JP3421461B2 - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JP3421461B2 JP01872795A JP1872795A JP3421461B2 JP 3421461 B2 JP3421461 B2 JP 3421461B2 JP 01872795 A JP01872795 A JP 01872795A JP 1872795 A JP1872795 A JP 1872795A JP 3421461 B2 JP3421461 B2 JP 3421461B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体及びその製
造方法に関し、さらに詳しくは、例えばフロッピーディ
スクやスチルビデオフロッピー用磁気記録ディスクとし
て好適に用いられる磁気記録媒体及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術】特開平5−242461、特開平5−32
5172、特開平6−301964においては下層の非
磁性層に特定の潤滑剤を用いることで、磁気記録媒体の
高密度化や走行耐久性を向上させる技術が開示されてい
る。しかしながらフロッピーディスクにおいては高容量
化に対応するためには、従来より格段の高密度化ととも
に耐久性(特にサイクルサーモ時)やエラーレートの向
上が必要となってきており、その問題の解決のためには
前記の技術では不十分であった。また従来の磁気記録媒
体において、磁性層に融点50℃以上の脂肪酸及び50
℃未満の脂肪酸及び脂肪酸エステルを含有してなる技術
(特開昭61−144726)が知られている。また磁
性層に不飽和脂肪酸と不飽和アルコールからなる脂肪酸
エステルを用いる技術(特開昭58−164025)や
グリセリンエステルを用いる技術(特開昭61−156
522)が知られている。更に磁性層に直鎖脂肪酸と分
岐アルコールとから誘導される脂肪酸エステルを含有さ
せる技術(特開昭64−84430)や磁性層にR
OO(CHRCHRO)(R:C〜C
22、R:C〜C12、R、R:H又はC
、n≧2)で表される潤滑剤が含有される技術(特
開昭59−227030)が公開されている。
【0003】しかし、これら技術の場合には単層構成で
あるため、下層を潤滑剤の補給源として機能分離するこ
とができなかった。そのため、長時間にわたって良好な
潤滑性を維持するためには磁性層に比較的多量の潤滑剤
を用いる必要があるが、そうすると磁性層表面への潤滑
剤のブリードアウトが生じたり、磁性層の物性の劣化に
伴う耐久性の劣化が起こる不都合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は 1)高温から低温にいたる幅広い環境条件下においても
長時間にわたり耐久性に優れ 2)広範囲の温度条件において、エラーの発生しない 3)再生出力が高く 4)オーバーライト特性の良好な 5)同一トラックでの走行耐久性の良好な 磁気記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明1:非磁性支持体上
に非磁性層及び磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体に
おいて、上記非磁性層は融点50℃以上の飽和脂肪酸、
融点50℃未満の不飽和脂肪酸及び脂肪酸エステルを含
有し、且つ前記磁性層の乾燥膜厚が0.05〜1.0μ
mであることを特徴とする磁気記録媒体。
【0006】発明2:上記非磁性層が湿潤状態にある間
に上記磁性層が形成された構成であることを特徴とする
発明1に記載の磁気記録媒体。
【0007】発明3:上記脂肪酸エステルが下記一般式
〔I〕又は〔II〕で示される化合物であることを特徴
とする発明1又は2に記載の磁気記録媒体。
【0008】
【化6】 〔各式中、R2及びR3は炭素原子数11〜22の炭化水
素基、R1は炭素原子数1〜18の炭化水素基、R4及び
5は水素原子又はメチル基、R6は炭素原子数1〜22
の炭化水素基、及びnは1〜10の整数を表わす。〕 発明4:磁性層に研磨剤としてα−アルミナ及び酸化ク
ロムが含有されている発明1、2又は3に記載の磁気記
録媒体。
【0009】発明5:磁性層に強磁性金属粉末または六
方晶フェライト粉末が含有されている発明1〜4のいず
れかに記載の磁気記録媒体。
【0010】発明6:結合剤として芳香族ポリエステル
ポリウレタンが含有されている発明1〜5のいずれかに
記載の磁気記録媒体。
【0011】発明7:磁性層にAlを含有する強磁性金
属粉末が含有されている発明1〜6のいずれかに記載の
磁気記録媒体。
【0012】発明8:非磁性支持体上に非磁性層及び磁
性層を順次塗設する磁気記録媒体の製造方法において、
上記非磁性層用塗布液は融点50℃以上の飽和脂肪酸、
融点50℃未満の不飽和脂肪酸及び脂肪酸エステルを含
有し、該塗布液を非磁性支持体に塗布した後、形成した
非磁性層が湿潤状態にある間に、上記磁性層の乾燥膜厚
が0.05〜1.0μmになるように磁性層用塗布液を
塗布し、乾燥することを特徴とする磁気記録媒体の製造
方法。
【0013】
【0014】発明9:非磁性支持体上に非磁性層及び磁
性層をこの順に設けた磁気記録媒体において、上記非磁
性層は下記一般式〔III〕で示される化合物及び下記
一般式〔IV〕で示される化合物が含有し、且つ前記磁
性層は上記非磁性層を塗布後、湿潤状態にある間に、上
記磁性層の乾燥膜厚が0.05〜1.0μmになるよう
に形成された構成であることを特徴とする磁気記録媒
体。
【0015】
【化7】 〔各式中、R2及びR3は炭素原子数11〜22の炭化水
素基、R4及びR5 は水素原子又はメチル基、R6は炭
素原子数1〜22の炭化水素基、R7は炭素原子数3〜
18の分枝状炭化水素基並びにmは2〜10の整数を表
わす。〕
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】発明10:非磁性層にグリセリンエステル
が含有されてなる発明9に記載の磁気記録媒体。
【0020】
【0021】発明11:磁性層に強磁性金属粉末または
六方晶フェライト粉末が含有されている発明9に記載の
磁気記録媒体。
【0022】発明12:結合剤として芳香族ポリエステ
ルポリウレタンが含有されてなる発明9に記載の磁気記
録媒体。
【0023】発明13:磁性層にAlを含有する強磁性
金属粉末が含有されてなる発明9に記載の磁気記録媒
体。
【0024】
【0025】発明14:非磁性支持体上に非磁性層及び
磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体において、上記非
磁性層は不飽和脂肪酸と不飽和アルコールからなる脂肪
酸エステル及びグリセリンエステルを含有し、且つ前記
磁性層の乾燥膜厚が0.05〜1.0μmであることを
特徴とする磁気記録媒体。
【0026】発明15:上記脂肪酸エステルに加えてさ
らに下記一般式〔V〕で示される化合物を含有すること
を特徴とする発明14に記載の磁気記録媒体。
【0027】
【化10】 〔式中、R4、R5は水素原子又はメチル基、R8は炭素
原子数11〜22の炭化水素基、R9は炭素原子数1〜
22の炭化水素基並びにlは1〜10の整数を表わ
す。〕 発明16:前記非磁性層に数平均粒径10〜40nmの
カーボンブラックが含有されている発明14又は15に
記載の磁気記録媒体。
【0028】発明17:前記数平均粒径10〜40nm
のカーボンブラックの吸油量がDBP値で20ml/1
00g〜100ml/100gである発明16に記載の
磁気記録媒体。
【0029】発明18:前記磁性層に数平均粒径10〜
30nmのカーボンブラックと数平均粒径40〜500
nmのカーボンブラックが含有されてなる発明14〜1
7のいずれかに記載の磁気記録媒体。
【0030】発明19:前記非磁性層に脂肪酸が含有さ
れてなる発明14に記載の磁気記録媒体。
【0031】発明20:結合剤として芳香族ポリエステ
ルポリウレタンが含有されてなる発明14又は15に記
載の磁気記録媒体。
【0032】発明21:磁性層にAlを含有する強磁性
金属粉末が含有されてなる発明14又は15に記載の磁
気記録媒体。
【0033】発明22:非磁性支持体上に非磁性層及び
磁性層をこの順に塗設する磁気記録媒体の製造方法にお
いて、上記非磁性層用塗布液は不飽和脂肪酸と不飽和ア
ルコールからなる脂肪酸エステル及びグリセリンエステ
ルを含有する該塗布液を非磁性支持体に塗布した後、形
成した非磁性層が湿潤状態にある間に、上記磁性層の乾
燥膜厚が0.05〜1.0μmになるように磁性層用塗
布液を、非磁性層上に塗布し、乾燥することを特徴とす
る磁気記録媒体の製造方法。
【0034】
【0035】
【発明の作用及び具体的構成】本発明者は、上記技術的
課題を解決すべく研究を続けた結果、高密度化のために
は上層の磁性層の薄膜化が必須となってくるが、上層が
薄膜化されてくるにつれ磁性層表面の特性は下層の表面
性や下層からの潤滑剤の補給に大きく依存してくること
を突き止めた。そのため、前記の問題点の解決のために
は下層に含まれる成分の特性にも必須の要件があること
を本発明者は見い出した。以下、本発明を詳述する。 (層構成)本発明の磁気記録媒体は、基本的に、非磁性
支持体上に、非磁性層と磁性層とを形成してなる。な
お、非磁性支持体上の上記磁性層が設けられていない面
(裏面)には、磁気記録媒体の走行性、耐久性の向上、
帯電防止および転写防止などを目的として、バックコー
ト層を設けたり、筆記層や印字記録層を設けたり、偽造
防止層を設けることが好ましく、また非磁性層と非磁性
支持体との間には、下引き層を設けることもできる。ま
た、最上層の磁性層上に、必要に応じて、オーバーコー
ト層を設けることもできる。
【0036】(非磁性支持体)前記非磁性支持体を形成
する材料としては、たとえばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2、6−ナフタレート等のポリエス
テル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロ
ーストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセ
ルロース誘導体、ポリアミド、ポリカーボネート等のプ
ラスチックなどを挙げることができる。
【0037】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。
【0038】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、たとえばフィルム状やシート状の場合は通常3〜1
00μm、好ましくは5〜50μmであり、ディスクや
カード状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の
場合はレコーダー等に応じて適宜に選択される。
【0039】尚、この非磁性支持体は単独構造のもので
あっても多層構造のものであってもよい。また、この非
磁性支持体は、たとえばコロナ放電処理等の表面処理を
施されたものであってもよい。なお又、非磁性支持体上
の上記磁性層が設けられていない面(表面)には、磁気
記録媒体の走行性の向上、帯電防止および転写防止など
を目的として、バックコート層を設けたり、筆記用層や
印字記録層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性
支持体との間には、下引き層を設けることができるし、
最上層の磁性層上に、オーバーコート層を設けることが
できることは前記したとおりである。
【0040】(磁性層)この発明においては、磁性層
は、基本的には磁性粉をバインダー樹脂中に分散せしめ
てなる。この磁性層には、公知の磁性粉末を用いること
ができるが、特に強磁性金属粉末や六方晶系磁性粉を含
有することが好ましい。また、磁性層の膜厚は通常0.
05〜1.0μm以下であり、好ましくは0.05〜
0.5μmであり、さらに好ましくは0.1〜0.4μ
mである。
【0041】−六方晶系フェライト粉末− 六方晶系の磁性粉としては、たとえば、六方晶系フェラ
イトを挙げることができる。このような六方晶系フェラ
イトは、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト等からなり、鉄元素の一部が他の元素(たとえば、T
i、Co、Zn、In、Mn、Ge、Hb等)で置換さ
れていても良い。このフェライト磁性体については、I
EEE Trans,on MAG−18 16(19
82)に詳しく述べられている。
【0042】この発明において、特に好ましい六方晶系
の磁性粉としては、バリウムフェライト(以下Ba−フ
ェライトと記す)磁性粉を挙げることができる。この発
明で用いることのできる好ましいBa−フェライト磁性
粉は、Ba−フェライト粉の、Feの一部が少なくとも
CoおよびZnで置換された平均粒径(六方晶系フェラ
イトの板面の対角線の高さ)300〜900Å、板状比
(六方晶系フェライトの板面の対角線の長さを板厚で除
した値)2.0〜10.0、より好ましくは2.0〜
6.0、保磁力(Hc)450〜1500 OeのBa
−フェライトである。
【0043】Ba−フェライト粉は、FeをCoで一部
置換することにより、保磁力が適正な値に制御されてお
り、さらにZnで一部置換することにより、Co置換の
みでは得られない高い飽和磁化を実現し、高い再生出力
を有する電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得ること
ができる。また、さらにFeの一部をNbで置換するこ
とにより、より高い再生出力を有する電磁変換特性に優
れた磁気記録媒体を得ることができる。また、この発明
に用いられるBa−フェライトは、さらにFeの一部が
Ti、In、Mn、Cu、Ge、Sn等の遷移金属で置
換されていても差支えない。
【0044】なお、この発明に使用するBa−フェライ
トは次の一般式で表される。 BaOn((Fe1-mm23) [ただし、m>0.36(ただし、Co+Zn=0.0
8〜0.3、Co/Zn=0.5〜10)であり、nは
5.4〜11.0であり、好ましくは5.4〜6.0で
あり、Mは置換金属を表し、平均価数が3となる2種以
上の元素の組合せになる磁性粒子が好ましい。]この発
明において、Ba−フェライトの平均粒径、板状比、保
磁力が前記好ましい範囲内にあると好ましい理由は、次
の通りである。すなわち、平均粒径0.04μm未満の
場合は、磁気記録媒体としたときの再生出力が不十分と
なり、逆に0.1μmを超えると、磁気記録媒体とした
ときの表面平滑性が著しく悪化し、ノイズレベルが高く
なりすぎることがあり、また、板状比が2.0未満で
は、磁気記録媒体としたときに高密度記録に適した垂直
配向率が得られず、逆に板状比が6.0を超えると磁気
記録媒体としたときの表面平滑性が著しく悪化し、ノイ
ズレベルが高くなりすぎ、さらに、保磁力が350 O
e未満の場合には、記録信号の保持が困難になり、20
00 Oeを超えると、ヘッド限界が飽和減少を起こし
記録が困難になることがあるからである。
【0045】この発明に用いられる六方晶系の磁性粉
は、磁気特性である飽和磁化量(σs)が通常、50e
mu/g以上であることが望ましい。この飽和磁化量が
50emu/g未満であると、電磁変換特性が劣化する
ことがある。
【0046】この発明に用いられるBa−フェライトの
好ましい一具体例としては、Co−置換Baフェライト
を挙げることができる。
【0047】さらに本発明においては、記録の高密度化
に応じて、BET法による比表面積が30m/g以上
のBa−フェライト磁性粉を用いることが望ましい。
【0048】この発明に用いられる六方晶系の磁性粉を
製造する方法としては、たとえば目的とするBa−フェ
ライトを形成するのに必要な各元素の酸化物、炭酸化物
を、たとえばホウ酸のようなガラス形成物質とともに溶
融し、得られた融液を急冷してガラスを形成し、次いで
このガラスを所定温度で熱処理して目的とするBa−フ
ェライトの結晶粉を析出させ、最後にガラス成分を熱処
理によって除去するという方法のガラス結晶化法の他、
共沈−焼成法、水熱合成法、フラックス法、アルコキシ
ド法、プラズマジェット法等が適用可能である。
【0049】なお、この発明においては、強磁性金属粉
末と六方晶系の磁性粉とを混合して使用することもでき
る。この磁性層中の強磁性金属粉末および/または六方
晶系の磁性粉の含有量は通常、50〜99重量%であ
り、好ましくは60〜99重量%である。
【0050】磁気記録媒体としたときの再生出力を十分
とするには前記Ba−フェライトの平均粒径が300Å
以上であるのが好ましく、表面平滑性を向上させ、ノイ
ズレベルを低くするには900Å以下であるのが好まし
い。また板状比を2.0以上とすることで、磁気記録媒
体としたときの高密度記録に適した垂直配向率が得ら
れ、表面平滑性を向上させ、ノイズレベルを低くするた
めには、板状比が10.0以下であるのが好ましい。さ
らに記録信号の保持のためには保磁力が450Oe以上
が好ましく、ヘッドが飽和してしまうのを防ぐには15
00 Oe以下が好ましい。
【0051】−強磁性金属粉末− 磁性層に用いられる強磁性金属粉末としては、Fe、C
oをはじめ、Fe−Al系、Fe−Al−Ni系、Fe
−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Al−C
a系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni
−Co系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、Fe−N
i−Si−Al−Zn系、Fe−Al−Si系、Fe−
Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、Fe−Ni−Si
系、Fe−Mn−Zn系、Fe−Co−Ni−P系、N
i−Co系、Fe、Ni、Co等を主成分とするメタル
磁性粉等の強磁性粉が挙げられる。中でも、Fe系金属
粉が電気的特性に優れる。
【0052】他方、耐蝕性および分散性の点から見る
と、Fe−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−
Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、F
e−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−A
l−Mn系などのFe−Al系金属粉が好ましい。
【0053】特に、この発明の目的に好ましい強磁性金
属粉は、鉄を主成分とする金属磁性粉であり、Alまた
は、AlおよびCaを、Alについては重量比でFe:
Al=100:0.5〜100:20、Caについては
重量比でFe:Ca=100:0.1〜100:10の
範囲で含有するのが望ましい。
【0054】Fe:Alの比率をこのような範囲にする
ことで耐蝕性が著しく改良され、またFe:Caの比率
をこのような範囲にすることで電磁変換特性を向上さ
せ、ドロップアウトを減少させることができる。電磁変
換特性の向上やドロップアウトの減少がもたらされる理
由は明らかでないが、分散性が向上することによる保磁
力のアップや凝集物の減少等が理由として考えられる。
【0055】この発明に用いられる好適な強磁性金属粉
末は、透過型電子顕微鏡により観察されるその平均長軸
長が0.25μm未満、特に0.03〜0.22μm、
より好ましくは0.05〜0.17μmでかつX線粒径
(結晶子サイズ)が200Å未満、特に50〜180Å
であることが好ましい。又軸比(平均長軸長/平均短軸
長)が12以下、好ましくは10以下、さらに好ましく
は4〜9であるのが良い。強磁性金属粉末の平均長軸長
および結晶サイズ、軸比が前記範囲内にあるとさらに高
域特性、特に垂直記録成分の出力を高めることができ
る。
【0056】なお本発明で用いられる磁性粉や非磁性粉
の平均長軸長や数平均粒径(球状粒子の場合)は、透過
型電子顕微鏡写真により強磁性粉末又は非磁性粉末の5
00個の長軸長又は直径(球状粒子の場合)を測定した
平均値である。また結晶子サイズは、X線回折装置によ
りFeの(110)回折線の積分幅を用いて、Si粉末
を基準としたシェラー法で測定した。求め方について
は、X線回折の手引き(理学電気株式会社)に記載の方
法により、二重線による拡がりの補正については、77
頁に記載のA:Jonesによる補正(積分幅)により
求めた。また軸比は電子顕微鏡写真で500個の粒子の
平均長軸長と平均短軸長を計測し(平均長軸長/平均短
軸長)として求めた。
【0057】また、この発明に用いられる強磁性金属粉
末は、その保磁力(Hc)が通常600〜5,000
Oeの範囲にあることが好ましい。この保磁力が600
Oe未満であると、電磁変換特性が劣化することがあ
り、また保磁力が5,000 Oeを超えると、通常の
ヘッドでは記録不能になることがあるので好ましくな
い。
【0058】また、上記強磁性粉末は、磁気特性である
飽和磁化量(σs)が通常、120emu/g以上であ
ることが好ましく、特に130〜170emu/gであ
ることが好ましい。さらにこの発明においては、記録の
高密度化に応じて、BET法による比表面積で30m
/g以上、特に45m/g以上の強磁性金属粉末が好
ましく用いられる。
【0059】比表面積ならびにその測定方法について
は、「粉体の測定」(J.M.Dallavelle,
Clyeorr Jr.共著、牟田その他訳:産業図書
社刊)に詳述されており、また「化学便覧」応用編P1
170〜1171(日本化学会編:丸善(株)昭和41
年4月30日発行)にも記載されている。比表面積の測
定は、たとえば粉末を105℃前後で13分間加熱処理
しながら脱気して粉末に吸着されているもの除去し、そ
の後、この粉末を測定装置に導入して窒素の初期圧力を
0.5kg/mに設定し、窒素により液体窒素温度
(−105℃)で10分間測定を行なう。測定装置は例
えばカウンターソープ(湯浅アイオニクス(株)製)を
使用する。
【0060】前記強磁性金属粉末は、その構成元素とし
てFe、Al、および希土類元素の少なくとも1つを含
有する。即ち、SmとNdとYとPrとLaからなる群
より選択される1種以上の希土類元素を含有することが
好ましい。
【0061】この発明における強磁性金属粉末は、その
全体組成におけるFe、Al及び、希土類元素(Smと
NdとYとPrとLaからなる群より選択される1種以
上のものが好ましい。)の存在比率が、Fe原子100
重量部に対して、Al原子は1〜20重量部であり、
(好ましくはSmとNdとYとPrとLaとからなる群
より選択される1種以上の)希土類元素は1〜16重量
部である。また、その表面におけるFe、Al(好まし
くはSmとNdとYとPrとLaからなる群より選択さ
れる1種以上の)希土類元素の存在比率が、Fe原子数
100に対して、Al原子数は70〜300であり、希
土類元素の原子数は0.5〜100であるのが好まし
い。
【0062】また、より好ましくは、強磁性金属粉末
が、その構成元素として更にNa及びCaを含有し、該
強磁性金属粉末全体における元素の重量比が、Fe原子
100重量部に対して、Na原子は0.1重量部未満で
あり、Ca原子は0.1〜2重量部であり、Al原子は
2〜10重量部であり、希土類元素は1〜8重量部であ
り、かつ、該強磁性金属粉末の表面を形成する元素の平
均存在比率は、Fe原子数100に対して、Na原子数
は2〜30であり、Ca原子数は5〜30であり、Al
原子数は70〜200であり、希土類元素の原子数は
0.5〜30である。
【0063】また好ましくは、強磁性金属粉末が、その
構成元素としてCo、NiおよびSiから選ばれる少な
くとも1種の元素を含有し、強磁性金属粉末全体におけ
る元素の重量比が、Fe原子100重量部に対して、C
o原子が2〜60重量部であり、Ni原子が2〜20重
量部であり、Si原子が0.3〜5重量部であり、Na
原子が0.1重量部未満であり、Ca原子が0.1〜2
重量部であり、Al原子が1〜20重量部であり、希土
類元素の原子が1〜16重量部であり、かつ該強磁性金
属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率が、Fe原
子数100に対して、Co原子数が0.1未満であり、
Ni原子数が0.1未満であり、Si原子数が20〜1
30であり、Na原子数が2〜30であり、Ca原子数
が5〜30であり、Al原子数が70〜300であり、
希土類元素の原子数は0.5〜100である。
【0064】(非磁性層)この発明における下層の非磁
性層には公知の非磁性粉末を適宜選択して使用すること
ができる。非磁性粉末としては、この種磁気記録媒体に
使用される公知の各種の非磁性粉末から適宜に選択して
使用することが好ましい。この非磁性粉末としては、例
えば、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン、
硫酸バリウム、ZnS、MgCO3 、CaCO3 、Zn
O、CaO,二硫化タングステン、二硫化モリブデン、
窒化ホウ酸、MgO、SnO2 、SiO2 、Cr2
3 、α−Al23 、α−Fe、α−FeOO
H、SiC、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモ
ンド、α−酸化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒
化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化モリブデン、
炭化ホウ素、炭化タングステン、チタンカーバイド、ト
リポリ、ケイソウ土、ドロマイトや、ポリエチレン等の
ポリマー粉末等を挙げることができる。
【0065】これらの中でも好ましいのは、カーボンブ
ラック、CaCO3 、酸化チタン、硫酸バリウム、α−
Al23 、α−Fe、α−FeOOH、Cr
等の無機粉末やポリエチレン等のポリマー粉末等で
あり、、その中でもα−Fe、α−FeOOHが
好ましく、特に好ましいのはα−Feである。こ
の発明においては、粉末の形状が針状である非磁性粉末
を好適に使用することができる。前記針状の非磁性粉末
を用いると、非磁性層の表面の平滑性を向上させること
ができ、その上に積層される磁性層からなる最上層にお
ける表面の平滑性も向上させることができる。
【0066】なお、ここでいう非磁性層とは、完全に非
磁性である層(飽和磁束密度Bmが0)のほかに実質的
に非磁性である層(わずかに磁性をおびた層のことで、
Bmが0.01〜29ガウス)も含まれるものとする。
特に下層のフィラーとして針状のα−Feを用い
る場合は、層のBmが通常0.01〜29ガウス程度と
なるが、この場合も、本発明でいうところの非磁性層と
よぶこととする。
【0067】非磁性層の厚みとしては、通常0.2〜
2.5μmであり、好ましくは0.5〜2.0μmであ
る。前記厚みが2.5μm以下であると、重層後の上層
表面の表面粗さが上昇する、いわゆる重層面粗れが発生
しにくく、好ましい電磁変換特性が得られ、一方、0.
2μm以上であると、カレンダ時に高い平滑性を得るこ
とができ、電磁変換特性が良好となる。
【0068】非磁性粉末の形状、軸比をコントロールす
るには、出発物質となる原体の選択や、酸化還元条件の
選択、焼結防止剤の選択等、公知の方法を組み合わせる
ことで行うことができる。
【0069】本発明の下層に用いる前記針状の非磁性粉
末の長軸径、又は針状でない非磁性粉末の数平均粒径は
20nm以上、250nm以下であり、好ましくは22
0nm以下であり、特に好ましくは200nm以下であ
る。
【0070】前記針状の非磁性粉末及び磁性粉末の短軸
径としては、通常10nm以上、100nm以下であ
り、好ましくは80nm以下であり、特に好ましくは6
0nm以下である。
【0071】前記針状の非磁性粉末及び磁性粉末の軸比
としては、通常2〜20であり、好ましくは5〜15で
あり、特に好ましくは5〜10である。ここでいう軸比
とは、短軸径に対する長軸径の比(長軸径/短軸径)の
ことをいう。
【0072】前記非磁性粉末又は磁性粉末の比表面積と
しては、通常10〜250m/gであり、好ましくは
20〜150m/gであり、特に好ましくは30〜1
00m/gである。
【0073】前記範囲の長軸径、短軸径、軸比及び比表
面積を有する非磁性粉末を使用すると、非磁性層の表面
性を良好にすることができると共に、磁性層である最上
層の表面性も良好な状態にすることができる点で好まし
い。
【0074】本発明において、前記非磁性粉末が、Si
化合物及び/又はAl化合物により表面処理されている
ことが好ましい。かかる表面処理のなされた非磁性粉末
を用いると磁性層である最上層の表面状態を良好にする
ことができる。前記Si及び/又はAlの含有量として
は、前記非磁性粉末に対して、Siが0.1〜10重量
%、Alが0.1〜10重量%であるのが好ましく、よ
り好ましくはSiが0.1〜5重量%、Alが0.1〜
5重量%であり、特にSiが0.1〜2重量%、Alが
0.1〜2重量%であるのがよい。又、非磁性粉末の場
合は、Si、Alの重量比がSi<Alであるのがよ
い。表面処理に関しては特開平2−83219号に記載
された方法により行うことができる。
【0075】前記非磁性粉末の下層中における含有量と
しては、下層を構成する全成分の合計に対して、通常5
0〜99重量%であり、好ましくは60〜95重量%で
あり、特に好ましくは70〜95重量%である。非磁性
粉末の含有量が前記範囲内にあると、磁性層である最上
層及び下層の表面状態を良好にすることができる。
【0076】−カーボンブラック− 磁性層に含有させるカーボンブラックとしてはDBP吸
油量110ml/100g〜500ml/100gのカ
ーボンブラック(以下、カーボンブラックBという。)
が好ましい。このようなものとしては、例えば旭カーボ
ンブラック社製旭#80(23nm、113ml/10
0g)、コロンビアンカーボン社製コンダクテックスS
C(17nm、115ml/100g)、コンダクテッ
クス975(20nm、183ml/100g)、キャ
ボット社製モナーク1300(13nm、121ml/
100g)、バルカンXC−72(30nm、178m
l/100g)、バルカンP(20nm、116ml/
100g)、バルカン9(19nm、114ml/10
0g)、ブラックパールズ2000(15nm、330
ml/100g)等がある。
【0077】非磁性層に含有させるカーボンブラックと
しては、DBP吸油量20ml/100g〜110ml
/100gのカーボンブラック(以下、カーボンブラッ
クAという。)が好ましい。このようなものとしては、
例えばコロンビアンカーボン社製Raven5000
(12nm、95ml/100g)、Raven125
5(23nm、58ml/100g)、Raven10
35(27nm、60ml/100g)、Raven2
000(18nm、70ml/100g)、キャボット
社製ブラックパール1400(13nm、80ml/1
00g)、ブラックパール1300(13nm、91m
l/100g)、ブラックパール1100(14nm、
50ml/100g)、ブラックパール900(15n
m、64ml/100g)、ブラックパールL(24n
m、55ml/100g)レーガル400(25nm、
70ml/100g)等がある。
【0078】磁性層に含まれるカーボンブラックBとし
ては、磁性層の表面を平滑にし、高出力を得る目的から
その数平均粒径は10〜40nmであることが好まし
く、より好ましくは10〜30nmである。
【0079】非磁性層に含まれるカーボンブラックAに
ついても上層の磁性層が薄膜化するにつれ、上層の磁性
層の表面性は下層の表面性に大きく依存してくる。この
ため、下層の非磁性層に含まれるカーボンブラックAの
特性は重要であり、数平均粒径が10〜40nmであり
かつ吸油量がDBT値で20ml/100g〜100m
l/100gであるカーボンブラックを選択すること
が、非磁性層の分散性を向上し、良好な表面性をうるた
めに好ましい。
【0080】なおここでカーボンブラックAの数平均粒
径は好ましくは10〜40nmであり、より好ましくは
10〜30nmである。またカーボンブラックAの吸油
量はDBP値で30〜90ml/100gであるのが好
ましく、40〜80ml/100gであるのがより好ま
しい。
【0081】磁性層に含まれるカーボンブラックBの重
量は磁性粉に対して0.1〜5.0重量%であるのが好
ましく、0.2〜2.0重量%であるのがより好まし
い。非磁性層に含まれるカーボンブラックAの重量は非
磁性粉に対して5.0〜30重量%であるのが好まし
く、7.0〜20重量%であるのがより好ましい。
【0082】カーボンブラックBの吸油量はDBP値で
130〜350ml/100gであるのが好ましく、1
50〜250ml/100gであるのがより好ましい。
【0083】磁性層には、前記したカーボンブラックB
に加え、さらに数平均粒径40〜500nmであるカー
ボンブラックCを用いると本発明の効果をよりよく発揮
することができる。ここでカーボンブラックCの吸油量
はDBP値で110ml/100g〜500ml/10
0gであるのが好ましく、130〜350ml/100
gであるのがより好ましい。またカーボンブラックCの
添加量は磁性粉に対して0.1〜2.0重量%であるの
が好ましく、0.2〜1.0重量%であるのがより好ま
しい。
【0084】カーボンブラックの添加法は種々採用でき
る。例えば、カーボンブラックの微粒子、粗粒子を同時
に分散機に投入して混合してもよく、その一部のみを先
に投入し、分散がある程度進んだ時点で残量を投入する
方法をとってもよい。カーボンブラックの分散を特に重
視する場合には、カーボンブラックを磁性体或はフィラ
ーとバインダと共に三本ロールミル、バンバリミキサ等
によって混練し、この後に分散機で分散して塗料とする
こともできる。磁性層以外の層のように、導電性をより
重視するときは、できるだけ分散工程、調液工程の後半
でカーボンブラックを加えるようにすると、カーボンブ
ラックのストラクチャー構造が切断されにくい。
【0085】カーボンブラックを予めバインダと共に混
練しておいたいわゆる“カーボンマスターパッチ”を利
用してもよい。
【0086】ここで、上記のカーボンブラックの粒径は
電子顕微鏡により目視で直接測定する。すなわち、磁気
記録媒体、例えばテープを長手方向に厚さ約700Åに
切断し、得られた断面を透過型電子顕微鏡で観察する
(印加電圧200KV、倍率=60,000)。この場
合、カーボンブラックを1個ずつ粒子の直径を測定し、
N=100個の数平均粒径を「数平均粒径」とする。
【0087】また上記の「吸油量(DBP法)」につい
ては、顔料粉末100gにDBP(Dibutylph
thalate)を少しずつ加え、練り合わせながら顔
料の状態を観察し、ばらばらに分散した状態から一つの
塊をなす点を見出したときのDBPのml数をDBP吸
油量とする。
【0088】(バインダー)磁性層及び非磁性層を形成
するのに使用されるバインダーとしては、例えば、ポリ
ウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩
化ビニル系樹脂等が代表的なものであり、これらの樹脂
は−SO3 M、−OSO3 M、−COOMおよび−OP
O(OM、−PO(OM12 から選ばれた少な
くとも一種の極性基を有することが好ましい。ただし、
上記極性基において、Mは水素原子あるいはNa、K、
Li等のアルカリ金属を表わし、またM1 は水素原子、
Na、K、Li等のアルカリ原子あるいはアルキル基を
表す。
【0089】上記極性基は強磁性粉末の分散性を向上さ
せる作用があり、各樹脂中の含有率は0.1〜8.0モ
ル%、好ましくは0.5〜6.0モル%である。この含
有率が0.1モル%未満であると、強磁性粉末の分散性
が低下し、また含有率が8.0モル%を超えると、磁性
塗料がゲル化し易くなる。なお、前記各樹脂の重量平均
分子量は、15,000〜50,000の範囲が好まし
い。
【0090】結合剤(バインダー)の磁性層における含
有率は、強磁性粉末100重量部に対して通常、10〜
40重量部、好ましくは15〜30重量部である。結合
剤(バインダー)は一種単独に限らず、二種以上を組み
合わせて用いることができるが、この場合、ポリウレタ
ンおよび/またはポリエステルと塩化ビニル系樹脂との
比は、重量比で通常、90:10〜10:90であり、
好ましくは70:30〜30:70の範囲である。
【0091】この発明に結合剤として用いられる極性基
含有塩化ビニル系共重合体は、たとえば塩化ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体など、水酸基を有する共重合体
と下記の極性基および塩素原子を有する化合物との付加
反応により合成することができる。
【0092】Cl−CH2 CH2 SO3 M、Cl−CH
2 CH2 OSO3 M、Cl−CH2COOM、Cl−C
2 −P(=0)(OM12 これらの化合物からCl−CH2 CH2 SO3 Naを例
にとり、上記反応を説明すると、次のようになる。 −CH2 C(OH)H−+ClCH2 CH2 SO3 Na
→−CH2 C(OCH2 CH2 SO3 Na)H−。
【0093】また、極性基含有塩化ビニル系共重合体
は、極性基を含む繰り返し単位が導入される不飽和結合
を有する反応性モノマーを所定量オートクレーブ等の反
応容器に仕込み、一般的な重合開始剤、たとえばBPO
(ベンゾイルパーオキシド)、AIBN(アゾビスイソ
ブチロニトリル)等のラジカル重合開始剤、レドックス
重合開始剤、カチオン重合開始剤などを用いて重合反応
を行なうことにより、得ることができる。
【0094】スルホン酸又はその塩を導入するための反
応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p−スチレン
スルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの
塩を挙げることができる。
【0095】カルボン酸もしくはその塩を導入するとき
は、例えば(メタ)アクリル酸やマレイン酸等を用い、
リン酸もしくはその塩を導入するときは、例えば(メ
タ)アクリル酸−2−リン酸エステルを用いればよい。
【0096】塩化ビニル系共重合体にはエポキシ基が導
入されていることが好ましい。このようにすると、重合
体の熱安定性が向上するからである。
【0097】エポキシ基を導入する場合、エボキシ基を
有する繰り返し単位の共重合体中における含有率は、1
〜30モル%が好ましく、1〜20モル%がより好まし
い。エポキシ基を導入するためのモノマーとしては、た
とえばクリシジルアクリレートが好ましい。
【0098】なお、塩化ビニル系共重合体への極性基の
導入技術に関しては、特開昭57−44227号、同5
8−108052号、同59−8127号、同60−1
01161号、同60−235814号、同60−23
8306号、同60−238371号、同62−121
923号、同62−146432号、同62−1464
33号等の公報に記載があり、この発明においてもこれ
らを利用することができる。
【0099】次に、この発明に用いるポリエステルとポ
リウレタンの合成について述べる。一般に、ポリエステ
ルはポリオールと多塩基酸との反応により得られる。こ
の公知の方法を用いて、ポリオールと一部に極性基を有
する多塩基酸から、極性基を有するポリエステル(ポリ
オール)を合成することができる。
【0100】極性基を有する多塩基酸の例としては、5
−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−
スルホイソフタル酸、3−スルホフタル酸、5−スルホ
イソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタル酸ジア
ルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、3−スル
ホイソフタル酸ジアルキルおよびこれらのナトリウム
塩、カリウム塩を挙げることができる。
【0101】ポリオールの例としては、トリメチロール
プロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリス
リトール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1.3−ブタンジオール、1.4−ブタンジオー
ル、1.6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができ
る。なお、他の極性基を導入したポリエステルも公知の
方法で合成することができる。
【0102】次に、ポリウレタンに付いて述べる。これ
は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応から得ら
れる。ポリオールとしては、一般にポリオールと多塩基
酸との反応によって得られるポリエステルポリオールが
使用されている。したがって、極性基を有するポリエス
テルポリオールを原料として用いれば、極性基を有する
ポリウレタンを合成することができる。
【0103】本発明においては芳香環を有するポリエス
テルポリオールを用いて作られた芳香族ポリエステルポ
リウレタンを用いることが本発明の目的を達成する上で
好ましい。
【0104】ポリイソシアネートの例としては、ジフェ
ニルメタン−4−4′−ジイソシアネート(MDI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリレ
ンジイソシアネート(TDI)、1.5−ナフタレンジ
イソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート
(TODI)、リジンイソシアネートメチルエステル
(LDI)等が挙げられる。
【0105】また、極性基を有するポリウレタンの他の
合成方法として、水酸基を有するポリウレタンと極性基
および塩素原子を有する下記の化合物との付加反応も有
効である。 Cl−CH2 CH2 SO3 M、Cl−CH2 CH2 OS
2 M、Cl−CH2 COOM、Cl−CH2 −P(=
0)(OM12 なお、ポリウレタンへの極性基導入に関する技術として
は、特公昭58−41565号、特開昭57−9242
2号、同57−92423号、同59−8127号、同
59−5423号、同59−5424号、同62−12
1923号等の公報に記載があり、この発明においても
これらを利用することができる。
【0106】この発明においては、結合剤として下記の
樹脂を全結合剤の20重量%以下の使用量で併用するこ
とができる。その樹脂としては、重量平均分子量が1
0,000〜200,000である、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロー
ス等)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルム
アミド樹脂、各種の合成ゴム系樹脂等が挙げられる。
【0107】(その他の成分)この発明では、磁性層お
よびその他の各層の耐久性を向上させるために、ポリイ
ソシアネートを含有させることが望ましい。
【0108】ポリイソシアネートとしては、たとえばト
リレンジイソシアネート(TDI)等と活性水素化合物
との付加体などの芳香族ポリイソシアネートと、ヘキサ
メチレンジイソシアネート(HMDI)等と活性水素化
合物との付加体などの脂肪族ポリイソシアネートがあ
る。ポリイソシアネートの重量平均分子量は、100〜
3,000の範囲にあることが望ましい。
【0109】本発明では、磁性層及びその他の各層に必
要に応じて分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤および
充填剤などの添加剤を含有させることができる。まず、
分散剤としては、例えば特開平4−214218号の段
落番号0093に記載のものなどを挙げることができ
る。これらの分散剤は、通常、強磁性粉に対して0.5
〜5重量%の範囲で用いられる。
【0110】次に、潤滑剤としては、脂肪酸および/ま
たは脂肪酸エステルを使用することができる。この場
合、脂肪酸の添加量は主として用いられる強磁性粉や非
磁性粉に対し0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜
5重量%がより好ましい。添加量が0.2重量%未満で
あると、走行性が低下し易く、また10重量%を超える
と、脂肪酸が磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が
生じ易くなる。
【0111】また、脂肪酸エステルの添加量も主として
用いられる強磁性粉や非磁性粉に対して0.2〜10重
量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。そ
の添加量が0.2重量%未満であると、スチル耐久性が
劣化し易く、また10重量%を超えると、脂肪酸エステ
ルが磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生じ易く
なる。
【0112】脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して潤滑
効果をより高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エステル
は重量比で10:90〜90:10が好ましい。脂肪酸
としては一塩基酸であっても二塩基酸であってもよく、
炭素数は6〜30が好ましく、12〜22の範囲がより
好ましい。
【0113】脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノレ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、ベヘン酸、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1.12−ド
デカンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸などが挙げ
られる。
【0114】脂肪酸エステルの具体例としては、オレイ
ルオレート、イソセチルステアレート、ジオレイルマレ
ート、ブチルステアレート、ブチルパルミテート、ブチ
ルミリステート、オクチルミリステート、オクチルパル
ミテート、ペンチルステアレート、ペンチルパルミテー
ト、イソブチルオレエート、ステアリルステアレート、
ラウリルオレエート、オクチルオレエート、イソブチル
オレエート、エチルオレエート、イソトリデシルオレエ
ート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘ
キシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、イソ
プロピルミリステート、ブチルラウレート、セチル−2
−エチルヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジエチ
ルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシル
アジペート、オレイルステアレート、2−エチルヘキシ
ルミリステート、イソペンチルパルミテート、イソペン
チルステアレート、ジエチレングリコール−モノ−ブチ
ルエーテルパルミテート、ジエチレングリコール−モノ
−ブチルエーテルパルミテートなどが挙げられる。
【0115】また、上記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の
潤滑剤として、例えばシリコーンオイル、グラファイ
ト、フッ化カーボン、二硫化モリブデン、二硫化タング
ステン、脂肪酸アミド、α−オレフィンオキサイドなど
も使用することができる。本発明1〜9では非磁性層に
融点が50℃未満の脂肪酸、50℃以上の脂肪酸及び脂
肪酸エステルが含有される。前記融点50℃未満の不飽
和脂肪酸の例としては、オレイン酸、エライジン酸、エ
ルカ酸、リノール酸、リノレン酸、セトレイン酸などを
挙げることができる。この中でも特にオレイン酸が好ま
しい。融点50℃以上の飽和脂肪酸の例としてはミリス
チン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ヘプタデシル
酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アラキン酸、リグノセリ
ン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリ
シン酸、ラクセル酸などを挙げることができる。この中
でも特にステアリン酸が好ましい。
【0116】本発明においてはさらに脂肪酸エステルと
して非磁性層にRCO−O−R(Rは炭素原子数
が1〜18の炭化水素基、Rは炭素原子数が11〜2
2の炭化水素基)及びRC=OO(CH−R−CH
−R−O)nR(Rは炭素原子数が11〜22の
炭化水素基、R、RはHまたはCH、1≦n≦1
0、Rは炭素原子数が1〜22の炭化水素基)が含有
されることが好ましく、又、R、R2、の炭化水
素基としては、直鎖状、分岐状の炭化水素基が、R
炭化水素基としては、飽和、不飽和の炭化水素基が好ま
しい。
【0117】このように融点50℃未満の脂肪酸及び融
点50℃以上の脂肪酸の複数の脂肪酸を非磁性層に含有
させていることで上層の磁性層へこれらの潤滑剤が適宜
補給されてゆき、高温から低温にいたる幅広い環境下で
安定な潤滑作用が発揮され、耐久性が格段に向上する。
前記の非磁性層には脂肪酸に加え、さらに融点の異なる
複数の脂肪酸エステルが含有されていることが耐久性を
向上させる点ではさらに好ましい。このような多数の異
なる潤滑剤を組み合わせたハイブリッドな潤滑剤システ
ムを用いることは従来に比べ格段の高密度化と高耐久
性、エラーレートの向上した高密度磁気ディスク媒体の
実現には重要な技術である。
【0118】また発明10〜15で使用する分岐脂肪酸
エステルを合成する際に用いるアルコールは炭素原子数
が3〜18の範囲内にあるアルコールであって、例えば
前記特開昭64−84430の6ページ、左下欄に記載
のものを用いることができる。本発明では非磁性層にさ
らにR3C=OO(CHR4CHR5O)n6(R3
4、R5、R6、nは前述と同じ)が含有されているこ
とが好ましい。このように種類の異なる脂肪酸エステル
を非磁性層に含有させていることで上層の磁性層へこれ
らの潤滑剤が適宜補給されてゆき、高温から低温に至る
幅広い環境下で安全な潤滑作用が発揮され、耐久性が格
段に向上する。前記非磁性層には上記脂肪酸エステルに
加え、グリセリンエステルが含有されていることが耐久
性を向上させる点でさらに好ましい。このような多数の
異なる潤滑剤を組み合わせたハイブリットな潤滑剤シス
テムを用いることは従来にくらべ格段の高密度下と高耐
久性、エラーレートの向上した高密度磁気ディスク媒体
の実現には重要な技術である。
【0119】また発明16〜25では非磁性層に不飽和
脂肪酸と不飽和アルコールからなる脂肪酸エステル及び
グリセリンエステルが含有される。前記脂肪酸エステル
として特に好ましいものとしてはオレイルオレートがあ
り、グリセリンエステルとして特に好ましいものとして
はグリセリントリオレートがある。
【0120】このような不飽和脂肪酸と不飽和アルコー
ルとのエステルにおける不飽和脂肪酸成分としては、オ
レイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸など
が適当なものとして挙げられ、中でもオレイン酸が最も
好ましいものとして挙げられる。不飽和アルコール成分
としては、オレイルアルコールなどが挙げられる。これ
らの不飽和脂肪酸成分と不飽和アルコール成分とのエス
テルの具体例としては、たとえば、オレイン酸オレイ
ル、エライジン酸オレイル、リノール酸オレイル、リノ
レン酸オレイル等が挙げられる。
【0121】グリセリンエステルは次の一般式で表され
るものが好ましい。
【0122】
【化11】 (但し、R、R、Rのうち少なくとも1つは炭素
原子数6〜30の一塩基性脂肪酸残基あり、それ以外は
水素原子であってよく、またR、R、Rは互いに
同一であっても異なっていてもよい。より好ましくは、
、R、Rの少なくとも1つの一塩基性脂肪酸残
基の炭素原子数が10〜22である。)このグリセリン
エステルは具体的には次のものであってよい。 (1)グリセリンとパルミチン酸(炭素原子数16)と
のエステル(ただし、エステルはモノエステル、ジエス
テル、トリエステルのいずれであってもよい(以下同
様)。) (2)グリセリンとステアリン酸(炭素原子数18)と
のエステル (3)グリセリンとオレイン酸(炭素原子数18)で1
つの不飽和炭素−炭素2重結合を含む)とのエステル (4)グリセリンとリノール酸(炭素原子数18で2つ
の不飽和炭素−炭素2重結合を含む)とのエステル (5)オリーブ油(天然物であり、各種グリセリンエス
テルの混合物) (6)グリセリンとラウリン酸(炭素原子数10)との
エステル (7)グリセリンとミリスチン酸(炭素原子数14)と
のエステル (8)グリセリンとパルミチン酸(炭素原子数16)と
のエステル (9)グリセリンとイソステアリン酸(炭素原子数1
8)とのエステル (10)グリセリンとベヘン酸(炭素原子数22)との
エステル (11)2−エチルヘキサン酸トリグリセライド (12)ベヘニン酸モノグリセライド (13)オレイン酸ステアリン酸モノジグリセライド (14)ジアセチルカプリン酸グリセライド (15)ジアセチルヤシ脂肪酸グリセライド (16)アセチルステアリン酸グリセライド (17)ジアセチルカプリン酸グリセライド (18)ジアセチルヤシ脂肪酸グリセライド (19)カプリル酸モノジグリセライド (20)アセチルステアリン酸グリセライド (21)カプリル酸トリグリセライド (22)脂肪酸(C、C10)トリグリセライド 以上において、2種以上のグリセリンエステルを併用し
てもよい。
【0123】本発明においては、グリセリンエステルに
加えて、ソルビタン等の他の多価アルコールのエステル
も併用してもよい。
【0124】本発明では非磁性層にさらに潤滑剤として
C=OO(CHR CHRO)(R
炭素数が11〜22の直鎖または分岐炭化水素基、
、RはHまたはCH、1≦n≦10、Rは炭
素数が1〜22の飽和または不飽和の炭化水素基)が含
有されていることが好ましい。されに脂肪酸エステルと
してROC=OR(Rは炭素原子数が1〜18の
炭化水素基、Rは炭素原子数が11〜22の炭化水素
基)が含有されていることが好ましい(R、Rの炭
化水素基の説明は、前記R〜Rの説明と同じ)。こ
のように種類の異なる脂肪酸エステル及びグリセリンエ
ステルを非磁性層に含有させていることで上層の磁性層
へこれらの潤滑剤が適宜補給されてゆき、高温から低温
に至る幅広い環境下で安全な潤滑作用が発揮され、耐久
性が格段に向上する。前記非磁性層には脂肪酸エステル
及びグリセリンエステルに加え、更に融点の異なる複数
の脂肪酸が含有されていることが耐久性を向上させる点
でさらに好ましい。このような多数の異なる潤滑剤を組
み合わせたハイブリットな潤滑剤システムを用いること
は従来にくらべ格段の高密度下と高耐久性、エラーレー
トの向上した高密度磁気ディスク媒体の実現には重要な
技術である。
【0125】次に、研磨剤の具体例としては、α−アル
ミナ、溶融アルミナ、酸化クロム、酸化チタン、α−酸
化鉄、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、炭
化モリブデン、炭化ホウ素、コランダム、酸化亜鉛、酸
化セリウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素などが挙げ
られる。研磨剤の数平均粒径は0.05〜0.6μmが
好ましく、0.1〜0.3μmがより好ましい。
【0126】ここで本発明の課題である広範囲の温度条
件下での耐久性やエラーレートを向上させるためには、
α−アルミナと酸化クロムの両方を少なくとも含有する
ことが好ましい。前記した研磨剤の含有量は磁性層の場
合磁性粉に対して0.5〜10重量%であるのが好まし
く、1〜5重量%であるのがより好ましい。なお研磨剤
の数平均粒径は透過型電子顕微鏡写真により100個の
粒径を測定した平均値である。
【0127】次に、帯電防止剤としては、カーボンブラ
ック、グラファイト等の導電性粉末;第四級アミン等の
カチオン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン
酸エステル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活
性剤;アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン
等の天然界面活性剤等を挙げることができる。上述した
帯電防止剤は、通常、結合剤に対して0.01〜40重
量%の範囲で添加される。
【0128】(磁気記録媒体の製造)この発明の磁気記
録媒体は上層の積層を、下層が湿潤状態にあるときに行
う所謂ウエット−オン−ウエット方式で塗設するのが好
ましい。このウエット−オン−ウエット方式は、公知の
重層構造型の磁気記録媒体の製造に使用される方法を適
宜に採用することができる。
【0129】本発明においては、Wet−on−wet
塗布法を用いることが好ましい以外は、その製造方法に
特に制限はなく、公知の重層構造型の磁気記録媒体の製
造に使用される方法に準じて製造することができる。た
とえば、一般的には強磁性粉、結合剤、分散剤、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤等を溶媒中で混練及び分散して
磁性塗料を調整した後、この磁性塗料を非磁性支持体の
表面に塗布する。
【0130】上記溶媒としては、たとえば特開平4−2
14218号の段落番号0119に記載のもの等を用い
ることができる。
【0131】磁性層やその他の層の形成成分の混練分散
にあたっては、各種の混練分散機を使用することができ
る。この混練分散機としては、たとえ特開平4−214
218号の段落番号0112に記載のものなどが挙げら
れる。上記混練分散機のうち、0.05〜0.5KW
(磁性粉1Kg当たり)の消費電力負荷を提供すること
のできる混練分散機は、加圧ニーダー、オープンニーダ
ー、連続ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミルで
ある。
【0132】非磁性支持体上に磁性層やその他の各層を
塗布するには、この発明の磁気記録媒体の製造に当たっ
ては、特に効果の点からウェット−オン−ウェット重層
塗布方式による同時重層塗布を行なうことが好ましい。
【0133】具体的には、図1に示すように、まず供給
ロール32から繰出したフィルム状支持体1に、エクス
トルージョン方式の押し出しコーター10、11によ
り、磁性層及びその他の層用の各塗料をウェット−オン
−ウェット方式で重層塗布した後、配向用磁石または垂
直配向用磁石33に通過し、乾燥器34に導入し、ここ
で上下に配したノズルから熱風を吹き付けて乾燥する。
次に、乾燥した各塗布層付きの支持体1をカレンダーロ
ール38の組合せからなるスーパーカレンダー装置37
に導き、ここでカレンダー処理した後に、巻き取りロー
ル39に巻き取る。このようにして得られた磁性フィル
ムを所望幅のテープ状に裁断して例えば8mmビデオカ
メラ用磁気記録テープを製造することができる。
【0134】上記の方法において、各塗料は、図示しな
いインラインミキサーを通して押し出しコーター10、
11へと供給してもよい。なお、図中、矢印Dは非磁性
ベースフィルムの搬送方向を示す。押し出しコーター1
0、11には夫々、液溜まり部13、14が設けられ、
各コーターからの塗料をウェット−オン−ウェット方式
で重ねる。即ち、下層磁性層用塗料の塗布直後(未乾燥
状態のとき)に上層塗料を重層塗布する。前記コーター
ヘッドは、図2に示した(ウ)のヘッドが本願発明にお
いては好ましい。
【0135】ウェット−オン−ウェット重層塗布方法
は、リバースロールと押し出しコーターとの組み合わ
せ、グラビアロールと押し出しコーターとの組み合わせ
なども使用することができる。さらにはエアドクターコ
ーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スク
ィズコーター、含浸コーター、トランスファロールコー
ター、キスコーター、キャストコーター、スプレイコー
ター等を組み合わせることもできる。
【0136】このウェット−オン−ウェット方式による
重層塗布においては、下層が湿潤状態になったままで上
層を塗布するので、下層の表面(即ち、上層と境界面)
が滑らかになるとともに上層の表面性が良好になり、か
つ、上下層間の接触性も向上する。この結果、特に高密
度記録のために高出力、低ノイズの要求されるたとえば
磁気カードとしての要求性能を満たしたものとなりか
つ、高耐久性の性能が要求されることに対しても膜剥離
をなくし、膜強度が向上し、耐久性が十分となる。ま
た、ウェット−オン−ウェット重層塗布方式により、ド
ロップアウトも低減することができ、信頼性も向上す
る。
【0137】上記塗料に配合される溶媒あるいはこの塗
料の塗布時の希釈溶媒としては、特開平4−21421
8号の段落番号0119に記載のもの等が使用できる。
これらの各種の溶媒は単独で使用することもできるし、
またそれらの二種以上を併用することもできる。前記配
向磁石あるいは垂直配向用磁石における磁場は、20〜
10,000ガウス程度であり、乾燥器による乾燥温度
は約30〜120℃であり、乾燥時間は約0.1〜10
分間程度である。
【0138】表面の平滑化 次にカレンダリングにより表面平滑化処理が行なわれ
る。その後は、必要に応じてバーニッシュ処理またはブ
レード処理を行なってスリッティングされる。この際、
上記表面平滑化処理は、この発明の目的を達成するのに
効果的である。
【0139】表面平滑化処理においては、カレンダー条
件として温度、線圧力、C/S(コーティングスピー
ド)等を挙げることができる。この発明の目的達成のた
めには、通常、上記温度を50〜140℃、上記線圧力
を50〜400kg/cm、上記C/Sを20〜100
0m/分に保持することが好ましい。
【0140】
【発明の効果】本発明によれば、広範囲の温度条件にお
いて、エラーの発生しない、再生出力が高く、オーバー
ライト特性の良好な且つ同一トラックでの走行耐久性の
良好な磁気記録媒体を得ることができる。
【0141】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。以下に示
す成分、割合、操作順序は本発明の範囲から逸脱しない
範囲において種々変更し得る。なお、下記の実施例にお
いて「部」はすべて重量部である。
【0142】(実施例1〜6、比較例、比較例1) まず以下に示す組成処方の磁性層塗料、非磁性層塗料を
ニーダ、サンドミルを用いて混練・分散し、得られた各
塗料にそれぞれポリイソシアネート(コロネートL、日
本ポリウレタン工業(株)製)5部を添加した後、ウェ
ット・オン・ウェット方式により厚み75μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に表1、2に示す組合
せで実施例1〜6及び比較例1の試料を塗布したのち、
塗膜が未乾燥であるうちに無配向処理を行い、続いて乾
燥を施してから、カレンダで表面平滑処理を行い、厚み
2.0μmの非磁性粉末を含む層と厚み0.1μm(厚
みは表1、2に記載のように変化させた)の磁性層とか
らなる原反を作成した。
【0143】このようにして得られた磁性フィルムを直
径86mmの円盤状に打ち抜き、カセット内に収容して
3.5インチのフロッピーディスクを得た。また電子ス
チルビデオフロッピーを製造する場合は、厚さ30μm
のポリエチレンテレフタレートフィルム上に前記3.5
インチのフロッピーディスクの場合と同様な方法で両面
に塗布し、加熱硬化後、半径2インチの円盤状に打ち抜
き、カセットに収容して電子スチルビデオフロッピーを
製造した。
【0144】 :磁性層塗料処方: (塗料A1) Fe−Al系強磁性金属粉末 100部 (Fe:Co:Al:Y=100:10:8:5(重量比)、 平均長軸長;100nm、軸比6、Hc;1800 Oe、 σs;135emu/g、結晶子サイズ;150Å) スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂 10部 〔日本ゼオン(株)製、MR−110〕 スルホン酸金属塩含有芳香族ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 〔東洋紡(株)製、UR−8300〕 アルミナ(α−Al、数平均粒径;0.2μm) 2部 酸化クロム(Cr、数平均粒径;0.15μm) 2部 カーボンブラックB 1.5部 (数平均粒径;17nm、DBP吸油量 115ml/100g) カーボンブラックC 0.5部 (数平均粒径;350nm、DBP吸油量 185ml/100g) ステアリン酸 1部 オレイン酸 1部 ブチルステアレート 1部 ブチルパルミテート 1部 ブトキシエチルステアレート 2部 ブトキシエチルパルミテート 2部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部
【0145】(塗料B)塗料A1におけるFe−Al系
強磁性金属粉末にかえてCo置換バリウムフェライト
(Hc;1100 Oe、BET;45m /g、σ
s;64emu/g、板状比;4)を用いたほかは塗料
A1と同じ。 (塗料A2)塗料A1においてFe−Al系強磁性金属
粉末として、Fe:Co:Al:Ni:Si:Nd=1
00:10:8:5:3:5(重量比)を用いた以外は
A1と同じ。
【0146】 :非磁性層塗料処方: (塗料a;非磁性層) α−Fe23 100部 (Siをα−Fe23に対し重量比で0.2%、 Alをα−Fe23に対し重量比で1.0%含有、 平均長軸長;160nm,平均短軸長:20nm、針状比;8) カーボンブラック 15部 スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂 6部 〔日本ゼオン(株)製、MR−110〕 スルホン酸金属塩含有芳香族ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 〔東洋紡(株)製、UR−8300〕 アルミナ(α−Al23、数平均粒径;0.3μm) 2部 酸化クロム(Cr23、数平均粒径;0.2μm) 2部 カーボンブラックA 15部 (数平均粒径;27nm、DBP吸油量 60ml/100g) ステアリン酸 1部 オレイン酸 1部 ブチルステアレート 1部 ブチルパルミテート 1部 ブトキシエチルステアレート 2部 ブトキシエチルパルミテート 2部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部
【0147】 (塗料b) 塗料aにおいてα−Feのかわりに酸化チタン100部 (数平均粒径30nm、SiをTiOに対し重量比で0.2%、 AlをTiOに対し重量比で1.0%含有)
【0148】(実施例7) 実施例1において上層に用いられる塗料A1のステアリ
ン酸1部にかえてミリスチン酸1部を、オレイン酸1部
にかえてエライジン酸1部を用いた塗料A1−7を使用
し、下層に用いられる塗料aのステアリン酸1部にかえ
てミリスチン酸1部を、オレイン酸1部にかえてエライ
ジン酸1部を用いた塗料a−7を使用した以外は実施例
1と同様とした。
【0149】(実施例8) 実施例1において上層に用いられる塗料A1のステアリ
ン酸1部にかえてパルミチン酸1部を、ブチルステアレ
ート1部にかえてアミルステアレート1部を、ブチルパ
ルミテート1部にかえてブチルミリステート1部を用い
た塗料A1−8を使用し、下層に用いられる塗料aのス
テアリン酸1部にかえてパルミチン酸1部を、ブチルス
テアレート1部にかえてアミルステアレート1部を、ブ
チルパルミテート1部にかえてブチルミリステート1部
を用いた塗料a−8を使用した以外は実施例1と同様と
した。
【0150】(実施例10)実施例1において上層に用
いられる塗料A1のブトキシエチルステアレート2部、
ブトキシエチルパルミテート2部にかえて、
【0151】
【化12】 を用いた塗料A1−10を使用し、下層に用いられる塗
料aのブトキシエチルステアレート2部、ブトキシエチ
ルパルミテート2部にかえて、
【0152】
【化13】 を用いた塗料a−10を使用した以外は実施例1と同様
とした。
【0153】(比較例2) 実施例1において上層に用いられる塗料A1のブチルス
テアレート1部、ブチルパルミテート1部、ブトキシエ
チルステアレート2部、ブトキシエチルパルミテート2
部にかえてシリコンオイル(ジメチルシロキサン)2部
を用いた塗料A1−比2を使用し、下層に用いられる塗
料aのブチルステアレート1部、ブチルパルミテート1
部、ブトキシエチルステアレート2部、ブトキシエチル
パルミテート2部にかえて、シリコンオイル(ジメチル
シロキサン)2部を用いた塗料a−比2を使用した以外
は実施例2と同様とした。
【0154】(比較例3) 実施例1において上層に用いられる塗料A1のオレイン
酸1部にかえて、ミリスチン酸1部を用いた塗料A1−
比3を使用し、下層に用いられる塗料aのオレイン酸1
部にかえて、ミリスチン酸1部を用いた塗料a−比3を
使用した以外は実施例2と同様とした。
【0155】(比較例4) 実施例1において上層に用いられる塗料A1のステアリ
ン酸1部にかえて、リノレン酸1部を用いた塗料A1−
比4を使用し、下層に用いられる塗料aのステアリン酸
1部にかえて、リノレン酸1部を用いた塗料a−比4を
使用した以外は実施例2と同様とした。
【0156】(比較例8) 比較例2において上層に用いられる塗料A1−比2のオ
レイン酸1部にかえて、ミリスチン酸1部を用いた塗料
A1−比8を使用し、下層に用いられる塗料a−比2の
オレイン酸1部にかえて、ミリスチン酸1部を用いた塗
料a−比8を使用した以外は比較例2と同様とした。
【0157】(実施例12) 実施例1において上層に用いられる塗料A1及び下層に
用いられる塗料aにおいてステアリン酸1部にかえてベ
ヘン酸1部を、オレイン酸1部にかえてエルカ酸1部を
用いた塗料A1−12及び塗料a−12を使用した以外
は実施例1と同様とした。
【0158】このフロッピーディスクの特性を下記の項
目に従い測定した。測定結果を表1、表2に示す。
【0159】(1)再生出力 市販の下記ドライブを用いて、25信号(500KH
z)の正弦波信号で記録し、再生出力を測定した。 ドライブ:TOSIBA(株)製、PD−211 測定トラック:79トラック 測定した再生出力を、実施例1で製造したフロッピーデ
ィスクを100%としたときの相対値として示す。再生
出力が大きい程、良好な磁気ディスクである。
【0160】(2)耐久性 記録再生装置に充填して、磁気ヘッドを(株)東芝製4
MBドライブPD−211にて挟圧50g/cmで摺
接させ、ディスク回転速度1000rpmで回転させな
がら、再生出力が初期出力の70%になるまでの走行時
間を耐久性時間として温湿度を変えて測定した。(0℃
〜60℃を24時間でサイクルする)
【0161】<ドロップアウト>3.5インチフロッピ
ーディスク試料100枚を用いて1時間の振動を加えた
後のドロップアウトの発生したディスクの枚数を求め、
信頼性とした。
【0162】<オーバーライト特性>消磁済のサンプル
に315KHzの信号を記録し再生出力を測定(Ad
B)後、1MHzの信号をオーバーライトし、その時の
315KHzの出力(BdB)からオーバーライト特性
B−A(dB)を求めた。
【0163】<同一トラックでの走行耐久性>富士写真
フィルム(株)製フジックスP4を用いて、予め画像信
号を25トラック記録した電子スチルビデオフロッピー
のスチルモードでの再生を連続して行い、温度20℃
(実施例1〜12、比較例1〜8について)、及び温度
−5℃(実施例21〜37、比較例21〜25につい
て)において再生出力が3dB低下するまでの時間を測
定した。結果を表1に示す。なお、表において、100
Hr(時間)以上とは、100時間の再生によっても再
生出力の低下が3dBに至らなかったことを意味する。
【0164】<全体組成>:強磁性金属粉末における全
体組成中のFe、Co、Ni、Nd、Si、Al、Y、
Pr、Sm、Laの各元素の存在比率については、波長
分散型蛍光X線分析装置(WDX)を用いて試料中の各
元素の蛍光X線強度を測定した後、ファンダメンタルパ
ラメーター法(以下、FP法と称する。)に従い算出し
て求めた。
【0165】以下にFP法について説明する。蛍光X線
の測定には、理学電気(株)製のWDXシステム308
0を、以下の条件にて使用した。 X線管球 :ロジウム管球 出力 :50KV、50mA 分光結晶 :LiF(Fe、Co、Ni、Nd、Y、P
r、Sm、Laに対して)、PET(Alに対して)、
RX−4(Siに対して) アプソーバ:1/1(Feのみ1/10) スリット :COARSE フィルター:OUT PHA :15〜30(Al、Siに対して)、10
〜30(Fe、Co、Ni、Nd、Y、Pr、Sm、L
aに対して) 計数時間 :ピーク=40秒、バックグラウンド=40
秒(ピーク前後の2点を測定) なお、蛍光X線の測定を行うには、上記装置に限定され
るものではなく、種々の装置を使用することができる。
【0166】標準試料には、以下の8種類の金属化合物
を使用した。標準試料1は、Analytical R
eference Materials Intern
ational社製の合金SRM1219(Cを0.1
5重量%、Mnを0.42重量%、Pを0.03重量
%、Siを0.55重量%、Cuを0.16重量%、N
iを2.16重量%、Crを15.64重量%、Moを
0.16重量%、Vを0.06重量%をそれぞれ含有す
る。)である。
【0167】標準試料2は、Analytical R
eference Materials Intern
ational社製の合金SRM1250(Niを.3
7.78重量%、Crを0.08重量%、Moを0.0
1重量%、Coを16.10重量%、Alを0.99重
量%をそれぞれ含有する。)である。
【0168】標準試料3は、磁性酸化鉄粉末(Mnを
0.14重量%、Pを.0.15重量%、Sを0.19
重量%、Siを0.36重量%、Coを3.19重量
%、Znを1.26重量%、Caを0.07重量%、N
aを0.02重量%をそれぞれ含有する。)である。
【0169】標準試料4は、強磁性金属粉末(Ndを
2.73重量%含有する。)である。
【0170】標準試料5は強磁性金属粉末(Srを0.
97重量%含有する。)である。
【0171】標準試料6は強磁性金属粉末(Baを1.
40重量%、Caを0.40重量%含有する。)であ
る。
【0172】標準試料7は強磁性金属粉末(Laを2.
69重量%含有する。)である。
【0173】標準試料8は強磁性金属粉末(Yを1.9
8重量%含有する。)である。
【0174】前記標準試料1および2における元素の重
量%は、メーカー供与のデータシートの値であり、前記
標準試料3〜8における元素の重量%は、ICP発光分
析装置による分析値である。この値を以下のFP法の計
算における標準試料の元素組成値として入力した。
【0175】FP法の計算には、テクノス製のファンダ
メンタルパラメータソフトウェアVersion2.1
を用い、次の条件にて計算した。 試料モデル :バルク試料 バランス成分試料:Fe 入力成分 :測定X線強度(KCPS) 分析単位 :重量% 算出された各元素の存在比率(重量%)は、Fe原子1
00重量%に対するその他の元素の重量%として換算
し、定量値としたものである。
【0176】
【表1】
【0177】
【表2】
【0178】(実施例21〜27) まず以下に示す組成処方の磁性層塗料、非磁性層塗料を
ニーダ、サンドミルを用いて混練・分散し、得られた各
塗料にそれぞれポリイソシアネート(コロネートL、日
本ポリウレタン工業(株)製)5部を添加した後、ウェ
ット・オン・ウェット方式により厚み75μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に表1、2に示す組合
せで実施例21〜27の試料を塗布したのち、塗膜が未
乾燥であるうちに無配向処理を行い、続いて乾燥を施し
てから、カレンダで表面平滑処理を行い、厚み2.0μ
mの非磁性粉末を含む層と厚み0.1μm(厚みは表3
に記載のように変化させた)の磁性層とからなる原反を
作成した。
【0179】このようにして得られた磁性フィルムを直
径86mmの円盤状に打ち抜き、カセット内に収容して
3.5インチのフロッピーディスクを得た。また電子ス
チルビデオフロッピーを製造する場合は、厚さ30μm
のポリエチレンテレフタレートフィルム上に前記3.5
インチのフロッピーディスクの場合と同様な方法で両面
に塗布し、加熱硬化後、半径2インチの円盤状に打ち抜
き、カセットに収容して電子スチルビデオフロッピーを
製造した。
【0180】 :磁性層塗料処方: (塗料A1−21) Fe−Al系強磁性金属粉末 100部 (Fe:Co:Al:Y=100:10:8:5(重量比)、 平均長軸長;100nm、軸比6、Hc;1800 Oe、 σs;135emu/g、結晶子サイズ;150Å) スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂 10部 〔日本ゼオン(株)製、MR−110〕 スルホン酸金属塩含有芳香族ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 〔東洋紡(株)製、UR−8300〕 アルミナ(α−Al23、数平均粒径;0.2μm) 3部 カーボンブラックB 1.5部 (数平均粒径;17nm、DBP吸油量 115ml/100g) カーボンブラックC 0.5部 (数平均粒径;350nm、DBP吸油量 185ml/100g) イソヘプチルステアレート 1部 イソヘプチルパルミテート 1部 ステアリン酸 1部 ミリスチン酸 1部 グリセリントリオレート 1部
【0181】
【化14】 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部
【0182】(塗料B−26) 塗料A1−21におけるFe−Al系強磁性金属粉末に
かえてCo置換バリウムフェライト(Hc;1100
Oe、BET;45m2 /g、σs;64emu/
g、板状比;4)を用いたほかは塗料A1−21と同
じ。
【0183】(塗料A2−25) 塗料A1−21においてFe−Al系強磁性金属粉末と
して、Fe:Co:Al:Ni:Si:Nd=100:
10:8:5:3:5(重量比)を用いた以外はA1−
21と同じ。
【0184】 :非磁性層塗料処方: (塗料a−21;非磁性層) α−Fe23 100部( Siをα−Fe23に対し重量比で0.2%、 Alをα−Fe23に対し重量比で1.0%含有、 平均長軸長;160nm,平均短軸長:20nm、針状比;8) スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂 6部 〔日本ゼオン(株)製、MR−110〕 スルホン酸金属塩含有芳香族ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 〔東洋紡(株)製、UR−8300〕 アルミナ(α−Al23、数平均粒径;0.3μm) 3部 カーボンブラックA 15部 (数平均粒径;27nm、DBP吸油量 60ml/100g) イソヘプチルステアレート 1部 イソヘプチルパルミレート 1部 ステアリン酸 1部 ミリスチン酸 1部 グリセリントリオレート 1部
【0185】
【化15】 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部
【0186】(実施例28〜実施例34) 実施例21〜実施例27における上層の磁性層用塗料A
1−21、A2−25、B−26において、イソヘプチ
ルステアレート1部、イソヘプチルパルミテート1部の
かわりにイソトリデシルステアレート1部、イソトリデ
シルパルミテート1部を用い、下層の非磁性層用塗料a
−21、b−27(実施例1の塗料bに相当する塗料a
−21の変更組成)おいて、イソヘプチルステアレート
1部、イソヘプチルパルミテート1部のかわりにイソト
リデシルステアレート1部、イソトリデシルパルミテー
ト1部を用いた塗料A1−28、A2−32、B−3
3、a−28、b−34を使用した以外は実施例21〜
実施例27と同様とした。
【0187】(比較例21) 実施例21において上層の磁性層用塗料A1−21、下
層の非磁性層用塗料a−21において、イソヘプチルス
テアレート1部、イソヘプチルパルミテート1部のかわ
りにn−オクチルステアレート1部、n−オクチルパル
ミテート1部を用いた塗料A1−比21及びa−比21
を使用した以外は実施例21と同様とした。
【0188】(比較例22) 実施例21において上層の磁性層用塗料A1−21、下
層の非磁性層用塗料a−21において、イソヘプチルス
テアレート1部、イソヘプチルパルミテート1部のかわ
りにn−トリデシルステアレート1部、n−トリデシル
パルミテート1部を用いた塗料A1−比22及びa−比
22を使用した以外は実施例21と同様とした。
【0189】(比較例23) 実施例21において上層の磁性層用塗料A1−21、下
層の非磁性層用塗料a−21において、
【0190】
【化16】 のかわりにブトキシエチルステアレート2部、ブトキシ
エチルパルミテート2部を用いた塗料A1−比23及び
a−比23を使用した以外は実施例21と同様とした。
【0191】(実施例35) 実施例21において上層の磁性層用塗料A1−21、下
層の非磁性層用塗料a−21に用いられるイソヘプチル
ステアレート1部、イソヘプチルパルミテート1部のか
わりにイソブチルステアレート1部、イソブチルパルミ
テート1部を用いた塗料A1−35及びa−35を使用
した以外は実施例21と同様とした。
【0192】(実施例36) 実施例21において上層の磁性層用塗料A1−21、下
層の非磁性層用塗料a−21に用いられるイソヘプチル
ステアレート1部、イソヘプチルパルミテート1部のか
わりにイソペンタデシルステアレート1部、イソペンタ
デシルパルミテート1部を用いた塗料A1−36及びa
−36を使用した以外は実施例21と同様とした。
【0193】(実施例37) 実施例21において上層の磁性層用塗料A1−21、下
層の非磁性層用塗料a−21に用いられる
【0194】
【化17】 のかわりに
【0195】
【化18】 を用いた塗料A1−37及びa−37を使用した以外は
実施例21と同様とした。
【0196】
【表3】
【0197】
【表4】
【0198】(実施例41〜47) まず以下に示す組成処方の磁性層塗料、非磁性層塗料を
ニーダ、サンドミルを用いて混練・分散し、得られた各
塗料にそれぞれポリイソシアネート(コロネートL、日
本ポリウレタン工業(株)製)5部を添加した後、ウェ
ット・オン・ウェット方式により厚み75μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に表1、2に示す組合
せで実施例1〜6及び比較例1の試料を塗布したのち、
塗膜が未乾燥であるうちに無配向処理を行い、続いて乾
燥を施してから、カレンダで表面平滑処理を行い、厚み
2.0μmの非磁性粉末を含む層と厚み0.1μm(厚
みは表6に記載のように変化させた)の磁性層とからな
る原反を作成した。
【0199】このようにして得られた磁性フィルムを直
径86mmの円盤状に打ち抜き、カセット内に収容して
3.5インチのフロッピーディスクを得た。また電子ス
チルビデオフロッピーを製造する場合は、厚さ30μm
のポリエチレンテレフタレートフィルム上に前記3.5
インチのフロッピーディスクの場合と同様な方法で両面
に塗布し、加熱硬化後、半径2インチの円盤状に打ち抜
き、カセットに収容して電子スチルビデオフロッピーを
製造した。
【0200】 :磁性層塗料処方: (塗料A1−41) Fe−Al系強磁性金属粉末 100部 (Fe:Co:Al:Y=100:20:8:5(重量比)、 平均長軸長;100nm、軸比6、Hc;2000 Oe、 σs;140emu/g、結晶子サイズ;140Å) スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂 10部 〔日本ゼオン(株)製、MR−110〕 スルホン酸金属塩含有芳香族ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 〔東洋紡(株)製、UR−8300〕 カーボンブラックB〔コンダクテックスSC(コロンビアンカーボン社製)〕2 部 (数平均粒径;17nm、DBP吸油量 115ml/100g) カーボンブラックC 0.5部 (Sevacarb MT、数平均粒径;350nm、 DBP吸油量 41ml/100g) アルミナ(α−Al23、数平均粒径:0.2μm) 4部 ステアリン酸 1部 ミリスチン酸 1部 オレイルオレート 5部 グリセリントリオレート 1部 ブチルステアレート 1部 ブトキシエチルステアレート 1部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部
【0201】(塗料B−45) 塗料A1−41におけるFe−Al系強磁性金属粉末に
かえてCo置換バリウムフェライト(Hc;1100
Oe、BET;45m2 /g、σs;64emu/
g、板状比;4)を用いたほかは塗料A1−41と同
じ。
【0202】(塗料A2−44) 塗料A1−41においてFe−Al系強磁性金属粉末と
して、Fe:Co:Al:Ni:Si:Nd=100:
10:8:5:3:5(重量比)を用いた以外はA1−
41と同じ。
【0203】 :非磁性層塗料処方: (塗料a−41;非磁性層) α−Fe23 100部( Siをα−Fe23 に対し重量比で0.2%、 Alをα−Fe23 に対し重量比で1.0%含有、 平均長軸長;160nm,平均短軸長:20nm、針状比;8) カーボンブラックA〔Raven1255 コロンビアンカーボン社製 数平均 粒径;23nm、DBP吸油量 58ml/100g)〕 15部 スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂 6部 〔日本ゼオン(株)製、MR−110〕 スルホン酸金属塩含有芳香族ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 〔東洋紡(株)製、UR−8300〕 α−Al23(数平均粒径0.3μm) 4部 ミリスチン酸 1部 ステアリン酸 1部 オレイルオレート 5部 グリセリントリオレート 1部 ブトキシエチルステアレート 1部 ブチルステアレート 1部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 尚、b−47(非磁性層)は、実施例1の塗料bに相当
する塗料a−41の変更組成である。
【0204】(実施例48) 実施例42において塗料A1−41及び塗料a−41の
オレイルオレート5部にかえてエライジン酸オレイル5
部を用いた塗料A1−48及びa−48を使用した以外
は実施例42と同様とした。
【0205】(実施例49) 実施例42において塗料A1−41及び塗料a−41の
オレイルオレート5部にかえてリノール酸オレイル5部
を用いた塗料A1−49及びa−49を使用した以外は
実施例42と同様とした。
【0206】(実施例50) 実施例42において塗料A1−41及び塗料a−41の
グリセリントリオレート1部にかえてグリセリントリミ
リステート1部を用いた塗料A1−50及びa−50を
使用した以外は実施例42と同様とした。
【0207】(比較例41) 実施例42において塗料A1−41及び塗料a−41の
オレイルオレート5部にかえてブチルミリステート5部
を用いた塗料A1−比41及びa−比41を使用した以
外は実施例42と同様とした。
【0208】(比較例42) 実施例42において塗料A1−41及び塗料a−41の
グリセリントリオレート1部にかえてブチルミリステー
ト1部を用いた塗料A1−比42及びa−比42を使用
した以外は実施例42と同様とした。
【0209】(比較例45) 実施例42において塗料A1−41及び塗料a−41の
オレイルオレート5部及びグリセリントリオレート1部
にかえてブチルパルミテート6部を用いた塗料A1−比
45及びa−比45を使用した以外は実施例42と同様
とした。
【0210】(比較例46) 実施例42において、Wet−on−Wet法のかわり
に、下層を一度、乾燥、カレンダ後上層を塗布するWe
t−on−Dry法を用いた以外は実施例42と同様と
した。
【0211】(比較例47) 実施例42において塗料A1−41及び塗料a−41の
オレイルオレート5部にかえてオレイルステアレート5
部を用いた塗料A1−比47及びa−比47を使用した
以外は実施例42と同様とした。
【0212】
【表5】
【0213】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】ウエット−オン−ウエット塗布方式による磁性
層の同時重層塗布を説明するための図
【図2】磁性層塗料を塗布するためのコーターヘッドの
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−168439(JP,A) 特開 平6−267059(JP,A) 特開 昭61−144726(JP,A) 特開 平1−223622(JP,A) 特開 平5−325172(JP,A) 特開 昭59−227030(JP,A) 特開 平2−76121(JP,A) 特開 平6−301964(JP,A) 特開 平6−12654(JP,A) 特開 昭61−156522(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/71 G11B 5/84

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に非磁性層及び磁性層をこ
    の順に設けた磁気記録媒体において、上記非磁性層は融
    点50℃以上の飽和脂肪酸、融点50℃未満の不飽和脂
    肪酸及び脂肪酸エステルを含有し、且つ前記磁性層の乾
    燥膜厚が0.05〜1.0μmであることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】上記非磁性層が湿潤状態にある間に上記磁
    性層が形成された構成であることを特徴とする請求項1
    に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】上記脂肪酸エステルが下記一般式〔I〕又
    は〔II〕で示される化合物であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の磁気記録媒体。 【化1】 〔各式中、R2及びR3は炭素原子数11〜22の炭化水
    素基、R1は炭素原子数1〜18の炭化水素基、R4及び
    5は水素原子又はメチル基、R6は炭素原子数1〜22
    の炭化水素基、及びnは1〜10の整数を表わす。〕
  4. 【請求項4】磁性層に研磨剤としてα−アルミナ及び酸
    化クロムが含有されている請求項1、2又は3に記載の
    磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】磁性層に強磁性金属粉末または六方晶フェ
    ライト粉末が含有されている請求項1〜4のいずれかに
    記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】結合剤として芳香族ポリエステルポリウレ
    タンが含有されている請求項1〜5のいずれかに記載の
    磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】磁性層にAlを含有する強磁性金属粉末が
    含有されている請求項1〜6のいずれかに記載の磁気記
    録媒体。
  8. 【請求項8】非磁性支持体上に非磁性層及び磁性層を順
    次塗設する磁気記録媒体の製造方法において、 上記非磁性層用塗布液は融点50℃以上の飽和脂肪酸、
    融点50℃未満の不飽和脂肪酸及び脂肪酸エステルを含
    有し、該塗布液を非磁性支持体に塗布した後、形成した
    非磁性層が湿潤状態にある間に、上記磁性層の乾燥膜厚
    が0.05〜1.0μmになるように磁性層用塗布液を
    塗布し、乾燥することを特徴とする磁気記録媒体の製造
    方法。
  9. 【請求項9】非磁性支持体上に非磁性層及び磁性層をこ
    の順に設けた磁気記録媒体において、上記非磁性層は下
    記一般式〔III〕で示される化合物及び下記一般式
    〔IV〕で示される化合物が含有し、且つ前記磁性層は
    上記非磁性層を塗布後、湿潤状態にある間に、上記磁性
    層の乾燥膜厚が0.05〜1.0μmになるように形成
    された構成であることを特徴とする磁気記録媒体。 【化2】 〔各式中、R2及びR3は炭素原子数11〜22の炭化水
    素基、R4及びR5 は水素原子又はメチル基、R6は炭
    素原子数1〜22の炭化水素基、R7は炭素原子数3〜
    18の分枝状炭化水素基並びにmは2〜10の整数を表
    わす。〕
  10. 【請求項10】非磁性層にグリセリンエステルが含有さ
    れてなる請求項9に記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】磁性層に強磁性金属粉末または六方晶フ
    ェライト粉末が含有されている請求項9に記載の磁気記
    録媒体。
  12. 【請求項12】結合剤として芳香族ポリエステルポリウ
    レタンが含有されてなる請求項9に記載の磁気記録媒
    体。
  13. 【請求項13】磁性層にAlを含有する強磁性金属粉末
    が含有されてなる請求項9に記載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】非磁性支持体上に非磁性層及び磁性層を
    この順に設けた磁気記録媒体において、 上記非磁性層は不飽和脂肪酸と不飽和アルコールからな
    る脂肪酸エステル及びグリセリンエステルを含有し、且
    つ前記磁性層の乾燥膜厚が0.05〜1.0μmである
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  15. 【請求項15】上記脂肪酸エステルに加えてさらに下記
    一般式〔V〕で示される化合物を含有することを特徴と
    する請求項14に記載の磁気記録媒体。 【化5】 〔式中、R4、R5は水素原子又はメチル基、R8は炭素
    原子数11〜22の炭化水素基、R9は炭素原子数1〜
    22の炭化水素基並びにlは1〜10の整数を表わ
    す。〕
  16. 【請求項16】前記非磁性層に数平均粒径10〜40n
    mのカーボンブラックが含有されている請求項14又は
    15に記載の磁気記録媒体。
  17. 【請求項17】前記数平均粒径10〜40nmのカーボ
    ンブラックの吸油量がDBP値で20ml/100g〜
    100ml/100gである請求項16に記載の磁気記
    録媒体。
  18. 【請求項18】前記磁性層に数平均粒径10〜30nm
    のカーボンブラックと数平均粒径40〜500nmのカ
    ーボンブラックが含有されてなる請求項14〜17のい
    ずれかに記載の磁気記録媒体。
  19. 【請求項19】前記非磁性層に脂肪酸が含有されてなる
    請求項14に記載の磁気記録媒体。
  20. 【請求項20】結合剤として芳香族ポリエステルポリウ
    レタンが含有されてなる請求項14又は15に記載の磁
    気記録媒体。
  21. 【請求項21】磁性層にAlを含有する強磁性金属粉末
    が含有されてなる請求項14又は15に記載の磁気記録
    媒体。
  22. 【請求項22】非磁性支持体上に非磁性層及び磁性層を
    この順に塗設する磁気記録媒体の製造方法において、 上記非磁性層用塗布液は不飽和脂肪酸と不飽和アルコー
    ルからなる脂肪酸エステル及びグリセリンエステルを含
    有する該塗布液を非磁性支持体に塗布した後、形成した
    非磁性層が湿潤状態にある間に、上記磁性層の乾燥膜厚
    が0.05〜1.0μmになるように磁性層用塗布液
    を、非磁性層上に塗布し、乾燥することを特徴とする磁
    気記録媒体の製造方法。
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