JPH0620260A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0620260A
JPH0620260A JP25888791A JP25888791A JPH0620260A JP H0620260 A JPH0620260 A JP H0620260A JP 25888791 A JP25888791 A JP 25888791A JP 25888791 A JP25888791 A JP 25888791A JP H0620260 A JPH0620260 A JP H0620260A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic layer
acid
recording medium
rms
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JP25888791A
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English (en)
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Setsuko Kawahara
説子 河原
Seiichi Tobisawa
飛沢  誠一
Katsuyuki Takeda
克之 竹田
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Toshiba Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Y−C/N、Y−out、BmおよびRFエ
ンベローブの良好な磁気記録媒体を提供すること。 【構成】 本発明は、主成分としてコバルト含有酸化鉄
系磁性粉を含有する第1の磁性層と、主成分としてバリ
ウムフェライト磁性粉含有酸化鉄系磁性粉を含有する第
2磁性層とが、この順に非磁性支持体上に湿潤状態で塗
設され、第2磁性層の表面における二乗平均粗さ(RM
S)が1.0〜15nmであり、前記二乗平均粗さ(R
MS)と中心線平均粗さ(Ra)との比(RMS/R
a)が1.0〜1.5であることを特徴とする磁気記録
媒体と、この磁気記録媒体において、前記第2磁性層表
面のうねり(A)と前記非磁性支持体の磁性層形成面の
うねり(B)とが、それぞれ、(A)≦0.022μ
m、(B)≦0.020μmの条件を満たす磁気記録媒
体である。 【効果】 本発明によると、Y−C/N、Y−out、
BmおよびRFエンベローブが向上し、優れた電気変換
特性を有する磁気記録媒体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に関し、さ
らに詳しくは、低周波から高周波に至る広域に渡って磁
気記録特性が良好で、経時安定性および走行耐久性に優
れた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ビデオテ
ープ等の従来の磁気記録媒体は、バリウムフェライト磁
性粉を含有する磁性層を非磁性支持体上に形成してな
る。このバリウムフェライト磁性粉は、メタル粉よりも
酸化されにくく、耐蝕性に優れ、しかも経時安定性が良
く、しかも垂直配向されることによって高密度記録可能
な磁性層とすることができ、さらには比較的低抗磁力で
あるにもかかわらず、高周波特性に優れているので、近
年注目されている磁性材である。
【0003】しかしながら、このバリウムフェライト粉
は高周波特性に優れている一方、低周波特性はメタル粉
に及ばず、したがって、実用的な磁気記録媒体の材料と
して有用になり得るか否かの懸念がある。そこで、非磁
性性支持体上に複数の磁性層を積層する重層技術を応用
して、上層にバリウムフェライト磁性粉を含有する上層
磁性層を、下層には低周波特性および経時安定性に優れ
たコバルト含有酸化鉄を含有する下層磁性層を非磁性支
持体上に形成することによって、広域に渡る磁気記録特
性の良好な磁気記録媒体を完成させようと、この発明者
らは鋭意研究を行った。
【0004】その結果、上層にバリウムフェライト磁性
粉を含有する上層磁性層を、下層にはコバルト含有酸化
鉄を含有する下層磁性層を非磁性支持体上に有する磁気
記録媒体は、バリウムフェライト磁性粉を含有する単層
磁性層を非磁性支持体上に有する磁気記録媒体、あるい
はコバルト含有酸化鉄を含有する単層の磁性層を非磁性
支持体上に形成してなる磁気記録媒体よりも、電気特性
が低下し、特にC/N特性の劣化が激しく、重層構造に
したことによる特性を得ることができなかった。
【0005】重層構造にすることによる特性をより一層
向上させるように、ウエット−オン−ウエット方式で形
成された重層磁性層を薄層にすればする程、前記傾向は
顕著になることが判明した。本発明は前記事情に基づい
てなされたものである。すなわち、本発明の目的は、主
成分としてコバルト含有酸化鉄系磁性粉を含有する第1
磁性層と、主成分としてバリウムフェライト磁性粉を含
有する第2磁性層とを、この順に非磁性支持体上にウエ
ット−オン−ウエット方式で形成してなる重層構造であ
りながら、C/Nの劣化がなく、しかもBmの良好な磁
気記録媒体を提供することにある。
【0006】また、本発明の他の目的は、主成分として
コバルト含有酸化鉄系磁性粉を含有する第1磁性層と、
主成分としてバリウムフェライト磁性粉を含有する第2
磁性層とを、この順に非磁性支持体上にウエット−オン
−ウエット方式で形成してなる重層構造でありながら、
C/Nの劣化がなく、しかもBmおよびRFエンベロー
ブの良好な磁気記録媒体を提供することにある。
【0007】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための請求項1に記載の発明は、主成分としてコバルト
含有酸化鉄系磁性粉を含有する第1磁性層と、主成分と
してバリウムフェライト磁性粉を含有する第2磁性層と
が、この順に非磁性支持体上に湿潤状態で塗設され、第
2磁性層の光波干渉式三次元表面粗さ計による二乗平均
平方根(RMS)が1.0〜15nmであり、前記二乗
平均平方根(RMS)と光波干渉式三次元表面粗さ計に
よる中心線平均粗さ(Ra)との比(RMS/Ra)が
1.0〜1.5であることを特徴とする磁気記録媒体で
あり、請求項2に記載の発明は、前記第2磁性層表面の
うねり(A)と前記非磁性支持体における磁性層形成面
の表面うねり(B)とが、それぞれ、 (A)≦0.022μm、 (B)≦0.020μm の条件を満たす前記請求項1に記載の磁気記録媒体であ
る。
【0008】本発明の磁気記録媒体は、基本的に、非磁
性支持体の表面に第1磁性層と第2磁性層とをこの順番
にウエット−オン−ウエット方式により積層してなる。 −非磁性支持体− 前記非磁性支持体を形成する材料としては、たとえばポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、
ポリカーボネート等のプラスチックなどを挙げることが
できる。
【0009】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。非磁性支持体の厚み
には特に制約はないが、たとえばフィルム状やシート状
の場合は通常3〜100μm、好ましくは5〜50μm
であり、ディスクやカード状の場合は30μm〜10m
m程度、ドラム状の場合はレコーダー等に応じて適宜に
選択される。
【0010】なお、この非磁性支持体は単層構造のもの
であっても多層構造のものであってもよい。また、この
非磁性支持体は、たとえばコロナ放電処理等の表面処理
を施されたものであってもよい。なお、非磁性支持体上
の上記磁性層が設けられていない面(裏面)には、磁気
記録媒体の走行性の向上、帯電防止および転写防止など
を目的として、バックコート層を設けるのが好ましく、
また磁性層と非磁性支持体との間には、下引き層を設け
ることもできる。
【0011】−第1磁性層− 前記第1磁性層は、主成分であるコバルト含有酸化鉄系
磁性粉と後述するバインダーと後述するその他の成分と
を含有する。前記コバルト含有酸化鉄系磁性粉として
は、例えば、Co含有γ−Fe23、Co被着γ−F
23 、Co含有Fe34、、Co被着Fe34
Co含有磁性FeOX (4/3<x<3/2)等が挙げ
られる。これらの中でも、本発明の磁気記録媒体に好ま
しいのは、Co含有磁性FeOX (4/3<x<3/2)
粉末である。
【0012】本発明において第1磁性層に好ましく用い
られる具体例としては、Co−γFe23[Hc:80
0 Oe、 BET値50m2 /g( ただしBETは後述
する)]を挙げることができる。本発明においては、記
録の高密度化に応じて、BET法による比表面積で45
2 /g以上の強磁性粉が好ましく用いられる。なお、
本発明における強磁性粉(強磁性金属粉末も含める)の
比表面積は、後述するBET法と称される比表面積の測
定方法によって測定された表面積を単位グラム当たりの
平方メートルで表わしたものである。
【0013】−第2磁性層− 第2磁性層は、主成分であるバリウムフェライトと後述
するバインダーと後述するその他の成分とを含有する。
前記第2磁性層としては、種々のバリウムフェライト用
いることができるが、本発明で用いることのできる好ま
しいBa−フェライト磁性粉としては、Ba−フェライ
ト粉の、Feの一部が少なくともCoおよびZnで置換
された平均粒径(六方晶系フェライトの板面の対角線の
高さ)400〜900Å、板状比(六方晶系フェライト
の板面の対角線の長さを板厚で除した値)2.0〜1
0.0、保磁力(Hc)450〜1500のBa−フェ
ライトを挙げることができる。
【0014】Ba−フェライト粉は、FeをCoで一部
置換することにより、保磁力が適正な値に制御されてお
り、さらにZnで一部置換することにより、Co置換の
みでは得られない高い飽和磁化を実現し、高い再生出力
を有する電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得ること
ができる。また、さらにFeの一部をNbで置換するこ
とにより、より高い再生出力を有する電磁変換特性に優
れた磁気記録媒体を得ることができる。また、本発明に
用いられるBa−フェライトは、さらにFeの一部がT
i、In、 Mn、Cu、Ge、Sn等の遷移金属で置換
されていても差支えない。
【0015】なお、本発明に使用するBa−フェライト
は次の一般式で表わされる。 BaO・n((Fe1-mm23 ) [ただし、m>0.36(但し、Co+Zn=0.08
〜0.3、Co/Zn=0.5〜10) であり、nは
5.4〜11.0であり、好ましくは5.4〜6.0で
あり、Mは置換金属を表わし、平均個数が3となる2種
以上の元素の組合せになる磁性粒子が好ましい。] 本発明において、Ba−フェライトの平均粒径、板状
比、保磁力が前記範囲内にあると好ましいとするその理
由は、次のようである。すなわち、平均粒径400Å未
満の場合は、磁気記録媒体としたときの再生出力が不十
分となり、逆に900Åを越えると、磁気記録媒体とし
たときの表面平滑性が著しく悪化し、ノイズレベルが高
くなりすぎることがあり、また、板状比が2.0未満で
は、磁気記録媒体としたときに高密度記録に適した垂直
配向率が得られず、逆に板状比が6.0を越えると磁気
記録媒体としたときの表面平滑性が著しく悪化し、ノイ
ズレベルが高くなりすぎ、さらに、保磁力が350 O
e未満の場合には、記録信号の保持が困難になり、20
00 Oeを越えると、ヘッド限界が飽和減少を起こし
記録が困難になることがあるからである。
【0016】本発明に用いられるバリウムフェライト磁
性粉は、磁気特性である飽和磁化量(σS )が通常、6
0emu/g以上であることが望ましい。この飽和磁化
量が60emu/g未満であると、電磁変換特性が劣化
することがあるからである。さらに本発明においては、
記録の高密度化に応じて、BET法による比表面積が4
5m2 /g以上のBa−フェライト磁性粉を用いること
が望ましい。本発明に用いられるBa−フェライトの好
ましい一具体例としては、Co−置換Baフェライト
[Hc: 1100 Oe、BET:45m2 /g、 σ
s : 64、 板状比:4]を挙げることができる。
【0017】本発明に用いられる六方晶系の磁性粉を製
造する方法としては、たとえば目的とするBa−フェラ
イトを形成するのに必要な各原素の酸化物、炭酸化物
を、たとえばホウ酸のようなガラス形成物質とともに溶
融し、得られた融液を急冷してガラスを形成し、ついで
このガラスを所定温度で熱処理して目的とするBa−フ
ェライトの結晶粉を析出させ、最後にガラス成分を熱処
理によって除去するという方法のガラス結晶化法の他、
共沈−焼成法、水熱合成法、フラックス法、アルコキシ
ド法、プラズマジェット法等が適用可能である。
【0018】−BET法− この比表面積ならびにその測定方法については、「粉体
の測定」(J.M.Dallavelle,ClyeorrJr. 共著、牟田その
他訳;産業図書社刊)に詳述されており、また「化学便
覧」応用編P1170〜1171(日本化学会編;丸善
( 株)昭和41年4月30日発行)にも記載されてい
る。比表面積の測定は、たとえば粉末を105℃前後で
13分間加熱処理しながら脱気して粉末に吸着されてい
るもの除去し、その後、この粉末を測定装置に導入して
窒素の初期圧力を0.5kg/m2 に設定し、窒素によ
り液体窒素温度(−105℃)で10分間測定を行な
う。測定装置はたとえばカウンターソープ(湯浅アイオ
ニクス( 株)製)を使用する。
【0019】−バインダー− 本発明に用いるバインダーとしては、例えば、ポリウレ
タン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体などの塩化
ビニル系樹脂などが代表的なものであり、これらの樹脂
は−SO3 M、−OSO3 M、−COOMおよび−PO
(OM12 から選ばれた少なくとも一種の極性基を有
する繰り返し単位を含むことが好ましい。
【0020】ただし、上記極性基において、Mは水素原
子あるいはNa、K、Li等のアルカリ金属を表わし、
またM1 は水素原子、Na、K、Li等のアルカリ原子
あるいはアルキル基を表わす。上記極性基は強磁性粉末
の分散性を向上させる作用があり、各樹脂中の含有率は
0.1〜8.0モル%、好ましくは0.5〜6.0モル
%である。この含有率が0.1モル%未満であると、強
磁性粉末の分散性が低下し、また含有率が8.0モル%
を超えると、磁性塗料がゲル化し易くなる。なお、前記
各樹脂の重量平均分子量は、15,000〜50,00
0の範囲が好ましい。
【0021】結合剤の磁性層における含有率は、強磁性
粉末100重量部に対して通常、10〜40重量部、好
ましくは15〜30重量部である。結合剤は一種単独に
限らず、二種以上を組み合わせて用いることができる
が、この場合、ポリウレタンおよび/またはポリエステ
ルと塩化ビニル系樹脂との比は、重量比で通常、90:1
0〜10:90であり、好ましくは70:30〜30:
70の範囲である。
【0022】本発明に結合剤として用いられる極性基含
有塩化ビニル系共重合体は、たとえば塩化ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体など、水酸基を有する共重合体と
下記の極性基および塩素原子を有する化合物との付加反
応により合成することができる。 Cl−CH2 CH2SO3M 、 Cl−CH2CH2OSO3M 、 Cl−CH2CO
OM 、Cl-CH2-P(=O)(OM1)2 これらの化合物からClCH2 CH2 SO3 Naを例に
とり、上記反応を説明すると、次のようになる。
【0023】−(CH2C(OH)H −+ ClCH2CH2SO3Na → -
CH2C(OCH2CH2SO3Na)H)- また、極性基含有塩化ビニル系共重合体は、極性基を含
む繰り返し単位が導入される不飽和結合を有する反応性
モノマーを所定量オートクレーブ等の反応容器に仕込
み、一般的な重合開始剤、たとえばBPO(ベンゾイル
パーオキシド)、AIBN(アゾビスイソブチロニトリ
ル)等のラジカル重合開始剤、レドックス重合開始剤、
カチオン重合開始剤などを用いて重合反応を行なうこと
により、得ることができる。
【0024】スルホン酸またはその塩を導入するための
反応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、
アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p−スチレ
ンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸およびこれ
らの塩を挙げることができる。カルボン酸もしくはその
塩を導入するときは、たとえば(メタ)アクリル酸やマ
レイン酸等を用い、リン酸もしくはその塩を導入すると
きは、たとえば(メタ)アクリル酸−2−リン酸エステ
ルを用いればよい。
【0025】塩化ビニル系共重合体にはエポキシ基が導
入されていることが好ましい。このようにすると、重合
体の熱安定性が向上するからである。エポキシ基を導入
する場合、エポキシ基を有する繰り返し単位の共重合体
中における含有率は、1〜30モル%が好ましく、1〜
20モル%がより好ましい。
【0026】エポキシ基を導入するためのモノマーとし
ては、たとえばグリシジルアクリレートが好ましい。な
お、塩化ビニル系共重合体への極性基の導入技術に関し
ては、特開昭57−44227号、同58−10805
2号、同59−8127号、同60−101161号、
同60−235814号、同60−238306号、同
60−238371号、同62−121923号、同6
2−146432号、同62−146433号等の公報
に記載があり、本発明においてもこれらを利用すること
ができる。
【0027】次に、本発明に用いるポリエステルとポリ
ウレタンの合成について述べる。一般に、ポリエステル
はポリオールと多塩基酸との反応により得られる。この
公知の方法を利用して、ポリオールと一部に極性基を有
する多塩基酸から、極性基を有するポリエステル(ポリ
オール)を合成することができる。極性基を有する多塩
基酸の例としては、5−スルホイソフタル酸、2−スル
ホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、3−スルホ
フタル酸、5−スルホイソフタル酸ジアルキル、2−ス
ルホイソフタル酸ジアルキル、4−スルホイソフタル酸
ジアルキル、3−スルホイソフタル酸ジアルキルおよび
これらのナトリウム塩、カリウム塩を挙げることができ
る。
【0028】ポリオ−ルの例としては、トリメチロ−ル
プロパン、ヘキサントリオ−ル、グリセリン、トリメチ
ロ−ルエタン、ネオペンチルグリコ−ル、ペンタエリス
リト−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等を挙げることができ
る。なお、他の極性基を導入したポリエステルも公知の
方法で合成することができる。
【0029】次に、ポリウレタンに付いて述べる。これ
は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応から得ら
れる。ポリオールとしては、一般にポリオールと多塩基
酸との反応によって得られるポリエステルポリオールが
使用されている。したがって、極性基を有するポリエス
テルポリオールを原料として利用すれば、極性基を有す
るポリウレタンを合成することができる。
【0030】ポリイソシアネートの例としては、ジフェ
ニルメタン−4−4′−ジイソシアネート(MDI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリレ
ンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート
(TODI)、リジンイソシアネートメチルエステル
(LDI)等が挙げられる。
【0031】また、極性基を有するポリウレタンの他の
合成方法として、水酸基を有するポリウレタンと極性基
および塩素原子を有する下記の化合物との付加反応も有
効である。 Cl−CH2 CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO2M、 Cl−CH2COOM
、Cl-CH2-P(=O)(OM1)2
【0032】なお、ポリウレタンへの極性基の導入技術
に関しては、特公昭58−41565号、特開昭57−
92422号、同57−92423号、同59−812
7号、同59−5423号、同59−5424号、同6
2−121923号等の公報に記載があり、本発明にお
いてもこれらを利用することができる。本発明において
は、結合剤として下記の樹脂を全結合剤の20重量%以
下の使用量で併用することができる。
【0033】その樹脂としては、重量平均分子量が1
0,000〜200,000である、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロー
ス等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴ
ム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、
メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、アク
リル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂などが挙げられる。
【0034】−その他の成分− 本発明では磁性層の品質の向上を図るため、耐久性向上
剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帶電防止剤および充填剤
などの添加剤をその他の成分として含有させることがで
きる。耐久性向上剤としては、ポリイソシアネートを挙
げることができ、ポリイソシアネートとしては、たとえ
ばトリレンジイソシアネート(TDI)等と活性水素化
合物との付加体などの芳香族ポリイソシアネートと、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HMDI)等と活性水
素化合物との付加体などの脂肪族ポリイソシアネートが
ある。なお、前記ポリイソシアネートの重量平均分子量
は、100〜3,000の範囲にあることが望ましい。
【0035】分散剤としては、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸などの炭素数12〜18の脂肪酸;
これらのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属の塩
あるいはこれらのアミド;ポリアルキレンオキサイドア
ルキルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオ
レフィンオキシ第四アンモニウム塩;カルボキシル基お
よびスルホン酸基を有するアゾ系化合物などを挙げるこ
とができる。
【0036】これらの分散剤は、通常、強磁性粉に対し
て0.5〜5重量%の範囲で用いられる。潤滑剤として
は、脂肪酸および/または脂肪酸エステルを使用するこ
とができる。この場合、脂肪酸の添加量は強磁性粉に対
し0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%が
より好ましい。
【0037】添加量が0.2重量%未満であると、走行
性が低下し易く、また10重量%を超えると、脂肪酸が
磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生じ易くな
る。また、脂肪酸エステルの添加量も強磁性粉に対して
0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がよ
り好ましい。その添加量が0.2重量%未満であると、
スチル耐久性が劣化し易く、また10重量%を超える
と、脂肪酸エステルが磁性層の表面にしみ出したり、出
力低下が生じ易くなる。
【0038】脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して潤滑
効果をより高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エステル
は重量比で10:90〜90:10が好ましい。脂肪酸
としては一塩基酸であっても二塩基酸であってもよく、
炭素数は6〜30が好ましく、12〜22の範囲がより
好ましい。脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カプ
リル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノレン
酸、オレイン酸、エライジン酸、ベヘン酸、マロン酸、
コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカ
ンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸などが挙げられ
る。
【0039】脂肪酸エステルの具体例としては、オレイ
ルオレート、イソセチルステアレート、ジオレイルマレ
ート、ブチルステアレート、ブチルパルミテート、ブチ
ルミリステート、オクチルミリステート、オクチルパル
ミテート、ペンチルステアレート、ペンチルパルミテー
ト、イソブチルオレエート、ステアリルステアレート、
ラウリルオレエート、オクチルオレエート、イソブチル
オレエート、エチルオレエート、イソトリデシルオレエ
ート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘ
キシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、イソ
プロピルミリステート、ブチルラウレート、セチル−2
−エチルヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジエチ
ルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシル
アジペート、オレイルステアレート、2−エチルヘキシ
ルミリステート、イソペンチルパルミテート、イソペン
チルステアレート、ジエチレングリコール−モノ−ブチ
ルエーテルパルミテート、ジエチレングリコール−モノ
−ブチルエーテルパルミテートなどが挙げられる。
【0040】また、上記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の
潤滑剤として、たとえばシリコーンオイル、グラファイ
ト、フッ化カーボン、二硫化モリブデン、二硫化タング
ステン、脂肪酸アミド、α−オレフィンオキサイドなど
も使用することができる。次に、研磨剤の具体例として
は、α−アルミ、溶融アルミナ、酸化クロム、酸化チタ
ン、α−酸化鉄、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タング
ステン、炭化モリブデン、炭化ホウ素、コランダム、酸
化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素
などが挙げられる。
【0041】研磨剤としては、平均粒子径が0.05〜
0.6μmのものが好ましく、0.1〜0.3μmのも
のがより好ましい。帯電防止剤としては、カーボンブラ
ック、グラファイト等の導電性粉末;第四級アミン等の
カチオン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン
酸エステル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活
性剤;アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン
等の天然界面活性剤などを挙げることができる。
【0042】上述した帯電防止剤は、通常、結合剤に対
して0.01〜40重量%の範囲で添加される。
【0043】−磁気記録媒体の製造− 本発明の磁気記録媒体は、磁性層の塗設をウエット−オ
ン−ウエット方式で塗設する以外は、その製造方法に特
に制限はなく、公知の単層または複数層構造型の磁気記
録媒体の製造に使用される方法に準じて製造することが
できる。たとえば、一般的には強磁性粉、結合剤、分散
剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等を溶媒中で混練およ
び分散して磁性塗料を調製した後、この磁性塗料を非磁
性支持体の表面に塗布する。
【0044】上記溶媒としては、たとえばアセトン、メ
チルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系;メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テ
トラヒドロフラン等の環状エーテル類;メチレンクロラ
イド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などを用
いることができる。磁性層形成成分の混練分散にあたっ
ては、各種の混練分散機を使用することができる。この
混練分散機としては、たとえば二本ロールミル、三本ロ
ールミル、ボールミル、ペブルミル、コボルミル、トロ
ンミル、サンドミル、サンドグラインダー、Sqegvariア
トライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミ
ル、高速度衝撃ミル、ディスパー、高速ミキサー、ホモ
ジナイザー、超音波分散機、オープンニーダー、連続ニ
ーダー、加圧ニーダー等が挙げられる。
【0045】上記混練分散機のうち、0.05〜0.5
KW(磁性粉1Kg当たり)の消費電力負荷を提供する
ことのできる混練分散機は、加圧ニーダー、オープンニ
ーダー、連続ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミ
ルである。非磁性支持体上に磁性層を塗布するには、本
発明の磁気記録媒体の製造に当たっては、特に効果の点
からウェット・オン・ウェット重層塗布方式による同時
重層塗布を行なうのがよい。
【0046】具体的には、図1に示すように、まず供給
ロール32から繰出されたフィルム状支持体1は、エク
ストルージョン方式の押し出しコーター10、11によ
り、磁性層2、4の各塗料をウェット・オン・ウェット
方式で重層塗布した後、配向用磁石または垂直配向用磁
石33を通過し、乾燥器34に導入され、ここで上下に
配したノズルから熱風を吹き付けて乾燥する。次に、乾
燥された各塗布層付きの支持体1はカレンダーロール3
8の組合せからなるスーパーカレンダー装置37に導か
れ、ここでカレンダー処理された後に、巻き取りロール
39に巻き取られる。このようにして得られた磁性フィ
ルムを所望幅のテープ状に裁断してたとえば8mmビデ
オテープを製造することができる。
【0047】上記の方法において、各塗料は、図示しな
いインラインミキサーを通して押し出しコーター10、
11へと供給してもよい。なお、図中、矢印Dは非磁性
ベースフィルムの搬送方向を示す。押し出しコーター1
0、11には夫々、液溜まり部13、14が設けられ、
各コーターからの塗料をウェット・オン・ウェット方式
で重ねる。即ち、下層磁性層用塗料の塗布直後(未乾燥
状態のとき)に上層磁性層塗料を重層塗布する。
【0048】上記塗料に配合される溶媒あるいはこの塗
料の塗布時の希釈溶媒としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールセ
ノアセテート等のエステル類;グリコールジメチルエー
テル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等のものが使
用できる。
【0049】これらの各種の溶媒は単独で使用すること
もできるし、またそれらの二種以上を併用することもで
きる。前記配向磁石あるいは垂直配向用磁石における磁
場は、20〜5,000ガウス程度であり、乾燥器によ
る乾燥温度は約30〜120℃であり、乾燥時間は約
0.1〜10分間程度である。
【0050】−ウエット−オン−ウエット重層塗布方式
− ウェット・オン・ウェット重層塗布方法は、リバースロ
ールと押し出しコーターとの組み合わせ、グラビアロー
ルと押し出しコーターとの組み合わせなども使用するこ
とができる。さらにはエアドクターコーター、ブレード
コーター、エアナイフコーター、スクィズコーター、含
浸コーター、トランスファロールコーター、キスコータ
ー、キャストコーター、スプレイコーター等を組み合わ
せることもできる。
【0051】このウェット・オン・ウェット方式におる
重層塗布においては、下層の磁性層が湿潤状態になった
ままで上層の磁性層を塗布するので、下層の表面(即
ち、上層と境界面)が滑らかになるとともに上層の表面
性が良好になり、かつ、上下層間の接着性も向上する。
この結果、特に高密度記録のために高出力、低ノイズの
要求されるたとえば磁気テープとしての要求性能を満た
したものとなりかつ、高耐久性の性能が要求されること
に対しても膜剥離をなくし、膜強度が向上し、耐久性が
十分となる。また、ウェット・オン・ウェット重層塗布
方式により、ドロップアウトも低減することができ、信
頼性も向上する。
【0052】−表面の平滑化− 次にカレンダリングにより表面平滑化処理が行なわれ
る。その後は、必要に応じてバーニッシュ処理またはブ
レード処理を行なってスリッティングされる。この際、
上記表面平滑化処理は、本発明の目的を達成するのに効
果的である。すなわち、前記したように本発明の必須要
件の一つに磁性層表面の粗さの条件があるが、この条件
を満たすためには、この表面平滑化処理が好ましい。
【0053】表面平滑化処理においては、カレンダー条
件として温度、線圧力、C/s(コーティングスピー
ド)等を挙げることができる。本発明の目的達成のため
には、通常、上記温度を50〜120℃、上記線圧力を
50〜400kg/cm、上記C/sを20〜600m
/分に保持することが好ましい。
【0054】これらの数値の範囲を外れると、磁性層の
表面状態を本発明の如く特定することが実施困難になる
か、あるいはそれが不可能になることがある。以上によ
り得られた磁性層の表面は、前記請求項1の発明におい
ては、積層された磁性層の光波干渉式三次元表面粗さ計
による二乗平均平方根(RMS)と光波干渉式三次元表
面粗さ計による中心線平均粗さ(Ra)との比(RMS
/Ra)が1.0〜1.5nm、好ましくは1.0〜
1。3nmであり、二乗平均平方根(RMS)が1.0
〜15nm、好ましくは1.0〜8nmであり、これら
の条件を満足することによって、本発明の磁気記録媒体
は、残留磁束密度Bm(Gauss)および(Y−C/
N)の値が優れるので、優れた電磁変換特性を有するこ
とができ、更に、磁性層表面が適度な粗さなのでテープ
ヘッドとの摩擦による過度の消耗を防止し、優れた走行
耐久性を有することができる。
【0055】また、前記請求項2の発明においては、第
2磁性層表面のうねり(A)が0.022μm以下、好
ましくは0.008〜0.022μm、さらに好ましく
は0.010〜0.015μm、非磁性支持体における
磁性層形成面の表面うねり(B)が0.020μm以
下、好ましくは0.008〜0.020μm、好ましく
は0.010〜0.015μmであり、これらの条件を
満足することによって、本発明の磁気記録媒体は、前記
請求項1で得られた効果、すなわち、残留磁束密度Bm
(Gauss)値および(Y−C/N)値の向上による
電磁変換特性の高性能化と適度な粗さを有することによ
る走行耐久性の向上に加えて、更に、RFエンベローブ
値の向上を達成できるので、高品質かつ高性能の磁気記
録媒体を得ることができるという技術的効果を奏するこ
とができる。
【0056】それに対し、上記条件のいずれかを欠いて
も本発明の効果を奏することはできない。なお、磁性層
の表面を上記の如く特定の粗さにするには、前述するよ
うに特にカレンダーの条件を調整すればよい。このよう
にして得られる本発明の磁気記録媒体は、支持体の上に
下層である第1磁性層と上層である第2磁性層とが積層
され、支持体の裏面にはバックコート層が形成され、高
い電磁変換特性と高い走行耐久性を有することから8ミ
リ、ビデオテープとして好適に用いることができる。
【0057】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。以下に示
す成分、割合、操作順序は本発明の範囲から逸脱しない
範囲において種々変更しうる。なお、下記の実施例にお
いて「部」はすべて重量部である。
【0058】(実施例1) [第1磁性層用磁性塗料] コバルト含有酸化鉄(詳細は表1に示した) 100部 塩化ビニル樹脂 (表1) スルホン酸変性ポリウレタン樹脂 (表1) (東洋紡績(株)製、UR8700、メチルエチルケトン/トルエンの固形分 30%溶液) カ−ボンブラック 1部 メチルエチルケトン 適量 トルエン 適量 上記組成物を加圧ニ−ダ−で1時間混練し、下記組成物
で希釈した。
【0059】 (希釈溶液) シクロヘキサノン 適量* メチルエチルケトン 適量* トルエン 適量* ミリスチン酸 1部 ステアリン酸 1部 脂肪酸エステル 1部 これを撹拌、分散後、ポリイソシアネート5.0部を加
え、第1磁性層用塗料とした。
【0060】適量*とは、各磁性塗料の調整に際し、磁
性粉100部に対してメチルエチルケトン、トルエン、
シクロヘキサノンを最終的に各100部づつ、混練、分
散の様子を見ながら添加した。
【0061】 [第2磁性層用磁性塗料] バリウムフェライト磁性粉(詳細は表2に示した) 100部 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン:MR110) (表1) スルホン酸変性ポリウレタン樹脂 (表1) (東洋紡績(株)製、UR8700、メチルエチルケトン/トルエンの固形分 30%溶液) カ−ボンブラック 1部 研磨剤(詳細は表2に示した) 5部 リン酸エステル(東邦化学工業社製:RE610) 2部 メチルエチルケトン 適量 トルエン 適量 上記組成物を加圧ニーダーで1時間混練し、前記希釈液
で希釈し、これを撹拌、分散後、ポリイソシアネートを
5部加え、第2磁性層用磁性塗料とした。
【0062】次に、これらの磁性塗料を用いて、ウェッ
ト・オン・ウェット方式により、厚さ7.5μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に塗布したのち、塗
膜が未乾燥であるうちに磁場配向処理を行ない、続いて
乾燥を施してから、カレンダーで表面平滑化処理を行な
い、乾燥膜厚等が表1および表2のようになるよう塗設
し、さらに、この磁性層とは反対側の上記ポリエチレン
フタレートフィルムの面(裏面)に下記の組成を有する
塗料を塗布し、この塗膜を乾燥し、後述するカレンダー
条件にしたがってカレンダー加工をすることによって、
乾燥膜厚0.5μmのバックコート層を形成し、これを
8mm幅に断裁しビデオテープを製造した。
【0063】 [バックコート層] カーボンブラック(平均粒径26μm) 40部 (ラベン1035) 硫酸バリウム(平均粒径300μm) 10部 ニトロセルロース 25部 ポリウレタン系樹脂 25部 (日本ポリウレタン(株)製、N−2301) ポリイソシアネ−ト化合物 10部 (日本ポリウレタン(株)製、コロネ−トL) シクロヘキサノン 400部 メチルエチルケトン 250部 トルエン 250部 こうして得られた原反をスリットして8mmビデオ用磁
気記録用テープを作成した。
【0064】この磁気記録テープの電磁変換特性(Y−
out 、Y−C/N)、表面の二乗平均粗さ(RM
S)、表面の二乗平均平方根(RMS)と中心線平均粗
さ(RMS/Ra)との比(RMS/Ra)及び残留磁
束密度(Bm)を下記の要領で測定した。その結果を表
2に示す。
【0065】<Y−out、Y−C/N>;Generator
(Hewlett Packard社製、HP3325A )の入力値を入出力特
性で求めた値(Iy-ORC) にセットする。なお、Generato
r (Hewlett Packard社製、HP3325A)の周波数を7MH
zに設定し、再生出力が最大となる入力値をIy-ORCとし
た。次いで、ソニー製デッキ(EV-V900)にテープをセッ
トし、録画部分を再生する。TAKEDA RIKEN製のスペクト
ルアナライザーを以下の条件に設定し、ピーク値をY−
OUT、ピーク値とピーク値から1MHzを引いたノイ
ズレベルとの差をY−C/Nとして読み取った。 スペクトルアナライザーの設定条件 Center 7MHz Span 2.5MHz Swp Time 600ms RBW 10kHz VBW 1kHz Ref Level 10dBm Log 10dB/div. <二乗平均粗さ(RMS)>光波干渉式三次元表面粗さ
計で測定される平面と原信号座標の偏差の二乗平均平方
根である。
【0066】<中心線平均(Ra)>光波干渉式三次元
表面粗さ計で測定された全点の相加平均を算出し、その
平均レベルを中心面とし、全点と中心面の平均偏差を、
中心線平均粗さと定義する。なお、光波干渉式三次元表
面粗さ計(WYKO社製、Topo3D)で測定する条件は以下の
通りである。 測定条件 レンズ ×40 測定範囲 0.256×0.256 作動距離 4 視野深度 2.25 最大表面高さ 2.25 空間サンプリング間隔 1 <残留磁束密度(Bm)>東英工業(株)[VSM]を
使用し、測定磁場10kOёにおける飽和磁束密度(B
m)を測定した。
【0067】本実施例では、残留磁束密度Bmが200
0(Gauss)で、表面の二乗平均平方根粗さ(RM
S)と中心線平均粗さ(RMS/Ra)との比(RMS
/Ra)が1.0であるという特性をもつ、周波数特性
と走行性に優れた磁気記録テープが得られた。
【0068】(実施例2〜3)実施例2および3は、第
2磁性層用塗料の組成において、塩化ビニル樹脂とポリ
ウレタン樹脂を表2に示すように変更した以外は実施例
1と同じようにして磁気記録テ−プを製造し、諸特性を
測定した。その結果を表3および表4に示す。実施例2
では、第2磁性層用塗料の組成において、塩化ビニル樹
脂およびポリウレタン樹脂を5部ずつ加えたことによ
り、表面粗さの度合いがやや低くり、実施例1に比べ
て、Y−C/Nおよび残留磁束密度Bmが向上した。実
施例3では、第2磁性層用塗料の組成において、塩化ビ
ニル樹脂およポリウレタン樹脂を、それぞれ、3、7部
ずつ加えたことにより、表面粗さの度合いがや低くな
り、実施例1に比べて、Y−out、Y−C/Nおよび
残留磁束密度Bmが向した。
【0069】(実施例4)第1磁性層用塗料の組成にお
いて、(FeOx)x 、Hc(Oe)、BET(m2/g) ,塩化ビニル樹
脂およびポリウレタン樹脂を、第2磁性層用塗料の組成
において、Hc(Oe)、BET(m2/g)、塩化ビニル樹脂およびポ
リウレタン樹脂を、表1および表2に示したように変更
した以外は実施例1と同じようにして磁気記録テープを
製造し、諸特性を測定した。その結果を表3および表4
に示す。実施例4では、上記のような組成を有すること
により、表面粗さの度合いが低くなり、実施例1に比べ
て、Y−out、特にY−C/Nおよび残留磁束密度B
mが大幅に向上した。
【0070】(実施例5〜6)実施例5および6は、第
1磁性層用塗料の組成において、塩化ビニル樹脂および
ポリウレタン樹脂を、表1に示したように変更した以外
は実施例1と同じようにして磁気記録テープを製造し、
諸特性を測定した。その結果を表3および表4に示す。
実施例5では、第1磁性層用塗料の組成において、塩化
ビニル樹脂およびポリウレタン樹脂を、それぞれ、8部
ずつ加えたことにより、表面粗さの度合いがやや低く、
実施例1に比べて、Y−out、Y−C/Nおよび残留
磁束密度Bmが向上した。実施例6では、第1磁性層用
塗料の組成において、塩化ビニル樹脂およポリウレタン
樹脂を、それぞれ、10、6部加えたことにより、表面
粗さの度合いがや低くなり、実施例1に比べて、Y−C
/Nがやや向上した。
【0071】(実施例7)第2磁性層用塗料の組成にお
いて、研磨剤だけををCr2O3 に変更し、実施例1と同じ
ようにして磁気記録テープを製造し、諸特性を測定し
た。その結果を表3および表4に示す。実施例7では、
上記のような組成を有することにより、表面粗さの度合
いが低くなり、実施例1に比べて、Y−C/Nおよび残
留磁束密度Bmが向上した。
【0072】(実施例8)実施例7において、表1に示
したように、第2磁性層用塗料の構成において、分散時
間を3時間に変更した以外は実施例7と同じようにして
磁気記録テープを製造し、この磁気記録テ−プの磁性層
の表面うねり(A)および非磁性支持体の磁性層形成面
の表面うねり(B)及びRFエンベロープ(%)を下記
の要領で測定した。
【0073】<磁性層の表面うねり(A)および非磁性
支持体の磁性層形成面の表面うねり(B)>タリーステ
ップ表面粗さ計(テイラーホブソン社製)を使用し、以
下の測定条件でろ波中心線平均うねりを求めた。測定長
を1mm、触針速度を0.1mm/秒、カットオフを2
Hzとした。 <RFエンベローブ>各ビデオテープを8ミリビデオデ
ッキ(ソニー(株)製、S−550)に装填して走行さ
せ、オシロスコープ[(株)日立製作所製]にRFエン
ベローブを映し出す。そのオシロスコープ画面を写真に
撮り、エンベロープの最大値および最小値を読み、その
比率を調べた。
【0074】ここで得られた磁気記録テープは前記磁性
層の表面うねり(A)が0.012(≦0.022)、
前記非磁性支持体の磁性層形成面の表面うねり(B)が
0.010(≦0.020)であり、このとき、RFエ
ンベローブが良好な値を示した。
【0075】(実施例9〜10)実施例9、10は、第
1磁性層用塗料および第2磁性層用塗料の構成におい
て、乾燥膜厚を表1および表2に示したように変更した
以外は実施例8と同じようにして磁気記録テープを製造
し、諸特性を測定した。その結果を表3および表4に示
す。ここで得られた磁気記録テープは、実施例9におい
ては、前記磁性層の表面うねり(A)が0.018(≦
0.022)、前記非磁性支持体の磁性層形成面の表面
うねり(B)が0.020(≦0.020)であり、こ
のとき、RFエンベローブが良好な値を示し、また、実
施例10においては、前記磁性層の表面うねり(A)が
0.008(≦0.022)、前記非磁性支持体の磁性
層形成面の表面うねり(B)が0.015(≦0.02
0)であり、このとき、RFエンベローブが良好な値を
示した。
【0076】(比較例1)第2磁性層塗料の組成で、塩
化ビニル樹脂を含まず、ポリウレタン樹脂含有量を10
部加える以外は実施例1と同じようにして磁気記録テー
プを製造し、諸特性を測定した。その結果を表および表
4に示す。比較例1では、第2磁性層用塗料の構成にお
いて、塩化ビニル樹脂を加えず、ポリウレタン樹脂のみ
を10部加えたことにより、表面の二乗平均粗さ(RM
S)が17倍に高くなり、実施例1に比べて、Y−C/
Nおよび残留磁束密度Bmが大幅に低下した。
【0077】(比較例2)第2磁性層塗料の構成におい
て、分散時間を1時間に変更した以外は実施例7と同じ
ようにして磁気記録テープを製造し、諸特性を測定し
た。その結果を表2に示す。分散時間を1時間長くした
結果、実施例7に比べ、表面平滑度がかなり悪くなり、
Y−out、Y−C/Nおよび残留磁束密度Bmが大幅
に低下した。また、この表面粗さは、実施例1に比べ
て、RMSが12倍に、RMS/Raも少し高い値にな
った。
【0078】(比較例3)第2磁性層塗料の構成におい
て、分散時間を4時間に変更した以外は実施例8と同じ
ようにして磁気記録テープを製造し、諸特性を測定し
た。その結果を表2に示す。実施例8よりも1時間だけ
第2磁性層における分散時間を長くすると本例のよう
に、前記磁性層の表面うねり(A)が0.026(≧
0.022)、前記非磁性支持体の磁性層形成面の表面
うねり(B)が0.010(≦0.020)となり、こ
のとき、RFエンベローブが低い値を示した。
【0079】(比較例4)第2磁性層塗料の構成におい
て、分散時間を4時間に変更し、乾燥膜厚を1.0μm
に変更した以外は実施例8と同じようにして磁気記録テ
ープを製造し、諸特性を測定した。その結果を表3およ
び表4に示す。実施例9、10よりも第2磁性層におけ
る乾燥膜厚を厚く(1μm以上)すると本例のように、
前記磁性層の表面うねり(A)が0.022(≧0.0
22)、前記非磁性支持体の磁性層形成面の表面うねり
(B)が0.026(≧0.020)となり、このと
き、RFエンベローブが低い値を示した。
【0080】(比較例5)第2磁性層塗料の構成におい
て、分散時間を4時間に変更し、乾燥膜厚を0.1μm
に変更した以外は実施例8と同じようにして磁気記録テ
ープを製造し、諸特性を測定した。その結果を表3およ
び表4に示す。実施例9、10よりも第2磁性層におけ
る乾燥膜厚を薄く(0.1μm以下)すると本例のよう
に、前記磁性層の表面うねり(A)が0.048(≧
0.022)、前記非磁性支持体の磁性層形成面の表面
うねり(B)が0.010(≦0.020)となり、こ
のとき、RFエンベローブが低い値を示した。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【発明の効果】本発明により、ビデオ特性とクロマ/オ
ーディオ特性のバランスが取れて電磁変換特性が顕著に
向上しているとともに走行耐久性の向上した磁気記録媒
体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹田 克之 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分としてコバルト含有酸化鉄系磁性
    粉を含有する第1磁性層と、主成分としてバリウムフェ
    ライト磁性粉を含有する第2磁性層とが、この順に非磁
    性支持体上に湿潤状態で塗設され、第2磁性層の光波干
    渉式三次元表面粗さ計による二乗平均平方根(RMS)
    が1.0〜15nmであり、前記二乗平均平方根(RM
    S)と光波干渉式三次元表面粗さ計による中心線平均粗
    さ(Ra)との比(RMS/Ra)が1.0〜1.5で
    あることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記第2磁性層表面のうねり(A)と前
    記非磁性支持体における磁性層形成面の表面うねり
    (B)とが、それぞれ、 (A)≦0.022μm、 (B)≦0.020μm の条件を満たす前記請求項1に記載の磁気記録媒体。
JP25888791A 1991-10-07 1991-10-07 磁気記録媒体 Withdrawn JPH0620260A (ja)

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JP (1) JPH0620260A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000011352A (ja) * 1998-06-22 2000-01-14 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体
JP2007177936A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Ntn Corp スラスト受け機構
KR20170008841A (ko) 2014-07-03 2017-01-24 후지쯔 콤포넌트 가부시끼가이샤 전자기 릴레이

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