JP6733801B1 - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本開示は、磁性粉の粒子体積が小さい場合であっても熱安定性に優れている磁気記録媒体を提供することを主目的とする。
前記基体上に設けられ、磁性粉を含む磁性層と
を備えており、
前記磁性層の平均厚みが、90nm以下であり、
前記磁性粉の平均アスペクト比が、1.0以上3.0以下であり、
前記磁性粉の平均粒子体積が、2300nm3以下であり、
磁気記録媒体の垂直方向における保磁力Hc1が、4500Oe以下であり、
前記磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hc2と前記保磁力Hc1とが、Hc2/Hc1≦0.8の関係を満たし、且つ、
パルス磁界を用いて測定した前記磁気記録媒体の残留保磁力Hrpと前記保磁力Hc1との比Hrp/Hc1が、2.0以下である、
テープ状の磁気記録媒体を提供する。
前記磁性粉の平均粒子体積は2200nm3以下でありうる。
前記比Hrp/Hc1が1.95以下であってよい。
前記比Hrp/Hc1が1.90以下であってよい。
前記比Hrp/Hc1が1.85以下であってよい。
前記磁性粉は六方晶フェライトを含みうる。
前記六方晶フェライトは、BaおよびSrのうちの少なくとも1種を含みうる。
前記磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hc2は2000Oe以下であってよい。
前記磁気記録媒体の平均厚みは5.6μm以下でありうる。
前記基体の平均厚みは4.2μm以下でありうる。
前記磁性層の平均厚みは80nm以下でありうる。
前記保磁力Hc2と前記保磁力Hc1とが、Hc2/Hc1≦0.7の関係を満たしうる。
前記保磁力Hc1が500Oe以上でありうる。
前記磁気記録媒体は、前記磁性層と前記基体との間に下地層が設けられていてよく、
前記下地層の平均厚みが2.0μm以下であってよい。
前記基体の2つの面のうち、前記磁性層が設けられている側の面と反対側の面に、バック層が設けられていてよく、
前記バック層の平均厚みが0.6μm以下であってよい。
前記磁性粉の平均粒子サイズは50nm以下でありうる。
また、本開示は、前記磁気記録媒体と、
記録再生装置と通信を行う通信部と、
記憶部と、
通信部を介して記録再生装置から受信した情報を記憶部に記憶し、かつ、記録再生装置の要求に応じて、記憶部から情報を読み出し、通信部を介して記録再生装置に送信する制御部と、を備え、
前記情報は、磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を含む
テープカートリッジも提供する。
1.本開示の説明
2.実施形態(塗布型の磁気記録媒体の例)
(1)磁気記録媒体の構成
(2)磁気記録媒体の製造方法
(3)記録再生装置
(4)カートリッジ
(5)効果
(6)変形例
3.実施例
垂直方向における保磁力Hc1は、従来から用いられている指標であり、これを測定するために、例えば磁力計による測定結果に基づきM−Hループ(磁化曲線)が作成される。M−Hループの例が図13に示されている。図13に示されるとおり、当該M−HループがX軸(磁界)を横切る位置での磁界が前記保磁力Hc1である。当該測定のために用いられる磁界掃引速度は遅い。
熱安定性の向上のために利用できる指標として本発明者らが新たに見出した残留保磁力Hrpは、前記保磁力Hc1の測定と異なり、パルス状の磁界を用いて測定される。すなわち、当該測定は、速い磁界掃引速度を用いて行われる。当該測定では、当該パルス状の磁界を用いて得られた磁化量に基づき磁化曲線を作成する。当該磁化曲線を残留磁化曲線と呼ぶ。残留磁化曲線の例も、図13に示されている。この残留磁化曲線がX軸(磁界)を横切る位置での磁界が、図13において「Hrp」で示されており、当該磁界が残留保磁力である。
本発明者らは、前記保磁力Hc1と残留保磁力Hrpとの差が小さいことによって、より具体的には残留保磁力Hrpと前記保磁力Hc1との比Hrp/Hc1が特定の数値範囲内にあることによって、磁気記録媒体の熱安定性が向上されることを見出した。
なお、残留保磁力Hrpの測定は、上記のとおり速い磁界掃引速度を用いて行われる。この速い磁界掃引速度は、前記保持力Hc1の測定において用いられる遅い磁界掃引速度と比べて、磁気記録媒体の記録において印可される磁界により近い。この観点からも、残留保磁力Hrpは有用な指標であると考えられる。
さらに、本開示の磁気記録媒体に含まれる磁性粉の平均粒子体積が2300nm3以下であり、より好ましくは2200nm3以下、さらにより好ましくは2100nm3以下、特に好ましくは2000nm3以下であってもよい。当該平均粒子体積が上記数値範囲内にあることによって、電磁変換特性が向上される。本開示の磁気記録媒体に含まれる磁性粉の平均粒子体積はこのように非常に小さいにもかかわらず、本開示の磁気記録媒体は上記のとおり熱安定性に優れている。電磁変換特性及び熱安定性の両立は難しいところ、本開示によって電磁変換特性及び熱安定性の両方を向上させることができる。
本開示に従う磁気記録媒体の幅は、例えば5mm〜30mmであり、特には7mm〜25mmであり、より特には10mm〜20mm、さらにより特には11mm〜19mmでありうる。本開示に従うテープ状磁気記録媒体の長さは、例えば500m〜1500mでありうる。例えばLTO8規格に従うテープ幅は12.65mmであり、長さは960mである。
基体11は、下地層12および磁性層13を支持する非磁性支持体である。基体11は、長尺のフィルム状を有する。基体11の平均厚みは、好ましくは4.2μm以下、より好ましくは3.8μm以下、さらにより好ましくは3.4μm以下である。基体11の平均厚みが4.2μm以下であると、一つのデータカートリッジに記録できる記録容量を一般的な磁気記録媒体よりも高めることができる。基体11の平均厚みは、好ましくは3μm以上、より好ましくは3.2μm以上である。基体11の平均厚みが3μm以上であると、基体11の強度低下を抑制することができる。
磁性層13は、信号を記録するための記録層である。磁性層13は、例えば、磁性粉および結着剤を含む。磁性層13が、必要に応じて、潤滑剤、帯電防止剤、研磨剤、硬化剤、防錆剤および非磁性補強粒子等のうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。
割合RS[%]=(((サーボバンド幅WSB)×(サーボバンド本数))/(磁気記録媒体10の幅))×100
磁気記録媒体10をFIB(Focused Ion Beam)法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護膜としてカーボン膜及びタングステン薄膜を形成する。当該カーボン膜は蒸着法により磁気記録媒体10の磁性層側表面及びバック層側表面に形成され、そして、当該タングステン薄膜は蒸着法又はスパッタリング法により磁性層側表面にさらに形成される。当該薄片化は磁気記録媒体10の長さ方向(長手方向)に沿って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気記録媒体10の長手方向及び厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片化サンプルの前記断面を、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)により、下記の条件で観察し、TEM像を得る。なお、装置の種類に応じて、倍率及び加速電圧は適宜調整されてよい。
装置:TEM(日立製作所製H9000NAR)
加速電圧:300kV
倍率:100,000倍
次に、得られたTEM像を用い、磁気記録媒体10の長手方向の少なくとも10点以上の位置で磁性層13の厚みを測定する。得られた測定値を単純に平均(算術平均)して得られた平均値を磁性層13の平均厚み[nm]とする。なお、前記測定が行われる位置は、試験片から無作為に選ばれるものとする。
磁性粉の平均粒子サイズは、好ましくは50nm以下、より好ましくは40nm以下、さらにより好ましくは30nm以下、25nm以下、22nm以下、21nm以下、又は20nm以下でありうる。前記平均粒子サイズは、例えば10nm以上、好ましくは12nm以上でありうる。
磁性粉の平均アスペクト比は、好ましくは1.0以上3.0以下、より好ましくは1.0以上2.9以下でありうる。
まず、測定対象となる磁気記録媒体10をFIB(Focused Ion Beam)法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護膜としてカーボン膜及びタングステン薄膜を形成する。当該カーボン膜は蒸着法により磁気記録媒体10の磁性層側表面及びバック層側表面に形成され、そして、当該タングステン薄膜は蒸着法又はスパッタリング法により磁性層側表面にさらに形成される。当該薄片化は磁気記録媒体10の長さ方向(長手方向)に沿って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気記録媒体10の長手方向及び厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片サンプルの前記断面を、透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製 H-9500)を用いて、加速電圧:200kV、総合倍率500,000倍で磁性層13の厚み方向に対して磁性層13全体が含まれるように断面観察を行い、TEM写真を撮影する。
次に、撮影したTEM写真から、観察面の方向に側面を向けており且つ粒子の厚みが明らかに確認できる粒子を50個選び出す。例えば、図3にTEM写真の例を示す。図3において、例えばa及びdで示される粒子が、その厚みを明らかに確認できるので、選択される。選択された50個の粒子それぞれの最大板厚DAを測定する。このようにして求めた最大板厚DAを単純に平均(算術平均)して平均最大板厚DAaveを求める。
続いて、各磁性粉の板径DBを測定する。粒子の板径DBを測定するために、撮影したTEM写真から、粒子の板径が明らかに確認できる粒子を50個選び出す。例えば、図3において、例えばb及びcで示される粒子が、その板径を明らかに確認できるので、選択される。選択された50個の粒子それぞれの板径DBを測定する。このようにして求めた板径DBを単純平均(算術平均)して平均板径DBaveを求める。平均板径DBaveが、平均粒子サイズである。
そして、平均最大板厚DAave及び平均板径DBaveから粒子の平均アスペクト比(DBave/DAave)を求める。
磁性粉の平均粒子体積が上記上限値以下である場合(例えば2300nm3以下である場合)、高記録密度の磁気記録媒体10において、良好な電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。磁性粉の平均粒子体積が上記下限値以上である場合(例えば500nm3以上である場合)、磁性粉の分散性がより向上し、より優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。
また、磁気記録媒体10の厚み方向(垂直方向)に測定した保磁力Hcが、好ましくは160kA/m以上280kA/m以下、より好ましくは165kA/m以上275kA/m以下、更により好ましくは170kA/m以上270kA/m以下である。
具体的には、添加剤を含むε酸化鉄は、ε−Fe2−xMxO3結晶(ここで、Mは鉄以外の金属元素、好ましくは3価の金属元素、より好ましくは、Al、Ga、及びInからなる群より選ばれる1種以上である。xは、例えば0<x<1である。)である。
まず、測定対象となる磁気記録媒体10をFIB(Focused Ion Beam)法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護膜としてカーボン膜及びタングステン薄膜を形成する。当該カーボン膜は蒸着法により磁気記録媒体10の磁性層側表面及びバック層側表面に形成され、そして、当該タングステン薄膜は蒸着法又はスパッタリング法により磁性層側表面にさらに形成される。薄片化は磁気記録媒体10の長さ方向(長手方向)に沿うかたちで行って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気記録媒体10の長手方向及び厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片サンプルの前記断面を、透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製 H-9500)を用いて、加速電圧:200kV、総合倍率500,000倍で磁性層13の厚み方向に対して磁性層13全体が含まれるように断面観察を行い、TEM写真を撮影する。
次に、撮影したTEM写真から、粒子の形状を明らかに確認することができる50個の粒子を選び出し、各粒子の長軸長DLと短軸長DSを測定する。ここで、長軸長DLとは、各粒子の輪郭に接するように、あらゆる角度から引いた2本の平行線間の距離のうち最大のもの(いわゆる最大フェレ径)を意味する。一方、短軸長DSとは、粒子の長軸(DL)と直交する方向における粒子の長さのうち最大のものを意味する。
続いて、測定した50個の粒子の長軸長DLを単純に平均(算術平均)して平均長軸長DLaveを求める。このようにして求めた平均長軸長DLaveを磁性粉の平均粒子サイズとする。また、測定した50個の粒子の短軸長DSを単純に平均(算術平均)して平均短軸長DSaveを求める。そして、平均長軸長DLaveおよび平均短軸長DSaveから粒子の平均アスペクト比(DLave/DSave)を求める。
磁性粉の平均粒子体積が上記上限値以下である場合(例えば2300nm3以下である場合)、高記録密度の磁気記録媒体10において、良好な電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。磁性粉の平均粒子体積が上記下限値以上である場合(例えば500nm3以上である場合)、磁性粉の分散性がより向上し、より優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。
V=(π/6)×DLave 3
磁気記録媒体10をFIB(Focused Ion Beam)法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護膜としてカーボン膜及びタングステン薄膜を形成する。当該カーボン膜は蒸着法により磁気記録媒体10の磁性層側表面及びバック層側表面に形成され、そして、当該タングステン薄膜は蒸着法又はスパッタリング法により磁性層側表面にさらに形成される。当該薄片化は磁気記録媒体10の長さ方向(長手方向)に沿って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気記録媒体10の長手方向及び厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片サンプルを透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製 H-9500)を用いて、加速電圧:200kV、総合倍率500,000倍で磁性層13の厚み方向に対して磁性層13全体が含まれるように断面観察を行い、TEM写真を得る。なお、装置の種類に応じて、倍率及び加速電圧は適宜調整されてよい。
次に、撮影したTEM写真から粒子の形状が明らかである50個の粒子を選び出し、各粒子の辺の長さDCを測定する。続いて、測定した50個の粒子の辺の長さDCを単純に平均(算術平均)して平均辺長DCaveを求める。次に、平均辺長DCaveを用いて以下の式から磁性粉の平均体積Vave(粒子体積)を求める。
Vave=DCave 3
ε酸化鉄粒子の保磁力Hcは、好ましくは2500Oe以上、より好ましくは2800Oe以上4200e以下である。
CoxMyFe2Oz・・・(1)
(但し、式(1)中、Mは、例えば、Ni、Mn、Al、Cu、及びZnからなる群より選ばれる1種以上の金属である。xは、0.4≦x≦1.0の範囲内の値である。yは、0≦y≦0.3の範囲内の値である。但し、x及びyは(x+y)≦1.0の関係を満たす。zは3≦z≦4の範囲内の値である。Feの一部が他の金属元素で置換されていてもよい。)
磁性粉の平均粒子体積が上記上限値以下である場合(例えば2300nm3以下である場合)、高記録密度の磁気記録媒体10において、良好な電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。磁性粉の平均粒子体積が上記下限値以上である場合(例えば500nm3以上である場合)、磁性粉の分散性がより向上し、より優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。
また、前記脂肪酸エステルは、好ましくは下記一般式(3)又は(4)により示される化合物であってよい。例えば、前記脂肪酸エステルとして下記の一般式(3)により示される化合物及び一般式(4)により示される化合物の一方が含まれていてよく又は両方が含まれていてもよい。
前記潤滑剤が、一般式(1)に示される化合物及び一般式(2)に示される化合物のいずれか一方若しくは両方と、一般式(3)に示される化合物及び一般式(4)に示される化合物のいずれか一方若しくは両方と、を含むことによって、磁気記録媒体を繰り返しの記録又は再生による動摩擦係数の増加を抑制することができる。
CH3(CH2)kCOOH ・・・(1)
(但し、一般式(1)において、kは14以上22以下の範囲、より好ましくは14以上18以下の範囲から選ばれる整数である。)
CH3(CH2)nCH=CH(CH2)mCOOH ・・・(2)
(但し、前記一般式(2)において、nとmとの和は12以上20以下の範囲、より好ましくは14以上18以下の範囲から選ばれる整数である。)
CH3(CH2)pCOO(CH2)qCH3 ・・・(3)
(但し、一般式(3)において、pは14以上22以下、より好ましくは14以上18以下の範囲から選ばれる整数であり、且つ、qは2以上5以下の範囲、より好ましくは2以上4以下の範囲から選ばれる整数である。)
CH3(CH2)rCOO−(CH2)sCH(CH3)2・・・(4)
(但し、前記一般式(4)において、rは14以上22以下の範囲から選ばれる整数であり、sは1以上3以下の範囲から選ばれる整数である。)
帯電防止剤としては、例えば、カーボンブラック、天然界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられる。
研磨剤としては、例えば、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、2硫化モリブデン、磁性酸化鉄の原料を脱水、アニール処理した針状α酸化鉄、必要によりそれらをアルミおよび/またはシリカで表面処理したもの等が挙げられる。
硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート等が挙げられる。ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)と活性水素化合物との付加体等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)と活性水素化合物との付加体等の脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。これらポリイソシアネートの重量平均分子量は、100〜4500の範囲であることが望ましい。
非磁性補強粒子として、例えば、酸化アルミニウム(α、βまたはγアルミナ)、酸化クロム、酸化珪素、ダイヤモンド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタンカーバイト、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン(ルチル型またはアナターゼ型の酸化チタン)等が挙げられる。
下地層12は、非磁性粉および結着剤を含む非磁性層である。下地層12が、必要に応じて、潤滑剤、帯電防止剤、硬化剤および防錆剤等のうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。
本開示の好ましい実施態様において、磁性層13と基体11との間に下地層12が設けられており、下地層12の平均厚みが2.0μm以下であってよい。
非磁性粉は、例えば無機粒子粉または有機粒子粉の少なくとも1種を含む。また、非磁性粉は、カーボンブラック等の炭素粉を含んでいてもよい。なお、1種の非磁性粉を単独で用いてもよいし、2種以上の非磁性粉を組み合わせて用いてもよい。無機粒子は、例えば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物または金属硫化物等を含む。非磁性粉の形状としては、例えば、針状、球状、立方体状、板状等の各種形状が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。
上述の磁性層13に含まれる結着剤に関する説明が、下地層に含まれる結着剤についても当てはまる。
上述の磁性層13に含まれる潤滑剤、帯電防止剤、硬化剤および防錆剤に関する説明が、下地層に含まれる潤滑剤、帯電防止剤、硬化剤および防錆剤についても当てはまる。
バック層14は、結着剤および非磁性粉を含みうる。バック層14が、必要に応じて潤滑剤、硬化剤および帯電防止剤等のうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。上述の下地層12に含まれる結着剤および非磁性粉に関する説明が、バック層に含まれる結着剤および非磁性粉についても当てはまる。
本開示の好ましい実施態様において、基体11の2つの面のうち、磁性層13が設けられている側の面と反対側の面に、バック層14が設けられており、バック層14の平均厚みが0.6μm以下であってよい。
tb[μm]=tT[μm]−tB[μm]
まず、磁気記録媒体10が両面テープで3枚重ね合わされた後、φ6.39mmのパンチで打ち抜かれて、測定サンプルが作製される。この際に、磁気記録媒体10の長手方向(走行方向)が認識できるように、磁性を持たない任意のインクでマーキングを行う。そして、振動試料型磁力計(Vibrating Sample Magnetometer:VSM)を用いて磁気記録媒体10の長手方向(走行方向)に対応する測定サンプル(磁気記録媒体10全体)のM−Hループが測定される。次に、アセトン又はエタノールなどが用いられて塗膜(下地層12、磁性層13及びバック層14など)が払拭され、基体11のみが残される。そして、得られた基体11が両面テープで3枚重ね合わされた後、φ6.39mmのパンチで打ち抜かれて、バックグラウンド補正用のサンプル(以下、単に「補正用サンプル」)が作製される。その後、VSMを用いて基体11の垂直方向(磁気記録媒体10の垂直方向)に対応する補正用サンプル(基体11)のM−Hループが測定される。
測定サンプル(磁気記録媒体10の全体)のM−Hループ、補正用サンプル(基体11)のM−Hループの測定においては、東英工業社製の高感度振動試料型磁力計「VSM−P7−15型」が用いられる。測定条件は、測定モード:フルループ、最大磁界:15kOe、磁界ステップ:40bit、Time constant of Locking amp:0.3sec、Waiting time:1sec、MH平均数:20とされる。
測定サンプル(磁気記録媒体10の全体)のM−Hループ及び補正用サンプル(基体11)のM−Hループが得られた後、測定サンプル(磁気記録媒体10の全体)のM−Hループから補正用サンプル(基体11)のM−Hループが差し引かれることで、バックグラウンド補正が行われ、バックグラウンド補正後のM−Hループが得られる。このバックグラウンド補正の計算には、「VSM−P7−15型」に付属されている測定・解析プログラムが用いられる。
得られたバックグラウンド補正後のM−Hループから保磁力Hcが求められる。なお、この計算には、「VSM−P7−15型」に付属されている測定・解析プログラムが用いられる。なお、上記のM−Hループの測定はいずれも、25℃にて行われるものとする。また、M−Hループを磁気記録媒体10の長手方向に測定する際の“反磁界補正”は行わないものとする。
長手方向における保磁力Hc2と垂直方向における保磁力Hc1との比Hc2/Hc1が、Hc2/Hc1≦0.8、好ましくはHc2/Hc1≦0.75、より好ましくはHc2/Hc1≦0.7、さらにより好ましくはHc2/Hc1≦0.65、特に好ましくはHc2/Hc1≦0.6の関係を満たす。保磁力Hc1及びHc2が上記関係を満たすことで、磁性粉の垂直配向度を高めることができる。したがって、磁化遷移幅を低減し、かつ信号再生時に高出力の信号を得ることができるので、電磁変換特性(例えばC/N)を向上することができる。なお、上述したように、Hc2が小さいと、記録ヘッドからの垂直方向の磁界により感度良く磁化が反応するため、良好な記録パターンを形成することができる。
(1)角形比SQは、磁性粉の保磁力Hcの値により変動してしまう。例えば、図6に示すように、磁性粉の保磁力Hcが大きくなると、見かけ上、角形比SQも大きい値となる。
(2)角形比SQは、過分散によるM−Hループの歪みの影響を受ける。
前記比Hrp/Hc1は、例えば0以上、0.5以上、又は1.0以上であってよい。
前記比Hrp/Hc1の算出のために用いられるHrpは以下のように求められる。
測定サンプルとして、前記保磁力Hc1の算出に使用したサンプルと同様のサンプルを準備し、ハヤマ社製高速応答特性評価装置HR−PVSM20を用いて膜面に対して垂直方向に残留磁化曲線を、以下のようにして得る。
まず、測定サンプルに約−3980kA/m(−50kOe)の垂直方向の磁界を印加し、磁界をゼロに戻し残留磁化状態とする。その後、反対方向に約40.2kA/m(約505Oe)の磁界を印加し再びゼロに戻し残留磁化量を測定する。この際の印加磁界はパルス幅が10−8sec台のパルス磁界である。その後も同様に、先ほどの印加磁界よりもさらに約40.2kA/m大きい磁界を印加しゼロに戻す測定を繰り返し行い、印加磁界に対して残留磁化量をプロットしDCD曲線を作成する。測定磁界は約20kOeまでとする。なお、バックグラウンド補正及び反磁界補正は行わない。
測定条件を以下に示す。
初期着磁電圧:220V(−3980kA/mに相当)
測定開始電圧:0V(0Oeに相当)
ステップ電圧:17.5V(約505Oeに相当)
最大電圧:350V(20kOeに相当)
ロックインアンプの待ち時間:10秒
以上のとおりの測定によって得られるデータから、例えば図7に示されるような残留磁化曲線が得られる。当該データから当該残留磁化曲線を得るために、必要に応じて位相補正が行われる。当該位相補正については後述する。得られた残留磁化曲線を形成する点のうち、X軸を挟む2点(X軸に最も近い2点)を直線で結び、当該直線がX軸と交わる点をHrpとして算出する。
磁化量の単位は本来はemuであるが、前記高速応答特性評価装置に関しては、各印可磁界での磁化量は電圧Vとして出力され、且つ、当該各印可磁界での磁化量(電圧V)は、正又は負のいずれの値も正の値として出力される。そのため、各印可磁界での位相に応じた補正が必要である。当該補正のために、前記高速応答特性評価装置による出力結果に含まれる位相情報データが用いられる。位相情報データも、各印可磁界での磁化量(電圧V)と一緒に、各印可磁界について出力される。
或る磁界について測定された磁化量(電圧V)の位相情報データが負の値である場合は、当該測定された磁化量(電圧V)に「−1」を乗じる必要があり、当該測定された磁化量(電圧V)に「−1」を乗じて得られた値が、前記残留磁化曲線を得るために用いられる。当該「−1」を乗じる処理が、前記位相補正である。
他方で、或る磁界について測定された磁化量(電圧V)の位相情報データが正の値である場合は、当該測定された磁化量(電圧V)に「−1」を乗じる必要はなく、測定された磁化量(電圧V)がそのまま、前記残留磁化曲線を得るために用いられる。
以上の通りにして得られた位相補正後の磁化量(「−1」が乗じられたもの)及び測定された磁化量(「−1」が乗じられていないもの)を、磁界に対してプロットすることによって、図7に示されるような残留磁化曲線が得られる。
(磁性層形成用塗料の調製工程)
磁性層形成用塗料を以下のようにして調製した。まず、下記配合の第1組成物をエクストルーダで混練した。次に、ディスパーを備えた攪拌タンクに、混練した第1組成物と、下記配合の第2組成物を加えて予備混合を行った。続いて、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行い、磁性層形成用塗料を調製した。
磁性粉:100質量部
塩化ビニル系樹脂(シクロヘキサノン溶液30質量%):60質量部
(重合度300、Mn=10000、極性基としてOSO3K=0.07mmol/g、2級OH=0.3mmol/gを含有する。)
酸化アルミニウム粉末:5質量部
(α−Al2O3、平均粒径0.2μm)
カーボンブラック:2質量部
(東海カーボン社製、商品名:シーストTA)
なお、磁性粉としては、表1に示すものを用いた。
塩化ビニル系樹脂:1.1質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
n−ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:121.3質量部
トルエン:121.3質量部
シクロヘキサノン:60.7質量部
下地層形成用塗料を以下のようにして調製した。まず、下記配合の第3組成物をエクストルーダで混練した。次に、ディスパーを備えた攪拌タンクに、混練した第3組成物と、下記配合の第4組成物を加えて予備混合を行った。続いて、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行い、下地層形成用塗料を調製した。
針状酸化鉄粉末:100質量部
(α−Fe2O3、平均長軸長0.15μm)
塩化ビニル系樹脂:55.6質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
カーボンブラック:10質量部
(平均粒径20nm)
ポリウレタン系樹脂UR8200(東洋紡績製):18.5質量部
n−ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:108.2質量部
トルエン:108.2質量部
シクロヘキサノン:18.5質量部
バック層形成用塗料を以下のようにして調製した。下記原料を、ディスパーを備えた攪拌タンクで混合を行い、フィルター処理を行うことで、バック層形成用塗料を調製した。
カーボンブラック(旭社製、商品名:#80):100質量部
ポリエステルポリウレタン:100質量部
(日本ポリウレタン社製、商品名:N−2304)
メチルエチルケトン:500質量部
トルエン:400質量部
シクロヘキサノン:100質量部
上述のようにして作製した塗料を用いて、下記表2に示されるとおりの媒体構成1の磁気テープを以下のようにして作製した。まず、支持体として、長尺状を有する、平均厚み4.0μmのPENフィルム(ベースフィルム)を準備した。次に、PENフィルムの一方の主面上に下地層形成用塗料を塗布し、乾燥させることにより、PENフィルムの一方の主面上に平均厚み1.1μmの下地層を形成した。次に、下地層上に磁性層形成用塗料を塗布し、乾燥させることにより、下地層上に平均厚み80nmの磁性層を形成した。なお、磁性層形成用塗料の乾燥の際に、ソレノイドコイルにより、磁性粉をPENフィルムの厚み方向に磁場配向させた。具体的には、ソレノイドコイルにより、磁性粉をPENフィルムの走行方向(長手方向)に一旦磁場配向させたのちに、PENフィルムの厚み方向に磁場配向させた。また、磁性層形成用塗料の乾燥条件(乾燥温度および乾燥時間)を調整し、垂直方向における保磁力Hc1及び長手方向における保磁力Hc2を、表1に示されるとおりに設定した。
上述のようにして得られた磁気テープを1/2インチ(12.65mm)幅に裁断した。これにより、長尺状を有する、平均厚み5.6μmの磁気テープが得られた。得られた磁気テープの残留保磁力Hrpを測定したところ、5000Oeであった。
上述のようにして得られた長尺状の磁気テープにサーボ信号およびデータ信号を以下のようにして書き込んだ。まず、サーボライタを用いて、磁気テープにサーボ信号を書き込むことにより、サーボバンド幅WSBが96μmである5本のサーボバンドを形成した。なお、サーボ信号の書き込みにより、各サーボバンドには、ハの字の磁気パターンの列が形成された。
表1に示されるとおりの平均アスペクト比、平均粒子サイズ、及び平均粒子体積を有する磁性粉に変更したこと、及び、磁性層の平均厚み、Hc1、Hc2、及びHrpを表1に示されるとおりに変更したこと以外は、実施例1と同じ方法で磁気テープを得た。
磁気テープの媒体構成を表2に示される媒体構成2に変更したこと、及び、磁性層の平均厚みを80nmに変更したこと以外は、実施例4と同じ方法で磁気テープを得た。得られた磁気テープのHrpは、4920Oeであった。
磁気テープの媒体構成を表2に示される媒体構成3に変更したこと以外は、実施例2と同じ方法で磁気テープを得た。
磁気テープの媒体構成を表2に示される媒体構成4に変更したこと以外は、実施例6と同じ方法で磁気テープを得た。
磁気テープの媒体構成を表2に示される媒体構成5に変更したこと及び下地層の平均厚みを1.0μmに変更したこと以外は、実施例6と同じ方法で磁気テープを得た。
磁気テープの媒体構成を表2に示される媒体構成6に変更したこと及び下地層の平均厚みを1.0μmに変更したこと以外は、実施例7と同じ方法で磁気テープを得た。
Hc1、Hc2、及びHrpを表1に示されるとおりに変更したこと以外は実施例4と同じ方法で磁気テープを得た。、
磁性層の平均厚みを80nmに変更したこと、及び、Hc1、Hc2、及びHrpを表1に示されるとおりに変更したこと以外は実施例4と同じ方法で磁気テープを得た。、
Hc1、Hc2、及びHrpを表1に示されるとおりに変更したこと以外は実施例7と同じ方法で磁気テープを得た。
磁性粉を、表1に示されるとおりの平均アスペクト比、平均粒子サイズ、及び平均粒子体積を有するイプシロン酸化鉄に変更したこと、及び、Hc1、Hc2、及びHrpを表1に示されるとおりに変更したこと以外は実施例1と同じ方法で磁気テープを得た。
磁性粉を、表1に示されるとおりの平均アスペクト比、平均粒子サイズ、及び平均粒子体積を有するイプシロン酸化鉄に変更したこと、及び、Hc1、Hc2、及びHrpを表1に示されるとおりに変更したこと以外は実施例1と同じ方法で磁気テープを得た。
表1に示されるとおりの平均アスペクト比、平均粒子サイズ、及び平均粒子体積を有する磁性粉に変更したこと、及び、磁性層の平均厚み、Hc1及びHrpを表1に示されるとおりに変更したこと以外は、実施例1と同じ方法で磁気テープを得た。
磁性層の平均厚みを表1に示されるとおりに変更したこと以外は、実施例4と同じ方法で磁気テープを得た。
磁性層の平均厚み、Hc1、Hc2、Hrpを表1に示されるとおりに変更したこと以外は、実施例1と同じ方法で磁気テープを得た。
Hc1、Hc2、Hrpを表1に示されるとおりに変更したこと以外は、実施例1と同じ方法で磁気テープを得た。
Hc1、Hc2、Hrpを表1に示されるとおりに変更したこと以外は、実施例5と同じ方法で磁気テープを得た。
表1に示されるとおりの平均アスペクト比、平均粒子サイズ、及び平均粒子体積を有する磁性粉に変更したこと、及び、磁性層の平均厚み、Hc1及びHrpを表1に示されるとおりに変更したこと以外は、実施例1と同じ方法で磁気テープを得た。
記録電流:最適記録電流
実施例4と比較例2との対比から、磁性層の平均厚みが90nm以下であることが、C/Nを1.5dB以上とすることに貢献していることが分かる。
実施例1と比較例3との対比から、Hc1とHc2とがHc2/Hc1≦0.8の関係を満たすことが、C/Nを1.5dB以上していることが分かる。
実施例1と比較例4との対比から、Hc1が4500Oe以下であることが、C/Nを1.5dB以上とすることに貢献していることが分かる。
これらの対比から、磁性粉の平均アスペクト比が3.0以下であり且つ平均粒子体積が2300nm3以下であること、磁性層の平均厚みが90nm以下であること、Hc2とHc1とがHc2/Hc1≦0.8の関係を満たすこと、及び、Hc1が4500Oe以下であることが、電磁変換特性の向上をもたらすことが分かる。
しかしながら、比較例5及び6に示されるとおり、これらの要件を満たしても、10年経過後の信号減衰量は−1.0dBより低く、優れた熱安定性は得られない場合があることが分かる。
ここで、実施例5と比較例5とを見ると、Hrp/Hc1が2.0以下であることが、10年経過後の信号減衰量を低下させることに貢献しており、すなわち熱安定性の向上をもたらすことが分かる。
また、他の実施例についてもHrp/Hc1が2.0以下であり、これら実施例では10年経過後の信号減衰量が−1.0dB以上である。比較例6については、Hrp/Hc1が2.0超であり、10年経過後の信号減衰量が−1.0dBより低い。これらの結果も、Hrp/Hc1が2.0以上であることが、熱安定性の向上をもたらすことを示している。
以上のとおりであるので、磁性粉の平均アスペクト比及び平均粒子体積、磁性層の平均厚み、比Hc2/Hc1、及び、Hc1が特定の数値範囲内にあり、さらに、Hrp/Hc1が2.0以下であることによって、磁気記録媒体が電磁変換特性及び熱安定性に優れたものとなることが分かる。
このように異なる媒体構成を有する磁気テープについても、実施例1〜15に示されるとおり、優れた電磁変換特性及び熱安定性が得られている。そのため、本開示の効果は、種々の媒体構成を有する磁気テープにより奏されることが分かる。
〔1〕基体と、
前記基体上に設けられ、磁性粉を含む磁性層と
を備えており、
前記磁性層の平均厚みが、90nm以下であり、
前記磁性粉の平均アスペクト比が、1.0以上3.0以下であり、
前記磁性粉の平均粒子体積が、2300nm3以下であり、
磁気記録媒体の垂直方向における保磁力Hc1が、4500Oe以下であり、
前記磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hc2と前記保磁力Hc1とが、Hc2/Hc1≦0.8の関係を満たし、且つ、
パルス磁界を用いて測定した前記磁気記録媒体の残留保磁力Hrpと前記保磁力Hc1との比Hrp/Hc1が2.0以下である、
テープ状の磁気記録媒体。
〔2〕前記磁性粉の平均粒子体積が2200nm3以下である、〔1〕に記載の磁気記録媒体。
〔3〕前記比Hrp/Hc1が1.95以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の磁気記録媒体。
〔4〕前記比Hrp/Hc1が1.90以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の磁気記録媒体。
〔5〕前記比Hrp/Hc1が1.85以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の磁気記録媒体。
〔6〕前記磁性粉が六方晶フェライトを含む、〔1〕〜〔5〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔7〕前記六方晶フェライトが、BaおよびSrのうちの少なくとも1種を含む、〔6〕に記載の磁気記録媒体。
〔8〕前記磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hc2が2000Oe以下である、〔1〕〜〔7〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔9〕前記磁気記録媒体の平均厚みが5.6μm以下である、〔1〕〜〔8〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔10〕前記基体の平均厚みが4.2μm以下である、〔1〕〜〔9〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔11〕前記磁性層の平均厚みが80nm以下である、〔1〕〜〔10〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔12〕前記保磁力Hc2と前記保磁力Hc1とが、Hc2/Hc1≦0.7の関係を満たす、〔1〕〜〔11〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔13〕前記保磁力Hc1が500Oe以上である、〔1〕〜〔12〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔14〕前記磁性層と前記基体との間に下地層が設けられており、
前記下地層の平均厚みが2.0μm以下である、
〔1〕〜〔13〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔15〕前記基体の2つの面のうち、前記磁性層が設けられている側の面と反対側の面に、バック層が設けられており、
前記バック層の平均厚みが0.6μm以下である、
〔1〕〜〔14〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔16〕前記磁性粉の平均粒子サイズが50nm以下である、〔1〕〜〔15〕のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
〔17〕〔1〕〜〔16〕のいずれか一つに記載のテープ状の磁気記録媒体と、
記録再生装置と通信を行う通信部と、
記憶部と、
通信部を介して記録再生装置から受信した情報を記憶部に記憶し、かつ、記録再生装置の要求に応じて、記憶部から情報を読み出し、通信部を介して記録再生装置に送信する制御部と、を備え、
前記情報は、磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を含む
テープカートリッジ。
11 基体(ベース層)
12 下地層
13 磁性層
14 バック層
Claims (29)
- 基体と、
前記基体上に設けられ、磁性粉を含む磁性層と
を備えており、
前記磁性層の平均厚みが、90nm以下であり、
前記磁性粉の平均アスペクト比が、1.0以上3.0以下であり、
前記磁性粉の平均粒子体積が、2300nm3以下であり、
前記基体はPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PCT(ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、PEB(ポリエチレン−p−オキシベンゾエート)およびポリエチレンビスフェノキシカルボキシレートのうちの少なくとも1種を含み、
磁気記録媒体は垂直方向における保磁力Hc1が、4500Oe以下で、平均厚みが5.3μm以下であり、
前記磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hc2と前記保磁力Hc1とが、Hc2/Hc1≦0.8の関係を満たし、且つ、
パルス磁界を用いて測定した前記磁気記録媒体の残留保磁力Hrpと前記保磁力Hc1との比Hrp/Hc1が、2.0以下である、
テープ状の磁気記録媒体。 - 基体と、
前記基体上に設けられ、磁性粉を含む磁性層と
を備えており、
前記磁性層の平均厚みが、90nm以下であり、
前記磁性粉の平均アスペクト比が、1.0以上3.0以下であり、
前記磁性粉の平均粒子体積が、2300nm 3 以下であり、
前記基体はPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PCT(ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、PEB(ポリエチレン−p−オキシベンゾエート)およびポリエチレンビスフェノキシカルボキシレートのうちの少なくとも1種を含み、
磁気記録媒体の垂直方向における保磁力Hc1が、4500Oe以下であり、
前記磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hc2と前記保磁力Hc1とが、Hc2/Hc1≦0.65の関係を満たし、且つ、
パルス磁界を用いて測定した前記磁気記録媒体の残留保磁力Hrpと前記保磁力Hc1との比Hrp/Hc1が、2.0以下である、
テープ状の磁気記録媒体。 - 前記磁性粉の平均粒子体積が2200nm3以下である、請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
- 前記比Hrp/Hc1が1.95以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記比Hrp/Hc1が1.90以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記比Hrp/Hc1が1.85以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性粉が六方晶フェライトを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記六方晶フェライトが、BaおよびSrのうちの少なくとも1種を含む、請求項7に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hc2が、2000Oe以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁気記録媒体の平均厚みが5.2μm以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記基体の平均厚みが4.2μm以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性層の平均厚みが80nm以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記保磁力Hc2と前記保磁力Hc1とが、Hc2/Hc1≦0.7の関係を満たす、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記保磁力Hc1が500Oe以上である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性層と前記基体との間に下地層が設けられており、
前記下地層の平均厚みが2.0μm以下である、
請求項1〜14のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。 - 前記基体の2つの面のうち、前記磁性層が設けられている側の面と反対側の面に、バック層が設けられており、
前記バック層の平均厚みが0.6μm以下である、
請求項1〜15のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。 - 前記磁性粉の平均粒子サイズが50nm以下である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁気記録媒体の平均厚みは、5.0μm以下である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁気記録媒体の平均厚みは、4.6μm以下である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記基体の平均厚みは、3.8μm以下である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記基体の平均厚みは、3.4μm以下である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性層の平均厚みが50nm以下である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性粉の平均粒子サイズは、10nm以上40nm以下である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性粉の平均粒子サイズは、12nm以上30nm以下である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性粉の平均粒子サイズは、12nm以上25nm以下である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記磁性粉の平均粒子サイズは、15nm以上22nm以下である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記保磁力Hc2と前記保磁力Hc1とが、Hc2/Hc1≦0.65の関係を満たす、請求項1〜26のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 前記保磁力Hc2と前記保磁力Hc1とが、Hc2/Hc1≦0.60の関係を満たす、請求項1〜26のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
- 請求項1〜28のいずれか一項に記載のテープ状の磁気記録媒体と、
記録再生装置と通信を行う通信部と、
記憶部と、
通信部を介して記録再生装置から受信した情報を記憶部に記憶し、かつ、記録再生装置の要求に応じて、記憶部から情報を読み出し、通信部を介して記録再生装置に送信する制御部と、を備え、
前記情報は、磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を含む
テープカートリッジ。
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