JPH05291598A - 有機光起電力素子 - Google Patents

有機光起電力素子

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JPH05291598A
JPH05291598A JP4053562A JP5356292A JPH05291598A JP H05291598 A JPH05291598 A JP H05291598A JP 4053562 A JP4053562 A JP 4053562A JP 5356292 A JP5356292 A JP 5356292A JP H05291598 A JPH05291598 A JP H05291598A
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JP
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conversion efficiency
layer
organic
electron
treatment
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JP4053562A
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Masao Yoshikawa
雅夫 吉川
Tetsuo Suzuki
哲郎 鈴木
Kazukiyo Nagai
一清 永井
Hiroshi Ikuno
弘 生野
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
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    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/615Polycyclic condensed aromatic hydrocarbons, e.g. anthracene
    • H10K85/621Aromatic anhydride or imide compounds, e.g. perylene tetra-carboxylic dianhydride or perylene tetracarboxylic di-imide
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/50Photovoltaic [PV] devices
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い変換効率を有する有機光起電力素子を提
供すること。 【構成】 少なくとも一方が透光性である2つの電極の
間に、整流接合を形成する電子受容性有機物層と電子供
与性有機物層の積層を含む光起電力素子において、該電
子受容性有機物層がペリレン誘導体からなり、該層が気
相法で作製され、スペクトル変化を伴う処理を施したも
のであることを特徴とする有機光起電力素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光センサ等にも有用な
光起電力素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機物を能動材料として用いた光起電力
素子が多く研究されている。その目的は、単結晶、多結
晶、アモルファスのSiでは達成が困難とされている安
価で毒性のない光起電力素子を開発するためである。
【0003】光起電力素子は、光エネルギを電気エネル
ギ(電圧×電流)に変換する素子であるため、変換効率
がその主要な評価対象となる。光電流の生成には内部電
界の存在が必要であるが、内部電界を生成する方法とし
ていくつかの素子構成が知られている。能動材料として
有機物を用いた場合の、各々の既知の構成での変換効率
のベストデータは以下の通りである。
【0004】1)ショットキー接合またはMIS型接合 金属/半導体接合で生じる内部電界を利用したもの。有
機半導体材料としてメロシアニン染料、フタロシアニン
顔料等が報告されている。
【0005】Al/メロシアニン/Ag素子に対する7
8mW/cm2の白色光照射で変換効率0.7%(VOC
=1.2V,JSC=1.8mA/cm2,ff=0.2
5)が報告されている。{A.K.GhoshらJ.A
ppl.Phys.49,5982(1978)}この
タイプの素子に用いられている有機半導体で変換効率が
高いものはp型に限定されている。従って、電極材料も
Al,In,Mg等の仕事関数が低いものが使用され
る。これらは容易に酸化される。
【0006】2)n型無機半導体/p型有機半導体接合
を利用したヘテロpn接合 n型無機半導体/p型有機半導体を接合したときに生じ
る内部電界を利用したもの。n型材料としてCdS,Z
nO等が用いられる。p型有機半導体材料としてメロシ
アニン染料、フタロシアニン等が報告されている。
【0007】ITO/電着CdS/塩素化アルミニウム
クロルフタロシアニン/Au素子に対する75mW/c
2のAM−2光照射で変換効率0.22%(VOC
0.69V,JSC=0.89mA/cm2、ff=0.
29)がベストである{A.HorらAppl.Phy
s.Lett.,42,15(1983)}。
【0008】3)有機/有機ヘテロ接合を利用したもの 電子受容性の有機物と電子供与性の有機物を接合したと
きに生じる整流接合による電界を利用したもの。
【0009】前者の有機物としてマラカイトグリーン、
メチルバイオレット、ピリリウム等の染料、フラバンス
ロン、ペリレン顔料等の縮合多環芳香族化合物が報告さ
れており、後者の例として、フタロシアニン顔料、メロ
シアニン染料等が報告されている。
【0010】ITO/銅フタロシアニン/ペリレン顔料
/Ag素子に対する75mW/cm2のAM−2光照射
で変換効率0.95%(VOC=0.45V,JSC=2.
3mA/cm2,ff=0.65)が報告されている
{C.Tang Appl.Phys.Lett.,
,183(1986)}。この値は有機物を用いた光
起電力素子では最高のものである。また、同じ発明者に
よる特公昭62−4871には、本素子構成で別種のペ
リレン顔料に対して変換効率1%(VOC=0.44V,
SC=3.0mA/cm2,ff=0.6)が報告され
ている。
【0011】有機物を用いた光起電力素子の変換効率
は、無機半導体を用いたものより低い。この要因として
最大のものは短絡光電流(JSC)の低さである。変換効
率5%の素子では75mW/cm2の白色光照射に対
し、少なくとも10mA/cm2のJSCが必要である。
前述のJSCはそれよりもはるかに低い。この原因は、量
子効率の低さと、分光感度波長域の狭さにある。分光感
度波長は、400nmからなるべく長波長まで広がって
いることが望ましいが、従来の例は特定波長域に限定さ
れている例が多い。
【0012】また、ffが小さい例が多い。ffの低さ
の原因の1つは有機半導体の示す量子効率が、低電界で
急激に低下することにあると言われている。従って、こ
の様な低下を来さないような強い内部電界が生成する構
成がffの向上に好ましい。さらに、生成電荷がエネル
ギ的な障壁無しにスムーズに電極に到達できる素子構成
がffを大きくする。これらの達成によりVOCの向上も
図られるが、従来はこれらの点で十分な考慮がなされて
いない例が多かった。
【0013】更に加えると、報告されている有機光起電
力素子では、電極材料の化学的安定性の点でも問題があ
るものが多い。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のような観点から
前述の従来技術を検討すると下記の問題点がある。
【0015】1)ショットキー接合またはMIS型接合 VOCは大きくとれるが、電極として金属材料が用いられ
ているため、電極の光透過率が低くなる。実際の光透過
率は、よくても30%、通常は10%前後である。ま
た、これらの材料は耐酸化性に乏しい。従って、この素
子形態では高い変換効率と、安定した特性を作り出すこ
とは望めない。
【0016】2)無機半導体/有機半導体ヘテロpn接
合 電荷生成は主として有機層でなされるため、分光感度の
制限を受ける。通常、有機層は単一の材料から形成され
るが、400から例えば800nmまで強い光吸収をも
つ有機半導体は現在存在しないからである。従って、こ
の素子構成では光入射電極の光透過性や、電極の安定性
の問題はクリアできるが、分光感度領域が狭いため、高
い変換効率は望めない。
【0017】3)有機/有機ヘテロpn接合 上記2種の構成と較べ、現在のところ最も望ましいもの
である。透明電極からの光照射が行え、また、2種の材
料で光電荷生成が可能であるため、分光感度も広げるこ
とができる。しかしながら、本構成を持ってしても変換
効率は実用域にはほど遠い状況である。変換効率を向上
させる目下の最善の手段は、本接合を展開しながら、高
い変換効率を与える有機層を探索することであると考え
られる。そこで、本発明の目的は、有機光起電力素子と
しては高い変換効率を与える素子を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、鋭意検討した結果、少なくとも一方が透光性である
2つの電極の間に、整流接合を形成する電子受容性有機
物層と電子供与性有機物層の積層を含む光起電力素子に
おいて、該電子受容性有機物層が下記の一般式で表され
るペリレン誘導体からなり、該層が気相法で作製され、
スペクトル変化を伴う処理を施したものであることによ
って前記目的が達成できることを見出した。
【0019】本発明に用いるペリレン誘導体の好ましい
ものとして下記一般式(I)で表わされる化合物を挙げ
ることができる。
【0020】
【化5】
【0021】(ここでnは0から4の整数、X,Y,Z
は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ
ゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基を表し、m、
m’、m”は0から3でm+m’+m”=5の整数を表
す。)上記一般式(I)に含まれる好ましい一群のペリ
レン誘導体としてたとえば以下に示すものがある。
【0022】下記の一般式で表されるペリレンテトラカ
ルボン酸ビスベンジルイミドであり、処理により生じた
吸収スペクトルが600〜640nmにピークを示すも
の。
【0023】
【化6】
【0024】ここでR1、R2は水素または炭素数4まで
のアルキル基、ハロゲン原子で、R1がハロゲン原子の
場合、R2もそれと同一または異なるハロゲン原子を表
す。
【0025】下記の一般式で表されるペリレンテトラカ
ルボン酸ビスベンジルイミドであり、処理により生じた
吸収スペクトルが650〜680nmにピークを示すも
の。
【0026】
【化7】
【0027】ここでRはBr、Fを表す。
【0028】下記のペリレンテトラカルボン酸ビスフェ
ネチルイミドであり、処理により生じた吸収スペクトル
が560〜680nmにピークを示すもの。
【0029】
【化8】
【0030】ここでR1、R2は水素または炭素数4まで
のアルキル基またはハロゲン原子を表す。
【0031】上記一般式(I)で表わされる好ましい具
体的なペリレン誘導体の例としては、たとえば、処理に
より生じた吸収スペクトルが620nm付近にピーク又
はショルダーを示す
【0032】
【化9】
【0033】処理により生じた吸収スペクトルが620
nm付近にピークを示す
【0034】
【化10】
【0035】処理により生じた吸収スペクトルが620
nm付近にピークを示す
【0036】
【化11】
【0037】又、下記式(4)のペリレンテトラカルボ
ン酸ビスフェネチルイミドであり、処理により生じた吸
収スペクトルが600〜640nmにピークを示すも
の。
【0038】
【化12】
【0039】下記式(5)のペリレンテトラカルボン酸
ビスベンジルイミドであり、処理により生じた吸収スペ
クトルが460、490、530、575nmにピーク
を示すもの。
【0040】
【化13】
【0041】下記式(6)のペリレンテトラカルボン酸
ビスフェニルイミドであり、処理により生じた吸収スペ
クトルが455、490、535、570nm付近にピ
ークを示すもの。
【0042】
【化14】
【0043】さらに以下の化合物も好ましいものとして
挙げることができる。
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】この他、ペリレンテトラカルボン酸ビス
(3−フルオロベンジルイミド)、ペリレンテトラカル
ボン酸ビス(3−ブロモベンジルイミド)、ペリレンテ
トラカルボン酸ビス(3,4−ジクロロベンジルイミ
ド)、ペリレンテトラカルボン酸ビス(3−メチルベン
ジルイミド)、ペリレンテトラカルボン酸ビス(3−フ
ルオロフェネチルイミド)、ペリレンテトラカルボン酸
ビス(3,4−ジクロロフェネチルイミド)等も本発明
に使用する好ましいペリレン誘導体の例である。
【0051】以下本発明の重要な構成要素である、素子
の構成、作製法、使用材料等について説明する。
【0052】本発明の電子受容性有機物層が適用される
電子吸引性層と電子供与性層の整流接合に基づく光起電
力素子の構成の例には図1に示すものがある。
【0053】ここで、支持体は背面電極側にあってもよ
い。また、電子受容性層と電子供与性層の順が逆であっ
てもよい。
【0054】また、異なる構成として図2のものが挙げ
られる。さらに異なる構成として図3のものが挙げられ
る。
【0055】ここで、支持体は背面電極側にあってもよ
い。また、電子受容性層と電子供与性層の順が逆であっ
てもよく、その場合は、電子供与性有機物層(2)、電
子供与性有機物層(1)、電子受容性有機物層の順とな
る。
【0056】更に異なる構成として図4のものが挙げら
れる。
【0057】本発明は、このような例示構成中、電子受
容性有機物層に前記一般式で示されるペリレン誘導体を
用いるものであるが、その具体的化合物としては以下の
ようなものが挙げられる。
【0058】上記ペリレン化合物の気相成長膜は、処理
前は赤色である。ここで、処理前の膜とは、特に基板加
熱をせずに気層成長した膜を表している。この吸収スペ
クトルを調べると、大抵、475nm,505nm,5
45nm付近にピークを持つ共通のスペクトルが与えら
れる。これを処理すると、たとえばビスベンジルイミド
置換体では前述の3つのピークが減少し、新たに46
0、490、530、575nm付近にピークが現われ
た図5(a)のスペクトルとなる。ビスフェネチルイミ
ド置換体では600〜640nmにピークが現われた図
6(a)のスペクトルとなる。又、ビスメトキシプロピ
ルイミド置換体では560〜620nmにピークが現わ
れた図7(a)のスペクトルとなる等、新たな吸収ピー
クが出現する共通した特徴がみられる。この変化にとも
ない、前述の3つのピークが減少する。この変化により
特にJscが増加し変換効率が増大することが分かっ
た。
【0059】このような変化をもたらす処理の方法を検
討した結果、以下の3つが存在することが分かった。
【0060】(1)電子受容性有機物質層を形成した後
に熱処理する。熱処理温度は大抵80℃以上が必要であ
る。
【0061】(2)電子受容性有機物層を形成する際
に、基板を60℃以上に保持する (3)電子受容性有機物層を形成した後に有機溶媒中あ
るいは有機溶媒蒸気にさらす。
【0062】これらの方法は単独でもまた、組み合わせ
ても使用できる。(3)で用いられる有機溶媒として
は、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、
1,1,2−トリクロルエタン、モノクロルベンゼン、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、N,N−ジメチル
ホルムアミド等を挙げることができる。
【0063】Jscが増大する機構は、具体的に明らか
でないが、以下のように推定される。熱処理前のCu−
Kα線によるX線回析を見ると、2θ=5〜50度の間
で回析ピークは見られないか、見られてもかなり弱い。
従って、熱処理前の膜はアモルファス状態であると推定
される。熱処理すると2θ=5〜30度の間で回析がみ
られる。従って、新たに結晶が生じたか、結晶化度が増
大したものと推定される。Graserらはペリレン化
合物の色は分子間の重なり度で大きく変化すると報告
(Liebigs Ann.chem.,1980,1
994)しているため、結晶化あるいはその進行によ
り、分子間の重なり度が変化しスペクトル変化をきたし
たと推定される。更に推定すると、有機半導体における
光電荷生成過程は、光による励起子生成→励起子移動→
イオン対の生成→自由電荷生成で示される外因的過程で
あるといわれている。分子配列がアモルファス状である
と励起子移動の効率は低下するため、本発明におけるJ
scの改良による変換効率増大の機構は、結晶化により
励起子移動の効率が増大したことが1つの要因として考
えられる。
【0064】本発明の層は、例示構成を始めとした電子
吸引性有機物層と電子供与性有機物層の整流接合に基づ
く有機光起電力素子に適用される。最も単純な構成は図
1に示されるものである。図2ではn型無機半導体層か
導入されている。本層を導入することにより、短絡確立
の低減と、変換効率の改善がなされる。また図3では有
機層が3層積層されている。この構成により、単に、電
子受容性有機物層と電子供与性有機物層(1)を積層し
た構成よりも、Jscが向上し変換効率の改善がなされ
る。
【0065】本発明のペリレン化合物は、例えば長尾ら
の方法(日化誌,1979,528)により合成でき
る。本化合物の膜の形成として、蒸着やスパツタリング
等の気相法が挙げられる。スパッタリングはターゲット
の作製や、成膜条件を適切に選択しないと成膜中に化学
反応が生じる等の問題があり、蒸着法が特に好ましい。
蒸着は、所定の化合物をタンタルやモリブデンのボート
あるいはアルミナのルツボ等に投入し、通常、10-5
10-7Torrの真空下でボートを加熱することで容易
に行える。
【0066】本発明に適用される本層の厚さは、50〜
3000Åが適当である。厚くなるとJscの増大がみ
られず、また、薄くなるとその層自体の光吸収効率が落
ちJscが低下したり、短絡確率が増大する。
【0067】本発明において使用する透明絶縁支持体と
しては、ガラス、プラスチックフィルム等が用いられ。
【0068】本発明において使用する透明電極として
は、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ、酸化イ
ンジウム等が用いられ。好ましい厚さは100〜100
00Åである。
【0069】本発明において使用するn型半導体層とし
ては、酸化亜鉛、3価の金属がドープされた酸化亜鉛、
CdS、酸化チタン、リンをドープしたアモルファスシ
リコン等で酸化亜鉛、CdS等が好ましい。厚さは10
〜10000Åが好ましい。本発明に使用する電子供与
性有機物層(1),(2)としては、 ・フタロシアニン系顔料(中心金属がCu,Zn,C
o,Ni,Pb,Pt,Fe,Mgの2価のもの、無金
属フタロシアニン、アルミニウムクロルフタロシアニ
ン、インジウムクロルフタロシアニン、ガリウムクロル
フタロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属の
フタロシアニン、その他バナジルフタロシアニン、チタ
ニルフタロシアニン等の酸素が配位したフタロシアニ
ン) ・インジゴ、チオインジジゴ系顔料(Pigment
Blue 66,Pigment Violet 36
等)キナクリドン系顔料(Pigment Viole
t19,PigmentRed 122等)メロシアニ
ン化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物等の染
料 ・有機電子写真感光体で用いられる電荷移動剤(ヒドラ
ゾン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルメタン化
合物、トリフェニルアミン化合物等) ・電気伝導性有機電荷移動錯体で用いられる電子供与性
化合物(テトラチオフルバレン、テトラフェニルテトラ
チオフルバレン等) ・導電性高分子(ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ
アニリン等)を挙げることができる。
【0070】これらの層は蒸着、スピンコート、ディッ
ピング、電解重合等での製膜される。この中で、薄膜
化、均一化には蒸着が好ましい。
【0071】膜厚は電子供与性有機物層(1)では30
〜300Åが適当である。厚くなるとJscの増大がみ
られず、また、薄くなるとその層自体の光吸収効率が落
ち、Jscが低下する。電子供与性有機物層(2)では
適当な膜厚は50〜3000Åである。
【0072】また、本発明で用いられる背面電極として
は、Au,Pt,Ni,Pd,Cu,Cr,Ag等が用
いられ、特にAuは安定で好ましい。膜厚は50〜30
00Åが適当である。
【0073】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説
明する。
【0074】実施例1 ITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)上に基板温度
約300℃で、導入ガスとしてアルゴンを用い、DCマ
グネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛を約1500Åの厚
さで設けた。その上に、真空蒸着法でペリレンテトラカ
ルボン酸ビスベンジルイミド(PL−Bz)を約300
Åの厚さに設けた。1たん大気下に取り出し、減圧下で
140℃で20分間処理した。その後アルミニウムクロ
ルフタロシアニン(AlClPc)を約100Åの厚さ
で、さらに2,9−ジメチルキナクリドン(QA−M
E)を約300Åの厚さで設け、その上に金を真空蒸着
した。ITOと金がなす面積は0.25cm2とした。
2つの電極に銀ペーストにてリード線を取り付けた。
【0075】この素子のITOの側に、75mW/cm
2の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電
圧を印加して変換効率を測定したところVoc=0.4
8V,Jsc=1.83mA/cm2,ff=0.41
となり変換効率0.48%が得られた。この値は有機光
起電力素子としては大きなものである。
【0076】実施例2 実施例1の処理方法をジクロメタン蒸気中に5分間曝し
た以外は実施例1と同様に素子を作製し、変換効率を測
定した。その結果、Voc=0.53V,Jsc=1.
82mA/cm2,ff=0.36となり変換効率0.
46%であった。
【0077】実施例3 実施例1の処理方法を蒸着基板の温度を140℃とした
以外は実施例1と同様に素子を作製し、変換効率を測定
した。その結果、Voc=0.48V,Jsc=1.9
5mA/cm2,ff=0.41となり変換効率0.5
1%であった。
【0078】比較例1 実施例1のPL−Bz層を熱処理しないこと以外は実施
例1と同様に素子を作製し、変換効率を測定した。その
結果、Voc=0.44V,Jsc=0.24mA/c
2,ff=0.21となり変換効率0.03%であっ
た。
【0079】実施例4 実施例1のAlClPc層とQA−ME層を300Åの
AlClPc層に変えた以外は実施例1と同様に素子を
作製し、変換効率を測定した。その結果、Voc=0.
41V,Jsc=1.23mA/cm2,ff=0.3
7となり変換効率0.25%であった。
【0080】比較例2 実施例1のPL−Bz層を熱処理しないこと以外は実施
例1と同様に素子を作製し、変換効率を測定した。その
結果、Voc=0.45V,Jsc=0.42mA/c
2,ff=0.16となり変換効率0.04%であっ
た。
【0081】実施例5 実施例1と同様に形成したITOガラス上の酸化亜鉛の
上に真空蒸着法でペリレンテトラカルボン酸ビスフェネ
チルイミド(PL−EtPH)を約300Åの厚さに設
けた。1たん大気下に取り出し、減圧下で140℃で2
0分間処理した。その後AlClPcを約100Åの厚
さで、さらにQA−MEを約300Åの厚さで設け、そ
の上に金を真空蒸着して素子を形成した。
【0082】実施例5と同様に変換効率を測定したとこ
ろVoc=0.46、Jsc=1.42mA/cm2
ff=0.40となり変換効率0.35%が得られた。
この値は有機光起電力素子としては大きなものである。
【0083】実施例6 実施例5の処理方法をジクロルメタン蒸気中に10分間
曝した以外は実施例5と同様に素子を作製し、変換効率
を測定した。その結果、Voc=0.48V、Jsc=
1.58mA/cm2、ff=0.41となり変換効率
0.41%であった。
【0084】実施例7 実施例5の処理方法を蒸着基板の温度を120℃とした
以外は実施例5と同様に素子を作製し、変換効率を測定
した。その結果、Voc=0.45V、Jsc=1.6
5mA/cm2、ff=0.41となり変換効率0.4
1%であった。
【0085】比較例3 実施例5のPL−EtPH層を熱処理しないこと以外は
実施例5と同様に素子を作製し、変換効率を測定した。
その結果、Voc=0.46V、Jsc=0.73mA
/cm2、ff=0.25となり変換効率0.11%で
あった。
【0086】実施例8 実施例5のAlClPc層とQA−ME層を300Åの
AlClPc層に変えた以外は実施例5と同様に素子を
作製し、変換効率を測定した。その結果、Voc=0.
43V、Jsc=0.98mA/cm2、ff=0.3
6となり変換効率0.20%であった。
【0087】比較例4 実施例5のPL−EtPH層を熱処理しないこと以外は
実施例5と同様に素子を作製し、変換効率を測定した。
その結果、Voc=0.45V、Jsc=0.48mA
/cm2、ff=0.21となり変換効率0.06%で
あった。
【0088】実施例9 実施例1と同様に形成したITOガラス上の酸化亜鉛の
上に真空蒸着法でペリレンテトラカルボン酸ビスメトキ
シプロピルイミド(PL−PrOME)を約300Åの
厚さに設けた。1たん大気下に取り出し、減圧下で14
0℃で20分間処理した。AlClPcを約100Åの
厚さで、QA−MEを約300Åの厚さで設け、その上
に金を真空蒸着して素子を形成した。
【0089】この素子のITO側に、75mW/cm2
の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電圧
を印加して変換効率を測定したところVoc=0.56
V,Jsc=1.06mA/cm2,ff=0.35と
なり変換効率0.28%が得られた。この値は有機光起
電力素子としては大きなものである。
【0090】実施例10 実施例9の処理方法をジクロルメタン蒸気中に10分間
曝した以外は実施例9と同様に素子を作製し、変換効率
を測定した。その結果、Voc=0.54V,Jsc=
1.24mA/cm2,ff=0.34となり変換効率
0.30%であった。
【0091】実施例11 実施例9の処理方法を蒸着基板の温度を120℃とした
以外は実施例9と同様に素子を作製し、変換効率を測定
した。その結果、Voc=0.53V,Jsc=1.1
2mA/cm2,ff=0.31となり変換効率0.2
5%であった。
【0092】比較例5 実施例9のPL−PrOME層を熱処理しないこと以外
は実施例9と同様に素子を作製し、変換効率を測定し
た。その結果、Voc=0.53V,Jsc=0.38
mA/cm2,ff=0.20となり変換効率0.05
2%であった。
【0093】実施例12 実施例9のAlClPc層とQA−ME層を300Åの
AlClPc層に変えた以外は実施例9と同様に素子を
作製し、変換効率を測定した。その結果、Voc=0.
49V,Jsc=0.58mA/cm2,ff=0.3
1となり変換効率0.12%であった。
【0094】比較例6 実施例9のPL−PrOME層を熱処理しないこと以外
は実施例9と同様に素子を作製し、変換効率を測定し
た。その結果、Voc=0.43V,Jsc=0.24
mA/cm2,ff=0.21となり変換効率0.02
9%であった。
【0095】実施例13 ITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)上に基板温度
約300℃で、導入ガスとしてアルゴンを用い、DCマ
グネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛を約1500Åの厚
さで設けた。その上に、真空蒸着法でペリレンテトラカ
ルボン酸ビス(m−クロルベンジルイミド)(PL−B
zmCl)を約300Åの厚さに設けた。1たん大気下
に取り出し、減圧下で200℃で20分間処理した。そ
の後アルミニウムクロルフタロシアニン(AlClP
c)を約100Åの厚さで、さらに2,9−ジメチルキ
ナクリドン(QA−ME)を約300Åの厚さで設け、
その上に金を真空蒸着した。ITOと金がなす面積は
0.25cm2とした。2つの電極に銀ペーストにてリ
ード線を取り付けた。
【0096】この素子のITOの側に、75mW/cm
2の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電
圧を印加して変換効率を測定したところVoc=0.4
1V,Jsc=1.78mA/cm2,ff=0.37
となり変換効率0.36%が得られた。この値は有機光
起電力素子としては大きなものである。
【0097】実施例14 実施例13の処理方法をジクロルメタン蒸気中に5分間
曝した以外は実施例13と同様に素子を作製し、変換効
率を測定した。その結果、Voc=0.50V,Jsc
=2.68mA/cm2,ff=0.52となり変換効
率0.93%であった。
【0098】実施例15 実施例13の処理方法を蒸着基板の温度を180℃とし
た以外は実施例13と同様に素子を作製し、変換効率を
測定した。その結果、Voc=0.45V,Jsc=
2.32mA/cm2,ff=0.45となり変換効率
0.63%であった。
【0099】比較例7 実施例13のPL−BzmCl層を熱処理しないこと以
外は実施例13と同様に素子を作製し、変換効率を測定
した。その結果、Voc=0.58V,Jsc=0.4
1mA/cm2,ff=0.25となり変換効率0.0
8%であった。
【0100】実施例16 実施例14のAlClPc層とQA−ME層を300Å
のQA−ME層に変えた以外は実施例14と同様に素子
を作製し、変換効率を測定した。その結果、Voc=
0.38V,Jsc=1.85mA/cm2,ff=
0.41となり変換効率0.39%であった。
【0101】比較例8 実施例16のPL−BzmCl層を熱処理しないこと以
外は実施例16と同様に素子を作製し、変換効率を測定
した。その結果、Voc=0.48V,Jsc=0.1
5mA/cm2,ff=0.18となり変換効率0.0
2%であった。
【0102】実施例17 ITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)上に基板温度
約300℃で、導入ガスとしてアルゴンを用い、DCマ
グネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛を約1500Åの厚
さで設けた。その上に、真空蒸着法でペリレンテトラカ
ルボン酸ビス(m−クロルフェネチルイミド)(PL−
EtPHmCl)を約300Åの厚さに設けた。1たん
大気下に取り出し、減圧下で200℃で20分間処理し
た。その後アルミニウムクロルフタロシアニン(AlC
lPc)を約100Åの厚さで、さらに2,9−ジメチ
ルキナクリドン(QA−ME)を約300Åの厚さで設
け、その上に金を真空蒸着した。ITOと金がなす面積
は0.25cm2とした。2つの電極に銀ペーストにて
リード線を取り付けた。
【0103】この素子のITOの側に、75mW/cm
2の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電
圧を印加して変換効率を測定したところVoc=0.3
6V,Jsc=1.57mA/cm2,ff=0.40
となり変換効率0.30%が得られた。この値は有機光
起電力素子としては大きなものである。
【0104】実施例18 実施例17の処理方法をジクロルメタン蒸気中に5分間
曝した以外は実施例17と同様に素子を作製し、変換効
率を測定した。その結果、Voc=0.39V,Jsc
=1.87mA/cm2,ff=0.41となり変換効
率0.39%であった。
【0105】実施例19 実施例17の処理方法を蒸着基板の温度を140℃とし
た以外は実施例17と同様に素子を作製し、変換効率を
測定した。その結果、Voc=0.39V,Jsc=
1.78mA/cm2,ff=0.43となり変換効率
0.40%であった。
【0106】比較例9 実施例17のPL−EtPHmCl層を熱処理しないこ
と以外は実施例17と同様に素子を作製し、変換効率を
測定した。その結果、Voc=0.59V,Jsc=
0.36mA/cm2,ff=0.25となり変換効率
0.07%であった。
【0107】実施例20 実施例18のAlClPc層とQA−ME層を300Å
のAlClPc層に変えた以外は実施例18と同様に素
子を作製し、変換効率を測定した。その結果、Voc=
0.38V,Jsc=1.21mA/cm2,ff=
0.34となり変換効率0.21%であった。
【0108】比較例10 実施例20のPL−EtPHmCl層を熱処理しないこ
と以外は実施例20と同様に素子を作製し、変換効率を
測定した。その結果、Voc=0.44V,Jsc=
0.08mA/cm2,ff=0.25となり変換効率
0.01%であった。
【0109】実施例21 ITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)上に基板温度
約300℃で、導入ガスとしてアルゴンを用い、DCマ
グネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛を約1500Åの厚
さで設けた。その上に、真空蒸着法でペリレンテトラカ
ルボン酸ビスフェニルイミド(PL−PH)を約300
Åの厚さに設けた。1たん大気下に取り出し、減圧下で
160℃で30分間処理した。その後アルミニウムクロ
ルフタロシアニン(AlClPc)を約100Åの厚さ
で、さらに2,9−ジメチルキナクリドン(QA−M
E)を約300Åの厚さで設け、その上に金を真空蒸着
した。ITOと金がなす面積は0.25cm2とした。
2つの電極に銀ペーストにてリード線を取り付けた。
【0110】この素子のITOの側に、75mW/cm
2の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電
圧を印加して変換効率を測定したところVoc=0.3
5V,Jsc=1.35mA/cm2,ff=0.45
となり変換効率0.28%が得られた。この値は有機光
起電力素子としては大きなものである。
【0111】実施例22 実施例21の処理方法をジクロルメタン蒸気中に5分間
曝した以外は実施例21と同様に素子を作製し、変換効
率を測定した。その結果、Voc=0.39V,Jsc
=1.62mA/cm2,ff=0.51となり変換効
率0.43%であった。
【0112】実施例23 実施例21の処理方法を蒸着基板の温度を140℃とし
た以外は実施例21と同様に素子を作製し、変換効率を
測定した。その結果、Voc=0.41V,Jsc=
1.48mA/cm2,ff=0.47となり変換効率
0.38%であった。
【0113】比較例11 実施例21のPL−PH層を熱処理しないこと以外は実
施例21と同様に素子を作製し、変換効率を測定した。
その結果、Voc=0.54V,Jsc=0.54mA
/cm2,ff=0.26となり変換効率0.1%であ
った。
【0114】実施例24 実施例22のAlClPc層とQA−ME層を300Å
のQA−ME層に変えた以外は実施例22と同様に素子
を作製し、変換効率を測定した。その結果、Voc=
0.38V,Jsc=1.05mA/cm2,ff=
0.43となり変換効率0.23%であった。
【0115】比較例12 実施例24のPL−PH層を熱処理しないこと以外は実
施例24と同様に素子を作製し、変換効率を測定した。
その結果、Voc=0.45V,Jsc=0.32mA
/cm2,ff=0.23となり変換効率0.04%で
あった。
【0116】実施例25 ITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)上に基板温度
約250℃で、導入ガスとしてアルゴンを用い、DCマ
グネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛を約1500Åの厚
さで設けた。その上に、真空蒸着法でペリレンテトラカ
ルボン酸ビス(3−フルオロベンジルイミド(PL−B
zmF)を約300Åの厚さに設けた。一旦大気下に取
り出し、減圧下で240℃で20分間処理した。その後
アルミニウムクロルフタロシアニン(AlClPc)を
約100Åの厚さで、さらに2,9−ジメチルキナクリ
ドン(QA−ME)を約300Åの厚さで設け、その上
に金を真空蒸着した。ITOと金がなす面積は0.25
cm2とした。2つの電極に銀ペーストにてリード線を
取り付けた。
【0117】この素子のITOの側に、75mW/cm
2の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電
圧を印加して変換効率を測定したところVOC=0.35
V,JSC=1.62mA/cm2,ff=0.33とな
り変換効率0.25%が得られた。この値は有機光起電
力素子としては大きなものである。
【0118】実施例26 実施例25の処理方法をN,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)蒸気中に5時間曝した以外は実施例25と同
様に素子を作製し、変換効率を測定した。その結果、V
OC=0.25V,JSC=1.24mA/cm2,ff=
0.37となり変換効率0.15%であった。
【0119】比較例13 実施例25のPL−BzmF層を熱処理しないこと以外
は実施例25と同様に素子を作製し、変換効率を測定し
た。その結果、VOC=0.50V,JSC=0.021m
A/cm2,ff=0.25となり変換効率0.004
%であった。
【0120】実施例27 実施例25のPL−BzmFをペリレンテトラカルボン
酸ビス(3−ブロモベンジルイミド(PL−BzmB
r)に変えた以外は実施例25と同様に光起電力素子を
作製した。
【0121】実施例25と同様に変換効率を測定したと
ころVOC=0.36V、JSC=1.64mA/cm2
ff=0.40となり変換効率0.31%が得られた。
この値は有機光起電力素子としては大きなものである。
【0122】実施例28 実施例27の処理方法をDMF蒸気中に10分間曝した
以外は実施例27と同様に素子を作製し、変換効率を測
定した。その結果、VOC=0.32V、JSC=1.42
mA/cm2、ff=0.35となり変換効率0.21
%であった。
【0123】比較例14 実施例27のPL−BzmBr層を熱処理しないこと以
外は実施例27と同様に素子を作製し、変換効率を測定
した。その結果、VOC=0.66V、JSC=0.48m
A/cm2、ff=0.26となり変換効率0.11%
であった。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、気相法で成膜処理され
たペリレン化合物層と、それと整流接合する電子供与性
有機物層を含む素子により、有機光起電力素子としては
高い変換効率が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する光起電力素子の構成例の説明
図である。
【図2】本発明を適用する光起電力素子の他の構成例の
説明図である。
【図3】本発明を適用する光起電力素子の他の構成例の
説明図である。
【図4】本発明を適用する光起電力素子の他の構成例の
説明図である。
【図5】本発明で用いられる化合物式(1)−2の処理
前(b)及び処理後(a)の吸収スペクトル。
【図6】本発明で用いられる化合物式(1)−1の処理
前(b)及び処理後(a)の吸収スペクトル。
【図7】本発明で用いられる化合物式(4)の処理前
(b)及び処理後(a)の吸収スペクトル。
【図8】本発明で用いられる化合物式(1)−3の処理
前(b)及び処理後(a)の吸収スペクトル。
【図9】本発明で用いられる化合物式(2)の処理前
(b)及び処理後(a)の吸収スペクトル。
【図10】本発明で用いられる化合物式(3)の処理前
(b)及び処理後(a)の吸収スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生野 弘 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透光性である2つの電
    極の間に、整流接合を形成する電子受容性有機物層と電
    子供与性有機物層の積層を含む光起電力素子において、
    該電子受容性有機物層がペリレン誘導体からなり、該層
    が気相法で作製され、スペクトル変化を伴う処理を施し
    たものであることを特徴とする有機光起電力素子。
  2. 【請求項2】 ペリレン誘導体が下記一般式(1)で表
    わされる請求項1記載の有機光起電力素子。 【化1】 (ここでnは0から4の整数、X,Y,Zは水素原子、
    低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シ
    アノ基、ニトロ基、アミノ基を表し、m、m’、m”は
    0から3でm+m’+m”=5の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 スペクトル変化を伴う処理が、該電子受
    容性有機物層を形成した後に熱処理することである請求
    項1記載の有機光起電力素子。
  4. 【請求項4】 処理が該電子受容性有機物層を形成する
    際に基板を60℃以上に保持することを特徴とする請求
    項1記載の有機光起電力素子。
  5. 【請求項5】 ペリレン誘導体が下記式(2)で表わさ
    れる塩素置換されたペリレンテトラカルボン酸ビスフェ
    ネチルイミドであり、処理により生じた吸収スペクトル
    が620nm付近にピークまたはショルダーを示すもの
    であることを特徴とする請求項2記載の有機光起電力素
    子。 【化2】
  6. 【請求項6】 ペリレン誘導体が下記式(3)で表わさ
    れる塩素置換されたペリレンテトラカルボン酸ビスベン
    ジルイミドであり、処理により生じた吸収スペクトルが
    670nm付近にピークを示すものであることを特徴と
    する請求項1記載の有機光起電力素子。 【化3】
  7. 【請求項7】 ペリレン誘導体が下記式(4)のペリレ
    ンテトラカルボン酸ビスメトキシプロピルイミドであ
    り、処理により生じた吸収スペクトルが560〜620
    nmにピークを示すものであることを特徴とする請求項
    1記載の有機光起電力素子。 【化4】
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JP3-284702 1992-02-14
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008017714A1 (en) * 2006-08-11 2008-02-14 Basf Se The use of perylene diimide derivatives as air-stable n-channel organic semiconductors
JP2011514913A (ja) * 2008-02-05 2011-05-12 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア リレン−(π−受容体)コポリマーから製造される半導体材料
WO2011138935A1 (ja) * 2010-05-07 2011-11-10 住友化学株式会社 有機光電変換素子
JP2019106401A (ja) * 2017-12-08 2019-06-27 住友化学株式会社 光電変換素子

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