JP3299230B2 - ピラーガーニッシュの取り付け構造 - Google Patents

ピラーガーニッシュの取り付け構造

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のドア部ピ
ラーの表面を覆う長寸のピラーガーニッシュの取り付け
構造に関し、特にピラーのフレームとピラーガーニッシ
ュとの線膨張係数が異なるものに適するピラーガーニッ
シュの取り付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】線膨張係数の異なる部材同士を取り付け
るには熱伸縮時の逃げを考慮する必要がある。例えば金
属からなるドア部のピラーに樹脂からなるピラーガーニ
ッシュを取り付ける場合、従来手法ではピラーのフレー
ムに対して長手方向にスライド可能にピラーガーニッシ
ュをはめ込み、クリップでスライド方向以外の方向へ抜
け止めすると共にスライド方向へのスライド範囲を規制
するようにしたり、長孔と段付きボルトとでフレームに
取り付け長手方向にスライド可能とするのが常套であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピラー
のフレーム側及びピラーガーニッシュ側の形状は単純で
はないため、その熱伸縮方向は環境等により必ずしも一
定ではなく、特に幅方向への伸縮を把握できず、外面に
隙間が生じて美感を損ねたり、場合によってはピラーガ
ーニッシュが伸張時にドアと干渉するなどの不具合が虞
がある。
【0004】本発明は、上記したような従来技術の問題
点を解決するべく案出されたものであり、簡単な構造を
もってピラーガーニッシュがドアと干渉したり、外面
(意匠面)の美感を損ねることを防止し得るピラーガー
ニッシュの取り付け構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
べく、本発明では、自動車のドア部ピラー2の表面を覆
う長寸のピラーガーニッシュ3の取り付け構造に於い
て、基準取り付け部6と、前記ピラーガーニッシュ3の
幅方向ドア側に複数設けられた第1の可動取り付け部7
と、幅方向ドアと相反する外側に複数設けられた第2の
可動取り付け部8とを有し、前記第1の可動取り付け部
7は前記ピラーガーニッシュ3の長手方向の熱伸縮のみ
許容し、前記第2の可動取り付け部8は前記ピラーガー
ニッシュ3の幅方向及び長手方向への熱伸縮を許容する
ものとした。これにより、ピラーガーニッシュ3の熱伸
縮時の伸縮方向を制御でき、ドアとの干渉を防止でき
る。また、第2の可動取り付け部8ではピラーガーニッ
シュ3を幅方向基準位置へ向けて付勢するように取り付
けることで、熱膨張(収縮)後に元の形状に戻る際に確
実に元の位置に戻る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0007】図1は、本発明が適用された自動車のフェ
ンダーからルーフにかけての構造を示す部分透視分解斜
視図である。車体1のフロントピラーのフレーム2はア
ルミニウム合金材からなり、フロントガラス4とルーフ
パネル5にかけて延在している。また、その外面は樹脂
からなるフロントピラーガーニッシュ3に被覆されてい
る。このフロントピラーガーニッシュ3は、その長手方
向中央近傍の基準取り付け部6と、ドア(図示せず)側
の複数の第1の可動取り付け部7と、幅方向ドアと相反
する外側の複数の各第2の可動取り付け部8と、前側の
端部取り付け部9とでフレーム2に取り付けられてい
る。基準取り付け部6ではねじ止めにより固定され、第
1の可動取り付け部7及び第2の可動取り付け部8では
後記するクリップ10、17により熱伸縮可能なように
取り付けられ(図2)、前側の端部取り付け部9では長
孔を介してボルト締めすることによりその長手方向に熱
伸縮可能なようにねじ止めされている。
【0008】図3及び図4に示すように、ドア側の各第
1の可動取り付け部7に用いられるクリップ10は、第
1の拡頭部11と首部12と第2の拡頭部13と弾発係
合爪部14とがこの順番に形成された樹脂クリップであ
る。これに対応して、フレーム2には係合孔15が形成
され、フロントピラーガーニッシュ3には対応係合部1
6が形成されている。係合孔15は弾発係合爪部14が
係合するためのものである。対応係合部16は図5に示
すように、側方に第1の拡頭部11の入る開口16aを
有し、また首部12に係合するべくフロントピラーガー
ニッシュ3の長手方向に延在するスリット16bを有し
ている。
【0009】上記各クリップ10をまずフレーム2に保
持し、これにフロントピラーガーニッシュ3を係合させ
ることで各第1の可動取り付け部7での取り付けがなさ
れる。クリップ10をフレーム2に保持するには、フレ
ーム2の係合孔2aに、弾発係合爪部14を第2の拡頭
部13で押さえつつ弾発係合させれば良い。そして、第
1の拡頭部11を対応係合部16の開口16aに挿入す
ることで各第1の取り付け部7での取り付けが完了す
る。この状態ではフロントピラーガーニッシュ3はその
長手方向にスライド可能となっている。
【0010】一方、図6に示すように、幅方向ドアと相
反する外側の各第2の可動取り付け部8に用いられるク
リップ17は、フレーム2に接着する接着面部18と、
この接着面部18に対して或る角度をなす基準位置から
傾動可能であり、かつ自らのばね性によりこの基準位置
に向けて付勢された挟持部19とを有する金属クリップ
である。これに対応して、フロントピラーガーニッシュ
3には舌片20が形成されている。図5はフロントガラ
ス4に隣接するクリップ17の構造を示すが、ルーフパ
ネル5に隣接するクリップ17は、挟持部19の基準位
置(角度)が異なるのみでその構造は同様である。
【0011】上記各クリップ17をまずフレーム2に保
持し、これにフロントピラーガーニッシュ3を係合させ
ることで各第2の取り付け部7での取り付けがなされ
る。クリップ17をフレーム2に保持するには、フレー
ム2に接着面部18を接着テープ、接着剤等で接着す
る。そして、挟持部19に舌片20を挿入し、これを挟
持させることで各第2の可動取り付け部8での取り付け
が完了する。ここで、挟持部19には返し19aが形成
され、舌片20を抜け止めするようになっている。この
状態ではフロントピラーガーニッシュ3はその長手方向
にスライド可能となっていると共に挟持部19の傾動範
囲内で幅方向への伸縮が可能となっている。
【0012】上記各第1及び第2の可動取り付け部7、
8での取り付けを行うと共に基準取り付け部6でねじ止
めして固定することで、この基準取り付け部6を固定点
としてフロントピラーガーニッシュ3はその長手方向に
スライド可能となっていると共に幅方向の伸縮が可能と
なっている。ここで、基準取り付け部6及び第1の可動
取り付け部7では幅方向の伸縮はできないことから、実
際の幅方向への伸縮、特に伸張は基準取り付け部6及び
第1の可動取り付け部7を固定点としてドアと相反する
外側へ向けて伸張することとなる。また、クリップ17
の付勢力によりフロントピラーガーニッシュ3は元の位
置及び形状に戻るようになる。
【0013】ところで、フロントピラーガーニッシュ3
を交換等のために取り外す場合、可動取り付け部8のク
リップ17は、挟持部19から舌片20を引き抜く、ま
たは接着面部18を剥がすことで容易に取り外せるが、
クリップ10は弾発係合爪部14がフレーム2内に位置
していることから、各部の強度、構造によっては第1の
拡頭部11と首部12と第2の拡頭部13と弾発係合爪
部14との間でクリップ10が分離し、弾発係合爪部1
4がフレーム2内に残ってしまい、後に異音発生の原因
になる心配がある。
【0014】そこで、本構成では、首部12が比較的弱
くなっている。また、第2の拡頭部13に薄肉部13a
が形成されている。これにより、図7(a)に示すよう
に、まず、ドライバ等で首部12を折ってフロントピラ
ーガーニッシュ3を外し、薄肉部13aから第2の拡頭
部13の一部を折って弾発係合爪部14を露出させ(図
7(b))、弾発係合爪部14をこじってその係合を解
除し(図7(c))、引き抜けば容易にクリップ10を
取り外すことができる。
【0015】
【発明の効果】上記した説明により明らかなように、本
発明によるピラーガーニッシュの取り付け構造によれ
ば、基準取り付け部と、ピラーガーニッシュの幅方向ド
ア側に複数設けられた第1の可動取り付け部と、幅方向
ドアと相反する外側に複数設けられた第2の可動取り付
け部とを有し、第1の可動取り付け部ではピラーガーニ
ッシュの長手方向の熱伸縮のみ許容し、第2の可動取り
付け部ではピラーガーニッシュの幅方向及び長手方向へ
の熱伸縮を許容する構造とすることで、ピラーガーニッ
シュの熱伸縮時の伸縮方向、特に幅方向の伸縮を容易に
制御でき、ドアとの干渉を防止できる。また、第2の取
り付け部ではピラーガーニッシュを幅方向基準位置へ向
けて付勢するように取り付けることで、熱膨張(収縮)
後に元の形状に戻る際に確実に元の位置に戻るため、美
感が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された自動車のフロントピラーの
要部構造を示す部分透視分解斜視図。
【図2】図1のII−II線について見た断面図。
【図3】第1の可動取り付け部を拡大して示す部分断面
正面図。
【図4】第1の可動取り付け部の構造を図3と共に示す
部分断面側面図。
【図5】第1の可動取り付け部対応係合部の構造を示す
斜視図。
【図6】第2の可動取り付け部に用いるクリップの構造
を示す斜視図。
【図7】(a)、(b)、(c)共、第1の可動取り付
け部に用いるクリップの着脱要領を説明する図3と同様
な図。
【符号の説明】
2 フロントピラーのフレーム 3 フロントピラーガーニッシュ 6 基準取り付け部 7 第1の可動取り付け部 8 第2の可動取り付け部 10 クリップ 17 クリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−5510(JP,A) 特開 平6−321021(JP,A) 実開 昭63−16249(JP,U) 実開 平7−15449(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 13/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のドア部ピラーの表面を覆う長
    寸のピラーガーニッシュの取り付け構造であって、 前記ピラーガーニッシュの幅方向ドア側に複数設けられ
    た第1の可動取り付け部と、幅方向ドアと相反する外側
    に複数設けられた第2の可動取り付け部とを有し、 前記第1の可動取り付け部は前記ピラーガーニッシュの
    長手方向の熱伸縮のみ許容し、 前記第2の可動取り付け部は前記ピラーガーニッシュの
    幅方向及び長手方向への熱伸縮を許容するようになって
    いることを特徴とするピラーガーニッシュの取り付け構
    造。
  2. 【請求項2】 前記第2の可動取り付け部では、前記
    ピラーガーニッシュを幅方向基準位置へ向けて付勢する
    ように取り付けていることを特徴とする請求項1に記載
    のピラーガーニッシュの取り付け構造。
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