JP3296662B2 - 仮止め機構付回転コネクタ - Google Patents

仮止め機構付回転コネクタ

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JP3296662B2 JP13016194A JP13016194A JP3296662B2 JP 3296662 B2 JP3296662 B2 JP 3296662B2 JP 13016194 A JP13016194 A JP 13016194A JP 13016194 A JP13016194 A JP 13016194A JP 3296662 B2 JP3296662 B2 JP 3296662B2
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Tokai Rika Co Ltd
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Tokai Rika Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体と固定体間の伝
送装置としての回転コネクタを構成する固定体側ケース
と回転体側ケースとを、ケース内部に収容されているケ
ーブルの中立位置などにおいて、相対的に回転しないよ
うに相互に仮止めすることができる仮止め機構付回転コ
ネクタの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車には、衝突の際に乗員の顔
面への衝撃を緩和させる補助装置としてエアバッグシス
テムを搭載したものがある。運転席用のエアバッグシス
テムでは、ステアリングホイール内にエアバッグモジュ
ールが収容され、車両の衝突を検知してエアバッグモジ
ュールを作動させるコントロールユニットが車体側に固
定されている。また、車体側に固定された音響機器を作
動させる操作スイッチを、ステアリングホイールに配置
した自動車もある。このような自動車のステアリングホ
イール(回転体)に設けられた電装部品と、車体側に固
定されたコラム(固定体)に設けられた電装部品との間
で電気信号、光信号あるいは電力等を伝送するために
は、回転体と固定体間の伝送装置である回転コネクタが
使用されている。
【0003】この回転コネクタは、固定体側に接続され
る第1ケースと、回転体側に接続され前記第1ケースに
対して相対的に回転自在な第2ケースと、これら第1と
第2のケースを組み合わせて形成される空間内に収容さ
れるフラットケーブルとを有する。このフラットケーブ
ルは、複数の導電体を一体的に被覆して帯状に形成され
た可撓性を有するケーブルであり、渦巻状に巻回されて
前記空間内に収容されている。そして、このフラットケ
ーブルを介して、固定体側の電装部品と回転体側の電装
部品とが電気的に接続されるようになっている。
【0004】フラットケーブルの一端は第1ケースに固
定され、他端は第2ケースに固定されているため、第2
ケースは所定の範囲で第1ケースに対して回転が可能と
なっている。このように有限の回転角しか回転できない
方式の回転コネクタにあっては、回転体の回転動作不良
やフラットケーブルの切断などの不具合を防止する必要
があるため、回転コネクタの中立位置と回転体の中立位
置とを合致させた状態で、回転コネクタを取り付ける必
要がある。自動車を例に挙げれば、自動車が直進すると
きのステアリング軸の状態が中立位置であり、この中立
位置に、回転コネクタの中立位置を合致させる必要があ
る。
【0005】しかしながら、回転コネクタを車両に組み
付ける前においては第1と第2の両ケースが相対的に回
転自在であることから、運搬時や車両への組み付け作業
時に回転コネクタの中立位置がずれてしまい、回転コネ
クタの中立位置を確認する作業が必要となることがあっ
た。
【0006】そのため、従来より、第1と第2の両ケー
スが相対的に回転しないように相互に仮止めして、回転
コネクタの中立位置を維持するようにした仮止め装置が
提案されている。従来の仮止め装置には種々の方式のも
のがあるが、まず第1に、両ケースを連結するように粘
着テープなどを貼り付けたもの、第2に、両ケースに嵌
合し組み付け時に取り外されるいわゆるスナップフィッ
トを利用したもの(特開昭62−18355号公報参
照)、第3に、両ケースを連結するようにピンなどを串
刺ししたものがある。また、第4に、実開昭63−19
8190号公報には、両ケースを回転しないように連結
するロック機構を設け、回転コネクタをステアリングホ
イールとともにステアリング軸に挿入したときに、前記
ロック機構が自動的に解除されるようにした仮止め装置
が開示されている。さらに、第5に、実開平2−778
93号公報には、カム機構を有する仮止めピンの押し下
げ動作により、回転コネクタの仮止めおよびその解除を
切り換えるようにした仮止め装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粘着テ
ープの貼り付けによる上記第1の仮止め技術では、当該
テープの不用意な剥がれや、剥がすときの回転コネクタ
の誤回転が生じ易く、回転コネクタの中立位置を確保す
る信頼性に欠けるという問題がある。また、回転コネク
タを組み付けた後に、第1ケースに貼り付けられた部分
と第2ケースに貼り付けられた部分とを接続する接続部
を切断することも考えられるが、回転体の回転に伴って
切断部分が相互に接触する虞があるため不快音が発生す
るという問題もある。
【0008】また、上記第2のスナップフィットにより
仮止め技術では、組み付け時に当該スナップフィットを
取り外す手間がかかり、取り外した後、組み付けるまで
の間に回転コネクタの誤回転が生じ易いという問題があ
る。また、上記第3の串刺しピンにより仮止め技術で
も、ピンを取り外す手間がかかり、回転コネクタの誤回
転も生じ易いという問題がある。
【0009】また、上記第4のロック機構を備えた仮止
め装置は、回転コネクタの組み付けによりロック機構に
よる仮止めが自動的に解除されるという点では好ましい
ものの、ロック機構の構成が複雑であり、さらにはロッ
ク機構を解除するための解除手段を固定体あるいは回転
体に新たに設けなければならないため、コストの増加を
招くという欠点がある。また、固定体などへの解除手段
の新設を伴うため、既存の固定体あるいは回転体には適
用することができず、汎用性に欠けるという問題もあ
る。
【0010】また、上記第5の仮止めピンを備えた仮止
め装置は、比較的狭小な部分で仮止めピンの押し下げ動
作を行わなければならないので作業性が悪く、さらには
カム機構の構成も複雑であるので、仮止め装置のコスト
の増加、ひいては仮止め装置を備えた回転コネクタ全体
のコストの増加を招くという欠点がある。
【0011】本発明者は、従来技術に伴う課題を総合的
に検討したところ、回転コネクタの仮止め装置には、以
下の条件が要求されることを把握した。第1に、回転コ
ネクタの組み付けが終わるまで余分な作業を伴わないこ
とが好ましい。換言すれば、回転コネクタの組み付けが
終わって回転体を回転させる時点まで、回転コネクタの
中立位置が維持されていることが好ましい。第2に、仮
止めを解除する機構は、固定体あるいは回転体に解除手
段を新設する構成ではなく、さらに簡易な構成であるこ
とが好ましい。第3に、仮止めを解除するための操作を
容易に行うことができることが好ましい。
【0012】本発明は、回転コネクタの組み付けが終わ
って回転体を回転させる時点まで回転コネクタの中立位
置を維持することができ、固定体あるいは回転体に仮止
めを解除するための手段を新設する構成ではなく、簡易
な構成でコスト的に優れ、さらに仮止め解除操作を容易
に行い得る仮止め機構付回転コネクタを提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る仮止め機構付回転コネクタは、第1ケ
ースと、記第1ケースに対して相対的に回転自在な第
2ケースと、前記第1,第2のケースを組み合わせて形
成される空間内に収容される導電性のケーブルと、前記
第1,第2のケースが相対的に回転しないように相互に
仮止めするための仮止め機構と、を有する回転コネクタ
であって、前記仮止め機構が、前記第1ケースに設けら
れる第1係止部と前記第2ケースに設けられる第2係止
部との間を解除自在に連結する仮止め部材と、前記
1,第2のケースのうちいずれか一方に設けられ、前記
仮止め部材を保持する保持手段と、を有し、 前記仮止め
部材は、 前記第1,第2の係止部の間を解除自在に連結
する仮止め位置と、前記第1,第2の係止部の間の連結
状態が解除された位置であり前記第2ケースの回転動と
干渉しない位置である解除位置とに移動自在で、前記第
1係止部と前記第2係止部との間を解除自在に連結する
固定部材と、 前記固定部材を前記仮止め位置に保持する
第1の強さの弾発力および前記固定部材を前記解除位置
に保持する第2の強さの弾発力を前記固定部材に与える
弾発手段と、 を一体的に形成して構成されており、前
仮止め位置に保持された前記固定部材を前記弾発手段の
前記第1の強さの弾発力に抗して前記第2ケースの回転
動に伴って前記解除位置に移動させるカム手段が、前記
第1,第2のケースのうち少なくとも一方に設けられて
る。
【0014】前記固定部材および前記弾発手段は、弾性
体により形成されていることが好ましい。前記カム手段
は、前記第1,第2の係止部の端面のうち前記第1,第
2のケースの相対的な回転方向に沿って位置する周方向
端面に設けた傾斜面で形成することが好ましい。
【0015】また、前記係止部および前記固定部材の少
なくとも一方に、仮止め位置に移動される前記固定部材
をガイドするガイド斜面を形成することが好ましい。さ
らに、前記固定部材および前記弾発手段を一体的に構成
せず別体で形成し、前記固定部材を、球体またはコロ体
から構成し、前記第1,第2の係止部のうちいずれか一
方の係止部、前記弾発手段および前記保持手段を、弾性
体により一体的に形成されたアーム部材で構成し、この
アーム部材を、前記固定部材が前記解除位置に移動する
際に拡開される開口部と、前記解除位置に移動した前記
固定部材を把持する把持部とを有するように構成するこ
ともできる。また、本発明に係る仮止め機構付回転コネ
クタは、車両に接続される第1ケースと、 ステアリング
ホイールに接続され前記第1ケースの内側に位置し、当
該第1ケースに対して回転自在な第2ケースと、 前記第
1,第2のケースを組み合わせて形成される空間内に収
容され、車両に設けられる電装部品とステアリングホイ
ールに設けられる電装部品とを接続する導電性のケーブ
ルと、 前記第1,第2のケースが相対的に回転しないよ
うに相互に仮止めするための仮止め機構と、 を有する回
転コネクタであって、 前記仮止め機構が、 弾性体を、当
該弾性体の一方の端部である頭部と他方の端部である脚
部とのなす角が鋭角になるように折り曲げて形成されて
おり、前記第1ケースの上端面に設けられている凸形状
の第1係止部と前記第2ケースの上端面に設けられてい
る凸形状の第2係止部との間を解除自在に連結する仮止
め部材と、 前記第1ケースの外周面に設けられ、前記脚
部を保持する保持手段と、 を有し、 前記頭部は、前記第
1,第2の係止部の間を解除自在に連結する仮止め位置
と、前記第1,第2の係止部の間の連結状態が解除され
た位置であり前記ステアリ ングホイールおよび前記第2
ケースの回転動と干渉しない位置である解除位置とに移
動自在であり、前記第1係止部と前記第2係止部との間
を解除自在に連結し、 前記脚部は、前記頭部を前記仮止
め位置に保持する第1の強さの弾発力および前記頭部を
前記解除位置に保持する第2の強さの弾発力を前記頭部
に与え、 前記仮止め位置に保持された前記頭部を前記脚
部の前記第1の強さの弾発力に抗して前記第2ケースの
回転動に伴って前記解除位置に移動させるカム手段が、
前記第2ケースに設けられている構成にすることもでき
る。
【0016】
【作用】第1ケースは、例えば固定体に接続され、第2
ケースは、例えば回転体に接続される。固定体としては
例えば車両を、回転体としては例えば車両のステアリン
グホイールを挙げることができる。 弾発手段と一体的に
形成されている仮止め部材として保持手段に保持された
固定部材を仮止め位置に移動すると、この固定部材は、
弾発手段により第1の強さの弾発力が付勢されて仮止め
位置に保持される。これにより、第1ケースの第1係止
部と第2ケースの第2係止部との間が固定部材を介して
連結され、回転コネクタの第1と第2のケースが仮止め
され、両ケースの相対的な回転が阻止される。この結
果、回転コネクタ内のケーブル位置が例えば中立位置に
維持される。
【0017】一方、回転コネクタの組み付けが終了して
仮止めを解除するときは、回転体を回転させると、カム
手段が、仮止め位置に保持された固定部材を弾発手段の
第1の強さの弾発力に抗して解除位置に移動させる。係
止が解除された固定部材は、弾発手段により第2の強さ
の弾発力が付勢されて、回転体および第2ケースの回転
動と干渉しない解除位置に保持される。これにより、第
1係止部と第2係止部との間の連結が解除されて、回転
コネクタの第1と第2のケースの仮止めが解除され、第
2ケースの回転が自由となる。
【0018】本発明による仮止め装置によれば、回転コ
ネクタの組み付けが終わって回転体を回転させる時点ま
で回転コネクタを所定位置に維持することができ、回転
コネクタの誤回転が根本的になくなり、回転体の回転動
作不良やケーブルの切断などの不具合の発生がなくな
る。
【0019】また、回転体の回転という極めて簡単な操
作だけで、回転コネクタの仮止めを解除することがで
き、仮止めを解除するための煩雑な作業が不要となり、
組み付け作業の作業性が良好になる。さらに、回転コネ
クタの仮止めを解除するための手段を固定体側あるいは
回転体側に新設する構成でないため、仮止め装置のコス
トの増加を抑制でき、ひいては仮止め装置を備えた回転
コネクタ全体のコストの増加を抑えることができる。ま
た、仮止め解除手段を固定体などに新設しないため、既
存の固定体あるいは回転体にも組み付けることができ、
汎用性が高くなる。
【0020】しかも、回転コネクタの仮止めを解除した
後は、固定部材は所定の位置にがたつくことなく、かつ
脱落することなく保持されているため、回転体は円滑に
作動し、また振動が加わっても不快な音が発生すること
がない。また、固定部材が移動する範囲は小さく、仮止
め装置を設けても回転コネクタの設置スペースが大きく
ならないことから、狭小な空間に組み込む回転コネクタ
に最適な仮止め装置となる。
【0021】前記固定部材および前記弾発手段を、弾性
体で形成し、好適には、弾性体をその両端部のなす角が
鋭角になるように折り曲げた際の一方の端部である頭部
と他方の端部である脚部として構成した本発明によれ
ば、固定部材および弾発手段の構成がより簡素化する。
前記カム手段を、前記係止部の端面のうち前記両ケース
の相対的な回転方向に沿って位置する周方向端面に設け
た傾斜面で形成した本発明によれば、係止部がカム手段
の機能を持つこととなり、カム手段を係止部とは別個に
設ける必要がなくなる。
【0022】前記係止部および前記固定部材の少なくと
も一方に、仮止め位置に移動される前記固定部材をガイ
ドするガイド斜面を形成した本発明によれば、固定部材
はガイド斜面にガイドされて係止部に係合するので、仮
止め作業がより簡単となる。前記固定部材を、球体また
はコロ体から構成し、前記両係止部のうちいずれか一方
の係止部 、前記弾発手段および前記保持手段を、弾性
体により一体的に形成されたアーム部材で構成した本発
明によれば、次の作用を有する。すなわち、アーム部材
が、いずれか一方の係止部、弾発手段および保持手段の
機能を持つこととなり、仮止め位置においては、他方の
係止部とアーム部材との間が球体またはコロ体からなる
固定部材を介して連結され、回転コネクタの第1と第2
のケースが仮止めされ、両ケースの相対的な回転が阻止
される。この結果、回転コネクタ内のケーブル位置が例
えば中立位置に維持される。
【0023】一方、回転コネクタの組み付けが終了して
仮止めを解除するときは、回転体を回転させると、カム
手段が、仮止め位置に保持された固定部材をアーム部材
の第1の強さの弾発力に抗して、開口部から把持部に向
けて移動させる。係止が解除された固定部材は、アーム
部材により第2の強さの弾発力が付勢されて、回転体お
よび第2ケースの回転動と干渉しない把持部において保
持される。これにより、第1係止部と第2係止部との間
の連結が解除されて、回転コネクタの第1と第2のケー
スの仮止めが解除され、第2ケースの回転が自由とな
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1(A)および(B)は本発明に係る仮止め
装置を備え仮止め状態にある回転コネクタを示す平面図
および正面図、図2(A)は仮止め状態にある回転コネ
クタの要部を示す一部断面図、図2(B)は解除状態に
ある回転コネクタの要部を示す一部断面図、図3(A)
および(B)は自由状態にある仮止め部材を示す斜視図
および側面図、図4は仮止め部材が外れだす状態にある
回転コネクタの要部を示す斜視図である。
【0025】図1および図2に示すように、回転コネク
タ10は、固定体側に接続される外ケース(第1ケー
ス)11と、回転体側に接続され外ケース11に対して
相対的に回転自在な内ケース(第2ケース)12と、こ
れら両ケース11,12を組み合わせて形成される空間
15内に渦巻状に巻回されて収容されるフラットケーブ
ル16とを有する。このフラットケーブル16を介し
て、固定体側の電装部品と回転体側の電装部品とが電気
的に接続される。回転コネクタ10を自動車に組み込む
場合を例に挙げれば、外ケース11は車体(固定体)側
に固定される一方、内ケース12はステアリング軸に挿
通されてステアリングホイール(回転体)に固定され、
当該ステアリングホイールの回転に連動して回転するよ
うになっている。
【0026】また、フラットケーブル16の一端は外ケ
ース11に固定され、他端は内ケース12に固定されて
いるため、内ケース12は所定の範囲で外ケース11に
対して回転可能となっている。このように構成される回
転コネクタ10には、当該回転コネクタ10の中立位置
を維持するために、両ケース11,12が相対的に回転
しないように相互に仮止めする仮止め装置20が設けら
れている。
【0027】本実施例の仮止め装置20は、外ケース1
1に設けられた第1係止部21と、内ケース12に設け
られた第2係止部22と、これら両係止部21,22の
間を解除自在に連結する仮止め部材23とを有する。そ
して、仮止め部材23を介して両係止部21,22の間
を連結することにより両ケース11,12を相互に仮止
めして両ケース11,12の相対的な回転を阻止する一
方、仮止め部材23による仮止めを解除することにより
両ケース11,12の相対的な回転を自由に行わせるよ
うになっている。
【0028】さらに詳述すれば、第1係止部21は、凸
形状を有し、外ケース11の上端面に対をなすように2
個設けられている。また、第2係止部22は、凸形状を
有し、内ケース12の上端面に1個設けられている。本
実施例の仮止め部材23は、図3(A)(B)に示すよ
うに、弾性を有する素材であるピアノ線やバネ用ステン
レスなどの針金を折り曲げて形成してある。仮止め部材
23は、略U字形状を有する頭部24と、この頭部24
の端部に連続して伸びる一対の脚部25と、各脚部25
の端部に連続し当該脚部25に対して略直交する方向に
伸びるフランジ部26とから構成されている。
【0029】図3(A)に示すように、頭部24の幅W
は両第1係止部21の間の幅寸法よりも若干大きな寸法
に形成されている。したがって、頭部24の幅を狭める
と、図中矢印V1 で示す方向に弾発力が作用する。さら
に、仮止め部材23に荷重を加えない自由状態では、図
3(B)に示すように、頭部24と脚部25とは鋭角を
なしている。したがって、頭部24と脚部25とを離反
させる方向に広げると、図中矢印V2 で示す方向に弾発
力が作用する。
【0030】また、図1(B)に示すように、外ケース
11の外周面には第1係止部21の位置に対応して、仮
止め部材23を保持する保持用リブ27が形成してあ
る。仮止め部材23のフランジ部26が保持用リブ27
に当接することにより、仮止め部材23の図中上方向へ
の抜けが防止される。なお、リブ27に代えてネジやビ
スなどで仮止め部材23の脚部25を固定しても良い。
【0031】仮止め部材23の頭部24は、第1係止部
21と第2係止部22との間を解除自在に連結する固定
部材30に相当するものであり、両係止部21,22の
間を連結する仮止め位置と、両係止部21,22の間の
連結状態が解除された位置であると共に回転体および内
ケース12の回転動と干渉しない位置である解除位置と
に移動自在となっている。
【0032】また、仮止め部材23の脚部25は、固定
部材30である頭部24を仮止め位置に保持する第1の
強さの弾発力および頭部24を解除位置に保持する第2
の強さの弾発力を当該頭部24に対して付勢する弾発手
段31に相当する。仮止め位置においては、図2(A)
に示すように、仮止め部材23の頭部24と脚部25と
は略直交するまで広げられた状態となっている。したが
って、仮止め部材23は、図中XおよびYで示す方向に
作用する第1の強さの弾発力によって、両ケース11,
12に強固に係合している。図1(A)に示すように、
仮止め部材23の頭部24は、各第1係止部21におけ
る相互に向かい合う壁面35に当接すると共に第2係止
部22の回転中心側の壁面36に圧接している。これに
より両係止部21,22の間が連結された状態となり、
両ケース10,11は相互に仮止めされる。
【0033】また、解除位置においては、図2(B)に
示すように、仮止め部材23の頭部24が外ケース11
の上端面に当接し、かつ、頭部24と脚部25とが離反
する方向に若干広げられた状態となっている。したがっ
て、仮止め部材23は、図中Z方向に作用する第2の強
さの弾発力によって、外ケース11に対して保持され
る。第2の強さは前記第1の強さよりも弱いものである
が、仮止め部材23は、脱落することなく、かつ、がた
つくことなく保持されている。また、この解除位置で
は、頭部24は、ステアリングホイールおよび内ケース
12の回転動と干渉しない位置まで退避している。
【0034】このように本実施例では、仮止め部材23
は、固定部材30と弾発手段31とを一体的に形成した
ものである。また、保持用リブ27は、固定部材30お
よび弾発手段31を保持する保持手段32として機能し
ている。さらに、仮止め装置20には、仮止め位置に保
持された固定部材30を、弾発手段31の第1の強さの
弾発力に抗して内ケース12の回転動に伴って解除位置
に移動させるカム手段33が設けてある。このカム手段
33は、第2係止部22の端面のうち両ケース10,1
1の相対的な回転方向に沿って位置する周方向端面に設
けた傾斜面37から形成してある。両ケース10,11
が仮止めされた状態から内ケース12を外ケース11に
対して回転すると、第2係止部22の傾斜面37が仮止
め部材23の頭部24を押し上げ、頭部24と第2係止
部22との係合を解除する。
【0035】次に、回転コネクタ10の仮止め作業およ
びその解除を説明する。まず、回転コネクタ10の両ケ
ース10,11を回転範囲の限界まで相対的に回転し、
その後所定の回転数だけ逆方向に回転し、回転コネクタ
10を中立位置にする。中立位置においては、第1と第
2の係止部21,22の位置関係は図1(A)に示され
る状態となる。仮止め部材23の頭部24は、図2
(B)に示すように、解除位置にあり、第2の強さの弾
発力が付勢され、がたつくことなく外ケース11に対し
て保持されている。
【0036】回転コネクタ10を中立位置に保ったま
ま、仮止め部材23を第1の強さの弾発力に抗して回転
中心側に向けて押し込むと、図1および図2(A)に示
すように、仮止め部材23の頭部24が仮止め位置に移
動する。すると、仮止め部材23の第1の強さの弾発力
が図2(A)中のX,Y方向に作用することにより、仮
止め部材23の頭部24は各第1係止部21の壁面35
に当接すると共に第2係止部22の壁面36に圧接す
る。これにより、両係止部21,22の間が連結された
状態となり、両ケース10,11は相互に仮止めされて
相対的な回転が阻止され、回転コネクタ10の中立位置
が維持される。
【0037】次に、中立位置にあるステアリング軸に回
転コネクタ10の内ケース12を挿通し、外ケース11
を車体側に固定する一方、内ケース12をステアリング
ホイールに固定する。この組み付け作業時には回転コネ
クタ10は仮止めされたままである。また、回転コネク
タ10は軸方向に挿通されることから、内ケース12を
回転駆動する力も作用せず、仮止め部材23の頭部24
が不用意に解除されることもない。
【0038】回転コネクタ10の組み付けが終わると、
ステアリングホイールを任意の方向に回転する。内ケー
ス12の回転に伴う回転トルクが仮止め部材23の弾発
力よりも大きくなると、図4に示すように、第2係止部
22の傾斜面37が仮止め部材23の頭部24を押し上
げるため、頭部24と第2係止部22との係合が解除さ
れる。第2係止部22との係合が解除された仮止め部材
23は、図2(A)の矢印Yで示される方向に作用する
弾発力によって、図2(B)に示すように、解除位置ま
で移動する。これにより、仮止め部材23による仮止め
が解除され、内ケース12の回転が自由となる。
【0039】また、この解除位置においては、仮止め部
材23は、ステアリングホイールおよび内ケース12の
回転動と干渉しない位置まで退避しており、また、第2
の強さの弾発力が付勢されているので、がたつくことな
く外ケース11に対して保持されている。
【0040】以上説明したように、本実施例の仮止め装
置20によれば、回転コネクタ10の組み付けが終わっ
てステアリングホイールを回転させる時点まで回転コネ
クタ10の中立位置を維持することができるので、回転
コネクタ10の誤回転が根本的になくなり、ステアリン
グホイールの回転動作不良やフラットケーブルの切断な
どの不具合の発生を確実に防止することができる。
【0041】また、ステアリングホイールの回転という
極めて簡単な操作だけで、回転コネクタ10の仮止めを
解除することができるので、粘着テープを剥がしたり、
串刺しピンを抜いたりするという狭小な場所での煩雑な
作業が不要となり、組み付け作業の作業性が著しく向上
する。
【0042】さらに、回転コネクタ10の仮止めを解除
するための手段を車体側あるいはステアリングホイール
側に新設する構成でもなく、極めて簡易な構成であるの
で、仮止め装置20のコストの増加を低減でき、ひいて
は仮止め装置20を備えた回転コネクタ10全体のコス
トの増加を抑えることができ、コスト的に優れたものと
なる。また、仮止め解除手段を固定体などに新設しない
ため、回転コネクタ20を既存の固定体や回転体にも組
み付けることができ、汎用性が高くなる。
【0043】しかも、回転コネクタ10の仮止めを解除
した後は、仮止め部材23は所定の位置にがたつくこと
なく、かつ脱落することなく保持されているため、ステ
アリングホイールは回転トルクのむらなどが発生せずに
円滑に作動し、また振動が加わっても不快な音が発生す
ることもない。
【0044】また、仮止め部材23が移動する範囲は小
さく、仮止め装置20を設けても回転コネクタ10の設
置スペースが大きくならないことから、ステアリングホ
イール周辺の狭小な空間に組み込む回転コネクタ10と
して最適なものとなる。次に、本実施例の仮止め装置2
0によるケース11,12の回転を阻止する力について
説明する。
【0045】ケース11,12の回転を阻止する力は、
カム手段33である第2係止部22の傾斜面37の角度
と、図2(A)中に矢印Xで示す方向のバネ力によって
定まるため、これらの値を適切に選択することにより、
所望の値に任意に設定することができる。
【0046】図5(A)(B)において、バネ力をF、
傾斜面37の角度をαとすると、第2係止部22が内ケ
ース12の回転を妨げようとする固定力Pは、P=F・
tan(λ+α)である。ここに、λは摩擦力である
が、これを無視したとしても。Fに10N以上の力を与
え、傾斜面37の角度αを60度程度に設定すれば、固
定力Pは少なくとも17N以上の力を得ることができ
る。
【0047】回転コネクタ10の回転中心から第2係止
部22までの寸法Rは40mm程度であるから、回転コ
ネクタ10は0.7Nm程度のトルクが加わるまでは、
中立位置を保つことができる。この値は回転コネクタ1
0単体で取り扱ったり輸送したりする場合の保護として
は十分であるし、かつ、この程度は必ず必要な値であ
る。
【0048】また、ステアリングホイールは半径0.2
m程度であるので、ステアリングホイールを回転させて
仮止めを解除するには、3.5N程度の力で容易に解除
することができる。さらに強い固定力を望んで第2係止
部22を大きくし、バネ力を強くしたとしても、仮止め
を解除するのに余分な作業を伴うことはなく、容易に行
うことができる。
【0049】図6は第2実施例に係る仮止め装置20a
を示す半側面図である。この第2実施例は第2係止部2
2aの形状の改変例であり、仮止め位置に移動される仮
止め部材23の頭部24(固定部材30)をガイドする
ガイド斜面38が形成してある。このようにすれば、仮
止め部材23を回転中心側に向けて押し込むと、頭部2
4はガイド斜面38にガイドされて第2係止部22aを
簡単に乗り越えるので、仮止め作業をより一層簡単に行
うことができる。ガイド斜面38を形成すれば、車両に
組み付ける前の回転コネクタ10の仮止め作業を容易に
行い得るだけでなく、車両の修理を行うに当たって回転
コネクタ10を取り外す前に、回転コネクタ10を中立
位置で再度固定するような作業をも簡単に行うことがで
きる。
【0050】図7は第3実施例に係る仮止め装置の仮止
め部材23bを示す斜視図である。この第3実施例は仮
止め部材23bの形状の改変例であり、弾性を有する素
材であるピアノ線などの針金をコイル部39を有するよ
うに折り曲げて形成してある。仮止め部材23bの頭部
24b、脚部25bおよびフランジ部26bは第1実施
例の仮止め部材23と同様の機能を発揮する。
【0051】図8は第4実施例に係る仮止め装置20c
を示す図である。この第4実施例は仮止め部材23cの
材質および形状の改変例であり、仮止め部材23cは、
弾性を有する樹脂材料あるいは金属薄板から成形されて
いる。樹脂材料としては、ポリアセタール、ポリプロピ
レン、ナイロン、PBTなどが例示でき、金属材料とし
ては、黄銅、ステンレス、リン青銅、鋼などが例示でき
る。第4実施例の仮止め部材23cは板形状を有する
が、その全体形状は第1実施例のものと類似している。
つまり、この仮止め部材23cは、第2係止部22に係
合する窓部40が形成された板状頭部24cと、この頭
部24cの端部に連続して伸びる板状脚部25cとを有
する。また、板状脚部25cの一部にスリット41を形
成してスナップフィット部42が形成してある。このス
ナップフィット部42が外ケース11の外周面に形成し
てある保持手段32としてのスロット部43に係合する
ことにより、仮止め部材23cの脱落を防止してある。
【0052】図9は第5実施例に係る仮止め装置20d
を示す半側面図である。この第5実施例は第2係止部2
2dおよび固定部材30の形状の改変例であり、第2係
止部22dを孔44とし、固定部材30を前記孔44に
係合する鉤形状としたものである。
【0053】図10(A)〜(C)は各係止部21e,
22eの個数の組み合わせを固定部材30の形状に対応
させて改変した第6実施例を示す図である。図10
(A)は固定側の第1係止部21eを1個、回転側の第
2係止部22eを2個設ける一方、固定部材30を、2
個の第2係止部22eの間に挟持されると共に窓部45
が第1係止部21eに係合する形状としてある。同図
(B)は固定側の第1係止部21eおよび回転側の第2
係止部22eをそれぞれ2個づつ設ける一方、固定部材
30を、2個の第1係止部21eの間に挟持されると共
に2個の第2係止部22eに係合する略T字形状として
ある。同図(C)は固定側の第1係止部21eおよび回
転側の第2係止部22eをそれぞれ1個づつ設ける一
方、固定部材30を、窓部46が第1係止部21eおよ
び第2係止部22eのそれぞれに係合する形状としてあ
る。
【0054】図11(A)(B)は第7実施例に係る仮
止め装置20fを示す要部平面図である。この第7実施
例は固定部材30を球体あるいはコロ体から構成した場
合の改変例である。本実施例の仮止め装置20fは、球
体50などからなる固定部材30と、内ケース12に設
けられ球体50を受け入れる凹部51が外周面に形成さ
れた第2係止部22fとを有する。一方、外ケース11
には、弾性を有する素材から一体的に形成された略U字
形状のアーム部材52が設けられている。
【0055】アーム部材52には、球体50が解除位置
に移動する際に拡開される開口部53と、解除位置に移
動した球体50を把持する円弧形状の把持部54とが形
成してある。開口部53の大きさは球体50の直径寸法
よりもかなり小さく、把持部54の大きさは球体50の
直径寸法よりも若干小さくされている。また、開口部5
3には、仮止め位置にある球体50の保持を確実にする
受け部55が連設されている。そして、アーム部材52
の開口部53および受け部55により第1係止部21f
が構成されている。また、把持部54を円弧形状とする
ことでアーム部材52全体が弾発手段31として好適に
機能し、球体50を仮止め位置(図11(A)の位置)
に保持する第1の強さの弾発力および球体50を解除位
置(図11(B)の位置)に保持する第2の強さの弾発
力が球体50に対して付勢される。また、アーム部材5
2は固定部材30および弾発手段31を保持する保持手
段32としても機能している。
【0056】さらに、第2係止部22fの凹部51にお
ける周方向端面を傾斜面56とすることにより、カム手
段33が形成してある。また、アーム部材52の受け部
55もカム手段33として機能している。このように構
成した仮止め装置20fでは、回転コネクタ10を中立
位置に調整した後、第2係止部22fの凹部51とアー
ム部材52の開口部53との間に球体50を差し込め
ば、両係止部21f,22fの間が球体50を介して連
結され、回転コネクタ10が仮止めされる(図11
(A))。
【0057】仮止めを解除する場合には、第1実施例と
同様に、ステアリングホイールを回転して、内ケース1
2を回転させる。すると、球体50は、第2係止部22
fの傾斜面56およびアーム部材52の受け部55のカ
ム作用により、アーム部材52の第1の強さの弾発力に
抗して、アーム部材52の開口部53を拡開しつつ把持
部54に向けて押し込まれる(図11(B))。球体5
0がアーム部材52の把持部54で保持されると、球体
50は、アーム部材52から第2の強さの弾発力が付勢
され、ステアリングホイールおよび内ケース12の回転
動と干渉しない解除位置に保持される。
【0058】したがって、本実施例の仮止め装置20f
にあっても、第1実施例の仮止め装置20と同様に、ス
テアリングホイールの回転動作不良などの不具合の発生
を確実に防止することができ、組み付け作業の作業性も
向上し、コスト的に優れたものとなり、ステアリングホ
イールは円滑に回転し、また振動が加わっても不快な音
が発生することがない。
【0059】なお、本発明は、図示した実施例に限定さ
れるものではなく、係止部21,22、固定部材30、
弾発手段31、保持手段32およびカム手段33の形状
ないし構造は、請求の範囲に示した発明の範囲内で適宜
改変することができる。例えば、保持手段32は回転側
の第2ケース12に設けても良いし、カム手段33は固
定側の第1ケース11あるいは両ケース10,11に設
けても良い。
【0060】また、回転コネクタの適用はステアリング
ホイールに限られるものでもなく、ロボットアームの関
節機構、測定器、回転アンテナなど種々の機器に適用す
ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の仮止め機
構付回転コネクタによれば、回転コネクタの組み付けが
終わって回転体を回転させる時点まで回転コネクタの中
立位置を維持することができ、回転コネクタの誤回転が
根本的になくなり、回転体の回転動作不良やケーブルの
切断などの不具合の発生を確実に防止することが可能と
なる。
【0062】また、回転体を回転させるという極めて簡
単な操作だけで、回転コネクタの仮止めを解除すること
ができるので、粘着テープを剥がしたり、串刺しピンを
抜いたりするという狭小な場所での煩雑な作業が不要と
なり、組み付け作業の作業性が著しく向上する。
【0063】さらに、回転コネクタの仮止めを解除する
ための手段を固定体側あるいは回転体側に新設する構成
でもなく、極めて簡易な構成であるので、仮止め装置の
コストの増加を低減でき、ひいては仮止め装置を備えた
回転コネクタ全体のコストの増加を抑えることができ、
コスト的に優れたものとなる。また、仮止め解除手段を
固定体などに新設しないため、既存の固定体あるいは回
転体にも回転コネクタを取り付けることができ、汎用性
が高くなる。
【0064】しかも、回転コネクタの仮止めを解除した
後は、固定部材は所定の位置にがたつくことなく、かつ
脱落することなく保持されているため、回転体は円滑に
作動し、また振動による不快音が発生することもない。
また、固定部材などが移動する範囲は小さく、仮止め装
置を設けても回転コネクタの設置スペースが大きくなら
ないことから、狭小な空間に組み込む回転コネクタ用の
仮止め装置として最適なものとなる。
【0065】また、ガイド斜面を形成した仮止め装置に
よれば、回転コネクタを固定体などに組み付ける前の仮
止め作業を容易に行い得るだけでなく、その後に回転コ
ネクタを取り外す際に、回転コネクタを中立位置で再度
固定するような作業をも簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)および(B)は本発明に係る仮止め
装置を備え仮止め状態にある回転コネクタを示す平面図
および正面図である。
【図2】図2(A)は仮止め状態にある回転コネクタの
要部を示す一部断面図、(B)は解除状態にある回転コ
ネクタの要部を示す一部断面図である。
【図3】図3(A)および(B)は自由状態にある仮止
め部材を示す斜視図および側面図である。
【図4】図4は仮止め部材が外れでる状態にある回転コ
ネクタの要部を示す斜視図である。
【図5】図5(A)(B)はケースの回転を阻止する力
についての説明に供する図である。
【図6】図6は第2実施例に係る仮止め装置を示す半側
面図である。
【図7】図7は第3実施例に係る仮止め装置の仮止め部
材を示す斜視図である。
【図8】図8は第4実施例に係る仮止め装置を示す図で
ある。
【図9】図9は第5実施例に係る仮止め装置を示す半側
面図である。
【図10】図10(A)〜(C)は各係止部の個数の組
み合わせを固定部材の形状に対応させて改変した第6実
施例を示す図である。
【図11】図11(A)(B)は第7実施例に係る仮止
め装置を示す要部平面図である。
【符号の説明】
10…回転コネクタ 11…外ケース(第1ケース) 12…内ケース(第2ケース) 15…空間 16…フラットケーブル(ケーブル) 20,20a,20c,20d,20f…仮止め装置 21,21e,21f…第1係止部 22,22a,22d,22e,22f…第2係止部 23,23b,23c,23d…仮止め部材(固定部
材、弾発手段) 24…頭部(固定部材) 25…脚部(弾発手段) 27…保持用リブ(保持手段) 30…固定部材 31…弾発手段 32…保持手段 33…カム手段 37,56…傾斜面(カム手段) 38…ガイド斜面 50…球体(固定部材) 52…アーム部材(一方の係止部、弾発手段、保持手
段) 53…開口部 54…把持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 宜伸 愛知県丹波郡大口町大字豊田字野田1番 地 株式会社東海理化電機製作所内 (56)参考文献 実開 平5−92984(JP,U) 実開 平5−64016(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 35/04 B60R 16/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1ケースと、 記第1ケースに対して相対的に回転自在な第2ケース
    と、前記 第1,第2のケースを組み合わせて形成される空間
    内に収容される導電性のケーブルと、 前記第1,第2のケースが相対的に回転しないように相
    互に仮止めするための仮止め機構と 有する回転コネクタであって、 前記仮止め機構が、 前記第1ケースに設けられる第1係止部と前記第2ケー
    スに設けられる第2係止部との間を解除自在に連結する
    仮止め部材と、 前記第1,第2のケースのうちいずれか一方に設けら
    れ、前記仮止め部材を保持する保持手段と、を有し、 前記仮止め部材は、 前記第1,第2の係止部の間を解除自在に連結する仮止
    め位置と、前記第1,第2の係止部の間の連結状態が解
    除された位置であり前記第2ケースの回転動と干渉しな
    い位置である解除位置とに移動自在で、前記第1係止部
    と前記第2係止部との間を解除自在に連結する固定部材
    と、 前記固定部材を前記仮止め位置に保持する第1の強さの
    弾発力および前記固定部材を前記解除位置に保持する第
    2の強さの弾発力を前記固定部材に与える弾発手段と、 を一体的に形成して構成されており、 記仮止め位置に保持された前記固定部材を前記弾発手
    段の前記第1の強さの弾発力に抗して前記第2ケースの
    回転動に伴って前記解除位置に移動させるカム手段が、
    前記第1,第2のケースのうち少なくとも一方に設けら
    れていることを特徴とする仮止め機構付回転コネクタ。
  2. 【請求項2】前記固定部材および前記弾発手段は、弾性
    体により形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の仮止め機構付回転コネクタ。
  3. 【請求項3】前記カム手段は、前記第1,第2の係止部
    の端面のうち前記第1,第2のケースの相対的な回転方
    向に沿って位置する周方向端面に設けた傾斜面を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の仮止め機構
    付回転コネクタ。
  4. 【請求項4】前記係止部および前記固定部材の少なくと
    も一方に、仮止め位置に移動される前記固定部材をガイ
    ドするガイド斜面が形成してあることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の仮止め機構付回転コネク
    タ。
  5. 【請求項5】第1ケースと、 前記第1ケースに対して相対的に回転自在な第2ケース
    と、 前記第1,第2のケースを組み合わせて形成される空間
    内に収容される導電性のケーブルと、 前記第1,第2のケースが相対的に回転しないように相
    互に仮止めするための仮止め機構と、 を有する回転コネクタであって、 前記仮止め機構が、 前記第1ケースに設けられる第1係止部と前記第2ケー
    スに設けられる第2係止部との間を解除自在に連結する
    仮止め位置と、前記第1,第2の係止部の間の連結状態
    が解除された位置であり前記第2ケースの回転動と干渉
    しない位置である解除位置とに移動自在で、前記第1係
    止部と前記第2係止部との間を解除自在に連結する固定
    部材と、 前記固定部材を前記仮止め位置に保持する第1の強さの
    弾発力および前記固定部材を前記解除位置に保持する第
    2の強さの弾発力を前記固定部材に与える弾発手段と、 前記第1,第2のケースのうちいずれか一方に設けら
    れ、前記固定部材および前記弾発手段を保持する保持手
    段と、 前記第1,第2のケースのうち少なくとも一方に設けら
    れ、前記仮止め位置に保持された前記固定部材を前記弾
    発手段の前記第1の強さの弾発力に抗して前記第2ケー
    スの回転動に伴って前記解除位置に移動させるカム手段
    と、 を有し、 前記固定部材は、球体またはコロ体で構成してあり、 前記第1,第2の係止部のうちいずれか一方の係止部、
    前記弾発手段および前記保持手段は、弾性体により一体
    的に形成されたアーム部材で構成してあり、前記 アーム部材は、前記固定部材が前記解除位置に移動
    する際に拡開される開口部と、前記解除位置に移動した
    前記固定部材を把持する把持部とを有することを特徴と
    る仮止め機構付回転コネクタ。
  6. 【請求項6】車両に接続される第1ケースと、 ステアリングホイールに接続され前記第1ケースの内側
    に位置し、当該第1ケースに対して回転自在な第2ケー
    スと、 前記第1,第2のケースを組み合わせて形成される空間
    内に収容され、車両に設けられる電装部品とステアリン
    グホイールに設けられる電装部品とを接続する導電性の
    ケーブルと、 前記第1,第2のケースが相対的に回転しないように相
    互に仮止めするための仮止め機構と、 を有する回転コネクタであって、 前記仮止め機構が、 弾性体を、当該弾性体の一方の端部である頭部と他方の
    端部である脚部とのなす角が鋭角になるように折り曲げ
    て形成されており、前記第1ケースの上端面に設けられ
    ている凸形状の第1係止部と前記第2ケースの上端面に
    設けられている凸形状の第2係止部との間を解除自在に
    連結する仮止め部材と、 前記第1ケースの外周面に設けられ、前記脚部を保持す
    る保持手段と、 を有し、 前記頭部は、前記第1,第2の係止部の間を解除自在に
    連結する仮止め位置と、前記第1,第2の係止部の間の
    連結状態が解除された位置であり前記ステアリングホイ
    ールおよび前記第2ケースの回転動と干渉しない位置で
    ある解除位置とに移動自在であり、前記第1係止部と前
    記第2係止部との間を解除自在に連結し、 前記脚部は、前記頭部を前記仮止め位置に保持する第1
    の強さの弾発力および前記頭部を前記解除位置に保持す
    る第2の強さの弾発力を前記頭部に与え、 前記仮止め位置に保持された前記頭部を前記脚部の前記
    第1の強さの弾発力に抗して前記第2ケースの回転動に
    伴って前記解除位置に移動させるカム手段が、前記第2
    ケースに設けられていることを特徴とする仮止め機構付
    回転コネクタ。
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