JPH11140561A - 金属−セラミックス複合材料の製造方法 - Google Patents

金属−セラミックス複合材料の製造方法

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JPH11140561A
JPH11140561A JP32053597A JP32053597A JPH11140561A JP H11140561 A JPH11140561 A JP H11140561A JP 32053597 A JP32053597 A JP 32053597A JP 32053597 A JP32053597 A JP 32053597A JP H11140561 A JPH11140561 A JP H11140561A
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metal
composite material
ceramic
powder
ceramic powder
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JP32053597A
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English (en)
Inventor
Hiromasa Shimojima
浩正 下嶋
Mitsuyoshi Kimura
光良 木村
Kazunari Naito
一成 内藤
Mutsuo Hayashi
睦夫 林
Heishiro Takahashi
平四郎 高橋
Takeshi Higuchi
毅 樋口
Tomikazu Koyama
富和 小山
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリフォームを形成する複合材料の製造方法
では、大型品や複雑形状品あるいは量産品の作製が難し
い上に手間が掛かること、形成されたプリフォームその
ものに欠点があることなどの問題があった。 【解決手段】 セラミックス粉末に金属を浸透させる金
属−セラミックス複合材料の製造方法において、先ず最
初に型枠を作製し、その型枠内にセラミックス粉末をタ
ッピングで充填した後、そのセラミックス粉末に、ある
いは型枠内にセラミックス粉末と溶媒から成るスラリー
を充填し、そのスラリーから溶媒を揮発させたセラミッ
クス粉末にアルミニウムを主成分とする合金を700〜
1000℃の温度で浸透させることとする製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属に強化材を複
合させる金属−セラミックス複合材料の製造方法に関
し、特に金属を強化材に浸透させて複合化させる金属−
セラミックス複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス繊維または粒子で強化され
た金属−セラミックスの複合材料は、金属とセラミック
スの両方の特性を兼ね備えており、例えばこの複合材料
は、高剛性、低熱膨張性、耐摩耗性等のセラミックスの
優れた特性と、延性、高靱性、高熱伝導性等の金属の優
れた特性を備えている。このように、従来から難しいと
されていたセラミックスと金属の両方の特性を備えてい
るため、機械装置メーカ等の業界から次世代の材料とし
て注目されている。
【0003】この複合材料、特に金属としてアルミニウ
ムをマトリックスとする複合材料の製造方法は、粉末冶
金法、高圧鋳造法、真空鋳造法等の方法が従来から知ら
れている。しかし、これらの方法は、強化材であるセラ
ミックスの含有量を多くできない、あるいは大型の加圧
装置が必要である、もしくはニアネット成形が困難であ
る、コストが極めて高いなどの理由により、いずれも満
足できるものではなかった。
【0004】そこで最近では、上記問題を解決する製造
方法として、米国ランクサイド社が開発した非加圧金属
浸透法が特に注目されている。この方法は、SiCやA
23などのセラミックス粉末で形成されたプリフォー
ムに、アルミニウムインゴットを接触させ、これをN2
雰囲気中で700〜900℃に加熱して溶融したアルミ
ニウム合金をプリフォームに含浸させる方法である。こ
れは、化学反応を利用してセラミックス粉末への溶融金
属の濡れ性を改善することにより、加圧しなくても金属
をプリフォームに含浸できるようにした優れた方法であ
る。
【0005】また、この方法では、セラミックスの含有
率を30〜85vol%と広く、かつ高い範囲まで変え
ることができ、しかも、この方法で形成されたプリフォ
ームは、その形状の自由度が高いので、かなり複雑な形
状をニアネットで作ることも可能である。このようにこ
の方法は、加圧装置が不要であり、セラミックスの含有
率を高くすることができ、ニアネット成形も可能となる
方法であるので、前記した問題が解決される優れた方法
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、プリフォームを形成することによって以下の問
題があった。それは、第一にプリフォームを形成する手
間がかなり掛かり、特に大型なプリフォームを形成する
場合には、あるいは複雑形状品を形成する場合には、も
しくは同じプリフォームをいくつも形成する量産の場合
には、掛かる手間が極めて大きくなるという問題があっ
た。
【0007】また、第二にプリフォームの強さがあまり
強くなく、破損し易いため、ハンドリングに注意が必要
である上に、プリフォームに亀裂が入った場合、その部
分が金属の浸透後、金属だけになり、機械的特性に悪影
響を及ぼすいわゆるメタルベインという欠陥が生じると
いう問題があった。これが大型品あるいは複雑形状品に
なるとますます強度が不足して作ることが困難となる。
【0008】さらに、第三にプリフォームの強度を上げ
るためにアルミナ水和物のコロイド液あるいはコロイダ
ルシリカ液などの無機バインダーを使用しているため、
複合材料に不純物として残存し、金属とセラミックス粉
末との結合を妨げ、引張り強さや破壊靱性などの材料特
性を劣化させるという問題があった。特に、シリカ系の
バインダーを使用した場合、シリカとMgが反応してM
2Siが生成し、強度や靱性値がさらに下がることが
あった。
【0009】本発明は、上述した金属−セラミックス複
合材料の製造方法が有する課題に鑑みなされたものであ
って、その目的は、プリフォームを形成することなしに
複合材料を作製することのできる金属−セラミックス複
合材料の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、所望の形状の複合材
料を得ることのできる型枠を先ず作製し、その型枠内に
セラミックス粉末を充填し、そのセラミックス粉末に金
属を浸透させれば、プリフォームを形成しなくても、目
的とする大きさと形状を有する金属−セラミックス複合
材料が得られるとの知見を得て本発明を完成するに至っ
た。
【0011】即ち本発明は、(1)セラミックス粉末に
金属を浸透させる金属−セラミックス複合材料の製造方
法において、先ず最初に型枠を作製し、その型枠内にセ
ラミックス粉末をタッピングで充填した後、そのセラミ
ックス粉末にアルミニウムを主成分とする合金を700
〜1000℃の温度で浸透させることを特徴とする金属
−セラミックス複合材料の製造方法(請求項1)とし、
また、(2)セラミックス粉末が、含浸促進材を混合し
て含むセラミックス粉末であることを特徴とする請求項
1記載の金属−セラミックス複合材料の製造方法(請求
項2)とし、さらに、(3)セラミックス粉末に金属を
浸透させる金属−セラミックス複合材料の製造方法にお
いて、先ず最初に型枠を作製し、その型枠内にセラミッ
クス粉末と水系溶媒から成るスラリーを充填し、そのス
ラリーから溶媒を揮発させたセラミックス粉末にアルミ
ニウムを主成分とする合金を700〜1000℃の温度
で浸透させることを特徴とする金属−セラミックス複合
材料の製造方法(請求項3)とし、さらにまた、(4)
スラリーが、含浸促進材を混合して含むセラミックス粉
末と非水系溶媒から成るスラリーであることを特徴とす
る請求項3記載の金属−セラミックス複合材料の製造方
法(請求項4)とし、そして、(5)含浸促進材が、平
均粒径で1〜100μmのMgまたはMgAl、Mg2
Si等Mg含有金属粉末であり、その混合率が、セラミ
ックス粉末100重量部に対し1〜10重量部であるこ
とを特徴とする請求項2または4記載の金属−セラミッ
クス複合材料の製造方法(請求項5)とし、また、
(6)型枠が、1〜100μmの平均粒径を有するAl
23、SiC、SiO2などのセラミックス粉末を成形
した成形体を、1〜100μmの平均粒径を有するSi
C、Al23などのセラミックス粉末にガラスフリット
を混合した粉末中に埋め込み、大気中で600〜120
0℃の温度で焼成した後、埋め込んだ成形体をエアブロ
ーなどの手段で除去することにより形成された型枠であ
ることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載
の金属−セラミックス複合材料の製造方法(請求項6)
とすることを要旨とする。以下さらに詳細に説明する。
【0012】上記で述べたように複合材料の製造方法と
しては、先ず必要な型枠を作製し、その型枠内にセラミ
ックス粉末を、あるいは含浸促進材を含むセラミックス
粉末をタッピングで充填した後、そのセラミックス粉末
にアルミニウムを主成分とする合金を700〜1000
℃の温度で浸透させることとした(請求項1、2)。こ
の方法は、作製した型枠内にセラミックス粉末を充填す
れば、充填されたセラミックス粉末がプリフォームの代
わりとなり、そのセラミックス粉末に金属を浸透させて
脱型すれば、金属の鋳込みと同じようにプリフォームを
形成する必要なしに目的とする大きさと形状を有する複
合材料を作製できるので、プリフォームを形成して複合
材料を作製することによる前記した問題が以下のように
全て解消される。そして、セラミックス粉末に含浸促進
材を含ませれば、金属の浸透時間が早まるため、より好
ましい製造方法となる(後述の請求項4も同じ)。
【0013】それは、第一の問題では、金属の鋳込みと
同様に複合材料を作製できることから、所望の形状の複
合材料が得られる型枠を作製し、その型枠を用いて複合
材料を作製すれば、大型品であっても、複雑形状品であ
ってもプリフォームを形成して作製するよりはるかに簡
単で容易となり、また、同じ物をいくつも作製できるの
で、量産に適していることとなる。なお、従来はプリフ
ォームをカーボンサヤ、セラミックスサヤ等で囲う必要
があるため、炉内のスペースを大きく占めることから、
生産効率が低い問題があったが、本発明では一度に仕込
める量が多くなるため、焼成においても量産性に優れて
いる。また、第二の問題では、強度の弱いプリフォーム
を形成しないことから、プリフォームの亀裂が原因とな
るメタルベインは生じなく、不良品が減少することとな
る。さらに、第三の問題では、バインダーを一切使用し
ていないことから、これに起因する不純物の混入がな
く、材料特性が劣化しないこととなる。
【0014】また、上記とは別の製造方法としては、セ
ラミックス粉末そのままではなく、セラミックス粉末と
水系溶媒から成るスラリーを、あるいは含浸促進材を混
合して含むセラミックス粉末と非水系溶媒から成るスラ
リーを型枠内に充填し、そのスラリーから溶媒を揮発さ
せたセラミックス粉末にアルミニウムを主成分とする合
金を700〜1000℃の温度で浸透させることとする
金属−セラミックス複合材料の製造方法とした(請求項
3、4)。この方法も、前記した製造方法と同様作製し
た型枠内にスラリーを充填し、そのスラリー中の分散媒
を揮発させれば、充填されたセラミックス粉末がプリフ
ォームの代わりとなり、同様に前記した問題が全て解消
される。そして、この製造方法で得られる複合材料の粉
末充填率は70vol%程度であり、前記した製造方法
で得られる粉末充填率が40〜50vol%程度である
ので、低い充填率から高い充填率までの広い範囲に亘る
粉末充填率を有する複合材料を作製することができるよ
うになり、用途に合わせて所望の粉末充填率を有する複
合材料を作り分ければ良い。
【0015】一方、上記スラリーが含浸促進材を含む場
合には、分散媒としてイソプロピルアルコール等の非水
系の溶媒を用いなくてはならない。それは、含浸促進材
中のMgを含む金属粉末が水と水和して活性を失うため
である。但し、プリフォームのように自立して形を保つ
必要がないため、不純物となる無機バインダー等は添加
する必要はない。分散剤、消泡剤などは金属の浸透に支
障が無く、かつ製品に残存して物性を劣化させない限り
においては必要に応じて用いても構わない。
【0016】以上述べたように前記した問題が全て解消
されるが、その他に、プリフォームを形成して複合材料
を作製する方法に比べ、以下の点で有利である。それ
は、メタルベインが生じない、また材料特性が劣化しな
いことで、複合材料の機械的特性の劣化が抑えられるこ
ととなる。また、含浸促進材を含む場合には、金属の浸
透をより促進できることで、浸透時間が大幅に短縮で
き、例えば従来では600×400×50mmのブロッ
クに浸透する時間は96時間程度要するが、24時間程
度に短縮されることとなる。さらに、Mgがセラミック
ス粉末中に万遍なく存在することから、金属の浸透不良
が起き難くなり、歩留まりが大幅に向上することとな
る。さらにまた、粉末充填率が50vol%以下のもの
については、無機バインダーを含まないことから、セラ
ミックス粒子間に直接的な結合がなく、加工が比較的容
易となり、切削加工も可能となる。このように、本発明
では、プリフォームを形成する工程を省略できることを
含めて生産性が大幅に向上し、コストが大幅に低下する
こととなり、特に大型品、量産品にはその効果が著し
い。
【0017】前記したセラミックス粉末に混入する含浸
促進材としては、平均粒径で1〜100μmのMgまた
はMgAl、Mg2Si等のMg含有金属粉末とし、そ
の混合率をセラミックス粉末100重量部に対し1〜1
0重量部とした(請求項5)。これらの粉末であればM
gがセラミックス粒子表面に充分にかつ均一に付着でき
る。その細かさを平均粒径で1〜100μmとしたの
は、粗すぎるとMgの蒸発が局所的になるため、不均一
となり、細かすぎると引火性が強いため、取扱いが困難
となることによる。また、混合率を1〜10重量部とし
たのは、Mg成分が多くなるとMg蒸気が粒子間に詰ま
り、その蒸気が固化して金属の浸透を阻害することとな
り、少ないと金属の浸透が遅くなる、または全く浸透し
なくなることによる。
【0018】また、外側の型枠としては、1〜100μ
mの平均粒径を有するAl23、SiC、SiO2など
のセラミックス粉末を成形した成形体を、1〜100μ
mの平均粒径を有するSiC、Al23などのセラミッ
クス粉末にガラスフリットを混合した粉末中に埋め込
み、大気中で600〜1200℃の温度で焼成した後、
埋め込んだ成形体をエアブローなどの手段で除去するこ
とにより形成された型枠とした(請求項6)。
【0019】上述の成形体は、任意の形状に成形可能
で、しかもロストワックス法におけるワックス型に相当
するので、この成形体を埋め込んで取り除くことによ
り、残った外側の多孔質セラミックス体が型枠となり、
埋め込んだ成形体の形状が精度よく反転して型枠内の空
間となる。成形体の成形方法はどんな方法でもよく、沈
降鋳込み成形、プレス成形、CIP成形などの慣用の方
法でよく、例えば沈降鋳込み成形であれば、有機バイン
ダーを添加したセラミックス粉末を水などに分散させて
スラリーとし、これを型に鋳込めばよい。バインダー以
外の消泡剤などは、焼成により消失する有機物であれば
必要に応じて適宜加えて構わない。要は保形する働きを
なすものが有機物のみから成り、乾燥した成形体は自立
して保形しているが、焼成後は成形体が保形する能力を
失ってバラバラ状態になればよい。
【0020】得られた成形体を型枠となるガラスフリッ
トを混合したSiC、Al23などのセラミックス粉末
に埋め込む。この全体を電気炉等に入れ、有機バインダ
ーが消失し、混合したガラスフリットが溶融する温度で
焼成する。この焼成により成形体がバラバラの状態にな
り、周りのセラミックス粉末が固着し、自立して保形す
る。セラミックス粉末には比較的粗い粉末を用いている
ので、セラミックス粉末同士の焼結は進まず、収縮が生
じないため、成形体の形状を忠実に転写した多孔質セラ
ミックス体となり、複雑な形状品であってもそれに合っ
た精度の良い形状品が得られる型枠となる。また、金属
との濡れ性が極めて悪いガラスフリットを含んでいるの
で、型枠自身が含浸防止材として働き、作製された複合
材料の表面が平滑となるので、ロストワックス法に比べ
てより精度のよい形状品となる。保形する能力を失った
成形体は、容易に除去可能であるので、例えばエアブロ
ーなどの手段で吹き飛ばせばよい。
【0021】作製した型枠の内面には、カーボン、Al
23粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物またはS
iO2粉末とホウ素入りガラスフリットの混合物などの
含浸防止材を塗るのがよい。含浸防止材を塗る理由は、
型枠自身が含浸防止材として働くが、その効果をさらに
向上させるためと金属を浸透させた複合材料の型離れを
よくするためである。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法をさらに詳しく
述べると、先ず平均粒径が1〜150μmのSiC粉
末、Al23粉末、AlN粉末などのセラミックス粉末
を用意する。これらの粉末を単味で用いてもよいし、別
の粉末を一部混合しても構わない。
【0023】型枠にタッピングで充填する場合には、用
意したセラミックス粉末をそのまま、あるいは平均粒径
が1〜100μmのMgまたはMgAl、Mg2Si等
のMg含有金属粉末をセラミックス粉末100重量部に
対し、1〜10重量部加え、ボールミルなどで乾式混合
した粉末を用いる。乾式混合するのは、含まれているM
g含有金属が水和して金属の浸透の促進効果が失われる
からである。混合する時間は、長いほどよいが、あまり
長いとセラミックス粉末が破砕され、粒度分布が変わる
ので好ましくなく、10〜20時間が適切である。
【0024】次に、1〜100μmの平均粒径を有する
Al23、SiC、SiO2などのセラミックス粉末を
用意し、その粉末に水などの溶媒と適当な有機バインダ
ーを加え、得たスラリーを沈降鋳込み成形で、あるいは
スラリーを乾燥して得た粉末をプレス成形、CIP成形
などで成形し、別に1〜100μmの平均粒径を有する
SiC、Al23粉末などにガラスフリットを混合した
粉末を箱などの容器に充填し、その充填した粉末中に前
記方法で得られた成形体を埋め込み、大気中で600〜
1200℃の温度で焼成した後、埋め込んだ成形体をエ
アブローなどの手段で除去することにより型枠を作製す
る。
【0025】作製した型枠の内部に前記したセラミック
ス粉末をタッピングで充填する。その型枠の溶融金属の
注入口上部にアルミニウム合金のインゴットを載せ、そ
れを電気炉等にセットし、窒素気流中で非加圧で700
〜1000℃の温度で合金を浸透させ、冷却することに
より金属−セラミックス複合材料が得られる。用いるア
ルミニウム金属にはAl−Mg、Al−Mg−Si系な
どのMgを含んだものを使用した方が浸透は容易である
が、これに限定されるものではなく、最終製品に要求さ
れる物性を劣化させる元素が含まれていないアルミニウ
ム合金であれば何を用いても構わない。
【0026】一方、型枠にスラリーを充填する場合に
は、セラミックス粉末に水系溶媒を添加し、必要があれ
ばそれにさらに分散剤、消泡剤等を加え、混合してスラ
リーを作製し、それを充填する。含浸促進材を含む場合
には、セラミックス粉末に前記したMgを含む金属粉末
を加え、それにイソプロピルアルコール等の非水系溶媒
を添加し、必要があればそれにさらに分散剤、消泡剤等
を加え、混合してスラリーを作製し、それを型枠に充填
する。充填したスラリーから分散媒を揮発させる必要が
あるが、そのためには例えば、型枠ごと低温の乾燥機に
入れて乾燥させればよい。その型枠の注入口上部に前記
したと同様アルミニウム合金のインゴットを載せ、それ
を電気炉等にセットし、窒素気流中で非加圧で700〜
1000℃の温度で合金を浸透させ、冷却することによ
り金属−セラミックス複合材料が得られる。
【0027】以上の方法で金属−セラミックス複合材料
を作製すれば、プリフォームを形成しなくても、金属−
セラミックス複合材料を作製することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に挙げ、本発
明をより詳細に説明する。
【0029】(実施例) (1)成形体の作製 強化材として#320(平均粒径40μm)の市販Al
23粉末を用い、バインダーとしてPVAをAl23
末100重量部に対し10重量部添加し、さらにイオン
交換水を30重量部加え、ポットミルで16時間混合し
た。このスラリーをシリコーンゴム型を用いて200×
200×高さ50mmで裏側に幅10mmのリブが縦横
それぞれ3本ずつ通っている形状(天板の厚さは10m
m)に沈降鋳込み成形し、−30℃で冷凍させて脱型
し、100℃で乾燥し成形体を作製した。
【0030】(2)型枠の作製 #90の市販Al23粉末とガラスフリット(SiO2
−B23−Na2O)を重量比で9:1の割合でポット
ミルを用いて乾式混合した。次いで縦150mm、横1
50mmの大きさのステンレス製の箱を用意し、その箱
の中に得られた成形体を天板を下にして入れ、その周囲
に混合した粉末を振動をかけながら充填した。充填が完
了した箱をそのまま電気炉に挿入し、大気中で1050
℃の温度で5時間焼成し、冷却後、炉から取り出して箱
をはずし、粉末状に戻った成形体をエアーブローで吹き
飛ばし型枠を作製した。
【0031】(3)金属−セラミックス複合材料の作製 #320(平均粒径40μm)の市販Al23粉末70
重量部、#600(平均粒径20μm)の市販Al23
粉末30重量部、それに含浸促進材としてAl−Mg
(重量比4:6)粉末を6重量部添加し、ポットミルで
12時間乾式混合した。得られた粉末をタッピングで先
の型枠内に充填し、型枠の注入口上部に充填した粉末の
1.5倍重量のAl−7Mgを置き、電気炉で窒素雰囲
気中で825℃の温度で6時間浸透させた後、徐冷し、
型枠より脱型し、軽くブラストを掛けて型を完全に除去
して金属−セラミックス複合材料を作製した。
【0032】(4)評価 セラミックス粉末の嵩密度を型枠の内容積とセラミック
ス粉末の重量から算出し、粉末充填率を求めた。その結
果、50vol%であった。また、得られた複合材料の
寸法と形状を測定し、表面を目視観察した。その結果、
複合材料の寸法、形状は成形体の寸法、形状に精度よく
転写されており、表面は平滑であった。さらに、得られ
た複合材料を切断し、その切断面の金属の浸透状態を目
視観察した。その結果、アルミニウム合金は完全に浸透
していて何ら欠陥はなかった。このことは、プリフォー
ムを形成しなくても、広い範囲の粉末充填率を有する複
合材料を浸透法で問題なく作製できることを示してお
り、また、複雑な形状品であっても、精度よく転写され
ることを示している。
【0033】
【発明の効果】以上の通り、本発明の金属−セラミック
ス複合材料の製造方法であれば、プリフォームを形成し
なくても、広い範囲の粉末充填率を有する複合材料を問
題なく作製できるようになった。このことにより、従来
のプリフォームを形成して複合材料を作製する方法に比
べ、手間が減少し、不良品が低減し、歩留まりが向上
し、複雑形状品を精度よく転写でき、金属の浸透時間を
短縮できる生産性が大幅に向上し、コストが大幅に低下
する金属−セラミックス複合材料の製造方法を提供でき
るようになった。特に大型品や複雑形状品あるいは量産
品を製造する場合にはその効果が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 毅 東京都東久留米市氷川台1−3−9 (72)発明者 小山 富和 東京都北区浮間1−3−1−805

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粉末に金属を浸透させる金
    属−セラミックス複合材料の製造方法において、先ず最
    初に型枠を作製し、その型枠内にセラミックス粉末をタ
    ッピングで充填した後、そのセラミックス粉末にアルミ
    ニウムを主成分とする合金を700〜1000℃の温度
    で浸透させることを特徴とする金属−セラミックス複合
    材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 セラミックス粉末が、含浸促進材を混合
    して含むセラミックス粉末であることを特徴とする請求
    項1記載の金属−セラミックス複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 セラミックス粉末に金属を浸透させる金
    属−セラミックス複合材料の製造方法において、先ず最
    初に型枠を作製し、その型枠内にセラミックス粉末と水
    系溶媒から成るスラリーを充填し、そのスラリーから溶
    媒を揮発させたセラミックス粉末にアルミニウムを主成
    分とする合金を700〜1000℃の温度で浸透させる
    ことを特徴とする金属−セラミックス複合材料の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 スラリーが、含浸促進材を混合して含む
    セラミックス粉末と非水系溶媒から成るスラリーである
    ことを特徴とする請求項3記載の金属−セラミックス複
    合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 含浸促進材が、平均粒径で1〜100μ
    mのMgまたはMgAl、Mg2Si等のMg含有金属
    粉末であり、その混合率が、セラミックス粉末100重
    量部に対し1〜10重量部であることを特徴とする請求
    項2または4記載の金属−セラミックス複合材料の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 型枠が、1〜100μmの平均粒径を有
    するAl23、SiC、SiO2などのセラミックス粉
    末を成形した成形体を、1〜100μmの平均粒径を有
    するSiC、Al23などのセラミックス粉末にガラス
    フリットを混合した粉末中に埋め込み、大気中で600
    〜1200℃の温度で焼成した後、埋め込んだ成形体を
    エアブローなどの手段で除去することにより形成された
    型枠であることを特徴とする請求項1、2、3、4また
    は5記載の金属−セラミックス複合材料の製造方法。
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