JP3290599B2 - 脱脂方法 - Google Patents

脱脂方法

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JP3290599B2
JP3290599B2 JP28433696A JP28433696A JP3290599B2 JP 3290599 B2 JP3290599 B2 JP 3290599B2 JP 28433696 A JP28433696 A JP 28433696A JP 28433696 A JP28433696 A JP 28433696A JP 3290599 B2 JP3290599 B2 JP 3290599B2
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    • B22F3/00Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
    • B22F3/10Sintering only
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性バインダ
ーと粉末とを混合して射出成形してなる成形体から前記
熱可塑性バインダーを脱脂する脱脂方法関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、粉末の射出成形において、金属
粉末,セラミック粉末,サーメット粉末等の粉体に流動
性および加圧成形性を付与して射出成形を可能にするた
めに、熱可塑性樹脂もしくはワックスからなる熱可塑性
バインダーが用いられている。この熱可塑性バインダー
の使用料の目安は、通常は、使用する粉末の球状性との
関係をも勘案して約40〜55体積%にされている。こ
の熱可塑性バインダーは、射出成形後に焼結工程に先立
って脱脂により除去される。この脱脂工程においては、
射出成形体を不活性な雰囲気中に置いて加熱することに
より、バインダーは溶解,蒸発または分解されて気化さ
れる。ところが、この脱脂工程において、まず粉体をコ
ートしているバインダーの溶解が起こって射出成形体の
自重も加わり、粉体にて形成される射出成形体は構造上
不安定な状態になる。さらに、この状態に、バインダー
が分解して気化する際の圧力が加わると、粉体が移動し
て自重による影響も加わって荷崩れを起こし、成形体の
変形の原因となる。また、脱バインダーの促進を図って
加熱の際の温度を上げると、バインダーが沸騰気化して
膨れやクラック等が発生する。したがって、脱脂工程に
おける欠陥の発生を防止するために、この脱脂工程にお
けるバインダーの除去を緩慢に進行させる必要があり、
脱脂時間は射出成形体の大きさもしくは肉厚との関係で
考慮されるが、通常2〜3日を要しているのが実情であ
る。このように、熱可塑性バインダーを、射出成形体に
その自重による変形,膨れもしくはクラックの発生など
を起こさせることなく、形状を健全に保ちながら短時間
で射出成形体から除去する脱脂方法が重要な技術的課題
となっている。
【0003】このような技術的課題に対処するものとし
て、特公昭61−48563号公報においては、射出成
形体に対して不活性なガスを乱流状態で送風することに
より多孔質体に溶解したバインダー成分の一部を吸収さ
せる脱脂方法が提案され、また特公昭62−33282
号公報においては、射出成形体の雰囲気圧力を熱可塑性
バインダーの蒸気圧以上となる加圧状態に保持する脱脂
方法が提案されている。
【0004】また、米国特許第5122326号明細書
においては、低融点のパラフィンワックスと、より高い
融点の高分子バインダーからなる熱可塑性バインダーを
使った成形体から、加熱しながら、ディフュージョンポ
ンプで形成される5×10-4torr以上の真空雰囲気
中で、ワックス成分をそのワックスの液相を形成させる
ことなく固体状態で気化させた後に、更にメカニカルポ
ンプで達成可能な真空雰囲気中で第2の高分子バインダ
ーを液相を形成させることなく気化させる脱脂方法が提
案されている。
【0005】また、特平4−74769号公報には、
射出成形体の軟化温度以上の低い温度での加熱によって
熱可塑性バインダーの一部を気化させて除去した後、加
圧手段によってその射出成形体の形状が保持可能な圧力
で加圧する加圧工程を経て、更に再度粉体に対して不活
性な雰囲気中において、熱可塑性バインダーの大部分を
気化させて除去する脱脂方法が提案されている。
【0006】さらに、特開平8−25802号公報にお
いては、射出成形体を減圧雰囲気下の熱可塑性バインダ
ーの融点未満の温度に加熱することによって、熱可塑性
バインダーの一部を気化させる工程と、不活性なガス雰
囲気で常圧を越える圧力として熱可塑性バインダーの融
点以上に加熱する工程と、雰囲気ガス圧を常圧以下に低
下させるとともに、雰囲気温度を少なくとも熱可塑性バ
インダーの大部分が気化によって除去される温度にまで
上昇させる工程とを含む脱脂方法が提案されている。
【0007】一方、粉体に金属粉末を用いた射出成形体
の脱脂時には、バインダーの熱分解と関連して脱脂体中
に残る炭素残留量の問題や、逆に大気中での酸化雰囲気
下での脱脂時には、例えば金属粉末の酸化による割れな
どの問題があり、さらには焼結後の焼結体の炭素成分の
制御不良や成分不良による焼結温度のばらつきなどが重
要な問題となっている。この問題に対する方策として、
射出成形用のバインダーの選定,組成の調整および脱脂
をN2 ,Ar,H2 ガス雰囲気中で実施すること、もし
くは焼結時の雰囲気ガスを調整する方法などが報告され
ている。なお、これについては、特開平5−33150
3号公報,特開平6−200303号公報,特開平6−
73406号公報等においても開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
特公昭61−48563号公報に開示されている技術で
は、送風されるガスの乱流により脱脂時に生じる射出成
形体の膨れまたはクラックの発生を防止しながら熱可塑
性バインダーの気化を早めるなどの効果が期待されてい
るが、実際には脱脂炉の内部を均一な乱流状態に保つこ
とは困難であるという問題点がある。また、仮に温度が
均一になっていても、射出成形体の送風に面する側と背
面側とでは脱バインダーの速度が異なり、1個の射出成
形体の中でも箇所によっては脱脂程度が不均一となる。
特に射出成形体を効率良く炉内に配列するために用いる
脱脂用セッターを使用するときには、セッターと接触す
るかもしくは乱流送風が阻害された場所において不均一
となり易く、複数個の射出成形体を脱バインダー炉に収
容した場合には不均一性が甚だしくなり、射出成形体間
においても脱脂の進行に偏差が生じる。したがって、実
際には、自重による変形もなく、かつ膨れまたはクラッ
クの発生等がない健全な脱脂性を安定して実現すること
は困難であるという問題点がある。また、この公報に記
載のものでは、融点の異なるバインダー成分より構成さ
れる熱可塑性バインダーを用いて、加熱により順次に徐
々に液体の状態で成形体から流れ出させ多孔質吸収体に
吸収させることにより射出成形体からバインダーを除去
し、これによって膨れやクラックの発生を防止しなが
ら、脱バインダーを早めることが期待されるが、実際に
は、成形体からバインダーを除去するに際しては液状と
なるため、脱脂工程においては自重に耐えきれずに成形
体は形崩れが生じ易いという問題点があり、またバイン
ダー吸収体と成形体の一部とを接触させる場合には前述
と同様に成形体の中での脱脂の進行に偏差が生じるこ
と、および成形体の複数個を脱脂炉内にセットするとき
の制約条件から多数個の成形体を自重による変形もな
く、かつ膨れ,クラックの発生等がない健全な脱脂性を
安定して実現することは困難であるという問題点があ
る。
【0009】また、特公昭62−33282号公報に開
示されている技術においては、脱脂時の雰囲気圧力を終
始加圧状態に保持するようにしていることから、射出成
形体に含まれる熱可塑性バインダーの沸点が上昇するこ
とになり、常圧雰囲気の場合に比べてこの熱可塑性バイ
ンダーの融点と沸点との差が大きくなって射出成形体中
の熱可塑性バインダーの沸騰気化を抑制し、膨れまたは
クラックの発生といった欠陥の防止に関しては有効性が
予測される。しかし、この脱バインダー炉内を終始加圧
雰囲気に置くことは前述したとおり熱可塑性バインダー
の沸点上昇を招くことからバインダーの気化を緩慢にす
る。すなわち、常圧状態に対して脱バインダーの進行が
高温側にシフトすることから、例えば自重による変形が
最も生じ易い熱可塑性バインダーの融点近傍の温度領域
ではほとんど脱脂が進行しない。したがって、射出成形
体はその自重によって変形を生じ易いことが免れないと
いう問題点があるとともに、さらに脱脂を終了させるに
は、雰囲気の付加圧に相当する分だけ脱脂が終了すると
きの温度をより高温にする必要性が生じ、脱脂時間の長
時間化が避けられないという問題点がある。
【0010】米国特許第5122326号明細書に開示
されている技術では、先の昇華性物質としての樟脳の代
わりに、成形体に含まれる熱可塑性バインダー中に添加
した低融点なパラフィンワックスを分解させることなく
固体の状態においてディフュージョンポンプを使った高
度な高真空雰囲気下で優先的に蒸発させることによっ
て、変形なく脱バインダーを実施できることが予測され
る。しかし、通常、低融点ワックスであるパラフィンワ
ックスは炭素数が20〜30の直鎖飽和炭化水素物、よ
り具体的には炭素数24,25の直鎖飽和炭化水素物を
主体としてなり、分子量が300〜500であり、融点
は32〜65℃の範囲に広がり、平均融点としては約5
0℃であるのに対して、沸点が約400〜500℃(1
気圧中)と沸点が融点よりも平均で約400℃も高いこ
と、および熱可塑性バインダーでパラフィンワックスに
約50重量%含まれる炭素数が24までの炭化水素成分
の融点における蒸気圧である5×10-4torr以上の
真空度で、さらに少なくともパラフィンワックスの約5
0%程度を平均融点50℃までの加熱によって除去する
ことが必要になると予測されるため、最下限でも5×1
-4torr以上の高真空度が常時に達成されるための
高度な装置が必要となり、かつ前述のように低い蒸気圧
をもつパラフィンワックスが蒸発するときの蒸発量が雰
囲気の真空度とパラフィンワックスの蒸気圧との差に比
例することから、脱バインダー時間の短縮化にも自ずと
限界があるとともに、真空設備の大容量化も必要とな
り、結果的には脱バインダー炉の設備コストが高価にな
るという問題点がある。
【0011】さらに、高真空中において凝固点の低いパ
ラフィンワックスの希薄な蒸気を高集率で回収するため
には高性能な熱交換冷却器を必要とすること、パラフィ
ンワックスの凝固点が室温に近いことから、冷却器で回
収しきれずにメカニカルポンプの内部で析出固化し易く
なるために、それに起因するメカニカルポンプのトラブ
ル発生など生産技術上の多くの問題点をもち、さらに生
産時の大量脱脂処理を行う場合に、高真空度を安定して
達成するためには、パラフィンワックスの炉内残留物だ
けでなく、熱可塑性バインダーに含まれる高分子バイン
ダーの熱分解低分子残留物の炉内沈着に伴う清掃、さら
にディフュージョンポンプオイルの管理など各種のメン
テナンスに対する十分な配慮が必要となり、結果的には
生産コスト面での問題となる。また、維持管理の簡単な
メカニカルポンプによる真空した(〜0.1torr)
での脱脂を実施した場合には約3倍以上の脱バインダー
時間が必要となることが報告されており(横瀬、神長:
工業材料、Vol.39,No.12,1991年9月
号、P31)、実質的には脱脂時間の短縮化に対しては
ほとんど効果を発揮しないという問題点がある。
【0012】また、この米国特許明細書に記載されてい
るパラフィンワックスと同じ長い直鎖の飽和炭化水素か
らなるポリプロピレン樹脂などは、パラフィンワックス
と類似の化学構造を持つことから良い相溶性が期待され
るが、熱可塑性バインダーのうちの約40種重量%以上
にパラフィンワックスを添加した場合には射出原料の混
練調整時にパラフィンワックスの分離が顕著となり、ま
た射出成形時に金型へのシミだしによる離型不良、金型
割面からのバリ発生および金型清掃頻度の増加などの問
題がある。また、パラフィンワックス自体が軟質物であ
ることから、成形後の金型内冷時間を非常に長く取らな
いと、金型からの成形体の取り出し時に破損し易くな
り、特に大型部品への適用が困難であること、成形品の
形状制約が多いことや射出成形の自動化が困難であるこ
となど、粉末射出成形技術が本来特徴とする生産の高自
動化や複雑形状部品の成形などの点でも問題点が大き
い。このような観点から、成形体の強度が金型からの離
型抵抗に十分に対応でき、成形品の形状制約の少ない高
強度なバインダーを使い、より維持管理が簡単なメカニ
カルポンプで、より低コストで、低真空度で脱脂が迅速
に行える脱脂方法が期待される。
【0013】さらに、特平4−74769号公報に
は、射出成形体の軟化温度以下の低い温度で熱可塑性バ
インダーの一部を気化させた後に、その射出成形体の形
状が保持可能な圧力で加圧する加圧工程を付与すること
によって先に脱脂した空孔体積分を圧縮し、粉体同士を
接触させることによって、残りの熱可塑性バインダーの
大部分を除去する最後の加熱分解工程での変形の防止を
図るとともに、脱バインダー時間の短縮化を図る方法が
開示されている。しかし、脱バインダーにおいて加圧工
程を含むことは脱脂工程数をより多くし、技術的な複雑
さを増すばかりでなく、その加圧設備コストが高くなる
ことなどの問題点があり、加圧工程が不要で、より迅速
な加熱による脱脂方法の開発が望まれている。
【0014】前述の特開平8−25802号公報では、
熱可塑性バインダーの融点未満の温度での減圧下での加
熱によって、熱可塑性バインダーの一部を除去し、保形
性を確保しながら、雰囲気ガスの圧力が常圧を越えた状
態で熱可塑性バインダーの融点以上に加熱することによ
って、次の工程での大量のガス発生による膨れや割れを
防ぐためのガスの抜け道を形成させ、さらに常圧以下の
雰囲気ガス圧の下で熱可塑性バインダーの大部分を除去
する方法が開示されているが、この方法は成形体の脱脂
欠陥の防止を図るための方法を開示しており、脱脂時間
の短縮化や、結果として大物成形品に対する適用性、お
よび脱脂にかかるコストの低減に対する技術が開示され
ず、より短時間にかつ健全な脱脂体を得る脱脂方法の開
発が望まれる。
【0015】特開平7−305101号公報における実
施例中には、金属粉末にとって不活性なN2 ガス中での
脱脂を行った鉄系焼結体の炭素量が脱脂終了の最高温度
およびバインダー組成の違いによって大きく異なること
が開示されているが、いずれの場合においても不活性な
2 ガスやArガス雰囲気での残留炭素量の制御が困難
であり、この点については他にも報告されている。
【0016】一方、大気中で脱バインダーを実施した場
合には、N2 ガス雰囲気中での熱分解脱脂と比べ、例え
ば200℃以上から熱可塑性バインダーの熱分解がより
急激に加速されるが、250℃以上の温度域からは逆に
残留炭素分の形成によると考えられる脱脂速度の低減が
報告されており、この残留炭素分の形成による内部応力
の発生により成形品にクラックが発生し易くなることが
報告されている。また、酸化し易い金属粉末を使用する
場合には金属表面に新たな酸化物が形成され、その結果
として脱脂途中の成形品が膨張し、クラックが発生し易
くなることが報告され問題となっている。
【0017】さらに、大気中で脱脂を実施した場合に
は、残留炭素量がほぼ0もしくは酸素が酸化物として残
留したり、もしくは金属粉末に予め含有されていた炭素
量が減少したりすることが起こることから、予め使用す
る粉末や使用するバインダー種類,配合量,脱脂条件を
細かく管理しながら焼結体の炭素成分を調整しなくては
ならないという複雑な問題を抱えている。
【0018】以上の残留炭素量の調整方法に対する対策
技術としては、三浦等がN2 ガス中に高濃度のH2 ガス
を混合したガス中で脱脂することによって制御できるこ
とを報告している。また、前述のN2 ガス中と大気中で
の脱脂による残留炭素量の違いから、N2 等の不活性ガ
ス流気中に空気または酸素を混合して炭素量を調整する
ことが容易に想像される。
【0019】前述された技術の例として、N2 ガス中に
水素を添加して炭素量を制御する方法の一例が、「粉末
及び粉末冶金」第40巻第4号,P388に詳細に報告
されている。通常良く実施されている400℃の脱脂条
件下では、炭素量の制御に多量の水素をN2 ガスに混入
する必要があり、炉外に導出される水素リッチガスの取
り扱いがより危険となり、その気化除去されたバインダ
ーの管理や爆発性に対する安全設備的な管理を必要とす
ること、およびH2 ガスによるその炭素量制御効果が小
さいことなどの問題がある。なお、特開平6−2003
03号公報に開示された技術においても同様の問題があ
る。
【0020】また、特開平5−331503号公報に開
示されているように、空気や酸素の直接的な添加を実施
した場合には、水素添加法とは原理的に異なり、酸素に
よる脱脂体に残留し始める炭素との直接的な反応 C(S)+(1/2)O2 (G)=CO(G) 〔(S):固体、(G):気体〕 によって炭素量を制御するため、水素添加法よりも残留
炭素量を大きく制御できることが予想される。
【0021】しかし、現実的には上記の炭素の直接的な
酸化反応は大きな発熱反応であり、さらに、N2 等の不
活性なガス中に微量添加する場合には、この酸化反応は
ル・シャトリエの原理にしたがってより非常に過激とな
るため、特に多数個の成形品の脱脂を実施するに当たっ
ては、多数個の成形品に対して均等に炭素量を制御する
ことが難しく、導入ガスが直接的に当たる箇所の成形品
に対しては過度の酸化反応によるクラック発生の危険が
常に関与することになる。また、特開平6−19270
6号公報に開示されている酸素富化空気雰囲気下での脱
脂技術に対しても前述と同様の問題がある。
【0022】本発明の主たる目的は、前述の問題に鑑
み、脱脂に際しての射出成形体の保形性を確実にしなが
ら、加熱気化蒸発、熱分解による脱脂工程に要する時間
の大幅な短縮化が図れることのできる脱脂方法を低コス
トに提供することにある。
【0023】本発明の他の目的は、射出成形、脱脂時の
製品欠陥を改善するための強度、靭性に優れ、かつ脱脂
時間の短縮化に適した粉体射出成形用バインダーを用い
た脱脂方法を提供することにある。
【0024】本発明のさらに他の目的は、特に金属粉末
を使った射出成形による脱脂体およびその脱脂後に焼結
して得られる焼結体の炭素量を制御する脱脂方法を提供
することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段および効果】前述の目的を
達成するために、本発明による脱脂方法は、熱可塑性バ
インダーと粉末とを混合して射出成形してなる成形体か
ら前記熱可塑性バインダーを脱脂する脱脂方法におい
て、前記熱可塑性バインダーは、少なくとも一種以上の
気化し易い有機化合物と少なくとも一種以上の熱可塑性
樹脂成分よりなり、かつ脱脂工程が、 (a)前記成形体を常圧以下の減圧雰囲気下に置き、前
記熱可塑性バインダーの融点未満の温度で加熱すること
により、前記熱可塑性バインダーの一部を全熱可塑性バ
インダー量の5重量%以上気化させ、さらに気化し易い
有機化合物または熱可塑性樹脂成分の融点の高い方の成
分のその融点未満の温度で加熱することにより、前記熱
可塑性バインダーの一部を全熱可塑性バインダー量の1
0重量%以上気化させ、最終温度を200℃以下にする
第1工程および (b)この第1工程の終了後に、選択される粉末の材料
に対して不活性な常圧以上のガス雰囲気中で熱可塑性バ
インダー成分の最高融点以上の温度まで加熱する第2工
程を含むことを特徴とするものである。
【0026】ここで、上述の熱可塑性バインダーは通常
2成分以上の有機材料で構成されており、熱分析法など
で融点を計測すると、構成する各成分単独の融点もしく
はガラス化温度よりも低い温度もしくは低融点物質の融
点が観測される。したがって、この熱可塑性バインダー
としては、これらいずれの融点をも意味するものとす
る。ただし、基本的な解釈としては、成形体が自重変形
に耐えられない軟化点(軟化温度)とするのが妥当であ
るが、多くの場合においてはほぼ上述の融点の考え方と
一致するし、変形に対する安全を考慮した場合にもその
考え方が妥当である。
【0027】なお、粉体に前述の熱可塑性バインダーを
混合する際には、射出成形時の流動性確保のために、粉
体を均一コーティングしながら、かつ粉体間で構成する
空隙を完全に埋め尽くす以上のバインダー量を配合する
必要があり、空隙空間の1.1倍を目安に、通常は射出
成形体の40〜55重量%程度に達する熱可塑性バイン
ダーを使用している。したがって、上述のように成形体
の軟化温度、すなわち熱可塑性バインダーの融点以下の
温度において、減圧下で上述の気化し易い有機化合物を
除去するだけでなく、さらに、全バインダー量の約1
0%以上を迅速に気化蒸発させることによって、成形体
を構成する粉末と熱可塑性バインダーとの量的な関係に
おいて、粉末同士が直接的に接触する機会が画期的に増
加することになり、成形体そのものの軟化性抵抗が顕著
に高まり、言い換えれば流動性が顕著に阻害されて脱脂
時の保形性が確保され、この時点での熱可塑性バイン
ダーは気化し易い成分が抜けることによって、バインダ
ー成分組成が、気化しにくい熱可塑性樹脂の融点もしく
はガラス化温度により近づき、より高融点化するように
なるため、成形体の軟化抵抗性はより高まり、脱脂時の
保形性が確保され、さらに、減圧下での脱脂を熱可塑性
バインダーの強度成分となる熱可塑性樹脂の融点未満の
温度まで続けて昇温させながら、気化し易い有機化合物
を全バインダー量の10重量%以上に気化蒸発させ、前
述の粉体と熱可塑性バインダー量との関係において完全
に脱脂時の保形性確保をより確実なものとし、かつ、
この保形性の確保によって、いずれのバインダー成分の
融点以上の温度においても保形性が確保されながら、気
化し易い化合物成分を減圧下で優先的に除去させること
によって多くのガスの抜け道が形成でき、前述の多くの
抜け道を形成させるための第2工程での雰囲気の加圧化
を必要としないだけでなく、より第2工程の脱脂時間を
短縮化できる上述の+、および++を組み合
わせた第1工程を特徴とするものである。
【0028】なお、気化し易い成分が熱可塑性樹脂成分
よりも融点が高い場合においても熱可塑性バインダーの
融点未満と気化し易い化合物の融点未満の温度に対して
同様に考えることができる。
【0029】前記第1工程における最終温度を200℃
に設定したのは、多くの有機材料が200℃を越えて加
熱された場合には、より低分子の化合物またはポリマー
に分解しやすくなるとともに、この分解傾向はル・シャ
トリエの法則によって減圧下での加熱によってより加速
化されることによる成形体からの分解ガス化による成形
体割れの危険を避けるためと、加熱炉外でこれらのガス
が冷却された場合には固化物として回収されるが、多く
の場合にはこれら固化物の排出量も多いことや完全な回
収が困難であるため、真空ポンプ設備等に対するトラブ
ルが発生しやすく、このトラブル回避のために必要とな
る設備が高価になることを避けるためである。
【0030】さらになお、次の第2工程においても20
0℃で急激なバインダーの分解が避けられない場合が多
いことや、この急激な分解を期待して、第1工程の最終
温度においては全バインダー量の20重量%以上を脱脂
させていることによって、上述の急激な分解ガスの発生
に対しても成形体内での割れや膨れ等の脱脂欠陥を発生
させずに脱脂の迅速化を図るようにした。さらに、第2
工程においては、粉末に対して不活性なガス雰囲気を常
圧以上の加圧状態にして、熱可塑性バインダーの分解に
よる急激なガス発生を抑制することよりも、第1工程終
了後の成形体におけるバインダーの脱脂率を全バインダ
ー重量の20重量%以上に高めて、分解ガスの抜け道を
十分確保することによって、常圧の不活性なガス雰囲気
下で急速に起こる分解ガスの発生による上述の脱脂欠陥
を防止するとともに、以後の分解速度を高くできること
によって脱脂時間の短縮化を図ることを可能にした。
【0031】本発明においては、さらに、第3工程にお
いて、常圧以下の雰囲気ガス圧状態で加熱脱脂を加速化
させて脱脂の短縮化を図るようにするのが好ましい。な
お、この第3工程は、脱脂の時間短縮化効果としては小
さいので、第2工程において熱可塑性バインダーの大部
分が気化,分解除去される温度まで昇温させることによ
って省略することが可能である。
【0032】本発明においては、さらに、常圧のN2
Ar等の不活性なガスの流気雰囲気中で加熱することに
よって、残量のバインダーを気化,分解除去する前述の
脱脂法の第2および第3工程においては、通常は、第
2,第3工程の加熱温度が約230℃以上になると、残
りのバインダーの主体となる滑剤やポリアミド樹脂材料
等の高分子材料は分解されて低分子化されることが多
く、炉内加熱部においてはガス化させるが、同時に炭化
反応による残留炭素も多くなるため、新たな残留応力の
発生も脱脂欠陥の危険要因となり、さらには焼結時や焼
結後の焼結密度や焼結トラブルを発生させる危険性があ
ることは前述のとおりであるが、本発明では、第2,第
3工程に不活性雰囲気ガスにCO2 ガスを混合すること
によって、酸化性をコントロールし、上述の炭化反応を
抑制することによって脱脂後の脱脂体の炭素量や焼結後
の焼結体の残留炭素量をコントロールすることが好まし
い。
【0033】なお、不活性なN2 ,Arガス雰囲気中で
の滑剤やポリアミド樹脂などの加熱による分解は、酸素
共存下での分解に比べて非常に緩慢になり、有機材料の
分解分子量単位が大きい状態で気化するため、気化する
際の膨張が少なくなり、脱脂欠陥の発生が低減できると
期待されることから、第2工程の雰囲気ガスを不活性ガ
スを主体とし、CO2 ガスを混合することとした。
【0034】さらになお、前述の酸素の直接的な添加法
に関して上述した技術的な問題点や上述の脱水素反応を
抑制し、炭化反応による残留炭素量を調整制御するため
の解決手段として、通常の脱バインダーの最終加熱温度
約600℃においても成形品の脱バインダー途中で形成
される残留炭素分との酸化反応が吸熱反応となる二酸化
炭素ガス〔C(S)+CO2 (G)=2CO(G)〕を
利用して、ル・シャトリエの原理によりN2 ガスなどの
不活性ガスに混入さてその酸化性を高め、緩やかな酸化
性雰囲気を作りだすことによって、残留炭素量の制御性
を確保し、さらに過度の酸化や過度のバインダーの炭化
によるクラックの発生を防止するようにした。なお、上
述のCO2 ガスの作用はN2 等の不活性なガスに微量添
加する方法だけでなく、CO2 を単に減圧状態に置くこ
とによっても容易に作り出せるので、第3工程を減圧下
で実施する場合にも適用できる。
【0035】C(S)+CO2 (G)=2CO(G) ;ΔG1=40800−41.7T C(S)+(1/2)O2 (G)=CO(G) ;ΔG2=−26700−20.95T 350℃(623K)ΔG1=14820,ΔG2=−
39752
【0036】この問題を解決するために、本発明では前
述の手段として、重合度がほぼ無視できる熱可塑性のな
い分子量でほぼ1000以下のアミド系および/または
アミン系水溶性化合物をバインダー中の水溶性成分と
し、かつバインダーとしての熱可塑性を確保するために
その水溶性化合物と相溶する高強度で耐熱性に優れたポ
リアミド樹脂をバインダーの非水溶性成分とすることと
した。さらに、重合度のほぼ無視できる前記水溶性化合
物を使うことによって粉末との加熱混練時の熱分解によ
る低分子化が無くなるため、混練物の安定した流動性に
より、安定した射出成形を可能とし、かつランナー,ス
プール等の原料の再利用性における問題を無くすことを
可能にした。
【0037】本発明の脱脂方法において、前記気化し易
い有機化合物はアミド系および/またはアミン系化合物
であるのが良い。また、前記熱可塑性樹脂はポリアミド
樹脂であるのが良い。
【0038】前述の脱脂における第1工程は、デフュー
ジョンポンプのような高度の真空度(≦5×10-4to
rr)を必要としない、メカニカルポンプで通常達成で
きる真空度以下(>0.05torr)の減圧状態で加
熱することによって、射出成形用バインダーの主体とな
るように含ませた40〜70重量%の気化し易いアミド
系および/またはアミン系化合物成分の一部もしくは全
量を蒸発,気化除去させることよりなり、脱脂工程にお
ける変形の防止と、さらに脱脂の第2工程での残部バイ
ンダーの迅速な加熱除去を実質的により脱脂欠陥に対し
て安全で、容易に効果的な脱脂時間の大幅な短縮化を図
ることを可能にしている上述のアミド系熱可塑性バイン
ダーを使用することができ、これによって本バインダー
の強靱性を生かして成形体の形状的制約の解消を、脱脂
時間の短縮化による大型、厚肉射出成形品への粉末射出
成形技術の適用性を拡大することができる。
【0039】気化し易い物質の選定に当たっては、まず
メカニカルなポンプでは、通常、0.05torr以上
の高真空度側が安定して達成できず、とりわけ大量の射
出成形品を同時に脱脂する時に安定して保証できる真空
度がほぼ0.1torrであること、融点が190℃を
越えるとバインダーの流動性を阻害し、ひいては射出成
形性を阻害する傾向にあること、沸点が175℃より低
くなると、粉末とバインダーとの混練時または射出成形
時にバインダーより選択的に気化蒸発し、射出成形の安
定性並びにリターン材の再利用において支障を来し易い
傾向があること、および沸点が融点よりも250℃以上
高くなる物質では、脱脂の第1工程における気化蒸発速
度が遅くなり、脱バインダー時間の短縮化に十分な寄与
ができない等の条件を考慮して、気化し易い物質の条件
として融点における蒸気圧がメカニカルなポンプの達成
真空度0.1torr以上であること、融点が50℃以
上で190℃以下であること、沸点が175℃以上で、
(融点+250)℃以下であり、かつ融点における蒸気
圧が100torr以下であることが好ましい。
【0040】上述のように、本発明における気化し易い
物質は、その沸点が比較的低い温度にありながら融点が
高いという、一見すると背反事象的な問題点を有してお
り、例えば射出成形で気化し易い物質として挙げられて
いるパラフィンワックスにおいても融点と沸点との差が
約400℃と本発明条件を満たしていない。そこで、本
発明においては、アミド基やアミン基をもつ化合物が固
体状態においては強固なアミド基,アミン基間の結合性
をもち、結果的には固体状態におけるアミドおよびアミ
ン化合物の構造的な安定性を増すことによって融点を高
めるが、融体ではこのような構造的な安定性を確保でき
ず、分子量的に少ない物質ほど蒸気圧が高くなり、沸点
が低くなることに着目して、分子量が350gr/mo
l以下のアミドおよびアミン系物質を気化し易い成分と
することで上述の問題を解決した。さらには、気化し易
い物質の選定に当たっては、脱脂の操業上、沸点が20
0℃以上で350℃以下、融点における蒸気圧が1.0
torr以上で50torr以下であることがより好ま
しい。
【0041】なお、気化し易いアミド系,アミン系物質
の添加は、脱脂の第1工程においてバインダーに含まれ
る全量の気化し易いアミド系,アミン系物質を減圧下で
加熱しながら気化除去することによって脱脂中の保形性
を確保し、第2工程において発生する分解ガスの通り道
を確保することを目的とすることから、上述の気化し易
い化合物の熱可塑性バインダー中に含まれる最小量は2
0重量%となる。さらに、本発明の主旨である脱脂時間
の顕著な改善を図るためには、気化し易いアミド系およ
びアミン系物質がバインダーの主体的な成分となるよう
な範囲で使用することが好ましいと考えられ、かつバイ
ンダー強度との関連から、より具体的には40〜70重
量%の範囲で使用することが好ましい。
【0042】また、前記熱可塑性バインダーに含まれる
気化し易い物質として、アミド系物質および/またはア
ミン系物質を熱可塑性バインダーの40〜70重量%添
加してバインダーの主体成分として使用する際に、これ
らアミド系物質および/またはアミン系物質を40〜7
0重量%含有しても十分な成形体強度が確保されるよう
にすることと、金型からの十分な離型性とが必要となる
が、本発明では、先の特開平7−305101号公報に
記載のような、アミド系物質および/またはアミン系物
質と相溶性の優れた25〜60重量%のポリアミド樹脂
を強度成分として含む熱可塑性バインダーを使用するこ
とによって、射出成形後の金型からの離型および取り出
しハンドリングに十分な成形体強度を付与させている。
【0043】さらに、前記第1工程における上述の真空
もしくは減圧雰囲気中で気化蒸発される成分を冷却,固
化して回収する際に、気化し易い上述のアミド系および
/またはアミン系化合物の融点が高いほど脱脂炉外で確
実に回収でき、真空ポンプ系に対するトラブルを防止す
ることが可能となり、具体的には融点が50℃以上であ
ることが望ましい。しかし、上述のバインダー強度に対
する影響と、脱脂炉外で気化物を冷却,固化する冷却器
の冷却能が簡便な手段で実施できる経済性とから勘案し
た場合には、融点が70℃以上であるのが好ましい。
【0044】本発明における第1工程において、0.1
torr以下の真空度の減圧状態で気化し易い物質を加
熱除去するのに際して、170℃を越えて加熱する場合
には、使用する滑剤の一部も蒸気圧と加熱温度との関係
において成形体から気化除去され得るが、更に230℃
を越えて加熱する場合には前記アミド系,アミン系物質
および滑剤等の蒸発ガスが、真空下におけるガス反応の
原理(ル・シャトリエの原理)からより低融点の低分子
化合物のガスに分解し易くなり、蒸発ガスを炉外で冷
却,固化する際に、簡便な冷却装置では回収しきれず
に、メカニカルな真空ポンプのオイル中で分解物が析出
回収されて、真空機器のトラブルを発生させる危険があ
る。この問題を避けるために、前述と同様に脱脂の第1
工程の最高温度は230℃以下に留めることが必要と考
えられるが、大量の成形体を処理する場合に、各炉内位
置における温度分布のばらつき等の安全性を考慮した場
合には、滑剤等の蒸発ガスが分解しない安全な温度を選
定する必要があると考えられ、通常は、第1工程の最高
温度を200℃以下に留め、第2工程の常圧における不
活性なガス流気中での加熱による脱バインダーに切り替
えることが好ましい。
【0045】なお、同時に滑剤の融点が50℃以下の場
合にも、分解による低分子化が無くても、蒸発ガスを炉
外で冷却回収する際に、簡便な冷却装置では回収しきれ
ずに、メカニカルな真空ポンプのオイル中で析出回収さ
れることにより真空機器のトラブルを発生する危険性が
あるので、気化し易い物質の融点は最下限温度70℃よ
りも高いことが好ましいのは前述のとおりである。
【0046】アミド系物質および/またはアミン系化合
物については、水溶性化合物の観点から、既に特開平7
−305101号公報にて開示したとおりであるが、こ
れらの化合物は、水溶性と同時に気化し易い上述の特性
をほぼ備えているため、本発明の気化し易いアミド系,
アミン系化合物としてもほぼ適用できるものであるが、
これらの化合物に対しては、上述の真空機器のトラブル
を発生させる危険性の回避を考慮することが好ましい。
【0047】さらに、本発明の加熱脱脂法においては水
溶性に関する制約が無くなることから、水溶性の少ない
化合物についても、また逆に水溶性が顕著であっても、
本発明の気化性からの効果の少ない化合物となることが
あるために、本発明の趣旨に沿ってアミド系,アミン系
化合物を最適に選定することが好ましい。
【0048】アミド系化合物はアミド基を有する物質で
あり、化学構造中にベンゼン環を有するものと有しない
ものとに分けることができる。特に水溶性アミド系化合
物として特開平7−305101号公報に記載されてい
る具体例は、上述の本発明趣旨の蒸気圧的な観点から適
用の範囲に存在するが、さらに、より具体的に本発明の
趣旨に沿ったアミド系化合物を挙げると、ベンゼン環を
有するものおよび有しないものとして、アセトアミド
(水),プロピニックアミド(水),アロキサン酸
(水),エチルウレタン,エチレン尿素,グリコールア
ミド,ヘプタン酸アミド,メチルアセトアミド,メチル
アセチル尿素,トリメチル尿素,カルバミン酸エチル,
ニトロベンズアミド(o),ニトロベンズヒドラジド
(o),フェニルセミカルバジド(1)(C6 5 NH
CO2 6 5 ),フェニルカルバミン酸エステル(C
7 7 6 4 2 CNH2 ),トルイルアミド
(o),トルイルアミド(p),アセトアミノフェノー
ル,アセトナフタリド,アミノベンズアミド(o)等以
外にも、例えば、アクリルアミド(水),3−アセチル
インドール,1−アセチルセミカルバジド(水),N−
アセチル−N’−フェニルヒドラジン,アセトアニリド
(水),アセトトルイド(o),アセトトルイド
(p),アミノアセトフェノン(p),ジアセトアミド
(水),イソバレルアミド(水),イソブチルアミド
(水),イミダゾール(水),カルバミン酸メチル,カ
ルボノヒドラジド,サリチルアミド(水),ジアセトア
ミド(水),N,N’−ジエチル尿素,3,4−ジヒド
ロ−2−キノロン,N,N’−ジメチル尿素,N,N’
−ジエチル尿素,ジメチルパラバン酸,ショウノウオキ
シム,スクシンアミド酸(水),スクシンイミド(不
溶),(セミカルバジル(水)),(トリアセトアミ
ド),N−(1−ナフチル)アセトアミド,N−(2−
ナフチル)アセトアミド,2−ピリドン,フタルイミジ
ン,ベンズアミド,N−ベンゾイル−p−トルイジン,
ベンズアミドオキシム,1−メチルヒダントイン,p−
メトキシアセトアニリド,オクタンアミド,ブチルアミ
ド(水),ヘキサンアミド(水),バレルアミド
(水),ステアリン酸アミド(不溶)等が挙げられる。
これらベンゼン環を有しないものと有するものを含め一
種または二種以上を混合して気化し易いアミド系化合物
として用いられる。
【0049】アミン系化合物は、アミノ基を有する物質
であり、例えばヘキサヒドロピペラジンの約1モルと酢
酸の約2モルとを常法により脱水共重合して得られる第
2アミン系であるN,N’−ジアセチルピペラジンが挙
げられる。また、その他の水溶性アミン系化合物として
特開平7−305101号公報に記述されている具体例
から、上述のような本発明の蒸気圧的な観点に沿った第
1アミン系および第2アミン系のより好ましい化合物を
選定すると、2−アミノキノリン,3−アミノキノリ
ン,ジアミノヒドラゾベンゼン(p),ヘキサメチレン
ジアミン,ナフチルアミン(β),ニトロ−p−アミノ
フェノール(3),ニトロフェニルヒドラジン(p),
ニトロソアニリン(p),トルイレンジアミン,トルイ
レンジアミン(1;2,4),アセチル−p−フェニレ
ンジアミン,アミノピリジン(2)(α),ジホルミル
ヒドラジン,ジピリジル(4,4’),ホルミルフェニ
ルヒドラジン(β),グルコースフェニルヒドラゾン,
ヒドロキシピリジン,メチルアミノ−p−ヒドロキシ安
息香酸(3),メチルベンズイミダゾール(2),メチ
ルグリオキシアリジン,ニトロフェニルヒドラジン
(p),フェニルグリシン(N),トリアゾールが挙げ
られる。さらに、本発明の気化性を考慮した場合には、
例えば4−アミノキノリン,4−ピリジルアミン,ニト
ロアニリン(m),フェニレンジアミン(o),フェニ
レンジアミン(p),2−アセチルピロール,p−アミ
ノアセトフェノン,m−アミノフェノール,インダゾー
ル,インドリジン,3,4−キシリジン,1,4−シク
ロヘキサンジアミン,2,5−ジメチルピペラジン(c
is,trans),3,5−ジメチルピペラゾール,
チラミン,トリアセトアミン,2,4,5−トリメチル
アニリン,N−ニトロジメチルアミン,2−フェニルイ
ンドール,ベンゾ(h)キノリン,3−メチルインドー
ル,2−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン等が挙
げられる。これらは第1アミン系および第2アミン系を
含め一種または二種以上を混合して気化し易いアミン系
化合物として用いられる。また、アミド系化合物とアミ
ン系化合物とを組み合わせて用いても良い。
【0050】なお、前記ポリアミド樹脂に使用する原料
に関しては、先願である特開平7−305101号公報
に記載のものを基本的に採用することができる。
【0051】また、本発明による射出成形用バインダー
に用いられる滑剤としては、通常使用されているすべて
の滑剤が有効であり、この情報についても先願(特開平
7−305101号公報)に開示されているとおりであ
る。さらに、気化し易い物質として使用するアミド系お
よび/またはアミン系化合物と、強度成分として使用す
るポリアミド樹脂との相溶性を勘案して、アミド系をそ
の構造に有し、直鎖状構造を主体とする脂肪族アミド,
N−置換脂肪酸アミドが好ましいこと、および置換尿素
も滑剤として好ましいことも特開平7−305101号
公報に開示されているとおりである。
【0052】本発明の前記第1工程において0.1to
rr以下の真空度の減圧状態で気化し易い物質を加熱除
去するのみ際して考慮すべき技術点については前述した
とおりであるが、バインダーに0〜15重量%の範囲内
で使用する滑剤の一部も蒸気圧と加熱温度の関係におい
て成形体から蒸発,分解気化除去され得るため、200
℃を越えて加熱する場合には、滑剤の蒸発ガスが原因と
なる真空機器のトラブルを発生させる危険がある。その
ため、滑剤の沸点およびその分解性についても配慮が必
要であるが、特に本発明において対象とする滑剤につい
ては問題がない。また、前述のように滑剤の融点が50
℃以下の場合には、加熱分解による低分子化がなくて
も、蒸発ガスを炉外で冷却回収する際に、簡便な冷却装
置では回収しきれずに、メカニカルな真空ポンプのオイ
ル中で析出回収されて、真空機器のトラブルを発生させ
る同じ危険性があるので、滑剤の融点も、気化し易い物
質の融点の好ましい最下限温度70℃よりも高いことが
好ましいのは明らかである。
【0053】本発明によれば、気化し易いアミド系およ
び/またはアミン系物質が、脱バインダーの第1工程に
おいてメカニカルなポンプによって容易に達成できる真
空下または減圧下ニオイテ加熱しながら気化除去させる
ことによって脱バインダー時における成形体の保形性が
確保されて、続く第2工程において除去する残りのバイ
ンダー成分が第1工程で作られた抜け出す道を通じて急
速な分解ガスが成形体外に除去されることによって、膨
れやクラックの発生等の健全な脱脂が確実に行われると
ともに、脱バインダーに要する時間が、常圧での不活性
なガス中での脱バインダー時間に比べて著しく短縮化さ
れた。さらに、気化し易いアミド系,アミン系物質を熱
可塑性バインダーの主体となる40〜70重量%の範囲
にまで添加できる熱可塑性バインダーを併用した場合に
は、脱バインダーの第1工程における真空中または減圧
中でのアミド系,アミン系物質の脱脂が主体的な部分を
請け負うことになるため、第2工程における残りのバイ
ンダー成分を加熱除去する際の抜け道も顕著に多くなる
ため、昇温速度をより高めることができ、脱脂時間の短
縮化も、上述の脱脂時の保形性の確保や欠陥の発生に対
してもより顕著に改善することができるとともに、脱脂
時間に対しても画期的な短縮化効果を示すことができ
た。
【0054】なお、滑剤は主として脂肪酸アミド,N−
置換脂肪酸アミド,置換尿素を0から15重量%の範囲
で使用するが、基本的には本発明では気化し易いアミド
系,アミン系物質とは別の組成範囲で扱うものとして記
述しているが、脂肪酸アミド系滑剤などこれらの滑剤は
実質的には脱脂の第1工程において本発明の気化し易い
アミド系物質と同様に気化除去されるものが多く、より
効果的な脱脂時間の短縮化が図れることが考えられる。
【0055】また、脱脂の第1工程における真空度はメ
カニカルなポンプで達成できる0.05torr以下の
低真空度から、常圧に近い減圧状態においてまで、本発
明の効果が期待できるが、より顕著に本発明の効果を得
るためには、0.05torrから気化し易いアミド
系,アミン系物質の融点における真空度の範囲で実施す
ることが好ましく、具体的には0.1〜100torr
の範囲で実施されることが好ましい。
【0056】また、脱脂の第1工程における最高加熱温
度は、原則的には脱脂最終温度まで可能であるが、23
0℃以上の温度域への加熱によって熱可塑性バインダー
の分解が多く始まるため、気化分解ガス中に低分子化さ
れ、融点の低い化合物蒸気となって炉外へ排出され冷却
固化、または液化回収されないままにメカニカルポンプ
内で回収されトラブルが発生し易いことが考えられるた
め、脱脂の第1工程の最高加熱温度は200℃以下とす
ることが好ましい。
【0057】また、脱脂の第1工程において回収された
気化し易いアミド系,アミン系物質は、バインダー成分
として再利用が可能な純度であることが分かった。
【0058】さらに、不活性なN2 ,Arガス等の常圧
の流気による脱脂を上述の第1工程に続けて実施するこ
とによって、上述のバインダー分解ガスによる真空系装
置類のトラブル防止が図られ、またバインダーの炭化に
よるクラックの発生防止や粉体に金属粉末を使った場合
の脱脂時の酸化による酸化物の形成によるクラックの発
生防止が図れた。また、脱脂の第2工程において、不活
性なN2 ,Arガス等の常圧の流気中にCO2 ガスを微
量混入させることによって、粉体に金属粉末を使った場
合の焼結後の焼結体中の炭素含有量を、上述のクラック
の発生なしに、脱脂工程において調整,制御できるよう
になった。
【0059】本発明の技術は、比重の大きい金属粉末に
対してのみならず、アルミナ,SiC等のセラミックス
粉末に対しても適用が可能と考えられる。
【0060】
【実施例】次に、本発明による脱脂方法およびそれによ
り得られる脱脂体並びに焼結体の実施例および比較例に
ついて詳細に説明する。
【0061】(A)バインダー組成 バインダー強度成分となるポリアミド樹脂としては、特
開平7−305101号公報に記載のポリアミド樹脂成
分(4)(;C36二酸(ユニケマ社製プリポール101
3)とアゼライン酸とエチレンジアミンとキシリジアミ
ンとを当モル量を用いて混合し、脱水共重合して得た平
均分子量が約40000のポリアミド樹脂)、ポリアミ
ド樹脂成分(1)(C44二酸(ユニケマ社製プリポール
1004)と、アゼライン(C7 二酸)7モルと、エチ
レンジアミン7モルと、キシリレンジアミン13モルと
を用いて混合、脱水共重縮合して得た平均分子量が約5
0000のポリアミド樹脂)、ナイロン12/エーテル
エラストマー共重合体(ダイセル社製E40S3)、滑
材としては、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド
(日本化成社製:スリパックスL、融点151℃、沸点
約400℃、分子量424)、N,N’−エチレンビス
ステアリン酸アミド(日本化成社製:スリパックスE、
融点142℃、沸点約380℃、分子量592)、相溶
化剤としては、N,N’−キシリレンビスステアリン酸
アミド(日本化成社製:スリパックスPXS、融点12
3℃、沸点約390℃、分子量668)、気化し易いア
ミド系,アミン系物質としては、3−アセチルインドー
ル(融点188℃、沸点約280℃、分子量159)、
1−アセチルセミカルバジド(融点165℃、沸点約3
00℃、分子量117)、N−(1−ナフチル)アセト
アミド(融点160℃、沸点300〜350℃、分子量
185)、N,N’−ジアセチルピペラジン(融点14
1℃、沸点約290℃、分子量170)、N−(2−ナ
フチル)アセトアミド(融点135℃、沸点300〜3
50℃、分子量185)、ブチルアミド(融点117
℃、沸点216℃、分子量87)、N−N’−ジエチル
尿素(融点113℃、沸点263℃、分子量116)、
ステアリン酸アミド(融点109℃、沸点約250℃、
分子量283)、トルイレンジアミン(融点89℃、沸
点265℃、分子量122)、アセトアミド(融点82
℃、沸点221℃、分子量59)、ジアセトアミド(融
点79℃、沸点216℃、分子量101)、カルバミド
酸エチル(融点48℃、沸点184℃、分子量89)を
使用して、表1,表2に示されている重量比において溶
融混合し、冷却後に粉砕して各バインダーA〜Qを得
た。なお、バインダーAは比較のための従来公知のアミ
ド系バインダーである。さらに、比較のために、表3に
示される従来公知の各バインダーR,S,Tを準備し
た。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】(B)加熱分解による焼結体の製造 水アトマイズ製法で作られたステンレス鋼微粉末(SU
S430,平均粒径;10ミクロン)100部に対して
バインダーAを10.5部用いて150℃で加熱混練
し、冷却して粉砕したものを射出成形用の原料とした。
射出成形条件は、射出温度を140℃,圧力をほぼ70
0kg/cm2 とし、図1に示されるような成形体aを
得た。この成形体aは肉厚が約3mmで重量が約45g
r/個である。この成形体aの脱脂時の荷姿が図2に示
されている。この条件では、小径部と大径部との付け根
の部分に小径部の自重がかかり、この部分が脱脂変形の
判定に使われる。なお、熱分解によるこのバインダーA
の融点は125〜130℃であるので、50℃から20
0℃まで昇温速度を変えながらその成形体aの長さとそ
のときの成形体の脱脂率との関係を調べた。この調査結
果が図3に示されている。この図3において、○印は±
0.05mmの寸法変化範囲内で全く変形されていない
と判断されたことを示し、△印は0.2mm以内の伸び
を示したもの、×印は0.2mm以上の変形と微小クラ
ックの発生したものを示している。この結果から、13
0℃における変形しない脱脂率の境界が約10重量%で
あり、ポリアミド樹脂の単独の融点約165℃で約15
重量%以上で変形しないことがわかり、また15重量%
以上では200℃以下において変形しないことが正確に
は分からないが、上述の条件を満足させたものには20
0℃においても変形が認められないことが分かった。
【0066】上述と同じステンレス鋼微粉末100部に
対して各バインダーA〜QおよびR〜Tを10.5部用
いて120〜150℃で加熱混練し、冷却して粉砕した
ものを射出成形用の原料とした。射出成形条件は、射出
温度を120〜175℃の範囲で調整し、圧力をほぼ7
00kg/cm2 とし、図4に示されるような成形体b
を得た。この成形体bの重量は約130gr/個,最大
肉厚は11mmであり、射出成形技術の適用部品として
は非常に大きいものである。
【0067】次に、脱脂の第1工程の最高温度を各バイ
ンダー中の気化し易い成分に合わせて90〜200℃に
設定して、約0.2torrと2.0torrの真空下
で24時間緩やかに昇温加熱した後、続いてN2 ガス雰
囲気の熱循環炉において風速が1.0m/secになる
ようにして、最終温度の350℃にまで8時間で昇温加
熱し、残りのバインダーを除去した2水準の脱脂処理を
行った。なお、脱脂の全処理時間は32時間になるよう
に統一しており、また昇温パターンは気化し易い化合物
融点の10℃低い温度とポリアミド樹脂の融点未満の温
度として155℃で所定の時間キープするように考え方
を統一した。脱脂処理による変形,クラックの発生等の
観察を実施した後に、脱脂良品に対しては1240℃に
おいて4時間の真空焼結を行った。
【0068】こうして得られた成形体,脱脂体および焼
結体の実験結果は表4に示されているとおりである。な
お、表中の×印は大きな脱脂変形および/または大きな
クラックの発生を示しており、△印はほとんど変形が認
められないが、小さなクラックの発生が認められる状態
を示している。○印は上述の脱脂欠陥が認められない状
態を示している。また、−印は脱脂品に良品が得られな
かったことによって焼結を実施しなかったことを示して
いる。さらに、バインダーR,S,Tを使った射出成形
体には十分な良品が得られなかったが、脱脂性の確認の
ために脱脂処理を実施したものであるが、明らかに脱脂
による変形が認められた。
【0069】
【表4】
【0070】次に、脱脂時間を短縮化に対する成分効果
を確認するために、バインダーA〜Fを使った成形で、
脱脂の第1工程の時間を7〜100時間の範囲で変え、
さらにN2 ガス雰囲気中で行う脱脂の第2工程を8時間
と33時間とを選んで脱脂テストを実施した。なお、脱
脂の第1工程の真空度は約0.2torr、途中の昇温
パターンは、図5に示した22時間の例を比例的に縮小
拡大して7〜100時間のパターンを設定し、最高温度
は170℃とした。また、脱脂の最終温度は350℃と
し、第1工程終了後8時間で昇温する条件に固定した。
【0071】脱脂後脱脂体の欠陥状況については表5に
示されているとおりである。なお、表中の×印,△印お
よび○印は上述のとおりである。
【0072】
【表5】
【0073】次に、バインダーA,D,SおよびTとカ
ーボニル鉄粉末材料(BASF社製CS鉄粉末,平均粒
径;5ミクロン)を使って140℃で混練加熱し、冷却
して粉砕した後、射出成形機にて図6に示されているよ
うな形状の成形体cを射出圧力660kg/cm2 の条
件で成形した。次の脱脂条件は、(1)10Nl/mi
nのN2 ガスに0〜0.5体積%の範囲でCO2 を混合
させた雰囲気の熱循環炉において、この成形体cを風速
1.0m/secの条件下で最終温度350℃まで50
時間をかけて脱脂した水準1、(2)前述の表4に示し
た脱脂の第1工程の時間を24時間、第2工程を上述の
水準1と同じN2 −CO2 混合ガス雰囲気下で8時間を
かけて脱脂した水準2とした。脱脂処理後、1200℃
において時間真空焼結した。脱脂時間を長く設定したの
はバインダーAを使った成形体が脱脂時に変形すること
を防ぐためである。さらに、バインダーAを使った成形
体は、内部クラックの発生を防止するために、N2 ガス
雰囲気下で、110℃×4時間の応力除去加熱を実施し
た。
【0074】なお、パラフィンワックスおよび/または
フタル酸ブチルを多量に含有するバインダーS,Tは強
度的に弱いため、射出成形による図6の成形体cを製造
したところ、部分的にすべてが折損し良品が得られなか
ったので、以後の残留炭素量制御のための脱脂処理およ
び焼結を中止し、強度的に強いバインダーAおよびDの
成形体を使っての残留炭素量制御の実験を実施した。
【0075】上述のCO2 ガスの混合雰囲気による脱脂
後の成形体A,Dには、欠陥の発生はなかった。焼結後
の炭素分析結果については表6に示されているとおりで
ある。
【0076】
【表6】
【0077】(C)試験の結果 (1)脱脂変形の確認結果(図3参照) バインダーAを使って脱脂変形量と脱脂温度と脱脂率と
の関係を調査した結果、バインダーAの熱分析でみられ
た融点130℃、ポリアミド樹脂の融点155℃におい
てそれぞれの気化し易い成分の脱脂率がほぼ10重量
%,15重量%以上であれば、図2に示されるような過
酷な荷姿においても脱脂変形が防止できることが分か
り、本発明の脱脂方法の第1工程における減圧下の気化
蒸発原理を有効に利用するための条件として、気化し易
い化合物成分が15重量%以上で、好ましくは20重量
%以上であることが分かった。また、第1工程における
加熱温度はポリアミド樹脂の融点で15重量%以上の脱
脂率が実現されているとポリアミド樹脂の融点以上に設
定することが可能となり、より脱脂変形の防止や脱脂時
間の短縮化により有効であることが分かった。
【0078】(2)32時間の脱脂による結果(表4参
照) バインダーA〜QのうちバインダーQは低融点のカルバ
ミド酸エチルを主体に含むことから、バインダー強度が
低下して射出成形体の製品不良が発生したが、他のポリ
アミド系バインダーを使った成形体には成形欠陥はなか
った。また、比較用に使用した従来公知のバインダー
R,S,Tは顕著な強度不足が予測されたので、金型温
度を20℃に低く設定し、金型内での冷却時間を2分以
上に設定したが、ほとんど良品の成形体が得られなかっ
た。しかし、脱脂テストにはそのバインダーの脱脂性を
確認するために参考として成形不良品をあえて供した。
【0079】脱脂後の成形体の保形性とクラック発生程
度から、各バインダーの脱脂性を検討すると、0.2t
orrの結果から、気化し易いアミド系化合物やアミン
系化合物が30重量%以下のバインダーA,E,Fの成
形体では顕著な脱脂変形と発泡、大きなクラックの発生
が認められ、また比較用のバインダーR,S,Tの成形
体においても顕著な変形が認められたが、上記化合物を
50重量%含有する他の成形体においては良好な結果が
得られた。また、脱脂の第1工程を2torrにした場
合においては、おおむね融点での蒸気圧の高いバインダ
ーにおいて健全な脱脂体が得られ、蒸気圧の低いものに
は変形,クラックの発生が認められたが、ロータリーポ
ンプによる真空度においても顕著な効果が認められた。
【0080】なお、脱脂の第1工程においての除去バイ
ンダーの冷却固化回収は、炉外の配管途中に肉厚2mm
のステンレス鋼でできた内径が約12cm,長さが約3
0cmのベローズをルーツポンプの前に配置して簡便的
に実施したが、バインダーQ以外については、ほぼ10
0%の回収結果を得ており、真空ポンプ系にトラブルの
発生を認めなかった。しかし、バインダーQの脱脂時に
はルーツポンプおよびロータリーポンプ内の真空オイル
中に白濁を生じ、より冷却性能の高い回収装置が必要で
あることが分かった。さらに、バインダーA〜Fの成形
体について脱脂の第1工程の最高温度を250℃まで引
き上げたときには、ルーツポンプ内に白色の固化物が多
量に析出し、ルーツポンプがロックするトラブルを発生
させたが、この場合にもより冷却性能の高い回収装置が
必要であることが分かった。また、この場合のポンプ内
の析出物は、蒸気圧と熱分解調査結果から、主として表
1に記載のN,N’−ジアセチルピペラジンおよびその
他滑剤,相溶化剤の熱分解物と判断される。したがっ
て、上述のようなトラブルを回避するためには、脱脂の
第1工程の最高温度を230℃以下、好ましくは200
℃以下に止めることが良いと考える。また、気化し易い
アミド系,アミン系化合物の選定に当たっても、70℃
以上の融点をもつ化合物を選定することが好ましい。な
お、健全な脱脂体は、次の焼結工程においても健全な焼
結体として、かつ十分な焼結密度が得られた。
【0081】(3)脱脂時間と短縮化効果の確認(表5
参照) バインダーA〜FとSUS430鋼微粉末を使って、脱
脂の第1工程の真空度を0.1〜0.2torr,最高
温度を170℃にして脱脂時間の短縮化効果を図6に示
した肉厚11mmの成形品で調査した結果、バインダー
B,Cにおいては、トータルの脱脂時間が22時間で、
健全な脱脂体が得られ、またバインダーDについても3
2時間で健全な脱脂体が得られた。しかし、N,N’−
ジアセチルピペラジンを30重量%含むバインダーA,
Eでは67時間ではじめて健全な脱脂体が得られるよう
になり、さらに、15重量%を含むバインダーFでは1
33時間でも健全な脱脂体が得られないことが分かる。
このことから、気化し易いN,N’−ジアセチルピペラ
ジンが主体となるバインダーでは、脱脂時間の短縮化効
果が単純な添加量に反比例した効果以上に具現化されて
いることが分かり、現実的な脱脂時間の短縮化効果を発
現させるには、気化し易い化合物の添加量範囲が40重
量%以上であることが好ましい。
【0082】(4)CO2 ガスを使った残留炭素量の調
整(表6参照) 本実験では、全脱脂工程を常圧のN2 ガス中で実施する
ものと、脱脂の初期の第1工程において真空中加熱を施
した後に、常圧のN2 ガス中で加熱する2水準の脱脂法
においてCO2 ガスの混入による残留炭素量の調整法に
ついて調査した結果、いずれの水準においても、CO2
ガスの混合割合0.5体積%においても顕著な炭素制御
性の得られることが分かった。さらに、脱脂終了後の脱
脂体においてクラックの発生などの脱脂欠陥にない健全
なものであることが分かった。
【0083】また、CO2 ガスの添加量について検討す
ると、N2 ガスの代わりにCO2 を使った場合には、脱
脂の終了温度が通常500℃程度であることを勘案すれ
ば、前述の炭素とCO2 との反応がこの温度においても
吸熱反応であり、保護雰囲気的な作用を持つことから、
CO2 ガスの混合量については上限100体積%、すな
わちCO2 ガス雰囲気下での脱脂法においても、前述の
空気および富化酸素雰囲気下での脱脂時の問題点の解決
に寄与すると考えられる。
【0084】なお、CO2 の添加方法としては、単独の
ガス添加が最も簡潔であるが、例えばアルコールのよう
に加熱分解してCO2 ガスを出す物質の添加やあるいは
RXガスのようにCOやH2 との混合ガスの状態で添加
する方法が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形体aの断面図。
【図2】成形体aの脱脂時の荷姿を示す図。
【図3】成形体aにおける脱脂率,加熱温度,脱脂変形
の関係を示すグラフ。
【図4】成形体bの断面図。
【図5】全脱脂時間22時間の昇温パターン例を示すグ
ラフ。
【図6】成形体cを示す図。
フロントページの続き (72)発明者 三宅 正人 石川県能美郡寺井町字粟生西61−6 小 松ハウメット株式会社内 (72)発明者 斎藤 勝義 京都市左京区下鴨貴船町36 (72)発明者 小野 裕 埼玉県熊谷市大字久保島140−3 アム テック研究所内 (56)参考文献 特開 平4−74769(JP,A) 特開 平3−45566(JP,A) 特開 平3−45567(JP,A) 特開 平4−147905(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/638 B22F 3/10

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性バインダーと粉末とを混合して
    射出成形してなる成形体から前記熱可塑性バインダーを
    脱脂する脱脂方法において、 前記熱可塑性バインダーは、少なくとも一種以上の気化
    し易い有機化合物と少なくとも一種以上の熱可塑性樹脂
    成分よりなり、かつ脱脂工程が、 (a)前記成形体を常圧以下の減圧雰囲気下に置き、前
    記熱可塑性バインダーの融点未満の温度で加熱すること
    により、前記熱可塑性バインダーの一部を全熱可塑性バ
    インダー量の5重量%以上気化させ、さらに気化し易い
    有機化合物または熱可塑性樹脂成分の融点の高い方の成
    分のその融点未満の温度で加熱することにより、前記熱
    可塑性バインダーの一部を全熱可塑性バインダー量の1
    0重量%以上気化させ、最終温度を200℃以下にする
    第1工程および (b)この第1工程の終了後に、選択される粉末の材料
    に対して不活性な常圧以上のガス雰囲気中で熱可塑性バ
    インダー成分の最高融点以上の温度まで加熱する第2工
    程を含むことを特徴とする脱脂方法。
  2. 【請求項2】 前記第2工程において、不活性ガス中に
    COガスを混入することによって、得られる脱脂体お
    よび脱脂以後の焼結で得られる焼結体中の残留炭素量が
    調整される請求項1に記載の脱脂方法。
  3. 【請求項3】 さらに、雰囲気ガス圧を常圧以下に低下
    させるとともに、雰囲気温度を少なくとも熱可塑性バイ
    ンダーの大部分が気化,熱分解により除去される温度ま
    で上昇させる第3工程を含むことを特徴とする請求項1
    に記載の脱脂方法。
  4. 【請求項4】 前記第2工程および第3工程において、
    不活性ガス中にCOガスを混入することによって、得
    られる脱脂体および脱脂以後の焼結で得られる焼結体中
    の残留炭素量が調整される請求項3に記載の脱脂方法。
  5. 【請求項5】 前記気化し易い有機化合物がアミド系お
    よび/またはアミン系化合物である請求項1乃至4のう
    ちのいずれかに記載の脱脂方法。
  6. 【請求項6】 前記アミド系化合物はアミド基を有する
    物質であり、前記アミン系化合物はアミン基を有する物
    質であり、これらアミド系物質およびアミン系物質にお
    ける融点が50℃以上190℃以下で、かつ沸点が17
    5℃以上で、さらに融点での蒸気圧が0.1〜100t
    orrの範囲内にあるもののうちから一種または二種以
    上を混合させてなるものである請求項5に記載の脱脂方
    法。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂であ
    る請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の脱脂方法。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性ポリアミド樹脂は、アミド
    基間に挟まれる炭素数が平均8個以上であるポリアミド
    樹脂原料に対して、アミド基間に挟まれる炭素数が平均
    8個以上である相溶剤としての芳香族系ビスアミドを略
    等重量%まで混合させてなるポリアミド樹脂の一種また
    は二種以上を混合させてなるものである請求項7に記載
    の脱脂方法。
  9. 【請求項9】 前記熱可塑性ポリアミド樹脂は、アミド
    基間に挟まれる炭素数が平均10個以上であるポリアミ
    ド樹脂原料の一種または二種以上を混合させてなるもの
    である請求項7に記載の脱脂方法。
  10. 【請求項10】 前記ポリアミド樹脂原料は、C36
    二酸,C44二酸、またはそれらC36二酸およびC
    44二酸の混合物と、炭素数6〜10個の脂肪族ジカ
    ルボン酸と、キシリレンジアミンと、エチレンジア
    ミンおよび/またはヘキサメチレンジアミンとを共重縮
    合して得られるものである請求項8または9に記載の脱
    脂方法。
  11. 【請求項11】 前記ポリアミド樹脂原料の平均分子量
    が、20,000以上である請求項10に記載の脱脂方
    法。
  12. 【請求項12】 前記ポリアミド樹脂原料は、ナイロン
    11,ナイロン12を主体とするものである請求項8ま
    たは9に記載の脱脂方法。
  13. 【請求項13】 前記ポリアミド樹脂原料の平均分子量
    が、13,000以上である請求項7,8,9または1
    のうちのいずれかに記載の脱脂方法。
  14. 【請求項14】 前記気化し易いアミド系および/また
    はアミン系化合物20〜80重量%および熱可塑性ポリ
    アミド樹脂20〜65重量%を含むものである請求項5
    乃至13のうちのいずれかに記載の脱脂方法。
  15. 【請求項15】 さらに、前記熱可塑性バインダーに、
    15重量%以下の脂肪酸アミドを主体とする滑剤を混合
    させる請求項14に記載の脱脂方法。
  16. 【請求項16】 前記気化し易い有機化合物を常圧より
    も低い減圧状態もしくは真空状態で気化させたものを炉
    外において冷却固化させて回収する請求項1乃至15の
    うちのいずれかに記載の脱脂方法。
  17. 【請求項17】 前記第2工程の低温度側で気化された
    熱可塑性バインダー成分を炉外において冷却固化および
    液化させて回収する請求項1乃至15のうちのいずれか
    に記載の脱脂方法。
  18. 【請求項18】 脱脂時に発生する気化ガスおよび/ま
    たは分解ガスを炉外に設置した別の800℃以上に加熱
    した炉に加熱空気とともに導入し、燃焼分解させる請求
    項1乃至15のうちのいずれかに記載の脱脂方法。
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