JP3293674B2 - Rh脱ガス処理における終点炭素濃度制御方法 - Google Patents
Rh脱ガス処理における終点炭素濃度制御方法Info
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Description
炭素濃度が50ppm 以下である極低炭素鋼を溶製する際
に、溶鋼の到達炭素濃度を精度よく推定して脱炭終了時
の炭素濃度を制御する方法に関するものである。
素濃度が50ppm 以下の極低炭素鋼を溶製する際に、脱炭
処理の終了時点を正確に判定できないときには、過剰な
脱炭処理が必要となり、合理化促進にとっては妨げとな
る。また、製品の深絞り性または強度等を精密に制御し
ようとする場合には、到達炭素濃度を高精度に制御する
ことが必要である。このことから真空精錬における溶鋼
の炭素濃度を制御する方法として、様々な制御方法が提
案されている。
脱炭速度を一次式とおいて操業要因の影響を回帰式等で
規定して〔C〕推定を行う(例えば特開昭61−195913号
公報参照)やり方で、もう一方は排ガス流量と排ガス中
のガス分析による CO(CO2)測定により脱炭量を積分し鋼
中炭素量の残量を求める、または(CO+CO2 )濃度から
脱炭速度を推定し、あらかじめ推定しておいた相関式か
ら〔C〕値を予測するというもの(例えば、特開平3−
180424号、特開平3−199306号公報参照)である。
ては、次に述べるような問題点がある。まず操業要因の
影響を回帰式で規定する方法には、精錬中における条件
の変化を制御条件に盛込まないスタティック(静的)制
御であり、終点判定はばらつく。また、積分により脱炭
量を求め〔C〕値を求める方法は、計測誤差を累積する
ことになる。
度を求める方法は、測定が高精度であることが要求され
るが、分析計設置位置は真空精錬炉から比較的離れた位
置であるため排ガスの移動にかかる時間のおくれが存在
し精度に欠けることになる。精錬炉直近に設置した場合
は、ダスト等による配管の詰まり等からの設備管理が非
常に困難で、実操業レベルの技術にはなり得ない。
低炭素鋼の溶製において、より正確に、また確実に脱炭
の終了時点を断定でき、過剰な脱炭を避け、かつ目標範
囲以下に炭素濃度が下がったことを確認して脱ガス処理
を終了するRH脱ガス処理における終点炭素濃度制御方法
を提供することを目的とするものである。
の本発明は、RH脱ガス装置を用いて炭素濃度が50ppm以
下である低炭素鋼を溶製する際に、脱炭終了時の炭素濃
度を制御する方法であって、RH脱ガス装置による溶鋼の
脱炭処理中に排ガス量を測定し、この測定排ガス量と直
近のRH脱ガス処理による脱炭終了時の実績排ガス量との
差である排ガス流量差から、その時点の炭素濃度を推定
し、この推定炭素濃度が目標炭素濃度に到達したことを
確認して溶鋼の脱炭処理を終了することを特徴とするRH
脱ガス処理における終点炭素濃度制御方法である。
る脱炭反応は、見かけ上一次反応式に従うので下記
(1)式が成り立つ。
依存して変化し、下記(2)式と示される。
出入りは厳密に管理されており、排ガスの正確な情報は
リアルタイムに得られる。さらに入側ガスとしては環流
ガス、脱炭により発生するCOガスがあるが、このうち環
流ガスは一定であるので排ガス量の変化はCOガス発生量
の変化と考えられる。すなわち、一定時間内の排ガス量
変化(すなわち排ガス速度)は、COガス発生速度=脱炭
速度を意味することになる。(4)式右辺のd〔C〕/
dtは脱炭速度であり、排ガス量変化から脱炭速度d
〔C〕/dtが求まれば係数αはほぼ一定とみなせるの
で、鋼中炭素濃度〔C〕 (ppm)を求めることができる。
ことで〔C〕≦50ppm の〔C〕値の判断は精度よく可能
である。したがって、排ガス分析等に頼ることなく精度
よく推定できばらつきを低減することができる。
1は本発明のRH脱ガス装置による制御方法の実施状態を
示す模式図であり、取鍋1内には溶鋼2が収容されてお
り、取鍋1の上方には2本の浸漬管3、4を備えた真空
槽5が設けられている。
内の溶鋼2中に浸漬されている。また一方の浸漬管3に
は管内に環流Arガスを導入するためガス供給管6が接続
されている。また真空槽5は排気ダクト7を介して真空
排気装置(図示せず)に接続され、真空槽5内が真空状
態に保持される。排ガスダクト7の途中には排ガス量を
測定するガス流量計8が設置されている。さらに溶鋼の
脱炭処理時間を測定するタイマ(図示せず)が設けてあ
る。
にArガスを吹き込んでガスリフトポンプの原理で取鍋1
内の溶鋼2を矢印で示すように循環させ、真空槽5内に
て溶鋼2を真空にさらして真空脱炭処理を行う。本実施
例では、処理条件を処理溶鋼量=250 トン、浸漬管3、
4の内径=750 mm、環流ガス量2000〜4000Nl/分として
脱炭終了時の炭素濃度の制御値を50ppm 以下とした。
炭素鋼溶製に際し、脱ガス処理終点まじかの安定期では
COガスの発生は極めて少なく無視できるので環流用Arガ
スのみが排ガスの入側ガスになると考えられる。しかる
に実際には、真空槽5のいくつかの接合点から槽内に侵
入するリークがあり、この影響を受けて真空脱ガス処理
安定期の排ガス量はヒートごとに一定ではなくリークに
応じて変動することになる。
溶製する際における今回チャージの直近チャージにおけ
る脱ガス処理時間(分)に対するガス流量計8で測定し
た排ガス流量kg/hrのトレンドの一例を示している。図
2に曲線で示すように排ガス流量は高炭素領域では多い
が、脱炭の進行と共に排ガス流量は急激に減少し極低炭
素領域の脱ガス処理末期ではCOガスの発生はなくなるの
で、排ガス流量はリークガスを包含する環流ガス(Ar)
に相当する安定期の流量に収れんし、ほぼ一定の流量と
なる。
素鋼を溶製できる処理時間20分におけるリークガスを包
含する環流ガス量(Ar)を脱ガス処理による脱炭終了時
の実績排ガス量として用いる。図2において、たとえば
曲線上のA点における排ガス量とリークガスを包含する
環流ガス量(Ar)との差、すなわち脱炭による排ガス流
量差を、その時点AでのCOガス発生量とみなす。
ためには係数αを求めなければならないが、これは図3
に示すように前記のようにして求めた脱炭処理時の排ガ
ス流量(kg/hr)の差分と〔C〕の実績値との関係を予
め求めておくことにより、排ガス流量から〔C〕値を求
めることができる。すなわちたとえば図3から排ガス量
の差分(kg/hr)が 100kg/hrの時点で脱炭処理を終了
することにより目標〔C〕≦30ppm に確実に脱炭処理す
ることができる。
ない脱炭判定方法としては、脱炭中のサンプリングによ
り目標炭素値であることを確認するか、または脱炭処理
時間を時間管理することが考えられるがサンプリングの
場合、分析値判明には少なくとも5〜6分必要で、この
時間は過脱炭となる。また時間管理する場合、脱炭速度
が各チャージで脱炭前の炭素濃度や鋼中酸素濃度等の初
期条件に差があるためにばらつきがあり、過脱炭する時
間設定となる。
前の場合と、本発明の排ガス量を利用した脱炭判定を行
う実施後の場合の到達炭素濃度を比較して示す。
され、到達炭素濃度のばらつきも小さくなり、脱炭処理
時間も短縮された。なお、排ガス流量差 100kg/hrで脱
炭終了して平均C=21.0ppm であるのは脱酸剤(Al)投
入中もなおある程度の脱炭が進行するためであると考え
られる。
脱ガス装置を用いて50ppm 以下である極低炭素鋼を溶製
する際に、溶鋼の脱炭処理中に発生する排ガス量を用い
てその時点の炭素濃度を正確にかつ迅速に推定すること
ができるので、判定遅れによる過脱炭が防止され、到達
炭素濃度の的中率が向上すると共に脱ガス処理時間の短
縮が達成できる。
装置の模式図である。
関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 RH脱ガス装置を用いて炭素濃度が50ppm
以下である極低炭素鋼を溶製する際に、脱炭終了時の炭
素濃度を制御する方法であって、RH脱ガス装置による溶
鋼の脱炭処理中に排ガス量を測定し、この測定排ガス量
と直近のRH脱ガス処理による脱炭終了時の実績排ガス量
との差である排ガス流量差から、その時点の炭素濃度を
推定し、この推定炭素濃度が目標炭素濃度に到達したこ
とを確認して溶鋼の脱炭処理を終了することを特徴とす
るRH脱ガス処理における終点炭素濃度制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34590992A JP3293674B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | Rh脱ガス処理における終点炭素濃度制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34590992A JP3293674B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | Rh脱ガス処理における終点炭素濃度制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06192724A JPH06192724A (ja) | 1994-07-12 |
JP3293674B2 true JP3293674B2 (ja) | 2002-06-17 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP34590992A Expired - Fee Related JP3293674B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | Rh脱ガス処理における終点炭素濃度制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3293674B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5428447B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2014-02-26 | Jfeスチール株式会社 | Rh真空脱ガス装置における溶鋼の精錬方法 |
-
1992
- 1992-12-25 JP JP34590992A patent/JP3293674B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06192724A (ja) | 1994-07-12 |
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