JPH05298663A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH05298663A
JPH05298663A JP12003892A JP12003892A JPH05298663A JP H05298663 A JPH05298663 A JP H05298663A JP 12003892 A JP12003892 A JP 12003892A JP 12003892 A JP12003892 A JP 12003892A JP H05298663 A JPH05298663 A JP H05298663A
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JP
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magnetic
layer
powder
acid
recording medium
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JP12003892A
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English (en)
Inventor
Shigeto Goto
成人 後藤
Kunitsuna Sasaki
邦綱 佐々木
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、ディジタル媒体として必要な
高CN比やオーバーライト特性を有すると共に、高温多
湿下及びNO 環境下での耐蝕性に優れた磁磁気記録
媒体を提供することである。 【構成】本発明は、非磁性支持体上に、複数の層を形成
し、最上層の磁性層の膜厚が0.8μm以下であり、そ
れらの層の内の少なくとも1層の結合剤として、エステ
ル結合を有しないポリカーボネートポリウレタンを含有
し、最上層以外の少なくとも1層が非磁性粉末又は高透
磁率材料を含む層であることを特徴とする磁気記録媒体
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に関する。
詳しくは、ディジタル媒体として必要な高CN比やオー
バーライト特性を有すると共に、高温多湿下及びNO2
環境下での耐蝕性に優れた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【発明の背景】特公平3−698号、特開昭61−26
4509号において、ポリカーボネートポリウレタンを
使用した磁気記録媒体が開示されている。
【0003】しかし、本発明者の研究によれば、上記何
れにおいても、塗膜が磁性層であり、最上層の膜厚が比
較的厚いため、膜厚損失や、自己減磁損失が発生し、デ
ィジタル媒体として必要な高CN比やオーバーライト特
性が得られなかった。また、最上層の磁性層の膜厚が薄
くなるにつれて、高温多湿下(40℃、90%RH)、
NO2 (10ppm)環境下での耐蝕性も悪化してき
た。
【0004】
【発明の目的】そこで本発明の目的は、ディジタル媒体
として必要な高CN比やオーバーライト特性を有すると
共に、高温多湿下及びNO2 環境下での耐蝕性にも優れ
た磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【目的を達成するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、複
数の層を形成し、最上層の磁性層の膜厚が0.8μm以
下であり、それらの層の内の少なくとも1層の結合剤と
して、エステル結合を有しないポリカーボネートポリウ
レタンを含有し、最上層以外の少なくとも1層が非磁性
粉末又は高透磁率材料を含む層であることを特徴とす
る。
【0006】
【発明の具体的構成】CN比やオーバーライト特性を向
上させるためには、最上層の磁性層の膜厚は0.8μm
以下であり、特に0.5μm未満、より好ましくは0.
1〜0.4μmである。また極性基を含有するポリカー
ボネートポリウレタンを用いることが好ましく、好まし
い極性基としては、−SO3 M、−OSO3 M、−CO
OM、−PO(OM12 、−OPO(OM12 等が
ある(Mは水素原子或いはNa、K、Li等のアルカリ
金属を表し、またM1 は水素原子、Na、K、Li等の
アルカリ金属或いはアルキル基を表す。)。
【0007】前記極性基の量は通常0.001〜1.0
mmol/g、好ましくは0.005〜0.5mmol
/g、より好ましくは0.01〜0.2mmol/gで
ある。
【0008】本発明で使用されるエステル結合を有しな
いポリカーボネートポリウレタンについては、特公平3
−698号のカラム3〜9において詳細に説明されてお
り、本発明にも適用することができる。
【0009】本発明に用いられるポリカーボネートポリ
ウレタンの数平均分子量は、通常5000〜5000
0、好ましくは8000〜30000、より好ましくは
10000〜20000である。ガラス転移点(Tg)
は、通常−40℃〜50℃、好ましくは−20℃〜40
℃、より好ましくは0℃〜30℃である。
【0010】(層構成)本発明の磁気記録媒体は、基本
的に、非磁性支持体上に、最上層である磁性層と、その
磁性層と非磁性支持体との間に存在する少なくとも一層
とを形成してなる。なお、非磁性支持体上の上記磁性層
が設けられていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走
行性の向上、帯電防止および転写防止などを目的とし
て、バックコート層を設けるのが好ましく、また磁性層
と非磁性支持体との間には、下引き層を設けることもで
きる。
【0011】(非磁性支持体)前記非磁性支持体を形成
する材料としては、たとえばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2、6−ナフタレート等のポリエス
テル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロ
ーストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセ
ルロース誘導体、ポリアミド、ポリカーボネート等のプ
ラスチックなどを挙げることができる。
【0012】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。
【0013】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、たとえばフィルム状やシート状の場合は通常3〜1
00μm、好ましくは5〜50μmであり、ディスクや
カード状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の
場合はレコーダー等に応じて適宜に選択される。
【0014】尚、この非磁性支持体は単独構造のもので
あっても多層構造のものであってもよい。また、この非
磁性支持体は、たとえばコロナ放電処理等の表面処理を
施されたものであってもよい。
【0015】なお又、非磁性支持体上の上記磁性層が設
けられていない面(表面)には、磁気記録媒体の走行性
の向上、帯電防止および転写防止などを目的として、バ
ックコート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁
性支持体との間には、下引き層を設けることができるこ
とは前記したとおりである。
【0016】(磁性層)本発明においては、最上層が磁
性層である。この磁性層は、基本的には磁性粉をバイン
ダー樹脂中に分散せしめてなる。
【0017】この最上層の磁性層には、強磁性金属粉末
および/または六方晶系磁性粉を含有する。また、最上
層の膜厚が0.8μm以下、好ましくは0.5μm未満
であり、より好ましくは0.1〜0.4μmである。こ
れらの条件を満足することによって、本発明の磁気記録
媒体は、本発明の目的を達成することができる。
【0018】最上層に好ましく用いられる強磁性金属粉
末としては、Fe、Coをはじめ、Fe−Al系、Fe
−Al−Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−C
o系、Fe−Al−Ca系、Fe−Ni系、Fe−Ni
−Al系、Fe−Ni−Co系、Fe−Ni−Si−A
l−Mn系、Fe−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−
Al−Si系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn
系、Fe−Ni−Si系、Fe−Mn−Zn系、Fe−
Co−Ni−P系、Ni−Co系、Fe、Ni、Co等
を主成分とするメタル磁性粉等の強磁性粉が挙げられ
る。中でも、Fe系金属粉が電気的特性に優れる。
【0019】他方、耐蝕性および分散性の点から見る
と、Fe−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−
Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、F
e−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−A
l−Mn系などのFe−Al系金属粉が好ましい。
【0020】特に、本発明の目的に好ましい強磁性金属
粉は、鉄を主成分とする金属磁性粉であり、Alまた
は、AlおよびCaを、Alについては重量比でFe:
Al=100:0.5〜100:20、Caについては
重量比でFe:Ca=100:0.1〜100:10の
範囲で含有するのが望ましい。
【0021】Fe:Alの比率をこのような範囲にする
ことで耐蝕性が著しく改良され、またFe:Caの比率
をこのような範囲にすることで電磁変換特性を向上さ
せ、ドロップアウトを減少させることができる。電磁変
換特性の向上やドロップアウトの減少がもたらされる理
由は明らかでないが、分散性が向上することによる保磁
力のアップや凝集物の減少等が理由として考えられる。
【0022】本発明に好ましく用いられる強磁性金属粉
末は、その平均長軸長が0.25μm未満、特に0.1
0〜0.22μm、より好ましくは0.10〜0.17
μmでかつ結晶サイズが200Å未満、特に100〜1
80Åであることが好ましい。又軸比(平均長軸長/平
均短軸長)が12以下、好ましくは10以下、さらに好
ましくは5〜9であるのが良い。強磁性金属粉末の平均
長軸長および結晶サイズ、軸比が前記範囲内にあるとさ
らに電磁変換特性の向上を図ることができる。
【0023】強磁性金属粉末は、その保磁力(Hc)が
通常600〜5,000 Oeの範囲にあることが好ま
しい。この保磁力が600 Oe未満であると、電磁変
換特性が劣化することがあり、また保磁力が5,000
Oeを超えると、通常のヘッドでは記録不能になるこ
とがあるので好ましくない。
【0024】また、上記強磁性粉末は、磁気特性である
飽和磁化量(σs)が通常、70emu/g以上である
ことが好ましい。この飽和磁化量が70emu/g未満
であると、電磁変換特性が劣化することがある。
【0025】さらに本発明においては、記録の高密度化
に応じて、BET法による比表面積で30m2 /g以
上、特に45m2 /g以上の強磁性金属粉末が好ましく
用いられる。
【0026】この比表面積ならびにその測定方法につい
ては、「粉体の測定」(J.M.Dallavell
e,Clyeorr Jr.共著、牟田その他訳:産業
図書社刊)に詳述されており、また「化学便覧」応用編
P1170〜1171(日本化学会編:丸善(株)昭和
41年4月30日発行)にも記載されている。
【0027】比表面積の測定は、たとえば粉末を105
℃前後で13分間加熱処理しながら脱気して粉末に吸着
されているもの除去し、その後、この粉末を測定装置に
導入して窒素の初期圧力を0.5kg/m2 に設定し、
窒素により液体窒素温度(−105℃)で10分間測定
を行なう。
【0028】測定装置は例えばカウンターソープ(湯浅
アイオニクス(株)製)を使用する。
【0029】さらに、好ましい強磁性粉末の構造として
は、該強磁性粉末に含有されているFe原子とAl原子
との含有量比が原子数比でFe:Al=100:1〜1
00:20であり、且つ該強磁性粉末のESCAによる
分析深度で100Å以下の表面域に存在するFe原子と
Al原子との含有量比が原子数比でFe:Al=30:
70〜70:30である構造を有するものである。或い
は、Fe原子とNi原子とAl原子とSi原子とが強磁
性粉末に含有され、さらにZn原子とMn原子との少な
くとも一方が該強磁性粉末に含有され、Fe原子の含有
量が90原子%以上、Ni原子の含有量が1原子%以
上、10原子%未満、Al原子の含有量が0.1原子%
以上、5原子%未満、Si原子の含有量が0.1原子%
以上、5原子%未満、Zn原子の含有量および/または
Mn原子の含有量(但し、Zn原子とMn原子との両方
を含有する場合はこの合計量)が0.1原子%以上、5
原子%未満であり、前記強磁性粉末のESCAによる分
析深度で100Å以下の表面域に存在するFe原子とN
i原子とAl原子とSi原子とZn原子および/または
Mn原子の含有量比が原子数比でFe:Ni:Al:S
i(Znおよび/またはMn)=100:(4以下):
(10〜60):(10〜70):(20〜80)であ
る構造を有する強磁性粉末等が挙げられる。
【0030】本発明に好ましく用いられる六方晶系の磁
性粉としては、たとえば、六方晶系フェライトを挙げる
ことができる。このような六方晶系フェライトは、バリ
ウムフェライト、ストロンチウムフェライト等からな
り、鉄元素の一部が他の元素(たとえば、Ti、Co、
Zn、In、Mn、Ge、Hb等)で置換されていても
良い。このフェライト磁性体については、IEEE T
rans,on MAG−18 16(1982)に詳
しく述べられている。
【0031】本発明において、特に好ましい六方晶系の
磁性粉としては、バリウムフェライト(以下Ba−フェ
ライトと記す)磁性粉を挙げることができる。
【0032】本発明で用いることのできる好ましいBa
−フェライト磁性粉は、Ba−フェライト粉の、Feの
一部が少なくともCoおよびZnで置換された平均粒径
(六方晶系フェライトの板面の対角線の高さ)400〜
900Å、板状比(六方晶系フェライトの板面の対角線
の長さを板厚で除した値)2.0〜10.0、より好ま
しくは2.0〜6.0、保磁力(Hc)450〜150
0のBa−フェライトである。
【0033】Ba−フェライト粉は、FeをCoで一部
置換することにより、保磁力が適正な値に制御されてお
り、さらにZnで一部置換することにより、Co置換の
みでは得られない高い飽和磁化を実現し、高い再生出力
を有する電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得ること
ができる。また、さらにFeの一部をNbで置換するこ
とにより、より高い再生出力を有する電磁変換特性に優
れた磁気記録媒体を得ることができる。また、本発明に
用いられるBa−フェライトは、さらにFeの一部がT
i、In、Mn、Cu、Ge、Sn等の遷移金属で置換
されていても差支えない。
【0034】なお、本発明に使用するBa−フェライト
は次の一般式で表される。 BaOn((Fe1-mm23 ) [ただし、m>0.36(ただし、Co+Zn=0.0
8〜0.3、Co/Zn=0.5〜10)であり、nは
5.4〜11.0であり、好ましくは5.4〜6.0で
あり、Mは置換金属を表し、平均個数が3となる2種以
上の元素の組合せになる磁性粒子が好ましい。] 本発明において、Ba−フェライトの平均粒径、板状
比、保磁力が前記好ましい範囲内にあると好ましい理由
は、次の通りである。すなわち、平均粒径400Å未満
の場合は、磁気記録媒体としたときの再生出力が不十分
となり、逆に900Åを超えると、磁気記録媒体とした
ときの表面平滑性が著しく悪化し、ノイズレベルが高く
なりすぎることがあり、また、板状比が2.0未満で
は、磁気記録媒体としたときに高密度記録に適した垂直
配向率が得られず、逆に板状比が10.0を越えると磁
気記録媒体としたときの表面平滑性が著しく悪化し、ノ
イズレベルが高くなりすぎ、さらに、保磁力が350
Oe未満の場合には、記録信号の保持が困難になり、2
000 Oeを越えると、ヘッドが飽和現象を起こし記
録が困難になることがあるからである。
【0035】本発明に用いられる六方晶系の磁性粉は、
磁気特性である飽和磁化量(σs)が通常、50emu
/g以上であることが望ましい。この飽和磁化量が50
emu/g未満であると、電磁変換特性が劣化すること
がある。
【0036】本発明に用いられるBa−フェライトの好
ましい一具体例としては、Co−置換Baフェライトを
挙げることができる。
【0037】本発明に用いられる六方晶系の磁性粉を製
造する方法としては、たとえば目的とするBa−フェラ
イトを形成するのに必要な各元素の酸化物、炭酸化物
を、たとえばホウ酸のようなガラス形成物質とともに溶
融し、得られた融液を急冷してガラスを形成し、次いで
このガラスを所定温度で熱処理して目的とするBa−フ
ェライトの結晶粉を析出させ、最後にガラス成分を熱処
理によって除去するという方法のガラス結晶化法の他、
共沈−焼成法、水熱合成法、フラックス法、アルコキシ
ド法、プラズマジェット法等が適用可能である。
【0038】なお、本発明においては、強磁性金属粉末
と六方晶系の磁性粉とを混合して使用することもでき
る。
【0039】この磁性層中の強磁性金属粉末および/ま
たは六方晶系の磁性粉の含有量は通常、50〜99重量
%であり、好ましくは60〜99重量%であり、特に好
ましくは75〜90重量%である。
【0040】ところで、最上層である磁性層以外の、非
磁性粉末を含有する層は、磁性層の膜厚が0.8μm以
下であるので、最上層である磁性層に対して潤滑剤を補
給する層として機能する。磁性層に対して下層となる層
が潤滑剤補給層として良く機能するために、磁性層の下
の層に含まれる非磁性粉末は、その吸油量ができるだけ
少ないことが好ましく、通常200ミリリットル/10
0g以下、好ましくは100ミリリットル/100g以
下である。
【0041】[最上層以外の非磁性粉末を含む層又は高
透磁率材料を含む層]本発明においては、非磁性支持体
の上に複数の層が形成されており、最上層以外の少なく
とも一層、好ましくは最上層に隣接する層には、非磁性
粉末又は高透磁率材料が含有されている。
【0042】(非磁性粉末)本発明における非磁性粉末
としては、この種磁気記録媒体に使用される公知の各種
の非磁性粉末から、適宜に選択して使用することができ
る。この非磁性粉末としては、例えば、カーボンブラッ
ク、グラファイト、酸化チタン、硫酸バリウム、Zn
S、MgCo3 、CaCO3 、ZnO、CaO,二硫化
タングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ酸、Mg
O、SnO2 、SiO2 、Cr23 、α−Al2
3 、SiC、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモ
ンド、α−酸化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒
化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化モリブデン、
炭化ホウ素、炭化タングステン、チタンカーバイド、ト
リポリ、ケイソウ土、ドロマイトや、ポリエチレン等の
ポリマー粉末等を挙げることができる。
【0043】これらの中でも好ましいのは、カーボンブ
ラック、CaCO3 、酸化チタン、硫酸バリウム、α−
Al23 、α−酸化鉄、等の無機粉末やポリエチレン
等のポリマー粉末等である。
【0044】前記非磁性粉末の平均粒径としては、通常
1〜300nmであり、好ましくは1〜100nmであ
り、特に好ましくは1〜50nmである。前記範囲の平
均粒径を有する非磁性粉末を使用すると、非磁性層中の
非磁性粉末による磁性層の表面性に悪影響が生じない点
で好ましい。
【0045】前記非磁性粉末の非磁性層中における含有
量としては、非磁性層を構成する全成分の合計に対して
5〜99重量%、好ましくは60〜95重量%、特に好
ましくは75〜95重量%である。非磁性粉末の含有量
が前記範囲内にあると、磁性層からなる最上層の表面の
状態を良好にすることができる。 (高透磁率材料)この高透磁率材料としては、その保磁
力Hcが0<Hc≦1.0×104 [A/m]、好まし
くは0<Hc≦5.0×103 [A/m]である。保磁
力が前記範囲内にあると、高透磁率材料として最上層の
磁化領域の安定化の効果が発揮される。保磁力が前記範
囲を超えると、磁性材料としての特性が発現することに
より所望の特性が得られなくなることがあるので好まし
くない。
【0046】本発明においては、高透磁率材料として、
前記保磁力の範囲内にある材料を適宜に選択するのが好
ましい。そのような高透磁率材料としては、例えば、金
属軟質磁性材料、酸化物軟質磁性材料等を挙げることが
できる。前記金属軟質磁性材料としては、Fe−Si合
金、Fe−Al合金(Alperm、Alfemol、
Alfer),パーマロイ(Ni−Fe系二元合金、お
よびこれにMo、Cu、Crなどを添加した多元系合
金)、センダスト(Fe−Si−Al[9.6重量%の
Si、5.4%のAl、残りがFeである組成])、F
e−Co合金等を挙げることができる。これらの中でも
好ましい金属軟質磁性材料としてはセンダストが好まし
い。なお、高透磁率材料としての金属軟質磁性材料とし
ては以上に例示したものに限定されず、その他の金属軟
質磁性材料を使用することができる。高透磁率材料は、
その一種を単独で使用することもできるし、又その二種
以上を併用することもできる。
【0047】前記酸化物軟質磁性材料としては、スピネ
ル型フェライトであるMnFe24 、Fe34 、C
oFe24 、NiFe24 、MgFe24 、Li
0.5Fe2.54 や、Mn−Zn系フェライト、Ni−
Zn系フェライト、Ni−Cu系フェライト、Cu−Z
n系フェライト、Mg−Zn系フェライト、Li−Zn
系フェライト等を挙げることができる。これらの中で
も、Mn−Zn系フェライト及びNi−Zn系フェライ
トが好ましい。なお、これらの酸化物軟質磁性材料はそ
の一種を単独で使用することもできるが、その二種以上
を併用することもできる。
【0048】この高透磁率材料はボールミルやその他の
粉砕装置を用いて微細粉末にし、その粒径が1〜300
nm、好ましくは1〜100nm、特に1〜50nmで
あるのが好ましい。このような微細な粉末を得るため
に、金属軟質磁性材料においては、溶融した合金を真空
雰囲気下に噴霧することにより得ることができる。又、
酸化物軟質磁性材料においては、ガラス結晶化法、共沈
焼成法、水熱合成法、フラックス法、アルコシキシド
法、プラズマジェット法等により微細粉末にすることで
きる。
【0049】この高透磁率材料を含有する層において
は、高透磁率材料の含有量は、通常5〜99重量%、好
ましくは50〜95重量%、更に好ましくは60〜95
重量%である。高透滋率材料の含有量が前記範囲内にあ
ると、最上層の磁化の安定化の効果が十分に得られる。
又、高透磁率材料が5重量%未満であると、高透磁性層
としての効果が得られなくなることがあるので好ましく
ない。
【0050】なお、この高透磁率材料を含有する層に
は、非磁性の粒子を含有していても良い。
【0051】この本発明の磁気記録媒体は導電性粉末を
含有していることが好ましい。この導電性粉末として
は、カーボンブラック、グラファイト、酸化錫、銀粉、
酸化銀、硝酸銀、銀の有機化合物、銅粉等の金属粒子
等、酸化亜鉛、硝酸バリウム、酸化チタン等の金属酸化
物等の顔料を酸化錫被膜、又はアンチモン固溶酸化被膜
等の導電性物質でコーティング処理したもの等がある。
【0052】(バインダー)最上層である磁性層及び/
又はこの磁性層以外の層を形成するのに使用されるバイ
ンダー(結合剤)としては、前記エステル結合を有しな
いポリカーボネートウレタンが用いられるが、本発明の
効果を損なわない範囲で、他の結合剤、例えば、他のポ
リウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の
塩化ビニル系樹脂等が用いられてもよく、これらの樹脂
は−SO3 M、−OSO3 M、−COOMおよび−PO
(OM12 、−OPO(OM から選ばれた少
なくとも一種の極性基を有する繰り返し単位を含むこと
が好ましい。
【0053】ただし、上記極性基において、Mは水素原
子あるいはNa、K、Li等のアルカリ金属を表わし、
またM1 は水素原子、Na、K、Li等のアルカリ原子
あるいはアルキル基を表す。
【0054】上記極性基は強磁性粉末の分散性を向上さ
せる作用があり、各樹脂中の含有率は0.1〜8.0モ
ル%、好ましくは0.5〜6.0モル%である。この含
有率が0.1モル%未満であると、強磁性粉末の分散性
が低下し、また含有率が8.0モル%を超えると、磁性
塗料がゲル化し易くなる。なお、前記各樹脂の重量平均
分子量は、例えば15,000〜50,000の範囲で
ある。
【0055】結合剤(バインダー)の磁性層における含
有率は、強磁性粉末100重量部に対して通常、10〜
40重量部、好ましくは15〜30重量部である。
【0056】結合剤(バインダー)は一種単独に限ら
ず、二種以上を組み合わせて用いることができるが、こ
の場合、本発明のポリウレタンと本発明の塩化ビニル系
樹脂との比は、重量比で通常、90:10〜10:90
であり、好ましくは70:30〜30:70の範囲であ
る。
【0057】本発明に結合剤として、必要に応じて用い
られる極性基含有塩化ビニル系共重合体は、たとえば塩
化ビニル−ビニルアルコール共重合体など、水酸基を有
する共重合体と下記の極性基および塩素原子を有する化
合物との付加反応により合成することができる。
【0058】Cl−CH2 CH2 SO3 M、Cl−CH
2 CH2 OSO3 M、Cl−CH2COOM、Cl−C
2 −P(=0)(OM12 これらの化合物からCl−CH2 CH2 SO3 Naを例
にとり、上記反応を説明すると、次のようになる。
【0059】−CH2 C(OH)H−+ClCH2 CH
2 SO3 Na→−CH2 C(OCH2 CH2 SO3
a)H−。
【0060】また、極性基含有塩化ビニル系共重合体
は、極性基を含む繰り返し単位が導入される不飽和結合
を有する反応性モノマーを所定量オートクレーブ等の反
応容器に仕込み、一般的な重合開始剤、たとえばBPO
(ベンゾイルパーオキシド)、AIBN(アゾビスイソ
ブチロニトリル)等のラジカル重合開始剤、レドックス
重合開始剤、カチオン重合開始剤などを用いて重合反応
を行なうことにより、得ることができる。
【0061】スルホン酸又はその塩を導入するための反
応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p−スチレン
スルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの
塩を挙げることができる。
【0062】カルボン酸もしくはその塩を導入するとき
は、例えば(メタ)アクリル酸やマレイン酸等を用い、
リン酸もしくはその塩を導入するときは、例えば(メ
タ)アクリル酸−2−リン酸エステルを用いればよい。
【0063】塩化ビニル系共重合体にはエポキシ基が導
入されていることが好ましい。このようにすると、重合
体の熱安定性が向上するからである。
【0064】エポキシ基を導入する場合、エボキシ基を
有する繰り返し単位の共重合体中における含有率は、1
〜30モル%が好ましく、1〜20モル%がより好まし
い。エポキシ基を導入するためのモノマーとしては、た
とえばクリシジルアクリレートが好ましい。
【0065】なお、塩化ビニル系共重合体への極性基の
導入技術に関しては、特開昭57−44227号、同5
8−108052号、同59−8127号、同60−1
01161号、同60−235814号、同60−23
8306号、同60−238371号、同62−121
923号、同62−146432号、同62−1464
33号等の公報に記載があり、本発明においてもこれら
を利用することができる。
【0066】本発明においては、結合剤として下記の樹
脂を(好ましくは、全結合剤の20重量%以下の使用量
で)併用することができる。
【0067】その樹脂としては、重量平均分子量が1
0,000〜200,000である、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロー
ス等)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルム
アミド樹脂、各種の合成ゴム系樹脂等が挙げられる。 (その他の成分)本発明では、磁性層の耐久性を向上さ
せるために、ポリイソシアネートを磁性層に含有させる
ことが望ましい。
【0068】ポリイソシアネートとしては、たとえばジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレン
ジイソシアネート(TDI)等と活性水素化合物との付
加体などの芳香族ポリイソシアネートと、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(HMDI)等と活性水素化合物と
の付加体などの脂肪族ポリイソシアネートがある。ポリ
イソシアネートの重量平均分子量は、100〜3,00
0の範囲にあることが望ましい。
【0069】本発明では、磁性層に必要に応じて分散
剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤および充填剤などの添
加剤を含有させることができる。
【0070】まず、分散剤としては、カプリル酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸などの炭素数12〜18の脂肪
族;これらのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属
の塩あるいはこれらのアミド:ポリアルキレンオキサイ
ドアルキル酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオ
レフィンオキシ第四アンモニウム塩:カルボキシル基お
よびスルホン酸基を有するアゾ系化合物などを挙げるこ
とができる。これらの分散剤は、通常、強磁性粉に対し
て0.5〜5重量%の範囲で用いられる。
【0071】次に、潤滑剤としては、脂肪酸および/ま
たは脂肪酸エステルを使用することができる。この場
合、脂肪酸の添加量は強磁性粉に対し0.2〜10重量
%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。添加
量が0.2重量%未満であると、走行性が低下し易く、
また10重量%を超えると、脂肪酸が磁性層の表面にし
み出したり、出力低下が生じ易くなる。
【0072】また、脂肪酸エステルの添加量も強磁性粉
に対して0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜5重
量%がより好ましい。その添加量が0.2重量%未満で
あると、スチル耐久性が劣化し易く、また10重量%を
超えると、脂肪酸エステルが磁性層の表面にしみ出した
り、出力低下が生じ易くなる。
【0073】脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して潤滑
効果をより高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エステル
は重量比で10:90〜90:10が好ましく、より好
ましくは30:70〜70:30である。
【0074】脂肪酸としては一塩基酸であっても二塩基
酸であってもよく、炭素数は6〜30が好ましく、12
〜22の範囲がより好ましい。
【0075】脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノレ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、ベヘン酸、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1.12−ド
デカンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸などが挙げ
られる。
【0076】脂肪酸エステルの具体例としては、オレイ
ルオレート、イソセチルステアレート、ジオレイルマレ
ート、ブチルステアレート、ブチルパルミテート、ブチ
ルミリステート、オクチルミリステート、オクチルパル
ミテート、ペンチルステアレート、ペンチルパルミテー
ト、イソブチルオレエート、ステアリルステアレート、
ラウリルオレエート、オクチルオレエート、イソブチル
オレエート、エチルオレエート、イソトリデシルオレエ
ート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘ
キシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、イソ
プロピルミリステート、ブチルラウレート、セチル−2
−エチルヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジエチ
ルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシル
アジペート、オレイルステアレート、2−エチルヘキシ
ルミリステート、イソペンチルパルミテート、イソペン
チルステアレート、ジエチレングリコール−モノ−ブチ
ルエーテルパルミテート、ジエチレングリコール−モノ
−ブチルエーテルパルミテートなどが挙げられる。
【0077】また、上記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の
潤滑剤として、例えばシリコーンオイル、グラファイ
ト、フッ化カーボン、二硫化モリブデン、二硫化タング
ステン、脂肪酸アミド、α−オレフィンオキサイドなど
も使用することができる。
【0078】次に、研磨剤の具体例としては、α−アル
ミナ、溶融アルミナ、酸化クロム、酸化チタン、α−酸
化鉄、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、炭
化モリブデン、炭化ホウ素、コランダム、酸化亜鉛、酸
化セリウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素などが挙げ
られる。研磨剤の平均粒子径は0.05〜0.6μmが
好ましく、0.1〜0.3μmがより好ましい。
【0079】次に、帯電防止剤としては、カーボンブラ
ック、グラファイト等の導電性粉末;第四級アミン等の
カチオン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン
酸エステル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活
性剤;アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン
等の天然界面活性剤等を挙げることができる。
【0080】上述した帯電防止剤は、通常、結合剤に対
して0.01〜40重量%の範囲で添加される。
【0081】(磁気記録媒体の製造)本発明の磁気記録
媒体はその製造方法に特に制限はなく、公知の単層また
は複数層構造型の磁気記録媒体の製造に使用される方法
に準じて製造することができる。
【0082】たとえば、一般的には強磁性粉、結合剤、
分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等を溶媒中で混練
及び分散して磁性塗料を調整した後、この磁性塗料を非
磁性支持体の表面に塗布する。
【0083】上記溶媒としては、たとえばアセトン、メ
チルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系;メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テ
トラヒドロフラン等の環状エーテル類;メチレンクロラ
イド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭素水素等を用い
ることができる。
【0084】磁性層形成成分の混練分散にあたっては、
各種の混練分散機を使用することができる。
【0085】この混練分散機としては、たとえば二本ロ
ールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、
コボルミル、トロンミル、サンドミル、サンドグライン
ダー、Sqegvariアトライター、高速インペラー
分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパ
ー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、オ
ープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニーダーなどが挙
げられる。
【0086】上記混練分散機のうち、0.05〜0.5
KW(磁性粉1Kg当たり)の消費電力負荷を提供する
ことのできる混練分散機は、加圧ニーダー、オープンニ
ーダー、連続ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミ
ルである。
【0087】非磁性支持体上に磁性層を塗布するには、
本発明の磁気記録媒体の製造に当たっては、特に効果の
点からウェット−オン−ウェット重層塗布方式による同
時重層塗布を行なうのがよい。具体的には、図1に示す
ように、まず供給ロール32から繰出したフィルム状支
持体1に、エクストルージョン方式の押し出しコーター
10、11により、磁性層の各塗料をウェット−オン−
ウェット方式で重層塗布した後、配向用磁石または垂直
配向用磁石33に通過し、乾燥器34に導入し、ここで
上下に配したノズルから熱風を吹き付けて乾燥する。次
に、乾燥した各塗布層付きの支持体1をカレンダーロー
ル38の組合せからなるスーパーカレンダー装置37に
導き、ここでカレンダー処理した後に、巻き取りロール
39に巻き取る。このようにして得られた磁性フィルム
を所望幅のテープ状に裁断してたとえば8mmビデオカ
メラ用磁気記録テープを製造することができる。
【0088】上記の方法において、各塗料は、図示しな
いインラインミキサーを通して押し出しコーター10、
11へと供給してもよい。なお、図中、矢印Dは非磁性
ベースフィルムの搬送方向を示す。押し出しコーター1
0、11には夫々、液溜まり部13、14が設けられ、
各コーターからの塗料をウェット−オン−ウェット方式
で重ねる。即ち、下層磁性層用塗料の塗布直後(未乾燥
状態のとき)に上層磁性層塗料を重層塗布する。
【0089】前記コーターヘッドは、図2に示した
(ウ)のヘッドが本願発明においては好ましい。
【0090】ウェット−オン−ウェット重層塗布方法
は、リバースロールと押し出しコーターとの組み合わ
せ、グラビアロールと押し出しコーターとの組み合わせ
なども使用することができる。さらにはエアドクターコ
ーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スク
ィズコーター、含浸コーター、トランスファロールコー
ター、キスコーター、キャストコーター、スプレイコー
ター等を組み合わせることもできる。
【0091】このウェット−オン−ウェット方式による
重層塗布においては、下層が湿潤状態になったままで上
層の磁性層を塗布するので、下層の表面(即ち、上層と
境界面)が滑らかになるとともに上層の表面性が良好に
なり、かつ、上下層間の接触性も向上する。この結果、
特に高密度記録のために高出力、低ノイズの要求される
たとえば磁気テープとしての要求性能を満たしたものと
なりかつ、高耐久性の性能が要求されることに対しても
膜剥離をなくし、膜強度が向上し、耐久性が十分とな
る。また、ウェット−オン−ウェット重層塗布方式によ
り、ドロップアウトも低減することができ、信頼性も向
上する。
【0092】上記塗料に配合される溶媒あるいはこの塗
料の塗布時の希釈溶媒としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類:メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類:酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールセ
ノアセテート等のエステル類:グリコールジメチルエー
テル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類:ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素:メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等のものが使
用できる。これらの各種の溶媒は単独で使用することも
できるし、またそれらの二種以上を併用することもでき
る。
【0093】前記配向磁石あるいは垂直配向用磁石にお
ける磁場は、20〜5,000ガウス程度であり、乾燥
器による乾燥温度は約30〜120℃であり、乾燥時間
は約0.1〜10分間程度である。
【0094】次にカレンダリングにより表面平滑化処理
が行なわれる。
【0095】その後は、必要に応じてバーニッシュ処理
またはブレード処理を行なってスリッティングされる。
この際、上記表面平滑化処理は、本発明の目的を達成す
るのに効果的である。
【0096】すなわち、前記したように本発明の必須要
件の一つに磁性層表面の粗さの条件があるが、この条件
を満たすためには、この表面平滑化処理が好ましい。表
面平滑化処理においては、カレンダー条件として温度、
線圧力、C/S(コーティングスピード)等を挙げるこ
とができる。
【0097】本発明の目的達成のためには、通常、上記
温度を50〜120℃、上記線圧力を50〜400kg
/cm、上記C/Sを20〜600m/分に保持するこ
とが好ましい。これらの数値の範囲を外れると、磁性層
の表面状態を本発明の如く特定することが実施困難にな
るか、あるいはそれが不可能になることがある。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、ディジタル媒体として
必要な高CN比やオーバーライト特性を有すると共に、
高温多湿下及びNO2 環境下での耐蝕性に優れた磁気記
録媒体を得ることができる。
【0099】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0100】以下に示す成分、割合、操作順序は本発明
の範囲から逸脱しない範囲において種々変更し得る。な
お、下記の実施例において「部」はすべて重量部であ
る。
【0101】実施例1 下記の上層用磁性組成物の各成分をニーダー・サンドミ
ルを用いて混練分散して上層用磁性塗料を調製した。
【0102】 [上層用塗料A] Fe−Al系強磁性金属粉末(Fe:Al重量比=100:8、平均長軸長: 0.16μm、Hc:1580 Oe,σs:120emu/g、軸比8、結晶 子サイズ:170Å) 100部 スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン社製、MR−110) 10部 スルホン酸金属塩含有ポリカーボネートポリウレタン樹脂(A)(ジエチルカ ーボネートと1,6−ヘキサンジオールからなるポリカーボネートポリオールと ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)よりなるポリカーボネートポリウ レタン、スルホン酸金属塩濃度0.03mmol/g、数平均分子量(Mn)1 2000、Tg5℃) 5部 アルミナ(α−Al 、平均粒径:0.2μm) 6部 カーボンブラック(平均粒径40nm) 1部 ステアリン酸 1部 ミリスチン酸 1部 ブチルステアレート 1部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部
【0103】 [下層用塗料C] TiO (平均粒径30nm) 90部 カーボンブラック(平均粒径20nm) 10部 スルホン酸金属塩含有塩化ビニル樹脂(日本ゼオン社製、MR−110) 6部 スルホン酸ナトリウム塩含有ポリカーボネートポリウレタン樹脂 3部 アルミナ(α−Al 、平均粒径:0.2μm) 6部 ミリスチン酸 1部 ブチルステアレート 1部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部
【0104】[上層用塗料B]上層用塗料AにおけるF
e−Al系強磁性金属粉末に変えてCo置換バリウムフ
ェライト(Hc:1100 Oe、BET45m
g、σs:64emu/g、板状比4)を用いた外はA
と同じ。
【0105】[下層用塗料D]下層用塗料CにおいてT
iO にかえてFe−Si−Alセンダスト合金粉末
(保磁力Hc=40A/m、μi=200H/m、粒径
50nm)を用いた以外はCと同じ。
【0106】 [上層用塗料E、F][下層用塗料G、H] 前記塗料A、B、C、Dにおいてスルホン酸金属塩含有
ポリカーボネートポリウレタン樹脂(A)の代わりにス
ルホン酸金属塩含有ポリエステルポリウレタン(Mn:
15000、Tg:−20℃、スルホン酸金属塩濃度
0.03mmol/g)を用いた以外は、塗料A、B、
C、Dと同様である。
【0107】[下層用塗料I]前記塗料Cにおいて、T
iO 90部に代えてCO−rFe (平均
粒径0.16μm、結晶子サイズ330Å、Hc:80
0 Oe、σs:78emu/g)90部を用いた以外
は同様である。
【0108】次に、得られた上層用磁性塗料と下層用塗
料とにそれぞれポリイソシアネート(コロネートL、日
本ポリウレタン工業社製)5部を添加した後、ウェット
・オン・ウェット方式により厚み10μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に塗布したのち、塗膜が未
乾燥であるうちに磁場配向処理を行ない、続いて乾燥を
施してから、カレンダーで表面平滑処理を行ない、厚み
2.0μmの下層と、厚み0.3μmの上層とからなる
磁性層を形成した。
【0109】さらに、この磁性層とは反対側の上記ポリ
エチレンフタレートフィルムの面(裏面)に下記の組成
を有する塗料を塗布し、この塗膜を乾燥し、カレンダー
加工をすることによって、厚み0.8μmのバックコー
ト層を形成し、広幅の原反磁気テープを得た。
【0110】 [バックコート層用塗料] カーボンブラック(ラベン1035) 40部 硫酸バリウム(平均粒径300mμ) 10部 ニトロセルロース 25部 ポリウレタン系樹脂(日本ポリウレタン社製、N−2301) 25部 ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネートL)10部 シクロヘキサノン 400部 メチルエチルケトン 250部 トルエン 250部 こうして得られた原反をスリットして8mmビデオ用テ
ープを作成した。
【0111】このビデオ用テープの電磁変換特性、塗布
性そして走行耐久性を下記の要領で測定した。その結果
を表1に示す。
【0112】(CN特性)9MHzの単一波を記録し、
その信号を再生した際の出力レベルを基準サンプル(比
較例1)との比較で表した。
【0113】(オーバーライト特性)2MHzの信号を
飽和レベルで記録し、その後に9MHzの信号を(上書
き)記録した際の2MHzの信号の残留出力レベルを測
定した。残留出力レベルの低いほどオーバーライト特性
は良好であるとする。
【0114】(耐蝕性評価)高温多湿下(40℃、90
%RH)、NO (10ppm) 環境下でサンプル
を30日放置し、予め録画した画を画面に出して目視で
チェックし、以下の基準で評価した。 画面正常 :A 画面やや異常(画面乱れ):B 画面消失 :C
【0115】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】ウエット−オン−ウエット塗布方式による磁性
層の同時重層塗布を説明するための図
【図2】磁性層塗料を塗布するためのコーターヘッドの

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に、複数の層を形成し、最
    上層の磁性層の膜厚が0.8μm以下であり、それらの
    層の内の少なくとも1層の結合剤として、エステル結合
    を有しないポリカーボネートポリウレタンを含有し、最
    上層以外の少なくとも1層が非磁性粉末又は高透磁率材
    料を含む層であることを特徴とする磁気記録媒体。
JP12003892A 1992-04-14 1992-04-14 磁気記録媒体 Pending JPH05298663A (ja)

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