JP3310231B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Description
気ディスクなどの磁気記録媒体に係り、特に光学的に磁
気ヘッドのトラッキングができる磁気ヘッドトラッキン
グ用光学凹部を設ける層た磁気記録媒体に関するもので
ある。
プロセッサなどの著しい普及に伴い、それらに使用する
外部記憶装置の小型、大容量化がさらに要求される。こ
れらの要求に対応するため、フレキシブル磁気ディスク
において、それのドーナツ状記録帯域の最内周にリフア
レンストラックを形成し、そのリフアレンストラックか
ら半径方向外側に向けて所定の間隔離れ、かつ前記リフ
アレンストラックと同心円状の磁気ヘッドトラッキング
用光学凹部をリング状に多数形成し、各リング状磁気ヘ
ッドトラッキング用光学凹部の間をデータトラックとし
たものが提案されている(例えば特開平2−18796
9号公報参照)。
スクを説明するための拡大断面図ならびに平面図であ
る。
100の表面には磁性層101が設けられており、この
磁性層101にはトラッキングサーボ用の溝102が磁
気ディスクの回転方向に延びるように、例えばレーザ加
工などの手段によつて形成されている。この溝102と
溝102との間がデータトラック103となる(図28
参照)。
気ディスクの表面にトラッキングサーボ用の光線104
を出射する発光素子(図示せず)と、磁気ディスク表面
からの反射光105を受光する受光素子106a,10
6b,106c,106d(図28参照)とを備えてい
る。
04を磁気ディスク表面に当てて、それからの反射光1
05を受光素子106a,106b,106c,106
dで受光する。
グサーボ用の溝102が形成されているため、データト
ラック103上で反射する光強度と溝102上で反射す
る光強度は異なる。図28に示す例では受光素子106
aと106bの合計出力値と、受光素子106cと10
6dの合計出力値とを常に比較して、両者の出力値が等
しくなるように磁気ヘッド(図示せず)のトラッキング
サーボが行なわれる。従来の磁気ディスクは磁性層10
1の厚みが1〜3μmあり、そのめた磁気ディスク表面
からの反射光105を受光する受光素子106a,10
6b,106c,106dで良好に受光することができ
た。
のオーバライト特性を改善するために磁性層の厚さを
0.9μm未満に薄くすると、データトラック上での反
射強度がばらつきやすくなり、適正なトラッキングサー
ボが行なわれ難いという問題が出てきた。
性が極めて重要な項目となり、その光学的特性とは具体
的には、 .磁気ヘッドトラッキング用光学凹部と、その凹部以
外の平坦部とのコントランスが高いこと、 .光学的ノイズが低いこと、が挙げられる。
の問題点を解消し、トラッキングサーボが適正に行える
信頼性の高い磁気記録媒体を提供することにある。
に、第1の本発明は、非磁性体からなる基体と、その基
体の一方の面に磁性層を形成し、他方の面にトラッキン
グ用凹部を設ける層を形成して、 そのトラッキング用凹
部を設ける層に、磁気ヘッドの走行方向に延びる磁気ヘ
ッドトラッキング用光学凹部と、その磁気ヘッドトラッ
キング用光学凹部と隣の磁気ヘッドトラッキング用光学
凹部との間に設けられた平面部とを設け、 前記磁気ヘッ
ドトラッキング用光学凹部ならびに平面部に光を照射
し、その反射光に基づいて磁気ヘッドをトラッキングす
る磁気記録媒体において、 前記トラッキング用凹部を設
ける層の光透過率を下げるために層中にカーボンブラッ
クが添加され、そのカーボンブラックの少なくとも一部
が平均粒径0.05μm以下の超微小カーボンブラック
であって、 かつ、そのトラッキング用凹部を設けた層の
前記平面部に、中心波長が880nmの光を入射角20
度で照射した際の光反射率が8%以上であることを特徴
とするものである。上記目的を達成するために、第2の
本発明は、 非磁性体からなる基体と、その基体の一方の
面に磁性層を形成し、他方の面にトラッキング用凹部を
設ける層を形成して、 そのトラッキング用凹部を設ける
層に、磁気ヘッドの走行方向に延びる磁気ヘッドトラッ
キング用光学凹部と、その磁気ヘッドトラッキング用光
学凹部と隣の磁気ヘッドトラッキング用光学凹部との間
に設けられた平面部とを設け、 前記磁気ヘッドトラッキ
ング用光学凹部ならびに平面部に光を照射し、その反射
光に基づいて磁気ヘッドをトラッキングする磁気記録媒
体において、 前記トラッキング用凹部を設ける層の光透
過率を下げるために層中にカーボンブラックが添加さ
れ、そのカーボンブラックの少なくとも一部が平均粒径
0.05μm以下の超微小カーボンブラックであって、
そのトラッキング用凹部を設けた層の平面部の表面粗さ
(中心線平均粗さRa)が0.01μm以下に規制さ
れ、 かつ、そのトラッキング用凹部を設けた層の前記平
面部に、中心波長が880nmの光を入射角20度で照
射した際の光反射率が8%以上であることを特徴とする
ものである。
説明する。図1は実施例に係る磁気ディスクカートリッ
ジの一部を分解した斜視図、図2は磁気シートの拡大断
面図、図3は磁気ディスクの平面図である。
ジは、カートリッジケース1と、その中に回転自在に収
納されたフレキシブルな磁気ディスク2と、カートリッ
ジケース1にスライド可能に取り付けられたシヤツタ3
と、カートリッジケース1の内面に溶着されたクリーニ
ングシート(図示せず)とから主に構成されている。前
記カートリッジケース1は、上ケース1aと下ケース1
bとから構成され、これらは例えばABS樹脂などの硬
質合成樹脂で射出成形されている。
入用の開口4が形成され、その近くに長方形のヘッド挿
入口5が形成されている。図示していないが、上ケース
1aにも同様にヘッド挿入口5が形成されている。
は、前記シヤツタ3のスライド範囲を規制するために少
し低くなつた凹部6が形成され、この凹部6の中間位置
に前記ヘッド挿入口5が開口している。
ドーナツ状のフレキシブルな磁気シート7と、その磁気
シート7の中央孔に挿入されて接着された金属製あるい
は合成樹脂製のセンターハブ8とから構成されている。
と、そのベースフィルム9の両面に塗着、形成された磁
性層10a、10bとから構成されている。
レンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)あるいはポリイミドなどの合成樹脂フィ
ルムから構成されている。
バインダ、研磨粉ならびに潤滑剤などの混合物から構成
されている。
ェライト、ストロンチウムフェライト、α−Fe、Co
−Ni、Co−P、γ−Fe2 O3 、Fe3 O4 、Co
含有γ−Fe2 O3 、Co含有γ−Fe3 O4 、CrO
2 、Co、Fe−Niなどの微粉末が使用される。
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体、ウレタン樹脂、ポリイソシアネ
ート化合物、放射線硬化性樹脂などが使用される。
ウム、酸化クロム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが用い
られる。この研磨粉の添加率は、磁性粉に対して約0.
1〜25重量%が適当である。
酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、オレイルオレート、
グリセリンオレートなどの高級脂肪酸エステル、流動パ
ラフイン、スクアラン、フツ素樹脂、フツ素オイル、シ
リコンオイルなどが使用可能である。
りである。
物をボールミル中でよく混合分散して磁性塗料を調整
し、これを62μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)のベースフィルムの両面に、乾燥平均厚みが0.
79μmとなるように塗布し、乾燥したのち、カレンダ
処理を施して磁性層10a、10bをそれぞれ形成す
る。
の磁性層10a(トラッキング用凹部を設ける層)の表
面に、図3に示すようにリフアレンストラック11と、
多数の磁気ヘッドトラッキング用光学トラック12がエ
ンボス加工などによつて形成される。これらリフアレン
ストラック11ならびに磁気ヘッドトラッキング用光学
トラック12は、磁気ディスク2の回転中心13を中心
にして同心円状に設けられている。
ック12と隣の磁気ヘッドトラッキング用光学トラック
12との間に、所望の情報が記録できるデータトラック
14が形成される。
られる記録帯域15の最内周部に前記リフアレンストラ
ック11が形成され、それより径方向外側、すなわち磁
気ヘッドの走行方向と直交する方向外側に磁気ヘッドト
ラッキング用光学トラック12とデータトラック14が
交互に多数形成される。
すように、磁気ヘッドの走行方向Xに沿つて延びてお
り、リフアレンストラック11の中心線16上の任意の
点17を中心として点対称に長方形のリフアレンス凹部
領域18Aとリフアレンス凹部領域18Bが一対になつ
て形成されている。このリフアレンス凹部領域18Aの
隣(リフアレンス凹部領域18Bの前方)ならびにリフ
アレンス凹部領域18Bの隣(リフアレンス凹部領域1
8Aの後方)には凹部のない平面部19Aと平面部19
Bとがある。
A、18B、平面部19A、19Bが、磁気ヘッドの走
行方向Xに沿つて間欠的または連続的に多数形成される
ことにより、リフアレンストラック11を構成してい
る。
領域18A、18Bの磁気ヘッド走行方向の長さL1は
2.4mm、幅方向の長さL2は18μmである。
ッキングサーボを説明するための図である。図5に示す
ように、磁気ヘッドトラッキング用光学トラック12に
もトラッキング用凹部23が、磁気ヘッドの走行方向X
に沿つて間欠的または連続的に形成されている。
3は間欠的に形成され、トラッキング用凹部23の幅L
3は5μm、データトラック14の幅L4は15μmで
ある。
ならびにトラッキング用凹部23は、図6に示すように
同時にプレス加工によつて形成される。
けた磁気ディスク2が、基台25上にセツトされる。こ
の磁気ディスク2は、前工程において磁性層10a,1
0bの表面が所定の表面粗さになるように研摩加工され
ている。
26(図3参照)に挿入されるセンターピン27が突設
されており、センターハブ8の中央孔26にこのセンタ
ーピン27を通して磁気ディスク2を基台25上に位置
決めする。
パ28が上下動可能に配置され、スタンパ28は前記セ
ンターピン27によつて上下動がガイドされるようにな
つている。スタンパ28の下面には前記リフアレンス凹
部領域18A、18Bならびにトラッキング用凹部23
を形成するための微細な突部29が多数形成されてい
る。
気ディスク2を基台25とスタンパ28との間において
所定の圧力で挟持する。これによつてスタンパ28に形
成されている突部29が磁性層10aの表面に食い込
み、圧縮により断面形状がほぼ台形のリフアレンス凹部
領域18A、18Bならびにトラッキング用凹部23が
形成される。
ィスク2は磁気ヘッド30a、30bの間で挟持された
状態で回転する。前記磁気ヘッド30aの方には、トラ
ッキングサーボ用の光を出力する例えばLEDなどから
なる発光素子31と、磁性層10aからの反射光を受光
する受光素子群32とが一体に取り付けられている。そ
してこの磁気ヘッド30aの発光素子31ならびに受光
素子群32が取り付けられている部分は、磁気ディスク
2側に向けて開口している。
受光素子32a、32b、32c、32dから構成され
ており、データトラック14ならびにトラッキング用凹
部23上で反射する光をこの受光素子32a、32b、
32c、32dで受光して、各受光素子32a、32
b、32c、32dの出力は図9に示すようにサーボ信
号演算部33に入力される。そしてこのサーボ信号演算
部33で求められた位置修正信号がヘッド駆動制御部3
4に入力され、それからの制御信号に基づいて磁気ヘッ
ド30のトラッキング制御が成される。
さとオーバライト特性との関係について検討した結果を
説明する。
た場合の各磁性層厚におけるオーバライト特性を測定し
てまとめた表である。このオーバライト特性は、最初に
150Hzの信号をデータトラック上に書込み、次いで
その信号が書き込まれたデータトラック上に600Hz
の信号を重ね書きして、残存する150Hzの信号の再
生出力を測定したものである。
微鏡(TEM)株式会社 日立製作所社製H−700H
を用いて測定した。後述の各試験においても同装置を用
いて磁性層の厚さを測定した。
によつてオーバライト特性が大きく異なり、磁性層10
の厚さが0.90μmを越えるとオーバライト特性が悪
いが、0.90μm以下であると良好なオーバライト特
性(−30dB以下)を得ることができる。
説明する。図10は磁性層10の厚さを種々変えた試料
を作り、その磁性層10の厚さと光反射率との関係を実
験で求めた特性図である。この実施例での光源としては
図11に示すような波長分布を有するLED(中心波長
880nm)を使用し、磁性層10表面に対する入射角
θを20度とした。
の厚さによつて光反射率の高い領域と低い領域とがあ
り、これは磁性層10の表面の反射光と、その磁性層1
0を透過し磁性層10とベースフィルム9との界面で反
射して、再び磁性層10を透過して表面に現れる戻り光
との干渉によるものであると考えられる。
確保できる磁性層の厚さはそれぞれ特定の範囲に限定さ
れる訳であるが、磁性塗料を塗布するときの膜厚のばら
つきなどにより、光反射率が大きく変動する心配があ
る。
との関係を求めた特性図である。この図から明らかなよ
うに、磁性層の光反射率とサーボ信号出力とはほぼ比例
関係にあり、磁性層の光反射率がばらつくとサーボ信号
出力が変動するから、どの磁気ディスクでも安定したサ
ーボ信号出力を得るためには、光反射率の格差を可及的
に小さくすることが要求される。
ボ信号出力を得るためには、前述した干渉の影響を小さ
くすることが最も効果的であることが諸種の実験結果か
ら明らかになつた。そして干渉による影響を小さくする
有効な手段として、 .磁性層自体の光透過率を下げること、 .ベースフィルムの反射率を下げること、などが挙げ
られる。
手段として、カーボンブラックの添加について検討し
た。図13はカーボンブラックの添加量と磁性層の光透
過率との関係を調べた特性図で、この図から明らかなよ
うにカーボンブラックを1.5重量%添加することによ
り、磁性層の光透過率を25%まで下げることが、カー
ボンブラックを2重量%添加することにより、磁性層の
光透過率を20%近くまで下げることができる。このよ
うにカーボンブラックの添加量を増すことにより磁性層
の光透過率を下げることができるが、カーボンブラック
の添加量が増すと必然的に他の例えば磁性材料やバイン
ダなどの磁性層構成材料の量が制限されるため、カーボ
ンブラックの添加量は1〜10重量%が適当で、好まし
くは1〜7重量%の範囲、さらに好ましくは1.5〜5
重量%の範囲である。
よる影響は小さくなるが、磁性層の光反射率も下がる。
そこで、磁性層の表面性を向上することにより磁性層の
光反射率を上げることができる。
て、磁性層の表面粗さを小さくすることと、磁性塗料の
分散性、流動性を向上する手段がある。後者の手段は後
の光学ノイズの低減対策で具体的に説明するので、ここ
では省略する。
加した磁性層の表面粗さと光反射率との関係を示す図で
ある。この図から明らかなように、磁性層の表面粗さ
(中心線平均粗さRa)を0.01μm以下にすると磁
性層の光反射率を10%以上確保することができる。
として、表面に例えばパラジウムやアルミニウム酸化物
などの無機化合物の不連続な乱反射膜、あるいは色素や
染料の如き有機化合物の光吸収性膜を付与したベースフ
ィルムを使用する手段、表面を例えばマツト加工などを
施して乱反射を起こさせるようにしたベースフィルムを
使用する手段、カーボンブラックなどの光吸収剤を混入
したベースフィルムを使用する手段などがある。
ための図で、同図(a)は図8に示す受光素子32aと
32bの検出値の差に基づく出力波形(波形N)と、受
光素子32cと32dの検出値の差に基づく出力波形
(波形Q)とを示す図で、両波形N,Qは位相が90度
ずれている。この両波形N,Qにより、同図(b)に示
すようなサーボ信号波形Sが生成される。
の影響を説明するための図で、同図(a)は光学ノイズ
がないときの波形、同図(b)は光学ノイズがあるとき
の波形を示している。同図(a)のように光学ノイズが
乗つていない場合は、サーボオンになると磁気ヘッドを
スムースに所定の位置(目標値)に誘導することができ
るが、同図(b)のように光学ノイズが乗つている場合
は、サーボオンになつても磁気ヘッドを短時間に所定の
位置(目標値)に誘導することができず、オフトラック
(O.T)を生じる。
の特性について種々検討した結果、その光学ノイズが磁
性層の表面粗さによるノイズ(ノイズX)と、電気回路
により補正可能なノイズ(ノイズY)と、補正できずし
かも磁気ヘッドのトラッキングサーボに大きな影響を与
えるノイズ(ノイズZ)とに分けられることを解明し
た。
る光学ノイズの原波形図である。この光学ノイズを周波
数分析してみると、周波数が2KHz以上の領域のノイ
ズと、周波数が100Hz未満の領域のノイズと、周波
数が100Hzを超えて2KHz未満の領域のノイズと
に分けられ、それぞれのノイズの波形を図18、図19
ならびに図20に示す。
よるもの(ノイズX)と思われ、このノイズはサーボ制
御系のゲインが十分に小さくなる領域であるため、磁気
ヘッドのトラッキングサーボには影響を与えないノイズ
であることが確認された。
動による干渉強度の振れによつて生じたもの(ノイズ
Y)であるが、LEDなどの光源の発光強度にサーボを
かけることにより平滑化(補正)できるから、このノイ
ズもトラッキングサーボにはほとんど悪影響を与えない
ことが確認された。
わち周波数が100Hzを超えて2KHz未満の領域の
ノイズ(ノイズZ)は、光源回路にサーボをかけること
により平滑化(補正)できる性質のノイズではなく、し
かも磁気ヘッドのトラッキングサーボに大きな影響を与
えるノイズであることが確認された。したがつて適正な
トラッキングサーボを行なうためには、この周波数領域
のノイズを低減することが重要である。
未満の領域のノイズにおいて、磁性層の厚さのばらつき
の影響について検討した。この検討に際して、ベースフ
ィルムとして62μm厚のポリエチレンテレフタレート
(PET)を使用し、導電性を付与するためにポリアニ
リンの極薄膜(膜厚が500Å)をベースフィルムの表
面に塗布した。
して、目標膜厚が0.79μmの磁性層を形成した。
布幅方向の160mm(6インチ)の範囲で測定し、そ
の結果を図21ならびに図22に示した。図21は横軸
に塗布幅方向に対する測定位置を、縦軸に蛍光X線微小
膜厚計によるX線カウント値を、それぞれ示している。
また図22は横軸に塗布幅方向に対する測定位置を、縦
軸に前記X線カウント値によつて換算された膜厚の偏差
値を、それぞれ示している。
子工業社製のSFT−156A型を使用し、塗布幅方向
に5mm間隔毎に測定位置を移動させながら1mmのス
ポツト径になるようにX線を照射し、その都度、磁性層
から発生する1秒間当たりの鉄の蛍光X線量(カウント
/秒 cps)を計測した。なお、X線照射時間は20
秒間とし、同じ位置での測定を3回行い、その平均値を
X線カウント値とした。
うに、塗布幅方向において磁性層の膜厚が変動している
ことが分かる。
と、周波数が100Hzを超えて2KHz未満の領域の
光学ノイズとの関係を検討した結果を示す図である。な
お、磁性層からの光反射率の変動を図8に示すような4
分割のフオトデテクタの和信号の変動として測定し、ノ
イズ信号レベル(N)はR.M.Sボルトメータで測定
される回路ノイズ(Nc)と、磁気ディスクと回路の総
和ノイズ(Nt)を用いて次式で定義した。
駆動電流のサーボが追従できるものとして、90Hzハ
イパスフイルタを通過させた後の光学ノイズを測定し
た。
値の標準偏差が1.8cpsを超えると光学ノイズが急
激に大きくなり、信頼性に問題が出てくるが、X線カウ
ント値の標準偏差が1.5cps以下であれば光学ノイ
ズを4dB以下に抑えることができ、さらにX線カウン
ト値の標準偏差を1.3cps以下にすると光学ノイズ
は2dB以下にすることができ、信頼性の向上が図れ
る。
係について検討した。トラック密度が例えば135Tp
iなどのように低いシステムでは、磁気ヘッドのリード
・ライトギヤツプの両脇にサイドイレーズを施し、オフ
トラックによるオーバライト時の消え残りを消去する方
法が採られているが、トラック密度が例えば1200〜
2400Tpiなどのように高くなるに従つて必然的に
データトラックとデータトラックの間隔が狭められるた
め、前述のようにサイドイレーズを行なうと隣のデータ
トラックの情報まで消去してしまうから、高密度トラッ
クの磁気ディスクではサイドイレーズを行なわない方法
が採用される。
じた場合、オフトラック分の消え残りがそのままノイズ
となり、著しく信頼性を低下してしまう。図24は、光
学ノイズとオフトラック量との関係を調べた特性図であ
る。この図から明らかなように、光学ノイズが1dB以
下であればオフトラックは実質的に零であり、光学ノイ
ズが4dBであればオフトラック量は0.15μm、光
学ノイズが5dBであればオフトラック量は0.3μm
にもなり、光学ノイズが増加するとオフトラック量は著
しく増加することが分かる。
(O.W)量は、次式で現される。
とき、光学ノイズが5dB生じたとすると、トラック幅
15μmに対してオフトラック量は0.3μm生じる。
それにより、オーバライト量は本来の−30dBに対し
−25.2dBまで劣化する。
頼性を得るためには、オーバライト量は−27dB以下
でなければならない。そこで例えば光学ノイズが4dB
では、トラック幅15μmに対してオフトラック量は
0.15μmで、オーバライト量は本来の−30dBに
対し−27.3dBとなり、十分な信頼性が得られる。
さらに磁性層の厚さが薄くなると、前記表1から明らか
なようにオーバライト量が少なくなるから、より一層信
頼性を高めることができる。
にX線カウント値の標準偏差を1.5cps以下にする
具体的な手段として、まず最初、ベースフィルムの濡れ
性について検討した。
フィルムとの接触角の測定によつて行なつた。ベースフ
ィルムの接触角は、試料を所定の液体(シクロヘキサノ
ンとトルエンの等重量混合液)中に浸し、その時に生じ
る表面張力と浮力との合力を測定することにより、接触
角θを下記の式より求めた。
あり、表中のPETはポリエチレンテレフタレートを、
PET+SiO2 +PAはポリエチレンテレフタレート
フィルムの表面にSiO2 微粒子を塗布し、さらにその
上にポリアニリン導電膜(500Å)を形成したもの、
PET+PAはポリエチレンテレフタレートフィルムの
表面にSiO2 微粒子を塗布しないで直接にポリアニリ
ン導電膜(500Å)を形成したものをそれぞれ示す。
触角θが非常に小さく、PET+PA、PET+SiO
2 +PAの順に接触角θが大きくなつている。次に磁性
塗料の流動性について検討した。
と、その微小のカーボンブラックに超微小のカーボンブ
ラックを添加した場合の、光ノイズにおよぼす影響につ
いて検討し、その結果を次の表3に示した。
ボンブラック、超微小C.Bは平均粒径が0.02μm
の超微小カーボンブラックをそれぞれ示している。また
各試料とも潤滑剤としてオレイルオレートを6重量部添
加した。
ンブラックを添加することにより磁性塗料の分散性、流
動性が良好となり、X線カウント値の標準偏差を1.5
cps以下にして、光学ノイズを低減することができ
た。特にPET単独のベースフィルムは光学ノイズが低
く、またポリアニリンを被着したベースフィルムを使用
する場合でも、ベースフィルムの表面にSiO2 を塗布
しないで直接にポリアニリンを被着したベースフィルム
(PET+PA)の方が、ベースフィルムの表面が平滑
になり、磁性塗料の流動性が良好となるため好適であ
る。
〜0.4μm)に対する超微小カーボンブラック(平均
粒径0.015〜0.07μm)の混合割合は 1/1
0〜10/1が適当である。
性層中にオレイルオレートなどの潤滑剤が添加される
が、その添加量と光学ノイズとの関係について検討し
た。なお、この検討では潤滑剤としてオレイルオレート
を使用し、磁性層1m2 当たりの潤滑剤の量として次の
表4に示した。なおこの潤滑剤の量は、磁気記録媒体を
ノルマルヘキサンで洗浄する前と後の重量差によつて算
出した値である。
りの潤滑剤の量を25〜100mg、好ましくは30〜
100mgにすることによつて、光学ノイズが低減され
る。なお、このように潤滑剤の添加量を増すことによつ
て何故光学ノイズが低減されるのか理論的な根拠は明ら
かでないが、磁性塗料の塗布状態から観察して、潤滑剤
の増量により磁性塗料の流動性が改善されていると推測
できる。
トを使用したが、その他潤滑剤として例えばステアリン
酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、グリセリンオレー
ト、2ヘキシルデシルステアレート、2エチルヘキシル
オレート、トリデシルステアレート、ブトキシエチルス
テアレートなどの高級脂肪酸エステル、流動パラフイ
ン、スクアラン、フツ素オイル、シリコンオイルなどの
各種の潤滑剤が使用可能である。
小カーボンブラックの添加、潤滑剤の増量ならびに超微
小カーボンブラックの添加と潤滑剤(オレイルオレー
ト)の増量との組み合わせをまとめて現した表である。
表中の○印は光学ノイズが2dB以下のもの、×印は光
学ノイズが2dBを超えたものを示し、( )中の数値
は光学ノイズの実測値を示している。
リアニリン(PA)を塗布しないPET単独の場合は接
触角θが小さいため、何れの場合も光学ノイズが低い。
塗布したベースフィルムの場合、超微小カーボンブラッ
クを添加したり、潤滑剤を増量したり、あるいは超微小
カーボンブラックの添加と潤滑剤の増量を組み合わせる
ことにより、光学ノイズの低減を図ることができた。
し、その上にポリアニリン(PA)を被着したベースフ
ィルムの場合、超微小カーボンブラックの添加や、超微
小カーボンブラックの添加と潤滑剤の増量を組み合わせ
ることにより、光学ノイズの低減を図ることができた。
A)を塗布しないPET単独のベースフィルムを使用
し、超微小カーボンブラックの添加と潤滑剤の増量を組
み合わせたものの磁性層の膜厚の変動を示す。この図と
前述した図21を比較すると明らかなように、図25の
ものの方が磁性層の膜厚の変動が極めて少ないことが分
かる。
(PA)を塗布しないPET単独のベースフィルムを使
用し、超微小カーボンブラックの添加と潤滑剤の増量を
組み合わせたものの、周波数が100Hzを超えて2K
Hz未満の領域のノイズ特性図である。
かなように、図26のものの方が光学ノイズが非常に少
ないことが分かる。
ェライトなどのフェライトあるいはα−Feなどの金属
磁性粉が好適である。フェライトの場合、それの板径
(最長対角長さ)が0.1μmを越えると光学ノイズの
増大をきたすため、フェライトの板径は0.1μm以
下、好ましくは0.03〜0.08μmの範囲に規制す
ると良い。一方、金属磁性粉の場合、それの長軸長さが
0.3μmを越えると光学ノイズの増大をきたすため、
金属磁性粉の長軸長さは0.3μm以下、好ましくは
0.1〜0.28μmの範囲に規制すると良い。
の光源としてLEDを使用したが、例えばレーザ光など
他の光源を用いることもできる。
からなる基体と、その基体の一方の面に磁性層を形成
し、他方の面にトラッキング用凹部を設ける層を形成し
て、 そのトラッキング用凹部を設ける層に、磁気ヘッド
の走行方向に延びる磁気ヘッドトラッキング用光学凹部
と、その磁気ヘッドトラッキング用光学凹部と隣の磁気
ヘッドトラッキング用光学凹部との間に設けられた平面
部とを設け、 前記磁気ヘッドトラッキング用光学凹部な
らびに平面部に光を照射し、その反射光に基づいて磁気
ヘッドをトラッキングする磁気記録媒体において、 前記
トラッキング用凹部を設ける層の光透過率を下げるため
に層中にカーボンブラックが添加され、そのカーボンブ
ラックの少なくとも一部が平均粒径0.05μm以下の
超微小カーボンブラックであって、 かつ、そのトラッキ
ング用凹部を設けた層の前記平面部に、中心波長が88
0nmの光を入射角20度で照射した際の光反射率が8
%以上であることを特徴とするものである。また第2の
本発明は前述のように、非磁性体からなる基体と、その
基体の一方の面に磁性層を形成し、他方の面にトラッキ
ング用凹部を設ける層を形成して、そのトラッキング用
凹部を設ける層に、磁気ヘッドの走行方向に延びる磁気
ヘッドトラッキング用光学凹部と、その磁気ヘッドトラ
ッキング用光学凹部と隣の磁気ヘッドトラッキング用光
学凹部との間に設けられた平面部とを設け、 前記磁気ヘ
ッドトラッキング用光学凹部ならびに平面部に光を照射
し、その反射光に基づいて磁気ヘッドをトラッキングす
る磁気記録媒体において、 前記トラッキング用凹部を設
ける層の光透過率を下げるために層中にカーボンブラッ
クが添加され、そのカーボンブラックの少なくとも一部
が平均粒径0.05μm以下の超微小カーボンブラック
であって、 そのトラッキング用凹部を設けた層の平面部
の表面粗さ(中心線平均粗さRa)が0.01μm以下
に規制され、 かつ、そのトラッキング用凹部を設けた層
の前記平面部に、中心波長が880nmの光を入射角2
0度で照射した際の光反射率が8%以上であることを特
徴と するものである。
の添加によりトラッキング用凹部を設ける層自体の光透
過率を下げて、光の干渉による影響を少なくすることが
できる。しかし、カーボンブラックの添加によりトラッ
キング用凹部を設ける層の光反射率も下がる。そこでカ
ーボンブラックとして少なくとも一部が平均粒径0.0
5μm以下の超微小のものを用いることにより、トラッ
キング用凹部を設ける層を形成する塗料の分散性、流動
性を良くして、トラッキング用凹部を設ける層の表面性
を高めて、光反射率を上げることができ、それとともに
トラッキング用凹部を設けた層の平面部の表面粗さ(中
心線平均粗さRa)を0.01μm以下に規制し、磁気
ヘッドトラッキング用光学凹部以外の光反射率を8%以
上にすることにより、安定したサーボ信号が得られ、ト
ラッキング用光学凹部による磁気ヘッドのトラッキング
サーボが適正に行なわれる磁気記録媒体を提供すること
ができる。
ジの一部を分解した斜視図である。
る。
ッキング用光学トラックを説明するための図である。
ッキング用光学トラックを形成する装置を示す断面図で
ある。
めの断面図である。
の断面図である。
を示す特性図である。
である。
る。
率との関係を示す特性図である。
との関係を示す特性図である。
る。
明するための図である。
である。
図である。
域のノイズ波形図である。
る。
る。
の関係を示す特性図である。
特性図である。
る。
未満の領域のノイズ波形図である。
ある。
置状態を示す説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 非磁性体からなる基体と、その基体の一
方の面に磁性層を形成し、他方の面にトラッキング用凹
部を設ける層を形成して、 そのトラッキング用凹部を設ける層に、磁気ヘッドの走
行方向に延びる磁気ヘッドトラッキング用光学凹部と、
その磁気ヘッドトラッキング用光学凹部と隣の磁気ヘッ
ドトラッキング用光学凹部との間に設けられた平面部と
を設け、 前記磁気ヘッドトラッキング用光学凹部ならびに平面部
に光を照射し、その反射光に基づいて磁気ヘッドをトラ
ッキングする磁気記録媒体において、 前記トラッキング用凹部を設ける層の光透過率を下げる
ために層中にカーボンブラックが添加され、そのカーボ
ンブラックの少なくとも一部が平均粒径0.05μm以
下の超微小カーボンブラックであって、 かつ、そのトラッキング用凹部を設けた層の前記平面部
に、中心波長が880nmの光を入射角20度で照射し
た際の 光反射率が8%以上であることを特徴とする磁気
記録媒体。 - 【請求項2】 非磁性体からなる基体と、その基体の一
方の面に磁性層を形成し、他方の面にトラッキング用凹
部を設ける層を形成して、 そのトラッキング用凹部を設ける層に、磁気ヘッドの走
行方向に延びる磁気ヘッドトラッキング用光学凹部と、
その磁気ヘッドトラッキング用光学凹部と隣の磁気ヘッ
ドトラッキング用光学凹部との間に設けられた平面部と
を設け、 前記磁気ヘッドトラッキング用光学凹部ならびに平面部
に光を照射し、その反射光に基づいて磁気ヘッドをトラ
ッキングする磁気記録媒体において、 前記トラッキング用凹部を設ける層の光透過率を下げる
ために層中にカーボンブラックが添加され、そのカーボ
ンブラックの少なくとも一部が平均粒径0.05μm以
下の超微小カーボンブラックであって、 そのトラッキング用凹部を設けた層の平面部の表面粗さ
(中心線平均粗さRa)が0.01μm以下に規制さ
れ、 かつ、そのトラッキング用凹部を設けた層の前記平面部
に、中心波長が880nmの光を入射角20度で照射し
た際の 光反射率が8%以上であることを特徴とする磁気
記録媒体。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の磁気記録
媒体において、前記トラッキング用凹部を設ける層中に
前記超微小カーボンブラックよりも大きい微小カーボン
ブラックが混在していることを特徴とする磁気記録媒
体。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3記載のいずれか
の磁気記録媒体において、前記非磁性体のシクロヘキサ
ノンとトルエンの等重量混合液との接触角が30度以下
であることを特徴とする磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01198699A JP3310231B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01198699A JP3310231B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 磁気記録媒体 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01314892A Division JP3310007B2 (ja) | 1991-10-23 | 1992-01-28 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11259856A JPH11259856A (ja) | 1999-09-24 |
JP3310231B2 true JP3310231B2 (ja) | 2002-08-05 |
Family
ID=11792923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01198699A Expired - Lifetime JP3310231B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3310231B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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JP2003157518A (ja) * | 2000-12-28 | 2003-05-30 | Hitachi Maxell Ltd | 磁気テープ |
WO2002054391A1 (fr) | 2000-12-28 | 2002-07-11 | Hitachi Maxell, Ltd. | Bande magnetique, son procede de nettoyage et appareil de nettoyage/formation de servopiste optique |
JP3682776B2 (ja) * | 2000-12-28 | 2005-08-10 | 日立マクセル株式会社 | 磁気テープ |
JP3681725B2 (ja) * | 2000-12-28 | 2005-08-10 | 日立マクセル株式会社 | 磁気テープ |
-
1999
- 1999-01-20 JP JP01198699A patent/JP3310231B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11259856A (ja) | 1999-09-24 |
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