JPH05152594A - 光起電力素子 - Google Patents

光起電力素子

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JPH05152594A
JPH05152594A JP4010148A JP1014892A JPH05152594A JP H05152594 A JPH05152594 A JP H05152594A JP 4010148 A JP4010148 A JP 4010148A JP 1014892 A JP1014892 A JP 1014892A JP H05152594 A JPH05152594 A JP H05152594A
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JP
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electron
layer
organic material
material layer
conversion efficiency
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JP4010148A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ikuno
弘 生野
Kazukiyo Nagai
一清 永井
Masao Yoshikawa
雅夫 吉川
Tetsuo Suzuki
哲郎 鈴木
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は光センサー等にも有用な光起電力素
子に関する。 【構成】 少なくとも一方が透光性である2つの電極間
に、電子受容性有機物層、電子供与性有機物層を設け、
電子供与性有機物層が気相成長法で作製され、(イ)吸
収スペクトルにおいて、680±10、755±10、
805±10nmに吸収極大を有する処理を施した酸化
バナジウムフタロシアニン薄膜、あるいは(ロ)吸収ス
ペクトルにおいて、650±10、700±10、81
0±10nmに吸収極大を有する処理を施したマグネシ
ウムフタロシアニン薄膜を含むことを特徴とするもので
ある。 【効果】 本発明素子構成にりJsc、ffとして高い値
が得られ、有機光起電力素子としては高い変換効率が達
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光センサ−等にも有用
な光起電力素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機物を能動材料として用いた光起電力
素子が多く研究されている。その目的は、単結晶、多結
晶、アモルファスのSiでは達成が困難とされている、
安価で毒性のない光起電力素子を開発するためである。
【0003】光起電力素子は、光エネルギーを電気エネ
ルギー(電圧×電流)に変換する素子であるため、変換
効率がその主要な評価対象となる。光電流の生成には内
部電界の存在が必要であるが、内部電界を生成する方法
としていくつかの素子構成が知られている。能動材料と
して有機物を用いた場合の、各々の既知の構成での変換
効率のベストデ−タは以下の通りである。
【0004】1)ショットキー接合またはMIS型接合 金属/半導体接合で生じる内部電界を利用したもの。有
機半導体材料としてメロシアニン染料、フタロシアニン
顔料等が報告されている。
【0005】Al/メロシアニン/Ag素子に対する7
8mW/cm2の白色光照射で変換効率0.7%(Voc
=1.2V,Jsc=1.8mA/cm2,ff=0.2
5)が報告されている。(A.K.Ghoshら、J.
Appl.Phys.49,5982(1978)この
タイプの素子に用いられている有機半導体で変換効率が
高いものはp型に限定されている。従って、電極材料も
Al,In,Mg等の仕事関数が低いものが使用され
る。これらは容易に酸化される。
【0006】2)n型無機半導体/p型有機半導体接合
を利用したヘテロpn接合 n型無機半導体/p型有機半導体を接合したときに生じ
る内部電界を利用したもの。n型材料としてCdS,Z
nO等が用いられる。p型有機半導体材料としてメロシ
アニン染料、フタロシアニン等が報告されている。
【0007】ITO/電着CdS/塩素アルミニウムフ
タロシアニン/Au素子に対する75mW/cm2のA
M−2光照射で変換効率0.22%(Voc=0.69
V,Jsc=0.89mA/cm2,ff=0.29)が
ベストである(A.HorらAppl.Phys.Le
tt.,42.15(1983))。
【0008】3)有機/有機ヘテロ接合を利用したもの 電子受容性の有機物と電子供与性の有機物を接合したと
きに生じる電界を利用したもの。
【0009】前者の有機物としてマラカイトグリーン、
メチルバイオレット、ピリリウム等の染料、フラバンス
ロン、ペリレン顔料等の縮合多環芳香族化合物が報告さ
れており、後者の例として、フタロシアニン顔料、メロ
シアニン染料等が報告されている。
【0010】ITO/銅フタロシアニン/ペリレン顔料
/Ag素子に対する75mW/cm2のAM−2光照射
で変換効率0.95%(Voc=0.45V,Jsc=2.
3mA/cm2,ff=0.65)が報告されている。
(C.Tang Appl.Phys.Lett.,
,183(1986))。この値は有機物を用いた光
起電力素子では最高のものである。また、同じ発明者に
よる特公昭62−4871には、本素子構成で別種のペ
リレン顔料に対して変換効率1%(Voc=0.44V,
sc=3.0mA/cm2,ff=0.6)が報告され
ている。
【0011】有機物を用いた光起電力素子の変換効率
は、無機半導体を用いたものより低い。この要因として
最大のものは短絡光電流(Jsc)の低さである。変換効
率5%の素子では75mW/cm2の白色光照射に対
し、少なくとも10mA/cm2のJscが必要である。
前述のJscはそれよりもはるかに低い。この原因は、量
子効率の低さと、分光感度波長域の狭さにある。分光感
度波長は、400nmからなるべく長波長まで広がっている
ことが望ましいが、従来の例は特定波長域に限定されて
いる例が多い。
【0012】また、ffが小さい例が多い。ffの低さ
の原因の1つは有機半導体の示す量子効率が、低電界で
急激に低下することにあると言われている。従って、こ
の様な低下を来さないような強い内部電界が生成する構
成がffの向上に好ましい。さらに、生成電荷がエネル
ギ的な障壁なしにスムーズに電極に到達できる素子構成
がffを大きくする。これらの達成によりVocの向上も
図られるが、従来はこれらの点で十分な考慮がなされて
いない例が多かった。
【0013】更に加えると、報告されている有機光起電
力素子では、電極材料の化学的安定性の点でも問題があ
るものが多い。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のような観点から
前述の従来技術を検討する。
【0015】1)ショットキー接合またはMIS型接合 Vocは大きくとれるが、電極として金属材料が用いられ
ているため、電極の光透過率が低くなる。実際の光透過
率は、よくても30%、通常は10%前後である。また、こ
れらの材料は耐酸化性に乏しい。従って、この素子形態
では高い変換効率と安定した特性を作り出すことは望め
ない。
【0016】 2)無機半導体/有機半導体接合ヘテロpn接合 電荷生成は主として有機層でなされるため、分光感度の
制限を受ける。通常、有機層は単一の材料から形成され
るが、400から例えば800nmまで強い光吸収をもつ有機半
導体は現在存在しないからである。従って、この素子構
成では光入射電極の光透過性や、電極の安定性の問題は
クリアできるが、分光感度領域が狭いため、高い変換効
率は望めない。
【0017】3)有機/有機ヘテロpn接合 上記2種の構成と較べ、現在のところ最も望ましいもの
である。透明電極からの光照射が行え、また、2種の材
料で光電荷生成が可能であるため、分光感度も広げるこ
とができる。しかしながら、本構成をもってしても変換
効率は実用域にはほど遠い状況である。
【0018】又、本発明類似の技術としてマグネシウム
フタロシアニン(MgPc)の溶媒処理膜をCdS/M
gPcヘテロ接合を有する光起電力素子へ応用した例が
知られている。{Thin Solid Films,
106(1983)しかしながら、変換効率は0.12
8%と低く、無機半導体/有機半導体ヘテロpn接合型
のために上記欠点を有している。
【0019】変換効率を向上させる目下の最善の手段
は、3)で記載した構成を展開しながら、さらに有機層
の分光感度を広げ、有機層の配向性を制御し、高い変換
効率を与える有機層を探索することであると考えられ
る。
【0020】以上の点に鑑み、本発明の目的は、有機光
起電力素子として高い変換効率を与える素子を提供する
ことを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0022】その第1発明は、少なくとも一方が透光性
である2つの電極の間に、電子受容性有機物層と電子供
与性有機物層の積層を含む光起電力素子において、該電
子供与性有機物層が気相成長法で作製されたフタロシア
ニン誘導体薄膜を長波長側へのスペクトル変化を伴う処
理を施した後に、さらに同一組成である処理を施さない
フタロシアニン誘導体薄膜を積層する有機光起電力素子
である。又、第2発明は、少なくとも一方が透光性であ
る2つの電極の間に、電子受容性有機物層、電子供与性
有機物層の連続した層からなる部分を包含する構成から
なる光起電力素子において、電子供与性有機物層が気相
成長法で作製され、吸収スペクトルにおいて、680±
10、755±10、805±10nmに吸収極大を有
する処理を施した酸化バナジウムフタロシアニン薄膜を
含むことを特徴とする光起電力素子である。
【0023】本発明の第3発明は、第2発明と同様の光
起電力素子において、電子供与性有機物層が気相成長法
で作製され、吸収スペクトルにおいて、650±10、700±
10、810±10nmに吸収極大を有する処理を施したマグネ
シウムフタロシアニン薄膜を含むことを特徴とするもの
である。
【0024】本発明における電子受容性層と電子供与性
層の整流接合に基づく光起電力素子の構成の基本的な例
は、図1、図2および図3に示すとおりである。
【0025】ここで、支持体は背面電極側にあってもよ
い。また、電子受容性層と電子供与性層の順が逆であっ
てもよい。
【0026】本発明はさらに図4、図5、図6および図
7に示すように、透光性n型無機半導体層を設けてもよ
い。
【0027】気相成長法により作製された電子供与性有
機物層または電子供与性有機物層(1)のスペクトルを長
波長側へ変化させる処理法として、電子供与性有機物層
または電子供与性有機物層(1)を形成した後に熱処理す
る方法がある。熱処理温度は100℃から400℃の範
囲が適当であり、使用する材料によって最適温度は変化
する。例えば銅フタロシアニンでは280℃以上が必要
であり、塩化インジウムフタロシアニンでは100℃か
ら200℃が適当である。加熱は大気下、減圧下、窒素
等の不活性ガス下で行うことができるが、減圧下および
不活性ガス下で行うのが好ましい。熱処理は他の有機層
を形成後、あるいは素子が完成してから実施してもよ
い。他の処理法として、有機溶媒中あるいは有機溶媒蒸
気にさらす方法がある。ここで用いられる有機溶媒とし
ては、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロルメタン、
1,2−ジクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタ
ン、モノクロルベンゼン等のハロゲン系溶媒、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセト
ン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の
アミン系溶媒、アセトニトリル等を挙げることができ
る。有機溶媒による処理では他の有機層を形成後、ある
いは素子が完成してから実施してもよい。
【0028】本発明のフタロシアニンの薄膜形成とし
て、蒸着やスパッタリング等の気相法が挙げられる。ス
パッタリングはターゲットの作製や、成膜条件を適切に
選択しないと成膜中に化学反応が生じる等の問題があ
り、蒸着法が特に好ましい。蒸着は、所定の化合物をタ
ンタルやモリブデンのボートあるいはアルミナのルツボ
等に投入し、通常、10-5〜10-7Torrの真空下で
ボートを加熱することで容易に行える。
【0029】本発明に適用される本層の厚さは、50〜
3000Åが適当である。厚くなるとJscの増大がみら
れず、また、薄くなるとその層自体の光吸収効率が落
ち、Jscが低下したり、短絡確率が増大する。
【0030】本発明において使用する透明絶縁支持体と
しては、ガラス、プラスチックフィルム等が用いられ
る。
【0031】本発明において使用する透明電極として
は、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ、酸化イ
ンジウム等が用いられる。好ましい厚さは100〜10
000Åである。
【0032】本発明において使用するn型半導体層とし
ては、酸化亜鉛、3価の金属がド−プされた酸化亜鉛、
CdS、酸化チタン、リンをド−プしたアモルファスシ
リコン等で酸化亜鉛、CdS等が好ましい。厚さは10
〜10000Åが好ましい。本発明に使用する電子供与
性有機物層または電子供与性有機物層(1)としては、 ・フタロシアニン系顔料(中心金属がCu,Zn、C
o,Ni,Pb,Pt,Fe,Mg等の2価のもの、無
金属フタロシアニン、塩化アルミニウムフタロシアニ
ン、塩化インジウムフタロシアニン、塩化ガリウムフタ
ロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属のフタ
ロシアニン、その他酸化バナジウムフタロシアニン、酸
化チタニウムフタロシアニン等の酸素が配位したフタロ
シアニン)が使用される。
【0033】本発明に使用される電子供与性有機材料
(2)としては、電子供与性有機物質(1)に使用され
るものとは異なり、 ・フタロシアニン系顔料(中心金属がCu,Zn,C
o,Ni,Pb,Pt,Fe,Mg等の2価のもの、無
金属フタロシアニン、塩化アルミニウムフタロシアニ
ン、塩化インジウムフタロシアニン、塩化ガリウムフタ
ロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属のフタ
ロシアニン、その他酸化バナジウムフタロシアニン、酸
化チタニウムフタロシアニン等の酸素が配位したフタロ
シアニン) ・ナフタロシアニン系顔料(中心金属がCu,Zn,C
o,Ni,Pb,Pt,Fe,Mg等の2価のもの、無
金属ナフタロシアニン、塩化アルミニウムナフタロシア
ニン、塩化インジウムナフタロシアニン、塩化ガリウム
ナフタロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属
のナフタロシアニン、その他酸化バナジウムナフタロシ
アニン、酸化チタニウムナフタロシアニン等の酸素が配
位したフタロシアニン) ・ジフタロシアニン系顔料 ・インジゴ、チオインジゴ系顔料(Pigment B
lue 66,Pigment Violet 36
等)、キナクリドン系顔料(Pigment Viol
et 19,PigmentRed 122等)メロシ
アニン化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物等
の染料 ・有機電子写真感光体で用いられる電荷移動剤(ヒドラ
ゾン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルメタン化
合物、トリフェニルアミン化合物等) ・電気伝導性有機電荷移動錯体で用いられる電子供与性
化合物(テトラチオフルバレン、テトラフェニルテトラ
チオフラバレン等) ・導電性高分子(ポリピロ−ル、ポリチオフェン、ポリ
アニリン等)から選択される。
【0034】これらの層は、蒸着、スピンコ−ト、ディ
ッピング、電界重合等での方法で製膜される。この中
で、薄膜化、均一化には蒸着が好ましい。膜厚は10〜
3000Åが好ましい。又、2層の場合は、電子供与性
有機物層(1)では30〜300Åが適当である。厚く
なるとJSCの増大がみられず、又、薄くなるとその層自
体の光吸収効果が落ち、JSCが低下する。電子供与性有
機物層(2)では適当な膜厚は50〜3000Åであ
る。
【0035】本発明において使用する透明絶縁支持体に
は、ガラス、プラスチックフィルム等が挙げられる。
【0036】本発明において使用する電子受容性有機物
層としては、 ・ペリレン系顔料 Pigment Red(以下P
R)179,PR190,PR149,PR189,P
R123,Pigment Brown 26等 ・ペリノン系顔料 Pigment Orange 4
3,PR194等 ・アントラキノン系顔料 R168,PR177,Va
t Yellow 4等 ・フラバンスロン等の含キノン黄色顔料 クリスタルバイオレット、メチルバイオレット、マラカ
イトグリ−ン等の染料を挙げることができる。これらは
蒸着、スピンコ−ト、ディッピングにて製膜される。薄
膜化、均一化には蒸着が好ましい。膜厚さは10〜30
00Åが好ましい。
【0037】又、本発明において用いられる背面電極と
しては、Au,Pt,Ni,Pd,Cu,Cr,Ag等
の仕事関数の高い金属が挙げられ、特にAuは安定で好
ましい。膜厚は50〜3000Åが好ましい。
【0038】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説
明する。
【0039】実施例1 よく洗浄したITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)
上に、基板温度約300℃で導入ガスとしてアルゴンを
用い、DCマグネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛を約1
300Åの厚さで設けた。その上に、真空蒸着法で電子
受容性物質であるペリレンテトラカルボン酸メチルイミ
ド(PL−ME)を約400Åの厚さで、次いで電子供
与性物質である酸化バナジウムフタロシアニン(VOP
c)を約500Åの厚さで設けた。得られた電子供与性
有機物層の分光吸収スペクトルは740nmに最大吸収
ピークを有していた。これをジクロルメタン溶媒蒸気に
10分間さらすと、最大吸収ピーク波長は805nmへ
と長波長側へシフトした。その上に金を真空蒸着した。
ITOと金がなす面積は0.25cm2とした。2つの
電極に銀ペーストにてリード線を取り付けた。
【0040】この素子のITO側に、75mW/cm2
の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電圧
を印加して変換効率を測定したところ、Voc=0.52
V,JSC=0.84mA/cm2,ff=0.47とな
り、変換効率0.27%が得られた。
【0041】実施例2 実施例1と同様にしてITOガラスの上に、酸化亜鉛層
とPL−ME層を設けた後、電子供与性有機物層(1)
として酸化バナジウムフタロシアニン(VOPc)を約
250Åの厚さで設けた。得られた電子供与性有機物層
(1)の分光吸収スペクトルは740nmに最大吸収ピ
−クを有していた。これをテトラヒドロフラン溶媒蒸気
に10分間さらすと、最大吸収ピ−ク波長は805nm
へと長波長側へシフトした。その上に、真空蒸着法で電
子供与性有機物層(2)として2,9−ジメチルキナク
リドン(QA−ME)を約400Åの厚さで設け、その
上に金を真空蒸着した。ITOと金がなす面積は0.2
5cm2とした。2つの電極に銀ペーストにてリード線
を取り付けた。
【0042】この素子のITO側に、75mW/cm2
の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電圧
を印加して変換効率を測定したところ、Voc=0.48
V,JSC=1.25mA/cm2,ff=0.49とな
り、変換効率0.39%が得られた。この値は有機光起
電力素子としては大きなものである。
【0043】実施例3 実施例1と同様にしてITOガラスの上に、酸化亜鉛層
とPL−ME層を設けた後、電子供与性有機物層として
マグネシウムフタロシアニン(MgPc)を約500Å
の厚さで設けた。得られた電子供与性有機物層の分光吸
収スペクトルは図4に示すように700nmに最大吸収
ピークを有していた。これを酢酸エチル溶媒蒸気に10
分間さらすと、最大吸収ピーク波長は810nmへと長
波長側へシフトした。その上に金を真空蒸着した。IT
Oと金がなす面積は0.25cm2とした。2つの電極
に銀ペーストにてリード線を取り付けた。
【0044】この素子のITO側に、75mW/cm2
の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電圧
を印加して変換効率を測定したところ、Voc=0.24
V,JSC=0.81mA/cm2,ff=0.45とな
り、変換効率0.12%が得られた。この値は有機光起
電力素子としては大きなものである。
【0045】実施例4 実施例1と同様にしてITOガラスの上に、酸化亜鉛層
とPL−ME層を設けた後、電子供与性有機物層(1)
としてマグネシウムフタロシアニン(MgPc)を約2
00Åの厚さで設けた。得られた電子供与性有機物層
(1)の分光吸収スペクトルは700nmに最大吸収ピ
ークを有していた。これを酢酸エチル溶媒蒸気に10分
間さらすと、最大吸収ピーク波長は810nmへと長波
長側へシフトした。その上に、真空蒸着法で電子供与性
有機物層(2)として2,9−ジメチルキナクリドン(Q
A−ME)を約400Åの厚さで設け、その上に金を真
空蒸着した。ITOと金がなす面積は0.25cm2とし
た。2つの電極に銀ペーストにてリード線を取り付け
た。
【0046】この素子のITO側に、75mW/cm2
の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電圧
を印加して変換効率を測定したところ、Voc=0.25
V,JSC=1.07mA/cm2,ff=0.49とな
り、変換効率0.17%が得られた。この値は有機光起
電力素子としては大きなものである。
【0047】実施例5 実施例2において溶媒処理の代わりに減圧下200℃で
20分間の熱処理を行なった。その結果、最大吸収ピー
ク波長は740nmから805nmへと長波長側へシフ
トした。それ以外は、同様にして素子を作製した。実施
例2と同様にして変換効率を測定したところ、Voc
0.48V,JSC=1.27mA/cm2,ff=0.
49となり、変換効率0.40%が得られた。この値は
有機光起電力素子としては大きなものである。
【0048】比較例1 溶媒処理しないこと以外は実施例1と同様に素子を作製
し、変換効率を測定した。その結果、Voc=0.47
V,JSC=0.67mA/cm2,ff=0.45とな
り、変換効率0.19%であった。
【0049】比較例2 溶媒処理しないこと以外は実施例2と同様に素子を作製
し、変換効率を測定した。その結果、Voc=0.43
V,JSC=1.12mA/cm2,ff=0.48とな
り、変換効率0.31%であった。
【0050】比較例3 溶媒処理しないこと以外は実施例3と同様に素子を作製
し、変換効率を測定した。その結果、Voc=0.15
V,JSC=1.06mA/cm2,ff=0.41とな
り、変換効率0.09%であった。
【0051】比較例4 溶媒処理しないこと以外は実施例4と同様に素子を作製
し、変換効率を測定した。その結果、Voc=0.15
V,JSC=1.14mA/cm2,ff=0.41とな
り、変換効率0.09%であった。
【0052】実施例6 よく洗浄したITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)
上に、基板温度約300℃で、導入ガスとしてアルゴン
を用い、DCマグネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛を約
1000Åの厚さで設けた。その上に、真空蒸着法で電
子受容性物質であるペリレンテトラカルボン酸ビスメチ
ルイミド(PL−ME)を約400Åの厚さで、次いで
電子供与性物質である塩化アルミニウムフタロシアニン
(AlClPc)を約250Åの厚さで設けた。得られ
た電子供与性有機物層の分光吸収スペクトルは740n
mに最大吸収ピークを有していた。これをジクロロメタ
ン溶媒蒸気に10分間さらすと、最大吸収ピーク波長は
805nmへと長波長側へシフトした。その上に再度、
塩化アルミニウムフタロシアニンを250Åの厚さで設
け、さらに金を真空蒸着した。ITOと金がなす面積は
0.25cm2とした。2つの電極に銀ペーストにてリ
ード線を取り付けた。
【0053】この素子のITO側に、75mW/cm2
の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電圧
を印加して変換効率を測定したところ、Voc=0.43
V,JSC=1.76mA/cm2,ff=0.47とな
り、変換効率0.47%が得られた。この値は有機光起
電力素子としては大きなものである。
【0054】比較例5 溶媒処理しないこと以外は実施例6と同様に素子を作製
し、変換効率を測定した。その結果、VOC=0.44
V、JSC=1.69mA/cm2、ff=0.43とな
り変換効率0.43%であった。
【0055】
【発明の効果】本発明の素子構成によりJsc、ffとし
て高い値が得られ、有機光起電力素子としては高い変換
効率が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の基本的な層構成の説明図であ
る。
【図2】本発明の実施例の基本的な層構成の説明図であ
る。
【図3】本発明の実施例の基本的な層構成の説明図であ
る。
【図4】本発明の他の実施例の層構成の説明図である。
【図5】本発明の他の実施例の層構成の説明図である。
【図6】本発明の他の実施例の層構成の説明図である。
【図7】本発明の他の実施例の層構成の説明図である。
【図8】実施例3における分光吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 哲郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透光性である2つの電
    極の間に、電子受容性有機物層と電子供与性有機物層の
    積層を含む光起電力素子において、該電子供与性有機物
    層が気相成長法で作製されたフタロシアニン誘導体薄膜
    を長波長側へのスペクトル変化を伴う処理を施した後
    に、さらに同一組成である処理を施さないフタロシアニ
    ン誘導体薄膜を積層することを特徴とする有機光起電力
    素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方が透光性である2つの電
    極の間に、電子受容性有機物層、電子供与性有機物層の
    連続した層からなる部分を包含する構成からなる光起電
    力素子において、電子供与性有機物層が気相成長法で作
    製され、吸収スペクトルにおいて、680±10、755±10、
    805±10nmに吸収極大を有する処理を施した酸化バナジ
    ウムフタロシアニン薄膜を含むことを特徴とする光起電
    力素子。
  3. 【請求項3】 気相成長法で作製された酸化バナジウム
    フタロシアニン薄膜を有機溶媒あるいはその蒸気にさら
    すか、加熱するかによって、吸収スペクトルにおいて68
    0±10、755±10、805±10nmに吸収極大を有する処理を
    施してなる請求項2記載の光起電力素子。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方が透光性である2つの電
    極の間に、電子受容性有機物層、電子供与性有機物層の
    連続した層からなる部分を包含する構成からなる光起電
    力素子において、電子供与性有機物層が気相成長法で作
    製され、吸収スペクトルにおいて、650±10、70
    0±10、810±10nmに吸収極大を有する処理を
    施したマグネシウムフタロシアニン薄膜を含むことを特
    徴とする光起電力素子。
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