JP3302397B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP3302397B2 JP11694092A JP11694092A JP3302397B2 JP 3302397 B2 JP3302397 B2 JP 3302397B2 JP 11694092 A JP11694092 A JP 11694092A JP 11694092 A JP11694092 A JP 11694092A JP 3302397 B2 JP3302397 B2 JP 3302397B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の製造方
法に関し、詳しくは、有効なウェット・オン・ウェット
塗布が可能であり、且つ電磁変換特性等の性能の高い物
性が得られる磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多層構造の磁気記録媒体は単層のそれに
比較し、電磁変換特性や磁気データ保存容量等の点で非
常に有利である。
【0003】一方、その多層化を達成するためには例え
ば特開昭−119204号、同52−51908号及び
同53−16604号公報等に開示されている様に、支
持体上に一層ずつ塗布液を塗布・乾燥することにより多
層の前記塗布層を形成する方法が従来行なわれていた。
【0004】しかしながら、この方法では、塗布、乾燥
等の工程を繰り返すため生産性が悪いことや最上層の薄
膜化が難しい等の問題があり、特開昭48−98803
号や特開昭61−111168号にウェット・オン・ウ
ェットの同時重量塗布による磁気記録媒体の製造方法が
開示されているが、両方式ともバックロール上に保持さ
れた連続的に走行する前記支持体上に予め重層された塗
布液を塗布する方法であり、バックロールの回転ブレ精
度が不充分で塗布長手方向に塗布ムラが生じやすく、最
適な磁気記録媒体を製造することが困難であった。
【0005】そこで、特開昭62−124631号に開
示されている様な単層の押し出しコーターをバックロー
ルの保持なしに支持体上に下層が湿潤状態のままで上層
を塗布する方法があるが、最上層が例えば乾燥後に0.
3μm以下になるような塗布条件では幅方向や長手方向
の上層膜厚分布が良好とはならない。
【0006】上記欠点をカバーするために、特開昭63
−88080号や特開平2−251265号に開示され
ているような、各々塗布液が導出される二つのスリット
を有したコーターヘッドが考案されている。
【0007】そして、上記二つのスリットを有している
コーターを使用して塗布する場合の塗布条件として特開
平3−8471号に塗布方法の開示がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録媒体の記録密
度の増大に伴って、重層構造の磁気記録媒体の最上層の
磁性層の膜厚は乾燥後で0.3μm以下で膜厚の精度も
プラスマイナスで0.01μm以下のレベルが要求され
る様になった。また最上層に使用される磁性粉も針状の
ものでは平均軸長が0.20μm以下の物や、また形状
も板上で板面に垂直な方向に磁化容易軸を持つものが多
くなり、性能的にも出力やノイズの点でかなり有利な点
が多い。
【0009】これらの磁気記録媒体を塗布する方法で
は、前述の二つのスリットを持つコーターを使用するこ
とが望ましいが、前述の様な非常に微細な磁性粉や板状
構造の磁性粉を分散した塗布液は、その分散性の困難さ
から流動特性が非常に複雑となり、従来の塗布液同士で
は簡単にウェット・オン・ウェット塗布が可能であった
ものが、液の物性を最適に調整することが非常に困難に
なってしまった。この様な塗布の液物性の調整が不十分
であると、安定した塗布が得られなかったり、電磁変換
特性の大幅な劣化が引き起こされる。
【0010】この液物性の条件に関して、特開平3−8
471号に開示されているが、本発明等の研究によれ
ば、この条件下では良好な重層塗布条件は全く得られ
ず、特に磁性粉の平均軸長が0.2μm以下の強磁性金
属粉末や前述の板状磁性粉を使用した場合は顕著であ
り、作成された磁気記録媒体の電磁変換特性も十分なも
のとは言えないことが判明した。
【0011】
【発明の目的】少なくとも二つ以上の途中で合流するこ
とのないスリットを持つ押し出しコーターを使用してウ
ェット・オン・ウェット重層塗布を行なう際に、より有
効な塗布条件と高性能な磁気記録媒体を提供することが
できる、磁気記録媒体の製造方法を明らかにすることが
本発明の目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る磁気記録媒体の製造方法は、連続的に
走行する非磁性支持体上に少なくとも二層以上の塗布層
を塗布可能な二つ以上の途中で塗布液が合流する事のな
いエクストルージョン型塗布装置を使用し、これら塗布
層の隣合うもの同士の粘度差を、前記塗布ヘッドのスリ
ット内にて上層側が少なくとも50cpsより高く塗布
すること、最上層の塗布液に平均長軸長0.18μm
以下、結晶子サイズ180オングストローム以下である
針状の強磁性金属粉末を含み、その下層に平均粒径20
0nm非磁性粒子を主顔料として含んでいること、又は
最上層の塗布液に強磁性粉末として抗磁力が1000
から5000エルステッド、飽和磁化が90から150
emu/gの板状で板面に垂直な方向に磁化容易軸を有
するものを含み、その下層に平均粒径200nmの非磁
性粒子を主顔料として含んでいること、を各々特徴とす
る。
【0013】
【発明の具体的構成】塗布ヘッドのスリット内における
せん断速度rの平均は、ヘッドのクリアランスをd、塗
布速度をCSとし、ウェット塗布膜厚をhwとして場
合、以下の式1で近似的に表現できる。
【0014】r=3・CS・hw/d2 ・・・式1 (層構成)本発明の磁気記録媒体は、基本的に、非磁性
支持体上に、最上層である磁性層と、その磁性層と非磁
性支持体との間に存在する少なくとも一層とを形成して
なる。なお、非磁性支持体上の上記磁性層が設けられて
いない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向上、
帯電防止および転写防止などを目的として、バックコー
ト層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性支持体
との間には、下引き層を設けることもできる。 (非磁性支持体)前記非磁性支持体を形成する材料とし
ては、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2、6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセ
テート、セルロースダイアセテート等のセルロース誘導
体、ポリアミド、ポリカーボネート等のプラスチックな
どを挙げることができる。
【0015】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。
【0016】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、たとえばフィルム状やシート状の場合は通常3〜1
00μm、好ましくは5〜50μmであり、ディスクや
カード状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の
場合はレコーダー等に応じて適宜に選択される。
【0017】尚、この非磁性支持体は単独構造のもので
あっても多層構造のものであってもよい。また、この非
磁性支持体は、たとえばコロナ放電処理等の表面処理を
施されたものであってもよい。
【0018】なお又、非磁性支持体上の上記磁性層が設
けられていない面(表面)には、磁気記録媒体の走行性
の向上、帯電防止および転写防止などを目的として、バ
ックコート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁
性支持体との間には、下引き層を設けることができるこ
とは前記したとおりである。 (磁性層)この発明においては、最上層が磁性層であ
る。この磁性層は、基本的には磁性粉をバインダー樹脂
中に分散せしめてなる。
【0019】この最上層の磁性層には、強磁性金属粉末
および/または六方晶系磁性粉を含有する。また、最上
層の膜厚が0.5μm以下であり、好ましくは0.1〜
0.4μmである。これらの条件を満足することによっ
て、本発明の磁気記録媒体は、高域特性を向上させるこ
とができる。
【0020】最上層に用いられる強磁性金属粉末として
は、Fe、Coをはじめ、Fe−Al系、Fe−Al−
Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、F
e−Al−Ca系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al
系、Fe−Ni−Co系、Fe−Ni−Si−Al−M
n系、Fe−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Al−
Si系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、F
e−Ni−Si系、Fe−Mn−Zn系、Fe−Co−
Ni−P系、Ni−Co系、Fe、Ni、Co等を主成
分とするメタル磁性粉等の強磁性粉が挙げられる。中で
も、Fe系金属粉が電気的特性に優れる。
【0021】他方、耐蝕性および分散性の点から見る
と、Fe−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−
Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、F
e−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−A
l−Mn系などのFe−Al系金属粉が好ましい。
【0022】特に、この発明の目的に好ましい強磁性金
属粉は、鉄を主成分とする金属磁性粉であり、Alまた
は、AlおよびCaを、Alについては重量比でFe:
Al=100:0.5〜100:20、Caについては
重量比でFe:Ca=100:0.1〜100:10の
範囲で含有するのが望ましい。
【0023】Fe:Alの比率をこのような範囲にする
ことで耐蝕性が著しく改良され、またFe:Caの比率
をこのような範囲にすることで電磁変換特性を向上さ
せ、ドロップアウトを減少させることができる。電磁変
換特性の向上やドロップアウトの減少がもたらされる理
由は明らかでないが、分散性が向上することによる保磁
力のアップや凝集物の減少等が理由として考えられる。
【0024】この発明に用いられる強磁性金属粉末は、
その平均長軸長が0.25μm未満、特に0.10〜
0.22μm、より好ましくは0.10〜0.17μm
でかつ結晶サイズが200Å未満、特に100〜180
Åであることが好ましい。又軸比(平均長軸長・平均短
軸長)が12以下、好ましくは10以下、さらに好まし
くは5〜9であるのが良い。強磁性金属粉末の平均長軸
長および結晶サイズ、軸比が前記範囲内にあるとさらに
電磁変換特性の向上を図ることができる。
【0025】また、この発明に用いられる強磁性金属粉
末は、その保磁力(Hc)が通常600〜5,000
Oeの範囲にあることが好ましい。この保磁力が600
00e未満であると、電磁変換特性が劣化することが
あり、また保磁力が5,000 Oeを超えると、通常
のヘッドでは記録不能になることがあるので好ましくな
い。
【0026】また、上記強磁性粉末は、磁気特性である
飽和磁化量(σs)が通常、70emu/g以上である
ことが好ましい。この飽和磁化量が70emu/g未満
であると、電磁変換特性が劣化することがある。
【0027】さらにこの発明においては、記録の高密度
化に応じて、BET法による比表面積で30m2/g以
上、特に45m2/g以上の強磁性金属粉末が好ましく
用いられる。
【0028】この比表面積ならびにその測定方法につい
ては、「粉体の測定」(J.M.Dallavell
e,Clyeorr Jr.共著、牟田その他訳:産業
図書社刊)に詳述されており、また「化学便覧」応用編
P1170〜1171(日本化学会編:丸善(株)昭和
41年4月30日発行)にも記載されている。
【0029】比表面積の測定は、たとえば粉末を105
℃前後で13分間加熱処理しながら脱気して粉末に吸着
されているもの除去し、その後、この粉末を測定装置に
導入して窒素の初期圧力を0.5kg/m2 に設定し、
窒素により液体窒素温度(−105℃)で10分間測定
を行なう。
【0030】測定装置は例えばカウンターソープ(湯浅
アイオニクス(株)製)を使用する。
【0031】六方晶系の磁性粉としては、たとえば、六
方晶系フェライトを挙げることができる。このような六
方晶系フェライトは、バリウムフェライト、ストロンチ
ウムフェライト等からなり、鉄元素の一部が他の元素
(たとえば、Ti、Co、Zn、In、Mn、Ge、H
b等)で置換されていても良い。このフェライト磁性体
については、IEEE Trans,on MAG−1
8 16(1982)に詳しく述べられている。
【0032】この発明において、特に好ましい六方晶系
の磁性粉としては、バリウムフェライト(以下Ba−フ
ェライトと記す)磁性粉を挙げることができる。
【0033】この発明で用いることのできる好ましいB
a−フェライト磁性粉は、Ba−フェライト粉の、Fe
の一部が少なくともCoおよびZnで置換された平均粒
径(六方晶系フェライトの板面の対角線の高さ)400
〜900Å、板状比(六方晶系フェライトの板面の対角
線の長さを板厚で除した値)2.0〜10.0、より好
ましくは2.0〜6.0、保磁力(Hc)450〜15
00のBa−フェライトである。
【0034】Ba−フェライト粉は、FeをCoで一部
置換することにより、保磁力が適正な値に制御されてお
り、さらにZnで一部置換することにより、Co置換の
みでは得られない高い飽和磁化を実現し、高い再生出力
を有する電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得ること
ができる。また、さらにFeの一部をNbで置換するこ
とにより、より高い再生出力を有する電磁変換特性に優
れた磁気記録媒体を得ることができる。また、この発明
に用いられるBa−フェライトは、さらにFeの一部が
Ti、In、Mn、Cu、Ge、Sn等の遷移金属で置
換されていても差支えない。
【0035】なお、この発明に使用するBa−フェライ
トは次の一般式で表される。 BaO n((Fe1−m ) [ただし、m>0.36(ただし、Co+Zn=0.0
8〜0.3、Co/Zn=0.5〜10)であり、nは
5.4〜11.0であり、好ましくは5.4〜6.0で
あり、Mは置換金属を表し、平均個数が3となる2種以
上の元素の組合せになる磁性粒子が好ましい。]この発
明において、Ba−フェライトの平均粒径、板状比、保
磁力が前記好ましい範囲内にあると好ましい理由は、次
の通りである。すなわち、平均粒径400Å未満の場合
は、磁気記録媒体としたときの再生出力が不十分とな
り、逆に900Åを超えると、磁気記録媒体としたとき
の表面平滑性が著しく悪化し、ノイズレベルが高くなり
すぎることがあり、また、板状比が2.0未満では、磁
気記録媒体としたときに高密度記録に適した垂直配向率
が得られず、逆に板状比が10.0を越えると磁気記録
媒体としたときの表面平滑性が著しく悪化し、ノイズレ
ベルが高くなりすぎ、さらに、保磁力が350 Oe未
満の場合には、記録信号の保持が困難になり、2000
Oeを越えると、ヘッド限界が飽和減少を起こし記録
が困難になることがあるからである。
【0036】この発明に用いられる六方晶系の磁性粉
は、磁気特性である飽和磁化量(σs)が通常、50e
mu/g以上であることが望ましい。この飽和磁化量が
50emu/g未満であると、電磁変換特性が劣化する
ことがある。
【0037】この発明に用いられるBa−フェライトの
好ましい一具体例としては、Co−置換Baフェライト
を挙げることができる。
【0038】この発明に用いられる六方晶系の磁性粉を
製造する方法としては、たとえば目的とするBa−フェ
ライトを形成するのに必要な各元素の酸化物、炭酸化物
を、たとえばホウ酸のようなガラス形成物質とともに溶
融し、得られた融液を急冷してガラスを形成し、次いで
このガラスを所定温度で熱処理して目的とするBa−フ
ェライトの結晶粉を析出させ、最後にガラス成分を熱処
理によって除去するという方法のガラス結晶化法の他、
共沈−焼成法、水熱合成法、フラックス法、アルコキシ
ド法、プラズマジェット法等が適用可能である。
【0039】なお、この発明においては、強磁性金属粉
末と六方晶系の磁性粉とを混合して使用することもでき
る。この磁性層中の強磁性金属粉末および/または六方
晶系の磁性粉の含有量は通常、50〜99重量%であ
り、好ましくは60〜99重量%である。
【0040】ところで、最上層である磁性層以外の、非
磁性粉末を含有する層は、磁性層の膜厚が0.8μm以
下であるので、最上層である磁性層に対して潤滑剤を補
給する層として機能する。磁性層に対して下層となる層
が潤滑剤補給層として良く機能するために、磁性層の下
の層に含まれる非磁性粉末は、その吸油量ができるだけ
少ないことが好ましく、通常200ミリリットル/10
0g以下、好ましくは100ミリリットル/100g以
下である。
【0041】[最上層以外の非磁性粉末を含む層又は高
透磁率材料を含む層]この発明においては、非磁性支持
体の上に複数の層が形成されており、最上層以外の少な
くとも一層、好ましくは最上層に隣接する層には、非磁
性粉末又は高透磁率材料が含有されている。 (非磁性粉末)この発明における非磁性粉末としては、
この種磁気記録媒体に使用される公知の各種の非磁性粉
末から、前記特性を備えたものを適宜に選択して使用す
ることができる。この非磁性粉末としては、例えば、酸
化チタン、硫酸バリウム、ZnS、MgCo 、Ca
CO 、ZnO、CaO,二硫化タングステン、二硫
化モリブデン、窒化ホウ酸、MgO、SnO 、Si
、Cr、α−Al 、SiC、
酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、α−酸
化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒化ケイ素、窒
化ホウ素、炭化ケイ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、
炭化タングステン、チタンカーバイド、トリポリ、ケイ
ソウ土、ドロマイトや、ポリエチレン等のポリマー粉末
等を挙げることができる。
【0042】これらの中でも好ましいのは、CaCO
、酸化チタン、硫酸バリウム、α−Al
α−酸化鉄、等の無機粉末やポリエチレン等のポリマー
粉末等である。
【0043】この高透磁率材料としては、その保磁力H
cが0<Hc≦1.0×10 [A/m]、好ましく
は0<Hc≦5.0×10 [A/m]である。保磁
力が前記範囲内にあると、高透磁率材料として最上層の
磁化領域の安定化の効果が発揮される。保磁力が前記範
囲を超えると、磁性材料としての特性が発現することに
より所望の特性が得られなくなることがあるので好まし
くない。
【0044】この発明においては、高透磁率材料とし
て、前記保磁力の範囲内にある材料を適宜に選択するの
が好ましい。そのような高透磁率材料としては、例え
ば、金属軟質磁性材料、酸化物軟質磁性材料等を挙げる
ことができる。
【0045】前記金属軟質磁性材料としては、Fe−S
i合金、Fe−Al合金(Alperm、Alfemo
l、Alfer),パーマロイ(Ni−Fe系二元合
金、およびこれにMo、Cu、Crなどを添加した多元
系合金)、センダスト(Fe−Si−Al[9.6重量
%のSi、5.4%のAl、残りがFeである組
成])、Fe−Co合金等を挙げることができる。これ
らの中でも好ましい金属軟質磁性材料としてはセンダス
トが好ましい。なお、高透磁率材料としての金属軟質磁
性材料としては以上に例示したものに限定されず、その
他の金属軟質磁性材料を使用することができる。高透磁
率材料は、その一種を単独で使用することもできるし、
又その二種以上を併用することもできる。
【0046】前記酸化物軟質磁性材料としては、スピネ
ル型フェライトであるMnFe 、Fe
、CoFe NiFe
gFe Li0.5 Fe2.5
や、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライ
ト、Ni−Cu系フェライト、Cu−Zn系フェライ
ト、Mg−Zn系フェライト、Li−Zn系フェライト
等を挙げることができる。これらの中でも、Mn−Zn
系フェライト及びNi−Zn系フェライトが好ましい。
なお、これらの酸化物軟質磁性材料はその一種を単独で
使用することもできるが、その二種以上を併用すること
もできる。
【0047】この高透磁率材料はボールミルやその他の
粉砕装置を用いて微細粉末にし、その粒径が1mμ〜
1,000mμ、特に1mμ〜500mμであるのが好
ましい。このような微細な粉末を得るために、金属軟質
磁性材料においては、溶融した合金を真空雰囲気下に噴
霧することにより得ることができる。又、酸化物軟質磁
性材料においては、ガラス結晶化法、共沈焼成法、水熱
合成法、フラックス法、アルコシキシド法、プラズマジ
ェット法等により微細粉末にすることできる。
【0048】この高透磁率材料を含有する層において
は、高透磁率材料の含有量は、10〜100重量%、好
ましくは50〜100重量%、更に好ましくは60〜1
00重量%である。高透滋率材料の含有量が前記範囲内
にあると、最上層の磁化の安定化の効果が十分に得られ
る。又、高透磁率材料が50重量%未満であると、高透
磁性層としての効果が得られなくなることがあるので好
ましくない。なお、この高透磁率材料を含有する層に
は、非磁性の粒子を含有していても良い。
【0049】この本発明の磁器記録媒体は導電性粉末を
含有している。この導電性粉末としては、カーボンブラ
ック、グラファイト、酸化錫、銀粉、酸化銀、硝酸銀、
銀の有機化合物、銅粉等の金属粒子等、酸化亜鉛、硝酸
バリウム、酸化チタン等の金属酸化物等の顔料を酸化錫
被膜、又はアンチモン固溶酸化被膜等の導電性物質でコ
ーティング処理したもの等がある。 (バインダー)最上層である磁性層及びこの磁性層以外
の層を形成するのに使用されるバインダーとしては、例
えば、ポリウレタン、ポリエステル塩化ビニル系共重合
体等の塩化ビニル系樹脂等が代表的なものであり、これ
らの樹脂は−SO M、−OSO M、−COOM
および−PO(OM から選ばれた少なくとも
一種の極性基を有する繰り返し単位を含むことが好まし
い。
【0050】ただし、上記極性基において、Mは水素原
子あるいはNa、K、Li等のアルカリ金属を表わし、
またM は水素原子、Na、K、Li等のアルカリ原
子あるいはアルキル基を表す。
【0051】上記極性基は強磁性粉末の分散性を向上さ
せる作用があり、各樹脂中の含有率は0.1〜8.0モ
ル%、好ましくは0.5〜6.0モル%である。この含
有率が0.1モル%未満であると、強磁性粉末の分散性
が低下し、また含有率が8.0モル%を超えると、磁性
塗料がゲル化し易くなる。なお、前記各樹脂の重量平均
分子量は、15,000〜50,000の範囲が好まし
い。
【0052】結合剤(バインダー)の磁性層における含
有率は、強磁性粉末100重量部に対して通常、10〜
40重量部、好ましくは15〜30重量部である。結合
剤(バインダー)は一種単独に限らず、二種以上を組み
合わせて用いることができるが、この場合、ポリウレタ
ンおよび/またはポリエステルと塩化ビニル系樹脂との
比は、重量比で通常、90:10〜10:90であり、
好ましくは70:30〜30:70の範囲である。
【0053】この発明に結合剤として用いられる極性基
含有塩化ビニル系共重合体は、たとえば塩化ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体など、水酸基を有する共重合体
と下記の極性基および塩素原子を有する化合物との付加
反応により合成することができる。
【0054】 Cl−CH CH SO M、Cl−CH CH OSO M、 Cl−CH COOM、Cl−CH −P(=0)(OM これらの化合物からCl−CH CH SO
aを例にとり、上記反応を説明すると、次のようにな
る。 −CH C(OH)H−+ClCH CH SO Na→−CH C(OCH CH SO Na)H−。
【0055】また、極性基含有塩化ビニル系共重合体
は、極性基を含む繰り返し単位が導入される不飽和結合
を有する反応性モノマーを所定量オートクレーブ等の反
応容器に仕込み、一般的な重合開始剤、たとえばBPO
(ベンゾイルパーオキシド)、AIBN(アゾビスイソ
ブチロニトリル)等のラジカル重合開始剤、レドックス
重合開始剤、カチオン重合開始剤などを用いて重合反応
を行なうことにより、得ることができる。
【0056】スルホン酸又はその塩を導入するための反
応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p−スチレン
スルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの
塩を挙げることができる。
【0057】カルボン酸もしくはその塩を導入するとき
は、例えば(メタ)アクリル酸やマレイン酸等を用い、
リン酸もしくはその塩を導入するときは、例えば(メ
タ)アクリル酸−2−リン酸エステルを用いればよい。
【0058】塩化ビニル系共重合体にはエポキシ基が導
入されていることが好ましい。このようにすると、重合
体の熱安定性が向上するからである。
【0059】エポキシ基を導入する場合、エボキシ基を
有する繰り返し単位の共重合体中における含有率は、1
〜30モル%が好ましく、1〜20モル%がより好まし
い。エポキシ基を導入するためのモノマーとしては、た
とえばクリシジルアクリレートが好ましい。
【0060】なお、塩化ビニル系共重合体への極性基の
導入技術に関しては、特開昭57−44227号、同5
8−108052号、同59−8127号、同60−1
01161号、同60−235814号、同60−23
8306号、同60−238371号、同62−121
923号、同62−146432号、同62−1464
33号等の公報に記載があり、この発明においてもこれ
らを利用することができる。
【0061】次に、この発明に用いるポリエステルとポ
リウレタンの合成について述べる。一般に、ポリエステ
ルはポリオールと多塩基酸との反応により得られる。こ
の公知の方法を用いて、ポリオールと一部に極性基を有
する多塩基酸から、極性基を有するポリエステル(ポリ
オール)を合成することができる。
【0062】極性基を有する多塩基酸の例としては、5
−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−
スルホイソフタル酸、3−スルホフタル酸、5−スルホ
イソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタル酸ジア
ルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、3−スル
ホイソフタル酸ジアルキルおよびこれらのナトリウム
塩、カリウム塩を挙げることができる。
【0063】ポリオールの例としては、トリメチロール
プロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリス
リトール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1.3−ブタンジオール、1.4−ブタンジオー
ル、1.6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができ
る。
【0064】なお、他の極性基を導入したポリエステル
も公知の方法で合成することができる。
【0065】次に、ポリウレタンに付いて述べる。これ
は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応から得ら
れる。ポリオールとしては、一般にポリオールと多塩基
酸との反応によって得られるポリエステルポリオールが
使用されている。したがって、極性基を有するポリエス
テルポリオールを原料として用いれば、極性基を有する
ポリウレタンを合成することができる。
【0066】ポリイソシアネートの例としては、ジフェ
ニルメタン−4−4′−ジイソシアネート(MDI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリレ
ンジイソシアネート(TDI)、1.5−ナフタレンジ
イソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート
(TODI)、リジンイソシアネートメチルエステル
(LDI)等が挙げられる。
【0067】また、極性基を有するポリウレタンの他の
合成方法として、水酸基を有するポリウレタンと極性基
および塩素原子を有する下記の化合物との付加反応も有
効である。 Cl−CH CH SO M、Cl−CH CH OSO M、C l−CH COOM、Cl−CH −P(=0)(OM なお、ポリウレタンへの極性基導入に関する技術として
は、特公昭58−41565号、特開昭57−9242
2号、同57−92423号、同59−8127号、同
59−5423号、同59−5424号、同62−12
1923号等の公報に記載があり、この発明においても
これらを利用することができる。
【0068】この発明においては、結合剤として下記の
樹脂を全結合剤の20重量%以下の使用量で併用するこ
とができる。
【0069】その樹脂としては、重量平均分子量が1
0,000〜200,000である、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロー
ス等)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルム
アミド樹脂、各種の合成ゴム系樹脂等が挙げられる。 (その他の成分)この発明では、磁性層の耐久性を向上
させるために、ポリイソシアネートを磁性層に含有させ
ることが望ましい。
【0070】ポリイソシアネートとしては、たとえばト
リレンジイソシアネート(TDI)等と活性水素化合物
との付加体などの芳香族ポリイソシアネートと、ヘキサ
メチレンジイソシアネート(HMDI)等と活性水素化
合物との付加体などの脂肪族ポリイソシアネートがあ
る。ポリイソシアネートの重量平均分子量は、100〜
3,000の範囲にあることが望ましい。
【0071】この発明では、磁性層に必要に応じて分散
剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤および充填剤などの添
加剤を含有させることができる。
【0072】まず、分散剤としては、カプリル酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸などの炭素数12〜18の脂肪
族;これらのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属
の塩あるいはこれらのアミド:ポリアルキレンオキサイ
ドアルキル酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオ
レフィンオキシ第四アンモニウム塩:カルボキシル基お
よびスルホン酸基を有するアゾ系化合物などを挙げるこ
とができる。これらの分散剤は、通常、強磁性粉に対し
て0.5〜5重量%の範囲で用いられる。
【0073】次に、潤滑剤としては、脂肪酸および/ま
たは脂肪酸エステルを使用することができる。この場
合、脂肪酸の添加量は強磁性粉に対し0.2〜10重量
%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。添加
量が0.2重量%未満であると、走行性が低下し易く、
また10重量%を超えると、脂肪酸が磁性層の表面にし
み出したり、出力低下が生じ易くなる。
【0074】また、脂肪酸エステルの添加量も強磁性粉
に対して0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜5重
量%がより好ましい。その添加量が0.2重量%未満で
あると、スチル耐久性が劣化し易く、また10重量%を
超えると、脂肪酸エステルが磁性層の表面にしみ出した
り、出力低下が生じ易くなる。
【0075】脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して潤滑
効果をより高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エステル
は重量比で10:90〜90:10が好ましい。
【0076】脂肪酸としては一塩基酸であっても二塩基
酸であってもよく、炭素数は6〜30が好ましく、12
〜22の範囲がより好ましい。
【0077】脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノレ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、ベヘン酸、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1.12−ド
デカンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸などが挙げ
られる。
【0078】脂肪酸エステルの具体例としては、オレイ
ルオレート、イソセチルステアレート、ジオレイルマレ
ート、ブチルステアレート、ブチルパルミテート、ブチ
ルミリステート、オクチルミリステート、オクチルパル
ミテート、ペンチルステアレート、ペンチルパルミテー
ト、イソブチルオレエート、ステアリルステアレート、
ラウリルオレエート、オクチルオレエート、イソブチル
オレエート、エチルオレエート、イソトリデシルオレエ
ート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘ
キシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、イソ
プロピルミリステート、ブチルラウレート、セチル−2
−エチルヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジエチ
ルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシル
アジペート、オレイルステアレート、2−エチルヘキシ
ルミリステート、イソペンチルパルミテート、イソペン
チルステアレート、ジエチレングリコール−モノ−ブチ
ルエーテルパルミテート、ジエチレングリコール−モノ
−ブチルエーテルパルミテートなどが挙げられる。
【0079】また、上記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の
潤滑剤として、例えばシリコーンオイル、グラファイ
ト、フッ化カーボン、二硫化モリブデン、二硫化タング
ステン、脂肪酸アミド、α−オレフィンオキサイドなど
も使用することができる。
【0080】次に、研磨剤の具体例としては、α−アル
ミナ、溶融アルミナ、酸化クロム、酸化チタン、α−酸
化鉄、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、炭
化モリブデン、炭化ホウ素、コランダム、酸化亜鉛、酸
化セリウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素などが挙げ
られる。研磨剤の平均粒子径は0.05〜0.6μmが
好ましく、0.1〜0.3μmがより好ましい。
【0081】次に、帯電防止剤としては、カーボンブラ
ック、グラファイト等の導電性粉末;第四級アミン等の
カチオン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン
酸エステル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活
性剤;アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン
等の天然界面活性剤等を挙げることができる。
【0082】上述した帯電防止剤は、通常、結合剤に対
して0.01〜40重量%の範囲で添加される。 (磁気記録媒体の製造)この発明の磁気記録媒体はその
製造方法に特に制限はなく、公知の単層または複数層構
造型の磁気記録媒体の製造に使用される方法に準じて製
造することができる。
【0083】たとえば、一般的には強磁性粉、結合剤、
分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等を溶媒中で混練
及び分散して磁性塗料を調整した後、この磁性塗料を非
磁性支持体の表面に塗布する。
【0084】上記溶媒としては、たとえばアセトン、メ
チルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系;メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テ
トラヒドロフラン等の環状エーテル類;メチレンクロラ
イド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭素水素等を用い
ることができる。磁性層形成成分の混練分散にあたって
は、各種の混練分散機を使用することができる。
【0085】この混練分散機としては、たとえば二本ロ
ールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、
コボルミル、トロンミル、サンドミル、サンドグライン
ダー、Sqegvariアトライター、高速インペラー
分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパ
ー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、オ
ープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニーダーなどが挙
げられる。
【0086】上記混練分散機のうち、0.05〜0.5
KW(磁性粉1Kg当たり)の消費電力負荷を提供する
ことのできる混練分散機は、加圧ニーダー、オープンニ
ーダー、連続ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミ
ルである。
【0087】
【実施例】以下に実施例を示すが、その前に、使用した
塗布液組成及び作成方法を示す。(尚、下記の「部」と
はすべて「重量部」を意味する) <磁性塗料> 強磁性粉末(表−1記載) 100部 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン社製、MR110) 8部 スルホン酸金属塩含有ポリウレタン樹脂 5部 (東洋紡績社製、UR8700) α−アルミナ 5部 カーボンブラック(平均粒径40nm) 0.5部 ミリスチン酸 1部 ステアリン酸 1部 ブチルステアレート 1部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 シクロヘキサノン 40部 上記組成で溶剤を固形分濃度で約80%になるように一
部添加し、磁性粉1kg当たり実負荷電力として0.2
kw以上かけ10分間以上混練を行ない、高速ディスパ
ー混合機を使用して、上記処方値になるように希釈を行
ない、平均粒径1.0mmのジルコニヤビーズを使用し
てサンドミルにて分散を行ない、最後にポリイソシアネ
ート化合物(コロネートL5部)を添加して調整した。 <非磁性塗料> 非磁性粉末(表−2記載) 100部 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン社製、MR110) 1部 スルホン酸金属塩含有ポリウレタン樹脂 5部 (東洋紡績社製、UR8700) ミリスチン酸 1部 ステアリン酸 1部 ブチルステアレート 1部 メチルエチルケトン 35部 トルエン 35部 シクロヘキサノン 35部 上記組成で溶剤を非磁性粉1kg当たり実負荷電力とし
て0.2kw以上かかるように一部添加し、10分間以
上混練を行ない、高速ディスパー混合機を使用して上記
処方値になるように希釈を行ない、平均粒径1.0mm
のジルコニヤビーズを使用してサンドミルにて分散を行
ない、最後にポリイソシアネート化合物(コロネートL
5部)を添加して調整した。上記に記載の組成の液を基
本液とし、メチルエチルケトン:トルエン:シクロヘキ
サノン=1:1:1(重量比)の希釈液で、以下に示す
結果中のずり速度下で所定の粘度になるように調整し
た。希釈液の添加量は予め一定量ずつ添加し、各ずり速
度下での粘度を測定し、その結果より検量線を作成し添
加量の大まかな値を推定しながら決定する方法が効果的
である。尚、粘度測定にはロトビスコ粘度計(ハーケ社
製)を使用した。
【0088】作成された塗布分散液は、特開平2−25
1265号の第1図に記載のコーターを使用し、8μm
のペットベース(PETフィルム)に塗布を行なった。
その際、スパンが500mmの二本のサポートロール間
でほぼ中間の位置にヘッドの先端部を設定し、ヘッドを
そのロールで支持されたベースに接触する位置を0とし
ベース側に押し込まれた長さをxとし、先端部を中心に
回転し、上層側のスリットの延長線と上記二本のサポー
トロールの中心を結ぶ線との交点により作られた角度を
αとし、塗布が可能な範囲を測定した。当然のことなが
ら塗布の可能の範囲が広いことが安定した塗布を行なう
上で重要であるため、その塗布可能範囲を面積で評価し
た。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】 上層を磁性塗料B、E、下層磁性塗料A及び非磁性塗料
Gを使用して、塗布テストを行なった。結果を表−3〜
8に示した。表中で、塗布条件範囲は、Aランクは30
0(mm・角度)以上で、Bランクは100(mm・角
度)とし、10以下をNGレベルとした。表に示される
結果として、上下層のそのスリット間でのずり速度にお
ける粘度差が50cpsより上(上層が高い)であると
良好な塗布条件が得られることが分かる。次に、同じ塗
布装置を使用し、針状粉を使用した場合は長手方向に、
板状粉を使用した場合は垂直に、乾燥後の膜厚が上層
0.3μm、下層が2.0μmとなるよう膜厚設定を
し、電磁石を使用した6000ガウスの磁場配向を約2
秒間行ない、乾燥、カレンダー処理後スリット、ローデ
ィングを8mmのカセットに行なった。そして市販の8
mmビデオレコーダー(SONY EVO9500)を
用いて7MHzの単一波を記録し、この信号を再生し、
7MHzの再生出力を出力レベル測定器を使用し測定を
行なった。結果を表−10〜11に示した。表に示され
る結果を見ても、本発明の方法だと非常に良好な電磁変
換特性を持つ磁気記録媒体が作製されることが分かる。
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】
【表5】
【0094】
【表6】
【0095】
【表7】
【0096】
【表8】
【0097】
【表9】
【0098】
【表10】
【0099】
【表11】

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続的に走行する非磁性支持体上に少なく
    とも二層以上の塗布層を塗布可能な二つ以上の途中で塗
    布液が合流する事のないエクストルージョン型塗布装置
    を使用し、これら塗布層の隣合うもの同士の粘度差を、
    前記塗布ヘッドのスリット内にて上層側が少なくとも5
    0cpsより高く塗布することを特徴とする塗布方法。
  2. 【請求項2】第1項記載の塗布方法において、最上層の
    塗布液に平均長軸長0.18μm以下、結晶子サイズ1
    80オングストローム以下である針状の強磁性金属粉末
    を含み、その下層に平均粒径200nm非磁性粒子を主
    顔料として含んでいることを特徴とする磁気記録媒体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】第1項記載の塗布方法において、最上層の
    塗布液に強磁性粉末として抗磁力が1000から500
    0エルステッド、飽和磁化が90から150emu/g
    の板状で板面に垂直な方向に磁化容易軸を有するものを
    含み、その下層に平均粒径200nmの非磁性粒子を主
    顔料として含んでいることを特徴とする磁気記録媒体の
    製造方法。
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