JPH05298651A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH05298651A
JPH05298651A JP4094585A JP9458592A JPH05298651A JP H05298651 A JPH05298651 A JP H05298651A JP 4094585 A JP4094585 A JP 4094585A JP 9458592 A JP9458592 A JP 9458592A JP H05298651 A JPH05298651 A JP H05298651A
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magnetic
layer
powder
acid
recording medium
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JP4094585A
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Shigeto Goto
成人 後藤
Katsuyuki Takeda
克之 竹田
Toru Miyake
徹 三宅
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、C/N比特性、オーバー
ライト特性およびドロップアウト特性に優れると共に光
透過率の低く、デジタル用記録媒体として好適な磁気録
媒体を提供することにある。 【構成】 この発明の第1の磁気記録媒体は、非磁性支
持体上に、非磁性粉末または高透磁率材料を含有する層
を少なくとも一層、および、波長900nmの光につい
ての光透過率が5%以下である層を少なくとも一層有す
る下層と、厚さが0.5μm未満である磁性層からなる
最上層とを、この順に積層してなり、波長900nmの
光についての光透過率が2%以下であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は磁気記録媒体に関し、
さらに詳しくは、オーバーライト特性およびドロップア
ウト特性に優れると共に光透過率が低く、デジタル用記
録媒体として好適な磁気録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来の磁
気記録媒体は、強磁性粉を含む磁性層を、非磁性支持体
上に形成しており、例えば、磁性粉末を含有する層を上
層に、非磁性粉末を含有する層を下層に設けてなる重層
構造の磁気記録媒体(特開昭63−187418号、特
開昭63−191315号公報等)が提案されている。
また、特開平2−101628号公報、特開平2−15
8913号公報においては、複数の磁性層を設け、光透
過率を規定した磁気記録媒体が提案されている。
【0003】しかしながら、これらの磁気記録媒体はデ
ジタル記録媒体への適用を意図したものではなく、前者
の重層構造の磁気記録媒体には、重層構造としたものの
上層の膜厚がいずれも0.5μm以上と比較的厚いの
で、また、後者の光透過率を規定した磁気記録媒体に
は、下層が磁性層であるので、膜厚損失や自己減磁損失
が大きくなり、デジタル記録媒体として必要な優れたC
/N比特性、オーバーライト特性およびドロップアウト
特性を十分に得るのは困難であるという問題がある。
【0004】一方、かかるC/N比特性やオーバーライ
ト特性の向上を図るために、磁性層を薄くすることがな
されてきたが、薄層化には限界があり、あまり磁性層を
薄くしたのでは光透過率が大きくなり、例えば、VH
S、8mm規格のビデオデッキ等ではテープの終端を光
検知により確認しているため、誤動作が発生するなどの
問題が新たに生ずる。この発明の目的は、前記課題を解
決し、C/N比特性、オーバーライト特性およびドロッ
プアウト特性に優れると共に光透過率の低く、デジタル
記録用媒体として好適な磁気記録媒体を提供することに
ある。
【0005】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ためにこの発明者らが研究したところ、デジタル用記録
媒体として好適な磁気記録媒体を得るためには、膜厚損
失を防ぐ意味から、薄膜化していくことが好ましいが、
薄層化すると光透過率が増大し、走行ストップをおこし
てしまう。これを防ぐために、通常はカーボンブラック
等を添加して光透過率を低下させるのであるが、この場
合、光透過率の増大は防ぐことができるものの、磁性層
の高密度化が妨げられ、C/N特性が劣化してしまうと
いう問題が生ずる。
【0006】この発明では、磁気記録媒体を重層構造と
し、磁性層である最上層が、所定の厚みを有すると共に
カーボンブラック等の添加物を含有する量を極力なく
し、最上層以外の少なくとも一層における光透過率を特
定の値以下にすると共に、最上層以外の少なくとも一層
が非磁性粉末または高透磁率材料を含有する層とし、か
つ、磁気記録媒体全体としての光透過率を特定の値以下
にすることにより、上記の問題を解決することができ、
得られる磁気記録媒体が、優れたC/N比特性、オーバ
ーライト特性およびドロップアウト特性を有することを
見出し、この発明に到達した。
【0007】すなわち、前記目的を達成するための請求
項1に記載の発明は、非磁性支持体上に、最上層が磁性
層である複数の層を積層してなり、最上層以外の少なく
とも一層の光透過率が5%以下であり、また前記最上層
以外の少なくとも一層が非磁性粉末または高透磁率材料
を含有し、前記磁性層の厚さが0.5μm未満であり、
波長900nmの光についての光透過率が2%以下であ
ることを特徴とする磁気記録媒体である。
【0008】以下にこの発明の磁気記録媒体について詳
述する。 −磁気記録媒体の構成− この発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上(A)に、
下層(B)と最上層である磁性層(C)とをこの順に積
層してなり、下層(B)においては、少なくとも一層の
光透過率が5%以下であり、また少なくとも一層が非磁
性粉末または高透磁率材料を含有し、磁性層(C)はそ
の厚さが0.5μm未満である。
【0009】また、この発明にかかる磁気記録媒体は、
光透過率が2%以下であり、好ましくは、1.5%以下
であり、特に好ましくは、1.0%以下である。この光
透過率が前記範囲内にあると、デジタル記録用としてよ
り好ましい磁気記録媒体とすることができる。
【0010】なお、ここで言う前記光透過率とは、波長
が900nmである光の一定量を一定の距離から磁気記
録媒体に照射した場合における、磁気記録媒体に入射す
る光の量(I0 )と、磁気記録媒体を通過した光の量
(I)との比(I/I0 )の百分率((I/I0 )×1
00)をいう。
【0011】前記光透過率(%)は、種々の公知の方法
を用いて測定することができる。例えば、ビデオテープ
デッキあるいは8mmデッキ等を用いて、磁気記録媒体
を走行させ、この走行させているテープに、光源である
ランプ等からあらかじめ設定した所定量の光を一定の距
離から照射すると共に、ランプ等とは反対側に設置した
シリコンフォトダイオード等の受光素子を備えた受光装
置を用いて、透過光量を電圧等で読取り、その値を光透
過率(%)に換算することにより測定することができ
る。
【0012】(A)非磁性支持体 前記非磁性支持体を形成する材料としては、たとえばポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、
ポリカーボネート等のプラスチックなどを挙げることが
できる。前記非磁性支持体の形態は特に制限はなく、主
にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、ディス
ク状、ドラム状などがある。
【0013】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、たとえばフィルム状やシート状の場合は通常3〜1
00μm、好ましくは5〜50μmであり、ディスクや
カード状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の
場合はレコーダー等に応じて適宜に選択される。なお、
この非磁性支持体は単層構造のものであっても多層構造
のものであってもよい。また、この非磁性支持体は、た
とえばコロナ放電処理等の表面処理を施されたものであ
ってもよい。また、非磁性支持体上の上記磁性層が設け
られていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の
向上、帯電防止および転写防止などを目的として、バッ
クコート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性
支持体との間には、下引き層を設けることもできる。
【0014】(B)下層 (B−1)下層の説明 下層は、単層または複数層からなり、非磁性粉末または
高透磁率材料を含有する層を少なくとも一層、および、
波長900nmの光についての光透過率が5%以下であ
る層を少なくとも一層有する。下層が単層であるときに
は、その下層は非磁性粉末または高透磁率材料を含有す
ると共に、波長900nmの光についての光透過率が5
%以下である。
【0015】前記光透過率は前述の通りである。この発
明については、下層中の少なくとも一層における波長9
00nmの光についての前記光透過率が、通常5%以下
であり、好ましくは、4%以下であり、特に好ましく
は、2%以下である。この下層における光透過率が前記
範囲内にあると、デジタル記録用としてより好ましい磁
気記録媒体とすることができる。
【0016】(B−2)下層の組成 下層は、非磁性粉末または高透磁率材料を含有する。さ
らに、下層は、バインダーおよびその他の成分を含有し
てもよい。
【0017】(B−2−1)非磁性粉末 前記非磁性粉末としては、例えば、カーボンブラック、
グラファイト、酸化チタン、硫酸バリウム、ZnS、M
gCO3 、CaCO3 、ZnO、CaO、二硫化タング
ステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、MgO、Sn
2 、SiO2、Cr23 、α−Al23 、Si
C、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、α
−酸化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化モリブデン、炭化ホ
ウ素、炭化タングステン、チタンカーバイド、トリボ
リ、ケイソウ土、ドロマイト等を挙げることができる。
これらの中で好ましいのは、カーボンブラック、CaC
3 、酸化チタン、硫酸バリウム、α−Al23 、α
−酸化鉄等の無機粉末やポリエチレン等のポリマー粉末
等である。下層の光透過率を低くするには、前記カーボ
ンブラック等を下層に添加することにより達成すること
ができるが、界面粗れを防止するという観点からは黒色
の非磁性酸化物が好ましく、特に好ましいのは、黒色の
酸化チタンである。
【0018】また、前記非磁性粉末の中でも、暗色系の
色を有する非磁性粉末が好ましく、特に黒色の非磁性粉
末が好ましい。暗色系の色は光を吸収するので、暗色系
の色を有する非磁性粉末は、光透過率を低く抑えること
ができる。
【0019】前記非磁性粉末の中でも、導電性を有する
非磁性粉末が好ましい。導電性を有する非磁性粉末を用
いると、ドロップアウト特性およびエラレート特性を特
に向上させることができる点で好ましい。
【0020】以上を総合すると、この発明においては、
非磁性粉末として、黒色の非磁性酸化物が好ましく、さ
らに黒色の導電性非磁性酸化物が好ましく、中でも黒色
の酸化チタンが好ましく、特に導電性を有する黒色の酸
化チタンが好ましい。
【0021】他方、この発明においては、前記非磁性粉
末が、Siおよび/またはAlにより表面処理されてい
ることも好ましい。かかる表面処理のなされた非磁性粉
末を用いると磁性層からなる最上層における表面の状態
を良好にすることができる。前記Siおよび/またはA
lの含有量としては、前記非磁性粉末に対して、Siが
0.1〜50重量%、Alが0.1〜50重量%である
のが好ましい。
【0022】前記非磁性粉末のX線測定による結晶子サ
イズとしては、通常1〜300nmであり、好ましく
は、1〜100nmであり、特に好ましくは、1〜50
nmである。前記範囲の結晶子サイズを有する非磁性粉
末を使用すると、非磁性層中の非磁性粉末による磁性層
の表面性に悪影響が生じない点で好ましい。
【0023】前記非磁性粉末の非磁性層中における含有
量としては、非磁性層を構成する全成分の合計に対して
5〜99重量%、好ましくは、60〜95重量%、特に
好ましくは、75〜95重量%である。非磁性粉末の含
有量が前記範囲内にあると、磁性層からなる最上層の表
面の状態を良好にすることができる。
【0024】(B−2−2)高透磁率材料 この発明では、高透磁率材料として、その保磁力Hcが
0<Hc≦1.0×104 [A/m]、好ましくは0<
Hc≦5.0×103 [A/m]であるものを使用する
ことができる。保磁力が前記範囲内にあると、高透磁率
材料として最上層の磁化領域の安定化の効果をよく奏す
ることができる。保磁力が前記範囲を超えると、磁性材
料としての特性が発現することにより所望の特性が得ら
れなくなることがある。
【0025】この発明においては、高透磁率材料とし
て、前記保磁力の範囲内にある材料を適宜に選択するの
が好ましい。そのような高透磁率材料としては、例え
ば、金属軟質磁性材料、酸化物軟質磁性材料等を挙げる
ことができる。前記金属軟質磁性材料としては、Fe−
Si合金、Fe−Al合金(Alperm,Alfen
ol,Alfer)、パーマロイ(Ni−Fe系二元合
金、およびこれにMo、Cu、Crなどを添加した多元
系合金)、センダスト(Fe−Si−Al[9.6重量
%のSi、5.4%のAl、残りがFeである組
成])、Fe−Co合金等を挙げることができる。これ
らの中でも好ましい金属軟質磁性材料としてはセンダス
トが好ましい。なお、高透磁率材料としての金属軟質磁
性材料としては以上に例示したものに限定されず、その
他の金属軟質磁性材料を使用することができる。高透磁
率材料は、その一種を単独で使用することもできるし、
又その二種以上を併用することもできる。
【0026】前記酸化物軟質磁性材料としては、スピネ
ル型フェライトであるMnFe24 、Fe34 、C
oFe24 、NiFe24 、MgFe24 、Li
0.5Fe2.54 や、Mn−Zn系フェライト、Ni−
Zn系フェライト、Ni−Cu系フェライト、Cu−Z
n系フェライト、Mg−Zn系フェライト、Li−ZN
系フェライト等を挙げることができる。これらの中で
も、Mn−Zn系フェライトおよびNi−Zn系フェラ
イトが好ましい。なお、これらの酸化物軟質磁性材料は
その一種を単独で使用することもできるが、その二種以
上を併用することもできる。
【0027】この高透磁率材料はボールミルやその他の
粉砕装置を用いて微細粉末にし、その粒径を1〜300
nmにし、好ましくは1〜100nmにし、特に好まし
くは1〜50nmにして使用するのが良い。このような
微細な粉末は、金属軟質磁性材料においては、溶融した
合金を真空雰囲気下に噴霧することにより得ることがで
きる。又、酸化物軟質磁性材料においては、ガラス結晶
化法、共沈焼成法、水熱合成法、フラックス法、アルコ
キシド法、プラズマジェット法等により微細粉末にする
ことができる。
【0028】この発明においては、前記高透磁率材料
が、Siおよび/またはAlにより表面処理されている
ことが好ましい。かかる表面処理のなされた高透磁率材
料を用いると磁性層である最上層における表面の状態を
良好にすることができる。前記Siおよび/またはAl
の含有量としては、前記高透磁率材料に対して、Siが
0.1〜50重量%、Alが0.1〜50重量%である
のが好ましい。
【0029】この高透磁率材料の含有量としては、この
高透磁率材料を含有する層を構成する全成分の合計に対
して5〜99重量%、好ましくは60〜95重量%、更
に好ましくは75〜95重量%である。高透磁率材料の
含有量が前記範囲内にあると、最上層の磁化の安定化の
効果が十分に得られる。又、高透磁率材料が5重量%未
満であると、高透磁率層としての効果が得られなくなる
ことがあるので好ましくない。
【0030】なお、この発明においては、非磁性粉末と
高透磁率材料とを同時に含有することもでき、その合計
の含有量としては、非磁性粉末と高透磁率材料とを含有
する層を構成する全成分の合計に対して5〜99重量部
であり、好ましくは、60〜95重量部であり、特に好
ましくは、75〜95重量部である。
【0031】(B−2−3)バインダー 下層に用いるバインダーとしては、例えば、ポリウレタ
ン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化ビニ
ル系樹脂等が代表的なものであり、これらの樹脂は−S
3 M、−OSO3 M、−COOM、−OPO(OM
12 および−PO(OM12 から選ばれた少なくと
も一種の極性基を有する繰り返し単位を含むことが好ま
しい。ただし、上記極性基において、Mは水素原子ある
いはNa、K、Li等のアルカリ金属を表わし、またM
1 は水素原子、Na、K、Li等のアルカリ原子あるい
はアルキル基を表わす。
【0032】上記極性基は磁性粉末の分散性を向上させ
る作用があり、各樹脂中の含有率は0.1〜8.0モル
%、好ましくは0.5〜6.0モル%である。この含有
率が0.1モル%未満であると、磁性粉末の分散性が低
下し、また含有率が8.0モル%を超えると、磁性塗料
がゲル化し易くなる。なお、前記各樹脂の重量平均分子
量は、15,000〜50,000の範囲が好ましい。
【0033】下層における非磁性層または高透磁率材料
含有する層のバインダーの含有量は、磁性粉末100重
量部に対して通常、10〜40重量部、好ましくは15
〜30重量部である。バインダーは一種単独に限らず、
二種以上を組み合わせて用いることができるが、この場
合、ポリウレタンおよび/またはポリエステルと塩化ビ
ニル系樹脂との比は、重量比で通常、90:10〜1
0:90であり、好ましくは70:30〜30:70の
範囲である。
【0034】この発明にバインダーとして用いられる極
性基含有塩化ビニル系共重合体は、たとえば塩化ビニル
−ビニルアルコール共重合体など、水酸基を有する共重
合体と下記の極性基および塩素原子を有する化合物との
付加反応により合成することができる。 ClCH2CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO3M、 Cl−CH2COOM 、Cl-CH2-P(=O)(OM1)2 これらの化合物から Cl-CH2CH2SO3Na を例にとり、上記
反応を説明すると、次のようになる。 −CH2C(OH)H −+ ClCH2CH2SO3Na→ - CH2C(OCH2CH2SO3Na)H- 。
【0035】また、極性基含有塩化ビニル系共重合体
は、極性基を含む繰り返し単位が導入される不飽和結合
を有する反応性モノマーを所定量オートクレーブ等の反
応容器に仕込み、一般的な重合開始剤、たとえばBPO
(ベンゾイルパーオキシド)、AIBN(アゾビスイソ
ブチロニトリル)等のラジカル重合開始剤、レドックス
重合開始剤、カチオン重合開始剤などを用いて重合反応
を行なうことにより、得ることができる。
【0036】スルホン酸又はその塩を導入するための反
応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p−スチレン
スルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの
塩を挙げることができる。カルボン酸もしくはその塩を
導入するときは、例えば(メタ)アクリル酸やマレイン
酸等を用い、リン酸もしくはその塩を導入するときは、
例えば(メタ)アクリル酸−2−リン酸エステルを用い
ればよい。
【0037】塩化ビニル系共重合体にはエポキシ基が導
入されていることが好ましい。このようにすると、重合
体の熱安定性が向上するからである。エポキシ基を導入
する場合、エポキシ基を有する繰り返し単位の共重合体
中における含有率は、1〜30モル%が好ましく、1〜
20モル%がより好ましい。エポキシ基を導入するため
のモノマーとしては、たとえばグリシジルアクリレート
が好ましい。
【0038】なお、塩化ビニル系共重合体への極性基の
導入技術に関しては、特開昭57−44227号、同5
8−108052号、同59−8127号、同60−1
01161号、同60−235814号、同60−23
8306号、同60−238371号、同62−121
923号、同62−146432号、同62−1464
33号等の公報に記載があり、この発明においてもこれ
らを利用することができる。
【0039】次に、この発明に用いるポリエステルとポ
リウレタンの合成について述べる。一般に、ポリエステ
ルはポリオールと多塩基酸との反応により得られる。こ
の公知の方法を用いて、ポリオールと一部に極性基を有
する多塩基酸から、極性基を有するポリエステル(ポリ
オール)を合成することができる。
【0040】極性基を有する多塩基酸の例としては、5
−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−
スルホイソフタル酸、3−スルホフタル酸、5−スルホ
イソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタル酸ジア
ルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、3−スル
ホイソフタル酸ジアルキルおよびこれらのナトリウム
塩、カリウム塩を挙げることができる。
【0041】ポリオ−ルの例としては、トリメチロ−ル
プロパン、ヘキサントリオ−ル、グリセリン、トリメチ
ロ−ルエタン、ネオペンチルグリコ−ル、ペンタエリス
リト−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等を挙げることができ
る。なお、他の極性基を導入したポリエステルも公知の
方法で合成することができる。
【0042】次に、ポリウレタンに付いて述べる。これ
は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応から得ら
れる。ポリオールとしては、一般にポリオールと多塩基
酸との反応によって得られるポリエステルポリオールが
使用されている。したがって、極性基を有するポリエス
テルポリオールを原料として用いれば、極性基を有する
ポリウレタンを合成することができる。
【0043】ポリイソシアネートの例としては、ジフェ
ニルメタン−4−4′−ジイソシアネート(MDI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリレ
ンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート
(TODI)、リジンイソシアネートメチルエステル
(LDI)等が挙げられる。
【0044】また、極性基を有するポリウレタンの他の
合成方法として、水酸基を有するポリウレタンと極性基
および塩素原子を有する下記の化合物との付加反応も有
効である。 Cl−CH2CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO2M、 Cl −CH2COOM、 Cl-CH2-P(=O)(OM1)2 なお、ポリウレタンへの極性基導入に関する技術として
は、特公昭58−41565号、特開昭57−9242
2号、同57−92423号、同59−8127号、同
59−5423号、同59−5424号、同62−12
1923号等の公報に記載があり、この発明においても
これらを利用することができる。
【0045】この発明においては、バインダーとして下
記の樹脂を全バインダーの20重量%以下の使用量で併
用することができる。その樹脂としては、重量平均分子
量が10,000〜200,000である、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共
重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、
ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセル
ロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェ
ノキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホ
ルムアミド樹脂、各種の合成ゴム系樹脂等が挙げられ
る。
【0046】(B−2−4)その他の成分 この発明においては、下層の品質の向上を図るため、研
磨剤、潤滑剤、耐久性向上剤、分散剤、帶電防止剤およ
び充填剤などの添加剤をその他の成分として含有させる
ことができる。前記研磨剤としては、それ自体公知の研
磨剤を使用することができる。
【0047】この研磨剤の平均粒子径としては、通常
0.05〜0.6μmであり、好ましくは0.05〜
0.5μmであり、特に好ましくは、0.05〜0.3
μmである。前記研磨剤の下層における含有量として
は、通常3〜20重量部であり、好ましくは、5〜15
重量部であり、特に好ましくは、5〜10重量部であ
る。潤滑剤としては、脂肪酸および/または脂肪酸エス
テルを使用することができる。この場合、脂肪酸の添加
量は、非磁性粉末または高透磁率材料に対して0.2〜
10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好まし
い。添加量が0.2重量%未満であると、走行性が低下
し易く、また10重量%を超えると、脂肪酸が磁性層の
表面にしみ出したり、出力低下が生じ易くなる。
【0048】また、脂肪酸エステルの添加量も、非磁性
粉末または高透磁率材料に対して0.2〜10重量%が
好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。その添加
量が0.2重量%未満であると、スチル耐久性が劣化し
易く、また10重量%を超えると、脂肪酸エステルが磁
性層からなる最上層、下層の表面にしみ出したり、出力
低下が生じ易くなる。
【0049】脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して潤滑
効果をより高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エステル
は重量比で10:90〜90:10が好ましい。脂肪酸
としては一塩基酸であっても二塩基酸であってもよく、
炭素数は6〜30が好ましく、12〜22の範囲がより
好ましい。
【0050】脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノレ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、ベヘン酸、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ド
デカンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸等が挙げら
れる。
【0051】脂肪酸エステルの具体例としては、オレイ
ルオレート、イソセチルステアレート、ジオレイルマレ
ート、ブチルステアレート、ブチルパルミテート、ブチ
ルミリステート、オクチルミリステート、オクチルパル
ミテート、ペンチルステアレート、ペンチルパルミテー
ト、イソブチルオレエート、ステアリルステアレート、
ラウリルオレエート、オクチルオレエート、イソブチル
オレエート、エチルオレエート、イソトリデシルオレエ
ート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘ
キシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、イソ
プロピルミリステート、ブチルラウレート、セチル−2
−エチルヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジエチ
ルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシル
アジペート、オレイルステアレート、2−エチルヘキシ
ルミリステート、イソペンチルパルミテート、イソペン
チルステアレート、ジエチレングリコール−モノ−ブチ
ルエーテルパルミテート、ジエチレングリコール−モノ
−ブチルエーテルパルミテート等が挙げられる。
【0052】また、上記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の
潤滑剤として、例えばシリコーンオイル、フッ化カーボ
ン、脂肪酸アミド、α−オレフィンオキサイド等も使用
することができる。
【0053】耐久性向上剤としては、ポリイソシアネー
トを挙げることができ、ポリイソシアネートとしては、
たとえばトリレンジイソシアネート(TDI)等と活性
水素化合物との付加体などの芳香族ポリイソシアネート
と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等と
活性水素化合物との付加体などの脂肪族ポリイソシアネ
ートがある。なお、前記ポリイソシアネートの重量平均
分子量は、100〜3,000の範囲にあることが望ま
しい。
【0054】分散剤としては、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸などの炭素数12〜18の脂肪酸;
これらのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属の塩
あるいはこれらのアミド;ポリアルキレンオキサイドア
ルキルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオ
レフィンオキシ第四アンモニウム塩;カルボキシル基お
よびスルホン酸基を有するアゾ系化合物などを挙げるこ
とができる。これらの分散剤は、通常、非磁性粉または
高透磁率材料に対して0.5〜5重量%の範囲で用いら
れる。
【0055】帯電防止剤としては、第四級アミン等のカ
チオン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン酸
エステル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活性
剤;アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン等
の天然界面活性剤などを挙げることができる。上述した
帯電防止剤は、通常、バインダーに対して0.01〜4
0重量%の範囲で添加される。
【0056】さらにこの発明においては、帯電防止剤と
して導電性微粉末を好ましく用いることができる。前記
帯電防止剤としては、酸化錫、銀粉、酸化銀、硝酸銀、
銀の有機化合物、銅粉等の金属粒子等、酸化亜鉛、硫酸
バリウム、酸化チタン等の金属酸化物等の顔料を酸化錫
被膜またはアンチモン固溶酸化錫被膜等の導電性物質で
コーティング処理したもの等を挙げることができる。
【0057】前記導電性微粉末の平均粒子径としては、
好ましくは5〜50nmであり、より好ましくは、5〜
30nmである。前記導電性微粉末の含有量としては、
非磁性粉末、高透磁率材料、または、これらの組合せ1
00重量部に対して、1〜20重量部であり、より好ま
しくは、5〜15重量部である。
【0058】(C)磁性層である最上層 (C−1)磁性層である最上層の説明 磁性層である最上層は、層の厚さが0.5μm未満であ
ることの外は特に制限はなく、種々の方法を用いて形成
することができる。
【0059】前記最上層の厚さとしては、0.5μm未
満であり、好ましくは0.1〜0.4μmである。磁性
層からなる最上層の厚さが前記範囲内にあると、デジタ
ル記録媒体としての必要な各種の特性が改善される。逆
に、この層の厚さが0.5μmを越えると、良好なC/
N比特性を得ることができない。
【0060】(C−2)磁性層からなる最上層の組成 磁性層からなる最上層は、磁性粉末を含有する。さら
に、磁性層からなる最上層はバインダーおよびその他の
成分を含有してもよい。
【0061】(C−2−1)磁性粉末 この発明に用いられる磁性粉末としては、強磁性酸化鉄
粉末、強磁性金属粉末、六方晶板状粉末等を挙げること
ができる。これらの中でも、後述する強磁性金属粉末や
六方晶板状粉末等を好適に用いることができる。前記強
磁性酸化鉄粉末としては、γ−Fe23 、Fe3
4 、または、これらの中間酸化鉄でFeOx (1.33
<x<1.5)で表わされるものや、Coが付加された
もので(コバルト変性)Co−FeOx (1.33<x
<1.5)で表わされるもの等を挙げることができる。
【0062】前記強磁性金属粉末としては、Fe、Co
をはじめ、Fe−Al系、Fe−Al−Ni系、Fe−
Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Al−Ca
系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni−
Co系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、Fe−Ni
−Si−Al−Zn系、Fe−Al−Si系、Fe−N
i−Zn系、Fe−Ni−Mn系、Fe−Ni−Si
系、Fe−Mn−Zn系、Fe−Co−Ni−P系、N
i−Co系、Fe、Ni、Co等を主成分とするメタル
磁性粉末等の強磁性金属粉末が挙げられる。中でも、F
e系金属粉が電気的特性に優れる。
【0063】他方、耐蝕性および分散性の点から見る
と、Fe−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−
Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、F
e−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−A
l−Mn系等のFe−Al系強磁性金属粉末が好まし
い。
【0064】特に、この発明の目的に好ましい強磁性金
属粉末は、鉄を主成分とする金属磁性粉末であり、A
l、または、AlおよびCaを、Alについては重量比
でFe:Al=100:0.5〜100:20、Caに
ついては重量比でFe:Ca=100:0.1〜10
0:10の範囲で含有するのが望ましい。
【0065】Fe:Alの比率をこのような範囲にする
ことで耐蝕性が著しく改良され、またFe:Caの比率
をこのような範囲にすることで電磁変換特性を向上さ
せ、ドロップアウトを減少させることができる。電磁変
換特性の向上やドロップアウトの減少がもたらされる理
由は明らかでないが、分散性が向上することによる保磁
力のアップや凝集物の減少等が理由として考えられる。
【0066】この発明に用いられる強磁性粉末は、透過
型電子顕微鏡により観測されるその平均長軸長が0.2
5μm未満、好ましくは0.10〜0.22μm、更に
好ましくは0.10〜0.17μmで、かつ、X線回折
法による結晶子サイズが200Å未満、特に100〜1
80Åであることが好ましい。また、軸比(平均長軸長
/平均短軸長)は通常12以下であり、好ましくは10
以下であり、さらに好ましくは5〜9である。磁性粉末
の平均長軸長、軸比および結晶子サイズが前記範囲内に
あると、さらに電磁変換特性の向上を図ることができ
る。
【0067】また、この発明に用いられる強磁性粉末
は、その保磁力(Hc)が通常600〜5,000 O
eの範囲にあることが好ましい。この保磁力が600
Oe未満であると、電磁変換特性が劣化することがあ
り、また保磁力が5,000 Oeを超えると、通常の
ヘッドでは記録不能になることがあるので好ましくな
い。
【0068】また、前記強磁性粉末は、磁気特性である
飽和磁化量(σs )が通常、70emu/g以上である
ことが好ましい。この飽和磁化量が70emu/g未満
であると、電磁変換特性が劣化することがある。さらに
この発明においては、記録の高密度化に応じて、BET
法による比表面積で30m2 /g以上、特に、45m2
/g以上の強磁性金属粉末が好ましく用いられる。
【0069】この比表面積ならびにその測定方法につい
ては、「粉体の測定」(J.M.Dallavelle,Clyeorr Jr.共
著、牟田その他訳;産業図書社刊)に詳述されており、
また「化学便覧」応用編P1170〜1171(日本化
学会編;丸善( 株)昭和41年4月30日発行)にも記
載されている。
【0070】比表面積の測定は、例えば、粉末を105
℃前後で13分間加熱処理しながら脱気して粉末に吸着
されているもの除去し、その後、この粉末を測定装置に
導入して窒素の初期圧力を0.5kg/m2 に設定し、
窒素により液体窒素温度(−105℃)で10分間測定
を行なう。測定装置はたとえばカウンターソープ(湯浅
アイオニクス( 株)製)を使用する。
【0071】さらに、好ましい強磁性粉末の構造として
は、該強磁性粉末に含有されているFe原子とAl原子
との含有量比が原子数比でFe:Al= 100:1〜1
00:20であり、かつ該強磁性粉末のESCAによる
分析深度で100Å以下の表面域に存在するFe原子と
Al原子との含有量比が原子数比でFe:Al= 30
0:70〜70:30である構造を有するものである。
あるいは、Fe原子とNi原子とAl原子とSi原子と
が強磁性粉末に含有され、更にZn原子とMn原子との
少なくとも一方が該強磁性粉末に含有され、Fe原子の
含有量が90原子%以上、Ni原子の含有量が1原子%
以上、10原子%未満、Al原子の含有量が0.1原子
%以上、5原子%未満、Si原子の含有量が0.1原子
%以上、5原子%未満、Zn原子の含有量および/また
はMn原子の含有量(ただし、Zn原子とMn原子との
両方を含有する場合はこの合計量)が0.1原子%以
上、5原子%未満であり、前記強磁性粉末のESCAに
よる分析深度で100Å以下の表面域に存在するFe原
子とNi原子とAl原子とSi原子とZn原子および/
またはMn原子の含有量比が原子数比でFe:Ni:A
l:Si(Znおよび/またはMn)=100:(4以
下):(10〜60):(10〜70):(20〜8
0)である構造を有する強磁性粉末等が挙げられる。
【0072】前記六方晶板状粉末としては、例えば、六
方晶系フェライトを挙げることができる。このような六
方晶系フェライトは、バイウムフェライト、ストロンチ
ウムフェライト等からなり、鉄元素の一部が他の元素
(例えば、Ti、Co、Zn、In、Mn、Ge、Hb
等)で置換されてもよい。このフェライト磁性体につい
ては、IEEE trans on MAG−18 1
6(1982)に詳しく述べられている。
【0073】これらの中で、この発明においては、バリ
ウムフェライトを好ましく用いることができる。この発
明において好ましく用いられる前記バリウムフェライト
(以下、Ba−フェライトと記す)磁性粉末の例として
は、Feの一部が少なくともCoおよびZnで置換され
た平均粒径(六方晶系フェライトの板面の対角線の長
さ)が400〜900Åであり、板状比(六方晶系フェ
ライトの板面の対角線の長さを板厚で除した値)が2.
0〜10.0であり、好ましくは2.0〜6.0であ
り、保磁力(Hc)が450〜1500であるBa−フ
ェライトを挙げることができる。
【0074】Ba−フェライト粉末は、FeをCoで一
部置換することにより、保磁力が適正な値に制御されて
おり、さらにZnで一部置換することにより、Co置換
のみでは得られない高い飽和磁化を実現し、高い再生出
力を有する電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得るこ
とができる。また、さらにFeの一部をNbで置換する
ことにより、より高い再生出力を有する電磁変換特性に
優れた磁気記録媒体を得ることができる。また、本発明
に用いられるBa−フェライトは、さらにFeの一部が
Ti、In、 Mn、Cu、Ge、Sn等の遷移金属で置
換されていても差支えない。
【0075】なお、この発明に使用するBa−フェライ
トは次の一般式で表わされる。 BaO・n((Fe1-mm23 ) {ただし、m>0.36(但し、Co+Zn=0.08
〜0.3、Co/Zn=0.5〜10) であり、nは
5.4〜11.0であり、好ましくは5.4〜6.0で
あり、Mは置換金属を表わし、平均個数が3となる2種
以上の元素の組合せになる磁性粒子が好ましい。}磁気
記録媒体としたときの再生出力を十分とするには、前記
Ba−フェライトの平均粒径が300Å以上であるのが
好ましく、表面平滑性を向上させ、ノイズレベルを低く
するには900Å以下であるのが好ましい。また、板状
比を2.0以上とすることで、磁気記録媒体としたとき
に高密度記録に適した垂直配向率が得られ、表面平滑性
を向上させ、ノイズレベルを低くするには板状比が1
0.0以下であるのが好ましい。さらに記録信号保持の
ためには保磁力が450 Oe以上であることが好まし
く、ヘッドが飽和してしまうのを防ぐには1500 O
e以下が好ましい。
【0076】この発明に用いられるバリウムフェライト
磁性粉末は、磁気特性である飽和磁化量(σS )が通
常、50emu/g以上であることが望ましい。この飽
和磁化量が50emu/g未満であると、電磁変換特性
が劣化することがあるからである。さらにこの発明にお
いては、記録の高密度化に応じて、BET法による比表
面積が30m2 /g以上のBa−フェライト磁性粉末を
用いることが望ましい。
【0077】この発明に用いられる六方晶系の磁性粉末
を製造する方法としては、たとえば目的とするBa−フ
ェライトを形成するのに必要な各原素の酸化物、炭酸化
物を、たとえばホウ酸のようなガラス形成物質とともに
溶融し、得られた融液を急冷してガラスを形成し、つい
でこのガラスを所定温度で熱処理して目的とするBa−
フェライトの結晶粉末を析出させ、最後にガラス成分を
熱処理によって除去するという方法のガラス結晶化法の
他、共沈−焼成法、水熱合成法、フラックス法、アルコ
キシド法、プラズマジェット法等が適用可能である。
【0078】この発明においては、上述した磁性粉末の
含有量としては、50〜99重量%であり、好ましくは
60〜99重量%であり、特に好ましくは、75〜90
重量%である。
【0079】(C−2−2)バインダー 磁性層からなる最上層が含有するバインダーは、(B−
2−3)の中で前述した通りである。磁性層からなる最
上層におけるバインダーの含有量としては、前記磁性粉
末100重量部に対して、通常10〜40重量部、好ま
しくは15〜30重量部である。
【0080】(C−2−5)その他の成分 磁性層からなる最上層が含有するその他の成分は、(B
−2−4)の中で前述した通りである。潤滑剤の含有量
としては、前記磁性粉末に対して、0.2〜10重量%
が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。分散剤
の含有量としては、前記磁性粉末に対して、0.5〜5
重量%である。
【0081】導電性微粉末の含有量としては、磁性粉末
100重量部に対して、通常1〜20重量部であり、よ
り好ましくは、5〜15重量部である。
【0082】−磁気記録媒体の製造− この発明の磁気記録媒体は、磁性層の塗設を、下層が湿
潤状態にあるときにする所謂ウエット−オン−ウエット
方式で塗設するのが好ましい。このウエット−オン−ウ
エット方式は、公知の重層構造型の磁気記録媒体の製造
に使用される方法を適宜に採用することができる。たと
えば、一般的には磁性粉末、バインダー、分散剤、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤等と溶媒とを混練して高濃度磁
性塗料を調製し、次いでこの高濃度磁性塗料を希釈して
磁性塗料を調製した後、この磁性塗料を非磁性支持体の
表面に塗布する。
【0083】上記溶媒としては、たとえばアセトン、メ
チルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系;メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テ
トラヒドロフラン等の環状エーテル類;メチレンクロラ
イド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などを用
いることができる。
【0084】磁性層形成成分の混練分散にあたっては、
各種の混練分散機を使用することができる。この混練分
散機としては、たとえば二本ロールミル、三本ロールミ
ル、ボールミル、ペブルミル、コボルミル、トロンミ
ル、サンドミル、サンドグラインダー、Sqegvariアトラ
イター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高
速度衝撃ミル、ディスパー、高速ミキサー、ホモジナイ
ザー、超音波分散機、オープンニーダー、連続ニーダ
ー、加圧ニーダー等が挙げられる。上記混練分散機のう
ち、0.05〜0.5KW(磁性粉末1Kg当たり)の
消費電力負荷を提供することのできる混練分散機は、加
圧ニーダー、オープンニーダー、連続ニーダー、二本ロ
ールミル、三本ロールミルである。
【0085】非磁性支持体上に、最上層の磁性層と、下
層とを塗布するには、具体的には、図1に示すように、
まず供給ロール32から繰出した非磁性支持体1に、エ
クストルージョン方式の押し出しコーター10、11に
より、最上層用塗料と下層用塗料とをウェット−オン−
ウェット方式で重層塗布した後、配向用磁石または垂直
配向用磁石33を通過し、乾燥器34に導入し、ここで
上下に配したノズルから熱風を吹き付けて乾燥する。次
に、乾燥した各塗布層付きの非磁性支持体1をカレンダ
ーロール38の組合せからなるスーパーカレンダー装置
37に導き、ここでカレンダー処理した後に、巻き取り
ロール39に巻き取る。このようにして得られた磁性フ
ィルムを所望幅のテープ状に裁断して例えば8mmビデ
オカメラ用磁気記録テープを製造することができる。
【0086】上記の方法において、各塗料は、図示しな
いインラインミキサーを通して押し出しコーター10、
11へと供給してもよい。なお、図中、矢印は非磁性支
持体の搬送方向を示す。押し出しコーター10、11に
はそれぞれ、液溜まり部13、14が設けられ、各コー
ターからの塗料をウェット−オン−ウェット方式で重ね
る。即ち、下層用塗料の塗布直後(未乾燥状態のとき)
に最上層の磁性層用塗料を重層塗布する。前記押し出し
コーターとしては、図2に示す2基の押し出しコーター
5a、5bのほか、図3および図4のような型式の押し
出しコーター5c、5dを使用することもできる。これ
らの中で、図4に示した押し出しコーター5dが本発明
においては好ましい。押し出しコーター5dにより、下
層用途料2と最上層用塗料4とを共押し出しして重層塗
布する。
【0087】上記塗料に配合される溶媒あるいはこの塗
料の塗布時の希釈溶媒としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールセ
ノアセテート等のエステル類;グリコールジメチルエー
テル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等のものが使
用できる。これらの各種の溶媒は単独で使用することも
できるし、またそれらの二種以上を併用することもでき
る。前記配向磁石あるいは垂直配向用磁石における磁場
は、20〜5,000ガウス程度であり、乾燥器による
乾燥温度は約30〜120℃であり、乾燥時間は約0.
1〜10分間程度である。
【0088】なお、ウェット−オン−ウェット方式で
は、リバースロールと押し出しコーターとの組み合わ
せ、グラビアロールと押し出しコーターとの組み合わせ
なども使用することができる。さらにはエアドクターコ
ーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スク
ィズコーター、含浸コーター、トランスファロールコー
ター、キスコーター、キャストコーター、スプレイコー
ター等を組み合わせることもできる。
【0089】このウェット−オン−ウェット方式におる
重層塗布においては、最上層の下側に位置する層が湿潤
状態になったままで上層の磁性層を塗布するので、下層
の表面(即ち、最上層との境界面)が滑らかになるとと
もに最上層の表面性が良好になり、かつ、上下層間の接
着性も向上する。この結果、特に高密度記録のために高
出力、低ノイズの要求されるたとえば磁気テープとして
の要求性能を満たしたものとなりかつ、高耐久性の性能
が要求されることに対しても膜剥離をなくし、膜強度が
向上し、耐久性が十分となる。また、ウェット−オン−
ウェット重層塗布方式により、ドロップアウトも低減す
ることができ、信頼性も向上する。
【0090】−表面の平滑化− この発明においては、次にカレンダリングにより表面平
滑化処理を行うのも良い。その後は、必要に応じてバー
ニッシュ処理またはブレード処理を行なってスリッティ
ングされる。表面平滑化処理においては、カレンダー条
件として温度、線圧力、C/s(コーティングスピー
ド)等を挙げることができる。この発明においては、通
常、上記温度を50〜120℃、上記線圧力を50〜4
00kg/cm、上記C/sを20〜600m/分に保
持することが好ましい。これらの数値を満足しないと、
C/N特性、磁性層の表面比抵抗、ドロップアウトを特
定の範囲に保つことが困難になる、あるいは、不可能に
なることがある。
【0091】上記のように処理した結果の最上層の層の
厚さは、0.5μm未満、好ましくは、0.1〜0.4
μmにする。前記層の厚さが0.5μmを越えると、高
域特性やオーバーライト特性が劣化し、単層構成の磁気
記録媒体と変わりのないものとなってこの発明の目的を
達成することができない。
【0092】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。以下に
示す成分、割合、操作順序はこの発明の範囲から逸脱し
ない範囲において種々変更しうる。なお、下記の実施例
において「部」はすべて重量部である。
【0093】(実施例1)下記の最上層用磁性組成物の
各成分をニーダー・サンドミルを用いて混練分散して最
上層用磁性層塗料および下層用塗料を調製した。
【0094】 {最上層用磁性塗料A} Fe−Al系強磁性金属粉末・・・・・・・・・・・・・100部 (Fe:Al重量比=100:8、平均長軸長:0.16μm、 Hc:1,580 Oe、σs :120emu/g、 結晶子サイズ:170Å、軸比:8) スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂・・・・・・・・・10部 (日本ゼオン(株)製 MR−110) スルホン酸金属塩含有ポリウレタン樹脂・・・・・・・・・・5部 (東洋紡績(株)製、UR−8700) アルミナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6部 (α−Al23 、平均粒子径:0.2μm) カ−ボンブラック(平均粒子径:40nm)・・・・・・0.5部 ステアリン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1部 ミリスチン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1部 ブチルステアレート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 {最上層用磁性塗料B}前記最上層用磁性塗料Aにおい
て、Fe−Al系強磁性金属粉末に代えて、Co置換バ
リウムフェライト(Hc:1100 Oe、BET:4
5m2 /g、σs :64emu/g、板状比:4)を用
いた外は前記最上層用磁性塗料Aの調製と同様にして調
製した。
【0095】 {下層用塗料C} TiO1.85・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 (結晶子サイズ:45nm、黒柴色、 アンチモン固溶酸化錫で表面処理) スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂・・・・・・・・・・6部 (日本ゼオン(株)製 MR−110) スルホン酸金属塩含有ポリエステルポリウレタン樹脂・・・・3部 (東洋紡績(株)製、UR−8700) アルミナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6部 (α−Al23 、平均粒子径0.2μm) ミリスチン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1部 ブチルステアレート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100部 {下層用塗料D}前記下層用塗料Cにおいて、TiO
1.85に代えて、Mn−Znフェライト100部を用いた
外は前記下層用塗料Cの調製と同様にして調製した。
【0096】{下層用塗料E}前記下層用塗料Cにおい
て、TiO1.85に代えて、TiO2 (結晶子サイズ:3
0nm)100部を用いた外は前記下層用塗料Cの調製
と同様にして調製した。
【0097】{上層用塗料F}前記記上層用塗料Aにお
いて、TiO1.85(結晶子サイズ:40nm、Si、A
lで表面処理)100部を用いた外は前記上層用塗料A
の調製と同様にして調製した。
【0098】{下層用塗料G}前記下層用塗料Cにおい
て、TiO1.85に代えて、TiO2 (結晶子サイズ:3
0nm)90部、カーボンブラック(平均粒子径:27
nm)10部を用いた外は前記下層用塗料Cの調製と同
様にして調製した。
【0099】{下層用塗料H}前記下層用塗料Cにおい
て、TiO1.85に代えて、Co−γ−Fe23 (平均
粒子径:0.16μm、結晶子サイズ:170Å、H
c:800 Oe、σs:77emu/g)100部を
用いた外は前記下層用塗料Cと同様にして調製した。
【0100】得られた上層用磁性塗料および下層用塗料
のそれぞれに、ポリイソシアネート化合物(コロネート
L、日本ポリウレタン工業(株)製)5部を添加した。
【0101】(実施例1〜7および比較例1〜8)表1
に示された組成の塗膜構成により、ウエット−オン−ウ
エット方式で厚さ10μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に塗布した後、塗膜が未乾燥であるうちに
磁場配向処理を行ない、続いて乾燥を施してから、カレ
ンダーで表面平滑化処理を行ない、表1に示された厚さ
を有する下層および最上層からなる磁気記録層を形成し
た。
【0102】さらに、この磁気記録層とは反対側の前記
ポリエチレンテレフタレートフィルムの面(裏面)に下
記の組成を有する塗料を塗布し、この塗膜を乾燥し、上
述したカレンダー条件にしたがってカレンダー加工をす
ることによって、厚さ0.8μmのバックコート層を形
成し、広幅の原反磁気テープを得た。
【0103】 カーボンブラック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40部 (ラベン1035) 硫酸バリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10部 (平均粒子径300nm) ニトロセルロース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25部 ポリウレタン系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・25部 (日本ポリウレタン(株)製、N−2301) ポリイソシアネート化合物・・・・・・・・・・・・・・・10部 (日本ポリウレタン(株)製、コロネートL) シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・・400部 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・250部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・250部 こうして得られた原反磁気テープをスリットして8mm
幅のビデオ用磁気記録媒体を作成した。この磁気記録媒
体につき、以下の評価試験を行った。その結果を表1に
示す。
【0104】<C/N比特性>9MHzの単一波を記録
し、その信号を再生した際の出力レベルを基準サンプル
(比較例1)との比較で表した。
【0105】<オーバーライト特性>2MHzの信号を
飽和レベルで記録し、その後に9MHzの信号を(上書
き)記録した際の2MHzの信号の残留出力レベルを測
定した。残留出力レベルの低い程オーバーライト特性は
良好であるとする。
【0106】<表面比抵抗>各テープを8mm幅の電極
に挟み、両端に荷重をかけ500Vの電圧をかけたとき
の電気抵抗(Ω)を測定して、表面比抵抗(Ω/Sq)
を求めた。
【0107】<ドロップアウト特性>日本ビクター
(株)製のドロップアウトカウンターVD−5Mを使用
し、15μsec以上長く、かつ、Rfエンベロープの
出力の20dB以上下がった出力をドロップアウト1個
として、各テープにおける全長について測定を行ない、
1分間当りの平均値(個/分)を求めた。
【0108】<光透過率>各ビデオテープを8mmデッ
キ(ソニー(株)製、S−550)を用いて、テープを
走行させ、SERVOCORDER(渡辺(株)製、S
R6312)により、透過光量を電圧で読み取り、透過
率(%)に換算した。
【0109】
【表1】
【0110】
【発明の効果】この発明により、C/N比特性、オーバ
ーライト特性およびドロップアウト特性に優れると共に
光透過率の低く、デジタル用記録媒体として好適な磁気
録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ウエット−オン−ウエット塗布方式に
よる磁性層の重層塗布を説明するための図である。
【図2】図2は、磁性塗料を塗布するための押し出しコ
ーターの一例を示す図である。
【図3】図3は、磁性塗料を塗布するための押し出しコ
ーターの一例を示す図である。
【図4】図4は、磁性塗料を塗布するための押し出しコ
ーターの一例を示す図である。
【符合の説明】
1 非磁性支持体 2 下層用塗料 4 最上層用塗料 5a 押し出しコーター 5b 押し出しコーター 5c 押し出しコーター 5d 押し出しコーター 10 押し出しコーター 11 押し出しコーター 13 液溜り部 14 液溜り部 32 供給ロール 33 配向用磁石または垂直配向用磁石 34 乾燥器 37 スーパーカレンダー装置 38 カレンダーロール 39 巻き取りロール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、最上層が磁性層であ
    る複数の層を積層してなり、最上層以外の少なくとも一
    層の光透過率が5%以下であり、また前記最上層以外の
    少なくとも一層が非磁性粉末または高透磁率材料を含有
    し、前記磁性層の厚さが0.5μm未満であり、波長9
    00nmの光についての光透過率が2%以下であること
    を特徴とする磁気記録媒体。
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