JP2000293836A - 磁気記録テープ - Google Patents

磁気記録テープ

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JP2000293836A
JP2000293836A JP9961399A JP9961399A JP2000293836A JP 2000293836 A JP2000293836 A JP 2000293836A JP 9961399 A JP9961399 A JP 9961399A JP 9961399 A JP9961399 A JP 9961399A JP 2000293836 A JP2000293836 A JP 2000293836A
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layer
magnetic
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JP9961399A
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Hiroo Inami
博男 稲波
Muneharu Takeda
宗治 武田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録テープに品質上のトラブルが発見さ
れた場合でも磁気記録テープが辿った製造に関する履歴
を情報として記録することにより、その原因究明やその
品質保証を迅速に、そして効率よく行うことを可能にし
た磁気記録テープを提供すること。 【解決手段】 支持体の一方の面に、強磁性粉末及び結
合剤を含む磁性層を有し、そして該支持体の他方の面に
バックコート層を有する磁気記録テープであって、該バ
ックコート層の表面に情報がレーザ光の照射によって形
成された凹みにより記録されていることを特徴とする磁
気記録テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体の一方の側
に磁性層を有し、かつ他方の側にバックコート層を有す
る磁気記録テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録テープは、オーディオテープ、
ビデオテープ、あるいはコンピュータデータ記録用テー
プなどとして広く利用されている。磁気記録テープは、
一般に合成樹脂などの可撓性材料からなる支持体の一方
の側に磁性層が、そして他方の側にバックコート層がそ
れぞれ設けられた基本構成を有している。また、より高
密度記録に有利な磁気記録テープとして、上記支持体と
磁性層との間に更に非磁性層が設けられた構成の磁気記
録テープも提案されている。バックコート層は、一般に
巻き乱れの防止や走行耐久性などの走行特性を向上させ
る目的で設けられる。また、近年の高密度記録化のため
に、磁気記録テープにサーボトラック信号を予め記録し
ておく方式があるが、その一手段として、バックコート
層にマークを付けておき、このマークをサーボトラック
信号として感知するシステムも提案されている。
【0003】顧客の手にした磁気記録テープがどのよう
な履歴を辿って製造されたかを迅速かつ効率よく知るこ
とができるようにすることは、製造後に製品の品質に欠
陥が見つかり、その原因の究明と共にその品質を保証す
る観点から必要となる場合がある。このように顧客の手
にした磁気記録テープが辿った履歴を記録しておき、製
造時のテープの情報を知るようにしておくことを、一般
に「トレーサビリティー」と称している。従来では、テ
ープの履歴を磁気記録テープ自体に情報として書き込ん
でおくことが困難なため、磁気記録テープの製造工程の
最終段階であるカートリッジへの組み込み工程におい
て、例えば、カートリッジに記号、数字などを捺印する
ことにより、加工時の情報(組み込んだ日、使用した組
み込み機械など)をテープの履歴として記録していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録テープ自体か
らテープの履歴を知ることができない場合には、例え
ば、塗布工程終了後のジャンボロールのどの位置に相当
するテープであるかは、裁断工程後のパンケーキ状態ま
ではわかるが、その後、カートリッジに組み込んだ後に
は、わかりにくいとの問題がある。このため、磁気記録
テープ自体にテープの履歴を記録するという要請は非常
に強くなっている。このような要請に対して、テープの
履歴を磁気的に書き込むことも考えられるが、磁気記録
テープの製造工程で消磁工程を設けていることを考える
と、このような方法は好ましくない。
【0005】本発明の目的は、磁気記録テープに品質上
のトラブルが発見された場合でも磁気記録テープが辿っ
た製造に関する履歴を情報として記録することにより、
その原因究明やその品質保証を迅速に、そして効率よく
行うことを可能にした磁気記録テープを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者の検討の結果、
光学的に確認できるような信号を情報として書き込んで
おくことが望ましいことが判明した。光学的に確認でき
る信号を記録する方法には、例えば、印刷インキを用い
てパターンを印刷する方法、レーザエネルギーにより彫
刻し、パターンを刻みつける方法、あるいは機械的に刻
印を押しつけてパターンを記録する方法などが考えられ
るが、レーザエネルギーを利用する方法が実用上最も有
効であることがわかった。そしてこのような光学的方法
による信号の記録には、磁気記録テープのバックコート
層を利用することが有効であり、そのためには、バック
コート層がレーザ記録に適した特性を有していることが
好ましいことがわかった。
【0007】本発明は、支持体の一方の面に、強磁性粉
末及び結合剤を含む磁性層を有し、そして該支持体の他
方の面にバックコート層を有する磁気記録テープであっ
て、該バックコート層の表面に情報がレーザ光の照射に
よって形成された凹みにより記録されていることを特徴
とする磁気記録テープにある。
【0008】本発明者の更なる研究により、磁気記録テ
ープのバックコート層は、走行性能を維持したまま、レ
ーザエネルギーを効率よく吸収できることが好ましく、
また、記録した凹みを誤りなく正確に読み取ることがで
きるように凹みを区別できる表面を有していることが好
ましいことが判明した。より好ましい具体的な手段とし
て、所定の範囲の波長のレーザ光に対して反射率と吸光
係数が特定の範囲にとなるように調整したバックコート
層とすることが好ましく、これによってレーザ光によ
り、凹みを効率よく記録でき、またこのようにして設け
た凹みを精度よく読み取ることができることがわかっ
た。
【0009】本発明の磁気記録テープは以下の態様であ
ることが好ましい。 (1)凹みが、磁気記録テープの長手方向に沿って複数
個連続して設けられている磁気記録テープ。 (2)凹みが、1〜20μmの範囲の幅で、5〜30μ
mの範囲の長さ(テープの長手方向)を有し、その深さ
が0.1〜1.0μmの範囲にある磁気記録テープ。 (3)バックコート層が、500〜2000nmの範囲
の波長のレーザ光に対して15〜30%の範囲の反射率
を有する磁気記録テープ。 (4)バックコート層が、500nmの波長におけるレ
ーザ光に対して0.5〜5/μm(更に好ましくは、
1.0〜3.5/μm)の範囲の吸光係数を有する磁気
記録テープ。
【0010】(5)バックコート層がカーボンブラック
を含み、該カーボンブラックが、10〜60nm(更に
好ましくは、10〜30nm)の微粒子状カーボンブラ
ックと80〜300nm(更に好ましくは、100〜3
00nm)の粗粒子状カーボンブラックの異なる平均粒
子サイズを持つ二種類のカーボンブラックを含む。 (6)バックコート層の結合剤が、ニトロセルロース、
ポリエステルポリウレタン樹脂、更に硬化剤としてのポ
リイソシアネートを加えた組み合わせで構成されている
磁気記録テープ。 (7)ニトロセルロース樹脂が、結合剤中に20〜80
重量%(更に好ましくは、40〜70重量%)の範囲で
含有されている磁気記録テープ。 (8)バックコート層が更にモース硬度5〜9の硬質無
機質粉末を含む磁気記録テープ。 (9)バックコート層が、0.1〜1.0μm(更に好
ましくは、0.2〜0.8μm)の範囲の厚みを有する
磁気記録テープ。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録テープは、支持
体の一方の面に、強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層と
を有し、そして該支持体の他方の面にバックコート層を
有する。そして本発明は、該バックコート層の表面にレ
ーザ光の照射によって凹みを設けることにより情報が記
録されていることを特徴とするものである。そしてこの
ような凹みを設けるのに適したバックコート層は、前述
のように特定の範囲の波長のレーザ光に対して所定の範
囲の反射率と吸光係数を示すように形成されていること
が好ましい。以下に、支持体、磁性層、そして特徴とす
るバックコート層を構成要件とする本発明の磁気記録テ
ープを順に説明する。
【0012】本発明の磁気記録テープに用いる支持体
は、合成樹脂フィルムから形成されていることが好まし
い。これらの材料は、従来から磁気記録テープにおいて
使用されている材料から選ぶことができる。特に非磁性
のものが好ましい。これらの例としては、ポリエステル
類(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチエレン
ナフタレート、ポリエチレンテレフタレートとポリエチ
レンナフタレートとの混合物、エチレンテレフタレート
成分とエチレンナフタレート成分とを含む共重合物)、
ポリオレフィン類(例、ポリプロピレン)、セルロース
誘導体類(例、セルロースジアセテート、セルロースト
リアセテート)、ポリカーボネート、ポリアミド(例、
芳香族ポリアミド、アラミド)、ポリイミド(例、全芳
香族ポリイミド)などの合成樹脂フイルムを挙げること
ができる。これらの中では、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、
及びポリアミド(特にアラミド)が好ましい。支持体の
厚みは、特に制限はないが、2.0〜7.0μm(更に
好ましくは、3.0〜6.5μm、特に4.0〜6.0
μm)の範囲にあることが好ましい。
【0013】磁性層は、強磁性粉末および結合剤から形
成されている。また磁性層には、通常、導電性粉末
(例、カーボンブラック)、研磨剤、そして潤滑剤が含
まれている。強磁性粉末としては、例えば、磁性酸化鉄
FeOx (x=1.33〜1.5)、Co変性FeOx
(x=1.33〜1.5)、Fe、Ni又はCoを主成
分(75%以上)とする強磁性合金粉末(強磁性金属粉
末)、及び板状六方晶フェライト粉末などの公知の強磁
性粉末を使用することができる。特に、強磁性合金粉
末、及び板状六方晶フェライト粉末の使用が好ましい。
強磁性粉末には所定の原子の他に、Al、Si、S、S
c、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、A
g、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、
Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、C
o、Mn、Zn、Ni、Sr及びBの内の少なくとも一
つの原子を含んでいてもかまわない。強磁性粉末がこれ
らの原子を含む場合には、例えば、Coを1〜40重量
%、Alを1〜20重量%、そしてYを1〜10重量%
を含有していることが好ましい。
【0014】強磁性粉末は、分散剤、潤滑剤、界面活性
剤、帯電防止剤などで分散前に予め処理を行ってもかま
わない。具体的には、特公昭44−14090号、特公
昭45−18372号、特公昭47−22062号、特
公昭47−22513号、特公昭46−28466号、
特公昭46−38755号、特公昭47−4286号、
特公昭47−12422号、特公昭47−17284
号、特公昭47−18509号、特公昭47−1857
3号、特公昭39−10307号、及び特公昭48−3
9639号の各公報、そして米国特許第3026215
号、同3031341号、同3100194号、同32
42005号、及び同3389014号の各明細書に記
載されている処理方法を利用することができる。なお、
強磁性合金粉末には少量の水酸化物又は酸化物が含まれ
ていてもよい。
【0015】上記強磁性合金粉末は、その粒子の比表面
積が好ましくは30〜70m2 /gであって、X線回折
法から求められる結晶子サイズは、50〜300Åであ
る。比表面積が余り小さいと高密度記録に充分に対応で
きなくなり、又余り大き過ぎても分散が充分に行えず、
従って平滑な面の磁性層が形成できなくなるため同様に
高密度記録に対応できなくなる。
【0016】強磁性合金粉末には少なくともFeが含ま
れている。具体的には、Fe−Co、Fe−Ni、Fe
−Zn−Ni又はFe−Ni−Coを主体とした金属合
金である。なお、Fe単独でも良い。またこれらの強磁
性合金粉末は、高い記録密度を達成するために、好まし
くは、その飽和磁化量(飽和磁束密度)(σs )は90
emu/g以上、更に好ましくは120emu/g以
上、160emu/g以下である。保磁力(Hc)は1
500〜3500エルステッド(Oe)(好ましくは、
1700〜2500エルステッド、特に好ましくは、1
800〜2100エルステッド)の範囲にあることが好
ましい。また透過型電子顕微鏡により求められる粉末の
長軸長(すなわち、平均粒子径)は、0.2μm以下、
0.05μm以上であることが好ましく、更に好ましく
は、0.05〜0.15μmで軸比(長軸長/短軸長、
針状比)は、5〜20、好ましくは、5〜15である。
更に特性を改良するために、組成中にB、C、Al、S
i、P等の非金属、もしくはその塩、酸化物が添加され
ることもある。通常、前記金属粉末の粒子表面は、化学
的に安定させるために酸化物の層が形成されている。
【0017】板状六方晶フェライトとしては、平板状で
その平板面に垂直な方向に磁化容易軸がある強磁性体で
あって、具体的には、バリウムフェライト(マグネトブ
ランバイト型や一部にスピネル相を含有したマグネトブ
ランバイト型)、ストロンチウムフェライト(マグネト
ブランバイト型や一部にスピネル相を含有したマグネト
ブランバイト型)、鉛フェライト、カルシウムフェライ
ト、及びそれらのコバルト置換体等を挙げることができ
る。これらの中では、特にバリウムフェライトのコバル
ト置換体、ストロンチウムフェライトのコバルト置換体
が好ましい。本発明で用いる板状六方晶フェライトに
は、抗磁力を制御するために、必要に応じてCo−T
i、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti
−Zn、あるいはIr−Zn等の元素を添加したものを
使用することができる。
【0018】板状六方晶フェライト粉末において、板径
は六角板状の粒子の板の幅を意味し電子顕微鏡で測定す
ることができる。本発明で用いる板状六方晶フェライト
粉末は、粒子サイズ(板径)が0.02〜0.1μmの
範囲にあることが好ましく、板状比(板径/板厚)が2
〜20の範囲にあることが好ましく、またその比表面積
が1〜60m2 /gの範囲にあることが好ましい。板状
六方晶フェライト粉末は、強磁性金属粉末と同じ理由か
らその粒子サイズが大きすぎても小さすぎても高密度記
録が難しくなる。またこれらの板状六方晶フェライト粉
末は、高い記録密度を達成するために、その飽和磁化
(σs )は、40〜80emu/gの範囲にあることが
好ましい。また保磁力(Hc)は1200〜3000エ
ルステッド(Oe)(好ましくは、1500〜2500
エルステッド、特に好ましくは、1800〜2100エ
ルステッド)の範囲にあることが好ましい。
【0019】本発明で用いる強磁性粉末は、Al、S
i、P、Ti、及び希土類元素(Sc、Y、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)などの焼結防止剤
として公知の物質により処理されていることが好まし
い。
【0020】強磁性粉末の含水率は0.01〜2重量%
とすることが好ましい。また結合剤(樹脂)の種類によ
って含水率を最適化することが好ましい。強磁性粉末の
pHは用いる結合剤との組み合わせにより最適化するこ
とが好ましく、そのpHは通常4〜12の範囲であり、
好ましくは5〜10の範囲である。強磁性粉末は、必要
に応じて、Al、Si、P、Y又はこれらの酸化物など
でその表面の少なくとも一部が被覆されているものが好
ましい。表面処理を施す際のその使用量は、通常強磁性
粉末に対して、0.1〜10重量%である。このように
被覆された強磁性粉末は、脂肪酸などの潤滑剤の吸着が
100mg/m2 以下に抑えられるので、潤滑剤の磁性
層への添加量を少なくしても、所望の効果が達成でき
る。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、
及びSrなどの無機イオンが含まれる場合があるが、そ
の含有量はできるだけ少ないことが好ましい。通常は5
000ppm以下であれば特性に影響を与えることはな
い。尚、上記のような強磁性粉末及びその製造方法は、
例えば、特開平7−22224号公報に記載されてい
る。磁性層の磁気モーメントは、0.001〜0.1G
(ガウス)・cm(更に好ましくは、0.005〜0.
08G・cm、特に好ましくは、0.007〜0.07
G・cm)の範囲にあることが好ましい。
【0021】磁性層のカーボンブラックは、磁性層の表
面電気抵抗(RS )の低減、動摩擦係数(μK 値)の低
減、走行耐久性の向上、及び磁性層の平滑な表面性を確
保する等の種々の目的で添加される。カーボンブラック
は、その平均粒子径が5〜350nm(更に好ましく
は、10〜300nm)の範囲にあることが好ましい。
またその比表面積は5〜500m2 /g(更に好ましく
は、50〜300m2 /g)であることが好ましい。D
BP吸油量は、10〜1000mL/100g(更に好
ましくは、50〜300mL/100g)の範囲にある
ことが好ましい。またpHは、2〜10、含水率は、
0.1〜10%、そしてタップ密度は、0.1〜1g/
ccであることが好ましい。
【0022】カーボンブラックは様々な製法で得たもの
が使用できる。使用できるカーボンブラックの例として
は、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレ
ンブラック、チャンネルブラック及びランプブラックを
挙げることができる。カ−ボンブラックの具体的な商品
例としては、BLACKPEARLS 2000、13
00、1000、900、800、700、VULCA
N XC−72(以上、キャボット社製)、#35、#
50、#55、#60及び#80(以上、旭カ−ボン
(株)製)、#3950B、#3750B、#3250
B、#2400B、#2300B、#1000、#90
0、#40、#30、及び#10B(以上、三菱化学
(株)製)、CONDUCTEX SC、RAVEN、
150、50、40、15(以上、コロンビアカ−ボン
社製)、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラック
ECDJ−500およびケッチェンブラックECDJ−
600(以上、ライオンアグゾ(株)製)を挙げること
ができる。カーボンブラックの通常の添加量は、強磁性
粉末100重量部に対して、0.1〜30重量部(好ま
しくは、0.2〜15重量部)の範囲にある。
【0023】磁性層の研磨剤としては、例えば、溶融ア
ルミナ、α−アルミナ、炭化珪素、酸化クロム(Cr2
3 )、コランダム、人造コランダム、ダイアモンド、
人造ダイアモンド、ザクロ石、エメリー(主成分:コラ
ンダムと磁鉄鉱)を挙げることができる。これらの研磨
剤は、モース硬度5以上(好ましくは、6以上、特に好
ましくは、8以上)であり、平均粒子径が、0.05〜
1μm(更に好ましくは、0.08〜0.8μm、特に
好ましくは、0.1〜0.5μm)範囲の大きさのもの
が好ましい。そして、用いる研磨剤の90重量%が0.
8μm以下の平均粒子径に含まれる粒度分布を有してい
ることが好ましい。研磨剤の添加量は、通常強磁性粉末
100重量部に対して、1〜25重量部(更に好ましく
は、1〜20重量部)の範囲にある。
【0024】磁性層の潤滑剤は、磁性層表面ににじみ出
ることによって、磁性層表面と磁気ヘッドとの摩擦を緩
和し、摺接状態を円滑に維持させるために添加される。
潤滑剤としては、例えば、脂肪酸及び脂肪酸エステルを
挙げることができる。脂肪酸としては、例えば、酢酸、
プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、
アラキン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、
リノレン酸、及びパルミトレイン酸等の脂肪族カルボン
酸又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0025】また脂肪酸エステルとしては、例えば、ブ
チルステアレート、sec-ブチルステアレート、イソプロ
ピルステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレ
ート、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキ
シルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、
ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステー
ト、ブチルステアレートとブチルパルミテートとの混合
物、オレイルオレエート、ブトキシエチルステアレー
ト、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸で
アシル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテー
ト、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化
してジオールとしたもの、そしてグリセリンのオレエー
ト等の種々のエステル化合物を挙げることができる。上
記のような脂肪酸、及び脂肪酸エステルは、単独である
いは二以上の化合物を組み合わせて使用することができ
る。潤滑剤の通常の含有量は、強磁性粉末100重量部
に対して、0.2〜20重量部(好ましくは、0.5〜
10重量部)の範囲にある。
【0026】磁性層の結合剤としては、例えば、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を
挙げることができる。熱可塑性樹脂の例としては、塩化
ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、
アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、ア
クリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステ
ル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラー
ル、ビニルアセタール、及びビニルエーテルを構成単位
として含む重合体、あるいは共重合体を挙げることがで
きる。共重合体としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、
塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステ
ル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−ス
チレン共重合体、メタアクリル酸エステル−アクリロニ
トリル共重合体、メタアクリル酸エステル−塩化ビニリ
デン共重合体、メタアクリル酸エステル−スチレン共重
合体、塩ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、クロロビニルエーテル−アクリル酸エス
テル共重合体を挙げることができる。
【0027】上記の他に、ポリアミド樹脂、繊維素系樹
脂(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイ
アセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロ
ースなど)、ポリ弗化ビニル、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂なども利用することがで
きる。
【0028】また熱硬化性樹脂または反応型樹脂として
は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹
脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリ
コーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリ
エステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポ
リウレタンとポリイソシアネートの混合物を挙げること
ができる。
【0029】上記ポリイソシアネートとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネートなどのイソシアネート類、これらの
イソシアネート類とポリアルコールとの生成物、及びイ
ソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネ
ートを挙げることができる。
【0030】上記ポリウレタン樹脂は、ポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、及
びポリカプロラクトンポリウレタンなどの構造を有する
公知のものが使用できる。
【0031】本発明において、磁性層の結合剤は、塩化
ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、及びニト
ロセルロースの中から選ばれる少なくとも1種の樹脂
と、ポリウレタン樹脂との組合せ、あるいはこれらに更
に硬化剤としてのポリイソシアネートを加えた組み合わ
で構成されていることが好ましい。
【0032】結合剤は、より優れた分散性と得られる層
の耐久性を得るために必要に応じて、−COOM、−S
3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)2 、−O−P
=O(OM)2 (Mは水素原子又はアルカリ金属を表わ
す。)、−OH、−NR2 、−N+ 3 (Rは炭化水素
基を表わす。)、エポキシ基、−SH、−CNなどから
選ばれる少なくともひとつの極性基を共重合または付加
反応で導入して用いることが好ましい。このような極性
基は、結合剤に10-1〜10-8モル/g(更に好ましく
は10-2〜10-6モル/g)の量で導入されていること
が好ましい。
【0033】磁性層中の結合剤は、強磁性粉末100重
量部に対して、通常5〜50重量部(好ましくは10〜
30重量部)の範囲で用いられる。なお、磁性層に結合
剤として塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポ
リイソシアネートを組み合わせて用いる場合は、全結合
剤中に、塩化ビニル系樹脂が5〜70重量%、ポリウレ
タン樹脂が2〜50重量%、そしてポリイソシアネート
が2〜50重量%の範囲の量で含まれるように用いるこ
とが好ましい。
【0034】磁性層を形成するための塗布液には、強磁
性粉末、カーボンブラックなどの粉末を結合剤中に良好
に分散させるために、分散剤を添加することができる。
また必要に応じて、可塑剤、カーボンブラック以外の導
電性粒子(帯電防止剤)、防黴剤などを添加することが
できる。分散剤としては、例えば、カプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜
18個の脂肪酸(RCOOH、Rは炭素数11〜17個
のアルキル基、又はアルケニル基)、前記脂肪酸のアル
カリ金属又はアルカリ土類金属からなる金属石けん、前
記の脂肪酸エステルのフッ素を含有した化合物、前記脂
肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドアルキルリン
酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオレフィンオ
キシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1〜5
個、オレフィンは、エチレン、プロピレンなど)、硫酸
塩、及び銅フタロシアニン等を使用することができる。
これらは、単独でも組み合わせて使用しても良い。分散
剤は、結合剤100重量部に対して0.5〜20重量部
の範囲で添加される。
【0035】次に、本発明の特徴とするバックコート層
について詳述する。バックコート層は、走行耐久性など
の性能に優れていることと共に、レーザ光の照射によ
り、そのエネルギーを効率よく吸収して、容易に凹みが
形成できること、また形成した凹みを誤りなく精度よく
読み取ることができるように凹み部分とそれ以外の部分
とが区別できることが必要になる。このような観点か
ら、本発明に係るバックコート層は、500nmの波長
におけるレーザ光による吸光係数が0.5〜5/μm
(更に好ましくは、1.0〜3.5/μm)の範囲にあ
ることが好ましい。吸光係数が上記の範囲以外の場合に
は、所定の大きさの凹みを設けることが困難となりやす
い。又、本発明に係るバックコート層は、500〜20
00nmの範囲の波長のレーザ光に対してその反射率が
15〜30%の範囲にあることが好ましい。反射率が上
記の範囲以外の場合には読み誤りが生じやすくなる。
【0036】上記のような特性を持つ本発明に係るバッ
クコート層の形成方法は特に制限はない。具体的には、
(1)バックコート層の形成材料の材質や使用量などの
選択、(2)バックコート層の塗布液の調製、及び
(3)バックコート層へのカレンダー処理などを組み合
わせて、所望の特性のバックコート層となるように最適
化して行う方法を挙げることができる。以下にこれらの
方法について詳述する。上記(1)の場合、本発明に係
るバックコート層は、その形成材料として、カーボンブ
ラック、結合剤、そして無機質粉末を含む層として構成
することが好ましい。バックコート層に用いるカーボン
ブラックとしては、平均粒子サイズの異なる二種類のも
のを使用することが好ましい。この場合、その平均粒子
サイズが10〜60nm(更に好ましくは、10〜30
nm)の範囲の微粒子状カーボンブラックと平均粒子サ
イズが80〜300nm(更に好ましくは、100〜3
0nm)の範囲の粗粒子状カーボンブラックを使用する
ことが好ましい。これらのカーボンブラックの比表面積
は5〜300m2 /g(更に好ましくは、10〜250
2 /g)であることが好ましい。DBP吸油量は、2
0〜150mL/100g(更に好ましくは、30〜1
50mL/100g)の範囲にあることが好ましい。ま
たpHは、4〜10(更に好ましくは、5〜10)の範
囲にあることが好ましい。このようなカーボンブラック
の使用により、レーザ光の照射に対して所定の反射率や
吸光係数を示す特性のバックコート層とすることができ
ると共に、一般に、上記のような微粒子状のカーボンブ
ラックの添加により、バックコート層の表面電気抵抗を
低く設定できる。また微粒子状カーボンブラックは一般
に液体潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併用時、摩擦係数
の低減化に寄与する。一方、粗粒子状カーボンブラック
は、固体潤滑剤としての機能を有しており、またバック
層の表面に微小突起を形成し、接触面積を低減化して、
摩擦係数の低減化に寄与する。
【0037】バックコート層において、平均粒子サイズ
の異なる二種類のものを使用する場合、上記微粒子状カ
ーボンブラックと上記粗粒子状カーボンブラックの含有
比率(重量比)は、前者:後者=99:1〜50:50
の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、98:
2〜80:20の範囲である。また、バックコート層に
おけるカーボンブラック(二種類のものを使用する場合
はその全量)の含有量は、好ましくは結合剤100重量
部に対して、20〜200重量部の範囲であり、更に好
ましくは、25〜150重量部の範囲である。
【0038】バックコート層に用いられる結合剤として
は、前述した磁性層に記載したものを使用することがで
きる。本発明において、バックコート層の結合剤は、ニ
トロセルロース樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、
更に硬化剤としてのポリイソシアネートを加えた組み合
わせで構成されていることが好ましい。そしてニトロセ
ルロース樹脂としては、硝化度が5〜20%の範囲の比
較的ニトロ基が多く含まれているものが好ましい。ま
た、ニトロセルロース樹脂は、結合剤中に20〜80重
量%(更に好ましくは、40〜70重量%)の範囲で含
有されていることが好ましい。
【0039】バックコート層に用いられる無機質粉末
は、モース硬度が5〜9の無機質粉末であることが好ま
しい。このような無機質粉末の添加でテープに繰り返し
走行耐久性を付与し、バックコート層が強化される。特
に、無機質粉末をカーボンブラックと共に使用すると、
繰り返し摺動に対しても劣化が少なく、強いバックコー
ト層となる。またモース硬度が5〜9の無機質粉末を使
用すると、適度の研磨力が生じ、テープガイドポール等
へ削り屑等の付着が低減する。モース硬度5〜9の無機
質粉末は、その平均粒子サイズが0.01〜1μm(更
に好ましくは、0.05〜0.5μm、特に好ましく
は、0.08〜0.3μm)の範囲にあることが好まし
い。
【0040】モース硬度が5〜9の無機質粉末として
は、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、及び酸化クロ
ム(Cr2 3 )を挙げることができる。これらの粉末
は、それぞれ単独で用いても良いし、あるいは併用して
も良い。これらの内では、α−酸化鉄又はα−アルミナ
が好ましい。モース硬度が5〜9の無機質粉末の含有量
は、カーボンブラック100重量部に対して0.01〜
5重量部であり、好ましくは、0.05〜2重量部であ
る。
【0041】バックコート層には磁性層の説明で記載し
た分散剤を添加することができる。バックコート層で
は、分散剤は、オレイン酸銅、銅フタロシアニン、及び
硫酸バリウムを組み合わせて使用することが好ましい。
分散剤は、通常結合剤100重量部に対して0.5〜2
0重量部の範囲で添加される。
【0042】上記(2)の場合、本発明に係るバックコ
ート層の形成に際して、バックコート層の塗布液の調製
は、以下の方法で行うことが好ましい。即ち、少なくと
もカーボンブラックとニトロセルロース樹脂などの結合
剤をヘンシェルミキサー、ロールミル、ニーダー等の攪
拌混合、分散機を用いて予備混練した後、更にボールミ
ルやサンドグラインダーで分散してペースト状とした
後、少なくとも24時間デゾルバの攪拌程度の剪断力以
下(即ち、1回転/分程度の緩やかな攪拌羽根の回転力
下)で熟成させることにより、塗布液を調製することが
好ましい。
【0043】上記(3)の場合、バックコート層のカレ
ンダー処理は、従来の金属ロールのみから構成される7
〜9段のカレンダー処理機を用いて行うことができる。
その際、カレンダー処理は、処理条件として、温度90
℃〜120℃の範囲、線圧250〜400kg/cm2
の範囲で調整することにより、行うことが好ましい。
尚、カレンダーによる表面処理は、用いるカレンダロー
ルの材質、その表面性等により、調節することもでき
る。
【0044】尚、バックコート層には、レーザ光の吸収
を高めるために、色素を含有させることができる。この
ような色素は、用いるレーザ光に対して高い吸収スペク
トルを示すものが選ばれる。例えば、シアニン色素、メ
ロシアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロ
シアニン色素、及びこれらの色素構造を配位子として有
する金属錯体から選ばれる少なくとも一種の色素化合物
を挙げることができる。これらの色素は、光ディスクに
用いられている公知の材料から選んで用いることができ
る。
【0045】本発明の磁気記録テープのバックコート層
と支持体との間に反射層を設けてもよい。反射層は、金
属材料である光反射性物質から形成されていることが好
ましい。その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、R
e、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、P
t、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、I
n、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの
金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることがで
きる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは
二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。
これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、、Pt、
Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に
好ましくは、Au金属、Ag金属、あるいはこれらの合
金である。好ましいAu又はAg合金としては、それぞ
れPt、Cu、及びAlからなる群より選ばれる少なく
とも一種の金属を含む合金を挙げることができる。反射
層は、例えば、光反射性物質を蒸着、スパッタリングま
たはイオンプレーティングすることにより、支持体上に
形成することができる。反射層の層厚は、一般的には1
0〜800nmの範囲にあり、好ましくは20〜500
nmの範囲、更に好ましくは50〜300nmの範囲で
ある。
【0046】本発明の磁気記録テープは、支持体と磁性
層との間に更に非磁性層が設けられた構成のものであっ
ても良い。即ち、支持体の一方の側に非磁性層と磁性層
とをこの順に有し、かつ該支持体の他方の側にバックコ
ート層を有する構成の磁気記録テープであっても良い。
非磁性層は、非磁性粉末及び結合剤を含む実質的に非磁
性の層である。この非磁性層は、その上の磁性層の電磁
変換特性に影響を与えないように実質的に非磁性である
ことが必要であるが、磁性層の電磁変換特性に悪影響を
与えなければ磁性粉末が含まれていても特に問題とはな
らない。また非磁性層には通常、これらの成分以外に潤
滑剤が含まれている。
【0047】非磁性層で用いられる非磁性粉末として
は、例えば、非磁性無機粉末、カーボンブラックを挙げ
ることができる。非磁性無機粉末は、比較的硬いものが
好ましく、モース硬度が5以上(更に好ましくは、6以
上)のものが好ましい。これらの非磁性無機粉末の例と
しては、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、
炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、
コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、二酸化チタ
ン、二酸化珪素、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、及び硫酸バリウムを挙げることが
できる。これらの非磁性無機粉末は、粒状、針状、平板
状、さいころ状、無定型のいずれでもかまわない。これ
らは単独でまたは組合せて使用することができる。これ
らのうちでは、二酸化チタン、α−アルミナ、α−酸化
鉄又は酸化クロムが好ましい。非磁性無機粉末の平均粒
子径は、0.01〜1.0μm(好ましくは、0.01
〜0.5μm)の範囲にあることが好ましい。
【0048】非磁性層のカーボンブラックは、磁性層に
導電性を付与して帯電を防止すると共に、非磁性層上に
形成される磁性層の平滑な表面性を確保する目的で添加
される。非磁性層で用いるカーボンブラックとしては前
述した磁性層に含有させることができるカーボンブラッ
クを使用することができる。但し、非磁性層で使用する
カーボンブラックは、その平均粒子径が35nm以下
(更に好ましくは、10〜35nm)であることが好ま
しい。カーボンブラックの通常の添加量は、全非磁性無
機粉末100重量部に対して、3〜40重量部であり、
好ましくは、5〜30重量部である。
【0049】非磁性層の潤滑剤としては、前述の磁気記
録テープの磁性層に記載した脂肪酸あるいは脂肪酸エス
テルを使用することができる。潤滑剤の通常の添加量
は、非磁性層の全非磁性粉末100重量部に対して0.
2〜20重量部の範囲である。
【0050】非磁性層の結合剤としては、前述した磁性
層にて記載した結合剤を用いることができる。結合剤
は、非磁性層の非磁性粉末100重量部に対して、通常
5〜50重量部(好ましくは、10〜30重量部)の範
囲である。なお、非磁性層に結合剤として塩化ビニル系
樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイソシネートを組み
合わせて用いる場合は、全結合剤中に、塩化ビニル系樹
脂が5〜70重量%、ポリウレタン樹脂が2〜50重量
%、そしてポリイソシアネートが2〜50重量%の範囲
の量で含まれるように用いることが好ましい。なお、非
磁性層においても前述した磁性層に添加することができ
る分散剤やその他の添加剤を添加することができる。
【0051】次に、本発明の磁気記録テープの製造方法
について簡単に説明する。本発明の磁気記録テープは、
通常の方法に従って支持体の一方の面に磁性層(非磁性
層及び磁性層が設けられた態様では、非磁性層及び磁性
層)を、そして他方の面に本発明に係るバックコート層
を順にそれぞれ形成することにより、製造することがで
きる。本発明に係るバックコート層は、前述した方法に
より形成することができる。
【0052】非磁性層及び磁性層が設けられた態様の場
合、磁性層は非磁性層が湿潤状態にあるうちにこの上に
設けられたものであることが好ましい。すなわち、磁性
層は、非磁性層用塗布液を塗布後、形成された塗布層
(非磁性層)が湿潤状態にあるうちにこの上に磁性層用
塗布液を塗布する、所謂ウエット・オン・ウエット方式
による塗布方法を利用して形成されたものであることが
好ましい。
【0053】上記ウエット・オン・ウエット方式による
塗布方法としては、例えば以下の方法を挙げることがで
きる。 (1)グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、ある
いはエクストルージョン塗布装置などを用いて、支持体
上にまず非磁性層を形成し、該非磁性層が湿潤状態にあ
るうちに、支持体加圧型エクストルージョン塗布装置に
より、磁性層を形成する方法(特開昭60−23817
9号、特公平1−46186号、特開平2−26567
2号公報参照)。 (2)塗布液用スリットを二つ備えた単一の塗布ヘッド
からなる塗布装置を用いて支持体上に磁性層と非磁性層
をほぼ同時に形成する方法(特開昭63−88080
号、特開平2−17921号、特開平2−265672
号各公報参照)。 (3)バックアップローラ付きエクストルージョン塗布
装置を用いて、支持体上に磁性層及び非磁性層をほぼ同
時に形成する方法(特開平2−174965号公報参
照)。非磁性層及び磁性層は、同時重層塗布法を利用し
て形成することが好ましい。
【0054】本発明の磁気記録テープは、支持体の一方
の側に磁性層を、他方の側にバックコート層を有する単
層構成の場合、その磁性層の厚みが、0.05〜3.0
μm(更に好ましくは、0.1〜2.5μm)の範囲に
あることが好ましい。またこの構成の磁気テープの全体
の厚みは3.0〜20.0μmの範囲にあることが好ま
しい。また、バックコート層の厚みは、0.1〜1.0
μm(更に好ましくは、0.2〜0.8μm)の範囲に
あることが好ましい。
【0055】非磁性層を有する構成の磁気記録テープの
場合、その磁性層の厚みが、0.01〜1.0μm(更
に好ましくは、0.03〜0.5μm)の範囲にあるこ
とが好ましい。また、非磁性層の厚みは、0.1〜3.
0μm(更に好ましくは、1.0〜2.5μm)の範囲
にあることが好ましい。磁性層の厚みと非磁性層の厚み
との比は、1:2〜1:15(更に好ましくは、1:3
〜1:12)の範囲にあることが好ましい。非磁性層を
有する構成の磁気テープの全体の厚み及びバックコート
層の厚みは、前記の単層構成の磁気テープと同じ範囲に
あることが好ましい。
【0056】本発明の磁気記録テープのバックコート層
への凹みの形成は、レーザ光を用いて行うことができ
る。書き込み用、及び読み取り用のレーザ光としては、
その波長が、一般に300〜2000nmの範囲のもの
が用いられる。そして、書き込みを行う場合には、レー
ザ光をバックコート層に磁気記録テープの長手方向に沿
って照射することにより、凹みを形成することができ
る。凹みは、長手方向に沿って連続的に複数個形成され
ていることが好ましい。凹みの形状は特に問わないが、
凹みの幅が1〜20μmの範囲で、その長さ(テープの
長手方向の長さ)が5〜30μmの範囲で形成すること
が好ましい。また凹みの深さは、バックコート層の厚み
以内であり、0.1〜1μmの範囲にあることが好まし
い。凹みの読み取りも上記と同様にレーザ光を照射する
ことで凹み部分とそれ以外の部分の反射率の違いを検出
することで行うことができる。
【0057】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を記載する。尚、
以下の「部」は、「重量部」を表わす。
【0058】 [実施例1] [磁性層形成用塗布液の調製] (磁性層形成用成分) 強磁性金属粉末 100部 [組成/Fe:Co=10:3(重量比) 保磁力(Hc):1850エルステッド(Oe) 飽和磁化量(σs):135emu/g 粒子サイズ(平均長軸長(径)):0.12μm 結晶子サイズ:160Å 焼結防止剤(Al23、及びY23含有)] 極性基(−SO3 Na基)含有塩化ビニル系共重合体 10部 (−SO3 Na基含有量:4×10-5モル/g、重合度300) 極性基(−SO3 Na基)含有ポリエステルポリウレタン樹脂 6部 [ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/ ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI) =0.9/2.6/1(重量比) −SO3 Na基1×10-4モル/g含有] カーボンブラック(平均一次粒子径:85nm) 1部 α−アルミナ(Hit55、住友化学工業(株)製) 8部 ブチルステアレート 1部 メチルエチルケトン 10部 シクロヘキサノン 20部
【0059】上記磁性層を形成する各成分をオープンニ
ーダーで混練したのち、メチルエチルケトン90部、及
びシクロヘキサノン80部で希釈した。その後、サンド
グラインダーを用いてジルコニアビーズで分散し、その
後、ステアリン酸1部及びポリイソシアネート(コロネ
ートL、日本ポリウレタン工業(株)製)10部を加
え、磁性層形成用塗布液を調製した。
【0060】 [非磁性層形成用塗布液の調製] (非磁性層形成用成分) 非磁性粉末 α−ヘマタイト 80部 (平均長軸長:0.18μm 平均短軸長:0.02μm SSA:65m2 /g pH:7.5) カーボンブラック 20部 (平均一次粒子径:16nm、Sbet:180m2 /g) 極性基(−SO3 Na基)含有塩化ビニル系共重合体 12部 (−SO3 Na基含有量:4×10-5モル/g、重合度300) 極性基(−SO3 Na基)含有ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 [ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/ ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI) =0.9/2.6/1(重量比) −SO3 Na基1×10-4モル/g含有] α−アルミナ(Hit55、住友化学工業(株)製) 5部 ブチルステアレート 1部 メチルエチルケトン 8部 シクロヘキサノン 20部 上記非磁性層を形成する各成分をオープンニーダーで混
練したのち、メチルエチルケトン80部、及びシクロヘ
キサノン80部で希釈した。その後、サンドグラインダ
ーを用いてジルコニアビーズで分散し、その後、ステア
リン酸1部及びポリイソシアネート(コロネートL、日
本ポリウレタン工業(株)製)10部を加え、非磁性層
形成用塗布液を調製した。
【0061】 [バックコート層形成用塗布液の調製] (バックコート層形成用成分) カーボンブラックI 100部 (平均一次粒子径:17nm BET法による比表面積:220m2 /g DBP吸油量:75mL/100g 揮発分:1.5% pH:8.0) ニトロセルロース樹脂(RS1/2、硝化度12%) 100部 ポリエステルポリウレタン樹脂 30部 分散剤:オレイン酸銅 10部 銅フタロシアニン 10部 硫酸バリウム(沈降性) 5部 メチルエチルケトン 500部 トルエン 500部
【0062】上記の成分を予備混練し、ロールミルで混
練した。得られた分散物100重量部に対して、下記の
成分を添加してサンドグラインダーで分散した。 カーボンブラックII 0.2部 (平均一次粒子径:280nm BET法による比表面積:10m2 /g DBP吸油量:36mL/100g pH:8.5) α−アルミナ(粒子サイズ:0.2μm) 0.1部 得られた分散物を濾過後、該分散物100重量部に対し
て、メチルエチルケトン120部及びポリイソシアネー
ト3部を添加してバック層形成用塗布液を調製した。
【0063】[磁気記録テープの作製]得られた非磁性
層形成用塗布液と磁性層形成用塗布液とを、乾燥後の非
磁性層の厚さが1.0μmとなるように、またこの上に
乾燥後の磁性層の厚さが0.25μmとなるように、予
め表面をクリーニングした後に結合剤樹脂からなる接着
層(厚み:0.05μm)を設けたポリエチレンナフタ
レート(PEN)製支持体(厚さ:6.0μm)上に同
時重層塗布を行った。次いで、両層がまだ湿潤状態にあ
るうちに、磁場7000エルステッド(Oe)のコバル
ト磁石と磁場4000(Oe)のソレノイド磁石を用い
て面内長手方向に配向処理を行った。その後、温風によ
り乾燥させることにより、非磁性層及び磁性層を形成し
た。
【0064】その後、該支持体の他方の側(磁性層とは
反対側)に、上記バックコート層形成用塗布液を乾燥後
の厚さが、0.5μmとなるようにバーコーターにより
塗布し、乾燥してバックコート層を設けて、支持体の一
方の面に非磁性層と磁性層とが、そして他方の面にバッ
クコート層がそれぞれ設けられた磁気記録積層体ロール
を得た。
【0065】得られた磁気記録積層体ロールを金属ロー
ルのみから構成される9段のカレンダー処理機(処理条
件:温度90℃、線圧300kg/cm2 )に通してカ
レンダー処理を行った。カレンダー処理後、次いで硬膜
化(キュワリング)処理し、更に磁気記録積層体ロール
を1/2インチ幅にスリットして、本発明に従う磁気記
録テープを得た。
【0066】[実施例2]実施例1において、下記の方
法で調製したバックコート層形成用塗布液を用いたこと
以外は同様にして本発明に従う磁気記録テープを作成し
た。 [バックコート層形成用塗布液の調製] (バックコート層形成用成分) カーボンブラック 100部 (平均一次粒子径:20nm BET法による比表面積:80m2 /g DBP吸油量:80mL/100g 揮発分:0.3% pH:10) ニトロセルロース樹脂(RS1/2、硝化度12%) 100部 ポリエステルポリウレタン樹脂 60部 分散剤:オレイン酸銅 10部 銅フタロシアニン 10部 硫酸バリウム(沈降性) 5部 メチルエチルケトン 500部 トルエン 500部
【0067】上記の成分をオープンニーダーで混練し
た。得られた分散物100重量部に対して、下記の成分
を添加してサンドグラインダーで分散した。 カーボンブラック 0.5部 (平均一次粒子径:280nm DBP吸油量:36mL/100g BET法による比表面積:200m2 /g pH:8.5) α−アルミナ(粒子サイズ:0.2μm) 0.3部 得られた分散物を濾過後、該分散物100重量部に対し
て、メチルエチルケトン120部及びポリイソシアネー
ト3部を添加してバック層形成用塗布液を調製した。
【0068】[実施例3]実施例1において、下記の方
法で調製したバックコート層形成用塗布液を用いたこと
以外は同様にして本発明に従う磁気記録テープを作成し
た。 [バックコート層形成用塗布液の調製] (バックコート層形成用成分) カーボンブラック 100部 (平均一次粒子径:18nm DBP吸油量:130mL/100g BET法による比表面積:150m2 /g 揮発分:1.0% pH:7.5) ニトロセルロース樹脂(RS1/2、硝化度12%) 150部 ポリエステルポリウレタン樹脂 30部 分散剤:オレイン酸銅 10部 銅フタロシアニン 10部 硫酸バリウム(沈降性) 5部 メチルエチルケトン 500部 トルエン 500部
【0069】上記の成分をオープンニーダーで予備混練
した後、ロールミルで所望の粘度になるまで混練した。
得られた分散物100重量部に対して、下記の成分を添
加してサンドグラインダーで分散した。 カーボンブラック 0.1部 (平均一次粒子径:280nm DBP吸油量:36mL/100g BET法による比表面積:200m2 /g pH:8.5) α−アルミナ(粒子サイズ:0.2μm) 0.1部 得られた分散物を濾過後、該分散物100重量部に対し
て、メチルエチルケトン120部及びポリイソシアネー
ト3部を添加してバック層形成用塗布液を調製した。
【0070】[実施例4]実施例1において、下記の方
法で調製したバックコート層形成用塗布液を用いたこと
以外は同様にして本発明に従う磁気記録テープを作成し
た。 [バックコート層形成用塗布液の調製] (バックコート層形成用成分) カーボンブラック 50部 (平均一次粒子径:17nm DBP吸油量:75mL/100g BET法による比表面積:220m2 /g 揮発分:1.5% pH:8.0) ニトロセルロース樹脂(RS1/2、硝化度12%) 100部 ポリエステルポリウレタン樹脂 50部 分散剤:オレイン酸銅 10部 銅フタロシアニン 10部 硫酸バリウム(沈降性) 5部 メチルエチルケトン 500部 トルエン 500部
【0071】上記の成分を予備混練した後、ロールミル
で混練した。得られた分散物100重量部に対して、下
記の成分を添加してサンドグラインダーで分散した。 カーボンブラック 0.1部 (平均一次粒子径:280nm DBP吸油量:36mL/100g BET法による比表面積:200m2 /g pH:8.5) α−アルミナ(粒子サイズ:0.2μm) 0.1部 得られた分散物を濾過後、該分散物100重量部に対し
て、メチルエチルケトン120部及びポリイソシアネー
ト3部を添加してバック層形成用塗布液を調製した。
【0072】[実施例5]実施例1において、下記の方
法で調製したバックコート層形成用塗布液を用いたこと
以外は同様にして本発明に従う磁気記録テープを作成し
た。 [バックコート層形成用塗布液の調製] (バックコート層形成用成分) カーボンブラック 100部 (平均一次粒子径:17nm BET法による比表面積:220m2 /g DBP吸油量:75mL/100g 揮発分:1.5% pH:8.0) ニトロセルロース樹脂(RS1/2、硝化度12%) 50部 ポリエステルポリウレタン樹脂 40部 分散剤:オレイン酸銅 10部 銅フタロシアニン 10部 硫酸バリウム(沈降性) 5部 メチルエチルケトン 500部 トルエン 500部
【0073】上記の成分を予備混練し、ロールミルで混
練した。得られた分散物100重量部に対して、下記の
成分を添加してサンドグラインダーで分散した。 カーボンブラック 0.2部 (平均一次粒子径:280nm BET法による比表面積:200m2 /g DBP吸油量:36mL/100g pH:8.5) α−アルミナ(粒子サイズ:0.2μm) 0.1部 得られた分散物を濾過後、該分散物100重量部に対し
て、メチルエチルケトン120部及びポリイソシアネー
ト3部を添加してバック層形成用塗布液を調製した。
【0074】[比較例1]実施例1において、バックコ
ート層のカーボンブラックIの使用量を300部に変え
てバックコート層形成用塗布液を調製したこと以外は同
様にして比較用の磁気記録テープを作成した。
【0075】[比較例2]実施例1において、カーボン
ブラックIの代わりに下記のカーボンブラックを同量用
いてバックコート層形成用塗布液を調製したこと、及び
カレンダー処理を温度110℃、線圧350kg/cm
2の処理条件に変更して行ったこと以外は同様にして比
較用の磁気記録テープを作成した。 カーボンブラック (平均一次粒子径:15nm DBP吸油量:65mL/100g BET法による比表面積:260m2 /g 揮発分:2.0% pH:8.0)
【0076】[比較例3]実施例1において、カーボン
ブラックIIの代わりに下記のカーボンブラックを50部
用いてバックコート層形成用塗布液を調製したこと以外
は同様にして比較用の磁気記録テープを作成した。 カーボンブラック (平均一次粒子径:84nm DBP吸油量:84mL/100g BET法による比表面積:28m2 /g 揮発分:0.6% pH:7.0)
【0077】[比較例4]実施例1において、カーボン
ブラックIの使用量を200部に変更し、これに更に下
記のカーボンブラック100部を加え(300部と
し)、バックコート層形成用塗布液を調製したこと以外
は同様にして比較用の磁気記録テープを作成した。 カーボンブラック (平均一次粒子径:15nm DBP吸油量:45mL/100g BET法による比表面積:280m2 /g 揮発分:10.0% pH:2.0)
【0078】[磁気記録テープとしての評価]実施例及
び比較例で得られた各磁気記録テープのバックコート層
の反射率及び吸光係数を下記の方法で測定した。 (1)反射率の測定 自記分光光度計(UVー3100PC、島津製作所
(株)製)及び絶対反射率測定装置(ASRー310
5、島津製作所(株)製)を用いて、磁気記録テープの
バックコート層に対して、入射角5°で波長300〜2
000nmの範囲の光を入射し、反射スペクトルを測定
した。そして1000nmでの反射率を採用した。
【0079】(2)吸光係数の測定 支持体の磁性層側を剥がした磁気記録テープを用意し
た。そしてこの磁気記録テープの吸光係数を自記分光光
度計(UVー3100PC、島津製作所(株)製)を用
いて、測定した。吸光係数の測定は、波長300〜20
00nmの範囲の光の吸光スペクトルを測定し、500
nmでの吸光係数を採用した。更に支持体自体の吸光係
数を同様に測定して上記の測定値からこの値を差し引い
て補正を行い、バックコート層の吸光係数とした。
【0080】次に、実施例及び比較例の磁気記録テープ
のバックコート層にその長手方向に沿ってレーザ光を用
いて下記の記録条件にて略楕円形状の凹み(以下、マー
ク信号)を記録した。 記録条件; 半導体レーザ光:波長680nm(SHG素子を使用し
て波長を340nmに変換した後、マーク信号を書き込
んだ。) レーザビーム径:1μm 線速度:毎秒2m 記録パワー:8mW
【0081】マーク信号を書き込んだ磁気記録テープを
下記の項目について評価した。 (1)マーク信号の書き込みの精度 磁気記録テープのバックコート層に記録したマーク信号
の幅を、磁気記録テープ3mに渡り、コンパレータを用
いて計測し、その平均値と標準偏差(σ)を求めた。測
定点は、100点とした。マーク信号の幅(磁気記録テ
ープの幅方向の長さ)は、4〜8μmの範囲にあり、そ
の標準偏差σが0.4μm以下のものを合格とした。マ
ーク信号の長さ(磁気記録テープの長手方向の長さ)は
平均20μmである。
【0082】(2)マーク信号の読み取りの正解率の測
定 磁気記録テープのバックコート層に記録したマーク信号
をレーザ光(波長:780nm)によりその反射頻度か
らマーク信号の個数を計測した。評価は、磁気記録テー
プ3mの間隔の中にある100個のマーク信号を10回
読み取り、正確に計測できる割合を測定することによ
り、行った。
【0083】(3)シューシャインテスト 磁気記録テープのバックコート層表面側とステンレスス
チール(SUS420J、直径:4mm、0.2S)と
をIEC式μ値測定機にて摺動させた。磁気記録テープ
をラップ角90度、テープテンション100gにてステ
ンレススチールの表面上を往復させ、100パス(P)
毎にマーク信号に及ぼす擦り傷を観察した。500パス
後においてもマーク信号の幅が4〜8μmの範囲にあ
り、その標準偏差σが0.4μm以下のものを合格とし
た。磁気記録テープのバックコート層の特性及び評価結
果を表1に示す。
【0084】
【表1】 表1 ─────────────────────────────────── バックコート層の特性 評 価 結 果 マーク信号 シュー 読み取り 反射率 吸光係数 幅 幅のばらつき シャイン 正解率 (%) (/μm) (μm) (σ) テスト (%) ─────────────────────────────────── 実施例1 20 2.5 5.5 0.24 500P 100 実施例2 15 2.5 4.8 0.33 500P 100 実施例3 30 2.5 5.4 0.13 500P 100 実施例4 20 0.8 4.0 0.07 500P 100 実施例5 20 4.0 5.8 0.35 500P 100 ─────────────────────────────────── 参考例1 12 2.5 6.0 0.68 200PNG 80 参考例2 35 2.5 2.5 0.35 100PNG 100 参考例3 20 0.3 2.0 0.05 300PNG 30 参考例4 20 6.0 9.0 0.52 200PNG 100 ────────────────────────────────────
【0085】表1の結果から、いずれの磁気記録テープ
においてもバックコート層にマーク信号を記録すること
ができると共に、記録したマーク信号をレーザ光によっ
て読み取りを行うことができることがわかる。特に、所
定の波長のレーザ光に対して反射率及び吸光係数が特定
の範囲にあるように調整されたバックコート層を備えた
磁気記録テープ(実施例1〜5)の場合には、参考例1
〜4の磁気記録テープに比べて、マーク信号を効率よ
く、比較的正確に記録することができ、またレーザ光に
よる読み取りを精度よく行うことができることがわか
る。
【0086】
【発明の効果】本発明の磁気記録テープには、そのバッ
クコート層にレーザ光による凹みが記録されており、ま
た、その凹みからその磁気記録テープが辿った履歴をレ
ーザ光により容易に確認することができる。従って、磁
気記録テープの製造後、製品の品質管理や品質保証を迅
速に行うことができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方の面に、強磁性粉末及び結
    合剤を含む磁性層を有し、そして該支持体の他方の面に
    バックコート層を有する磁気記録テープであって、該バ
    ックコート層の表面に情報がレーザ光の照射によって形
    成された凹みにより記録されていることを特徴とする磁
    気記録テープ。
  2. 【請求項2】 凹みが、磁気記録テープの長手方向に沿
    って複数個連続して設けられている請求項1に記載の磁
    気記録テープ。
  3. 【請求項3】 凹みが、1〜20μmの範囲の幅で、5
    〜30μmの範囲の長さを有する請求項1又は2に記載
    の磁気記録テープ。
  4. 【請求項4】 バックコート層が、500〜2000n
    mの範囲の波長のレーザ光に対して15〜30%の範囲
    の反射率を有する請求項1乃至3の内のいずれかの項に
    記載の磁気記録テープ。
  5. 【請求項5】 バックコート層が、500nmの波長に
    おけるレーザ光に対して0.5〜5/μmの範囲の吸光
    係数を有する請求項1乃至3の内のいずれかの項に記載
    の磁気記録テープ。
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