JP3310007B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3310007B2
JP3310007B2 JP01314892A JP1314892A JP3310007B2 JP 3310007 B2 JP3310007 B2 JP 3310007B2 JP 01314892 A JP01314892 A JP 01314892A JP 1314892 A JP1314892 A JP 1314892A JP 3310007 B2 JP3310007 B2 JP 3310007B2
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明 三宅
照久 宮田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばフレキシブル磁
気デイスクなどの磁気記録媒体に係り、特に光学的に磁
気ヘツドのトラツキングができる磁気ヘツドトラツキン
グ用光学凹部を設けた磁気記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピユータやワード
プロセツサなどの著しい普及に伴い、それらに使用する
外部記憶装置の小型、大容量化がさらに要求される。こ
れらの要求に対応するため、フレキシブル磁気デイスク
において、それのドーナツ状記録帯域の最内周にリフア
レンストラツクを形成し、そのリフアレンストラツクか
ら半径方向外側に向けて所定の間隔離れ、かつ前記リフ
アレンストラツクと同心円状の磁気ヘツドトラツキング
用光学凹部をリング状に多数形成し、各リング状磁気ヘ
ツドトラツキング用光学凹部の間をデータトラツクとし
たものが提案されている(例えば特開平2−18796
9号公報参照)。
【0003】図27ならびに図28は、この種磁気デイ
スクを説明するための拡大断面図ならびに平面図であ
る。
【0004】これらの図に示すように、ベースフイルム
100の表面には磁性層101が設けられており、この
磁性層101にはトラツキングサーボ用の溝102が磁
気デイスクの回転方向に延びるように、例えばレーザ加
工などの手段によつて形成されている。この溝102と
溝102との間がデータトラツク103となる(図28
参照)。
【0005】一方、磁気記録再生装置の方には、前記磁
気デイスクの表面にトラツキングサーボ用の光線104
を出射する発光素子(図示せず)と、磁気デイスク表面
からの反射光105を受光する受光素子106a,10
6b,106c,106d(図28参照)とを備えてい
る。
【0006】そして前記発光素子から出射された光線1
04を磁気デイスク表面に当てて、それからの反射光1
05を受光素子106a,106b,106c,106
dで受光する。
【0007】前述のように磁性層101にはトラツキン
グサーボ用の溝102が形成されているため、データト
ラツク103上で反射する光強度と溝102上で反射す
る光強度は異なる。図28に示す例では受光素子106
aと106bの合計出力値と、受光素子106cと10
6dの合計出力値とを常に比較して、両者の出力値が等
しくなるように磁気ヘツド(図示せず)のトラツキング
サーボが行なわれる。
【0008】従来の磁気デイスクは磁性層101の厚み
が1〜3μmあり、そのめた磁気デイスク表面からの反
射光105を受光する受光素子106a,106b,1
06c,106dで良好に受光することができた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、磁気デイスク
のオーバライト特性を改善するために磁性層の厚さを
0.9μm以下に薄くすると、データトラツク上での反
射強度がばらつきやすくなり、適正なトラツキングサー
ボが行なわれ難いという問題が出てきた。
【0010】この種の磁気デイスクでは媒体の光学的特
性が極めて重要な項目となり、その光学的特性とは具体
的には、 .磁気ヘツドトラツキング用光学凹部と、その凹部以
外の平坦部とのコントランスが高いこと、 .光学的ノイズが低いこと、が挙げられる。
【0011】本発明の目的は、前述したような従来技術
の問題点を解消し、トラツキングサーボが適正に行える
信頼性の高い磁気記録媒体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、非磁性体からなる基体と、その基体の
方の面に磁性層を形成し、他方の面にトラツキング用光
学凹部を設ける層を形成して、 そのトラツキング用光学
凹部を設ける層に、磁気ヘッドの走行方向に延びる磁気
ヘツドトラツキング用光学凹部と、その磁気ヘツドトラ
ツキング用光学凹部と隣の磁気ヘツドトラツキング用光
学凹部との間に設けられた凹部のない平面部とを設け、
前記磁気ヘツドトラツキング用光学凹部ならびに平面部
に光を照射し、その反射光に基づいて前記磁性層と対向
している磁気ヘツドをトラツキングする磁気記録媒体に
おいて、 中心波長が880nmの光を前記トラツキング
用光学凹部を設けた層の表面に対して入射角20度で照
射した際の、周波数が100Hzを超えて2KHz未満
の領域における光反射率の変動が4dB以下に規制され
ていることを特徴とするものである。
【0013】上記目的を達成するために、さらに本発明
は、非磁性体からなる基体と、その基体の一方の面に磁
性層を形成し、他方の面に鉄成分を含みトラツキング用
光学凹部を設ける層を形成して、 そのトラツキング用
光学凹部を設ける層に、磁気ヘッドの走行方向に延びる
磁気ヘツドトラツキング用光学凹部と、その磁気ヘツド
トラツキング用光学凹部と隣の磁気ヘツドトラツキング
用光学凹部との間に設けられた凹部のない平面部とを設
け、 前記磁気ヘツドトラツキング用光学凹部ならびに平
面部に光を照射し、その反射光に基づいて前記磁性層と
対向している磁気ヘツドをトラツキングする磁気記録媒
体において、 前記トラッキング用光学凹部を形成した層
表面に1mmのスポツト径になるようにX線を5mmの
間隔毎に照射し、トラッキング用光学凹部を形成した層
から発生する1秒間当たりの鉄の蛍光X線量を計測した
ときの、X線の平均カウント値の標準偏差が1.5カウ
ント/秒以下に規制されていることを特徴とするもので
ある。
【0014】
【作用】本発明は前述のように、特定の周波数領域に注
目して光反射率の変動を所定の値に規制したり、また鉄
の蛍光X線カウント値の標準偏差を所定の値に規制する
ことにより、優れた光学特性が得られ、トラツキング用
光学凹部による磁気ヘツドのトラツキングサーボが適正
に行なわれる磁気記録媒体を提供することができる。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例を図とともに説明する。
図1は実施例に係る磁気デイスクカートリツジの一部を
分解した斜視図、図2は磁気シートの拡大断面図、図3
は磁気デイスクの平面図である。
【0016】図1に示すように磁気デイスクカートリツ
ジは、カートリツジケース1と、その中に回転自在に収
納されたフレキシブルな磁気デイスク2と、カートリツ
ジケース1にスライド可能に取り付けられたシヤツタ3
と、カートリツジケース1の内面に溶着されたクリーニ
ングシート(図示せず)とから主に構成されている。
【0017】前記カートリツジケース1は、上ケース1
aと下ケース1bとから構成され、これらは例えばAB
S樹脂などの硬質合成樹脂で射出成形されている。
【0018】下ケース1bの略中央部には回転駆動軸挿
入用の開口4が形成され、その近くに長方形のヘツド挿
入口5が形成されている。図示していないが、上ケース
1aにも同様にヘツド挿入口5が形成されている。上ケ
ース1aと下ケース1bの前面付近には、前記シヤツタ
3のスライド範囲を規制するために少し低くなつた凹部
6が形成され、この凹部6の中間位置に前記ヘツド挿入
口5が開口している。
【0019】前記磁気デイスク2は図3に示すように、
ドーナツ状のフレキシブルな磁気シート7と、その磁気
シート7の中央孔に挿入されて接着された金属製あるい
は合成樹脂製のセンターハブ8とから構成されている。
【0020】前記磁気シート7は、ベースフイルム9
と、そのベースフイルム9の両面に塗着、形成された磁
性層10a、10bとから構成されている。
【0021】前記ベースフイルム9は、例えばポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)あるいはポリイミドなどの合成樹脂フイ
ルムから構成されている。
【0022】前記磁性層10a、10bは、強磁性粉、
バインダ、研磨粉ならびに潤滑剤などの混合物から構成
されている。
【0023】前記強磁性粉としては、例えばバリウムフ
エライト、ストロンチウムフエライト、α−Fe、Co
−Ni、Co−P、γ−Fe2 3 、Fe3 4 、Co
含有γ−Fe2 3 、Co含有γ−Fe3 4 、CrO
2 、Co、Fe−Niなどの微粉末が使用される。
【0024】前記バインダとしては、例えば塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体、ウレタン樹脂、ポリイソシアネ
ート化合物、放射線硬化性樹脂などが使用される。
【0025】前記研磨粉としては、例えば酸化アルミニ
ウム、酸化クロム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが用い
られる。この研磨粉の添加率は、磁性粉に対して約0.
1〜25重量%が適当である。
【0026】前記潤滑剤としては、例えばステアリン
酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、オレイルオレート、
グリセリンオレートなどの高級脂肪酸エステル、流動パ
ラフイン、スクアラン、フツ素樹脂、フツ素オイル、シ
リコンオイルなどが使用可能である。
【0027】磁性塗料の具体的な組成例を示せば次の通
りである。
【0028】 磁性塗料組成例1 バリウムフエライト 100重量部 (Hc:530〔Oe〕,飽和磁化量:57〔emu/g〕, 板径:0.05〔μm〕) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 11.0重量部 ウレタン樹脂 6.6重量部 三官能性イソシアネート化合物 4.4重量部 酸化アルミニウム粉末(平均粒径0.43〔μm〕) 15重量部 カーボンブラツク(平均粒径0.3〔μm〕) 2重量部 カーボンブラツク(平均粒径0.02〔μm〕) 2重量部 オレイルオレイル 6重量部 シクロヘキサノン 150重量部 トルエン 150重量部 磁性塗料組成例2 α−Fe 100重量部 (Hc:1650〔Oe〕,飽和磁化量:135〔emu/g〕, 長軸長さ:0.25〔μm〕,平均軸比:8) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 14.1重量部 ウレタン樹脂 8.5重量部 三官能性イソシアネート化合物 5.6重量部 酸化アルミニウム粉末(平均粒径0.43〔μm〕) 20重量部 カーボンブラツク(平均粒径0.3〔μm〕) 2重量部 カーボンブラツク(平均粒径0.02〔μm〕) 2重量部 オレイルオレイル 6重量部 シクロヘキサノン 150重量部 トルエン 150重量部 前述の磁性塗料組成例1または磁性塗料組成例2の組成
物をボールミル中でよく混合分散して磁性塗料を調整
し、これを62μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)のベースフイルムの両面に、乾燥平均厚みが0.
79μmとなるように塗布し、乾燥したのち、カレンダ
処理を施して磁性層10a、10bをそれぞれ形成す
る。
【0029】このようにして構成された磁気デイスク2
の磁性層10a(トラツキング用光学凹部を設ける層)
の表面に、図3に示すようにリフアレンストラツク11
と、多数の磁気ヘツドトラツキング用光学トラツク12
がエンボス加工などによつて形成される。これらリフア
レンストラツク11ならびに磁気ヘツドトラツキング用
光学トラツク12は、磁気デイスク2の回転中心13を
中心にして同心円状に設けられている。
【0030】1つの磁気ヘツドトラツキング用光学トラ
ツク12と隣の磁気ヘツドトラツキング用光学トラツク
12との間に、所望の情報が記録できるデータトラツク
14が形成される。
【0031】図3に示すように磁気デイスク2上に設け
られる記録帯域15の最内周部に前記リフアレンストラ
ツク11が形成され、それより径方向外側、すなわち磁
気ヘツドの走行方向と直交する方向外側に磁気ヘツドト
ラツキング用光学トラツク12とデータトラツク14が
交互に多数形成される。
【0032】前記リフアレンストラツク11は図4に示
すように、磁気ヘツドの走行方向Xに沿つて延びてお
り、リフアレンストラツク11の中心線16上の任意の
点17を中心として点対称に長方形のリフアレンス凹部
領域18Aとリフアレンス凹部領域18Bが一対になつ
て形成されている。このリフアレンス凹部領域18Aの
隣(リフアレンス凹部領域18Bの前方)ならびにリフ
アレンス凹部領域18Bの隣(リフアレンス凹部領域1
8Aの後方)には凹部のない平面部19Aと平面部19
Bとがある。
【0033】これら一組のリフアレンス凹部領域18
A、18B、平面部19A、19Bが、磁気ヘツドの走
行方向Xに沿つて間欠的または連続的に多数形成される
ことにより、リフアレンストラツク11を構成してい
る。
【0034】この実施例において前記リフアレンス凹部
領域18A、18Bの磁気ヘツド走行方向の長さL1は
2.4mm、幅方向の長さL2は18μmである。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】図5ないし図9は、磁気デイスク2のトラ
ツキングサーボを説明するための図である。図5に示す
ように、磁気ヘツドトラツキング用光学トラツク12に
もトラツキング用凹部23が、磁気ヘツドの走行方向X
に沿つて間欠的または連続的に形成されている。
【0040】この実施例の場合、トラツキング用凹部2
3は間欠的に形成され、トラツキング用凹部23の幅L
3は5μm、データトラツク14の幅L4は15μmで
ある。
【0041】前記リフアレンス凹部領域18A、18B
ならびにトラツキング用凹部23は、図6に示すように
同時にプレス加工によつて形成される。
【0042】同図に示すようにセンターハブ8を取り付
けた磁気デイスク2が、基台25上にセツトされる。こ
の磁気デイスク2は、前工程において磁性層10a,1
0bの表面が所定の表面粗さになるように研摩加工され
ている。
【0043】前記基台25にはセンターハブ8の中央孔
26(図3参照)に挿入されるセンターピン27が突設
されており、センターハブ8の中央孔26にこのセンタ
ーピン27を通して磁気デイスク2を基台25上に位置
決めする。
【0044】基台25の上方には、それと平行にスタン
パ28が上下動可能に配置され、スタンパ28は前記セ
ンターピン27によつて上下動がガイドされるようにな
つている。スタンパ28の下面には前記リフアレンス凹
部領域18A、18Bならびにトラツキング用凹部23
を形成するための微細な突部29が多数形成されてい
る。図6の状態からスタンパ28を下げて、磁気デイス
ク2を基台25とスタンパ28との間において所定の圧
力で挟持する。これによつてスタンパ28に形成されて
いる突部29が磁性層10aの表面に食い込み、圧縮に
より断面形状がほぼ台形のリフアレンス凹部領域18
A、18Bならびにトラツキング用凹部23が形成され
る。
【0045】記録再生時には、図7に示すように磁気デ
イスク2は磁気ヘツド30a、30bの間で挟持された
状態で回転する。前記磁気ヘツド30aの方には、トラ
ツキングサーボ用の光を出力する例えばLEDなどから
なる発光素子31と、磁性層10aからの反射光を受光
する受光素子群32とが一体に取り付けられている。
【0046】そしてこの磁気ヘツド30aの発光素子3
1ならびに受光素子群32が取り付けられている部分
は、磁気デイスク2側に向けて開口している。
【0047】受光素子群32は図8に示すように4つの
受光素子32a、32b、32c、32dから構成され
ており、データトラツク14ならびにトラツキング用凹
部23上で反射する光をこの受光素子32a、32b、
32c、32dで受光して、各受光素子32a、32
b、32c、32dの出力は図9に示すようにサーボ信
号演算部33に入力される。そしてこのサーボ信号演算
部33で求められた位置修正信号がヘツド駆動制御部3
4に入力され、それからの制御信号に基づいて磁気ヘツ
ド30のトラツキング制御が成される。
【0048】次に磁気デイスクにおける磁性層10の厚
さとオーバライト特性との関係について検討した結果を
説明する。
【0049】次の表1は、磁性層10の厚さを種々変え
た場合の各磁性層厚におけるオーバライト特性を測定し
てまとめた表である。このオーバライト特性は、最初に
150Hzの信号をデータトラツク上に書込み、次いで
その信号が書き込まれたデータトラツク上に600Hz
の信号を重ね書きして、残存する150Hzの信号の再
生出力を測定したものである。
【0050】なお、磁性層10の厚さは、透過型電子顕
微鏡(TEM)株式会社 日立製作所社製H−700H
を用いて測定した。後述の各試験においても同装置を用
いて磁性層の厚さを測定した。
【0051】 表 1 磁性層の厚さ(μm) オーバライト特性(dB) 0.21 −42.2 0.27 −40.0 0.49 −36.0 0.52 −35.7 0.57 −33.3 0.75 −31.2 0.79 −30.3 0.90 −30.0 1.05 −26.5 1.30 −25.2 1.55 −23.1 この表1の結果から明らかなように、磁性層10の厚さ
によつてオーバライト特性が大きく異なり、磁性層10
の厚さが0.90μmを越えるとオーバライト特性が悪
いが、0.90μm以下であると良好なオーバライト特
性(−30dB以下)を得ることができる。
【0052】次にこの磁気デイスクの光学特性について
説明する。図10は磁性層10の厚さを種々変えた試料
を作り、その磁性層10の厚さと光反射率との関係を実
験で求めた特性図である。この実施例での光源としては
図11に示すような波長分布を有するLED(中心波長
880nm)を使用し、磁性層10表面に対する入射角
θを20度とした。
【0053】この図10から明らかなように磁性層10
の厚さによつて光反射率の高い領域と低い領域とがあ
り、これは磁性層10の表面の反射光と、その磁性層1
0を透過し磁性層10とベースフイルム9との界面で反
射して、再び磁性層10を透過して表面に現れる戻り光
との干渉によるものであると考えられる。
【0054】この図に示すように、光反射率10%以上
確保できる磁性層の厚さはそれぞれ特定の範囲に限定さ
れる訳であるが、磁性塗料を塗布するときの膜厚のばら
つきなどにより、光反射率が大きく変動する心配があ
る。
【0055】図12は、この光反射率とサーボ信号出力
との関係を求めた特性図である。この図から明らかなよ
うに、磁性層の光反射率とサーボ信号出力とはほぼ比例
関係にあり、磁性層の光反射率がばらつくとサーボ信号
出力が変動するから、どの磁気デイスクでも安定したサ
ーボ信号出力を得るためには、光反射率の格差を可及的
に小さくすることが要求される。
【0056】光反射率の変動を小さくして安定したサー
ボ信号出力を得るためには、前述した干渉の影響を小さ
くすることが最も効果的であることが諸種の実験結果か
ら明らかになつた。そして干渉による影響を小さくする
有効な手段として、 .磁性層自体の光透過率を下げること、 .ベースフイルムの反射率を下げること、などが挙げ
られる。
【0057】前記項の磁性層自体の光透過率を下げる
手段として、カーボンブラツクの添加について検討し
た。図13はカーボンブラツクの添加量と磁性層の光透
過率との関係を調べた特性図で、この図から明らかなよ
うにカーボンブラツクを1.5重量%添加することによ
り、磁性層の光透過率を25%まで下げることが、カー
ボンブラツクを2重量%添加することにより、磁性層の
光透過率を20%近くまで下げることができる。このよ
うにカーボンブラツクの添加量を増すことにより磁性層
の光透過率を下げることができるが、カーボンブラツク
の添加量が増すと必然的に他の例えば磁性材料やバイン
ダなどの磁性層構成材料の量が制限されるため、カーボ
ンブラツクの添加量は1〜10重量%が適当で、好まし
くは1〜7重量%の範囲、さらに好ましくは1.5〜5
重量%の範囲である。
【0058】なお、磁性層の光透過率を下げると干渉に
よる影響は小さくなるが、磁性層の光反射率も下がる。
そこで、磁性層の表面性を向上することにより磁性層の
光反射率を上げることができる。
【0059】この磁性層の表面性を向上する手段とし
て、磁性層の表面粗さを小さくすることと、磁性塗料の
分散性、流動性を向上する手段がある。後者の手段は後
の光学ノイズの低減対策で具体的に説明するので、ここ
では省略する。
【0060】図14は、カーボンブラツクを4重量%添
加した磁性層の表面粗さと光反射率との関係を示す図で
ある。この図から明らかなように、磁性層の表面粗さ
(中心線平均粗さRa)を0.01μm以下にすると磁
性層の光反射率を10%以上確保することができる。
【0061】前記ベースフイルムの反射率を下げる手段
として、表面に例えばパラジウムやアルミニウム酸化物
などの無機化合物の不連続な乱反射膜、あるいは色素や
染料の如き有機化合物の光吸収性膜を付与したベースフ
イルムを使用する手段、表面を例えばマツト加工などを
施して乱反射を起こさせるようにしたベースフイルムを
使用する手段、カーボンブラツクなどの光吸収剤を混入
したベースフイルムを使用する手段などがある。
【0062】図15はサーボ信号生成の様子を説明する
ための図で、同図(a)は図8に示す受光素子32aと
32bの検出値の差に基づく出力波形(波形N)と、受
光素子32cと32dの検出値の差に基づく出力波形
(波形Q)とを示す図で、両波形N,Qは位相が90度
ずれている。この両波形N,Qにより、同図(b)に示
すようなサーボ信号波形Sが生成される。
【0063】図16はサーボ信号におよぼす光学ノイズ
の影響を説明するための図で、同図(a)は光学ノイズ
がないときの波形、同図(b)は光学ノイズがあるとき
の波形を示している。同図(a)のように光学ノイズが
乗つていない場合は、サーボオンになると磁気ヘツドを
スムースに所定の位置(目標値)に誘導することができ
るが、同図(b)のように光学ノイズが乗つている場合
は、サーボオンになつても磁気ヘツドを短時間に所定の
位置(目標値)に誘導することができず、オフトラツク
(O.T)を生じる。
【0064】本発明者らはこの光学ノイズを分析してそ
の特性について種々検討した結果、その光学ノイズが磁
性層の表面粗さによるノイズ(ノイズX)と、電気回路
により補正可能なノイズ(ノイズY)と、補正できずし
かも磁気ヘツドのトラツキングサーボに大きな影響を与
えるノイズ(ノイズZ)とに分けられることを解明し
た。
【0065】図17は、この種磁気デイスクで観測され
る光学ノイズの原波形図である。この光学ノイズを周波
数分析してみると、周波数が2KHz以上の領域のノイ
ズと、周波数が100Hz未満の領域のノイズと、周波
数が100Hzを超えて2KHz未満の領域のノイズと
に分けられ、それぞれのノイズの波形を図18、図19
ならびに図20に示す。
【0066】図18に示すノイズは磁性層の表面粗さに
よるもの(ノイズX)と思われ、このノイズはサーボ制
御系のゲインが十分に小さくなる領域であるため、磁気
ヘツドのトラツキングサーボには影響を与えないノイズ
であることが確認された。
【0067】また図19に示すノイズは磁性層の厚み変
動による干渉強度の振れによつて生じたもの(ノイズ
Y)であるが、LEDなどの光源の発光強度にサーボを
かけることにより平滑化(補正)できるから、このノイ
ズもトラツキングサーボにはほとんど悪影響を与えない
ことが確認された。
【0068】これらに対して図20に示すノイズ、すな
わち周波数が100Hzを超えて2KHz未満の領域の
ノイズ(ノイズZ)は、光源回路にサーボをかけること
により平滑化(補正)できる性質のノイズではなく、し
かも磁気ヘツドのトラツキングサーボに大きな影響を与
えるノイズであることが確認された。したがつて適正な
トラツキングサーボを行なうためには、この周波数領域
のノイズを低減することが重要である。
【0069】この周波数が100Hzを超えて2KHz
未満の領域のノイズにおいて、磁性層の厚さのばらつき
の影響について検討した。この検討に際して、ベースフ
イルムとして62μm厚のポリエチレンテレフタレート
(PET)を使用し、導電性を付与するためにポリアニ
リンの極薄膜(膜厚が500Å)をベースフイルムの表
面に塗布した。
【0070】また磁性塗料として次の組成のものを使用
して、目標膜厚が0.79μmの磁性層を形成した。
【0071】 磁性塗料組成例3 バリウムフエライト 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 11.0重量部 ウレタン樹脂 6.6重量部 三官能性イソシアネート化合物 4.4重量部 酸化アルミニウム粉末(平均粒径0.43〔μm〕) 15重量部 カーボンブラツク(平均粒径0.3〔μm〕) 4重量部 オレイルオレイル 6重量部 シクロヘキサノン 150重量部 トルエン 150重量部 まず、磁性層の膜厚の変動とその偏差率を磁性塗料の塗
布幅方向の160mm(6インチ)の範囲で測定し、そ
の結果を図21ならびに図22に示した。図21は横軸
に塗布幅方向に対する測定位置を、縦軸に蛍光X線微小
膜厚計によるX線カウント値を、それぞれ示している。
また図22は横軸に塗布幅方向に対する測定位置を、縦
軸に前記X線カウント値によつて換算された膜厚の偏差
値を、それぞれ示している。
【0072】前記蛍光X線微小膜厚計としてセイコー電
子工業社製のSFT−156A型を使用し、塗布幅方向
に5mm間隔毎に測定位置を移動させながら1mmのス
ポツト径になるようにX線を照射し、その都度、磁性層
から発生する1秒間当たりの鉄の蛍光X線量(カウント
/秒 cps)を計測した。なお、X線照射時間は20
秒間とし、同じ位置での測定を3回行い、その平均値を
X線カウント値とした。
【0073】この図21ならびに図22から明らかなよ
うに、塗布幅方向において磁性層の膜厚が変動している
ことが分かる。
【0074】図23は、前記X線カウント値の標準偏差
と、周波数が100Hzを超えて2KHz未満の領域の
光学ノイズとの関係を検討した結果を示す図である。な
お、磁性層からの光反射率の変動を図8に示すような4
分割のフオトデテクタの和信号の変動として測定し、ノ
イズ信号レベル(N)はR.M.Sボルトメータで測定
される回路ノイズ(Nc)と、磁気デイスクと回路の総
和ノイズ(Nt)を用いて次式で定義した。
【0075】 N=−20log(Nc/Nt) 〔dB〕 なお、90Hz以下の反射率変動は、発光素子における
駆動電流のサーボが追従できるものとして、90Hzハ
イパスフイルタを通過させた後の光学ノイズを測定し
た。
【0076】この図から明らかなように、X線カウント
値の標準偏差が1.8cpsを超えると光学ノイズが急
激に大きくなり、信頼性に問題が出てくるが、X線カウ
ント値の標準偏差が1.5cps以下であれば光学ノイ
ズを4dB以下に抑えることができ、さらにX線カウン
ト値の標準偏差を1.3cps以下にすると光学ノイズ
は2dB以下にすることができ、信頼性の向上が図れ
る。
【0077】次にこの光学ノイズとオフトラツクとの関
係について検討した。トラツク密度が例えば135Tp
iなどのように低いシステムでは、磁気ヘツドのリード
・ライトギヤツプの両脇にサイドイレーズを施し、オフ
トラツクによるオーバライト時の消え残りを消去する方
法が採られているが、トラツク密度が例えば1200〜
2400Tpiなどのように高くなるに従つて必然的に
データトラツクとデータトラツクの間隔が狭められるた
め、前述のようにサイドイレーズを行なうと隣のデータ
トラツクの情報まで消去してしまうから、高密度トラツ
クの磁気デイスクではサイドイレーズを行なわない方法
が採用される。
【0078】しかし、この方法では、オフトラツクが生
じた場合、オフトラツク分の消え残りがそのままノイズ
となり、著しく信頼性を低下してしまう。図24は、光
学ノイズとオフトラツク量との関係を調べた特性図であ
る。この図から明らかなように、光学ノイズが1dB以
下であればオフトラツクは実質的に零であり、光学ノイ
ズが4dBであればオフトラツク量は0.15μm、光
学ノイズが5dBであればオフトラツク量は0.3μm
にもなり、光学ノイズが増加するとオフトラツク量は著
しく増加することが分かる。
【0079】このオフトラツクによるオーバライト
(O.W)量は、次式で現される。
【0080】
【数1】
【0081】1F´:オントラツク時の重ね書き残留出
力 1F:低周波出力 2F:高周波出力 gw:トラツク幅 d:オフトラツク量 1F=0dB,1F´=−31dB,2F=−1dBの
とき、光学ノイズが5dB生じたとすると、トラツク幅
15μmに対してオフトラツク量は0.3μm生じる。
それにより、オーバライト量は本来の−30dBに対し
−25.2dBまで劣化する。
【0082】本発明者らの種々の実験結果から十分な信
頼性を得るためには、オーバライト量は−27dB以下
でなければならない。そこで例えば光学ノイズが4dB
では、トラツク幅15μmに対してオフトラツク量は
0.15μmで、オーバライト量は本来の−30dBに
対し−27.3dBとなり、十分な信頼性が得られる。
【0083】さらに磁性層の厚さが薄くなると、前記表
1から明らかなようにオーバライト量が少なくなるか
ら、より一層信頼性を高めることができる。
【0084】前述のように光学ノイズを小さくするため
にX線カウント値の標準偏差を1.5cps以下にする
具体的な手段として、まず最初、ベースフイルムの濡れ
性について検討した。
【0085】(1)ベースフイルムの検討 ベースフイルムの濡れ性の評価は、所定の液体とベース
フイルムとの接触角の測定によつて行なつた。ベースフ
イルムの接触角は、試料を所定の液体(シクロヘキサノ
ンとトルエンの等重量混合液)中に浸し、その時に生じ
る表面張力と浮力との合力を測定することにより、接触
角θを下記の式より求めた。
【0086】F=γ・cosθ・l−A・ρ・D F:濡れ応力 γ:液体の表面張力 θ:接触角 l:所定の液体とベースフイルムとの接触長さ A:ベースフイルムの断面積 ρ:所定の液体の密度 D:ベースフイルムの浸漬深さ A・ρ・D:浮力項 次の表2は、各種ベースフイルムの接触角θを示す表で
あり、表中のPETはポリエチレンテレフタレートを、
PET+SiO2 +PAはポリエチレンテレフタレート
フイルムの表面にSiO2 微粒子を塗布し、さらにその
上にポリアニリン導電膜(500Å)を形成したもの、
PET+PAはポリエチレンテレフタレートフイルムの
表面にSiO2 微粒子を塗布しないで直接にポリアニリ
ン導電膜(500Å)を形成したものをそれぞれ示す。
【0087】 表 2 ベースフイルム 接触角θ(度) PET単独 17 PET+PA 29 PET+SiO2 +PA 38 この結果からも明らかなように、PET単独のものは接
触角θが非常に小さく、PET+PA、PET+SiO
2 +PAの順に接触角θが大きくなつている。
【0088】次に磁性塗料の流動性について検討した。
【0089】(2)超微粒子カーボンブラツクの検討 カーボンブラツクとして微小のカーボンブラツク単独
と、その微小のカーボンブラツクに超微小のカーボンブ
ラツクを添加した場合の、光ノイズにおよぼす影響につ
いて検討し、その結果を次の表3に示した。
【0090】 表 3微小C/超微小C ベースフイルム 光学ノイズ(dB) 標準偏差(cps) 3.0/0.0 PET +SiO2+PA 7.87 1.70 2.0/1.0 PET 1.52 1.18 〃 PET +PA 3.62 1.47 2.0/2.5 PET 1.47 1.17 〃 PET +PA 1.83 1.25 〃 PET +SiO2+PA 2.00 1.29 なお、表中の微小Cは平均粒径が0.3μmのカーボン
ブラツク、超微小Cは平均粒径が0.02μmの超微小
カーボンブラツクをそれぞれ示している。また各試料と
も潤滑剤としてオレイルオレートを6重量部添加した。
表中のX線カウント値の照準偏差は、図23の特性図か
ら求めた値である。
【0091】この表から明らかなように、超微小カーボ
ンブラツクを添加することにより磁性塗料の分散性、流
動性が良好となり、X線カウント値の標準偏差を1.5
cps以下にして、光学ノイズを低減することができ
た。特にPET単独のベースフイルムは光学ノイズが低
く、またポリアニリンを被着したベースフイルムを使用
する場合でも、ベースフイルムの表面にSiO2 を塗布
しないで直接にポリアニリンを被着したベースフイルム
(PET+PA)の方が、ベースフイルムの表面が平滑
になり、磁性塗料の流動性が良好となるため好適であ
る。
【0092】微小カーボンブラツク(平均粒径0.07
〜0.4μm)に対する超微小カーボンブラツク(平均
粒径0.015〜0.07μm)の混合割合は 1/1
0〜10/1が適当である。
【0093】(3)潤滑剤の検討 磁性層と磁気ヘツドとの摺接抵抗を小さくするために磁
性層中にオレイルオレートなどの潤滑剤が添加される
が、その添加量と光学ノイズとの関係について検討し
た。なお、この検討では潤滑剤としてオレイルオレート
を使用し、磁性層1m2 当たりの潤滑剤の量として次の
表4に示した。なおこの潤滑剤の量は、磁気記録媒体を
ノルマルヘキサンで洗浄する前と後の重量差によつて算
出した値である。
【0094】 表 4 潤滑剤の量(mg/m2 ) 光学ノイズ(dB) 10 7.5 20 5.1 25 4.0 30 3.2 50 2.0 100 1.5 この表から明らかなように、潤滑剤を磁性層1m2 当た
りの潤滑剤の量を25〜100mg、好ましくは30〜
100mgにすることによつて、光学ノイズが低減され
る。なお、このように潤滑剤の添加量を増すことによつ
て何故光学ノイズが低減されるのか理論的な根拠は明ら
かでないが、磁性塗料の塗布状態から観察して、潤滑剤
の増量により磁性塗料の流動性が改善されていると推測
できる。
【0095】この検討では潤滑剤としてオレイルオレー
トを使用したが、その他潤滑剤として例えばステアリン
酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、グリセリンオレー
ト、2ヘキシルデシルステアレート、2エチルヘキシル
オレート、トリデシルステアレート、ブトキシエチルス
テアレートなどの高級脂肪酸エステル、流動パラフイ
ン、スクアラン、フツ素オイル、シリコンオイルなどの
各種の潤滑剤が使用可能である。
【0096】次の表5は、前述のベースフイルム、超微
小カーボンブラツクの添加、潤滑剤の増量ならびに超微
小カーボンブラツクの添加と潤滑剤(オレイルオレー
ト)の増量との組み合わせをまとめて現した表である。
表中の○印は光学ノイズが2dB以下のもの、×印は光
学ノイズが2dBを超えたものを示し、( )中の数値
は光学ノイズの実測値を示している。
【0097】
【表5】
【0098】この表から明らかなように、SiO2 やポ
リアニリン(PA)を塗布しないPET単独の場合は接
触角θが小さいため、何れの場合も光学ノイズが低い。
【0099】またPET表面にポリアニリン(PA)を
塗布したベースフイルムの場合、超微小カーボンブラツ
クを添加したり、潤滑剤を増量したり、あるいは超微小
カーボンブラツクの添加と潤滑剤の増量を組み合わせる
ことにより、光学ノイズの低減を図ることができた。
【0100】さらにまた、PET表面にSiO2 を塗布
し、その上にポリアニリン(PA)を被着したベースフ
イルムの場合、超微小カーボンブラツクの添加や、超微
小カーボンブラツクの添加と潤滑剤の増量を組み合わせ
ることにより、光学ノイズの低減を図ることができた。
【0101】図25は、SiO2 やポリアニリン(P
A)を塗布しないPET単独のベースフイルムを使用
し、超微小カーボンブラツクの添加と潤滑剤の増量を組
み合わせたものの磁性層の膜厚の変動を示す。この図と
前述した図21を比較すると明らかなように、図25の
ものの方が磁性層の膜厚の変動が極めて少ないことが分
かる。
【0102】図26は、このSiO2 やポリアニリン
(PA)を塗布しないPET単独のベースフイルムを使
用し、超微小カーボンブラツクの添加と潤滑剤の増量を
組み合わせたものの、周波数が100Hzを超えて2K
Hz未満の領域のノイズ特性図である。この図と前述し
た図20を比較すると明らかなように、図26のものの
方が光学ノイズが非常に少ないことが分かる。
【0103】また磁性材料としては、例えばバリウムフ
エライトなどのフエライトあるいはα−Feなどの金属
磁性粉が好適である。フエライトの場合、それの板径
(最長対角長さ)が0.1μmを越えると光学ノイズの
増大をきたすため、フエライトの板径は0.1μm以
下、好ましくは0.03〜0.08μmの範囲に規制す
ると良い。一方、金属磁性粉の場合、それの長軸長さが
0.3μmを越えると光学ノイズの増大をきたすため、
金属磁性粉の長軸長さは0.3μm以下、好ましくは
0.1〜0.28μmの範囲に規制すると良い。
【0104】前記実施例では磁気ヘツドトラツキング用
の光源としてLEDを使用したが、例えばレーザ光など
他の光源を用いることもできる。
【0105】
【発明の効果】本発明は前述のような構成になつてお
り、光反射率の変動が小さく、そのために安定したサー
ボ信号が得られ、トラツキング用光学凹部による磁気ヘ
ツドのトラツキングサーボが適正に行なわれる磁気記録
媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る磁気デイスクカートリツ
ジの一部を分解した斜視図である。
【図2】磁気シートの拡大断面図である。
【図3】磁気デイスクの平面図である。
【図4】リフアレンストラツクの一部拡大平面図であ
る。
【図5】リフアレンストラツクならびに磁気ヘツドトラ
ツキング用光学トラツクを説明するための図である。
【図6】リフアレンストラツクならびに磁気ヘツドトラ
ツキング用光学トラツクを形成する装置を示す断面図で
ある。
【図7】磁気ヘツドのトラツキングサーボを説明するた
めの断面図である。
【図8】受光素子の配置状態を示す説明図である。
【図9】磁気ヘツドのトラツキング制御を説明するため
の断面図である。
【図10】磁性層の膜厚とその磁性層の反射率との関係
を示す特性図である。
【図11】試験に使用するLED光の波長の分布特性図
である。
【図12】磁性層の反射率との関係を示す特性図であ
る。
【図13】カーボンブラツクの添加量と磁性層の光透過
率との関係を示す特性図である。
【図14】磁性層表面の研磨時間と表面粗さと光反射率
との関係を示す特性図である。
【図15】サーボ信号の生成を説明するための図であ
る。
【図16】サーボ信号におよぼす光学ノイズの影響を説
明するための図である。
【図17】光学ノイズの原波形図である。
【図18】周波数が2KHz以上の領域のノイズ波形図
である。
【図19】周波数が100Hz未満の領域のノイズ波形
図である。
【図20】周波数が100Hzを越え2KHz未満の領
域のノイズ波形図である。
【図21】改良前の磁性層の膜厚変動を示す特性図であ
る。
【図22】改良前の磁性層の膜厚偏差を示す特性図であ
る。
【図23】X線カウント値の標準偏差値と光学ノイズと
の関係を示す特性図である。
【図24】光学ノイズとオフトラツク量との関係を示す
特性図である。
【図25】改良後の磁性層の膜厚変動を示す特性図であ
る。
【図26】改良後の周波数が100Hzを越え2KHz
未満の領域のノイズ波形図である。
【図27】従来提案された磁気記録媒体の拡大断面図で
ある。
【図28】この従来の磁気記録媒体上での受光素子の配
置状態を示す説明図である。
【符号の説明】
2 磁気デイスク 7 磁気シート 9 ベースフイルム 10a.10b 磁性層 11 リフアレンストラツク 12 磁気ヘツドトラツキング用光学トラツク 14 データトラツク 15 記録帯域 23 トラツキング用凹部 30 磁気ヘツド 31 発光素子 32 受光素子群 32a,32b,32c,32d 受光素子 33 サーボ信号演算部 34 ヘツド駆動制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 照久 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (72)発明者 甲斐 義和 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−141087(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体からなる基体と、その基体の
    方の面に磁性層を形成し、他方の面にトラツキング用光
    学凹部を設ける層を形成して、 そのトラツキング用光学凹部を設ける層に、磁気ヘッド
    の走行方向に延びる磁気ヘツドトラツキング用光学凹部
    と、その磁気ヘツドトラツキング用光学凹部と隣の磁気
    ヘツドトラツキング用光学凹部との間に設けられた凹部
    のない平面部とを設け、 前記磁気ヘツドトラツキング用光学凹部ならびに平面部
    に光を照射し、その反射光に基づいて前記磁性層と対向
    している磁気ヘツドをトラツキングする磁気記録媒体に
    おいて、 中心波長が880nmの光を前記トラツキング用光学凹
    部を設けた層の表面に対して入射角20度で照射した際
    の、 周波数が100Hzを超えて2KHz未満の領域に
    おける光反射率の変動が4dB以下に規制されているこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性体からなる基体と、その基体の
    方の面に磁性層を形成し、他方の面に鉄成分を含みトラ
    ツキング用光学凹部を設ける層を形成して、 そのトラツキング用光学凹部を設ける層に、磁気ヘッド
    の走行方向に延びる磁気ヘツドトラツキング用光学凹部
    と、その磁気ヘツドトラツキング用光学凹部と隣の磁気
    ヘツドトラツキング用光学凹部との間に設けられた凹部
    のない平面部とを設け、 前記磁気ヘツドトラツキング用光学凹部ならびに平面部
    に光を照射し、その反射光に基づいて前記磁性層と対向
    している磁気ヘツドをトラツキングする磁気記録媒体に
    おいて、 前記トラッキング用光学凹部を形成した層表面に1mm
    のスポツト径になるようにX線を5mmの間隔毎に照射
    し、トラッキング用光学凹部を形成した層 から発生する
    1秒間当たりの鉄の蛍光X線量を計測したときの、X線
    の平均カウント値の標準偏差が1.5カウント/秒以下
    に規制されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求2記載において、前記トラッキン
    グ用光学凹部を設け た層の平面部の厚さが透過型電子顕
    微鏡で測定して0.9μm以下に規制されていることを
    特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載において、
    前記平面部に、中心波長が880nmの光を入射角20
    度で照射した際の、光反射率が8%以上であることを特
    徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載において、
    前記非磁性体のシクロヘキサノンとトルエンの等重量混
    合液との接触角が30度以下であることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2記載において、
    前記平面部の表面粗さ(中心線平均粗さRa)が0.0
    1μm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項2記載において、
    前記トラッキング用光学凹部を設ける層中に平均粒径が
    0.05μm以下の超微小カーボンブラツクが添加され
    ていることを特徴とする磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1または請求項2記載において、
    前記トラッキング用光学凹部を設ける層中に平均粒径が
    0.05μm以下の超微小カーボンブラツクと、平均粒
    径がそれよりも大きい微小カーボンブラツクとが混在し
    ていることを特徴とする磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項1または請求項2記載において、
    前記トラッキング用光学凹部を設ける層1m2 当たりの
    潤滑剤の量が25〜100mgであることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項1または請求項2記載におい
    て、前記トラッキング用光学凹部を設ける層1m2 中に
    平均粒径が0.05μm以下の超微小カーボンブラツク
    が添加され、かつその層1m2 当たりの潤滑剤の量が2
    〜100mgであることを特徴とする磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項1または請求項2記載におい
    て、前記トラッキング用光学凹部を設ける層中に平均粒
    径が0.05μm以下の超微小カーボンブラツクと、平
    均粒径がそれよりも大きい微小カーボンブラツクとが混
    在し、かつその層1m2 当たりの潤滑剤の量が25〜1
    00mgであることを特徴とする磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 請求項1または請求項2記載におい
    て、前記非磁性体のシクロヘキサノンとトルエンの等重
    量混合液との接触角が30度以下で、 前記トラッキング用光学凹部を設ける層中に平均粒径が
    0.05μm以下の超微小カーボンブラツクと、平均粒
    径がそれよりも大きい微小カーボンブラツクとが混在
    し、かつその層1m2 当たりの潤滑剤の量が25〜10
    0mgであることを特徴とする磁気記録媒体。
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