JP5836187B2 - 真空脱ガス処理方法 - Google Patents

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本発明は、例えば、真空脱ガス処理によって[C]≧0.03質量%以上の鋼を製造するに際し、溶鋼の窒素を調整する真空脱ガス処理方法に関する。
従来より、転炉等で脱炭処理された溶鋼は二次精錬工程へ搬送され、二次精錬工程にて溶鋼の真空脱ガス処理が行われている。真空脱ガス処理では、主に、溶鋼の成分調整や溶鋼の脱ガス処理が行われているが、これに加えて窒素濃度の調整を行う場合がある。窒素濃度の調整を行う技術として特許文献1〜5に示すものがある。
特許文献1では、一本の浸漬管を取鍋内の溶鋼に浸漬して、前記取鍋の底部から不活性ガスを吹き込みながら行う処理において、溶鋼の脱炭と脱ガス工程の少なくとも一部で窒素含有ガスを吹き込むことにより、溶鋼の窒素濃度を高めている。
特許文献2では、溶鋼を攪拌しつつ真空脱ガスして精錬するに際し、規定式を満足する様にArとN2 の混合ガスまたはN2 ガスを、溶鋼に20分以上吹き込むことにより溶鋼を攪拌している。
特許文献3では、RH真空槽内における溶鋼中の窒素含有量の予測モデルを作成し、前記予測モデルからArガスおよびN2 ガスのうちのいずれか1つからなる還流ガスによる還流処理を所定流量および所定時間継続して実施し、次いで、前記予測モデルによって決定した溶鋼中の窒素含有量を変化させないN2 ガス比によってArガスおよびN2 ガスからなる還流ガスによる還流処理を実施している。
特許文献4では、低真空域にある間は、溶鋼の底から不活性ガスを吹き込んで撹拌するとともに、溶鋼表面に不活性ガスを吹き付けて溶鋼に接している気相の水素ガス分圧を低下させることにより脱水素の速度を高め、高真空域においては、不活性ガスの吹き付けを停止し吹き込みだけを継続している。
特許文献5では、RH真空槽にて脱ガスの促進を目的に気体を吹き込みバブリングする方法において、鋼中活量酸素量が200 ppm 以上の状態にて窒素含有ガスを吹き込んでいる。この他に、真空脱ガス処理に関する技術が特許文献6〜8に開示されている。
特開2000−119730号公報 特開2004−76115号公報 特開平08−100211号公報 特開2005−272930号公報 特開平08−311529号公報 特開公平07−122088号公報 特開2009−263783号公報 特開2008−303406号公報
上述した特許文献1〜8では、溶鋼に窒素ガスを吹き込むことが開示されているものの、窒素濃度の調整について詳細に述べられておらず、これらの技術を用いても真空脱ガス処理にて窒素濃度の調整を行うことは難しいのが実情である。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、介在物の低減、脱水素を促進しながら窒素の濃度を精度よく調整することができる真空脱ガス処理方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、真空脱ガス処理を前半処理と後半処理とを分けて処理することにより[C]≧0.03質量%以上の鋼を製造するに際し、
前半処理では、前記真空脱ガス処理での圧力を300Pa以下すると共に、アルゴンガス単
独或いはアルゴンガスと窒素ガスとの混合ガスを吹き込んで溶鋼を15分以上還流しつつ窒素を除く成分を調整することとし、前記アルゴンガスの流量を5L/(min・ton)以上とし、溶鋼に吹き込むガスの流量の上限値を20L/(min・ton)以下とし、溶鋼中の[H]が2ppm以下で且つフリー酸素濃度[O]fが14ppm以下となった時点で後半処理に移行することとし、後半処理では、前記真空脱ガス処理での圧力を300Pa以下に維持すると共に、窒素ガス単独或いは混合ガスで溶鋼を還流することとし、窒素ガスの流量は、前半処理でサンプリングした溶鋼中の窒素濃度の分析値に基づいて決定することを特徴とする。
本発明によれば、真空脱ガス処理において、介在物の低減、脱水素を促進しながら窒素の濃度を精度よく調整することができる。
真空脱ガス槽の全体図である。 真空脱ガス処理における4つの反応サイトでの脱窒及び加窒(吸窒)を説明する説明図である。 溶鋼中の[H]に関し、モデルで求めた計算値と実測値との差とを示した図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、真空脱ガス処理を行う真空脱ガス装置の全体図を示したものである。
まず、真空脱ガス装置について詳しく説明する。
図1に示すように、真空脱ガス装置(RH装置)1は、溶鋼2が装入される取鍋3と、真空状態となって溶鋼2内の脱ガスを行う真空槽4とを有している。真空槽4の下部には、取鍋3内の溶鋼2に浸漬させる2本の浸漬管5、5が設けられており、この浸漬管5、5の一方には不活性ガスを吹き込む吹き込み口6(図2参照)が設けられている。真空槽4の上部には、当該真空槽4のガスを排気する排気口7が設けられている。
真空脱ガス装置1を用いて真空脱ガス処理を行うにあたっては、まず、浸漬管5、5を取鍋内の溶鋼2に浸漬する。そして、吹き込み口6からアルゴンガスや窒素ガスなどを吹き込むと共に、排気口7から真空槽4のガスを排気して真空槽4内を略真空状態したうえで、溶鋼2を真空槽4と取鍋3との間で循環させる。また、溶鋼2の成分を調整するために合金等を溶鋼2に供給する。
このような真空脱ガス処理では、溶鋼2を還流しながら真空槽4内を略真空状態にすることによって溶鋼2の脱ガス(例えば、水素の除去)を行うと共に、溶鋼2の成分調整や介在物除去を行う。本発明の真空脱ガス処理では、溶鋼2の脱ガス、成分調整及び介在物除去を行いつつ、特に、溶鋼2中の窒素濃度[N]を調整することとしている。
以下、本発明の真空脱ガス処理について説明する。
真空脱ガス処理において、溶鋼中の炭素濃度[C]を低くしようとした場合(例えば、[C]が0.03質量%未満の鋼種を製造する場合)は、真空脱ガス処理においても積極的に脱炭処理を進めなくてはならない。脱炭処理を進める場合、真空脱ガス処理時に多くのCOガスが発生することになり、この影響で、溶鋼2の[N]を高める加窒処理が難しくなる。このようなことから、本発明の真空脱ガス処理では、[C]の低減を進める必要がある0.03質量%未満の鋼を製造する場合は対象外とし、[C]が0.03質量%以上の鋼を製造する場合に適用する。
上述したように、真空脱ガス処理では、溶鋼の脱ガス、成分調整、介在物除去、窒素濃度の調整を行うが、これらを同時に進行させた場合、特に窒素濃度の調整が難しくなる。そこで、本発明では、真空脱ガス処理を前半処理と後半処理との2つに分けることとし、溶鋼の脱ガス、成分調整及び介在物除去を前半処理で行い、窒素濃度の調整を後半処理で行うこととしている。
なお、真空脱ガス処理を2つに分けた場合において、「前半処理にて先に窒素濃度の調整を行い、その後、後半処理にて成分調整及び介在物除去を行う」という本発明とは逆の処理も考えられる。しかしながら、後半処理にて成分調整のために合金等を添加すると、
合金に含まれる元素によって窒素が除去されてしまったり、逆に、窒素が増加することがあり、後半処理における溶鋼中の窒素濃度[N]の挙動が不安定になる。つまり、後半処理の成分調整を実施した場合は、前半処理で調整した溶鋼の窒素濃度[N]が変化し、最終的な窒素濃度を目的の濃度に調整することが難しくなる。このようなことから、上述したように、本発明の真空脱ガス処理では、前半処理にて窒素を除く成分調整等を行うこととし、その後、後半処理にて溶鋼の窒素濃度の調整を行うこととしている。
次に、本発明に係る真空脱ガス処理の前半処理及び後半処理について、詳しく説明する。
真空脱ガス処理の前半処理では、真空脱ガス処理における真空槽4内の圧力を300Pa以下としている。真空槽4内の真空度を高めると(真空槽4内の圧力を低くする)、溶鋼2は還流可能な高さまで上昇し、溶鋼2の脱ガス、成分調整及び介在物除去が促進される。このようなことから、前半処理では、真空槽4内の圧力を300Pa以下として高い真空状態で処理を行うこととしており、250Pa以下であることが望ましく、さらに200Pa以下であることが望ましい。
前半処理において、効率よく介在物除去等を行うためには溶鋼2の還流力、即ち、ガスの吹き込みを強くすることが好ましい。吹き込み口6から窒素ガスを溶鋼2に吹き込んだ場合、窒素ガスは溶鋼2に溶けるため、窒素ガスの吹き込みによる攪拌力が弱くなることがある。そこで、前半処理では、溶鋼2に溶け込まないアルゴンガスを必須として使用することとしている。なお、溶鋼2へのガスの吹き込みは、アルゴンガス単独であっても、アルゴンガスと窒素ガスとを混合した混合ガスであってもよい。
また、前半処理では、十分に介在物除去を行うために、アルゴンガス単独であっても、混合ガスであっても、アルゴンガスの流量は5L/(min・ton)以上としている。アルゴンガスが5L/(min・ton)以上であれば、混合ガスの場合でも十分に介在物除去を行うことができる。ここで、アルゴンガスを単独で溶鋼2に吹き込んだ場合、混合ガスを溶鋼2に吹き込んだ場合のいずれでも、溶鋼2に吹き込むガスの流量の上限値が20L/(min・ton)を超えてしまうと、真空槽4内にて発生する溶鋼2のスプラッシュの影響が大きく真空槽4に付着する地金が甚大になる。このようなことから、本発明では、溶鋼2に吹き込むガス(アルゴンガス+窒素ガス)の流量の上限値を20L/(min・ton)以下としている。前半処理においては、十分に介在物除去を行うために、ガスによる還流は15分以上実施することとしている。なお、ガスによる還流時間を20分以上にすることが好ましい。
真空脱ガス処理において、溶鋼2中の脱ガスが十分でない場合は、非金属介在物等への水素の局部集中に起因する割れ(水素誘起割れ)が生じたり、板厚方向の剥離状亀裂(ラメラテア)が生じる。溶鋼2の脱ガスは、前半処理や後半処理のどちらであっても行うことが可能であるが、上述したように、後半処理では、溶鋼2の窒素濃度の調整を行い、目標の窒素濃度に調整したら直ちに処理を完了させる必要がある。そのため、本発明では、溶鋼2の脱ガスも後半処理ではなく前半処理に行うこととしており、前半処理では、水素割れやラメラテアが生じないレベル、即ち、溶鋼2中の[H]が2ppm以下になるまで処理を続けることとしている。
溶鋼中に含まれる酸素は、表面活性な元素であり、また溶鋼中び窒素との相互作用が強いため、存在量が多いと、溶鋼中の窒素が窒素気泡に変わる反応(2[N]→N2)或いは、窒素気泡が溶鋼中に溶け込む反応(N2→2[N])の妨げとなり、後半処理における窒素の調整が難しいことから、溶鋼2のフリー酸素濃度([O]f)を14ppm以下になるまで処理を続けることとしている。
以上、まとめると、溶鋼中の[H]が2ppm以下且つ[O]fが14ppm以下になるまで、下記の条件で前半処理を行うこととしている。
1)真空槽4内の圧力:300Pa以下
2)還流時間:15分以上
3)アルゴンガスの流量を5L/(min・ton)以上
4)ガスの流量の上限値を20L/(min・ton)以下
さて、真空脱ガス処理の後半処理でも真空脱ガス処理での圧力(真空槽4内の圧力)を
300Pa以下に維持することとしている。
真空脱ガス処理の後半処理において、溶鋼中の窒素を調整することのみを考えたとき、真空槽4内を、溶鋼2が吸い上げられる中程度の圧力(例えば、3000〜10000Pa)にまで復圧しても問題ないように思われる。しかしながら、中程度の圧力にまで復圧した場合であっても、真空槽4内の圧力を所定の狭い範囲(例えば、5000〜5500Pa)に維持しなければ窒素濃度の調整が困難となる場合がある。特に、100〜300tonの溶鋼を処理する真空脱ガス処理では、真空槽4内の圧力を中程度の狭い範囲で維持することが難しいことから、本発明では、後半処理でも前半処理に引き続き、真空槽4内の圧力を300Pa以下に維持することとしている。
後半処理では、前半処理と異なり、溶鋼2の窒素濃度を調整することが主目的であるため、溶鋼2に吹き込むガスは窒素ガスが必須である。この後半処理では、窒素ガス単独、或いは、窒素ガスとアルゴンガスとを混合した混合ガスを用いることとしている。
後半処理においては、溶鋼2の窒素濃度を正確に調整するため、まず、事前に前半処理時の溶鋼2を採取しておき、前半処理時の溶鋼2の窒素濃度の分析を行う。そして、前半処理でサンプリングした溶鋼2中の窒素濃度の分析値に基づいて、後半処理における窒素ガスの流量を求めることとしている。なお、前半処理を行ったときの溶鋼のサンプリングは、複数回行ってもよいが、窒素ガスを求めるために採用する分析値は、後半処理に最も近い時点でサンプリングした値を用いる。
つまり、本発明では、前半処理を行っているときに、溶鋼のサンプリングを1回以上行っておき、サンプリングしてから後半処理に入るまでの間に、サンプリングした溶鋼の分析を行って、モデル(取鍋−真空槽内の物質収支モデル)などを用いて、後半処理において、溶鋼2に吹き込む窒素ガスの流量等を求める。
次に、窒素ガスの流量等を求める(取鍋−真空槽内の物質収支モデル)について説明する。なお、窒素ガスを求めるためのモデルは下記に示したものに限定されない。
取鍋−真空槽内の物質収支モデルは、真空槽内の溶鋼中の窒素濃度と、取鍋内の溶鋼中の窒素濃度を式[1]及び式[2]のように示したものである。
このモデル式を過程するに際しては、図2に示す<1>〜<4>に示す4つの反応サイト(反応領域)での脱窒及び加窒(吸窒)を考慮している。なお、図2において「丸印内に1」〜「丸印内に4」と記載されている文字は、本文中では<1>〜<4>と表記する。
ここで、[N]L:取鍋内窒素濃度(%)、[N]V:真空槽内窒素濃度(%)、VL:取鍋内溶鋼量(m3)、VV:真空槽内溶鋼量(m3)、t:時間(min)、RS:鋼浴表面における脱窒速度(%/min)、RAr:溶鋼間流用Ar気泡界面における脱窒速度(%/min)、RN2:溶鋼還流用の窒素ガス気泡界面における加窒速度や脱窒速度(%/min)、Rleak:浸漬管からの大気侵入による吸窒速度(%/min)、溶鋼環流量Q(m3/min)である。[3]式は、「桑原ら:鉄と鋼,第73巻(1987年)S176頁」に記載されているものである。
モデルでは、まず、第1に、真空槽4内の溶鋼浴面(鋼浴表面)から溶鋼中の窒素が放出する脱窒状況(図中<1>)を考慮している。鋼浴表面における脱窒速度Rsは、鋼浴表面への[N]の移動と、鋼浴表面での化学反応(2[N]→N2)とが同時に支配しているため、鋼浴表面における脱窒速度Rsは、式[4]に表すことができる。
ここで、As:鋼浴表面における反応界面積(m2)、[N]i,S:鋼浴表面での浴側[N](%)、[N]e,S:真空槽内雰囲気と平衡する[H](%)、km:[N]の鋼浴における物質移動係数(m/min)、kr:[N]の化学反応速度定数(m/(min・%))である。式[4]から[N]i,Sを消去して整理すると、RSは式[5]のように表される。
第2に、溶鋼中の窒素がアルゴンガスの気泡に溶け込んでしまう脱窒状況(図中<2>)も考慮している。溶鋼還流用Ar気泡界面における脱窒速度RArも同様に、鋼浴表面への[N]の移動と、鋼浴表面での化学反応(2[N]→N2)とが同時に支配しているので、RArは式[6]のように表すことができる。
ここで、AAr:Ar気泡表面における反応界面積(m2)、[N]e,Ar:Ar気泡界面において平衡する[N](%)である。
さて、溶鋼還流用窒素気泡界面における加窒速度や脱窒速度もアルゴンガスと同様に表すことができるが、気泡内の窒素圧力は、窒素の吹き込み位置から真空槽内浴表面に向かうにしたがって小さくなるため、加窒速度や脱窒速度が異なる。
第3に、このモデルでは、窒素ガスの吹き込み付近において窒素気泡が溶鋼に溶け込む吸窒状況(図中<3>a)と、真空槽4内の溶鋼浴面付近において溶鋼中の窒素が窒素気泡となってしまう脱窒状況(図中<3>b)とに分けて考えることとしている。
即ち、溶鋼還流用の窒素ガス気泡界面における加窒速度や脱窒速度RN2は、式[7]のように表すことができる。
ここで、AN2:N2気泡表面における反応界面積(m2)、[N]e,O,N2:吹込位置にあるN2気泡界面において平衡する[N](%)、[N]e,S,N2:浴表面にあるN2気泡界面において平衡する[N](%)である。真空槽内雰囲気と平衡する[N](%)である[N]e,Sは式[8]より求める。
ここで、PN2,S:浴表面での窒素分圧(atm)、fN:窒素の活量係数、T:溶鋼温度(K)、
R:気体定数である。なお、PN2,Sは、槽内真空度PVと同じであり、PN2,S=PVとする。また、[N]e,Ar:Ar気泡界面において平衡する[H](%)も同様に式[9]より求めるが、Ar気泡内の窒素分圧PN2,Arは0となるので、結果、[N]e,Ar=0である。
吹込位置にあるN2気泡界面において平衡する[N]e,O,N2、浴表面にあるN2気泡界面において平衡する[N]e,S,N2は、それぞれ、式[10]、式[11]より求める。なお、吹込位置での窒素気泡中の窒素圧力P0,N2は、浴表面から吹込位置までの溶鋼静圧が槽内圧力に加わると考え、式[12]より求める。なお、浴表面にある窒素気泡の窒素圧力PS,N2は、槽内圧力と同じとし、PS,N2=PVとする。
ここで、l:浴表面から吹込位置までの距離(m)、ρFe:溶鋼密度(=7000kg/m3)、g:重力加速度(=9.8m/sec2)である。また、式[8]〜[12]に示した窒素の活量係数fNは、式[13]により求める。
eN jは、Nの成分jに対する相互作用助係数と呼ばれ、表1の値(出典;日本学術振興会製鋼第19委員会編,製鋼反応の推奨平衡値,1984年)を用いた。[%j]は成分jの濃度(mass%)である。
[N]の化学反応速度定数kr(m/(min・%))は、式[14](出典;原島和海、溝口庄三、梶岡博幸、板倉勝利:鉄と鋼,第73巻,1987年,1559〜1566頁)より求める。
fO、fSはそれぞれ、酸素の活量係数、硫黄の活量係数であり、式[13]と同様の式[15]、式[16]により求める。
eN jは、eS jは、それぞれO及びSの成分jに対する相互作用助係数で、表2(出典;日本学術振興会製鋼第19委員会編,製鋼反応の推奨平衡値,1984年)に示す値を用いた。
鋼浴表面における反応界面積AS(m2)、Ar気泡表面における反応界面積AAr(m2)、N2気泡表面における反応界面積AN2(m2)は、それぞれ、溶鋼還流量Q(m3/min)、吹込みArガス流量QgAr(Nm3/min)、吹込みN2ガス流量QgN2(Nm3/min)の2/3乗に比例するとし、式[17]〜[19]により求めた。なお、αS、αAr、αN2、はそれぞれの比例定数である。
第4に、大気から浸漬管を介して溶鋼に浸入すた窒素も考慮している(図中<4>)。浸漬管からの大気侵入による吸窒速度Rleak(%/min)は、式[20]により求めた。Qleakについては0.17Nm3/min(出典;加藤嘉英、桐原理、山口公治、藤井徹也、大宮茂:鉄と鋼,第83巻,1997年,18〜23頁)を用いた。なお、MN2は、窒素の分子量(=28)である。
以上の計算の中で未知の値は、次の4つ、すなわち、km、αS、αAr、αN2である。これらの値は、最小二乗法を用いて、RHにおける溶鋼中[H]の時間変化を実測した値と上記計算値とが最も近くなるように求め、km=0.2、αS=1.27、αAr=406、αN2=0.95とした。
真空槽内体積VVは、真空度によって変わるが、300Pa以下の範囲ではほぼ一定とし、実施例あるいは比較例で用いたRHの形状から3m3とした。また、取鍋内体積は、処理する全溶鋼重量;W(t)から、真空槽内に吸い上げられた重量を差し引いて求めた。すなわち、VL=1000・W/ρFe-VVである。
表3は、真空脱ガス処理の条件を示したものである。表3に示した条件をモデルに適用して計算した溶鋼中[N]と、実測値とをまとめると、図3(a)〜3(e)に示すようになる。なお、モデルでの計算開始点の[N]は、処理開始時点の実測[N]値に合わせている。
以上述べた物質収支モデルを用いることで、溶鋼中の[N]を正確に求めることができる。すなわち、図3に示すように、モデルで求めた[N]と、実測値との差は、概ね±10ppmの範囲であり、モデルによって[N]を計算することができる。
表4〜7は、本発明の真空脱ガス処理方法を行った実施例と、本発明とは異なる処理を行った比較例とをまとめたものである。
実施例及び比較例の実施条件は次の通りである。
[実施条件について]
[C]が0.03〜0.8質量%になるまで転炉にて脱炭した後、真空脱ガス処理を行った。或いは、[C]が0.03〜0.8質量%になるまで転炉にて脱炭すると共に、脱炭後の溶鋼をLF装置などの取鍋精錬装置にて成分調整を行い、その後、真空脱ガス処理を行った。即ち、実施例及び比較例とも、[C]≧0.03質量%以上の鋼を製造するものを対象とした(処理後の実績溶鋼成分の欄)。
溶鋼の重量は、240〜260ton(溶鋼量の欄)、真空脱ガス処理前の溶鋼温度は1530〜1620℃(処理前溶鋼温度の欄)、真空脱ガス処理後の溶鋼温度は1480〜1570℃とした。真空脱ガス処理前の溶鋼の成分は、[C]=0.03〜1.04質量%、[Si]=0〜0.21質量%、[Mn]=0.1〜1.4質量%、[S]=0.001%〜0.010質量%、[Cr]=0〜1.5質量%、[N]=0.0026〜0.0092質量%とした(処理前溶鋼成分の欄)。
また、真空脱ガス処理後の溶鋼の目標成分は、[C]=0.05〜1.00質量%、[Si]=0〜0.34質量%、[Mn]=0.1〜1.34質量%、[S]=0.002%〜0.010質量%、[Cr]=0〜1.5質量%、[N]=0.0045〜0.0065質量%とした(処理後成分の欄)。
真空脱ガス処理では、前半処理から後半処理に移行する前に、前半処理の間に溶鋼のサンプルを採取して溶鋼中[N]を実測した。[N]の実測値の分析は、φ8mm×50mmの円柱棒の溶鋼のサンプル(20g程度)を採取し、不活性ガス搬送-融解熱伝導度法(JIS G 1228)に基づいて行った。
サンプルの採取から後半処理に移行するまでの時間(分析時間)ができるだけ短い方が、真空脱ガス処理後の[N]の制御精度を高めることができる。分析時間は、最短で7分とした([N]分析用サンプリングから後半処理に移行するまでの時間の欄)。分析時間とは、サンプルを採取して分析を行い、分析値が判明し、さらに後半処理における攪拌条件を決定するまでに必要な時間である。当然の如く、分析時間は、分析方法、分析技術の革新などにより縮めることが可能であるため、その時間は限定されない。
また、前半処理から後半処理に移行する判断をするために、溶鋼の[H]及び[O]f(溶存酸素)を測定した。この測定では、測定端子を溶鋼に数十秒程度浸漬するだけで測定値が迅速に得られる一般的な測定器を使用した。
後半処理に移行する直前の[N]値(=[N]12)は、前半処理中の[N]の実測値(=[N]1)と、前半処理で還流しているガス種とその流量、および後半処理に移行するまでの時間等を用いてモデル式から計算した(後半処理移行直線の[N]モデル計算値の欄)。この[N]12を用いて、真空脱ガス処理後の目標値(=[N]aim)にする必要な攪拌用ガスの流量及び攪拌時間をモデル式から計算し(後半処理の欄)、計算した値を後半処理におけるガスの流量及び攪拌時間に適用した。
なお、モデルによる溶鋼中の[N]の計算では、[N]以外の成分の存在によって[N]挙動に差異が生じること、たとえば、[C]の存在により加窒されにくくなることや[Cr]の存在により加窒されやすくなることなどを考慮している。この実施例及び比較例では、モデル式の計算において、[C]、[Si]、[Mn]、[Cr]、[S]、[O]の6元素の濃度を考慮しているが、[N]との相互作用(相互作用助係数など)が判っている元素を適宜追加しても良い。溶鋼温度についても、処理中に変化するが、モデル式による計算においてはRH処理前温度を用いた。また、モデルは、上述したものに限定されず、例えば、特開平8-100211に記載されているモデル式などにおいて、適宜、モデル式中のパラメータを実験により決定して用いてもよい。どのようなモデルを用いたとしても、[N]を算出する場合は、前半処理途中の実測値を用いる。
実施例1〜10の群と比較例31〜40の群とは同一の鋼種とした。実施例11〜20の群と比較例41〜50の群とは同一の鋼種とし、実施例21〜30の群と比較例51〜60の群とは同一の鋼種とした。
[評価について]
真空脱ガス処理後は、介在物個数、[H]及び[N]の測定を実施して評価を行った。介在物個数の測定は、φ25mm×8mm厚の円柱ディスクとなる溶鋼のサンプルを採取し、そのサンプルの研磨面2〜2.5cm2をEPMAで観察して最大径が5μm以上の介在物の個数を計測した。介在物の計測の対象は、Al2O3+MgO+CaO+SiO2の合計(濃度の合計)が90%以上のものを対象にした。
[N]値は、鋼種毎に要求される硬さ、靱性、強度などに応じて、目標とする制御範囲が予め定められており、この範囲に収める必要がある。例えば、特開2007-119894号公報には、造船向け厚板に適した大入熱溶接用鋼における[N]範囲として40〜60ppmが開示されている。統計学的に99%以上の確率で、この上下限範囲に制御しようとするならば、[N]値の標準偏差を、この範囲20ppmの1/2.58以下、すなわち、7.75 ppm以下とする必要がある。
[H]濃度が高いと、水素気泡を起因とする欠陥が鋳片内に発生し、水素の局部集中に起因する割れ、ラメラテアと呼ばれる板厚方向の剥離状亀裂などを誘発する。「鉄と鋼、第66巻(1980年発行)、S859頁」には、[H]濃度を2ppm以下にすることで、欠陥を防止できることが記載されている。また、「鉄と鋼、第67巻(1981年発行)、S1284頁」には、[H]濃度を2ppm以下することによって、欠陥による超音波探傷強度が0dB以下になることが図示されている。さらに、「鉄と鋼、第73巻(1987年発行)、S903頁」には、[H]が2ppm以下では、欠陥指数が0であることが図示されている。したがって、[H]は2ppm以下にする必要がある。
介在物は、加工時の割れや破断の起点になったり、疲労破壊の起点になったりする。特開平11-1749号公報には、介在物個数と、曲げ疲労強度および転動疲労強度との関係が示されており、対象とする介在物は異なるが、概ね20個/cm2を超えると、これらの強度が
低下することが示されている。また、特許第4718359号公報には、同様に対象とする介在物は異なるものの、20個/cm2を超えると、伸線加工性が低下することが示されている。したがって、介在物を20個/cm2以下にする必要がる。望ましくは、15個/cm2以下である。
[実施例及び比較例について]
次に、本発明の真空脱ガス処理方法を用いて、溶鋼の真空脱ガス処理を行った結果を実施例として述べる。
実施例では、前半処理において、真空脱ガス処理での圧力を300Pa以下とし、アルゴンガス単独或いは混合ガスを吹き込んで溶鋼を還流する還流時間を15分以上とした。処理開始からサンプリングまでの時間と、[N]分析用サンプリングから後半処理に移行するまでの時間とを合計した値が、溶鋼の還流時間である。また。前半処理では、アルゴンガスの流量を5L/(min・ton)以上、溶鋼に吹き込むガスの流量の上限値を20L/(min・ton)以下とした。
後半処理への移行前成分の欄に示すように、溶鋼中の[H]が2ppm以下で且つ[O]fが14ppm以下となった時点で後半処理に移行することとし、後半処理では、真空脱ガス処理での圧力を300Pa以下に維持している。また、窒素ガス単独或いは混合ガスで溶鋼を還流することとし、窒素ガスの流量は、前半処理でサンプリングした溶鋼中の窒素濃度の分析値(後半処理移行直線の[N]モデル計算値の欄)に基づいて決定して処理を行った。
一方、従来手法による真空脱ガス処理方法の結果、すなわち比較例では、全ヒートにおいて、後半処理のための[N]の分析を行わなかった。後半処理におけるガス流量や還流時間等は、前半処理の途中での[N]の分析値やモデルによる計算値を用いずに、当業者間で一般的な従来方法により決定した。比較例31〜33、35〜36、38、40〜50では、溶鋼の窒素濃度を調整するために後半処理にて窒化マンガン合金を添加した(窒化マンガン合金添加量の欄)。また、比較例31〜33、35〜36、38、40〜50では、前半処理及び後半処理の全体にわたって、ガスの種類やガス流量が同じとし、実施例と比較するために、前半処理と後半処理とに分けている。前半処理の還流時間は、処理開始から[O]fを測定する(フリー酸素濃度を測定する)までの時間とした。
このように比較例では、本発明に規定した条件を満たしていないため、実施例に比べて真空脱ガス処理後の[N]が非常に大きくなった。比較例の処理後の[N]標準偏差σは、実施例の処理後の[N]標準偏差σに比べて約2倍程度大きくなった。また、比較例58〜60では、全体処理にわたって窒素ガスで攪拌しているため、介在物除去能力が低く、介在物個数が20個/cm2以上となった。
以上述べた実施例からも明らかなように、本発明の真空脱ガス処理によって、介在物の低減、脱水素を促進しながら窒素の濃度を精度よく調整することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 真空脱ガス装置(RH装置)
2 溶鋼
3 取鍋
4 真空槽
5 浸漬管
6 吹き込み口
7 排気口

Claims (1)

  1. 真空脱ガス処理を前半処理と後半処理とを分けて処理することにより[C]≧0.03質量%以上の鋼を製造するに際し、
    前半処理では、前記真空脱ガス処理での圧力を300Pa以下すると共に、アルゴンガス単独或いはアルゴンガスと窒素ガスとの混合ガスを吹き込んで溶鋼を15分以上還流しつつ窒素を除く成分を調整することとし、前記アルゴンガスの流量を5L/(min・ton)以上とし、溶鋼に吹き込むガスの流量の上限値を20L/(min・ton)以下とし、
    溶鋼中の[H]が2ppm以下で且つフリー酸素濃度[O]fが14ppm以下となった時点で後半処理に移行することとし、
    後半処理では、前記真空脱ガス処理での圧力を300Pa以下に維持すると共に、窒素ガス単独或いは混合ガスで溶鋼を還流することとし、窒素ガスの流量は、前半処理でサンプリングした溶鋼中の窒素濃度の分析値に基づいて決定することを特徴とする真空脱ガス処理方法。
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