JP3287204B2 - Rh真空脱ガス装置における終点炭素濃度制御方法及び炭素濃度制御装置 - Google Patents

Rh真空脱ガス装置における終点炭素濃度制御方法及び炭素濃度制御装置

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JP3287204B2
JP3287204B2 JP00973396A JP973396A JP3287204B2 JP 3287204 B2 JP3287204 B2 JP 3287204B2 JP 00973396 A JP00973396 A JP 00973396A JP 973396 A JP973396 A JP 973396A JP 3287204 B2 JP3287204 B2 JP 3287204B2
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正典 山岸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、RH真空脱ガス装
置を用いて極低炭素鋼を溶製する際の脱炭終了時の炭素
濃度を制御するRH真空脱ガス装置における終点炭素濃
度制御方法及び炭素濃度制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】真空脱ガス装置を備える真空精錬炉を用
いてステンレス鋼やクロム鋼等を溶製する場合、精錬中
の溶鋼のサンプリングは困難であるため溶鋼炭素含有量
の推定が容易でなく、現場作業者の勘に任されている。
しかし、近年では、溶鋼炭素含有量をより正確に推定す
る方法として、真空精錬炉の排ガス情報を利用して溶鋼
炭素含有量を推定する制御方法がある。
【0003】また、薄板材の連続焼鈍処理に伴って極低
炭素化を達成するために溶鋼における脱炭処理工程にお
いても要求が厳しくなる一方、鋼種の高級化に伴って脱
ガス処理比率の増加も顕著になっている。このような背
景から真空脱ガス装置を備える真空精錬炉による脱炭処
理工程においても、より迅速にかつ確実に精度よく脱炭
することが極めて重要な製造技術の課題となっている。
【0004】真空脱ガス装置を用いた真空精錬炉による
溶鋼炭素含有量の脱炭終点制御方法は、以下に示すよう
な先行例がある。先行例1は、処理前又は処理中溶鋼サ
ンプルの溶鋼中炭素濃度の分析値と排ガス成分分析値か
ら求めた脱炭量の物質収支に基づいて溶鋼炭素含有量を
推定する方法である。この代表的な方法が特開昭59−
185720号公報に開示されている。
【0005】先行例2は、処理前又は処理中における溶
鋼サンプルの溶鋼中炭素濃度の分析値と反応速度式の演
算に基づきスタティック(静的)に溶鋼中炭素濃度を制
御する方法である。この代表的な例が特開昭61−19
5913号公報等に開示されている。
【0006】先行例3は、操業実績値に基づいて溶鋼中
炭素濃度推移をリヤルタイムに演算し、又、処理中に1
回以上の溶鋼サンプリングによる溶鋼中炭素濃度の分析
と、酸素濃度の測定値を行い、その結果に基づいて、溶
鋼中炭素濃度推移の軌道を修正する方法である。この代
表的な例が特開平5−239540号公報等に開示され
ている。
【0007】先行例4は、排ガス成分の分析値から脱炭
速度を推定して、予め求めておいた相関式からダイナミ
ニック(動的)に溶鋼中炭素濃度を推測する方法であ
る。この代表的な例が特開平3−180424号公報や
特開平3−199306号公報等に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の先行例1乃至4
には、以下に述べるような問題点があり、以下、順番に
説明する。先行例1では、脱炭量を積分して求めるため
に、計測誤差の累積が避けられない欠点があり、極低炭
素鋼製造時にける脱炭量の最終判定において必要な精度
を得ることができない欠点がある。
【0009】又、先行例2では、排ガス情報等の操業条
件の変化を制御条件に取り入れないスタティック(静
的)制御であり、従って、操業条件が変化した場合には
満足な終点制御が行えないことになる。
【0010】又、先行例3では、処理中溶鋼のサンプル
分析結果を必要とするが、通常サンプル分析結果が判明
するまでに5分以上時間を要するために、脱炭終了時点
に分析結果が間に合わないことが予想される。又、先行
例4では、炭素濃度量の推定に排ガス情報のみに着目し
て、槽内真空度や溶鋼中酸素量等が操業中に変化する要
因を考慮していないために精度的に問題がある。
【0011】本発明は、上述のような問題点に鑑みなさ
れたものであり、RH真空脱ガス装置を用いた真空精錬
炉による極低炭素鋼の終点炭素濃度を溶鋼のサンプリン
グを行うことなく、溶鋼中の炭素濃度量を正確に推定で
きるRH真空脱ガス装置における終点炭素濃度制御方法
及び炭素濃度制御装置を提供することを目的とするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、RH真空脱ガス装置を用いて極低炭素鋼を溶製す
る際に、前記RH真空脱ガス装置から排出される排ガス
流量と排ガス中のCO,CO2 濃度に基づいて算出され
る脱炭速度が一定値以下となった時点で、溶鋼温度、溶
鋼中酸素濃度、前記真空脱ガス装置内の真空槽内圧力、
不活性ガスによる溶鋼環流用ガス流量、排ガス流量、及
び排ガス中のCO,CO2 濃度等の操業中の操業データ
と、過去の脱炭処理による溶鋼中炭素濃度実績から求め
た補正係数とによって、操業中の溶鋼中炭素濃度を推定
し、その炭素濃度推定値が目標値に達した場合、前記R
H真空脱ガス装置による溶鋼の脱炭処理を終了すること
を特徴とするRH真空脱ガス装置における終点炭素濃度
制御方法であり、過去の脱炭処理実績から求めた補正係
数Bと実操業データを因子とした式を用いて溶鋼中炭
素濃度を推定するRH真空脱ガス装置における終点炭素
濃度制御方法である。
【0013】又、請求項2に記載の発明は、RH真空脱
ガス装置を用いて極低炭素鋼を溶製する際に、前記真空
脱ガス装置から排出される排ガス流量と排ガス中のC
O,CO2 濃度に基づいて算出される脱炭速度が一定値
以下となった時点で、溶鋼温度、溶鋼中酸素濃度、不活
性ガスによる溶鋼環流用ガス流量、前記真空脱ガス装置
内の真空槽内圧力、排ガス流量、及び排ガス中のCO,
CO2 濃度の操業中の操業データと、過去の脱炭処理に
よる溶鋼中炭素濃度実績から求めた補正係数とを因子と
する下記の式による函数によって操業中の溶鋼中炭素
濃度[C]を連続的に推定し、この炭素濃度推定値が目
標値に達した時点で前記RH真空脱ガス装置による溶鋼
の脱炭処理を終了することを特徴とするRH真空脱ガス
装置における終点炭素濃度制御方法であり、過去の脱炭
処理実績から求めた補正係数Bと実操業データを因子と
した式を用いて溶鋼中の炭素濃度を推定するRH真空
脱ガス装置における終点炭素濃度制御方法である。
【0014】 〔C〕=f(T,[O],G,F,P,CO,CO2 ,B)…… 但し、T:溶鋼温度,[O]:溶鋼中酸素濃度,G:排
ガス流量,F:溶鋼環流用ガス流量,P:真空槽内圧
力,CO:排ガス中CO濃度,CO2 :排ガス中CO2
濃度,B:過去の脱炭処理実績から求めた補正係数
【0015】又、請求項3に記載の発明は、真空精錬炉
が取鍋とRH真空脱ガス装置とからなり、前記RH真空
脱ガス装置が真空槽本体と、前記真空槽本体の下部に前
記取鍋中の溶鋼に浸漬した上昇側浸漬管と下降側浸漬管
と、前記上昇側浸漬管内に不活性ガスを導入するための
溶鋼環流用ガス供給管と、前記真空槽本体の上部に設け
られた排気管と、前記真空槽本体を真空にするための前
記排気管に設けられた真空排気装置とから構成され、前
記排気管に備えられた排ガス流量Gを計測する排ガス流
量計と排ガス中のCO、CO2 濃度を計測する排ガス成
分分析計と、前記真空脱ガス装置内の真空槽内圧力Pを
計測する槽内真空度計と、前記取鍋中の溶鋼の溶鋼温度
Tを測定する温度検出器と、前記取鍋中の溶鋼中酸素濃
度[O]を測定する酸素濃度検出器と、溶鋼を環流する
ためのガス流量を計測するための前記溶鋼環流用ガス供
給管に備えられた溶鋼環流用ガス流量計と、前記排ガス
流量計、前記排ガス成分分析計、前記槽内真空度計、前
記温度検出器、前記酸素濃度検出器、及び前記溶鋼環流
用ガス流量計から出力される操業データが入力され、且
つ、前記排ガス流量計による排ガス流量と前記排ガス成
分分析計による排ガス中のCO,CO2 濃度に基づき算
出される脱炭速度が一定値以下となった時点で、前記操
業データと過去の脱炭処理実績から求めた補正係数Bと
によって推定した炭素濃度推定値が目標値に達したか否
かによって脱炭を終了するタイミングを制御する制御装
置とを具備することを特徴とするRH真空脱ガス装置に
おける炭素濃度制御装置であり、制御装置に過去の脱炭
処理実績から求めた補正係数Bを記憶して、補正係数B
と実操業データを因子とした式を用いて溶鋼中の炭素
濃度を推定するRH真空脱ガス装置における炭素濃度制
御装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態に
ついて、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係
るRH真空脱ガス装置における終点炭素濃度制御方法及
び炭素濃度制御装置の一実施形態を示す図である。同図
において、真空精錬炉は溶鋼5が収容された取鍋1とR
H真空脱ガス装置2とから構成され、溶鋼中の炭素濃度
を制御する炭素濃度制御装置とから構成されている。
【0017】取鍋1には転炉等で精錬した溶鋼5が収納
される。RH真空脱ガス装置2は、その真空槽本体4の
下部に上昇側浸漬管3aと下降側浸漬管3bが設けら
れ、真空槽本体4の上部には排気管8が設けられ、上昇
側浸漬管3aにはアルゴンガス等の不活性ガスを上昇側
浸漬管3a中の溶鋼5に導入するための溶鋼環流用ガス
供給管6が接続され、上昇側浸漬管3aと下降側浸漬管
3bは溶鋼5中に浸漬されている。
【0018】又、溶鋼環流用ガス供給管6には環流用ガ
ス流量計7が設けられ、真空槽本体4には槽内真空度計
11が設けられ、排気管8には赤外線分析計等の排ガス
成分分析計9と排気ガス流量計10が設けられ、更に、
排気管8には排ガスを排出する真空排気装置14が設け
られている。又、取鍋1の溶鋼5中の温度と酸素濃度
は、温度検出器と酸素濃度検出器が収納された溶鋼温度
・酸素測定用消耗型プローブ12を溶鋼5中に浸漬いて
計測することができる。
【0019】制御装置13には、これらの環流用ガス流
量計7、排ガス成分分析計9、排気ガス流量計10、槽
内真空度計11、溶鋼温度・酸素測定用プローブ12か
らの出力が入力されている。又、過去の脱炭処理実績に
基づく補正係数が記憶装置に記憶され、その記憶装置か
ら炭素濃度量の推定時に補正係数Bを呼び出し得るよう
になされ、操業中の炭素濃度推定値を推定している。
又、制御装置13は、真空排気装置14を制御してい
る。
【0020】又、この実施形態では、溶鋼5の脱炭に必
要な酸素が溶在酸素として含有しているものとし、その
まま脱炭処理がなされる。しかし、この実施形態に限定
されるものではなく、必要に応じて、酸素吹付け羽口や
酸素吹付けランスを設けたRH型真空槽を用いて、脱炭
に必要な酸素を吹き込むことにより、C−O反応によっ
て脱炭処理を行うことができる。
【0021】上記実施形態では、転炉等で精錬した溶鋼
を収納した取鍋1が真空処理による脱炭処理を行う場所
に移動し、取鍋1を上昇させて、上昇側浸漬管3aと下
降側浸漬管3bを取鍋1内の溶鋼5に浸漬させる。その
後、真空排気装置14によって真空槽本体4内は排気管
8を介して真空に維持される。真空槽本体4内が真空状
態となるので、溶鋼5は上昇側浸漬管3aと下降側浸漬
管3bを通して上昇する。一方、溶鋼環流用ガス供給管
6を介して上昇側浸漬管3a内にアルゴンガスを吹き込
むことにより、ガスポンプの原理で取鍋1内の溶鋼5を
矢印で示すように循環する。このように、真空脱ガス槽
4内が真空状態とすることにより、溶鋼5の脱炭処理が
なされる。
【0022】これらの一連の操作は、制御装置13によ
って制御されている。この実施形態では、溶鋼中の炭素
濃度の演算式が制御装置13に記憶されており、環流用
ガス流量計7、排ガス成分分析計9、排気ガス流量計1
0、槽内真空度計11、溶鋼温度・酸素測定用プローブ
12からの入力信号と過去の実績による補正係数によ
り、溶鋼中の炭素濃度値が推定される。この炭素濃度推
定値が目標値と比較演算され、比較演算結果に基づいて
脱炭処理を終了するための制御信号が出力され、この制
御信号に基づいて溶鋼5中にAl(アルミニウム)等の
脱酸材が投入され、脱炭処理を終了している。
【0023】次に、RH真空脱ガス装置を用いた真空精
錬炉における脱炭処理について説明する。取鍋1内の溶
鋼5の炭素濃度推定値[C]は、(1)式に示した各因
子による函数によって求められる。この(1)式の演算
処理は、中央処理装置(CPU)を含む制御装置13に
よってなされる。
【0024】 〔C〕=f(T,[O],G,F,P,CO,CO2 ,B)…(1)
【0025】(但し、T:溶鋼温度,[O]:溶鋼中酸
素濃度,G:排ガス流量,F:溶鋼環流用ガス流量,
P:真空槽内圧力(真空度),CO:排ガス中CO濃
度,CO 2 :排ガス中CO2 濃度,B:過去の処理実績
から求めた補正係数)
【0026】続いて、その演算処理の詳細について以下
に説明する。先ず、溶鋼中の炭素に関する系全体の物質
収支は、(2)式で表される。
【0027】 d[C]/dt=Q・([C]’−[C])/W …………(2)
【0028】(但し、[C]:取鍋内溶鋼炭素濃度,
[C]’:浸漬管降下流炭素濃度,Q:溶鋼環流量,
W:全溶鋼量) 因に、溶鋼環流量Qは、Q=114 ・F1/3 ・d4/3
〔ln(1/P)〕1/3と表される。dは上昇側浸漬管
3aと下降側浸漬管3bの浸漬管内径である。
【0029】又、脱炭速度は、(3)式で表される。 d[C]/dt=−Gc/W …………(3) (但し、Gc:排ガス中の炭素量,W:全溶鋼量,)
【0030】又、RH真空脱ガス装置の排気管8を介し
て排気される排ガス中の炭素量Gcは(4)式で表され
る。
【0031】 Gc=a・Gas・(CO+CO2 ) …………(4)
【0032】(但し、Gas:排ガス流量,CO:排ガ
ス中のCO濃度,CO2 :排ガス中のCO2 濃度,a:
定数) 従って、排気管8を介して排気される排ガス中の炭素量
Gcは、(2),(3)式から(5)式のように求めら
れる。
【0033】 Gc=Q・([C]−[C]’) …………(5)
【0034】又、真空槽内溶鋼の脱炭反応は(6)式の
ようなモデル式で表される。
【0035】 [C]’= P/(K[O]) +〔1/B+1/([C]−P/(K[O])〕-1………(6)
【0036】(但し、K:[C]−[O]反応の平衡定
数,K=exp(2671/T+4.612),B:過
去の処理実績から求められた補正係数)
【0037】上記の(5),(6)式から溶鋼中の炭素
濃度推定値[C]は、(7)式のように表される。
【0038】 [C]=P/(K[O])+1/(20・Q)〔√(Gc2 +40・Q・ Gc・B/(K[O]))〕 ……………(7)
【0039】(1)乃至(7)式の演算処理は、制御装
置13のCPU等により演算処理され、(7)式によっ
て求められた溶鋼中の炭素濃度推定値[C]が目標値に
達した時点で、脱酸材を投入して、溶鋼中の炭素濃度を
制御するものである。(7)式は簡略化すると(1)式
の函数として表される。
【0040】次に、制御装置13による終点炭素濃度制
御方法の一実施形態について、図2のフローチャートに
基づいて説明する。制御装置13にこの制御プログラム
が書き込まれている。同図において、真空精錬炉は真空
排気装置14の駆動及び溶鋼環流用ガス供給管6を介し
てアルゴンガス等の不活性ガスの供給を開始し、RH処
理状態に設定されており、ステップS1に進む。ステッ
プS1では、終点炭素濃度制御開始プログラムを開始
し、ステップS2に進む。ステップS2では排ガス流量
計10によって、排ガス流量が計測され、ステップS3
に進む。ステップS3では排ガス中のCO,CO2 濃度
を排ガス成分分析計9によって計測する。続いて、ステ
ップS4に進み、排ガス流量計10と排ガス成分分析計
9による計測値である排ガス流量とCO,CO2 濃度か
ら脱炭速度が算出され、ステップS5に進む。
【0041】ステップS5では、脱炭速度が(4)式に
基づいて算出する。その算出結果が比較演算手段によっ
て脱炭速度が一定速度以下に達していないと判定された
場合、所定の待機時間を経てステップS2に戻り、脱炭
速度が一定速度以下の場合はステップS6に進む。ステ
ップS6では溶鋼温度,溶鋼中酸素濃度が計測され、そ
れらの計測値が記憶され、ステップS7に進む。ステッ
プS7では真空槽内圧力,溶鋼環流用ガス流量等の操業
中の脱炭処理データと過去の脱炭処理実績による補正係
数Bにより補正した溶鋼中炭素濃度の推定値(溶鋼中炭
素濃度値)を求めてステップS8に進む。
【0042】ステップS8では、溶鋼中の炭素濃度推定
値が目標値に達したか否かが比較演算手段によって判断
され、所定の目標値に達しない場合は所定の待機時間を
経てステップS7に戻り、所定の目標値に達した場合に
は、ステップS9に進み脱酸材を溶鋼中に投入して脱炭
処理を停止させて、終点炭素濃度の制御を終了する。そ
の後、次の他の処理工程に進む。
【0043】この実施形態による炭素濃度の制御結果が
図3,図4に示されている。図3は、溶鋼中の炭素濃度
の推定値と実績値を示す図であり、横軸が処理時間を示
し、縦軸が溶鋼中炭素濃度を示している。同図におい
て、(a)は溶鋼中酸素濃度の目標値であり、(b)は
実際の炭素濃度推移を示している。上記実施形態におい
て、脱炭速度が5Kg/minに達した時点(t0
で、溶鋼温度、溶鋼中酸素濃度の測定を行って炭素濃度
推定を行い、脱炭終了までの炭素濃度推定値の変化が実
績値と一致することを示している。
【0044】図4は、横軸が炭素濃度実績値を示し、縦
軸が終点炭素濃度推定値を示しており、脱炭終了時の炭
素濃度の実績値と推定値との比較を示している。脱炭速
度が5Kg/minに達した時点で、溶鋼温度、溶鋼中
酸素濃度を測定を行い、それ以降脱炭終了まで炭素濃度
推定を行っている。図中(a)は目標値であり、
(b),(c)はばらつきの範囲を示している。上記実
施形態では、炭素濃度推定値における脱炭終了時の炭素
濃度が±3ppmの精度で溶鋼中炭素濃度を制御するこ
とができることを示している。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
真空脱ガスにおける極低炭素鋼の製造に際して、溶鋼を
サンプリングすることなく、溶鋼中終点炭素濃度を高精
度に設定することができるので、過剰な脱炭時間が超過
するのを防止できるとともに、鋼材の品質向上を図るこ
とができる利点がある。無論、本発明によれば、極低炭
素鋼の生産性が向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るRH真空脱ガス装置及びその炭素
濃度制御装置の一実施形態を示す図である。
【図2】本発明に係るRH真空脱ガス装置における終点
炭素濃度制御方法の一実施形態を示すフローチャト図で
ある。
【図3】本発明に係るRH真空脱ガス装置の炭素濃度制
御装置における炭素濃度推定値と実績値を比較した図で
ある。
【図4】本発明に係るRH真空脱ガス装置の炭素濃度制
御装置における終点実績値と終点推定値とばらつきを示
す図である。
【符号の説明】
1 取鍋 2 RH真空脱ガス装置 3a 上昇側浸漬管 3b 下降側浸漬管 4 真空槽本体 5 溶鋼 6 溶鋼環流用ガス供給管 7 環流用ガス流量計 8 排気管 9 排気ガス成分分析計 10 排気ガス流量計 11 槽内真空度計 12 溶鋼温度・酸素測定用プローブ 13 制御装置 14 真空排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−101110(JP,A) 特開 平7−242928(JP,A) 特開 平5−239540(JP,A) 特開 平3−199306(JP,A) 特開 平3−134114(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 7/10 C21C 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RH真空脱ガス装置を用いて極低炭素鋼
    を溶製する際に、前記RH真空脱ガス装置から排出され
    る排ガス流量と排ガス中のCO,CO2 濃度に基づいて
    算出される脱炭速度が一定値以下となった時点で、溶鋼
    温度、溶鋼中酸素濃度、前記RH真空脱ガス装置内の真
    空槽内圧力、不活性ガスによる溶鋼環流用ガス流量、排
    ガス流量、及び排ガス中のCO,CO2 濃度等の操業中
    の操業データと、過去の脱炭処理による溶鋼中炭素濃度
    実績から求めた補正係数とによって、操業中の溶鋼中炭
    素濃度を推定し、その炭素濃度推定値が目標値に達した
    場合、前記RH真空脱ガス装置による溶鋼の脱炭処理を
    終了することを特徴とするRH真空脱ガス装置における
    終点炭素濃度制御方法。
  2. 【請求項2】 RH真空脱ガス装置を用いて極低炭素鋼
    を溶製する際に、前記RH真空脱ガス装置から排出され
    る排ガス流量と排ガス中のCO,CO2 濃度に基づいて
    算出される脱炭速度が一定値以下となった時点で、溶鋼
    温度、溶鋼中酸素濃度、不活性ガスによる溶鋼環流用ガ
    ス流量、前記真空脱ガス装置内の真空槽内圧力、排ガス
    流量、及び排ガス中のCO,CO2 濃度の操業中の操業
    データと、過去の脱炭処理による溶鋼中炭素濃度実績か
    ら求めた補正係数とを因子とする下記の式による函数
    によって操業中の溶鋼中炭素濃度[C]を連続的に推定
    し、この炭素濃度推定値が目標値に達した時点で前記R
    H真空脱ガス装置による溶鋼の脱炭処理を終了すること
    を特徴とするRH真空脱ガス装置における終点炭素濃度
    制御方法。 [C]=f(T,[O],G,F,P,CO,CO2 ,B)…… 但し、T:溶鋼温度,[O]:溶鋼中酸素濃度,G:排
    ガス流量,F:溶鋼環流用ガス流量,P:真空槽内圧
    力,CO:排ガス中CO濃度,CO2 :排ガス中CO2
    濃度,B:過去の脱炭処理実績から求めた補正係数
  3. 【請求項3】 真空精錬炉が取鍋とRH真空脱ガス装置
    とからなり、前記RH真空脱ガス装置が真空槽本体と、
    前記真空槽本体の下部に前記取鍋中の溶鋼に浸漬した上
    昇側浸漬管と下降側浸漬管と、前記上昇側浸漬管内に不
    活性ガスを導入するための溶鋼環流用ガス供給管と、前
    記真空槽本体の上部に設けられた排気管と、前記真空槽
    本体を真空にするための前記排気管に設けられた真空排
    気装置とから構成され、 前記排気管に備えられた排ガス流量Gを計測する排ガス
    流量計と排ガス中のCO、CO2 濃度を計測する排ガス
    成分分析計と、 前記真空脱ガス装置内の真空槽内圧力Pを計測する槽内
    真空度計と、 前記取鍋中の溶鋼の溶鋼温度Tを測定する温度検出器
    と、 前記取鍋中の溶鋼中酸素濃度[O]を測定する酸素濃度
    検出器と、 溶鋼を環流するためのガス流量を計測するための前記溶
    鋼環流用ガス供給管に備えられた溶鋼環流用ガス流量計
    と、 前記排ガス流量計、前記排ガス成分分析計、前記槽内真
    空度計、前記温度検出器、前記酸素濃度検出器、及び前
    記溶鋼環流用ガス流量計から出力される操業データが入
    力され、且つ、前記排ガス流量計による排ガス流量と前
    記排ガス成分分析計による排ガス中のCO,CO2 濃度
    に基づき算出される脱炭速度が一定値以下となった時点
    で、前記操業データと過去の脱炭処理実績から求めた補
    正係数Bとによって推定した炭素濃度推定値が目標値に
    達したか否かによって脱炭を終了するタイミングを設定
    する制御装置とを具備することを特徴とするRH真空脱
    ガス装置における炭素濃度制御装置。
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