JP3275024B2 - 血管内皮増殖因子−b - Google Patents

血管内皮増殖因子−b

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 血管新生、すなわち、既存の血管からの新しい毛細血
管の増殖は、組織の正常な成長と発達に必要な基本的プ
ロセスである。それは、血管の樹枝状分岐(vascular
tree)の発達と分化、および、胚形成、身体の成長、組
織および器官の修復と再生、黄体と子宮内膜の周期的成
長、および、神経システムの発達と分化を含む多様な基
本的生理学的プロセスにとっての必須条件である。女性
の生殖システムに於いて、血管新生は、濾胞においては
その発達中に起こり、黄体においては排卵の後に起こ
り、胎盤においては妊娠状態を確立し維持するために起
こる。血管新生は、更に、たとえば、傷や骨折の治癒等
の体の修復プロセスの一部としても起こる。又、血管新
生は、腫瘍成長の因子でもある。というのは、腫瘍は成
長するためには、連続的に新しい毛細血管の成長を刺激
しなければならないからである。
毛細血管は、内皮細胞と、周細胞(ルジェー細胞)と
から成る。これら二つの細胞タイプは、管、分岐、およ
び全毛細血管ネットワークを形成するためのすべての遺
伝情報を有している。特定の血管新生分子がこのプロセ
スを開始させることができる。血管新生の生理学的重要
性に鑑みて、血管新生を刺激することができる因子の単
離、キャラクタリゼーション、及び精製に多大な努力が
ささげられてきた。血管新生を刺激する多数のポリペプ
チドが精製され、その分子的、生化学的、および生物学
的特性についてのキャラクタライズが行われてきた。こ
のような血管新生の調節因子の概観のために、クラーグ
スブルン(Klagsbrun)他,“Regulators of Angioge
nesis",Ann.Rev.Physiol.,53:217−39(1991)とフォー
クマン(Folkman)他,“Angiogenesis,"J.Biol.Chem.,
267:10931−934(1992)とを参照。最近の結果は、血管
システムの確立と維持に於いて、いくつかの内皮のレセ
プターチロシンキナーゼ(RTK)を関連付けている。
血管内皮細胞に対する分裂促進因子として特異性の高
い一つのそのような増殖因子は、血管内皮増殖因子(VE
GF)と命名されている。フェッラーラ(Ferrara)他,
“The Vascular Endothelial Growth Factor Fami
ly of Polypeptides",J.Cellular Biochem.,47:211
−218(1991);コノリー(Connolly),“Vascular P
ermeability Factor:A Unique Regulator of Bloo
d Vessel Function,"J.Cellular Biochem.,47:219−
223(1991)を参照。VEGFは、ウシ下垂体濾胞細胞を含
む多数の細胞ラインによって調整された培地中に検出さ
れた強力に血管に作用するたん白質である。VEGFは、二
つの24kDサブユニットから成る、グリコシル化された陽
イオン性の46−48kDダイマーである。それは、スルフヒ
ドリル還元剤によって不活性化され、酸性pHと加熱とに
対する抵抗性を有し、固定化されたヘパリンに結合す
る。VEGFは皮内注射後に血管からの液体の漏洩を増加さ
せるため、時として、血管透過性亢進因子(VPF)と称
される。それは、又、vasculotropinという名でも呼ば
れる。
これまで4つの異なった分子種のVEGFが検出されてい
る。165アミノ酸種は、約46kDの分子量を有し、正常な
細胞と組織に見られる主要な分子形態である。より数が
少なく、位置116と159との間で44個のアミノ酸が欠失し
た短い形態(VEGF121)と、位置116に24個の高塩基性残
基の挿入を有する長い形態(VEGF189)と、VEGF189に見
られる前記24アミノ酸挿入を含む、41個のアミノ酸の挿
入を有するもう一つのより長い形態(VEGF206)も、知
られている。VEGF121とVEGF165とは、可溶性のたん白質
である。VEGF189とVEGF206とは、大半が、細胞結合型で
ある。VEGFの全てのアイソフォームは、生物学的に活性
である。例えば、皮内に投与された時、これらの種はそ
れぞれ、エバンスブルーの血管外遊出を誘発させること
ができる。
前記種々のVEGF種は、同じ遺伝子によってコードさ
れ、メッセンジャーRNAの選択的スプライシングから生
じる。この結論は、ヒトゲノムDNAのサザンブロット分
析によって支持されており、これは、VEGF165のための
プローブを使用しても、あるいは、VEGF206における挿
入を有するプローブを使用しても、いずれの場合にも、
制限パターンが同じであることを示している。推定mRNA
スプライジングの領域に於けるゲノム・クローンの分析
も、選択的スプライジングと矛盾なく一致するイントロ
ン/エキソン構造を示している。
VEGFの様々なアイソフォームは、細胞放出、区画化、
バイオアベイラビリティを調節し、更に、恐らくは、そ
れら増殖因子のシグナリング特性を調整するであろう異
なった化学特性を有している。
VEGF遺伝子のヌクレオチド配列の分析は、VEGFが血小
板由来増殖因子(PDGF)ファミリーのメンバーであるこ
とを示している。VEGFとP1GFとは、二つの内皮のRTK,fl
t−1(VEGFレセプター1,VEGFR1)とflk−1/KDR(VEGF
レセプター2,VEGFR2)とに対するリガンドである。VEGF
のアミノ酸配列は、PDGFのAおよびB鎖の配列に対する
約20%の相同性と、更に、両方の成熟PDGF鎖に見られる
8つのシステイン残基の完全な保存とを示している。VE
GF165、VEGF189およびVEGF206は、又、カルボキシ末端
領域内に於いて8つのさらなるシステイン残基をも有し
ている。VEGFのアミノ−末端配列の前には、典型的なシ
グナル配列に対応する26個のアミノ酸がある。成熟たん
白質は、介在するプロシーケンスなしに、シグナル配列
の切断の後、直接的に生成される。Asn74に於ける潜在
的グリコシル化部位の存在は、VEGFが糖たん白質である
という他の証拠と一致しているが、前記ポリペプチド
は、グリコシル化種と非グリコシル化種との両方の形態
で存在することが報告されている。
他のサイトカインと同様に、VEGFは、それが見られる
特定の生物学的環境(biological context)に依り、様
々な作用を有することができる。VEGFとその高親和性レ
セプターであるflt−1とKDR/flk−1とが、血管システ
ムの形成と維持、更に、生理的および病的血管新生とに
必要である。VEGFは、強力な内皮細胞分裂促進因子であ
り、正常な胚の発達、傷の治癒、および組織の再生と再
編成中に於いて内皮細胞増殖を促進することに依って、
イン・ヴィヴォでの血管新生の誘発に直接寄与する。VE
GFは、又、固形腫瘍の成長と転移、虚血−誘発網膜症等
の病的プロセスにも関係している。VEGFの最も顕著な特
徴はその特異性である。それは、毛細血管およびヒト臍
帯血管内皮細胞に対して、1ng/mlでイン・ヴィトロで分
裂促進性であるが、副腎皮質細胞、角膜又は水晶体上皮
細胞、血管平滑筋細胞、角膜内皮細胞、顆粒膜細胞、ケ
ラチン生成細胞、BHK−21繊維芽細胞、3T3細胞、ラット
胚繊維芽細胞、ヒト胎盤繊維芽細胞、およびヒト肉腫細
胞に対してはそうではない。従って、VEGFの標的細胞特
異性は、血管内皮細胞に限定される。VEGFは、血管新生
につながる全ての一連の事象を引き起こすことができ、
イン・ヴィヴォで角膜に於ける、又、治癒骨移植片モデ
ルに於ける血管新生を刺激する。それは、小さな血管と
大きな血管の両方から単離された内皮細胞の増殖を刺激
することができる。VEGFmRNAの発現は、卵巣の黄体、又
は発達中の脳に於ける毛細血管の生理的増殖に時間的又
空間的に、関連している。VEGF発現は、低酸素症によっ
て引き起こされるので、内皮細胞増殖と血管新生とは、
特に虚血部位に於いて刺激されるようである。VEGFは、
又、単球に対する強力な誘引物質でもある。更に、VEGF
は、内皮細胞に於いて、プラスミノーゲンアクチベータ
ーと、プラスミノーゲンアクチベータインヒビターを誘
導する。
腫瘍細胞はVEGF等の血管新生分子を放出し、VEGFに対
するモノクローナル抗体は、横紋筋肉腫等のある種の腫
瘍の成長を阻害することが示されている。キム(Kim)
他,“Inhibiton of Vascular Endothelial Growth
Factor−Induced Angiogenesis Suppresses Tumor
Growth in vivo,"Nature,362:841−844(1993)参
照。これは、VEGFの作用を阻止することが、腫瘍一般の
治療、特に、高度に血管が発達した、勢いのある腫瘍の
治療に於いて、潜在的な治療上の重要性を有するもので
あることを示唆している。
発明の要旨 本発明の課題は、内皮細胞の増殖を促進する特性を有
する新規な増殖因子を提供することにある。
本発明の別の課題は、内皮細胞の増殖を促進する新規
な増殖因子をコードする単離DNA配列を提供することに
ある。
本発明の更に別の課題は、診断および/又は治療用途
に於いて有用な新規な製品を提供することにある。
これらおよびその他の課題は、本発明に依って、下記
の特徴的なアミノ酸配列(配列認識番号16) を示し、内皮細胞又は中胚葉細胞の増殖を促進する特性
を有するたん白質をコードする単離DNAを提供すること
によって達成され、そのDNAは、図1および2のDNA(配
列認識番号1)と、図3のDNA(配列認識番号4)と、
図5のDNA(配列認識番号6)と、図7のDNA(配列認識
番号8)と、図10のDNA(配列認識番号10)と、図12のD
NA(配列認識番号12)と、図14のDNA(配列認識番号1
4)と、それらDNA配列の少なくとも一つとストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズするDNAとから成るグル
ープから選択される。
本発明の別の態様に依れば、前記諸課題は、又、下記
の特徴的なアミノ酸配列(配列認識番号16) を示し、内皮細胞又は中胚葉細胞の増殖を促進する特性
を有するたん白質を提供することによって達成され、た
ん白質は、図1のアミノ酸配列(配列認識番号2)と、
図2のアミノ酸配列(配列認識番号3)と、図4のアミ
ノ酸配列(配列認識番号5)と、図6のアミノ酸配列
(配列認識番号7)と、図8のアミノ酸配列(配列認識
番号9)と、図11のアミノ酸配列(配列認識番号11)
と、図13のアミノ酸配列(配列認識番号13)と、図15の
アミノ酸配列(配列認識番号15)とから成るグループか
ら選択されるアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列、若
しくは、前記図1のアミノ酸配列(配列認識番号2)
と、図2のアミノ酸配列(配列認識番号3)から選択さ
れるアミノ酸配列においてN−末端と、リーダー配列が
付加されたアミノ酸配列、若しくは、前記図4のアミノ
酸配列(配列認識番号5)と、図6のアミノ酸配列(配
列認識番号7)と、図8のアミノ酸配列(配列認識番号
9)と、図11のアミノ酸配列(配列認識番号11)と、図
13のアミノ酸配列(配列認識番号13)と、図15のアミノ
酸配列(配列認識番号15)とから成るグループから選択
されるアミノ酸配列においてシグナル配列が欠失された
アミノ酸配列を含む。
本発明の更に別の態様に於いて、前記諸課題は、その
ようなたん白質を含有する医薬調合物を提供すること、
および、そのようなたん白質と反応する、もしくは、そ
のようなたん白質を認識する抗体を提供することによっ
て達成される。
以後、血管内皮増殖因子B又はVEGF−Bと称する本発
明の新規な増殖因子は、VEGFと、胎盤増殖因子(PlGF)
とに対して高い構造的類似性を有する。前記VEGF−Bの
全ての形態は、前記特徴的アミノ酸配列(配列認識番号
16) を有し(ここで、Xaaは、可変残基を示す)、これは、P
DGF/VEGFファミリの増殖因子の特徴である。この特徴的
なアミノ酸配列は、図4,6,8,11,13および15に於いて、
アミノ酸70から82に見られる。
本発明の臨床上の使用は、診断用としての使用、傷の
治癒に於ける血管新生の促進、そして血管新生の阻害を
含む。癌の生体組織検査標本に於けるVEGF−Bの定量化
は、将来の転移のリスクのインジケーターとして有用で
あろう。慢性的創傷に対するVEGF−B調合物の局所的適
用によって、血管新生と創傷の治癒を促進することがで
きる。VEGF−Bは、VEGFと類似の方法で使用することが
できる。
本発明の更に別の態様に依れば、前記諸課題は、典型
的にはテスト・キットの形態をとる診断/予知手段を提
供することによって達成される。たとえば、本発明の一
具体例に於いて、本発明の新規な増殖因子に対する抗体
と、前記抗体と本発明の新規増殖因子との間の結合を検
出、より好ましくは評価するための手段と、を有する診
断/予知テスト・キットが提供される。本発明の前記診
断/予知手段の一好適具体例に於いて、増殖因子−抗体
相互作用が、抗体と増殖因子との間の結合後に於いて、
基質に結合した標識の量を測定することによって確証さ
れるようにするために、抗体又は新規増殖因子のいずれ
かが標識化され、そして、抗体又は増殖因子のいずれか
が、基質結合されている。本発明の特に好適な具体例に
於いて、診断/予知手段は、従来式ELISAキットとして
提供することができる。
更に別の具体例に於いて、前記診断/予知手段は、テ
スト個体のVEGF−B遺伝子のゲノム配列構造を確定する
ためにPCR手段を含むことができ、そして、そのテスト
個体の配列構造をなんらかの異常を検出するために本出
願に開示する配列構造と比較する診断/予知テスト・キ
ットとして提供することができる。この際、VEGF−B発
現に於けるなんらかの異常が所定の病状に関連している
かどうかを確立することを予想している。
本発明の更に別の態様は、VEGF−Bを認識し、適当に
標識化された抗体に関する。
本発明の更に別の態様は、VEGF−Bたん白質又はそれ
に対する抗体のいずれかを含有する医薬組成物の提供に
関する。VEGF−Bたん白質を含有する組成物には、オプ
ションとして、更に、VEGF又はヘパリン、あるいはこれ
らの両方を含ませることができる。
本発明の更に別の態様に依れば、血管新生の欠如又は
減少によって特徴付けられる状態を治療するための、VE
GF−Bたん白質とヘパリンとを含有する薬剤の製品が提
供される。
更に別の態様に於いて、本発明は、VEGF−Bたん白質
を含むたん白質ダイマー、特に、ジスルフィド結合ダイ
マーに関する。本発明のたん白質ダイマーは、VEGF−B
たん白質のホモダイマーと、VEGF−BとVEGFとのヘテロ
ダイマーとの両方を含む。
本発明の更に別の態様に依れば、細胞からのVEGF−B
又はVEGF−BとVEGFの組み合わせの放出を容易にするた
めの方法であって、前述したVEGF−B又はVEGF−BとVE
GFの両方を発現する細胞をヘパリンに対して露出させる
工程を有する方法が提供される。
図面の簡単な説明 図1は、VEGF−Bの(部分的)cDNAクローンのヌクレ
オチド配列(配列認識番号1)と、cDNAの第1リーディ
ングフレームによってコードされるたん白質セグメント
のアミノ酸配列(配列認識番号2)とを示している。
図2は、VEGF−Bの(部分的)cDNAクローンのヌクレ
オチド配列(配列認識番号1)と、cDNAの第2リーディ
ングフレームによってコードされるたん白質セグメント
のアミノ酸配列(配列認識番号3)とを反復している。
図3は、マウスVEGF−B167の全長cDNAクローンのコー
ド領域のヌクレオチド配列(配列認識番号4)を示して
いる。
図4は、マウスVEGF−B167のアミノ酸配列(配列認識
番号5)を示している。
図5は、VEGF−B174のcDNAクローンのコード領域のヌ
クレオチド配列(配列認識番号6)を示している。
図6は、VEGF−B174のアミノ酸配列(配列認識番号
7)を示している。
図7は、VEGF−B112のcDNAクローンのヌクレオチド配
列(配列認識番号8)を示している。
図8は、VEGF−B112のアミノ酸配列(配列認識番号
9)を示している。
図9は、mVEGF−B167,mVEGF164,hPlGF,mPDGF Aおよ
びmPDGF Bのアミノ酸配列の比較を示している。
図10は、ヒトVEGF−B167のクローンのヌクレオチド配
列(配列認識番号10)を示している。
図11は、ヒトVEGF−B167のアミノ酸配列(配列認識番
号11)を示している。
図12は、マウスVEGF−B186のヌクレオチド配列(配列
認識番号12)を示している。
図13は、マウスVEGF−B186のアミノ酸配列(配列認識
番号13)を示している。
図14は、ヒトVEGF−B186のヌクレオチド配列(配列認
識番号14)を示している。
図15は、ヒトVEGF−B186のアミノ酸配列(配列認識番
号15)を示している。
図16は、マウスおよびヒトVEGF−B167およびVEGF−B
186アイソフォームのアミノ酸配列(配列認識番号5,11,
13&15)比較を示している。
図17は、VEGF−Bのマウスおよびヒトの遺伝子の概略
構造を示している。
図18は、マウスVEGF−B167とVEGF−B186アイソフォー
ムの親水性分析を示している。
図19は、VEGF/PDGFファミリーの増殖因子の系統発生
分析を示している。
図20は、ヒト臍帯血管内皮細胞(HUVEC)とウシの毛
細血管内皮(BCE)細胞の、VEGF−B,VEGFおよびbFGFに
よる、[3H]チミジン取り込みの誘導を示すグラフであ
る。
図21は、いくつかのマウスとヒトの組織に於けるVEGF
−B186転写産物の発現のノザンブロット分析である。
図22は、トランジェントにマウスVEGF−B cDNAをト
ランスフェクションしたCos−1細胞からの細胞培養培
地および洗浄剤可溶化細胞溶解物の免疫沈降法とSDS−P
AGE分析の結果を示している。
図23Aは、マウスVEGF−B186とヒトVEGF165とを別々に
発現するトランスフェクションされたCos−1細胞から
の細胞培養培地の免疫沈降法とSDS−PAGE分析の結果を
示している。
図23Bは、マウスVEGF−B186とヒトVEGF165とを同時に
発現するCos−1細胞の細胞培養培地(M)と洗浄剤可
溶化細胞溶解物(L)の免疫沈降法とSDS−PAGE分析の
結果を示している。
図23Cは、マウスVEGF−B186とヒトVEGFとを別々に又
は、組み合わせて発現するCos−1細胞及び、模擬(moc
k)トランスフェクションされたコントロール細胞から
の細胞培養培地の免疫沈降法およびSDS−PAGE分析の結
果を示している。
好適実施例の詳細説明 従って、本発明は、VEGFの血管新生およびその他の特
性を共有するが、組織においてはVEGFと異なる分布と発
現を示す。以後VEGF−B増殖因子と称する新規な血管新
生内皮増殖因子に関する。
VEGF−B増殖因子は、血小板由来増殖因子のファミリ
ーのメンバーであり、血管新生内皮細胞および/又は中
胚葉細胞の有糸分裂と増殖とを促進する増殖因子であ
る。それらは、図1および2(配列認識番号1)、図3
(配列認識番号4)、図5(配列認識番号6)、図7
(配列認識番号8)、図10(配列認識番号10)、図12
(配列認識番号12)、又は図14(配列認識番号14)に示
すDNA配列のいずれか一つに対応、又は、それとストリ
ンジェントな条件下に於いてハイブリダイズ可能なDNA
配列の発現によって産生される。本発明の範囲には、上
記DNA配列のいずれか一つとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズするDNA配列によってコードされるす
べての血管新生たん白質が含まれると意図される。適当
なハイブリダイゼーション条件には、たとえば、50%ホ
ルムアミド、5xSSPE緩衝液、5xデンハルト溶液、0.5%S
DSそして、100μg/mlの鮭精子DNAで42℃で一晩、その
後、55℃で2xSSC中で2x30分間の洗浄、という条件が含
まれる。
本発明は、又、上記DNA配列のいずれか一つと対応、
又は、それとストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズする単離および/又は精製DNAにも関する。
別の態様に於いて、本発明は、VEGF−B増殖因子の抗
体、特に、モノクローナル抗体に関する。
VEGF−Bたん白質は、たん白質チロシンキナーゼ増殖
因子レセプターと相互作用するものであると考えられて
いる。このようなレセプターの詳細は当該技術に於いて
公知である。[たとえば、ウィルクス,エイ,エフ(Wi
lks,A.F.),“Protein Tyrosine Kinase Growth F
actor Receptors and Their Ligands in Develop
ment,Differentiation,and Cancer,"Adv.Cancer Re
s.,60:43−73(1993)参照]。
様々な成体マウス組織が、VEGF−Bに対応する転写産
物の発現について、ノザンブロッティングによってテス
トされた。mRNAのサイズは、1.3−1.4kbであった。マウ
スの多組織ノザンブロット(MTN,Clontech)を、上述し
たpPC67酵母発現ベクター由来の≒0.9kb Sal I/Not I
フラグメントでプローブした。前記プローブは、ランダ
ムプライミングを使用して、32P−dCTPによって標識化
した(比活性108−109cpm/μgDNA)。前記ブロットを、
50%ホルムアミド、5xSSPE緩衝液、2%SDS、10xデンハ
ルト溶液、100μg/mlの鮭精子DNA、そして1x106cpmの前
記標識化プローブ/mlを使用して、42℃で一晩ハイブリ
ダイゼーションした。前記ブロットを、0.05%SDSを含
有する2xSSC中で、室温で2x30分間、その後、0.1%SDS
を含有する0.1xSSC中で、52℃で2x20分間洗浄した。前
記ブロットを、その後、強化スクリーンを使用して3日
間、−70℃で露出した。コダック社製XARフィルムを使
用した。前記フィルムの視覚検査よって測定した相対発
現レベルを以下の表にリストする。
Clontechからのヒトの多組織ノザンブロット(MNT)
を、マウスの部分的cDNAを用いて、プローブして、様々
なヒト組織に於ける相対VEGF−B発現レベルを測定し
た。転写産物のサイズは、1.3−1.4kbであった。条件
は、上述したマウスのノザンブロットに使用したものと
同じであった。ヒトのノザンブロットの相対的VEGF−B
転写産物レベルを、次の表2にリストする。比較の目的
のために、表2は、文献からの様々な哺乳類システムに
於けるVEGFの相対的発現レベルデータもリストしてい
る。
表1と表2の比較から、VEGF−B転写産物のマウスと
ヒトの組織発現レベルは、比較的類似しており、最高の
発現レベルが、心臓と骨格筋とに見られることが理解さ
れる。脳と腎臓組織においては、かなりの相違が見られ
る。又、そこから最も一般的なヒトの腫瘍のいくつかが
発生する、前立腺、膵臓および腸等の、筋細胞と上皮細
胞との両方を大きな比率で含有する組織は、比較的高い
レベルでVEGF−Bを発現することも銘記されるべきであ
る。
ヒトの組織に於けるVEGFとVEGF−Bの相対的発現レベ
ルの比較は、いくつかの顕著な相違を示している。VEGF
は、ヒトの心臓組織によってはやや弱く発現されるが、
VEGF−Bは、同組織によって非常に強く発現される。他
方、VEGFはヒトの肺組織によって強く発現されるが、VE
GF−Bはヒトの肺組織によって弱く発現されるだけであ
る。同様に、ヒトの肝臓組織は、VEGFを中レベルで発現
するが、VEGF−Bは非常に弱く発現されるだけである。
これらのデータは、その全体的類似にも拘わらず、VEGF
とVEGF−Bの作用が、完全に同一ではないことを証明し
ている。
VEGF−B転写産物の発現を、マウスとヒトの組織に於
いて、ノザンブロッティングによって更に分析し、VEGF
転写産物の発現と比較した。マウスとヒトの多組織ノザ
ン(MTN)ブロット(Clontech)を、32P−標識化マウス
VEGF−Bプローブ(クローンpcif2の≒0.9kb Sal I/No
t Iインサート)でハイブリダイズさせた。VEGF発現は
32P標識化VEGF165cDNAをプローブとして用いて分析し
た。ハイブリダイゼーションを、50%脱イオン化ホルム
アミド、5xSSC pH7.0,1%SDS,5xデンハルト溶液、およ
び100μg/mlの編成鮭精子DNA中で、42℃で行った。フィ
ルターを、0.5%SDSを含む2xSSC中で、52℃で2x30分間
洗浄し、補力スクリーンを使用して、−70℃で2−5日
間、コダック社製XARフィルムに露出した。CBAマウスか
らの成体マウス組織と、CBAとNMRIマウスとの交配から
得た胚のインサイチュハイブリダイゼーション分析を、
過去に於いてコルホーネン(Korhonen)他,Blood,80,25
48−55(1992)によって記載されているものと実質的に
同様に行った。RNAプローブ(383bpアンチセンスプロー
ブと、169bpセンスプローブ)を、pcif2cDNAクローンか
ら得た440bp Sal I/Sac Iフラグメントを含む線状化プ
ラスミドから作成した。放射性標識化RNAを、T7およびS
P6 RNAポリメラーゼと、[35S]UTP(Amersham In
c.)を使用して合成した。プローブのアルカリ加水分解
は省略した。ヘマトキシリンを対比染色に使用した。セ
ンスストランドと、RNAseA−処理済みセクションによる
コントロールハイブリダイゼーションでは、バックグラ
ンド以上のシグナルは検出されなかった。
マウス組織に於いては、1.4kb VEGF−B転写産物の
最も多量の発現が、心臓、脳、骨格筋および腎臓におい
て検出された。主要な3.7kbのVEGF転写産物が、心臓、
脳、肺、骨格筋、および腎臓において発現された。ヒト
の組織に於いては、1.4kb VEGF−B転写産物と、主要
な3.7と4.5kbのVEGF転写産物との最も多量の発現が、心
臓、骨格筋、膵臓、および前立腺において検出された。
従って、明白な量的相違が存在するものの、VEGF−Bと
VEGFとは、多くのヒトとマウスの組織において同時発現
されるようである。
VEGF−B転写産物の発現を、更に、成体マウス心臓お
よび骨格筋からのセクションと、初期(E10)マウス胚
からのセクションに於けるインサイチュハイブリダイゼ
ーションによって調べた。成体心臓に於いて、VEGF−B
転写産物は、心筋において顕著に発現されるのに対し
て、動脈平滑筋においてはなんた特異的なシグナルは検
出されない。成体横紋筋では、VEGF−B転写産物は、い
くつかの筋原繊維によって発現されるが、それ以外で前
記転写産物が欠如しているようである。E10マウス胚で
は、VEGF−B転写産物は、主として成長中の心臓に於い
て検出される。成体マウス心臓の心筋は、顕著なシグナ
ルを有する。横紋筋に於いては、VEGF−B発現は、筋原
繊維の部分集団において見られる。
E10マウス胚の成長中の心臓に於いても、強いシグナ
ルが得られた。他の胚組織は、より低いレベル、もしく
は検出不能なレベルのVEGF−B転写産物を発現した。総
括すると、これらのテストは、VEGF−B転写産物が主と
して筋肉組織に於いて発現されることを示している。
VEGF−Bは、特に、心臓と骨格筋とに於いて豊富であ
り、これらの組織とその他の組織とに於いてVEGFと同時
発現する。トランスフェクションされた細胞に於いて
は、VEGF−Bは、細胞表面に結合したジスルフィド結合
ホモダイマーを形成し、VEGFと同時発現される時には、
VEGFとヘテロダイマーを形成する。VEGF−B186アイソフ
ォーム特異的プローブを使用したいくつかのマウスとヒ
トの組織に於けるVEGF−B186転写産物の発現のノザンブ
ロット分析を図21に示す。
VEGF−B遺伝子の染色体位置を、サザンブロッティン
グと、体細胞雑種のポリメラーゼ連鎖反応による分析
と、中期染色体の蛍光インサイチュハイブリダイゼーシ
ョン(FISH)とによって評価した。前記VEGF−B遺伝子
は、染色体11q13上の、サイクリンD1遺伝子の近傍に見
つかった。興味深いことに、サイクリンD1遺伝子は、多
数のヒトの癌腫において増幅されるが、VEGF−B遺伝子
は、増幅されたサイクリンD1を含有するいくつかの乳が
ん細胞ラインに於いては増幅されなかった。しかしなが
ら、VEGF−B遺伝子に於ける突然変異は、血管の奇形お
よび/又は心血管疾病に関連しているかもしれない。
特に銘記のない限り、下記の例では、オースベル(Au
subel)他,(eds.),Current Protocols in Molecu
lar Biology,John Wiley&Sons,New York(1992)に
記載されている標準的分子生物学技術および手順を使用
した。
例1:二つのリーディングフレームを有する部分的cDNAク
ローン マウスVEGF−Bをコードする部分的cDNAクローンを次
のようにして同定した。14.5日齢のマウス胚から単離さ
れたポリA+mRNAから得られたcDNAライブラリー(E14.
5)[シェヴレイ,ピー(Chevray P.)およびネイサン
ズ,ディ(Nathans D.),“Protein interaction c
loning in yeast:Identification of mammalian p
roteins that react with the leucine zipper
ofJun,"Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:5789−93(199
2)]から、ジェリス,ジェイ(Gyuris J.),ゴレミ
ス,イー(Golemis E.),チェルトコフ,エイチ(Che
rtkov H.)およびブレント,アール(Brent R.),
“Cdil,a Human Gl and S Phase Protein Phos
phatase That Associates with Cdk2,"Cell,75:791
−803(1993)に記載されている酵母ツーハリブリッド
相互作用トラップ・スクリーニング技術を使用して、細
胞質レチノイン酸−結合たん白質タイプ1(CRABP−
I)と相互作用する可能性のある細胞質たん白質をスク
リーニングした。このスクリーニング技術は、結合ドメ
インを有し、転写的に不活性であることが知られている
融合たん白質(“bait")と、基礎転写を示さず、か
つ、前記baitによって結合されるレポーター遺伝子と、
キメラとして発現され、そのアミノ末端が、活性化ドメ
インと、他の有用な部分を有するたん白質(“prey")
をコードする発現ライブラリー、とを含む。スクリーニ
ングされたライブラリーは、Dr.Pierre Chevray of
the Johns Hopkins University,School of Medici
ne,725 North Wolfe St.,Baltimore,MD 21205から
入手した酵母発現ベクターpPC67中の14.5日齢マウス胚
プラスミドライブラリーであった。一つの陽性のcDNAク
ローン(pcif−2)がスクリーニングから回収された。
その陽性クローンを、周知の、従来技術を使用してシー
クエンシングしたところ、VEGFと、PDGFファミリーの増
殖因子の他のメンバーとに対して相同性の高いたん白質
をコードすることが分かった。前記プラスミドpPC67中
の≒0.9kbSal I/Not Iインサートを、pBluescriptにク
ローニングし、T7,T3ベクタープライマーを内部プライ
マーと共に使用して、完全にシークエンシングした。プ
ラスミドpBluescriptは、Stratagene Inc.,LaJolla,Ca
liforniaから市販されている。前記cDNAインサートは、
886塩基対長で、異なるリーディングフレームにおい
て、2つのポリペプチドをコードし、それらはそれぞれ
VEGFのN−末端とC−末端とに相同性があることがわか
った。この新規な増殖因子を、以後、VEGF−Bと称す
る。前記クローンは、部分的であり、アミノ末端領域
と、全シグナル配列とにおいていくつかのアミノ酸が欠
如している。
図1は、このVEGF−Bの部分的cDNAクローンのヌクレ
オチド配列(配列認識番号1)と、その第1リーディン
グフレームにおいてコードされるアミノ酸配列(配列認
識番号2)とを示している。図1のDNA配列は、前記酵
母発現ベクターpPC67中のクローン(pcif−2)を従来
式にシークエンシングすることによって得た。そのクロ
ーンは、886の塩基対を有し、マウスVEGF−Bの一部を
コードしていた。
前記単離cDNA配列は、VEGF−Bを含有する、たとえば
マウス又はヒトの、哺乳類ゲノムDNAは、とハイブリダ
イズするであろう。コード配列の他に、ゲノムDNAは、
単数又は複数の特定の組織に於いてVEGF−Bの発現を引
き起こし、誘導する単数又は複数のプロモーター配列を
有するであろう。従って、VEGF−Bのコード配列は、あ
る種の筋繊維に対して特異的な筋肉−特異的プロモータ
ーエレメントにつながっているかもしれない。
前記ヌクレオチド配列は、二つの異なるリーディング
フレームに於いて、二つの異なるアミノ酸配列に翻訳さ
れる。コード配列内の塩基対309−311において一つの停
止コドン(TGA)が存在する。従って、VEGF−Bには、
複数のスプライシング・バリアントがある。クローニン
グされたcDNA配列の5'末端は、VEGF,PlGFおよびPDGF
AおよびBのN−末端ドメインに対してかなりの相同性
を有する102アミノ酸長のたん白質をコードする。特
に、多数のシステイン残基が、このグループのたん白質
中おいてに完全に保存されている。前記ヌクレオチド配
列(配列認識番号1)の他に、図1は、更に、この第1
たん白質の推定アミノ酸配列(配列認識番号2)を示し
ている。
異なったリーディングフレームで前記cDNAのC−末端
(塩基対311−475)が翻訳されると、VEGF165,VEGF189,
VEGF206のC−末端部分に対して相同性の高いたん白質
が生成される。図2も、図1のヌクレオチド配列(配列
認識番号1)を示しているが、ここでは、第2リーディ
ングフレームにコードされ、54アミノ酸長である第2の
たん白質の推定アミノ酸配列(配列認識番号3)が示さ
れている。従って、VEGF−B遺伝子は、一次転写産物の
選択的スプライシングを使用して、異なったたん白質を
コードするようである。前記第2ペプチドをコードする
前記クローンの最後の部分は、VEGF−Bの他のスプライ
シング・バリアントに於いて機能的たん白質として発現
されるかもしれない。
上述したたん白質は、約5ないし10個のアミノ酸から
なる付加的なN−末端配列と、更に、約21ないし28個の
アミノ酸のリーダー配列と結合して存在するかもしれな
い。従って、そのように結合されたアミノ酸配列は、内
皮細胞の増殖を促進する特性を示し、そのように結合さ
れたペプチド配列をコードするDNA配列は、図1および
2のDNA配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズし、そのようなアミノ酸配列と、それらをコード
するDNAとが、本発明の範囲に含まれると明らかに理解
される。
例2:マウスVEGF−Bの全長cDNAのクローニング 前述の例1で同定されたcDNAクローンの約0.9kbのSal
I/Not I cDNAインサートをプローブとして使用して、S
tratagene Inc.,of La Jolla,Californiaから入手し
た成体マウス心臓ラムダZAP−II cDNAライブラリーを、
標準式技術を使用してスクリーニングした。前記ライブ
ラリーを、指示に従って、滴定し、プレーティングし
て、フィルターを作成した。50%ホルムアミド、5xSSP
E,5xデンハルト溶液、1%SDSおよび100μgの鮭精子DN
A/ml中での42℃でのプレハイブリダイゼーションの後、
前記フィルターを、同じ温度で、かつ、変性放射性標識
化プローブを含有する同じ溶液中で106cpm/mlのハイブ
リダイゼーション溶液を使用して、ハイブリダイゼーシ
ョンした。前記プローブは、ランダムプライミングキッ
ト(Amersham)を使用して標識化した。16時間後、前記
フィルターを、0.5%SDS含有の2xSSC中で、2x30分間、5
2℃で洗浄した。前記フィルターを、−70℃で一晩、補
力スクリーンを使用して露出した。プレート上のすべて
のプラークが陽性になるまで、陽性クローンを2回再ス
クリーニングした。いくつかの陽性クローンからのイン
サートを、供給業者によって指示されているように、イ
ン・ヴィヴォエキサイションによって、プラスミドpBlu
escript SK+にサブクローニングした。
いくつかのクローンを、制限酵素分析によってマッピ
ングしたところ、Spe I/BamH Iの制限フラグメントの長
さによって特徴付けられる二つの異なるグループに分類
されることが分かった。これらのグループの第1ののも
のは、それぞれが、240bp Spe I/BamH I制限フラグメ
ントを有する、前記制限マッピングされたクローンの内
の三つを有していた。もう一つのグループは、340bp Sp
e I/BamH Iフラグメントを有するクローンであった。こ
のフラグメントの分析は、例5に記載する。
240bp Spe I/BamH I制限フラグメントを示した三つ
のクローンを、完全、又は部分的にシークエンシング
(Sequenase 2.0,U.S.Biochemicals)、そして、これ
らのクローンを特徴を次のように要約する。
ヌクレオチド配列分析は、前記cDNAクローンの内の二
つは、長さに於いて異なり、一方が突然変異を有してい
たものの、実質的に同じであることを示した。前記クロ
ーンの内の一方は、全長であり、最初の21個のアミノ酸
が切断可能なシグナル配列である188のアミノ酸残基を
コードするオープンリーディングフレームを含有してい
た。これら実質的に同一の二つのクローンの内の他方
は、開始コドンのGの位置が末端となっていた。別のク
ローンの配列分析により、前記Gの前の配列は、ACCAT
であると推定できた。これらのクローンの両方は、図3
に示す同じコード領域ヌクレオチド配列(配列認識番号
4)を有していることが分かった。図面に於いて、前記
単離クローンには存在していなかった開始コドン(AT
G)の最初のチミンとアデニンとは省略されている。こ
れら二つのcDNAクローンの両方のコード領域のオープン
リーディングフレームの推定アミノ酸配列が図4に示さ
れている(配列認識番号5)。この配列によってコード
されたたん白質を、以後VEGF−B167と称する。ここに使
用されるたん白質名のそれぞれに於いて、その下付き数
字は、シグナル配列を除いた成熟たん白質に於けるアミ
ノ酸の数を示す。
予想されたように、これらの二つのクローンによって
コードされるアミノ酸配列と、例1のcDNAクローンから
推定された部分的アミノ酸配列との比較は、顕著な類似
性を示した。しかし、それぞれがVEGFの異なった部分に
対する相同性を有するアミノ酸配列をコードする、例1
のクローンにおける二つのオープンリーディングフレー
ムは、両方共に、例2に依る上述の二つのクローンのそ
れぞれにおける同じリーディングフレーム中に存在して
いる。例1のクローンのフレームシフトは、二つの追加
アデニン単位の挿入によって引き起こされ、その結果、
例1のクローンのC−末端部分はフレーム外にずれるこ
とになる。その理由は、現在ではわからないが、クロー
ニングにおけるアーティファクトに依るものであるかも
しれない。
前述の3つのクローンのうち第3のクローンのコード
領域は、21bpの挿入を有することを除いて、前の二つの
クローンのそれらと同一のヌクレオチド配列を有してい
た。図5は、この第3クローンのヌクレオチド配列(配
列認識番号6)を示している。確認を容易にするため
に、前記21の追加塩基は、図中に於いて下線を引かれて
いる。この挿入によって、成熟たん白質中に於いて7つ
の追加のアミノ酸残基が生じる。従って、このより長い
cDNAによってコードされるたん白質を、VEGF−B174と称
する。図5のcDNAによってコードされるたん白質のアミ
ノ酸配列が、図6に示されている(配列認識番号7)。
この図に於いても、確認を容易にするために、前記7つ
の追加アミノ酸には下線が引かれている。これらの追加
アミノ酸は、スプライス部位に於いて前記配列中に挿入
されており、マウスゲノムDNAクローンのシークエンシ
ングは、これら追加アミノ酸が、実際に選択的スプライ
シングの結果であることを示している。更に、PDGFのレ
セプター結合部位位置に関して今日知られていることに
基づくと、前記挿入は、恐らくレセプター結合部位の一
部であるたん白質中の位置において起こる。従って、前
記挿入は、恐らく、レセプター結合に影響を与え、アン
タゴニストおよび/又は異なるレセプター特異性に対す
る影響に於いて、機能的重要性を持つものであるかもし
れない。
例3:ハイブリッドcDNAクローン 既に指摘したように、例1のこの元のcDNAクローン
は、全長ではなく、アーティファクトを含んでいるもの
である可能性がある。しかし、もしもVEGF−B167および
/又はVEGF−B174をコードする前述のクローンの5'末端
ヌクレオチド配列を追加すると、例1のこのオープンリ
ーディングフレームは、133個のアミノ酸のたん白質を
コードし、112アミノ酸長で、従って、VEGF−B112と称
される成熟たん白質を生成することになる。VEGF−B112
をコードするこのハイブリッドcDNA配列(配列認識番号
8)が、図7に示され、対応するたん白質のアミノ酸配
列(配列認識番号9)が図8に示されている。
図9は、マウス血管内皮増殖因子Bの167アミノ酸バ
リアント(mVEGF−B167)と、マウス血管内皮増殖因子
(mVEGF164)と、ヒト胎盤増殖因子(hPlGF)と、マウ
ス血小板由来増殖因子A(mPDGF A)と、マウス血小
板由来増殖因子B(mPDGF B)とを比較する目的の、
複数のアミノ酸配列のアラインメントを示している。マ
ウスVEGF−B167と同一のアミノ酸残基は、箱内に示され
ている。これら配列の相同関係は、明らかであり、図
は、PDGF/VEGFファミリーの増殖因子に属する増殖因子
の保存された構造を示し、VEGF−Bが、このグループの
他の増殖因子の構造的ホモローグであることをはっきり
と示している。これらアミノ酸配列の対比較は、マウス
VEGF−Bが、マウスVEGF164に対して約43%同一であ
り、ヒトPlGFに対して約30%同一であり、更に、マウス
PDGF AおよびBに対して約20%同一であることを示し
ている。保存されたシステイン残基が特に注目に値す
る。前記5つの増殖因子のN−末端ドメイン(すなわ
ち、PDGF様ドメイン)に於ける最初の8つのシステイン
残基がこのファミリーのすべてのメンバーによって共有
されていることが理解され、従って、分子内および分子
間ジスルフィド結合に関係しているこれら8つのシステ
イン残基が、これらの増殖因子間に於いて不変であるこ
とが明らかである。更に、マウスVEGF−B167とVEGF164
のC−末端ドメインは、又、8つのさらなる保存システ
イン残基といくらかの領域にわたる塩基性アミノ酸に対
して重要な類似性をも示している。
例4:ヒトVEGF−B cDNAのクローニング λgtll(Clontech)中のヒト繊維肉腫cDNAライブラリ
ーHT1080の106λ−クローンを、標準式手順に従って、
前記マウスVEGF−Bクローンpcif2の≒0.9kbインサート
を用いてスクリーニングした。いくつかの陽性クローン
の中の、一つの、H.1と命名したものをより詳しく分析
し、そのヌクレオチド配列を決定した。そのヌクレオチ
ド配列は、ヒトVEGF−Bの207アミノ酸アイソフォーム
がコードされていることを示した。このアイソフォーム
の分析は、例6に於いて後述する。前記H.1配列に基づ
き、マウスVEGF−B167アイソフォームに対応する推定ヒ
トcDNAの全コード領域を増幅する二つのオリゴヌクレオ
チドをデザインした。
5'−CACCATGAGCCCTCTGCTCC−3'(正方向)(配列認識
番号18) 5'−GCCATGTGTCACCTTCGCAG−3'(逆方向)(配列認識
番号19) これらのオリゴヌクレオチドを利用して、ポリメラー
ゼ連鎖反応(PCR)によって、オリゴ−dTプライムドヒ
ト赤白血病細胞(HEL)RNAからのヒトVEGF−Bの全コー
ド領域を増幅した。この増幅産物を、TAクローニングキ
ット(Invitrogen)のpCR−II−ベクターにクローニン
グし、標準式技術を使用してシークエンシングした。ヒ
トVEGF−BcDNAクローンのヌクレオチド配列を図10に示
し(配列認識番号10)、ヒトVEGF−B167の推定アミノ酸
配列を、図11に示す(配列認識番号11)。
例2の全量マウスcDNAクローンと、例4の全長ヒトcD
NAクローンとは、それぞれ、N−末端疎水性推定シグナ
ル配列を含有する188個のアミノ酸のポリペプチドをコ
ードする。VEGFとの類推に依り、シグナルペプチダーゼ
切断部位は、Ala21とPro22との間に位置するものと考え
られる。シグナルペプチダーゼの指定切断部位を、図16
に於いて矢印によって示す。従って、これら二つのクロ
ーンのプロセッシングされたVEGF−Bポリペプチドは、
それぞれ167個のアミノ酸を有している。
例5 例2に於いて単離された340bp Spe I/BamH Iフラグ
メントを示したクローンを分析したところ、その大部分
は、240bp Spe I/BamH Iフラグメントを示した例2の
最初の二つのクローンと同一であることが分かった。そ
の相違は、配列のC−末端部分に於いて挿入が存在する
ことに依るものである。
この340bp Spe I/BamH I DNAフラグメントは、207
個のアミノ酸を含むマウスVEGF−Bの別のアイソフォー
ムをコードする。このたん白質をコードするDNAのコー
ド領域(配列認識番号12)が図12に示され、それが翻訳
されたアミノ酸配列(配列認識番号13)は、図13に示さ
れている。21アミノ酸のリーダー配列の切断後、成熟た
ん白質は、186個のアミノ酸を有し、これをmVEGF−B186
と称する。このアイソフォームは、明らかに、図17を参
照して後述するように、選択的DNAスプライシングの結
果、生じるものである。
例6: 例4に記載したようにして単離された前記H.1クロー
ンは、ヒトVEGF−Bの207アミノ酸のアイソフォームを
コードすることが分かった。このたん白質をコードする
DNAのコード領域(配列認識番号14)が図14に示され、
それが翻訳されたアミノ酸配列(配列認識番号15)が、
図15に示されている。ここでも、hVEGF−B186と命名す
る、このアイソフォームは、選択的スプライシングの産
生物であるようである。
例5のmVEGF−B186と、例6のhVEGF−B186との両方
が、VEGF−B167のコード配列のヌクレオチド414と415と
の間に101の塩基対の挿入部を有している。この挿入部
の後、これらcDNAクローンのヌクレオチド配列は、対応
するVEGF−B167の配列と同一であった。その101塩基対
挿入部の位置は、VEGF中のエキソン5−エキソン6接続
部に対応している。この挿入によって、フレームシフト
が生じ、これによって、二つのVEGF−Bアイソフォーム
のC−末端ドメインは、互いに全く異なったものになっ
ている。
二つの主要なVEGF−Bアイソフォーム、VEGF−B167
VEGF−B186とに対応する、配列認識番号11と15とに於け
るアミノ酸116から始まるC−末端アミノ酸配列の相違
は、これら二つのアイソフォームの互い異なる生化学的
特徴によって反映されている。VEGF−B167のC−末端ド
メインは、強塩基性(正味のチャージ+13)であり、ヘ
パリンに結合する。VEGF−B186のC−末端ドメインは、
弱塩基性(正味のチャージ+5)であり、そのC−末端
に疎水性アミノ酸残基が長い領域にわたって存在してい
る。VEGF−B186の疎水性末端が、膜貫通ドメインとして
振る舞う可能性は低い、というのは、このVEGF−Bのバ
リアントは、細胞から分泌されるからである。従って、
N−末端ドメインが同一であるにもかかわらず、これら
の二つの主要なVEGF−Bのアイソフォームは、互いに非
常に異なる生化学的特徴を有している。VEGF−B186には
高塩基性ヘパリン−結合ドメインがないことにより、前
記たん白質は、細胞から自由に分泌されることが可能と
なる。しかしながら、VEGF−B186の分泌は、非常に低速
であり、トランスフェクションされた細胞を使用したパ
ルス・チェイス実験では、VEGF−B186ホモダイマーは、
1時間以内では培地中に見つからなかった。これに対し
て、VEGFホモダイマーとVEGF−B186・VEGFヘテロダイマ
ーとは、30分以内に培地中に出現した。
図16は、マウスおよびヒトVEGF−B167およびVEGF−B
186のアミノ酸配列(配列認識番号5,11,13および15)の
アラインメントを1文字コードで示している。同一の残
基は、箱内に示され、これに対して、マウスおよびヒト
VEGF−B167およびVEGF−B186アイソフォーム間で異なる
アミノ酸残基は、箱の外側に示されている。マウスおよ
びヒトVEGF−Bは、約88%のアミノ酸配列同一性を示
し、特にそのC−末端領域に於いて、高塩基性である。
マウスとヒトのVEGF−B186のC−末端ドメインは、アミ
ノ酸レベルに於いて約85%同一である。マウスとヒトの
VEGF−B167のC−末端ドメインはアミノ酸レベルにおい
て約84%同一である。両方のポリペプチドは、N−結合
グリコシレート化の共通配列(N−X−T/S)を欠如し
ている。矢印は、Ala21とPro22との間のシグナルペプチ
ダーゼのための推定切断サイトを示している。シグナル
配列を除くと、マウスとヒトのVEGF−B167アミノ酸配列
は、高度に相同であり、167の残基において20の置換が
あるにすぎない。これらの置換部は、N−末端、アミノ
酸60と145との周囲の二つの領域、に集中している。両
方のVEGF−B167たん白質のすべてのシステイン残基は不
変であるが、VEGF−B167のC−末端の8つのシステイン
残基は、VEGF−B186アイソフォームに於いては保存され
ていない。マウスおよびヒト配列は、残基66と129との
間の領域に於いて、一つの進化的に保存された置換(Q1
05R)を除いて同一であることが注目される。これは、
レセプター結合部位がたん白質のこの部分に見られるた
め(PDGF構造と比較して)、重要である。このことか
ら、マウスとヒトのVEGF−Bが、レセプターレベルで交
差反応結合を示し、従って、同一又は類似の生物学的活
性を示す可能性がある、と結論される。
例7:マウスとヒトのVEGF−B遺伝子のエキソン−イント
ロン構造 ヒトVEGF−B遺伝子の構造を、ヒトゲノムDNAをテン
プレートとして使用したPCR反応から得た、クローン化P
CRフラグメントの制限マッピングとヌクレオチド配列分
析とによって調べた。この際、ゲノムλクローンから同
定された、第1エキソンとイントロンについては除い
た。マウス遺伝子の構造を、異なる組み合わせのプライ
マーを使用して増幅されたクローン化PCRフラグメント
の制限マッピングとヌクレオチド配列分析とによって調
べた。これらのPCR増幅に於けるテンプレートとして、
全長マウスVEGF−B遺伝子を含有する単離ゲノムλクロ
ーンを使用した。
手順 前記マウスVEGF−B遺伝子のいくつかのλクローン
を、供給業者(Stratagene Inc.)による指示に従っ
て、129/Sw λFIXゲノムライブラリーから単離した。V
EGF−Bの、前述のpcif2cDNAの≒0.9kb Sal I/Not Iイ
ンサート(配列認識番号1)を、プローブとして使用し
た。いくつかの陽性クローンからのλDNAを、プレート
溶解物から単離した。前記陽性λ−クローンの一つ(ク
ローン10)を、BamH IフラグメントとしてpBluescript
SK(Stratagene Inc.)にサブクローニングした。こ
の同じクローンからの単離DNAも、PCR反応のテンプレー
トとして使用し(100ngのλDNA/反応)、マウスVEGF−
B遺伝子のコード領域を、異なった組み合わせのプライ
マーを使用して増幅した。これらのプライマーのヌクレ
オチド配列は、マウスVEGF−B167とマウスVEGF−B186
をコードするcDNAクローンから得た、Taq DNAポリメラ
ーゼ(2.5U/反応)を使用した。生成されたPCRフラグメ
ントを、TA−クローニングベクターpCR II(Invitrogen
Inc.)に直接にクローニングした。マウスVEGF−B遺
伝子のエキソン−イントロン構造を、サブクローニング
されたBamH Iゲノムフラグメントと、クローニングされ
たPCR生成物とのヌクレオチド配列分析によって確定し
た。
ヒトゲノムλクローンを、EMBL−3 SP6/T7(Clonte
ch)中のヒトのゲノムライブラリーの1x106クローンを
スクリーニングすることによって単離した。その際、プ
ローブとしてヒトVEGF−BcDNAの5'配列にわたる90bpのP
CR−フラグメントを使用し、高度にストリンジェントな
条件を用いた。洗浄条件は、1xSSC、室温で30分間での
1回の洗浄と、1xSSC、65℃で30分間の2回の洗浄、で
あった。前記PCRのプライマーは、 5'−CACCATGAGCCCTCTGCTCC−3'(正方向)(配列認識
番号18)と、 5'−GGGCATCAGGCTGGGAGACAG−3'(逆方向)(配列認
識番号19)とであった。
陽性λ−クローンを、Sac IフラグメントとしてpGEM
3Zベクター(Promega)にサブクローニングしたとこ
ろ、遺伝子の5'−領域を担持していることが分かった。
ヒトVEGF−B遺伝子の残りの部分を、ゲノムDNAをテン
プレートとして使用したPCRによって増幅した。ヒトcDN
A配列から得た異なった組み合わせのプライマーを使用
した。Dynazyme DNAポリメラーゼ(2.5U/反応、Finnzy
mes)を使用した。増幅されたPCRフラグメントを、TA−
クローニングベクターpCR II(Invitrogen Inc.)に直
接にクローニングした。マウスとヒトのVEGF−B遺伝子
の短いイントロンのエキソン−イントロン境界と、長さ
とを、ベクター特異的プライマー又は、cDNA配列から得
た適当なプライマーを使用したヌクレオチド配列分析に
よって判定した。長いイントロンの長さは、アガロース
ゲル電気泳動によって分析した時の増幅PCRフラグメン
トの長さに基づいて計算した。
結果 その結果は、マウスとヒトのVEGF−B遺伝子のコード
化部分は、DNAの約4kbに渡っており、両方の遺伝子が長
さが19bp(E7)から236bp(E6)の範囲である7つのコ
ードエキソンに分割されることを示した。図17は、マウ
スとヒトのVEGF−Bの遺伝子の構造の略図である。塩基
対としてのエキソンのサイズは、箱内に示され、イント
ロンのサイズは、箱の間に示されている。イントロン
は、一定縮尺では示されていない。マウスとヒトのVEGF
−B遺伝子の非翻訳化隣接領域の構造は、確定されず、
グレーのボックスで示されている。両方の遺伝子のエキ
ソン−イントロン接続部を、次の表3に示す。
前述したように、エキソン6は、遺伝子が異なる2つ
のVEGF−Bアイソフォームの転写産物を生成することを
可能にする選択的スプライス受容部位を有している。VE
GF−B167は、エキソン1−5、エキソン6の最後の部
分、そしてエキソン7(TGA)を用いてなる。VEGF−B
186は、エキソン1ないし5、エキソン6の最初の部分
を用いてなり、エキソン6の最後の部分中(TAG)にお
いて終止している。エキソン6の最初の部分の挿入が、
フレームシフトを導入し、エキソン6の最後の部分に於
いて終止コドンを生成するため、エキソン7は、VEGF−
B186に於いて翻訳されない。VEGF−B186の終止コドン
(TAG)の位置は、エキソン6Bにおいて示され、VEGF−B
167の終止コドン(TGA)の位置は、エキソン7において
示されている。
両方の遺伝子に於けるイントロンは、161bpから約2.6
kbの範囲である。各エキソンの長さと、二つの遺伝子に
於けるスプライス部位の位置とは、同一であった。そし
て、すべてのスプライス供与、及び受容部位は、規範的
なGT/AG則に従っている、パジェット(Padgett)他,Ann
ual Rev.of Biochemistry,55:1119−50(1986)。マ
ウスとヒトの遺伝子の間の唯一の特筆すべき相違は、イ
ントロン1,4および6の長さであり、それらはマウスの
遺伝子に於いてのほうが長いということである。すべて
のエキソン−イントロン境界が、VEGF−BとVEGFとの間
で保存されていることが分かったが、VEGF−B遺伝子に
於けるイントロンは、一般的に、VEGF遺伝子に於けるよ
りも小さかった。
VEGF−Bのエキソン5の後の300bp−イントロンは、V
EGFにおける対応のものとは異なっている。VEGFにおけ
るものは、長さが3kbであり、VEGF189とVEGF206との転
写産物に見られる選択的スプライシングされたエキソン
を有し、それは多数の塩基性アミノ酸残基をコードす
る。このVEGF−Bにおけるイントロンをより詳しく調べ
たが、VEGFの第6番目のエキソンに対応するエキソンは
見つからなかった。その代わり、このイントロンの3'末
端とそれに続くエキソンとは、VEGF−B186をコードする
cDNAクローンの対応する配列と同一であることが分かっ
た。これは、VEGF−B186のmRNAが、mRNAスプライシング
中における、選択的スプライス受容部位の使用によって
形成され、その結果、これらのmRNA中に101bpイントロ
ン配列の挿入が起こるという事実によって説明可能であ
る。
図18は、マウスVEGF−B167とVEGF−B186の比較親水性
分析を示している。これらのプロファイルは、9つの残
基の枠を使用するキール(Kyle)およびドゥーリトル
(Dolittle)に従って作成された。予想されるように、
親水性/疎水性のパターンは、アミノ酸1からアミノ酸
115まで本質的に同一である。アミノ酸115の後に於い
て、親水性/疎水性パターンは、エキソン6の最初の部
分によって引き起こされるフレームシフトに依り、変化
する。従って、VEGF−B167とVEGF−B186とは、類似と非
類似の両方の活性を示すものと予期される。
図19は、VEGF/PDGFファミリーの増殖因子の5つのメ
ンバーのアミノ酸配列の系統発生的関係を示す系統樹で
ある。置換又は変換の数は、図の左側から右側にかけて
減少している。VEGF−Bは、VEGFと血小板由来増殖因子
(PDGF)グループの間に位置していることが分かる。
図9および16の複数のアミノ酸配列アラインメント
と、図19の系統発生分析は、PAM250ディスタンステーブ
ルを使用して、ヘリン(Hein),Methods in Enzymolo
gy,Vol.183,pp.626−45,Academic Press Inc.,San D
iego(1990)に従って行った。
例8:抗体の産生 a.マウスVEGF−Bに対する抗血清 マウスVEGF−Bに対する抗血清を、ラビットを、プロ
セッシングされたVEGF−BのN−末端領域を有し、かぎ
穴式吸着(keyholelimpet)ヘモシアニンと結合させた1
8−mer オリゴペプチドで免疫化することによって産生
させた。前記ペプチドがキャリアたん白質に結合できる
ようにするため、SPDP(Pharmacia)を用いて、システ
イン残基をN−末端およびC−末端アミノ酸残基として
導入した。前記オリゴペプチドの配列は、 C−P−V−S−Q−F−D−G−P−S−H−Q−K
−K−V−V−P−C(配列認識番号21)であった。
各ラビットには、Complete Freunds Adjvant中で懸
濁させたペプチド結合体の300μgの皮下注射を行っ
た。Incomplete Freunds Adjuvant中で懸濁させた同
量の抗原を用いて、皮下追加抗原刺激(booster)注射
を与えた。第2回目の追加抗原刺激注射後に血清が得ら
れた。
b.ヒトVEGF−Bに対する抗血清 ヒトVEGF−Bに対する抗ペプチド抗血清を、ラビット
を、下記のN−末端領域アミノ酸残基配列(配列認識番
号22)を有する派生(branched)23−merオリゴペプチ
ドで免疫化することによって産生させた。
S−Q−P−D−A−P−G−H−Q−R−K−V−V
−S−W−I−D−V−Y−T−R−A−T。
前記派生23−merオリゴペプチドは、タム(Tam),
“Synthetic peptide vaccine design:synthesis a
nd properties of a high−density multiple a
ntigenic peptide system",Proc.Natl.Acad.Sci.USA,
Vol.85,pages 5409−413(1988)に従って合成した。
第1回目の免疫化に於いて、ラビットに、Complete Fr
eunds Adjuvant中で懸濁された500μgの前記派生ペプ
チドを皮下注射した。引き続いての追加抗原刺激に於い
ては、Incomplete Freunds Adjuvant中で懸濁された2
00μgの前記抗原を注射した。第2回目と第3回目の追
加抗原刺激の後、従来技術によって抗血清を採集した。
例9:VEGF−B167の生化学的特徴、ホモダイマー化および
VEGFとのヘテロダイマー化 ヒトVEGF−B167の生化学的特徴を、トランスフェクシ
ョンされたヒト胚腎臓293EBNA細胞(Invitrogen,Inc.)
中において調べた。ヒトVEGF−B167とヒトVEGF165とを
コードするcDNAインサート[ケック(Keck)他,Scienc
e,Vol.246,pages1309−312(1989)参照]を、個々に、
pREP7発現ベクター(Invitrogen,Inc.)にクローニング
した。ヒト胚腎臓293EBNA細胞(エプスタイン・バーウ
ィルス核抗原−1を発現する)を、燐酸カルシウム沈殿
法を使用して、それぞれの発現プラスミドによるトラン
ジェントなトランスフェクションによってトランスフェ
クションし、これらの細胞を、48時間インキュベートし
た。コントロールとして、細胞を、VEGF−B167cDNAを反
対方向で含有する発現ベクターによってもトランスフェ
クションした。細胞の単層を、メチオニン非含有および
システイン非含有培地中で、30分間インキュベートし、
その後、同じ培地中で、2時間、100μCi/ml[35S]メ
チオニンおよび[35S]システイン(Promix,Amersham
Inc.)で標識化した。標識化培地を、血清を含まない通
常の培地と置き換え、標識化されたたん白質を、6時間
チェイスした。指示されている場合、チェイス中にはヘ
パリンが含まれていた(100μg/ml)。前記チェイス時
間後に、培地を採集し、細胞を10mM Tris pH7.5,50mM
NaCl,0.5%デオキシコール酸ナトリウム,0.5%Nonide
t P−40,0.1% SDSおよび0.1U/mlアプロチニン中で
溶解した。
VEGF−B167は、VEGF−B167DNAを含有するプラスミド
でトランスフェクションされた細胞中で発現された。ヘ
パリンで処理された、あるいは、処理されていない細胞
からの培地上清のアリコットと、洗浄剤可溶化細胞溶解
物を、例8に記載したようにして得たVEGF−Bに対する
特異的抗ペプチド抗血清で免疫沈降させ、特に指示され
ている場合を除き、還元条件下でSDS−PAGEによって分
析した。そのデータは、VEGF−B167ホモダイマーとVEGF
−B167−VEGF165ヘテロダイマーとがヘパリンによって
細胞から放出されることを示している。ヘパリン処理
(1−100μg/ml)又は1.2M NaClによって、VEGF−B
167が細胞から放出され、上清中に見つかった。細胞が
ヘパリンによって処理されなかった場合には、VEGF−B
167は、細胞結合状態にとどまり、培養培地中には放出
されなかった。同じ条件下で、VEGF165ホモダイマー
は、細胞から分泌され、ヘパリン処理無しで培養上清中
に見つかる。
還元条件下に於いて、ヒトVEGF−B167は、21kDaの分
子量(Mr)として移動する。非還元条件下での培養上清
の分析は、VEGF−B167が、分子量42kDa種として移動
し、ダイマー構造を示すことを示した。これらの結果
は、VEGF−B167が、恐らくは細胞外ヘパラン硫酸プロテ
オグリカンとのイオン性相互作用によって、細胞表面に
結合したジスルフィド結合ダイマーを形成することを示
唆している。細胞表面への結合は、VEGFのより長いスプ
ライスバリアントに於いて観察されるように、C−末端
塩基性ドメインによって仲介される可能性がある。
VEGFがPlGFとヘテロダイマーを形成することが示され
たので、VEGF165も、VEGF−B167とヘテロダイマーを形
成できるか否かをテストすることにした。この目的のた
めに、293EBNA細胞を、ヒトVEGF165とヒトVEGF−B167
の両方をコードする発現ベクターで、コトランスフェク
ションしたところ、VEGF−B167は、VEGF165と組み合わ
されて発現した。代謝標識化したたん白質を、ヘパリン
の存在下でチェイスし、VEGF−B167又はVEGF165のいず
れかに対する抗血清で免疫沈降法を行った。ヒトVEGFに
対する抗血清は、R&D Systemsからのものであっ
た。非還元条件下に於いて、VEGF−B167・VEGF165ヘテ
ロダイマーは、分子量42−46kDa種として移動した。そ
の結果は、VEGF−Bは、VEGFとジスルフィド結合ヘテロ
ダイマーを形成することが出来、これは、ヘパリンの不
在下では細胞結合状態にとどまる、ということを示して
いる。VEGF165のホモダイマーは、培地中に効率的に分
泌されるので、VEGF−Bが、前記ヘテロダイマーの分泌
を決定するようである。
VEGF−Bは、正常には、続いておこる輸送の為にソー
ス細胞の小胞体中に於いて合成される。組換えVEGF−B
は、VEGF−Bたん白質をコードするDNA配列を、適当に
操作可能なように結合したプロモーターと、コントロー
ル配列とともに、周知のプラスミドpBR322やその誘導体
のような適当なベクターに挿入し、E.coliやCos細胞等
の適当な宿主細胞を、その結果得られる当該技術に於い
て周知のベクター又は他のシステムによってトランスフ
ォーメーション又はトランスフェクションし、その結果
得られるトランスフォーマント又はトランスフェクタン
トをVEGF−B発現についてスクリーニングし、次に、VE
GF−Bの発現に関して陽性の細胞系又はバクテリア細胞
株を培養することによって生産することができる。トラ
ンスフェクション又はトランスフォーメーションされる
べき細胞のタイプに応じて、真核ベクター又は原核ベク
ターのいずれかを使用される。組換えVEGF−Bの生産の
ための特に好適なシステムは、組換えたん白質の産出量
が極めて優れていることが証明されているバキュロウィ
ルス−昆虫細胞システムである。
例10:バキュロウィルスシステムを使用したVEGF−B発
現 1 それ自身のシグナルペプチドを有するVEGF−B a)クローニングとトランスフェクション 完全ヒトVEGF−B167遺伝子を、市販されているプラス
ミドpCR II(Invitrogen Corp.)に挿入した。その結
果得られるプラスミドpCR II−VEGF−B167からのHind I
II−Xba Iフラグメントと3'−5'−部位の両方をシーク
エンシングした。前記フラグメントはVEGF−B167の全オ
ープンリーディングフレームをコードしており、次にpF
ASTBAClにクローニングされた。Bacmid−DNAを、“Bac
−To−Bac(商標名)Baculovirus Expression Syste
m"(Life Technologies Inc.)のための製造業者の指
示に従って作成し、Sf900II−adapted Sf9細胞(Dr.Ch
ristian Oker−Blomから得た)にリポフェクションし
た。Sf9細胞は、American Type Culture Collection
Cell Repository Line Bank,Rockville MD(ATCC
CRL−1711)からのものである。トランスフェクショ
ンされた細胞を、次に、25cm2の培養皿中で標準TMN−FH
培地上で培養した。
b)たん白質発現のアッセイ トランスフェクションの約72時間後に、前記細胞を溶
解し、1mlの培養上清と細胞溶解物とを、例9に記載し
た免疫沈降法とウェスタンブロッティングとで、発現さ
れたVEGF−Bについてアッセイした。4つの個別にトラ
ンスフェクションされた細胞培養物の内の三つからの溶
解物が、ウェスタンブロッティングでのシグナルの強度
が異なるものの、VEGF−Bについて陽性であることが分
かった。各ケースの発現されたVEGF−Bポリペプチド
は、例9の哺乳類細胞に於いて発現されたたん白質にサ
イズに於いて、対応していることが分かった。
ウェスタンブロッティングに於いて最も強いシグナル
を提示した細胞からのウィルスストックを、細胞を感染
させて培地から新たなウィルスを収集することによって
2ラウンド増幅した。その結果得られた上清を分析し
た。非感染細胞も、ネガティブコントロールとして分析
した。経時分析は、感染後48時間と72時間の間に収集さ
れた細胞が、最も多量のVEGF−Bを含有していることを
示した。感染の96時間後、ウィルスによって誘発された
細胞溶解の結果として、VEGF−Bは、免疫沈降法とウェ
スタンブロッティングとによって培養上清中でも検出す
ることができた。組換えVEGF−Bは、20%と40%の間の
(NH42SO4によって溶解物から沈殿させることができ
た。
10.2 メリチンシグナルペプチドを有するVEGF−B(pV
TBac) a)クローニングおよびトランスフェクション ヌクレオチド位置68−141からのポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)フラグメントを使用して、例10.1のプラスミ
ドpCR II−VEGF−B167中のシグナル切断部位の直後にBa
mH I制限部位を導入した。この修飾pCR II−VEGF−B167
コンストラクトからのBamH Iフラグメントを、BamH I開
裂pVTBacにクローニングした[テッシール(Tessier)
他,“Enhanced secretion from insect cells of
a foreign protein fused to the honeybee
mellitin signal peptide",Gene,Vol.98,page177(19
91)]。3'−と5'−部位の両方を、シークエンシングし
た。Sf9細胞を、ヒトVEGF−B167遺伝子を含む前述したp
VTBacベクターと、線状化したバキュロウィルスDNA(In
sectin(商標名),Invitrogen Corp.)とでコトランス
フェクションした。これらトランスフェクションされた
細胞を、次に、TMN−FH培地中で培養した。
b)たん白質発現のアッセイ トランスフェクションの48時間後、上清を採集し、こ
れを、免疫沈降法によって一次スクリーニングした。4
つの陽性のプラークが単離された。
10.3 マウスVEGF−B186をコードするcDNAインサート(マウ
スVEGF−B186cDNA(配列認識番号12)クローン由来のEc
oR I切断cDNAフラグメント)を、pFASTBAC1にクローニ
ングした。マウスVEGF−B167(配列認識番号4)由来の
EcoR I切断cDNAフラグメントもpFASTBAC1にクローニン
グした。その結果得られたプラスミドを、前述の10.1に
記載されたようにしてバクテリアにトランスフォーメー
ションし、組換えプラスミドを単離し、Sf9およびSf21
細胞にリポフェクションした。組換えバキュロウィルス
を含む上清を、Sf21細胞に複数ラウンド再感染させるこ
とによって増幅した。前記バキュロウィルスストックの
最終タイターを、プラーク滴定によって測定したとこ
ろ、1ミリリットルのストック上清に対して、4x108
いし2x109の範囲のバキュロウイルス粒子が見出され
た。
例11:組換えVEGF−Bの大量生産 Sf21細胞[ヴォーン(Vaughn)他,In Vitro,13:213
−17(1977)参照]に、1細胞当たり10のウィルス粒子
の複数の感染によって、例10のバキュロウィルスストッ
クを感染させた。これらの感染Sf21細胞を、無血清培地
(Sf900II,Gibco−BRL)1ml当たり2x106の細胞の密度で
接種し、96時間ローラーフラスコ内で増殖させた。次
に、培養培地と細胞とを回収した。細胞溶解物と培地と
のアリコットを、SDS−PAGEによって分析した。全たん
白質パターンを、ゲルをCoomassie Brilliant Blueで
染色することによって可視化し、発現されたVEGF−Bア
イソフォームの存在を、例8に記載したように、ヒトお
よびマウスVEGF−Bに対する特異的抗ペプチド抗体を使
用したイムノブロッティングによって可視化した。分析
に依れば、ヒトとマウスとの両方のVEGF−B167ポリペプ
チドは21.5kDaの予想されたサイズであった。両方のた
ん白質は前記感染細胞中で細胞内に保持され、培地中に
は放出されていなかった。これに対して、マウスVEGF−
B186は、ダイマー形態として培地中に容易に分泌され
た。VEGF−B186ホモダイマーは、52−54kDa種として移
動し、これは、昆虫細胞産生たん白質が、トランスフェ
クションされたCos−1細胞から分泌型VEGF−B186にみ
られるものと同じ共有結合修飾を受けなかったことを示
唆した。
例12:VEGF−B186を発現するCos−1細胞のトランスフェ
クションと分析 マウスVEGF−B186とヒトVEGF165をコードするcDNAイ
ンサートを、pSG5発現ベクター[グリーン(Green)他,
Nucleic Acid Res.,16:369(1988)]にクローニング
した。Cos−1細胞を、10%胎児ウシ血清、2mMグルタミ
ン、および適当な抗生物質を含む最少必須培地(MEM)
中に維持した。トランスフェクションのために、前記細
胞を、90mmペトリ皿に再びプレーティングした。燐酸カ
ルシウム沈殿法を使用して、別々又は組み合わせて、前
記発現ベクターでこれらの細胞をトランスフェクション
させ、36−48時間インキュベートした。細胞の単層を、
メチオニンとシステインとを含まない培地中で、30分間
インキュベートし、次に、100μCi/mlの[35S]−メチ
オニンおよび[35S]−システインを含む同じ培地中で
2時間インキュベートした(Promix Amersham In
c.)。
パルスチェイス実験のために、前記細胞を、30分間標
識化し、通常の培地で2回洗浄し、次に、胎児ウシ血清
を含まないMEM培地中で6時間までインキュベートし
た。チェイス時間後に培地を回収し、細胞を、50mM Na
Cl,0.5%デオキシコール酸塩、0.5% nonidetP−40お
よび0.1%SDSを含有する10mM Tris緩衝液pH7.5中で可
溶化した。培地と細胞溶解物のアリコットに対して、例
8aからのマウスVEGF−Bに対する特異的抗血清と、R&
D Systemsから市販されているヒトVEGF特異的抗血清
とを使用した免疫沈降法を行った。沈降物を、SDS−PAG
Eによって分析した。
例13:トランスフェクションされたCos−1細胞に発現さ
れたVEGF−B186の生化学的特性 マウスVEGF−B186の生化学的特性を、適当な発現ベク
ターで例12に記載したようにトランジェントにトランス
フェクションしたCos−1細胞で調べた。これら細胞
を、代謝標識化し、これらの標識化細胞からのたん白質
を、VEGF−Bに対する抗ペプチド抗体を使用して免疫沈
降させた。沈降物を、還元条件下でSDS−PAGE分析し
た。細胞培養培地(M)と洗浄剤可溶化細胞溶解物
(L)との両方を、分析した。その結果を図22に示す。
細胞結合型VEGF−B186が、還元条件下で分子量約24,000
のポリペプチドとして移動したことが判る。これに対し
て、トランスフェクションされた細胞の培地中に存在す
るVEGF−B186は、分子量32,000種として移動し、これ
は、たん白質が、その細胞内輸送および分泌中に於いて
共有結合的に修飾されたことを示唆している。対応する
分子は、コントロールとして使用した模擬(mock)トラ
ンスフェクションされたCos−1細胞からの細胞溶解物
や培地には検出されなかった。
非還元条件下での培地の免疫沈降法とSDS−PAGE分析
は、分子量約60,000種を示し、これは、VEGF−B186がジ
スルフィド結合ホモダイマーを形成したことを示唆し
た。標識化中に100μg/mlのヘパリンを含有させても、
トランスフェクションされた細胞からのVEGF−B186ホモ
ダイマーの分泌又は放出には影響がなかった。
例14:VEGF−B186ホモダイマーの生合成 VEGF−B186ホモダイマーの生合成を、パルスチェィス
実験によって調べた。トランスフェクションされたCos
−1細胞を、30分間代謝標識化し、次に、4時間までチ
ェイスした。洗浄剤可溶化細胞溶解物と培地との免疫沈
降法とSDS−PAGE分析とは、細胞結合型の分子量約24,00
0種がチェイス時間全体を通じて溶解物中に容易に検出
されることを示した。この分子種の強度の減少は、培地
中に存在する分子量32,000たん白質の増加と関連してい
た。分子量32,000種は、1時間のチェイス後に培地中に
現れた。4時間のチェイス時間後に、最高レベルの分泌
型VEGF−B186が得られた。細胞溶解物中には、中間体は
検出されなかったが、分泌された分子量32,000たん白質
は、わずかに不均一であるようであった。前記修飾の性
質は現在まだ未知であるが、N−結合グリコシル化は、
この修飾のための共通部位が不在であるため除外するこ
とができる。
例15:VEGF−B186によるヘテロダイマーの形成 上述したように、VEGF−BとVEGFとは、多くの組織に
於いて同時発現され、VEGF−B167・VEGF165ヘテロダイ
マーは、トランスフェクションされた細胞内で同時発現
された時に容易に形成される。VEGF−B186もVEGF165
ヘテロダイマーを形成することができるか否かを調べる
ために、Cos−1細胞を、適当な発現ベクターによっ
て、単独又は組み合わせて、上述したようにして、トラ
ンスフェクションした。これらトランスフェクションさ
れた細胞からの培地中に存在する代謝標識化たん白質に
ついて、VEGF−BとVEGFとに対する抗血清を使用した免
疫沈降法を行った。図23Aは、それぞれVEGF−B186とVEG
Fとを別々に発現するトランジェントにトランスフェク
ションされたCos−1細胞の細胞培養培地からの免疫沈
降物の還元条件下に於けるSDS−PAGE分析の結果を示し
ている。前記抗血清が、検出可能な交叉反応性無く、VE
GF−BとVEGFとに対してそれぞれ特異的であることが判
る。
Cos−1細胞を、VEGF−B186とVEGF165のための発現ベ
クターでコトランスフェクションした。その結果得られ
たVEGF−B186とVEGF165とを同時発現する細胞からの細
胞培養培地(M)と洗浄剤可溶化溶解物(L)とについ
て、還元条件下で免疫沈降法とSDS−PAGE分析とを行っ
た。その結果を図23Bに示す。このテストは、マウスVEG
F−B186とヒトVEGF165が細胞内及び分泌型ヘテロダイマ
ーを形成することを示した。
マウスVEGF−B186とヒトVEGF165を別々に又は組み合
わせて、発現する細胞からの培養培地に対して、VEGF−
BとVEGFに対する抗体を使用した免疫沈降法と、非還元
条件下でのSDS−PAGE分析とを行った。コントロールと
して、模擬トランスフェクションされた細胞からの細胞
培養培地を、分析した。その結果を図23Cに示す。VEGF
−B186が、分泌型ジルスフィド結合ホモダイマーを形成
し、VEGF−B186とVEGF165とが、分泌型ジスルフィド結
合ヘテロダイマーを形成することが分かった。
VEGFとのヘテロダイマー形成がVEGF−B186の分泌と放
出とに影響を与えたか否かを調べるために、VEGF−B186
とVEGF165との発現ベクターでトランジェントにトラン
スフェクションされたCos−1細胞を使用して、パルス
チェイス実験を行った。30分間の標識化時間後、細胞結
合型ジスルフィド結合ヘテロダイマーを回収することが
でき、分泌型ヘテロダイマーが、30分間のチェイス時間
後に既に培地から回収された。分泌型ヘテロダイマー
は、標識化後の2時間までの間に培地中に蓄積した。4
時間のチェイス時点で、恐らくは複合体の分解に依る、
培地中のヘテロダイマーの量の減少があった。いくらか
のVEGF−B186・VEGFヘテロダイマーが、チェイス時間を
通じて細胞結合状態のままであった。これらの結果は、
VEGFとのヘテロダイマー形成が、VEGF−B186ホモダイマ
ーの分泌と比較して、VEGF−B186の分泌を促進するもの
であることを示唆した。更に、30分間の標識化時間後に
於いて既にヘテロダイマーが存在していたことは、VEGF
−B186ホモダイマーのゆっくりとした放出が、VEGF−B
186がダイマー化する能力の欠陥に依るものではないこ
とを示唆した。
例16:分泌型VEGF−B186ホモダイマーの精製 分泌型VEGF−B186ホモダイマーを、次のようにして、
バキュロウィルス感染Sf21細胞の無血清培養培地から単
離した。
a.最初の分離 培養培地中の主要なコンタミナントたん白質は、バキ
ュロウィルス感染細胞によって分泌される酸性たん白質
である、バキュロウィルスたん白質gp64/67である。こ
のたん白質を除去するために、培養培地を、限外濾過で
20倍に濃縮し、次に、20mMのNaClを含有する20mMの燐酸
緩衝液pH6.5中で平衡化させたSephadex G−25カラム
を通過させた。次に、溶出したたん白質を、同じ緩衝液
中で平衡化させたCM−Sepharose(Pharmacia)イオン交
換カラムを通過させた。このカラムを、未結合のたん白
質を除去するために、燐酸緩衝液で洗浄し、結合したた
ん白質を、溶出緩衝液のNaCl濃度を段階的に増加させる
ことによって溶出させた。主要なgp64/67バキュロウィ
ルスコードたん白質は、それらの条件下に於いて前記イ
オン交換カラムに結合しなかったのに対して、VEGF−B
186ホモダイマーは、90mMのNaCl濃度で溶出した。溶出
フラクションのSDS−PAGE分析によって判断すると、VEG
F−B186ホモダイマーは、この手順によって5−15%の
純度になっていた。
b.均質状態への精製 前記VEGF−B186ホモダイマーを、FLPCシステム(Phar
macia)に結合させたMonoSカラムで均質状態にまで精製
した。結合したたん白質を、20mMの燐酸緩衝液pH6.5中
でのNaClのリニアグラジェントで溶出した。
例17: 前記二つのVEGF−Bスプライスアイソフォームが、異
なった組織分布を示すか否かと、さらに別のアイソフォ
ームが存在するか否かとを調べるために、マウスの脳、
心臓、肝臓および腎臓、そしてヒトの胚心臓と骨格筋と
から抽出された全RNAを使用して、RT−PCR分析を行っ
た。その転写産物を、マウスとヒトVEGF−B遺伝子のエ
キソン4ないし7と、エキソン3ないし7とをそれぞれ
カバーする4対の特異的プライマーを使用したPCRによ
って分析した。
手順 マウスおよびヒト組織からの全RNAを、チャーグウィ
ン(Chirgwin)他,Biochemistry,18:5294−99(1979)
によって開示されている標準式手順を使用して、単離し
た。反応当たり2ないし5μgの全RNAを、トリmyelost
osisウィルス逆転写酵素(20U/反応)を使用したファー
ストストランドcDNA合成用に使用した。反応は、オリゴ
−(dT)18を用いて始めた。これらの反応のアリコット
を、Taq DNAポリメラーゼ(2.5U/反応)を使用したPCR
反応におけるテンプレートとして使用した。マウスcDNA
を増幅するために、二対のプライマーを使用した。これ
らの対は、エキソン4に位置する共通の5'−プライマ
ー、 5'−CACAGCCAATGTGAATGCA(正方向)(配列認識番号2
3) を、それぞれエキソン6Bと7とに位置する二つの異なっ
た3'−プライマー、 5'−GCTCTAAGCCCCGCCCTTGGCAATGGAGGAA(逆方向)(配
列認識番号24)、 5'−ACGTAGATCTTCACTTTCGCGGCTTCCG(逆方向)(配列認
識番号25)(この最後のプライマーは、Bgl II部位と、
5'末端に4つの追加の塩基を有する) とを組み合わせることによって得た。アガロースゲル電
気泳動による分析後、増幅されたバンドを、ナイロンフ
ィルター(Genescreen Plus)にトランスファーし、続
いてエキソン6Aと6Bとに対して特異的なオリゴヌクレオ
チドプローブでハイブリダイゼーションした。前記オリ
ゴヌクレオチドプローブは、5'−CTCTGTTCCGGGCTGGGACT
CTA(エキソン6A)(配列認識番号26)と、5'−TCAGGGC
GTTGACGGCGCTGGGTGCAA(エキソン6B)(配列認識番号2
7)とであった。このオリゴヌクレオチドプローブを、
高特異性活性となるようなターミナルトランスフェラー
ゼを使用して[32P]dCTPで標識化した。毎mlの溶液当
たり1x106cpmの標識化プローブを使用して、5xデンハル
ト溶液と、0.5%SDSと、100μg/mlの鮭精子DNAとを含有
する、6xSSC中で、37℃でハイブリダイゼーションを行
った。フィルターを、2x15分間、0.5%SDSを含有する6x
SSC中で、同じ温度で洗浄し、フィルムに露出した。
ヒトcDNAの増幅に使用する二対のプライマーは、二つ
の異なった5'−プライマー、すなわち、エキソン3に位
置する 5'−CCTGACGATGGCCTGGAGTGT(正方向)(配列認識番
号28) と、エキソン4に位置する 5'−TGTCCCTGGAAGAACACAGCC(正方向)(配列認識番
号29) とを用いてエキソン7に位置する、共通の3'−プライマ
ー、 5'−GCCATGTGTCACCTTCGCAG(逆方向)(配列認識番号
19) と組み合わせたものである。増幅産生物のアリコット
を、アガロースゲル電気泳動によって分析した。前記ア
リコットを、TA−クローニングベクターpCR II(Invitr
ogen,Inc.)中に直接にクローニングし、生成されたプ
ラスミドを、ヌクレオチドシークエンシングによって分
析した。GAPDHの増幅はコントロールとして用いた。
結果 増幅されたPCR産生物のアガロースゲル電気泳動に依
る分析は、それぞれ215と316bpの二つの主要なバンドを
示した。これらのサイズは、VEGF−B167とVEGF−B186
に対応する二つのmRNAと一致する。これら二つのバンド
は、同じ強度であり、これは、前記二つのアイソフォー
ムが、調べたすべてのマウスおよびヒト組織中に於いて
大体同じレベルで発現されたことを示唆するものであっ
た。
マウス組織からの増幅産生物の正体を確かめるため
に、PCR−増幅DNAを、フィルターにトランスファーし、
それぞれエキソン6Aと6Bとに対する特異的オリゴヌクレ
オチドプローブでプローブした。オートラジオグラム
は、エキソン6−特異的プローブは前記316bpバンドと
ハイブリダイズするのに対して、エキソン6B特異的プロ
ーブは前記215bpと316bpとの両方の増幅バンドとハイブ
リダイズすることを示した。これらの結果は、二つのVE
GF−Bのアイソフォームを作り出すためのエキソン6に
おける受容部位の選択的利用と一致するものであり、従
って、すべての増幅産物がVEGF−B167とVEGF−B186アイ
ソフォームの配列から予想されたものと一致した。
ヒト胚心臓および筋から単離された全RNAのPCR分析の
産生物のアガロースゲル電気泳動によって329bpと430bp
の二つの主要な増幅バンドが可視化された。
総合すると、これらのデータは、VEGF−B167とVEGF−
B186とが組織に於ける二つの主要なVEGF−Bのアイソフ
ォームであることを示している。PCRの産生物のパター
ンと、プライマーの位置とは、もしもVEGF−Bのより長
いスプライスアイソフォームが存在するとすれば、その
ような転写産物は、VEGF−B186の場合よりも、わずかに
5'側に位置するスプライス受容部位を使用するものであ
ることを示している。更に、ヘパリン結合ドメイン、す
なわち、VEGF−Bのエキソン6に対応する配列を欠如し
た、VEGF121に対応するPCR産物は、検出されなかった。
しかしながら、エキソン5をエキソン7にスプライシン
グすることによって、VEGF121に対応するVEGF−Bのア
イソフォームをコードする転写産物が作り出されるかも
しれず、このVEGF−Bの推定アイソフォームは、この例
に於いて分析されたもの以外の組織に於いて発現される
かもしれない。
例18:細胞増殖の刺激 VEGF−B167が内皮細胞増殖を刺激する能力を、ヒト臍
帯血管内皮細胞(HUVEC)と、ウシ毛細血管内皮(BCE)
細胞への[3H]チミジン取り込みの分析を通じて確認し
た。
293EBNA細胞に、1μg/mlヘパリンの存在下で、VEGF
−B167、VEGF165のための発現ベクター、又はエンプテ
ィベクター(模擬)を上述した要領でトランスフェクシ
ョンした。これらの細胞から調整された培地を、それぞ
れの培地中で希釈し、ヒト臍帯血管内皮細胞(HUVEC)
と、ウシ毛細血管内皮(BCE)細胞とに投与し、[3H]
チミジンの取り込みを測定した。ポジティブコントロー
ルとして、組換えbFGFを、BCE細胞に添加した。
詳述すると、ヒトVEGF−BとヒトVEGF165とを含有す
る調整された培地を、ヘパリン(1μg/ml)の存在下
で、適当な発現ベクター又は、エンプティーベクター
(模擬)でトランスフェクションされた293EBNA細胞か
ら、トランスフェクションの48時間後に収集した。第2
パッセージ(seconnd passage)HUVECを、10%ウシ胎児
血清を添加したM−199培地中で、96−ウェルプレート
(4x103細胞/ウェル)にプレーティングし、24時間イ
ンキュベートした。調整された培地を、増殖培地によっ
て希釈し、細胞を48時間刺激した。10μCi/mlの[3H]
チミジン(Amersham Inc.)を含有する新たな調整され
た培地を前記細胞に添加し、刺激を更に48時間継続し
た。細胞を、PBSで洗浄し、トリプシン処理し、取り込
まれた放射能を、液体シンチレーション計数によって測
定した。BCE細胞を、24−ウェルプレートに接種し、10
%胎児ウシ血清を添加した最小必須培地(MEM)中で集
密するまで増殖させた。細胞を、3%の胎児ウシ血清を
添加したMEM中で72時間飢餓させ、その後、無血清培地
に希釈した調整された培地を、前記細胞に添加し、これ
らの細胞を24時間刺激した。[3H]チミジンは、刺激期
間の最後の4時間にわたって含ませた(1μCi/ml)。b
FGFによる刺激を、6ng/mlの組換えbFGF(Synergen In
c.)を使用して、上述したように行った。細胞を、PBS
で洗浄し、NaOHで溶解し、取り込まれた放射能を、液体
シンチレーション計数によって測定した。
図20は、前記模擬トランスフェクションされた細胞か
ら調整された培地によって誘発された基礎活性との比較
に於ける、ヒト臍帯血管内皮細胞(HUVEC)と、ウシ毛
細血管内皮(BCE)細胞におけるVEGF−B167に依る
3H]チミジン取り込みの誘発の倍率を示す棒グラフで
ある。比較の目的のために、VEGF165とbFGFとに依る誘
発も示されている。棒は並列したサンプルの平均±標準
偏差を示している。いくつかの他の独立した実験に於い
ても類似の結果が得られた。これらのテスト結果は、VE
GF−BがHUVECとBCEとの両方の細胞に於いて[3H]チミ
ジン取り込み明らかにを誘発し、イン・ヴィトロでの内
皮細胞の増殖を刺激したことを示しており、これによっ
て、VEGF−Bが内皮増殖因子であることが示される。
例19:RT−PCRに依る、メラノーマ、正常皮膚および筋肉
中のVEGF−BmRNAの分析 正常な皮膚とメラノーマ組織とを、the Department
of Radiotherapy and Oncology,Helsinki Univer
sity Central Hospitalにかかっている患者から得
た。4つの転移性メラノーマ標本を、外科切除後に新規
な状態で得て、すぐに、Tissue−tek(Miles)中に埋め
込み、液体窒素中で凍結した。正常皮膚のサンプルは、
乳がんの外科手術および皮膚斑点の摘出を受けているボ
ランティア患者から得た。すべての標本は、その診断を
確認するために病理学者によって検査された。
全RNAを、グアニジウム・イソチオアネート法[チョ
ムジンスキー(Chomczynski)他,Anal.Biochem.162:156
−159(1987)]によって単離した。cDNAを、0.2μgの
ランダム・ヘキサデオキシヌクレオチド・プライマー
と、5ユニットのマウス逆転写酵素と、テンプレートと
しての5μgの全RNAと、ファーストストランドcDNA合
成キット(Pharmacia)を使用して合成した。37℃での
1時間のインキュベーション後、その反応混合物を、−
70℃で保存した。PCR増幅のためのネガティブコントロ
ールサンプルを、類似の方法で作成したが、但しここで
は逆転写酵素は添加しなかった。β−アクチンも、それ
が構成的に高レベルで発現され、その発現は、様々な細
胞に於いて大きな違いを示さないので、内部標準として
テストした。
PCR増幅のために、次に示すようにプライマー配列
を、VEGF−Bおよびβ−アクチン遺伝子から選択した。
VEGF−Bセンス:5'−GCCATGTGTCACCTTCGCAG−3'(配列
認識番号19)、 VEGF−Bアンチセンス:5'−TGTCCCTGGAAGAACACAGCC−3'
(配列認識番号29)、 β−アクチン センス:5'−CGGGAAATCGTGCGTGACAT−3'
(配列認識番号30)、 β−アクチン アンチセンス:5'−GGAGTTGAAGGTAGTTTCG
TG−3'(配列認識番号31) [β−アクチン配列は、ウング(Ng)他,Mol.Cell Bio
l.5:2720−732(1985)からのヌクレオチド2105−2125
と2411−2432からなる]。前記cDNA反応産物からの4μ
lのアリコットを、5分間、94℃で加熱し、PCR増幅の
ためのテンプレートとして使用した。PCRは、20pmolの
プライマーと、10xPCR緩衝液と、1μlの20mM dNTP
と、2.5UのTaq ポリメラーゼと用いて行った。最終容
積を、DEPC処理水によって、100μlに調節した。95℃
で1分間の変性と、62℃で45秒間のアニーリングと、72
℃で50秒間のポリマー化とを、VEGF−Bに対しては合計
35サイクル、そしてβ−アクチンに対しては合計25サイ
クル行った。各5サイクル後に、15μlのアリコットを
分析のために採取した。
5μlの前記PCR反応混合物の電気泳動を、エチジウ
ムブロマイドを含む2%アガロースゲル中で行った。サ
イズマーカーDNAフラグメントの長さは、24から726塩基
対の範囲であった(Promega,Madison,WI,USAからのΦX1
74 DNA/Hinf Iマーカー)。従って、テストされたサン
プルは、4つの転移性メラノーマ、筋肉、正常皮膚、ネ
ガティブコントロール(逆転写酵素無し)そして前記Φ
X174 DNA/Hinf Iサイズマーカーを含んでいた。VEGF−
B(PCR産物の長さ:323および234bp)と、β−アクチン
とに対するRT−PCR分析の結果は、VEGF−Bが、調べら
れたすべてのメラノーマに於いて、筋肉組織に於ける発
現とほぼ同様のレベルで、高レベルで発現されることを
示している。他方、正常皮膚は、非常にわずかなVEGF−
B RNAしか有していない。ノザン・ブロッティングお
よびハイブリダイゼーション分析からも類似の結論を導
くことができる。
上記結果は、VEGF−Bが、血管新生、特に筋肉の血管
新生に於いて役割を有する、内皮細胞に対する新規な増
殖因子であることを示している。虚血心臓又は四肢の側
枝動脈増殖は、タケシタ(Takeshita)他,Am.J.Patho
l.,147:1649−60(1995)に記載された技術を利用してV
EGF−B巨丸剤(bolus)を動脈投与することによって促
進させることができる。VEGF−Bの細胞結合は、血管新
生と内皮細胞増殖の調節にいくつかの関係を持っている
かもしれない。発育中の胚と、収縮性組織とに於いて、
細胞結合型VEGF−Bは、血管樹枝状組織の確立と維持と
の間に於ける過剰増殖内皮細胞に対する空間的指示(sp
atial cues)を提供するのかもしれない。それは、
又、その細胞結合を通じて、成人血管に於ける損傷を受
けた内皮の再生を支持することができるかもしれない。
動脈損傷の再内皮化は、アサハラ(Asahara)他,Circul
ation,91(11):2793−802(1995)によって記載された
技術を使用してVEGF−Bを直接的に適用することによっ
て促進させることができるであろう。VEGF−Bが、ヘテ
ロダイマーの形成によってVEGFの分泌を調整することが
できる能力は、VEGFシグナリングに於いてVEGF−Bが間
接的な役割を果たし、これによって、ポトジェンス(Po
tgens)他,J.Biol.Chem.,269(52):32879−85(1994)
に記載されているように、レセプター結合および/又は
活性化を調節すること、を示唆している。これらの増殖
因子の複数のヘテロダイマー複合体の形成は、内皮細胞
のための多様な調節シグナルのための基礎を提供するこ
とができるかもしれない。
VEGF−Bは、イン・ヴィトロで、内皮細胞の集団に対
する増殖因子として使用可能である。VEGF−Bは、望ま
しい血管新生、すなわち、新たな血管および毛細血管の
形成を促進するために使用可能である。タケシタ(Take
shita)他,前述、参照。たとえば、妊娠を開始および
/又は維持するための補助剤として、黄体や、子宮内膜
の発達を促進するのに有用であろう。又、その内皮細胞
に対する作用に依り、骨の修復にも有用であろう。VEGF
−Bの投与は、又、胚形成、更に、体の成長と血管の発
達と分化とを支持するのにも有用であろう。傷に対して
VEGF−Bを局所的に適用することは、傷の治癒を促進す
るのに有用であろうし、VEGF−Bを経口投与すること
は、胃および/又は十二指腸潰瘍の治癒を促進するのに
有用であろう。VEGF−Bの、ヘテロダイマーの形成によ
ってVEGFの分泌を調節する能力は、VEGFアゴニストが有
用であるような疾病に於いて、VEGF−Bの治療的な役割
を提供する可能性がある。前述のポトジェンス(Potgen
s)他,参照。
VEGF−Bは、中胚葉細胞に対して、直接的、又は、血
液供給に於ける改善を通じて、増殖効果を提供すること
ができる。
VEGF−Bは、メラノーマ等の腫瘍に於いて過剰に発現
されることが判っている。従って、VEGF−Bの発現のア
ッセイは、腫瘍の診断に於ける手段として使用すること
ができ、たとえば、モノクローナル抗体を使用した、VE
GF−B発現の抑制は、腫瘍の成長を遅延させるために有
用であろう。
VEGF−Bの腫瘍アッセイは、転移リスクのインジケー
ターとして有用であろう。たとえば、新血管新生と増殖
とを定量化するための、タカハシ(Takahashi)他,Canc
er Res.,55:3964−68(1995)によって記載されている
手順に類似するVEGF−B抗体の使用は、大腸癌からの転
移リスクのインジケータとして使用できるであろう。組
織化学による体液又は腫瘍自体におけるVEGF−Bのアッ
セイは腫瘍予知因子として有用であろう。コンドウ(Ko
ndo)他,Biochemica et Biophysica Acta,1221
(2):211−14(1994)によって記載されている手法に
類似のELISAは、腫瘍スクリーニングとしてVEGF−Bア
ップレギュレーションを検出するのに有用であろう。ブ
ーコック(Boocock)他,J.Natl.Cancer Inst.,87:506
−16(1995)によって記載されている技術を使用した、
VEGF−B発現の固相酵素免疫検定法は、卵巣がんの診断
指標として有用であろう。ウェインデル(Weindel)他,
Neurosurgery,35:439−48(1994)によって記載されて
いるVEGFアッセイに類似のVEGF−B発現のアッセイは、
脳腫瘍における悪性腫瘍のインジケーターとして有用で
あろう。
更に、腫瘍の成長には、血管新生が必要であることか
ら、VEGF−Bの投与は、抗腫瘍形成剤をテストするため
に、実験動物に於いて腫瘍の成長を促進するのにも有用
であろう。VEGF−Bは、又、腫瘍の低酸素症領域の微小
血管質を増加させ、それらを放射線、放射線増感剤に対
してより敏感にさせるのに有用であろう。
VEGF−Bの血管新生作用は、虚血状態を治療するのに
有用であろう。ボータース(Bauters)他,American Jo
urnal of Physiology,267(4 Pt2):H1263−7/(19
94)に記載されている技術によって、VEGF−Bの動脈内
巨丸剤(bolus)を投与することは、下肢虚血の治療
と、四肢に於ける潅流を増加させるのに有用であろう。
メスリ(Mesri)他,Circulation Research,76:161−67
(1995)によって記載されている手順を使用して、組織
虚血(たとえば、心筋虚血)を治療するために、VEGF−
Bを発現するウィルスを形質導入した繊維芽細胞を注射
した組織中で、血管新生反応を作り出すことができるで
あろう。VEGF−B又はアゴニストは、たとえば、心筋梗
塞、虚血四肢、深静脈血栓症、および/又は分娩後の血
管障害等の、動脈および/又は静脈閉塞に於ける側枝循
環の発達を刺激するために利用できるであろう。前出の
タケシタ(Takeshita)他を参照。
VEGF−B/VEGF−Bレセプターシステムは、新しい薬品
としての、開発のために、アゴニスト/アンタゴニスト
として小さな分子を検出するためのアッセイシステムと
して使用可能である。検出可能な小分子の具体例として
は、これらに限定されるものではないが、有機化学薬
品、ペプチド、およびRNA分子がある。
薬剤的有効量のVEGF−Bたん白質を、水、ミネラルオ
イル、ポリエチレングリコール、スターチ、タルカム、
ラクトース、増粘剤(thickener)、安定剤、懸濁剤、
等の単数又は複数の適当なキャリア又はアジュバントと
混合することによって、医薬組成物を作ることができ
る。このような組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、カプセ
ル、クリーム、膏薬、軟膏、その他の従来形状の形態と
することができる。
例7に示したように、VEGF−Bたん白質は、抗体を生
産するのにも使用することができる。一般に、従来式抗
体生産技術を使用して、VEGF−B抗体を生産することが
できる。たとえば、特異的モノクローナル抗体を、組換
えDNA発現によって得られた融合たん白質の免疫化を通
じて生産することができる。
標識化モノクローナル抗体は、特に、体内での異常な
レベルのVEGF−Bに関連する状態をスクリーニングする
のに有用であろう。たとえば、ファヴァ(Fava)他,Jou
rnal of Experimental Medicine,180:341−46(199
4)によって記載されている手法に類似の免疫蛍光測定
技術による滑液および/又は関節組織のVEGF−Bのアッ
セイは、慢性関節リウマチの診断インジケーターとして
有用であろう。アイロ(Aiello)他,in New England
Journal of Medicine,331(22):1480−87(1994)
によって記載されている技術を使用した眼液(occular
fluid)におけるVEGF−Bの放射線免疫検定法は、糖
尿病性網膜症、虹彩又は網膜血管閉塞の新血管新生の診
断インジケーターとして有用であろう。血液、尿、又は
その他の体液中のVEGF−Bレベルのイムノアッセイは、
腫瘍マーカーとしても有用であろう。前出のコンドウ
(Kondo)他,参照。VEGF−Bに対するこれらのモノク
ローナル抗体は、又、体内での高いレベルのVEGF−Bに
関連する血管新生の阻害において有用であり、たとえ
ば、哺乳類に於ける急速に増殖する血管新生依存性腫瘍
においては、この血管新生阻害によって、そのような腫
瘍の成長を遅延させることができるであろう。キム(Ki
m)他,in Nature,362(6243):841−44(1993)によっ
て記載されているものに類似の技術を使用した、VEGF−
Bに対して特異的なモノクローナル抗体による治療は、
イン・ヴィヴォでの腫瘍の成長を阻害又は抑制するため
に有用であろう。アサノ(Asano)他,in Cancer Rese
arch,55:5296−5301(1995)に記載されているような手
順を使用した、VEGF−Bに対するモノクローナル抗体の
静脈および/又は皮下注射は、新血管新生と、固形腫瘍
の一次および転移成長とを阻害するのに有用であろう。
ヒトの治療のためには、そのようなモノクローナル抗体
のchiaserization又はhumanizationが好ましい。治療
は、例えば10ないし500μg、好ましくは、50−100μg
のモノクローナル抗体を、週二回、腹膜内注射すること
によって行うことができる。
抗体等のVEGF−Bアンタゴニストは、又、糖尿病性網
膜症、乾癬関節症および/又は血管腫等の血管腫瘍にお
ける新しい血管を阻害するのにも有用であろう。アイロ
(Aiello)他,前出、参照。
以上の記載および例は、単に本発明を説明するために
記載されたものであって、限定することを意図したもの
ではない。当業者に於いては、本発明の精神および内容
を具体化している開示した実施例の改変がありうるであ
ろうから、本発明は、付随のクレームとその均等物の範
囲内に於けるすべてを含むものであると理解されるべき
である。
配列リスト (1)一般情報: (i) 出願人:エリクソン,ウルフ オロフソン,ビルギッタ アリターロ,カリ パジュソラ,カトリ (ii) 発明の名称:血管内皮増殖因子−Bとそれを
コードするDNA (iii) 配列の数:31 (iv) 連絡先: (A)宛名:エヴェンソン,マッケオウン,エド
ワーズ・アンド・レナハン (B)通り名:スイート 700 ジー・ストリート ノース・ウェスト 1200 (C)都市名 :ワシントン (D)州名 :ディーシー (E)国名 :アメリカ合衆国 (F)郵便番号:20005 (v) コンピュータ読み取り可能フォーム (A)媒体形式:フロッピーディスク (B)コンピュータ:IBM PC コンパティブル (C)オペレーティング・システム:PC−DOS/M
S−DOS (D)ソフトウェア:パテントイン(PatentI
n)リリース番号 1.0.ヴァージョン 1.25 (vi) 現在の出願データ: (A)出願番号:アメリカ (B)出願日 :1996年3月1日 (vii) 先の出願データ: (A)出願番号:アメリカ 08/397,651 (B)出願日 :1995年3月1日 (vii) 先の出願データ: (A)出願番号:アメリカ 08/469,427 (B)出願日 :1995年6月6日 (vii) 先の出願データ: (A)出願番号:アメリカ 08/569,063 (B)出願日 :1995年12月6日 (viii) 弁理士/代理人情報: (A)氏名 :エヴァンズ,ジョゼフ,ディ (B)登録番号:26,269 (C)参照/書類番号:1064/41979PCT (ix) 通信情報: (A)電話:(202)628−8800 (B)ファックス:(202)628−8844 (2)配列認識番号1の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:886塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (iii) ハイポセティカル配列:ノー (vi) 起源: (F)組織タイプ:マウス胚 (vii) 直接の起源: (B)クローン名:pcif2 (xi) 配列の記述:配列認識番号1: (2)配列認識番号2の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:102アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:タンパク質 (iii) ハイポセティカル配列:ノー (vi) 起源: (F)組織タイプ:マウス胚 (xi) 配列の記述:配列認識番号2: (2)配列認識番号3の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:55アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:タンパク質 (iii) ハイポセティカル配列:ノー (vi) 起源: (F)組織タイプ:マウス胚 (xi) 配列の記述:配列認識番号3: (2)配列認識番号4の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:565塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (iii) ハイポセティカル配列:ノー (vi) 起源: (F)組織タイプ:成体マウスの心臓 (xi) 配列の記述:配列認識番号4: (2)配列認識番号5の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:188アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:タンパク質 (iii) ハイポセティカル配列:ノー (vi) 起源: (F)組織タイプ:成体マウスの心臓 (xi) 配列の記述:配列認識番号5: (2)配列認識番号6の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:591塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (iii) ハイポセティカル配列:ノー (vi) 起源: (F)組織タイプ:成体マウスの心臓 (xi) 配列の記述:配列認識番号6: (2)配列認識番号7の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:195アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:タンパク質 (iii) ハイポセティカル配列:ノー (vi) 起源: (F)組織タイプ:成体マウスの心臓 (xi) 配列の記述:配列認識番号7: (2)配列認識番号8の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:405塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号8: (2)配列認識番号9の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:133アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:タンパク質 (xi) 配列の記述:配列認識番号9: (2)配列認識番号10の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:570塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (iii) ハイポセティカル配列:ノー (vi) 起源: (F)組織タイプ:ヒトの繊維肉腫 (xi) 配列の記述:配列認識番号10: (2)配列認識番号11の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:188アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:タンパク質 (iii) ハイポセティカル配列:ノー (vi) 起源: (F)組織タイプ:ヒトの繊維肉腫 (xi) 配列の記述:配列認識番号11: (2)配列認識番号12の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:624塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (iii) ハイポセティカル配列:ノー (vi) 起源: (F)組織タイプ:マウス (xi) 配列の記述:配列認識番号12: (2)配列認識番号13の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:207アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:タンパク質 (vi) 起源: (F)組織タイプ:マウス (xi) 配列の記述:配列認識番号13: (2)配列認識番号14の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:624塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (vi) 起源: (F)組織タイプ:ヒト (xi) 配列の記述:配列認識番号14: (2)配列認識番号15の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:207アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:タンパク質 (vi) 起源: (F)組織タイプ:ヒト (xi) 配列の記述:配列認識番号15: (2)配列認識番号16の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:13アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:ペプチド (xi) 配列の記述:配列認識番号16: (2)配列認識番号17の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:1550塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:DNA(ゲノム) (xi) 配列の記述:配列認識番号17: (2)配列認識番号18の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:20塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号18: (2)配列認識番号19の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:20塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号19: (2)配列認識番号20の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:21塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号20: (2)配列認識番号21の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:18アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:ペプチド (xi) 配列の記述:配列認識番号21: (2)配列認識番号22の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:23アミノ酸 (B)タイプ:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:ペプチド (xi) 配列の記述:配列認識番号22: (2)配列認識番号23の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:19塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号23: (2)配列認識番号24の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:31塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号24: (2)配列認識番号25の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:28塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号25: (2)配列認識番号26の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:23塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号26: (2)配列認識番号27の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:27塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号27: (2)配列認識番号28の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:21塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号28: (2)配列認識番号29の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:21塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号29: (2)配列認識番号30の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:20塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号30: (2)配列認識番号31の情報: (i) 配列特徴: (A)長さ:21塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の記述:配列認識番号31:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 35/00 C07K 16/22 C07K 14/515 G01N 33/53 D 16/22 33/566 C12N 5/10 C12P 21/02 G01N 33/53 21/08 33/566 C12N 15/00 ZNAA // C12P 21/02 5/00 B 21/08 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 569,063 (32)優先日 平成7年12月6日(1995.12.6) (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 オロフソン,ビルギッタ スウェーデン国 エス−117 26 スト ックホルム クリング ホルンスガタン 106 3 ティアール (72)発明者 アリターロ,カリ フィンランド国 エフアイエヌ−02100 エスポー ニーリキンティエ 4 エ イ (72)発明者 パジュソラ,カトリ フィンランド国 エフアイエヌ−00900 ヘルシンキ カステホルマンティエ 4 エイ 8 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 A61K 38/00 A61K 39/395 A61P 9/00 A61P 35/00 C07K 14/515 C07K 16/22 C12N 5/10 G01N 33/53 G01N 33/566 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (59)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特徴的なアミノ酸配列 を有し、内皮細胞又は中胚葉細胞の増殖を促進する特性
    を有するたん白質をコードする単離核酸であって、 前記核酸は、図1および2のDNA(配列認識番号1)
    と、図3のDNA(配列認識番号4)と、図5のDNA(配列
    認識番号6)と、図7のDNA(配列認識番号8)と、図1
    0のDNA(配列認識番号10)と、図12のDNA(配列認識番
    号12)と、図14のDNA(配列認識番号14)と、前記DNA配
    列の少なくとも一つとストリンジェントな条件下でハイ
    ブリダイズする核酸とから成るグループから選択される
    単離核酸。
  2. 【請求項2】前記核酸はcDNAである請求項1の核酸。
  3. 【請求項3】図1および2のDNA(配列認識番号1)に
    対応するcDNAを有する請求項1の核酸。
  4. 【請求項4】核酸配列が哺乳類DNAである請求項1の核
    酸。
  5. 【請求項5】前記核酸はマウスDNAである請求項4の核
    酸。
  6. 【請求項6】前記核酸はヒトDNAである請求項4の核
    酸。
  7. 【請求項7】前記核酸は血管内皮細胞の増殖を促進する
    たん白質をコードする 請求項1の核酸。
  8. 【請求項8】図3のDNA(配列認識番号4)に対応するc
    DNAを有する請求項1の核酸。
  9. 【請求項9】図5のDNA(配列認識番号6)に対応するc
    DNAを有する請求項1の核酸。
  10. 【請求項10】図7のDNA(配列認識番号8)に対応す
    るcDNAを有する請求項1の核酸。
  11. 【請求項11】図10のDNA(配列認識番号10)に対応す
    るcDNAを有する請求項1の核酸。
  12. 【請求項12】図12のDNA(配列認識番号12)に対応す
    るcDNAを有する請求項1の核酸。
  13. 【請求項13】図14のDNA(配列認識番号14)に対応す
    るcDNAを有する請求項1の核酸。
  14. 【請求項14】プロモーター配列と操作可能にリンクさ
    れた請求項1の核酸を有するベクター。
  15. 【請求項15】前記ベクターは真核ベクターである請求
    項14のベクター。
  16. 【請求項16】前記ベクターは原核ベクターである請求
    項14のベクター。
  17. 【請求項17】前記ベクターはプラスミドである請求項
    14のベクター。
  18. 【請求項18】特徴的な配列 を示し、内皮細胞又は中胚葉細胞の増殖を促進する特性
    を有する単離たん白質であって、前記たん白質は、図1
    のアミノ酸配列(配列認識番号2)と、図2のアミノ酸
    配列(配列認識番号3)と、図4のアミノ酸配列(配列
    認識番号5)と、図6のアミノ酸配列(配列認識番号
    7)と、図8のアミノ酸配列(配列認識番号9)と、図
    11のアミノ酸配列(配列認識番号11)と、図13のアミノ
    酸配列(配列認識番号13)と、図15のアミノ酸配列(配
    列認識番号15)とから成るグループから選択されるアミ
    ノ酸配列に対応するアミノ酸配列、若しくは、前記図1
    のアミノ酸配列(配列認識番号2)と、図2のアミノ酸
    配列(配列認識番号3)から選択されるアミノ酸配列に
    おいてN−末端と、リーダー配列が付加されたアミノ酸
    配列、若しくは、前記図4のアミノ酸配列(配列認識番
    号5)と、図6のアミノ酸配列(配列認識番号7)と、
    図8のアミノ酸配列(配列認識番号9)と、図11のアミ
    ノ酸配列(配列認識番号11)と、図13のアミノ酸配列
    (配列認識番号13)と、図15のアミノ酸配列(配列認識
    番号15)とから成るグループから選択されるアミノ酸配
    列においてシグナル配列が欠失されたアミノ酸配列を有
    する単離たん白質。
  19. 【請求項19】前記たん白質は、図1のアミノ酸配列
    (配列認識番号2)に対応するアミノ酸配列を有する請
    求項18の単離たん白質。
  20. 【請求項20】前記たん白質は、図2のアミノ酸配列
    (配列認識番号3)に対応するアミノ酸配列を有する請
    求項18の単離たん白質。
  21. 【請求項21】前記たん白質は、図4のアミノ酸配列
    (配列認識番号5)に対応するアミノ酸配列を有する請
    求項18の単離たん白質。
  22. 【請求項22】前記たん白質は、図6のアミノ酸配列
    (配列認識番号7)に対応するアミノ酸配列を有する請
    求項18の単離たん白質。
  23. 【請求項23】前記たん白質は、図8のアミノ酸配列
    (配列認識番号9)に対応するアミノ酸配列を有する請
    求項18の単離たん白質。
  24. 【請求項24】前記たん白質は、図11のアミノ酸配列
    (配列認識番号11)に対応するアミノ酸配列を有する請
    求項18の単離たん白質。
  25. 【請求項25】前記たん白質は、図13のアミノ酸配列
    (配列認識番号13)に対応するアミノ酸配列を有する請
    求項18の単離たん白質。
  26. 【請求項26】前記たん白質は、図15のアミノ酸配列
    (配列認識番号15)に対応するアミノ酸配列を有する請
    求項18の単離たん白質。
  27. 【請求項27】前記たん白質は哺乳類たん白質である請
    求項18の単離たん白質。
  28. 【請求項28】前記たん白質はマウスたん白質である請
    求項27の単離たん白質。
  29. 【請求項29】前記たん白質はヒトたん白質である請求
    項27の単離たん白質。
  30. 【請求項30】前記たん白質は血管内皮細胞の増殖を促
    進する請求項18の単離たん白質。
  31. 【請求項31】特徴的な配列 を示し、内皮細胞又は中胚葉細胞の増殖を促進する特性
    を有するたん白質であって、 図1および2のDNA(配列認識番号1)と、図3のDNA
    (配列認識番号4)と、図5のDNA(配列認識番号6)
    と、図7のDNA(配列認識番号8)と、図10のDNA(配列
    認識番号10)と、図12のDNA(配列認識番号12)と、図1
    4のDNA(配列認識番号14)と、前記DNA配列の少なくと
    も一つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
    るDNAとから成るグループから選択されるDNAの発現によ
    って作り出される単離たん白質。
  32. 【請求項32】内皮細胞又は中胚葉細胞の増殖を促進す
    るのに有効な量の請求項18のたん白質と、少なくとも一
    つの従来式製薬用キャリア又は希釈剤とを有する医薬組
    成物。
  33. 【請求項33】請求項18のたん白質と反応する抗体。
  34. 【請求項34】前記抗体はモノクローナル抗体である請
    求項33の抗体。
  35. 【請求項35】請求項14のベクターによってトランスフ
    ォーメーション又はトランスフェクションされて、内皮
    細胞又は中胚葉細胞の増殖を促進する特徴を有するたん
    白質を発現する宿主細胞。
  36. 【請求項36】前記宿主細胞は真核細胞である請求項35
    のトランスフェクションされた宿主細胞。
  37. 【請求項37】前記宿主細胞はCOS細胞である請求項35
    のトランスフェクションされた宿主細胞。
  38. 【請求項38】前記宿主細胞は原核細胞である請求項35
    のトランスフェクションされた宿主細胞。
  39. 【請求項39】前記宿主細胞は293EBNA細胞である請求
    項35のトランスフェクションされた宿主細胞。
  40. 【請求項40】前記宿主細胞は昆虫細胞である請求項35
    のトランスフェクションされた宿主細胞。
  41. 【請求項41】サンプル中のVEGF−Bの量を検出するた
    めに、VEGF−Bと反応する請求項33の抗体を有する、テ
    ストサンプル中のVEGF−Bを定量的に検出するための診
    断キット。
  42. 【請求項42】前記抗体は標識化抗体である請求項41の
    診断キット。
  43. 【請求項43】テストVEGF−B遺伝子と請求項1の核酸
    配列との配列比較を容易にするために、ポリメラーゼ連
    鎖反応によってテストVEGF−B遺伝子を増幅するため
    に、請求項1の核酸配列に対して相補的な少なくとも一
    対のプライマーを有する、テストサンプル中のVEGF−B
    を検出するための診断キット。
  44. 【請求項44】有効VEGF−B結合量の請求項33の抗体
    と、少なくとも一つの薬学的に許容可能なキャリア又は
    アジュバントと、を有する医薬組成物。
  45. 【請求項45】内皮細胞又は中胚葉細胞の増殖を促進す
    るのに有効な量の請求項18のたん白質と、VEGFとを有す
    る医薬組成物。
  46. 【請求項46】更に、細胞増殖促進量の前記たん白質
    が、細胞と結合しない状態で存在することを確実にする
    のに有効な量のヘパリンを有する請求項45の医薬組成
    物。
  47. 【請求項47】更に、細胞増殖促進量の前記たん白質
    が、細胞と結合しない状態で存在することを確実にする
    のに有効な量のヘパリンを有する請求項32の医薬組成
    物。
  48. 【請求項48】血管新生の刺激に有効な量の請求項18の
    たん白質と、ヘパリンとを有する医薬組成物。
  49. 【請求項49】請求項18のたん白質を有する単離たん白
    質ダイマー。
  50. 【請求項50】前記たん白質ダイマーは前記たん白質の
    ホモダイマーである請求項49の単離たん白質ダイマー。
  51. 【請求項51】前記たん白質ダイマーは前記たん白質と
    VEGFとのヘテロダイマーである請求項49の単離たん白質
    ダイマー。
  52. 【請求項52】前記たん白質ダイマーはジスルフィド−
    結合ダイマーである請求項49の単離たん白質ダイマー。
  53. 【請求項53】請求項18記載の単離たん白質のうち少な
    くとも一つのたん白質を、その少なくとも1つのたん白
    質を発現する細胞から放出させるのを促進する方法、若
    しくは、請求項18記載の単離たん白質のうち少なくとも
    一つのたん白質とVEGFを、その少なくとも1つのたん白
    質とVEGFが組み合わされて発現する細胞から放出させる
    のを促進する方法であって、前記細胞をヘパリンに対し
    て露出する工程を有する方法。
  54. 【請求項54】VEGF−Bたん白質を発現するべく、適当
    なプロモーターに操作可能にリンクされた、請求項1の
    核酸配列を有するベクターでトランスフォーメーション
    又はトランスフェクションされた宿主細胞。
  55. 【請求項55】前記VEGF−Bたん白質は、図1のアミノ
    酸配列(配列認識番号2)と、図2のアミノ酸配列(配
    列認識番号3)と、図4のアミノ酸配列(配列認識番号
    5)と、図6のアミノ酸配列(配列認識番号7)と、図
    8のアミノ酸配列(配列認識番号9)と、図11のアミノ
    酸配列(配列認識番号11)と、図13のアミノ酸配列(配
    列認識番号13)と、図15のアミノ酸配列(配列認識番号
    15)とから成るグループから選択されるアミノ酸配列に
    対応するアミノ酸配列、若しくは、前記図1のアミノ酸
    配列(配列認識番号2)と、図2のアミノ酸配列(配列
    認識番号3)から選択されるアミノ酸配列においてN−
    末端と、リーダー配列が付加されたアミノ酸配列、若し
    くは、前記図4のアミノ酸配列(配列認識番号5)と、
    図6のアミノ酸配列(配列認識番号7)と、図8のアミ
    ノ酸配列(配列認識番号9)と、図11のアミノ酸配列
    (配列認識番号11)と、図13のアミノ酸配列(配列認識
    番号13)と、図15のアミノ酸配列(配列認識番号15)と
    から成るグループから選択されるアミノ酸配列において
    シグナル配列が欠失されたアミノ酸配列からなる請求項
    54の宿主細胞。
  56. 【請求項56】請求項1の核酸配列に対して相補的な少
    なくとも一対のプライマーを有するテストサンプル中の
    VEGF−Bを検出するための診断キット。
  57. 【請求項57】請求項18記載の単離たん白質のうち少な
    くとも一つのたん白質を、その少なくとも1つのたん白
    質を発現する細胞から放出させるのを促進する方法、若
    しくは、請求項18記載の単離たん白質のうち少なくとも
    一つのたん白質とVEGFを、その少なくとも1つのたん白
    質とVEGFが組み合わされて発現する細胞から放出させる
    のを促進する方法であって、前記ヘパリンに対して露出
    して前記少なくとも1つのたん白質、若しくは、前記少
    なくとも1つのたん白質とVEGF−Bの組み合わせの放出
    を誘発させる工程と、放出されたたん白質を収集する工
    程、とを有する方法。
  58. 【請求項58】請求項1のヌクレオチド配列を、適当な
    プロモーターと操作可能にリンクされた関係で、ベクタ
    ーに導入する工程を有するVEGF−Bたん白質の発現に適
    したベクターを作る方法。
  59. 【請求項59】マウスVEGF−Bをコードし、図1及び2
    のDNA(配列認識番号1)と、図3のDNA(配列認識番号
    4)と、図5のDNA(配列認識番号6)と、図7のDNA
    (配列認識番号8)と、図12のDNA(配列認識番号12)
    とのいずれかに対応する核酸分子とハイブリダイズする
    ヒトVEGF−Bポリペプチドをコードする単離核酸分子で
    あって、50%ホルムアミド、 5xSSCpH7.0又は5xSSPE緩衝液、1%ないし2%のSDS、
    5ないし10xデンハルト溶液、そして、100μg/mlの鮭精
    子DNA中に於いて、42℃で、ハイブリダイズする前記単
    離核酸分子。
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