JP3289729B2 - 磁気テープ記録再生装置のリール制動機構 - Google Patents

磁気テープ記録再生装置のリール制動機構

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JP3289729B2
JP3289729B2 JP52116197A JP52116197A JP3289729B2 JP 3289729 B2 JP3289729 B2 JP 3289729B2 JP 52116197 A JP52116197 A JP 52116197A JP 52116197 A JP52116197 A JP 52116197A JP 3289729 B2 JP3289729 B2 JP 3289729B2
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Panasonic Holdings Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、必ずしもこれに限定されるものではないが
ビデオテープレコーダの如くの磁気テープ記録再生装置
に関し、詳述すれば、当該磁気テープ記録再生装置に装
填したテープカセットにおいて二つのハブの間を延在す
る磁気テープの弛みを防ぐために、ビデオテープレコー
ダにおける供給リールと巻取りリールとを制動するリー
ル制動機構に関する。
背景技術 異なった寸法規格の磁気テープカセットに対応したビ
デオテープレコーダは既に知られているところである。
例えば、市販されているVHS規格によるビデオテープカ
セットは、標準カセットとコンパクトカセットとの二種
あって、両者はカセットの大きさが異なっている。標準
カセットは、主にテレビ受像機と接続する家庭用ビデオ
テープレコーダに使われ、コンパクトカセットは主とし
て小型携帯式ビデオカメラに使われている。標準カセッ
トにしても、またコンパクトカセットにしても、両者は
ともに同一幅の磁気テープを用いていて、情報の記録再
生の観点では互換性がある。
ところが、家庭用ビテオテープレコーダでコンパクト
カセットの磁気テープに記録されている情報を再生する
か、または、当該磁気テープに情報を記録するために
は、外観形状を標準カセットのそれに似せたカセットア
ダプターを利用する必要がある。
カセットアダプターを用いなくてもコンパクトカセッ
トが家庭用ビデオテープレコーダで利用できるようにす
るために、ビデオテープレコーダにコンパクトカセット
を装填すると、標準カセットにおけるハブ間距離に対応
する距離だけ隔離されていた供給リールと巻取りリール
とがコンパクトカセットにおけるハブ間距離に対応する
距離だけ隔離される位置まで移動できるように構成した
ビデオテープレコーダが提案されている。このようにリ
ール間距離が調節できるビデオテープレコーダの公知例
を図13と図14とに示す。
図13と図14とに示したビデオテープレコーダでは、互
いに角度をなして延在する直線軌道、即ち、供給リール
の回転軸心と巻取りリールの回転軸心とを通る仮想線か
ら離れた一点で交差するように延在する直線軌道に沿っ
て、標準カセット位置とコンパクトカセット位置との間
を供給リールと巻取りリールとがそれぞれ移動自在とな
っている。ここでの供給リールと巻取りリールとは互い
に同一態様で支持されているので、何れか一方、例えば
供給リールとその周辺部品のみを取り上げて説明する。
図13と図14とにおいて、供給リール110はリールスピ
ンドル110aが一体形成されているとともに、標準カセッ
トとコンパクトカセットの何れかにおける何れかのハブ
と係合するようになっている。この供給リール110は、
支持軸109を介してリールベース108に回転自在に装着さ
れている。図示していないが、支持軸109はリールベー
ス108の下方に配置した駆動モータに直結、または駆動
伝達機構を介して連結されている。リールベース108
は、両端がビデオテープレコーダのシャーシ106に固定
された二本の平行案内棒107からなるガイドレール機構
に移動自在に装着されているので、供給リール110は標
準カセット位置とコンパクトカセット位置との間を移動
できるようになっている。
装填されているテープカセットが標準カセットか、コ
ンパクトカセットか何れかに拘わらずビデオテープレコ
ーダをして磁気テープに対して情報記録ないし情報再生
が安定よく行えるようにするには、ビデオテープレコー
ダが不作動状態にあるとき、即ち、リール駆動機構を動
作させて情報記録ないし情報再生を行う状態でないとき
にカセットにおいてハブに巻回されている磁気テープが
弛んでいないようにする必要がある。このように磁気テ
ープが弛まないようにするために、供給リールと巻取り
リールにリール制動機構が用いられている。
図13と図14に示したリール制動機構は、一端がリール
ベース108に装着されているソレノイド装置113のプラン
ジャーに、他端には制動パッド112aが設けられた制動レ
バー112からなる。該制動レバー112のほぼ中間点は、ソ
レノイド装置113が励磁されてプランジャーが後退する
と、制動レバー112が支持ピン111を中心として時計方向
(図示していない巻取りリールに関しては、反時計方
向)に枢動して制動パッド112aが供給リール110から隔
離するように、支持ピン111を介してリールベース108に
装着されている。しかし乍ら、ソレノイド装置113が非
励磁状態にあると、制動レバー112は付勢バネ114の作用
により支持ピン111を中心として反時計方向に付勢され
ているから、制動パッド112aは供給リール110と摩擦係
合してテープカセット内の磁気テープが弛むのを防いで
いる。
前述した図13と図14の従来例では、ソレノイド装置が
対応するリールベース上に装着されて、当該リールベー
スと共に移動するようになっている。換言すれば、供給
リールと巻取りリールのそれぞれに対する制動機構の全
ての構成部品は、対応するリールと共に、そしてまた対
応する駆動モータと共にリールベースに装着されてい
る。従って、各リールベースとしては、対応するリール
ばかりではなくて、対応するソレノイド装置や、制動レ
バー、支持ピン、付勢バネなどからなる対応する制動機
構をも収容できるほどの寸法でなければならず、そのた
めにビデオテープレコーダが総じてかさ高にならざるを
得ない。また、ソレノイド装置は対応するリールベース
上に装着されているから、シャーシと、リールスピンド
ルがテープカセットのハブと係合している状態での当該
カセットの底面との間の空隙としては、装填されている
テープカセットがソレノイド装置の頂部に抵触しないほ
ど、即ち、ソレノイド装置の高さと当該ソレノイド装置
の底面とシャーシとの間の間隙との和よりも大きい寸法
に選定せざるを得ず、そのためにビデオテープレコーダ
をコンパクトにする上で障害となっている。
前述のようにリール間距離が調節自在となったビデオ
テープレコーダは、1983年6月18日に公開された特開平
5−151655号公報や1994年2月10日に公開された特開平
6−36395号公報にも開示されている。
特開平5−151655号公報によれば、供給リールと巻取
りリールとは、リール間距離が標準カセットにおけるハ
ブ間距離に対応する標準カセット位置とリール間距離が
コンパクトカセットにおけるハブ間距離に対応するコン
パクトカセット位置との間を、シャーシに回転自在に装
着したそれぞれのリール駆動ギャの支軸を中心とするほ
ぼ弧状の軌道に沿って移動できるようになっている。こ
の装置で用いられている制動機構は、リールごとに用い
られて動作位置と不動作位置との間を枢動するようにシ
ャーシに装着した枢動レバーを備えている。この枢動レ
バーには、対応するリールと一体形成したギャに常時噛
合するリール駆動ギャと摩擦係合する制動パッドが設け
られている。これらのリール駆動ギャは供給リールと巻
取りリールとを前記弧状軌道に沿って標準カセット位置
とコンパクトカセット位置との間を移動させるものでは
あるが、枢動レバーが動作位置に枢動してそれぞれの制
動パッドがリール駆動ギャと摩擦係合すれば供給リール
と巻取りリールとに制動がかけられることになり、これ
によりカセットが標準カセットであったとしても、また
コンパクトカセットであったとしても当該カセット内の
磁気記録テープが弛むのを阻止できるようになってい
る。
特開平5−151655号公報に開示されているものは、制
動レバーと供給及び巻取りリールとの間にリール駆動ギ
ャを介在させていること、それに、それぞれのリールを
シャーシ上でそれが噛合している対応リール駆動ギャを
中心として回動できるように装着するのに巧妙ではある
が、複雑な工夫が必要であることから、機構が複雑にな
っている。
他方、特開平6−36396号公報に開示されている供給
及び巻取りリールは、図13と図14とに示し、かつ、説明
したのと同様な態様で標準カセット位置とコンパクトカ
セット位置との間を移動できるようになっている。この
特開平に開示されている制動機構は、シャーシに係合位
置と非係合位置との間を移動自在に装着されたほぼ等脚
台形状の制動板と、該制動板を係合位置に常時付勢する
付勢バネと、制動板の各斜縁に装着されて当該制動板と
一体移動する制動パッドとで構成されている。ビデオテ
ープレコーダが動作していると、シャーシに装着したソ
レノイド装置が励磁されて回動レバーを介して制動板を
非係合位置へ移動させているが、このソレノイド装置が
非励磁にされると、非係合位置にあった制動板が付勢バ
ネの作用で係合位置へ移動して制動パッドを供給及び巻
取りリールとに摩擦係合するようになる。各制動パッド
は、供給及び巻取りリールが標準カセット位置にあろう
とも、またコンパクトカセット位置にあろうとも、その
位置に関係なく対応するリールと摩擦係合できるのに充
分な長さになっている。
特開平6−36395号公報に開示されている構成では、
ビデオテープレコーダ全体の厚みを減少させることがで
きる、換言すれば、ビデオテープレコーダをコンパクト
にすることができる利点があるが、下記の理由で装填さ
れているカセット内の磁気記録テープの円滑な停止がで
きない問題がある。
即ち、供給リールと巻取りリールに対する二つの制動
パッドの作用は、一本の付勢バネによる制動板の非係合
位置から係合位置への移動により、同時かつ同一の押圧
力で行われる。ところが、巻取りリールに対する対応制
動パッドの押圧力は、巻取りリールの回転方向に関して
食い込む方向に作用し、他方では、供給リールに対する
対応制動パッドの押圧力は供給リールの回転方向に関し
て逃げ方向に作用する。食い込み方向の押圧力によって
生じる制動力は、逃げ方向の押圧力によって生じる制動
力よりも強力であるから、結果として供給リールと巻取
りリールとに対して同時に作用する制動力には差が生じ
る。この制動力の差は、同時作動の制動力にも拘わらず
リール同士の停止時間に差をもたらすことになり、具体
的には巻取りリールがほぼ瞬時に停止するのに対して、
供給リールは完全停止するまでにやや時間を要すること
になり、結果的に磁気テープの弛みをもたらすことにな
る。
また、供給リールと巻取りリールのそれぞれの制動を
一つの制動板で行っているため、何れか一方のリールを
回転させ、他方のリールを停止させることができないと
いう問題もある。
発明の開示 本発明は前述した従来の制動機構に付随する諸問題点
を解消すべくなされたものであって、ビデオテープレコ
ーダのコンパクト化に貢献し得るとともに、各リールが
対応する制動パッドに対して逃げ方向もしくは食い込み
方向に回転していても両リールに対する制動力を任意に
設定できる磁気テープ記録再生装置のリール制動機構を
提供するのを目的としたものである。
この目的を達成するために、本発明は、第1及び第2
リールと該第1及び第2リールをそれぞれ回転自在に支
持する第1及び第2リール支持ベースとを備え、ある寸
法の第1カセットにおけるハブ間距離に対応する第1カ
セット位置と前記ある寸法とは異なった第2カセットに
おけるハブ間距離に対応する第2カセット位置との少な
くとも二位置間を前記第1及び第2リールが対応する第
1及び第2リール支持ベースと共にそれぞれの直線軌道
に沿って同期調節自在に装着されてなる磁気テープ記録
再生装置のリール制動機構に適用している。
この磁気テープ記録再生装置における本発明のリール
制動機構は、各リール支持ベースに支軸を介して枢動自
在に支持された、対応するリールと係合自在な第1アー
ム並びに前記支軸を中心として第1アームとは反対側の
第2アームとを有し、前記第1アームが対応するリール
と係合して停止させる係合位置と、前記第1アームが対
応するリールとは離間する非係合位置との間を移動自在
な制動レバーと、磁気テープ記録再生装置のシャーシに
装着されて、両リールの位置に拘わらず前記第2アーム
を押圧することにより制動レバーを非係合位置に移動さ
せて第1アームを対応するリールと摩擦係合させる押圧
手段とで構成されたのを特徴としている。
前記制動レバーは前記係合位置に、例えば引張バネの
如くの付勢手段により常時付勢されるようにしてもよ
い。
本発明の一実施の形態では、前記押圧手段を、前記第
2アームと当接して前記制動レバーを非係合位置に設定
する押圧位置と、前記第2アームとは当接しない解放位
置との間を移動自在であり、対応するリールの位置とは
無関係に前記第2アームと当接自在な押圧片を有するス
ライド板と、該スライド板を前記押圧位置と解放位置と
の間で移動させる駆動機構とで構成している。この場
合、前記スライド板の押圧位置と解放位置との間の移動
方向を対応するリールの第1及び第2カセット位置間で
の移動方向と直交させてもよいし、または、傾斜させて
もよい。何れにしても、前記スライド板は前記押圧位置
に、引張バネの如くの付勢手段により常時付勢されてい
るようにするのが望ましい。
また、本発明の別の実施の形態では、前記押圧手段
を、対応するリールの位置とは無関係に前記第2アーム
と当接して前記制動レバーを非係合位置に設定する押圧
位置と、前記第2アームとは当接しない解放位置との間
を枢動自在な押圧部材と、互いに異なった第1及び第2
状態を取る駆動機素と、該駆動機素と前記押圧部材との
間に介在して、該駆動機素が第1状態を取ると前記押圧
部材を前記押圧位置に設定するが、第2状態を取ると前
記押圧部材を前記解放位置に設定する回動レバーと構成
している。この場合でも、前記回動レバーは引張バネの
如くの付勢手段により前記押圧位置に常時付勢されてい
るようにするのが望ましい。
前記回動レバーとしては、そのほぼ中間部において枢
動自在に支持され、一端には作動ピンが、他端には前記
駆動機素に連結されていてもよく、その場合、前記作動
ピンが前記押圧部材を移動させることになる。
別の方法として、前記押圧部材は、前記第1及び第2
カセット位置の間での対応するリールの移動距離に相当
する長さの板状押圧片と、該押圧片の一端部と一体形成
されてその一端部からそれとは直交して延在し、かつ、
前記作動ピンが遊嵌される受承穴を有する本体と、前記
押圧片とは反対側の本体の端部に一体形成された一対の
支承耳片とからなるものとしてもよい。
本発明によれば、各リールごとの制動レバーはリール
支持ベースに枢動自在に装着され、この制動レバーを駆
動する押圧手段はビデオテープレコーダの如くの磁気テ
ープ記録再生装置のシャーシに装着されている。従っ
て、各リール支持ベースは比較的小寸法でよく、磁気テ
ープ記録再生装置全体としての厚みを小さくすることが
できる。
また、制動レバーは、カセットの寸法に関係なくリー
ルごとに一つ設ければよいので、標準カセットの如くの
第1カセットを装填した時に対応するリールに作用する
制動力と、コンパクトカセットの如くの第2カセットを
装填した時に対応するリールに作用する制動力との間に
差はない、即ち、用いるカセットの寸法に関係なく、均
一な制動力が得られる。
更に、各リールごとの制動レバーはリール支持ベース
上で枢動自在に装着されているので、対応するリールと
の位置関係も一定に保たれ、各リールが対応する制動レ
バーの第1アームに対して逃げ方向もしくは食い込み方
向に回転していても両リールに対する制動力を任意に設
定できる。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の第1実施の形態によるリール制動機
構を利用したビデオテープレコーダの供給及び巻取りリ
ールを示す概略上面図。
図2は、図1に示したビデオテープレコーダにおける
供給リールの部分だけを示すと共に、対応する制動レバ
ーが係合位置に枢動された状態を示す概略部分上面図。
図3は、図2に示した状態におけるビデオテープレコ
ーダの当該部分の概略部分側面図。
図4は、本発明の第1実施の形態によるリール制動機
構の変形例を示す、供給リールの部分だけの概略部分上
面図。
図5は、本発明の第2実施の形態によるリール制動機
構を利用したビデオテープレコーダの供給リールの部分
だけを示すと共に、制動レバーが非係合位置に枢動され
た状態を示す概略部分上面図。
図6は、図5に示したのと類似の図ではあるが、制動
レバーが係合位置に枢動された状態を示す概略部分上面
図。
図7は、図5に示した状態におけるビデオテープレコ
ーダの当該部分の概略部分側面図。
図8は、図6に示した状態におけるビデオテープレコ
ーダの当該部分の概略部分側面図。
図9は、本発明の第3実施の形態によるリール制動機
構であって、供給リールに対応するリール制動機構の斜
視図。
図10は、図9に示したリール制動機構において、制動
レバーが係合位置に枢動された状態を示す概略部分側断
面図。
図11は、図9に示したリール制動機構において、制動
レバーが非係合位置に枢動された状態を示す概略部分側
断面図。
図12は、本発明の第3実施の形態の変形例を示す、制
動レバーのみを示す概略側断面図。
図13は、ビデオテープレコーダに用いられている従来
例によるリール制動機構の供給リール側のみを示す概略
上面図。
図14は、図13に示したリール制動機構の概略側面図。
発明を実施するための最良の形態 以後、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実
施の形態をいくつか詳述するが、図13と図14を除く添付
図面全体に亙り、同一構成部品には同一符号を用いると
する。
(第1実施の形態−図1〜図3) 図1に示したビデオテープレコーダは、二対の平行案
内棒2を担持するリール支持用シャーシ1を備えてい
る。一方の対の平行案内棒2Lと他方の対の平行案内棒2R
とは、供給リール5Lの回転軸心と巻取りリール5Rの回転
軸心とを通る仮想線から離れた一点で交差するように直
線状に延在している。
供給リール5Lは、供給リール支持ベース3Lに、供給リ
ール5Lと同心的に一体形成した短軸4Lを介して回転自在
に装着されている。巻取りリール5Rも同様に巻取りリー
ル支持ベース3Rに、巻取りリール5Rと同心的に一体形成
した類似の短軸を介して回転自在に装着されている。供
給及び巻取りリール支持ベース3L、3Rは、従来公知の態
様で平行案内棒2L、2Rにそれぞれ移動自在に装架されて
いるので、供給及び巻取りリール2L、2Rは標準カセット
位置とコンパクトカセット位置との間をそれぞれ移動自
在であり、標準カセット又はコンパクトカセットがビデ
オテープレコーダに挿入されると、供給及び巻取りリー
ル2L、2Rは標準カセット位置又はコンパクトカセット位
置にそれぞれ定置される。仮に供給及び巻取りリール2
L、2Rが標準カセット位置にあるときにビデオテープレ
コーダにコンパクトカセットが挿入されると、供給及び
巻取りリール2L、2Rはそれに応動してコンパクトカセッ
ト位置へ同期移動するようになっている。
図示していないが、供給及び巻取りリール2L、2Rのそ
れぞれの標準カセット位置とコンパクトカセット位置と
の間の前述の如きの同期移動は、適当な同期駆動機構を
介して同期して行われるようになっているが、このよう
な同期駆動機構の詳細については本発明の趣旨に関係な
いので、ここでは説明しない。
供給及び巻取りリール2L、2Rはいずれも同一形状で、
円筒形リールフランジ5aと円筒形リール本体5bとスピン
ドル5cとが短軸4Lと共に一体形成されたものであっても
よく、単にリールフランジとスピンドルとが短軸と共に
一体形成されたものであってもよい。よく知られている
ように、スピンドル5cは標準もしくはコンパクトカセッ
トに内蔵されている対応するハブと係合するものであ
る。
ここまで説明した供給及び巻取りリール2L、2Rが同時
移動自在に対応する支持ベース3L、3Rを介してそれぞれ
の対の平行案内棒2L、2Rに支持されている態様は、図13
と図14に示した公知例や前述した特開平6−36395号公
報に開示されているのと同一であってもよい。
以後、各リール2L、2Rごとのリール制動機構について
詳述するが、両者に用いるリール制動機構は同一構成で
あるので、以後の説明においては便宜上、供給リール2L
に対応するリール制動機構のみを詳述する。但し、図1
においては、巻取りリール2Rに対応するリール制動機構
の構成部品で供給リール2Lの構成部品と同一構成部品に
は、供給リール2Lに対応するリール制動機構の構成部品
に付したのと同一数字符号ではあるが、文字符号として
Lの代わりにRを用いたものを付しておく。
巻取りリール支持ベース3Lには、制動レバー7Lが当該
リール支持ベース3Lに植設した枢支軸6Lを中心として枢
動自在に装着されている。この制動レバー7Lは、巻取り
リール5Lのリールフランジ5aと摩擦係合自在な第1アー
ム7aと、後述するスライド板10Lと一体形成されている
板状押圧片10aと係合自在な第2アーム7bと、係止フィ
ンガー7cとが、全体としてほぼY字形を呈するように一
体形成されている。
係止フィンガー7cと巻取りリール支持ベース3Lの一部
分との間には付勢バネとしての引張バネ8Lが張設されて
いて、この引張バネ8Lの作用により制動レバー7Lは枢支
軸6Lを中心として反時計方向に常時付勢されて、図2に
示すように係合位置に臨んでいる。制動レバー7Lがこの
ように枢支軸6Lを中心として反時計方向に付勢されて係
合位置に臨んでいると、当該制動レバー7Lの第1アーム
7aは巻取りリール5Lのリールフランジ5aと当接してい
る。即ち、巻取りリール5Lに制動力を作用させている。
この状態にあっては巻取りリール5Lは短軸4Lを中心とし
て回転しないように抑制されている。
巻取りリール5Lの位置とは無関係に制動レバー7Lを引
張バネ8Lに抗して図1に示すように非係合位置へ回動さ
せる、即ち、当該制動レバー7Lの第1アーム7aを巻取り
リール5Lのリールフランジ5aとは離間させるのに押圧手
段を用いている。図示の実施の態様では、この押圧手段
は、シャーシ上に装着固定したソレノイドユニット11L
と押圧片10aを備えてスライド板10Lで構成されている。
このソレノイドユニット11Lは、プランジャー11aを有
する従来公知のものであって、スライド板10Lを図1に
示した前進位置と図2に示した後退位置との間で、巻取
りリール5Lの移動方向とは直交する方向に駆動するよう
になっている。そのため、スライド板10Lの片縁には連
結片10bが一体形成されているとともに、この連結片10b
を介してプランジャー11aの自由端に連結されている。
前記した押圧片10aは巻取りリール5Lに臨むスライド板1
0Lの端部に一体形成されており、スライド板10Lの本体
に対して直交する方向に立ち上がっているとともに、標
準カセット位置とコンパクトカセット間での巻取りリー
ル5Lの移動距離に相当する長さを有している。
スライド板10Lがシャーシ1上を前進位置と後退位置
との間を移動する際の移動ストロークは、当該スライド
板10Lに形成されている一対の案内スロット10bと、その
案内スロット10bに遊嵌されているガイドピン9Lとによ
り規制されている。このスライド板10Lは、連結片10bの
ある側縁とは反対側の側縁においてスライド板10Lに一
体形成した係止フィンガー10dと、シャーシ1の固定点
との間に介装した付勢バネとしての引張バネ12Lの作用
により、常時前進位置に付勢されている。
前述のように引張バネ12Lにより付勢されるスライド
板9Lの前進位置は、図1に示すように当該スライド板9L
と一体の押圧片10aが制動レバー7Lの第2アーム7bと当
接して、当該制動レバー7Lを枢支軸6Lを中心として反時
計方向、即ち、非係合位置へと引張バネ8Lに抗して回動
させるのに充分な位置に設定されている。
図示の実施の形態では、ソレノイドユニット11Lは電
気的に励磁されると、ソレノイドプランジャー11aは引
張バネ12Lに抗して後退し、逆に非励磁になると引張バ
ネ12Lの作用で突出するようにしている。従って、ソレ
ノイドプランジャー11aが後退するとスライド板10Lは引
張バネ12Lに抗して後退位置へ移動する。スライド板10L
が後退位置にある時、押圧片10aは引張バネ8Lの作用に
より係合位置へ付勢されている制動レバー7Lの第2アー
ム7bとは図2に示すように離間するのが望ましいが、第
1アーム7aからリールフランジ5aに作用している制動力
の大きさに影響がない限り、第2アーム7bとは軽く接触
していてもよい。言うまでもなく、ソレノイドプランジ
ャー11aが引張バネ12Lの作用で突出すると、制動レバー
7Lは引張バネ8Lに抗して非係合位置へ回動する。
別の方法としては、ソレノイドユニット11Lに、吸引
力もしくは反発力がソレノイドプランジャーに作用する
永久磁石内蔵型を用いれば、引張バネ12Lを用いないで
済むこともあり得る。また、後述の実施の形態において
みられるように、ソレノイドユニットが電気的に励磁さ
れてプランジャーが後退したら、押圧片が制動レバーを
非係合位置に回動させるようにしてもよく、何れにする
かはビデオテープレコーダにおける電気制御回路の構成
に応じて適宜選択すればよい。
尚、ソレノイドユニット11Lはそれ自体単体で比較的
嵩のある構成部品であるから、シャーシ1上に載置する
に当たっては、コンパクトカセットよりは大型である標
準カセットが装填された際に当該標準カセットの外輪郭
の外側に臨むように、または、部分的に内側に臨むにし
ても、シャーシ1に凹所を設けてその内部に載置するの
が望ましい。このようにすれば、ビデオテープレコーダ
の薄形化が可能となる。
以後、図1から図3に示した実施の形態によるリール
制動機構の作用を詳述する。
磁気テープカセットをビデオテープレコーダに装填す
るに当たっては、ユーザーは図示しないカセット選択器
を操作して供給リール5Lと巻取りリール5Rとを標準カセ
ット位置がコンパクトカセット位置か、装填しようとし
ている磁気テープカセットの規格寸法に応じた位置へと
同期移動させる。情報記録または情報再生の時には巻取
りリール5Rがモーターと連結されて駆動されるが、その
直前またはそれと同時にソレノイドユニット11L、11Rは
非励磁状態に設定される。この状態にあっては、スライ
ド板10L、10Rは対応する引張バネ12L、12Rの作用により
前進位置に保たれる。
その結果、それぞれのスライド板10L、10Rと一体形成
されている押圧片10aは、前述したように対応する制動
レバー7L、7Rを図1に示すように引張バネ8L、8Rに抗し
て非係合位置へ回動させる。この状態ではカセット内の
磁気テープは、供給リール5Lと係合している一方のカセ
ットハブから巻取りリール5Rと係合している他方のカセ
ットハブへと前進方向、または、その逆方向(巻戻し
時)に自由に走行できる。
例えば、磁気テープの走行の一時停止、または、情報
記録ないし情報再生が終了して対応する停止ボタンをユ
ーザーが押すと、モーターから何れかのリールに対する
駆動力の供給が断絶するとともに、ソレノイドユニット
11L、11Rが電気的に励磁され、それに伴ってソレノイド
プランジャー11aが後退する。ソレノイドプランジャー1
1aの後退に応動してスライド板10L、10Rが対応する引張
バネ12L、12Rに抗して後退位置へと移動し、それに伴っ
て制動レバー7L、7Rが対応する引張バネ8L、8Rに付勢さ
れて図2に示すように係合位置へと回動する。かくし
て、供給リール5Lと巻取りリール5Rとに制動がかけられ
る。
尚、二つのソレノイドユニット11L、11Rを電気的に励
磁させるタイミングは同時でも良いが、極僅かな時間差
をもたせて互いに励磁させると、つまり、磁気テープ送
出し側の一方のリールを先に停止させ、磁気テープ巻取
り側の他方のリールを極僅かな時間後に停止させるよう
にすれば、ハブ間での磁気テープの弛みを吸収すること
ができる。
図1から図3に示した実施の形態においては、スライ
ド板10L、10Rは供給及び巻取りリール5L、5Rの移動方向
とは直交する方向に移動するとともに、それ自体の移動
方向とは直交する方向に延在する押圧片10aを備えたも
のとして図示し、かつ、説明した。しかし、本発明の観
点からすれば、磁気テープカセットがその移動ストロー
クにおいてどこに定置されようとも、それぞれの押圧片
10aが対応する制動レバー7L、7Rを係合位置から非係合
位置へと回動させることができるのであれば、ソレノイ
ドユニット11L、11Rひいてはスライド板10L、10Rはどの
ように配置してもよい。
図4に示した変形例においては、押圧片10aは対応す
るスライド板10L、10Rの本体の移動方向とは角度をなす
ように、しかも、隣接するリール5L、5Rの移動方向とは
平行になるように、当該スライド板10L、10Rと一体形成
されている。この場合、スライド板10L、10Rの移動方向
ひいてはソレノイドプランジャー11aの移動方向は、対
応するリール5L、5Rの移動方向とは直角以外の角度をな
す向きに配置される。この変形例によるリール制動機構
も前述した実施の形態と同様に作用するが、この変形例
でのスライド板10L、10Rの移動ストロークは、前述の実
施の形態におけるそれに比して長くなる。
(第2実施の形態−図5〜図8) 前述の実施の形態における押圧手段においては、各押
圧片10aは対応するスライド板10L、10Rと一体形成され
ているものとして説明した。しかし第2実施の形態にあ
っては、押圧片はソレノイドプランジャーの移動に応動
して、当該押圧片の長手方向と平行な軸を中心として枢
動するように構成されている。以後、供給リール5L側の
対応するリール制動機構における押圧手段についてのみ
詳述する。
この実施の形態における板状押圧片10aの両端はそれ
自体の本体とは直交する曲端に形成されている。この押
圧片10aは、該押圧片10aの長さより大きい距離だけ隔て
てシャーシ1に形成されている一対の耳片1aに押圧片10
aの対応する曲端が支軸20Lで連結された状態で、シャー
シ1上に枢動自在に装着されている。従って、この押圧
片は支軸20Lを中心として図7に示した押圧位置と図8
に示した解放位置との間を枢動する。
ソレノイドプランジャー11aとこの押圧片10aとは、そ
のほぼ中間部がシャーシ1上の支軸23Lに回動自在に装
着した回動レバー24Lを介して連結されている。詳述す
れば、回動レバー24Lの一端には支承穴24aが形成されて
おり、押圧片10aのほぼ中間部に当該押圧片10aとは直交
するように植設した係止棒22Lがこの支承穴24aに遊嵌さ
れている。また、回動レバー24Lの他端は引張バネ12Lと
連結されているので、当該回動レバー24Lはこの引張バ
ネ12Lの作用により、支軸23Lを中心として反時計方向に
常時付勢されている。このように回動レバー24Lが反時
計方向に付勢されていると、押圧片10aは図8に示すよ
うに解放位置に設定されている。従って、この状態では
制動レバー7Lは係合位置にあって、引張バネ8Lの作用で
その第1アーム7aを介して供給リール5Lに制動力を作用
させている。
引張バネ12Lに抗する回動レバー24Lの支軸23Lを中心
とする時計方向への回動、即ち、押圧片10aの図7に示
した押圧位置への枢動は、ソレノイドプランジャー11a
の後退に応動して行われる。そのために、ソレノイドプ
ランジャー11aの先端は回動レバー24Lの前記他端と支軸
23Lの間の部分に枢動自在に連結されている。
図5から図8に示した実施の形態においては、ソレノ
イドユニット11Lが励磁するとソレノイドプランジャー1
1aが後退して、押圧片10aが押圧位置へ枢動して制動レ
バー7Lの第2アーム7bを押勢し、それにより制動レバー
7Lが枢支軸6Lを中心として時計方向に非係合位置へ回動
することにより、供給リール5Lに対する制動力を解放す
るようになっている一方、ソレノイドユニット11Lが非
励磁になってソレノイドプランジャー11aが前進する
と、押圧片10aは解放位置へ枢動し、それにより制動レ
バー7Lは枢支軸6Lを中心として引張バネ8Lに抗して反時
計方向に係合位置へ回動することにより、供給リール5L
に制動力を作用させている。即ち、ソレノイドユニット
11Lの励磁、非励磁に応動して供給リール5Lがそれぞれ
自由回転状態、制動状態に設定されるように構成してい
る。
しかし、ソレノイドユニット11Lの励磁、非励磁に応
じてソレノイドプランジャー11aがそれぞれ前進、後退
するようにすることも、ビデオテープレコーダの回路構
成に応じて採用できる。
(第3実施の形態−図9〜図11) この実施の形態は、押圧手段の構成が前述した実施の
形態におけるのと異なっている。従って、供給リール5L
に対応する押圧手段についてのみ詳述するが、同一構成
の押圧手段が巻取りリール5R側にも設けられている。
図9から図11に示した、供給リール5Lの位置とは無関
係に制動レバー7Lを引張バネ8Lに抗して非係合位置へ回
動させる押圧手段では、押圧位置と解放位置との間を回
動自在な押圧部材30Lを用いている。この押圧部材30L
は、標準カセット位置とコンパクトカセット間での平行
案内棒2Lに沿った巻取りリール5Lの移動距離に相当する
長さを有し、かつ、平行案内棒2Lと平行に延在する板状
押圧片30aと、該押圧片30aの一端部と一体形成されてそ
の一端部からそれとは直交して延在する本体30bと、前
記押圧片30aとは反対側の本体30bの端部に一体形成され
た一対の支承耳片30cとを備えている。
押圧部材30Lの本体30bは、押圧片30aと一体化してそ
れとは直交する方向に延在し、かつ、例えばスロットの
如くの受承穴30dが形成された直交部30eと、押圧片30a
とは反対側において直交部30eから延在し、前記一対の
支承耳片30cを備えた脚部30fとが形成されている。この
本体30bにおける支承耳片30cは対応するブラケット35a
に支軸31Lを介して枢動自在に連結されているので、押
圧部材30Lはこの支軸31Lを中心として図10に示した解放
位置と図11に示した押圧位置との間を回動し得るように
なっている。尚、押圧部材30Lを前述のように支持する
ブラケット35aは、シャーシ1の一部であってもよく、
または、図示のようにシャーシ1とは別部材の、ソレノ
イドユニット11Lをも担持し、押圧手段を組み立てた後
にシャーシ1に装着される仮状フレーム35Lの一部であ
ってもよい。
ソレノイドプランジャー11aと押圧部材30Lとの間に
は、プランジャー11aの動きを押圧部材30Lに伝達する回
動レバー32Lが介在している。この回動レバー32Lは、シ
ャーシ1もしくは前記フレーム35Lと一体形成、もしく
は、それに植設したポスト35bの自由端に枢支ピン32aを
介して回動自在に支持されている。押圧部材30Lに近接
する回動レバー32Lの一端には作動ピン33Lが、当該回動
レバー32Lの長手方向とは直交する方向に延在し、か
つ、押圧部材30Lにおける受承穴30dに臨むように連結さ
れている。また、ソレノイドユニット11Lに近接する前
記回動レバー32Lの他端は、作動ピン33Lと同一方向に延
在する連結片32bを形成すべく曲折されており、この連
結片32bを介してソレノイドプランジャー11aの自由端に
枢支連結されている。
このような押圧手段は、ソレノイドプランジャー11a
が突出すると、回動レバー32Lが図9からみて枢支ピン3
2aを中心として時計方向に回動するが、逆にソレノイド
プランジャー11bが後退すると反時計方向に回動するよ
うに構成されている。しかし、シャーシ1もしくはフレ
ーム35或いはポスト35bと回動レバー32Lとの間には付勢
手段が設けられているので、この付勢手段の作用により
回動レバー32Lは枢支ピン32aを中心として常時時計方向
に付勢されており、従って、ソレノイドプランジャー11
bは突出位置に保たれている。この付勢手段としては、
前記実施の態様のおけるが如く引張バネでもよいが、図
示の実施の態様ではポスト35bに巻装した捻りバネ34Lを
用いている。
回動レバー32Lが前述のように時計方向に付勢されて
いるときでの作動ピン33Lと押圧部材30Lとの関係を図10
に示す。図示のように、回動レバー32Lが時計方向に付
勢されていると、作動ピン33Lの先端は押圧部材30Lの脚
部30fの部分であって、受承穴30dに臨む部分と当接し
て、押圧部材30Lを支軸31Lを中心として解放位置へ押勢
している。言うまでもなく押圧部材30Lがこのように解
放位置へ押勢されていると、前述の実施の形態における
のと同様に制動レバー7Lは引張バネ8Lの作用により係合
位置に設定されて、供給リール5Lは停止されている。
ソレノイドプランジャー11aが後退すると回動レバー3
2Lは捻りバネ34Lに抗して枢支ピン32aを中心として反時
計方向に回動するが、この時の状態を図11に示す。図11
に示すように、作動ピン33Lは回動レバー32Lの反時計方
向への回動に伴って、押圧部材30Lの押圧片30aに後ろ側
から当接して押圧部材30Lを支軸31Lを中心として押圧位
置へ回動させることになり、制動レバー7Lは引張バネ8L
に抗して非係合位置に設定され、供給リール5Lは自由回
転状態となる。
ところで、図11に明確に示したように、押圧部材30L
が押圧位置に定置されると、作動ピン33Lは押圧片30aと
平行状態になり、しかも、押圧片30aの幅一杯と接触す
るようにするのが望ましい。この場合、回動レバー32L
の時計方向への回動により回動レバー32Lから作動ピン3
3Lを介して押圧部材30Lに伝達される押圧力が、無駄な
く制動レバー7Lに伝達される利点がある。しかも、回動
レバー32Lが捻りバネ34Lに抗して反時計方向に回動し、
押圧部材30Lが解放位置に設定されると、図10に示すよ
うに作動ピン33Lの先端が押圧部材30Lの脚部30fの部分
であって、受承穴30dに臨む部分と当接した状態を保つ
ようにすれば、制動レバー7Lの第2アーム7bの自由端と
押圧片30aとの間隔を一定に保つことができる。
尚、図9から図11に示した実施の形態においては、押
圧部材30Lの枢動中心である支軸31Lを、押圧部材30Lが
図11に示すように押圧位置にある時での作動ピン33Lの
直下よりもソレノイドユニット11L側に捻れたところに
定めている。しかし、図12に示すように、押圧部材30L
が押圧位置にあるときでの作動ピン33Lの直下に位置す
るようにすれば、押圧片30aから制動レバー7Lの第2ア
ーム7bに作用する押圧力が押圧片30aの面に対して直交
する方向に確実に作用する利点がある。
産業上の利用可能性 ここまで本発明の幾つかの好ましい実施の形態を詳述
するに当たっては、押圧手段の駆動源としてソレノイド
ユニットを用いたものとして説明した。しかし、可逆電
動モーターを利用してもよく、その場合モーターのシャ
フトの回転運動を歯車、ラックなどを利用してスライド
板もしくは回動レバーを動かすようにすることも考えら
れる。更に、標準カセット位置とコンパクトカセット位
置との間での供給及び巻取りリールの移動は、必ずしも
同期していなくてもよく、互いに時間的ずれをもたせて
もよい。
また、本発明の好ましい実施の形態を説明するに当た
っては、VHSビデオテープレコーダに用いる標準カセッ
トとコンパクトカセットとを念頭に置いて説明したが、
本発明はそのような特定のカセットを利用するビデオテ
ープレコーダに限らず、他の磁気テープ記録再生装置に
も適用できるものである。例えば、当該磁気テープ記録
再生装置が比較的大きい磁気テープカセットと比較的小
さい磁気テープカセット、それに両者のほぼ中間サイズ
のカセットとの三種のカセットに対応するようになって
いるのであれば、供給及び巻取りリールとしては三位置
の何れかに選択的に設定できるようにすることもあり得
る。
または、一台の磁気テープ記録再生装置が異なった規
格の磁気テープに対して情報記録再生ができるように構
成されているのであれば、しかも、その規格の異なった
磁気テープがそれぞれ寸法の異なったカセットに収納さ
れているのであれば、そのような磁気テープ記録再生装
置にも本発明が適用できるのは言うまでもない。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1及び第2リールと該第1及び第2リー
    ルをそれぞれ回転自在に支持する第1及び第2リール支
    持ベースとを備え、ある寸法の第1カセットにおけるハ
    ブ間距離に対応する第1カセット位置と前記ある寸法と
    は異なった寸法の第2カセットにおけるハブ間距離に対
    応する第2カセット位置との少なくとも二位置間を前記
    第1及び第2リールが対応する第1及び第2リール支持
    ベースと共にそれぞれの直線軌道に沿って同期調節自在
    に装着されてなる磁気テープ記録再生装置のリール制動
    機構において、各リール支持ベースに支軸を介して枢動
    自在に支持された、対応するリールと係合自在な第1ア
    ーム並びに前記支軸を中心として第1アームとは反対側
    に第2アームとを有し、前記第1アームが対応するリー
    ルと係合して停止させる係合位置と、前記第1アームが
    対応するリールとは離間する非係合位置との間を移動自
    在な制動レバーと、磁気テープ記録再生装置のシャーシ
    上に第1及び第2リールのそれぞれに対して設けられ、
    駆動源と該駆動源により動作させられる押圧部材とから
    なる押圧手段とを備え、前記押圧部材はリールの位置に
    関わらず前記第2アームを押圧することにより制動レバ
    ーを前記非係合位置に移動させて第1アームを対応する
    リールから離間させるようになっており、前記第1及び
    第2リールに対応するそれぞれの前記押圧手段は互いに
    個別のタイミングで駆動されるように構成したことを特
    徴とするリール制動機構。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のものであって、前記押圧
    部材が、前記第2アームと当接して前記制動レバーを非
    係合位置に設定する押圧位置と、前記第2アームとは当
    接しない解放位置との間を移動自在なスライド板からな
    り、該スライド板は、対応するリールの位置とは無関係
    に前記第2アームと当接自在な押圧片を有してなるのを
    特徴とするリール制動機構。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のものであって、前記スラ
    イド板の押圧位置と解放位置との間の移動方向が対応す
    るリールの第1及び第2カセット位置間での移動方向と
    直交していることを特徴とするリール制動機構。
  4. 【請求項4】請求項2に記載のものであって、前記スラ
    イド板の押圧位置と解放位置との間の移動方向が対応す
    るリールの第1及び第2カセット位置間での移動方向に
    対して傾斜していることを特徴とするリール制動機構。
  5. 【請求項5】請求項2または3に記載のものであって、
    前記スライド板は前記押圧位置に第2付勢手段により常
    時付勢されていることを特徴とするリール制動機構。
  6. 【請求項6】請求項1に記載のものであって、前記押圧
    部材が、対応するリールの位置とは無関係に前記第2ア
    ームと当接して前記制動レバーを非係合位置に設定する
    押圧位置と、前記第2アームとは当接しない解放位置と
    の間を枢動自在であり、前記駆動源は互いに異なった第
    1及び第2状態を取るソレノイドユニットであり、前記
    駆動源と前記押圧部材との間に介在して、前記駆動源が
    第1状態を取ると前記押圧部材を前記押圧位置に設定す
    るが、第2状態を取ると前記押圧部材を前記解放位置に
    設定する回動レバーを備えたことを特徴とするリール制
    動機構。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のものであって、前記回動
    レバーは第3付勢手段により前記押圧位置に常時付勢さ
    れていることを特徴とするリール制動機構。
  8. 【請求項8】請求項6または7に記載のものであって、
    前記回動レバーはそのほぼ中間部において枢動自在に支
    持されており、一端は前記押圧部材と、また、他端は前
    記駆動源に連結されていることを特徴とするリール制動
    機構。
  9. 【請求項9】請求項6または7に記載のものであって、
    前記回動レバーはそのほぼ中間部において枢動自在に支
    持されており、一端には作動ピンが、他端には前記駆動
    源に連結されてなり、而して、前記作動ピンが前記押圧
    部材を移動させるようにしてなることを特徴とするリー
    ル制動機構。
  10. 【請求項10】請求項9に記載のものであって、前記押
    圧部材は、前記第1及び第2カセット位置の間での対応
    するリールの移動距離に相当する長さの板状押圧片と、
    該押圧片の一端部と一体形成されてその一端部からそれ
    とは直交して延在し、かつ、前記作動ピンが遊嵌される
    受承穴を有する本体と、前記押圧片とは反対側の本体の
    端部に一体形成された一対の支承耳片とからなることを
    特徴とするリール制動機構。
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