JP4279366B2 - 金属−セラミックス複合材料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属に強化材を複合させる金属−セラミックス複合材料の製造方法に関し、特に金属を強化材に浸透させて複合化させる金属−セラミックス複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックス繊維または粒子で強化された金属−セラミックスの複合材料は、金属とセラミックスの両方の特性を兼ね備えており、例えばこの複合材料は、高剛性、低熱膨張性、耐摩耗性等のセラミックスの優れた特性と、延性、高靱性、高熱伝導性等の金属の優れた特性を備えている。このように、従来から難しいとされていたセラミックスと金属の両方の特性を備えているため、機械装置メーカ等の業界から次世代の材料として注目されている。
【0003】
この複合材料、特に金属としてアルミニウムをマトリックスとする複合材料の製造方法は、粉末冶金法、高圧鋳造法、真空鋳造法等の方法が従来から知られている。しかし、これらの方法は、強化材であるセラミックスの含有量を多くできない、あるいは大型の加圧装置が必要である、もしくはニアネット成形が困難である、コストが極めて高いなどの理由により、いずれも満足できるものではなかった。
【0004】
そこで最近では、上記問題を解決する製造方法として、米国ランクサイド社が開発した非加圧金属浸透法が特に注目されている。この方法は、SiCやAl2O3などのセラミックス粉末で形成されたプリフォームに、アルミニウムインゴットを接触させ、これをN2雰囲気中で700〜900℃に加熱して溶融したアルミニウム合金をプリフォームに含浸させる方法である。これは、化学反応を利用してセラミックス粉末への溶融金属の濡れ性を改善することにより、加圧しなくても金属をプリフォームに含浸できるようにした優れた方法である。
【0005】
また、この方法では、セラミックスの含有率を30〜85vol%と広く、かつ高い範囲まで変えることができ、しかも、この方法で形成されたプリフォームは、その形状の自由度が高いので、かなり複雑な形状をニアネットで作ることも可能である。このようにこの方法は、加圧装置が不要であり、セラミックスの含有率を高くすることができ、ニアネット成形も可能となる方法であるので、前記した問題が解決される優れた方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では、プリフォームを形成することによって以下の問題があった。それは、第一にプリフォームを形成する手間がかなり掛かり、特に大型なプリフォームを形成する場合には、あるいは複雑形状品を形成する場合には、もしくは同じプリフォームをいくつも形成する量産の場合には、手間が極めて大きくなるという問題があった。
【0007】
また、第二にプリフォームの強さがあまり強くなく、破損し易いため、ハンドリングに注意が必要である上に、プリフォームに亀裂が入った場合、その部分が金属の浸透後、金属だけになり、機械的特性に悪影響を及ぼすいわゆるメタルベインという欠陥が生じるという問題があった。これが大型品あるいは複雑形状品になるとますます強度が不足して作ることが困難となる。
【0008】
さらに、第三にプリフォームの強度を上げるためにアルミナ水和物のコロイド液あるいはコロイダルシリカ液などの無機バインダーを使用しているため、複合材料に不純物として残存し、金属とセラミックス粉末との結合を妨げ、引張り強さや破壊靱性などの材料特性を劣化させるという問題があった。特に、シリカ系のバインダーを使用した場合、シリカとMgが反応してMg2Siが生成し、強度や靱性値がさらに下がることがあった。
【0009】
本発明は、上述した金属−セラミックス複合材料の製造方法が有する課題に鑑みなされたものであって、その目的は、プリフォームを形成することなしに複合材料を作製することのできる金属−セラミックス複合材料の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、所望の複合材料を得ることのできる型枠を先ず作製し、その型枠内にセラミックス粉末を充填し、そのセラミックス粉末に金属を浸透させれば、プリフォームを形成しなくても、目的とする大きさと形状を有する金属−セラミックス複合材料が得られるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち本発明は、(1)セラミックス粉末に金属を浸透させる金属−セラミックス複合材料の製造方法において、内面にカーボン、Al 2 O 3 粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物、またはSiO 2 粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物を塗布された型枠の内部に、セラミックス粉末をタッピングで充填するか、或いはセラミックス粉末と水系溶媒から成るスラリーを充填した後に該溶媒を揮発させるかの何れかの工程後に、該型枠内部のセラミックス粉末にアルミニウムを80質量%以上有する合金を700〜1000℃の温度で浸透させることを特徴とする金属−セラミックス複合材料の製造方法(請求項1)とし、また、(2)セラミックス粉末に金属を浸透させる金属−セラミックス複合材料の製造方法において、内面にカーボン、Al 2 O 3 粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物、またはSiO 2 粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物を塗布された型枠の内部に、含浸促進材を混合して含むセラミックス粉末をタッピングで充填するか、或いは含浸促進材を混合して含むセラミックス粉末と非水系溶媒から成るスラリーを充填した後に該溶媒を揮発させるかの何れかの工程後に、該型枠内部のセラミックス粉末にアルミニウムを80質量%以上有する合金を700〜1000℃の温度で浸透させることを特徴とする金属−セラミックス複合材料の製造方法(請求項2)とし、さらに、(3)前記含浸促進材が、平均粒径で1〜100μmのMg、MgAl、またはMg 2 SiのMg含有金属粉末であり、その混合率が、セラミックス粉末に対し1〜10質量%であることを特徴とする請求項2記載の金属−セラミックス複合材料の製造方法(請求項3)とすることを要旨とする。以下さらに詳細に説明する。
【0012】
上記で述べたように複合材料の製造方法としては、先ず必要な型枠を作製し、その型枠内にセラミックス粉末を、あるいは含浸促進材を含むセラミックス粉末をタッピングで充填した後、そのセラミックス粉末にアルミニウムを主成分とする合金を700〜1000℃の温度で浸透させることとした。この方法は、作製した型枠内にセラミックス粉末を充填すれば、充填されたセラミックス粉末がプリフォームの代わりとなり、そのセラミックス粉末に金属を浸透させて脱型すれば、金属の鋳込みと同じようにプリフォームを形成する必要なしに目的とする大きさと形状を有する複合材料を作製できるので、プリフォームを形成して複合材料を作製することによる前記した問題が以下のように全て解消される。そして、セラミックス粉末に含浸促進材を含ませれば、金属の浸透時間が早まるため、より好ましい製造方法となる(後述の〔0015〕記載のセラミックス粉末と非水系溶媒から成るスラリーに含浸促進材を含ませた場合も同じ)。
【0013】
それは、第一の問題では、金属の鋳込みと同様に複合材料を作製できることから、所望の複合材料が得られる型枠を作製し、その型枠を用いて複合材料を作製すれば、大型品であっても、複雑形状品であってもプリフォームを形成して作製するよりはるかに簡単で容易となり、また、同じ物をいくつも作製できるので、量産に適していることとなる。なお、従来はプリフォームをカーボンサヤ、セラミックスサヤ等で囲う必要があるため、炉内のスペースを大きく占めることから、生産効率が低い問題があったが、本発明では一度に仕込める量が多くなるため、焼成においても量産性に優れている。また、第二の問題では、強度の弱いプリフォームを形成しないことから、プリフォームの亀裂が原因となるメタルベインは生じなく、不良品が減少することとなる。さらに、第三の問題では、バインダーを一切使用していないことから、これに起因する不純物の混入がなく、材料特性が劣化しないこととなる。
【0014】
また、上記とは別の製造方法としては、セラミックス粉末そのままではなく、セラミックス粉末と水系溶媒から成るスラリーを、あるいは含浸促進材を混合して含むセラミックス粉末と非水系溶媒から成るスラリーを型枠内に充填し、そのスラリーから溶媒を揮発させたセラミックス粉末にアルミニウムを主成分とする合金を700〜1000℃の温度で浸透させることとする金属−セラミックス複合材料の製造方法とした。この方法も、前記した製造方法と同様作製した型枠内にスラリーを充填し、そのスラリー中の溶媒を揮発させれば、充填されたセラミックス粉末がプリフォームの代わりとなり、同様に前記した問題が全て解消される。そして、この製造方法で得られる複合材料の粉末充填率は70vol%程度であり、前記した製造方法で得られる粉末充填率は40〜50vol%程度であるので、低い充填率から高い充填率までの広い範囲に亘る粉末充填率を有する複合材料を作製することができるようになり、用途に合わせて所望の粉末充填率を有する複合材料を作り分ければ良い。
【0015】
一方、上記スラリーが含浸促進材を含む場合には、溶媒としてイソプロピルアルコール等の非水系の溶媒を用いなくてはならない。それは、含浸促進材中のMgを含む金属粉末が水と水和して活性を失うためである。但し、プリフォームのように自立して形を保つ必要がないため、不純物となる無機バインダー等は添加する必要はない。分散剤、消泡剤などは金属の浸透に支障が無く、かつ製品に残存して物性を劣化させない限りにおいては必要に応じて用いても構わない。
【0016】
以上述べたように前記した問題が全て解消されるが、その他に、プリフォームを形成して複合材料を作製する方法に比べ、以下の点で有利である。それは、メタルベインが生じない、また材料特性が劣化しないことで、複合材料の機械的特性の劣化が抑えられることとなる。また、含浸促進材を含む場合には、金属の浸透をより促進できることで、浸透時間が大幅に短縮でき、例えば従来では600×400×50mmのブロックに浸透する時間は96時間程度要するが、24時間程度に短縮されることとなる。さらに、Mgがセラミックス粉末中に万遍なく存在することから、金属の浸透不良が起き難くなり、歩留まりが大幅に向上することとなる。このように、本発明では、プリフォームを形成する工程を省略できることを含めて生産性が大幅に向上することとなり、特に大型品、量産品にはその効果が著しい。
【0017】
前記したセラミックス粉末に混入する含浸促進材としては、平均粒径で1〜100μmのMg、MgAl、またはMg 2 SiのMg含有金属粉末とし、その混合率をセラミックス粉末に対し1〜10質量%とした。これらの粉末であればMgがセラミックス粒子表面に充分にかつ均一に付着できる。その細かさを平均粒径で1〜100μmとしたのは、粗すぎるとMgの蒸発が局所的になるため、不均一となり、細かすぎると引火性が強いため、取扱いが困難となることによる。また、混合率を1〜10質量%としたのは、Mg成分が多くなるとMg蒸気が粒子間に詰まり、その蒸気が固化して金属の浸透を阻害することとなり、少ないと金属の浸透が遅くなる、または全く浸透しなくなることによる。
【0018】
また、外側の型枠としては、ロストワックス法、焼失型法等により作製された多孔質セラミックス製の型枠とした。比較的大型の多孔質セラミックス製の型枠を作る場合には、発泡スチロールを機械加工し、その周りにAl2O3またはSiO2とガラスフリットの混合物をタッピングで充填し、800〜1200℃で焼成する方法で作製することができるが、この方法で作る型枠は、量産品と言うより大型品かつ複雑形状品をニアネットで作る型枠に適している。これに対して、本発明の方法で作製される型枠は、最も一般的な方法で作られる型枠であって、しかも複雑な形状品を作製できるのと、量産品をバラツキなく作製するのに適している型枠である。特に、ロストワックス法は、精密鋳造として知られているロストワックス鋳造と同じ方法で型枠を作るので、ロストワックス鋳造で作ることのできる形状品はほとんど可能であることから、ターボロータのような羽根のある複雑形状品でも量産することができる。
【0019】
ここでロストワックス法による多孔質セラミックス製の型枠、いわゆるロストワックス鋳型の作製の一例を述べると、先ずワックスのマスター型を準備し、洗浄乾燥しておく。これをジルコンフラワー等の耐火物粉末からなるスラリーに浸し被覆した後、篩を用いてジルコンサンド等の砂粒をふりかけ、常温で乾燥する。このスラリー浸漬→砂粒ふりかけ→常温乾燥を繰り返し、被覆層を適当な厚さにする。なお、最終層ではスラリー浸漬のみ行い、砂粒ふりかけは行わない。次に脱ロウを行うが、これには900〜1000℃の炉に入れる急熱法、オートクレーブを用いて150〜180℃の加熱水蒸気に曝すオートクレーブ法、100℃の熱湯水を用いる熱湯法があり、状況に応じて適宜選択するのがよい。最後に900〜1000℃で30〜60分焼成し、型枠とする。
【0020】
作製した型枠の内面にはカーボン、Al2O3粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物またはSiO2粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物などの含浸防止材を塗る。含浸防止材を塗る理由は、金属を浸透させた複合材料の型離れをよくするためと型枠に金属を浸透させないためである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法をさらに詳しく述べると、先ず平均粒径が1〜150μmのSiC粉末、Al2O3粉末、AlN粉末などのセラミックス粉末を用意する。これらの粉末を単味で用いてもよいし、別の粉末を一部混合しても構わない。
【0022】
型枠にタッピングで充填する場合には、用意したセラミックス粉末をそのまま、あるいは平均粒径が1〜100μmのMgまたはMgAl、Mg2Si等Mg含有金属粉末をセラミックス粉末100重量部に対し、1〜10重量部加え、ボールミルなどで乾式混合した粉末を用いる。乾式混合するのは、含まれているMg含有金属が水和して金属の浸透の促進効果が失われるからである。混合する時間は、長いほどよいが、あまり長いとセラミックス粉末が破砕され、粒度分布が変わるので好ましくなく、10〜20時間が適切である。
【0023】
次に、前記したジルコンフラワーなどの材料を用いて、型枠を作製する。その方法は、例えば、ロストワックス法であれば、前記した方法で作製する。焼失型法であれば、燃焼して消失する発泡スチロール、発泡ウレタン等で作製したマスター型にジルコンフラワーなどのセラミックス粉末を付着させた後、燃焼させて作製することができる。
【0024】
作製した型枠の内部に前記したセラミックス粉末をタッピングで充填する。その型枠の溶融金属の注入口上部にアルミニウム合金のインゴットを載せ、それを電気炉等にセットし、窒素気流中で非加圧で700〜1000℃の温度で合金を浸透させ、冷却することにより金属−セラミックス複合材料が得られる。用いるアルミニウム金属にはAl−Mg、Al−Mg−Si系などのMgを含んだものを使用した方が浸透は容易であるが、これに限定されるものではなく、最終製品に要求される物性を劣化させる元素が含まれていないアルミニウム合金であれば何を用いても構わない。
【0025】
一方、型枠にスラリーを充填する場合には、セラミックス粉末に水系溶媒を添加し、必要があればそれにさらに分散剤、消泡剤等を加え、混合してスラリーを作製し、それを充填する。含浸促進材を含む場合には、セラミックス粉末に前記したMgを含む金属粉末を加え、それにイソプロピルアルコール等の非水系溶媒を添加し、必要があればそれにさらに分散剤、消泡剤等を加え、混合してスラリーを作製し、それを型枠に充填する。充填したスラリーから分散媒を揮発させる必要があるが、そのためには例えば、型枠ごと低温の乾燥機に入れて乾燥させればよい。その型枠の注入口上部に前記したと同様アルミニウム合金のインゴットを載せ、それを電気炉等にセットし、窒素気流中で非加圧で700〜1000℃の温度で合金を浸透させ、冷却することにより金属−セラミックス複合材料が得られる。
【0026】
以上の方法で金属−セラミックス複合材料を作製すれば、プリフォームを形成しなくても、金属−セラミックス複合材料を作製することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例を具体的に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0028】
(実施例1)
(1)金属−セラミックス複合材料の作製
強化材として#180(平均粒径66μm)の市販SiC粉末と#500(平均粒径25μm)の市販SiC粉末とを重量比で8:2の割合で混合した粉末98重量部に対し、含浸促進材としてMg粉末を2重量部添加し、媒体を入れてないポットミルで12時間乾式混合した。得られた粉末をスクリュウコンプレッサー(シャフト径φ80×長さ400mm、螺旋状の羽根を有する形状)が得られる前記したロストワックス法で作製した多孔質セラミックスから成る型枠内に振動を掛けながらタッピングで充填し、型枠の注入口上部に粉末の2倍重量のAl−15Si−5Mgを置き、電気炉で窒素雰囲気中で825℃の温度で12時間浸透させた後、徐冷し、型枠より脱型し、軽くブラストを掛けて型を完全に除去して金属−セラミックス複合材料を作製した。
【0029】
(2)評価
セラミックス粉末の嵩密度を型枠の内容積とセラミックス粉末の重量から算出し、粉末充填率を求めた。その結果、47vol%であった。また、得られた複合材料を切断し、その切断面の金属の浸透状態を目視観察した。その結果、アルミニウム合金は完全に浸透していてメタルベイン等の欠陥もなかった。
【0030】
(実施例2)
(1)金属−セラミックス複合材料の作製
強化材として#180(平均粒径66μm)の市販SiC粉末と#500(平均粒径25μm)の市販SiC粉末とを重量比で8:2の割合で混合した粉末98重量部に対し、含浸促進材としてMg粉末を2重量部添加し、それにさらに分散媒としてイソプロピルアルコールを30重量部加え、媒体を入れてないポットミルで12時間湿式混合した。得られたスラリーを実施例1と同じ型枠内に流し込んで充填し、型枠ごと対流式乾燥機に入れて50〜55℃で12時間乾燥した後、型枠の注入口上部に粉末の2倍重量のAl−15Si−5Mgを置き、電気炉で窒素雰囲気中で825℃の温度で12時間浸透させた後、徐冷し、型枠より脱型し、軽くブラストを掛けて型を完全に除去して金属−セラミックス複合材料を作製した。
【0031】
(2)評価
セラミックス粉末の嵩密度を型枠の内容積とセラミックス粉末の重量から算出し、粉末充填率を求めた。その結果、70vol%であった。また、得られた複合材料を切断し、その切断面の金属の浸透状態を目視観察した。その結果、アルミニウム合金は完全に浸透していてメタルベイン等の欠陥もなかった。このことは、実施例1を含めるとプリフォームを形成しなくても、広い範囲の粉末充填率を有する複合材料を浸透法で問題なく作製できることを示している。
【0032】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の金属−セラミックス複合材料の製造方法であれば、プリフォームを形成しなくても、広い範囲の粉末充填率を有する複合材料を問題なく作製できるようになった。このことにより、従来のプリフォームを形成して複合材料を作製する方法に比べ、手間が減少し、不良品が低減し、歩留まりが向上し、金属の浸透時間が短縮される生産性が大幅に向上する金属−セラミックス複合材料の製造方法を提供できるようになった。特に大型品や複雑形状品あるいは量産品を製造する場合にはその効果が大きい。
Claims (3)
- セラミックス粉末に金属を浸透させる金属−セラミックス複合材料の製造方法において、内面にカーボン、Al 2 O 3 粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物、またはSiO 2 粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物を塗布された型枠の内部に、セラミックス粉末をタッピングで充填するか、或いはセラミックス粉末と水系溶媒から成るスラリーを充填した後に該溶媒を揮発させるかの何れかの工程後に、該型枠内部のセラミックス粉末にアルミニウムを80質量%以上有する合金を700〜1000℃の温度で浸透させることを特徴とする金属−セラミックス複合材料の製造方法。
- セラミックス粉末に金属を浸透させる金属−セラミックス複合材料の製造方法において、内面にカーボン、Al 2 O 3 粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物、またはSiO 2 粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物を塗布された型枠の内部に、含浸促進材を混合して含むセラミックス粉末をタッピングで充填するか、或いは含浸促進材を混合して含むセラミックス粉末と非水系溶媒から成るスラリーを充填した後に該溶媒を揮発させるかの何れかの工程後に、該型枠内部のセラミックス粉末にアルミニウムを80質量%以上有する合金を700〜1000℃の温度で浸透させることを特徴とする金属−セラミックス複合材料の製造方法。
- 前記含浸促進材が、平均粒径で1〜100μmのMg、MgAl、またはMg 2 SiのMg含有金属粉末であり、その混合率が、セラミックス粉末に対し1〜10質量%であることを特徴とする請求項2記載の金属−セラミックス複合材料の製造方法。
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