JP3288472B2 - 光電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

光電変換素子およびその製造方法

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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば太陽電池などの
光照射により起電力を発生する光電変換素子、特に有機
化合物からなる光電変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機化合物を用いた光電変換
素子として、フタロシアニン、クロロフィル、メロシア
ニン色素、ポリビニルカルバゾール−トリニトロフルオ
レノン錯体などの有機半導体材料で構成された有機半導
体層を2種類の金属電極などで挟み、ショットキー障壁
による電位勾配によって電荷分離する構造のものが提案
されている。(Journal of Chemica
l Phisics、第62巻、第2139頁、197
5年; Applied Phisics Lette
rs、第25巻、第664頁、1974年; Jour
nal ofApplied Phisics、第46
巻、第5218頁、1975年;Molecular
Crystals and Liquid Cryst
als、第50巻、第127頁、1979年;および
Preprint of Tokyo Symposi
um on Photography、第147頁、1
980年)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の光電変
換素子は、有機半導体材料の光電荷生成の効率とキャリ
ア移動度が小さく、光電変換効率が2%以下であり、非
常に小さいという問題点を有していた。本発明は、以上
のような問題点を解決するためになされたものであり、
光電変換効率の高い有機半導体材料を用いた光電変換素
子を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の光電変換素子は、自発分極を有する有機半
導体層と、有機半導体層の自発分極方向に平行でない2
つの表面にそれぞれ接するように設けられた2つの電極
とを備え、前記2つの電極層のうち少なくとも一方
透明電極層であり、有機半導体層は、置換または非置換
のカルバゾリル基を有する高分子化合物と電子受容性物
質の混合物を含む材料により形成された構成とする。上
記構成において、有機半導体層の材料は電荷生成材料を
含むものであることが好ましい。また、2つの電極層の
材質が異なることが好ましい。また好ましくは、本発明
の光電変換素子は、透明基板上に透明電極層を有し、透
明電極層上に、置換または非置換のカルバゾリル基を有
する高分子化合物と電子受容性物質の混合物を含有する
有機半導体層を有し、有機半導体層上に対向電極層を有
し、前記有機半導体層が分極している構成を有する。
た、本発明の光電変換素子の製造方法は、 (1)透明基板上に透明電極層を設ける工程と、 (2)透明電極層上に置換または非置換のカルバゾリル
基を有する高分子化合物と電子受容性物質の混合物の溶
液を塗布し乾燥して有機半導体層を形成する工程と、 (3)有機半導体層上に対向電極層を形成する工程と、 (4)有機半導体層を加熱条件下で分極させる工程とを
含むように構成されている。
【0005】
【作用】一般に、有機半導体材料の光電荷生成の効率お
よびキャリア移動度は、無機半導体材料に比べて低い。
しかし、光電荷生成の効率およびキャリア移動度は電界
依存性が大きく、高電界を印加した場合には光電荷生成
の効率およびキャリア移動速度が向上することが知られ
ている。ところで、光電変換素子の光電変換効率を向上
させるために、外部から高電界を印加することは無意味
である。本発明では、自発分極を有する材料を用いて有
機半導体層を形成し、有機半導体層に内部電界を形成さ
せるように構成したので、光電荷生成の効率およびキャ
リア移動速度が従来のものと比較して向上する。その結
果、光電変換素子の光電変換効率が向上する。また、有
機半導体層の材料が、置換または非置換のカルバゾリル
基を有する高分子化合物と電子受容性物質の混合物を含
むものである場合には、キャリアとして正孔ばかりでな
く電子も寄与するので、電荷分離効率が向上する。その
結果、光電変換効率が向上するとともに、広い範囲の波
長の可視光を利用して光電変換が行われる。また、有機
半導体層の材料が電荷生成材料を含む場合には、より高
い効率で電荷生成が行われるので、光電変換効率が向上
する。また、2つの電極層材質が異なる場合には、電極
界面でのショットキー障壁による電位勾配により、電極
への電荷の取り出しがより効率よく行われるので、光電
変換効率が向上する。
【0006】また、本発明の光電変換素子の製造方法
は、透明基板上に透明電極層を設ける工程と、透明電極
層上に置換または非置換のカルバゾリル基を有する高分
子化合物と電子受容性物質の混合物の溶液を塗布および
乾燥して有機半導体層を形成する工程と、有機半導体層
上に対向電極層を形成する工程と、有機半導体層を加熱
条件下で分極する工程を含むように構成したので、この
方法により容易に自発分極を有する有機半導体層が形成
される。その結果、光電変換効率の高い光電変換素子が
製造される。
【0007】
【実施例】本発明の光電変換素子を、その好適な実施例
を用いて説明する。図1は第1の実施例の構成を示す側
部断面図であり、図2は第2の実施例の構成を示す側部
断面図であり、また図3は第3の実施例の構成を示す側
部断面図である。
【0008】図1に示す第1の実施例においては、電極
層2の1つの表面上に形成された有機半導体層1と、さ
らにその有機半導体層1の表面上に形成された透明電極
層3を有するように構成されている。有機半導体層1
は、図中矢印4で示す方向に自発分極を有するように形
成されている。すなわち、有機半導体層1の自発分極方
向4に平行でない2表面に接するように設けられた電極
層2または3のうち少なくとも一方を透明電極層3とす
る構成である。この第1の実施例の場合、光線は矢印A
で示すように透明電極層3の表面に入射する。また、電
極層2は基板を兼ねるように構成されているため、他の
有機半導体層1または透明電極層3よりも厚くなるよう
に形成されている。
【0009】図2に示す第2の実施例においては、透明
基板5の1つの表面上に形成された透明電極層3と、透
明電極層3の上に形成された有機半導体層1と、有機半
導体層1の上に形成された電極層2とを有するように構
成されている。有機半導体層1は、第1の実施例と同様
に図中矢印4で示す方向に自発分極を有するように形成
されている。また、この第2の実施例の場合、光線は矢
印Bで示すように、透明基板5の表面に入射し、さらに
透明基板5を透過して透明電極層3に入射する。また、
透明基板5が基板の役割を果すため、第1の実施例と比
較して電極層2は薄く形成しても十分に機能する。
【0010】図3に示す第3の実施例においては、図2
に示す第2の実施例の構成にさらに、電極層2の上に基
板6を設けたものである。すなわち、透明電極層3が形
成された透明基板5と電極層2が形成された基板6と
で、透明電極層3と電極層2とが対向するように有機半
導体層1を挟むように構成されている。有機半導体層1
は、他の実施例と同様に図中矢印4で示す方向に自発分
極を有するように形成されている。また、第2の実施例
の場合と同様に、光線は矢印Bで示すように、透明基板
5の表面に入射し、さらに透明基板5を透過して透明電
極層3に入射する。また、透明基板5および基板6が基
板の役割を果すため、他の実施例と比較して機械的強度
が向上する。
【0011】有機半導体層1は自発分極を有していなけ
ればならないので、その材料は双極子モーメントがゼロ
でない分子構造を有する化合物を含有している必要があ
る。しかし、有機半導体層1の材料を構成する化合物の
全てが、必ずしも1分子として双極子モーメントがゼロ
でない分子構造を有している必要はない。即ち、有機半
導体層1の材料は、少なくとも光吸収によって電荷を生
成する成分と、生成した電荷をキャリアとして移動でき
る成分、または光吸収による電荷生成と電荷移動の双方
が可能な成分を含有し、またバインダや分散剤などを含
有していてもよい。そして、これらの成分のうち、いず
れかの双極子モーメントがゼロでなく、かつ材料全体の
内部で反平行でない特定の方向に配向していればよい。
この特定方向への配向は、有機半導体層形成後の分極
や、配向膜や気相製膜プロセスの制御など、層形成時の
配向制御によって達成することができる。
【0012】光吸収によって電荷を生成する材料として
は、クロロフィル、フタロシアニン、メロシアニン色素
のほか、ビスアゾ顔料、ペリレン顔料、ジチオケト−ピ
ロロール、スクワリリウム色素、アズレニウム色素、チ
オピリリウム色素などの電子写真法における感光体の電
荷生成材料として知られる各種化合物を使用することが
出来る。
【0013】生成した電荷をキャリアとして移動できる
材料としては、ポリビニルカルバゾール、オキサジアゾ
ール系色素、ピラゾリン系色素、オキサゾール系色素、
ヒドラゾン系色素、スチルベン系色素、トリフェニルメ
タン系色素、トリフェニルアミン系色素などの電子写真
法における感光体の電荷輸送材料として知られる各種化
合物を使用することが出来る。
【0014】光吸収による電荷生成と電荷移動の双方が
可能な材料としては、ポリビニルカルバゾール−TNF
錯体、チオピリリウム色素ービスフェノールA型ポリカ
ーボネート共晶体などを使用することが出来る。
【0015】特に、カルバゾリル基を有する高分子化合
物はポリビニルカルバゾールに限らず、トリニトロフル
オレノン、テトラニトロフルオレノン、トリニトロフル
オレリニデンマロノニトリル、テトラシアノベンゼン等
の電子受容性物質と共存した場合には、電荷生成と電荷
輸送が可能であり、また電荷移動錯体を形成することに
よる分光増感も可能である。この場合、電子(アニオン
ラジカル)もキャリアになり得るので、電荷分離が効率
よく行われ、光電変換効率が向上する。
【0016】以上のように、光吸収による電荷生成と電
荷移動の双方が可能な材料の使用は、光電変換効率の向
上に有利である。一方、電荷生成効率に関して比較した
場合、上述した電荷生成材料は他の材料よりも効率が比
較的高いので、これを有機半導体層1の材料の中に含有
させることにより、光電変換効率の向上を図ることがで
きる。
【0017】バインダとしては、ポリカーボネート、
(メタ)アクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリビ
ニルホルマール、ポリビニルブチラールなどの一般的な
バインダー材料は勿論のこと、シアン化ビニリデン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ弗化ビニリデン、弗化ビニリデ
ン−三弗化エチレン共重合体などの強誘電性高分子材料
や、大きい双極子モーメントを有する分子内電荷移動型
染料の構造を主鎖や側鎖の一部として有する高分子化合
物も用いることができる。これらのバインダは、有機半
導体層1に自発分極を発生させる上で、非常に有用であ
る。
【0018】分散剤は、電荷生成材料などが有機半導体
層1の材料全体に分散し難い場合などに用いられるもの
であり、脂肪酸アミドなどの各種の界面活性剤を適宜選
択し、使用する。
【0019】電荷を移動できる材料もしくは光吸収によ
る電荷生成と電荷の移動が可能な材料またはバインダが
双極子モーメントを有する高分子化合物である場合に
は、通常は有機半導体層1の形成後の分極によって自発
分極を発生させる。
【0020】有機半導体層1の少なくとも片面に(透
明)電極層3がある場合、有機半導体層1の材料全体が
熱変形し得る温度近傍まで加熱し、この状態で、コロナ
帯電させることによって分極を発生させる。さらに、分
極状態のまま室温程度まで冷却し、有機半導体層1を分
極状態のまま固定する。結果的に、有機半導体層1は自
発分極を有することになる。但し、有機半導体層1はキ
ャリアが移動し易いので、キャリア移動度が非常に大き
い場合には帯電圧が十分高くならないこともある。従っ
て、帯電させるコロナの極性には注意が必要である。す
なわち、正孔が移動しやすい材料ではマイナス帯電を、
また電子(アニオンラジカル)が移動し易い材料ではプ
ラス帯電をさせるべきである。
【0021】有機半導体層1の両面に透明電極層3およ
び電極層2が設けられている場合には、有機半導体層1
の材料全体が熱変形し得る温度近傍まで加熱し、この状
態で両電極層2および3の間に電圧を印加させることに
より分極を発生させる。さらに、分極状態のまま室温程
度まで冷却し、有機半導体層1を分極状態のまま固定す
ることにより、有機半導体層1は自発分極を有すること
になる。
【0022】透明電極層3の材料としては、ITO、S
nO2、ZnOなどなどの酸化物導電材料を使用するこ
とができ、また光線透過率を高くした金属薄膜であって
もよい。一方、電極層2の材料としては、金、銀、銅、
アルミニウム、クロム、鋼などの各種金属材料を使用す
ることができることは勿論のこと、ITO、SnO2
ZnOなどの透明電極層3の材料と同じものを使用して
もよい。これらの電極層2および3の厚さは、抵抗値が
高くなければ特に限定する必要はなく、通常数百オング
ストローム程度あれば十分である。電極層2の形成にあ
たっては、真空蒸着、スパッタリングなどの真空製膜法
やスプレーパイロリシスなどの湿式製膜法を用いること
ができる。図1に示す第1の実施例のように、電極層2
の厚さを非常に厚くし、素子を支持する基板を兼ねさせ
てもよい。以上のように、電極層2と透明電極層3とは
同じ材料で構成されていてもよいし、また異なった材料
で構成されていてもよい。しかし、有機半導体層1と電
極層2または透明電極層3との接触界面ではショットキ
ー障壁による電位勾配が形成されるので、有機半導体層
1の自発分極の方向(各図中矢印4で示す方向)と、有
機半導体層1と接触する電極層2または3の構成材料が
異なるように選択することにより、電極近傍で遅滞なく
電荷を電極側へ取り出せるようになり、光電変換効率を
より向上できる。
【0023】図2または図3に示す透明基板5の材料と
しては、光電変換したい波長の光線が透過しうるもので
あれば特に制限はなく、各種のガラス材料、石英、プラ
スチックなどを利用することができる。
【0024】図3に示す基板6は、光電変換素子の支持
および保護のためや光電変換素子を製造する上の利便性
のために設けられている。基板6の材料としては、前述
の透明基板材料の他、セラミック、着色ガラス、結晶材
料などの各種材料を使用することができる。
【0025】続いて本発明の光電変換素子の製造方法
を、例えば図2を参照しつつ説明する。本発明の光電変
換素子の製造方法は、(1)透明基板5上に透明電極層
3を設ける工程と、(2)透明電極層3上に置換または
非置換のカルバゾリル基を有する高分子化合物と電子受
容性物質の混合物を含有する溶液を塗布および乾燥して
有機半導体層1を形成する工程と、(3)有機半導体層
1上に対向電極層2を形成する工程と、(4)有機半導
体層1を加熱条件下で分極させる工程の4工程を含むよ
うに構成されている。
【0026】<第1の工程>まず、透明基板5上の透明
電極層3は、前述したように通常の真空製膜法または湿
式製膜法により形成される。
【0027】<第2の工程>続いて、透明電極層3上に
置換または非置換のカルバゾリル基を有する高分子化合
物と電子受容性物質の混合物を含有する溶液を塗布し乾
燥して有機半導体層1を形成する工程において、溶液の
調製は少なくとも置換または非置換のカルバゾリル基を
有する高分子化合物と電子受容性物質の混合物を溶解で
きる溶媒にと混合撹拌することによって得られる。
【0028】置換または非置換のカルバゾリル基を有す
る高分子化合物が、アミド結合、ウレタン結合、尿素結
合など水素結合性の結合を多く含まない場合には、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ト
ルエン、ベンゼンなど芳香族系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、
クロロホルム、ジクロロエタン、クロルベンゼンなどの
ハロゲン系溶媒、あるいはこれらの混合溶媒によって溶
解することができる。
【0029】なお、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシドなどの極性溶媒は、溶解力は強いものの揮発
性が極端に低く、有機半導体層1内に残留しやすい。そ
のため、これらの溶媒を用いて光電変換素子を製造した
場合、素子の性能の低下を招くおそれがあるので、あま
り使用には適していない。また、上記溶液は不溶性の電
荷生成材料などを含有していてもよい。これら不溶材料
を含んでいる場合は分散が性能に関与するので、ボール
ミルなどの方法でよく分散する。
【0030】以上のようにして調製された溶液は、スピ
ンコーティング、ディッピング、ワイヤーバー、ブレー
ドコーティングなどの各種の方法で透明電極層3の上に
塗布され、その後、熱風などで乾燥される。その結果、
透明電極層3の上に有機半導体層1が形成される。
【0031】<第3の工程>真空製膜法を用いて、金、
銀、銅、アルミニウム、クロム、鋼などの各種金属材料
やITO、SnO2、ZnOなどの酸化物導電体材料の
膜からなる対向電極層2を有機半導体層1の上に形成す
る。この際、対向電極層2と透明電極層3とが短絡しな
いように、透明電極層3からのリード部分を除いてレジ
スト等で被うようにすることが好ましい。なお、スプレ
ーパイロリシスなどの湿式製膜法は、通常被製膜材料を
加熱した状態で行う必要があるので、有機半導体層1の
上に対向電極層2を製膜する場合には適さない。また、
対向電極層2は、透明電極層3の露出している部分とも
短絡しないように形成する必要がある。
【0032】<第4の工程>前述したように、有機半導
体層1を加熱条件下でコロナ帯電させるか、または電極
層2および3の間に電界を印加することにより、有機半
導体層1を分極させる。なお、第3の工程と第4の工程
の順序を逆にしても同様の光電変換素子を製造すること
ができる。
【0033】さらに、本発明の基づいて実際に作製した
光電変換素子およびその条件について、より具体的に説
明する。
【0034】(作製例1)シアン化ビニリデン−酢酸ビ
ニル共重合体6重量部、ビス(4−N、N−ジメチルア
ミノ−2−メチルフェニル)−4−N、N−ジメチルア
ミノフェニルメタン4重量部をテトラヒドロフラン20
重量部に溶解した後、τ型フタロシアニン4重量部を添
加して48時間ボールミルを行い分散させた。この溶液
をITOを製膜したガラス基板上にスピンコーティング
し、約2μmの有機半導体層を形成した。有機半導体層
が設けられたガラス基板をホットプレート上に設置し、
80℃に加熱した時点で マイナスにコロナ帯電させて
そのまま1時間分極した。その後、コロナ帯電を継続し
たままホットプレートのヒータを切り、2時間かけて室
温まで放冷した。続いて、有機半導体層の上に金を約2
00オングストローム蒸着して電極層を形成し、光電変
換素子とした。作製した光電変換素子にガラス基板側か
ら光を入射させて電流を測定したところ、約1%の光電
変換効率であった。
【0035】(作製例2)2N−メタクリロイルエチル
カルバゾリリ−3−デン−4−シアノアニリンのホモポ
リマ10重量部、トリニトロフルオレノン8重量部をテ
トラヒドロフラン30重量部に溶解し、この溶液をIT
Oを製膜したガラス基板上にスピンコーティングし、約
1μmの有機半導体層を形成した。有機半導体層が設け
られたガラス基板をホットプレート上に設置し、80℃
に加熱した時点で マイナスにコロナ帯電させてそのま
ま1時間分極した。その後、コロナ帯電を継続したまま
ホットプレートのヒータを切り、2時間かけて室温まで
放冷した。続いて、有機半導体材料層の上に金を約20
0オングストローム蒸着して電極層を形成し、光電変換
素子とした。作製した光電変換素子にガラス基板側から
光を入射させて電流を測定したところ、約2%の光電変
換効率であった。
【0036】(作製例3)シアン化ビニリデン−酢酸ビ
ニル共重合体6重量部、DEH4重量部をテトラヒドロ
フラン20重量部に溶解した溶液をITOを製膜したガ
ラス基板上にスピンコーティングし、約2μmのフィル
ムを形成した。このフィルムの上にペリレン顔料を蒸着
しこの顔料の層約0.1μmを形成した。続いてシアン
化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体6重量部、トリニト
ロフルオレノン4重量部をテトラヒドロフラン20重量
部に溶解した溶液を別のITOを製膜したガラス基板上
にスピンコーティングし、約1μmのフィルムを形成し
た。上記で得られた2枚のガラス基板を形成したフィル
ム面が対向するようにして重ね、ホットプレート上に設
置し、その上に100gの分銅をおいた。このまま、8
0℃に加熱し、両電極層間に150Vを印加しそのまま
1時間分極した。その後、電圧印加を継続したままホッ
トプレートのヒータを切断し、2時間かけて室温まで放
冷し、光電変換素子とした。作製した光電変換素子に光
を入射させて電流を測定したところ、約1%の光電変換
効率であった。
【0037】(参考例)ポリビニルカルバゾール10重
量部、トリニトロフルオレリリニデンマロノニトリル8
重量部をテトラヒドロフラン30重量部に溶解し、この
溶液をITOを製膜したガラス基板上にスピンコーティ
ングし、約2μmの有機半導体材料層を形成した。続い
て、有機半導体材料層の上に金を約200オングストロ
ーム蒸着して電極層を形成し、光電変換素子とした。作
製した光電変換素子にガラス基板側から光を入射させて
電流を測定したところ、約0.02%の光電変換効率で
あった。
【0038】(各作製例と参考例との比較)上記のよう
に本発明に基づいて作製した光電変換素子は、参考例と
比較して、光電変換効率が高いことがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、自発分極
を有する材料を用いて有機半導体層を形成し、有機半導
体層に内部電界を形成させるように構成したので、光電
荷生成の効率およびキャリア移動速度が従来のものと比
較して向上し、光電変換素子の光電変換効率が向上する
という効果を有する。。また、有機半導体層の材料が、
置換または非置換のカルバゾリル基を有する高分子化合
物と電子受容性物質の混合物を含むものである場合に
は、キャリアとして正孔ばかりでなく電子も寄与するの
で、電荷分離効率が向上し、光電変換効率がさらに向上
するという効果を有する。また、有機半導体層の材料が
電荷生成材料を含む場合には、より高い効率で電荷生成
が行われ、光電変換効率が向上するという効果を有す
る。また、2つの電極層の材質が異なる場合には、ショ
ットキー障壁による電位勾配により電極への電荷の取り
出しが効率よく行われるので、光電変換効率が向上する
という効果を有する。
【0040】また、本発明の光電変換素子の製造方法
は、透明基板上に透明電極層を設ける工程と、透明電極
層上に置換または非置換のカルバゾリル基を有する高分
子化合物と電子受容性物質の混合物の溶液を塗布および
乾燥して有機半導体層を形成する工程と、有機半導体層
上に対向電極層を形成する工程と、有機半導体層を加熱
条件下で分極する工程を含むように構成したので、この
方法により容易に自発分極を有する有機半導体層が形成
され、光電変換効率の高い光電変換素子を容易に製造す
ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光電変換素子の第1の実施例の構成
を示す側部断面図
【図2】 本発明の光電変換素子の第2の実施例の構成
を示す側部断面図
【図3】 本発明の光電変換素子の第3の実施例の構成
を示す側部断面図
【符号の説明】
1 … 有機半導体層 2 … 電極層 3 … 透明電極層 4 … 自発分極の方向 5 … 透明基板 6 … 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−119276(JP,A) 特開 平4−355974(JP,A) 特開 昭55−140277(JP,A) 特開 昭55−9497(JP,A) 特開 昭54−22187(JP,A) オランダ国特許出願公開第8105001号 明細書 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078 H01L 51/00 - 51/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自発分極を有する有機半導体層と、前記
    有機半導体層の自発分極方向に平行でない2つの表面に
    それぞれ接するように設けられた2つの電極層とを備
    え、 前記2つの電極層 のうち少なくとも一方が透明電極層で
    あり、 前記有機半導体層は、置換または非置換のカルバゾリル
    基を有する高分子化合物と電子受容性物質の混合物を含
    む材料により形成されたことを特徴とする 光電変換素
    子。
  2. 【請求項2】 有機半導体層を構成する材料は、電荷生
    成材料を含む請求項1記載の光電変換材料。
  3. 【請求項3】 2つの電極層の材質が異なる請求項1ま
    たは2記載の光電変換素子。
  4. 【請求項4】 透明基板上に透明電極層を有し、前記透
    明電極層上に、置換または非置換のカルバゾリル基を有
    する高分子化合物と電子受容性物質の混合物を含有する
    有機半導体層を有し、前記有機半導体層上に対向電極層
    を有する光電変換素子であって、前記有機半導体層が分
    極していることを特徴とする光電変換素子。
  5. 【請求項5】 (1)透明基板上に透明電極層を設ける
    工程と、 (2)透明電極層上に置換または非置換のカルバゾリル
    基を有する高分子化合物と電子受容性物質の混合物を含
    有する溶液を塗布および乾燥して有機半導体層を形成す
    る工程と、 (3)有機半導体層上に対向電極層を形成する工程と、 (4)有機半導体層を加熱条件下で分極させる工程とを
    含む光電変換素子の製造方法。
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