JP4210610B2 - 磁気テープ - Google Patents

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Description

本発明は、支持体の一方の側に磁性層を有し、かつ他方の側にバック層を有する磁気テープに関するものである。
磁気記録テープはオーディオテープ、ビデオテープあるいはコンピューターデータ記録用テープなどとして広く利用されている。磁気テープは一般にPET材などの支持体の一方に磁性層が、そして他方の側にバック層がそれぞれ設けられた基本構成を有している。バック層は一般に巻き乱れの防止や走行耐久性などの走行特性を向上させる目的で設けられる。また、近年の高密度記録化のために磁気記録テープにサーボトラック信号を予め記録しておく方法があるが、その一手段としてバック層にマークを付けておき、このマークをサーボトラック信号として感知するシステムも提案されている。また、品質を保証する観点から、磁気記録テープに品質上の問題が発生した場合でも磁気記録テープが辿った製造に関する履歴を情報としてバック層にマークを記録する方法もある。
これらのマーク形成に関して、マークとなる凹部形成時のレーザ照射による反射率や吸光度について(特許文献1)は考慮されるものの、凹部形成制御に関してはあまり考慮されていない。また、形成された凹部の周辺形状修正に関する検討はされているものの、その凹部形状修正は困難であり、形状が乱れていると、光散乱のため安定した信号を得ることはできない。そこで凹部周辺の形成精度を上げるためのブレード処理やティッシュ処理を行った検討(特許文献2)があるが、それらの工程にはコストがかかる。
そこで、バック層にレーザ照射により形成される凹部及びその近傍からの信号強度を安定にするため、マークとなる凹部をブレード処理等の修正処理を施すことなく安定に形成する技術が望まれている。
特開2000−293836号公報 特開2003−208711号公報
本発明は、バック層にレーザを照射することによって形成されるマークが安定に読み取れる磁気テープを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決することができる。
1)支持体の一方の面に、強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層を有し、そして該支持体の他方の面にカーボンブラックを含み、かつマークとなる凹部を有したバック層を有する磁気テープであって、バック層の常温〜270℃までの質量減少率が14%以下であり、前記カーボンブラックの平均粒子径が30〜45nmであり、かつバック層の厚みが0.35〜0.60μmであることを特徴とする磁気テープ。
2)バック層に対する波長780nmの光透過率が、5%以下であることを特徴とする上記1)記載の磁気テープ。
本発明は、バック層の熱特性を規定すると共にバック層に含まれるカーボンブラックのサイズ並びにバック層厚を特定することにより、バック層にレーザ照射により形成されるマークとなる凹部を形状よく形成することができるので、ブレード処理等の修正処理によるコストを削減することができ、かつ安定したマークの読み取りを正確に行うことができる。
本発明は、マークとなる凹部が安定に形成されるには、バック層に照射されるレーザのエネルギーで分解するバック層の熱分解挙動を制御すればよいことを見いだしたことによりなされたものである。
本発明において、この熱分解挙動を制御することは、バック層の常温〜270℃までの質量減少率を14%以下に制御することである。
本発明において、質量減少率は、以下のように定義される。
質量減少率は、延伸剥離して得られたバック層を、示差熱天秤(TG/DTA)を用い、窒素雰囲気下で常温〜270℃超まで加熱した際に得られる質量曲線を測定して求められる値であり、以下の式で表される。
質量減少率(%)=100×(加熱前質量−加熱時質量の最小値)/加熱前質量
質量減少率は、本発明では14質量%以下、好ましくは5〜14質量%、更に好ましくは10〜14質量%に制御され、この物性値を有するバック層を使用するとレーザを照射して形成されるバック層の凹部及びその近傍が安定に良好な形状で形成され、凹部並びに平坦部からのレーザ反射光を常に正確に読み取ることができる。
質量減少率を制御する手段としては、バック層組成を調整することが有効である。
例えば、バック層組成として、結合剤をニトロセルロース(NC)、ポリウレタン(PU)及び硬化剤から構成し、並びに粉体として少なくともカーボンブラックを含む組成が挙げられるが、ここで、バック層の固形分比(質量比率)並びにカーボンブラックの平均粒子径を特定することが有効である。ここで、固形分とは、溶媒を除く全ての成分を意味する。
上記固形分比において、特に、NC分率を10〜20%とすることが好ましく、16〜20%とすることが更に好ましい。
NC分率が高いと、熱分解が促進される傾向がある。NC分率が高すぎると、凹部及びその近傍の形状が悪化すると共にバック層を維持できなくなりベース面が露出することがあり、信号の誤りの増加に加え、バック層強度が低下することとなり、走行耐久性の低下、粉落ちなどのよるドロップアウトの発生などが生じ易くなる。
カーボンブラックの平均粒子径については、カーボンブラックを空気雰囲気中で加熱して熱分解挙動を測定すると平均粒子径が小さい方が、分解開始温度が低いことから、平均粒子径の大きいカーボンブラックは熱分解抑制には有利であり、本発明のバック層は、平均粒子径が30〜45nm、好ましくは32〜40nmのカーボンブラックを含ませる。ここで、平均粒子径とは、凝集のない一次粒子の円相当径の平均を意味する。
バック層におけるカーボンブラック分率は、35〜50%とすることが好ましく、40〜45%とすることが更に好ましい。
なお、カーボンブラックとして、上記以外の平均粒子径を有するものを用いてもよい。例えば、平均粒子径が100nm前後のものを該分率で1〜5%以下用いることができる。
また、本発明において、バック層は、厚みを0.35〜0.60μm、好ましくは0.40〜0.55μmとする。
バック層の厚みが0.35μm未満であると、バック層へのレーザ照射において、厚みが小さくなるため、そのバック層平坦部の光透過率が大きくなること、言い換えれば光の反射率が小さくなることに加え、凹部深さが低下することによる反射率の増加により、読み取り正解率は低くなる。一方、バック層が0.60μmより厚い場合には、上記のような懸念はないが、他の特性(カッピング等)との兼ね合いから、走行性や電磁変換特性が著しく低下すると共に高容量化に不利である。
本発明では、バック層に対する波長780nmの光透過率が、5%以下であることが好ましく、4%以下であることが更に好ましい。この波長780nmの光は、上記のようにマーク読み取りに用いられるレーザ光であることが好ましい。
本発明の磁気テープにおける凹部形成の態様は、特に制限はないが、以下であることが好ましい。
(1)凹部が、磁気テープの長手方向に沿って複数個連続して設けられている磁気テープ。
(2)凹部が、4〜8μmの範囲の幅で、100〜200μmの範囲の長さ(テープの長手方向)を有する磁気テープ。
本発明の磁気テープは、支持体の一方の面に、強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層とを有し、そして該支持体の他方の面にバック層を有する。以下に、支持体、磁性層、そして特徴とするバック層を構成要件とする本発明の磁気テープを順に説明する。
本発明の磁気テープに用いる支持体は、合成樹脂フィルムから形成されていることが好ましい。これらの材料は、従来から磁気テープにおいて使用されている材料から選ぶことができる。特に非磁性のものが好ましい。これらの例としては、ポリエステル類(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチエレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートとの混合物、エチレンテレフタレート成分とエチレンナフタレート成分とを含む共重合物)、ポリオレフィン類(例、ポリプロピレン)、セルロース誘導体類(例、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)、ポリカーボネート、ポリアミド(例、アラミド等の芳香族ポリアミド)、ポリイミド(例、全芳香族ポリイミド)などの合成樹脂フィルムを挙げることができる。これらの中では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びポリアミド(特にアラミド)が好ましい。支持体の厚みは、特に制限はないが、2.0〜7.0μm(更に好ましくは、3.0〜6.5μm、特に4.0〜6.0μm)の範囲にあることが好ましい。
磁性層は、強磁性粉末および結合剤から形成されている。また磁性層には、通常、導電性粉末(例、カーボンブラック)、研磨剤、そして潤滑剤が含まれている。強磁性粉末としては、例えば、磁性酸化鉄FeO(x=1.33〜1.5)、Co変性FeO(x=1.33〜1.5)、Fe、Ni又はCoを主成分(75%以上)とする強磁性合金粉末(強磁性金属粉末)、及び板状六方晶フェライト粉末などの公知の強磁性粉末を使用することができる。特に、強磁性合金粉末、及び板状六方晶フェライト粉末の使用が好ましい。強磁性粉末には所定の原子の他に、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr及びBの内の少なくとも一つの原子を含んでいてもかまわない。強磁性粉末がこれらの原子を含む場合には、例えば、Coを1〜40質量%、Alを1〜20質量%、そしてYを1〜10質量%を含有していることが好ましい。
強磁性粉末は、分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前に予め処理を行ってもかまわない。具体的には、特公昭44−14090号、特公昭45−18372号、特公昭47−22062号、特公昭47−22513号、特公昭46−28466号、特公昭46−38755号、特公昭47−4286号、特公昭47−12422号、特公昭47−17284号、特公昭47−18509号、特公昭47−18573号、特公昭39−10307号、及び特公昭48−39639号の各公報、そして米国特許第3026215号、同3031341号、同3100194号、同3242005号、及び同3389014号の各明細書に記載されている処理方法を利用することができる。なお、強磁性合金粉末には少量の水酸化物又は酸化物が含まれていてもよい。
上記強磁性合金粉末は、その粒子の比表面積が好ましくは30〜70m/gであって、X線回折法から求められる結晶子サイズは、50〜300Åである。比表面積が余り小さいと高密度記録に充分に対応できなくなり、又余り大き過ぎても分散が充分に行えず、従って平滑な面の磁性層が形成できなくなるため同様に高密度記録に対応できなくなる。
強磁性合金粉末には少なくともFeが含まれている。具体的には、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Zn−Ni又はFe−Ni−Coを主体とした金属合金である。なお、Fe単独でも良い。またこれらの強磁性合金粉末は、高い記録密度を達成するために、好ましくは、その飽和磁化量(飽和磁束密度)(σs)は90emu/g(A・m/kg)以上、更に好ましくは120A・m/kg以上、160A・m/kg以下である。保磁力(Hc)は1500〜3500エルステッド(Oe)(120〜280kA/m)(好ましくは、1700〜2500エルステッド(136〜200kA/m)、特に好ましくは、1800〜2100エルステッド(144〜168kA/m))の範囲にあることが好ましい。また透過型電子顕微鏡により求められる粉末の長軸長の平均(すなわち、平均長軸長)は、0.2μm以下、0.03μm以上であることが好ましく、更に好ましくは、0.03〜0.15μmで平均針状比{(長軸長/短軸長)の平均}は、3〜15、好ましくは、3〜10である。更に特性を改良するために、組成中にB、C、Al、Si、P等の非金属、もしくはその塩、酸化物が添加されることもある。通常、前記強磁性金属粉末の粒子表面は、化学的に安定させるために酸化物の層が形成されている。
板状六方晶フェライトとしては、平板状でその平板面に垂直な方向に磁化容易軸がある強磁性体であって、具体的には、バリウムフェライト(マグネトブランバイト型や一部にスピネル相を含有したマグネトブランバイト型)、ストロンチウムフェライト(マグネトブランバイト型や一部にスピネル相を含有したマグネトブランバイト型)、鉛フェライト、カルシウムフェライト、及びそれらのコバルト等の置換体等を挙げることができる。これらの中では、特にバリウムフェライトのコバルト置換体、ストロンチウムフェライトのコバルト置換体が好ましい。本発明で用いる板状六方晶フェライトには、抗磁力を制御するために、必要に応じてCo−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、あるいはIr−Zn等の元素を添加したものを使用することができる。
板状六方晶フェライト粉末において、板径は六角板状の粒子の板の幅を意味し電子顕微鏡で測定することができる。本発明で用いる板状六方晶フェライト粉末は、平均板径が0.02〜0.1μmの範囲にあることが好ましく、平均板状比{(板径/板厚)の平均}が2〜20の範囲にあることが好ましく、またその比表面積が1〜60m/gの範囲にあることが好ましい。板状六方晶フェライト粉末は、強磁性金属粉末と同じ理由からその粒子サイズが大きすぎても小さすぎても高密度記録が難しくなる。またこれらの板状六方晶フェライト粉末は、高い記録密度を達成するために、その飽和磁化(σs)は、40〜80A・m/kgの範囲にあることが好ましい。また保磁力(Hc)は1200〜3000エルステッド(Oe)(96〜240kA/m)(好ましくは、1500〜2500エルステッド(120〜200kA/m)、特に好ましくは、1800〜2100エルステッド(144〜168kA/m))の範囲にあることが好ましい。
本発明で用いる強磁性粉末は、Al、Si、P、Ti、及び希土類元素(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)などの焼結防止剤として公知の物質により処理されていることが好ましい。
強磁性粉末の含水率は0.01〜2質量%とすることが好ましい。また結合剤(樹脂)の種類によって含水率を最適化することが好ましい。強磁性粉末のpHは用いる結合剤との組み合わせにより最適化することが好ましく、そのpHは通常4〜12の範囲であり、好ましくは5〜10の範囲である。強磁性粉末は、必要に応じて、Al、Si、P、Y又はこれらの酸化物などでその表面の少なくとも一部が被覆されているものが好ましい。表面処理を施す際のその使用量は、通常強磁性粉末に対して、0.1〜10質量%である。このように被覆された強磁性粉末は、脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下に抑えられるので、潤滑剤の磁性層への添加量を少なくしても、所望の効果が達成できる。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、及びSrなどの無機イオンが含まれる場合があるが、その含有量はできるだけ少ないことが好ましい。通常は5000ppm以下であれば特性に影響を与えることはない。尚、上記のような強磁性粉末及びその製造方法は、例えば、特開平7−22224号公報に記載されている。磁性層の磁気モーメントは、0.001〜0.1T・μm(更に好ましくは、0.005〜0.08T・μm、特に好ましくは、0.007〜0.07T・μm)の範囲にあることが好ましい。
磁性層のカーボンブラックは、磁性層の表面電気抵抗(R)の低減、動摩擦係数(μ値)の低減、走行耐久性の向上、及び磁性層の平滑な表面性を確保する等の種々の目的で添加される。カーボンブラックは、その平均粒子径が5〜350nm(更に好ましくは、10〜300nm)の範囲にあることが好ましい。またその比表面積は5〜500m/g(更に好ましくは、50〜300m/g)であることが好ましい。DBP吸油量は、10〜1000mL/100g(更に好ましくは、50〜300mL/100g)の範囲にあることが好ましい。またpHは、2〜10、含水率は、0.1〜10%、そしてタップ密度は、0.1〜1g/ccであることが好ましい。
カーボンブラックは様々な製法で得たものが使用できる。使用できるカーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック及びランプブラックを挙げることができる。カ−ボンブラックの具体的な商品例としては、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、700、VULCAN XC−72(以上、キャボット社製)、#35、#50、#55、#60及び#80(以上、旭カ−ボン(株)製)、#3950B、#3750B、#3250B、#2400B、#2300B、#1000、#900、#40、#30、及び#10B(以上、三菱化学(株)製)、CONDUCTEX SC、RAVEN、150、50、40、15(以上、コロンビアカ−ボン社製)、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックECDJ−500およびケッチェンブラックECDJ−600(以上、ライオンアグゾ(株)製)を挙げることができる。カーボンブラックの通常の添加量は、強磁性粉末100質量部に対して、0.1〜30質量部(好ましくは、0.2〜15質量部)の範囲にある。
磁性層の研磨剤としては、例えば、溶融アルミナ、α−アルミナ、炭化珪素、酸化クロム(Cr)、コランダム、人造コランダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)を挙げることができる。これらの研磨剤は、モース硬度5以上(好ましくは、6以上、特に好ましくは、8以上)であり、平均粒子径が、0.05〜1μm(更に好ましくは、0.08〜0.8μm、特に好ましくは、0.1〜0.5μm)範囲の大きさのものが好ましい。そして、用いる研磨剤の90質量%が0.8μm以下の平均粒子径に含まれる粒度分布を有していることが好ましい。研磨剤の添加量は、通常、強磁性粉末100質量部に対して、1〜25質量部(更に好ましくは、1〜20質量部)の範囲にある。
磁性層の潤滑剤は、磁性層表面ににじみ出ることによって、磁性層表面と磁気ヘッドとの摩擦を緩和し、摺接状態を円滑に維持させるために添加される。潤滑剤としては、例えば、脂肪酸及び脂肪酸エステルを挙げることができる。脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アラキン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、及びパルミトレイン酸等の脂肪族カルボン酸又はこれらの混合物を挙げることができる。
また脂肪酸エステルとしては、例えば、ブチルステアレート、sec−ブチルステアレート、イソプロピルステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレート、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステート、ブチルステアレートとブチルパルミテートとの混合物、オレイルオレエート、ブトキシエチルステアレート、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸でアシル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテート、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化してジオールとしたもの、そしてグリセリンのオレエート等の種々のエステル化合物を挙げることができる。上記のような脂肪酸、及び脂肪酸エステルは、単独であるいは二以上の化合物を組み合わせて使用することができる。潤滑剤の通常の含有量は、強磁性粉末100質量部に対して、0.2〜20質量部(好ましくは、0.5〜10質量部)の範囲にある。
磁性層の結合剤としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を挙げることができる。熱可塑性樹脂の例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、及びビニルエーテルを構成単位として含む重合体、あるいは共重合体を挙げることができる。共重合体としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタアクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、メタアクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタアクリル酸エステル−スチレン共重合体、塩ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロビニルエーテル−アクリル酸エステル共重合体を挙げることができる。
上記の他に、ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロースなど)、ポリ弗化ビニル、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂なども利用することができる。
また熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物を挙げることができる。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのイソシアネート類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、及びイソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネートを挙げることができる。
上記ポリウレタン樹脂は、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、及びポリカプロラクトンポリウレタンなどの構造を有する公知のものが使用できる。
本発明において、磁性層の結合剤は、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、及びニトロセルロースの中から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、ポリウレタン樹脂との組合せ、あるいはこれらに更に硬化剤としてのポリイソシアネートを加えた組み合わせで構成されていることが好ましい。
結合剤は、より優れた分散性と得られる層の耐久性を得るために必要に応じて、−COOM、−SOM、−OSOM、−P=O(OM)、−O−P=O(OM)(Mは水素原子又はアルカリ金属を表わす。)、−OH、−NR、−N(Rは炭化水素基を表わす。)、エポキシ基、−SH、−CNなどから選ばれる少なくともひとつの極性基を共重合または付加反応で導入して用いることが好ましい。このような極性基は、結合剤に10−1〜10−8モル/g(更に好ましくは10−2〜10−6モル/g)の量で導入されていることが好ましい。
磁性層中の結合剤は、強磁性粉末100質量部に対して、通常5〜50質量部(好ましくは10〜30質量部)の範囲で用いられる。なお、磁性層に結合剤として塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイソシアネートを組み合わせて用いる場合は、全結合剤中に、塩化ビニル系樹脂が5〜70質量%、ポリウレタン樹脂が2〜50質量%、そしてポリイソシアネートが2〜50質量%の範囲の量で含まれるように用いることが好ましい。
磁性層を形成するための塗布液には、強磁性粉末、カーボンブラックなどの粉末を結合剤中に良好に分散させるために、分散剤を添加することができる。また必要に応じて、可塑剤、カーボンブラック以外の導電性粒子(帯電防止剤)、防黴剤などを添加することができる。分散剤としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜18個の脂肪酸(RCOOH、Rは炭素数11〜17個のアルキル基、又はアルケニル基)、前記脂肪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる金属石けん、前記の脂肪酸エステルのフッ素を含有した化合物、前記脂肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンは、エチレン、プロピレンなど)、硫酸塩、及び銅フタロシアニン等を使用することができる。これらは、単独でも組み合わせて使用しても良い。分散剤は、結合剤100質量部に対して0.5〜20質量部の範囲で添加される。
次に、本発明の特徴とするバック層について詳述する。本発明のバック層は、走行耐久性などの性能に優れていることと共に、前記したようにレーザ光の照射により、そのエネルギーを効率よく吸収して、容易に凹部が形成できること、また形成した凹部を誤りなく精度よく読み取ることができるように凹部部分とそれ以外の部分とが区別できる。
上記のような特性を持つ本発明に係るバック層の形成方法は特に制限はない。具体的には、(1)バック層の形成材料の材質や使用量などの選択、(2)バック層の塗布液の調製、及び(3)バック層へのカレンダー処理などを組み合わせて、所望の特性のバック層となるように最適化して行う方法を挙げることができる。以下にこれらの方法について詳述する。上記(1)の場合は、前記したとおりである。カーボンブラックの比表面積は5〜300m/g(更に好ましくは、10〜250m/g)であることが好ましい。DBP吸油量は、20〜150mL/100g(更に好ましくは、30〜150mL/100g)の範囲にあることが好ましい。またpHは、4〜10(更に好ましくは、5〜10)の範囲にあることが好ましい。このようなカーボンブラックの使用により、レーザ光の照射に対して所定の光透過率等を示す特性のバック層とすることができると共に、カーボンブラックの添加により、バック層の表面電気抵抗を低く設定できる。また平均粒子径が30〜45nmの微粒子状カーボンブラックは一般に液体潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併用時、摩擦係数の低減化に寄与する。また、併用し得る粗粒子状カーボンブラックは、固体潤滑剤としての機能を有しており、またバック層の表面に微小突起を形成し、接触面積を低減化して、摩擦係数の低減化に寄与する。
バック層に用いられる結合剤としては、前述した磁性層に記載したものを使用することができる。本発明において、バック層の結合剤は、前記したようにニトロセルロース樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、更に硬化剤としてのポリイソシアネートを加えた組み合わせで構成されていることが好ましい。そしてニトロセルロース樹脂としては、硝化度が5〜20%の範囲の比較的ニトロ基が多く含まれているものが好ましい。また、ニトロセルロース樹脂は、結合剤中に20〜60質量%(更に好ましくは、30〜50質量%)の範囲で含有されていることが好ましい。
バック層に用いられる無機質粉末は、モース硬度が5〜9の無機質粉末であることが好ましい。このような無機質粉末の添加でテープに繰り返し走行耐久性を付与し、バック層が強化される。特に、無機質粉末をカーボンブラックと共に使用すると、繰り返し摺動に対しても劣化が少なく、強いバック層となる。またモース硬度が5〜9の無機質粉末を使用すると、適度の研磨力が生じ、テープガイドポール等へ削り屑等の付着が低減する。モース硬度5〜9の無機質粉末は、その平均粒子サイズが0.01〜1μm(更に好ましくは、0.05〜0.5μm、特に好ましくは、0.08〜0.3μm)の範囲にあることが好ましい。
モース硬度が5〜9の無機質粉末としては、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、及び酸化クロム(Cr)を挙げることができる。これらの粉末は、それぞれ単独で用いても良いし、あるいは併用しても良い。これらの内では、α−酸化鉄又はα−アルミナが好ましい。モース硬度が5〜9の無機質粉末の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して0.01〜5質量部であり、好ましくは、0.05〜2質量部である。
バック層には磁性層の説明で記載した分散剤を添加することができる。バック層では、分散剤は、オレイン酸銅、銅フタロシアニン、及び硫酸バリウムを組み合わせて使用することが好ましい。分散剤は、通常、結合剤100質量部に対して0.5〜20質量部の範囲で添加される。
上記(2)の場合、本発明に係るバック層の形成に際して、バック層の塗布液の調製は、以下の方法で行うことが好ましい。即ち、少なくともカーボンブラックとニトロセルロース樹脂などの結合剤をヘンシェルミキサー、ロールミル、ニーダー等の攪拌混合、分散機を用いて予備混練した後、更にボールミルやサンドグラインダーで分散してペースト状とした後、攪拌機で少なくとも24時間溶解、攪拌し、調製することが好ましい。
上記(3)の場合、バック層のカレンダー処理は、従来の金属ロールのみまたは金属ロールと樹脂ロールから構成される7〜9段のカレンダー処理機を用いて行うことができる。その際、カレンダー処理は、処理条件として、温度90℃〜120℃の範囲、線圧250〜400kg/cm(245〜392kN/m)の範囲で調整することにより、行うことが好ましい。尚、カレンダーによる表面処理は、用いるカレンダロールの材質、その表面性等により、調節することもできる。
尚、バック層には、凹部形成時のレーザ光の吸収を高めるために、色素を含有させることができる。このような色素は、用いるレーザ光に対して高い吸収スペクトルを示すものが選ばれる。例えば、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、及びこれらの色素構造を配位子として有する金属錯体から選ばれる少なくとも一種の色素化合物を挙げることができる。これらの色素は、光ディスクに用いられている公知の材料から選んで用いることができる。
本発明の磁気テープのバック層と支持体との間に反射層を設けてもよい。反射層は、金属材料である光反射性物質から形成されていることが好ましい。その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金属、あるいはこれらの合金である。好ましいAu又はAg合金としては、それぞれPt、Cu、及びAlからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含む合金を挙げることができる。反射層は、例えば、光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより、支持体上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10〜800nmの範囲にあり、好ましくは20〜500nmの範囲、更に好ましくは50〜300nmの範囲である。
本発明の磁気テープは、支持体と磁性層との間に更に非磁性層が設けられた構成のものであっても良い。即ち、支持体の一方の側に非磁性層と磁性層とをこの順に有し、かつ該支持体の他方の側にバック層を有する構成の磁気テープであっても良い。非磁性層は、非磁性粉末及び結合剤を含む実質的に非磁性の層である。この非磁性層は、その上の磁性層の電磁変換特性に影響を与えないように実質的に非磁性であることが必要であるが、磁性層の電磁変換特性に悪影響を与えなければ磁性粉末が含まれていても特に問題とはならない。また非磁性層には通常、これらの成分以外に潤滑剤が含まれている。
非磁性層で用いられる非磁性粉末としては、例えば、非磁性無機粉末、カーボンブラックを挙げることができる。非磁性無機粉末は、比較的硬いものが好ましく、モース硬度が5以上(更に好ましくは、6以上)のものが好ましい。これらの非磁性無機粉末の例としては、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、二酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、及び硫酸バリウムを挙げることができる。これらの非磁性無機粉末は、粒状、針状、平板状、さいころ状、無定型のいずれでもかまわない。これらは単独でまたは組合せて使用することができる。これらのうちでは、二酸化チタン、α−アルミナ、α−酸化鉄又は酸化クロムが好ましい。非磁性無機粉末の平均粒子径は、0.01〜1.0μm(好ましくは、0.01〜0.5μm)の範囲にあることが好ましい。
非磁性層のカーボンブラックは、磁性層に導電性を付与して帯電を防止すると共に、非磁性層上に形成される磁性層の平滑な表面性を確保する目的で添加される。非磁性層で用いるカーボンブラックとしては前述した磁性層に含有させることができるカーボンブラックを使用することができる。但し、非磁性層で使用するカーボンブラックは、その平均粒子径が35nm以下(更に好ましくは、10〜35nm)であることが好ましい。カーボンブラックの通常の添加量は、全非磁性無機粉末100質量部に対して、3〜40質量部であり、好ましくは、5〜30質量部である。
非磁性層の潤滑剤としては、前述の磁気テープの磁性層に記載した脂肪酸あるいは脂肪酸エステルを使用することができる。潤滑剤の通常の添加量は、非磁性層の全非磁性粉末100質量部に対して0.2〜20質量部の範囲である。
非磁性層の結合剤としては、前述した磁性層にて記載した結合剤を用いることができる。結合剤は、非磁性層の非磁性粉末100質量部に対して、通常5〜50質量部(好ましくは、10〜30質量部)の範囲である。なお、非磁性層に結合剤として塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイソシネートを組み合わせて用いる場合は、全結合剤中に、塩化ビニル系樹脂が5〜70質量%、ポリウレタン樹脂が2〜50質量%、そしてポリイソシアネートが2〜50質量%の範囲の量で含まれるように用いることが好ましい。なお、非磁性層においても前述した磁性層に添加することができる分散剤やその他の添加剤を添加することができる。
次に、本発明の磁気テープの製造方法について簡単に説明する。本発明の磁気テープは、通常の方法に従って支持体の一方の面に磁性層(非磁性層及び磁性層が設けられた態様では、非磁性層及び磁性層)を、そして他方の面に本発明に係るバック層を順にそれぞれ形成することにより、製造することができる。本発明に係るバック層は、前述した方法により形成することができる。
非磁性層及び磁性層が設けられた態様の場合、磁性層は非磁性層が乾燥後に設けられたものでも、非磁性層が湿潤状態にあるうちにこの上に設けられたものでもよいが、後者であることが好ましい。すなわち、磁性層は、非磁性層用塗布液を塗布後、形成された塗布層(非磁性層)が湿潤状態にあるうちにこの上に磁性層用塗布液を塗布する、所謂ウエット・オン・ウエット方式による塗布方法を利用して形成されたものであることが好ましい。
上記ウエット・オン・ウエット方式による塗布方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。
(1)グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、あるいはエクストルージョン塗布装置などを用いて、支持体上にまず非磁性層を形成し、該非磁性層が湿潤状態にあるうちに、支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により、磁性層を形成する方法(特開昭60−238179号、特公平1−46186号、特開平2−265672号公報参照)。
(2)塗布液用スリットを二つ備えた単一の塗布ヘッドからなる塗布装置を用いて支持体上に磁性層と非磁性層をほぼ同時に形成する方法(特開昭63−88080号、特開平2−17921号、特開平2−265672号各公報参照)。
(3)バックアップローラ付きエクストルージョン塗布装置を用いて、支持体上に磁性層及び非磁性層をほぼ同時に形成する方法(特開平2−174965号公報参照)。非磁性層及び磁性層は、同時重層塗布法を利用して形成することが好ましい。
本発明の磁気テープは、支持体の一方の側に磁性層を、他方の側にバック層を有する単層構成の場合、その磁性層の厚みが、0.05〜3.0μm(更に好ましくは、0.1〜2.5μm)の範囲にあることが好ましい。またこの構成の磁気テープの全体の厚みは3.0〜20.0μmの範囲にあることが好ましい。
非磁性層を有する構成の磁気テープの場合、その磁性層の厚みが、0.01〜1.0μm(更に好ましくは、0.03〜0.5μm)の範囲にあることが好ましい。また、非磁性層の厚みは、0.1〜3.0μm(更に好ましくは、1.0〜2.5μm)の範囲にあることが好ましい。磁性層の厚みと非磁性層の厚みとの比は、1:2〜1:15(更に好ましくは、1:3〜1:12)の範囲にあることが好ましい。非磁性層を有する構成の磁気テープの全体の厚み及びバック層の厚みは、前記の単層構成の磁気テープと同じ範囲にあることが好ましい。
本発明の磁気テープのバック層への凹部の形成は、レーザ光を用いて行うことができる。書き込み用、及び読み取り用のレーザ光としては、その波長が、一般に300〜2000nmの範囲のものが用いられる。そして、書き込みを行う場合には、レーザ光をバック層に磁気テープの長手方向に沿って照射することにより、凹部を形成することができる。凹部は、長手方向に沿って連続的に複数個形成されていることが好ましい。凹部の形状は特に問わないが、凹部の幅が4〜8μmの範囲で、その長さ(テープの長手方向の長さ)が100〜200μmの範囲で形成することが好ましい。また凹部の深さは、バック層の厚み以内、好ましくは厚みの50〜90%、更に好ましくは60〜80%である。凹部の読み取りも上記と同様にレーザ光を照射することで凹部部分とそれ以外の部分の反射率の違いを検出することで行うことができる。
以下に、実施例及び比較例を記載する。尚、以下の「部」は、「質量部」を表わす。
実施例1
磁性塗料
強磁性金属粉末 100部
(Co/Fe=30原子%、Hc:2350エルステッド(187kA/m)、SBET:55m/g、表面処理層:Al、SiO、Y、平均長軸長:57nm、平均針状比:5、σs:120A・m/Kg)
塩化ビニル重合体:MR110(日本ゼオン社製) 10部
ポリウレタン樹脂 5部
α−Al:モース硬度9(平均粒子径:180nm) 5部
カーボンブラック(平均粒子径:80nm) 0.5部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 90部
シクロヘキサノン 30部
トルエン 60部
上記の塗料について、各成分をオープンニーダーで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネートを5部加え、さらにメチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(1:1)40部を加え、1μmのフィルターを用いて濾過し磁性塗料を調製した。
下層塗料(非磁性)
非磁性粉体:αFe(ヘマタイト) 80部
(平均長軸長:0.12μm、SBET:50m/g、pH=9、タップ密度:0.8、DBP吸油量:27〜38ml/100g、表面処理層:Al、SiO
カーボンブラック 20部 (平均粒子径:16nm、DBP吸油量:80ml/100g、pH:8.0、SBET:250m/g、揮発分:1.5%)
塩化ビニル重合体:MR110(日本ゼオン社製) 12部
ポリウレタン樹脂 5部
α−Al(平均粒子径:0.2μm) 5部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 100部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 50部
上記の下層塗料について、各成分をオープンニーダーで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた塗料にポリイソシアネートを5部加え、さらにメチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(1:1)40部を加え、1μmのフィルターを用いて濾過し、下層塗料を調製した。
バック層
バック層形成用のカーボンペースト組成
1)カーボンペーストA
カーボンブラック粉末A 100部
(平均粒子径:100nm)
ニトロセルロース 65部
(旭化成社製セノルバBTH1/2)
ポリウレタン樹脂 15部
分散剤 4部
メチルエチルケトン 240部
トルエン 160部
カーボンブラック全量と処方量の分散剤とニトロセルロース、及び処方量の40%の各溶媒を加えてディスパーで攪拌後、サンドグラインダーでジルコニアビーズ(φ1mm)を用いて12時間分散させた後、サンドグラインダーでジルコニアビーズ(φ0.5mm)を用いて12時間分散させた。次いで、処方量のポリウレタン樹脂、残り60%の各溶媒を加えてディスパーで攪拌後、サンドグラインダーでジルコニアビーズ(φ1mm)を用いて6時間分散させた。
2)カーボンペーストB
カーボンブラック粉末B 100部
(平均粒子径:40nm)
ニトロセルロース 40部
(旭化成社製セノルバBTH1/2)
ポリウレタン樹脂 15部
分散剤 4部
メチルエチルケトン 240部
トルエン 160部
カーボンブラック全量と処方量の分散剤とニトロセルロース、及び処方量の40%の各溶媒を加えてディスパーで攪拌後、サンドグラインダーでジルコニアビーズ(φ1mm)を用いて12時間分散させた後、サンドグラインダーでジルコニアビーズ(φ0.5mm)を用いて12時間分散させた。次いで、処方量のポリウレタン樹脂、残り60%の各溶媒を加えてディスパーで攪拌後、サンドグラインダーでジルコニアビーズ(φ1mm)を用いて6時間分散させた。
バック層塗料
カーボンペーストB 1000部
カーボンペーストA 35部
ポリウレタン樹脂 400部
α−Al(平均粒子径:0.2μm) 5部
ベンガラ(α−Fe) 150部
ポリイソシアネート樹脂(硬化剤) 30部
ポリエステル樹脂 20部
メチルエチルケトン 4000部
カーボンペーストB及びカーボンペーストAの全量、ポリウレタン樹脂、α−Alを加え、ディスパーで攪拌後、サンドグラインダーでジルコニアビーズ(φ1mm)を用いて3時間分散させた。次いで、ポリイソシアネート樹脂及びポリエステル樹脂及び溶剤を全量加え、ディスパーで攪拌後、1μmフィルターを用いて濾過し、バック層塗料を調製した。
得られた下層塗料を、乾燥後の厚さが1.5μmとなるよう、さらにその直後にその上に磁性層厚さが0.2μmになるように、厚さ6.0μmで下層塗布面の中心線平均表面粗さが2nmになるよう予め、コロナ処理を施して、非磁性支持体表面を親水性にしたアラミド樹脂支持体上に同時重層塗布を行い、両層がまだ湿潤状態にあるうちに600mTの磁力を持つコバルト磁石と600mTの磁力を持つソレノイドにより配向させ乾燥させた。その後、その一方の面の非磁性支持体表面に乾燥厚みが0.5μmとなるようバック層用塗料を塗布した。その後、金属ロールとエポキシ樹脂ロールから構成される7段のカレンダーで温度100℃にて150m/min.の速度で処理を行い、次いで、熱処理を施した。次いで、1/2インチ幅にスリットして、磁性層を表面研磨処理し、磁気テープを作製した。
実施例2、比較例1〜4
実施例1において、バック層塗料の固形分比、カーボンブラック粉末B、バック層厚を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。なお、カーボンブラック粉末Bの充填率は、[カーボンブラックBの質量/全固形分の質量(カーボンブラックA+カーボンブラックB+ニトロセルロース+ポリウレタン樹脂+α−Al+分散剤+ベンガラ)]から求めた。また、ベンガラ及びα−Alの総和の固形分比は、上記と同様に全固形分の質量に対して求め、上記全ての例で7質量%とした。
得られた試料の性能を以下により評価し、結果を表1に示した。
(評価方法)
1)質量減少率
示差熱天秤を用いて以下のようにして測定した。
示差熱天秤(TG/DTA)としてセイコーインスツルメンツ製示差熱天秤(TG/DTA6300)を用いた。測定に供したバック層は10.0mgを秤量し、窒素雰囲気に置換後、30℃/min.で所定の温度まで加熱した。
2)バック層の光透過率
自記分光光度計:島津製作所(株)製UV−3100PCを用いて、以下のようにして測定した。
磁気テープの磁性面側を剥がしたテープを用意した。透過率の測定は波長300〜1500nmの範囲で透過光を測定し、780nmでの透過率を採用した。
3)マーク読み取り正解率:
読み取り正解率の測定については、磁気テープのバック層に記録したマーク信号(マークとなる凹部)をレーザ光(波長780nm)を用いて、以下の方法により行った。マーク信号にレーザー光を照射した際、未加工部分との反射強度差が生じる。この反射強度差が一定値を超えた場合を正解として読み取る(この値は変更可能であるが、ここでは0.5V以上とする)。評価は磁気テープ3mの間隔中にある100個のマーク信号を10回読み取り、正確に計測できる割合を測定することにより行った。
なお、マークとなる凹部は、以下のようにして形成した。
磁気テープのバック層に下記の条件で長手方向に沿ってレーザ光を用いて凹部を記録した。
記録条件:
半導体レーザ光:波長340nm
レーザビーム径:1μm
線速度:2m/s
記録パワー:8mW
Figure 0004210610
上表から、バック層の質量減少率と共にバック層に含まれるカーボンブラックのサイズ並びにバック層厚が本発明内である実施例は、比較例に比べて読み取り正解率が100%と優れていることが分かる。

Claims (2)

  1. 支持体の一方の面に、強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層を有し、そして該支持体の他方の面にカーボンブラックを含み、かつマークとなる凹部を有したバック層を有する磁気テープであって、バック層の常温〜270℃までの質量減少率が14%以下であり、前記カーボンブラックの平均粒子径が30〜45nmであり、かつバック層の厚みが0.35〜0.60μmであることを特徴とする磁気テープ。
  2. バック層に対する波長780nmの光透過率が、5%以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気テープ。
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