JPH07296362A - 磁気記録媒体およびその製造法並びに記録再生方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造法並びに記録再生方法

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JPH07296362A
JPH07296362A JP6089683A JP8968394A JPH07296362A JP H07296362 A JPH07296362 A JP H07296362A JP 6089683 A JP6089683 A JP 6089683A JP 8968394 A JP8968394 A JP 8968394A JP H07296362 A JPH07296362 A JP H07296362A
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magnetic
dye
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optical
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JP6089683A
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English (en)
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Toshiya Naruto
俊也 鳴戸
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明性非磁性支持体上に磁性体を含有する磁
性層を設けてなる磁気記録媒体において、エネルギー線
照射により光学的性質が変化するシアニン色素と塩化ビ
ニル系重合体とを含有する色素含有層を有することを特
徴とする磁気記録媒体およびその製造法並びに記録再生
方法。 【効果】 製造コストが安く、磁気記録の可能な面積が
広く、光学的検出手段を用いてヘッド位置決めを行うの
に好適な磁気記録媒体およびその製造法並びに記録再生
方法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フロッピーディスク等
の磁気記録媒体およびその製造法並びに記録再生方法に
関する。特に、光学的検出手段を用いて記録再生ヘッド
の位置決めを行なうのに好適な磁気記録媒体およびその
製造法並びに記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータやワードプロセッサなどの
情報記録のために、フロッピーディスク装置が大量に使
用されている。通常のフロッピーディスク装置では、ヘ
ッドの位置決めがステップモータを用いたオープンルー
プ制御によって行われるので、トラック密度の向上に限
界がある。
【0003】近年、磁気記録媒体の高容量化のために、
その媒体中に光学的性質が基準となる部分と異なる部分
を設け(即ち、光学的パターンを形成し)、ヘッドと一
体に設けられた光学的センサーでその部分の位置を読み
取ることにより、これをトラッキング用のサーボ信号と
して用いてヘッドの位置決めを行ない、従来に比べて一
桁高いトラック密度を得る技術が提案されている。
【0004】トラッキングサーボ信号のための光学的パ
ターンの形成方法としては、レーザー加工などにより磁
性層表面に溝を設け、透過光量の差を検出し、これをト
ラッキングサーボ信号として用いる手法が知られている
が、溝の部分は磁気記録には適さないため、記録容量が
低下するなどの問題があった。そこで、磁気記録媒体中
に色素を添加し、トラッキングサーボ信号に対応して、
その特定部分だけの色素に分解等の変化を起こさせるこ
とにより光学的性質を変化させて光学的パターンを形成
し、ヘッド位置決めのためのトラッキングサーボ信号を
得る手法が提案されている(特願平4−297076号
参照)。
【0005】色素の光学的性質を変化させる方法とし
て、あるスポット径に集光させたレーザー光線、あるい
は紫外線、ストロボ光等の光線、電子線を照射する方法
が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法で色素の光学的性質を変化させる場合、磁気記録
媒体中に添加された色素の光学的性質を変化させるため
には多大なエネルギーを必要とし、このエネルギーのた
めに磁気記録媒体が劣化するという問題点があった。ま
た、磁気記録媒体を劣化させない程度の小さなエネルギ
ーのものを用いて色素の光学的性質を変化させた場合
は、色素の光学的性質の変化が不十分となり、形成され
た光学的パターンの検出感度が低くなり、ノイズの影響
を受けやすいという問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の問題点に鑑みてなされたものであり、その要旨は、透
明性非磁性支持体上に磁性体を含有する磁性層を設けて
なる磁気記録媒体において、エネルギー線照射により光
学的性質が変化するシアニン色素と塩化ビニル系重合体
とを含有する色素含有層を有することを特徴とする磁気
記録媒体、および透明性非磁性支持体上に磁性体を含有
する磁性層を設けてなり、かつ、エネルギー線照射によ
り光学的性質が変化するシアニン色素と塩化ビニル系重
合体とを含有する色素含有層を有する磁気記録媒体に、
エネルギー線を照射することによりトラッキングサーボ
信号のための光学的パターンを形成することを特徴とす
る磁気記録媒体の製造法、並びに非磁性支持体上に磁性
体を含有する磁性層が設けられた磁気記録媒体を使用し
て磁気的データの記録再生を行う方法において、磁気記
録媒体として、透明性非磁性支持体上に磁性体を含有す
る磁性層を設けてなり、かつ、エネルギー線照射により
光学的性質が変化するシアニン色素と塩化ビニル系重合
体とを含有する色素含有層を有する磁気記録媒体であっ
て、色素含有層にはエネルギ−線照射による色素の光学
的性質の変化に基づくトラッキングサーボ信号のための
光学的パターンが記録されている磁気記録媒体を使用
し、色素含有層から光学的手段によって検出されたトラ
ッキングサーボ信号を用いて磁気ヘッドのトラッキング
を行いつつ、磁気的データの記録再生を行うことを特徴
とする記録再生方法、に存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
磁気記録媒体における色素含有層は、レーザー光、電子
線、紫外線等のエネルギー線照射により光学的性質が変
化するため、記録すべきトラッキングサーボ信号に対応
してエネルギー線照射を行なえば、光学的に検出可能な
トラッキングサーボ信号のための光学的パターンを媒体
上に容易に形成することができる。
【0009】色素含有層への光学的パターンの形成に用
いるエネルギー線の照射方法としては、光学系により、
例えば、あるスポット径に集光されたレーザー光線を照
射するあるいは記録すべき信号に対応して遮光部と透光
部を有するマスクを介して光線(例えばストロボ光、紫
外線等)や電子線を照射する等の方法が採用できる。上
記の光学的性質の変化としては、例えば、光透過率の増
大、光透過率の減少、光反射率の増大、光反射率の減少
等が挙げられる。例えば、エネルギー線照射によって光
透過率が増大する色素を用いる場合には、光透過率の低
い媒体面中の光透過率の高い部分から光学的信号を得る
ことができる。また、エネルギー線照射によって光透過
率が減少する色素を用いる場合には、光透過率の高い媒
体面中の光透過率の低い部分から光学的信号を得ること
ができる。
【0010】色素含有層に用いられる色素としては、エ
ネルギー線照射により光学的性質が変化するシアニン色
素を用いる。色素含有層中のシアニン色素の含有量は、
用いるシアニン色素の種類、色素含有層の厚み、光信号
検出器の性能等により異なるが、エネルギー線照射によ
り光透過率、光反射率等が測定可能な程度に変化する量
を含有していればよく、通常、色素含有層中0.001
〜30重量%程度である。
【0011】色素含有層に用いられる塩化ビニル系重合
体としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合
体、塩化ビニル−塩化ビニリデン系共重合体、塩化ビニ
ル−アクリル系共重合体等が挙げられる。色素含有層を
設けるには、従来公知の塗布方法、例えばエアードクタ
ーコーティング、ブレードコーティング、リバースロー
ルコーティング、グラビアコーティング等、通常適用さ
れる各種の塗布方法が採用される。塗布液を調製するた
めに用いられる溶剤としては後述するような従来公知の
ものが単独でまたは混合して使用される。
【0012】色素含有層には、本発明の効果を損なわな
い範囲で、帯電防止剤、劣化防止剤、架橋剤等の添加剤
を含有させてもよい。色素含有層は、透明非磁性支持体
と磁性層との間、磁性層上、あるいは片面磁性層の場
合、磁性層とは反対側の透明非磁性支持体上に設けても
よく、また、磁性層中に色素を含有させて磁性層が色素
含有層を兼ねる構成としてもよい。
【0013】例えば、透明非磁性支持体と磁性層との間
に色素含有層を形成する方法としては、シアニン色素お
よび塩化ビニル系重合体を溶剤に溶解または分散し、必
要により分散剤等と混合して塗布液として調製し、透明
非磁性支持体上に、磁性層の形成前に、直接あるいは他
の層を介して塗布する方法が挙げられる。色素含有層の
厚みは、色素含有層を単独で設ける場合は、乾燥後の厚
さで、通常、0.3〜1.2μm程度とする。
【0014】本発明の磁気記録媒体における色素含有層
以外の要素としては従来公知のものを使用することがで
きる。透明非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル
類、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン
類、セルロースアセテート等のセルロース誘導体、ポリ
カーボネート、ポリアミド、ポリイミド等の種々のプラ
スチック等、その他ガラス等も使用することができる。
透明非磁性支持体の厚さは、支持体として使用可能な厚
さであればよく、通常、30〜80μmである。
【0015】磁性層に用いられる、磁性体、バインダー
樹脂、硬化剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、分散剤等
としては従来公知のものを使用することができる。磁性
体としては、例えば、Fe、Ni、Co、Fe−Co合
金、Fe−Ni合金、Fe−Co−Ni合金、Fe−N
i−Zn合金、Fe−Co−Ni−Cr合金、Co−N
i合金等のFe、Ni、Co等の強磁性金属あるいはこ
れらを主成分とする磁性合金の粉末、γ−Fe2 3
Fe3 4 、Co含有γ−Fe2 3 、Co含有Fe3
4 等の酸化鉄磁性粉、CrO2 、バリウムフェライ
ト、ストロンチウムフェライト等の金属酸化物系磁性粉
等の各種の強磁性粉末が挙げられる。
【0016】磁性体としては、一次粒子径が0.1μm
以下のものが好ましい。一次粒子径が0.1μm以下の
磁性体を用いることにより、光透過率および記録密度を
上げることができる。磁性体の使用量は、強磁性粉末の
量として、磁性層中の含有量が50〜90重量%、特に
55〜85重量%となるように使用するのが好ましい。
【0017】バインダー樹脂としては、支持体との密着
性や耐摩耗性に優れるものが適宜使用される。例えば、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースアセ
テートブチレート、セルロースジアセテート、ニトロセ
ルロース等のセルロース誘導体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン系共重合
体、塩化ビニル−アクリル系共重合体等の塩化ビニル系
樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等の各種合成ゴ
ム、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ、これ
らを単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。バインダー樹脂は、磁性層中の含有量が2〜50
重量%、特に5〜35重量%となるように使用するのが
好ましい。
【0018】磁性塗料中に更に、イソシアネート基を複
数個有する低分子ポリイソシアネート化合物を含有させ
ることにより、磁性層内に三次元網目構造を形成させ、
その機械的強度を向上させることができる。そのような
低分子ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ト
リメチロールプロパンのトリレンジイソシアネートアダ
クト体等が挙げられる。このような低分子ポリイソシア
ネート化合物は、バインダー樹脂に対して5〜100重
量%の割合で使用するのが好ましい。
【0019】潤滑剤としては、脂肪族系、フッ素系、シ
リコーン系または炭化水素系等の各種の潤滑剤が使用で
きる。脂肪族系潤滑剤としては、例えば、脂肪酸、脂肪
酸金属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪族アル
コール等が挙げられる。脂肪酸としては、例えば、オレ
イン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、ベヘン酸等が挙げられる。脂肪酸金属塩と
しては、例えば、これらの脂肪酸のマグネシウム塩、ア
ルミニウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩等が挙げら
れる。脂肪酸エステルとしては、例えば、前記脂肪酸の
ブチルエステル、オクチルエステルあるいはグリセリド
等、脂肪酸アミドとしては、例えば、上記酸のアミドの
ほか、リノール酸アミド、カプロン酸アミド等が挙げら
れる。脂肪族アルコールとしては、例えば、ラウリルア
ルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙
げられる。フッ素系潤滑剤としては、例えば、ペルフル
オロアルキルポリエーテル、ペルフルオロアルキルカル
ボン酸等が挙げられる。シリコーン系潤滑剤としては、
例えば、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が
挙げられる。また、二硫化モリブデン、二硫化タングス
テン等の固形滑剤や燐酸エステル等も使用できる。炭化
水素系潤滑剤としては、例えば、パラフィン、スクアラ
ン、ワックス等が挙げられる。潤滑剤の使用量は、磁性
層中の含有量が、通常、0.1〜20重量%、好ましく
は1〜10重量%となるように使用するのが好ましい。
なお、磁性層を2層に積層形成する場合、上層と下層と
で、潤滑剤の含有量を変えてもよい。
【0020】研磨剤としては、例えば、アルミナ、溶融
アルミナ、コランダム、炭化珪素、酸化クロム、窒化珪
素等が挙げられ、これらのうちでも比較的硬度の高いも
のが好適に使用される。また、その数平均粒子径は、2
μm以下のものが好適に使用される。研磨剤は、磁性層
中の含有量が1〜20重量%となるように使用するのが
好ましい。
【0021】帯電防止剤としては、カーボンブラック、
グラファイトおよびサポニン等の天然界面活性剤、アル
キレンオキサイド系、グリセリン系等のノニオン界面活
性剤、高級アルキルアミン系、第4級アンモニウム塩
系、ピリジニウム塩類その他の複素環系等のカチオン界
面活性剤、カルボン酸基、スルホン酸基、燐酸基、硫酸
エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン
界面活性剤、アミノ酸系、アミノスルホン酸系、アミノ
アルコールの硫酸または燐酸エステル系等の両性界面活
性剤等が使用される。なお、これらの界面活性剤は、単
独もしくは混合して用い得る。帯電防止剤の使用量は、
通常、磁性層中の含有量が1〜15重量%となるように
使用するのが好ましい。これらは帯電防止剤として用い
られるものであるが、時としてその目的が、例えば、分
散性、潤滑性の改良として使われる場合もある。
【0022】分散剤としては、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸等の炭素数
12〜18の脂肪酸、これらの脂肪酸のアルカリ金属塩
またはアルカリ土類金属塩からなる金属石鹸、レシチン
等が使用される。分散剤の使用量は、通常磁性層中の含
有量が0〜20重量%となるように使用するのが好まし
い。
【0023】上記各成分を含む磁性塗料の混練、分散、
塗布の際に使用する溶剤としては、例えば、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素類、ヘ
キサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。
【0024】磁性塗料の混練、分散の方法、各成分の添
加順序等は、通常、磁性塗料の混練、分散に適用される
従来公知の方法が用いられる。磁性塗料を、直接あるい
は他の層を介して非磁性支持体上に塗布することにより
磁性層を形成することができる。非磁性支持体上に、磁
性塗料を塗布する方法としては、エアードクターコーテ
ィング、ブレードコーティング、リバースロールコーテ
ィング、グラビアコーティング等、通常適用される各種
の方法が採用される。磁性層を複数層塗布する場合に
は、下層塗布液と上層塗布液を湿潤状態で同時に塗布し
てもよいし、各層を逐次塗布しても良い。
【0025】磁性層の厚みは、乾燥後の厚さで通常0.
1〜10μm、好ましくは0.3〜2μmである。ま
た、本発明の磁気記録媒体は、磁性層の帯電性改善のた
めに磁性層と非磁性支持体との間に導電性材料及びバイ
ンダー樹脂を含有する中間層を設けてもよい。導電性材
料としては導電性の金属または金属化合物等が挙げら
れ、特に限定されないが、例えば、銀や白金等の金属の
粉末や酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の金属化
合物の粉末が使用される。また、これらの粉末の平均粒
子径は0.005〜0.6μmが好ましい。導電性中間
層を設けた磁気記録媒体は磁性層表面の電気抵抗が低
く、また磁性層中のカーボンブラック量を削減できるの
で光透過性に優れ、トラッキングサーボ信号のための光
学的パターンの書き込み、再生に好適である。中間層の
厚さは、乾燥膜厚で、通常、0.005〜5μmであ
る。
【0026】更に、本発明の磁気記録媒体は、潤滑性付
与のためにトップコート層あるいは帯電防止のためのバ
ックコート層等を設けることができ、また、必要に応じ
て、配向処理、ランダム処理あるいは平滑化処理等を行
ってもよい。本発明においてトラッキングサーボ信号の
ための光学的パターンは、色素含有層のサーボトラック
上に、エネルギー線照射による色素の光学的性質の変化
が起きている部分を設けることにより形成される。円盤
状の磁気記録媒体の場合、上記トラックは同心円的なト
ラックとする。色素の光学的性質の変化が起きている部
分は、該トラック上に連続的に設けてもよいし、色素の
光学的性質の変化が起きている部分と起きていない部分
とを交互に設けてもよい。また、トラッキングサーボ信
号として一種類の周波数成分を含む信号が得られるよう
に光学的パターンを設けてもよいし、二種類の周波数成
分を含む信号が得られるように光学的パターンを設けて
もよい。
【0027】ここで、トラッキングサーボ信号として二
種類の周波数成分を含む信号が得られるように光学的パ
ターンを設ける場合について具体的に説明する。図2お
よび図3は、トラッキングサーボ信号として二種類の周
波数成分を含む信号が得られるように形成した光学的パ
ターンの一例を示す図である。実際のシステムにおいて
は、光学的パターンのピッチは、5μmないし10μm
程度であるが、図2および図3では、理解を容易にする
ため、ピッチを拡大して示している。各トラック(図2
中、iで示す。)に対して、短い記録波長λaを持つ光
学記録部aiと長い記録波長λb(λb=2λaとして
いる。)を持つ光学記録部biが設けられ、光学記録部
bは各トラックで同じ位相を持っており、光学記録部a
はトラック毎にλa/4づつ異なる位相を持っている。
【0028】図2中、斜線で示す部分の光透過を、磁気
ヘッドと一体に設けられた光検出器により測定する。デ
ィスクの回転により、検出器から交流信号が出力される
が、二種類の波長を有する光学記録部が設けられている
ため、出力信号には二種類の周波数の信号が含まれる。
光学記録部aによって発生する高周波数成分は検出器が
トラックを横切って移動することにより位相が変化する
のに対し、光学記録部bによって発生する低周波数成分
の位相は一定である。そこで各周波数成分をバンドパス
フィルターにより分離し、二つの周波数成分の位相差を
計測することによりヘッド位置を検出し、この位相差が
所定の値となるようにヘッド位置を制御することにより
正確なトラッキングを行うことができる。
【0029】トラッキングサーボ信号として二種類の周
波数成分を含む信号が得られるような光学的パターン
は、一つのサーボトラック上に記録してもよいし、周波
数の異なる二種類の信号を空間的に異なる近接した位置
にそれぞれ記録してもよい。後者の場合は、単一の検出
器を用いて該二つの信号を同時に検出することにより、
二種類の周波数成分を重ね合わせた信号を得ることがで
きる。
【0030】二種類の周波数成分を含む信号を1つのサ
ーボトラック上に記録する方法としては、例えば、該二
種類の信号に対応する三角関数を加算し、この大きさを
サーボトラックの幅に対応させてアナログ的に記録す
る、あるいはPWM(パルス幅変調)により二値信号に
変換して記録する方法、またはサーボトラックを周方向
に微細な区画に分割し、各周波数成分を対応する異なる
記録区画に順次記録する方法等が挙げられる。
【0031】また、サーボトラック上の周方向に区分さ
れた区画の幅は各周波数成分の波長よりも十分に小さけ
ればよく、区画の幅を検出器の検出領域に対して充分小
さくすることにより、それぞれの周波数成分を合成した
信号が検出装置から出力される。トラッキングを行なう
ためのサーボ装置としては、種々の公知の装置を用いる
ことができる。一般に、PLL(フェーズロックドルー
プ)として知られているサーボ回路は位相差を信号源と
するサーボ回路に他ならず、前記2つの信号をそれぞれ
逓倍回路により、短波長成分を4逓倍、長波長成分を8
逓倍して得られる信号の位相が一致するようにヘッド位
置をPLL制御することにより、正確なトラッキングを
行なうことができる。また、デジタルシグナルプロセッ
サを用いてサーボ装置を構成する際は、前記2つの信号
の立ち上がり時刻をデジタルシグナルプロセッサに読み
込み、これらの差を演算することにより簡便にトラッキ
ングエラーを求めることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるもので
はない。なお、実施例中の「部」はすべて「重量部」を
示す。 実施例1 導電性の金属化合物である酸化錫(粒子径0.03μ
m)を含む下記組成の導電性中間層用塗料を調製し、厚
さ62μmのポリエステル支持体上に乾燥後の膜厚で
0.5μmとなるように両面塗布して導電性中間層を形
成した。下記構造式(I)で表されるシアニン色素及び
塩化ビニル−酢酸ビニル重合体を含む下記組成の色素含
有層用塗料を調製し、乾燥後の膜厚で0.8μm厚とな
るように導電層上に両面塗布して色素含有層を形成し
た。さらに、ボールミルにて混練分散した下記組成の磁
性塗料をを乾燥後の膜厚で0.8μm厚となるように色
素含有層上に両面塗布して磁性層を形成した。
【0033】カレンダー処理による平面平滑化処理を行
なった後、3.5”ディスクに打ち抜き、マスクを用い
て電子線を10Mrad照射し、図2及び3に示すよう
な光学的パターンが形成されたフロッピーディスクを製
造した。
【0034】
【化1】
【0035】構造式(I)で表されるシアニン色素は、
830nm付近に吸光度のピークを持ち、電子線を照射
することにより分解して830nm付近のピークは無視
し得る程度に減少する。
【0036】
【表1】導電性中間層用塗料組成 酸化錫(平均粒子径0.03μm) 100部 バインダー樹脂 15部 メチルエチルケトン(MEK) 90部 シクロヘキサノン (CHN) 90部
【0037】
【表2】色素含有層用塗料組成 構造式(I)で表されるシアニン色素 2部 塩化ビニル−酢酸ビニル重合体 98部 (UCC社製“VAGH”) MEK 400部
【0038】
【表3】磁性塗料組成 バリウムフェライト磁性粉 100部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 4部 (UCC社製“VAGH”) ポリウレタン 4部 ポリイソシアネート 2部 アルミナ 5部 ブチルステアレート 5部 MEK 140部 CHN 140部
【0039】製造したフロッピーディスクの吸光度曲線
を図1に示す。図1中、実線で示す曲線は色素の光学的
性質が変化していない部分の吸光度曲線であり、点線で
示す曲線は電子線照射により色素の光学的性質が変化し
た部分の吸光度曲線である。色素の光学的性質が変化し
ていない部分は信号検出に用いる赤外LEDの波長であ
る830nm付近に吸光度のピークを持っているが、電
子線照射により色素が分解、脱色して光学的性質が変化
した部分では830nm付近のピークは無視し得る程度
に減少している。図1に示すように、830nmにおけ
る光学的性質が変化していない部分の光透過率は5%で
あるのに対して、色素の光学的性質が変化した部分の光
透過率は20%と大きく変化しており、記録された光学
的パターンは赤外LEDを用いて容易に読み取ることが
できる。
【0040】実施例2 実施例1のような色素含有層は形成せず、下記組成の塗
料を調製して、ポリエステル支持体上に乾燥後の膜厚で
2μmとなるように両面塗布して色素含有導電性中間層
を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフロッピー
ディスクを製造した。
【0041】
【表4】色素含有導電性中間層用塗料組成 構造式(I)で表されるシアニン色素 1部 塩化ビニル−酢酸ビニル重合体 15部 (UCC社製“VAGH”) 酸化錫(平均粒子径0.03μm) 100部 メチルエチルケトン(MEK) 90部 シクロヘキサノン (CHN) 90部
【0042】実施例3 実施例1のような色素含有層は形成せず、下記組成の磁
性塗料を調製して、磁性層を形成したこと以外は実施例
1と同様にしてフロッピーディスクを製造した。
【0043】
【表5】色素含有磁性塗料組成 バリウムフェライト磁性粉 100部 構造式(I)で表されるシアニン色素 2部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 4部 (UCC社製“VAGH”) ポリウレタン 4部 ポリイソシアネート 2部 アルミナ 5部 ブチルステアレート 5部 MEK 140部 CHN 140部
【0044】比較例1 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の代わりにポリウレタ
ン98部を色素含有層中に含有させたこと以外は実施例
1と同様にしてフロッピーディスクを製造した。
【0045】比較例2 電子線を100Mrad照射したこと以外は実施例1と
同様にしてフロッピーディスクを製造した。製造したフ
ロッピーディスクの評価結果を以下に示す。
【0046】
【表6】
【0047】光透過率は、赤外LEDの830nmの波
長の光を用いて測定し、入射光に対する透過光の割合を
求めた。走行耐久性は、温度60℃、相対湿度30%の
雰囲気中でドライブに装着し5日間走行後、媒体表面に
傷が発生しないものを○とし、傷が発生したものを×と
した。上記結果より明らかなように、実施例1、2およ
び3で得られたフロッピーディスクは色素の光学的性質
が変化した部分と変化していない部分の光透過率の差が
10%以上と大きく、記録された光学的パターンは赤外
LEDを用いて容易に読み取ることができ、良好なトラ
ッキングサーボ信号を得ることができる。比較例1で得
られたフロッピーディスクは電子線を照射しても光学的
性質の変化が不十分であり、良好なトラッキングサーボ
信号を得ることができず、また、比較例2で得られたフ
ロッピーディスクは走行耐久性が悪く、いずれも高密度
記録用フロッピーディスクとして好適に用いることはで
きない。
【0048】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、トラッキング
サーボ信号のための光学的パターン書き込みに適した色
素含有層を有するため、従来に較べて少ない光量で光学
的パターンを書き込むことが可能であり、安価な書き込
み装置を用いることができる。また、光学的パターン書
き込みにともなう磁気記録媒体構成材料の除去がないた
め、ダストが発生せず、書き込み後のクリーニング工程
が不要である。更に、光学的パターン書き込み時に磁気
記録用材料には影響を与えないため光学的パターン書き
込み部分も磁気記録に用いることができる。また、エネ
ルギー線照射による光学的性質の変化が大きいため、高
い感度でトラッキングサーボ信号を検出することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で製造したフロッピーディスクの吸
光度曲線を示す図。
【図2】 エネルギー線照射により磁気記録媒体に形成
する光学的パターンの例を示す詳細模式図。
【図3】 エネルギー線照射により磁気記録媒体に形成
する光学的パターンの例を示す模式図。
【符号の説明】
λa 短い記録波長 ai 短い記録波長λaを持つ光学記録部 λb 長い記録波長 bi 長い記録波長λbを持つ光学記録部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明性非磁性支持体上に磁性体を含有す
    る磁性層を設けてなる磁気記録媒体において、エネルギ
    ー線照射により光学的性質が変化するシアニン色素と塩
    化ビニル系重合体とを含有する色素含有層を有すること
    を特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 色素含有層には、エネルギー線照射によ
    る色素の光学的性質の変化に基づくトラッキングサーボ
    信号のための光学的パターンが記録されている請求項1
    に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 透明性非磁性支持体上に磁性体を含有す
    る磁性層を設けてなり、かつ、エネルギー線照射により
    光学的性質が変化するシアニン色素と塩化ビニル系重合
    体とを含有する色素含有層を有する磁気記録媒体に、エ
    ネルギー線を照射することによりトラッキングサーボ信
    号のための光学的パターンを形成することを特徴とする
    磁気記録媒体の製造法。
  4. 【請求項4】 非磁性支持体上に磁性体を含有する磁性
    層が設けられた磁気記録媒体を使用して磁気的データの
    記録再生を行う方法において、磁気記録媒体として、透
    明性非磁性支持体上に磁性体を含有する磁性層を設けて
    なり、かつ、エネルギー線照射により光学的性質が変化
    するシアニン色素と塩化ビニル系重合体とを含有する色
    素含有層を有する磁気記録媒体であって、色素含有層に
    はエネルギ−線照射による色素の光学的性質の変化に基
    づくトラッキングサーボ信号のための光学的パターンが
    記録されている磁気記録媒体を使用し、色素含有層から
    光学的手段によって検出されたトラッキングサーボ信号
    を用いて磁気ヘッドのトラッキングを行いつつ、磁気的
    データの記録再生を行うことを特徴とする記録再生方
    法。
  5. 【請求項5】 トラッキングサーボ信号が、波長の異な
    る2種類の信号を重ね合わせた信号を含み、該2種類の
    信号は、それぞれが一様であり、かつ、該2種類の信号
    の位相差がトラック毎に順次異なっている請求項4に記
    載の記録再生方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004087058A (ja) * 2002-08-29 2004-03-18 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体
US6728194B1 (en) 1998-11-25 2004-04-27 Minolta Co., Ltd. Optical recording medium, method of making the same and optical memory device using the optical memory medium

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US6728194B1 (en) 1998-11-25 2004-04-27 Minolta Co., Ltd. Optical recording medium, method of making the same and optical memory device using the optical memory medium
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