JPH05242456A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH05242456A
JPH05242456A JP4044018A JP4401892A JPH05242456A JP H05242456 A JPH05242456 A JP H05242456A JP 4044018 A JP4044018 A JP 4044018A JP 4401892 A JP4401892 A JP 4401892A JP H05242456 A JPH05242456 A JP H05242456A
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JP
Japan
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magnetic
layer
recording medium
acid
fine powder
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Withdrawn
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JP4044018A
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English (en)
Inventor
Yuji Shimizu
雄二 清水
Katsuyuki Takeda
克之 竹田
Yasumasa Mizoguchi
康正 溝口
Yasuo Ando
康夫 安藤
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、高域特性に優れ、しかも
信号の重ね書き(オーバライト)特性および耐候性(耐
腐食性)にも優れた磁気記録媒体を提供することであ
る。 【構成】 非磁性支持体上に複合層を有してなり、前記
複合層は、六方晶系フェライト粉を含有する磁性層から
なる最上層と、前記磁性層に接するところの下部層とか
らなり、前記下部層が、平均粒子径が200nm以下で
あるところの、(MnO)x (ZnO)y (Fe2
3z 微粉末または(NiO)a (ZnO)b (Fe2
3c と、結合剤とを含有してなることを特徴として
なる磁気記録媒体。 【効果】 この発明によると、高域特性に優れ、しかも
信号の重ね書き(オーバライト)特性および耐候性(耐
腐食性)にも優れた磁気記録媒体を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は磁気記録媒体に関し、
さらに詳しくは、高域特性に優れ、しかも信号の重ね書
き(オーバーライト)特性および耐候性(耐腐食性)に
も良好な磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来の磁
気記録媒体は、強磁性粉を含有する磁性層を、非磁性支
持体上に形成しているが、板状の六方晶フェライト系の
強磁性粉末を用いた磁気記録媒体では短波長の高周波側
の出力が高くなると言われている(特開昭57−195
329号、特開昭60−223018号公報参照)。ま
た、下層に針状強磁性粉末を含む磁性層を有し、上層に
六方晶系強磁性粉を含有する磁気記録媒体(特開平63
−128324号公報等)もある。さらに、下層に非磁
性粉末を含む層を設け、上層に強磁性粉末を含んだ磁気
記録媒体の提案もある(特開昭63−187418号公
報参照)。
【0003】しかしながら、単に六方晶フェライト系の
磁気記録媒体では、高域、特に高密度記録(デジタル記
録)においては、まだ十分な特性の向上は困難であり、
また下層に非磁性層を設けた場合でも高域での十分な特
性向上は見込まれていない。一方、下層に磁性層を設け
ると、下層の残留磁化により再生時に、再生信号の波形
の歪みが起こる(波形間干渉)。その結果、出力ピーク
値の低下とピーク位置のずれが生じ、エラーレート等の
増加が発生する。
【0004】またさらに、下層に残留磁化が存在すると
再記録する信号が記録されにくくなる、所謂オーバーラ
イト特性の劣化が発生する。高密度記録(デジタル記
録)用に蒸着テープ等が有望とされているが、耐腐食性
等における特性が悪いので実用には問題を生じる可能性
がある。この発明の目的は、高域特性に優れ、しかも信
号の重ね書き(オーバーライト)特性および耐候性(耐
腐食性)にも良好な磁気記録媒体を提供することにあ
る。
【0005】
【前記課題を解決するための手段】前記目的を達成する
ための請求項1に記載の発明は、非磁性支持体上に複合
層を有してなり、前記複合層は、六方晶系フェライト粉
を含有する磁性層からなる最上層と、前記磁性層に接す
るところの下部層とからなり、前記下部層が、200n
m以下の平均粒子径を有する微粉末と結合剤とを含有
し、 前記微粉末が、(MnO)x (ZnO)y (Fe2
3z (ただし、x、y、zは、三成分組成図において、 連立方程式(1)z=0.7、z=1−x−y、 連立方程式(2)z=0.923x−10.615y、
z=1−x−yおよび 連立方程式(3)z=0.111x−1.326y、z
=1−x−y で示される直線により囲まれる範囲内の値である。)ま
たは、 (NiO)a (ZnO)b (Fe23c (ただし、a、b、cは、三成分組成図において、 連立方程式(4)c=2.333a−4.333b、c
=1−a−b、 連立方程式(5)c=a+0.111b、c=1−a−
bおよび 連立方程式(6)c=2.333a+4b、c=1−a
−b で示される直線により囲まれる範囲内の値である。)の
少なくとも一種であることを特徴としてなる磁気記録媒
体であり、請求項2に記載の発明は、前記微粉末が、M
nイオン、ZnイオンおよびNiイオンからなる群から
選択される少なくとも一種の金属イオンとFe(III )
イオンとを含有してなる強アルカリ性懸濁液を、水熱処
理することにより生成されてなる前記請求項1に記載の
磁気記録媒体であり、請求項3に記載の発明は、前記微
粉末が、ガラス結晶化法により生成されてなる前記請求
項1に記載の磁気記録媒体である。
【0006】以下にこの発明の磁気記録媒体について詳
述する。この発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の上
に複合層が形成されており、この複合層は、磁性層から
なる最上層と、この磁性層に接するところの下部層とか
らなる。この発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上
に、前記下部層および前記最上層を、この順に積層して
なる。
【0007】−非磁性支持体− 非磁性支持体を形成する材料としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダ
イアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリ
カーボネート等のプラスチック等を挙げることができ
る。
【0008】非磁性支持体の形態には特に制限はなく、
その具体例としては、テープ状、フィルム状、シート
状、カード状、ディスク状、ドラム状等を挙げることが
できる。非磁性支持体の厚みには特に制約はないが、例
えば、フィルム状やシート状の場合は通常3〜100μ
m、好ましくは5〜50μmであり、ディスクやカード
状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の場合は
レコーダー等に応じて適宜に選択される。
【0009】なお、この非磁性支持体は単層構造であっ
ても多層構造であってもよい。また、この非磁性支持体
は、例えばコロナ放電処理等の表面処理が施されていて
もよい。なお、非磁性支持体上の上記磁性層が設けられ
ていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向
上、帯電防止および転写防止などを目的として、バック
コート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性支
持体との間には、下引き層を設けることもできる。
【0010】−最上層の磁性層− 最上層の磁性層は、六方晶系フェライト粉を含有する。
さらに、最上層の磁性層は、後述する結合剤と、後述す
るその他の成分とを含有してもよい。本発明に用いられ
る好ましい六方晶系フェライト粉としては、Ba−フェ
ライト粉の、Feの一部が少なくともCoおよびZnで
置換された平均粒子径(六方晶系フェライトの板面の対
角線の高さ)400〜900Å、板状比(六方晶系フェ
ライトの板面の対角線の長さを板厚で除した値)2.0
〜10.0、保磁力(Hc)450〜1500のBa−
フェライトを挙げることができる。
【0011】Ba−フェライトは、FeをCoで一部置
換することにより、保磁力が適正な値に制御されてお
り、さらにZnで一部置換することにより、Co置換の
みでは得られない高い飽和磁化を実現し、高い再生出力
を有する電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得ること
ができる。また、さらにFeの一部をNbで置換するこ
とにより、より高い再生出力を有する電磁変換特性に優
れた磁気記録媒体を得ることができる。また、本発明に
用いられるBa−フェライトは、さらにFeの一部がT
i、In、 Mn、Cu、Ge、Sn等の遷移金属で置換
されていても差支えない。
【0012】なお、この発明に使用するBa−フェライ
トは次の一般式で表わされる。 BaO・n((Fe1-mm23 ) {但し、m>0.36(但し、Co+Zn=0.08〜
0.3、Co/Zn=0.5〜10) であり、nは5.
4〜11.0であり、好ましくは5.4〜6.0であ
り、Mは置換金属を表わし、平均個数が3となる2種以
上の元素の組合せになる磁性粒子が好ましい。}この発
明において、Ba−フェライトの平均粒子径、板状比、
保磁力が前記範囲内にあると好ましいとするその理由
は、下記のとおりである。すなわち、平均粒子径400
Å未満の場合は、磁気記録媒体としたときの再生出力が
不十分となり、逆に900Åを越えると、磁気記録媒体
としたときの表面平滑性が著しく悪化し、ノイズレベル
が高くなりすぎることがあり、また、板状比が2.0未
満では、磁気記録媒体としたときに高密度記録に適した
垂直配向率が得られず、逆に板状比が6.0を越えると
磁気記録媒体としたときの表面平滑性が著しく悪化し、
ノイズレベルが高くなりすぎ、さらに、保磁力が350
Oe未満の場合には、記録信号の保持が困難になり、
2000 Oeを越えると、ヘッド限界が飽和減少を起
こし記録が困難になることがあるからである。
【0013】この発明に用いられるBa−フェライト
は、磁気特性である飽和磁化量(σS)が通常、50e
mu/g以上であることが望ましい。この飽和磁化量が
50emu/g未満であると、電磁変換特性が劣化する
ことがあるからである。さらにこの発明においては、記
録の高密度化に応じて、BET法による比表面積が30
2 /g以上のBa−フェライトを用いることが望まし
い。
【0014】この発明に用いられる六方晶系フェライト
粉を製造する方法としては、例えば、水熱合成法、ガラ
ス結晶化法、共沈−焼成法、フラックス法、アルコキシ
ド法、プラズマジェット法等が適用可能である。その中
でも、特に、水熱合成法、ガラス結晶化法等が好まし
い。水熱合成法としては、例えば、Mnイオン、Znイ
オンおよびNiイオンからなる群から選択される少なく
とも一種の金属イオンとFe(III )イオンとを含有し
てなる強アルカリ性懸濁液を水熱処理する方法等を挙げ
ることができる。
【0015】ガラス結晶化法としては、例えば、目的と
するBa−フェライトを形成するのに必要な各元素の酸
化物、炭酸化物を、例えばホウ酸のようなガラス形成物
質とともに溶融し、得られた融液を急冷してガラスを形
成し、次いでこのガラスを所定温度で熱処理して目的と
するBa−フェライトの結晶粉を析出させ、最後にガラ
ス成分を熱処理によって除去する方法等を挙げることが
できる。
【0016】この発明においては、前記六方晶系フェラ
イト粉の、最上層の磁性層中の含有量は、通常50〜9
量%であり、好ましくは60〜99重量%である。
最上層の磁性層の層厚は、通常1.0μm以下であり、
好ましくは0.8μm以下である。
【0017】−下部層− この発明の下部層は、平均粒子径が200nm以下であ
るところの、 (MnO)x (ZnO)y (Fe23z 微粉末 (ただし、x、y、zは、三成分組成図において、 連立方程式(1)z=0.7、z=1−x−y、 連立方程式(2)z=0.923x−10.615y、
z=1−x−yおよび 連立方程式(3)z=0.111x−1.326y、z
=1−x−y で示される直線により囲まれる範囲内の値である。)ま
たは (NiO)a (ZnO)b (Fe23c (ただし、a、b、cは、三成分組成図において、 連立方程式(4)c=2.333a−4.333b、c
=1−a−b、 連立方程式(5)c=a+0.111b、c=1−a−
bおよび 連立方程式(6)c=2.333a+4b、c=1−a
−b で示される直線により囲まれる範囲内の値である。)の
少なくとも一種の微粉末と結合剤とを含有してなる。さ
らには、前記下部層は、後述する非磁性粉、後述するそ
の他の成分を含有してもよい。
【0018】前記(MnO)x (ZnO)y (Fe2
3z 微粉末としては、そのx、y、zの値が、図1に
示されるMnO−ZnO−Fe23 系三成分組成図に
おいて、連立方程式(1)を満たす直線1と、連立方程
式(2)を満たす直線2と、連立方程式(3)を満たす
直線3とに囲まれる範囲内の値であるものが好ましい。
前記(NiO)a (ZnO)b (Fe23c 微粉末
としては、そのa、b、cの値が、図2に示されるNi
O−ZnO−Fe23 系三成分組成図において、連立
方程式(4)を満たす直線4と、連立方程式(5)を満
たす直線5と、連立方程式(6)を満たす直線6とに囲
まれる範囲内の値であるものが好ましい。
【0019】前記微粉末の平均粒子径は、通常200n
m以下が好ましく、特に100nm以下であるのが好ま
しい。微粉末の平均粒子径が200nmより大きい場合
には、表面性が劣化し、十分な電磁変換特性が得られな
い。前記微粉末としては、その保磁力Hcが、0<Hc
≦1.0×104 (A/m)であるのが好ましく、特に
0<Hc≦5.0×103 (A/m)であるのが好まし
い。微粉末の保磁力が前記範囲内にあると、最上層の磁
化領域の安定化の効果が発揮される。保磁力が前記範囲
を超えると、磁性材料としての特性が発現することによ
り所望の特性が得られなくなることがあるので好ましく
ない。したがって、この発明においては、前記微粉末と
して、前記保磁力の範囲内にある材料を適宜に選択する
のが好ましい。
【0020】また、前記微粉末は、その一種を単独で使
用することもできるし、また、その二種以上を併用する
こともできる。この発明における微粉末は、ボールミル
やその他の粉砕装置を用いて生成してもよい。また、微
粉末は、例えば、ガラス結晶化法、共沈焼成法、水熱合
成法、フラックス法、アルコキシド法、プラズマジェッ
ト法等により生成してもよい。
【0021】本発明の下層においては、前記微粉末の含
有量は、通常10〜100重量%、好ましくは50〜1
00重量%、さらに好ましくは60〜100重量%であ
る。微粉末の含有量が前記範囲内にあると、最上層の磁
化の安定化の効果が十分に得られる。また、微粉末の含
有量が50重量%未満であると、微粉末としての効果が
得られなくなることがあるので好ましくない。
【0022】−結合剤ー この発明に用いる結合剤としては、例えば、ポリウレタ
ン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化ビニ
ル系樹脂等が代表的なものであり、これらの樹脂は−S
3 M、−OSO3 M、−COOMおよび−PO(OM
12 から選ばれた少なくとも一種の極性基を有する繰
り返し単位を含むことが好ましい。ただし、上記極性基
において、Mは水素原子あるいはNa、K、Li等のア
ルカリ金属を表わし、またM1 は水素原子、Na、K、
Li等のアルカリ原子あるいはアルキル基を表わす。
【0023】上記極性基は、磁性層における六方晶系フ
ェライト粉および下部層における微粉末の分散性を向上
させる作用があり、各樹脂中の含有率は0.1〜8.0
モル%、好ましくは0.5〜6.0モル%である。この
含有率が0.1モル%未満であると、磁性層における六
方晶系フェライト粉および下部層おける微粉末の分散性
が低下し、また、含有率が8.0モル%を超えると、磁
性塗料および下部層用塗料がゲル化しやすくなる。な
お、前記各樹脂の重量平均分子量は、15,000〜5
0,000の範囲が好ましい。
【0024】結合剤の、磁性層または下部層におけるそ
れぞれの含有率は、六方晶系フェライト粉または下層の
微粉末100重量部に対して、通常10〜40重量部、
好ましくは15〜30重量部である。結合剤は一種単独
に限らず、二種以上を組み合わせて用いることができる
が、この場合、ポリウレタンおよび/またはポリエステ
ルと塩化ビニル系樹脂との比は、重量比で通常、90:1
0〜10:90であり、好ましくは70:30〜30:
70の範囲である。
【0025】この発明において結合剤として用いられる
極性基含有塩化ビニル系共重合体は、例えば、塩化ビニ
ル−ビニルアルコール共重合体など、水酸基を有する共
重合体と下記の極性基および塩素原子を有する化合物と
の付加反応により合成することができる。 Cl−CH2CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO3M、 Cl−CH2COOM 、
Cl-CH2-P(=O)(OM1)2 これらの化合物から Cl-CH2CH2SO3Na を例にとり、上記
反応を説明すると、次のようになる。 −CH2C(OH)H −+ ClCH2CH2SO3Na→− CH2C(OCH2CH2SO3
Na)H−。
【0026】また、極性基含有塩化ビニル系共重合体
は、極性基を含む繰り返し単位が導入される不飽和結合
を有する反応性モノマーを所定量オートクレーブ等の反
応容器に仕込み、一般的な重合開始剤、例えばBPO
(ベンゾイルパーオキシド)、AIBN(アゾビスイソ
ブチロニトリル)等のラジカル重合開始剤、レドックス
重合開始剤、カチオン重合開始剤などを用いて重合反応
を行なうことにより、得ることができる。
【0027】スルホン酸又はその塩を導入するための反
応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p−スチレン
スルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの
塩を挙げることができる。カルボン酸もしくはその塩を
導入するときは、例えば(メタ)アクリル酸やマレイン
酸等を用い、リン酸もしくはその塩を導入するときは、
例えば(メタ)アクリル酸−2−リン酸エステルを用い
ればよい。
【0028】塩化ビニル系共重合体にはエポキシ基が導
入されていることが好ましい。このようにすると、重合
体の熱安定性が向上するからである。エポキシ基を導入
する場合、エポキシ基を有する繰り返し単位の共重合体
中における含有率は、1〜30モル%が好ましく、1〜
20モル%がより好ましい。エポキシ基を導入するため
のモノマーとしては、例えばグリシジルアクリレートが
好ましい。
【0029】なお、塩化ビニル系共重合体への極性基の
導入技術に関しては、特開昭57−44227号、同5
8−108052号、同59−8127号、同60−1
01161号、同60−235814号、同60−23
8306号、同60−238371号、同62−121
923号、同62−146432号、同62−1464
33号等の公報に記載があり、この発明においてもこれ
らを利用することができる。
【0030】次に、この発明に用いるポリエステルとポ
リウレタンの合成について述べる。一般に、ポリエステ
ルはポリオールと多塩基酸との反応により得られる。こ
の公知の方法を用いて、ポリオールと一部に極性基を有
する多塩基酸から、極性基を有するポリエステル(ポリ
オール)を合成することができる。
【0031】極性基を有する多塩基酸の例としては、5
−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−
スルホイソフタル酸、3−スルホフタル酸、5−スルホ
イソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタル酸ジア
ルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、3−スル
ホイソフタル酸ジアルキルおよびこれらのナトリウム
塩、カリウム塩を挙げることができる。
【0032】ポリオ−ルの例としては、トリメチロ−ル
プロパン、ヘキサントリオ−ル、グリセリン、トリメチ
ロ−ルエタン、ネオペンチルグリコ−ル、ペンタエリス
リト−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等を挙げることができ
る。なお、他の極性基を導入したポリエステルも公知の
方法で合成することができる。
【0033】次に、ポリウレタンに付いて述べる。これ
は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応から得ら
れる。ポリオールとしては、一般にポリオールと多塩基
酸との反応によって得られるポリエステルポリオールが
使用されている。したがって、極性基を有するポリエス
テルポリオールを原料として用いれば、極性基を有する
ポリウレタンを合成することができる。
【0034】ポリイソシアネートの例としては、ジフェ
ニルメタン−4−4′−ジイソシアネート(MDI)、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリレ
ンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート
(TODI)、リジンイソシアネートメチルエステル
(LDI)等が挙げられる。
【0035】また、極性基を有するポリウレタンの他の
合成方法として、水酸基を有するポリウレタンと極性基
および塩素原子を有する下記の化合物との付加反応も有
効である。 Cl−CH2CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO2M、 Cl−CH2COOM、 Cl-
CH2-P(=O)(OM1)2 なお、ポリウレタンへの極性基導入に関する技術として
は、特公昭58−41565号、特開昭57−9242
2号、同57−92423号、同59−8127号、同
59−5423号、同59−5424号、同62−12
1923号等の公報に記載があり、この発明においても
これらを利用することができる。
【0036】この発明においては、結合剤として下記の
樹脂を全結合剤の20重量%以下の使用量で併用するこ
とができる。その樹脂としては、重量平均分子量が1
0,000〜200,000である、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロー
ス等)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルム
アミド樹脂、各種の合成ゴム系樹脂等が挙げられる。
【0037】−非磁性粉− 非磁性粉としては、例えば、カーボンブラック、グラフ
ァイト、酸化チタン、硫酸バリウム、ZnS、MgCO
3 、CaCO3 、ZnO、CaO、γ−酸化鉄、二硫化
タングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、Mg
O、SnO2 、SiO2 、Cr23 、α−Al2
3 、SiC、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモ
ンド、α−酸化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒
化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化モリブデン、
炭化ホウ素、炭化タングステン、チタンカーバイド、ト
リボリ、ケイソウ土、ドロマイト等を挙げることができ
る。これらの中でも好ましいのは、カーボンブラック、
CaCO3 、酸化チタン、硫酸バリウム、γ−酸化鉄、
α−Al23 、α−酸化鉄、等の無機粉末やポリエチ
レン等のポリマー粉末等である。
【0038】−その他の成分− この発明では磁性層および下部層の品質の向上を図るた
め、潤滑剤、耐久性向上剤、分散剤、研磨剤、帶電防止
剤および充填剤などの添加剤をその他の成分として含有
させることができる。
【0039】潤滑剤としては、脂肪酸および/または脂
肪酸エステルを使用することができる。この場合、脂肪
酸の添加量は六方晶系フェライト粉または下部層の微粉
末に対し0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜5重
量%がより好ましい。添加量が0.2重量%未満である
と、走行性が低下し易く、また10重量%を超えると、
脂肪酸が磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生じ
易くなる。
【0040】また、脂肪酸エステルの添加量も六方晶系
フェライト粉または下部層の微粉末に対して0.2〜1
0重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好まし
い。その添加量が0.2重量%未満であると、スチル耐
久性が劣化し易く、また10重量%を超えると、脂肪酸
エステルが磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生
じやすくなる。
【0041】脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して潤滑
効果をより高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エステル
は重量比で10:90〜90:10が好ましい。脂肪酸
としては一塩基酸であっても二塩基酸であってもよく、
炭素数は6〜30が好ましく、12〜22の範囲がより
好ましい。
【0042】脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノレ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、ベヘン酸、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ド
デカンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸等を挙げる
ことができる。
【0043】脂肪酸エステルの具体例としては、オレイ
ルオレート、イソセチルステアレート、ジオレイルマレ
ート、ブチルステアレート、ブチルパルミテート、ブチ
ルミリステート、オクチルミリステート、オクチルパル
ミテート、ペンチルステアレート、ペンチルパルミテー
ト、イソブチルオレエート、ステアリルステアレート、
ラウリルオレエート、オクチルオレエート、イソブチル
オレエート、エチルオレエート、イソトリデシルオレエ
ート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘ
キシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、イソ
プロピルミリステート、ブチルラウレート、セチル−2
−エチルヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジエチ
ルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシル
アジペート、オレイルステアレート、2−エチルヘキシ
ルミリステート、イソペンチルパルミテート、イソペン
チルステアレート、ジエチレングリコール−モノ−ブチ
ルエーテルパルミテート、ジエチレングリコール−モノ
−ブチルエーテルパルミテート等が挙げられる。
【0044】また、上記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の
潤滑剤として、例えばシリコーンオイル、グラファイ
ト、フッ化カーボン、二硫化モリブデン、二硫化タング
ステン、脂肪酸アミド、α−オレフィンオキサイド等も
使用することができる。
【0045】耐久性向上剤としては、ポリイソシアネー
トを挙げることができ、ポリイソシアネートとしては、
例えばトリレンジイソシアネート(TDI)等と活性水
素化合物との付加体などの芳香族ポリイソシアネート
と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等と
活性水素化合物との付加体などの脂肪族ポリイソシアネ
ートがある。なお、前記ポリイソシアネートの重量平均
分子量は、100〜3,000の範囲にあることが望ま
しい。
【0046】分散剤としては、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸等の炭素数12〜18の脂肪酸;こ
れらのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属の塩あ
るいはこれらのアミド;ポリアルキレンオキサイドアル
キルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオレ
フィンオキシ第四アンモニウム塩;カルボキシル基およ
びスルホン酸基を有するアゾ系化合物等を挙げることが
できる。これらの分散剤は、通常、六方晶系フェライト
粉または下部層の微粉末に対して0.5〜5重量%の範
囲で用いられる。
【0047】次に、研磨剤の具体例としては、α−アル
ミナ、溶融アルミナ、酸化クロム、酸化チタン、α−酸
化鉄、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、炭
化モリブデン、炭化ホウ素、コランダム、酸化亜鉛、酸
化セリウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素等が挙げら
れる。研磨剤としては、平均粒子径が0.05〜0.6
μmのものが好ましく、0.1〜0.3μmのものがよ
り好ましい。
【0048】帯電防止剤としては、カーボンブラック、
グラファイト等の導電性粉末;第四級アミン等のカチオ
ン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン酸エス
テル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活性剤;
アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン等の天
然界面活性剤等を挙げることができる。上述した帯電防
止剤は、通常、結合剤に対して0.01〜40重量%の
範囲で添加される。
【0049】−磁気記録媒体の製造− この発明の磁気記録媒体は、最上層の磁性層および下部
層の塗設をウエット−オン−ウエット方式で塗設する。
このウエット−オン−ウエット方式は、公知の重層構造
型の磁気記録媒体の製造に使用される方法を適宜に採用
することができる。
【0050】例えば、一般的には、六方晶系フェライト
粉、結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等と
溶媒とを混練して高濃度磁性層用磁性塗料を調製し、次
いでこの高濃度磁性層用磁性塗料を希釈して磁性層用磁
性塗料を調製する。また、一般的には、下部層の微粉
末、結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等と
溶媒とを混練して高濃度下部層用塗料を調製し、次いで
この高濃度下部層用塗料を希釈して下部層用塗料を調製
する。その後、磁性層用磁性塗料および下部層用塗料
を、非磁性支持体上に塗布する。
【0051】上記溶媒としては、例えばアセトン、メチ
ルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(M
IBK)、シクロヘキサノン等のケトン系;メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコール類;酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テト
ラヒドロフラン等の環状エーテル類;メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を用いるこ
とができる。
【0052】磁性層および下部層の形成成分の混練分散
にあたっては、各種の混練分散機を使用することができ
る。この混練分散機としては、例えば二本ロールミル、
三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、コボルミ
ル、トロンミル、サンドミル、サンドグラインダー、Sq
egvariアトライター、高速インペラー分散機、高速スト
ーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、高速ミキサ
ー、ホモジナイザー、超音波分散機、オープンニーダ
ー、連続ニーダー、加圧ニーダー等が挙げられる。上記
混練分散機のうち、0.05〜0.5KW(磁性粉1K
g当たり)の消費電力負荷を提供することのできる混練
分散機は、加圧ニーダー、オープンニーダー、連続ニー
ダー、二本ロールミル、三本ロールミルである。
【0053】非磁性支持体上に、最上層の磁性層と、下
部層とを塗布するには、具体的には、図3に示すよう
に、まず供給ロール32から繰出した非磁性支持体7
に、エクストルージョン方式の押し出しコーター10、
11により、磁性層用磁性塗料と下部層用塗料とをウェ
ット−オン−ウェット方式で重層塗布した後、配向用磁
石または垂直配向用磁石33に通過し、乾燥器34に導
入し、ここで上下に配したノズルから熱風を吹き付けて
乾燥する。次に、乾燥した各塗布層付きの非磁性支持体
7をカレンダーロール38の組合せからなるスーパーカ
レンダー装置37に導き、ここでカレンダー処理した後
に、巻き取りロール39に巻き取る。このようにして得
られた磁性フィルムを所望幅のテープ状に裁断して例え
ば8mmビデオカメラ用磁気記録テープを製造すること
ができる。
【0054】上記の方法において、各塗料は、図示しな
いインラインミキサーを通して押し出しコーター10、
11へと供給してもよい。なお、図中、矢印は非磁性支
持体フィルムの搬送方向を示す。押し出しコーター1
0、11にはそれぞれ、液溜まり部13、14が設けら
れ、各押し出しコーターからの塗料をウェット−オン−
ウェット方式で重ねる。即ち、下部層用塗料の塗布直後
(未乾燥状態のとき)に最上層の磁性層用磁性塗料を重
層塗布する。前記押し出しコーターは、図4に示した押
し出しコーター15が本願発明においては好ましい。前
記押し出しコーター15から、下部層用塗料8と磁性層
用磁性塗料9とを共押し出しして、非磁性支持体7上に
塗布する。
【0055】上記塗料に配合される溶媒あるいはこの塗
料の塗布時の希釈溶媒としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールセ
ノアセテート等のエステル類;グリコールジメチルエー
テル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等のものが使
用できる。これらの各種の溶媒は単独で使用することも
できるし、またそれらの二種以上を併用することもでき
る。
【0056】前記配向磁石あるいは垂直配向用磁石にお
ける磁場は、20〜5,000ガウス程度であり、乾燥
器による乾燥温度は約30〜120℃であり、乾燥時間
は約0.1〜10分間程度である。
【0057】なお、ウェット−オン−ウェット方式で
は、リバースロールと押し出しコーターとの組み合わ
せ、グラビアロールと押し出しコーターとの組み合わせ
なども使用することができる。さらにはエアドクターコ
ーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スク
ィズコーター、含浸コーター、トランスファロールコー
ター、キスコーター、キャストコーター、スプレイコー
ター等を組み合わせることもできる。
【0058】このウェット−オン−ウェット方式におる
重層塗布においては、最上層の下側に位置する層が湿潤
状態になったままで上層の磁性層を塗布するので、下部
層の表面(即ち、最上層との境界面)が滑らかになると
ともに最上層の表面性が良好になり、かつ、上層と下部
層との層間の接着性も向上する。この結果、特に高密度
記録のために高出力、低ノイズの要求されるたとえば磁
気テープとしての要求性能を満たしたものとなり、か
つ、高耐久性の性能が要求されることに対しても膜剥離
をなくし、膜強度が向上し、耐久性が十分となる。ま
た、ウェット−オン−ウェット重層塗布方式により、ド
ロップアウトも低減することができ、信頼性も向上す
る。
【0059】−表面の平滑化− この発明においては、次にカレンダリングにより表面平
滑化処理を行うのも良い。その後は、必要に応じてバー
ニッシュ処理またはブレード処理を行なってスリッティ
ングされる。表面平滑化処理においては、カレンダー条
件として温度、線圧力、C/S(コーティングスピー
ド)等を挙げることができる。
【0060】この発明においては、通常、上記温度を5
0〜120℃、上記線圧力を50〜400kg/cm、
上記C/Sを20〜600m/分に保持することが好ま
しい。上記のように処理した結果の最上層の層厚は、
1.0μm以下、好ましくは0.8μm以下にする。層
厚が1.0μmを越えると、高域特性や信号の重ね書き
(オーバーライト)特性が劣化し、単層構成の磁気記録
媒体と変わりのないものになり、この発明の目的を達成
することができない。
【0061】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。以下に
示す成分、割合、操作順序はこの発明の範囲から逸脱し
ない範囲において種々変更しうる。なお、下記の実施例
において「部」はすべて重量部である。
【0062】以下の組成の磁性塗料を調製した。 〈最上層の磁性層用磁性塗料A〉 Co−Ti置換Ba−フェライト磁性粉 100部 (BET値=40m2 /g、 保持力Hc=1,200 Oe、 平均板状比3.5、 飽和磁化量65emu/g) 塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン社製 MR110) 5部 スルホン酸金属塩含有ポリウレタン樹脂 3部 (東洋紡績(株)製、UR8700) Cr23 粉末 5部 カ−ボンブラック 0.5部 (平均粒子径40nm) ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 シクロヘキサノン 100部 以上の組成物を混練・分散した後に、ポリイソシアネー
ト化合物(コロネートL)5部を添加して調製した。
【0063】〈最上層の磁性層用磁性塗料B〉上記最上
層の磁性層用磁性塗料Aにおいて、Co−Ti置換Ba
−フェライト磁性粉に代えて、Ni−Ti置換Ba−フ
ェライト磁性粉(BET値50m2 /g、保磁力Hc=
1,200 Oe、平均板状比4.5、飽和磁化量65
emu/g)を使用した外は前記最上層の磁性層用磁性
塗料Aの調製と同様にして調製した。
【0064】〈最上層の磁性層用磁性塗料C〉上記最上
層の磁性層用磁性塗料Aにおいて、Co−Ti置換Ba
−フェライト磁性粉に代えて、Fe−Al合金(保磁力
Hc=1,500 Oe、BET値50m2 /g、平均
長軸長200nm)を使用した外は前記最上層の磁性層
用磁性塗料Aの調製と同様にして調製した。
【0065】〈最上層の磁性層用磁性塗料Dまたは下部
層用塗料D〉上記最上層の磁性層用磁性塗料Aにおい
て、Co−Ti置換Ba−フェライト磁性粉に代えて、
Co−γ−Fe23 粉末(保磁力Hc=900 O
e、BET値40m2 /g、平均長軸長300nm)を
使用した外は前記最上層の磁性層用磁性塗料Aの調製と
同様にして調製した。なお、保持力Hcは、いずれも外
部磁場を1T(テラス)にてVSMにて測定した。 〈下部層用塗料I〉 (MnO)x (ZnO)y (Fe23z 微粉末 100部 ( x=0.25、y=0.25、z=0.50 生成方法 水熱合成法 平均粒子径90nm) 塩化ビニル系樹脂 5部 (日本ゼオン社製 MR110) スルホン酸金属塩含有ポリウレタン樹脂 4部 (東洋紡績(株)製、UR8700) Al23 粉末 5部 (平均粒子径200nm) ステアリン酸 1部 ブチルステアレート 1部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部 シクロヘキサノン 50部 以上の組成物を混練・分散して調製した。
【0066】〈下部層用塗料II〉前記下部層用塗料Iに
おいて、(MnO)x (ZnO)y (Fe23z
粉末に代えて、水熱合成法により生成された(NiO)
a (ZnO)b (Fe23c 微粉末(a=0.1
5、b=0.35、c=0.50、平均粒子径50n
m)を使用した外は前記下部層用塗料Iの調製と同様に
して調製した。
【0067】〈下部層用塗料 III〉前記下部層用塗料I
において、水熱合成法により生成された(MnO)x
(ZnO)y (Fe23z 微粉末に代えて、ガラス
結晶化法により生成された(MnO)x (ZnO)y
(Fe23z 微粉末( x=0.25、y=0.2
5、z=0.50、平均粒子径70nm)を使用した外
は前記下部層用塗料Iの調製と同様にして調製した。
【0068】〈下部層用塗料IV〉前記下部層用塗料Iに
おいて、水熱合成法により生成された(MnO)x (Z
nO)y (Fe23z 微粉末に代えて、粉砕法によ
り生成された(MnO)x (ZnO)y (Fe23
z 微粉末( x=0.25、y=0.25、z=0.5
0、平均粒子径300nm)を使用した外は前記下部層
用塗料Iの調製と同様にして調製した。
【0069】〈下部層用塗料V〜X〉前記下部層用塗料
Iにおいて、(MnO)x (ZnO)y (Fe23
z 微粉末のx、yおよびzの値を、それぞれ表1のよう
な値に代えた外は前記下部層用塗料Iの調製と同様にし
て調製した。
【0070】〈下部層用塗料XI〜XV〉前記下部層用塗料
IIにおいて、(NiO)a (ZnO)b (Fe23
c 微粉末のa、bおよびcの値を、それぞれ表2のよう
な値に代えた外は前記下部層用塗料IIの調製と同様にし
て調製した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】(実施例1〜9および比較例1〜6)表3
に示された組成の塗膜構成により、ウエット−オン−ウ
エット方式で8mm幅の磁気記録媒体を作成した。この
磁気記録媒体につき、以下の評価試験を行った。
【0074】<C/N特性>市販の8mmビデオテープ
レコーダーを用いて9MHzの単一波を記録し、その信
号を再生した際の出力レベルを基準サンプル(比較例
1)との比較で表した。 <オーバーライト特性>2MHzの信号を飽和レベルで
記録し、その後に9MHzの信号を(上書き)記録した
際の2MHzの信号の残留出力レベルを測定した。残留
出力レベルの低い程オーバーライト特性は良好であると
する。
【0075】<耐候性>予め9MHZでの出力レベルを
測定しておき、試料としての磁気記録媒体を60℃、8
0%(湿度)の環境下で7日間放置した後に、再度9M
Hzの出力レベルを測定し、当初の測定値との差を求め
た。以上の評価結果を表3に示す。以上の評価結果か
ら、品質についての総合的な評価を行なった。
【0076】
【表3】
【0077】
【発明の効果】この発明により、高域特性に優れ、しか
も信号の重ね書き(オーバライト)特性および耐候性
(耐腐食性)にも優れた磁気記録媒体を提供することが
できる。
【0078】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、MnO−ZnO−Fe23 系の三成
分組成図である。
【図2】図2は、NiO−ZnO−Fe23 系の三成
分組成図である。
【図3】図3は、ウエット−オン−ウエット塗布方式に
よる磁性層および下部層の重層塗布を説明するための図
である。
【図4】図4は、磁性層用磁性塗料および下部層用塗料
を塗布するための押し出しコーターである。
【符合の説明】
1 連立方程式(1)z=0.7、z=1−x−yで示
される直線 2 連立方程式(2)z=0.923x−10.615
y、z=1−x−yで示される直線 3 連立方程式(3)z=0.111x−1.326
y、z=1−x−yで示される直線 4 連立方程式(4)c=2.333a−4.333
b、c=1−a−bで示される直線 5 連立方程式(5)c=a+0.111b、c=1−
a−bで示される直線 6 連立方程式(6)c=2.333a+4b、c=1
−a−bで示される直線 7 非磁性支持体 8 下部層用塗料 9 最上層の磁性層用磁性塗料 10 押し出しコーター 11 押し出しコーター 13 液溜り部 14 液溜り部 15 押し出しコーター 32 供給ロール 33 配向用磁石または垂直配向用磁石 34 乾燥器 37 スーパーカレンダー装置 38 カレンダーロール 39 巻き取りロール
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 康夫 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に複合層を有してなり、
    前記複合層は、六方晶系フェライト粉を含有する磁性層
    からなる最上層と、前記磁性層に接するところの下部層
    とからなり、前記下部層が、200nm以下の平均粒子
    径を有する微粉末と結合剤とを含有し、 前記微粉末が、(MnO)x (ZnO)y (Fe2
    3z (ただし、x、y、zは、三成分組成図において、 連立方程式(1)z=0.7、z=1−x−y、 連立方程式(2)z=0.923x−10.615y、
    z=1−x−yおよび 連立方程式(3)z=0.111x−1.326y、z
    =1−x−y で示される直線により囲まれる範囲内の値である。)ま
    たは、 (NiO)a (ZnO)b (Fe23c (ただし、a、b、cは、三成分組成図において、 連立方程式(4)c=2.333a−4.333b、c
    =1−a−b、 連立方程式(5)c=a+0.111b、c=1−a−
    bおよび 連立方程式(6)c=2.333a+4b、c=1−a
    −b で示される直線により囲まれる範囲内の値である。)の
    少なくとも一種であることを特徴としてなる磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 前記微粉末が、Mnイオン、Znイオン
    およびNiイオンからなる群から選択される少なくとも
    一種の金属イオンとFe(III )イオンとを含有してな
    る強アルカリ性懸濁液を、水熱処理することにより生成
    されてなる前記請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記微粉末が、ガラス結晶化法により生
    成されてなる前記請求項1に記載の磁気記録媒体。
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