JP5353320B2 - 溶鋼の真空脱ガス方法、真空脱ガス装置および製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶鋼の真空脱ガス方法、真空脱ガス装置および製造方法に関し、具体的には、溶鋼中成分濃度を推定しながら行う溶鋼の真空脱ガス方法と、この方法を実施するための溶鋼の真空脱ガス装置と、この方法を用いた溶鋼の製造方法とに関する。
真空脱ガス装置を備える真空精錬炉を用いて、例えば脱炭処理のような脱ガス処理を行う場合、規格成分である炭素濃度の上限および下限に対して成分外れを起こさないことは製品保証上極めて重要である。また、例えば脱炭処理のときに上限よりやや低い炭素濃度で脱炭処理を終了することは、処理時間の短縮につながることから、コストおよび生産性の観点から極めて重要である。
そのためには、当然のことながら、真空脱ガス処理中の除去すべきガス成分の溶鋼中濃度を精度よく推定することが必要となる。例えば、真空脱炭処理を行う場合には、除去すべきガス成分、つまりCOまたはCO成分は溶鋼中では溶解炭素として存在するから、溶鋼中の炭素濃度を精度よく推定することが必要となる。これは脱水素等の場合にあっても同様である。なお、真空脱ガス処理としては多くは脱炭処理を目的とすることから、以下の説明は、真空脱炭処理を例にとって行う。
これまでにも、溶鋼中の炭素濃度の推定方法に係る発明が提案されている。
特許文献1には、脱炭処理中の溶鋼中炭素濃度の推移をフィッティングで定める脱炭速度定数を用いて推定する発明が開示されている。この発明は、脱炭処理前あるいは脱炭処理中に取鍋から溶鋼サンプルを採取し、その炭素濃度分析値に対してサンプル採取時刻から現在までの炭素濃度の推移を、脱炭速度定数を用いた演算によって推定するものである。
特許文献2には、脱炭処理前あるいは脱炭処理途中の溶鋼サンプルの炭素濃度の分析値を用いることなく、排ガス情報に基づいて現在の炭素濃度を推定する発明が開示されている。
さらに、特許文献3には、溶鋼を収容する真空容器に接続された排気系統における、排ガス中の脱ガス成分の排出速度の経時的な測定値の変化速度に基づいて、溶鋼中の目的成分の濃度を推定する発明が開示されている。
特開平6−256840号公報 特開平9−202913号公報 特開2005−330512号公報
特許文献1により開示された発明は、脱炭速度定数をフィッティングで求めるため、現に処理しているヒート固有の条件がフィッティングのばらつきから外れる場合にはこれを検出して修正することができないため、炭素濃度の推定に誤差が生じる可能性が高い。
特許文献2により開示された発明は、時々刻々と測定される排ガス情報に基づいて溶鋼中炭素濃度を推定するため、特許文献1により開示された発明よりも精度よく推定できる可能性があるものの、その原理からも理解されるように多くの仮定を前提として溶鋼中炭素濃度を推定するものであるため、十分な精度が得られない可能性が高い。
さらに、特許文献3により開示された発明は、時々刻々と測定される排ガス情報を用いる点では特許文献2により開示された発明と同様に精度の高い推定が可能であると考えられるが、微小時間内における排ガス情報の変化速度を用いることから、排ガス情報の突発的な揺らぎが生じた場合には推定精度が低下する可能性がある。
本発明は、従来の技術が有するこれらの課題に鑑みてなされたものであり、溶鋼中成分濃度を推定しながら行う溶鋼の真空脱ガス方法と、この方法を実施するための溶鋼の真空脱ガス装置と、この方法を用いた溶鋼の製造方法とを提供することである。
本発明者らは、上述した課題を解決する手段について種々検討を重ねた結果、特許文献2に開示されるように、溶鋼中の脱ガス成分も最終的には排ガスとして排出されるのであるから、排ガス成分の変動を監視することによって、溶鋼中の脱ガス成分の変動を推定できることに着目した。特に、排ガス中の特定の脱ガス成分の割合の検出速度はかなり早いことから瞬時の計測が可能となる。しかし、排ガス中の特定の脱ガス成分の割合の値をもって、溶鋼中のこの脱ガス成分の割合の含有量をそのまま推定することはできない。
また、特許文献3により開示された発明において問題となる「微小時間内の排ガス情報の突発的な揺らぎ」は確率的に発生するため、こうした揺らぎの影響を抑制する必要がある。
そこで、本発明者らは、排ガス中の排ガス成分の複数の時刻における排出速度を算出し、算出した複数の排出速度と該当時刻との関係を求めることによって、溶鋼中の同成分の含有量の時間推移を容易かつ正確に推測することができることを知見し、本発明を完成した。
本発明は、真空容器に収容された取鍋内の溶鋼の真空脱ガス処理である脱炭処理または脱水素処理を行う方法であって、この真空容器に接続された排気系統における、排ガス中の排ガス成分である、脱炭処理の場合にはCOガスおよびCO ガス、脱水素処理の場合にはH ガスの複数の時刻における排出速度を算出し、算出した複数の排出速度と該当時刻との関係を求め、この関係から溶鋼中の目的成分である、脱炭処理の場合には溶解炭素、脱水素処理の場合には溶解水素の濃度を推定する工程を含むことを特徴とする溶鋼の真空脱ガス方法である。
また、本発明は、真空槽の下部に設けられた浸漬管を溶鋼に浸漬して溶鋼の真空脱ガス処理である脱炭処理または脱水素処理を行う方法であって、この真空槽に接続された排気系統における、排ガス中の排ガス成分である、脱炭処理の場合にはCOガスおよびCO ガス、脱水素処理の場合にはH ガスの複数の時刻における排出速度を算出し、算出した複数の排出速度と該当時刻との関係を求め、この関係から溶鋼中の目的成分である、脱炭処理の場合には溶解炭素、脱水素処理の場合には溶解水素の濃度を推定する工程を含むことを特徴とする溶鋼の真空脱ガス方法である。
これらの本発明に係る溶鋼の真空脱ガス方法では、算出した複数の排出速度と該当時刻の関係を関数で定め、この関数から求められる溶鋼中の目的成分の濃度と時間との関係を用いて溶鋼中の目的成分の濃度を推定することが好ましい。
これらの本発明に係る溶鋼の真空脱ガス方法では、溶鋼の内部に攪拌用あるいは環流用の不活性ガスを吹き込むことが好ましい。
これらの本発明に係る溶鋼の真空脱ガス方法では、浸漬管の本数が1本、または2本であることが好ましい。
これらの本発明に係る溶鋼の真空脱ガス方法では、排ガス中の排ガス成分の複数の時刻における排出速度と該当時刻との関係を求める際に、真空脱ガス処理中における溶鋼中の目的成分の濃度の分析値を用いることが好ましい。
これらの本発明に係る溶鋼の真空脱ガス方法では、排ガス中の排ガス成分の複数の時刻における排出速度と該当時刻との関係から溶鋼中の目的成分の濃度を推定する際に、真空脱ガス処理中における溶鋼中の目的成分の濃度の分析値を用いることが好ましい。
これらの本発明に係る溶鋼の真空脱ガス方法では、真空容器、または真空槽の上方の天蓋あるいは側面に設けたランスから不活性ガスを上吹きすることが好ましい。
別の観点からは、本発明は、溶鋼の真空脱ガス処理である脱炭処理または脱水素処理を行う装置であって、真空容器と、この真空容器に接続された排気系統と、この排気系統に設けられた脱ガス成分である、脱炭処理の場合にはCOガスおよびCO ガス、脱水素処理の場合にはH ガスの分析可能な排ガス分析計と、排ガス分析計により測定されたデータから脱ガス成分の排出速度と時間との関係を定める演算を行う演算器とを備えることを特徴とする溶鋼の真空脱ガス装置である。
また、本発明は、溶鋼の真空脱ガス処理である脱炭処理または脱水素処理を行う装置であって、下部に浸漬管を有する真空槽と、この真空槽に接続された排気系統と、この排気系統に設けられた脱ガス成分である、脱炭処理の場合にはCOガスおよびCO ガス、脱水素処理の場合にはH ガスの分析可能な排ガス分析計と、この排ガス分析計により測定されたデータから脱ガス成分の排出速度と時間との関係を定めるための演算を行う演算器とを備えることを特徴とする溶鋼の真空脱ガス装置である。
これらの本発明に係る溶鋼の真空脱ガス装置では、演算器が、さらに上述した演算の結果に基づいて溶鋼中の目的成分である、脱炭処理の場合には溶解炭素、脱水素処理の場合には溶解水素の濃度を演算することが好ましい。
これらの本発明に係る溶鋼の真空脱ガス装置は、さらに、溶鋼の内部に攪拌用あるいは環流用の不活性ガスを吹き込む装置を備えることが好ましい。
これらの本発明に係る溶鋼の真空脱ガス装置では、浸漬管の本数が1本または2本であることが好ましい。
これらの本発明に係る溶鋼の真空脱ガス装置では、真空容器、または真空槽の上方の天蓋あるいは側面に、不活性ガスを上吹きするためのランスを備えることが好ましい。
さらに別の観点からは、本発明は、上述した本発明に係る真空脱ガス方法を用いて溶鋼の真空脱ガス処理を行うことによって、炭素濃度が28ppm以下の溶鋼を製造することを特徴とする溶鋼の製造方法である。
本発明によれば、真空脱ガス装置を用いた溶鋼の脱ガス処理に際して、処理中の脱ガス成分を精度よく推定することができ、脱ガス処理時間の短縮によるコストの削減を図ることができる。
本発明を実施するRH真空脱ガス装置の構成例を模式的に示す説明図である。 本発明を実施する別のRH真空脱ガス装置の構成例を模式的に示す説明図である。
以下、本発明を、添付図面も参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では、本発明の一つの実施態様として真空脱ガス処理として脱炭処理を行う場合を例にとるが、本発明は脱炭処理に限定されるものではなく、例えば脱水素処理などの他成分の除去処理についても同様に適用可能である。
図1は、本発明を実施するRH真空脱ガス装置1の構成例を模式的に示す説明図であり、図2は、本発明を実施する別のRH真空脱ガス装置2の構成例を模式的に示す説明図である。
図1、2に示すように、本発明に係る真空脱ガス装置1、2は、いずれも、下部に浸漬管3を有する真空槽4を備える。真空槽4の下部に設けられたこの浸漬管3を取鍋5に収容された溶鋼6に浸漬して真空脱ガス処理を行う。
また、図示しないが、いわゆるタンク脱ガス装置のように取鍋全体を真空容器に収容する装置や、取鍋に接続した真空容器を用いて取鍋内溶鋼表面を真空状態にする装置も用いることができる。これらの装置は、適宜手段により真空排気系(図示せず)に接続されており、真空槽の内部を例えば100Pa程度の真空に保持することができる。
図1、2に示すように、真空槽4や上述した真空容器には、排気系統7が設けられている。この排気系統7には、脱ガス成分を分析することができる排ガス分析計8が設けられている。本発明では、この排ガス分析計8の具体的態様は特に制限されず、脱ガス成分を分析可能な通常の排ガス分析計であればよい。また、排ガス分析計8の設置箇所も、特に制限されず、通常の測定箇所であればよいが、排気系統7における真空槽4に近い箇所であることが好ましい。
本発明に係る真空脱ガス装置1、2には、計測データを処理する演算器9が設けられている。図1、2に示す例では、演算器9が、排ガス分析計8により測定された脱ガス成分の割合と排ガス流量とから複数の時刻における排出量を演算する第1の演算器9−1と、この第1の演算器9−1の演算の結果から溶鋼中の目的成分濃度の時間推移を演算する第2の演算器9−2とにより構成される場合を示す。
しかし、これらの演算器9−1、9−2は、十分な演算容量を有する1基のコンピューターにより代替するようにしてもよい。
図2に示すように、本発明に係る真空脱ガス装置2は、必要により、N等の不活性ガスの上吹きを可能とする昇降ランス10を備えてもよい。また、図1、2に示すように、本発明に係る真空脱ガス装置1、2の浸漬管3に、環流ガス吹込みノズル11が設けられていてもよい。また、図示しないが、取鍋5に攪拌ガス吹き込み用のノズルあるいはプラグを設けてもよい。もちろん、真空脱ガス装置として酸素ガスの上吹きランスを備えてもよい。
図1に示すRH真空脱ガス装置1は、Arガス等の還流用ガスの吹込みノズル11を上昇浸漬管3に設けた例であり、図2に示すRH真空脱ガス装置2は、さらにNなどの不活性ガスを吹込むランス10を天蓋13に設けた例である。
本発明に係る真空脱ガス装置1、2には、その他に、通常の装置におけると同様の公知の各種機能、構造をさらに設けたものであってよく、本発明においてそれらは特に制限されない。説明を簡潔にするためこれ以上の言及は行わない。
ここに、本発明の実施の一形態として浸漬管の本数が2本であるRH真空脱ガス装置を用いた場合を例にとって以降の説明を行う。図1における本発明の対象となる溶鋼6は、高炉から運搬された溶銑が種々の溶銑予備処理を経て転炉に注銑され、転炉にて脱炭吹錬された後、取鍋5に出鋼される。取鍋5に出鋼された溶鋼は二次精錬設備に運搬され、RH真空脱ガス装置等の真空脱ガス装置により脱ガス処理を施される。
RH真空脱ガス装置1、2は、真空槽4の下部に設けられた2本の浸漬管3を取鍋5に収容された溶鋼6に浸漬し、真空槽4の内部を排気するとともに一方の浸漬管3(上昇管)内面から環流用ガスを導入して、取鍋内溶鋼6を真空槽4にリフトアップする。リフトアップされた溶鋼6は真空槽4の内部で脱炭反応により炭素濃度を減じ、もう一方の浸漬管(下降管)を経由して取鍋5へ戻る循環流を形成する。
溶鋼6は、所定の脱炭処理を施された後に、合金添加等により成分調整された後、連続鋳造装置へ送られる。
上述したRH真空脱ガス装置1、2においては、環流用ガス流量、真空槽4内圧力、排ガス中CO、CO濃度等が連続的あるいは間歇的に測定可能かつ記録可能である。なお、排ガス中分析成分はCO、COのみにとどめる必要はなく、CO、CO以外の成分をも分析して各種補正に使用してもよい。
次に、このような真空脱ガス処理に際し、排ガス中の成分分析に基づき本発明にしたがって溶鋼中成分濃度を推定する方法について説明する。
ここに、「脱ガス成分」とは、溶鋼から除去すべき成分、つまり「目的成分」が脱ガス処理によりガス成分として溶鋼から離脱したものを云い、具体的には、脱炭処理の場合には、脱ガス成分とはCO、COガスであり、目的成分は溶鋼に溶解している[C](溶解炭素)である。また、脱水素処理の場合には、それぞれH、[H](溶解水素)である。
本発明では、真空槽4の下部に設けられた浸漬管3を溶鋼6に浸漬したときに、必要により環流ガス吹込みノズル11から環流ガスを吹込み、あるいは上吹きランス10から酸素または不活性ガスを引き込み、さらには取鍋5から攪拌ガスを吹込むが、その際に溶鋼6から離脱したガス12を、真空槽4に接続された排気系統7から排出し、その排ガス12中の脱ガス成分の含有量を排ガス分析計8により測定し、この脱ガス成分の排出速度を複数の時刻において求める。
本発明の好適態様では、さらに、排ガス12における脱ガス成分の排出流量を計測し、脱ガス成分の排出速度を演算する。
本発明の原理を説明する。本発明は、真空処理あるいは減圧処理において溶鋼6中の脱ガス成分濃度の単位時間当たりの変化量(時間微分値)は、物質収支(質量保存則)から、排ガス成分の排出速度と比例関係にあることを利用する。これは、排ガス成分の排出速度の時間積分値が脱ガス成分濃度と関係付けられることと、数学的に等価である。したがって、排ガス成分の排出速度を時間に関する関数としてとらえ、それを積分する操作を行うことによって、溶鋼6中の脱ガス成分濃度を時間に関する関数として推定することが可能となる。
また、得られた関数を用いて、複数回の排出速度を得た時刻以降の未来における溶鋼6中脱ガス成分濃度の推移を予測して、必要とされる脱ガス成分濃度に到達する時刻を求めことが可能になる。
より具体的に説明すると、脱ガス処理中に排ガス分析計8および演算器9により求めた排ガス成分の排出速度を、時刻Toから時刻(To+T1)の期間T1の間に2回以上の複数回計測する。得られた複数回の排出速度とそれを得た時刻との関係を、任意に選択した適当な関数で表し、その関数に対して積分操作を行うことによって溶鋼中脱ガス成分濃度の時間に関する関数を求める。求めた関数は、時刻Toから時刻(To+T1)の期間T1に留まらず、時刻(To+T1)以降の未来にも適用可能であるため、時刻(To+T1)の時点で溶鋼中脱ガス成分濃度が目標濃度に到達する時刻を予測することが可能になる。
ここで、関数の選択は任意であるが、より適切な関数が選択されることにより脱ガス成分の推定精度が向上することは言うまでもない。また、選択する関数として、時間を含む項に対して指数関数またはべき乗関数の少なくともいずれか一方を適用することが好適である。
また、選択された関数に含まれる定数は、上記の複数の排出速度と時刻との関係を用いて定めることが好ましく、最小二乗法等の数学的操作を適用することが好ましい。
以上のように、本発明によれば、複数の時刻における脱ガス成分の排出速度から該排出速度と時間との関係を定め、その関係から溶鋼中の炭素濃度と時間との関係を求めて溶鋼中脱ガス成分濃度を予測すること、あるいは、溶鋼中脱ガス成分濃度が目標濃度に到達する時刻を予測することが、可能になる。
次に、本発明により溶鋼中の脱ガス成分濃度を推定する方法を具体的かつ経時的に説明する。
(工程A1)
脱ガス処理中の時刻tiにおける排ガス分析により排ガス中CO分率(CO,i)、CO分率(CO,i)を測定する。
(工程A2)
脱ガス処理中の時刻tiにおける排ガス流量を測定あるいは算出する。排ガス流量は、公知の排ガス流量計を用いて測定してもよい。また、排ガス中に流量が既知のトレーサーガスが含有されるように導入し、トレーサーガス濃度と既知のトレーサーガス流量とから排ガス流量を算出してもよい。さらに、排ガスに含有されるインプットガス量を経験的に定めることにより排ガス流量を算出してもよい。そして、このようにして求めた排ガス流量は、適当な方法により、標準状態換算の体積流量Qex,i(Nm/s)に換算する。
(工程A3)
工程A1により求めた排ガス中CO分率(CO,i)とCO分率(CO,i)との和と、工程A2により求めた排ガス流量Qex,iとの積である、排ガス中の脱ガス成分の排出速度(Qco,i)を求める。
Qco,i={(CO,i)+(CO,i)}・Qex,i ・・・・・・(1)
(工程A4)
時刻tiにおける単位時間当りの脱炭速度をdCdt,i(kg/s)とおくと、物質収支よりQco,iは溶鋼量W(kg),比例定数Aを用いて(2)式としても表せる。
Qco,i=−W・A・(22.4/12)・dCdt,i ・・・・・・・(2)
(工程A5)
時刻tiにおける溶鋼中炭素濃度C,iを(3)式のように時間の関数f(ti)で表せれば、(2)式よりQco,iは関数f(ti)の時間微分形であるf’(ti)を用いて(4)式で表せる。
C,i=f(ti) ・・・・・・・(3)
Qco,i=−W・A・(22.4/12)・f’(ti) ・・・・・・(4)
(工程A6)
関数f’(ti)を適宜設定し、関数に用いる係数あるいは定数を複数の時刻におけるQco,iとtiのデータを用いて最小二乗法等の手法で定めることができる。複数の排ガス情報データより定めた関数f’(ti)をもとに関数f(ti)を積分計算等により求めれば、任意の時刻の炭素濃度を計算することができる。具体的な関数形の例を以下に例示する。
[例1]
関数f(ti)を(5)式と設定すれば、f’(ti)は(6)式となり、これを(4)式に代入して複数の時刻tiにおけるQco,iのデータを用いて最小二乗法等を適用すると、(6)式中の係数を定めることができる。これより(5)式の係数を求めることが可能となり、これを(5)式に代入することにより、任意の時刻の炭素濃度が計算できる。
f(ti)=Co・exp(−a・ti) ・・・・・・・(5)
f’(ti)=(−a)・Co・exp(−a・ti) ・・・・・・・(6)
[例2]
関数f(ti)を(7)式と設定すれば、f’(ti)は(8)式となり、これを(4)式に代入して複数の時刻tiにおけるQco,iのデータを用いて最小二乗法等を適用すると、(8)式中の係数を定めることができる。これより(7)式の係数を求めることが可能となり、これを(7)式に代入することにより、任意の時刻の炭素濃度が計算できる。
f(ti)=Co・ti−b ・・・・・・・(7)
f’(ti)=(−b)・Co・ti−b−1 ・・・・・・・(8)
[例3]
関数f(ti)を(9)式と設定すれば、f’(ti)は(10)式となり、これを(4)式に代入して複数の時刻tiにおけるQco,iのデータを用いて最小二乗法等を適用すると、(10)式中の係数を定めることができる。これより(9)式の係数を求めることが可能となり、これを(9)式に代入することにより、任意の時刻の炭素濃度が計算できる。
f(ti)=Co/{2・exp(a・t)−1} ・・・・・・・(9)
f’(ti)=(2・a)・Co/{2・exp(a・t)−1}・・・(10)
[例4]
関数f(ti)を(11)式と設定すれば、f’(ti)は(12)式となり、これを(4)式に代入して複数の時刻tiにおけるQco,iのデータを用いて最小二乗法等を適用すると、(12)式中の係数を定めることができる。これより(11)式の係数を求めることが可能となり、これを(11)式に代入することにより、任意の時刻の炭素濃度が計算できる。
f(ti)=Co/(1+c・ti) ・・・・・・・(11)
f’(ti)=(−c)・Co/(1+c・ti) ・・・・・・・(12)
[例5]
関数f(ti)を(13)式と設定すれば、f’(ti)は(14)式となり、これを(4)式に代入して複数の時刻tiにおけるQco,iのデータを用いて最小二乗法等を適用すると、(14)式中の係数を定めることができる。これより(13)式の係数を求めることが可能となり、これを(13)式に代入することにより、任意の時刻の炭素濃度が計算できる。
f(ti)=Co・exp(−a・ti) ・・・・・・・(13)
f’(ti)=(−a・b)・Co・tib−1・exp(−a・ti)・・(14)
[例6]
関数f(ti)を(15)式と設定すれば、f’(ti)は(16)式となり、これを(4)式に代入して複数の時刻tiにおけるQco,iのデータを用いて最小二乗法等を適用すると、(16)式中の係数を定めることができる。これより(15)式の係数を求めることが可能となり、これを(15)式に代入することにより、任意の時刻の炭素濃度が計算できる。
f(ti)=Co・(1+a・ti)−b ・・・・・・・(15)
f’(ti)=(−a・b)・Co・(1+a・ti)−b−1 ・・・・・・(16)
ここで、Qco,iの経時変化は、排ガス分析時間遅れ等の溶鋼脱ガス装置が使用される種々の操業のローカル条件の影響を受ける可能性があるため、操業データを適切に近似できる関数を溶鋼脱ガス装置毎に選択し、ローカル条件に対応した補正を加えるようにしてもよい。処理中の極めて短い期間内での挙動は(5)式で表現できる場合もあるが、長期間での挙動については必ずしも(5)式で表現すると適切に近似ができない場合があるからである。
なお、すでに示した関数以外にも任意の関数を選択したり、それらを組み合わせてもよく、数学的に処理できればよい。当然のことながら、関数中の係数の数が多いほど、精度を高めることができることは言うまでもない。
また、数値的に微積分等が利用可能であれば、解析的に微積分できる関数である必要もなく、それが可能な演算器で処理すればよい。また、上記では最小二乗法で係数を算出する場合を例にとって説明したが、数学的に処理可能であれば、最小二乗法以外で係数を求めてもよい。
ここで、脱ガス処理中のある時刻の溶鋼中炭素濃度が迅速分析等により決定できれば、上記係数を決定する際の誤差を縮小することができる。例えば、得られた炭素濃度の関数式に迅速分析試料を採取した時刻を代入して得られた計算値と迅速分析値とが一致するように関数式を補正することによって、推定精度を向上することができる。この補正は、関数f(ti)またはf’(ti)のいずれで実施してもよい。
また、上記関数の係数を決定するために使用するQcoi,iの算出に用いる排ガス中(CO+CO)濃度は4%以上50%以下であることが好ましく、望ましくは6%以上40%以下であり、さらに望ましくは30%以下である。排ガス中(CO+CO)濃度が低過ぎると、真空槽4あるいは真空排気系7における各種変動要因による排ガス濃度分析誤差が相対的に大きくなり、炭素濃度推定誤差も大きくなってしまうからである。また、排ガス中(CO+CO)濃度が高過ぎる場合、脱炭終了までの時間が長くなり過ぎて定めた炭素濃度計算用の関数の推定誤差が大きくなってしまうからである。
以上の説明からも明らかであるように、本発明による濃度推定は、排ガス成分の測定精度に依存するが、真空容器あるいは真空槽4内の排ガス成分の代表性について懸念される場合には、真空容器あるいは真空槽4の上方の天蓋13あるいは側面に設けたランス10から不活性ガスを上吹きすることにより、溶鋼6から離脱した脱ガス成分12を真空槽4の内部で混合し、この混合ガス中の脱ガス成分を用いることが精度向上の点で好ましい。
真空槽4を用いる場合にランス10から不活性ガスを噴出させる高さは、真空槽4の天蓋13の内側から真空槽4内の溶鋼面までの距離をXとした時に(X/2)よりも上方が好ましい。(X/2)よりも下方では、混合による排ガス成分の代表性の改善効果が小さく、かつ、溶鋼面から飛散する地金がランス10に付着してランス10の変形等の操業トラブルを誘発するからである。さらに望ましくは、天蓋13からの噴出高さまでの距離が(X/3)位置よりも上方であることが好ましい。
また、ランス10から噴出させる不活性ガスの流量は、環流あるいは攪拌ガスの0.5倍以上であることが望ましく、さらに望ましくは1.0倍以上である。不活性ガス流量が小さ過ぎると混合効果が低減するからである。
このような観点からは、混合用の不活性ガスの流量の上限を定める必要はないが、操業コストの削減及び真空排気系7への不可抑制の観点から、混合用の不活性ガスの流量の上限は10倍とすることが望ましく、より好ましい上限は6倍である。
以上の説明は、浸漬管が2本の場合であるRH真空脱ガス装置を使うとして行ったものであるが、本発明は浸漬管が2本であることに起因する特有の取り扱いを行っていないため、浸漬管が1本の場合であっても同様に適用することができる。
RH脱炭処理中におよそ[C]=20ppm(0.002%)となった時期に鋼中サンプルを採取し分析により得た炭素濃度と、本発明に係る方法により算出した推定炭素濃度との差である推定誤差(ppm)を求め、推定誤差の標準偏差σを算出した。
まず、本発明者らは、従来法として特許文献1、2により開示された方法(それぞれ公知方法1、2という)をそれぞれ用いたが、いずれも処理中に確認不可能な浸漬管径の閉塞に伴う内径の減少とみられる現象に遭遇した場合、満足な炭素濃度推定を行うことができないことがわかった。
すなわち、公知方法1では、推定誤差の標準偏差σは6.2ppm、公知方法2でもσは5.6ppmと非常に大きいことが確認された。RH脱炭処理中の浸漬管径が安定している場合はそこそこのσが得られるものの、突発的な成分はずれが頻発し、これに対応するために製品規格[C]上限に対して多大なマージンを見込んで脱炭終了判定を行うため、処理時間の短縮を十分に達成することはできなかった。
次に、本発明として上述した(13)式および(14)式を用いた炭素濃度の推定を行った。その際、排ガス中(CO+CO)濃度は8〜28%のものを用いた。その結果、推定誤差の標準偏差σは3.1ppmにまで低減した。
また、この際に排ガス分析計において低濃度域での精度が低いことが判明した。例えば、脱炭処理中後期での排ガス中(CO+CO)濃度が15%とし、脱炭処理末期での排ガス中(CO+CO)濃度が1%としたとき、真空槽4あるいは真空排気系7で生じる変動要因により0.3%の濃度誤差が生じた場合、その相対誤差は前者は(0.3/15)×100=2%に過ぎないのに対し、後者は(0.3/1)×100=30%と無視できない。
つまり、脱炭処理最末期での排ガス中(CO+CO)濃度をそのまま使用すると、低濃度であるが故にガス分析誤差の影響を受けやすいが、最末期より以前の排ガス中(CO+CO)濃度を本発明法に適用するとガス分析誤差の影響を受けにくいことがわかる。
従来法で用いる排ガス中(CO+CO)濃度は、その方式故に脱炭処理最末期(終了期)であり、4%未満のヒートが含まれていたことも従来法の推定誤差が大きかった一因と考えられる。
次に、上記の本発明法に加えて、真空槽4の上方の天蓋13に昇降ランス10を設け、ランス10の先端のガス噴出孔から真空槽4のほぼ中央部に向けて不活性ガスを吹き込んで排ガス12を希釈混合する実験を行った。その結果、推定誤差の標準偏差は2.0ppmまで顕著に低減した。これは、真空槽4の中央部に混合促進ガスとして不活性ガスを導入したことにより、排ガス中(CO+CO)濃度の代表性が著しく改善されたためと考えられた。
また、概ね[C]=60〜80ppm程度のタイミングで処理中サンプル採取を行い、この分析値を用いて関数の係数を補正した結果、推定誤差の標準偏差σは2.6ppm、にまで低減し、さらに真空槽4の天蓋13に設けた昇降ランス10からの混合ガス導入により標準偏差σは1.8ppmにまで低減した。
このようにして本発明によれば、真空脱ガス装置を用いた溶鋼の脱ガス処理に際して、処理中の脱ガス成分を精度よく推定することができ、脱ガス処理時間の短縮によるコストの削減を図ることができる。
さらに、本発明を実施例を参照しながらより具体的に説明する。
高炉から出銑された溶銑をトピードカーに移して転炉工場に輸送し、脱珪、脱硫さらには脱りん等の溶銑予備処理を一つ以上行った後、得られた溶銑を250トン転炉に装入して脱炭吹錬を行った。脱炭吹錬により得られた溶鋼を転炉出鋼孔から取鍋へ出鋼し、溶鋼を収容した取鍋を二次精錬設備(ここではRH脱ガス装置)へ移送し、脱ガス処理を行った。
なお、転炉吹錬後の炭素濃度は0.04%とし、RH脱ガス装置にておおよそ炭素濃度0.002%まで脱炭した際の、RH処理中の排ガス情報を演算器に取り込み、上記(13)式および(14)式を用いて[C]推定値を算出した。そして、RH脱炭終了時に溶鋼サンプルを採取し、その分析値に基づいて推定誤差の標準偏差を調査した。
なお、真空脱炭処理は、RH真空脱ガス装置の浸漬管径:0.75m、環流用Arガス流量:2000NL/min、真空槽内到達真空度:133Paの条件で、行った。
従来法(方法a:公知文献2により開示された方法)、本発明法1(方法b:天蓋のランスからの混合ガスなしの場合)および本発明法2(方法c:天蓋のランスから混合ガス添加の場合)について比較調査を実施した。なお、混合ガスとしては4000NL/minのガスを導入した。なお、天蓋のランスから混合ガスを導入する場合、導入位置が真空槽の上方であるため、窒素ガスを導入した。処理中の窒素濃度の挙動はArガスを導入した場合と大差なかった。
まず、極低炭素鋼の炭素濃度を推定し、推定誤差の標準偏差σの実績を調査した結果を表1に示す。
さらに、[C]≦28ppmとなるまでの脱炭処理時間短縮効果を確認したところ、表2に示すように、従来法に対して発明法1では2.8min短縮でき、発明法2では5.9minの短縮が可能となった。そのときの従来方法での処理コストを1.0としたときのコスト指数を調査した結果、同じく表2に示すように、発明法1ではコスト指数は0.77であり、発明法2ではコスト指数は0.62と低減することができた。
以上のように本発明法は、真空処理時間の短縮により溶製コストを大幅に低減できる方法であることが確認された。
Figure 0005353320
Figure 0005353320
実施例1と同様の試験を行い、概ね[C]=60〜80ppm程度のタイミングで処理中サンプル採取を行い、この分析値を用いて上記(13)式および(14)式の関数の係数を補正して[C]推定を行った。実施例2によりまず、推定誤差の標準偏差については表3の結果が得られた。これを元に[C]≦28ppmの極低炭素鋼の処理時間短縮効果を調査した。その結果、表4に示す。
従来法に対して発明法1では3.2min、発明法2では6.3minの短縮が可能となった。これにともない従来法を1.0とした場合のコスト指数を求めたところ、発明法1では0.74、発明法2では0.55となり、発明法は顕著な時間短縮及びコスト低減効果を発揮できることが確認できた。
Figure 0005353320
Figure 0005353320
以上のように本発明法は、真空処理時間の短縮により溶製コストを大幅に低減できる方法であることが確認された。
1 本発明を実施するRH真空脱ガス装置
2 本発明を実施する別のRH真空脱ガス装置
3 浸漬管
4 真空槽
5 取鍋
6 溶鋼
7 排気系統
8 排ガス分析計
9 演算器
9−1 第1の演算器
9−2 第2の演算器
10 昇降ランス
11 吹込みノズル
12 排ガス
13 天蓋

Claims (17)

  1. 真空容器に収容された取鍋内の溶鋼の真空脱ガス処理である脱炭処理または脱水素処理を行う方法であって、該真空容器に接続された排気系統における、排ガス中の排ガス成分である、前記脱炭処理の場合にはCOガスおよびCO ガス、前記脱水素処理の場合にはH ガスの複数の時刻における排出速度を算出し、算出した複数の排出速度と該当時刻との関係を求め、この関係から溶鋼中の目的成分である、前記脱炭処理の場合には溶解炭素、前記脱水素処理の場合には溶解水素の濃度を推定する工程を含むことを特徴とする溶鋼の真空脱ガス方法。
  2. 真空槽の下部に設けられた浸漬管を溶鋼に浸漬して溶鋼の真空脱ガス処理である脱炭処理または脱水素処理を行う方法であって、該真空槽に接続された排気系統における、排ガス中の排ガス成分である、前記脱炭処理の場合にはCOガスおよびCO ガス、前記脱水素処理の場合にはH ガスの複数の時刻における排出速度を算出し、算出した複数の排出速度と該当時刻との関係を求め、この関係から溶鋼中の目的成分である、前記脱炭処理の場合には溶解炭素、前記脱水素処理の場合には溶解水素の濃度を推定する工程を含むことを特徴とする溶鋼の真空脱ガス方法。
  3. 前記算出した複数の排出速度と該当時刻の関係を関数で定め、該関数から求められる溶鋼中の前記目的成分の濃度と時間との関係を用いて溶鋼中の前記目的成分の濃度を推定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載された溶鋼の真空脱ガス方法。
  4. 前記溶鋼の内部に攪拌用あるいは環流用の不活性ガスを吹き込むことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された溶鋼の真空脱ガス方法。
  5. 前記浸漬管の本数が1本であることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載された溶鋼の真空脱ガス方法。
  6. 前記浸漬管の本数が2本であることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載された溶鋼の真空脱ガス方法。
  7. 前記排ガス中の前記排ガス成分の複数の時刻における排出速度と該当時刻との関係を求める際に、前記真空脱ガス処理中における溶鋼中の前記目的成分の濃度の分析値を用いることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された溶鋼の真空脱ガス方法。
  8. 前記排ガス中の前記排ガス成分の複数の時刻における排出速度と該当時刻との関係から溶鋼中の前記目的成分の濃度を推定する際に、前記真空脱ガス処理中における溶鋼中の前記目的成分の濃度の分析値を用いることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された溶鋼の真空脱ガス方法。
  9. 前記真空容器、または前記真空槽の上方の天蓋あるいは側面に設けたランスから不活性ガスを上吹きすることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された溶鋼の真空脱ガス方法。
  10. 溶鋼の真空脱ガス処理である脱炭処理または脱水素処理を行う装置であって、真空容器と、該真空容器に接続された排気系統と、該排気系統に設けられた脱ガス成分である、前記脱炭処理の場合にはCOガスおよびCO ガス、前記脱水素処理の場合にはH ガスの分析可能な排ガス分析計と、該排ガス分析計により測定されたデータから前記脱ガス成分の排出速度と時間との関係を定める演算を行う演算器とを備えることを特徴とする溶鋼の真空脱ガス装置。
  11. 溶鋼の真空脱ガス処理である脱炭処理または脱水素処理を行う装置であって、下部に浸漬管を有する真空槽と、該真空槽に接続された排気系統と、該排気系統に設けられた脱ガス成分である、前記脱炭処理の場合にはCOガスおよびCO ガス、前記脱水素処理の場合にはH ガスの分析可能な排ガス分析計と、該排ガス分析計により測定されたデータから前記脱ガス成分の排出速度と時間との関係を定めるための演算を行う演算器とを備えることを特徴とする溶鋼の真空脱ガス装置。
  12. 前記演算器は、さらに前記演算の結果に基づいて溶鋼中の目的成分である、前記脱炭処理の場合には溶解炭素、前記脱水素処理の場合には溶解水素の濃度を演算することを特徴とする請求項10または請求項11に記載された溶鋼の真空脱ガス装置。
  13. 前記溶鋼の内部に攪拌用あるいは環流用の不活性ガスを吹き込む装置を備えることを特徴とする請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載された溶鋼の真空脱ガス装置。
  14. 前記浸漬管の本数が1本であることを特徴とする請求項11から請求項13までのいずれか1項に記載された溶鋼の真空脱ガス装置。
  15. 前記浸漬管の本数が2本であることを特徴とする請求項11から請求項13までのいずれか1項に記載された溶鋼の真空脱ガス装置。
  16. 前記真空容器、または前記真空槽の上方の天蓋あるいは側面に、不活性ガスを上吹きするためのランスを備えることを特徴とする請求項10から請求項15までのいずれか1項に記載された溶鋼の真空脱ガス装置。
  17. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載された溶鋼の真空脱ガス方法を用いて溶鋼の真空脱ガス処理を行うことによって、炭素濃度が28ppm以下の溶鋼を製造することを特徴とする溶鋼の製造方法。
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