JPH05242462A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH05242462A
JPH05242462A JP4043373A JP4337392A JPH05242462A JP H05242462 A JPH05242462 A JP H05242462A JP 4043373 A JP4043373 A JP 4043373A JP 4337392 A JP4337392 A JP 4337392A JP H05242462 A JPH05242462 A JP H05242462A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高域特性に優れ、信号の重ね書き(オーバラ
イト)特性の良好な、しかも耐候性(耐腐食性)にも優
れた磁気記録媒体を提供する。 【構成】 非磁性支持体上に複合層を有してなり、前記
複合層は、強磁性粉末を含有する磁性層からなる最上層
3と、非磁性粉末を含有する非磁性層を少なくとも1層
を有すると共に前記磁性層に接するところの下部層2と
からなり、最上層3の強磁性粉末の平均長軸長が0.2
5μm未満であると共に、X線回析法による結晶子サイ
ズをL1 としたとき、前記結晶子サイズL1 およびL2
が、L1 ≦250(Å)であり、かつ、前記非磁性層の
非磁性粉末のX線回析法による結晶子サイズをL2 とし
たとき、L2 <L1 であると共に、5<L2 ≦200
(Å)であり、最上層の層の厚さが0.8μm以下であ
ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に関し、さ
らに詳しくは、高域特性に優れ、信号の重ね書き(オー
バーライト)特性の良好な、しかも、耐候性(耐腐食
性)にも良好な磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来の磁
気記録媒体は、強磁性粉を含む磁性層を、非磁性支持体
上に形成しているが、重層構造のものとして下層に針状
強磁性粉末を含有する磁性層を有し、上層に強磁性合金
粉末を含有する磁気記録媒体(特開昭64−19524
号、特開平2−110823号公報等)が提案されてい
る。更に、下層に非磁性粉末を含む層を設け、上層に強
磁性粉末を含んだ磁気記録媒体の提案もある(特開昭6
3−187418号公報等)。
【0003】しかしながら、前記のような磁気記録媒体
では、高域、特に高密度記録(デジタル記録)において
は、まだ十分な特性の向上は困難である。すなわち、下
層に磁性層を設けると、下層の残留磁化により再生時
に、再生信号の波形の歪みが起こる(波形間干渉)。そ
の結果、出力ピーク値の低下とピーク位置のずれが生
じ、エラーレート等の増加が発生する。また更に、下層
に残留磁化が存在すると再記録する信号が記録されにく
くなり、所謂オーバーライト特性の劣化が発生する。一
方、下層に非磁性層粉末を含む層を設けた場合、単に非
磁性粉末を含む層を用いただけでは十分な高域特性は得
られない。
【0004】また、高密度記録(デジタル記録)用に蒸
着テープ等が有望とされているが、耐腐食性等における
特性が悪いので実用には問題を生じる可能性がある。そ
こで、本発明は、上記の事情に鑑み、高域特性に優れ、
信号の重ね書き(オーバーライト)特性の良好な、しか
も、耐候性(耐腐食性)にも優れた磁気記録媒体を提供
することを目的としている。
【0005】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ために、本発明者等が、最上層の磁性層が含有する強磁
性粉末の結晶子サイズと、下部層における非磁性層が含
有す非磁性粉末の結晶子サイズに着目して、鋭意検討を
行った結果到達したものであり、前記請求項1に記載の
発明は、非磁性支持体上に複合層を有してなり、前記複
合層は、強磁性粉末を含有する磁性層からなる最上層
と、非磁性粉末を含有する非磁性層を少なくとも1層を
有すると共に前記磁性層に接するところの下部層とから
なり、前記最上層の強磁性粉末の平均長軸長が0.25
μm未満であると共に、X線回析法による結晶子サイズ
をL1 としたとき、前記結晶子サイズL1 およびL2
が、L1 ≦250(Å)であり、かつ、前記非磁性層の
非磁性粉末のX線回析法による結晶子サイズをL2 とし
たとき、L2 <L1 であると共に、5<L2 ≦200
(Å)であることを特徴とする磁気記録媒体であり、前
記請求項2に記載の発明は、前記非磁性層における結合
剤の非磁性粉末100重量部に対する含有量をW2 重量
部としたとき、前記結合剤の含有量W2 が、 20/ln(L2 )≦W2 ≦60/ln(L2 ) である前記請求項1に記載の磁気記録媒体であり、前記
請求項3に記載の発明は、前記最上層の強磁性粉末のX
線回析法による結晶子サイズをL1 としたとき、前記結
晶子サイズL1 が、100≦L1 ≦250(Å)である
前記請求項1に記載の磁気記録媒体であり、前記請求項
4に記載の発明は、前記最上層の層の厚さが0.8μm
以下である前記請求項1に記載の磁気記録媒体であり、
前記請求項5に記載の発明は、前記最上層における結合
剤の強磁性粉末100重量部に対する含有量をW1 重量
部としたとき、前記結合剤の含有量W1 が、 65/ln(L1 )≦W1 ≦100/ln(L1 ) である前記請求項1に記載の磁気記録媒体であり、前記
請求項6に記載の発明は、前記下部層が湿潤状態にある
ときに最上層が設けられてなる前記請求項1に記載の磁
気記録媒体である。
【0006】以下、本発明の磁気記録媒体について詳述
する。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の上に複
合層が形成されており、前記複合層は、強磁性粉末を含
有する磁性層からなる最上層と、非磁性粉末を含有する
非磁性層を少なくとも1層有すると共に前記磁性層に接
するところの下部層とからなる。本発明の磁気記録媒体
は、非磁性支持体上に、前記下部層および前記最上層
を、この順に積層してなる。
【0007】−非磁性支持体− 非磁性支持体を形成する材料としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダ
イアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリ
カーボネート等のプラスチック等を挙げることができ
る。
【0008】非磁性支持体の形状としては、特に制限は
なく、その具体例としては、テープ状、フィルム状、シ
ート状、カード状、ディスク状、ドラム状等を挙げるこ
とができる。非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、例えば、フィルム状やシート状の場合は通常3〜1
00μm、好ましくは5〜50μmであり、ディスクや
カード状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の
場合はレコーダー等に応じて適宜に選択される。
【0009】なお、この非磁性支持体は単層構造であっ
ても多層構造であってもよい。また、この非磁性支持体
は、例えばコロナ放電処理等の表面処理が施されていて
もよい。なお、非磁性支持体上の上記磁性層が設けられ
ていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向
上、帯電防止および転写防止などを目的として、バック
コート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性支
持体との間には、下引き層を設けることもできる。
【0010】−最上層の磁性層− 最上層の磁性層は、強磁性粉末を含有する。さらに、最
上層の磁性層は、後述する結合剤と、後述するその他の
成分とを含有してもよい。前記強磁性粉末としては、後
述する強磁性酸化鉄粉末や強磁性金属粉末等を好適に用
いることができる。前記強磁性酸化鉄粉末としては、γ
−Fe23 、Fe34 、または、これらの中間酸化
鉄でFeOx (1.33<x<1.5)で表わされるも
のや、Coが付加されたもので(コバルト変性)Co−
FeOx (1.33<x<1.5)で表わされるもの等
を挙げることができる。
【0011】前記強磁性金属粉末としては、Fe、Co
をはじめ、Fe−Al系、Fe−Al−Ni系、Fe−
Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Al−Ca
系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni−
Co系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、Fe−Ni
−Si−Al−Zn系、Fe−Al−Si系、Fe−A
l−Co系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn
系、Fe−Ni−Si系、Fe−Mn−Zn系、Fe−
Co−Ni−P系、Ni−Co系、Fe、Ni、Co等
を主成分とするメタル磁性粉末等の強磁性金属粉末が挙
げられる。中でも、Fe系金属粉が電気的特性に優れ
る。
【0012】他方、耐蝕性および分散性の点から見る
と、Fe−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−
Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、F
e−Ni系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Si−
Al−Zn系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、Fe
−Ni−CO系のFe系強磁性金属粉末が好ましい。
【0013】特に、本発明の目的に好ましい強磁性金属
粉末は、鉄を主成分とする金属磁性粉末であり、Alお
よびCaを、Alについては重量比でFe:Al=10
0:0.5〜100:20、Caについては重量比でF
e:Ca=100:0.1〜100:10の範囲で含有
するのが望ましい。
【0014】Fe:Alの比率をこのような範囲にする
ことで耐蝕性が著しく改良され、またFe:Caの比率
をこのような範囲にすることで電磁変換特性を向上さ
せ、ドロップアウトを減少させることができる。電磁変
換特性の向上やドロップアウトの減少がもたらされる理
由は明らかでないが、分散性が向上することによる保磁
力のアップや凝集物の減少等が理由として考えられる。
【0015】本発明に用いられる強磁性粉末は、透過型
電子顕微鏡により観測されるその平均長軸長が0.25
μm未満、好ましくは0.10〜0.22μm、更に好
ましくは0.10〜0.18μmで、かつ、X線回折法
による結晶子サイズが250Å以下、特に100〜18
0Åであることが好ましい。強磁性粉末の平均長軸長お
よび結晶子サイズが前記範囲内にあると、さらに電磁変
換特性の向上を図ることができる。
【0016】また、本発明に用いられる強磁性粉末は、
その保磁力(Hc)が通常600〜5,000 Oeの
範囲にあることが好ましい。この保磁力が600 Oe
未満であると、電磁変換特性が劣化することがあり、ま
た保磁力が5,000 Oeを超えると、通常のヘッド
では記録不能になることがあるので好ましくない。
【0017】また、前記強磁性粉末は、磁気特性である
飽和磁化量(σs )が通常、70emu/g以上である
ことが好ましい。この飽和磁化量が70emu/g未満
であると、電磁変換特性が劣化することがある。さらに
本発明においては、記録の高密度化に応じて、BET法
による比表面積で40m2 /g以上の強磁性粉末が好ま
しく用いられる。
【0018】本発明に用いられる強磁性粉末の好ましい
具体例としては、Fe−Al系強磁性金属粉末(Fe:
Al重量比= 100:5、平均長軸長0.16μm,保
持力Hc :1500 Oe、結晶子サイズ150Å)、
Co−γ−FeOx(平均長軸長0.21μm、保持力
Hc:1200 Oe、結晶子サイズ200Å)等の強
磁性酸化鉄粉末等を挙げることができる。
【0019】本発明においては、特定の平均長軸長およ
び特定の結晶子サイズを有する強磁性粉末の最上層の磁
性層中の含有量は、通常50〜99重量%であり、好ま
しくは60〜99重量%である。また、前記強磁性粉末
の軸比(平均長軸長/平均単軸長)が3〜20のもので
あると、短波長域での再生出力がより一層向上して好ま
しい。最上層の磁性層の層の厚さは、通常1.0μm以
下であり、好ましくは0.8μm以下である。
【0020】−下部層− 下部層は、非磁性粉末を含有する非磁性層を少なくとも
1層を有してなること以外は特に制限はなく、単層ある
いは複数層から形成されてもよい。 −非磁性層− 非磁性層は、非磁性粉末を含有する。さらに、前記非磁
性層は、後述する結合剤と、後述するその他の成分とを
含有してもよい。
【0021】−非磁性粉− 前記非磁性粉としては、例えば、カーボンブラック、グ
ラファイト、酸化チタン、硫酸バリウム、ZnS、Mg
CO3 、CaCO3 、ZnO、CaO、γ−酸化鉄、二
硫化タングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、M
gO、SnO2、SiO2 、Cr23 、α−Al23
、SiC、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモ
ンド、α−酸化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒
化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化モリブデン、
炭化ホウ素、炭化タングステン、チタンカーバイド、ト
リボリ、ケイソウ土、ドロマイト等を挙げることができ
る。これらの中でも好ましいのは、カーボンブラック、
CaCO3 、酸化チタン、硫酸バリウム、γ−酸化鉄、
α−Al23 、α−酸化鉄、等の無機粉末やポリエチ
レン等のポリマー粉末等である。
【0022】−結合剤ー 本発明に用いる結合剤としては、例えば、ポリウレタ
ン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化ビニ
ル系樹脂等が代表的なものであり、これらの樹脂は−S
3 M、−OSO3 M、−COOMおよび−PO(OM
12 から選ばれた少なくとも一種の極性基を有する繰
り返し単位を含むことが好ましい。
【0023】ただし、上記極性基において、Mは水素原
子あるいはNa、K、Li等のアルカリ金属を表わし、
またM1 は水素原子、Na、K、Li等のアルカリ原子
あるいはアルキル基を表わす。
【0024】上記極性基は、磁性層における強磁性粉末
および下部層における非磁性粉末の分散性を向上させる
作用があり、各樹脂中の含有率は0.1〜8.0モル
%、好ましくは0.5〜6.0モルである。この含有
率が0.1モル%未満であると、磁性層における強磁性
粉末および下部層おける非磁性粉末の分散性が低下し、
また、含有率が8.0モル%を超えると、磁性塗料およ
び下部層用塗料がゲル化しやすくなる。なお、前記各樹
脂の重量平均分子量は、15,000〜50,000の
範囲が好ましい。
【0025】結合剤の前記最上層の磁性層における含有
量は、前記最上層における結合剤の強磁性粉末100重
量部に対する含有量をW1 重量部としたとき、前記結合
剤の含有量W1 が、 65/ln(L1 )≦W1 ≦100/ln(L1 ) であり、結合剤の前記非磁性層における含有量は、前記
非磁性層における結合剤の非磁性粉末100重量部に対
する含有量をW2 重量部としたとき、前記結合剤の含有
量W2 が、 20/ln(L2 )≦W2 ≦60/ln(L2 ) である。
【0026】結合剤は一種単独に限らず、二種以上を組
合せて用いることができるが、この場合、ポリウレタン
および/またはポリエステルと塩化ビニル系樹脂との比
は、重量比で通常、90:10〜10:90であり、好ま
しくは70:30〜30:70の範囲である。
【0027】本発明において結合剤として用いられる極
性基含有塩化ビニル系共重合体は、例えば、塩化ビニル
−ビニルアルコール共重合体など、水酸基を有する共重
合体と下記の極性基および塩素原子を有する化合物との
付加反応により合成することができる。 Cl−CH2CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO3M、 Cl−CH2COOM 、
Cl-CH2-P(=O)(OM1)2 これらの化合物から Cl-CH2CH2SO3Na を例にとり、上記
反応を説明すると、次のようになる。 −CH2C(OH)H −+ ClCH2CH2SO3Na→− CH2C(OCH2CH2SO3
Na)H−。
【0028】また、極性基含有塩化ビニル系共重合体
は、極性基を含む繰り返し単位が導入される不飽和結合
を有する反応性モノマーを所定量オートクレーブ等の反
応容器に仕込み、一般的な重合開始剤、例えばBPO
(ベンゾイルパーオキシド)、AIBN(アゾビスイソ
ブチロニトリル)等のラジカル重合開始剤、レドックス
重合開始剤、カチオン重合開始剤などを用いて重合反応
を行なうことにより、得ることができる。
【0029】スルホン酸又はその塩を導入するための反
応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p−スチレン
スルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの
塩を挙げることができる。カルボン酸もしくはその塩を
導入するときは、例えば(メタ)アクリル酸やマレイン
酸等を用い、リン酸もしくはその塩を導入するときは、
例えば(メタ)アクリル酸−2−リン酸エステルを用い
ればよい。
【0030】塩化ビニル系共重合体にはエポキシ基が導
入されていることが好ましい。このようにすると、重合
体の熱安定性が向上するからである。エポキシ基を導入
する場合、エポキシ基を有する繰り返し単位の共重合体
中における含有率は、1〜30モル%が好ましく、1〜
20モル%がより好ましい。エポキシ基を導入するため
のモノマーとしては、例えばグリシジルアクリレートが
好ましい。
【0031】なお、塩化ビニル系共重合体への極性基の
導入技術に関しては、特開昭57−44227号、同5
8−108052号、同59−8127号、同60−1
01161号、同60−235814号、同60−23
8306号、同60−238371号、同62−121
923号、同62−146432号、同62−1464
33号等の公報に記載があり、この発明においてもこれ
らを利用することができる。
【0032】次に、本発明に用いるポリエステルとポリ
ウレタンの合成について述べる。一般に、ポリエステル
はポリオールと多塩基酸との反応により得られる。この
公知の方法を用いて、ポリオールと一部に極性基を有す
る多塩基酸から、極性基を有するポリエステル(ポリオ
ール)を合成することができる。
【0033】極性基を有する多塩基酸の例としては、5
−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−
スルホイソフタル酸、3−スルホフタル酸、5−スルホ
イソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタル酸ジア
ルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、3−スル
ホイソフタル酸ジアルキルおよびこれらのナトリウム
塩、カリウム塩を挙げることができる。
【0034】ポリオ−ルの例としては、トリメチロ−ル
プロパン、ヘキサントリオ−ル、グリセリン、トリメチ
ロ−ルエタン、ネオペンチルグリコ−ル、ペンタエリス
リト−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等を挙げることができ
る。なお、他の極性基を導入したポリエステルも公知の
方法で合成することができる。
【0035】次に、ポリウレタンに付いて述べる。これ
は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応から得ら
れる。前記ポリオールとしては、一般にポリオールと多
塩基酸との反応によって得られるポリエステルポリオー
ルが使用されている。したがって、極性基を有するポリ
エステルポリオールを原料として用いれば、極性基を有
するポリウレタンを合成することができる。
【0036】ポリイソシアネートの例としては、ジフェ
ニルメタン−4−4′−ジイソシアネート(MDI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリレ
ンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート
(TODI)、リジンイソシアネートメチルエステル
(LDI)等が挙げられる。
【0037】また、極性基を有するポリウレタンの他の
合成方法として、水酸基を有するポリウレタンと極性基
および塩素原子を有する下記の化合物との付加反応も有
効である。 Cl−CH2CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO2M、 Cl−CH2COOM、 Cl-
CH2-P(=O)(OM1)2 なお、ポリウレタンへの極性基導入に関する技術として
は、特公昭58−41565号、特開昭57−9242
2号、同57−92423号、同59−8127号、同
59−5423号、同59−5424号、同62−12
1923号等の公報に記載があり、この発明においても
これらを利用することができる。
【0038】本発明においては、結合剤として下記の樹
脂を全結合剤の20重量%以下の使用量で併用すること
ができる。
【0039】その樹脂としては、重量平均分子量が1
0,000〜200,000である、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロー
ス等)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルム
アミド樹脂、各種の合成ゴム系樹脂等が挙げられる。
【0040】−その他の成分− 本発明では磁性層および下部層の品質の向上を図るた
め、潤滑剤、耐久性向上剤、分散剤、研磨剤、帶電防止
剤および充填剤などの添加剤をその他の成分として含有
させることができる。
【0041】前記潤滑剤としては、脂肪酸および/また
は脂肪酸エステルを使用することができる。この場合、
脂肪酸の添加量は、最上層の強磁性粉末または下部層に
おける非磁性粉末に対し0.2〜10重量%が好まし
く、0.5〜5重量%がより好ましい。添加量が0.2
重量%未満であると、走行性が低下し易く、また10重
量%を超えると、脂肪酸が磁性層の表面にしみ出した
り、出力低下が生じ易くなる。
【0042】また、脂肪酸エステルの添加量も最上層の
強磁性粉末または下部層における非磁性粉末に対して
0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がよ
り好ましい。その添加量が0.2重量%未満であると、
スチル耐久性が劣化し易く、また10重量%を超える
と、脂肪酸エステルが磁性層の表面にしみ出したり、出
力低下が生じやすくなる。
【0043】脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して潤滑
効果をより高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エステル
は重量比で10:90〜90:10が好ましい。脂肪酸
としては一塩基酸であっても二塩基酸であってもよく、
炭素数は6〜30が好ましく、12〜22の範囲がより
好ましい。
【0044】脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノレ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、ベヘン酸、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ド
デカンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸等を挙げる
ことができる。
【0045】脂肪酸エステルの具体例としては、オレイ
ルオレート、イソセチルステアレート、ジオレイルマレ
ート、ブチルステアレート、ブチルパルミテート、ブチ
ルミリステート、オクチルミリステート、オクチルパル
ミテート、ペンチルステアレート、ペンチルパルミテー
ト、イソブチルオレエート、ステアリルステアレート、
ラウリルオレエート、オクチルオレエート、イソブチル
オレエート、エチルオレエート、イソトリデシルオレエ
ート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘ
キシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、イソ
プロピルミリステート、ブチルラウレート、セチル−2
−エチルヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジエチ
ルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシル
アジペート、オレイルステアレート、2−エチルヘキシ
ルミリステート、イソペンチルパルミテート、イソペン
チルステアレート、ジエチレングリコール−モノ−ブチ
ルエーテルパルミテート、ジエチレングリコール−モノ
−ブチルエーテルパルミテート等が挙げられる。
【0046】また、上記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の
潤滑剤として、例えばシリコーンオイル、グラファイ
ト、フッ化カーボン、二硫化モリブデン、二硫化タング
ステン、脂肪酸アミド、α−オレフィンオキサイド等も
使用することができる。
【0047】前記耐久性向上剤としては、ポリイソシア
ネートを挙げることができ、ポリイソシアネートとして
は、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)等と活
性水素化合物との付加体などの芳香族ポリイソシアネー
トと、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等
と活性水素化合物との付加体などの脂肪族ポリイソシア
ネートがある。なお、前記ポリイソシアネートの重量平
均分子量は、100〜3,000の範囲にあることが好
ましい。
【0048】前記分散剤としては、カプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸等の炭素数12〜18の脂肪酸;
これらのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属の塩
あるいはこれらのアミド;ポリアルキレンオキサイドア
ルキルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオ
レフィンオキシ第四アンモニウム塩;カルボキシル基お
よびスルホン酸基を有するアゾ系化合物等を挙げること
ができる。これらの分散剤は、通常、最上層の強磁性粉
末または下部層における非磁性粉末に対して0.5〜5
重量%の範囲で用いられる。
【0049】次に、前記研磨剤の具体例としては、α−
アルミナ、溶融アルミナ、酸化クロム、酸化チタン、α
−酸化鉄、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステ
ン、炭化モリブデン、炭化ホウ素、コランダム、酸化亜
鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素等が
挙げられる。研磨剤としては、平均粒子径が0.05〜
0.6μmのものが好ましく、0.1〜0.3μmのも
のがより好ましい。
【0050】前記帯電防止剤としては、カーボンブラッ
ク、グラファイト等の導電性粉末;第四級アミン等のカ
チオン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン酸
エステル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活性
剤;アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン等
の天然界面活性剤等を挙げることができる。上述した帯
電防止剤は、通常、結合剤に対して0.01〜40重量
%の範囲で添加される。
【0051】−磁気記録媒体の製造− 本発明の磁気記録媒体は、最上層の磁性層および下部層
の塗設をウエット−オン−ウエット方式で塗設する。こ
のウエット−オン−ウエット方式は、公知の重層構造型
の磁気記録媒体の製造に使用される方法を適宜に採用す
ることができる。
【0052】例えば、一般的には、強磁性粉末、結合
剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等と溶媒とを
混練して塗料を調製し、次いでこの塗料を希釈して最上
層の磁性層用塗料を調製する。また、一般的には、下部
層の非磁性粉末、結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯
電防止剤等と溶媒とを混練して塗料を調製し、次いでこ
の塗料を希釈して下部層用塗料を調製する。その後、最
上層用の磁性層用塗料および下部層用塗料を、非磁性支
持体に塗布する。
【0053】前記溶媒としては、例えばアセトン、メチ
ルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(M
IBK)、シクロヘキサノン等のケトン系;メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコール類;酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テト
ラヒドロフラン等の環状エーテル類;メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を用いるこ
とができる。
【0054】前記最上層の磁性層および下部層形成成分
の混練分散にあたっては、各種の混練分散機を使用する
ことができる。前記混練分散機としては、例えば、二本
ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミ
ル、コボルミル、トロンミル、サンドミル、サンドグラ
インダー、Sqegvariアトライター、高速インペラー分散
機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、
高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、オープ
ンニーダー、連続ニーダー、加圧ニーダー等が挙げられ
る。上記混練分散機のうち、0.05〜0.5KW(磁
性粉1Kg当たり)の消費電力負荷を提供することので
きる混練分散機は、加圧ニーダー、オープンニーダー、
連続ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミルであ
る。
【0055】非磁性支持体上に、最上層の磁性層と、下
部層とを塗布するには、具体的には、図1に示すよう
に、まず供給ロール32から繰出した非磁性支持体1
に、エクストルージョン方式の押し出しコーター10、
11により、最上層の磁性層用塗料と下部層用塗料とを
ウェット−オン−ウェット方式で重層塗布した後、配向
用磁石または垂直配向用磁石33に通過し、乾燥器34
に導入し、ここで上下に配したノズルから熱風を吹き付
けて乾燥する。次に、乾燥した各塗布層付きの非磁性支
持体1をカレンダーロール38の組合せからなるスーパ
ーカレンダー装置37に導き、ここでカレンダー処理し
た後に、巻き取りロール39に巻き取る。このようにし
て得られた磁性フィルムを所望幅のテープ状に裁断して
例えば8mmビデオカメラ用磁気記録テープを製造する
ことができる。
【0056】上記の方法において、各塗料は、図示しな
いインラインミキサーを通して押し出しコーター10、
11へと供給してもよい。なお、図中、矢印は非磁性支
持体の搬送方向を示す。押し出しコーター10、11に
はそれぞれ、液溜まり部13、14が設けられ、各コー
ターからの塗料をウェット−オン−ウェット方式で重ね
る。即ち、下部層用塗料の塗布直後(未乾燥状態のと
き)に最上層の磁性層用塗料を重層塗布する。
【0057】前記押し出しコーターは、図2に示した押
し出しコーター15が本発明においては好ましい。押し
出しコーター15により、下部層用途料2と最上層の磁
性層用塗料3とを共押し出しして重層塗布する。
【0058】上記塗料に配合される溶媒あるいはこの塗
料の塗布時の希釈溶媒としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールセ
ノアセテート等のエステル類;グリコールジメチルエー
テル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等のものが使
用できる。これらの各種の溶媒は単独で使用することも
できるし、またそれらの二種以上を併用することもでき
る。
【0059】前記配向磁石あるいは垂直配向用磁石にお
ける磁場は、20〜5,000ガウス程度であり、乾燥
器による乾燥温度は約30〜120℃であり、乾燥時間
は約0.1〜10分間程度である。
【0060】なお、ウェット−オン−ウェット方式で
は、リバースロールと押し出しコーターとの組み合わ
せ、グラビアロールと押し出しコーターとの組み合わせ
なども使用することができる。さらにはエアドクターコ
ーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スク
ィズコーター、含浸コーター、トランスファロールコー
ター、キスコーター、キャストコーター、スプレイコー
ター等を組み合わせることもできる。
【0061】このウェット−オン−ウェット方式におる
重層塗布においては、下部層における上側に位置する層
が湿潤状態になったままで最上層の磁性層を塗布するの
で、下部層の表面(即ち、最上層の磁性層との境界面)
が滑らかになるとともに最上層の磁性層の表面性が良好
になり、かつ、最上層の磁性層と下部層との層間の接着
性も向上する。この結果、特に高密度記録のために高出
力、低ノイズの要求されるたとえば磁気テープとしての
要求性能を満たしたものとなり、かつ、高耐久性の性能
が要求されることに対しても層の剥離をなくし、層の強
度が向上し、耐久性が十分となる。また、ウェット−オ
ン−ウェット重層塗布方式により、ドロップアウトも低
減することができ、信頼性も向上する。
【0062】−表面の平滑化− 本発明においては、次にカレンダリングにより表面平滑
化処理を行うのも良い。その後は、必要に応じてバーニ
ッシュ処理またはブレード処理を行なってスリッティン
グされる。表面平滑化処理においては、カレンダー条件
として温度、線圧力、C/S(コーティングスピード)
等を挙げることができる。
【0063】この発明においては、通常、上記温度を5
0〜120℃、上記線圧力を50〜400kg/cm、
上記C/Sを20〜600m/分に保持することが好ま
しい。上記のように処理した結果の最上層の層の厚さ
は、1.0μm以下、好ましくは0.8μm以下にす
る。層厚が1.0μmを越えると、高域特性や信号の重
ね書き(オーバーライト)特性が劣化し、単層構成の磁
気記録媒体と変わりのないものになり、本発明の目的を
達成することができない。
【0064】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。以下に
示す成分、割合、操作順序は本発明の範囲から逸脱しな
い範囲において種々変更しうる。なお、下記の実施例に
おいて「部」はすべて重量部である。
【0065】以下の組成の磁性塗料を調製した。 〈最上層の磁性層用磁性塗料A〉 Co−γ−FeOx(1)(1.33<x≦1.5) 100部 (平均長軸長0.21μm、 保持力Hc=1,200 Oe、 結晶子サイズ 200Å) 塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン社製 MR110) X部 スルホン酸金属塩含有ポリウレタン樹脂 Y部 (東洋紡績(株)製、UR8700) α−アルミナ(粒子径0.1μm) 5部 カ−ボンブラック(平均粒子径40mμ) 0.5部 ミリスチン酸 1部 ステアリン酸 1部 ブチルステアレート 1部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 シクロヘキサノン 100部 以上の組成物を混練・分散した後に、ポリイソシアネー
ト化合物(コロネートL)Z部を添加して調製した。
【0066】〈最上層の磁性層用磁性塗料B〉上記最上
層の磁性層用磁性塗料Aにおいて、Co−γ−FeOx
(1)に代えて、Fe−Al系強磁性粉末(平均長軸長
0.16μm、保磁力Hc=1,500 Oe、結晶子
サイズ150Å)を使用した以外は前記最上層の磁性層
用磁性塗料Aの調製と同様にして調製した。
【0067】〈最上層の磁性層用磁性塗料C〉上記最上
層の磁性層用磁性塗料Aにおいて、Co−γ−FeOx
(1)に代えて、Co−γ−FeOx(2)(平均長軸
長0.28μm、保磁力Hc=1,200 Oe、結晶
子サイズ300Å)を使用した以外は前記最上層の磁性
層用磁性塗料Aの調製と同様にして調製した。
【0068】 〈非磁性層用塗料a〉 酸化チタン(1)(TiO2 、結晶子サイズ30Å) 100部 塩化ビニル系樹脂 x部 (日本ゼオン社製 MR110) スルホン酸金属塩含有ポリウレタン樹脂 y部 (東洋紡績(株)製、UR8700) メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部 シクロヘキサノン 50部 以上の組成物を混練・分散して調製した。
【0069】〈非磁性層用塗料b〉前記非磁性層用塗料
aにおける酸化チタン(1)に代えて、酸化チタン
(2)(結晶子サイズ10Å)を使用した以外は前記非
磁性層用塗料aと同様にして調製した。
【0070】〈非磁性層用塗料c〉前記非磁性層用塗料
aにおける酸化チタン(1)に代えて、酸化チタン
(3)(結晶子サイズ100Å)を使用した以外は前記
非磁性層用塗料aと同様にして調製した。
【0071】〈非磁性層用塗料d〉前記非磁性層用塗料
aにおける酸化チタン(1)に代えて、酸化チタン
(4)(結晶子サイズ300Å)を使用した以外は前記
非磁性層用塗料aと同様にして調製した。
【0072】〈非磁性層用塗料e〉前記非磁性層用塗料
aにおける酸化チタン(1)に代えて、α−Fe23
(ベンガラ)(結晶子サイズ380Å)を使用した以外
は前記非磁性層用塗料aと同様にして調製した。
【0073】〈下部層用磁性塗料D〉前記最上層の磁性
層用磁性塗料Aにおいて、Co−γ−FeOx(1)に
代えて、Co−γ−FeOx(3)(平均長軸長0.2
8μm、保磁力Hc=700Oe、結晶子サイズ330
Å)を使用した以外は前記最上層の磁性層用磁性塗料A
の調製と同様にして調製した。
【0074】(実施例1〜6および比較例1〜7)表1
に示された組成の塗層構成により、ウエット−オン−ウ
エット方式で8mm幅の磁気記録媒体を作成した。この
磁気記録媒体につき、以下の評価試験を行った。
【0075】<C/N特性>市販の8mmビデオテープ
レコーダーを用いて9MHzの単一波を記録し、その信
号を再生した際の出力レベルを基準サンプル(比較例
1)との比較で表した。 <オーバーライト特性>2MHzの信号を飽和レベルで
記録し、その後に9MHzの信号を(上書き)記録した
際の2MHzの信号の残留出力レベルを測定した。残留
出力レベルの低い程オーバーライト特性は良好であると
する。
【0076】<耐候性>予め9MHZでの出力レベルを
測定しておき、試料としての磁気記録媒体を60℃、8
0%(湿度)の環境下で7日間放置した後に、再度9M
Hzの出力レベルを測定し、当初の測定値との差を求め
た。以上の評価結果を表1に示す。以上の評価結果か
ら、品質についての総合的な評価を行なった。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】本発明においては、最上層における強磁
性層に所定のサイズの強磁性粉末を、および、下部層に
おける非磁性層に所定の結晶子サイズの非磁性粉末を、
用いることにより、平滑な層を形成することができ、高
域特性に優れ、しかも信号の重ね書き(オーバライト)
特性および耐候性(耐腐食性)にも優れた磁気記録媒体
を提供することができるという技術的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ウエット−オン−ウエット塗布方式に
よる磁性層の重層塗布を説明するための図である。
【図2】図2は、磁性塗料を塗布するための押し出しコ
ーターの図である。
【符合の説明】
1 非磁性支持体 2 下部層用塗料 3 最上層の磁性層用塗料 10 押し出しコーター 11 押し出しコーター 13 液溜り部 14 液溜り部 15 押し出しコーター 32 供給ロール 33 配向用磁石または垂直配向用磁石 34 乾燥器 37 スーパーカレンダー装置 38 カレンダーロール 39 巻き取りロール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に複合層を有してなり、
    前記複合層は、強磁性粉末を含有する磁性層からなる最
    上層と、非磁性粉末を含有する非磁性層を少なくとも1
    層を有すると共に前記磁性層に接するところの下部層と
    からなり、前記最上層の強磁性粉末の平均長軸長が0.
    25μm未満であると共に、X線回析法による結晶子サ
    イズをL1 としたとき、前記結晶子サイズL1 およびL
    2 が、L1 ≦250(Å)であり、かつ、前記非磁性層
    の非磁性粉末のX線回析法による結晶子サイズをL2
    したとき、L2 <L1 であると共に、5<L2 ≦200
    (Å)であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記非磁性層における結合剤の非磁性粉
    末100重量部に対する含有量をW2 重量部としたと
    き、前記結合剤の含有量W2 が、 20/ln(L2 )≦W2 ≦60/ln(L2 ) である前記請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記最上層の強磁性粉末のX線回析法に
    よる結晶子サイズをL1 としたとき、前記結晶子サイズ
    1 が、100≦L1 ≦250(Å)である前記請求項
    1に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記最上層の層の厚さが0.8μm以下
    である前記請求項1に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記最上層における結合剤の強磁性粉末
    100重量部に対する含有量をW1 重量部としたとき、
    前記結合剤の含有量W1 が、 65/ln(L1 )≦W1 ≦100/ln(L1 ) である前記請求項1に記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記下部層が湿潤状態にあるときに最上
    層が設けられてなる前記請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5540975A (en) * 1994-05-31 1996-07-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic recording medium comprising a magnetic layer of ferromagnetic metal powder and binder resin and having specified magnetic properties

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5540975A (en) * 1994-05-31 1996-07-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic recording medium comprising a magnetic layer of ferromagnetic metal powder and binder resin and having specified magnetic properties

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