JPH1161573A - 炭化ケイ素繊維の製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素繊維の製造方法

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JPH1161573A
JPH1161573A JP23103097A JP23103097A JPH1161573A JP H1161573 A JPH1161573 A JP H1161573A JP 23103097 A JP23103097 A JP 23103097A JP 23103097 A JP23103097 A JP 23103097A JP H1161573 A JPH1161573 A JP H1161573A
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fiber
silicon carbide
silicon
activated carbon
temperature
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JP23103097A
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English (en)
Inventor
Keihachirou Nakajima
慶八郎 中嶋
Kaoru Okada
薫 岡田
Hitoshi Kato
均 加藤
Ryoji Kubo
良二 久保
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度な複合材料の繊維強化用途などに供する
ため、炭化ケイ素の公知の製造技術に比較して、さらに
強度が高く、また耐熱性に優れた炭化ケイ素繊維を製造
する方法を提案することを課題とする。 【解決手段】 繊維径が1〜20μmで、BET窒素吸
着法による比表面積が700〜1500m2/g の活性
炭素繊維と、ケイ素及びケイ素酸化物から選ばれた少な
くとも一種のガスとを、減圧下もしくは不活性ガス雰囲
気下で1200〜1500℃の温度条件下で反応させて
炭化ケイ素繊維を製造する工程と、該炭化ケイ素繊維に
ホウ素化合物を担持させる工程と、該ホウ素化合物担持
炭化ケイ素繊維を、窒素を成分として含む雰囲気中で8
00〜1800℃で加熱する工程とからなる炭化ケイ素
繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化ケイ素繊維の
製造方法に関するものである。更に詳しく述べるなら
ば、本発明は強度および耐熱性に優れた炭化ケイ素繊維
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭化ケイ素繊維を製造する簡便な方法と
しては、多孔質炭素繊維と一酸化ケイ素(SiO)ガスと
を、温度800〜2000℃で反応させる方法が特開平
6−192917号公報に開示されている。また、特開
平7−97281号公報には、比表面積が100〜30
00m2/gの多孔質炭素繊維からなるシート状または
その他の三次元構造体例えばハニカム構造体に、一酸化
ケイ素ガスを800〜2000℃の温度で反応させるこ
とにより、シート状、またはその他の三次元構造体をな
す炭化珪素材料を得る方法が開示されている。
【0003】また、特開平7−277719号公報に
は、比表面積が100〜2500m2/gの多孔質炭素
繊維からなるシート状またはその他の三次元構造体に、
一酸化ケイ素ガスを800〜2000℃の温度で反応さ
せて得られる、繊維、シート状、またはその他の三次元
構造体をなす炭化珪素材料に、酸素を実質的に含まな
い、窒素を含むガス雰囲気中で加熱処理を行う方法が開
示されている。
【0004】ところで、本出願人は先に、特願平8−2
03443号において、比表面積が100〜2500m
2/g の繊維状活性炭を、減圧下で一酸化ケイ素ガスと
温度800〜2000℃で反応させて得られる炭化ケイ
素繊維を、金属酸化物を一成分として含む被覆を施すこ
とを特徴とする炭化ケイ素繊維の製造方法を提案した。
この場合の金属酸化物とは、酸化ケイ素、酸化ホウ素な
どを指す。また、同提案のなかで、繊維状活性炭を、減
圧下で一酸化ケイ素ガスと反応させて得られる炭化ケイ
素繊維を、窒素を成分として含む雰囲気中で、800〜
2000℃で加熱処理し、さらに該加熱処理炭化ケイ素
繊維に金属酸化物を一成分として含む被覆を施すことを
特徴とする炭化ケイ素繊維の製造方法についても提案し
た。この場合の窒素を成分として含む雰囲気とは、窒
素、アンモニア等の元素窒素を含むガスを成分として含
み実質的に酸素を含まない雰囲気を指す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術または上記本出願人が提案した方法で製造し
た炭化ケイ素繊維でも、複合材料の強化繊維などの用途
として用いるには、まだ強度が不十分であった。本発明
では、さらに強度が高く、また耐熱性に優れた炭化ケイ
素繊維を製造する方法を提案することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、下記の構成を採用する。即ち、本発明の第1
の発明は、 (1)繊維径が1〜20μmで、BET窒素吸着法によ
る比表面積が700〜1500m2/g の活性炭素繊維
と、ケイ素及びケイ素酸化物から選ばれた少なくとも一
種のガスとを、減圧下もしくは不活性ガス雰囲気下で1
200〜1500℃の温度条件下で反応させて炭化ケイ
素繊維を製造する工程と、該炭化ケイ素繊維にホウ素化
合物を担持させる工程と、該ホウ素化合物担持炭化ケイ
素繊維を、窒素を成分として含む雰囲気中で800〜1
800℃で加熱する工程とからなる炭化ケイ素繊維の製
造方法。である。
【0007】本発明の第2から第5の発明は、上記第1
の発明において下記の要件が加わるものである。 (2)第1の発明において、ホウ素化合物がホウ酸であ
る炭化ケイ素繊維の製造方法。 (3)第1〜第2の発明において、窒素を成分として含
む雰囲気がアンモニア雰囲気である炭化ケイ素繊維の製
造方法。 (4)第1〜第2の発明において、窒素を成分として含
む雰囲気が窒素ガス雰囲気である炭化ケイ素繊維の製造
方法。 (5)第1〜第4の発明において、活性炭素繊維が、活
性炭素繊維を成分として含むシートもしくは三次元構造
体である炭化ケイ素繊維の製造方法。 (6)第1〜第5の発明において、活性炭素繊維と、ケ
イ素及びケイ素酸化物から選ばれた少なくとも一種のガ
スとを反応して得られた炭化ケイ素繊維(ホウ素化合物
を担持させる前の炭化ケイ素繊維)のBET窒素吸着法
による比表面積が5〜100m2/g であることを特徴
とする炭化ケイ素繊維の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、活性炭素繊維をケイ素
及びケイ素酸化物から選ばれた少なくとも一種のガス
と、減圧下もしくは不活性ガス雰囲気下で加熱して、炭
化ケイ素化した繊維に対して、ホウ素化合物を含浸さ
せ、窒素を成分として含む雰囲気中で加熱することに特
徴がある。
【0009】本発明に用いられる活性炭素繊維は、繊維
径が1〜20μmで、BET窒素吸着法による比表面積
が700〜1500m2/g であって、好ましくは長さ
が0.1〜50mmの短繊維、および実質的に長さの制
限がない連続繊維(フィラメント、ヤーン等)を包含
し、これらは紡績糸、モノフィラメント、マルチフィラ
メント糸などのいずれであってもよい。また、本発明に
用いられる活性炭素繊維は、二次元シート状体(ペーパ
ー、フェルト、布など)あるいは三次元構造体(ハニカ
ム、パイプ、三次元織物等)に形成されていてもよく、
その形態で本発明の反応に供されるものである。
【0010】本発明に好適な活性炭素繊維の、BET窒
素吸着法により測定した比表面積は、700〜1500
2/g、好ましくは800〜1200m2/gの範囲内
にある。比表面積が700m2/g 未満では、炭化ケイ
素化反応工程において十分にケイ素化反応が進行せず、
得られる繊維中に未反応の炭素が残存するため、結果と
して炭化ケイ素繊維の特徴を十分に発現しうる製品が得
られない。また、比表面積が1500m2/g を越えて
大きい場合は、活性炭素化(賦活)工程における活性炭
素繊維の収率が低いということであり、これは不経済で
あるばかりではなく、活性炭素繊維としての強度が不足
し、その結果、得られる炭化ケイ素化された繊維の強度
も不十分になる。
【0011】前記の特性を有する本発明方法用活性炭素
繊維は、公知の方法により製造される。プレカーサー繊
維を活性炭素化する方法については、例えば、特開平6
−306710号公報には、化石燃料から得られるピッ
チを原料とする活性炭素繊維について記載されている。
本発明に好適な活性炭素繊維は、前記のように、1〜2
0μm、好ましくは5〜15μmの範囲内の繊維径を有
するものである。繊維径が1μmより小さいと、ハンド
リングが困難になり、また繊維径が20μmを超えて大
きくなると、ケイ素および/またはケイ素の酸化物のガ
スとの反応を均一に行わせることが難しくなる。
【0012】活性炭素繊維を予めシート状構造体(シー
ト、ウェブ等)の形状に形成するには、例えば特開平2
−255516号公報に開示されているように、ピッチ
を溶融紡糸して連続(長)繊維とする工程と、この繊維
を捕集、堆積させてウェブとする工程と、このシート状
繊維集合体を不融化する工程と、不融化したシートを賦
活する工程とを連続して行うピッチ系活性炭素繊維の製
造方法を用いることができる。
【0013】又、炭素繊維用プレカーサー繊維や炭素繊
維を、乾式又は湿式によりフェルト状シートに形成し、
これを活性炭素繊維化したもの、或いは、活性炭素繊維
のステープルを上記と同様にしてシート化したものを本
発明方法の出発原料として用いることもできる。更に、
炭素繊維用プレカーサー繊維又は炭素繊維の長繊維もし
くは紡績糸から織物を製造し、この織布を活性炭素化し
たもの、或いは活性炭素繊維の長繊維からなる織布等を
本発明方法の出発原料として用いることができる。
【0014】一方、活性炭素繊維からなる三次元構造体
は、前記のフェルトや布のような構造体をコルゲート加
工して巻いたもの、或いはハニカム状に加工したもの等
を包合する。
【0015】本発明で活性炭素繊維と反応するのはガス
状のケイ素または酸化ケイ素であるが、当該ガスは反応
室(加熱炉)とは別の所で発生させて加熱炉に供給し、
活性炭素繊維を炭化ケイ素化しても良いし、加熱炉内に
ケイ素及び/または酸化ケイ素の板やブロック、粉末等
を存在させ、加熱によりそこからガスを発生させ、活性
炭素繊維を炭化ケイ素化させても良い。また、活性炭素
繊維とケイ素およびケイ素酸化物から選ばれた少なくと
も一種以上(以下、ケイ素及び/又はケイ素酸化物とも
表現する)の粉体との混合物を加熱し、ケイ素または酸
化ケイ素のガス発生と活性炭素繊維との反応を同時に行
なう方法でも良いが、この場合反応した炭化ケイ素繊維
と未反応の粉体との分離が必要となる。活性炭素繊維と
して予めシート状構造体、たとえばフェルト状に形成し
たものを用いる場合、このシート状構造体に、ケイ素及
び/又はケイ素酸化物含有粉体を適当な分散媒を用いて
含浸させるか、シート状構造体を、ケイ素及び/又はケ
イ素酸化物含有粉体の上に載せることにより、シートを
炭化ケイ素化することができる。
【0016】本発明方法に用いられるケイ素及び/又は
ケイ素酸化物を含有する粉体としては、ケイ素(Si)
と二酸化ケイ素(SiO2)の混合粉末、固体状の一酸
化ケイ素(SiO)粉末、ケイ素(Si)粉末、炭素
(C)と二酸化ケイ素(SiO 2)との混合粉末などを
挙げることができる。これらのなかでも、とりわけ入手
の容易さと比較的廉価であるという理由で、ケイ素(S
i)と固体状の一酸化ケイ素(SiO)との混合粉末及
びケイ素(Si)と二酸化ケイ素(SiO2)との混合
粉末あるいは固体状の一酸化ケイ素が本発明のために好
適に使用される。固体状の一酸化ケイ素としては、例え
ば、蒸着用として市販されているもの(例えば住友ステ
ィックス社製)が使用できる。
【0017】前記ケイ素及び/又はケイ素酸化物を含有
する粉末を不活性ガス雰囲気、もしくは減圧下で120
0〜1500℃に加熱すると、ケイ素(Si)及び/又
はケイ素酸化物(SiOx)のガスが発生し、これらが
活性炭素繊維と反応して活性炭素繊維が炭化ケイ素繊維
に変換される。ケイ素粉体に二酸化ケイ素粉体を混合し
て使用すると、効率的にケイ素及びケイ素酸化物(Si
Ox)のガスの発生が促進される。その場合のケイ素と
二酸化ケイ素のモル比は1:0.1〜1:2であること
が好ましく、より好ましくは1:0.5〜1:1.5の
範囲である。ケイ素に対する二酸化ケイ素のモル比が
0.1未満では、二酸化ケイ素のケイ素に対する活性化
効果が不十分になることがあり、また前記モル比が2を
超えると、前記活性化の効果は飽和して、経済的に不利
になることがある。
【0018】ケイ素及び/又はケイ素酸化物含有粉体の
使用量は、活性炭素繊維の乾燥重量の1.2〜20倍で
あることが好ましく、より好ましくは1.5〜10倍で
ある。ケイ素及び/又はケイ素酸化物含有粉末の使用量
が1.2倍未満では、活性炭素繊維の炭化ケイ素化反応
が十分進行しないことがあり、従って、好ましい性質を
備えた炭化ケイ素繊維が得られないことがある。又、そ
の使用量が20倍を超える多量で用いられると、反応に
関与しない粉末を多量に使用することになり不経済であ
る。
【0019】上記のようにして得られた活性炭素繊維と
前記無機粉体又はそれらの混合物を、加熱し炭化ケイ素
化するが、このときに用いられる加熱炉は、不活性ガス
雰囲気中もしくは減圧下における加熱、炭化ケイ素化が
可能である限り、特にその種類に制限は無い。即ち、こ
のような炉は、管状炉、トンネル炉、箱形炉、キルン、
転炉、流動層炉等の中から適宜選択することができる。
焼成は不活性ガス雰囲気中もしくは減圧下で行なわれ
る。
【0020】本発明方法の加熱工程に用いられる不活性
ガス雰囲気とは、実質的にヘリウム、またはアルゴン等
から選ばれた成分からなるガスであることが好ましい。
不活性ガスに含まれる酸素は、0.001容量%以下、
窒素は1容量%以下にコントロールされることが望まし
い。前記不活性ガスの流量は、活性炭素繊維と、ケイ素
及び/又はケイ素酸化物含有粉体との合計重量1kg当た
り1〜100リットル/分の範囲内にあることが好まし
い。流量が1リットル/分/kg未満では、反応によって
副生したガスが除去されずに系内に蓄積することがあり
また、流量が100リットル/分/kgを超えて多くなる
と、ケイ素及び/又はケイ素酸化物含有ガスの一部が活
性炭素繊維の炭化ケイ素化に用いられることなく、系外
に流出してしまうことがあるため、いずれの場合も炭化
ケイ素化反応が不十分になることがある。
【0021】不活性ガス雰囲気で焼成を行う場合の炉内
の圧力は、大気圧〜大気圧の1.2倍の範囲内、なかで
も標準状態における大気圧(1.0気圧(atm ))下で
あれば良好に反応を行うことができる。ただし、炉内へ
の外気の侵入を防ぐために、ガス出口側に背圧弁を設け
て炉内の圧力を炉外の圧力より僅かに高めに維持するこ
とが好ましい。また、減圧下で反応を行う場合の減圧度
は、1〜103 Paの範囲では反応性を判断する上で結
果に相違を生じない。焼成物の加熱速度は、50〜15
00℃/時間の範囲内において適宜選択されて用いられ
ることが好ましい。加熱による昇温過程において、温度
が700〜1100℃の範囲内で一旦昇温を止めて、そ
の温度を暫時、例えば30分〜5時間の範囲の間保持す
ることにより、ウィスカーの生成を防止し、活性炭素繊
維の炭化ケイ素化反応を効率よく進めることができる。
ウィスカーは、炭化ケイ素(SiC)から構成される直
径が0.5〜1μmでアスペクト比が20〜100の細
長い繊維状結晶物質であって、そのディメンジョンが小
さいため通常の繊維としては使用できないものである。
【0022】本発明方法ではこのウィスカーの生成は極
力防止する必要があるため、炭化ケイ素化反応が行われ
る前に、活性炭素繊維中に含まれる炭素を含む揮発成分
は、加熱により除去しておくことが好ましく、このた
め、前記のように活性炭素繊維と、前記ケイ素及び/又
はケイ素酸化物含有無機粉体あるいはそれらの混合物と
を、炭化ケイ素化反応が起こる前に予備加熱しておくこ
とが好ましい。当然のことながら、本発明方法において
は、反応系にウィスカー生成用触媒を含有させることは
ない。
【0023】活性炭素繊維と、ケイ素及び/又はケイ素
酸化物含有無機粉体およびそれらの混合物は、温度12
00〜1500℃の範囲、好ましくは1200〜140
0℃の範囲に加熱され、その温度で所定時間保持され
る。温度が1200℃より低いと、活性炭素繊維と、ケ
イ素及び/又はケイ素酸化物含有粉体から生成するガス
との反応が十分に進行せず、得られる炭化ケイ素繊維の
耐熱性や強度が不足するという結果を招く。又、温度が
1500℃を超えて高いと、ケイ素及び/又はケイ素酸
化物含有粉体が凝固して塊となり、得られた炭化ケイ素
繊維と、前記無機粉体との分離操作が困難となる。
【0024】前記加熱温度を1200〜1500℃の範
囲に保持する時間は、温度が高い場合は比較的短く、温
度が低い場合には比較的長く設定されるが、10分〜1
0時間、好ましくは1〜5時間の範囲内で適宜選択して
用いられる。時間が10分より短いと、十分に炭化ケイ
素化反応が進行しないことがあり、時間が10時間を超
えて長くなると、不必要なエネルギーを消費することに
なるのみならず、繊維内における炭化ケイ素の結晶の成
長が発生して、繊維強度に好ましくない影響を及ぼすこ
とがある。十分に炭化ケイ素化反応が終了した後、得ら
れた炭化ケイ素繊維含有混合物は室温まで冷却される
が、その冷却速度には特に制限はない。
【0025】以上の方法で製造された炭化ケイ素繊維
は、用途によっては十分な強度を有していない。この十
分な強度が発現することを妨げている原因は、未だ十分
に解明されていないが、この製造方法で得られた炭化ケ
イ素繊維が繊維内に若干の空隙を含んでいることによる
影響が大きいと考えられている。この空隙を減少させて
繊維内部の構造を緻密化することで、繊維の強度は大幅
に向上すると考えられるが、炭化ケイ素繊維の性質を損
なわずに繊維の内部の空隙を減少させることは容易では
なく、発明者は様々な方法を試行した結果、本発明の方
法、即ち炭化ケイ素繊維にホウ素化合物を担持させ、こ
のホウ素化合物担持炭化ケイ素繊維を、窒素を成分とし
て含む雰囲気中で800〜1800℃で加熱する方法
が、繊維の強度を向上させる目的において極めて有効で
あることを見いだすに至った。
【0026】ところで、ホウ酸を加熱して得られる酸化
ホウ素(B2O3)が高温下で、アンモニアと反応して窒化
ホウ素を生成することは古くから知られており、現在、
窒化ホウ素の主要な工業的製法でもある。また、Journa
l of the American Ceramic Society、77巻、4号、1
011〜1016ページ、1994年発行、には、ポリ
カルボシランを原料とする炭化ケイ素繊維(日本カーボ
ン社製、商品名ニカロン)をホウ酸の水溶液に浸漬し、
乾燥させた後、アンモニア雰囲気中1000℃で熱処理
することで、炭化ケイ素繊維表面に無定型の窒化ホウ素
の薄い皮膜を形成する方法について解説されている。し
かしながら、上記報告のいずれも、活性炭素繊維を炭化
ケイ素化して得られた繊維については解説していない。
本発明は、活性炭素繊維から得られた特定比表面積を有
する炭化珪素繊維に対し、その強度および耐熱性を向上
させるため、ホウ素化合物を含浸させ、窒素を成分とし
て含む雰囲気中で加熱するという方法をはじめて適用す
るものである。
【0027】また、本発明方法においては、繊維径が1
〜20μmで、BET窒素吸着法による比表面積が70
0〜1500m2/g の活性炭素繊維と、ケイ素および
/またはケイ素の酸化物のガスとを、減圧下もしくは不
活性ガス雰囲気下で1200〜1500℃の温度で加熱
して得られた炭化ケイ素繊維のBET窒素吸着法による
比表面積が5〜100m2/g であることが、以下に述
べるホウ素化合物を担持させたのち、窒素を成分として
含む雰囲気で焼成する処理による強度および耐熱性の向
上に有効である。
【0028】本発明方法の炭化ケイ素繊維の製造におい
ては、先ず前記の方法で製造した炭化ケイ素繊維にホウ
素化合物を担持させる。ホウ素化合物としては、ホウ
酸、ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム(ホウ砂を含
む)などの水溶性化合物や、ホウ酸エチルのようなアル
コール可溶性化合物、塩化ホウ素のようなハロゲン系溶
媒可溶性化合物を用いることができるが、これらの中で
本発明方法に特に好適なものは、ホウ酸(H3BO3)であ
る。ホウ酸は溶媒に溶かして用いるのが好適である。こ
の場合、好適な溶媒は水またはエタノールなどの有機溶
媒である。ホウ素化合物を炭化ケイ素繊維に担持させる
方法には特に制限はないが、前記繊維をホウ酸の溶液に
浸漬することでその目的を達することができる。
【0029】本発明方法に室温(20℃)のホウ酸水溶液
を用いる場合、その濃度は0.1〜4.6重量%が好適
である。濃度が0.1重量%より低いと十分にホウ酸が
繊維に含浸されず、また、濃度が4.6重量%より高い
と僅かな温度の変化で、溶液中のホウ酸が析出して均一
な含浸が出来なくなる。本発明方法では溶液の温度を上
げることにより、溶液中のホウ酸の濃度を上げて多量の
ホウ酸を繊維に含浸させることも可能である。即ち、2
0℃〜100℃の範囲で溶液を加熱し、濃度の高いホウ
酸水溶液を調製し、これに繊維を浸漬することでより多
量のホウ酸を繊維に含浸させることが可能である。しか
し、後述するように必要以上にホウ酸を含浸させること
は本発明方法にとって必ずしも有益ではない。
【0030】ホウ酸溶液の含浸が終了した繊維は、必要
に応じて脱液を行い、過剰のホウ酸溶液を除去した後乾
燥される。乾燥は、空気中もしくは窒素気流中、あるい
はアルゴンやヘリウムのような不活性ガス中で行うこと
が好ましい。乾燥温度は、室温(20℃)〜300℃が
好適で、50℃〜200℃が特に好適である。好適な乾
燥時間は乾燥温度によって変わるので一概に限定できな
いが、ホウ酸溶液を含浸した繊維の重量に実質的に変化
が見られなくなった時点を持って乾燥が完了したものと
みなす。
【0031】乾燥後の繊維に担持されたホウ酸の量は、
含浸前の繊維に対する含浸乾燥後の繊維の重量百分率即
ち、 重量百分率=100×(含浸乾燥後の繊維重量−含浸前
の繊維重量)/(含浸前の繊維重量) として1〜100%が好適である。中でも5〜50%が
特に好適である。担持されたホウ酸の量が1%より少な
いと、後の焼成工程を経て製造された被覆の量が不十分
となり、所望の繊維強度向上効果が得られない。また、
担持されたホウ酸の量が0%より多いと担持が不均一に
なり、ホウ酸の脱落が顕著になる、あるいは焼成工程の
途中で繊維同士が融着してしまうなどといった問題が生
じるので好ましくない。
【0032】本発明の方法では、前記のホウ酸を担持し
た炭化ケイ素繊維を窒素を成分として含む雰囲気中で8
00〜1800℃で加熱する。ここで、窒素を成分とし
て含む雰囲気とは、窒素ガス、アンモニア、アミン類な
どをさすが、本発明の目的に特に好適な雰囲気はアンモ
ニアあるいは窒素ガスである。アンモニアはこれをその
まま用いても差し支えないし、窒素や水素、あるいはア
ルゴン、ヘリウムといった不活性ガスで稀釈して用いる
ことも差し支えない。窒素や不活性ガスで稀釈する場
合、アンモニアの含有量は、50容量%以上が適当であ
る。加熱時の雰囲気には実質的に酸素が含まれないこと
が必要である。
【0033】窒素を成分として含む雰囲気で加熱する具
体的な方法としては、窒素やアンモニアなどを成分とし
て含むガスを大気圧下(1気圧、1.01×105
a)に連続的に供給するガス気流中で行うことが好まし
い。この場合のガス流量は、材料の量や装置の内容積に
よるため、一概に規定できないが、例えば内容積が5リ
ットルの炉に、ホウ素化合物を担持した材料10gを入
れて、稀釈しないアンモニアガスを流して加熱する場
合、毎分1〜2リットルのガスを流すことが好ましい。
【0034】加熱温度が800℃未満であると、繊維に
担持されたホウ素化合物に窒素を成分として含むガスが
十分に作用せず、期待した強度向上効果が発現しない。
また、加熱温度が1800℃を越えて高くなると、やは
り窒素を成分として含むガスとホウ素化合物の作用が起
こり難くなり、期待した強度向上効果が発現しない。
【0035】加熱に用いる炉は、ガス雰囲気で焼成でき
る炉であって、加熱される部分がアルミナやムライトな
どのアンモニア雰囲気で使用可能な材料からなる炉であ
れば特にその種類に制限はない。即ち、アルミナ製の炉
心管を備えた管状炉や、アルミナ製の耐火材からなるト
ンネル炉などを用いることが出来る。加熱に際しては窒
素を成分として含むガス雰囲気中で昇温することも差し
支えないが、アルゴンやヘリウムなどの不活性ガス気流
を流しながら所定温度まで昇温し、所定温度に達した時
点で、窒素を成分として含むガスに切り替えてその温度
を保持する方法のほうが均一な被覆を行う上で好適であ
る。
【0036】昇温速度には、特に制限は無いが、毎分1
℃〜50℃の昇温速度を好適に用いることができる。炉内
が所定の温度、即ち800〜1800℃に達した時点で
この温度を所定時間保持する。保持時間は温度によって
変わるので、一概に規定できないが、例えば1000℃
を保持する場合、5〜60分が好適である。保持時間が
短すぎると、窒素を成分として含むガスと、繊維に担持
されたホウ素化合物との相互作用が十分に起こらず、期
待した効果が得られない。また、必要以上に保持時間を
長くとっても効果の進展が見られないばかりか、不経済
でもある。所定温度で加熱した後の冷却速度には特に制
限はない。この工程においても、昇温過程と同様、窒素
を成分として含むガス気流中で冷却することも差し支え
ないし、アルゴンやヘリウムなどの不活性ガス気流中で
冷却することも差し支えない。
【0037】
【実施例】本発明方法を、下記実施例により具体的に説
明するが、本発明の範囲は勿論下記実施例により限定さ
れるものではない。 <実施例1>平均繊維長6mm、比表面積1000m2
g 、及び繊維径13μmのピッチを原料とする活性炭
素繊維(商品名:リノベスA−10、大阪ガス社製)
を、送風式乾燥機中で120℃で5時間乾燥し、この乾
燥繊維10gを、ケイ素粉末(試薬一級、和光純薬工業
社製)30gと二酸化ケイ素粉末(試薬一級、和光純薬
工業社製)65gとを乳鉢で十分に混合した粉体と良く
混合し、この混合物を、内径45mmのムライト製炉心
管を備えた管状炉中に、150mmの長さにわたって充
填した。この炉の炉心管内にアルゴンガス(純度99.
99容量%)を毎分1リットルで流しながら、室温から
900℃まで3時間かけて昇温し、900℃において3
時間保持し、さらに1400℃まで2時間かけて昇温
し、1400℃を4時間保持した。その後、室温まで2
時間かけて冷却した。
【0038】冷却後、繊維と未反応粉末を炉から取り出
し、10リットルの水の中で攪拌機(商品名:アジタ
ー、シマザキ社製)を用いて繊維を離解した。この混合
物を含む分散液を149μmの目孔のふるいに通し、ふ
るいを通過しなかった繊維を流水で洗浄した。洗浄後の
繊維は、120℃の送風乾燥機中で5時間乾燥した。得
られた繊維の重量は、14gであった。この繊維は走査
型電子顕微鏡による観察および、X線回折分析により、
炭化ケイ素からなる繊維であることがわかった。この繊
維の繊維径と長さは、原料の活性炭素繊維と実質的に変
わらなかった。
【0039】上記繊維10.0gをとり、ホウ酸(試薬
特級、和光純薬工業社製)36gを20℃のイオン交換
水に溶解して1000gとした溶液に1時間浸漬した
後、これを取り出して、余剰の溶液をブフナー漏斗上で
吸引ろ過した。この時の繊維の重量を測定したところ、
30.5gであった。上記繊維を、105℃の送風乾燥
機中で3時間乾燥し、重量を測定したところ、10.7
gであった。
【0040】この繊維2.00gを、内径70mmのア
ルミナ製炉心管を備えた管状炉に入れ、ヘリウム(純度
99.9容量%)を炉心管の一端から毎分0.5リット
ル流しながら、室温から1100℃まで3時間で昇温
し、1100℃に達した時点でヘリウムを閉止し、アン
モニアガス(純度99.9容量%)を毎分0.5リット
ル流しながら30分間その温度を保持した。30分間1
100℃を保持した後は、再びガスをヘリウムに切り替
え、室温まで4時間で放冷した。この繊維の重量は、
2.06gであった。
【0041】<比較例1>ホウ酸の浸漬以降の処理、即
ち、ホウ酸の浸漬、乾燥およびアンモニア中での加熱処
理を行わなかった以外は、すべて実施例1と同様に処理
を行った。
【0042】<実施例2>実施例1において、ホウ酸水
溶液の浸漬処理以降の処理条件を以下の様に変更した以
外は、全て同様に処理をおこなった。得られた炭化ケイ
素繊維10.0gをとり、ホウ酸(和光純薬工業製試薬
特級)50gをエタノールに溶解して1000gとした
溶液に1時間浸漬した後、これを取り出して余剰の溶液
をブフナー漏斗で吸引濾過した。この時の繊維の重量を
測定したところ、31.0gであった。上記繊維を10
5℃の送風乾燥機中で3時間乾燥し、重量を測定したと
ころ11.0gであった。この繊維2.00gを内径7
0mmのアルミナ製炉心管を備えた管状炉に入れ、ヘリ
ウム(純度99.9容量%)を炉心管の一端から毎分
0.5リットル流しながら、室温から1600℃まで2
時間で昇温し、1600℃に達した時点でヘリウムを閉
止し、窒素ガス(純度99.9容量%)を毎分0.5リ
ットル流しながら30分間その温度を保持した。30分
間1600℃を保持した後は、再びガスをヘリウムに切
り替え、室温まで3時間で放冷した。この繊維の重量は
2.08gであった。
【0043】<比較例2>実施例1において、ヘリウム
及びアンモニアガス中の加熱処理条件を以下の様に変更
した以外は、全て同様に処理をおこなった。ヘリウム及
びアンモニアガス中での加熱処理において、ヘリウム
(純度99.9容量%)を炉心管の一端から毎分0.5
リットル流しながら、室温から600℃まで2時間で昇
温し、600℃に達した時点でヘリウムを閉止し、アン
モニアガス(純度99.9容量%)を毎分0.5リット
ル流しながら30分間その温度を保持した。30分間6
00℃を保持した後は、再びガスをヘリウムに切り替
え、室温まで2時間で放冷した。
【0044】<比較例3>実施例2において、ヘリウム
及び窒素ガス中の加熱処理条件を以下の様に変更した以
外は、全て同様に処理をおこなった。ヘリウム及び窒素
ガス中での加熱処理において、ヘリウム(純度99.9
容量%)を炉心管の一端から毎分0.5リットル流しな
がら、室温から2000℃まで4時間で昇温し、200
0℃に達した時点でヘリウムを閉止し、窒素ガス(純度
99.9容量%)を毎分0.5リットル流しながら30
分間その温度を保持した。30分間2000℃を保持し
た後は、再びガスをヘリウムに切り替え、室温まで5時
間で放冷した。
【0045】<実施例3>黒鉛製の箱の中に、5gの塊
状一酸化ケイ素(住友スティックス社製)を敷き、その
上に比表面積が1000m2/gのフェノール樹脂を原
料とする活性炭素繊維からなる目付200g/m2のフ
ェルト(商品名:クラクティブフェルトFT−300、
クラレケミカル社製)を50×50mm(重量0.50
g)に断裁したものを載せて、黒鉛製の蓋を載せた。こ
れを内容積約5リットル、内径70mmのアルミナ製炉
心管を備えた管状炉に入れて、排気能力毎秒50リット
ルの油回転式真空ポンプを接続して炉心管内部を減圧し
ながら、室温から1300℃まで4時間で昇温した。1
300℃に達した時点でその温度を2時間保持し、6時
間かけて室温まで冷却し、フェルトを取り出しその重量
を測定したところ0.72gであった。
【0046】このフェルトをホウ酸(試薬特級、和光純
薬工業社製)36gを20℃のイオン交換水に溶解して
1000gとした溶液に1時間浸漬した後、これを取り
出して吸い取り紙の上に置き、余剰の溶液を吸い取らせ
た。この時のフェルトの重量を測定したところ、2.1
gであった。上記フェルトを、105℃の送風乾燥機中
で3時間乾燥し、重量を測定したところ、0.74gで
あった。このフェルトを、アルミナ製の板の上に載せ、
内径70mmのアルミナ製炉心管を備えた管状炉に入
れ、ヘリウム(純度99.9容量%)を炉心管の一端か
ら毎分0.5リットル流しながら、室温から1000℃
まで3時間で昇温し、1000℃に達した時点でヘリウ
ムを閉止し、アンモニアガス(純度99.9容量%)を
毎分0.5リットル流しながら30分間その温度を保持
した。30分間1000℃を保持した後は、再びガスを
ヘリウムに切り替え、室温まで4時間で放冷した。アン
モニア中での加熱処理を行ったフェルトの重量は、0.
76gであった。
【0047】以上の、実施例1、実施例2、比較例1、
比較例2及び比較例3において製造した繊維の単繊維引
っ張り強度をJIS R 7601(炭素繊維試験方
法)に準じて測定した。この際のスパンは5mmとし
た。強度測定値は、20試料について測定した結果の平
均値を下記<表1>に示した。
【0048】<表1>実施例/比較例 引っ張り強度(Gpa) 実施例1 1.5 実施例2 1.2 比較例1 0.7 比較例2 0.5 比較例3 0.3
【0049】
【発明の効果】<表1>から明らかなように、本発明の
処理を行った炭化ケイ素繊維(実施例1および2)は、
処理を行わなかった繊維(比較例1)より、強度が向上
している。また、アンモニア中または窒素ガス中での加
熱処理温度が、本発明の範囲を逸脱した場合、強度の向
上が見られず、むしろ強度低下が起こることがわかる
(比較例2、3)。本発明の方法は、繊維そのもの以外
にも、フェルト(実施例3)やハニカムなどの二次元あ
るいは三次元の構造体に適用することが可能であり、幅
広い応用が可能な技術である。実施例1で製作した繊維
を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維の表面および
断面が本発明の処理を行わない繊維(比較例1の繊維)
に比べて本発明の処理を行った繊維(実施例1の繊維)
は滑らかになっており、本発明の処理により、繊維内部
および表面の細かい空隙が充填されていることが判っ
た。繊維の強度の向上は、この空隙の充填によって、破
壊の起点となる欠陥が減少したためによるものと考えら
れる。また、実施例1で作製した繊維と比較例1で作製
した繊維を加熱炉に入れ、空気中で1100℃、10時
間加熱した。その結果、比較例1で作製した繊維の重量
は加熱前の重量に対して10%の増加であったが、実施
例1で作製した繊維は加熱前の重量に対して3%の増加
であった。このことから、本発明により得られた繊維
は、繊維が酸化されにくくなっており、高温における耐
酸化性すなわち耐熱性が向上している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 良二 東京都江東区東雲一町目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維径が1〜20μmで、BET窒素吸
    着法による比表面積が700〜1500m2/g の活性
    炭素繊維と、ケイ素及びケイ素酸化物から選ばれた少な
    くとも一種のガスとを、減圧下もしくは不活性ガス雰囲
    気下で1200〜1500℃の温度条件下で反応させて
    炭化ケイ素繊維を製造する工程と、該炭化ケイ素繊維に
    ホウ素化合物を担持させる工程と、該ホウ素化合物担持
    炭化ケイ素繊維を、窒素を成分として含む雰囲気中で8
    00〜1800℃で加熱する工程とからなる炭化ケイ素
    繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 ホウ素化合物がホウ酸である請求項1に
    記載の炭化ケイ素繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 窒素を成分として含む雰囲気がアンモニ
    ア雰囲気である請求項1〜2のいずれかに記載の炭化ケ
    イ素繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 窒素を成分として含む雰囲気が窒素ガス
    雰囲気である請求項1〜2のいずれかに記載の炭化ケイ
    素繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 活性炭素繊維が、活性炭素繊維を成分と
    して含むシートもしくは三次元構造体である請求項1〜
    4のいずれかに記載の炭化ケイ素繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 活性炭素繊維と、ケイ素及びケイ素酸化
    物から選ばれた少なくとも一種のガスとを反応して得ら
    れた炭化ケイ素繊維(ホウ素化合物を担持させる前の炭
    化ケイ素繊維)のBET窒素吸着法による比表面積が5
    〜100m2/g であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の炭化ケイ素繊維の製造方法。
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