JP3300938B2 - 実質的に炭化珪素からなる中空繊維の製造方法および中空繊維 - Google Patents

実質的に炭化珪素からなる中空繊維の製造方法および中空繊維

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実質的に炭化珪素から
なる中空繊維の製造方法および中空繊維に関する。さら
に詳しく述べるならば、本発明は、フィルター材料、複
合材料の強化繊維、あるいは断熱材などとして有用な実
質的に炭化珪素からなる繊維状、シート状あるいは三次
元構造体の中空繊維の製造方法および中空繊維に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】中空の含珪素セラミック繊維を得る方法
として、特開平2−74616号公報には、ポリシラザ
ンを紡糸した繊維を表面から部分的に不融化した後、こ
れを熱分解することで炭化珪素−窒化珪素系のセラミッ
ク中空繊維を得る方法が開示されている。しかしながら
この方法では、原料の有機繊維が著しく脆弱なため予め
シートあるいは三次元構造体に繊維を加工しておいた
後、これを中空セラミック繊維化することが困難であ
り、また、繊維が剛直であるためセラミック中空繊維を
製造した後にこれをシート化することが困難であるとい
う欠点を有している。
【0003】また、炭素繊維を原料として中空セラミッ
ク繊維を得る方法として、特開昭61−245315号
公報には、チタンのような金属を含む溶液に炭素繊維を
含浸した後、これを焼成してチタニアのような中空繊維
を得る方法が開示されている。しかしながら、この方法
で得られた中空セラミック繊維は、軽量化という点では
有利であるが、実用に用いるには強度が十分でないとい
う問題点がある。
【0004】繊維自体が実質的に炭化珪素からなり、中
空状ではない炭化珪素繊維の製造方法としては、本発明
者等が提案した方法がある(特願平4−347064
号)。すなわち、この方法では多孔質炭素繊維と、一酸
化珪素ガスを多孔質炭素繊維の比表面積、反応時の温
度、圧力、時間、雰囲気などの反応条件を様々に変化さ
せて多孔質繊維内部まで完全に珪素化反応が行われる。
ここで、前記炭化珪素繊維の製造に用いる多孔質炭素繊
維(活性炭素繊維)とは、細孔径が10ー1から102
mの均一な細孔を繊維内部に多量に含み、100〜30
00m2 /gの比表面積を有する、繊維径が5〜100
μmで、連続あるいは短繊維状の炭素繊維を指す。
【0005】この多孔質炭素繊維を製造する方法として
は、レーヨンのようなセルロース繊維を原料とする方法
(特公昭61−58567号公報)、アクリル系繊維を
原料とする方法(特開昭61−282430号公報)、
ピッチを紡糸して得られた繊維を原料とする方法(特開
昭60−199922号公報)、フェノール樹脂繊維を
原料とする方法(特公昭57ー43647号公報)等が
公知である。
【0006】また、上記炭化珪素繊維の強度を向上させ
る方法として、本発明者等は、上記の方法で得られた炭
化珪素繊維を、さらに800〜2000℃で、酸素のよ
うな酸化性ガスを含むガス雰囲気中で加熱処理を行う技
術を提案した(特願平5ー156440号)。
【0007】さらに、上記炭化珪素繊維の強度を向上さ
せる別の方法として、本発明者等は、上記の方法で得ら
れた炭化珪素繊維を、さらに800〜2000℃で、窒
素を含むガス雰囲気中で加熱処理を行う技術を提案した
(特願平6ー73425号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の中空セラミック
繊維の製造法で製造された繊維は、フィルタ−や複合材
料の強化繊維として用いるには、強度が低いという問題
点があり、これらの用途のために実用化するには、困難
がある。従って、強度を向上させるべく、様々な試みが
なされているが、現在までのところその問題点を解決し
た技術は具現化されていない。そこで本発明者等は、か
かる背景に鑑み、種々炭化珪素化に際しての反応条件を
検討し、多孔質炭素繊維と、一酸化珪素ガスとの反応に
よる炭化珪素繊維の製造方法において、その炭化珪素化
における反応条件、とりわけ反応温度と反応時間を特定
して適正に制御することによって、繊維強度を維持しな
がら簡単なプロセスで従来品より軽量の中空状の炭化珪
素繊維を得ることができることを見出し、本発明を完成
するに至った。本発明の目的は、フィルタ−や複合材料
の強化繊維として用いるに十分な強度を有し、しかも軽
量である実質的に炭化珪素からなる中空繊維を製造する
方法および中空繊維の半径に対する繊維壁の厚みが特定
の割合を有する中空繊維を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、多孔質
炭素繊維と一酸化珪素ガスを、反応させることからなる
炭化珪素繊維の製造方法において、反応時間(分)を
x、反応温度(℃)をyとすると、10≦x≦600、
1000≦y≦1500、直線y=−(500/59
0)x+1600およびy=−13x+1300で囲ま
れる範囲から選ばれた反応条件で多孔質炭素繊維の炭化
珪素化を行い、炭化珪素繊維の中心部分を同心円状に炭
化珪素化せずに残し、その後、炭化珪素化繊維を、酸素
を含む雰囲気中で400〜1500℃で加熱することに
より未反応炭素を除去することを特徴とする実質的に炭
化珪素からなる中空繊維の製造方法である。本発明の第
二は、前記炭化珪素からなる中空繊維を、さらに窒素元
素を含む混合ガス雰囲気中で800〜2000℃で加熱
処理することを特徴とする請求項1記載の実質的に炭化
珪素からなる中空繊維の製造方法である。本発明の第三
は、前記多孔質炭素繊維が多孔質炭素繊維シートである
ことを特徴とする本発明第一あるいは二に記載の実質的
に炭化珪素からなる中空繊維の製造方法である。本発明
の第四は、前記多孔質炭素繊維が多孔質炭素繊維の三次
元構造体であることを特徴とする本発明第一あるいは二
に記載の実質的に炭化珪素からなる中空繊維の製造方法
である。本発明の第五は、本発明第一〜四で製造される
実質的に炭化珪素からなる中空繊維の繊維壁の厚みをT
(μm)、中空繊維の半径をR(μm)としたとき、
(T/R)×100(%)で示される厚みの割合が20
〜80%であることを特徴とする実質的に炭化珪素から
なる中空繊維である。
【0010】本発明は、多孔質炭素繊維と、一酸化珪素
ガスを反応する際の温度、圧力、時間、雰囲気を様々に
変化させた条件下で反応させることによる炭化珪素繊維
の製造方法において、反応条件、とりわけ反応温度と反
応時間との組合せを特定し、それによって反応を制御
し、炭素繊維の中心部分を同心円状に炭化珪素化させず
に残留させ、その後、該繊維を酸素を含む雰囲気中で加
熱することにより未反応炭素を除去することを特徴とす
る。また、得られた実質的に炭化珪素からなる中空繊維
の強度をさらに向上させるために、一つの方法として元
素としての窒素を含む雰囲気中で800〜2000℃で
加熱処理が施される。
【0011】実質的に炭化珪素からなる中空繊維を得る
ためには、特願平4−347064号に記載の炭化珪素
の製造方法を適用するが、反応条件、とりわけ反応温度
と反応時間を特定して、多孔質炭素繊維と、一酸化珪素
との反応が多孔質炭素繊維の表面から該繊維の中心方向
に順次炭化珪素化する際にその途中で反応を停止させ、
その後、未反応の炭素を酸化雰囲気で加熱して燃焼によ
り除去することが行われる。従って、本発明では、細孔
径が10ー1から102nmの範囲の均一な細孔を繊維内
部に多量に含み、100〜3000m2 /gの比表面積
を有し、繊維径が5〜100μm、好ましくは5〜50
μmの公知の炭素繊維がそのまま用いられる。比表面積
が100m2 /g未満では、一酸化珪素ガスが繊維の内
部に十分浸透せず、結果として炭化珪素が十分に生成せ
ず、これに対して、比表面積が3000m2 /gを越え
て大きくなると、繊維自体が非常に脆弱になり、また繊
維を多孔質化する際の収率が著しく低下するため適さな
い。
【0012】前記の炭素繊維は、その寸法や形状に特に
制限はなく、連続繊維、あるいは短繊維を用いることが
できる。短繊維は適当により合わせることによりヤーン
として用いてもよく、また、本発明に用いる炭素繊維は
布あるいはフェルト状に加工して用いても中空繊維化す
ることができる。前記炭素繊維としては、アクリル系繊
維、フェノール樹脂繊維を原料とする活性炭素繊維等が
好適に用いられる。
【0013】本発明に用いる一酸化珪素ガスの供給源
は、特に限定されず公知のものが用いられ、一酸化珪
素、二酸化珪素の塊または粉末、あるいは珪素と一酸化
珪素、珪素と二酸化珪素の微粒子をよく混合したもの等
を、10-6〜104パスカル(以下、Paと略す)の減
圧下で500℃以上に加熱することにより発生する一酸
化珪素ガスを挙げることができる。使用する炉は、減圧
下または加圧下で反応温度の1000〜1500℃にお
いて、炭素繊維と、一酸化珪素ガスとの反応が行えるも
のが用いられる。1000℃未満の反応温度では、他の
反応条件、とりわけ反応時間との組合せにおいて、満足
できる中空繊維を製造できる程度の珪素化を多孔質炭素
繊維の表面に形成させることができず、反応温度が15
00℃を越えて高くなると、前記炭素繊維の中心部を珪
素化させずに炭素のまま残留させることが困難になるの
で適さない。
【0014】多孔質炭素繊維と一酸化珪素との反応によ
る炭化珪素化は、前記繊維の外部から中心に向かって進
行するので、炭化珪素化反応時の温度、圧力、時間、雰
囲気等の反応条件や多孔質炭素繊維の比表面積を適宜選
択することにより所望の繊維壁の厚みを有する中空繊維
を自由に得ることができる。しかしながら、強度の高
く、しかも軽量である中空炭化珪素繊維を得るために
は、活性炭素繊維の表面から中心にいたる炭化珪素から
なる繊維実質のうち、適切な部分、すなわち繊維壁の或
る厚みのみを炭化珪素化することが必要である。好適な
中空炭化珪素を形成するための繊維壁の厚みの割合は、
実質的に炭化珪素からなる中空繊維の繊維壁の厚みをT
(μm)、中空繊維の半径をR(μm)としたとき、
(T/R)×100(%)で示される割合で20〜80
%の範囲である。この割合が20%より低いと、最終製
品たる中空炭化珪素繊維の実質部分が非常に少なくなる
ため、軽量ではあっても、中空繊維の強度が著しく低下
し繊維の形態を維持できない。また、前記の割合が80
%を越えると中空部分が非常に少なくなり、繊維の強度
は十分であるが、中空繊維としての特徴が十分に発現し
ないので共に適さない。
【0015】前記したように、本発明において重要な点
は、中空の炭化珪素繊維を得るためには、多孔質炭素繊
維を一酸化珪素と反応させる際の、温度、圧力、時間、
雰囲気等の反応条件や、多孔質炭素繊維の比表面積を適
切に選択し、所望の中空炭化珪素繊維が得られるよう
に、炭化珪素化の反応率、すなわち実質的に炭化珪素か
らなる中空繊維の繊維壁の厚みを制御することであるか
ら、適切な繊維壁の厚みを有する繊維を得るための反応
条件や多孔質炭素繊維の比表面積は、例えば100〜3
000m2/gの比表面積の多孔質炭素繊維と、一酸化
珪素ガスとを、1000〜1500℃において10-3
104 Pa、好ましくは10-2〜103Paの減圧下
で、反応時間10〜600分間の範囲から選ばれた条件
下で反応させる。すなわち、本発明は、とりわけ前記反
応温度と反応時間との組合せにおいて選ばれた条件下で
初めて達成される実質的に炭化珪素からなる中空繊維の
製造方法であり、しかもこのようにして得られる実質的
に炭化珪素からなる中空繊維の繊維壁の厚みをT(μ
m)、中空繊維の半径をR(μm)とした時、(T/
R)×100(%)で示される厚みの割合で20〜80
%を有するものが、極めて強度が強く、軽量であるとい
う予想外の効果のあることが判明したのである。
【0016】つまり、前記反応温度と反応時間との組合
せから選ばれた条件の中では、前記範囲の低い温度、例
えば1000℃の時は長い反応時間、例えば600分間
に近い時間との組合せで、その逆に高い温度、例えば1
500℃の時は短い反応時間、例えば10分間に近い時
間との組合せで反応させる方が好ましい結果が得られ易
いことが数多くの実験結果から結論づけられたのであ
る。とりわけ、反応時間(分)をx、反応温度(℃)を
yとすれば、10≦x≦600、1000≦y≦150
0、直線y=−(500/590)x+1600および
y=−13x+1300で囲まれる範囲から選ばれた条
件で炭化珪素化反応を行わせるのが好適である。
【0017】このようにして得られた炭化珪素繊維は、
未だ繊維の中心部に未反応炭素を含有しているので、こ
れを酸素を含む雰囲気中で加熱して中心部の炭素を除去
することにより、実質的に炭化珪素からなる中空繊維が
得られる。酸素を含む雰囲気中で加熱する際の温度は4
00〜1500℃、好ましくは800〜1400℃であ
る。この温度が400℃未満では中心部の炭素が十分に
除去されず、中空化が不完全となり、温度が1500℃
を越えて高くなると炭化珪素の結晶化が進み繊維強度が
保たれなくなるので適さない。炭素を除去する際の温度
が、800〜1500℃であると、800℃より低い温
度で加熱処理を行った中空繊維に比べて、生成する中空
繊維の強度が向上する。酸素を含む雰囲気中で、前記温
度での加熱時間は1分〜24時間、好ましくは10分〜
10時間である。
【0018】酸素を含む雰囲気とは、酸素を5容量%以
上含む混合ガスのことをいい、大気を用いることも差し
支えない。酸素以外のガス成分としては窒素、一酸化窒
素、二酸化窒素、アンモニアガス等の窒素を含むガス、
アルゴンのような不活性ガス、塩化ホウ素のようなホウ
素を含むガス、シランガス、ハロゲン化珪素ガス、プロ
パン、メタンのような炭化水素ガス等を挙げることがで
き適宜選択して用いられる。前記の加熱処理を行う方法
としては、未反応炭素を含有する炭化珪素繊維を入れた
炉内に前記酸素を含む混合ガスを充満させてから密閉し
て加熱しても差し支えないし、前記混合ガスを炉内に流
しながら加熱しても良い。また、大気中で熱処理を行う
場合、炉内を熱の放散を防ぎながら密閉し、炉外と連通
させておくことが必要である。前記混合ガスを流しなが
ら加熱する場合、ガス流量は炉内の容積がガスによって
一時間あたり0.1〜500回、好ましくは1〜100
回置換されるような量である。
【0019】このようにして得られた中空繊維は、実質
的に炭化珪素から構成されるが、さらにこの繊維の強度
を向上させるためには、窒素を含むガス雰囲気中におい
て800〜2000℃で加熱処理を行うことが有効であ
る。窒素を含む雰囲気とは、窒素、一酸化窒素、二酸化
窒素もしくはアンモニアガスのように元素としての窒素
を含むガスを少なくとも1容量%含み、酸素は含まない
混合ガスをいい、好ましい雰囲気は前記の元素としての
窒素を含むガスを99容量%以上含み、酸素を含まない
もので得られるが、勿論前記の元素としての窒素を含む
ガスと酸素以外の他のガスとを混合して用いることも差
し支えない。窒素を含むガス以外の他のガスとしては、
アルゴンあるいはヘリウムのような不活性ガス、塩化ホ
ウ素のようなホウ素を含むガス、シランガス、ハロゲン
化珪素ガス、プロパン、メタンのような炭化水素ガス等
を挙げることができ、これらの中から適宜選択して用い
られる。
【0020】加熱処理の方法としては、酸素を含む雰囲
気での未反応炭素を含む炭化珪素繊維の加熱処理方法の
場合と同様に、中空繊維を入れた炉内に前記酸素を含ま
ない窒素ガスあるいは混合ガスを充満させてから密閉し
て加熱しても差し支えないし、前記混合ガスを炉内に流
しながら加熱しても良い。前記ガスを流しながら加熱す
る場合、ガス流量は炉内の容積がガスによって一時間あ
たり0.1〜500回、好ましくは1〜100回置換さ
れるような量である。また、窒素を含む雰囲気中での熱
処理を加圧して行うことも差し支えない。この場合、好
適な圧力は1.1x105〜1.0x107Paである。
【0021】前記した如く、強度を向上させるために加
熱処理を行う際の温度は、800〜2000℃である
が、加熱処理の温度が800℃未満では、熱処理の効果
が十分発現されず、温度が2000℃を越えて高くなる
と繊維の構成成分の熱分解、あるいは結晶化が起こり、
いずれの場合も繊維強度の低下を招くので適さない。加
熱処理時の昇温速度は、特に限定しないが、50〜60
00℃/hrが望ましい。また、予め加熱炉を所定の加
熱処理温度に設定した後、中空炭化珪素繊維を所定時間
だけ炉内に入れて処理を行う方法を用いてもよい。熱処
理時間、即ち最高温度を保持する時間は1分〜20時
間、好ましくは30分〜10時間の範囲で適宜選択され
る。処理時間が短すぎると、熱処理の効果が十分に発現
されず、時間が長すぎると繊維が結晶化して脆化するの
で適さない。前記中空炭化珪素繊維を加熱処理する場
合、そのまま炉内に置いてもよいが、さらに高い強度を
得るためには、適当な治具やおもりなどを用いて前記繊
維を適当に緊張させて行うことが好ましい。
【0022】一方、本発明の方法は、多孔質炭素繊維だ
けではなく、多孔質炭素繊維からなるシートに適用する
ことができる。多孔質炭素繊維からシートを得る方法と
しては、通常高分子繊維からシートを製造する方法、す
なわちメルトブロー法やニードルパンチ法、抄紙法、あ
るいはウオータージェット法などによってシートを製造
し、そのシートを炭化、賦活し、さらに一酸化珪素と反
応させた後に、繊維中心部の未反応炭素を除去すること
で実質的に炭化珪素からなる中空繊維で構成されるシー
トを得ることができる。さらに、本発明の方法は、前記
の他に多孔質炭素繊維からなる三次元構造体に適用する
こともできる。ここでいう三次元構造体とは、多孔質炭
素繊維を上記の公知の方法によってシート化した後、こ
れを折り曲げ、切り貼り、あるいは貼り合わせ、あるい
はこれらの組合せにより接合あるいは接着のような公知
の手段で立体的な構造体としたもの、あるいは繊維をシ
−ト化しないで三次元的に加工したものをいう。シート
を効率的に三次元構造体に加工した後に、中空繊維とし
て応用できるものとしては、コルゲート加工体、ハニカ
ム等がある。以上述べたように有機繊維を三次元構造体
として炭化し、あるいは炭化繊維を三次元構造体とした
後、賦活し、さらに一酸化珪素と反応させた後に、繊維
中心部の未反応炭素を除去することで実質的に炭化珪素
からなる中空繊維で構成される三次元構造体を得ること
ができる。
【0023】本発明の炭化珪素からなる中空繊維は、繊
維状、シート状あるいは三次元構造体できわめて優れた
強度を維持しながら軽量化を図ることができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をよりに具体的
に説明するが、勿論本発明はこれらによって限定される
ものではない。
【0025】実施例1 炭化珪素化処理 アルミナの板の上にのせた粒状一酸化珪素(試薬、和光
純薬工業社製)5gの上に、1500m2 /gの比表面
積を有するフェノール系活性炭素繊維(日本カイノール
社製、繊維径10μm)をのせ、さらにその上にアルミ
ナ製の覆いをのせた。これらを50φx1000mmの
アルミナ製の炉心管を備えた管状炉中に入れて10Pa
まで減圧し、1200℃まで3時間で昇温し、その温度
で60分間保持し炭化珪素化反応を行わせ、その後室温
まで自然冷却した。 未反応炭素除去処理 得られた繊維を、再び空気中で800℃、60分間加熱
して繊維中の未反応炭素を酸化して除去し、自然冷却し
た。このようにして製造された繊維は、繊維の中心部が
空洞化された中空繊維であり、走査型電子顕微鏡で観察
した結果、繊維の半径が5.0μm、繊維壁の厚みが
2.5μmで繊維半径に対する繊維壁の厚みの割合は5
0%であった。
【0026】さらに、得られた中空繊維を粉末化して、
臭化カリウム錠剤法によって赤外吸収スペクトルを測定
したところ、900cm-1付近に炭素と珪素の結合に由
来する吸収がみられた。また、X線回折装置を用いて繊
維の粉末の回析を測定したところ、CuKα2θ=3
5.7度に炭化珪素の結晶のピークが見られた。以上の
分析結果から、得られた中空繊維は、結晶質の炭化珪素
からなることが分かった。次の試験法で活性炭素繊維の
比表面積と中空繊維の引張強度を測定した。この中空繊
維の引張強度は、56kg/mm2であった。 試験方法 (1)活性炭素繊維の比表面積 低温窒素吸着法の測定結果より、BET多点法を用いて
算出した。 (2)繊維の引張強度 JIS R 7601(炭素繊維試験方法)に準じて測
定した。
【0027】実施例2 炭化珪素化反応時の温度を1100℃、保持時間を80
分としたこと以外実施例1と同様にして活性炭素繊維の
炭化珪素化を行った。続いて、この繊維を実施例1と同
様にして空気中、800℃で60分間加熱して、未反応
の炭素を除去し、中空繊維を製造した。この中空繊維を
走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維の半径は5.0
μm、繊維壁の厚みは1.5μmで、繊維の半径に対す
る繊維壁の厚みの割合は30%であった。実施例1と同
様に、繊維の赤外線吸収スペクトルおよびX線回析パタ
ーンを測定したところ、実施例1と同様に、繊維は結晶
質の炭化珪素であることが分かった。この繊維の引張強
度は38kg/mm2であった。
【0028】実施例3 炭化珪素化反応時の温度を1400℃、保持時間を20
0分としたこと以外実施例1と同様にして活性炭素繊維
の炭化珪素化を行った。続いて、この繊維を実施例1と
同様にして空気中、800℃で60分間加熱して、未反
応の炭素を除去し、中空繊維を製造した。この中空繊維
を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維の半径は5.
0μm、繊維壁の厚みは3.5μmで、繊維の半径に対
する繊維壁の厚みの割合は70%であった。実施例1と
同様に、繊維の赤外線吸収スペクトルおよびX線回析パ
ターンを測定したところ、実施例1と同様に、繊維は結
晶質の炭化珪素であることが分かった。この繊維の引張
強度は68kg/mm2であった。
【0029】実施例4 炭化珪素化反応時の温度を1050℃、保持時間を30
0分としたこと以外実施例1と同様にして活性炭素繊維
の炭化珪素化を行った。続いて、この繊維を実施例1と
同様にして空気中、800℃で60分間加熱して、未反
応の炭素を除去し、中空繊維を製造した。この中空繊維
を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維の半径は5.
0μm、繊維壁の厚みは3.0μmで、繊維の半径に対
する繊維壁の厚みの割合は60%であった。実施例1と
同様に、繊維の赤外線吸収スペクトルおよびX線回析パ
ターンを測定したところ、実施例1と同様に、繊維は結
晶質の炭化珪素であることが分かった。この繊維の引張
強度は63kg/mm2であった。
【0030】比較例1 炭化珪素化反応時の温度を1100℃、保持時間を20
分としたこと以外実施例1と同様にして活性炭素繊維の
炭化珪素化を行った。続いて、この繊維を実施例1と同
様にして空気中、800℃で60分間加熱して、未反応
の炭素を除去し、中空繊維を製造した。この中空繊維を
走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維の半径は5.0
μm、繊維壁の厚みは0.8μmで、繊維の半径に対す
る繊維壁の厚みの割合は16%であった。実施例1と同
様に、繊維の赤外線吸収スペクトルおよびX線回析パタ
ーンを測定したところ、実施例1と同様に、繊維は結晶
質の炭化珪素であることが分かった。この繊維の引張強
度は、極めて小さく測定できなかった。
【0031】比較例2 炭化珪素化反応時の温度を1300℃、保持時間を40
0分としたこと以外実施例1と同様にして活性炭素繊維
の炭化珪素化を行った。続いて、この繊維を実施例1と
同様にして空気中、800℃で60分間加熱して、未反
応の炭素を除去し、中空繊維を製造した。この中空繊維
を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維の半径は5.
0μm、繊維壁の厚みは4.8μmで、繊維の半径に対
する繊維壁の厚みの割合は96%であった。実施例1と
同様に、繊維の赤外線吸収スペクトルおよびX線回析パ
ターンを測定したところ、実施例1と同様に、繊維は結
晶質の炭化珪素であることが分かった。この繊維の引張
強度は75kg/mm2であった。
【0032】比較例3 炭化珪素化反応時の温度を1550℃、保持時間を10
0分としたこと以外実施例1と同様にして活性炭素繊維
の炭化珪素化を行った。続いて、この繊維を実施例1と
同様にして空気中、800℃で60分間加熱して、未反
応の炭素を除去し、中空繊維を製造した。この中空繊維
を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維の半径は5.
0μmで繊維の中心部には空洞部がなく、中空繊維では
なかった。実施例1と同様に、繊維の赤外線吸収スペク
トルおよびX線回析パターンを測定したところ、実施例
1と同様に、繊維は結晶質の炭化珪素であることが分か
った。この繊維の引張強度は75kg/mm2であっ
た。
【0033】実施例5 炭化珪素化反応が終了した繊維から未反応の炭素を除去
する際の空気中での加熱温度を1300℃および時間を
60分間としたこと以外実施例1と同様にして中空繊維
を製造した。この中空繊維を走査型電子顕微鏡で観察し
た結果、繊維の半径は5.0μm、繊維壁の厚みは2.
5μmで、繊維の半径に対する繊維壁の厚みの割合は5
0%であった。実施例1と同様に、繊維の赤外線吸収ス
ペクトルを測定したところ、実施例1と同様に、繊維は
実質的に結晶質の炭化珪素であったが、吸収スペクトル
には1100cm-1付近に酸素と珪素との結合に由来す
る極めて弱い吸収が見られた。X線回析パターンは、実
施例1の繊維のものと変わらなかった。この繊維の引張
強度は100kg/mm2であった。
【0034】実施例6 炭化珪素化反応が終了した繊維から未反応の炭素を除去
する際の空気中での加熱温度を500℃および時間を6
0分間としたこと以外実施例1と同様にして中空繊維を
製造した。この中空繊維を走査型電子顕微鏡で観察した
結果、繊維の半径は5.0μm、繊維壁の厚みは2.5
μmで、繊維の半径に対する繊維壁の厚みの割合は50
%であった。実施例1と同様に、繊維の赤外線吸収スペ
クトルおよびX線回析パターンを測定したところ、実施
例1と同様に、繊維は結晶質の炭化珪素であることが分
かった。この繊維の引張強度は52kg/mm2であっ
た。
【0035】比較例4 炭化珪素化反応が終了した繊維から未反応の炭素を除去
する際の空気中での加熱温度を300℃および時間を6
0分間としたこと以外実施例1と同様にして処理し繊維
を製造した。この繊維を走査型電子顕微鏡で観察した結
果、繊維の半径は5.0μmであったが、未反応の炭素
が全く除去されていなかった。
【0036】実施例7 実施例1で製造した中空炭化珪素繊維を、内径50φ×
長さ1300mmの管状炭素ヒーターを備えた電気炉中
において、純度99.9容量%の窒素ガスを毎分5リッ
トルで流しながら、室温から1600℃に60分で加熱
し、その温度を180分間保持した後、120分かけて
室温まで冷却した。この繊維を走査型電子顕微鏡で観察
した結果、繊維の半径は5.0μm、繊維壁の厚みは
2.5μmで、実施例1の中空繊維と変わらなかった
が、この繊維の引張り強度は90kg/mm2であっ
た。
【0037】実施例8 アルミナの板の上のせた粒状の一酸化珪素5gの上に、
1500m2/gの比表面積を有するフェノール系活性
炭素繊維からなる50×50mm角の目付120g/m
2のフェルト(日本カイノール社製、繊維径10μm)
をのせ、さらにその上にアルミナ製の覆いをかぶせた。
このものを内径80φ×長さ1000mmのアルミナ製
の炉心管を備えた管状炉に入れて10Paまで減圧した
後、1200℃まで3時間で昇温し、その温度で60分
間保持し、炭素珪素化の反応を行わせた後、室温まで冷
却した。炭化珪素化反応が終了したフェルトの繊維から
未反応の炭素を除去する際の空気中での加熱温度を80
0℃および時間を60分間とし、実施例1と同様にして
中空繊維からなるフェルトを製造した。このフェルトの
中空繊維を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維の半
径は5.0μm、繊維壁の厚みは2.5μmで、繊維の
半径に対する繊維壁の厚みの割合は50%であった。
【0038】実施例9 フェノール樹脂繊維を80%含有するシート(日本カイ
ノール社製、米坪量40g/m2)に、フェノール樹脂
溶液(住友デュレズ社製、PR−51404)を含浸さ
せ、含浸させる前のシート絶乾重量の50%だけ樹脂固
形分が付着するように含浸と105℃での乾燥を繰り返
した。このフェノール樹脂を含浸させたシートに対し
て、溝幅5mm、溝幅3mmのコルゲート加工を行った
ものの上にコルゲート未加工のフェノール樹脂を含浸さ
せたシートを積層し、次いで積層したものをロール状に
巻いて直径50φ×100mmのガス透過ユニットを作
製した。このユニットを空気中で温度210℃、時間1
80分で加熱した後、毎分2リットルの純度が99.9
容量%の窒素気流中で100℃/時間の昇温速度で90
0℃まで昇温した。その後、さらにこの温度において前
記窒素ガスに40℃の水蒸気を飽和させた前記窒素ガス
を毎分500ミリリットルで、前記毎分2リットルの窒
素ガス気流に付加して流し、この状態を60分間保持
し、その後前記窒素ガスのみを流しながら冷却し、活性
炭素化した。
【0039】アルミナの板の上にのせた粒状一酸化珪素
5gの上に、上記ユニットをのせ、さらにその上にアル
ミナ製の覆いをのせた。これを80φ×1000mmの
アルミナ製の炉心管を備えた管状炉に入れて10Paま
で減圧した後、1200℃まで3時間で昇温し、その温
度で60分間保持し炭化珪素化を行い、その後室温まで
冷却した。次に、このユニットを、空気中で800℃、
60分間加熱し、実施例1と同様にして未反応の炭素を
除去した。このようにして得られたユニットを構成する
炭化珪素繊維の一部を走査型電子顕微鏡で観察した結
果、繊維半径は5.0μmで、繊維壁の厚みは2.5μ
mで、繊維の半径に対する繊維壁の厚みの割合は50%
からなる中空繊維であった。
【0040】実施例1〜9および比較例1〜4で得られ
た結果を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】実施例10 実施例1において製造した実質的に炭化珪素からなる中
空繊維(繊維の半径に対する繊維壁の厚みの割合50
%)を50mm長さで27,000本採取し、これを試
験機の金型の中に一方向に揃えて並べ、次いで樹脂組成
物を注いで、50×25×5mmの試験片を作製した。
すなわち、エポキシ樹脂(日本チバガイギー社製、アラ
ルダイトMY−720)100重量部に対して硬化剤と
して4,4’ージアミノジフェニルメタン(和光純薬工
業社製、試薬)35重量部を添加したものを樹脂組成物
とし、前記金型中では150℃で60分間、さらに金型
から取り出して160℃で240分間加熱して樹脂を硬
化させた。得られた試験片の曲げ強度を次の試験法で測
定した。 試験法 JIS K 7074(炭素繊維強化プラスチックの曲
げ強さ試験法)に準じて、3点曲げ試験を行った。比曲
げ強さは、得られた曲げ強さの値を試験片の密度で除し
て求めた。
【0043】比較例5 比較例2において製造した実質的に炭化珪素からなる中
空繊維(繊維の半径に対する繊維壁の厚みの割合96
%)を用いたこと以外は実施例10と同様にして試験片
を作製し、曲げ強さおよび比曲げ強さを測定した。
【0044】実施例10および比較例5で得られた結果
を表2に示した。
【0045】
【表2】
【0046】表1から分かるように、活性炭素繊維に特
定の範囲の温度と時間を組み合わせて炭化珪素化を行う
と、繊維の表面から炭化珪素化が進み、中心部に未反応
の炭素を有する繊維が得られ、さらにこの繊維を酸素ガ
スを含む雰囲気中で加熱し、繊維中の未反応炭素を除去
するという本発明法により、繊維の半径に対する繊維壁
の厚みの割合が20〜80%の範囲の中空繊維が得られ
る(実施例1〜7)。このような中空繊維は、シート状
や三次元構造体のものにも応用でき(実施例8および
9)、しかもこの繊維は、軽量であり、空間部を含む面
積当りの引張強度は、未反応炭素を除去する際の温度を
高くするあるいは窒素雰囲気中で加熱することにより高
くすることもできる(実施例5および7)。これに対
し、繊維壁の割合が小さい場合(比較例1)、測定がで
きないほど強度が著しく低くなり、繊維壁の割合が大き
い場合(比較例2および3)、繊維の引張強度には優れ
るが軽量化には寄与しないので適さない。また、炭素を
除去する際の温度が低すぎると、炭化珪素化反応で生じ
た未反応の炭素を除去することができないので適さない
(比較例4)。さらに、表2から分るように、本発明の
中空繊維は、密度が低く、樹脂と一緒に用いる補強繊維
として極めて優れた曲げ強さを発現するので、製品の軽
量化に極めて有効である(実施例10と比較例5の比
較)。
【0047】
【発明の効果】本発明は、簡単なプロセスで、強度、と
りわけ繊維強化プラスチックのような複合材料とした時
の曲げ強さに優れ、実質的に炭化珪素からなる中空繊維
の製造方法および中空繊維を提供し、それによって強化
繊維や断熱材のように炭化珪素繊維から構成される製品
の強度を維持しながら軽量化が達成できるという効果を
奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−321037(JP,A) 特開 平6−192917(JP,A) 特開 平4−272237(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 11/00 - 11/84 D01F 9/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質炭素繊維と一酸化珪素ガスを、反
    応させることからなる炭化珪素繊維の製造方法におい
    て、反応時間(分)をx、反応温度(℃)をyとする
    と、10≦x≦600、1000≦y≦1500、直線
    y=−(500/590)x+1600およびy=−1
    3x+1300で囲まれる範囲から選ばれた反応条件で
    多孔質炭素繊維の炭化珪素化を行い、炭化珪素繊維の中
    心部分を同心円状に炭化珪素化せずに残し、その後、炭
    化珪素化繊維を、酸素を含む雰囲気中で400〜150
    0℃で加熱することにより未反応炭素を除去することを
    特徴とする実質的に炭化珪素からなる中空繊維の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記炭化珪素からなる中空繊維を、さら
    に窒素元素を含む混合ガス雰囲気中で800〜2000
    ℃で加熱処理することを特徴とする請求項1記載の実質
    的に炭化珪素からなる中空繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記多孔質炭素繊維が多孔質炭素繊維シ
    ートであることを特徴とする請求項1あるいは2記載の
    実質的に炭化珪素からなる中空繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記多孔質炭素繊維が多孔質炭素繊維の
    三次元構造体であることを特徴とする請求項1あるいは
    2記載の実質的に炭化珪素からなる中空繊維の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4で製造される実質的に炭化
    珪素からなる中空繊維の繊維壁の厚みをT(μm)、中
    空繊維の半径をR(μm)としたとき、(T/R)×1
    00(%)で示される厚みの割合が20〜80%である
    ことを特徴とする実質的に炭化珪素からなる中空繊維。
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