラミックスであるため、強度的に弱くまた
成形性が悪いため、大型化できないという問題がある。
【0018】セパレータ材料としては、高温で酸化雰囲
気にある空気極と還元雰囲気にある燃料極とを連絡する
必要上、酸化にも還元にも強く、かつ、電気導電性がよ
いことが要求される。
【0019】セパレータ材料として、LaCr0.9Mg
0.13やCoCr24あるいはNi‐Al合金が検討さ
れているが、これらのセパレータ用材料と燃料極あるい
は固体電解質との接合が困難であるという問題がある。
【0020】上述の(La,アルカリアース)CrO3
は、工業的に均質な原料粉末を得る粉末調整法が確立さ
れておらず、ステンレス鋼やいわゆるインコネルなどの
耐熱合金は、強度的な点では上記のセラミックスより優
れているが、熱膨張係数が大きいため電池作動温度(約
1000℃)では固体電解質にかなりの引張応力がかか
り、また酸化被膜の電気抵抗も大きい問題がある。
【0021】金属セパレータについては、熱膨張係数の
不整合と耐熱鋼上の酸化被膜の成長の問題があり、熱膨
張係数については、接続体としてLaMnOxの発泡体
を使う方法や金属の組成制御により熱膨張係数を近づけ
る試みがなされており、酸化被膜についてはLaCrO
3を溶射する方法などが試みられているが、いずれも満
足した結果は得られていない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】今日、MgO、Y
23、CaO等の種々の安定化材を固溶させた安定化ジ
ルコニアは、その特徴である高強度や強靭性、高融点や
断熱性、電気的特性等を活かすために、各種の用途別に
該特性を追求して、安定化材の選定とともに製造方法に
工夫がされており、製鋼工業、化学工業、電池、溶射材
料、タービン、内燃機関、センサーなど多方面の用途に
使用されている。
【0023】種々用途に採用され、セラミックス単体で
用いる以外は、多くの場合、他の金属材料等と隣接ある
いは接合されて使用されるが、熱膨張係数が近似しかつ
各種用途に適用可能な材料は提案されていなかった。
【0024】そこで、発明者らは先に、安定化ジルコニ
アと熱膨張係数が近似し、かつ高温における耐酸化性に
すぐれる耐酸化性金属材料として、特定組成のCr−W
−Fe系合金にM(M=Y,Hf,Ce,La,Nd,
Dyの1種または2種以上)あるいはさらにBを添加し
たCr−W−M−Fe系合金及びCr−W−M−B−F
e系合金を提案した(特開平8−277441号)。
【0025】上記発明者らの提案による金属材料は、安
定化ジルコニアの熱膨張係数(10〜12×10-6
K)と近似した熱膨張係数(12〜13×10-6/K)
が得られ、また、耐酸化性においても従来のステンレス
鋼に比べ格段に優れてはいるが、近年、益々要求が高ま
る高温高圧下における耐酸化性、および安定化ジルコニ
アとの優れた熱膨張整合性を満足させるまでには至って
いない。
【0026】また、該金属材料は、導電性セラミックス
と比較すると比抵抗増が大きいため、すぐれた電気伝導
性を得ることが困難であり、さらに、構造材として使用
するには強度が弱く、特に高温(約1000℃)におけ
る機械的強度が十分ではなかった。
【0027】この発明は、ガスタービンを始めとする各
種高温プラント機器の長寿命化、並びに固体酸化物型燃
料電池の大型化を図ることが可能なように、安定化ジル
コニアと熱膨張係数が近似し、近年の高い要求を満足す
る耐酸化性及び電気伝導性を発揮するとともに、特に、
高温における機械的強度に優れる高強度低熱膨張合金の
提供を目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】発明者らは、先の提案
(特開平8−277441号)に基づいて、安定化ジル
コニアとのさらに優れた熱膨張整合性、耐酸化性及び電
気伝導性を有するとともに、特に高温における機械的強
度に優れる合金を目的に鋭意研究の結果、前記Cr−W
−Fe系合金にCoを添加すると、熱膨張整合性、耐酸
化性、電気伝導性を損なうことなく、高温における機械
的強度が向上することを知見した。
【0029】また、発明者らは、Coを添加したCr−
W−Co−Fe系合金に、少量のAlを添加することに
より、Crより酸素との親和力の大きいAlが選択酸化
を受けるため、CrとAlの量を最適に調整することに
よって、金属表面にAl23を含むCr23からなる酸
化物層が形成され、その酸化物層が、Cr−W−Fe系
合金におけるCr23表面酸化物層に比べ、保護性が大
きく耐酸化性を損なうことなく、かつ層の厚みが薄くな
るため、優れた電気伝導性が得られること、並びに金属
材料内部のAl23の分散層の存在によって、表面付近
の熱膨張係数がいっそう安定化ジルコニアに近づくこと
を知見した。
【0030】さらに、発明者らは、Cr−W−Co−F
e系合金、Cr−W−Co−Al−Fe系合金に、少量
のBを添加することにより、該合金におけるWの粒界へ
の偏析を防止できることを知見し、そして、上述した合
金それぞれに、少量のY,Hf,Ce,La,Nd,D
yのうち少なくとも1種を添加することにより、なお一
層耐酸化性が向上することを確認し、この発明を完成し
た。
【0031】すなわち、この発明は、Cr15〜40w
t%、W5〜15wt%、Co1〜10wt%、また
は、Cr15〜40wt%、W5〜15wt%、Co1
〜10wt%、Al0.1〜1wt%、または、Cr1
5〜40wt%、W5〜15wt%、Co1〜10wt
%、B0.001〜0.01wt%、あるいは、Cr1
5〜40wt%、W5〜15wt%、Co1〜10wt
%、Al 0.1〜1wt%、B 0.001〜0.0
1wt%を、それぞれ含有し、残部Fe及び不可避的不
純物からなる高強度低熱膨張合金である、
【0032】また、この発明は、上記Cr−W−Co−
Fe系、Cr−W−Co−Al−Fe系、Cr−W−C
o−B−Fe系、Cr−W−Co−Al−B−Fe系合
金に、Y,Hf,Ce,La,Nd,Dyのうち少なく
とも1種を0.01〜1wt%含有することを特徴とす
る高強度低熱膨張合金である。
【0033】また、発明者らは、上記構成でAlを含有
する高強度低熱膨張合金において、表面にAl23を含
むCr23からなる酸化物層、内部にAl23の分散層
を有すること、大気中における1000℃×490時間
処理後の抵抗増分に、試料の表面積をかけ合わせた数値
で表される比抵抗増が10mΩ・cm2未満であるこ
と、をそれぞれ特徴とする高強度低熱膨張合金を併せて
提案する。
【0034】また、発明者らは、上記構成からなる高強
度低熱膨張合金において、室温から1000℃における
平均熱膨張係数が12×10-6/K以上13×10-6
K未満であることを、1000℃における0.2%耐力
が2.0kgf/mm2以上であること、をそれぞれ特
徴とする高強度低熱膨張合金を併せて提案する。
【0035】
【発明の実施の形態】この発明による金属材料の組成の
限定理由について説明する。Crは、耐熱性を得るため
の基本成分であり、少なくとも15wt%の含有を必要
とする。しかし、40wt%を超えて添加しても効果が
飽和し、また熱膨張係数を増加させたり、加工性が劣化
するため15〜40wt%とする。より好ましくは15
〜25wt%の範囲である。
【0036】Wは、所定の熱膨張係数を得るための基本
成分であり、少なくとも5wt%の含有を必要とする。
しかし、15wt%を超えて添加すると、熱膨張係数が
増加して好ましくないため、5〜15wt%とする。よ
り好ましくは5〜10wt%の範囲である。
【0037】Coは、高温における機械的強度を得るた
めの基本成分であり、少なくとも1wt%の含有を必要
とする。しかし、10wt%を超えて添加すると、熱間
加工性が劣化するとともに熱膨張係数が増加して好まし
くないため、1〜10wt%とする。より好ましくは5
〜10wt%の範囲である。
【0038】Alは、0.1wt%未満では金属材料内
部にAl23分散層が生成されず、また、1wt%を超
えて添加すると、電気伝導性が低下して熱膨張係数が大
きくなり好ましくないため、0.1〜1wt%とする。
【0039】Bは、Wが粒界へ偏析するのを防止する効
果があり、少なくとも0.001wt%の含有すること
が好ましい。しかし、0.01wt%を超えて添加して
も効果が飽和するため、0.001〜0.01wt%と
する。
【0040】Y,Hf,Ce,La,Nd,Dyは、単
独添加あるいは複合添加することによって、耐酸化性を
向上させる効果があり、少なくとも0.01wt%含有
することが好ましい。しかし、1wt%を超えて添加す
ると、熱間加工性が急激に劣化するため、好ましい添加
範囲は0.01〜1wt%である。
【0041】Feは、この発明による金属材料の基幹を
なし、上記元素の含有残余を占める。
【0042】この発明による種々のCr−W−Co−F
e系合金は、例えば溶解鋳造などの公知の方法によって
得ることができ、得られた合金に熱間や冷間などの加工
を施したり、粉末化して用いる等、用途に応じた形態を
適宜選定することができる。
【0043】この発明による種々のCr−W−Co−F
e系合金は、安定化ジルコニアの熱膨張係数(10〜1
2×10-6/K)とほぼ同等の、室温から1000℃に
おける平均熱膨張係数が12.0×10-6/K以上1
3.0×10-6/K未満の熱膨張係数が得られ、安定化
ジルコニアあるいは安定化ジルコニアと同様な熱膨張係
数を有する材料と共に用いるのに最適な特性を有する。
【0044】この発明による種々のCr−W−Co−F
e系合金は、上述した組成並びに製造方法によって、1
000℃における0.2%耐力が2.0kgf/mm2
以上となり、高温における機械的強度が飛躍的に向上す
る。
【0045】また、Cr−W−Co−Fe系合金は、A
lを含有する場合、その表面にAl23を含むCr23
酸化物層、内部にAl23の分散層が形成され、該酸化
物層によって耐酸化性が向上し、さらに該分散層によっ
て、表面付近の熱膨張係数がより一層、安定化ジルコニ
アの熱膨張係数に近づくという効果を奏する。
【0046】さらに、この発明による種々のCr−W−
Co−Fe系合金は、大気中における1000℃×49
0時間処理後の抵抗増分に試料の表面積をかけ合わせた
数値で表される比抵抗増が、従来の合金と同等以下とな
り、高温においても優れた電気伝導性を示すことが可能
となる。
【0047】
【実施例】実施例1 この発明の効果を実証するために、表1に示す組成から
なるこの発明による種々のCr−W−Co−Fe系合金
を作成し、1000℃における0.2%耐力、室温から
1000℃の熱膨張係数、高温における酸化増量及び比
抵抗増を測定した。その結果を比較例と共に表2に示
す。
【0048】なお、1000℃における0.2%耐力
は、JIS G0567「鉄鋼材料および耐熱合金の高
温引張試験方法」に準拠する高温引張試験装置で、ひず
み速度0.6%/minで試験した結果によって測定し
た。また、酸化増量は、大気中において1000℃×1
000時間の加熱後の重量と加熱前の重量との差を試料
の表面積で除した数値で評価した。
【0049】さらに、比抵抗増は、大気中において、1
000℃×490時間加熱後の抵抗増分に試料の表面積
をかけ合わせた数値で評価した。なお、比抵抗増につい
て、界面は厚みを持たないため、面積のみが抵抗の大き
さを決定する要素となる。従って、測定した抵抗をRと
すると、Rは界面積に反比例する、すなわちR∝1/S
となる。この比例定数をρとするとR=ρ・1/S、ρ
=R・Sとなる。従って、ρの単位はmΩ・cm2とな
る。
【0050】表1、表2より、この発明によるCr−W
−Co−Fe系合金が、高温での機械的強度に優れると
ともに、熱膨張係数が安定化ジルコニアの熱膨張係数
(10〜12×10-6/K)と近似しており、また、電
気伝導性、耐酸化性にも極めて優れていることが分か
る。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】この発明によるCr−W−Co−Fe
系、Cr−W−Co−Al−Fe系、Cr−W−Co−
B−Fe系合金、Cr−W−Co−Al−B−Fe系合
金は、安定化ジルコニアと近似した熱膨張係数を有し、
かつ1000℃における0.2%耐力が2.0kgf/
mm2以上となり、高温における優れた機械的強度並び
に耐酸化性を有するとともに、すぐれた電気伝導性を有
するため、遮熱コーティングとしてのジルコニア系セラ
ミックスと母材との中間層、あるいは安定化ジルコニア
を電解質とする固体酸化物型燃料電池のセパレータ材と
して最適である。
【0054】また、この発明による金属材料を用いるこ
とにより、ガスタービンを始めとする各種高温プラント
機器の長寿命化、並びに固体酸化物型燃料電池の大型化
を図ることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 H01M 8/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr15〜40wt%、W5〜15wt
    %、Co1〜10wt%、残部Feおよび不可避的不純
    物からなる高強度低熱膨張合金。
  2. 【請求項2】 請求項1において、Alを0.1〜1w
    t%含有する高強度低熱膨張合金。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、Bを
    0.001〜0.01wt%含有する高強度低熱膨張合
    金。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、Y,Hf,Ce,La,Nd,Dyのうち少なくと
    も1種を0.01〜1wt%含有する高強度低熱膨張合
    金。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかにおい
    て、1000℃における0.2%耐力が2.0kgf/
    mm2以上である高強度低熱膨張合金。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4のいずれかにおい
    て、室温から1000℃における平均熱膨張係数が12
    ×10-6/K以上13×10-6/K未満である高強度低
    熱膨張合金。
  7. 【請求項7】 請求項2から請求項4のいずれかにおい
    て、表面にAl23を含むCr23からなる酸化物層、
    内部にAl23の分散層を有する高強度低熱膨張合金。
  8. 【請求項8】 請求項2から請求項4のいずれかにおい
    て、大気中における1000℃×490時間処理後の抵
    抗増分に、試料の表面積をかけ合わせた数値で表される
    比抵抗増が10mΩ・cm2未満である高強度低熱膨張
    合金。
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