JP2005081426A - Al合金鋳物の鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 砂型あるいはセラミックス型を用いてAl合金鋳物を鋳造する際に、鋳造から固化に至る一連の過程で結晶組織の微細化と無気孔化を実現する。
【解決手段】 本発明のAl合金鋳物の鋳造方法は、砂型もしくはセラミックス型からなる鋳型にAl合金の溶湯を注入し、溶湯が注入された鋳型を冷却して鋳型内の溶湯を固化させるAl合金鋳物の鋳造方法であって、鋳型に注入された溶湯の全部が固化する前に鋳型を空気よりも熱伝導率の大きい冷却媒体を含む雰囲気中に置き、前記雰囲気中で鋳型中の溶湯を冷却固化する。前記冷却媒体として水素ガス、ヘリウムガスあるいは超臨界蒸気の内の一種または二種以上の流体を用いることが好ましい。また、冷却媒体としては好ましくは20MPa以上、より好ましくは25MPa以上の高圧の流体を用いることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、砂型、セラミックス型を用いたAl合金鋳物(鋳造品)の鋳造方法の改善に関する。
近年、環境問題への対応の要請から自動車の燃費改善のための軽量化が大きな課題となっており、自動車部品の材質についても従来の鉄鋼材からAl合金への置換えが進みつつある。また、これと同時に部品数の削減のために複雑形状部品を少ない工程で製造できるプロセスが注目されており、中空構造を持つ複雑形状の鋳物(最終製品、中間製品を区別することなく単に「鋳物」という。)の製造が可能な砂型鋳造法あるいはセラミックス型を使用する精密鋳造法も再び脚光を浴びつつある。
一般的に鋳物製品は、鍛造品や押出し・引抜きあるいは圧延などの塑性加工工程を経て製造された素材を機械加工して製造された製品と比較して、疲労強度などの強度特性が劣り、また特性のバラツキが大きく、鋳物の内部に気孔が生じやすいという欠点がある。
特に、砂型もしくはセラミックス型を用いる鋳造方法では、中空構造の製品を製造できるという特長がありながら、型材料の熱伝導性が低いという熱物性に起因して、鋳型にAl合金の溶湯(溶融金属)を注入した後の冷却速度が低いため、前記欠陥が比較的大きく出る傾向が強い。
すなわち、砂型やセラミックス型の場合、型材料の熱伝導率が小さいため、冷却速度が遅くて、結晶粒が粗大化して十分な強度が得られない。また、溶湯を型内部に注入し固化させるという工程上の制約から、溶湯中に含まれるガスに起因するガス気孔および凝固収縮による引け巣が不可避的に鋳物中に残留して内部気孔となる。このため、これまで砂型もしくはセラミックス型を用いた鋳造方法は、機械的特性があまり問題とされない用途、利用分野に限定されて適用されてきた。
Al合金鋳物の結晶粒を小さくして機械的特性を向上させる鋳造方法としては、凝固時の冷却速度を上げることができるように、型材料として金属を用いる金型鋳造法やダイキャスト法が効果的であることが知られている。
また、Al合金鋳物の内部気孔を無気孔化する方法として、鋳造後、鋳物に再結晶温度以上の高温下でガス圧力を作用させて内部気孔を圧壊して気孔を消滅させ、緻密化するHIP法(熱間静水圧プレス法)が、USP3,496,624公報(1970年2月24日発行)や特開2001−262295号公報に提案されている。
USP3,496,624公報(特許請求の範囲) 特開2001−262295号公報(特許請求の範囲)
しかし、金型鋳造法やダイキャスト法は、金型製造コストが高いため、多量生産に用いる場合はともかく、小量生産や中量生産には必ずしも適するものではない。このため、型材料が安価で、その製作コストも比較的低廉であり、中空形状を含む複雑形状の鋳物の鋳造に適した砂型やセラミックス型を用いる鋳造方法に対して簡単に代替することはできない。
また、HIP法による無気孔化は、確かに内部気孔を無くして、機械的性質を向上させる有力な手段であるが、通常、鋳物の結晶粒の大きさは鋳造時の冷却速度で決まってしまうため、鋳物の結晶粒を改変して微細化し、この観点から機械的性質を改善するには全く寄与しない。このため、高価なHIP設備を導入する割には有効利用が図られていない。
本願発明はかかる問題に鑑みなされたものであり、砂型あるいはセラミックス型を用いてAl合金鋳物を鋳造する際に、鋳造から固化に至る一連の過程で結晶組織の微細化と無気孔化を実現することができる鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明のAl合金鋳物の鋳造方法は、砂型もしくはセラミックス型からなる鋳型にAl合金の溶湯を注入し、溶湯が注入された鋳型を冷却して鋳型内の溶湯を固化させるAl合金鋳物の鋳造方法であって、鋳型に注入された溶湯の全部が固化する前に鋳型を空気よりも熱伝導率の大きい流体からなる冷却媒体を含む雰囲気中に置き、前記雰囲気中で鋳型中の溶湯を冷却固化する。
この鋳造方法において使用する冷却媒体は、空気よりも優れた冷却能を有するので、砂型もしくはセラミックス型の空孔に侵入して型自体の均熱性、冷却性を向上させる。このため、Al合金鋳物の結晶粒を微細化することができ、強度特性を向上させることができる。
前記鋳造方法において、前記冷却媒体として水素ガス、ヘリウムガスあるいは超臨界蒸気(超臨界状態の水)からなる流体の内の一種または二種以上の混合流体を用いることが好ましい。これらの流体は空気に比して熱伝導率が非常に大きく、冷却能に優れ、比較的安価である。冷却媒体として、前記水素ガス、ヘリウムガスあるいは超臨界蒸気の内の一種または二種以上の流体を用いることが好ましいが、さらに前記流体に空気や、空気に含まれる窒素などのガスを50 vol%程度未満、好ましくは20 vol%程度以下を混合してもよい。
また、冷却媒体としては好ましくは20MPa以上、より好ましくは25MPa以上の高圧の流体を用いることが好ましい。かかる高圧の冷却媒体を用いることによって、冷却媒体の冷却能をより向上させることができ、このため結晶粒の微細化をより促進することができる。さらに、溶湯の凝固過程で、凝固殻を介して未凝固溶湯を効果的に圧縮することができ、溶湯の凝固の際の体積収縮に伴う引け巣や凝固溶湯中の気泡の残存を抑制することができる。さらに、25MPa以上の冷却媒体を用いることによって、後述の凝固後のAl合金固化体の緻密化を連続的に行うことができる。
冷却媒体として高圧のものを用いる場合、鋳型に注入された溶湯の全部が固化してAl合金固化体となった後、さらにAl合金固化体を有する鋳型を前記Al合金の再結晶温度以上の温度で、かつ25MPa以上の圧力の冷却媒体を含む雰囲気中でAl合金固化体を保持することが好ましい。前記Al合金固化体中には気孔が残存するとしても僅かであるので、従来のHIP処理に比して比較的低圧であっても、Al合金固化体中の残存気孔を効果的に圧壊することができ、Al合金固化体の緻密化を容易に行うことができる。
本発明によれば、砂型もしくはセラミックス型を用いる鋳造法であるにもかかわらず、空気よりも熱伝導率の大きい流体からなる冷却媒体を用いて冷却するので、鋳物の結晶粒径を微細化することができ、これによって鋳物の強度特性を改善することができ、自動車部品などの各種機械部品のAl合金化に大きく寄与することができる。また、高圧の前記冷却媒体を使用することにより、Al合金溶湯の注入から固化に至る一連の過程で、結晶粒の微細化をより促進すると共に従来のHIP処理に比して比較的低圧で鋳物の無気孔化を図ることができ、機械的特性の優れたAl合金鋳物を得ることができる。
以下、本発明の実施形態にかかるAl合金鋳物の鋳造方法について説明する。 まず、本実施形態において用いる鋳型について説明する。本実施形態では、型内に多数の空孔が内在する砂型、セラミックス型を用いる。これらは、型製作コストが比較的低廉で、中空構造を有する複雑形状の鋳物の鋳造に適し、しかも後述する冷却媒体の空孔への侵入により、均熱性、冷却性を容易に向上させることができる。すなわち、砂型やセラミックス型を形成する砂やセラミックス粒子の型構成部分は、多数の空孔を含むポーラス体であり、内側が高温で外側が低温という温度勾配が形成される。大気下での鋳造では空孔中には空気が含まれるため、型は熱伝導性が悪い状態になる。本発明では溶湯の凝固過程で後述するように前記空孔中に水素やヘリウム等の冷却能に優れた冷却媒体が侵入するため、型の熱伝導性が向上し、その結果として、鋳型および型内の鋳物の温度勾配が小さくなり、型の冷却性、均熱性が向上し、熱膨張差に起因するネジレやユガミの発生も低減することができる。鋳型の厚さは、鋳型形状を維持する範囲内で薄い方がよく、砂型では10〜30mm程度にすることが好ましい。
前記砂型、セラミックス型からなる鋳型にAl合金の溶湯を注入し、鋳型に注入された溶湯の全部が固化する前、好ましくは溶湯の注入後速やかに鋳型を耐圧密閉容器に収容し、耐圧密閉容器内の空気を排気する。そして、水素ガス、ヘリウムガス、超臨界蒸気から選択される流体の内の一種を単独で、あるいは二種以上を混合して冷却媒体として用い、これを必要に応じて圧縮装置によって昇圧した後、耐圧密閉容器に注入する。これによって、前記鋳型を前記冷却媒体の雰囲気下に置き、鋳型内の未凝固溶湯を速やかに冷却凝固させる。
前記耐圧密閉容器の外周部には冷却装置が付設されており、鋳型内の溶湯を冷却する際に内部の冷却媒体を容器隔壁を介して冷却する。前記鋳型には温度センサーが取り付けられており、鋳型内の溶湯が完全に凝固したと考えられる、共晶温度(例えば、Al−Si−(Mg)系合金では577℃)下の520℃程度あるいはそれ以下の温度となるまで容器隔壁を介して冷却媒体を積極的に冷却する。また、耐圧密閉容器内にはヒータが内蔵されており、冷却媒体の雰囲気温度を適宜制御することができる。冷却媒体として超臨界蒸気を用いる場合、加圧水蒸気が超臨界流体を形成するように300℃程度以上の温度に加熱される。
通常、溶湯が注入された後の鋳型の冷却は大気中にて行われるが、本実施形態では空気より熱伝導率が非常に大きい水素、ヘリウムもしくは超臨界蒸気を用いて冷却するので、空気冷却に比して大きな冷却速度で鋳型中の溶湯を冷却、固化させることができ、鋳造後の鋳物の結晶粒を微細化することできる。また、耐圧密閉容器内にファンを設け、これを用いて鋳型の外周面に冷却媒体を吹き付けることによって、さらに冷却速度を向上させることができる。
因みに、前記冷却媒体となる気体等の熱伝導率を表1に示す。表1には参考として、空気、Ar、窒素の熱伝導率も示す。大気圧下(0.1MPa)の室温では、ヘリウムは空気の6倍、水素は7倍の熱伝導率を有しており、300℃以上でもほぼ、同じである。なお、水の場合、大気圧下、300℃以上での熱伝導率は空気と比較して大きくはないが、室温では液体であり、噴霧して空気に水の粒子が混在した霧状態で冷却を行うこととなり、水の気化に伴う潜熱による冷却効果を利用することができる。
Figure 2005081426
前記冷却媒体として、高圧の水素ガス、高圧のヘリウムガスあるいは超臨界蒸気を用いることが好ましい。表1に示したように水素、ヘリウムは高圧ほど熱伝導率が向上する。大気圧の空気の熱伝導率と比較して、600K、50MPaの水素では約12倍も熱伝導率が大きく、ヘリウムの場合でも600K、20MPaで約10倍となる。水の場合には、600K、50MPaでは超臨界流体である超臨界蒸気となっており、熱伝導率は大気圧状態の空気の20倍に達する。さらには、高圧の前記冷却媒体の雰囲気下で冷却して凝固させることにより、Al合金の溶湯中に含まれる気泡の残留や、溶湯が凝固する際に発生する体積の収縮に伴う引け巣の発生を防止することができる。もっとも、引け巣の発生を防止するには、すでに凝固して殻状になった周囲部を介して未凝固溶湯を圧縮することになることから、冷却媒体の圧力を数MPa以上、好ましくは20MPa以上、より好ましくは25MP以上にすることが望ましい。
凝固過程での冷却媒体の圧力が20MPa未満であると、凝固殻が分厚くなった後、圧縮作用が不足して凝固収縮に伴う引け巣が一部残存する場合がある。このような場合には、凝固後の冷却過程で、液相が生じないように共晶点以下の520℃程度の温度で、かつ再結晶温度以上の温度で、冷却媒体の圧力を25MPa以上に保持することが好ましい。かかる加熱、加圧状態は、いわゆるHIPの状態であり、HIPと同様の効果によって残存した引け巣を圧潰して、完全に消滅させることができる。もっとも、通常のHIP処理の圧媒として用いられるアルゴンや窒素と比較して、水素、ヘリウム、超臨界蒸気の熱伝導率が大きいことから、鋳造製品が、砂型やセラミックス型に入った状態であっても均熱性を十分に維持しながら圧縮することができるという利点を有する。もちろん、水素や水(超臨界蒸気)の場合、アルゴンや窒素と比較して安価であるという経済的な利点もある。
砂型もしくはセラミックス型を用いた鋳造方法の鋳造対象とされるAl合金は、典型的にはAl−Si系、Al−Si−Mg系、もしくはAl−Cu系の合金であり、とくに量産品では、Al−Si−(Mg)系合金が圧倒的に多い。この系の合金を溶解させる温度は通常700〜750℃であり、共晶温度が577℃である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
Al−Si−Mg系合金のAC4CH材(共晶温度577℃)を用いて、縦(長さ)200mm、横(幅)20mm、高さ50mmの直方体鋳物を砂型鋳型を用いて鋳造した。
鋳型構造は、図1に示すように、直方体の鋳物試料の縦横が水平状態となるように鋳造空間1を設け、この鋳造空間1の上部に約50mmの高さの押し湯部2を形成した。砂型はジルコンサンドにエチルシリケートを結合材として肉厚がほぼ30mmとなるような形状に製作した。なお、図には寸法(単位mm)も付記した。
上記の砂型にAl合金溶湯を鋳込んで速やかに耐圧密閉容器に入れ、脱気後、表2に示す冷却雰囲気中で鋳型温度が520℃程度になるまで冷却し、鋳型内の溶湯を凝固させた。凝固後(鋳型温度520℃到達後)、鋳型を耐圧密閉容器に入れたまま、一部の試料(No. 4)については520℃、50MPaで15分間保持した後、他の試料(No. 1〜3)についてはそのまま300℃程度まで冷却し、実施例にかかるNo. 1〜4の試料を得た。なお、加圧した冷却媒体を用いた場合、温度低下に伴って媒体の圧力もボイル・シャルルの法則に基づいて低下する。
一方、比較例として、前記鋳型を用いて大気下で鋳造し、鋳造後放冷して比較例の試料(No. 11)を得た。さらに、大気下で鋳造し、放冷して得られた鋳物を520℃、100MPa、2hr保持のHIP処理(圧媒Arガス)を施した比較例試料(No. 12)も準備した。
上記のようにして製造した鋳物試料に対して520℃、10hrの溶体化処理および160℃、4hrの時効処理を行った後、密度、結晶粒径、引張強度、伸びおよび疲労強度を測定した。実施例の結晶粒径は、直方体鋳物の上面および下面から1/4高さ位置の横断面中央部で各々観察片を採取し、その2個の観察片によって測定された結晶粒径の平均値を示す。比較例の結晶粒径は、前記上部、下部における結晶粒径の範囲を示す。また、機械的特性は、直方体鋳物の高さ、幅の中央部から長さ方向に沿って採取した試験片を用いて行った。また、疲労強度は繰り返し数107 回における疲れ強さ(MPa)を示す。これらの試験結果を表2に併せて示す。
Figure 2005081426
従来法により鋳造した比較例のNo. 11では、結晶粒径が不ぞろいで、鋳物の上部と下部では上部の方が下部より2倍程度大きく、かつ2mmに達していた。バルクの密度は2.645g/cm3 で、AC4CH剤のT6熱処理後の真密度2.676g/cm3 に対して、相対密度は98.85%相当の数値であった。これに伴って、機械的特性も本試験の中では、最低の数値となった。また、従来法により鋳造し、その後HIP処理を施した比較例のNo. 12では、残留していたガス気孔や引け巣が無くなり、密度がほぼ真密度となり、引張強度が10%強、また伸びが約2倍強向上し、疲労強度も40%以上改善された。
一方、大気圧下で、水素またはヘリウムガス冷却を行った実施例にかかる試料No. 1および2では、冷却効果の改善により平均結晶粒径が比較例のNo. 11やNo. 12に比して1/10以下と著しく小さくなった。もっとも、密度に関しては、No. 11とほぼ同等か若干良い程度であり、相対密度で99.25%程度であった。また、比較例のNo. 11と比較して、引張強度、疲労強度についてはかなりの改善されたが、伸びについては若干の改善はあるもの大きな改善は認められなかった。この理由は、主として残留気孔の影響によるものと推察される。これらの結果から、冷却速度の改善により、結晶粒径が微細化し、機械的特性の内、特に強度が改善されることが確認された。
また、20MPaのヘリウムガス雰囲気で冷却凝固させた実施例の試料No. 3は、通常のアルゴンガス(圧力100MPa)によるHIP処理と比較すると、冷却媒体の圧力が低いことから、密度については相対密度値が99.8%であり、気孔量が大幅に減少したものの、若干の気孔が残留しているものと思われる。結晶粒径については試料No. 1や2よりもさらに小さくなっていた。この結果、材料延性と関係の深い、伸びや疲労強度が大幅に改善されており、HIP処理を施した比較例のNo. 12を凌いでいる。
また、凝固中および凝固後さらに50MPaの超臨界蒸気雰囲気で冷却した実施例のNo. 4は、通常のHIP処理(100MPa程度)よりも圧力が低いにもかかわらず、密度は試料No. 12のHIP処理品と同等となった。さらに、結晶粒径の微細化に起因すると思われる、機械的特性の大幅な改善が認められた。特に、伸びについてはバラツキも小さくなる傾向を確認することができた。
実施例における試料鋳造用砂型の構造を示す斜視図である。

Claims (4)

  1. 砂型もしくはセラミックス型からなる鋳型にAl合金の溶湯を注入し、溶湯が注入された鋳型を冷却して鋳型内の溶湯を固化させるAl合金鋳物の鋳造方法であって、
    鋳型に注入された溶湯の全部が固化する前に鋳型を空気よりも熱伝導率の大きい流体からなる冷却媒体を含む雰囲気中に置き、前記雰囲気中で鋳型中の溶湯を冷却固化する、Al合金鋳物の鋳造方法。
  2. 前記冷却媒体は、水素ガス、ヘリウムガスあるいは超臨界蒸気からなる流体の内の一種または二種以上の混合流体からなる請求項1に記載した鋳造方法。
  3. 冷却媒体として20MPa以上の高圧の流体を用いる請求項1または2に記載した鋳造方法。
  4. 鋳型に注入された溶湯の全部が固化してAl合金固化体となった後、さらにAl合金固化体を有する鋳型を前記Al合金の再結晶温度以上の温度で、かつ25MPa以上の圧力の冷却媒体を含む雰囲気中で保持した後、冷却する請求項3に記載した鋳造方法。
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